JP7255452B2 - 合金薄帯片およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ナノ結晶合金から構成される合金薄帯片およびその製造方法に関する。
従来、アモルファス合金から構成されるアモルファス合金薄帯片が、モータコア等に用いられている。また、アモルファス合金が結晶化されたナノ結晶合金から構成されるナノ結晶合金薄帯片は、高い飽和磁束密度及び低い保磁力の両立が可能な軟磁性材料であるため、近年、ナノ結晶合金薄帯片がモータコア等に用いられるようになっている。
ナノ結晶合金薄帯片の製造方法としては、例えば、単ロール法、双ロール法等の方法で製造された連続したアモルファス合金薄帯からモータコア等で用いられる所定形状に打ち抜かれたアモルファス合金薄帯片をプレートで挟んだ上で、アモルファス合金薄帯片をプレートで加熱し結晶化する方法が知られている(特許文献1)。また、連続したアモルファス合金薄帯を加熱し結晶化したナノ結晶合金薄帯を作製した後に、ナノ結晶合金薄帯の表面にプレス加工時の割れを抑制する樹脂層を形成することでプレス加工用の薄帯部材を作製した上で、プレス加工を行い、薄帯部材から所定形状のナノ結晶合金薄帯片を打ち抜く方法も知られている(特許文献2)。
特開2017-141508号公報 特開2003-163486号公報
特許文献1に記載されたナノ結晶合金薄帯片の製造方法では、アモルファス合金薄帯からモータコア等で用いられる所定形状に打ち抜かれたアモルファス合金薄帯片を加熱し結晶化することでナノ結晶合金薄帯片を製造する。合金薄帯片は結晶化により収縮する上に、歪の偏在等が原因となり合金薄帯片の収縮量には部位によるばらつきが生じることがある。このため、ナノ結晶合金薄帯片は寸法精度が低くなることがある。さらに、複数のナノ結晶合金薄帯片を製造した上で、それらが積層されたモータコア等を作製する場合には、それらの複数のナノ結晶合金薄帯片の寸法精度がいずれも低くなることで、モータコア等の寸法精度が大きく低下するおそれがある。この結果、モータ等のステータ及びロータのギャップを高精度に制御できず、ステータコアに想定通りの占積率でコイルを巻回すことが困難になる。これらの問題に対処するためには、仕上げ加工を行えばよいが、その場合には製造費用の増加を招く。
このような金薄帯片の寸法精度の低下を抑制する方法として、連続したアモルファス合金薄帯を加熱し結晶化したナノ結晶合金薄帯を作製した後に、ナノ結晶合金薄帯からモータコア等で用いられる所定形状の一部を打ち抜くことでナノ結晶合金薄帯片を製造する方法が考えられる。この方法であれば、既に結晶化されたナノ結晶合金薄帯からナノ結晶合金薄帯片を打ち抜くため、合金薄帯片の結晶化による収縮が起こることはない。よって、ナノ結晶合金薄帯片の寸法精度の低下を抑制できる。しかしながら、ナノ結晶合金薄帯はアモルファス合金薄帯と比べ著しく脆化したものとなるため、ナノ結晶合金薄帯からナノ結晶合金薄帯片を打ち抜く時に割れ等の破損が起こるおそれがある。特許文献2に記載された製造方法では、このような問題に対処するために、ナノ結晶合金薄帯の表面にプレス加工時の割れを抑制する樹脂層を形成することでプレス加工用の薄帯部材を作製した上で、プレス加工を行い、薄帯部材からナノ結晶合金薄帯片を打ち抜いている。しかしながら、ナノ結晶合金薄帯の表面に余分な樹脂層を形成する必要があり、製造費用の増加を招く。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ナノ結晶合金から構成される合金薄帯片及びその製造方法であって、寸法精度を高くすることができる合金薄帯片及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明の合金薄帯片は、縁部を除いた結晶化部はアモルファス合金が結晶化されたナノ結晶合金から構成され、上記縁部はアモルファス合金から構成されることを特徴とする。
本発明によれば、ナノ結晶合金から構成される合金薄帯片の寸法精度を高くすることができる。
上記発明においては、上記縁部の幅が1mm以上であることが好ましい。割れ等の破損が起こることを効果的に抑制できるからである。
上記課題を解決すべく、本発明の合金薄帯片の製造方法は、アモルファス合金から構成される合金薄帯を準備する準備工程と、上記合金薄帯において、上記合金薄帯片の打ち抜き予定部のうち縁部を除いた結晶化予定部を結晶化開始温度以上の温度域に加熱することで結晶化する熱処理工程と、上記熱処理工程後に、上記合金薄帯から上記打ち抜き予定部を打ち抜くことで上記合金薄帯片を形成する打ち抜き工程と、を備えることを特徴する。
本発明によれば、ナノ結晶合金から構成される合金薄帯片の寸法精度を高くすることができる。
上記発明においては、上記縁部の幅が1mm以上であることが好ましい。割れ等の破損が起こることを効果的に抑制できるからである。
本発明によれば、ナノ結晶合金から構成される合金薄帯片の寸法精度を高くすることができる。
本発明に係る実施形態の合金薄帯片の一例を示す概略平面図である。 本発明に係る実施形態の合金薄帯片の製造方法の一例のフローチャートである。 (a)及び(b)は、本発明に係る実施形態の合金薄帯片の製造方法の一例の概略工程平面図である。 (c)及び(d)は、本発明に係る実施形態の合金薄帯片の製造方法の一例の概略工程平面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ図3(a)及び図3(b)のA-A´線に沿う断面を示す概略工程断面図である。 (c)及び(d)は、それぞれ図4(c)及び図4(d)のA-A´線に沿う断面を示す概略工程断面図である。 (a)及び(b)は、本発明に係る実施形態の合金薄帯片の製造方法の他の例における要部の概略工程平面図である。 (a)は、合金薄帯の製造方法の実験における熱処理工程を示す概略平面図であり、(b)は、(a)のA-A´線に沿う断面を示す概略断面図である。
A.合金薄帯片
以下、本発明の合金薄帯片に係る実施形態について説明する。
本発明に係る実施形態の合金薄帯片は、縁部を除いた結晶化部が、アモルファス合金が結晶化されたナノ結晶合金から構成され、上記縁部がアモルファス合金から構成されることを特徴とする。
まず、本発明に係る実施形態の合金薄帯片の一例について説明する。ここで、図1は、本発明に係る実施形態の合金薄帯片の一例を示す概略平面図である。
図1に示すように、本例の合金薄帯片1Sは、モータのステータコア用の合金薄帯片であり、積層することでステータコアを作製できる。合金薄帯片1Sは、縁部1Seを除いた結晶化部1Scが、アモルファス合金が結晶化されたナノ結晶合金から構成され、縁部1Seがアモルファス合金から構成される。
本例の合金薄帯片1Sは、結晶化部1Scがナノ結晶合金から構成される結晶合金薄帯片であるものの、縁部1Seがナノ結晶合金のようには脆くないアモルファス合金から構成されている。このため、合金薄帯片1Sをステータコアの組み付け用設備に搬送して配置する時に合金薄帯片1Sの縁部1Seをその設備に接触させて位置決めする場合等において、接触時の衝撃等により合金薄帯片1Sの割れ等の破損が起こることを抑制できる。
さらに、本例の合金薄帯片1Sは、結晶化部1Scがナノ結晶合金から構成され、縁部1Seがアモルファス合金から構成されているため、例えば、後述する図3(a)~図4(d)及び図5(a)~図6(d)に示す製造方法により、品質上問題となる割れ等の破損を起こすことなく、合金薄帯10から結晶化された合金薄帯片の打ち抜き予定部11を打ち抜くことにより製造できる。そして、合金薄帯片1Sは、このような製造方法により製造される場合、結晶化される前の合金薄帯から打ち抜かれた合金薄帯片を加熱し結晶化することで製造されるナノ結晶合金薄帯片とは異なり、結晶化による収縮が起こらない。よって、ナノ結晶合金から構成される合金薄帯片1Sの寸法精度を高くすることができる。
従って、本実施形態の合金薄帯片によれば、本例の合金薄帯片1Sのように、ナノ結晶合金から構成される合金薄帯片の破損が起こることを抑制できる。さらに、本実施形態の合金薄帯片は、後述する「B.合金薄帯片の製造方法」の項目に記載された製造方法により製造する場合には、ナノ結晶合金から構成される合金薄帯片の寸法精度を高くすることができる。これにより、打ち抜き精度と積層精度のみでモータコア等を高い寸法精度で製造でき、仕上げ加工無しでその製造工程を成立させることができるため、製造費用を低減できる。この結果、低い製造費用で、モータ等のステータ及びロータのギャップを高精度に制御できない問題やステータコアに想定通りの占積率でコイルを巻回すことが困難になるといった問題を抑制できる。
続いて、本実施形態の合金薄帯片について、各構成を詳細に説明する。
本実施形態の合金薄帯片は、縁部を除いた結晶化部が、アモルファス合金が結晶化されたナノ結晶合金から構成され、上記縁部がアモルファス合金から構成されたものである。
ここで、「縁部」とは、合金薄帯片における外周から内側に所定の幅だけ延在する部分を指す。「結晶化部」とは、合金薄帯片における縁部を除いた部分を指す。
縁部の幅は、特に限定されないが、例えば、1mm以上が好ましい。この下限以上であることにより、割れ等の破損が起こることを効果的に抑制できるからである。縁部の幅は、出来るだけ小さい方が好ましい。ナノ結晶合金から構成される結晶化部の割合を増加させることで合金薄帯片の磁気特性を向上できるからである。また、合金薄帯片をステータコア又はロータコアに用いる場合に、ステータコアにおけるロータコアと隣接する領域又はロータコアにおけるステータコアと隣接する領域の飽和磁束密度を高くすることができるので、モータ等の性能を向上できるからである。ここで、「縁部の幅」とは、合金薄帯片の外周と垂直な方向の縁部の長さを指す。
合金薄帯片の平面サイズ及び形状は、特に限定されないが、例えば、モータにおけるステータコア若しくはロータコアを構成する薄帯片、又はステータコアを構成する薄帯片がさらに周方向で分割された薄帯片等の一般的な平面サイズ及び形状が挙げられる。合金薄帯片の厚さは、後述する「B.合金薄帯片の製造方法 1.準備工程」の項目に記載された合金薄帯の厚さと同様であるため、ここでの説明は省略する。
結晶化部を構成するナノ結晶合金については、後述する「B.合金薄帯片の製造方法 2.熱処理工程」の項目に記載されたナノ結晶合金と同様であるため、ここでの説明は省略する。縁部を構成するアモルファス合金については、後述する「B.合金薄帯片の製造方法 1.準備工程」の項目に記載されたアモルファス合金と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本実施形態の合金薄帯片は、特に限定されないが、後述する「B.合金薄帯片の製造方法」の項目に記載された製造方法により製造されたものが好ましい。ナノ結晶合金から構成される合金薄帯片の寸法精度を高くすることができるからである。
B.合金薄帯片の製造方法
以下、本発明の合金薄帯片の製造方法に係る実施形態について説明する。
本発明に係る実施形態の合金薄帯片の製造方法は、アモルファス合金から構成される合金薄帯を準備する準備工程と、上記合金薄帯において、上記合金薄帯片の打ち抜き予定部のうち縁部を除いた結晶化予定部を結晶化開始温度以上の温度域に加熱することで結晶化する熱処理工程と、上記熱処理工程後に、上記合金薄帯から上記打ち抜き予定部を打ち抜くことで上記合金薄帯片を形成する打ち抜き工程と、を備えることを特徴する。
まず、本発明に係る実施形態の合金薄帯片の製造方法の一例について説明する。ここで、図2は、本発明に係る実施形態の合金薄帯片の製造方法の一例のフローチャートである。図3(a)~図4(d)は、本発明に係る実施形態の合金薄帯片の製造方法の一例の概略工程平面図である。また、図5(a)~図6(d)は、それぞれ図3(a)~図4(d)のA-A´線に沿う断面を示す概略工程断面図である。
本例の合金薄帯片の製造方法においては、まず、図3(a)及び図5(a)に示すように、アモルファス合金から構成される連続した合金薄帯10を準備する(準備工程)。
次に、図3(b)及び図5(b)に示すように、合金薄帯10を常温の大気中に置いた状態で、合金薄帯10において、ステータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部11Sのうち縁部11Seを除いた結晶化予定部11Saを高温にした銅製の加熱用上型20U及び加熱用下型20D(図5(b)のみに図示)で挟むことにより結晶化開始温度以上の温度域に加熱することで結晶化し、ナノ結晶合金から構成される結晶化部11Scとする(熱処理工程)。この際には、合金薄帯10が薄いことで、打ち抜き予定部11の縁部11Seを含む加工部12から熱が大気中に効率良く放熱される。このため、加工部12は、打ち抜き時に品質上問題となる割れ等の破損が起こるような脆化が生じる程度に結晶化することがない。
次に、図4(c)及び図6(c)に示すように、合金薄帯10をプレス用上型30U及びプレス用下型30D(図6(c)のみに図示)で挟んでプレス加工を行うことにより、合金薄帯10からステータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部11Sを打ち抜くことでステータコア用の合金薄帯片1Sを形成した(打ち抜き工程)。これにより、図4(d)及び図6(d)に示すように、品質上問題となる割れ等の破損を起こすことなく、縁部1Seがアモルファス合金から構成され、縁部1Seを除いた結晶化部1Scがナノ結晶合金から構成されるステータコア用の合金薄帯片1Sを製造することができる。
本例の合金薄帯片の製造方法では、結晶化される前の合金薄帯から打ち抜かれた合金薄帯片を加熱し結晶化することでナノ結晶合金薄帯片を製造する方法とは異なり、合金薄帯片の結晶化による収縮が起こらない。よって、ナノ結晶合金から構成される合金薄帯片1Sの寸法精度を高くすることができる。
さらに、本例の製造方法で製造される合金薄帯片1Sは、縁部1Seがナノ結晶合金のようには脆くないアモルファス合金から構成されている。このため、合金薄帯片1Sをステータコアの組み付け用設備に搬送して配置する時に合金薄帯片1Sの縁部1Seをその設備に接触させて位置決めする場合等において、接触時の衝撃等により合金薄帯片1Sの割れ等の破損が起こることを抑制できる。
従って、本実施形態の合金薄帯片の製造方法によれば、本例の合金薄帯片の製造方法のように、ナノ結晶合金から構成される合金薄帯片の寸法精度を高くすることができる。これにより、打ち抜き精度と積層精度のみでモータコア等を高い寸法精度で製造でき、仕上げ加工無しでその製造工程を成立させることができるため、製造費用を低減できる。この結果、低い製造費用で、モータ等のステータ及びロータのギャップを高精度に制御できない問題やステータコアに想定通りの占積率でコイルを巻回すことが困難になるといった問題を抑制できる。さらに、ナノ結晶合金から構成される合金薄帯片の破損が起こることを抑制できる。
続いて、本実施形態の合金薄帯片の製造方法について、各条件を詳細に説明する。
1.準備工程
準備工程においては、アモルファス合金から構成される合金薄帯を準備する。
合金薄帯は、アモルファス合金から構成されるものであれば特に限定されないが、例えば、単ロール法、双ロール法等の一般的な方法で製造された連続したシート状のアモルファス合金薄帯である。
合金薄帯の構成するアモルファス合金は、特に限定されないが、例えば、Fe基アモルファス合金、Ni基アモルファス合金、Co基アモルファス合金等が挙げられる。中でもFe基アモルファス合金等が好ましい。ここで、「Fe基アモルファス合金」とは、Feを主成分とし、例えば、B、Si、C、P、Cu、Nb、Zr等の不純物を含有するものを意味する。「Ni基アモルファス合金」とは、Niを主成分とするものを意味する。「Co基アモルファス合金」とは、Coを主成分とするものを意味する。
Fe基アモルファス合金は、例えば、Feの含有量が84原子%以上の範囲内であるものが好ましく、中でもFeの含有量がより多いものが好ましい。Feの含有量により、アモルファス合金を結晶化したナノ結晶合金の磁束密度が変わるからである。
合金薄帯の厚さは、特に限定されないが、構成材料等によって異なり、構成材料がFe基アモルファス合金である場合には、例えば、10μm以上100μm以下の範囲内であり、中でも20μm以上50μm以下の範囲内が好ましい。これらの範囲の下限以上であることにより、モータコアに使用する合金薄帯の積層体における積層枚数が増大し、打ち抜き枚数や積層にかかる時間も大きくなり製造コストの増加を招くことを抑制できるからである。なお、合金薄帯の厚さが薄いほど、合金薄帯の積層体を使用するモータコアの渦電流損を小さくすることができ性能面では有利になる。また、これらの範囲の上限以下であることにより、打ち抜き予定部の結晶化予定部を加熱することで結晶化する時に、打ち抜き予定部の縁部を含む加工部から熱が効果的に放熱されるため、加工部の結晶化を効果的に抑制できるからである。
2.熱処理工程
熱処理工程においては、上記合金薄帯において、上記合金薄帯片の打ち抜き予定部のうち縁部を除いた結晶化予定部を結晶化開始温度以上の温度域に加熱することで結晶化する。熱処理工程では、上記合金薄帯片の打ち抜き予定部のうち縁部を除いた結晶化予定部を加熱することで結晶化する時において、打ち抜き時に品質上問題となる割れ等の破損が起こるような脆化が生じない程度の結晶化率であれば、合金薄帯片の打ち抜き予定部の縁部を含む加工部を結晶化してもよいが、合金薄帯片の打ち抜き予定部の縁部を含む加工部を結晶化しないことが好ましい。
ここで、「打ち抜き予定部」とは、後述する打ち抜き工程で合金薄帯から打ち抜かれ合金薄帯片となる領域を指す。また、「打ち抜き予定部の縁部」とは、打ち抜き予定部における外周から内側に所定の幅だけ延在する部分を指す。また、「打ち抜き予定部の結晶化予定部」とは、打ち抜き予定部における縁部を除いた部分を指す。さらに、「打ち抜き予定部の縁部を含む加工部」とは、打ち抜き予定部の縁部及び合金薄帯における打ち抜き予定部の外周から打ち抜き予定部の外側に延在する部分のうち、少なくとも打ち抜き予定部の縁部を含む部分を指す。
打ち抜き予定部の縁部の幅は、打ち抜き時に品質上問題となる割れ等の破損が起こらなければ特に限定されないが、例えば、1mm以上が好ましい。この下限以上であることにより、割れ等の破損が起こることを効果的に抑制できるからである。打ち抜き予定部の縁部の幅は出来るだけ小さい方が好ましい。打ち抜き予定部の結晶化予定部を結晶化した結晶化部の割合を増加させることで合金薄帯片の磁気特性を向上できるからである。また、合金薄帯片をステータコア又はロータコアに用いる場合に、ステータコアにおけるロータコアと隣接する領域又はロータコアにおけるステータコアと隣接する領域の飽和磁束密度を高くすることができるので、モータ等の性能を向上できるからである。ここで、「打ち抜き予定部の縁部の幅」とは、打ち抜き予定部の外周と垂直な方向の縁部の長さを指す。打ち抜き予定部の平面サイズ及び形状は、上述した「A.合金薄帯片」の項目に記載された合金薄帯片と同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、「結晶化開始温度」とは、合金薄帯を加熱した場合にその結晶化が開始する温度を指す。合金薄帯の結晶化とは、合金薄帯の構成材料等によって異なり、構成材料がFe基アモルファス合金である場合には、微細なα鉄(フェライト相)の結晶粒を析出させることを意味する。結晶化開始温度は、合金薄帯の構成材料等及び加熱速度によって異なり、加熱速度が大きいと結晶化開始温度は高くなる傾向があるが、構成材料がFe基アモルファス合金である場合には、例えば、350℃以上500℃以下の範囲内となる。さらに、「打ち抜き予定部の結晶化予定部を結晶化開始温度以上の温度域に加熱することで結晶化する」とは、打ち抜き予定部の結晶化予定部を結晶化開始温度以上の温度域に加熱し当該温度域に結晶化に要する時間保持することで結晶化することを指す。
結晶化開始温度以上の温度域は、特に限定されないが、化合物相析出開始温度未満の温度域が好ましい。化合物相の析出を抑制できるからである。ここで、「化合物相析出開始温度」とは、結晶化開始後の合金薄帯をさらに加熱した場合に化合物相の析出が開始する温度を指す。また、「化合物相」とは、例えば、合金薄帯の構成材料がFe基アモルファス合金である場合におけるFe-B、Fe-P等の化合物相のように、結晶化開始後の合金薄帯をさらに加熱した場合に析出し、軟磁気特性を劣化させる化合物相を指す。
結晶化開始温度以上化合物相析出開始温度未満の温度域は、特に限定されないが、合金薄帯の構成材料等によって異なり、構成材料がFe基アモルファス合金である場合には、例えば、結晶化開始温度以上結晶化開始温度+100℃以下の範囲内が好ましく、中でも結晶化開始温度+30℃以上結晶化開始温度+50℃以下の範囲内が好ましい。これらの範囲の下限以上であることにより、微細な結晶粒を安定して析出できるからである。これらの範囲の上限以下であることにより、結晶粒の粗大化を抑制できるからである。
打ち抜き予定部の結晶化予定部を結晶化開始温度以上の温度域に保持する時間は、打ち抜き予定部の縁部を含む加工部を、打ち抜き時に品質上問題となる割れ等の破損が起こるような脆化が生じる程度に結晶化することがないのであれば特に限定されないが、合金薄帯の構成材料や当該温度域等によって異なり、構成材料がFe基アモルファス合金であり、かつ当該温度域が結晶化開始温度以上結晶化開始温度+100℃以下の範囲内である場合には、0.5秒以上60秒以下の範囲内が好ましく、当該温度域が結晶化開始温度+30℃以上結晶化開始温度+50℃以下の範囲内である場合には、1秒以上180秒以下の範囲内が好ましい。これらの範囲の下限以上であることにより、微細な結晶粒を安定して析出できるからである。これらの範囲の上限以下であることにより、加工部の結晶化を効果的に抑制できるからである。
打ち抜き予定部の結晶化予定部を結晶化開始温度以上の温度域に加熱する方法は、打ち抜き予定部の縁部を含む加工部を、打ち抜き時に品質上問題となる割れ等の破損が起こるような脆化が生じる程度に結晶化することがないのであれば特に限定されないが、例えば、図3(b)及び図5(b)に示すように、合金薄帯を常温の大気中に置いた状態において、打ち抜き予定部のうち縁部を除いた結晶化予定部を高温にした加熱用上型及び加熱用下型で挟む方法等が挙げられる。この方法では、合金薄帯が薄いことで、打ち抜き予定部の縁部を含む加工部から熱が大気中に効率良く放熱されるために、打ち抜き予定部の縁部を含む加工部が結晶化して脆化することを効果的に抑制できる。よって、当該加工部を結晶化させないために積極的に冷却する必要がなく製造費用を低減できる。なお、「常温」とは、特に冷やしたり熱したりしない温度、すなわち屋内であれば室温、屋外であれば気温を指し、例えば、JIS Z 8703に規定されている20℃±15℃の範囲内の温度である。
熱処理工程では、打ち抜き予定部の結晶化予定部を結晶化開始温度以上の温度域に加熱することで結晶化することにより、ナノ結晶合金から構成される結晶化部とする。この際には、結晶化部は、化合物相の析出及び結晶粒の粗大化を実質的に生じさせずに微細な結晶粒を析出させることにより、所望の磁気特性を有するものとすることが好ましい。
結晶化部を構成するナノ結晶合金は、特に限定されないが、結晶化予定部の構成材料等によって異なり、結晶化予定部の構成材料がFe基アモルファス合金である場合には、例えば、Fe又はFe合金の結晶粒(例えば、微細なα鉄等)及び非晶質相の混相組織を有するFe基ナノ結晶合金となる。
結晶化部の結晶粒の粒径は、所望の磁気特性が得られるのであれば特に限定されないが、構成材料等によって異なり、構成材料がFe基ナノ結晶合金である場合には、例えば、25nm以下の範囲内が好ましい。粗大化すると保磁力が劣化するからである。なお、結晶粒の粒径は、例えば、透過電子顕微鏡(TEM)を用いた直接観察により測定できる。また、結晶粒の粒径は、結晶化部の保磁力又は温度履歴から推定できる。
結晶化部の飽和磁束密度は、構成材料等によって異なり、構成材料がFe基ナノ結晶合金である場合には、例えば、1.7T以上が好ましい。例えば、モータ等のトルクを大きくできるからである。結晶化部の保磁力は、構成材料等によって異なり、構成材料がFe基ナノ結晶合金である場合には、例えば、20A/m以下であり、中でも10A/m以下が好ましい。保磁力をこのように低くすることにより、例えば、モータコア等における損失を効果的に低減できるからである。なお、飽和磁束密度及び保磁力は、例えば、VSM(振動試料型磁力計)を用いて測定できる。
3.打ち抜き工程
打ち抜き工程においては、上記熱処理工程後に、上記合金薄帯から上記打ち抜き予定部を打ち抜くことで上記合金薄帯片を形成する。具体的には、熱処理工程後に、合金薄帯を打ち抜き予定部の外周に沿ってせん断して打ち抜き予定部を打ち抜くことで、合金薄帯片を形成する。
合金薄帯から打ち抜き予定部を打ち抜く方法は、特に限定されないが、例えば、図4(c)及び図6(c)に示すように、合金薄帯をプレス用上型及びプレス用下型で挟んでプレス加工を行う方法等が挙げられる。
4.合金薄帯片の製造方法
合金薄帯片の製造方法は、準備工程と、熱処理工程と、打ち抜き工程とを備えるものである。
合金薄帯片の製造方法では、熱処理工程において打ち抜き予定部の結晶化予定部を結晶化開始温度以上の温度域に加熱する時に一緒に打ち抜き予定部の縁部を含む加工部を結晶化開始温度より低い温度域に加熱してもよい。打ち抜き予定部の縁部を含む加工部の残留歪を除去できる。また、合金薄帯片の製造方法は、熱処理工程前に、打ち抜き予定部を、縁部を含め結晶化開始温度より低い温度域で焼鈍する工程をさらに備えてもよい。打ち抜き予定部の残留歪を除去することにより、ヒステリシス損を低減でき、結晶化時の打ち抜き予定部の収縮量や打ち抜かれた合金薄帯片の収縮量に部位によるばらつきが生じることを抑制できるからである。さらに、合金薄帯片の製造方法は、熱処理工程後、打ち抜き工程前に、打ち抜き予定部を、縁部を含め結晶化開始温度より低い温度域で焼鈍する工程をさらに備えてもよい。打ち抜き予定部の残留歪を除去できるからである。
ここで、本発明に係る実施形態の合金薄帯片の製造方法の他の例について説明する。図7(a)及び図7(b)は、本発明に係る実施形態の合金薄帯片の製造方法の他の例における要部の概略工程平面図である。
本例の合金薄帯片の製造方法においては、熱処理工程では、図7(a)に示すように、合金薄帯10において、ステータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部11Sのうち縁部11Seを除いた結晶化予定部11Sa、及び当該打ち抜き予定部11Sの内側にあるロータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部11Rのうち縁部11Reを除いた結晶化予定部11Raを、高温にした銅製の加熱用上型及び加熱用下型(図示せず)で挟むことにより結晶化開始温度以上の温度域に加熱することで結晶化し、ナノ結晶合金から構成される結晶化部11Sc及び結晶化部11Rcとする。そして、打ち抜き工程では、合金薄帯10をプレス用上型及びプレス用下型(図示せず)で挟んでプレス加工を行うことにより、合金薄帯10からステータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部11S及びロータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部11Rを打ち抜く。これにより、図7(b)に示すように、品質上問題となる割れ等の破損を起こすことなく、縁部1Seがアモルファス合金から構成され、縁部1Seを除いた結晶化部1Scがナノ結晶合金から構成されるステータコア用の合金薄帯片1S、及び縁部1Reがアモルファス合金から構成され、縁部1Reを除いた結晶化部1Rcがナノ結晶合金から構成されるロータコア用の合金薄帯片1Rを形成する。
合金薄帯片の製造方法としては、図7(a)及び図7(b)に示すように、熱処理工程では、合金薄帯において、ステータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部のうち縁部を除いた結晶化予定部、及び当該打ち抜き予定部の内側にあるロータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部のうち縁部を除いた結晶化予定部を、結晶化開始温度以上の温度域に加熱することで結晶化し、打ち抜き工程では、合金薄帯からステータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部及びロータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部を打ち抜くことでステータコア用の合金薄帯片及びロータコア用の合金薄帯片を形成する方法でもよい。これらの合金薄帯片を効率的に生産することができ、材料歩留まりを高めることができるからである。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明に係る実施形態をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
上述した実施形態の合金薄帯の製造方法の実験を実施した。以下、具体的に説明する。ここで、図8(a)は、合金薄帯の製造方法の実験における熱処理工程を示す概略平面図であり、図8(b)は、図8(a)のA-A´線に沿う断面を示す概略断面図である。
本実験では、まず、Feの含有量が84原子%以上のFe基アモルファス合金から構成される連続した合金薄帯(厚さT:0.025mm)を準備した(準備工程)。
次に、図8(a)及び図8(b)に示すように、合金薄帯10を常温の大気中に置いた状態で、合金薄帯10において、円形の合金薄帯片の打ち抜き予定部11(直径R1:30mm)のうち縁部11e(幅W:5mm)を除いた円形の結晶化予定部11a(直径R2:20mm)を、460℃にした銅製の加熱用上型20U及び加熱用下型20Dで挟み30秒間保持することにより結晶化し、ナノ結晶合金から構成される結晶化部11cとした(熱処理工程)。この際には、合金薄帯10において、合金薄帯片の打ち抜き予定部11及び結晶化予定部11aの共通する中心に事前に孔を開けておき、その中心孔を目印として用いて、実際に加熱する領域の位置を結晶化予定部11aの位置と正確に合わせた。
次に、上記の中心孔を目印として用いて、合金薄帯片の打ち抜き予定部11の位置と実際に打ち抜く領域の位置が正確に合うように、合金薄帯10をプレス用上型及びプレス用下型(図示せず)で挟んでプレス加工を行うことにより、合金薄帯10から合金薄帯片の打ち抜き予定部11を打ち抜くことで合金薄帯片を形成した(打ち抜き工程)。これにより、品質上問題となる割れ等の破損を起こすことなく、ナノ結晶合金から構成される合金薄帯片を製造することができた。
[実施例2]
熱処理工程において、円形の合金薄帯片の打ち抜き予定部11(直径R1:30mm)のうち縁部11e(幅W:3mm)を除いた円形の結晶化予定部11a(直径R2:24mm)を加熱することで結晶化した点を除き、実施例1と同様に実験を実施した。これにより、品質上問題となる割れ等の破損を起こすことなく、ナノ結晶合金から構成される合金薄帯片を製造することができた。
[実施例3]
熱処理工程において、円形の合金薄帯片の打ち抜き予定部11(直径R1:30mm)のうち縁部11e(幅W:1mm)を除いた円形の結晶化予定部11a(直径R2:28mm)を加熱することで結晶化した点を除き、実施例1と同様に実験を実施した。これにより、品質上問題となる割れ等の破損を起こすことなく、ナノ結晶合金から構成される合金薄帯片を製造することができた。
[比較例]
熱処理工程において、円形の合金薄帯片の打ち抜き予定部11(直径R1:30mm)のうち縁部11e(幅W:0.5mm)を除いた円形の結晶化予定部11a(直径R2:29mm)を加熱することで結晶化した点を除き、実施例1と同様に実験を実施した。この場合には、打ち抜き工程において、合金薄帯10から合金薄帯片の打ち抜き予定部11を打ち抜いた際に、打ち抜かれた合金薄帯片に割れが生じ、品質上問題となる割れ等の破損のないナノ結晶合金から構成される合金薄帯片を製造できなかった。
[評価]
以上の実験の結果を下記の表1に示す。実施例1~3において、品質上問題となる割れ等の破損を起こすことなく、ナノ結晶合金から構成される合金薄帯片を製造することができたのは、合金薄帯片の打ち抜き予定部11のうちの縁部11eが、打ち抜き時に割れ等の破損が起こるような脆化が生じる程度に結晶化しなかったためと考えられる。一方、比較例において、打ち抜かれた合金薄帯片に割れが生じ、品質上問題となる割れ等の破損のないナノ結晶合金から構成される合金薄帯片を製造できなかったのは、合金薄帯片の打ち抜き予定部11のうちの縁部11eが、打ち抜き時に割れ等の破損が起こるような脆化が生じる程度に結晶化したためと考えられる。
Figure 0007255452000001
以上、本発明に係る実施形態について詳述したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1S ステータコア用の合金薄帯片
1Se 縁部
1Sc 結晶化部
1R ロータコア用の合金薄帯片
1Re 縁部
1Rc 結晶化部
10 合金薄帯
11S ステータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部
11Se ステータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部の縁部
11Sa ステータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部の結晶化予定部
11Sc ステータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部の結晶化部
11R ロータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部
11Re ロータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部の縁部
11Ra ロータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部の結晶化予定部
11Rc ロータコア用の合金薄帯片の打ち抜き予定部の結晶化部
12 合金薄帯片の打ち抜き予定部の縁部を含む加工部
11 合金薄帯片の打ち抜き予定部
11e 合金薄帯片の打ち抜き予定部の縁部
11a 合金薄帯片の打ち抜き予定部の結晶化予定部
11c 合金薄帯片の打ち抜き予定部の結晶化部

Claims (2)

  1. 縁部を除いた結晶化部はFe基アモルファス合金が結晶化されたナノ結晶合金から構成され、前記縁部はFe基アモルファス合金から構成され
    前記縁部の幅が1mm以上であることを特徴とする合金薄帯片。
  2. 合金薄帯片の製造方法であって、
    Fe基アモルファス合金から構成される合金薄帯を準備する準備工程と、
    前記合金薄帯において、前記合金薄帯片の打ち抜き予定部のうち縁部を除いた結晶化予定部を結晶化開始温度以上の温度域に加熱することで結晶化する熱処理工程と、
    前記熱処理工程後に、前記合金薄帯から前記打ち抜き予定部を打ち抜くことで前記合金薄帯片を形成する打ち抜き工程と、
    を備え
    前記縁部の幅が1mm以上であることを特徴する合金薄帯片の製造方法。
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