JP2001278796A - 抗痒み・抗アレルギー組成物 - Google Patents

抗痒み・抗アレルギー組成物

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JP2001278796A
JP2001278796A JP2000088169A JP2000088169A JP2001278796A JP 2001278796 A JP2001278796 A JP 2001278796A JP 2000088169 A JP2000088169 A JP 2000088169A JP 2000088169 A JP2000088169 A JP 2000088169A JP 2001278796 A JP2001278796 A JP 2001278796A
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Kyoko Ishiguro
京子 石黒
Hisae Oku
尚枝 奥
Munekazu Iinuma
宗和 飯沼
Toshimi Ueda
淑未 上田
Yoshikuni Yamamoto
芳邦 山本
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Yamamoto Perfumery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 痒み及びアレルギーを抑制することのでき
る薬剤を提供すること。 【解決手段】 薬効成分としてツリフネソウ(Impati
ens textori Miq.)の花弁の抽出エキスを含有すること
を特徴とする好痒み・抗アレルギー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ツリフネソウ(Im
patiens textori Miq.)の花弁の抽出エキス成分又はこ
れに含まれる抗アレルギー及び抗痒み成分を含有する、
抗アレルギー組成物及び抗痒み組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】痒みは「引っ掻く欲望を伴う不快な感
覚」であり、皮膚、粘膜、角膜でのみ生じる特有の感覚
である。近年社会的問題になっているアトピー性皮膚疾
患、花粉症、食物アレルギー、蕁麻疹等の炎症性及びア
レルギー性の皮膚疾患において、この痒みという感覚は
非常に重要且つ深刻な症状の一つである。また老人性皮
膚掻痒症、黄疸や透析に伴う痒み、糖尿病や悪性腫瘍の
合併症としても問題になっている。
【0003】激しい痒みを伴う皮膚疾患では、患者自身
が患部を繰り返し掻き破ること(掻動作又は掻破)によ
り、病態の悪化や慢性化が起こり、治療効果が妨げられ
る。アトピー性皮膚炎では、痒みが除ければその80%
の患者は完治するとまで言われ、特に患者が幼児の場合
等は自制が効かないために薬の力を借りた掻動作の抑制
が必須となる。更に、昼夜を問わない持続的な痒みは、
患者の学習や仕事への集中力を妨げるだけでなく、睡眠
をも妨げ、患者の肉体的又は精神的な消耗を招く。
【0004】痒みは、圧迫、電気刺激、汗、温度、乾燥
等の物理的刺激や起痒物質による化学刺激等、多種多様
な刺激により、末梢性にまた中枢性に誘発される。内因
性の起痒物質として最も重要で、その拮抗薬が臨床使用
されているのはヒスタミンのみであり、H1受容体が関
与していると考えられている。また神経ペプチド(サブ
スタンスP、CGRR等)は、各種の刺激により痒みの
伝達繊維(C繊維)より分泌され、軸策反射によりヒス
タミンを介した起痒作用を有する。その他の炎症性メデ
ィエーター(PG、LT、PAF等)もまた痒みに関与
すると考えられており、これらの物質が直接痒みの受容
器を刺激して痒みを起こす場合、部分的にヒスタミン遊
離を介して痒みを起こす場合、物質自身は痒みを起こさ
ないがヒスタミンによる痒みを増強する場合がある。近
年、内因性オピオイド(Met-エンケファリン等)、サイ
トカイン(IL−1やIL−2等)、更には一酸化窒素
(NO)等の痒みへの関与が注目されている。
【0005】痒みの末梢での受容器は、表皮真皮境界部
に存在する侵害受容器(ポリモーダルC繊維神経終末)
であり、ここで生じたインパルスが求心性C繊維により
脊髄に伝達され、脊髄後根を通って脊髄視床路から視
床、次いで大脳皮質に達し、痒みが知覚されると考えら
れる。
【0006】近年の研究によると、老人性掻痒症やアト
ピー性皮膚炎などの激しい痒みを伴う疾患の病的状態の
皮膚では、通常では存在しない様な表皮の浅い部分にま
で肥満細胞やC繊維が進入して分布しており、これが激
しい痒みの一因ではないかと指摘されている。
【0007】痒みと痛みの刺激の脊髄内経路が殆ど同じ
であることから、痒みと痛みの神経機構について幾つか
の説が提唱されている。それらは、痒みを起こすような
刺激にのみ特異的に反応する神経繊維(一次求心性ニュ
ーロン)の存在を仮定する「特殊説」、同じ求心性神経
繊維への刺激レベルの高さに依存して痒み又は痛みの何
れかが生ずるとする「強度説」、痛み受容性神経繊維の
一部が痒み刺激に反応し、それらの神経繊維が侵害性情
報とは異なる中枢内連絡を以て痛みとは異なる中枢神経
繊維を興奮させるとする「選択説」、及び、痒みが他の
情報も伝えることのできる神経繊維の時間的或いは空間
的な発火パターンによって信号化されるとする「パター
ン説」である。これらのうち、現在は「選択説」が支持
されている。しかしながら、現状では、多くの共通した
メディエーターや伝達機構で何故痒みと痛みという異な
る感覚が生じるのか説明できない。健常者では痛みを感
じる刺激(神経繊維の興奮)が、アトピー性患者の皮膚
では痒みとして感じられる理由等も含め、痒みのメカニ
ズムは未だ不明である。
【0008】痒みの本態やメカニズムが明らかにされて
いない現在、痒みに対する対策は対症療法である。痒み
の抑制のための薬剤としては、抗ヒスタミン薬、抗アレ
ルギー薬(肥満細胞からのケミカルメディエーターの遊
離抑制)及び精神安定剤が主として用いられている。し
かしながら、現在臨床使用されている薬剤中には、病的
な激しい痒みに対して満足な効果を発揮するものがない
のが実状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】アレルギー及び痒みは
原因及び結果として多くの場合密接に関連している。し
かしまた、アレルギーとは直接関わりの認められない痒
みもあり、従来の抗アレルギー剤は必ずしもは満足な抗
痒み効果を発揮しない。上記のように、アトピー性皮膚
炎、老人性掻痒等の病的な痒みに対する効果的な薬剤が
ない一方、これらの患者が近年急増していることから、
医療現場では痒みという症状に対する有効な薬剤が切に
求められている。このような背景の下で、本発明は、痒
み抑制効果を有する新たな薬剤を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、植物エキス
の抽出物につき検討していたところ、ツリフネソウ(Im
patiens textori Miq.)の花弁のエキスに優れた抗痒み
作用があることを見出した。更に検討の結果、同エキス
に抗アレルギー(抗アナフィラキシー)効果があること
も確認し、同エキスが含有する抗痒み及び抗アレルギー
(抗アナフィラキシー)効果を有する化合物を同定しそ
れらの作用を検討した。本発明はこれらの発見に基づき
なされたものである。
【0011】すなわち本発明は、薬効成分としてツリフ
ネソウ(Impatiens textori Miq.)の花弁の抽出エキス
を含有してなることを特徴とする抗痒み及び組成物及び
抗アレルギー組成物を提供する。
【0012】更に本発明は、ルテオリン、アピゲニン及
びアピゲニン−7−O−グルコシドよりなる群より選ば
れる少なくとも1種の化合物を含有するツリフネソウの
抽出エキスを含有することを特徴とする抗痒み組成物及
び抗アレルギー組成物を提供する。
【0013】更に本発明は、これらの化合物よりなる群
より選ばれる少なくとも1種の化合物を薬効成分として
含有する抗痒み組成物及び抗アレルギー組成物を提供す
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、ツリフネソウの
花弁の抽出操作には、種々の極性溶媒を単独で又は混合
して用いることができる。抽出には冷浸、温浸、パーコ
レーション法等当業者に知られた適宜の方法を用いれば
よい。極性溶媒の特に好ましい例は、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、イソブタノールその他、炭素数1〜8個の一価ア
ルコール又はその水溶液である。このうちエタノール又
はエタノール水溶液は、花弁の抽出操作後に抽出エキス
を薬剤組成物として製剤化する際の取り扱い易さ及び安
全性の面からは特に好ましい。また極性溶媒として水そ
のものを用いて抽出することもできるほか、エチレング
リコール、プロピレングリコール等のグリコール類やグ
リセロール等、炭素数2〜6個の多価アルコール又はそ
れらと水の混合物、アセトン、エチルメチルケトン、イ
ソブチルメチルケトン、メチル−n−プロピルケトン等
炭素数4〜5個のケトン又はそれらと水の混合物、又は
酢酸エチル、酢酸イソプロピル等炭素数4〜8のエステ
ル類、又はジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、
n−ブチルエーテル等炭素数4〜8のエーテル等を用い
てもよい。
【0015】また、抽出は、ツリフネソウの花弁を水に
浸漬して加熱し、水蒸気蒸留をすることによって行って
もよく、本明細書において、「抽出エキス」は、そのよ
うにして得られたものも包含する。
【0016】また、抽出に用いるツリフネソウの花弁
は、乾燥したものでも未乾燥のものでもよい。
【0017】実験の部において後述するように、ツリフ
ネソウの花弁の抽出エキス中において本発明者等により
同定された成分であるルテオリン、アピゲニン及びアピ
ゲニン−7−O−グルコシドは抗痒み及び抗アレルギー
活性を有する。従ってツリフネソウの花弁エキス抽出物
を用いる代わりに、合成その他別経路で入手したこれら
の化合物を1種で単独に又は2種以上を合わせて用いて
もよい。
【0018】本発明において、抗痒み及び組成物及び抗
アレルギー組成物は、全身投与用剤としてもよく、外用
剤としてもよい。ここに「全身投与用剤」とは、薬物を
循環血中に移行させることを目的として投与される剤形
をいい、内服、注射、点滴静注のための種々の剤形や坐
剤がこれに含まれる。内服剤の形態としては、特に限定
されず、錠剤、散剤、顆粒剤、軟カプセル剤、硬カプセ
ル剤等の固形製剤や、シロップ剤等の液状の製剤であっ
てよく、これらの製剤の製造に使用される周知の材料を
用いて常法により製造すればよい。
【0019】また本発明の抗痒み組成物及び抗アレルギ
ー組成物は、外用剤として種々の形態をとることができ
る。それらの例としては、軟膏剤、クリーム剤、ローシ
ョン剤、ゲル剤、乳液、パップ剤、硬膏剤、絆創膏等の
薬剤が挙げられるがこれらに限定されない。これらの製
剤の製造は、通常使用される周知の材料を用いて常法に
より行えばよい。また、外用剤としては、抗痒み及び/
又は抗アレルギーを唯一の又は主たる目的とする組成物
でなくても、例えば、痒みやアレルギーの防止のために
ツリフネソウ抽出エキスを、通常の美顔パック、化粧
水、シャンプー、リンス、ヘアートニック、育毛剤、養
毛剤等に添加したものであってもよい。また、絆創膏の
粘着剤層中に、かぶれによる痒みを防止するために含ま
せてもよい。この場合、本発明の「抗痒み組成物」と
は、そのような絆創膏の粘着剤層をいう。また、痒み防
止の目的で従来より使用されている他の成分、例えばマ
レイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン
等の抗ヒスタミン剤や、サリチル酸メチル、メントール
等とツリフネソウ花弁抽出エキス又はその特定の有効成
分とを併用した組成物としてもよい。
【0020】ツリフネソウ花弁抽出エキスは、天然物由
来であり比較的安全性が高いため、本発明の抗痒み及び
/又は抗アレルギー外用剤中におけるツリフネソウ花弁
抽出エキスの含量割合に明確な上限はないが、通常は、
抽出エキスの乾燥重量として5重量%程度まであれば十
分である。また痒みの程度等にもよるが、通常の用途に
ついては、0.05重量%程度を下限とみなしてよい。
従って、通常は、本発明の抗痒み及び/又は抗アレルギ
ー組成物としての外用剤中のツリフネソウ抽出エキスの
含量割合は、0.05〜5重量%の範囲、より好ましく
は、0.1〜3重量%、更に好ましくは0.5〜1.5
重量%である。
【0021】また、ツリフネソウ花弁抽出エキス中の有
効成分であるルテオリン、アピゲニン及びアピゲニン−
7−O−グルコシドの何れか1種または2種以上を薬効
成分として含有することを特徴とする本発明の抗痒み及
び/又は抗アレルギー外用剤においては、これらの化合
物の濃度は(2種以上を含有する場合は総計で)、通常
0.01〜2重量%の範囲、より好ましくは、0.05
〜1重量%、更に好ましくは0.1〜1重量%である。
【0022】また、本発明の抗痒み及び/又は抗アレル
ギー組成物を全身投与用剤として用いる場合、1日の投
与量は、疾患の種類や症状の重さを勘案して担当医が適
宜判断する事項であるが、通常、製剤に含有されるルテ
オリン、アピゲニン及び/又はアピゲニン−7−O−グ
ルコシドの総量として、内服では0.1〜100mg/
kg体重の範囲、注射では0.01〜10mg/kg体
重の範囲とすることができる。
【0023】上記の各製剤の調製においては、乳糖、シ
ョ糖、デンプン、微結晶セルロースその他の賦形剤、ア
ラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウムその他の
結合剤、デンプン、炭酸カルシウムその他の崩壊剤、ス
テアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マ
グネシウム、タルクその他の滑沢剤、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油、ラウリル硫酸ナトリウムその他の界面活性剤
等よりなる溶解補助剤、塩化ナトリウム等の無機塩類や
グリセロール、ソルビトール、マンニトール、グルコー
スその他の等張化剤、リン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、
クエン酸塩その他による各種緩衝剤、塩化ベンザルコニ
ウム、塩化ベンゼトニウム、パラベン類、安息香酸、ク
ロロブタノール、グルコン酸クロルヘキシジンその他の
保存剤、エデト酸ナトリウム等のキレート化剤等、これ
らそれぞれのタイプの薬剤に通常用いられる各種成分を
適宜選択して採用してよい。
【0024】
【実施例】<エタノール抽出エキスの調製>生のツリフ
ネソウの花弁2.0kgを35%エタノール水溶液4L
中に2昼夜間冷浸することにより抽出を行った。得られ
た抽出液より減圧下にエタノールを留去してエキス1
5.5gを得た。
【0025】<酢酸エチル抽出エキス及びn−ブタノー
ル抽出エキスの調製>生のツリフネソウの花弁7.24
kgを35%エタノール水溶液32L中に2昼夜間冷浸
することにより抽出を行った。得られた抽出液より減圧
下にエタノールを留去し、酢酸エチル及びn−ブタノー
ルで順次抽出し、酢酸エチルエステル抽出液及びn−ブ
タノール抽出液よりそれぞれ減圧にて溶媒を留去するこ
とによって、酢酸エチルエキス9.2g及n−ブタノー
ルエキス36.9gを得た。
【0026】<酢酸エチルエキス中の成分の単離>上記
で得られた酢酸エチルエキスにつき、クロロホルム−メ
タノール混液を溶出溶媒とするシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー又はメタノールを溶出溶媒とするセファデ
ックスLH20カラムクロマトグラフィーを繰り返すこ
とにより、ルテオリン14mg、アピゲニン3mg、ア
ピゲニン 7−O−グルコシド11mgを得た。
【0027】ルテオリン(luteolin):
【化1】 黄色粉末:融点>300℃、Positive El-MS: m/z 286 [M]
+. IRν(KBr)cm-1: 3400 (OH), 1657 (C=O), 1610, 1495-1
510 (C=C). UVλ(MeOH)nm(logε): 256 (4.22), 266 (4.19), 295 s
h (3.96), 350 (4.29).1 H-NMR (500MHz, CD3OD): δ 6.21 (1H, d, J=2.1Hz, 6
H), 6.43 (1H, d, J=2.1Ha, 8-H), 6.53 (1H, s, 3-H),
6.90 (1H, d, J=8.6Hz, 5-H), 7.38 (1H, m,6-H), 7,3
8 (1H, m, 2-H).13 C-NMR (125MHz, CD3OD): δ 95.1 (C-8), 100.3 (C-
6), 104.0 (C-3), 105.3 (C-10), 114.3 (C-2), 116.9
(C-5), 120.4 (C-6), 123.8 (C-1), 147.1 (C-3), 151.
1 (C-4), 159.5 (C-9), 163.3 (C-5), 166.3 (C-2), 16
6.4 (C-7), 183.9 (C-4).
【0028】アピゲニン(apigenin):
【化2】 黄色粉末:融点>300℃、Positive EI-MS: m/z 270
[M]+. IRν(KBr)cm-1: 3260 (OH), 1655 (C=O), 1608, 1500
(C=C). UVλ(MeOH)nm(logε): 269 (3.98), 332 (3.99).1 H-NMR (500MHz, CD3OD): δ 6.20 (1H, d, J=2.1Hz, 6
-H), 6.45 (1H, d, J=2.1Hz, 8-H), 6.58 (1H, s, 3-
H), 6.93 (2H, d, J=8.6Hz, 3 and 5-H), 7.84 (2H, d,
J=8.6Hz, 2 and 6-H).
【0029】アピゲニン 7−O−グルコシド(apigehi
n 7-O-glucoside):
【化3】 黄色粉末、融点180〜185℃、IRν(KBr)cm-1: 3350 (O
H), 1655 (α,β−不飽和C=O), 1600 (芳香族C=C), 107
0 (グルコシドC-O). UVλ(MeOH)nm(logε): 269 (4.32), 335 (4.36).1 H-NMR (500MHz, CD3OD): δ 5.07 (1H, d, J=7.3Hz, g
lc 1-H), 6.51 (1H, d, J=2.1Hz, 6-H), 6.66 (1H, s,
3-H), 6.83 (1H, d, J=2.1Hz, 8-H), 6.94 (2H, d, J=
8.6Hz, 3 and 5-H), 7.89 (2H, d, J=8,6Hz, 2 and 6-
H).
【0030】<薬理試験1> COMPOUND 48/80により惹
起されるマウスの掻動作に対するツリフネソウ花弁抽出
エキスの抑制効果:肥満細胞からの強力なヒスタミン遊
離剤として汎用されている COMPOUND 48/80 (CAS NUMBE
R:94724-12-6: Sigma C2313)を痒み惹起剤として用い、
これに対するツリフネソウ花弁抽出エキスの静注投与及
び経口投与の抗痒み効果の有無及び強さにつき検討し
た。
【0031】(1)材料: 試験動物として6週齢の雄
性 SPF ddY マウスを用いた。ツリフネソウ花弁抽出エ
キスとしては、97年産及び98年産の花弁からそれぞれ上
記「抽出エキスの調製」の部に準じて得た2つのロット
(それぞれロット記号y97及びy98)の抽出エキスを用い
た(但し97年産の花弁の抽出には30%エタノール水溶液
を用いた)。経口投与用には、これらの抽出エキスを水
中に10mg/mlの濃度になるよう混合したものを用
いた。静注投与には、抽出エキスを生理食塩水中に10
0mg/mlの濃度に溶解させ、不溶物を石英綿で濾過
して得られる濾液を用いた。また、COMPOUND 48/80
は、生理食塩水中に3mg/mlの濃度に溶解させて皮
下注射に用いた。
【0032】(2)方法: (a) 静注投与: マウスの一部を、花弁抽出エキス・
ロットy97を投与する群(y97群、n=5)、花弁抽出エ
キス・ロットy98を投与する群(y98群、n=5)及び対
照群(n=5)に分け、各抽出エキス投与群のマウスに
各ロットの抽出エキス 100 mg/kgを、対照群のマ
ウスには抽出エキスを含まない同量の生理食塩水を、そ
れぞれ静注投与した。静注投与の1時間後、痒みを惹起
させるために、COMPOUND 48/80 3mg/kgを、各群
のマウスの背中側の首の付け根へ皮下注射し、その直後
より、各マウスにつき全身掻動作回数を20分間にわたっ
てカウントして比較した。 (b) 経口投与: 残りのマウスを、抽出エキス・ロッ
トy97を痒み惹起の1時間前に投与する群(y97-1h群、
n=3)、抽出エキス・ロットy97を痒み惹起の24時間
前に投与する群(y97-24h群、n=3)、抽出エキス・
ロットy98を痒み惹起の24時間前に投与する群(y98-24h
群、n=3)及び対照群(n=3)に分けた。各抽出エ
キス投与群のマウスにそれぞれの抽出エキス 100 mg
/kgを、対照群のマウスには抽出エキスを含まない水
を、それぞれ経口投与した。抽出エキス投与の1時間
後、痒みを惹起させるためにy97-1h群及び対照群の各マ
ウスの背中側の首の付け根にCOMPOUND 48/80 3mg/
kgを皮下注射し、その直後より全身掻動作を20分間に
わたってカウントした。また、y97-24h群及びy98-24h群
のマウスには、抽出エキス投与の24時間後、痒みを惹起
させるためにCOMPOUND 48/80 3mg/kgを同様に皮
下注射し、皮下注射直後より、各マウスにつき全身掻動
作を20分間にわたってカウントした。
【0033】(3)結果: (a) 静注投与: ツリフネソウ花弁抽出エキスの静注
投与試験の結果を図1のグラフ(左側)で示す。縦軸は
COMPOUND 48/80の皮下注射後20分間の掻動作回数を表
す。グラフに見られるように、何れのロットの抽出エキ
スを静注投与した群も、掻回数の平均値は対照群のそれ
に比較して顕著に少なかった。すなわちy98群の平均掻
動作回数は対照群の約60%へと抑制され、y97群の平均
掻動作回数は対照群の約35%へと更に抑制された。この
結果は、静注投与された抽出エキスにより痒みが抑制さ
れたことを示している(* p<0.05、Students t-tes
t)。肥満細胞からの強力なヒスタミン遊離剤である co
mpound 40/80 による痒みの惹起に対して顕著な抑制効
果をこのようにツリフネソウ花弁エキスが示したこと
は、同エキスの抗痒み作用のメカニズムの一つが脱顆粒
抑制にあることを示唆している。 (b) 経口投与: また図1のグラフ(右側)に、ツリ
フネソウ花弁抽出エキスの経口投与試験の結果を示す。
縦軸はCOMPOUND 48/80の皮下注射後20分間の掻動作回数
を表す。グラフから明らかなように、ツリフネソウ抽出
エキスの経口投与の1時間後にCOMPOUND 48/80の皮下注
射を行った群(y97-1h群)における平均掻動作回数は、
対照群と同等であり効果は見られなかった。これに対
し、ツリフネソウ抽出エキスの経口投与の24時間後にCO
MPOUND 48/80の皮下注射を行った群(y97-24群及びy98-
24群)における掻動作回数は、対照群に比べて遙かに少
なかった(それぞれ対照群の約55%及び約60%)。この
結果より、ツリフネソウ抽出エキスは経口投与によって
も顕著な痒み抑制効果を発揮できることが確認された。
抽出エキスロットy97-1h群において効果が見られなかっ
たのは、経口投与から痒み惹起までが1時間と短すぎ、
抽出エキス中の薬効成分の吸収が間に合わなかったため
と考えられる。また、抽出エキスの効果が投与後24時間
しても明瞭に認められたことは、抽出エキスの作用持続
時間が比較的長いことを示唆している。
【0034】<薬理試験2> COMPOUND 48/80により惹
起されるマウスの掻動作に対するツリフネソウ花弁抽出
エキスの抑制効果: DSCGとの比較 COMPOUND 48/80 (CAS NUMBER:94724-12-6: Sigma C231
3)を痒み惹起剤として用い、これに対するツリフネソウ
花弁抽出エキスの静注投与による抗痒み効果の有無及び
強さにつき、肥満細胞からの脱顆粒抑制薬であるクロモ
グリク酸二ナトリウム(disodium cromoglycate。以下
「DSCG」と略す)の効果との比較において検討した。
【0035】(1)材料: 試験動物として、6週齢の
雄性 SPF ddY マウスを用いた。ツリフネソウ花弁抽出
エキスとしては、上記薬理試験1に記載の抽出エキス・
ロットy97を用いた。静注投与には、抽出エキスを生理
食塩水中に100mg/mlの濃度に溶解させ、不溶物
を石英綿で濾過して得られる濾液を用いた。また、DSCG
は、生理食塩水中に10mg/mlの濃度に溶解させて
投与に用いた。
【0036】(2)方法: マウスの一部を、抽出エキ
ス・ロットy97を投与する群(IT群、n=5)、DSCGを
投与を投与する群(DSCG群、n=5)及び対照群(n=
5)に分け、IT群のマウスには抽出エキス・ロットy97
の100mg/kgを、DSCG群のマウスにはDSCGの 10mg
/kgを、対照群のマウスには抽出エキスを含まない同
量の生理食塩水を、それぞれ静注投与した。静注投与の
1時間後、痒みを惹起させるために、各群のマウスの背
中側の首の付け根へCOMPOUND 48/80 3mg/kgを皮
下注射し、その直後より、各マウスにつき全身掻動作回
数を20分間にわたってカウントして比較した。なお、実
験前日の平常時の対照群のマウスの20分間掻動作回数を
予めカウントして記録し、正常値として用いた。
【0037】(3)結果: ツリフネソウ花弁抽出エキ
スとDSCGの静注投与の効果の比較を図2に示す。縦軸は
COMPOUND 48/80の皮下注射後20分間の全身掻動作回数を
表す。グラフに見られる通り、COMPOUND 48/80 3mg
/kgの皮下注射後、対照群の20分間の平均全身掻動作
回数は、正常値に比べ極度に増加した。これに比して、
DSCG群では、COMPOUND 48/80の皮下注射が引き起こす掻
動作の20分間平均回数は、対照群のそれの約50%へと大
きく抑制された。また、抽出エキス・ロットy97を投与
したIT群では、COMPOUND 48/80皮下注射後の20分間平均
掻動作回数は、対照群のそれの約35%へと、DSCG群にお
けるよりも更に大きく抑制された(* p<0.05、** p
<0.01、*** p<0.001、Students t-test)。この結果
は、ツリフネソウ花弁抽出エキス又はそれに含有される
有効成分が、compound 48/80による肥満細胞の脱顆粒に
起因する痒みに対し、DSCGに匹敵する又はこれを上回る
痒み抑制効果を有していることを示している。
【0038】<薬理試験3> PAFにより惹起されるマ
ウスの掻動作に対するツリフネソウ花弁抽出エキスの抑
制効果:血小板活性化因子(platelet activating fact
or, PAF)によって惹起されるマウスの掻動作に対する
ツリフネソウ花弁抽出エキスの静注投与による抗痒み効
果の有無及び強さにつき、PAF拮抗薬であるCV-3988
〔(RS)−2−メトキシ−3−(オクタデシルカルバモ
イルオキシ)プロピル−2−(3−チアゾリオ)エチル
フォスフェート〕の効果との比較において検討した。
【0039】(1)材料: 試験動物として、6週齢の
雄性 SPF ddY マウスを用いた。ツリフネソウ花弁抽出
エキスとしては、前記薬理試験1に記載の抽出エキス・
ロットy97を用いた。静注投与には、抽出エキスを生理
食塩水中に100mg/mlの濃度に溶解させ、不溶物
を石英綿で濾過して得られる濾液を用いた。CV-3988
は、生理食塩水中に10mg/mlの濃度に溶解させて
投与に用いた。またPAFは、生理食塩水中に10μg/
mlの濃度に溶解させて皮下注射に用いた。
【0040】(2)方法: マウスの一部を、抽出エキ
ス・ロットy97を投与する群(IT群、n=5)、CV-3988
を投与する群(CV-3988群、n=5)及び対照群(n=
5)に分け、IT群のマウスには抽出エキス・ロットy97
の100mg/kgを、CV-3988群のマウスにはCV-3988の1
0mg/kgを、対照群のマウスには抽出エキスを含ま
ない同量の生理食塩水を、それぞれ静注投与した。静注
投与の30分後、CV-3988群のマウスの背中側の首の付け
根へPAF 10μg/kgを皮下注射しその直後より各マウ
スにつき全身掻動作回数を20分間にわたってカウントし
た。また、IT群及び対照群には、静注投与の1時間後に
PAF 10μg/kgを同様に皮下注射し、その直後より各
マウスにつき全身掻動作回数を20分間にわたってカウン
トした。なお、実験前日の平常時の対照群のマウスの20
分間掻動作回数を予めカウントして記録し、正常値とし
て用いた。
【0041】(3)結果: ツリフネソウ花弁抽出エキ
スとCV-3988の静注投与の効果の比較を図3に示す。縦
軸はPAFの皮下注射後20分間の全身掻動作回数を表す。
グラフから明らかな通り、PAF の皮下注射後、対照群の
20分間の全身掻動作回数は、正常値に比べ極度に増加し
た。これに比して、IT群、CV-3988群の何れも、PAFの皮
下注射による全身掻動作回数の増加は全く認められず、
全身掻動作回数の増加を完全に阻止していることが分か
る(** p<0.01、Students t-test)。この結果は、ツ
リフネソウ花弁抽出エキスに含有される成分が、PAFに
よって引き起こされる痒みに対しCV-3988と並ぶ強力な
抑制効果を有することを示している。
【0042】<薬理試験4> セロトニンにより惹起さ
れるマウスの掻動作に対するツリフネソウ花弁抽出エキ
スの抑制効果:セロトニンによって惹起されるマウスの
掻動作に対するツリフネソウ花弁抽出エキスの静注投与
による抗痒み効果の有無及び強さにつき、セロトニン拮
抗薬であるケタンセリン(ketanserin)の効果との比較
において検討した。
【0043】(1)材料: 試験動物として、7週齢の
雄性 SPF ddY マウスを用いた。ツリフネソウ花弁抽出
エキスとしては、前記薬理試験1に記載の抽出エキス・
ロットy97を用いた。静注投与には、抽出エキスを生理
食塩水中に100mg/mlの濃度に溶解させ、不溶物
を石英綿で濾過して得られる濾液を用いた。ケタンセリ
ンは、生理食塩水中に2mg/mlの濃度に溶解させて
投与に用いた。またセロトニンは、生理食塩水中に10
μg/mlの濃度に溶解させて皮下注射に用いた。
【0044】(2)方法: マウスの一部を、抽出エキ
ス・ロットy97を投与する群(IT群、n=5)、ケタン
セリンを投与する群(KT群、n=5)及び対照群(n=
5)に分け、IT群のマウスには抽出エキス・ロットy97
の100mg/kgを、KT群のマウスにはケタンセリン 2
mg/kgを、対照群のマウスには抽出エキスを含まな
い同量の生理食塩水を、それぞれ静注投与した。静注投
与の30分後、KT群のマウスの背中側の首の付け根へセロ
トニン 10μg/kgを皮下注射し、その直後より各マ
ウスにつき全身掻動作回数を20分間にわたってカウント
した。また、IT群及び対照群には、静注投与の1時間後
にセロトニン 10μg/kgを同様に皮下注射し、その
直後より各マウスにつき全身掻動作回数を20分間にわた
ってカウントした。なお、実験前日の平常時の対照群の
マウスの20分間掻動作回数を予めカウントして記録し、
正常値として用いた。
【0045】(3)結果: ツリフネソウ花弁抽出エキ
スとケタンセリン静注投与の効果の比較を図4に示す。
縦軸はセロトニンの皮下注射後20分間の全身掻動作回数
を表す。グラフが示すように、セロトニンの皮下注射
後、対照群の全身掻動作回数は、正常群に比べ顕著に増
加した。これに比して、ケタンセリンを投与したKT群で
は、全身掻動作回数の増加は著しく少なかった(* p<
0.05、Students t-test)。またツリフネソウ花弁抽出
エキスを投与したIT群では、全身掻動作回数はKT群と比
較しても更に少なく(** p<0.01、Students t-tes
t)、正常群と同等であり、全身掻動作の増加は全く認
められなかった。この結果より、ツリフネソウ花弁抽出
エキスに含有される成分が、セロトニンによって引き起
こされる痒みに対してケタンセリンと同等又はそれ以上
の抑制効果を有していることが分かる。また、セロトニ
ンによる痒みに対して優れた抑制効果を現すことから、
ツリフネソウ花弁抽出エキスがセロトニン拮抗作用を有
している可能性が示唆される。
【0046】<薬理試験5> プロテアーゼにより惹起
されるマウスの掻動作に対するツリフネソウ花弁抽出エ
キスの抑制効果:プロテアーゼによって惹起されるマウ
スの掻動作に対するツリフネソウ花弁抽出エキスの静注
投与による抗痒み効果の有無及び強さにつき検討した。
【0047】(1)材料: 試験動物として、7週齢の
雄性 SPF ddY マウスを用いた。ツリフネソウ花弁抽出
エキスとしては、前記薬理試験1に記載の抽出エキス・
ロットy97を用いた。静注投与には、抽出エキスを生理
食塩水中に100mg/mlの濃度に溶解させ、不溶物
を石英綿で濾過して得られる濾液を用いた。プロテアー
ゼ(フナコシ(株)より入手)は、生理食塩水中に1m
g/mlの濃度に溶解させて皮下注射に用いた。
【0048】(2)方法: マウスの一部を、抽出エキ
ス・ロットy97を投与する群(IT群、n=5)及び対照
群(n=5)に分け、IT群のマウスには抽出エキス・ロ
ットy97の100mg/kgを、対照群のマウスには抽出エ
キスを含まない同量の生理食塩水を、それぞれ静注投与
した。静注投与の1時間後、両群のマウスの背中側の首
の付け根へプロテアーゼ1mg/kgを皮下注射し、そ
の直後より各マウスにつき全身掻動作回数を20分間にわ
たってカウントした。なお、実験前日の平常時の対照群
のマウスの20分間掻動作回数を予めカウントして記録
し、正常値として用いた。
【0049】(3)結果: プロテアーゼに惹起される
マウス掻動作に対するツリフネソウ花弁抽出エキスの効
果を図5にグラフで示す。縦軸は、プロテアーゼの皮下
注射後20分間の全身掻動作回数を表す。グラフより明ら
かな通り、プロテアーゼの皮下注射により対照群のマウ
スの全身掻動作回数は大幅に増加したのに対し(* p<
0.05)、ツリフネソウ花弁抽出エキスの静注投与を受け
たIT群では、全身掻動作回数の増加は顕著に抑制され、
平均全身掻動作回数は対照群の約50%に止まった。この
結果より、プロテアーゼによって引き起こされる痒みに
対してツリフネソウ花弁抽出エキスに含まれる成分が抑
制効果を有することが分かる。また、プロテアーゼによ
る痒みが抑制されたことは、ツリフネソウ花弁抽出エキ
スが、プロテアーゼ阻害作用を有する可能性を示唆して
いる。
【0050】<薬理試験6> 血管内皮細胞由来のNO
により惹起されるマウスの掻動作に対するツリフネソウ
花弁抽出エキスの抑制効果:生体内の血管弛緩物質とし
て見出され、生体内で多種多様な生理活性を現す物質で
あることが判明した一酸化窒素NOは、近年と痒みとの
関連も注目されており、Moritaら〔Morita, H. et al.,
Int. J. Dermatol., 34: 294-295 (1995)〕は、アトピ
ー性皮膚炎患者の痒みがNO合成阻害約で抑制できたこ
とを報告している。そこで、血管内皮細胞由来のNOに
よって惹起されるマウスの掻動作回数を指標として、ツ
リフネソウ花弁抽出エキスの静注投与による抗痒み効果
の有無及び強さにつき、NO合成阻害薬であるL−N6
−ニトロアルギニンメチルエステル(L-NG-nitroargini
ne methyl ester: L-NAME)と対比しつつ検討した。
【0051】(1)材料: 試験動物として、7週齢の
雄性 SPF ddY マウスを用いた。ツリフネソウ花弁抽出
エキスとしては、前記薬理試験1に記載の抽出エキス・
ロットy97を用いた。静注投与には、抽出エキスを生理
食塩水中に100mg/mlの濃度に溶解させ、不溶物
を石英綿で濾過して得られる濾液を用いた。L-NAME(SI
GMAより入手)は、生理食塩水中に1mg/mlの濃度
に溶解させて投与に用いた。NOによる痒みを惹起する
物質として用いるアセチルコリンは、生理食塩水中に1
0mg/mlの濃度に溶解させて皮下注射に用いた。
【0052】(2)方法: マウスの一部を、抽出エキ
ス・ロットy97を投与する群(IT群、n=5)、L-NAME
を投与する群(L-NAME群、n=5)及び対照群(n=
5)に分け、IT群のマウスには抽出エキス・ロットy97
の100mg/kgを、L-NAME群のマウスには L-NAME 1
mg/kgを、対照群のマウスには抽出エキスを含まな
い同量の生理食塩水を、それぞれ静注投与した。静注投
与の15分後、L-NAME群のマウスの背中側の首の付け根へ
アセチルコリン 10mg/kgを皮下注射し、その直後
より各マウスにつき全身掻動作回数を20分間にわたって
カウントした。またIT群及び対照群のマウスには、静注
投与の1時間後にアセチルコリン 10mg/kgを同様
に皮下注射し、その直後より各マウスにつき全身掻動作
回数を20分間にわたってカウントした。なお、実験前日
の平常時の対照群のマウスの20分間掻動作回数を予めカ
ウントして記録し、正常値として用いた。
【0053】(3)結果: NOにより惹起されるマウ
ス掻動作に対するツリフネソウ花弁抽出エキスの効果を
図6にグラフで示す。縦軸はアセチルコリンの皮下注射
後20分間の全身掻動作回数を表す。グラフより明らかな
とおり、アセチルコリンの皮下注射後、対照群では掻動
作回数の顕著な増加が認められたが、L-NAME群とIT群の
何れも全身掻動作回数は正常値と同等で、増加は見られ
なかった(* p<0.05、Students t-test)。このこと
からL-NAME及びツリフネソウ花弁抽出エキスの何れもア
セチルコリン皮下投与後のNOによる痒みを強力に抑制
していることが明らかである。また、この結果は、ツリ
フネソウ花弁抽出エキス又はその成分が、血管内皮細胞
によるNO合成又はNOによる生体内起痒反応の惹起の
何れかの段階で抑制効果を現している可能性を示唆して
いる。
【0054】<薬理試験7> PAF依存性血圧低下に
対するツリフネソウ抽出エキスの効果−1 PAFの静脈内注射によって引き起こされる血圧の低下に
対する、ツリフネソウの花弁又は地上部(花弁を除く)
の抽出エキスの抑制効果について検討した。 (1)材料: 試験動物として、6週齢の雄性 SPF ddY
マウスを用いた。ツリフネソウ花弁抽出エキスとして
は、前記薬理試験1に記載の抽出エキス・ロットy97を
用いた。またツリフネソウ地上部抽出エキスとしては、
97年産ツリフネソウの生の地上部(花弁を除く)800
gを細切し、30%エタノール水溶液に24時間冷浸し、
得られた抽出液を減圧下にエタノールを留去して得られ
たエキス15.7gより、所要量を試験に用いた。経口
投与用には、これらの抽出エキスを水中に10mg/m
lの濃度になるよう混合したものを調製した。静注投与
用には、抽出エキスを生理食塩水中に100mg/ml
の濃度に溶解させ、不溶物を石英綿で濾過して得られる
濾液を準備した。また、PAFは、生理食塩水中に10
μg/mlの濃度に溶解させたものを、静脈内注射に用
いた。
【0055】(2)方法:マウスの一部を、上記ツリフ
ネソウ地上部抽出エキス静注投与群(AG群、n=3)、
該地上部抽出エキスをPAF静注の1時間前に経口投与
する群(AG-1h群、n=3)、及び該地上部抽出エキス
をPAF静注の24時間前に経口投与する群(AG-24h群、
n=3)に分けた。残りのマウスを、花弁抽出エキス静
注投与群(P群、n=3)、花弁抽出エキスをPAF静
注の1時間前に経口投与する群(P-1h群、n=3)、花
弁抽出エキスをPAF静注の24時間前に経口投与する群
(P-24h群、n=3)及び対照群(n=3)に分けた。A
G群及びP群にはそれぞれ対応する抽出エキス100mg/
kgを静注投与し、AG-1h群、AG-24h群、P-1h群、P-24h
群にはそれぞれ対応する抽出エキス100mg/kgを経
口投与した。また対照群の各マウスについては、水を経
口投与した。AG群及びP群並びにAG-1h群及びP-1h群の
各マウスには、それぞれ静注投与又は経口投与の1時間
後に、PAF 10μg/kgを静注し、その6〜10分後
に各マウスにつき、MK-1030(室町機械)を用いて尾部
の動脈の血圧を測定した。また、AG-24h群及びP-24h群
及び対照群の各マウスには、それぞれの経口投与の24時
間後に、PAF 10μg/kgを静注し、その6〜10分
後に各マウスにつき、MK-1030(室町機械)を用いて尾
部の動脈の血圧を測定した。
【0056】(3)結果: 結果を、ツリフネソウ地上
部抽出エキスを投与した群と花弁抽出エキスを投与した
群とに分けて、図7に結果を示す。縦軸は、血圧をその
平常値に対する%割合で示す。PAFの静注により、対
照群のマウスの血圧は平常値の半分近くまで低下した。
これに対し、ツリフネソウの地上部又は花弁の抽出エキ
スをPAF静注の1時間前に静注投与又は経口投与した
群(AG群、AG-1h群、P群、P-1h群)では、何れも、血
圧の低下は抑制された。また、花弁抽出エキスをPAF
静注の24時間前に経口投与した群(P-24h群)でも、P
AFによる血圧低下は抑制された(* p<0.05、*** p<
0.001、Students t-test)。これらの結果は、ツリフネ
ソウの地上部及び花弁抽出エキスに抗PAF作用のある
ことを示唆し、特に花弁抽出エキスにおいて効果がより
強いことを示している。従って、ツリフネソウの地上部
の抽出エキス及び花弁の抽出エキスは、共に抗アナフィ
ラキシー作用及びアレルギー性の痒みの抑制作用が期待
できる。
【0057】<薬理試験8> 感作マウスのHELによ
る血流量低下に対するツリフネソウ花弁抽出エキスの効
果 卵白リゾチーム(hen egg lysozyme、HEL)で感作し
たマウスにHELを静注することによって引き起こされ
るアナフィラキシーに伴う血流量低下を指標として、ツ
リフネソウ花弁抽出エキスの効果を検討した。
【0058】(1)材料: 試験動物として、5週齢の
雄性 SPF ddY マウスを用いた。ツリフネソウ花弁抽出
エキスとしては、前記薬理試験1に記載の抽出エキス・
ロットy97を用いた。マウスの感作用には、HEL(和
光純薬(株)より入手)50μg/CFA25μl+生理食
塩水25μlの混合物を用時調製して使用した(CFA=
完全フロイントアジュバント)。惹起用には、HEL 1
00μg/30μlの濃度になるように、生理食塩水にHE
Lを溶解したものを用いた。
【0059】(2)方法: マウスを対照群(n=4)
及び被検群(n=5)に分け、各動物にHELを皮下注
射することにより感作し、その9日後に、被検群のマウ
スにツリフネソウ花弁抽出エキス200mg/kgの腹腔
内投与を行い、対照群のマウスには生理食塩水の腹腔内
投与を行った。腹腔内投与の1時間後、それぞれの群の
マウスにHEL 10μg/生理食塩水30μlを静注
し、アナフィラキシーを惹起させた。マウスを1匹ずつ
測定用ホルダーに固定し恒温槽(37℃)中で加温した。
惹起20分前にマウス尾部皮下の動脈微小循環の血流量の
平常値(ベースライン)の測定を開始しておき、惹起と
同時に血流量の経時的変化を2分毎に30分間にわたって
無麻酔下に測定し記録した。血流量の測定には、非接触
型レーザー組織血流計オメガフロー(Neuroscence)を
使用した。
【0060】(3)結果: 惹起後の血流量測定の結果
を図8にグラフで示す。グラフにおいて、縦軸は血流量
の平常値と比較したときの各測定時点の血流量(%)を
表す。グラフより明らかな通り、対照群ではHELによ
る惹起後速やかに平常値の50%を下回る血流量低下が生
じ、その後も血流量は経時的に低下した。これに比べ
て、ツリフネソウ花弁抽出エキス投与群では、血圧低下
は穏やかであって、その平均値は最低でも平常値の50%
よりも高く、HELによる惹起の数分後より徐々に回復
し始め、以後持続的に回復して、惹起後30分までには平
常値と同等の値へと復帰した(* p<0.05、** p<0.0
1、*** p<0.001、Students t-test)。この結果は、ツ
リフネソウ花弁エキスが抗アナフィラキシー作用を有す
ることを顕著に示している。
【0061】<薬理試験9> PAF依存性血圧低下に
対するツリフネソウ抽出エキスの効果−2 PAFの静脈内注射によって引き起こされる血圧の低下に
対する、ツリフネソウの花弁の抽出エキスの抑制効果に
ついて経口投与により更に検討した。 (1)材料: 試験動物として、6週齢の雄性 SPF ddY
マウスを用いた。ツリフネソウ花弁抽出エキスとして
は、前記薬理試験1に記載の抽出エキス・ロットy98を
用いた。経口投与には、これらの抽出エキスを水中に1
0mg/mlの濃度になるよう混合したものを調製し
た。また、PAFは、生理食塩水中に2μg/mlの濃
度に溶解させたものを、静脈内注射に用いた。
【0062】(2)方法: マウスを、花弁抽出エキス
をPAF静注の1時間前に経口投与する群(IT群、n=
5)及び対照群(n=5)に分けた。IT群のマウスには
抽出エキス100mg/kgを経口投与した。IT群及び対
照群のマウスに、経口投与の1時間後にPAF 1μg
/kgを静注し、その後30分間にわたって各マウスにつ
き、MK-1030(室町機械)を用いて尾部の動脈の血圧を
測定した。
【0063】(3)結果: 結果を、図9にグラフで示
す。グラフ全体から明らかなように、ベースラインに対
する血圧の低下は、対照群で著しく、回復も遅かったの
に対し、IT群では、血圧低下が抑制される傾向が認めら
れ、回復も対照群に比して迅速であった。
【0064】<薬理試験10> ツリフネソウ花弁から
の各画分のPAF依存性血圧低下に対する効果 (1)材料: 試験動物として、8週齢の雄性 SPF ddY
マウスを用いた。ツリフネソウ花弁抽出エキスとして
は、前述の酢酸エチルエキス及びn−ブタノールエキ
ス、並びにその残りの水相より得られたエキスを用い
た。経口投与には、これらのエキスを水中に10mg/
mlの濃度になるよう混合したものを調製した。また、
PAFは、生理食塩水中に1μg/mlの濃度に溶解さ
せたものを、静脈内注射に用いた。
【0065】(2)方法: マウスを、酢酸エチルエキ
ス投与群(n=5)、n−ブタノールエキス投与群(n
=5)、水抽出エキス投与群(n=5)及び対照群(n
=5)に分けた。各エキス投与群のマウスにはそれぞれ
対応するエキス100mg/kgを経口投与した。経口投
与の1時間後、各群のマウスにPAF 1μg/kgを
静注し、その後30分間にわたって各マウスにつき、MK-1
030(室町機械)を用いて尾部の動脈の血圧を測定し
た。
【0066】(3)結果: 結果を、図10にグラフで
示す。グラフから明らかなように、ベースラインに対す
る血圧の低下は、対照群で著しく、回復も極めて徐々に
しか見られないのに対し、各エキス投与群では、血圧低
下が有意に抑制され、回復も迅速であった(* p<0.0
5、** p<0.01、Students t-test)。
【0067】<薬理試験11> ルテオリンのPAF依存
性血圧低下に対する効果 ツリフネソウ花弁エキスに含まれる成分であるルテオリ
ンにつき、PAF依存性のマウス血圧低下に対する抑制効
果の有無を調べた。 (1)材料: 試験動物として、6週齢の雄性 SPF ddY
マウスを用いた。ルテオリンは、水中に2mg/ml
の濃度になるよう混合して用いた。また、PAFは、生
理食塩水中に1μg/mlの濃度に溶解させたものを、
静脈内注射に用いた。
【0068】(2)方法: マウスを、ルテオリン投与
群(n=5)及び対照群(n=5)に分けた。ルテオリ
ン投与群に、ルテオリン20mg/kgを経口投与した。
経口投与の1時間後、両群のマウスにPAF 1μg/
kgを静注し、その後30分間にわたって各マウスにつき
前記と同様にして血圧測定を行った。
【0069】(3)結果: 図11に結果を示す。図よ
り明らかな通り、ルテオリンはPAFによるマウスの血圧
低下を有意に抑制することが判明した(* p<0.05、**
p<0.01、Students t-test)。
【0070】<薬理試験12> アピゲニンのPAF依存
性血圧低下に対する効果 ツリフネソウ花弁エキスに含まれる成分であるアピゲニ
ンにつき、PAF依存性のマウス血圧低下に対する抑制効
果の有無を調べた。 (1)材料: 試験動物として、6週齢の雄性 SPF ddY
マウスを用いた。アピゲニンは、水中に2mg/ml
の濃度になるよう混合して用いた。また、PAFは、生
理食塩水中に1μg/mlの濃度に溶解させたものを、
静脈内注射に用いた。
【0071】(2)方法: マウスを、アピゲニン投与
群(n=5)及び対照群(n=5)に分けた。アピゲニ
ン投与群に、アピゲニン20mg/kgを経口投与した。
経口投与の1時間後、両群のマウスにPAF 1μg/
kgを静注し、その後30分間にわたって各マウスにつき
前記と同様にして血圧測定を行った。
【0072】(3)結果: 図12に結果を示す。図よ
り明らかな通り、アピゲニンはPAFによるマウスの血圧
低下を有意に抑制することが判明した(* p<0.05、St
udentst-test)。
【0073】<薬理試験13> アピゲニン、ルテオリ
ン、アピゲニン 7−O−グルコシド及び酢酸エチルエ
キスの、compound 48/80依存性低血圧に対する効果 (1)材料: 試験動物として、6週齢の雄性 SPF d
dY マウスを用いた。アピゲニン、ルテオリン、アピゲ
ニン 7−O−グルコシドは、水中に2mg/mlの濃
度になるよう混合して用いた。酢酸エチルエキスは、前
述のものを用いた。また、compound 48/80は、生理食塩
水中に1.5mg/mlの濃度に溶解させたものを、静
脈内注射に用いた。
【0074】(2)方法: マウスを、アピゲニン投与
群(n=5)、ルテオリン投与群(n=5)、アピゲニ
ン 7−O−グルコシド投与群(n=5)、酢酸エチル
エキス投与群(n=5)及び対照群(n=5)に分け
た。各化合物投与群に、対応する化合物20mg/kgを
経口投与した。酢酸エチルエキス投与群にはエキス200
mg/kgを経口投与した。経口投与の1時間後、各群
のマウスにcompound 48/801.5mg/kgを静注し、そ
の後30分間にわたって各マウスにつき前記と同様にして
血圧測定を行った。
【0075】(3)結果: 図13に結果を示す。図よ
り明らかな通り、アピゲニン、ルテオリン及びアピゲニ
ン 7−O−グルコシド並びに酢酸エチルエキスを投与
した群では、何れも、compound 48/80の静注によるマウ
スの血圧低下が抑制された(*p<0.05、** p<0.01、
*** p<0.001、Students t-test)。
【発明の効果】本発明によれば、アトピー性皮膚疾患、
花粉症、食物アレルギー、蕁麻疹等の炎症性及びアレル
ギー性の皮膚疾患等における激しい痒みを抑制するため
の薬剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Compound 48/80によるマウスの掻動作に対す
るツリフネソウ花弁抽出エキスの経口・静注投与の効果
を示すグラフ。
【図2】 Compound 48/80によるマウスの掻動作に対す
るツリフネソウ花弁抽出エキスの静注投与の効果を示す
グラフ。
【図3】 PAFによるマウスの掻動作に対するツリフネ
ソウ花弁抽出エキスの静注投与の効果を示すグラフ。
【図4】 セロトニンによるマウスの掻動作に対するツ
リフネソウ花弁抽出エキスの静注投与の効果を示すグラ
フ。
【図5】 プロテアーゼによるマウスの掻動作に対する
ツリフネソウ花弁抽出エキスの静注投与の効果を示すグ
ラフ。
【図6】 血管内皮細胞由来のNOによるマウスの掻動
作に対するツリフネソウ花弁抽出エキスの静注投与の効
果を示すグラフ。
【図7】 PAFによるマウスの血圧低下に対するツリフ
ネソウ地上部又は花弁の抽出エキスの経口・静注投与の
効果を示すグラフ。
【図8】 感作マウスの卵白リゾチームによる血流量低
下に対するツリフネソウ花弁抽出エキスの腹腔内投与の
効果を示すグラフ。
【図9】 PAFによるマウスの血圧低下に対するツリフ
ネソウ花弁抽出エキスの経口投与の効果を示すグラフ。
【図10】 PAFによるマウスの血圧低下に対するツリ
フネソウ花弁からの各抽出画分の経口投与の効果を示す
グラフ。
【図11】 PAFによるマウスの血圧低下に対するルテ
オリンの経口投与の効果を示すグラフ。
【図12】 PAFによるマウスの血圧低下に対するアピ
ゲニンの経口投与の効果を示すグラフ。
【図13】 Compound 48/80によるマウスの掻動作に対
するアピゲニン、ルテオリン、アピゲニン 7−O−グ
ルコシドの経口投与の効果を示すグラフ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/08 A61P 37/08 // C07D 311/30 C07D 311/30 C07H 17/07 C07H 17/07 (72)発明者 飯沼 宗和 岐阜県岐阜市野一色4−6−3 岐阜県保 健環境研究所内 (72)発明者 上田 淑未 京都府京都市西京区桂朝日町50−1 (72)発明者 山本 芳邦 大阪府大阪市中央区北久宝寺町1丁目3番 6号 山本香料株式會社内 Fターム(参考) 4C057 AA06 AA09 BB02 DD01 KK08 4C062 EE50 4C086 AA01 AA02 BA08 EA04 GA17 MA01 MA04 MA63 MA70 NA14 ZA89 ZB13 ZC80 4C088 AB12 AC03 BA08 BA13 BA14 CA06 CA07 CA14 MA07 MA63 MA70 NA14 ZA89 ZB13 ZC80

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬効成分としてツリフネソウ(Impatiens
    textori Miq.)の花弁の抽出エキスを含有することを特
    徴とする抗アレルギー組成物。
  2. 【請求項2】薬効成分としてツリフネソウ(Impatiens
    textori Miq.)の花弁の抽出エキスを含有することを特
    徴とする抗痒み組成物。
  3. 【請求項3】該抽出エキスが、ルテオリン、アピゲニン
    及びアピゲニン−7−O−グルコシドよりなる群より選
    ばれる少なくとも1種の化合物を含有するものである、
    請求項1の抗アレルギー組成物。
  4. 【請求項4】該抽出エキスが、ルテオリン、アピゲニン
    及びアピゲニン−7−O−グルコシドよりなる群より選
    ばれる少なくとも1種の化合物を含有するものである、
    請求項2の抗痒み組成物。
  5. 【請求項5】ルテオリン、アピゲニン及びアピゲニン−
    7−O−グルコシドよりなる群より選ばれる少なくとも
    1種の化合物を薬効成分として含有することを特徴とす
    る抗アレルギー組成物。
  6. 【請求項6】ルテオリン、アピゲニン及びアピゲニン−
    7−O−グルコシドよりなる群より選ばれる少なくとも
    1種の化合物を薬効成分として含有することを特徴とす
    る抗痒み組成物。
  7. 【請求項7】全身投与用剤又は外用剤の形態である、請
    求項1、3又は5の抗アレルギー組成物。
  8. 【請求項8】全身投与用剤又は外用剤の形態である、請
    求項2、4又は6の抗痒み組成物。
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