JP2001283819A - アルカリ電池用セパレータおよびその製造方法 - Google Patents

アルカリ電池用セパレータおよびその製造方法

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Masahiro Yamashita
全広 山下
Satoshi Takase
敏 高瀬
Toshio Tanaka
俊雄 田中
Hiroki Yamaguchi
裕樹 山口
Naohiko Takimoto
直彦 滝本
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ電池、特にアルカリ二次電池に用いら
れるポリオレフィン系セパレータにおいて、電解液との
親和性が優れたセパレータを提供する。 【解決手段】ベンゼンスルホン酸誘導体によりスルホン
化処理するに際して、極限粘度が0.2以上、1.0d
l/g以下のオレフィン系樹脂製繊維を前記ベンゼンス
ルホン酸誘導体溶液に常温付近で予め浸漬し、オレフィ
ン系樹脂製繊維内にベンゼンスルホン酸誘導体を浸透さ
せた後、加熱スルホン化処理することにより、樹脂内部
にスルホン基が存在するセパレータが得られる。該セパ
レータは、アルカリ電解液に浸漬後において中和されな
い酸性基を1×10-3mol/m2以上有し、強度低下
を招くことなく容量保持率に優れたアルカリ電池を可能
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ電池用セ
パレータの製造において、オレフィン系樹脂製繊維をベ
ンゼンスルホン酸誘導体によりスルホン化処理すること
により、アルカリ電解液中で中和されずに残存した酸性
基を有することが可能となり、この結果不純物捕捉機能
を効果的に発現させ、自己放電を大幅に低減したアルカ
リ二次電池用の親水化されたセパレータおよびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ二次電池では、充電状態の電池
を高温下で保存すると、時間の経過とともに容量が低下
していく自己放電現象の存在が知られており、負極とし
て水素吸蔵合金を用いたニッケル−水素電池においては
特に顕著な問題となっている。特に従来のポリアミド系
繊維をセパレータとして用いた場合には、ポリアミド系
繊維が電解液によって加水分解され、分解生成物として
硝酸根などの窒素化合物が生じるため、自己放電現象が
促進されるという欠点を有していた。
【0003】また、自己放電の原因物質である硝酸根と
しては、前記のセパレータ分解物のほかに、電池内に混
入したアンモニアの酸化によっても生成する。従って電
池系内のアンモニア量を低減すれば硝酸根も減少し、自
己放電の抑制が期待できるのであるが、アンモニアは電
極の製造工程においても混入され易く電池内へのアンモ
ニア混入を完全に防ぐことは極めて困難である。
【0004】そこで、電解液中でも分解生成物を生じ
ず、電池内のアンモニアを捕捉する能力を持ったセパレ
ータとして、ポリオレフィン系繊維を親水化したものを
主成分とする方法が検討されてきた。この親水化の処理
方法としては、例えばスルホン化処理、親水性単量体の
グラフト重合などがある。これらの親水化処理において
は、スルホン基およびカルボン酸基等のイオン交換能を
有する官能基をポリオレフィン系繊維に導入すること
で、その結果これらの官能基が電池内に含まれる窒素化
合物、特にアンモニアを捕捉して自己放電現象を抑制さ
せると考えられている。
【0005】従来ポリオレフィン系繊維に親水性単量体
にグラフト重合やスルホン化処理によって、高いイオン
交換量を保持させるセパレータについての検討が多数報
告されている(特開平10-326607号、特開平10-116600
号)。
【0006】しかしながら、グラフト重合処理によるセ
パレータは耐熱性に劣り、例えば60℃以上の比較的高
温な環境下においては、カルボン酸基の脱落等が生じ
る。このため、アンモニア捕捉性の低下により自己放電
現象を抑止することが困難になるという問題がある。
【0007】これに対して、スルホン化処理によるセパ
レータは、比較的高温の環境下でも官能基が安定である
という利点を有している。しかし、ポリエチレンやポリ
プロピレンなどのポリオレフィン系繊維は、元来耐酸性
に優れ、スルホン化処理する場合においては、スルホン
化しにくい繊維であるため、内部までスルホン基を導入
しようとすると、繊維の強度低下を招くという問題があ
る。このため高いアンモニア捕捉性を主眼に置いて、ポ
リオレフィン系繊維の内部へのスルホン基導入について
検討した例はこれまでに報告されていない。
【0008】またポリスチレンなどの比較的スルホン化
しやすい樹脂繊維をスルホン化して親水化させる試みに
ついても検討されている。しかし、この場合もスルホン
基の導入が主に繊維表面に集中し、高いイオン交換量を
有しているにもかかわらず、アンモニア捕捉性に乏し
く、電池に組み込んだ際の自己放電も大きいという問題
があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、優れ
たアンモニア捕捉性を有する電池用セパレータを提供
し、またこのセパレータを使用することにより高い容量
保持性能を有する電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、次の発明を見出す
に至った。
【0011】すなわち、本発明は、(1)アルカリ電解
液に浸漬後において、中和されていない酸性基量が1×
10-3mol/m2以上である事を特徴とするアルカリ
電池用セパレータに関するものである。酸性基量とは、
一般にセパレータ中の総官能基量を指し、この内の繊維
表面でカリウムイオンで置換された官能基量を親水性の
指標としてイオン交換量で表される。この酸性基量より
このイオン交換量を差し引いた値が、中和されないで繊
維内部に残存する酸性基量として、アンモニア捕捉能力
の指標として用いられる。
【0012】(2)加えて本発明は(1)における酸性
基が、スルホン基である事を特徴とするアルカリ電池用
セパレータに関するものである。
【0013】(3)また、本発明は(1)または(2)
において、含有する総硫黄量が5000乃至50000
ppm、好ましくは、10000ppm以上である事を
特徴とするアルカリ電池用セパレータに関するものであ
る。
【0014】(4)さらに本発明は(1)乃至(3)の
いずれかにおいて、イオン交換量が、1.0meq/m
2以上、10meq/m2である事を特徴とするアルカリ
電池用セパレータに関するものである。
【0015】(5)さらに加えて本発明は、(1)乃至
(4)のいずれかにおいて、親水化されたポリオレフィ
ン系樹脂の極限粘度が、0.2以上、1.0dl/g以
下の範囲である事を特徴とするアルカリ電池用セパレー
タに関するものである。
【0016】(6)本発明はオレフィン系樹脂製繊維を
ベンゼンスルホン酸誘導体によりスルホン化処理するこ
とを特徴とするアルカリ電池用セパレータの製造方法に
関するものである。
【0017】(7)さらに本発明は、ベンゼンスルホン
酸誘導体によりスルホン化処理するに際して、オレフィ
ン系樹脂製繊維を該ベンゼンスルホン酸誘導体溶液に常
温付近で予め浸漬しオレフィン系樹脂製繊維内にベンゼ
ンスルホン酸誘導体を浸透させた後加熱しスルホン化処
理することを特徴とする請求項7に記載のアルカリ電池
用セパレータの製造方法に関するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアルカリ電池用セパレータにおいては、電解液
中で中和されずぬ残存するスルホン基が、1×10-3
ol/m2以上存在する必要があり、より好ましくは5
×10-3mol/m2以上である。これは、電解液中に
おいて、スルホン基がアンモニアあるいはアンモニウム
イオンよりも、カリウムイオンに対して高い反応選択性
を持つため、カリウムイオンと反応しカリウム塩を形成
する。電解液中で中和されてカリウム塩を形成したスル
ホン基は、アンモニア捕捉能力を失ってしまうことによ
る。したがって、有効なスルホン基が1×10-3mol
/m2以下では電解液中のアンモニアを十分に捕捉でき
ず、自己放電を抑止することができないものである。
【0019】電解液中で中和されない有効なスルホン基
の量は、硫黄濃度より求められた全スルホン基量と、イ
オン交換当量より得られる中和されたスルホン基量の差
として求められる。
【0020】スルホン化して導入される硫黄濃度は50
00ppm以上50000ppm以下、好ましくは10
000ppm以上である。これは5000ppm以下で
はスルホン化が繊維表面だけにとどまり、繊維内部に有
効なスルホン基が形成されないためである。50000
ppm以上であれば、繊維表面の剥離や強度低下という
問題を生じる。
【0021】電解液中で中和されるスルホン基の量は、
カリウムイオン交換量を測定することによって知ること
ができる。このイオン交換量という指標は、従来よりセ
パレータと電解液の親和性に対する指標として用いられ
てきたものであって、1.0meq/m2以上10me
q/m2未満の範囲であることが望ましい。1.0me
q/m2未満の場合にはセパレータと電解液との親和性
が失われるため電池性能が低下する。また、10meq
/m2以上のイオン交換量を付与させた場合には、有効
スルホン基量が低下するばかりか、樹脂表面を集中的に
スルホン化するためにセパレータとして必要な強度を得
ることが困難になる。
【0022】有効スルホン基を樹脂に付与する方法とし
ては、有機溶媒に溶解させたベンゼンスルホン酸誘導体
で樹脂をスルホン化処理するのが最も有効である。本発
明の方法により、有効なスルホン基が多く付与されるよ
うになる機構に関しては不明な点も多いが、有機溶媒に
溶解したベンゼンスルホン酸誘導体が樹脂中に浸透し樹
脂内部をスルホン化するものと推定している。
【0023】本発明で用いられるベンゼンスルホン酸誘
導体は、特に限定されないが1,3,5−トリメチルベ
ンゼン−2−スルホン酸、1,2,3,4,5−ペンタ
メチルベンゼン−6−スルホン酸、1,3,5−トリエ
チルベンゼン−2−スルホン酸、1,3,5−トリメチ
ルベンゼン−2,4−ジスルホン酸、1,2,4,5−
テトラメチルベンゼン−3−スルホン酸等が好ましい例
である。これらのベンゼンスルホン酸誘導体を1,2−
ジクロルエタン、1,2−ジクロルベンゼン、1,3,
5−トリメチルベンゼン、四塩化炭素、クロロホルム、
メタノール等の有機溶媒に溶解させた溶液に被スルホン
化樹脂を浸漬させる。ベンゼンスルホン酸誘導体の溶液
濃度は、溶媒への可溶性と被スルホン化樹脂に処理した
いスルホン化量から適宜設定すればよいが、1〜50
%、より好ましくは5〜20%が効果的に樹脂内部まで
ベンゼンスルホン酸誘導体が浸透し望ましい。その後、
必要に応じ加熱処理することで、樹脂内部まで浸透した
ベンゼンスルホン酸誘導体が樹脂全体をスルホン化処理
する。
【0024】また、前記ベンゼンスルホン酸誘導体を
1,2−ジクロルエタン、1,2−ジクロルベンゼン、
1,3,5−トリメチルベンゼン、四塩化炭素、クロロ
ホルム、メタノール等の有機溶媒に溶解させた溶液に被
スルホン化樹脂を浸漬させる際は、樹脂表面のスルホン
化が過度に進まないよう常温付近、好ましくは20〜5
0℃に調整した溶液に先ず5〜60分浸漬すると、ベン
ゼンスルホン酸誘導体が樹脂内部まで均一に行き渡る。
この際、超音波振動等の外力を加えるとベンゼンスルホ
ン酸誘導体が樹脂内部まで均一に行き渡る時間が短縮で
きる。
【0025】また、これらポリオレフィン系樹脂は極限
粘度が0.2以上、1.0dl/g以下の範囲であるこ
とが望ましく、さらに好ましくは0.4以上0.9dl
/g以下の範囲である。この範囲内であればベンゼンス
ルホン酸誘導体を溶解させた溶液が樹脂に浸透しやすく
なり、有効スルホン基を導入しやすくなるからである。
ポリオレフィン系樹脂では極限粘度が1.0dl/g以
上になると、非常に耐酸性はあがるが、ベンゼンスルホ
ン酸誘導体を溶解させた溶液の浸透性が低下し樹脂内部
をスルホン化することが困難になるからである。また、
極限粘度が0.2dl/g以下の極限粘度になると、セ
パレータとしての強度を維持することは困難になるため
好ましくない。
【0026】本発明の電池用セパレータを構成する樹脂
は、任意の有機系樹脂材料を用いることができるが、ポ
リオレフィン系樹脂であることが好ましい。ポリオレフ
ィン系樹脂としては、ポリオレフィン単独からなる樹
脂、またはオレフィンとその他の単量体との共重合体と
からなる樹脂であり、ポリオレフィンとしては、例えば
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、
ポリブテン、ポリエチレン−プロピレン、ポリエチレン
−ブテン−プロピレン等を挙げることができ、また、オ
レフィンと共重合が可能なその他の単量体としては、ス
チレン、酪酸ビニル、酢酸ビニル等を挙げることがで
き、特に限定されるものではないが、電解液に対する耐
性、耐酸化性、スルホン化処理時の耐熱性等の面からポ
リプロピレンであることが望ましい。
【0027】本発明の電池用セパレータにおいてその形
態は特に限定しないが、セパレータとしての機能を有す
るためにはシート状でかつ多孔質体であることが重要で
あり、望ましい例として繊維集合体である不織布、織
物、編物や延伸、相分離等により多孔質化したフィルム
状多孔質体、又は発泡体型多孔質体などがあげられる。
不織布を用いる場合には、その製法は特に限定されるも
のではなく、一般に知られている不織布の製法であれば
いずれも使用可能であるが、均一性やコストの面からは
スパンボンド法やメルトブロー法、湿式抄紙法が望まし
い例である。また、単一の製法である必要はなく、異な
る製法による不織布を積層したような多層構造を持つも
のや、不織布とフィルム状多孔質体、不織布と発泡体型
多孔質体、フィルム状多孔質体と発泡体型多孔質体を積
層したものも望ましい例である。
【0028】本発明の電池用セパレータに用いる多孔質
体の目付量は、20乃至60g/m 2の範囲であること
が望ましく、30〜50g/m2の範囲であれば更に望
ましく、その繊維径としては1乃至30μm、より好ま
しくは5乃至20μmが望ましく、さらに不織布の空隙
率としては0.1乃至0.9、より好ましくは0.3乃
至0.7が望ましい範囲である。これは各物性が前記の
望ましい範囲を外れると電池製造に必要な強度が得られ
なかったり、必要な通気度が得られないためである。
【0029】本発明における実施例、比較例中の各特性
は、次の方法によって測定した。
【0030】・極限粘度(IV) 溶媒としてテトラリンを使用し、試料を該テトラリンに
溶解し、該溶解液をガラス濾過器で濾過した後、Ubbelo
hdeの粘度計を用いて135±0.1℃の温度で測定を
行う。尚使用するテトラリンには、予め0.2質量%の
BHT(2,4−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)を
添加しておき、試料が溶解する際の酸化劣化を防止す
る。試料の溶解液の濃度としては、1g/1000ml
とする。Huggins定数(k′)としては0.35の値を用
いる。尚該測定法は「実験化学講座8高分子化学
(上),第5章粘度,日本化学会,1963年5月15
日」に準じている。
【0031】・総硫黄量 「基礎分析化学講座,第11巻,日本分析化学会(共立
出版),第34〜43頁,1965年9月」に記載の方
法に準じ、フラスコ燃焼法により実施する。
【0032】・イオン交換量 30cm2の試験片を1mol/lのHCl溶液に1時
間浸漬した後、イオン交換水でpHが6〜7になるまで
数回洗浄した。次いで、60℃の送風乾燥機で2時間乾
燥し、室温まで冷却した後の試験片の重量W2を0.0
1mgまで測定した。重量測定後の試験片を0.01m
ol/lのKOH溶液60mlに浸漬し、45℃で1時
間振とうした後、試験片を取り出し、溶液25mlを採
取して、0.01mol/lのHCl溶液で中和滴定し
た。ブランク溶液も同様に滴定し、式1より、カリウム
イオン交換量を算出した。
【0033】 イオン交換量(meq/m2)=[(V0−V1)×100×0.01×f]/(0.003×25) ・・・(式1) ただし、 V1:サンプルの滴定に要したHCL溶液量(cm3) V2:ブランク溶液の滴定に要したHCL溶液量(cm3) f:HCL溶液のファクター
【0034】・有効スルホン基量 前述の総硫黄量とイオン交換量の測定値を用い、下記式
2により算出した。 有効スルホン基量(mol/m2)=(総硫黄量(ppm)×目付(g/m2)/32.66 /1000−イオン交換量(meq/m2))/1000・・・(式2)
【0035】・容量保持率 先ずペースト式水酸化ニッケル正極とペースト式水素吸
蔵合金負極、及びセパレータを渦巻き状に捲回し、SC
サイズの密閉型電池(容量2400mAh)を作製す
る。尚この電池の電解液としては、水酸化リチウムを添
加した水酸化カリウム水溶液を用いる。
【0036】前準備の初期活性化処理として、45℃で
6時間保持する。その後20℃の空気雰囲気下において
0.2Cで6時間充電の後、0.2C放電(放電終止電
圧1.0V)し、この充電・放電の操作を7回繰り返
す。
【0037】次に0.2Cで6時間充電し、1時間休止
の後、0.2C放電(終止電圧1.0V)での放電容量
を測定し、測定値C0とする。そして0.2Cで6時間
充電して45℃の空気雰囲気下で168時間保存し、そ
の後20℃で6時間放冷し、0.2C放電(終止電圧
1.0V)での放電容量を測定して測定値C1とする。
次いで0.2Cで6時間充電し、1時間休止の後、0.
2C放電(終止電圧1.0V)での放電容量を測定し、
測定値C2とする。尚上記0.2C放電とは、密充電し
た電池を5時間かけて放電することであり、この際放電
の電流値を適切な値に設定する。
【0038】上記測定値を基に下記式3により容量保持
率を算出する。 容量保持率(%)=C1×2/(C0+C2)×100 …(式3)
【0039】なお自己放電量(%)と容量保持率(%)
との関係は、下記式4で表される。 容量保持率=100−自己放電量 ・・・(式4)
【0040】
【実施例】本発明を実施例により詳説するが、本発明は
決してこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0041】<実施例1>極限粘度0.58dl/gのポ
ロプロピレン樹脂を溶融後、直径0.3mmのオリフイ
スからの押出温度を220℃、単孔吐出量を0.5g/
分とし、250℃,0.6kg/cm2の空気流で牽引
細化させて上記ポロプロピレン樹脂を繊維化しつつ(メ
ルトブロー法)、捕集コンベアー上に捕集し目付50g
/m2の不織布を得た。得られた不織布を構成する単繊
維の径をSEM写真で測定したところ約9μmであっ
た。この不織布を20℃の1,3,5−トリメチルベン
ゼン−2−スルホン酸10%溶液(溶媒1,2−ジクロ
ルベンゼン)に50分間浸漬後、昇温し90℃で5分間
スルホン化処理を行いセパレータとした。該セパレータ
の総硫黄量は7000ppm、イオン交換量は9.50
meq/m2であった。
【0042】<実施例2>実施例1と同様の不織布を3
0℃の1,3,5−トリメチルベンゼン−2−スルホン
酸10%溶液(溶媒1,2−ジクロルベンゼン)に30
分間浸漬後、昇温し90℃で5分間スルホン化処理を行
いセパレータとした。該セパレータの総硫黄量は115
00ppm、イオン交換量は9.06meq/m2であ
った。
【0043】<実施例3>実施例1と同様の不織布を5
0℃の1,3,5−トリメチルベンゼン−2−スルホン
酸10%溶液(溶媒1,2−ジクロルベンゼン)に10
分間浸漬後、昇温し90℃で5分間スルホン化処理を行
いセパレータとした。該セパレータの総硫黄量は148
500ppm、イオン交換量は9.24meq/m2
あった。
【0044】<実施例4>実施例1と同様の不織布を2
5℃の1,3,5−トリエチルベンゼン−2−スルホン
酸40%溶液(溶媒1,2−ジクロルベンゼン)に40
分間浸漬後、昇温し100℃で5分間スルホン化処理を
行いセパレータとした。該セパレータの総硫黄量は17
200ppm、イオン交換量は3.66meq/m2
あった。
【0045】<実施例5>実施例1と同様の不織布を2
5℃の1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4−ジス
ルホン酸5%溶液(溶媒1,2−ジクロルエタン)に4
0分間浸漬後、昇温し90℃で10分間スルホン化処理
を行いセパレータとした。該セパレータの総硫黄量は2
5500ppm、イオン交換量は7.64meq/m2
であった。
【0046】<実施例6>実施例1と同様の不織布を2
5℃の1,3,5−トリメチルベンゼン−2−スルホン
酸15%溶液(溶媒メタノール)に40分間浸漬後、昇
温し90℃で5分間スルホン化処理を行いセパレータと
した。該セパレータの総硫黄量は13100ppm、イ
オン交換量は5.63meq/m2であった。
【0047】<実施例7>極限粘度0.38dl/gのポ
ロプロピレン樹脂を溶融後、直径0.2mmのオリフイ
スからの押出温度を220℃、単孔吐出量を0.3g/
分とし、250℃,0.6kg/cm2の空気流で牽引
細化させて上記ポロプロピレン樹脂を繊維化しつつ(メ
ルトブロー法)、捕集コンベアー上に捕集し目付20g
/m2の不織布を得た。得られた不織布を構成する単繊
維の径をSEM写真で測定したところ約5μmであっ
た。この不織布を20℃の1,3,5−トリメチルベン
ゼン−2−スルホン酸15%溶液(溶媒1,2−ジクロ
ルベンゼン)に50分間浸漬後、昇温し90℃で5分間
スルホン化処理を行いセパレータとした。該セパレータ
の総硫黄量は48400ppm、イオン交換量は8.6
5meq/m2であった。
【0048】<実施例8>極限粘度0.90dl/gのポ
ロプロピレン樹脂を溶融後、直径0.3mmのオリフイ
スからの押出温度を240℃、単孔吐出量を0.5g/
分とし、260℃,0.6kg/cm2の空気流で牽引
細化させて上記ポロプロピレン樹脂を繊維化しつつ(メ
ルトブロー法)、捕集コンベアー上に捕集し目付80g
/m2の不織布を得た。得られた不織布を構成する単繊
維の径をSEM写真で測定したところ約12μmであっ
た。この不織布を20℃の1,3,5−トリメチルベン
ゼン−2−スルホン酸15%溶液(溶媒1,2−ジクロ
ルベンゼン)に50分間浸漬後、昇温し90℃で5分間
スルホン化処理を行いセパレータとした。該セパレータ
の総硫黄量は5500ppm、イオン交換量は1.05
meq/m2であった。
【0049】<比較例1>実施例1と同様の不織布を8
0℃の1,3,5−トリメチルベンゼン−2−スルホン
酸10%溶液(溶媒1,2−ジクロルベンゼン)に10
分間浸漬後、昇温し90℃で5分間スルホン化処理を行
いセパレータとした。該セパレータの総硫黄量は910
0ppm、イオン交換量は13.47meq/m2であ
った。
【0050】<比較例2>実施例1と同様の不織布を直
接90℃の1,3,5−トリメチルベンゼン−2−スル
ホン酸10%溶液(溶媒1,2−ジクロルベンゼン)に
10分間浸漬5分間スルホン化処理を行いセパレータと
した。該セパレータの総硫黄量は6500ppm、イオ
ン交換量は9.32meq/m2であった。
【0051】<比較例3>実施例1と同様の不織布を1
35℃の98%濃硫酸に10分間浸漬しスルホン化処理
を行いセパレータとした。該セパレータの総硫黄量は1
1500ppm、イオン交換量は16.84meq/m
2であった。
【0052】<比較例4>実施例1と同様の不織布を1
35℃の98%濃硫酸に20分間浸漬しスルホン化処理
を行いセパレータとした。該セパレータの総硫黄量は2
3600ppm、イオン交換量は35.51meq/m
2であった。
【0053】<比較例5>実施例1と同様の不織布をS
3ガスを10体積%含む窒素ガス(30℃)中に5分
間放置しスルホン化処理を行いセパレータとした。該セ
パレータの総硫黄量は23000ppm、イオン交換量
は35.05meq/m2であった。
【0054】<比較例6>極限粘度1.20dl/gのポ
ロプロピレン樹脂を溶融後、直径0.3mmのオリフイ
スからの押出温度を260℃、単孔吐出量を0.5g/
分とし、280℃,0.7kg/cm2の空気流で牽引
細化させて上記ポロプロピレン樹脂を繊維化しつつ(メ
ルトブロー法)、捕集コンベアー上に捕集し目付80g
/m2の不織布を得た。得られた不織布を構成する単繊
維の径をSEM写真で測定したところ約15μmであっ
た。この不織布を20℃の1,3,5−トリメチルベン
ゼン−2−スルホン酸10%溶液(溶媒1,2−ジクロ
ルベンゼン)に50分間浸漬後、昇温し90℃で5分間
スルホン化処理を行いセパレータとした。該セパレータ
の総硫黄量は3200ppm、イオン交換量は7.22
meq/m2であった。
【0055】<実施例7>極限粘度0.19dl/gのポ
ロプロピレン樹脂を溶融後、直径0.2mmのオリフイ
スからの押出温度を205℃、単孔吐出量を0.15g
/分とし、225℃,0.5kg/cm2の空気流で牽
引細化させて上記ポロプロピレン樹脂を繊維化しつつ
(メルトブロー法)、捕集コンベアー上に捕集し目付5
g/m2の不織布を得た。得られた不織布を構成する単
繊維の径をSEM写真で測定したところ約9μmであっ
た。この不織布を20℃の1,3,5−トリメチルベン
ゼン−2−スルホン酸10%溶液(溶媒1,2−ジクロ
ルベンゼン)に50分間浸漬後、昇温し90℃で5分間
スルホン化処理を行いセパレータとした。該セパレータ
の総硫黄量は12300ppm、イオン交換量は5.3
0meq/m2であった。
【0056】上記実施例1〜8及び比較例1〜7のセパ
レータの作成条件、各種物性及び各セパレータを組み込
んだニッケル水素二次電池の容量保持率の測定結果を表
1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】上記表1から分かる様に、実施例1〜8の
セパレータは有効スルホン基量が多くよってアンモニア
トラップ率が高くなったと考えられ高い容量保持率を示
した。
【0059】これに対して本発明の方法によらない比較
例1〜6では高い総硫黄量を有してはいるものの、樹脂
表面が集中的にスルホン化されるため有効スルホン基量
が少なくなりアンモニアトラップ率が低下し、結果とし
て電池の容量保持率が低くなっている。
【0060】また比較例7では有効スルホン基量は多い
ものの、不織布の強度が弱く電池作成時に破断し、電池
性能の評価すら不可能であった。
【0061】
【発明の効果】本発明に係る電池用セパレータは、アン
モニア捕捉に有効な樹脂内部のスルホン基を有すること
により、自己放電を効果的に抑制しかつ高い容量保持率
の電池が実現できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月12日(2000.5.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】(4)さらに本発明は(1)乃至(3)の
いずれかにおいて、イオン交換量が、1.0meq/m
2以上、10meq/m2 以下である事を特徴とするアル
カリ電池用セパレータに関するものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】電解液中で中和されるスルホン基の量は、
カリウムイオン交換量を測定することによって知ること
ができる。このイオン交換量という指標は、従来よりセ
パレータと電解液の親和性に対する指標として用いられ
てきたものであって、1.0meq/m2以上10me
q/m2 以下の範囲であることが望ましい。1.0me
q/m2未満の場合にはセパレータと電解液との親和性
が失われるため電池性能が低下する。また、10meq
/m2以上のイオン交換量を付与させた場合には、有効
スルホン基量が低下するばかりか、樹脂表面を集中的に
スルホン化するためにセパレータとして必要な強度を得
ることが困難になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 裕樹 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 滝本 直彦 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4J100 AA02P AA03P AA17P BA56H CA31 HA61 HC71 JA43 5H021 BB01 BB09 BB12 CC02 CC08 EE04 EE15 EE18 HH00 HH06 HH07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オレフィン系樹脂製繊維からなるアルカリ
    電池用セパレータにおいて、アルカリ電解液に浸漬後の
    中和されない酸性基量が1×10-3mol/m2以上の
    親水化された事を特徴とするアルカリ電池用セパレー
    タ。
  2. 【請求項2】請求項1記載において酸性基が、スルホン
    基である事を特徴とするアルカリ電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】含有する総硫黄量が5000以上乃至50
    000ppm以下の範囲にある事を特徴とする請求項1
    乃至2の範囲のアルカリ電池用セパレータ。
  4. 【請求項4】イオン交換量が、1.0meq/m2
    上、10meq/m2以下である事を特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載のアルカリ電池用セパレー
    タ。
  5. 【請求項5】親水化されたポリオレフィン系樹脂で中和
    されない酸性基を有する樹脂の極限粘度が、0.2以上
    乃至1.0dl/g以下の範囲であることを特徴とする
    請求項1乃至5いずれかに記載のアルカリ電池用セパレ
    ータ。
  6. 【請求項6】オレフィン系樹脂製繊維をベンゼンスルホ
    ン酸誘導体によりスルホン化処理することを特徴とする
    アルカリ電池用セパレータの製造方法。
  7. 【請求項7】ベンゼンスルホン酸誘導体によりスルホン
    化処理するに際して、オレフィン系樹脂製繊維を該ベン
    ゼンスルホン酸誘導体溶液に常温付近で予め浸漬しオレ
    フィン系樹脂製繊維内にベンゼンスルホン酸誘導体を浸
    透させた後加熱しスルホン化処理することを特徴とする
    請求項6に記載のアルカリ電池用セパレータの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007077272A (ja) * 2005-09-14 2007-03-29 Nitto Denko Corp プロトン伝導性膜の製造方法

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