JP2003026736A - 真空成形用硬化性樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

真空成形用硬化性樹脂組成物およびその成形品

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JP2003026736A
JP2003026736A JP2001219611A JP2001219611A JP2003026736A JP 2003026736 A JP2003026736 A JP 2003026736A JP 2001219611 A JP2001219611 A JP 2001219611A JP 2001219611 A JP2001219611 A JP 2001219611A JP 2003026736 A JP2003026736 A JP 2003026736A
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unsaturated polyester
vacuum
unsaturated
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JP2001219611A
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Sachiko Fujita
幸子 藤田
Takashi Tomiyama
隆史 冨山
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空成形法に適した低粘度で、硬化後の機械
物性に優れた不飽和ポリエステル成形材料を提供するこ
とを目的としている。 【解決手段】 不飽和ポリエステル(A)及び重合性不
飽和単量体(B)を含有し、25℃の樹脂溶液粘度が
2.5dPa・S以下であり、また硬化後の引っ張り強さが
72MPa以上及び伸び率が3%以上であることを特徴
とする真空成形用硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、臭気発生量およびスチ
レン揮発量を低減した大型FRP成形品向け真空成形に
適した硬化性樹脂組成物及びその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、不飽和ポリエステル樹脂は、室温
から高温まで硬化温度条件が幅広い上に硬化速度がはや
いという優れた成形性、化学的、物理的、機械的、電気
的特性を有するため構造用部材や輸送用機器(自動車、
航空機、船舶など)の内装材や部品・部材に多用されて
いる。とりわけ不飽和ポリエステル樹脂を繊維強化させ
たFRPは、大形成形品も比較的少ない設備投資で成形
可能であることから利用の範囲が広がっている。その代
表的な成形方法は ハンドレイアップ法とスプレーアッ
プ法である。
【0003】一方、不飽和ポリエステル樹脂の重合性単
量体として、一般に使用されているスチレンモノマー
は、成形性、成形品の諸物性等を見る限り、極めて優秀
な原料であるが、その臭気から近年作業環境のスチレン
モノマー濃度が条例で制限されつつある。ハンドレイア
ップ法やスプレーアップ法等のオープンモールドの場
合、特に作業環境の臭気問題が厳しく、作業環境の改善
を目的に、スチレン低揮散樹脂の開発が求められている
が、作業環境の改善、価格、成形性や成形品の諸物性の
性能全てを満足させることはできないという問題があ
る。
【0004】そこで、最近ハンドレイアップ法やスプレ
ーアップ法のオープンモールドではなく、クローズモー
ルドである真空成形法がクロズアップされている。かか
る真空成形法は、大型FRPを成形でき、価格、コス
ト、成形品の諸物性と作業環境すべてを満足させること
ができるというメリットを有している。このような成形
法では樹脂の粘度が樹脂注入時間に大きく左右し、ひい
ては成形サイクルにも影響するため、粘度が低く、大形
成形品に適した機械物性を有する成形材料が必要であ
る。しかし、十分な性能を有する成形材料が未だ提案さ
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、真空成形法
に適した低粘度で、硬化後の機械物性に優れた不飽和ポ
リエステル成形材料を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、不飽和
ポリエステル(A)及び重合性不飽和単量体(B)を含
有し、樹脂分含有量62重量%以下、25℃の樹脂溶液
粘度が2.5dPa・S以下であり、また硬化後の引っ張り
強さが72MPa以上及び伸び率が3%以上であること
を特徴とする真空成形用硬化性樹脂組成物及びそれを用
いて真空成形による成形品に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の真空成形用硬化性樹脂組
成物は、不飽和ポリエステル(A)及び重合性不飽和単
量体(B)を含有してなるものであり、25℃の樹脂溶
液粘度が2.5dPa・S以下である。かかる樹脂溶液粘度
は、好ましくは2.50〜0.2dPa・Sであり、2.5d
Pa・S以下を越えると樹脂充填中、ガラスの濡れ性が悪く
なったり、樹脂充填時間が長くなり、成形サイクルが低
下するという問題が生じる。また、該組成物の樹脂分含
有量は、好ましくは62重量%以下であり、より好まし
くは58〜50重量%である。上記樹脂分含有量の範囲
であれば、真空成形で大型成形品を成形する場合、成形
時の収縮率が小さいというメリットがある。尚、本発明
での樹脂溶液粘度は、JIS K−6901に基づいた
ブルックフィールド型粘度計法BM形粘度計により測定
される粘度である。
【0008】また、本発明の真空成形用硬化性樹脂組成
物は、その硬化物の引張り強さが72MPa以上及び伸
び率が3%以上のものである。かかる引張り強さは、好
ましくは75MPa以上であり、72MPa以下であれ
ば 真空成形により成形された大型成形品が構造部材に
適する強度を保持させるために、成形品の厚みが増し重
量が増すため、好ましくない。また、上記伸び率は3.
5%以上が好ましく、3%未満であれば、成形品が撓ん
だとき樹脂硬化物がガラス繊維との追随性がなく好まし
くない。
【0009】本発明で使用される不飽和ポリエステル
(A)は、不飽和ジカルボン酸および/またはその酸無
水物と、併用し得る他の酸成分、即ち芳香族ジカルボン
酸およびその酸無水物、脂肪族ジカルボン酸およびその
酸無水物、脂環式脂肪族ジカルボン酸およびその酸無水
物、脂肪族系モノカルボン酸等とを含む酸成分と、多価
アルコールとを公知の方法で反応させて得られる。また
このポリエステルの末端に例えば不飽和エポキシ化合物
や不飽和イソシアネート化合物を付加させた不飽和ポリ
エステルアクリレートでも良い。更にジシクロペンタジ
エンで末端を封止しても良い。
【0010】本発明に用いられる不飽和ポリエステルの
構成成分である酸成分とアルコールを以下に例示する
が、それらに限定されものではない。不飽和ジカルボン
酸およびその酸無水物としては、マレイン酸、無水マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アコニ
ット酸などのα,β−不飽和二塩基酸やジヒドロムコン
酸等のβ,γ−不飽和二塩基酸およびそれらの酸無水物
が用いられ、これらは2種以上を併用してもよい。これ
らの中でもマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸が容
易に入手できることから好ましい。芳香族ジカルボン酸
およびその酸無水物としては、無水フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタ
レンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無
水物、4,4'−ビフェニルジカルボン酸、トリメット
酸、ピロメリット酸等およびそれらの酸無水物が用いら
れ、これらは2種以上を併用してもよい。また、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、ダイマー酸等も挙げられる。脂肪
族ジカルボン酸およびその酸無水物としては、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、2,2−ジ
メチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、ヘキシル
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グ
ルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル
酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグ
ルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、ピメリン酸、
スベリン酸、ドデカン二酸等およびそれらの酸無水物が
あげられ、 これらは2種以上を併用してもよい。脂環
式脂肪族ジカルボン酸およびその酸無水物としては、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキ
サンジカルボン酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、
メチルヘキサヒドロフタル酸、ヘット酸、1,1−シク
ロブタンジカルボン酸等およびそれらの酸無水物が用い
られ、またこれらのハロゲン化物、これらのエステル誘
導体も用いられる。これらは2種以上を併用してもよ
い。脂肪族系モノカルボン酸としては、シクロヘキサン
カルボン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等およ
びそれらの酸無水物が挙げられ、これらは2種以上を併
用しても良い。芳香族系モノカルボン酸としては、安息
香酸等が挙げられ、これらは2種以上併用しても良い。
酸成分はこれらの中から適宜選択されるが、樹脂粘度を
低く、かつ機械的強度に優れた樹脂組成物にするために
フタル酸やその酸無水物、イソフタル酸が特に好まし
い。
【0011】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、1,2−プロピレング
リコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−
1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオ
ール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオ
ール、1,10−デカンジオール、4,5−ノナンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチ
ル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−
1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3
−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
オール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、2−エ
チル−1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、水素化ビスフェノ-ルA、水素化ビ
スフェノ−ルAのエチレンオキサイドもしくはプロピレ
ンオキサイドもしくはブチレンオキサイド等のアルキレ
ンオキサイドとの付加物、ビスフェノ−ルAのエチレン
オキサイドもしくはプロピレンオキサイドもしくはブチ
レンオキサイド等のアルキレンオキサイドとの付加物、
水素化ビスフェノールF、水素化ビスフェノ−ルFのエ
チレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドもしく
はブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとの付
加物、ビスフェノ−ルFのエチレンオキサイドもしくは
プロピレンオキサイドもしくはブチレンオキサイド等の
アルキレンオキサイドとの付加物、エチレングリコ−ル
カ−ボネ−ト等の二価アルコール、グリセリン、トリメ
チロールプロパン等の三価アルコール、ペンタエリスリ
トール等の四価アルコールなどが用いられる。これらは
2種以上を併用してもよく 適宜選択されるが 1,3-プ
ロパンジオールや2,2-メチルエチル1,3-プロパンジオー
ル、2−メチル−1,3−プロピレングリコールのよう
にエステル化反応した結果 主鎖になる炭素数が奇数炭
素数のグリコールで 低融点の化合物の方が 樹脂の粘
度が低くなるのでより好ましい。また、不飽和ポリエス
テルの末端封鎖のために、ベンジルアルコールや2−エ
チルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ウンデシ
ルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコ
ール、ステアリルアルコール等の一価アルコールも使用
可能である。
【0012】酸成分と多価アルコールの反応は、公知の
方法で主に縮合反応を進めることにより行われ、両成分
が反応する際に生ずる水等の低分子を系外へ脱離して進
行させる。酸成分と多価アルコールとの反応割合には特
に制限はない。末端にカルボキシル基を有する段階で不
飽和エポキシ化合物と反応させても良いし、末端に水酸
基を有する段階でイソシアネート基を有する不飽和化合
物または不飽和カルボン酸またはその酸無水物を反応さ
せても良い。更に先にジシクロペンタジエンと無水マレ
イン酸、アルコール又は水を通常のエステル化反応条件
で反応させて、さらに必要に応じて脂肪族系飽和モノ又
はジカルボン酸および/またはその酸無水物、不飽和ジ
カルボン酸および/またはその酸無水物、芳香族系ジカ
ルボン酸および/またはその酸無水物を加えて公知の方
法で縮合反応を行っても良い。
【0013】末端カルボキシル基にメタクリル酸グリシ
ジルエーテル等の不飽和エポキシ化合物を付加させる方
法には特に制限はないが、第4級アンモニウム塩、金属
セッケン、各種アミン類等を触媒として、60〜200
℃で0.5〜4時間反応させることにより行うことがで
きる。付加反応には、不飽和ポリエステルを重合性単量
体に溶解した後、不飽和エポキシ化合物を付加させる方
法と、不飽和ポリエステルに直接不飽和エポキシ化合物
を付加させる方法があるが、どちらの方法を採用しても
よい。
【0014】末端水酸基にイソシアネート基を有する不
飽和化合物を付加させる方法には特に制限はないが必要
に応じて反応触媒を添加して、60〜200℃で0.5
〜8時間反応させることにより行うことができる。付加
反応は不飽和ポリエステルにジイソシアネートを付加さ
せて水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を反応させ
る方法、ジイソシアネートと水酸基を有するエチレン性
不飽和単量体の付加物を不飽和ポリエステルに付加させ
る方法、エチレン性不飽和単量体を有するイソシアネー
トを不飽和ポリエステルに付加させる方法等があるがい
ずれの方法を採用しても良い。付加反応には、不飽和ポ
リエステルを重合性単量体に溶解した後、不飽和イソシ
アネート化合物を付加させる方法と、不飽和ポリエステ
ルに直接不飽和イソシアネート化合物を付加させる方法
があるが、どちらの方法を採用してもよい。
【0015】ジイソシアネート化合物としては例えばヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テト
ラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては 例え
ば(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)
アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル
酸3-ヒドロキシプロピル等が挙げられる。不飽和イソ
シアネート化合物としてはイソプロペニルジメチルベン
ジルイソシアネート、カレンズMOI(昭和電工(株)
製)等が挙げられる。
【0016】末端水酸基に(メタ)アクリル酸またはジ
(メタ)アクリル酸無水物等の不飽和カルボン酸または
その酸無水物を反応させる方法には特に制限はないが、
公知のエステル化および/またはエステル交換触媒を用
いて、60〜200℃で0.5〜4時間反応させること
により行うことができる。反応は 減圧で行っても良
い。反応には、不飽和ポリエステルを重合性単量体に溶
解した後、不飽和カルボン酸またはその酸無水物を反応
させる方法と、不飽和ポリエステルに直接不飽和カルボ
ン酸またはその酸無水物を反応させる方法があるが、ど
ちらの方法を採用してもよい。
【0017】本発明で使用される重合性不飽和単量体
(B)としては、分子内に1個以上の重合性二重結合を
有する、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルス
チレン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニ
ルベンゼン、クロロスチレン、ジクロロスチレン等のス
チレン誘導体、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチ
ル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、フマ
ル酸モノエチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸モノエ
チル、マレイン酸ジエチル、フマル酸モノプロピル、フ
マル酸ジプロピル、マレイン酸モノプロピル、マレイン
酸ジプロピル、フマル酸モノブチル、フマル酸ジブチ
ル、フマル酸モノオクチル、フマル酸ジオクチル、イタ
コン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジ
エチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチ
ル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸モノプロピル、イ
タコン酸ジプロピル等のα,β−不飽和多塩基酸アルキ
ルエステル、ジアリルフタレートなどが用いられる。こ
れらは2種以上を併用してもよい。
【0018】重合性不飽和単量体の配合量は、不飽和ポ
リエステル(A)/重合性不飽和単量体(B)の重量比
が好ましくは62/38〜45/55、より好ましくは
60/40〜50/50となる量である。重合性不飽和
単量体(B)の量が上記の範囲であれば、組成物の硬化
物が高い機械的物性を有し、樹脂が真空成形に適する粘
度をもつことができるので好ましい。
【0019】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、
ハイドロキノン、ピロカテコール、2,6−t−ブチル
パラクレゾール等の重合禁止剤、ナフテン酸コバルト、
オクテン酸コバルト、ナフテン酸銅等の金属セッケン
類、ジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4
級アンモニウム塩、アセチルアセトン等のβジケトン、
ジメチルアニリン、N−エチル−メタトルイジン、トリ
エタノールアミン等のアミン類等の硬化促進剤、染料、
可塑剤、安定剤、消泡剤、レベリング剤、酸化防止剤等
の各種添加剤を配合することができる。
【0020】また、本発明の樹脂組成物には硬化剤とし
て各種の有機過酸化物を配合してもよい。有機過酸化物
としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイ
ド、ビス−4−t−ブチルシクロヘキサンジカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート等
があり、これらは2種以上を併用してもよい。
【0021】本発明の真空成形用硬化性樹脂組成物は、
前記した樹脂粘度、硬化後の引っ張り強度および伸び率
を示すものであり、使用される不飽和ポリエステル
(A)および重合性不飽和単量体(B)を適宜選択する
ことによって得ることができる。特に、不飽和ポリエス
テル(A)は、本発明の組成物の上記特性値への影響が
大きいため、該特性値を付与するようなものであり、上
記構成成分となる原料およびその量的割合を適宜選択
し、同時に従来の反応条件に基づいて適切な反応環境を
設定することによって得ることができる。
【0022】かかる不飽和ポリエステル(A)について
は、重合性不飽和単量体(B)やその他の添加剤の種類
や添加量によって、得られる樹脂組成物の特性値が変動
するため、一概に論じることができないが、好ましいも
のとしては、数平均分子量1500〜3500、酸価0
〜35、水酸基価0〜75を有するものである。勿論、
不飽和ポリエステル(A)は上記のものに何等限定され
るものではない。
【0023】本発明の真空成形用硬化性樹脂組成物が上
記の如き特性値を有するためには、主剤である不飽和ポ
リエステル(A)の物性値に基づいて重合性不飽和単量
体(B)やその他の添加剤の種類や添加量を適宜調整す
ることにより行われる。
【0024】本発明の真空成形用硬化性樹脂組成物は、
主として、繊維強化型熱硬化性プラスチック(以下、F
RPと略記する。)の成形法の一つである真空成形法
(バキュームフュージョン法やフィルムフュージョン法
とも言う)に用いられ、成形性に優れるとともに、機械
的強度に優れた成形品をもたらすことができる。
【0025】本発明の真空成形用硬化性樹脂組成物でク
ローズモールドである真空成形法で大型FRPを成形し
た場合、価格、コスト、成形品の諸物性と作業環境すべ
てを満足させることができる。通常、クローズモールデ
ィングには、SMCやBMCのプレス成形やRIMやR
I等のインジェクション成形も含まれるが、バキューム
フュージョン法やフィルムフュージョン法とも言われる
真空成形は、それらと異なり、ハンドレイアップ法やス
プレーアップ法と同様に大型設備投資が不要である。そ
の上に、ハンドレーアップ法やスプレーアップ法に比べ
て強化繊維含有率が高い成形品が得られるため機械的強
度に優れ、特に強度を必要とする大型部材や構造部材に
はこの成形方法は適している。本発明では真空成形法に
好適な硬化性樹脂組成物を提供する。
【0026】尚、本発明の硬化性樹脂組成物を真空成形
法により成形する場合、通常、ガラスマットやガラスク
ロス、炭素繊維やケブラークロス、金属繊維等の強化繊
維を成形型に配置し、その上から真空パック用フィルム
やカバーと含浸用樹脂を注入するバルブや樹脂流動層用
補助材と真空ポンプなどの真空系ラインへのバルブを真
空シールする。真空バルブを開くと真空パック内の空気
はドレインを経て真空引系ラインに排出され、真空パッ
ク内部は真空状態になる。この状態で、本発明の硬化性
樹脂組成物を注入バルブから真空パック内部に供給さ
れ、該組成物が樹脂流動層用補助材を通して成形型内部
全面に広がり強化繊維に含浸して硬化することによって
成形される。
【0027】かかる成形では、樹脂組成物の粘度が注入
時間を大きく左右し、ひいては成形サイクルにも影響す
るため、粘度が低く、大形成形品に適した機械物性を有
する樹脂組成物が必要となる
【0028】本発明の樹脂組成物から得られる成形品
は、大型成形品や構造部材に用いられ、特に車両部品な
どの難燃性を要求されるところにも用いられる。そうし
た場合、必要によりさらに、本発明の樹脂組成物に難燃
剤等の難燃性付与剤を予め入れても良い。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。また文章中「部」とあるのは、重量部を示すも
のである。
【0030】(実施例1) 不飽和ポリエステル樹脂組
成物の製造 温度計、攪拌器、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を
備えた2Lの4つ口フラスコにジプロピレングリコール
287部、プロピレングリコール120部、2−メチル
−1,3-プロパンジオール180部、フタル酸無水物
423部、マレイン酸281部を仕込み 窒素ガスを吹
き込みながら210℃まで昇温し12時間反応後、スチ
レンモノマー916部、ハイドロキノン0.02部を加
え、樹脂分57.5%、酸価20の不飽和ポリエステル
樹脂組成物を得た。
【0031】(実施例2) 不飽和ポリエステル樹脂組
成物の製造 実施例1と同様にして2Lフラスコにプロピレングリコ
ール228部、2−メチル−1,3-プロパンジオール
270部、フタル酸無水物444部、マレイン酸294
部を仕込み、210℃まで昇温し、エステル化反応を行
い、12時間反応後、スチレンモノマー833部、ハイ
ドロキノン0.03部を加え、樹脂分55%、酸価14
の不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。
【0032】(実施例3) 不飽和ポリエステル樹脂組
成物の製造 実施例1と同様にして2Lフラスコにジプロピレングリ
コール536部、プロピレングリコール131部、フタ
ル酸無水物296部、マレイン酸365部を仕込み、2
10℃まで昇温し、エステル化反応を行い、12時間反
応後、スチレンモノマー906部、ハイドロキノン0.
03部を加え、樹脂分57.5%、酸価17の不飽和ポ
リエステル樹脂組成物を得た。
【0033】(比較例1) 比較の不飽和ポリエステル
樹脂組成物の製造 実施例1と同様にしてプロピレングリコール353部、
イソフタル酸249部、フマル酸348部を仕込み、2
10℃まで昇温し、エステル化反応を行い、14時間反
応後、スチレンモノマー774部、ハイドロキノン0.
04部を加え、樹脂分55.0%、酸価17の不飽和ポ
リエステル樹脂組成物を得た。
【0034】(比較例2) 比較の不飽和ポリエステル
樹脂組成物の製造 実施例1と同様の装置に ジシクロペンタジエン581
部、マレイン酸無水物426部、精製水80部を仕込
み、130℃まで昇温し、5時間反応後冷却し、ジエチ
レングリコール266部を仕込み、205℃まで昇温
し、14時間反応後、スチレンモノマー747部、ハイ
ドロキノン0.04部を加え、樹脂分63.0%、酸価
16の不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。
【0035】(試験例)上記各不飽和ポリエステル樹脂
組成物を用いて下記の試験を行った。その結果を表1に
まとめる。
【0036】〜樹脂溶液粘度の測定〜 25℃の樹脂溶液粘度をJIS K−6901に基づい
たブルックフィールド型粘度計法BM形粘度で測定し
た。
【0037】〜樹脂硬化物の機械的物性の測定〜 1)試験板の作製 実施例、比較例で得られた不飽和ポリエステル樹脂組成
物に55%メチルエチルケトンパーオキサイド1.0
%、6%ナフテン酸コバルト0.1%を添加して攪拌、
脱泡し、離型剤(フリコートFRP、F−REKOTE社)を
塗布し、厚みを調整するスペーサーを有しシーリーング
したガラス板に樹脂を注ぎ、その後常温で24時間放置
後、60℃で30分更に硬化させ、厚み約3mmの注型
板を得た。
【0038】2)機械的物性の測定 方法1)で得た試験板からJIS K−7113に準拠
した引張りの試験片を切り出し、JIS K−7113
に準拠した方法で測定した。
【0039】〜真空成形時の樹脂注入時間〜 実施例、比較例で得られた不飽和ポリエステル樹脂組成
物を、55%メチルエチルケトンパーオキサイド1.0
%、6%ナフテン酸コバルト0.1%を添加した場合
の、JIS K−6901に準拠した常温ゲル化時間が
40分になるようにトルハイドロキノンを加えて調整す
る。内径35mm、長さ30cmのアクリル製パイプの
両端を内径6mmのチューブを中央部に貫通させたゴム
栓でふさぎ、アクリル製パイプ内の体積を76562.
5πmm2にする。アクリル製パイプ内にチョップドス
トランドマット 450g/mを25cm×120c
m充填する。以上のようにガラスを充填させたアクリル
製パイプを縦に置き、下のゴム栓に貫通しているチュー
ブからは樹脂を供給し、上のゴム栓に貫通しているチュ
ーブはドレンを介して真空ラインにつなぎ、真空成形品
を成形する。その時、パイプ内に各実施例の樹脂を完全
に充填させる注入時間を測定する。樹脂注入時間は以下
の式より算出する。 樹脂注入時間=注入開始後パイプ内ガラスを樹脂が完全
に含浸する時間−注入開始からパイプ内に樹脂が到達す
る時間
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物は、樹脂粘度
が低くかつ硬化物の機械的物性に優れているために、真
空成形性に優れ、この樹脂より得られる成形品は大形成
形品、構造部材、車両部材など各種用途に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA02 AA07 AB09 AB29 AD38 AH02 AH21 AK20 AL01 4J027 AB06 AB07 AB08 AB15 AB16 AB17 AB18 AB19 AB23 AB24 AB25 AB26 AB33 AB34 BA04 BA05 BA22 CB03 CB07 CC02 CD01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和ポリエステル(A)及び重合性不飽
    和単量体(B)を含有し、25℃の樹脂溶液粘度が2.
    5dPa・S以下であり、また硬化後の引っ張り強さが72
    MPa以上及び伸び率が3%以上であることを特徴とす
    る真空成形用硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】重合性不飽和単量体(B)がスチレンであ
    る請求項1に記載の真空成形用硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】不飽和ポリエステル(A)の樹脂分含有量
    62重量%以下である請求項1に記載の真空成形用硬化
    性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】不飽和ポリエステル(A)、重合性不飽和
    単量体(B)を含有する請求項1又は2に記載の真空成
    形用硬化性樹脂組成物と繊維強化材とを用いて真空成形
    により得られる成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005179388A (ja) * 2003-12-16 2005-07-07 Showa Highpolymer Co Ltd 硬化性樹脂組成物、その製造方法及び該樹脂組成物の利用方法

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