JP6786841B2 - 磁心およびその製造方法、並びに車載用部品 - Google Patents
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Description
μrz=(μr' 2+μr" 2)1/2
合金組成Fe:bal、Cu:1.0、Nb:3.0、B:6.5、Si:15.5(数字はいずれも原子%を示し、balは残部を示す)とする合金溶湯を、単ロール法により急速凝固させて、厚さ13μm、幅52mmの合金リボンを作製した。作製した合金リボンをスリット加工して10mm幅のリボンを5条得た。スリット加工後の10mm幅の合金リボンを巻回して、内径21mm、外径31mm、高さ10mmとなる巻回体を2ヶ(試料A、B)作製した。また、リボンを巻き回す際には張力を調整することで、巻回体の占積率が75%となるようにした。巻始めと巻終わりは、スポット溶接によって隣接する合金リボンと固定させた。
実施例1に記載の250℃で4時間の第2熱処理を行うことなく(省略して)、他の工程は実施例1と同様にして、磁心2ヶ(試料C、D)を作製した。実施例1と同様に、160℃で500時間保持する工程を含む上記の加熱試験を行った後、室温で周波数100kHz及び1MHzでのインピーダンス比透磁率μrzを測定した。その結果を上記の表1および表2に示している。
実施例1に記載の250℃で4時間の第2熱処理を行うことなく(省略して)、かつ、第1熱処理の第1雰囲気を酸素濃度35ppmとした製造方法(特許文献2に該当する製造方法)により、巻回体を製造した。
実施例1では最高温度595℃で第1熱処理を行っているが、実施例2では最高温度を590℃とし、実施例3では最高温度を585℃として第1熱処理を行い、他の工程は実施例1と同様にして、それぞれ磁心2ヶ(590℃:試料E、F)(585℃:試料G、H)を作製した。また、実施例1と同様にして、160℃で500時間保持する工程を含む加熱試験を行った後、室温で周波数100kHz及び1MHzでのインピーダンス比透磁率μrzを測定した。その結果を、上記の表1および表2に示している。
合金リボン幅を25mmとして、他の条件は実施例1と同様にして合金リボンを作製した。作製した合金リボンを巻回して、内径21mm、外径31mm、高さ25mmとなる磁心を2ヶ(試料I、J)作製し、第1熱処理等の後工程は実施例1と同様に行った。
実施例1と同様にして52mm幅の合金リボンを作製した。作製した合金リボンをスリット加工し、25mm幅とした。スリット加工後の合金リボンを巻回して、内径21mm、外径31mm、高さ25mmとなる磁心を2ヶ(試料K、L)作製し、第1熱処理等の後工程を実施例1と同様に行った。
比較例1と同様に、250℃で4時間の第2熱処理を行うことなく(省略して)、かつ、樹脂含浸しない以外は、他の工程は実施例1と同様にして、磁心5ヶを作製した。160℃で1時間、100時間、200時間、500時間それぞれ保持する実施例1と同様の加熱試験を行った後、室温で周波数100kHzでのインピーダンス比透磁率μrzを測定した。その結果を図3に示している。なお、図3にプロットした点は、作製した磁心5ヶの測定値の平均値である。
実施例1では10mm幅の合金リボンを巻回して、内径21mm、外径31mm、高さ10mmとなる巻回体としているが、実施例6では外径の寸法を変え、内径21mm、外径26mm、高さ10mmとなる巻回体とした。他の工程は実施例1と同様にして、それぞれ磁心2ヶ(試料M、N)を作製した。また、実施例1と同様にして、160℃で500時間保持する工程を含む加熱試験を行った後、室温で周波数100kHz及び1MHzでのインピーダンス比透磁率μrzを測定した。その結果を、下記の表5および表6に示している。
上記の実施例6では第2熱処理を大気雰囲気で行っているが、実施例7では酸素濃度を1%とし、実施例8では酸素濃度を5%とした。他の工程は実施例6と同様にして、それぞれ磁心2ヶ(酸素濃度1%:試料O、P)(酸素濃度5%:試料Q、R)を作製した。また、実施例6と同様にして、160℃で500時間保持する工程を含む加熱試験を行った後、室温で周波数100kHz及び1MHzでのインピーダンス比透磁率μrzを測定した。その結果を、下記の表7および表8に示している。
上記の実施例6では第2熱処理を、250℃まで30分で加熱し、250℃で4時間保持し、その後3時間で100℃まで冷却する温度プロファイルで行っているが、実施例9〜13は、保持する温度と保持する時間を変えて実験を行った。詳細には、実施例9では200℃まで30分で加熱し、200℃で4時間保持し、その後3時間で100℃まで冷却する温度プロファイルで行った。実施例10では300℃まで30分で加熱し、300℃で4時間保持し、その後3時間で100℃まで冷却する温度プロファイルで行った。実施例11では200℃まで30分で加熱し、200℃で24時間保持し、その後3時間で100℃まで冷却する温度プロファイルで行った。実施例12では250℃まで30分で加熱し、250℃で24時間保持し、その後3時間で100℃まで冷却する温度プロファイルで行った。実施例13では300℃まで30分で加熱し、300℃で24時間保持し、その後3時間で100℃まで冷却する温度プロファイルで行った。他の工程は実施例6と同様にして、それぞれ磁心2ヶ(保持温度200℃、4時間保持:試料S、T)(保持温度300℃、4時間保持:試料U、V)(保持温度200℃、24時間保持:試料W、X)(保持温度250℃、24時間保持:試料:試料Y、Z)(保持温度300℃、24時間保持:試料AA、AB)を作製した。また、実施例6と同様にして、160℃で500時間保持する工程を含む加熱試験を行った後、室温で周波数100kHz及び1MHzでのインピーダンス比透磁率μrzを測定した。その結果を、表9および表10に示している。なお、参考のため、表9および表10には、実施例6の試料(保持温度250℃、4時間保持:試料:試料M、N)の測定結果を併記する。
実施例6の巻回体(第2熱処理(250℃で4時間保持)を行い、その後、樹脂含浸した巻回体)2ヶの最外層(最外周)のFe基ナノ結晶合金リボンの、外部に露出する面(以下、露出面)と、その反対側の面(以下、裏面)の組成を分析した。分析は、グロー放電発光分析(GD−OES:堀場社製GD-PROFILER2)を用いて行った。測定条件は、ガス圧力を600Pa、出力を35W、パルスモードとし、アノード径をφ2mmとした。測定する元素は、Fe、Ni、Cu、Si、O、C、Bとした。
実施例12の巻回体(第2熱処理(250℃で24時間保持)を行い、その後、樹脂含浸した巻回体)2ヶの最外層(最外周)のFe基ナノ結晶合金リボンの、外部に露出する面(以下、露出面)と、その反対側の面(以下、裏面)の組成を、実施例12と同様に、分析した。
比較例1の巻回体(第2熱処理を行うことなく(省略して)、他の工程は実施例1と同様にして作製した巻回体)を用意し、実施例14と同様にして露出面と裏面のGD−OES分析を行った。
実施例1〜14および比較例1、2の結果から、磁心に樹脂を含浸させても、第2熱処理を行うことによって、高温環境下におけるインピーダンス比透磁率μrzの低下を抑制できることが分かる。したがって、本開示によれば、含浸樹脂によって機械的強度が向上しており、かつ、第2熱処理による高温でのインピーダンス比透磁率の低下が抑制された磁心が得られることが分かった。また、比較例3の結果から、磁心に樹脂を含浸させなければ、加熱試験後にインピーダンス比透磁率μrzは低下しにくいことが分かる。つまり、本発明の製造方法を用いる必要があるのは、樹脂を含浸させた磁心を製造する場合である。
S2 巻回体(層状体)を形成する工程
S3 第1熱処理(ナノ結晶化熱処理)工程
S4 外部から力を付与および解放する工程
S5 第2熱処理(第1熱処理より低温での熱処理)工程
S6 樹脂含浸処理工程
Claims (8)
- Fe基ナノ結晶合金リボンの層状体と、前記層状体に含漬した樹脂とを備えた磁心であって、
大気中で、室温から温度160℃まで20分で昇温し、次いで500時間保持した後、室温まで空冷する加熱試験を行ったときに、前記加熱試験の前後で、周波数100kHzでのインピーダンス比透磁率μrzの低下率が5%未満である磁心。 - 前記加熱試験の前後で、周波数1MHzでのインピーダンス比透磁率μrzの低下率が10%以下である、請求項1に記載の磁心。
- 前記Fe基ナノ結晶合金リボンの層状体の最外層の前記Fe基ナノ結晶合金リボンの、外部に露出する面およびその反対側の面におけるグロー放電分析による酸素の発光強度をそれぞれ、O(out)およびO(in)としたとき、O(out)/O(in)>1.0の関係が成立する請求項1または2に記載の磁心。
- 請求項1から3のいずれかに規定される磁心を含む車載用部品。
- ナノ結晶化可能なFe基アモルファス合金リボンを巻回または積み重ねて層状体を作製する工程と、
前記層状体を酸素濃度100ppm以下の第1雰囲気で熱処理することによって、前記層状体中にナノ結晶を析出させる第1熱処理工程と、
前記第1熱処理工程が行われた層状体を、前記第1熱処理工程における前記第1雰囲気よりも酸化性が高く、酸素濃度が0.1%以上50%以下の第2雰囲気において、100℃以上かつナノ結晶化開始温度未満の保持温度、および、1時間以上24時間以下の保持時間で保持する第2熱処理工程と、
前記第2熱処理工程が行われた層状体に樹脂を含侵させる含浸工程と
を含む、Fe基ナノ結晶合金磁心の製造方法。 - 前記第2熱処理工程において、前記保持温度は、100℃以上350℃以下であり、前記保持時間は、1時間以上10時間以下である請求項5に記載の製造方法。
- 前記第1熱処理工程は、前記Fe基ナノ結晶合金リボンの層状体を最高温度580℃以上600℃以下で熱処理する請求項5または6に記載の製造方法。
- 前記第1熱処理工程の後、前記第2熱処理工程の前に、前記層状体の層方向に対して外力を付与し、次いで解放する弛緩工程をさらに含む、請求項5から7のいずれかに記載の製造方法。
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