JP2007305913A - 磁心 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高BS化による小型低騒音化を同時に満足するFe基非晶質合金薄帯を用いた磁心を提供する。
【解決手段】 飽和磁束密度BSが1.60T以上のFe基非晶質合金薄帯を用いた磁心であって、前記磁心は、最高温度250-370℃、時間30分以上、印加磁場200A/m以上の条件で熱処理が施され、かつ、磁心での外部磁場80A/mのときの磁束密度B80とFe基非晶質合金薄帯の飽和磁束密度BSの比B80/BSが0.90以上であることを特徴とする。この熱処理の工程は、Fe基非晶質合金薄帯の応力緩和度が90%以上となった時点で磁場の印加を停止することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 飽和磁束密度BSが1.60T以上のFe基非晶質合金薄帯を用いた磁心であって、前記磁心は、最高温度250-370℃、時間30分以上、印加磁場200A/m以上の条件で熱処理が施され、かつ、磁心での外部磁場80A/mのときの磁束密度B80とFe基非晶質合金薄帯の飽和磁束密度BSの比B80/BSが0.90以上であることを特徴とする。この熱処理の工程は、Fe基非晶質合金薄帯の応力緩和度が90%以上となった時点で磁場の印加を停止することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は低騒音化を主目的としたFe基非晶質合金薄帯を用いた磁心であり、特にモータ、トランス、チョークコイル、発電機、センサなど応用品に有用である。
Fe基非晶質合金薄帯は、その優れた軟磁気特性その中でも特に鉄損が低いことよりトランス、モータ、チョークコイル、センサなどの磁心材料として着目され、さまざまな磁心や部品、装置として実用化されている。特にFe基非晶質合金薄帯のなかで比較的飽和磁束密度BSが高く、熱安定性が優れるFeSiB系非晶質合金薄帯が広く用いられている。しかし珪素鋼板に比べBSが低いため磁心が大きくなることや磁心から発生する騒音が大きいことが問題となっている。Fe基非晶質合金薄帯においてBSを上げる方法として、磁化の担い手であるFeの量を増やすこと、Fe量を増やすことによって生じる熱安定性の低下をSn、Sなどの添加物により抑制すること、Cを添加することおよびC、Pを添加することなどが挙げられる。特開平5-140703号公報では、FeSiBCSnなる組成が開示され、Snを添加することで高Fe量領域での非晶質形成能を高め、高Bs化がなされている。また特開2002-285304号公報では、FeSiBCPなる組成でFe、Si、B、Cの限られた組成範囲においてPを添加することでFe含有量を大幅に向上させ高BS化している。一方騒音を低減させるための低磁歪化はFe基非晶質合金薄帯の飽和磁歪がBSのほぼ2乗と比例関係にあるため高BSかつ低磁歪なFe基非晶質合金薄帯は実現されていない。そのため騒音で問題になる磁心ならびにそれを用いた応用品にはBSが小さい低磁歪非晶質合金薄帯やナノ結晶合金薄帯が用いられている。
特開平5-140703号公報((0008)〜(0010)、図1)
特開2002-285304号公報((0010)〜(0016)、表1)
上述のように従来の高BSのFe基非晶質合金薄帯からなる磁心は飽和磁歪が大きくなり、騒音が増加する。そのため高BS、低騒音を同時に満たす磁心は実現されていない。そこで本発明では高BS化による小型低騒音化を同時に満足するFe基非晶質合金薄帯を用いた磁心ならびにそれを用いた応用品を提供することを目的とした。
本発明では高BS化による磁心の小型化と低騒音化を実現するため、騒音に影響を及ぼす原因について検討をおこなった。その結果、Fe基非晶質合金薄帯の角形性が、そのFe基非晶質合金薄帯を磁心にした時の騒音と密接な関係があることに着目し、応力緩和度が90%以上となるように磁場中熱処理をおこなうことで角形性が高まり、Fe基非晶質合金薄帯を用いた磁心として、従来にないレベルの低騒音化が可能なものを得られることを知見した。また、磁心を量産する際は肉厚が大きい磁心、幅が広い磁心および一度に多量の磁心の熱処理をおこなう。その場合、角形性などのばらつきにより特性が十分に得られず騒音がばらつく問題がおこることがわかり、本発明の熱処理を行うとこのような磁心の熱処理でも優れた特性を得られることを知見した。
本発明の磁心は、飽和磁束密度BSが1.60T以上のFe基非晶質合金薄帯を用いた磁心であって、前記磁心は、最高温度250-370℃、時間30分以上、印加磁場200A/m以上の条件で熱処理が施され、かつ、磁心での外部磁場80A/mのときの磁束密度B80とFe基非晶質合金薄帯の飽和磁束密度BSの比B80/BSが0.90以上であることを特徴とする。応力緩和度は外径R0の石英リングに薄帯を巻き、熱処理後に石英リングから取り外した薄帯の外径R1を測定し、R0/R1×100で算出した。
前記熱処理の工程は、Fe基非晶質合金薄帯の応力緩和度が90%以上となった時点で磁場の印加を停止することが好ましい。
また、前記熱処理は、印加磁場を400A/m以上、320〜350℃の温度で0.2〜2時間保持する工程を含むことが好ましい。
また、前記最高温度からの冷却速度は、0.3℃/min以上であることが好ましい。
また、前記熱処理は、印加磁場を400A/m以上、320〜350℃の温度で0.2〜2時間保持する工程を含むことが好ましい。
また、前記最高温度からの冷却速度は、0.3℃/min以上であることが好ましい。
この角形性の良好なFe基非晶質合金薄帯を磁心に用いることにより、磁束密度が1.4T、周波数50Hzでの鉄損W14/50が0.28W/kg以下の磁心が得られ、さらには磁束密度1.4T、周波数50Hz、平均磁路長が150mm以下での騒音レベルが30dB以下、平均磁路長300mm以下で騒音レベル35dB以下という従来にない低騒音の製品を製造できる。ここで平均磁路長をLmmとするとLは磁心の厚さの中心部における周長を指すものとする。例えば、磁心が真円形状で平均直径((外径+内径)÷2)がRなら、L=πRとなる。また、前記磁心は、応力緩和度が90%以上とすることができる。
磁心のFe基非晶質合金薄帯として、合金組成がTaSibBcCd(ただし、TはFe、またはFeとFeに対し10%以下のCo、Niの少なくとも一種を含む元素)で表され、原子%で76≦a<84%、0<b≦12%、8≦c≦18%、0.01≦d≦3%、および不可避不純物からなる高BS材を使用することが好ましい。Fe基非晶質合金薄帯の厚さは5μmから100μmのものを使用する。厚さが5μm以下では製造が困難であり、また、表面の影響が大きくなり特性を均一にできない。厚さが100μmを超えると表面結晶化が生じ特性が劣化しやすい。
より高BS材であり、角形性の高い合金組成として、Fe量が81≦a≦83、Si量が0<b≦5、B量が10≦c≦18、C量が0.2≦d≦3、であるFe基非晶質合金薄帯を用いることが好ましい。この合金組成範囲は、上記組成範囲の中でも特に角形性が高い。これによりFe基非晶質合金薄帯のBSと磁心の外部磁場80A/mでの磁束密度B80の比B80/BSが0.93以上のものが得られる。この合金組成のFe基非晶質合金薄帯の熱処理は、印加磁場を400A/m以上、320〜350℃の温度で0.2〜4時間保持する工程を含むものが好ましい。
より高BS材であり、角形性の高い合金組成として、Fe量が81≦a≦83、Si量が0<b≦5、B量が10≦c≦18、C量が0.2≦d≦3、であるFe基非晶質合金薄帯を用いることが好ましい。この合金組成範囲は、上記組成範囲の中でも特に角形性が高い。これによりFe基非晶質合金薄帯のBSと磁心の外部磁場80A/mでの磁束密度B80の比B80/BSが0.93以上のものが得られる。この合金組成のFe基非晶質合金薄帯の熱処理は、印加磁場を400A/m以上、320〜350℃の温度で0.2〜4時間保持する工程を含むものが好ましい。
組成を限定する理由を以下に示す。以下、単に%と記載のものは原子%を表す。
Fe量aは76%より少ないと鉄心材料として十分なBSが得られず磁心が大型化し好ましくない。また84%以上では熱安定性が低下し、安定した非晶質合金薄帯が製造できなくなるためである。高BSを得るためにはaは81%以上83%以下が好ましい。求められる磁気特性から、Fe量の10%以下をCo、Niの少なくとも一種で置換することができる。
Si量bは非晶質形成能に寄与する元素でBsを向上させるためには12%以下とする必要があり、高BS化するためには5%以下であることが好ましい。
B量cは非晶質形成能に最も寄与し、8%未満では熱安定性が低下してしまい、18%より多いと添加しても非晶質形成能などの改善効果が見られない。高BSな非晶質の熱安定性を保つには10%以上であることが好ましい。
Cは材料の角形性およびBSを向上し磁心を小型化できると共に、低騒音化する効果がある。C量dは0.01%未満ではほとんど効果がなく3%より多くすると脆化と熱安定性が低下し、磁心製造が困難となり好ましくない。高BS、高角形性を得るには0.2%以上が好ましく、さらには0.5%以上が好ましい。
Fe量の10%以下をNi、Coの一種または二種で置換するとBSが向上し、磁心の小型化に寄与するがコストが高い原料であるため10%より多く含有させるのは現実的ではない。またMnは微量添加で若干BSを向上させる効果があるが0.50at%以上添加すると逆にBSが低下し、好ましくは0.1%以上0.3%以下がよい。
またCr, Mo, Zr, Hf, Nbの1種以上の元素を0.01〜5%含んでもよく、不可避な不純物としてS, P, Sn, Cu, Al, Ti から少なくとも1種以上の元素を0.50%以下含有してもよい。
Fe量aは76%より少ないと鉄心材料として十分なBSが得られず磁心が大型化し好ましくない。また84%以上では熱安定性が低下し、安定した非晶質合金薄帯が製造できなくなるためである。高BSを得るためにはaは81%以上83%以下が好ましい。求められる磁気特性から、Fe量の10%以下をCo、Niの少なくとも一種で置換することができる。
Si量bは非晶質形成能に寄与する元素でBsを向上させるためには12%以下とする必要があり、高BS化するためには5%以下であることが好ましい。
B量cは非晶質形成能に最も寄与し、8%未満では熱安定性が低下してしまい、18%より多いと添加しても非晶質形成能などの改善効果が見られない。高BSな非晶質の熱安定性を保つには10%以上であることが好ましい。
Cは材料の角形性およびBSを向上し磁心を小型化できると共に、低騒音化する効果がある。C量dは0.01%未満ではほとんど効果がなく3%より多くすると脆化と熱安定性が低下し、磁心製造が困難となり好ましくない。高BS、高角形性を得るには0.2%以上が好ましく、さらには0.5%以上が好ましい。
Fe量の10%以下をNi、Coの一種または二種で置換するとBSが向上し、磁心の小型化に寄与するがコストが高い原料であるため10%より多く含有させるのは現実的ではない。またMnは微量添加で若干BSを向上させる効果があるが0.50at%以上添加すると逆にBSが低下し、好ましくは0.1%以上0.3%以下がよい。
またCr, Mo, Zr, Hf, Nbの1種以上の元素を0.01〜5%含んでもよく、不可避な不純物としてS, P, Sn, Cu, Al, Ti から少なくとも1種以上の元素を0.50%以下含有してもよい。
角形性を向上させるためには応力緩和度が高い必要がある。図1に1.4T、50Hz、磁心平均直径30mmのトロイダル磁心のB80と騒音レベルの関係を示す。B80の値を大きくすると騒音が発生しはじめる(暗騒音レベル以上になる)磁束密度の値が高磁束密度側へシフトする。磁心のB80を上げるためには薄帯のBSの上昇と磁心の角形性向上が重要となる。磁心の角形性を向上させるには磁場中で熱処理をおこない温度、時間を制御することで制御可能である。
雰囲気はアルゴン、窒素ガスなどの不活性ガス、真空中、場合によっては大気中でも構わない。
熱処理中の磁心の温度分布は10℃以下になるよう制御することが好ましい。
印加磁場は磁心の磁束が飽和するのに必要な磁界をリボン長手方向に平行(磁心周方向)に印加する必要がある。本範囲の合金の場合低磁界で飽和するため200A/m以上の磁界を印加すればよい。好ましくは400A/m以上で印加するのがよい。印加する磁界は、直流、交流、繰り返しのパルス磁界のいずれを用いても良く、熱処理パターンの一部のみ磁場印加するものでも構わない。好ましくは熱処理の最高温度から100℃低い温度まで磁場の印加を継続することが好ましい。また、量産時など磁場を印加し続けるには非常に多くの電気量が必要となりコストがかかる。そのため本発明では磁場印加が必要となる最低限の範囲を調査した。その結果、角形性B80/Bs≧90%を満たすためには熱処理温度が200℃以上から磁場を印加し始め、応力緩和度が90%以上となる時点まで磁場の印加を継続する必要し、以降は磁場の印加を停止することが好ましいことがわかった。熱処理のパターンによるところはあるが温度、時間より応力緩和度90%以上とするためのエネルギーの概算は可能であり、好ましくは応力緩和度が92%以上となるところで印加磁場を停止するのがよい。平均昇温速度は0.3-100℃/minで最高温度250-370℃、時間0.5h以上でおこない、平均冷却速度0.3-300℃/ min程度で冷却を行う。好ましくは昇温速度1-20℃/min、最高温度300-370℃、1-3hでおこなうのがよい。また2段熱処理、250℃以下の低温で長時間熱処理するなどでも同様の効果が得られる。低温熱処理の場合でも熱処理パターンの一部で320から350℃の範囲を0.2-1h程度設けるのが好ましい。磁心のサイズが大きく熱容量が大きい場合および一度の多数の磁心を熱処理する場合は、磁心の温度分布を10℃以下に制御することが重要でありその手段として一旦目標とする保持温度よりも低い温度で保持後昇温し、目標温度まで持って行き保持し、冷却速度0.3-5℃/minで冷却する熱処理パターンで熱処理を行うのが好ましい。このような熱処理を行うことで応力緩和度が90%以上の角形性がよく、より騒音の小さい磁心を実現することができる。熱処理は、通常露点が-30℃以下の不活性ガス雰囲気中で行うことが望ましく、露点が-60℃以下の不活性ガス雰囲気中で熱処理を行うと、ばらつきが更に小さくより好ましい結果が得られる。
雰囲気はアルゴン、窒素ガスなどの不活性ガス、真空中、場合によっては大気中でも構わない。
熱処理中の磁心の温度分布は10℃以下になるよう制御することが好ましい。
印加磁場は磁心の磁束が飽和するのに必要な磁界をリボン長手方向に平行(磁心周方向)に印加する必要がある。本範囲の合金の場合低磁界で飽和するため200A/m以上の磁界を印加すればよい。好ましくは400A/m以上で印加するのがよい。印加する磁界は、直流、交流、繰り返しのパルス磁界のいずれを用いても良く、熱処理パターンの一部のみ磁場印加するものでも構わない。好ましくは熱処理の最高温度から100℃低い温度まで磁場の印加を継続することが好ましい。また、量産時など磁場を印加し続けるには非常に多くの電気量が必要となりコストがかかる。そのため本発明では磁場印加が必要となる最低限の範囲を調査した。その結果、角形性B80/Bs≧90%を満たすためには熱処理温度が200℃以上から磁場を印加し始め、応力緩和度が90%以上となる時点まで磁場の印加を継続する必要し、以降は磁場の印加を停止することが好ましいことがわかった。熱処理のパターンによるところはあるが温度、時間より応力緩和度90%以上とするためのエネルギーの概算は可能であり、好ましくは応力緩和度が92%以上となるところで印加磁場を停止するのがよい。平均昇温速度は0.3-100℃/minで最高温度250-370℃、時間0.5h以上でおこない、平均冷却速度0.3-300℃/ min程度で冷却を行う。好ましくは昇温速度1-20℃/min、最高温度300-370℃、1-3hでおこなうのがよい。また2段熱処理、250℃以下の低温で長時間熱処理するなどでも同様の効果が得られる。低温熱処理の場合でも熱処理パターンの一部で320から350℃の範囲を0.2-1h程度設けるのが好ましい。磁心のサイズが大きく熱容量が大きい場合および一度の多数の磁心を熱処理する場合は、磁心の温度分布を10℃以下に制御することが重要でありその手段として一旦目標とする保持温度よりも低い温度で保持後昇温し、目標温度まで持って行き保持し、冷却速度0.3-5℃/minで冷却する熱処理パターンで熱処理を行うのが好ましい。このような熱処理を行うことで応力緩和度が90%以上の角形性がよく、より騒音の小さい磁心を実現することができる。熱処理は、通常露点が-30℃以下の不活性ガス雰囲気中で行うことが望ましく、露点が-60℃以下の不活性ガス雰囲気中で熱処理を行うと、ばらつきが更に小さくより好ましい結果が得られる。
Fe基非晶質合金薄帯は、必要に応じて含浸やコーティング等を行うことも可能である。エポキシ樹脂やアクリル樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂により含浸する、あるいは合金を接着するなどして巻磁心カットコアや積層コアとして使用することができる。磁心は、一般的には樹脂ケースなどに入れる、あるいはコーティングして使用される。
上述の如く、高BS材を適用し、かつ応力緩和度およびB80/BSを高くする磁場中熱処理をおこなうことで、低騒音、低鉄損および脆化、熱安定性低下の抑制を可能とした磁心を得ることが可能になった。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
Fe82Si1B16C1の組成の母合金200gを作製し、1300℃で高周波溶解した溶湯を25-30m/sで回転するCu-Be合金ロールに噴出し、板厚23-25μm、幅5mmの非晶質合金薄帯を作製した。この非晶質合金薄帯から、内径/外径70/75mmのトロイダル磁心を作製し表1に示す条件で印加磁場800A/mの磁場中で熱処理をおこない特性を評価した。特性を表1に示す。騒音レベルは周波数50Hz, 磁束密度1.4Tの条件で測定した。
(実施例1)
Fe82Si1B16C1の組成の母合金200gを作製し、1300℃で高周波溶解した溶湯を25-30m/sで回転するCu-Be合金ロールに噴出し、板厚23-25μm、幅5mmの非晶質合金薄帯を作製した。この非晶質合金薄帯から、内径/外径70/75mmのトロイダル磁心を作製し表1に示す条件で印加磁場800A/mの磁場中で熱処理をおこない特性を評価した。特性を表1に示す。騒音レベルは周波数50Hz, 磁束密度1.4Tの条件で測定した。
図2に示す熱処理パターン1の処理途中の何点かで試料を取出し、応力緩和度を測定し、応力緩和度が85%および90%となる時点で磁場の印加を停止し、熱処理終了後に特性を測定した結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1と同様に作製したトロイダルコアを図3、4に示す熱処理パターン12,13で印加磁場800A/mの磁場中で熱処理した試料の特性を表3に示す。
実施例1と同様に作製したトロイダルコアを図3、4に示す熱処理パターン12,13で印加磁場800A/mの磁場中で熱処理した試料の特性を表3に示す。
本発明は応力緩和度が高くなる磁場中熱処理をすることで磁心の角形性をあげ、高磁束密度かつ低騒音、低鉄損な磁心を提供することに関し、トランス、モータ、チョークコイル用磁心として利用できる。
Claims (8)
- 飽和磁束密度BSが1.60T以上のFe基非晶質合金薄帯を用いた磁心であって、前記磁心は、最高温度250-370℃、時間30分以上、印加磁場200A/m以上の条件で熱処理が施され、かつ、磁心での外部磁場80A/mのときの磁束密度B80とFe基非晶質合金薄帯の飽和磁束密度BSの比B80/BSが0.90以上であることを特徴とする磁心。
- 前記熱処理の工程は、Fe基非晶質合金薄帯の応力緩和度が90%以上となった時点で磁場の印加を停止することを特徴とする請求項1に記載の磁心。
- 前記熱処理は、印加磁場を400A/m以上、320〜350℃の温度で0.2〜4時間保持する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載の磁心。
- 前記最高温度からの冷却速度は、0.3℃/min以上であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の磁心。
- 前記磁心は、磁束密度1.4T、 周波数50Hzでの鉄損W14/50が0.28W/kg以下であることを特徴とする請求項1乃至4に記載の磁心。
- 前記Fe基非晶質合金薄帯は、合金組成がTaSibBcCd(ただし、TはFe、またはFeとFeに対し10%以下のCo、Niの少なくとも一種を含む元素)で表され、原子%で76≦a<84%、0<b≦12%、8≦c≦18%、0.01≦d≦3%および不可避不純物からなることを特徴とする請求項1乃至5に記載の磁心。
- 前記Fe基非晶質合金薄帯の合金組成が、原子%でT量が81≦a≦83、Si量が0<b≦5、B量が10≦c≦18、C量が0.2≦d≦3であることを特徴とする請求項1乃至6に記載の磁心。
- 前記磁心は、磁心での外部磁場80A/mのときの磁束密度B80とFe基非晶質合金薄帯の飽和磁束密度BSの比B80/BSが0.93以上である請求項7に記載の磁心。
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