JP2001280971A - 振動ジャイロセンサ及びその製造方法 - Google Patents

振動ジャイロセンサ及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】外乱による影響を受け難くして、角速度の検出
を高精度に行えるようにし、かつ、生産性を向上させ
る。 【解決手段】薄肉の円筒状に形成された支持部12と、
該支持部12の内側に配され、環状の内側振動板14に
よって振動可能とされた円柱状の内側重り16と、支持
部12の外側に配され、環状の外側振動板18によって
振動可能とされた肉厚の円筒状を有する外側重り20と
が一体的に形成された基体22と、該基体22上に形成
された圧電/電歪素子部24とを有して構成される。支
持部12は、その先端が内側重り16や外側重り20よ
りも下方に突出するように形成され、該支持部12を例
えば基台26等に固定することで、内側重り16や外側
重り20は浮いた状態に保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動ジャイロセン
サ及びその製造方法に関し、例えば、駆動用圧電/電歪
素子にて振動を与えられた重りが振動しながら回転した
ときに発生するコリオリ力を利用して、回転角速度を検
出するようにした振動ジャイロセンサ及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、回転角速度を検出するセンサ
であるジャイロセンサは、航空機や船舶の慣性航法シス
テム等に用いられているが、近年になって、車載用ナビ
ゲーションシステムやロボット無人走行車の姿勢制御、
更には、ビデオカメラの画面振れ防止装置等にも用いら
れるようになってきている。
【0003】そして、これら各種の分野での使用に適す
るジャイロセンサとしては、小型のものが必要になって
きており、そこで、振動ジャイロセンサが注目されてき
ている。
【0004】従来の振動ジャイロセンサ100は、例え
ば図51A及び図51Bに示すように、セラミック円板
102、振動基板104及びセラミック円板106が積
層されてなる振動部108が例えば円筒状の支持部11
0で支持され、更に、振動部108の下面のうち、支持
部110で囲まれた部分に重り112が設けられて構成
されている(例えば特開平8−201067号公報参
照)。また、振動部108の上面のうち、支持部110
よりも内側に対応する箇所に検出電極114が形成さ
れ、振動部108の下面のうち、支持部110よりも内
側に対応する箇所に重り112を囲むように駆動電極1
16が形成されている。
【0005】そして、駆動電極116に交番電圧を印加
することで、図51Aに示すように、振動部108を例
えば上下に振動させる。ここで、上下方向をZ軸、紙面
に対して垂直な方向をY軸、左右方向をX軸としたと
き、上述の状態から、例えば図51Bに示すように、Y
軸を中心として時計方向の角速度ωが作用すると、重り
112に対してX軸方向にコリオリ力Fxが発生する。
この影響によって、振動部108が変形し、その変形が
検出電極114にて検知されて電気信号として取り出さ
れることになる。
【0006】また、他の従来例に係る振動ジャイロセン
サ200は、図52A及び図52Bに示すように、圧電
体202からなるセンサ200であって、該センサ20
0を固定支持するための周囲部204と、中央部206
を周囲部204に対して振動可能に支持する可撓部20
8とを有して構成されている(例えば特開平8−686
36号公報参照)。また、圧電体202の上面のうち、
中央部206から可撓部208にかけて上部電極210
が形成され、圧電体202の下面には下部電極212が
形成されている。
【0007】そして、上部電極210のうち、駆動電極
116に交番電圧を印加することで、図52Aに示すよ
うに、中央部206を例えば上下に振動させる。この状
態から、例えば図52Bに示すように、Y軸を中心とし
て時計方向の角速度ωが作用すると、中央部206に対
してX軸方向にコリオリ力Fxが発生する。この影響に
よって、可撓部208が変形し、その変形が上部電極2
10の検出電極114にて検知されて電気信号として取
り出されることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
振動ジャイロセンサ100及び200においては、外乱
による影響を受けやすいという問題がある。即ち、従来
の振動ジャイロセンサ100及び200は、重りとなる
部分(図51A及び図51Bの例では重り112、図5
2A及び図52Bの例では中央部206)が中央部分の
みに存在し、該重りの部分が支持部等(図51A及び図
51Bの例では支持部110、図52A及び図52Bの
例では周囲部204)で囲まれた形となっている。
【0009】そのため、外乱によって不要な振動が発生
すると、その不要な振動が直接重り112や中央部20
6に伝わることになるが、この不要な振動を打ち消すよ
うな手段が設けられていないことから、該不要な振動が
長期間にわたって続き、外乱による不要な振動が重畳さ
れた状態で角速度が検出されることになる。即ち、従来
の振動ジャイロセンサ100及び200は、検出精度が
外乱によって変動するという問題がある。
【0010】また、図51A及び図51Bに示す振動ジ
ャイロセンサ100は、振動部108に重り112を取
り付け、更に、支持部110を固定するという組立作業
が必要であることから、生産性が低くなる。しかも、組
立誤差が生じやすいため、角速度ωの検出精度を上げる
には自ずから限界がある。
【0011】一方、図52A及び図52Bに示す振動ジ
ャイロセンサ200は、圧電体202を例えば一軸プレ
スや削り出し等によって形成する必要から、多数個取り
が困難であり、生産性の面から不利になる。また、圧電
体202は加工が難しく、チッピング等の加工不良を引
き起こしやすく、寸法精度が低い。従って、この振動ジ
ャイロセンサ200においても、角速度ωの検出精度を
上げるには限界がある。
【0012】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、外乱による影響を受け難く、角速度の検
出を高精度に行うことができ、しかも、生産性を向上さ
せることができる振動ジャイロセンサ及びその製造方法
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る振動ジャイ
ロセンサは、支持部と、前記支持部の内側に配され、内
側振動板によって振動可能とされた内側重りと、前記支
持部の外側に配され、外側振動板によって振動可能とさ
れた外側重りと、前記内側振動板及び/又は外側振動板
上に形成された圧電/電歪素子とを有することを特徴と
する。
【0014】これにより、内側重りに例えば上下方向の
振動を与えた場合、外側重りは、内側重りの振動方向と
は逆方向に振動することとなる。そのため、角速度の作
用によって内側重りに一方向(例えば右方向)にコリオ
リ力が働くと、外側重りにはその逆方向(この場合、左
方向)にコリオリ力が働くこととなり、内側重りと外側
重りは互いに逆方向に振動することになる。そして、前
記コリオリ力による内側重りと外側重りの互いの逆方向
の振動が圧電/電歪素子に伝わって角速度として検出さ
れることになる。
【0015】このとき、外乱によって支持部に対し、あ
る方向に力が加わった場合、該外乱によって、内側重り
と外側重りは、互いに同じ方向に振動することになる。
しかし、本発明では、内側重りと外側重りの互いの逆方
向への振動に基づいて角速度を検出しているため、内側
重りと外側重りの同方向への振動は、角速度検出には関
係がなく、前記外乱による影響は受けないこととなる。
従って、本発明においては、外乱の発生に拘わらず高精
度に角速度を検出することができる。
【0016】そして、前記支持部、外側重り、内側振動
板及び外側振動板を、共に環状に形成するようにしても
よい。この場合、前記圧電/電歪素子を、少なくとも複
数の検出用圧電/電歪素子とし、少なくとも1軸方向に
沿って配列形成することによって少なくとも1軸方向に
関する角速度を検出することができる。もちろん、2軸
方向に沿ってそれぞれ検出用圧電/電歪素子を配列する
ことにより、2軸方向に関する角速度を検出することが
できる。
【0017】また、前記圧電/電歪素子を、少なくとも
1つの駆動用圧電/電歪素子と複数の検出用圧電/電歪
素子とし、前記複数の検出用圧電/電歪素子を、少なく
とも1軸方向に沿って配列形成するようにしてもよい。
この場合、前記駆動用圧電/電歪素子と検出用圧電/電
歪素子を、前記内側振動板及び外側振動板のいずれか一
方にそれぞれ互い違いに形成してもよいし、前記駆動用
圧電/電歪素子を、環状に形成するようにしてもよい。
【0018】また、前記環状の駆動用圧電/電歪素子
を、前記内側振動板及び外側振動板のいずれか一方に形
成し、前記検出用圧電/電歪素子を、前記内側振動板及
び外側振動板のうち、前記駆動用圧電/電歪素子が形成
されていない振動板に形成するようにしてもよい。
【0019】そして、前記複数の検出用圧電/電歪素子
を、それぞれ分極方向が互いに逆向きとなるようにすれ
ば、配線が容易となる。
【0020】次に、本発明に係る振動ジャイロセンサの
製造方法は、数種のセラミックグリーンシートを積層し
てグリーンシート積層体を作製する積層工程と、グリー
ンシート積層体を一体焼成して、支持部と、前記支持部
の内側に配され、かつ、内側振動板によって振動可能と
された内側重りと、前記支持部の外側に配され、かつ、
外側振動板によって振動可能とされた外側重りとを有す
るセラミック積層体を作製する工程と、前記内側振動板
及び/又は外側振動板に前記圧電/電歪素子を形成する
工程とを有することを特徴とする。
【0021】これにより、外乱による影響を受け難く、
角速度の検出を高精度に行うことができる振動ジャイロ
センサを容易に作製することができ、高性能な振動ジャ
イロセンサの生産性の向上を図ることができる。
【0022】そして、前記製造方法において、前記セラ
ミック積層体は、前記支持部、前記内側重り及び前記外
側重りに対して共通とされた最下層を有し、前記最下層
を切断して、前記支持部、前記内側重り及び前記外側重
りをそれぞれ分離するようにしてもよい。
【0023】この場合、内側振動板及び外側振動板とな
る部分が非常に薄いと、グリーンシート積層体に対する
焼成時に、内側振動板及び外側振動板となる部分に歪み
が生じやすくなるが、前記最下層を積層することで、前
記歪みの発生を回避することができ、信頼性の向上を図
ることができる。
【0024】また、前記積層工程は、内側振動板及び外
側振動板を構成するための第1のセラミックグリーンシ
ートに、前記外側重り、前記内側重り及び前記支持部を
構成するための第2のセラミックグリーンシートを積層
する工程とを有するようにしてもよい。これによって、
簡単にグリーンシート積層体を構成することができる。
【0025】また、前記第1のセラミックグリーンシー
トのうち、前記支持部が形成される部分に予め位置決め
用の突起部を形成することが好ましい。この場合、前記
支持部を所定の位置に形成することができるため、振動
ジャイロセンサの歩留まりを向上させることができる。
【0026】前記突起部は、環状に形成するようにして
もよいが、ねじれに対する変形が懸念されるため、前記
支持部が形成される部分に対応して配列された複数の突
起で構成することが好ましい。
【0027】また、本発明に係る振動ジャイロセンサの
製造方法は、数種のセラミックグリーンシートを積層し
てグリーンシート積層体を作製する積層工程と、グリー
ンシート積層体を一体焼成して、後に支持部が配される
部分の内側に配され、かつ、振動板によって振動可能と
された内側重りと、後に支持部が配される部分の外側に
配され、かつ、振動板によって振動可能とされた外側重
りとを有するセラミック積層体を作製する工程と、前記
振動板の所定箇所に支持部を配置する工程と、前記内側
振動板及び/又は外側振動板に前記圧電/電歪素子を形
成する工程とを有することを特徴とする。
【0028】この場合、支持部を別体の部材で構成する
ことができるため、支持部の構成材料を、支持部が設置
される環境に合わせて適宜選択することができ、様々な
使用形態に対応させることができる。
【0029】そして、前記支持部を、前記振動板の所定
箇所に対して接着剤を介して固着することが好ましい。
支持部を直接内側振動板及び外側振動板に固定させた場
合、内側振動板及び外側振動板での振動が支持部を介し
て外部に伝達され、減衰が大きくなる。そのため、上述
のように接着剤のように柔らかい材料を介在させること
で、内側振動板及び外側振動板での振動が支持部に伝達
し難くなり、上記のような振動の大きな減衰を回避する
ことができる。
【0030】もちろん、前記支持部で、前記振動板の所
定箇所を挟持するようにしてもよい。この場合、振動板
との間に柔らかい材料を介在させることが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る振動ジャイロ
センサ及びその製造方法の実施の形態例を図1〜図50
を参照しながら説明する。
【0032】本実施の形態に係る振動ジャイロセンサ1
0は、図1及び図3に示すように、薄肉の円筒状に形成
された支持部12と、該支持部12の内側に配され、環
状の内側振動板14によって振動可能とされた円柱状の
内側重り16と、支持部12の外側に配され、環状の外
側振動板18によって振動可能とされた肉厚の円筒状を
有する外側重り20とが一体的に形成された基体22
と、該基体22上に形成された圧電/電歪素子部24と
を有して構成されている。
【0033】支持部12は、その先端が内側重り16や
外側重り20よりも下方に突出するように形成され、該
支持部12を例えば基台26等に固定することで、内側
重り16や外側重り20が浮いた状態に保持されるよう
になっている。なお、内側振動板14と外側振動板18
を一括して振動板28と記す。
【0034】基体22については、全体をセラミックス
もしくは金属を用いて構成されたもののほか、セラミッ
クスと金属の材料で製造されたものを組み合わせたハイ
ブリッド構造としてもよい。
【0035】また、基体22は、各部を有機樹脂、ガラ
ス等の接着剤で接着してなる構造、セラミックグリーン
積層体を焼成により一体化してなるセラミック一体構
造、ロウ付け、半田付け、共晶接合もしくは溶接等で一
体化した金属一体構造等の構成を採用することができ、
好ましくはセラミックグリーン積層体を焼成により一体
化したセラミック積層体で基体22を構成することが望
ましい。
【0036】このようなセラミックスの一体化物は、各
部の接合部に接着剤が介在しないことから、経時的な状
態変化がほとんど生じないため、接合部位の信頼性が高
く、かつ、剛性確保に有利な構造であることに加え、後
述するセラミックグリーンシート積層法により、容易に
製造することができる。
【0037】振動板28は、強度(厚みや組成に基づく
強度)が一様である必要はないが、内側重り16及び外
側重り20との境界部分が高強度である方が、疲労によ
る劣化が進行しにくいため、長期の信頼性に優れ、使用
寿命の点で有利となる。
【0038】また、外側重り20の外周の形、外側重り
20の内周の形並びに内側重り16の外周の形は、円形
のほか、正方形や正六角形などの多角形等、種々の形状
を採用することができるが、なるべく対称性の高い形状
が好ましい。もちろん、支持部12の形状も、外側重り
20や内側重り16の形状に合わせて様々な形状をとり
うる。
【0039】そして、圧電/電歪素子部24は、後述の
とおり別体として基体22に有機樹脂、ガラス等の接着
剤や、ロウ付け、半田付け、共晶接合等で貼り付けられ
るほか、膜形成法を用いることにより、前記貼り付けで
はなく直接基体22に形成されることとなる。
【0040】この圧電/電歪素子部24は、図1及び図
2A〜図2Cに示すように、振動板28上に形成された
環状の圧電/電歪層30と、該圧電/電歪層30と振動
板28との間に形成された環状の下部電極32と、圧電
/電歪層30上に形成された上部電極34とを有して構
成されている。
【0041】上部電極34は、図2Cに示すように、振
動板28の内周側(内側振動板14に対応する箇所)に
形成された環状の駆動電極36と、圧電/電歪層30の
外周側(外側振動板18に対応する箇所)に円周に沿っ
て形成された複数(図1の例では4つ)の円弧状の検出
電極38a〜38dとを有して構成されている。
【0042】そして、駆動電極36、圧電/電歪層30
及び下部電極32にて1つの駆動用圧電/電歪素子40
が構成され、第1〜第4の検出電極38a〜38d、圧
電/電歪層30及び下部電極32にて第1〜第4の検出
用圧電/電歪素子42a〜42dが構成される。
【0043】また、第1〜第4の検出用圧電/電歪素子
42a〜42dの分極方向は、互いに対向する圧電/電
歪素子がそれぞれ逆向きとされ、例えば下部電極32を
基準(例えば0V)として、X軸方向に沿って配列され
た第1及び第3の検出用圧電/電歪素子42a及び42
cにおける各分極方向はそれぞれ+と−とされ、Y軸方
向に沿って配列された第2及び第4の圧電/電歪素子4
2b及び42dにおける各分極方向はそれぞれ−と+と
されている。なお、駆動用圧電/電歪素子40の分極方
向は問わない。
【0044】ここで、この実施の形態に係る振動ジャイ
ロセンサ10の動作について図4A〜図9Bを参照しな
がら説明する。なお、図4A〜図9Bにおいては、図面
の複雑化を避けるために、圧電/電歪素子部24の記載
を省略する。
【0045】まず、駆動モードは、駆動用圧電/電歪素
子40の駆動電極36に対して図4Aに示すような交番
的な駆動電圧を印加する。これによって、図5A及び図
5Bに示すように、駆動用圧電/電歪素子40における
圧電/電歪層30が印加電圧の振幅に応じて歪み、これ
により、内側振動板14が撓むことによって内側重り1
6が上下に振動することになる(駆動モード)。
【0046】このとき、振動板28は、支持部12の上
端を支点として振動することになるため、外側重り20
は、内側重り16の振動方向とは逆方向に振動すること
となる。つまり、図5Aに示すように、内側重り16が
下向きに変位すれば、外側重り20は上向きに変位し、
図5Bに示すように、内側重り16が上向きに変位すれ
ば、外側重り20は下向きに変位する。
【0047】このように、駆動モードにおいては、例え
ばX軸方向に関する第1及び第3の検出用圧電/電歪素
子42a及び42cに関して見ると、互いに同じように
伸び縮みすることとなるため、図6に示すように、第1
及び第3の検出用圧電/電歪素子42a及び42cの各
検出電極38a及び38bにはそれぞれ例えば負の電荷
及び正の電荷が発生し、これにより、第1及び第3の検
出用圧電/電歪素子42a及び42cの出力が打ち消し
合って、結果として出力は0Vとなる。
【0048】そして、内側重り16と外側重り20が互
いに上下方向に振動している状態で、Y軸方向を中心と
して例えば時計方向の角速度ωが作用した場合、図7A
及び図7Bに示すように、内側重り16及び外側重り2
0に対してX軸方向にコリオリ力Fxが発生することと
なる(検出モード)。
【0049】例えば、図5Aに示すように、内側重り1
6が下向きに変位し、外側重り20が上向きに変位して
いる状態では、図7Aに示すように、前記角速度ωの作
用によって、内側重り16に例えば右向きにコリオリ力
Fxが働き、外側重り20に逆方向(この場合、左向
き)にコリオリ力−Fxが働く。
【0050】このとき、例えばX軸方向に関する第1及
び第3の検出用圧電/電歪素子42a及び42cについ
てみると、第1の検出用圧電/電歪素子42aが引張変
形し、第3の検出用圧電/電歪素子42cが圧縮変形す
ることから、図8に示すように、第1及び第3の検出用
圧電/電歪素子42a及び42cにおける各検出電極3
8a及び38cにはそれぞれ例えば負の電荷が帯電し、
これにより、第1及び第3の検出用圧電/電歪素子42
a及び42cの出力が互いに加算され、結果として各検
出用圧電/電歪素子42a及び42cの出力を1Vとし
た場合、出力は同じく1Vとなる。
【0051】同様に、図5Bに示すように、内側重り1
6が上向きに変位し、外側重り20が下向きに変位して
いる状態では、図7Bに示すように、前記角速度ωの作
用によって、内側重り16に例えば左向きにコリオリ力
−Fxが働き、外側重り20に逆方向(この場合、右向
き)にコリオリ力Fxが働く。
【0052】第1及び第3の検出用圧電/電歪素子42
a及び42cの合成出力は、図4Bに示すように、図4
Aの駆動電圧の波形が下部電極32の電位(0V)とな
った時点においてピーク値を示すことになる。従って、
この検出モードは、駆動電圧が0Vとなったタイミング
に従って第1及び第3の検出用圧電/電歪素子42a及
び42cからの出力を取り出す。この場合、駆動電圧か
ら90°位相がずれた波形を検出する、いわゆる位相検
波を行うことにより、角速度信号を容易に得ることがで
きる。
【0053】このように、本実施の形態においては、内
側重り16に例えば上下方向の振動を与えた場合、外側
重り20は、内側重り16の振動方向とは逆方向に振動
することとなる。そのため、角速度ωの作用によって内
側重り16に対し一方向(例えば右方向)にコリオリ力
Fxが働くと、外側重り20にはその逆方向(この場
合、左方向)にコリオリ力−Fxが働くこととなり、内
側重り16と外側重り20は互いに逆方向に振動するこ
とになる。そして、前記コリオリ力による内側重り16
と外側重り20の互いの逆方向の振動が圧電/電歪素子
部24に伝わって角速度ωとして検出されることにな
る。
【0054】このとき、外乱によって支持部12に対
し、ある方向に力が加わった場合、該外乱によって、内
側重り16と外側重り20は、互いに同じ方向に振動す
ることになる。しかし、本実施の形態では、内側重り1
6と外側重り20の互いの逆方向への振動に基づいて角
速度ωを検出しているため、内側重り16と外側重り2
0の同方向への振動は、角速度ωの検出には関係がな
く、前記外乱による影響は受けないこととなる。従っ
て、本実施の形態においては、外乱の発生に拘わらず高
精度に角速度ωを検出することができる。
【0055】ここで、従来例に係る振動ジャイロセンサ
と本実施の形態に係る振動ジャイロセンサ10との出力
の比較について図9A及び図9Bを参照しながら説明す
る。
【0056】図9A及び図9Bは、従来例に係る振動ジ
ャイロセンサ及び本実施の形態に係る振動ジャイロセン
サ10における駆動モードでの出力を示し、駆動モード
の開始時点から0.1秒が経過する直前に外乱が生じた
場合を示す。この場合、理想的には、検出出力は0Vを
示すことになる。
【0057】従来例に係る振動ジャイロセンサの出力
は、図9Aに示すように、外乱による影響を直接受け、
検出された出力値(角速度ω)が極端に高くなっている
が、本実施の形態に係る振動ジャイロセンサ10におい
ては、図9Bに示すように、外乱が発生しているにも拘
わらず、検出出力の変動は非常に小さいものとなってお
り、外乱による影響をほとんど受けていないことがわか
る。
【0058】次に、本実施の形態に係る振動ジャイロセ
ンサ10の寸法関係について説明する。
【0059】まず、内側重り16と外側重り20の重量
バランスと支持部12の位置については、内側重り16
と外側重り20のバランスがとれる位置で支持すること
が好ましい。外乱による、駆動モード振動や検出モード
振動の発生を抑制するためである。
【0060】つまり、内側重り16及び外側重り20と
支持部12のバランスが取れている場合には、外乱によ
り、駆動モードや検出モードの変形が発生し難いため、
好ましい。内側重り16及び外側重り20と支持部12
のバランスが取れていない場合、例えば外側重り20の
方が極端に重かったり、支持部12の位置が内側重り1
6に寄っている場合には、外乱により、駆動モードや検
出モードの変形が発生し易くなり、検出信号にノイズが
発生し易くなる。
【0061】次に、内側重り16及び外側重り20の高
さ(厚み)について説明する。駆動モードでの振動ジャ
イロセンサ10の共振周波数は、内側重り16及び外側
重り20の質量のみで変化し、質量が大きくなると、共
振周波数が低下する。
【0062】一方、検出モードでの振動ジャイロセンサ
10の共振周波数は、内側重り16及び外側重り20の
質量と、これら内側重り16及び外側重り20の振動板
28からの重心位置(モーメント)で変化する。この場
合、質量が大きくなると共振周波数が低下し、また、規
定の質量でも内側重り16及び外側重り20の重心位置
が振動板28から遠ざかるほど共振周波数が低下する。
【0063】従って、振動ジャイロセンサ10では、角
速度ωの応答周波数(角速度変動への応答性)を確保す
るために、離調(駆動モードでの共振周波数よりも検出
モードでの共振周波数を僅かに高くする)を行う。この
離調度が適当になるように、内側重り16や外側重り2
0の高さ(厚み)を調整することが好ましい。
【0064】次に、本実施の形態に係る振動ジャイロセ
ンサ10の変形例、主に圧電/電歪素子部24に関する
変形例について図10〜図39を参照しながら説明す
る。
【0065】第1の変形例に係る振動ジャイロセンサ1
0aは、図10〜図12に示すように、上述した実施の
形態に係る振動ジャイロセンサ10とほぼ同様の構成を
有するが、上部電極34の形成パターンが異なり、圧電
/電歪層30の内周側(内側振動板14に対応する箇
所)に内周に沿って複数(図4の例では4つ)の円弧状
の上部電極34が形成されている。
【0066】この場合、内側振動板14上に形成された
4つの上部電極34を駆動電極36a〜36dとして使
用してもよいし、検出電極38a〜38dとして使用し
てもよい。このことから、外側振動板18上に形成され
た4つの上部電極34は、内側振動板14上に形成され
た4つの上部電極34が駆動電極36a〜36dとして
使用された場合は、検出電極38a〜38dとして使用
され、反対に検出電極38a〜38dとして使用された
場合は、駆動電極36a〜36dとして使用される。
【0067】従って、この第1の変形例においては、第
1〜第4の駆動用圧電/電歪素子40a〜40dが内側
振動板14あるいは外側振動板18上に形成され、第1
〜第4の検出用圧電/電歪素子42a〜42dが外側振
動板18あるいは内側振動板14上に形成されることに
なる。この場合、リード線の取出し数は、検出電極38
a〜38dの数+駆動電極36a〜36dの数+1(下
部電極32の分)である。
【0068】第2の変形例に係る振動ジャイロセンサ1
0bは、図13〜図15に示すように、上述の第1の変
形例とほぼ同様の構成を有するが、下部電極32の形成
パターンが異なり、内側振動板14上に環状の第1の下
部電極32aが形成され、外側振動板18上に環状の第
2の下部電極32bが形成されている。この場合、リー
ド線の取出し数は、検出電極38a〜38dの数+駆動
電極36a〜36dの数+2(下部電極32a及び32
bの分)である。
【0069】第3の変形例に係る振動ジャイロセンサ1
0cは、図16〜図18に示すように、上述の第2の変
形例とほぼ同様の構成を有するが、下部電極32の形成
パターンが異なり、8つの上部電極34にそれぞれ対応
させて下部電極32a〜32hが形成されている。この
場合、リード線の取出し数は、(検出電極38a〜38
dの数+駆動電極36a〜36dの数)×2である。
【0070】上述の第1〜第3の変形例に係る振動ジャ
イロセンサ10a〜10cのうち、第1の変形例に係る
振動ジャイロセンサ10aがリード線の取出し数が少な
いため、好ましい。
【0071】第4の変形例に係る振動ジャイロセンサ1
0dは、図19〜図21に示すように、圧電/電歪素子
部24が、外側振動板18上に形成された環状の下部電
極32と、該下部電極32上に形成された環状の圧電/
電歪層30と、該圧電/電歪層30上に形成された4つ
の上部電極34とを有して構成され、上部電極34は、
互いに180°の位置にある2つの上部電極34が例え
ば駆動電極36a及び36bとして使用され、残りの2
つの上部電極34が検出電極38a及び38bとして使
用される。
【0072】即ち、第1及び第2の駆動用圧電/電歪素
子40a及び40b並びに第1及び第2の検出用圧電/
電歪素子42a及び42bが共に外側振動板18上に形
成されて、1軸方向の角速度が検出されるようになって
いる。
【0073】第5の変形例に係る振動ジャイロセンサ1
0eは、図22〜図24に示すように、上述の第4の変
形例とほぼ同様の構成を有するが、圧電/電歪素子部2
4が内側振動板14上に形成されている点で異なる。
【0074】第6の変形例に係る振動ジャイロセンサ1
0fは、図25〜図27に示すように、圧電/電歪素子
部24が、外径が外側振動板18の外径よりも僅かに大
とされた円形の下部電極32と、該下部電極32上に形
成された円形の圧電/電歪層30と、該圧電/電歪層3
0の上面のうち、内側振動板14に対応する位置に形成
された環状の駆動電極36と、前記圧電/電歪層30の
上面のうち、外側振動板18に対応する位置に形成され
た4つの検出電極38a〜38dとを有して構成されて
いる。
【0075】第7の変形例に係る振動ジャイロセンサ1
0gは、図28〜図30に示すように、上述の第6の変
形例とほぼ同様の構成を有するが、環状の駆動電極36
が外側振動板18に対応した位置に形成され、4つの検
出電極38a〜38dが内側振動板14に対応した位置
に形成されている点で異なる。
【0076】第8の変形例に係る振動ジャイロセンサ1
0hは、図31〜図33に示すように、第1の変形例に
係る振動ジャイロセンサ10aとほぼ同様の構成を有す
るが、下部電極32及び圧電/電歪層30がそれぞれ円
形である点で異なる。
【0077】第9の変形例に係る振動ジャイロセンサ1
0iは、図34〜図36に示すように、第8の変形例に
係る振動ジャイロセンサ10hとほぼ同様の構成を有す
るが、内側振動板14上の上部電極34が、それぞれ4
5°だけずらして形成されている点で異なる。
【0078】第10の変形例に係る振動ジャイロセンサ
10jは、図37に示すように、上述した本実施の形態
に係る振動ジャイロセンサ10とほぼ同様の構成を有す
るが、支持部12が別体で構成されている点で異なる。
支持部12の構成材料として、金属、セラミックス、樹
脂等を用いることができる。
【0079】支持部12は、振動板28の所定箇所に対
して接着剤(エポキシ樹脂、シリコーンゴム、シリコー
ンゲル等)44を介して固着されている。支持部12を
直接振動板28に固定させた場合、振動板28の振動が
支持部12を介して外部に伝達され、急速に減衰するこ
とになる。そのため、上述のように接着剤44のように
柔らかい材料を介在させることで、振動板28での振動
が支持部12に伝達し難くなり、上記のような振動の早
期減衰を回避することができる。
【0080】第11の変形例に係る振動ジャイロセンサ
10kは、図38に示すように、上述した本実施の形態
に係る振動ジャイロセンサ10とほぼ同様の構成を有す
るが、上部支持部12aと下部支持部12bで振動板2
8の所定箇所を上下から挟持した点で異なる。この場
合、上部支持部12aと振動板28との間並びに下部支
持部12bと振動板28との間にそれぞれ柔らかい材料
46を介在させることが好ましい。
【0081】第12の変形例に係る振動ジャイロセンサ
10mは、図39に示すように、上述した実施の形態に
係る振動ジャイロセンサ10とほぼ同じ構成を有する
が、基体22を天地逆にして、振動板28の部分を支持
部12で支持した構造を有する点で異なる。なお、図3
7〜図39において、圧電/電歪素子部24を省略して
示す。
【0082】上述の第1〜第12の変形例に係る振動ジ
ャイロセンサ10a〜10k、10mにおいても、上述
した本実施の形態に係る振動ジャイロセンサ10と同様
に、外乱による影響を受け難い構造を有しており、検出
精度が外乱によって変動することがなく、高精度に角速
度を検出することができる。
【0083】次に、本実施の形態に係る振動ジャイロセ
ンサ10の製造方法について図40〜図50を参照しな
がら説明する。
【0084】この実施の形態に係る振動ジャイロセンサ
10は、各部材の構成材料をセラミックスとし、振動ジ
ャイロセンサ10の構成要素として、圧電/電歪素子部
24を除く基体22、即ち、内側重り16、外側重り2
0、振動板28及び支持部12についてはセラミックグ
リーンシート積層法を用いて製造することが好ましく、
一方、圧電/電歪素子部24をはじめとして、図示しな
い各入出力端子については、薄膜や厚膜等の膜形成手法
を用いて製造することが好ましい。
【0085】振動ジャイロセンサ10の基体22におけ
る各部材を一体的に成形することが可能なセラミックグ
リーンシート積層法によれば、各部材の接合部の経時的
な状態変化がほとんど生じないため、接合部位の信頼性
が高く、かつ、剛性確保に有利な方法である。
【0086】この実施の形態に係る振動ジャイロセンサ
10では、振動板28と内側重り16との境界部分、振
動板28と外側重り20との境界部分、並びに振動板2
8と支持部12との境界部分は、変位発現の支点となる
ため、前記境界部分の信頼性は振動ジャイロセンサ10
の特性を左右する重要なポイントである。
【0087】また、以下に示す製造方法は、生産性や成
形性に優れるため、所定形状の振動ジャイロセンサを短
時間に、かつ、再現性よく得ることができる。
【0088】以下、具体的に本実施の形態に係る振動ジ
ャイロセンサ10の製造方法について説明する。ここ
で、定義付けをしておく。セラミックグリーンシートを
積層して得られた積層体をセラミックグリーン積層体
(例えば図15B参照)と定義し、このセラミックグリ
ーン積層体を焼成、一体化したものをセラミック積層体
と定義し、このセラミック積層体から不要な部分を切除
して、内側重り16、外側重り20、振動板28及び支
持部12が一体化されたものをセラミック基体と定義す
る。
【0089】まず、ジルコニア等のセラミック粉末にバ
インダ、溶剤、分散剤、可塑剤等を添加混合してスラリ
ーを作製し、これを脱泡処理後、リバースロールコータ
ー法、ドクターブレード法等の方法により、所定の厚み
を有するセラミックグリーンシートを作製する。
【0090】次に、金型を用いた打抜加工やレーザ加工
等の方法により、セラミックグリーンシートを図40A
〜図40Cのような種々の形状に加工して、複数枚の基
体形成用のセラミックグリーンシート50A〜50Cを
得る。
【0091】これらセラミックグリーンシート50A〜
50Cは、振動板28を構成するための第1のセラミッ
クグリーンシート50Aと、外側重り20、内側重り1
6及び支持部12を構成するための第2のセラミックグ
リーンシート50Bと、焼成時の歪みの発生を防止する
ための第3のセラミックグリーンシート50Cとを有す
る。
【0092】第1のセラミックグリーンシート50Aと
しては、焼成後の厚みが1〜50μmとなるような厚み
のものが使用される。第2のセラミックグリーンシート
50Bは、2層以上で構成され、焼成後の厚みが100
〜2mmとなるように積層枚数が調整される。第3のセ
ラミックグリーンシート50Cは、1層以上で構成さ
れ、焼成後の厚みが100〜500μmとなるように積
層枚数が調整される。
【0093】第2のセラミックグリーンシート50B
は、金型を用いた打抜加工やレーザ加工等によって、外
側重り20を構成する部分50Baと、内側重り16を
構成する部分50Bbと、支持部12を構成する部分5
0Bcの3つに分離されている。なお、セラミックグリ
ーンシート50A〜50Cの枚数は、任意に設定するこ
とができる。また、多数個取りの場合は、例えば図41
A〜図41Cに示すような形状のグリーンシート50A
〜50Cを用いればよい。
【0094】その後、図42に示すように、第1のセラ
ミックグリーンシート50A上に複数枚の第2のセラミ
ックグリーンシート50Bを積層し、更に、第3のセラ
ミックグリーンシート50Cを積層・圧着して、セラミ
ックグリーン積層体52とした後、該セラミックグリー
ン積層体52を焼成して、図43に示すように、セラミ
ック積層体54を得る。この場合、図44に示すよう
に、支持を容易にするために、第1のセラミックグリー
ンシート50Aの下面のうち、支持部12となる部分5
0Bcが積層される箇所に、第2のセラミックグリーン
シート50Bのうち、支持部12を構成する部分50B
cと同様のグリーンシート50Bdを積層しておくこと
が好ましい。
【0095】また、図45及び図46に示すように、第
1のセラミックグリーンシート50A上に、第2のセラ
ミックグリーンシート50Bを積層する際、支持部12
を構成する部分50Bcの積層箇所を特定するために、
予め第1のセラミックグリーンシート50Aに位置決め
用の突起部60を形成しておくことが好ましい。
【0096】この場合、前記支持部12を構成する部分
50Bcを所定の位置に形成することができるため、振
動ジャイロセンサ10の歩留まりを向上させることがで
きる。突起部60は、図47に示すように、環状に形成
するようにしてもよいが、検出モードでの振動板28の
変形を容易にするために、図46に示すように、支持部
12を構成する部分50Bcに対応して配列された複数
の突起62で構成することが好ましい。
【0097】なお、積層一体化のための圧着回数や順序
は限定されない。構造に応じて、例えばセラミックグリ
ーンシートの枚数等により所望の構造を得るように適宜
決めることができる。この場合、セラミックグリーンシ
ートの枚数、各セラミックグリーンシートの厚みも特に
限定されない。
【0098】圧着は、熱を加えることで、より積層性を
向上させることができる。また、セラミック粉末(好ま
しくは、セラミックグリーンシートに使用されたセラミ
ックスと同一又は類似した組成であることが信頼性確保
の点で好ましい)、バインダを主体としたペースト、ス
ラリー等をセラミックグリーンシート上に塗布、印刷し
て、接合補助層とすることで、セラミックグリーンシー
ト界面の積層性を向上させることができる。なお、第1
のセラミックグリーンシート50Aが薄い場合には、プ
ラスチックフィルム、中でも表面にシリコーン系の離型
剤をコーティングしたポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを用いて取り扱うことが好ましい。
【0099】次に、図1〜図3に示すように、前記セラ
ミック積層体54の表面のうち、振動板28として機能
する部分に圧電/電歪素子部24を形成する。圧電/電
歪素子部24の形成法としては、スクリーン印刷法、デ
ィッピング法、塗布法、電気泳動法等の厚膜形成法や、
イオンビーム法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオ
ンプレーティング法、化学気相成長法(CVD)、めっ
き等の薄膜形成法を用いることができる。
【0100】このような膜形成法を用いて圧電/電歪素
子部24を形成することにより、接着剤を用いることな
く、圧電/電歪素子部24と振動板28とを一体的に接
合、配設することができ、信頼性、再現性を確保できる
と共に、集積化を容易にすることができる。
【0101】この場合、厚膜形成法により圧電/電歪素
子部24を形成することが好ましい。特に、圧電/電歪
層30の形成において厚膜形成法を用いれば、平均粒径
0.01〜5μm、好ましくは0.05〜3μmの圧電
セラミックスの粒子、粉末を主成分とするペーストやス
ラリー、又はサスペンションやエマルジョン、ゾル等を
用いて膜化することができ、それを焼成することによっ
て良好な圧電/電歪特性を得ることができるからであ
る。
【0102】なお、電気泳動法は、膜を高い密度で、か
つ、高い形状精度で形成できるという利点がある。ま
た、スクリーン印刷法は、膜形成とパターン形成とを同
時にできるため、製造工程の簡略化に有利である。
【0103】具体的に、圧電/電歪素子部24の形成に
ついて説明する。まず、セラミックグリーン積層体52
を1200℃〜1600℃の温度で焼成、一体化してセ
ラミック積層体54を得た後、該セラミック積層体54
の表面の所定位置に下部電極32を印刷、焼成し、次い
で、圧電/電歪層30を印刷、焼成し、更に、上部電極
34を印刷、焼成して圧電/電歪素子部24を形成す
る。
【0104】ここで、下部電極32として白金(P
t)、圧電/電歪層30としてジルコン酸チタン酸鉛
(PZT)、上部電極34として金(Au)というよう
に、各部材の焼成温度が積層順に従って低くなるように
材料を選定すると、ある焼成段階において、それより以
前に焼成された材料の再焼結が起こらず、電極材等の剥
離や凝集といった不具合の発生を回避することができ
る。
【0105】なお、適当な材料を選択することにより、
圧電/電歪素子部24の各部材を逐次印刷して、1回で
一体焼成することも可能であり、圧電/電歪層30を形
成した後に低温で上部電極34を設けることもできる。
【0106】また、圧電/電歪素子部24の各部材は、
スパッタ法や蒸着法等の薄膜形成法によって形成しても
よく、この場合には、必ずしも熱処理を必要としない。
【0107】圧電/電歪素子部24の形成においては、
セラミックグリーン積層体52の表面、即ち、振動板2
8として機能する部分の表面に予め圧電/電歪素子部2
4の前駆体を形成しておき、該セラミックグリーン積層
体52と圧電/電歪素子部24の前駆体とを同時に焼成
することも好ましく行われる。同時焼成にあたっては、
セラミックグリーン積層体52と圧電/電歪素子部24
のすべての構成膜に対して焼成を行うようにしてもよ
く、下部電極32とセラミックグリーン積層体52とを
同時焼成したり、上部電極34を除く他の構成膜とセラ
ミックグリーン積層体52とを同時焼成する方法等が挙
げられる。
【0108】圧電/電歪素子部24とセラミックグリー
ン積層体52とを同時焼成する方法としては、スラリー
原料を用いたテープ成形法等によって圧電/電歪層30
の前駆体を成形し、この焼成前の圧電/電歪層30の前
駆体をセラミックグリーン積層体52の表面上に熱圧着
等で積層し、同時に焼成して内側重り16、外側重り2
0、振動板28及び支持部12を同時に作製する方法が
挙げられる。但し、この方法では、上述した膜形成法を
用いて、セラミックグリーン積層体52の表面及び/又
は圧電/電歪層30に予め下部電極32を形成しておく
必要がある。
【0109】その他の方法としては、セラミックグリー
ン積層体52の少なくとも最終的に振動板28となる部
分にスクリーン印刷により圧電/電歪素子部24の各構
成層である下部電極32、圧電/電歪層30及び上部電
極34を形成し、同時に焼成することが挙げられる。
【0110】圧電/電歪素子部24の構成膜の焼成温度
は、これを構成する材料によって適宜決定されるが、一
般には、500℃〜1500℃であり、圧電/電歪層3
0に対しては、好ましくは1000℃〜1400℃であ
る。この場合、圧電/電歪層30の組成を制御するため
には、圧電/電歪層30の材料の蒸発源の存在下に焼結
することが好ましい。なお、圧電/電歪層30とセラミ
ックグリーン積層体52を同時焼成する場合には、両者
の焼成条件を合わせることが必要である。
【0111】ここで、振動板28となる部分が非常に薄
いと、グリーンシート積層体52に対する焼成時に、振
動板28となる部分に歪みが生じやすくなるが、前記第
3のセラミックグリーンシート50Cを積層すること
で、前記歪みの発生を回避することができ、信頼性の向
上を図ることができる。
【0112】次に、上述のようにして、図48に示すよ
うに、圧電/電歪素子部24が形成されたセラミック積
層体54のうち、不要な部分、即ち、第3のセラミック
グリーンシート50Cが焼成・圧着によって形成された
最下層70を切除して、支持部12、内側重り16及び
外側重り20が一体形成されたセラミック基体72を作
製する。
【0113】この切除処理は、ダイシングを用いて最下
層70のみが切断されるように行う。ダイシングによる
最下層を除去するための切断線CLaの例を図49に示
す。多数個取りの場合のダイシングによる最下層を除去
するための切断線CLaとチップ分割のための切断線C
Lbの例を図50に示す。
【0114】切除の方法としては、ダイシング加工のほ
か、ワイヤソー加工等の機械加工や、YAGレーザ、エ
キシマレーザ等のレーザ加工、電子ビーム加工を適用す
ることが可能である。
【0115】上述の例では、第3のセラミックグリーン
シート50Cを積層して最下層70を形成するようにし
たが、振動板28がある程度の強度を有する場合は、第
3のセラミックグリーンシート50Cを積層しなくても
よい。この場合、上述の切除処理を省略することができ
る。
【0116】このように、本実施の形態に係る製造方法
においては、外乱による影響を受け難く、角速度の検出
を高精度に行うことができる振動ジャイロセンサ10を
容易に作製することができ、高性能な振動ジャイロセン
サ10の生産性の向上を図ることができる。
【0117】なお、この発明に係る振動ジャイロセンサ
及びその製造方法は、上述の実施の形態に限らず、この
発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る
ことはもちろんである。
【0118】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る振動
ジャイロセンサ及びその製造方法によれば、外乱による
影響を受け難く、角速度の検出を高精度に行うことがで
き、しかも、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る振動ジャイロセンサの構成
を示す平面図である。
【図2】図2Aは本実施の形態に係る振動ジャイロセン
サの圧電/電歪素子部を構成する下部電極を示す平面図
であり、図2Bは圧電/電歪層を示す平面図であり、図
2Cは上部電極を示す平面図である。
【図3】図1のIII−III線上の断面図である。
【図4】図4Aは駆動用圧電/電歪素子の駆動電極に印
加される駆動電圧を示す波形図であり、図4Bは検出用
圧電/電歪素子を通じて検出される出力を示す波形図で
ある。
【図5】図5Aは駆動モード時の1つの形態を示す説明
図であり、図5Bは駆動モード時の他の形態を示す説明
図である。
【図6】駆動モード時において、検出用圧電/電歪素子
を通じて検出される出力を示す説明図である。
【図7】図7Aは検出モード時の1つの形態を示す説明
図であり、図7Aは検出モード時の他の形態を示す説明
図である。
【図8】検出モード時において、検出用圧電/電歪素子
を通じて検出される出力を示す説明図である。
【図9】図9Aは従来例に係る振動ジャイロセンサの出
力波形を示す説明図であり、図9Bは本実施の形態に係
る振動ジャイロセンサの出力波形を示す説明図である。
【図10】第1の変形例に係る振動ジャイロセンサを示
す平面図である。
【図11】図11Aは第1の変形例に係る振動ジャイロ
センサの圧電/電歪素子部を構成する下部電極を示す平
面図であり、図11Bは圧電/電歪層を示す平面図であ
り、図11Cは上部電極を示す平面図である。
【図12】図10のXII−XII線上の断面図であ
る。
【図13】第2の変形例に係る振動ジャイロセンサを示
す平面図である。
【図14】図14Aは第1の変形例に係る振動ジャイロ
センサの圧電/電歪素子部を構成する下部電極を示す平
面図であり、図14Bは圧電/電歪層を示す平面図であ
り、図14Cは上部電極を示す平面図である。
【図15】図13のXV−XV線上の断面図である。
【図16】第3の変形例に係る振動ジャイロセンサを示
す平面図である。
【図17】図17Aは第3の変形例に係る振動ジャイロ
センサの圧電/電歪素子部を構成する下部電極を示す平
面図であり、図17Bは圧電/電歪層を示す平面図であ
り、図17Cは上部電極を示す平面図である。
【図18】図16のXVIII−XVIII線上の断面
図である。
【図19】第4の変形例に係る振動ジャイロセンサを示
す平面図である。
【図20】図20Aは第1の変形例に係る振動ジャイロ
センサの圧電/電歪素子部を構成する下部電極を示す平
面図であり、図20Bは圧電/電歪層を示す平面図であ
り、図20Cは上部電極を示す平面図である。
【図21】図19のXXI−XXI線上の断面図であ
る。
【図22】第5の変形例に係る振動ジャイロセンサを示
す平面図である。
【図23】図22Aは第1の変形例に係る振動ジャイロ
センサの圧電/電歪素子部を構成する下部電極を示す平
面図であり、図22Bは圧電/電歪層を示す平面図であ
り、図22Cは上部電極を示す平面図である。
【図24】図22のXXIV−XXIV線上の断面図で
ある。
【図25】第6の変形例に係る振動ジャイロセンサを示
す平面図である。
【図26】図26Aは第1の変形例に係る振動ジャイロ
センサの圧電/電歪素子部を構成する下部電極を示す平
面図であり、図26Bは圧電/電歪層を示す平面図であ
り、図26Cは上部電極を示す平面図である。
【図27】図25のXXVII−XXVII線上の断面
図である。
【図28】第7の変形例に係る振動ジャイロセンサを示
す平面図である。
【図29】図29Aは第1の変形例に係る振動ジャイロ
センサの圧電/電歪素子部を構成する下部電極を示す平
面図であり、図29Bは圧電/電歪層を示す平面図であ
り、図29Cは上部電極を示す平面図である。
【図30】図28のXXX−XXX線上の断面図であ
る。
【図31】第8の変形例に係る振動ジャイロセンサを示
す平面図である。
【図32】図32Aは第1の変形例に係る振動ジャイロ
センサの圧電/電歪素子部を構成する下部電極を示す平
面図であり、図32Bは圧電/電歪層を示す平面図であ
り、図32Cは上部電極を示す平面図である。
【図33】図31のXXXI−XXXI線上の断面図で
ある。
【図34】第9の変形例に係る振動ジャイロセンサを示
す平面図である。
【図35】図35Aは第1の変形例に係る振動ジャイロ
センサの圧電/電歪素子部を構成する下部電極を示す平
面図であり、図35Bは圧電/電歪層を示す平面図であ
り、図35Cは上部電極を示す平面図である。
【図36】図34のXXXVI−XXXVI線上の断面
図である。
【図37】第10の変形例に係る振動ジャイロセンサを
概略的に示す断面図である。
【図38】第11の変形例に係る振動ジャイロセンサを
概略的に示す断面図である。
【図39】第12の変形例に係る振動ジャイロセンサを
概略的に示す断面図である。
【図40】図40Aは単数取りの場合の第1のセラミッ
クグリーンシートを示す平面図であり、図40Bは同じ
く第2のセラミックグリーンシートを示す平面図であ
り、図40Cは同じく第3のセラミックグリーンシート
を示す平面図である。
【図41】図41Aは多数個取りの場合の第1のセラミ
ックグリーンシートを示す平面図であり、図41Bは同
じく第2のセラミックグリーンシートを示す平面図であ
り、図41Cは同じく第3のセラミックグリーンシート
を示す平面図である。
【図42】セラミックグリーン積層体を示す断面図であ
る。
【図43】セラミック積層体を示す断面図である。
【図44】好ましいセラミックグリーン積層体の積層形
態の一例を示す断面図である。
【図45】第1のセラミックグリーンシートに突起部を
設けた状態を示す断面図である。
【図46】第1のセラミックグリーンシートに突起部を
設けた状態を示す底面図である。
【図47】突起部の他の例を示す底面図である。
【図48】セラミック積層体に圧電/電歪素子部を形成
した状態を示す断面図である。
【図49】単数取りの場合におけるダイシング加工の切
断線の一例を示す説明図である。
【図50】多数個取りの場合におけるダイシング加工の
切断線の一例を示す説明図である。
【図51】図51Aは従来例に係る振動ジャイロセンサ
の駆動モード時の形態を示す説明図であり、図51Bは
検出モード時の形態を示す説明図である。
【図52】図52Aは他の従来例に係る振動ジャイロセ
ンサの駆動モード時の形態を示す説明図であり、図52
Bは検出モード時の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
10、10a〜10k、10m…振動ジャイロセンサ 12…支持部 14…内側
振動板 16…内側重り 18…外側
振動板 20…外側重り 22…基体 24…圧電/電歪素子部 28…振動
板 30…圧電/電歪層 32、32
a〜32h…下部電極 34…上部電極 36、36
a〜36d…駆動電極 38a〜38d…検出電極 40、40a〜40d…駆動用圧電/電歪素子 42a〜42d…検出用圧電/電歪素子 44…接着
剤 46…柔らかい材料 50A…第1のセラミックグリーンシート 50B…第2のセラミックグリーンシート 50C…第3のセラミックグリーンシート 52…セラミックグリーン積層体 54…セラ
ミック積層体 60…突起部 62…突起 70…最下層 72…セラ
ミック基体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/22 H01L 41/18 101Z 41/22 Z (72)発明者 柴田 和義 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 2F105 AA08 AA10 BB03 BB15 CC04 CD02 CD06 CD13

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持部と、 前記支持部の内側に配され、内側振動板によって振動可
    能とされた内側重りと、 前記支持部の外側に配され、外側振動板によって振動可
    能とされた外側重りと、 前記内側振動板及び/又は外側振動板上に形成された圧
    電/電歪素子とを有することを特徴とする振動ジャイロ
    センサ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の振動ジャイロセンサにおい
    て、 駆動モードのピーク時点で、前記内側重りが下死点に到
    達するように設定されていることを特徴とする振動ジャ
    イロセンサ。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の振動ジャイロセンサ
    において、 前記支持部、外側重り、内側振動板及び外側振動板は共
    に環状に形成されていることを特徴とする振動ジャイロ
    センサ。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の振動
    ジャイロセンサにおいて、 前記圧電/電歪素子は、少なくとも複数の検出用圧電/
    電歪素子であって、少なくとも1軸方向に沿って配列形
    成されていることを特徴とする振動ジャイロセンサ。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれか1項に記載の振動
    ジャイロセンサにおいて、 前記圧電/電歪素子は、少なくとも1つの駆動用圧電/
    電歪素子と複数の検出用圧電/電歪素子であって、 前記複数の検出用圧電/電歪素子は、少なくとも1軸方
    向に沿って配列形成されていることを特徴とする振動ジ
    ャイロセンサ。
  6. 【請求項6】請求項5記載の振動ジャイロセンサにおい
    て、 前記駆動用圧電/電歪素子と検出用圧電/電歪素子は、
    前記内側振動板及び外側振動板のいずれか一方にそれぞ
    れ互い違いに形成されていることを特徴とする振動ジャ
    イロセンサ。
  7. 【請求項7】請求項5記載の振動ジャイロセンサにおい
    て、 前記駆動用圧電/電歪素子は、環状に形成されているこ
    とを特徴とする振動ジャイロセンサ。
  8. 【請求項8】請求項7記載の振動ジャイロセンサにおい
    て、 前記環状の駆動用圧電/電歪素子は、前記内側振動板及
    び外側振動板のいずれか一方に形成され、 前記検出用圧電/電歪素子は、前記内側振動板及び外側
    振動板のうち、前記駆動用圧電/電歪素子が形成されて
    いない振動板に形成されていることを特徴とする振動ジ
    ャイロセンサ。
  9. 【請求項9】請求項4〜8のいずれか1項に記載の振動
    ジャイロセンサにおいて、 前記複数の検出用圧電/電歪素子は、それぞれ分極方向
    が互いに逆向きであることを特徴とする振動ジャイロセ
    ンサ。
  10. 【請求項10】数種のセラミックグリーンシートを積層
    してグリーンシート積層体を作製する積層工程と、 グリーンシート積層体を一体焼成して、支持部と、前記
    支持部の内側に配され、かつ、内側振動板によって振動
    可能とされた内側重りと、前記支持部の外側に配され、
    かつ、外側振動板によって振動可能とされた外側重りと
    を有するセラミック積層体を作製する工程と、 前記内側振動板及び/又は外側振動板に前記圧電/電歪
    素子を形成する工程とを有することを特徴とする振動ジ
    ャイロセンサの製造方法。
  11. 【請求項11】請求項10記載の振動ジャイロセンサの
    製造方法において、 前記セラミック積層体は、前記支持部、前記内側重り及
    び前記外側重りに対して共通とされた最下層を有し、 前記最下層を切断して、前記支持部、前記内側重り及び
    前記外側重りをそれぞれ分離することを特徴とする振動
    ジャイロセンサの製造方法。
  12. 【請求項12】請求項10又は11記載の振動ジャイロ
    センサの製造方法において、 前記積層工程は、 内側振動板及び外側振動板を構成するための第1のセラ
    ミックグリーンシートに外側重り、内側重り及び支持部
    を構成するための第2のセラミックグリーンシートを積
    層する工程とを有することを特徴とする振動ジャイロセ
    ンサの製造方法。
  13. 【請求項13】請求項12記載の振動ジャイロセンサの
    製造方法において、 前記第1のセラミックグリーンシートのうち、前記支持
    部が形成される部分に予め位置決め用の突起部を形成す
    ることを特徴とする振動ジャイロセンサの製造方法。
  14. 【請求項14】請求項13記載の振動ジャイロセンサの
    製造方法において、 前記突起部は、前記支持部が形成される部分に対応して
    配列された複数の突起で構成されていることを特徴とす
    る振動ジャイロセンサの製造方法。
  15. 【請求項15】数種のセラミックグリーンシートを積層
    してグリーンシート積層体を作製する積層工程と、 グリーンシート積層体を一体焼成して、後に支持部が配
    される部分の内側に配され、かつ、振動板によって振動
    可能とされた内側重りと、後に支持部が配される部分の
    外側に配され、かつ、振動板によって振動可能とされた
    外側重りとを有するセラミック積層体を作製する工程
    と、 前記振動板の所定箇所に支持部を配置する工程と、 前記内側振動板及び/又は外側振動板に前記圧電/電歪
    素子を形成する工程とを有することを特徴とする振動ジ
    ャイロセンサの製造方法。
  16. 【請求項16】請求項15記載の振動ジャイロセンサの
    製造方法において、 前記支持部を、前記振動板の所定箇所に対して接着剤を
    介して固着することを特徴とする振動ジャイロセンサの
    製造方法。
  17. 【請求項17】請求項15記載の振動ジャイロセンサの
    製造方法において、 前記支持部で、前記振動板の所定箇所を挟持することを
    特徴とする振動ジャイロセンサの製造方法。
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