JP2001284116A - 磁性薄板、積層磁心及びそれらの製造方法 - Google Patents
磁性薄板、積層磁心及びそれらの製造方法Info
- Publication number
- JP2001284116A JP2001284116A JP2000100961A JP2000100961A JP2001284116A JP 2001284116 A JP2001284116 A JP 2001284116A JP 2000100961 A JP2000100961 A JP 2000100961A JP 2000100961 A JP2000100961 A JP 2000100961A JP 2001284116 A JP2001284116 A JP 2001284116A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin plate
- magnetic thin
- magnetic
- laminated
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims description 27
- 229910001092 metal group alloy Inorganic materials 0.000 claims abstract description 20
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 claims abstract description 20
- 238000010030 laminating Methods 0.000 claims abstract description 12
- 238000004080 punching Methods 0.000 claims abstract description 6
- 238000003825 pressing Methods 0.000 claims description 27
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 22
- 238000010008 shearing Methods 0.000 claims description 8
- 239000002178 crystalline material Substances 0.000 claims description 3
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 abstract description 24
- 230000004927 fusion Effects 0.000 abstract 1
- 238000003466 welding Methods 0.000 description 21
- 239000000463 material Substances 0.000 description 12
- 238000005498 polishing Methods 0.000 description 9
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 8
- 239000000696 magnetic material Substances 0.000 description 5
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 4
- 238000003475 lamination Methods 0.000 description 4
- 229910000889 permalloy Inorganic materials 0.000 description 4
- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 4
- 229910001004 magnetic alloy Inorganic materials 0.000 description 3
- 239000000843 powder Substances 0.000 description 3
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 2
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 2
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 2
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 2
- 238000011282 treatment Methods 0.000 description 2
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 1
- 230000002950 deficient Effects 0.000 description 1
- 238000011161 development Methods 0.000 description 1
- 238000011835 investigation Methods 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 230000000750 progressive effect Effects 0.000 description 1
Landscapes
- Soft Magnetic Materials (AREA)
- Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
Abstract
性を向上させ、かつ積層した際に占積率に優れた磁性薄
板の提供。 【解決手段】 金属合金薄板を打抜いて得られる磁性薄
板であって、その厚さが1mm以下であり、かつ主面外
周縁部内側に形成された凸部の高さが、5μm以下であ
るもの。
Description
ンス等に用いられるものであって、特に作業性、積層性
に優れた磁性薄板、積層磁心及びそれらの製造方法に関
する。
えば帯状薄板材を順送り金型装置等で間欠移送させなが
ら、この帯状薄板材の磁性薄板となる部分をプレス装置
でプレスすることにより行っていた。従来の装置では、
このプレスは、一方向からのパンチのみであったため、
図9に示されるように、得られる磁性薄板16には主面
外周縁部内側17にバリなどと呼ばれる凸部18が形成
されることが避けられなかった。
されていると、次に行われる熱処理工程で磁性薄板どう
しが溶着してしまうことが多かった。溶着現象が起きる
と、その後積層工程に適用することができず不良となっ
ていた。このような溶着現象を防止するために磁性薄板
を1枚1枚個別に熱処理することも可能であるが、スペ
ース的に1度に熱処理できる枚数に限りがあることから
製造効率が必ずしもよい方法ではなかった。そのため磁
性薄板を縦もしくは横に重ねた状態で熱処理することは
製造効率の観点から重要なことであった。また、主面外
周縁部内側17に凸部18が形成されていると、熱処理
中に反り等の変形が生じてしまう恐れがあり、特にE型
形状を初めとする角部分の多い磁性薄板では前述のよう
に、磁性薄板を縦もしくは横に重ねた状態で熱処理する
ことは必要であった。さらに、主面外周縁部内側にバリ
等の凸部が存在すると、図10に示されるように、磁性
薄板16を積層した際に、磁性薄板16間に空間19が
形成されてしまい、占積率低下をもたらし、磁気特性の
低下につながってしまうことがあった。
多い磁性薄板では、このようなバリが各角部分で発生す
るため、積層磁心の特性低下が顕著になっていた。
用いられている。特に高速通信技術の発展に伴いモデム
用トランスに用いる磁心として、種々の磁性材料からな
る積層磁心が適用されるようになっている。しかしなが
ら、従来の磁性薄板は上述のようなバリ等の凸部が存在
することから占積率の向上が図れずモデム用トランスに
用いた場合、必ずしも特性が十分ではなかった。
向からのプレスにより作製された磁心用薄板には、主面
外周縁部にバリなどが形成され、熱処理の際の溶着や反
りの発生原因となっている。
研磨等により除去することが考案されている。しかしな
がら、このような研磨には精度の高い技術と、処理のた
めの時間が要求される。例えば、このような研磨方法の
一例としてバレル研磨が挙げられる。しかしながら、E
型形状のような角部分の多い多角形状の磁性薄板にバレ
ル研磨を適用したとしても各角部分に存在する凸部を完
全に削り落とすことは難しかった。また、他の方法とし
て直接的に凸部を削り落とす方法があるが、このような
方法では製造時間が必要以上にかかってしまい、特に磁
性薄板を多数枚積層する場合にはコストアップにつなが
っていた。
処理の際に、台の上もしくは各磁性薄板間に溶着防止の
ための粉を引くことによって、溶着や反りを防止するこ
とも試みられている。このような方法により、溶着や反
り等に対して一定の効果が認められている。しかしなが
ら、熱処理の際に用いた粉を磁性薄板から完全に除去す
ることは難しく、これらの磁性薄板を積層した際に、こ
れらの粉が磁性薄板間に残ってしまい、占積率の低下が
発生し、積層磁心の特性低下を招いてしまうこととなっ
た。
ためになされたものであって、作製が容易で、積層性に
優れた磁性薄板を提供することを目的としている。ま
た、本発明は、前記した磁性薄板を用いて作製され、占
積率に優れ、特にモデム用磁心に適した積層磁心を提供
することを目的としている。さらに、本発明はこれら磁
性薄板、積層磁心を効率的に作製する方法を提供するこ
とを目的としている。
属合金薄板を打抜いて得られる磁性薄板であって、前記
磁性薄板の主面外周縁部内側に形成された凸部の高さ
が、5μm以下であることを特徴とするものである。
凸部は、主面外周縁部より20μm以下の範囲に形成さ
れていることが好ましい。前記磁性薄板の側面部に形成
された凸部の高さは10μm以下であることが好まし
い。さらに、前記磁性薄板は、厚さが1mm以下である
ことが好ましい。
を熱処理することによって得られる磁性薄板であって、
前記磁性薄板の平面度が、0.02mm以下であること
を特徴とするものである。
れる前記金属合金薄板は、主として軟磁性薄板からなる
ことが好ましい。
してなることを特徴とするものである。本発明の積層磁
心は、占積率が90%以上であることが好ましい。特
に、本発明の積層磁心ではモデム用積層磁心として適用
することが好ましく、このような分野に適用すると高周
波歪み率を向上させることができる。
薄板の一方よりプレスすることにより、前記金属合金薄
板の厚さの一部を剪断加工する工程と、前記金属合金薄
板の他方よりプレスし、前記剪断加工を行った部分を平
押しする工程と、前記平押しを行った部分を、前記平押
し工程と同一の方向より再度プレスすることにより打抜
く工程とを具備することを特徴とするものである。
合金薄板の厚さの1/4以上3/4以下の範囲で行うこ
とが好ましい。また、前記磁性薄板はさらに熱処理する
ことが好ましい。本発明の磁性薄板の製造に用いられる
前記金属合金薄板は、結晶質材料よりなることが好まし
い。
磁性薄板の製造方法により磁性薄板を製造する工程と、
前記磁性薄板を積層する工程とを具備することを特徴と
している。
形成される凸部の高さを、5μm以下とすることによっ
て、磁性薄板を熱処理する際の台または他の磁性薄板と
の溶着を抑制し、作業性を向上させるとともに、磁性薄
板を効率的に積層させることが可能となる。
範囲とすることでより一層、台または他の磁性薄板との
溶着を抑制し、磁性薄板を効率的に積層させることが可
能となる。
磁性薄板の厚さが1mm以下の場合に有効であり、積層
した場合に占積率を向上させることが可能となる。
処理した後の平面度を0.02mm以下とすることによ
って、より一層占積率を向上させることが可能となる。
からなるものとすることで、積層磁心の磁気特性を向上
させることができる。
積層してなるものであり、磁気特性に優れたものであ
る。積層磁心の占積率を90%以上とすることによって
より一層磁気特性の向上が可能となる。
薄板の一方よりプレスすることにより、前記金属合金薄
板の厚さの一部を剪断加工し、次に前記金属合金薄板の
他方よりプレスし、前記剪断加工を行った部分を平押し
し、さらに前記平押しを行った部分を、前記平押し工程
と同一の方向より再度プレスし打抜くことにより、磁性
薄板の主面外周縁部内側のバリの発生を抑制することが
可能となる。このとき、剪断加工を金属板の厚さの1/
4以上3/4以下の範囲で行うことにより、磁性薄板の
主面外周縁部内側のバリの発生をより一層抑制すること
が可能となる。
磁性薄板を積層するものであり、占積率に優れるため、
磁気特性に優れた積層磁心の製造が可能となる。
て説明する。
ある。本発明の磁性薄板1においては、磁性薄板の主面
外周縁部内側2に、従来の磁性薄板のような高い凸部が
なく、主として磁性薄板の側面部3に凸部4が存在する
ものである。ここでいう凸部とは、磁性薄板の加工の際
に発生する、例えばバリなどと呼ばれる部分のことであ
る。
在しないため、熱処理において、台または他の磁性薄板
との溶着を抑制することができる。また、主面に高い凸
部が存在しないため、熱処理中に磁性薄板の湾曲、反り
等の変形が発生するのを抑制することが可能となる。
面図である。主面外周縁部内側2に存在する凸部5は、
高さをHとし幅をLとすると、 H≦5μm L≦20μm である。
際、隣接する磁性薄板の凸部どうしが接触するため、凸
部どうしが溶着しやすくなる。また、凸部の高さが5μ
mを超えると、熱処理の際に磁性薄板に湾曲、反り等の
変形が生じやすくなる。磁性薄板どうしを縦もしくは横
に重ねた状態で熱処理を行った場合に影響を受けやす
い。また、E型形状のような角部分の多い形状において
も湾曲、反り等の影響を受けやすくなってしまう。従っ
て、凸部の高さを5μm以下とすることによって、この
ような磁性薄板の溶着及び変形を抑制することが可能と
なる。
部4の高さをWとすると、 W≦10μm であることが好ましい。側面部の高さWを10μm以下
とすることによって、磁心としての寸法精度が安定し、
積層したときに側面がずれることなく積層することが可
能となる。
とした場合、 Z≦1mm のものに用いることが好ましい。磁性薄板の厚さZが1
mmを超える場合には、これらを積層しても、凸部5に
よる占積率の低下はあまり問題とならない。また、磁性
薄板の厚さZが1mmを超える場合には、熱処理による
変形等も発生しにくい。このような占積率や変形が問題
となるのは、磁性薄板の厚さが薄いとき、つまり厚さZ
が1mm以下の場合である。よって、本発明を、厚さ1
mm以下の磁性薄板に適用することによって、より一層
占積率を向上させ、磁気特性を向上させることができ
る。なお、本発明の厚さZは両球マイクロメーターによ
り求めた数値とする。
後の磁性薄板を側面から見た場合の外観図である。本発
明の磁性薄板では、平面度をSとした場合、 S≦0.02mm であることが好ましい。ここでいう平面度とは、平面度
(S)=(平面度公差t−板厚Z)で表されるものであ
り、平面度公差tとはJIS−B−0021「18.2
平面度公差」で定められたものである。磁性薄板の平
面度Sが0.02mmを超えると、これらを積層して積
層磁心等を作製した場合に占積率が低下し、磁気特性が
低下する恐れがある。本発明では、磁性薄板の主面に形
成される凸部の高さを5μm以下とすることによって、
平面度Sを0.02mm以下とすることができる。
磁性材料からなるものが好ましい。磁性薄板に軟磁性材
料を用いることによって、積層磁心等を作製した場合
に、磁気特性を大幅に向上させることができる。このよ
うな軟磁性体としては、例えばパーマロイ等の結晶質材
料や、アモルファス等の非晶質材料を用いることができ
る。
が、本発明の磁性薄板は図1に示されるような円板状の
ものに限られず、例えば図4に示されるようなE型をし
たようなものにも有効である。図4に示されるような、
角部分6、7、8等の多い形状のものは、角部分の主面
上に、高い凸部が形成されるため、これが熱処理の際の
溶着や変形を発生させてしまう。従って、このような形
状のものに本発明を適用することによって、熱処理の際
の溶着や変形を抑制することが可能となり、かつこれら
を積層させた場合、占積率を向上させることが可能とな
る。
る。
である。本発明の積層磁心は、上記した本発明の磁性薄
板1を積層して得られるものである。本発明の磁性薄板
1は、主面外周縁部の凸部の高さが5μm以下と低く、
かつ変形等も少ないため、これらを積層した本発明の積
層磁心は占積率が高く、磁気特性に優れたものである。
本発明の積層磁心の占積率は好ましくは、90%以上で
ある。これは、占積率が90%未満であると、磁気特性
が低くなるため実用的でなくなるためである。ここで、
占積率とは、積層磁心の積層方向の断面積において、磁
性薄板全体が占める面積比率のことである。
説明する。図6〜図8は、本発明の磁性薄板を製造する
際の工程を順に示したものである。
状態を示したものである。磁性薄板の材料となる基材9
は、その上下を上型10及び下型11によって挟まれて
いる。また、上型10及び下型11には基材をプレスす
るための上パンチ12、下パンチ13が挿入される孔1
4、15が設けられている。上型10及び下型11の孔
14、15は、上パンチ12、下パンチ13の径よりも
若干大きめとなっている。
工程を示したものである。上パンチ12をプレスするこ
とにより基材9を剪断加工する。この際、基材9を完全
に打抜かないで、一部分が他の基材9とつながった状態
にしておくことが好ましい。このようなプレスの幅とし
ては、プレス幅をP、基材の厚さをZとした場合、(1
/4)・Z ≦ P ≦ (3/4)・Zの範囲とする
ことが好ましい。プレス幅Pを(1/4)・Z未満とす
ると、従来のプレスによる磁性薄板の製造とあまり変わ
りがなく、抜き落としの際に磁性薄板の主面外周円部内
側に高い凸部が形成されてしまうおそれがある。また、
プレス幅Pを(3/4)・Zを超えるものとすると、最
初の剪断加工において高い凸部が形成され、抜き落とし
後も前記凸部が残ってしまうことがある。
とによって、磁性薄板の主面外周円部内側に形成される
凸部の高さを抑えることができる。
ンチ13により、前記方向と逆方向よりプレスを行い、
基材9と磁性薄板となる部分の高さを合わせた状態を示
したものである。さらに、この後、下パンチ13により
プレスを行い磁性薄板となる部分を打抜くことによって
本発明の磁性薄板を作製することができる。
らプレスを行い、次に下パンチにより下方からプレスを
行い、分割してプレスを行うことによって、磁性薄板の
主面上に凸部が形成されるのを抑制することが可能とな
る。また、このような上方及び下方からのプレスは、複
数回行っても良く、基材の材質や厚さ等により適宜に選
択することができる。基材としては、磁気特性に優れる
軟磁性体を用いることが好ましい。また、このような主
面上の凸部は、特に基材の厚さが薄い場合に問題となる
ため、基材の厚さが1mm以下の場合に有効である。
性薄板の主面上の凸部の高さを大幅に抑えることがで
き、これにより熱処理の際の溶着を抑制し、作業性を向
上させることができる。また、積層した場合において
も、主面上の凸部の高さが低いため占積率を向上させる
ことができる。
られた磁性薄板を積層することによって作製することが
でき、主面上の凸部が非常に低いため、積層した場合の
占積率に優れ、磁気特性を向上させることが可能とな
る。
高さが、熱処理の際の溶着に及ぼす影響について調査を
行った。また、これらの磁性薄板を用いて積層磁心を作
製した場合の磁気特性等についても調査を行った。
mのパーマロイ磁性合金薄板を図7に示されるように、
まず上方よりパーマロイ磁性合金薄板をプレスし、次に
図8に示すようにパーマロイ磁性合金薄板と磁性薄板と
なる部分が同じ高さになるように下方よりプレスを行
い、さらに下方よりプレスし打抜くことにより作製した
(プッシュバック方式)。この際、磁性薄板の主面上に
発生するバリ高さの調整は、最初のプレス加工の際のプ
レス幅を変化させることにより行った、これらを本発明
の実施例1、2とした。
のみからプレスを行い磁性薄板を作製した(抜き落とし
方式)。これらのうち、プレス加工の後にバレル研磨を
行い、バリを研磨したものを比較例1、またバリ研磨を
行わなかったものを比較例2とした。
薄板の主面上のバリ高さ、平面度を表1に示す。
30枚主面を接触させた積層状態で立てて台の上に配置
して熱処理を行い、その際の溶着強度を測定した。溶着
強度は、磁性薄板どうしを離す際に要する力(剥離力)
を測定することにより行った。ここで、測定結果は、各
実施例及び比較例について30枚×3回ずつ行った際
の、測定値の範囲を表したものである。
して積層磁心を作製し、それらの占積率及び磁気特性
(1kHzにおけるトランスインダクタンス特性)を調
べた。これらの結果を表2に示す。
高さが低く平面度に優れるために、熱処理の際に溶着が
抑制され、剥離力が低く作業性に優れることが分かっ
た。これに対して、一方向のみからプレスを行った比較
例1、2では、プレス後に研磨をしなかったものについ
ては、剥離力が非常に高くなることがわかった。また、
プレス後に研磨を行ったものにおいても、剥離力が若干
高く、作業性に劣ることが分かった。
は、本発明の実施例では占積率に優れているため、トラ
ンスインダクタンス特性が高い値となった。これに対し
て、比較例では、研磨によりバリ高さを低くしたもので
も占積率が若干低くなりトランスインダクタンス特性が
低くなった。また、バリを研磨しなかったものでは、さ
らに占積率が低くなりトランスインダクタンス特性も低
い値となった。
ス後に研磨等の特別な処理を行わなくても、熱処理の際
の溶着を抑制し、十分に剥離力を低減させることが可能
となることがわかった。また、本発明の磁性薄板はバリ
高さが低くかつ平面度に優れるため、これらを積層した
本発明の積層磁心は占積率が高く、磁気特性に優れるも
のであることがわかった。次に、実施例1、2の積層磁
心をモデムに組み込んだときの1kHzにおける高周波
歪み率(dB)を測定した結果を表3に示す。この高周
波歪み率とは、モデムの性能を示すために使われるパラ
メータのことで、波形をどれだけ正確に伝えることがで
きるかを示すものであり、マイナスが大きいほど優れた
モデムであることを示すものである。
たものはいずれも高周波歪み率が−80以下と優れた特
性を示すことがわかった。
心はモデム等の波形信号(パルス信号)を取り扱う分野
の機器において優れた効果を発揮するものであることが
わかる。
凸部の高さが低いため、熱処理の際に溶着や反り等が発
生するのを抑制することが可能となる。従って、溶着や
反り等による不良品発生を抑制するとともに、作業性等
も向上させることができる。また、本発明の磁性薄板は
主面上に形成される凸部の高さが低いため、これらを効
率的に積層することが可能となる。本発明の磁性薄板を
用いて作製される積層磁心は、占積率に優れ、磁気特性
に優れるものである。特に、本発明の積層磁心はモデム
用磁心として優れた効果を発揮するものである。
の際の溶着や反り等を抑制した磁性薄板を容易に作製す
ることが可能となる。また、本発明の積層磁心の製造方
法では、占積率及び磁気特性等に優れる積層磁心を効率
的に作製することが可能となる。
図。
図。
図。
図。
Claims (14)
- 【請求項1】 金属合金薄板を打抜いて得られる磁性薄
板であって、 前記磁性薄板の主面外周縁部内側に形成された凸部の高
さが、5μm以下であることを特徴とする磁性薄板。 - 【請求項2】 前記磁性薄板の主面外周縁部に形成され
た凸部は、主面外周縁部より20μm以下の範囲に形成
されていることを特徴とする請求項1記載の磁性薄板。 - 【請求項3】 前記磁性薄板の側面部に形成された凸部
の高さが10μm以下であることを特徴とする請求項1
乃至2のいずれか1項記載の磁性薄板。 - 【請求項4】 前記磁性薄板は、厚さが1mm以下であ
ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載
の磁性薄板。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項記載の磁
性薄板を熱処理することによって得られる磁性薄板であ
って、 前記磁性薄板の平面度が、0.02mm以下であること
を特徴とする磁性薄板。 - 【請求項6】 前記金属合金薄板は、主として軟磁性薄
板からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
1項記載の磁性薄板。 - 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項記載の磁
性薄板を積層してなることを特徴とする積層磁心。 - 【請求項8】 占積率が90%以上であることを特徴と
する請求項7記載の積層磁心。 - 【請求項9】 モデムに適用するための磁心であること
を特徴とする請求項7または8記載の積層磁心。 - 【請求項10】 金属合金薄板の一方よりプレスするこ
とにより、前記金属合金薄板の厚さの一部を剪断加工す
る工程と、 前記金属合金薄板の他方よりプレスし、前記剪断加工を
行った部分を平押しする工程と、 前記平押しを行った部分を、前記平押し工程と同一の方
向より再度プレスすることにより打抜く工程とを具備す
ることを特徴とする磁性薄板の製造方法。 - 【請求項11】 前記金属合金薄板の剪断加工は、前記
金属合金薄板の厚さの1/4以上3/4以下の範囲で行
うことを特徴とする請求項10記載の磁性薄板の製造方
法。 - 【請求項12】 前記磁性薄板をさらに熱処理すること
を特徴とする請求項10又は11記載の磁性薄板の製造
方法。 - 【請求項13】 前記金属合金薄板は結晶質材料よりな
ることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項
記載の磁性薄板の製造方法。 - 【請求項14】 請求項10乃至13記載のいずれか1
項記載の磁性薄板の製造方法により磁性薄板を製造する
工程と、 前記磁性薄板を積層する工程とを具備することを特徴と
する積層磁心の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000100961A JP4585076B2 (ja) | 2000-04-03 | 2000-04-03 | 磁性薄板、積層磁心及びそれらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000100961A JP4585076B2 (ja) | 2000-04-03 | 2000-04-03 | 磁性薄板、積層磁心及びそれらの製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007073975A Division JP2007173868A (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | モデム用トランスおよびそれを用いたモデム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001284116A true JP2001284116A (ja) | 2001-10-12 |
JP4585076B2 JP4585076B2 (ja) | 2010-11-24 |
Family
ID=18615093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000100961A Expired - Lifetime JP4585076B2 (ja) | 2000-04-03 | 2000-04-03 | 磁性薄板、積層磁心及びそれらの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4585076B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005340709A (ja) * | 2004-05-31 | 2005-12-08 | Jfe Steel Kk | 寸法精度に優れた積層コア |
US7107808B2 (en) | 2002-11-20 | 2006-09-19 | Nakamura Seisakusho Kabushikigaisha | Shearing method for thin plate |
US7464575B2 (en) | 2004-10-13 | 2008-12-16 | Nakamura Seisakusho Kabushikigaisha | Shearing method for thin plate |
JP2010171438A (ja) * | 2010-03-15 | 2010-08-05 | Jfe Steel Corp | 寸法精度に優れた積層コア |
CN112004620A (zh) * | 2018-10-31 | 2020-11-27 | 竹内忍 | 进行板材加工的加工装置及加工方法 |
JP7529005B2 (ja) | 2021-12-22 | 2024-08-06 | Jfeスチール株式会社 | 積鉄心および積鉄心の製造方法 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61199526A (ja) * | 1985-02-27 | 1986-09-04 | Tateno Seisakusho:Kk | バリの残らないプレス加工製品及びその製造方法。 |
JPH05212456A (ja) * | 1992-02-07 | 1993-08-24 | Keiyo Burankingu Kogyo Kk | 低騒音低振動のための内外形同時抜きハーフブランキング工法、および同装置 |
JPH0639453A (ja) * | 1992-01-23 | 1994-02-15 | Keiyo Burankingu Kogyo Kk | 低騒音低振動のための一工程抜きハーフブランキング工法、および同装置 |
JPH07201551A (ja) * | 1993-12-29 | 1995-08-04 | Nkk Corp | 積層型電磁鋼板 |
JPH09235656A (ja) * | 1996-02-28 | 1997-09-09 | Nikko Kinzoku Kk | 電子銃部品用Fe−Ni合金並びに電子銃プレス打ち抜き加工部品 |
JPH11186061A (ja) * | 1997-12-18 | 1999-07-09 | Toshiba Corp | 小型トランス |
JPH11330290A (ja) * | 1998-05-15 | 1999-11-30 | Nakamura Seisakusho Kk | 電子部品用パッケージ及びその形成方法 |
-
2000
- 2000-04-03 JP JP2000100961A patent/JP4585076B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61199526A (ja) * | 1985-02-27 | 1986-09-04 | Tateno Seisakusho:Kk | バリの残らないプレス加工製品及びその製造方法。 |
JPH0639453A (ja) * | 1992-01-23 | 1994-02-15 | Keiyo Burankingu Kogyo Kk | 低騒音低振動のための一工程抜きハーフブランキング工法、および同装置 |
JPH05212456A (ja) * | 1992-02-07 | 1993-08-24 | Keiyo Burankingu Kogyo Kk | 低騒音低振動のための内外形同時抜きハーフブランキング工法、および同装置 |
JPH07201551A (ja) * | 1993-12-29 | 1995-08-04 | Nkk Corp | 積層型電磁鋼板 |
JPH09235656A (ja) * | 1996-02-28 | 1997-09-09 | Nikko Kinzoku Kk | 電子銃部品用Fe−Ni合金並びに電子銃プレス打ち抜き加工部品 |
JPH11186061A (ja) * | 1997-12-18 | 1999-07-09 | Toshiba Corp | 小型トランス |
JPH11330290A (ja) * | 1998-05-15 | 1999-11-30 | Nakamura Seisakusho Kk | 電子部品用パッケージ及びその形成方法 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7107808B2 (en) | 2002-11-20 | 2006-09-19 | Nakamura Seisakusho Kabushikigaisha | Shearing method for thin plate |
JP2005340709A (ja) * | 2004-05-31 | 2005-12-08 | Jfe Steel Kk | 寸法精度に優れた積層コア |
US7464575B2 (en) | 2004-10-13 | 2008-12-16 | Nakamura Seisakusho Kabushikigaisha | Shearing method for thin plate |
JP2010171438A (ja) * | 2010-03-15 | 2010-08-05 | Jfe Steel Corp | 寸法精度に優れた積層コア |
CN112004620A (zh) * | 2018-10-31 | 2020-11-27 | 竹内忍 | 进行板材加工的加工装置及加工方法 |
CN112004620B (zh) * | 2018-10-31 | 2021-12-21 | 竹内忍 | 进行板材加工的加工装置及加工方法 |
JP7529005B2 (ja) | 2021-12-22 | 2024-08-06 | Jfeスチール株式会社 | 積鉄心および積鉄心の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4585076B2 (ja) | 2010-11-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5415821B2 (ja) | 略円柱状の粉末成形体および粉末成形金型装置 | |
JP7467329B2 (ja) | 磁性コアとその製造方法、およびコイル部品 | |
US6813829B2 (en) | Method for removing punched fragments and a method for producing an article by punching | |
JP6805978B2 (ja) | 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 | |
JP2001284116A (ja) | 磁性薄板、積層磁心及びそれらの製造方法 | |
CN111295252A (zh) | 用于制造金属部件的多层冲裁方法 | |
JPH0576259B2 (ja) | ||
JPH0821494B2 (ja) | 積層磁心及び積層磁心の製造方法 | |
JP2007173868A (ja) | モデム用トランスおよびそれを用いたモデム | |
JP2019096668A (ja) | アモルファス系又はナノ結晶系軟磁性材料を用いた磁性部品の製造方法 | |
JP2007266184A (ja) | 積層精度に優れた閉磁路リアクトル用鉄芯の製造方法および閉磁路リアクトル用鉄芯 | |
JP2003045724A (ja) | リアクトル | |
JP2020092139A (ja) | ステータコア、モータ、およびステータコアの製造方法 | |
JP3842146B2 (ja) | 積層鉄心の製造方法 | |
JP7255452B2 (ja) | 合金薄帯片およびその製造方法 | |
JP4585059B2 (ja) | プレス打ち抜きされた磁性合金薄帯、積層磁心、および積層磁心の製造方法 | |
JPH01168014A (ja) | 電子機器用コイル、トランス類の製造方法 | |
WO2024116815A1 (ja) | 非晶質金属合金物の製造方法 | |
JPH11186061A (ja) | 小型トランス | |
JPH04225206A (ja) | 積層磁心の製造方法 | |
JP2003347140A (ja) | 焼鈍鉄芯 | |
JP4663249B2 (ja) | 鉄心用電磁鋼板 | |
WO2011129000A1 (ja) | モータコアの製造方法 | |
JPH11186062A (ja) | 低騒音積層鉄心 | |
JP2561573B2 (ja) | 非晶質薄帯可飽和磁心 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070319 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090120 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090323 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091201 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100127 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20100127 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100810 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100903 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4585076 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130910 Year of fee payment: 3 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |