JP2001283428A - 垂直磁気記録媒体及び垂直磁気記録再生装置 - Google Patents

垂直磁気記録媒体及び垂直磁気記録再生装置

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JP2001283428A
JP2001283428A JP2000094552A JP2000094552A JP2001283428A JP 2001283428 A JP2001283428 A JP 2001283428A JP 2000094552 A JP2000094552 A JP 2000094552A JP 2000094552 A JP2000094552 A JP 2000094552A JP 2001283428 A JP2001283428 A JP 2001283428A
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JP2000094552A
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Inventor
Soichi Oikawa
壮一 及川
Kazuyuki Hikosaka
和志 彦坂
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 媒体ノイズを低減化した垂直磁気記録媒体及
び垂直磁気記録再生装置を提供する。 【解決手段】 非磁性基板と、前記非磁性基板上に形成
された下地層と、前記下地層上に形成された磁性層と、
前記磁性層上に形成された保護層とからなる垂直磁気記
録媒体において、前記磁性層がCOを主成分とする合金
からなり、前記下地層がRuと体心立方構造を有する材
料を主成分とする合金であってRuを60at.%以上
含むことを特徴とする。このような構成により、磁性層
の初期成長時の結晶配向の乱れを抑制しその垂直配向を
向上させ、また、磁性層における結晶粒の微細化および
粒径の均一化を実現し、媒体ノイズを低減化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度磁気記録に
適する垂直磁気記録媒体及び垂直磁気記録再生装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、Coを主成分とする磁性層を
用いた垂直磁気記録媒体では、その磁気特性および記録
再生特性をきらに改善するために、磁性層の下地層とし
て様々な材料を用いて磁性層の結晶配向、結晶粒径や偏
析構造などを制御する試みがなされてきた。
【0003】例えば、特開平2−73511号や特開平
5−73877号では、Co系の磁性層の下地層にR
u、Crなどの1種以上の材料を用いることが開示され
ている。これら従来技術に開示されているRuやCrを
用いた下地層は、磁性層の結晶方向を垂直配向へとある
程度高めることは可能であるが、磁性層の低ノイズ化を
必ずしも十分図ることは難しかった。即ち、Ruは、C
o系磁性層と同じく六方最密構造であり、スパッタ法や
真空蒸着法等により薄膜を作成した場合には結晶配向は
<00.1>方向となることから、Ru単独の下地層で
も磁性層の垂直配向をある程度高めることができるが、
磁性層の主成分であるCoのa軸の格子定数は0.25
1[nm]であるのに対し、下地層の主成分であるRu
のa軸の格子度数は0.271[nm]であることか
ら、磁性層と下地層の組成材料間の格子ミスマッチは
7.2%となり、Ru単独の下地層では磁性層の初期成
長時の結晶配向の乱れを抑制するのに必ずしも十分では
なく、これによって、磁性層の低ノイズ化が十分実現で
きなかった。
【0004】このような磁性層と下地層との組成材料間
の格子ミスマッチを小さくするためには、RuにCrな
どを混ぜた合金を下地層に用いる方法を考えることがで
きる。例えば、特開平4−704号には、Co系の磁性
層の下地層にCrの組成が30wt.%以上となるRu
Cr合金を用いることが開示されている。
【0005】体心立方構造をとる材料の一つであるCr
は、Ruと合金を形成しかつ原子半径も小さいことか
ら、RuにCrを多く混ぜるほど磁性層との格子ミスマ
ッチを小さくすることができる。このため上記した特開
平4−704号に開示された従来技術では、下地膚のC
rの組成を30wt.%以上と規定しており、従って、
Ruの組成は70wt.%以下(即ち、約55at.%
以下に相当)とすると規定している。
【0006】これは下地層にCr成分が多く含まれてい
るほど、Crを含む磁性層の初期成長時の結晶配向の乱
れが軽減されるとする考えによるものであるが、近年で
は、結晶構造及び結晶配向の観点から、上記従来技術の
ようにRuの組成が55at.%以下では、かえって磁
性層の結晶配向の乱れを生じると考えられている。即
ち、Crの組成が40at.%以上(Ruの組成が60
at.%以下)となると、RuCr合金は六方最密構造
を保つことが出来ないために、かえって磁性層の結晶配
向の乱れを生じさせることになる。この結果、磁性層の
低ノイズ化が十分実現できず、従って、媒体ノイズを改
善することができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、Ru系の材料を用いた下地
層において、六方最密構造を保ち且つその結晶配向を<
00.1>方向(即ち、垂直配向に相当)に保つ構成を
有し、これにより、磁性層の垂直配向を向上させ、媒体
ノイズの改善された垂直磁気磁気媒体及び垂直磁気記録
再生装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の垂直磁気記録媒
体は、磁性層がCoを主成分とする合金からなり、下地
層がRuと体心立方構造を有する材料を主成分とする合
金であってRuを60at.%以上含むことを特徴とす
るものである。
【0009】また、本発明の垂直磁気記録媒体は、磁性
層がCoを主成分とする合金からなり、第一下地層がT
iまたはTiを主成分とする合金または化合物からな
り、前記第二下地層がRuと体心立方構造を有する材料
を主成分とする合金であってRuを60at.%以上含
むことを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の垂直磁気記録再生装置は、
その垂直磁気記録媒体が、磁性層がCoを主成分とする
材料からなり、下地層がRuと体心立方構造を有する材
料を主成分とする合金であってRuを60at.%以上
含むことを特徴とするものである。
【0011】また、本発明の垂直磁気記録再生装置は、
その垂直磁気記録媒体が、磁性層がCoを主成分とする
合金からなり、第一下地層がTiまたはTiを主成分と
する合金または化合物からなり、前記第二下地層がRu
と体心立方構造を有する材料を主成分とする合金であっ
てRuを60at.%以上含むことを特徴とするもので
ある。
【0012】このような構成により、下地層または第二
下地層を六方最密構造および<00.1>配向に保ちつ
つ、磁性層との格子ミスマッチを改善して磁性層の初期
成長時の結晶配何の乱れを抑制することでその垂直配向
を向上させ、また、磁性層における結晶粒の微細化およ
び粒径の均一化を実現することにより、媒体ノイズを低
減化することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、図面を
参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0014】Ru系の材料を用いた下地層において、六
方最密構造を保ち且つその結晶配向を垂直配向に相当す
る<00.1>方向に保つためには、Ruと混ぜるCr
などの体心立方構造の材料の濃度には上限が存在するこ
とが分かっている。二元合金状態図によると、Crの場
合には、室温において濃度の上限値はおよそ40at.
%であり、このときの下地層のRuCr合金の格子定数
はおよそ0.262[nm]となり、磁性層のCoとの
格子ミスマッチは4.4%程度まで小さくすることが可
能である。従って、下地層としてRuと体心立方構造を
有する元素を主成分とし、Ruを60at.%以上含む
合金を用いることにより、磁性層の初期成長時の結晶配
向の乱れを抑制し、その垂直配向を向上きせることがで
き、よって磁性層の媒体ノイズを改善した垂直磁気記録
媒体を実現することができる。特に、Crの場合、磁性
層におけるCrの偏析をより促進させ磁性粒子間の相互
作用が軽減されることによっても媒体ノイズが改善され
ているものと考えられる。
【0015】また、体心立方構造を有する材料としては
Crの他にVがある。VもRuと合金を形成し、原子半
径も小さいことから、RuV合金の下地層を用いた場合
にも、RuCr合金の下地層と同様に、磁性層の初期成
長時の結晶配向の乱れを抑制し、その垂直配向を向上さ
せることができ、よって磁性層の媒体ノイズを改善を期
待できる。さらに、六方最密構造であるRuに、結晶構
造の異なる体心立方構造の材料を混ぜた場合には、結晶
粒の微細化や粒径の均一性の向上によっても媒体ノイズ
が改善されているものと考えられる。このため、Crと
V以外にも同じく体心立方構造であるNb、Mo、T
a、WなどをRuに混ぜた場合も、格子ミスマッチはR
u単独の場合よりも大きくなるものの、同様に媒体ノイ
ズの改善が期待できる。
【0016】次に、本発明の第1の実施形態の垂直磁気
記録媒体Aについて説明する。
【0017】図1に示されているように、垂直磁気記録
媒体Aは、非磁性基板1上に、TiN第一下地層2、R
uCr第二下地層3、CoPtCrO第一磁性層4、R
uCr中間層5、CoPtCrO第二磁性層6、C保護
層7を、順次積層した構成としている。
【0018】この垂直磁気記録媒体Aは、以下のように
して作成する。非磁性基板1としては、2.5インチ磁
気ディスクの標準仕様を満たすガラス基板を用い、この
非磁性基板1の上に、DCマグネトロンスパッタリング
により各層のすべての成膜を行なった。先ず、非磁性基
板1に、TiN化合物ターゲットをスパッタすることに
より厚さ36[nm]程度のTiN第一下地層2を形成
した。更に、TiN第一下地層2の上にRu−10a
t.%Cr合金ターゲットをスパッタし、厚さ10[n
m]程度のRuCr第二下地層3を形成した。このRu
Cr第二下地層3の上に微量のO2を含んだAr雰囲気
中でCoPtCr合金ターゲットのスパッタリングを行
ないCoPtCrO第一磁性層4を形成した。更にCo
PtCrO第一磁性層4の上に、Ru−10at.%C
r合金ターゲットをスパッタし、RuCr中間層5を形
成した。更にRuCr中間層5の上に、微量のO2を含
んだAr雰囲気中でCoPtCr合金ターゲットをスパ
ッタしCoPtCrO第二磁性層6を形成した。このよ
うにして、CoPtCrO第一磁性層4とRuCr中間
層5とCoPtCrO第二磁性層6との積層構造の垂直
磁気記録層を形成した。その後、CoPtCrO第二磁
性層6の上にCターゲットをスパッタし、厚さ10[n
m]程度のC保護層7を形成した。
【0019】第1の実施形態における垂直磁気記録媒体
Aでは、上記したように、RuCr第二下地層3及びR
uCr中間層5の形成に際して、Ru−10at.%C
r合金ターゲットをスパッタすることで、その組成をR
uが60at.%以上含まれるようにしている。
【0020】次に、比較例1として、図2に示す垂直磁
気記録媒体Bを作成した。この垂直磁気記録媒体BはR
u第二下地層13及びRu中間層15を有しており、図
1の垂直磁気記録媒体Aに対して、第二下地層及び中間
層をRuとした点が異なる。この第二下地層及び中間層
以外の層については垂直磁気記録媒体Aと同様の構成と
した。この際、本発明の第1の実施形態の垂直磁気記録
媒体Aと比較例1の垂直磁気記録媒体Bはともに、垂直
角型比は1に近い値であり、垂直保磁力は3.5[kO
e](≒276.5[kA/m])以上であった。
【0021】本発明の第1の実施形態の垂直磁気記録媒
体Aと比較例1の垂直磁気記録媒体Bとについて、磁気
抵抗効果を利用したヘッドを用いて記録再生特性の評価
を行なつた。評価は、第二下地層作成時のスパッタ電力
に対して媒体の信号体雑音比(So/Nm)を測定する
ことで行なった。図3に、その測定結果をプロットした
結果を示している。図3において、垂直磁気記録媒体A
の測定値を白丸で示し、垂直磁気記録媒体Bの測定値を
黒丸で示している。垂直磁気記録媒体Aと垂直磁気記録
媒体Bの再生信号出力はほば等しい値を取るので、信号
対雑音比(So/Nm)が高いものほど媒体ノイズが低
いことを示している。図3から分かるように、第二下地
層作成時のスパッタ電力にかかわらず、常に垂直磁気記
録媒体Aの方が垂直磁気記録媒体Bよりも優れた信号対
雑音比(So/Nm)の値を示しており、垂直磁気記録
媒体Aでは媒体ノイズの低減化が実現されていることが
分かる。
【0022】更に、比較例2として、図4に示す垂直磁
気記録媒体Cを作成した。この垂直磁気記録媒体Cでは
Ru中間層25を有しており、図1の垂直磁気記嶽媒体
Aに対しては、中間層をRuとした点が異なる。中間層
以外の層については垂直磁気記録媒体Aと同様の構成と
した。比較例2の垂直磁気記録媒体Cと本発明の垂直磁
気記録媒体Aとを比較するため、上述した垂直磁気記録
媒体Bと垂直磁気記録媒体Aとの比較時と同様に、磁気
抵抗効果を利用したヘッドを用いた記録再生特性の評価
を行なった。その結果、比較例2の垂直磁気記録媒体C
よりも、本発明の垂直磁気記録媒体Aの方がより低い媒
体ノイズ特性を得られた。従って、第一磁性層と第二磁
性層の間に設けられた中間層についてもその組成をRu
が60at.%以上含まれるRuCrとすることで、媒
体ノイズの低減化に効果を有することが分かる。
【0023】このように、CoPtCrO第一磁性層4
とCoPtCrO第二磁性層6の下地層として、Ruが
60at.%以上含まれる組成としたRuCr第二下地
層3とRuCr中間層5をそれそれ形成することによ
り、磁性層における結晶粒の微細化および粒径の均一化
により、媒体ノイズの低減化を図ることができる。
【0024】また、第一磁性層及び第二磁性層に使用さ
れる垂直磁気異方性を有する磁性材料としては、CoC
rPt、CoCrTaなどのCoCr系合金のほか、C
oPtOやCoPtBなどのCoPt系合金があること
から、これらの磁性材料を用いて第一磁性層及び第二磁
性層を形成するようにしても良い。
【0025】更に、本発明の垂直磁気記録媒体Aでは、
RuCr第二下地層3及びRuCr中間層5の下に、T
iN第一下地層2を有する構成としている。これは、本
発明者が出願した特願平11−171272号にて述べ
ているが、Ru下地層の下にTi系下地層を設けること
により、CoPtCrO磁性層の垂直配向、保磁力、再
生出力なとを改善する上で有効であることが分かってい
る。従って、Ru下地層と同様に、RuCr下地層の下
にTi系下地層を設けた場合も上記した磁性層に対して
同様の効果を与えることが可能であることから、本発明
の垂直磁気記録媒体AではTiN第一下地層2を設けた
構成としている。
【0026】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態について説明する。図5に、第2の実施形態の
垂直磁気記録媒体Dを示している。この垂直磁気記録媒
体Dは、図1の垂直磁気記録媒体Aが、厚さ38[n
m]程度のTiN第一下地層と厚さ10[nm]程度の
RuCr第二下地層を有するのに対して、厚さ12[n
m]程度のTi第一下地層と厚さ50[nm]程度のR
uCr第二下地層を有した点が異なる。垂直磁気記録媒
体Dは、Ti第一下地層32についてはTiターゲット
をスパッタし12[nm]程度の厚さで形成し、RuC
r第二下地層33についてはRu−10at.%Cr合
金ターゲットをスパッタし50[nm]程度の厚さで形
成した。これ以外の垂直磁気記録媒体Aと同様の層につ
いては、垂直磁気記録媒体Aと同様に形成した。
【0027】この本発明の第2の実施形態の垂直磁気記
録媒体Dに対する比較例3として、図6に示す磁気磁気
記録媒体Eを作成した。垂直磁気記録媒体EではRu第
二下地層43及びRu中間層45を有しており、図5の
垂直磁気記録媒体Dに対して、第二下地層及び中間層を
Ruとした点が異なる。この第二下地層及び中間層以外
の層については垂直磁気記録媒体Dと同様の構成とし
た。この際、本発明の第2の実施形態の垂直磁気記録媒
体Dと比較例3の垂直磁気記録媒体Eはともに、垂直角
型比は1に近い値であり、垂直保磁力は3.5[kOe]
(≒276.5[kA/m])以上であった。
【0028】本発明の垂直磁気記録媒体Dと比較例3の
垂直磁気記録媒体Eとを比較するために、上述した場合
と同様に、磁気抵抗効果を利用したヘッドを用いた記録
再生特性の評価を行なった。その結果、比較例3の垂直
磁気記録媒体Eよりも、本発明の垂直磁気記録媒体Dの
方がより低い媒体ノイズ特性を得られた。また、Ru−
10at.%Crの代わりにRu−30at.%Crを
用いた場合にも、同様の垂直角型比、垂直保磁力が得ら
れたことから、結晶配向の乱れを生じていないことが分
かり、この際、信号対雑音比(So/Nm)は同程度で
あったが、記録分解能が改善されており面記録密度の向
上に関して効果が見られた。従って、第一下地層として
TiNではなくTiを用いた場合にも、第二下地層及び
中間層に、Ruが60at.%以上含まれる組成とした
RuCrを用いることにより、媒体ノイズの低減化を図
ることができる。
【0029】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態について説明する。図7に、第3の実施形態の
垂直磁気記録媒体Fを示している。この垂直磁気記録媒
体Fでは、非磁性基板51とTi第一下地層53との間
にCoZrNb軟磁性層52を有する点で、図5の垂直
磁気記鍵媒体Dと異なる。この垂直磁気記録媒体Fは、
非磁性基板51の上に、CoZrNbターゲットをスパ
ッタすることでCoZrNb軟磁性層52を形成する
が、このCoZrNb軟磁性層52以外の各層の形成
は、垂直磁気記録媒体Dの作成時と同様である。
【0030】このように、非磁性基板と非磁性下地層と
の間に軟磁性層を設けた場合には、いわゆる垂直二層媒
体として機能し、磁気ヘッドからの記録磁界を還流させ
る磁気ヘッドの一部を担っており記録再生効率を向上さ
せる効果がある。このような軟磁性層を設けた構成を有
する場合でも、記録層の下地層としてRuが60at.
%以上含まれる組成としたRuCrを用いることによ
り、媒体ノイズの低減化を図ることができる。
【0031】軟磁性層の材料としては、CoZrNbな
どのCoZr系合金、パーマロイなどのNiFe系合
金、FeCo系合金や、FeSi系合金なとの高透磁率
を有する軟磁性合金を用いることができる。なお、軟磁
性層上にRuCr合金やTiを主成分とする非磁性下地
層をそれらの最密面が膜面と平行となるように成長させ
ることが望ましいことを考慮すると、軟磁性層としては
CoZrNbなどの非晶質材料を用いやすいと考えられ
るが、代わりに、非磁性下地と軟磁性層の間に非晶質材
料であるC層を設けても良い。更に、軟磁性層の磁化容
易軸を媒体の円周方向又は半径方向に摘えるため、非磁
性基板と軟磁性層の間に、FeMnなどの反強磁性層や
CoSmなどの硬磁性層を形成しても良い。
【0032】また、垂直磁気記封媒体Fでは、第一下地
層の材料としてTiを用いているが、第2の実施形態の
垂直磁気記録媒体Dと同様に、TiNを用いても良い。
【0033】なお、上述した第1の実施彬態の垂直磁気
記録媒体A、第2の実施形態の垂直磁気記録媒体D、第
3の実施形態の垂直磁気記録媒体Fでは、非磁性基板と
してガラス基板を用いているが、Al系の合金基板ある
いは表面が酸化したSi単結晶基板、セラミックス基
板、プラスチック基板などを使用しても良い。更に、そ
れら非磁性基板表面にNiP合金などのメッキが施され
たものを用いても良い。また、成膜法としてスパッタリ
ング法のみを取り上げたが、真空蒸着法などで作成する
ようにしても良い。
【0034】(第4の実施形態)次に、図8を参照し
て、上述した本発明の垂直磁気記録媒体を用いた垂直磁
気記録再生装置について説明する。
【0035】垂直磁気記録媒体61は、本発明の垂直磁
気記録媒体A又は垂直磁気記録媒体D又は垂直磁気記録
媒体Fである。この垂直磁気記録媒体61は、スピンド
ル62に装着されており、図示しないスピンドルモータ
によって一定回転数で回転駆動される。垂直磁気記録媒
体61にアクセスして信号の記録再生を行なう磁気ヘッ
ドを搭載したスライダー63は、薄板状の板バネからな
るサスペンション64の先端に取り付けられている。サ
スペンション64は図示しない駆動コイルを保持するボ
ビン部等を有するアーム65の一端側に接続されてい
る。
【0036】アーム65の他端側には、リニアモータの
一種であるボイスコイルモータ66が設けられている。
ボイスコイルモータ66は、アーム65のボビン部に巻
き上げられた図示しない駆動コイルと、それを挟み込む
ように対抗して配置された永久磁石及び対向ヨークによ
り構成される磁気回路とから構成されている。
【0037】アーム65は、固定軸67の上下2箇所に
設けられた図示しないボールベアリングによって保持さ
れ、ボイスコイルモータ66によって回転揺動駆動され
る。即ち、垂直磁気記録媒体61上におけるスライダー
63の位置は、ボイスコイルモータ66により制御され
る。また、68は蓋体を示している。
【0038】このように、本発明の垂直磁気記鞍媒体A
又は垂直磁気記録媒体D又は垂直磁気記録媒体Fを垂直
磁気記録媒体61に用いることにより、媒体ノイズの低
い垂直磁気記録再生装置を実現することが可能である。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように本発明では、Ru系
合金からなる下地層または第二下地層を六方最密構造お
よび<00.1>配向に保ちつつ、磁性層との格子ミス
マッチを改善して磁性層の初期成長時の結晶配向の乱れ
を抑制することでその垂直配向を向上させ、また、磁性
層における結晶粒の微細化および粒径の均一化を実現す
ることにより、媒体ノイズを低減化することが可能とな
る。
【0040】また、磁性層が、第一磁性層と第二磁性層
との間に中間層を有する多層構造である場合において、
Ru系合金からなる中間層を六方最密構造および<0
0.1>配向に保ちつつ、第二磁性層との格子ミスマッ
チを改善して第二磁性層の初期成長時の結晶配向の乱れ
を抑制することで垂直配向を向上させ、また、第二磁性
層における結晶粒の微細化および粒径の均一化を実現す
ることにより、媒体ノイズを低減化することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる垂直磁気記録
媒体Aの断面構成を示す図。
【図2】比較例1の垂直磁気記録媒体Bの断面構成を示
す図。
【図3】垂直磁気記録媒体Aと垂直磁気記録媒体Bの記
録再生特性の評価結果を示す図。
【図4】比較例2の垂直磁気記録媒体Cの断面構成を示
す図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係わる垂直磁気記録
媒体Dの断面構成を示す図。
【図6】比較例3の垂直磁気記録媒体Eの断面構成を示
す図。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る垂直磁気記録媒
体Fの断面構成を示す図。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る垂直磁気記録再
生装置の構成を示した図。
【符号の説明】
1、11、21、31、41、51…非磁性基板 2、12、22…TiN第一下地層 3、23、33、54…RuCr第二下地層 4、14、24、34、44、55…CoPtCrO第
一磁性層 5、15、35、56…RuCr中間層 6、16、26、36、46、57…CoPtCrO第
二磁性層 7、17、27、37、47、58…C保護層 13、43…Ru第二下地層 25、45…Ru中間層 32、42、53…Ti第一下地層 52…CoZrNb軟磁性層 61…垂直磁気記録媒体 62…スピンドル 63…スライダー 64…サスペンション 65…アーム 66…ボイスコイルモータ 67…固定軸 68…蓋体

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基板と、前記非磁性基板上に形成さ
    れた下地層と、前記下地層上に形成された磁性層と、前
    記磁性層上に形成された保護層とからなる垂直磁気記録
    媒体において、 前記磁性膜がCoを主成分とする合金からなり、前記下
    地層がRuと体心立方構造を有する材料を主成分とする
    合金であってRuを60at.%以上含むことを特徴と
    する垂直磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 非磁性基板と、前記非磁性基板上に形成
    された第一下地層と、前記第一下地層上に形成された第
    二下地層と、前記第二下地層上に形成された磁性層と、
    前記磁性層上に形成された保護層からなる垂直磁気記録
    媒体において、 前記磁性層がCoを主成分とする合金からなり、前記第
    一下地層がTiまたはTiを主成分とする合金または化
    合物からなり、前記第二下地層がRuと体心立方構造を
    有する材料を主成分分とする合金であってRuを60a
    t.%以上含むことを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記下地層における前記体心立方構造を
    有する材料が、Cr、V、Nb、Mo、Ta及びWから
    なる群のうちの少なくとも一種の元素からなることを特
    徴とする請求項1記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記第二下地層における前記体心立方構
    造を有する材料が、Cr、V、Nb、Mo、Ta及びW
    からなる群のうちの少なくも一種の元素からなることを
    特徴とする請求項2記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記下地層における前記体心立方構造を
    有する材料が、Crであることを特赦とする請求項1記
    載の垂直磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記第二下地層における前記体心立方構
    造を有する材料が、Crであることを特徴とする請求項
    2記載の垂直磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記磁性層が、Pt、Cr及びOをさら
    に含んでいることを特徴とする請求項1乃至7のいずれ
    か記載の垂直磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記磁性層が、Coを主成分とする第一
    磁性層と、前記第一磁性層上に形成されたRuと体心立
    方構造を有する材料を主成分としRuを60at.%以
    上含む合金からなる中間層と、前記中間層上に形成され
    たCo主成分とする第二磁性層とからなることを特徴と
    する請求項1乃至6のいずれか記載の垂直磁気記録媒
    体。
  9. 【請求項9】 前記第一磁性層及び前記第二磁性層が、
    Pt、Cr及びOをさらに含んでいることを特徴とする
    請求項8記載の垂直磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記第一下地層が、TiまたはTiの
    窒化物からなることを特徴とする請求項2、4及び6乃
    至9のいずれか記載の垂直磁気記鞋媒体。
  11. 【請求項11】 前記下地層と前記非磁性基板との間
    に、軟磁性層をさらに設けたことを特徴とする請求項
    1、3、5、7、8及び9のいずれか記載の垂直磁気記
    録媒体。
  12. 【請求項12】 前記第一下地層と前記非磁性基板との
    間に、軟磁性層をさらに設けたことを特徴とする請求項
    2、4及び8乃至10のいずれか記載の垂直磁気記録媒
    体。
  13. 【請求項13】 垂直磁気記録媒体と、前記垂直磁気記
    録媒体を支持及び回転駆動する駆動手段と、前記垂直磁
    気記録媒体に対して情報の記録及び再生を行なう磁気記
    録再生手段と、前記垂直磁気記録媒体に対して前記記録
    再生手段を移動自在に支持する支持手段とを具備する垂
    直磁気記録再生装置であって、 前記垂直磁気記録媒体が、非磁性基板と、前記非磁性基
    板上に形成された下地層と、前記下地層上に形成された
    磁性層と、前記磁性層上に形成された保護層とを具備
    し、 前記磁性層がCoを主成分とする材料からなり、前記下
    地層がRuと体心立方構造を有する材料を主成分とする
    合金であってRuを60at.%以上含むことを特徴と
    する垂直磁気記録再生装置。
  14. 【請求項14】 垂直磁気記録媒体と、前記垂直磁気記
    録媒体を支持及び回転駆動する駆動手段と、前記垂直磁
    気記録媒体に対して情報の記録及び再生を行なう磁気記
    録再生手段と、前記垂直磁気記録媒体に対して前記記録
    再生手段を移動自在に支持する支持手段とを具備する垂
    直磁気記録再生装置であって、 前記垂直磁気記録媒体が、前記磁性層がCoを主成分と
    する合金からなり、前記第一下地層がTiまたはTiを
    主成分とする合金または化合物からなり、前記第二下地
    層がRuと体心立方構造を有する材料を主成分とする合
    金であってRuを60at.%以上含むことを特徴とす
    る垂直磁気記録再生装置。
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