JP2001279076A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び当該不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いたfrp材 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物及び当該不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いたfrp材

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JP2001279076A JP2000098691A JP2000098691A JP2001279076A JP 2001279076 A JP2001279076 A JP 2001279076A JP 2000098691 A JP2000098691 A JP 2000098691A JP 2000098691 A JP2000098691 A JP 2000098691A JP 2001279076 A JP2001279076 A JP 2001279076A
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polyester resin
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frp
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Masayoshi Murao
正義 村尾
Yusuke Koizumi
雄介 小泉
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Japan U-Pica Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オープンモールド工法において、成形サイク
ル時間が短くても優れた二次接着性を有し、かつ、優れ
た耐雨水白化性を有するFRP成形品を得るために有効
に用いることができる不飽和ポリエステル樹脂組成物お
よび当該不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いたFRP
材を提供する。 【解決手段】 不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽
和ポリエステル樹脂100重量部と、平均分子量が30
0〜1000であるパラフィンワックス0.01〜0.
5重量部と、次の一般式(I) HO(C24O)x−(C36O)y−(C24O)zH (I) (式中のx,y及びzは1以上の整数を示す)で表わさ
れる高分子非イオン界面活性剤ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンブロックポリマー0.01〜5.0重
量部とを含有する。また、かかる不飽和ポリエステル樹
脂組成物と強化繊維材とを含有することで、FRP材が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物及び当該不飽和ポリエステル樹脂組成物を
用いたFRP材に関し、特に、ハンドレイアップやスプ
レイアップ等のオープンモールド工法により得られる繊
維強化プラスチック(以下、「FRP」と略す)に用い
る不飽和ポリエステル樹脂組成物および当該不飽和ポリ
エステル樹脂組成物を用いたFRP材に関する。 【0002】 【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂をマトリックス
とするFRPは、浄化槽、水タンク、浴槽、船舶やプー
ル等の各種用途に広く用いられており、特に、オープン
モールド工法により製造されるFRPに使用される不飽
和ポリエステル樹脂には、成形時のタレを防止するため
の揺変性付与剤、硬化を促進するための硬化促進剤及び
不飽和ポリエステル樹脂の表面に被膜を形成するための
ワックスを含有する不飽和ポリエステル樹脂組成物が用
いられている。 【0003】従来から、オープンモールド工法によるF
RP成形に使用される不飽和ポリエステル樹脂の硬化時
間は、成形サイクル時間と密接な関連を有し、生産性に
多大な影響を与える。従って、生産性を向上させるに
は、不飽和ポリエステル樹脂を積層して所望形状の硬化
したFRP成形品を得るまでの時間、即ち成形サイクル
時間を短縮することが重要なこととなる。特に、冬季の
低温時には不飽和ポリエステル樹脂の硬化が遅く、成形
サイクル時間が長くなってしまうという問題が生じる。 【0004】かかる成形サイクル時間を短縮するために
は、FRPに用いる不飽和ポリエステル樹脂中の硬化促
進剤の配合量を増量することにより、該不飽和ポリエス
テル樹脂の硬化を促進することで可能となるが、一方、
硬化させたFRP成形品の上に、新たに不飽和ポリエス
テル樹脂を積層して所望形状のFRP成形品を得ようと
する場合には、硬化促進剤を増量した不飽和ポリエステ
ル樹脂の表面の硬化が進みすぎて、最初のFRP中の不
飽和ポリエステル樹脂と、後の積層に用いた新たなFR
P中の不飽和ポリエステル樹脂との接着性、即ち二次接
着の接着強度が低くなってしまう。 【0005】また、空気中の酸素による硬化障害を防ぐ
ためのパラフィンワックスを配合してなる不飽和ポリエ
ステル樹脂をFRPに用いた場合には、その表面にパラ
フィンワックス層の皮膜を形成することになるが、二次
接着を考慮して硬化を抑制することにより、空気と接す
るFRPの表面の硬化が阻害されるため、パラフィンワ
ックス層の形成及び硬化が不十分な状態となる。 【0006】このようなFRP成形品を屋外に放置する
と、雨水や結露等によってFRPの表面が白く変色する
(以下、「雨水白化」と称す)現象が発現し、FRP製
品の商品価値が大きく損なわれるという問題を生じる。 【0007】不飽和ポリエステル樹脂を使用したオープ
ンモールド工法によるFRP成形品は、空気と接するこ
とで硬化が阻害されてる空気側の表面(以下、「空気
面」と称す)と、空気による硬化阻害がほとんどなくか
つ硬化度が大きくなる型側の表面(以下、「型面」と称
す)との二面を併せ有しているため、上記した問題の解
決を困難としている。 【0008】また、一部のFRP成形においては、剛性
を高めると同時に原価低減を図るため、不飽和ポリエス
テル樹脂に炭酸カルシウムを添加して併用することがあ
るが、上記した雨水白化が、かかる炭酸カルシウムを含
有したFRP成形品においては顕著に現れる傾向があ
る。 【0009】炭酸カルシウムを含有したFRP成形品の
雨水白化を防ぐために、例えば特開昭63−28646
2号公報において、不飽和ポリエステル樹脂にワックス
を二種類以上、高分子非イオン界面活性剤としてポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよび炭酸カル
シウムを含有してなる常温成形用不飽和ポリエステル樹
脂組成物が記載されている。 【0010】しかしながら、前記特開昭63−2864
62号公報に記載されたものは、従来の成形サイクル時
間をより短縮したFRP成形品の二次接着性及び耐雨水
白化の両性能を同時に向上させることはほとんど困難で
ある。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来
技術の問題を解決し、オープンモールド工法において、
成形サイクル時間が短くても優れた二次接着性を有し、
かつ、優れた耐雨水白化性を有するFRP成形品を得る
ために有効に用いることができる不飽和ポリエステル樹
脂組成物および当該不飽和ポリエステル樹脂組成物を用
いたFRP材を提供することである。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解消するために鋭意検討を重ねた結果、不飽和ポリエ
ステル樹脂に、特定の分子量を有するパラフィンワック
ス及び特定の構造の高分子非イオン界面活性剤ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーを、
それぞれ特定の割合で配合させることにより、成形サイ
クル時間が短くても優れた二次接着性を有し、かつ優れ
た耐雨水白化性を有するFRP成形品が得られることを
見出し、本発明に到達した。 【0013】請求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部と、平均
分子量が300〜1000であるパラフィンワックス
0.01〜0.5重量部と、次の一般式(I) HO(C24O)x−(C36O)y−(C24O)zH (I) (式中のx,y及びzは1以上の整数を示す)で表わさ
れる高分子非イオン界面活性剤ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンブロックポリマー0.01〜5.0重
量部とを含有することを特徴とする。 【0014】請求項2記載の不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、請求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物
において、上記一般式(1)で表わされる高分子非イオ
ン界面活性剤ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
ブロックポリマー中のポリオキシプロピレン基分子量が
600〜5000であり、x,y及びzは(x+z):
y=1:9〜6:4の割合であることを特徴とする。 【0015】請求項3記載のFRP材は、請求項1又は
2記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物と、繊維強化材
とを含有することを特徴とする。 【0016】 【発明の実施の形態】本発明の不飽和ポリエステル樹脂
組成物は、不飽和ポリエステル樹脂と、特定の範囲の平
均分子量を有するパラフィンワックスと、上記一般式
(I)で表される高分子非イオン界面活性剤ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーとを含
有する不飽和ポリエステル樹脂組成物である。 【0017】本発明に用いられる不飽和ポリエステル樹
脂は、α,β−不飽和二塩基酸を含む酸成分と多価アル
コール成分とを、重縮合というような反応により得られ
る不飽和ポリエステルと、1分子中に重合性二重結合を
有する重合性単量体とを含有する。 【0018】不飽和ポリエステルを調製するために用い
るα,β−不飽和二塩基酸としては、例えばフマル酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸及びシトラコ
ン酸等を用いることができ、これらのα,β−不飽和二
塩基酸を1種あるいは2種以上を混合した形で使用する
ことができる。また酸成分としては、上記α,β―不飽
和二塩基酸の他に、必要に応じて飽和二塩基酸成分を用
いることができ、例えばフタル酸、無水フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テト
ラヒドロ無水フタル酸、アジピン酸及びセバシン酸等を
挙げることができ、これらの酸成分を1種あるいは2種
以上を混合した形で使用することができる。 【0019】不飽和ポリエステルを調製するために用い
る多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール
等を挙げることができ、これらの多価アルコール成分を
1種あるいは2種以上を混合した形で使用することがで
きる。 【0020】また、不飽和ポリエステル樹脂中に含有さ
れる、1分子中に重合性二重結合を有する重合性単量体
としては、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼ
ン、メチルメタクリレート、パラメチルスチレン、ジア
リルフタレート等を挙げることができ、これらの重合性
単量体を1種あるいは2種以上を混合した形で使用する
ことができる。 【0021】上記不飽和ポリエステルと、上記重合性単
量体の混合割合は、好適には、不飽和ポリエステル10
0重量部に対して重合性単量体を25〜250重量部の
範囲で使用する。このような混合割合にすることによ
り、繊維強化材への含浸性、ハンドリング性、機械的特
性など、優れた性能が得られる。 【0022】まず、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、平均分子量が300〜1000のパラフィンワ
ックスが含有される。当該パラフィンワックスとして
は、直鎖状又は側鎖状飽和炭化水素系のパラフィンワッ
クスが用いられ、直鎖状飽和炭化水素系のパラフィンワ
ックスとしては、例えば、日本精蝋株式会社製のパラフ
ィンワックス115、120、125、130、13
5、140、150、155、HNP−3、HNP−
5、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP
−12、HNP−14G、SP−1035、SP−10
40、SP−0145、SP−0160、SP−303
5、SP−3040等が、また側鎖状飽和炭化水素パラ
フィンワックスとしては、例えば、日本精蝋株式会社製
のHi−Mic−1045、Hi−Mic−1070、
Hi−Mic−1080、Hi−Mic−2045、H
i−Mic−2065、Hi−Mic−2095、Hi
−Mic−3090等が挙げられる。これらのパラフィ
ンワックスは、1種あるいは2種以上を混合した形で使
用することができる。 【0023】かかるパラフィンワックスの平均分子量が
300未満の場合には、硬化するFRP成形品の表面の
パラフィンワックス層の形成が損なわれ、耐雨水白化性
が著しく低下する。一方、パラフィンワックスの平均分
子量が1000を越える場合には、硬化したFRP成形
品の表面に形成するパラフィンワックス層が不均一にな
りやすく、耐雨水白化性が低下することになる。ここ
で、本明細書を通じて、分子量は、ガスクロマトグラフ
法という方法により測定したものである。 【0024】パラフィンワックスの配合量は、前記不飽
和ポリエステル樹脂100重量部に対して0.01〜
0.5重量部、好ましくは0.04〜0.2重量部であ
る。かかる配合量が0.01重量部未満の場合には、硬
化するFRP成形品表面のワックス層の形成が損なわれ
て、耐雨水白化性が著しく低下し、また一方、0.5重
量部を越える場合には、硬化したFRP成形品の表面に
形成されるパラフィンワックス層が不均一になりやす
く、この場合にも耐雨水白化性が低下する。 【0025】また、本発明の不飽和ポリエステル樹脂に
は、更に、次の一般式; HO(C24O)x−(C36O)y−(C24O)zH (I) (式中のx,y及びzは1以上の整数を示す)で表わさ
れる高分子非イオン界面活性剤ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンブロックポリマーが含有される。かか
る高分子非イオン界面活性剤ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンブロックポリマーとしては、例えば旭電
化工業株式会社製のプルロニックL31、L44、L6
1、L62、L64、L101、P84、P85、P1
03等が挙げられ、これらの高分子非イオン界面活性剤
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリ
マーは、1種あるいは2種以上を混合した形で使用する
ことができる。 【0026】上記一般式(I)中、ポリオキシプロピレ
ン基の分子量は600〜5000であることが、また、
x,y及びzは(x+z):y=1:9〜6:4の割合
であることが好ましい。ポリオキシプロピレン基の分子
量が、600〜5000であることにより、また、x,
y及びzが、(x+z):y=1:9〜6:4の割合で
あることにより、不飽和ポリエステル樹脂への水の浸入
を抑える作用と、耐水白化性を向上させる作用を有す
る。 【0027】かかる高分子非イオン界面活性剤ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの配
合量は、前記不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対
して0.01〜5.0重量部、好ましくは0.1〜1.
0重量部である。かかる配合量が0.01重量部未満の
場合には、耐雨水白化性の効果がなくなり、一方、1.
0重量部を越える場合には不飽和ポリエステル樹脂とワ
ックスとの溶解性が増加し、硬化後のFRP成形品の表
面におけるパラフィンワックス層の形成が阻害されて耐
雨水白化性が低下する。 【0028】更に、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組
成物には、不飽和ポリエステル樹脂に当業者が通常用い
る添加剤、例えば重合禁止剤、揺変性付与剤、硬化剤、
硬化促進剤や炭酸カルシウム等を必要に応じて添加する
ことができる。 【0029】重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p
−t−ブチルカテコール、モノ−t−ブチルハイドロキ
ノン、トルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチル
エーテル等を挙げることができ、これらから1種あるい
は2種以上を混合する形で使用することができる。かか
る重合禁止剤はポリエステル樹脂の貯蔵安定性とゲル化
時間調整という作用を有する。 【0030】揺変性付与剤としては、無水シリカなどの
無機系揺変性付与剤、ポリアミド化合物などの有機系揺
変性付与剤等を挙げることができ、これらから1種ある
いは2種以上を混合する形で使用することができる。か
かる揺変性付与剤は不飽和ポリエステル樹脂が硬化する
までに流れ出す現象を防止する。 【0031】硬化剤としては、ベンゾイルパーオキシ
ド、メチルエチルケトンパーオキシド、アセチルアセト
ンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、t−
ブチルパーベンゾエーテ、キュメンハイドロパーオキシ
ド、ジ−t−ブチルパーオキシド等を挙げることがで
き、これらから1種あるいは2種以上を混合する形で使
用することができる。かかる硬化剤は分解してラジカル
を生成し、不飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体との
重合反応という作用を有する。 【0032】硬化促進剤としては、ナフテン酸コバル
ト、オクチル酸コバルト、脂肪族アミン、芳香族アミ
ン、アセチルアセトン、アセト酢酸エチルエステル等が
挙げられ、これらから1種あるいは2種以上を混合する
形で使用することができる。かかる硬化促進剤は硬化剤
が分解してラジカルを生成するのを助けることで不飽和
ポリエステル樹脂の硬化を速めるという作用を有する。 【0033】また、炭酸カルシウムを本発明の不飽和ポ
リエステル樹脂組成物に添加することにより、FRPの
剛性を高めることと原価低減という作用を呈する。かか
る炭酸カルシウムには特に制限はないが、吸油量15〜
30cc/100gの範囲のものが不飽和ポリエステル
樹脂へ添加しても粘度増加が低く、ハンドリング性の点
から好ましい。当該炭酸カルシウムの配合量は、前記不
飽和ポリシエステル樹脂100重量部に対して100重
量部以下、好ましくは20〜80重量部である。この配
合量が100重量部を越える場合にはFRP成形品表面
の耐雨水白化性及び光沢が低下する。 【0034】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物を
得るには、上記不飽和ポリエステル樹脂に、上記パラフ
ィンワックス及び上記高分子非イオン界面活性剤ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、
並びに必要に応じて重合禁止剤、揺変性付与剤、硬化
剤、硬化促進剤や炭酸カルシウム等を、添加混合する方
法など任意の混合方法により調製することができる。 【0035】また、本発明のFRP材は、上記本発明の
不飽和ポリエステル樹脂組成物と繊維強化材とを含有す
る。具体的には、硬化剤を含有してなる不飽和ポリエス
テル樹脂をハンドレイアップまたはスプレイアップなど
のオープンモールド工法により繊維強化材へ含浸、硬化
させることにより得られる。 【0036】本発明のFRP材に使用する繊維強化材
は、不飽和ポリエステル樹脂組成物が含浸することによ
り強度、弾性率の高い成形品を得る作用を有し、例え
ば、炭素繊維、ガラス繊維及びアラミド繊維等の種々の
強化繊維を挙げることができ、これらの強化繊維を単独
或いは二種類以上を混合して使用することができる。こ
のような繊維強化材の形状としては、一方向に繊維を揃
えた形状のもの以外に、チョップドストランドあるいは
それをマット化したものや、ロービング或いはロービン
グを編成したロービングクロスなどを使用することがで
きる。また、炭素繊維とガラス繊維、アラミド繊維を組
み合わせたハイブリツドタイプの強化繊維も使用するこ
ともできる。 【0037】これらの繊維強化材の単位当たりの重量は
100〜800g/mのものを使用することが好まし
い。100g/m未満では強度が低くなり補強効果が
なくなり、800g/mを越える範囲では樹脂組成物
の含浸性が悪くなり、機械的強度も低下するので好まし
くない。また、かかる繊維強化材100重量部に対し
て、不飽和ポリエステル樹脂組成物40〜400重量
部、好ましくは、100〜300重量部の範囲で使用す
ることができる。かかる範囲以外となると、樹脂組成物
の含浸性が悪くなったり、強度低下招き好ましくない。 【0038】 【実施例】本発明を次の実施例及び比較例により説明す
る。特に、特記しない限り、「部」は重量部を、「%」
は重量%を意味する。実施例1 無水マレイン酸6モル、無水フタル酸4モル、プロピレ
ングリコール6モル及びジエチレングリコール5モル
を、攪拌機、コンデンサー、温度計及び不活性ガス導入
口を有する四つ口フラスコに投入し、窒素ガスを当該四
つ口フラスコに投入しながら215℃で、約8時間重縮
合を行なうことにより、酸価33mgKOH/gの不飽
和ポリエステルを得た。 【0039】得られた不飽和ポリエステル55部に、ス
チレンモノマー45部及びハイドロキノン200ppm を
添加して、不飽和ポリエステル樹脂(UP)を得た。 【0040】得られた不飽和ポリエステル樹脂(UP)
100部に、ポリオキシプロピレン基分子量が1750
で、かつ上記1式中(x+z):y=1:9〜2:8を
満たすポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロッ
クポリマー(旭電化工業社製プルロニックL61)0.
5部、揺変性付与剤(日本アエロジル社製 AEROS
IL200)1.4部、融点63℃の直鎖状飽和炭化水
素系パラフィンワックス;日本精蝋社製 SP−014
5(平均分子量408)0.05部、ナフテン酸コバル
ト(コバルト含有量6%)0.5部及びジメチルアニリ
ン0.1部を添加し、攪拌分散させて、粘度450 mPa
・s 、揺変度4.6及びゲル化時間23分の不飽和ポリ
エステル樹脂組成物(UPR−1A)を得た。 【0041】なお粘度はJISK6901の4.4.1
項、揺変度はJISK6901の4.5項、ゲル化時間
はJISK6901の4.8項に従って測定したもので
ある。ゲル化時間の測定に際しては、硬化剤として55
%濃度のメチルエチルケトンパーオキサイドを得られた
不飽和ポリエステル樹脂組成物100部に対して1.0
部を添加して測定したものである。 【0042】次いで得られた当該不飽和ポリエステル樹
脂組成物(UPR−1A)100部に、炭酸カルシウム
(日東粉化社製 NS#100)50部及び55%濃度
のメチルエチルケトンパーオキサイド1.0部を添加し
て、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物(UPRC
−1A)を得た。 【0043】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
(UPRC−1A)を用いて、ガラス繊維含有量が25
%になるように、ハンドレイアップ法を用いて厚さ8mm
に積層したと、厚さ4mmに積層したものとを製造し
た。次いで厚さ8mmに積層したものを25℃で3日間
放置して硬化させ、FRP材を得た。また、厚さ4mm
に積層したものを25℃で2時間放置して硬化させ、F
RP材を得た。 【0044】実施例2 実施例1のプルロニックL61の代わりに、ポリオキシ
プロピレン基分子量が950で、かつ上記1式中(x+
z):y=1:9〜2:8のポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンブロックポリマー(旭電化工業社製 プ
ルロニックL31)0.5部を用いた以外は、実施例1
と同様にして不飽和ポリエステル樹脂組成物(UPRC
−2A)及びFRP材を得た。 【0045】実施例3 実施例1のプルロニックL61の代わりに、ポリオキシ
プロピレン基分子量が1750で、かつ上記1式中の
(x+z):y=5:5ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンブロックポリマー(旭電化工業社製 プルロ
ニックL64)0.5部を用いた以外は、実施例1と同
様にして不飽和ポリエステル樹脂組成物(UPRC−3
A)及びFRP材を得た。 【0046】実施例4 実施例1のプルロニックL61の代わりに、ポリオキシ
プロピレン基分子量が3250で、上記1式中(x+
z):y=5:5のポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンブロックポリマー(旭電化工業社製 プルロニッ
クL101)0.5部を用いた以外は、実施例1と同様
にして不飽和ポリエステル樹脂組成物(UPRC−4
A)及びFRP材を得た。 【0047】実施例5 実施例1のSP−0145の代わりに、融点50℃の直
鎖状飽和炭化水素系ワックス;日本精鑞社製パラフィン
ワックス120(平均分子量344)0.10部を用い
た以外は、実施例1と同様にして不飽和ポリエステル樹
脂組成物(UPRC−5A)及びFRP材を得た。 【0048】実施例6 実施例1のプルロニックL61を0.2部用いた以外
は、実施例1と同様にして不飽和ポリエステル樹脂組成
物(UPRC−6A)及びFRP材を得た。 【0049】実施例7 実施例1のプルロニックL61を0.2部及びSP−0
145を0.08部用いた以外は、実施例1と同様にし
て不飽和ポリエステル樹脂組成物(UPRC−7A)及
びFRP材を得た。 【0050】比較例1 実施例1のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブ
ロックポリマーを配合しない以外は、実施例1と同様に
して不飽和ポリエステル樹脂組成物(UPRC−1B)
及びFRP材を得た。 【0051】比較例2 実施例1のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブ
ロックポリマーの代わりに、ポリエチレングリコール
0.5部を用いた以外は、実施例1と同様にして不飽和
ポリエステル樹脂組成物(UPRC−2B)及びFRP
材を得た。 【0052】比較例3 比較例1のジメチルアニリンの配合を0.2部とした以
外は、比較例1と同様にして不飽和ポリエステル樹脂組
成物(UPRC−3B)及びFRP材を得た。 【0053】 【試験例】上記実施例1〜7および比較例1〜3で得ら
れたFRP材の性能を以下に評価した。二次接着性 厚さ8mmに積層・硬化した各FRP材から100×1
50mmの寸法の被着体を切り出し、該被着型面をサンド
ペーパー(#40)にて研磨した。被着体切り出し面か
ら接着幅25mm、接着長さ150mmの寸法となるよう
に、被着体型面へ、上記した各FRP材に用いたと同様
の不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて、再びガラス
繊維含有量を25重量%と成る様にして、幅100×長
さ150mmの寸法でハンドレイアップにて、厚さ6mm
積層した。次いでこれを25℃で1日放置して硬化さ
せ、幅25mmの試験片を5枚切り出した。切り出した試
験片を支点間距離76mm、速度5mm/分で曲げ接着試験
を行い、二次接着性を評価した。接着強さは最大荷重/
接着面積を、接着エネルギーは荷重を変位で積分した値
で示した。 【0054】耐雨水白化性 厚さ4mmに積層・硬化したFRP材を、25℃に保持し
た水に20時間浸漬し、浸漬後の表面を目視観察して耐
雨水白化性の評価とした。 【0055】得られたFRP材の二次接着性及び耐雨水
白化性の評価結果を、次の表1に示す。 【表1】 【0056】表1から明らかなように、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンブロックポリマーを含有する
本発明の実施例1〜7では、優れた二次接着性を有し、
かつ優れた耐雨水白化性を有するFRP材が得られるこ
とが示される。 【0057】 【発明の効果】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、オープンモールド工法により成形されるFRPに用
いることにより、成形サイクル時間が短くても優れた二
次接着性を有し、かつ優れた耐雨水白化性を有する本発
明のFRP材を製造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 91/06 C08L 91/06 Fターム(参考) 4F072 AA04 AA07 AB06 AB09 AB10 AB22 AB29 AD38 AE02 AE14 AF13 AF25 AL02 AL04 AL06 AL07 4J002 AE032 CF221 CH023 CL064 DA017 DL007 EB106 EH076 EH146 FA044 FA047 FD010 FD140 FD150 GL00 GN00 4J027 AB02 AB06 AB07 AB08 AB15 AB16 AB17 AB18 AB23 AB24 AB25 BA05 BA07 BA18 BA22 CA04 CA07 CA09 CA12 CA14 CA19 CA36 CA38 CB03 CB08 CC02 CD02

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 不飽和ポリエステル樹脂100重量部
    と、平均分子量が300〜1000であるパラフィンワ
    ックス0.01〜0.5重量部と、次の一般式(I) HO(C24O)x−(C36O)y−(C24O)zH (I) (式中のx,y及びzは1以上の整数を示す)で表わさ
    れる高分子非イオン界面活性剤ポリオキシエチレンポリ
    オキシプロピレンブロックポリマー0.01〜5.0重
    量部とを含有することを特徴とする不飽和ポリエステル
    樹脂組成物。 【 請求項2】 請求項1記載不飽和ポリエステル樹脂
    組成物において、上記一般式(1)で表わされる高分子
    非イオン界面活性剤ポリオキシエチレンポリオキシプロ
    ピレンブロックポリマー中のポリオキシプロピレン基分
    子量が600〜5000であり、x,y及びzは(x+
    z):y=1:9〜6:4の割合であることを特徴とす
    る不飽和ポリエステル樹脂組成物。 【請求項3】 請求項1又は2記載の不飽和ポリエステ
    ル樹脂組成物と繊維強化材とを含有することを特徴とす
    るFRP材。
JP2000098691A 2000-03-31 2000-03-31 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び当該不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いたfrp材 Pending JP2001279076A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104448748A (zh) * 2012-12-29 2015-03-25 昆明普尔顿环保科技股份有限公司 高强度耐腐蚀塑料管

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