JP2013046032A - 積層磁心 - Google Patents

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真 八巻
Takenobu Yamada
健伸 山田
Kenri Urata
顕理 浦田
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裕之 松元
Eikichi Yoshida
栄吉 吉田
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Abstract

【課題】 飽和磁束密度の低下を抑制し、優れた軟磁気特性を有する積層磁心を提供することを目的とする。
【解決手段】 組成式FeSiCuの合金組成物で、79≦a≦86at%、5≦b≦13at%、0≦c≦8at%、1≦x≦8at%、0≦y≦5at%、0.4≦z≦1.4at%、及び0.08≦z/x≦0.80である磁性体からなる、厚さ60μm以上、600μm以下の磁性薄帯と、厚さ5μm以下の絶縁層を交互に積層した積層磁心であり、積層磁心に占める磁性体の占積率が85%以上となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、トランスやチョークコイル等に使用される、磁性薄帯を用いた積層磁心に関する。
電磁鋼板やFe基アモルファス合金、Fe基ナノ結晶合金などの磁性薄帯を、トランスやチョークコイルなどの磁心として用いる場合、コイルに電流が流れて磁心に磁路が形成されると、磁性薄帯内に渦電流が発生する。渦電流が発生すると鉄損等のコアロスが生じ、特性が低下する問題がある。そこで、一般的には薄帯間に絶縁層を形成した磁心を作製している。
特許文献1には絶縁層が薄くても十分な絶縁性を有する、薄帯間の絶縁皮膜を得る方法が開示されている。特許文献1では、特定の組成式を有した厚さ18μmのアモルファス合金薄帯にアルミニウムシリケート、リチウムシリケート、マグネシウムメチラートから選ばれた少なくとも1つからなる溶液を塗布し、乾燥硬化させる事で、平均厚さ2μm以下の絶縁層を形成している。
特開平08−045723号公報
しかしながら、磁性薄帯間に絶縁層を構成した磁心を作製した場合、磁心に占める磁性体の体積が減少し、占積率が低下する。それによって飽和磁束密度が低下するという問題がある。そこで、磁性薄帯の巻回数を増やすことにより、磁性体の体積を増加させる対策が考えられるが、巻回数を増やすことによって、磁心の口径が大きくなり、磁心の小型化、軽量化が困難になるという問題がある。
また、従来のように20μm近い磁性薄帯と絶縁層を交互に積層した磁心の場合、磁心の熱処理を行う際に、薄帯間の熱伝達が悪くなり、温度ムラが生じることで均一に熱処理を行う事ができない場合がある。
さらに、発明者らは磁性薄帯としてナノ結晶薄帯を用いる場合、磁性薄帯に熱処理を行ってアモルファス相よりナノ結晶を析出させる際に、磁性薄帯が収縮することを見出した。絶縁層を構成せず、磁性薄帯のみで磁心を作製した場合は、収縮によって薄帯同士の摩擦が生じ、内部応力が磁性薄帯にかかる。この内部応力が磁性薄帯に残ることにより、磁気異方性が増大し、鉄損が増加するという問題がある。
ここで、磁性薄帯の主面は微細な凹凸が存在しており、その磁性薄帯を積層した場合、磁性薄帯間は複数の点で接触して積層されていることとなる。このように、磁性薄帯を積層して構成された積層磁心の磁性薄帯間が複数の点で接触している場合、鉄損等のコアロスによって積層磁心の特性が低下するのは、渦電流の発生によるものよりも、熱処理の際に磁性薄帯が収縮することによって生じる内部応力によるものが大きく起因している。
そこで本発明は飽和磁束密度の低下を抑制し、磁性薄帯間の収縮摩擦による内部応力を低減した、優れた軟磁気特性を有する積層磁心を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の積層磁心は厚さ60μm以上、600μm以下の磁性体からなる磁性薄帯と厚さ5μm以下(0を含まず)の絶縁層が交互に積層された積層磁心であって、前記磁性体は組成式FeSiCuの合金組成物からなり、79≦a≦86at%、5≦b≦13at%、0≦c≦8at%、1≦x≦8at%、0≦y≦5at%、0.4≦z≦1.4at%、及び0.08≦z/x≦0.80であり、前記積層磁心に占める前記磁性体の占積率が85%以上であることを特徴とする。
磁性薄帯の厚みが薄いと磁心に占める絶縁層の体積が多くなり、占積率が低下する。占積率が低下することによって積層磁心の飽和磁束密度が低下するのを抑制するため、磁性薄帯の厚さは60μm以上が望ましい。一方、磁性薄帯が厚い場合、渦電流がより多く発生する。この渦電流による損失を抑制し、鉄損が増加するのを防止するため、磁性薄帯の厚さは600μm以下が望ましい。
絶縁層の厚みは、積層磁心に占める磁性体の占積率の低下を抑制し、積層磁心の飽和磁束密度の低下を防ぎ、また、積層磁心に熱処理を行う際の薄帯間の熱伝達を良好にして、温度ムラを防止するため、5μm以下が望ましい。
また、積層磁心に占める磁性体の占積率は、積層磁心の飽和磁束密度の低下を防ぐため、85%以上であることが望ましい。
本発明の組成式による合金組成物を用いる事で、アモルファス単相の連続薄帯が安定して作製できる。また、均質なナノ結晶組織が得られるため、優れた軟磁気特性を有した積層磁心が得られる。
また、磁性薄帯間に絶縁層を構成した積層磁心とすることにより、積層磁心を熱処理する場合に、磁性薄帯の収縮による薄帯間の摩擦を低減し、磁性薄帯にかかる内部応力が緩和され、鉄損の増加を抑制することができる。
また、本発明による積層磁心の磁性薄帯は、前記磁性体からなる磁性薄帯が積層された積層体であってもよい。
磁性体からなる磁性薄帯を積層して積層体とし、積層体と絶縁層を交互に積層する構成としてもよい。積層体とする場合の磁性薄帯の厚みは、厚みが薄いと積層する磁性薄帯の数が増えて、磁性薄帯間に空隙が多くなる。また、積層する磁性薄帯の数が増えると、収縮によって生じる内部応力が大きくなり、磁気異方性が増大し、磁気特性が劣化する。空隙が多くなることによる、積層磁心の飽和磁束密度の低下を抑制し、さらに、収縮によって生じる内部応力を抑制するため、積層する場合の磁性薄帯1枚の厚さは10μm以上が望ましい。
また、本発明による積層磁心の合金組成物は、組成式のFeの3at%以下を、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、W、Cr、Co、Ni、Al、Mn、Ag、Zn、S、Sn、As、Sb、Bi、N、O及び希土類元素のうち、1種類以上の元素で置換してなる合金組成物であってもよい。
合金組成式のFeの3at%以下を、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、W、Cr、Co、Ni、Al、Mn、Ag、Zn、S、Sn、As、Sb、Bi、N、O及び希土類元素のうち、1種類以上の元素で置換することで、飽和磁束密度等の特性が向上する。例えば、CrやNb、Al等に置換することで耐食性が向上し、Coに置換することで飽和磁束密度が向上する。また、Niに置換することで磁歪を小さく抑えられる。
また、本発明による積層磁心の合金組成物は(第1結晶化開始温度−50℃)以上で熱処理が行われており、平均粒径が10nm以上、50nm以下である、Fe基ナノ結晶合金であることが望ましい。
本発明による合金組成物の薄帯を、例えば、示差走査熱量分析(DSC)装置を用い、40℃/分程度の昇温速度で熱分析を行うと、発熱量が高くなる温度帯が2箇所出現する。本発明による合金組成物は熱処理を行うと、発熱量が高くなる温度帯で結晶化されるため、最初に結晶化が開始する温度を第1結晶化開始温度TX1とし、2回目に結晶化が開始する温度を第2結晶化開始温度TX2とする。
本発明による合金組成物を(第1結晶化開始温度TX1−50℃)以上で熱処理を行うと、bccFe層からなるナノ結晶を析出させることができ、Fe基ナノ結晶合金を得られる。Fe基ナノ結晶合金は飽和磁歪を低減でき、高い飽和磁束密度と高い透磁率を得られるため、好ましい。また、Fe基ナノ結晶合金形成の際に均質なナノ結晶組織を得るためには、合金組成物の第1結晶化開始温度TX1と第2結晶化開始温度TX2の差ΔT(=TX2−TX1)が70℃以上、200℃以下であることが望ましい。
また、飽和磁束密度の低下や、鉄損が増加することによる軟磁気特性の劣化を防止するため、熱処理後の析出結晶における平均粒径が10nm以上、50nm以下であることが望ましい。
また、本発明による積層磁心はトランス、チョークコイル、リアクトル、インダクタ等の磁気を用いてエネルギーに変換する機器である磁気応用製品に用いられる事が望ましい。
本発明によれば、飽和磁束密度の低下を抑制し、磁性薄帯間の収縮摩擦による内部応力を低減した、優れた軟磁気特性を有する積層磁心が得られる。
本発明による磁性薄帯と絶縁層を交互に積層した積層磁心を示した図である。 本発明による磁性薄帯と絶縁層を交互に巻回した積層磁心を示した図である。 本発明による磁性薄帯の積層体と絶縁層を交互に積層した積層磁心を示した図である。 本発明による磁性薄帯の積層体と絶縁層を交互に巻回した積層磁心を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明による磁性薄帯と絶縁層を交互に積層した積層磁心を示した図である。図1に示すように、磁性薄帯11と絶縁層12を交互に積層して積層磁心10を形成している。磁性薄帯11は、組成式FeSiCuで、79≦a≦86at%、5≦b≦13at%、0≦c≦8at%、1≦x≦8at%、0≦y≦5at%、0.4≦z≦1.4at%、及び0.08≦z/x≦0.80の合金組成物から作製される。磁性薄帯の厚さは60μm以上、600μm以下であり、絶縁層の厚さは5μm以下とする。さらに、積層磁心はナノ結晶を析出してFe基ナノ結晶合金とするため(第1結晶化開始温度−50℃)以上で熱処理を行い、その平均粒径は10nm以上、50nm以下である。
(実施の形態2)
図2は本発明による磁性薄帯と絶縁層を交互に巻回した積層磁心を示した図である。図2に示すように、磁性薄帯21と絶縁層22を交互に重ね合わせて巻回し、積層磁心20を形成している。磁性薄帯21は、組成式FeSiCuで、79≦a≦86at%、5≦b≦13at%、0≦c≦8at%、1≦x≦8at%、0≦y≦5at%、0.4≦z≦1.4at%、及び0.08≦z/x≦0.80の合金組成物から作製される。磁性薄帯の厚さは60μm以上、600μm以下であり、絶縁層の厚さは5μm以下とする。さらに、積層磁心はナノ結晶を析出してFe基ナノ結晶合金とするため(第1結晶化開始温度−50℃)以上で熱処理を行い、その平均粒径は10nm以上、50nm以下である。
(実施の形態3)
図3は本発明による磁性薄帯の積層体と絶縁層を交互に積層した積層磁心を示した図である。図3に示すように、磁性薄帯31が積層された積層体33と絶縁層32を交互に積層して積層磁心30を形成している。積層体33を形成する磁性薄帯31は、組成式FeSiCuで、79≦a≦86at%、5≦b≦13at%、0≦c≦8at%、1≦x≦8at%、0≦y≦5at%、0.4≦z≦1.4at%、及び0.08≦z/x≦0.80の合金組成物から作製される。厚さが10μm以上の磁性薄帯31を積層した積層体33の厚さは、60μm以上、600μm以下であり、絶縁層32の厚さは5μm以下である。さらに、積層磁心30はナノ結晶を析出してFe基ナノ結晶合金とするため(第1結晶化開始温度−50℃)以上で熱処理を行い、その平均粒径は10nm以上、50nm以下である。
(実施の形態4)
図4は本発明による磁性薄帯の積層体と絶縁層を交互に巻回した積層磁心を示した図である。図4に示すように、磁性薄帯41が積層された積層体43と絶縁層42を交互に重ね合わせて巻回して積層磁心40を形成している。積層体43を形成する磁性薄帯41は組成式FeSiCuで、79≦a≦86at%、5≦b≦13at%、0≦c≦8at%、1≦x≦8at%、0≦y≦5at%、0.4≦z≦1.4at%、及び0.08≦z/x≦0.80の合金組成物から作製される。厚さが10μm以上の磁性薄帯41を積層した積層体43の厚さは、60μm以上、600μm以下であり、絶縁層42は厚さ5μm以下である。さらに、積層磁心40はナノ結晶を析出してFe基ナノ結晶合金とするため(第1結晶化開始温度−50℃)以上で熱処理を行い、その平均粒径は10nm以上、50nm以下である。
上記の絶縁層の材質は、マグネシア、シリカ、アルミナなどの微粒子や、樹脂、絶縁シートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、絶縁物の塗布方法としては、浸漬法、ロールコーター法、カーテンコート法、スプレー法、ドクターブレード法、蒸着法などがあり、乾燥方法としては、自然乾燥、赤外線加熱乾燥、温風乾燥などがあるが、これらに限定されるものではない。乾燥工程の有無、乾燥時間、乾燥温度などの条件は、絶縁物と絶縁物が分散されている溶媒、塗布膜厚などによって適宜決定すればよい。
(実施例1〜12)
原料を表1の実施例1〜12に示す合金組成になるように秤量して、高周波加熱装置により溶解した。溶解した合金組成物を大気中において単ロール液体急冷法により、表1の実施例1〜12に示す薄帯1枚の厚みで、幅約15mmの連続薄帯を作製した。その後、長さを60mm毎に切断して得た磁性薄帯を表1の実施例1〜12に示す積層体の厚みに積層して積層体を得た。さらに、積層体を積層する毎にエタノールに分散させた直径約0.2〜1.0μmのMgO粉末を、表1の実施例1〜12に示す絶縁層厚みになるように塗布し、乾燥させて絶縁層を形成した。このように、積層体と絶縁層を交互に積層することによって、厚さ約2mmの積層磁心を得た。その後、表1の実施例1〜12に示す熱処理温度のアルゴンフロー中で10分間、ナノ結晶化の熱処理を施した。熱処理後の積層磁心を組織観察した結果、平均粒径が10nm以上、50nm以下のナノ結晶が析出していることを確認した。
(実施例13)
組成式Fe83.3SiCu0.7の合金組成物を高周波加熱装置により溶解した。溶解した合金組成物を大気中において単ロール液体急冷法により、厚さ20μm、幅約15mmの連続薄帯を作製した。その後、長さを60mm毎に切断して得た磁性薄帯を厚さ200μmになるよう積層して積層体を得た。さらに、積層体を積層する毎にフェノール樹脂を厚さ0.3μmになるように塗布した後、乾燥させて絶縁層を形成した。このように、積層体と絶縁層を交互に積層することによって、厚さ約2mmの積層磁心を得た。その後、450℃のアルゴンフロー中で10分間、ナノ結晶化の熱処理を施した。熱処理後の積層磁心を組織観察した結果、平均粒径が10nm以上、50nm以下のナノ結晶が析出していることを確認した。
(実施例14)
実施例14として、絶縁層をシリコーン樹脂とし、他は実施例13と同様とした。熱処理後の積層磁心を組織観察した結果、平均粒径が10nm以上、50nm以下のナノ結晶が析出していることを確認した。
(実施例15)
実施例15として、絶縁層をエポキシ樹脂とし、他は実施例13と同様とした。熱処理後の積層磁心を組織観察した結果、平均粒径が10nm以上、50nm以下のナノ結晶が析出していることを確認した。
(比較例1〜4)
組成式Fe83.3SiCu0.7の合金組成物を高周波加熱装置により溶解した。溶解した合金組成物を大気中において単ロール液体急冷法により、表1の比較例1〜4に示す薄帯1枚の厚みで、幅約15mmの連続薄帯を作製した。その後、長さを60mm毎に切断して得た薄帯を、表1の比較例1〜4に示す積層体の厚みに積層して積層体を得た。さらに、積層体を積層する毎にエタノールに分散させた直径約0.2〜1.0μmのMgO粉末を、表1の比較例1〜4に示す絶縁層厚みになるように塗布し、乾燥させて絶縁層を形成した。このように、積層体と絶縁層が交互に積層することによって、厚さ約2mmの積層磁心を得た。その後、表1の比較例1〜4に示す熱処理温度のアルゴンフロー中で10分間、ナノ結晶化の熱処理を施した。熱処理後の積層磁心を組織観察した結果、平均粒径が10nm以上、50nm以下のナノ結晶が析出していることを確認した。
(比較例5)
比較例5として、絶縁層を形成せず、他は比較例1〜4と同様とした。熱処理後の積層磁心を組織観察した結果、平均粒径が10nm以上、50nm以下のナノ結晶が析出していることを確認した。
(比較例6)
比較例6として、磁性薄帯として電磁鋼板を使用し、他は比較例1〜4と同様とした。
実施例1〜15、比較例1〜6で得られた積層磁心について、交流BHトレーサーを用い、50Hzの周波数にて鉄損Pcmを測定した結果を表1に示した。
Figure 2013046032
(実施例16)
組成式Fe83.3SiCu0.7の合金組成物を高周波加熱装置により溶解した。溶解した合金組成物を大気中において単ロール液体急冷法により、厚さ20μm、幅約15mm、長さ約30mの連続薄帯を作製した。得られた連続薄帯を長さ2mに切断して、磁性薄帯を5本得た。5本のうち1本に、エタノールに分散させた直径約0.2〜1.0μmのMgO粉末を、厚さ2μmになるように塗布した後、乾燥させて絶縁層を形成した。絶縁層を形成した磁性薄帯と、絶縁層が未形成の他の4本と重ね合わせて巻回し、内径15mm、外形20mmの積層磁心を得た。その後、450℃のアルゴンフロー中で10分間、ナノ結晶化の熱処理を施した。
(比較例7)
比較例7として、絶縁層を形成せず、他は実施例16と同様とした。
実施例16、比較例7で得られた積層磁心について、交流BHトレーサーを用い、50Hzの周波数にて鉄損Pcmを測定した結果を表2に示した。
Figure 2013046032
表1、表2から明らかなように、実施例1〜16の積層磁心は最大磁束密度Bmが1.5Tにて励磁可能であり、比較例1〜7に比べて低い鉄損特性を得る事ができている。一方、比較例1は積層体の厚さが20μmと薄いため、積層体の間に塗布された絶縁層の影響により、占積率が向上せず、著しく鉄損が増加している。
比較例2は絶縁層厚さが7μmと厚いため、占積率が低下し、励磁できなかった。比較例4は積層体の厚みがあることで占積率は高いが、磁性薄帯の収縮によって生じる内部応力により鉄損が増加し、軟磁気特性が劣化している。また、比較例5、7は絶縁層が形成されていないため、磁性薄帯の収縮によって生じる内部応力により鉄損が増加し、軟磁気特性が劣化していることがわかる。
また、本発明の合金組成物において、Fe元素は磁性を担う元素であり、飽和磁束密度の向上のため、Feの割合が多いことが望ましく、82at%以上がより望ましい。
以上のことより、飽和磁束密度の低下を抑制し、磁性薄帯間の収縮摩擦による内部応力を低減した、優れた軟磁気特性を有する積層磁心が得られる。
10、20、30、40 積層磁心
11、21、31、41 磁性薄帯
12、22、32、42 絶縁層
33、43 積層体

Claims (5)

  1. 厚さ60μm以上、600μm以下の磁性体からなる磁性薄帯と厚さ5μm以下(0を含まず)の絶縁層が交互に積層された積層磁心であって、前記磁性体は組成式FeSiCuの合金組成物からなり、79≦a≦86at%、5≦b≦13at%、0≦c≦8at%、1≦x≦8at%、0≦y≦5at%、0.4≦z≦1.4at%、及び0.08≦z/x≦0.80であり、前記積層磁心に占める前記磁性体の占積率が85%以上であることを特徴とする積層磁心。
  2. 前記磁性薄帯は、前記磁性体からなる磁性薄帯が積層された積層体であることを特徴とする請求項1に記載の積層磁心。
  3. 前記合金組成物であって、Feの3at%以下を、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、W、Cr、Co、Ni、Al、Mn、Ag、Zn、S、Sn、As、Sb、Bi、N、O及び希土類元素のうち、1種類以上の元素で置換してなる合金組成物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の積層磁心。
  4. 前記合金組成物は、(第1結晶化開始温度−50℃)で熱処理が行われており、平均粒径が10nm以上、50nm以下である、Fe基ナノ結晶合金であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の積層磁心。
  5. トランス、チョークコイル、リアクトル、インダクタ等の磁気を用いてエネルギーに変換する機器に用いられる事を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の積層磁心。
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