JP2001277579A - プリントヘッド及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

プリントヘッド及びそれを用いた画像形成装置

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JP2001277579A
JP2001277579A JP2000096587A JP2000096587A JP2001277579A JP 2001277579 A JP2001277579 A JP 2001277579A JP 2000096587 A JP2000096587 A JP 2000096587A JP 2000096587 A JP2000096587 A JP 2000096587A JP 2001277579 A JP2001277579 A JP 2001277579A
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print head
ceramic
toner
holes
ceramic base
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JP2000096587A
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English (en)
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Katsutoshi Ogawa
勝敏 小川
Taichi Ito
太一 伊藤
Masayoshi Miura
眞芳 三浦
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Array AB
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置のプリントヘッド4をうねりの
生じないセラミック基材5で構成しつつ、そのセラミッ
ク基材5を薄肉にするとともに、そのセラミック基材5
に対するトナー通過孔6の孔開け加工をクラック等を招
くことなく容易に行い得るようにし、セラミック基材5
表面でのトナー粒子の捕捉を防止し、トナー通過孔6で
セラミック基材5を割れ難くしてプリントヘッド4の取
扱性を向上させる。 【解決手段】 プリントヘッド4として、セラミック粉
末をバインダ樹脂に分散したセラミックグリーンシート
17が焼結されてなり、多数のトナー通過孔6,6,…
が設けられたセラミック基材5を備えたものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンタ等に適用されるプリントヘッド及びそれ
を用いた画像形成装置に関し、特に、トナー粒子を貫通
孔を通過させて背面電極側へ飛翔させ、そのトナー粒子
を背面電極との間に位置する受像手段に付着させて画像
を形成するようにしたプリントヘッド及び画像形成装置
に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンの能力の向上やネットワ
ーク技術の進歩に伴って、大量のドキュメントばかりで
なく、カラードキュメントも扱うことができる処理能力
の高いプリンタや複写機に対する要請が強くなってい
る。しかしながら、満足のいく高品質の白黒やカラーの
ドキュメントを出力可能でかつ処理速度の高い画像形成
装置は開発途上にあり、その出現が待たれている。
【0003】その技術の1つとして、従来、電界の作用
によりトナーを記録紙や中間の画像担持ベルト等の受像
手段上に飛翔させて画像を形成する所謂「トナージェッ
ト」(登録商標)の方式の画像形成技術が知られてい
る。
【0004】この種の画像形成装置としては、例えば特
公昭44―26333号公報、米国特許第3,689,
935号(特公昭60―20747号公報)、特表平9
―500842号公報等に示されたものが知られてい
る。その一例として、特願平10―100780号明細
書及び図面において開示したものを図7を参照して説明
する。図7において、31は帯電したトナーを担持して
搬送する接地されたトナー担持体、32は規制ブレード
で、トナー担持体31上のトナーを1〜3層に制御する
とともにさらに帯電させる。33は供給ローラで、トナ
ー担持体31に対するトナー供給とトナー帯電とを行
う。34はトナー通過孔35が貫通形成されたトナー通
過制御手段としてのプリントヘッドで、上記トナー通過
孔35の周囲には制御電極36が配設されており、この
制御電極36に駆動IC等の電圧駆動制御手段37から
画像信号に対応する電圧が印加される。38はプリント
ヘッド34に対しトナー担持体31と反対側に所定間隔
をあけて配置された背面電極、39は該背面電極38の
電源である。40は背面電極38上を搬送される記録紙
等の受像手段である。
【0005】以上の構成において、供給ローラ33及び
トナー担持体31を動作させ、規制ブレード32にてト
ナー担持体31上に一様なトナー層を形成して搬送して
いる状態で、背面電極38に電圧を印加し、受像手段4
0を移動させつつその移動に同期して制御電極36に対
して電圧駆動制御手段37にて画像信号に対応する電圧
を印加すると、トナー担持体31上のトナーが画像信号
に応じてトナー通過孔35を通って受像手段40上に飛
翔して付着し、受像手段40上に所要の画像が形成され
る。
【0006】ところで、受像手段40の全面に例えば6
00dpi(インチ当たり600ドットの密度)の精細
な画像を形成するためには、プリントヘッド34にその
ようなピッチで複数のトナー通過孔35を形成する必要
があり、これら複数のトナー通過孔35を当然1列では
配列できないため、図8に示すように、トナー通過孔3
5及び制御電極36を複数列(図示例では8列)に配列
するようにしている。トナー通過孔35及び制御電極3
6は円形状で、各制御電極36に導通するリード電極3
6aは相互の干渉を避けるためにトナー担持体31の移
動方向両側に延設され、それぞれ制御電圧を出力する電
圧駆動制御手段37に接続されている。
【0007】また、図7においては、受像手段40が記
録紙等から成り、その上に直接画像を形成する構成例を
示しているが、記録紙等は厚さのばらつき、湿度による
性状の変化、移動中の変形等が発生し易く、またカラー
プリンタの場合には記録紙搬送のばらつきにより各色の
画像形成タイミングの同期をとり難く、画像品質が低下
し易い等の問題がある。このため、特願平10―100
780号明細書及び図面において示したように、受像手
段40として中間の画像担持ベルトを用い、この画像担
持ベルトに形成された画像を一括して記録紙等に転写す
るように構成した方が好ましい場合がある。
【0008】これを図9を参照して説明すると、43は
受像手段40としての無端状の画像担持ベルトで、この
画像担持ベルト43は樹脂中に導電フィラーを分散した
抵抗1010Ω・cm程度のフィルムで構成されていて、
1対のローラ44a,44b間に巻回されている。45
は給紙トレイ46aから記録紙46を1枚づつ送り出す
ピックアップローラ、47は給紙された記録紙46と画
像位置の同期をとるタイミングローラ、48は画像担持
ベルト42上に形成されたトナー画像を記録紙46に転
写する転写ローラであり、画像担持ベルト43を間に挟
んでローラ44aに向けて押圧されるとともに、転写電
圧が印加される。49は定着装置で、トナー画像が転写
された記録紙46を加熱・加圧することにより、トナー
画像を記録紙46に定着する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な構成の画像形成装置においては、プリントヘッド34
の基材を加工の容易化等の理由から例えばポリイミド等
の可撓性を持つ樹脂材料とし、その樹脂基材に複数のト
ナー通過孔35を形成するとともに、その各トナー通過
孔35の周囲に制御電極36を配置するようにしてい
る。
【0010】しかし、このポリイミド等の樹脂基材はう
ねり(波打ち状の変形)が生じ易く、このうねりの発生
によりプリントヘッド34にもうねりが現れると、トナ
ー担持体31とプリントヘッド34との距離をプリント
ヘッド長手方向の全体に亘って適正に維持することが困
難となる。その結果、トナー担持体31上のトナー粒子
とプリントヘッド34との間の間隔(ヘッド間隔)、す
なわちトナー担持体31上に形成されたトナー層の表面
とプリントヘッド34の表面との空間距離の変化によっ
て電界強度がばらつき、トナー通過孔35を通過するト
ナー量が大きく影響を受けて画像濃度が変化する。
【0011】特に、プリントヘッド34の製造時、例え
ば樹脂基材の表面を被覆する絶縁層(保護層)を熱圧着
する工程(約200℃)や、樹脂基材に電圧駆動制御手
段37を載置マウントしてモールドする工程(約130
℃)で、その樹脂基材に熱が加わると、同樹脂基材が熱
収縮してうねりが発生するのは避けられない。さりと
て、これら熱行程での温度を下げると、接着性の低下に
よる絶縁層の剥離や、電圧駆動制御手段37と電極との
間の接続不良等の問題が発生する。
【0012】また、樹脂基材に電圧駆動制御手段37を
直接にマウントすると、樹脂基材における樹脂の熱伝導
率が低いため、電圧駆動制御手段37の放熱が困難にな
り、電圧駆動制御手段37が蓄熱により誤動作し又は壊
れる虞れがある。しかも、電圧駆動制御手段37の熱が
リード電極36a及び制御電極36を伝わってトナー通
過孔35の開口部近傍まで達し、この熱によりトナーが
プリントヘッド34表面に融着して、このトナー融着に
より、トナー担持体31上のトナー層表面とプリントヘ
ッド34表面との間の空間に正規の電界が形成できなく
なるばかりでなく、その空間の距離も変動する。
【0013】このような基材のうねりを解決する1つの
手段として、セラミック材を用いたプリントヘッドが提
案されている(例えば特開平3―254949号公報参
照)。しかし、この提案のものでは以下の問題点を有し
ており、画像形成装置用のトナー通過孔を有するプリン
トヘッドに対しては有効な解決策とはなり得ない。
【0014】すなわち、上記提案のものでは、プリント
ヘッドの厚さが厚く、このセラミック製のプリントヘッ
ドにトナー通過孔を貫通形成した場合、そのトナー通過
孔内の面積が増加することとなり、その内部でのトナー
の通過時間が長くなって目詰まりが増加し易くなる。
【0015】また、プリントヘッドの表面にセラミック
粒子が凹凸形状となって露出していると、その凹凸部に
トナー粒子が捕捉されてしまい、このトナー粒子の捕捉
により、トナー通過孔の目詰まり、プリントヘッド上へ
のトナー粒子の固着による電界条件の変化、トナー層の
乱れ等を引き起こす。
【0016】さらに、硬質セラミックにトナー通過孔を
孔開け加工する必要があり、そのときに次の問題があ
る。つまり、セラミックに孔開けするには、通常、CO
2レーザやYAGレーザを用いるが、レーザの安定性や
消費エネルギーの観点からプリントヘッドを量産するこ
とは難しい。一方、エキシマレーザを用いてもよいが、
その場合、レーザ波長がセラミックの吸収波長からずれ
るために加工時間がかかる。また、ドリルによる孔開け
加工では、トナー通過孔としての微細な加工が困難であ
り、しかも孔開け工程でセラミック基材が割れる虞れが
ある。
【0017】さらに、セラミック基材は割れ易いので、
複数のトナー通過孔が並んでいるトナー通過孔列からプ
リントヘッドが割れることがあり、プリントヘッドの取
付工程での取扱性が悪いという問題もある。
【0018】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主たる目的は、プリントヘッドをセラミッ
ク基材で構成しつつ、そのセラミック基材を薄肉にする
とともに、うねりの発生し易いセラミック基材に対する
貫通孔の孔開け加工をクラック等を招くことなく容易に
行い得るようにし、セラミック基材表面でのトナー粒子
の捕捉を防止し、貫通孔でセラミック基材が割れ難くし
てプリントヘッドの取扱性を向上させることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、プリントヘッドは、セラミ
ック粉末をバインダ樹脂に分散してなるセラミックグリ
ーンシートが焼結されて形成されたセラミック基材を備
えたものとし、このセラミック基材に複数の貫通孔が設
けられている構成とする。
【0020】上記の構成により、セラミック粉末をバイ
ンダ樹脂に分散してなるセラミックグリーンシートを焼
結することで、セラミック基材が形成されるので、その
セラミックグリーンシートを目的の形状に形成しておけ
ば、その焼結により長尺で薄膜のセラミック基材が得ら
れることとなり、よってセラミック基材によりうねりが
なく、かつ複数の貫通孔が形成された長尺で薄膜のプリ
ントヘッドを容易に得ることができる。このことで、貫
通孔をトナー通過孔としたときに、そのトナー通過孔内
の面積を小さくして、その内部でのトナーの目詰まりを
抑制することができる。
【0021】請求項2の発明では、上記貫通孔は、セラ
ミックグリーンシートが焼結される前に設けられている
ものとする。このようにセラミックグリーンシートを焼
結する前に貫通孔が形成されるので、焼結後に貫通孔の
開け加工を行う場合に比べ、その貫通孔の形成が容易と
なる。しかも、セラミックグリーンシートはバインダ樹
脂を含んでいて可撓性があるため、そのグリーンシート
に複数の貫通孔を孔開け加工しても、セラミック基材に
クラックが発生することはない。
【0022】請求項3の発明では、セラミック基材に、
トナー粒子を通過させるための複数の貫通孔が設けられ
ているプリントヘッドであって、上記セラミック基材
は、上記貫通孔を通過するトナー粒子の平均粒径よりも
小さい平均粒径のセラミック粉末からなるものとする。
この場合においても、セラミック基材によりうねりがな
く、複数の貫通孔が形成されたプリントヘッドが得られ
る。また、セラミック基材のセラミック粉末は、貫通孔
を通過するトナー粒子の平均粒径よりも小さい平均粒径
であるので、プリントヘッド表面がセラミック面そのま
まで、プリントヘッド表面にセラミック粒子が凹凸形状
となって露出していても、その凹凸部にそれよりも大き
い平均粒径のトナー粒子が捕捉され難くなり、トナーの
セラミック基材表面への埋込みを防止することができ
る。
【0023】請求項4の発明では、プリントヘッドとし
て、複数の貫通孔が設けられたセラミック基材と、各貫
通孔近傍のセラミック基材上に設けられた電極と、上記
セラミック基材上にマウントされ、上記電極への電圧供
給の駆動を制御する電圧駆動制御手段とを備えた構成と
する。
【0024】この場合も、セラミック基材によりうねり
がなく、複数の貫通孔が形成されたプリントヘッドを得
ることができる。しかも、セラミック基材の熱伝導率は
樹脂基材よりも高いので、そのセラミック基材上にマウ
ントされた電圧駆動制御手段の放熱性を高めてその冷却
を効率よく行うことができ、電圧駆動制御手段の誤動作
や破壊を防止することができる。また、電圧駆動制御手
段の発生熱が電極を経て貫通孔近傍へ伝導されることも
緩和されるので、電極近傍でトナーが融着するのを防止
できる。
【0025】請求項5の発明では、プリントヘッドとし
て、複数の貫通孔が設けられたセラミック基材と、この
セラミック基材の表面を被覆する被覆層とを備えた構成
とする。
【0026】この場合も、セラミック基材の使用により
うねりがなく、複数の貫通孔が形成されたプリントヘッ
ドを得ることができる。また、そのセラミック基材の表
面が被覆層により被覆されているので、例えば各貫通孔
の近傍に電極が設けられている場合や、プリントヘッド
がトナー担持体に対向配置されている場合に、その隣接
する電極間や、トナー担持体及び電極間でそれぞれ絶縁
破壊により放電されるのを防止することができる。
【0027】また、被覆層による被覆により、セラミッ
ク基材表面へ水分が浸透して電気抵抗が変動することも
防止でき、さらには、セラミック基材のセラミック粉末
としてトナー粒子よりも大粒径のセラミック粉末を使用
していても、そのトナーがセラミック基材へ捕捉されて
埋め込まれるのを防止できる。
【0028】その場合、請求項6の発明では、上記被覆
層は有機樹脂材料からなるものとする。こうすると、プ
リントヘッドの表面層での分圧により例えばトナー担持
体上のトナー層表面との間の空間で電界強度が低下する
のを防止することができる。
【0029】また、請求項7の発明では、被覆層は可撓
性を有するものとする。例えばセラミック基材の表面を
樹脂フィルム等でラミネートする。このことで、仮に、
セラミック基材からなるプリントヘッドが割れたとして
も、その断片が周囲に飛散するのを可撓性を有する被覆
層により抑制でき、セラミック基材からなるプリントヘ
ッドの破片による2次的な弊害を防止することができ
る。
【0030】請求項8の発明では、プリントヘッドとし
て、複数の貫通孔が列状に設けられたセラミック基材
と、このセラミック基材に上記貫通孔の配列方向とは直
交する方向に沿って設けられた補強手段とを備えた構成
とする。
【0031】このことで、セラミック基材において複数
の貫通孔の配列によりその貫通孔列の部分の強度が弱く
なっていても、その貫通孔の配列方向とは直交する方向
に沿って補強手段が設けられているので、この補強手段
によりセラミック基材を補強して、その貫通孔列でのセ
ラミック基材のクラックの発生を防止することができ
る。
【0032】その場合、請求項9の発明では、上記補強
手段は、セラミック基材と一体形成されたセラミック材
とする。こうすれば、補強手段をセラミック基材に設け
るときに、その補強手段をセラミック基材と共に焼結す
ればよく、補強手段の接着工程が不要となり、補強手段
がセラミック基材から剥がれることもない。
【0033】また、請求項10の発明では、上記補強手
段は、セラミック基材に間隙をあけて対向する対向部材
に当接して、その対向部材との間の距離を保持する距離
保持手段とする。このことで、補強手段を対向部材との
間隔を保つためのスペーサとして兼用することができ
る。
【0034】請求項11の発明は画像形成装置であり、
この画像形成装置は、上記請求項1〜10のいずれか1
つのプリントヘッドを備えたことを特徴としている。こ
の発明によれば、請求項1〜10の各々の作用効果が得
られる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1及び図2は本発明の実施形態
に係る画像形成装置の要部を概略的に示し、1は外周面
に帯電トナー2を担持してトナー層を形成しながら回転
移動して搬送するトナー供給部材としての円筒状のトナ
ー担持体で、このトナー担持体1は例えばアルミニウム
や鉄等の金属又は合金で構成されていて、例えば接地さ
れている。
【0036】また、図示しないが、上記トナー担持体1
には、ウレタン等の弾性部材からなる規制ブレードと、
金属軸上に発泡ウレタン等の合成ゴムを設けた供給ロー
ラとが接触しており、図外のトナー供給ユニットから供
給されたトナー2は、トナー担持体1と規制ブレードと
の間に挟み込まれ、そこで小さな攪拌を受けてトナー担
持体1から電荷を受け取り帯電するとともに、トナー担
持体1上で規制ブレードにより1〜3層のトナー層に規
制制御される。規制ブレードは例えば電気的にフロート
状態とされている。一方、供給ローラは、トナー担持体
1に対するトナー2の供給及び摩擦帯電を行うようにし
ている(図7及び図9参照)。
【0037】また、トナー2は、例えば−10〜−30
μC/gの負の電荷を持った体積平均粒径(メシアン
径)5〜10μmの非磁性体が用いられる。
【0038】4はトナー担持体1の下方に配置されたト
ナー通過制御手段としてのプリントヘッドである。そし
て、図4に示すように、このプリントヘッド4の下方に
は背面電極13がプリントヘッド4を間に挟んでトナー
担持体1に対向するように所定の間隔をあけて配置さ
れ、この背面電極13とプリントヘッド4との間に受像
手段14を通過させるようにしている。
【0039】上記背面電極13は対向電極として機能
し、トナー担持体1との間に電界を形成するもので、金
属や樹脂中に導電フィラーを分散したものを用いる。背
面電極13の形状はどのようなものでもよく、例えばロ
ーラ形状やベルト形状又はドラム形状を有する。背面電
極13へは500〜2000V程度の直流電圧を印加す
る。また、背面電極13とトナー担持体1との距離は1
50〜1000μmに設定されている。
【0040】一方、上記受像手段14は記録紙や画像担
持ベルト等からなるもので、図外の駆動手段により背面
電極13とプリントヘッド4との間の一定経路上をトナ
ー担持体1の外周面の移動方向と同じ方向に搬送され
る。
【0041】本発明の特徴は上記プリントヘッド4にあ
る。すなわち、このプリントヘッド4は、実効幅がトナ
ー担持体1の実効幅に対応するシート状のセラミック基
材5を備えている。このセラミック基材5には、上記受
像手段14の幅方向(トナー担持体1と平行な方向)に
所定の微小ピッチで並んだ多数のトナー通過孔6,6,
…(貫通孔)が穿孔され、それらトナー通過孔6,6,
…はトナー担持体1の外周面の移動方向に沿って1列又
は複数列(図示例では2列)に並んでトナー通過孔列
7,7,…を形成している。
【0042】図3はプリントヘッド4における各トナー
通過孔6の周辺部を拡大して示している。上述の如く、
プリントヘッド4はセラミック基材5に多数のトナー通
過孔6,6,…がトナー担持体1と平行に所定ピッチ間
隔で列状に形成されたもので、本実施形態の場合、記録
解像度200dpiに対応して、100dpi相当の2
54μmのピッチで形成されたトナー通過孔6,6,…
を列状に配列したトナー通過孔列7が2列設けられてい
る。尚、本発明では上記解像度に限るものではなく、必
要な記録解像度に応じてトナー通過孔列を増やしたり、
ピッチを短くしたりしてもよい。各トナー通過孔6の形
状は円形状、長円形状、楕円形状等のいずれの形状であ
ってもよい。また、トナー通過孔6の直径は70〜12
0μm程度に設定されている。
【0043】そして、セラミック基材5の上面(トナー
担持体1側の面)にはリング状の制御電極8が各トナー
通過孔6の周囲を取り囲むように形成され、この制御電
極8は、図1に示すようにセラミック基材5の上面に載
置マウントした電圧駆動制御手段としての駆動IC10
に対しリード電極9を介して接続されており、この駆動
IC10により、制御電極8への電圧供給の駆動を制御
して画像信号を与えるようにしている。この制御電極8
へは通常400V以下の電圧が印加される。
【0044】また、制御電極8の外径と内径との差で求
められる制御電極幅は10〜50μm程度に設定されて
いる。図3では、制御電極8の形状はトナー通過孔6と
同心の円形となっているが、その他、長円形状、楕円形
状、四角形状等であってもよい。また、制御電極8は、
必ずしもトナー通過孔6の全周を囲む必要はなく、トナ
ー担持体1の移動方向上流側又は下流側のみに配置して
もよい。
【0045】上記制御電極8及びリード電極9はセラミ
ック基材5上にパターン形成された8〜20μm厚程度
の導電性材料の膜で構成されている。この導電性材料と
しては、銀(Ag)、白金(Pt)、銀−パラジウム
(Ag−Pd)、銅(Cu)等が用いられる。
【0046】そして、セラミック基材4の表面(上下
面)、各制御電極8及びリード電極9の表面、トナー通
過孔6の内表面には、電極8,9間の短絡等を防止する
ために被覆層としての5〜30μmの絶縁膜11がコー
ティングされている。この絶縁膜11は、例えばポリパ
ラキシリレン樹脂(日本カーバイド製の商品名「パリレ
ン」)、ポリイミド、PET等が用いられる。
【0047】上記セラミック基材5は、後述するよう
に、セラミック粉末をバインダ樹脂に分散してなるセラ
ミックグリーンシート17が焼結されて形成されたもの
であり、セラミック粉末としては、チタン酸バリウム、
酸化チタン、アルミナ、酸化ベリリウム、炭化ケイ素、
酸化ケイ素、ジルコニア、窒化アルミニウム、チッ化硼
素等の材料が用いられる。また、バインダ樹脂として
は、エポキシ、ポリイミド、ブチラール系樹脂、アクリ
ル系樹脂等が用いられる。
【0048】そして、上記セラミック基材5における各
トナー通過孔6は、セラミックグリーンシート17が焼
結される前に設けられている。
【0049】また、セラミック基材5を構成するセラミ
ック粉末の平均粒径は、トナー通過孔6を通過するトナ
ー2の粒子の体積平均粒径(5〜10μm)よりも小さ
くて例えば0.5μm程度とされている。
【0050】さらに、図1及び図2に示すように、セラ
ミック基材5の下面において、トナー通過孔列7,7,
…の配列方向の両端部に、その配列方向と直交する方向
に沿って延びる補強手段としての1対の補強リブ12,
12が設けられている。この各補強リブ12は、セラミ
ック基材5と同じ材料のセラミック材で構成されていて
セラミック基材5に一体形成されており、上記セラミッ
クグリーンシート17を形成するときにそれと一体に形
成される。尚、補強リブ12に代えて、補強箇所の部分
の厚さを他の部分よりも厚くしてもよい。また、補強手
段はセラミック基材5とは別体の金属部材等をセラミッ
ク機材5に接合したものでもよい。
【0051】以上の構成において、画像形成の動作を図
4にて説明すると、制御電極8に例えば250Vの電圧
を印加してトナー担持体1に吸着されている−帯電した
トナー2を飛翔させる。このトナー担持体1から飛翔し
たトナー2は背面電極13の電界に引っ張られてトナー
通過孔6を通過して飛翔し、受像手段14上の所定位置
に付与される。尚、画像否形成時は、制御電極8に対す
る印加電圧を−50Vにすることでトナー3を飛翔させ
ないようにする。
【0052】次に、上記プリントヘッド4を製造する方
法について2つの例を示す。図5は方法1を示し、この
方法では、まず、セラミック粉末80〜90重量%及び
バインダ樹脂10〜20重量%をその他の可塑剤と混合
して混合物を生成し、図5(a)に示すように、この混
合物をPET等のベースシート15上にスキージ16で
所定厚さになるように塗布してセラミックグリーンシー
ト17を作る。また、セラミック基材5となるセラミッ
クグリーンシート17の両端にそのシートと同質で補強
リブ12,12となるグリーンシート片を積層する。
尚、このグリーンシート片の積層は後述の焼結工程(図
5(d))の前に行えばよい。
【0053】次に、図5(b)に示す如く、上記セラミ
ックグリーンシート17上に導電性ペーストをスクリー
ン印刷で塗布して制御電極8及びリード電極9の電極パ
ターンを形成する。尚、このスクリーン印刷の場合はペ
ースト状のものが必要である。また、この他、CVD
(化学気相成長)法やPVD(スパッタリングや真空蒸
着等)法で電極パターン(導電層)を設けてもよく、メ
ッキ法で形成することもでき、特にスパッタリング法で
行えば、ファインピッチ印刷が可能である。
【0054】この後、図5(c)に示す如く、パンチ1
8を用いたパンチングにより、セラミックグリーンシー
ト17に対し制御電極8及びベースシート15に亘りト
ナー通過孔6を孔開け加工する。尚、この各トナー通過
孔6を貫通形成する方法としては、パンチング以外にド
リルやレーザ照射を用いてもよい。
【0055】次いで、図5(d)に示すように、上記セ
ラミックグリーンシート17及びベースシート15を例
えば700℃〜1200℃に加熱することで、セラミッ
クグリーンシート17をグリーンシート片と共に焼結さ
せてセラミック基材5を得る。このとき、セラミックグ
リーンシート17内のバインダ樹脂、ベースシート15
は消失する。
【0056】そして、図5(e)に示す如く、上記セラ
ミック基材5、電極8,9及びトナー通過孔6の各表面
にポリパラキシリレン樹脂等の絶縁膜11をCVD法で
形成する。
【0057】最後に、セラミック基材5上に各駆動IC
10(電圧駆動制御手段)を載置マウントしてボンディ
ングした後、それをモールドする。
【0058】一方、図6に示す方法2では、まず、図6
(a)に示すように、上記方法1と同様にして、セラミ
ック粉末、バインダ樹脂及びその他の可塑剤の混合物を
ベースシート15上に塗布してセラミックグリーンシー
ト17を作る。また、セラミック基材5となるセラミッ
クグリーンシート17の両端にそのシートと同質のグリ
ーンシート片を補強リブ12,12の形成のために積層
する。
【0059】次いで、図6(b)に示すように、上記セ
ラミックグリーンシート17上に導電性ペーストをスク
リーン印刷で塗布して電極パターンを形成する。この工
程は上記方法1と異なり、方法1では後工程の孔開け加
工でパンチ18により電極パターン毎打ち抜くことで、
リング状の制御電極8を形成しているのに対し、この方
法の工程では電極パターンとして予めリング状のものを
形成する。方法2では、方法1に示したトナー通過孔6
の内壁を絶縁被覆する工程を有していないため、制御電
極8がトナー通過孔6の内壁面に露出するのを予め防止
するためである。
【0060】次に、図6(c)に示す如く、パンチング
により電極8内のセラミックグリーンシート17及びベ
ースシート15を孔開けしてトナー通過孔6を形成す
る。
【0061】この後、図6(d)に示す如く、方法1と
同様に、セラミックグリーンシート17を焼結させてセ
ラミック基材5を得る。
【0062】続いて、図6(e)に示すように、セラミ
ック基材5の上下面に絶縁膜11を形成するために、可
撓性を有するポリイミド樹脂等の絶縁用の樹脂フィルム
19(又は樹脂シート)をラミネートする。
【0063】この後、図6(f)に示すように、例えば
上側の樹脂フィルム19上においてトナー通過孔6とな
る部分をリング状の金属マスク20で覆い、その上から
レーザ21を照射して上下の樹脂フィルム19,19に
亘りトナー通過孔6と対応するように孔開け加工する。
このレーザ21の種類としてはエキシマレーザを用い
る。すなわち、エキシマレーザは短波長のレーザ光を照
射するのに対し、セラミック基材5は長波長側に吸収域
を持つので、エキシマレーザ光を反射するマスクの代用
として作用するからである。従って、ここでは長波長側
の光を発するCO2レーザやYAGレーザは、セラミッ
ク基材5の吸収域波長を発光するので、セラミック基材
5をマスクの代用として使用する際には、利用すること
は好ましくない。尚、セラミック基材5の上下面の一方
のみに樹脂フィルム19をラミネートすることもでき、
その場合、金属マスク20を用いることなくセラミック
基材5側からエキシマレーザを照射すればよい。
【0064】しかる後に、方法1と同様に、セラミック
基材5上に各駆動IC10を載置ボンディングしてモー
ルドする。
【0065】上記2つの方法1,2を互いに比較したと
きそれぞれ長所及び短所がある。例えば方法2では、絶
縁膜11となる樹脂フィルム19をセラミック基材5に
ラミネートした後、さらにその樹脂フィルム19に孔開
けする工程が必要となるので、孔開け工程が2回とな
り、方法1に比べて工程数が増える(尚、図6(c)に
示す孔開け加工を行わずに、樹脂フィルム19のラミネ
ート後にセラミック基材5を樹脂フィルム19毎孔開け
加工するようにした場合は加工に時間がかかる点や、加
工中にセラミック基材5が割れる危険がある点等のデメ
リットがある)。その反面、樹脂フィルム19をセラミ
ック基材5のみならず電極8,9の表面をもラミネート
するので、方法1に比べ絶縁性が高くなり(絶縁膜11
をCVD法で形成すると、ある程度の蒸着むらやピンホ
ール等の発生は避けられない)、放電破壊の抑制効果を
向上できる長所が得られる。
【0066】方法2で製造されたプリントヘッド4は、
トナー通過孔6の内面は絶縁膜11で被覆されておら
ず、その内面にセラミック基材5が露出しているので、
この構造では、上記したように、セラミック基材5に用
いるセラミック粒子の平均粒径をトナー2の平均粒径よ
りも小さくする必要がある。このようにセラミック基材
5のセラミック粉末の平均粒径をトナー粒子の平均粒径
よりも小さくすることで、上記の如くプリントヘッド4
の表面にセラミック基材5がむき出しとなっていて、そ
のむき出しのセラミック基材5の表面にセラミック粒子
が凹凸形状に露出していても、その凹凸部にそれよりも
大きい平均粒径のトナー2の粒子が捕捉され難くなり、
トナー2のセラミック基材5表面への埋込みを防止する
ことができる(トナー通過孔6の場合にはトナー2の捕
捉による目詰まりを防止できる)。
【0067】したがって、この実施形態においては、画
像形成装置のプリントヘッド4は、セラミック粉末をバ
インダ樹脂に分散してなるセラミックグリーンシート1
7が焼結されて形成されたセラミック基材5からなり、
このセラミック基材5に多数のトナー通過孔6,6,…
が貫通形成されているので、そのセラミックグリーンシ
ート17を目的の形状に形成しておけば、その焼結によ
り長尺で薄膜のセラミック基材5が得られる。このこと
より、セラミック基材5の使用によりうねりがなく、か
つトナー通過孔6,6,…が貫通形成された長尺で薄膜
のプリントヘッド4が容易に得られる。そして、プリン
トヘッド4の薄膜化によりトナー通過孔6内の面積を小
さくして、その内部でのトナー2の目詰まりを抑制する
ことができる。
【0068】また、上記各トナー通過孔6は、セラミッ
クグリーンシート17が焼結される前に孔開け加工され
ているので、そのトナー通過孔6をセラミックグリーン
シート17の焼結後に孔開けする場合に比べて、トナー
通過孔6の孔開け加工を容易に行うことができる。しか
も、セラミックグリーンシート17はバインダ樹脂を含
んでいて可撓性があるので、そのグリーンシート17に
多数のトナー通過孔6,6,…を孔開け加工しても、セ
ラミック基材5にクラックが発生することはない。
【0069】さらに、プリントヘッド4のセラミック基
材5の熱伝導率は従来の樹脂基材よりも高く、例えば窒
化アルミニウムは200W/m・K、アルミナは20W
/m・K、チッ化硼素は250W/m・Kであるのに対
し、ポリイミドは0.2〜0.4W/m・K、ポリプロ
ピレンやPET、ポリカーボネートは0.1〜0.3W
/m・Kであって、セラミック材料は有機樹脂材料に比
べ1桁〜2桁ほど熱伝導率が高い。このため、セラミッ
ク基材5上に、各トナー通過孔6周囲の制御電極8への
電圧供給の駆動を制御する駆動IC10がマウントされ
ていても、その駆動IC10の放熱性を高めて効率よく
冷却でき、駆動IC10の誤動作や破壊を防止すること
ができる。しかも、駆動IC10の熱がリード電極9を
経てトナー通過孔6近傍の制御電極8へ伝導されること
も緩和でき、制御電極8近傍でトナー2が融着するのを
防止できる。
【0070】また、プリントヘッド4のセラミック基材
5表面が絶縁膜11により被覆されているので、電極
8,9間やトナー担持体1と各電極8,9との間でそれ
ぞれ絶縁破壊により放電されるのを防止することができ
る。しかも、セラミック基材5表面の被覆により、セラ
ミック基材5表面へ水分が浸透して電気抵抗が変動する
ことも防止できる。さらには、仮に、セラミック基材5
のセラミック粉末としてトナー2の粒子よりも大粒径の
セラミック粉末を使用していても、そのトナー2の粒子
がセラミック基材5へ捕捉されて埋め込まれるのを防止
できる。
【0071】また、上記絶縁膜11は有機樹脂材料から
なるので、プリントヘッド4の表面層での分圧により例
えばトナー担持体1上のトナー層表面との間の空間で電
界強度が低下するのを防止することができる。
【0072】そして、プリントヘッド4のセラミック基
材5にトナー通過孔列7,7,…の配列方向と直交する
方向に沿って補強リブ12,12が設けられているの
で、セラミック基材5においてトナー通過孔列7,7,
…の部分の強度が弱くて、その部分にクラックが発生し
易くなっていても、そのトナー通過孔列7,7,…の配
列方向とは直交する方向に沿って延びる補強リブ12,
12によりセラミック基材5を補強することができ、セ
ラミック基材5のクラックの発生を防止することができ
る。
【0073】しかも、上記各補強リブ12はセラミック
基材5と一体形成されているので、上記した如く、セラ
ミックグリーンシート17を形成する際に同時に、補強
リブ12となるグリーンシート片を設け、その後にセラ
ミックグリーンシート17をグリーンシート片と共に焼
結すればよく、補強リブ12をセラミック基材5とは別
途に設ける場合の接着工程が不要となり、補強リブ12
がセラミック基材5から剥がれることもない。
【0074】また、セラミック基材5の表面が可撓性を
有する絶縁膜11により被覆されているので、仮に、セ
ラミック基材5からなるプリントヘッド4が割れたとし
ても、その断片が周囲に飛散するのを絶縁膜11で抑制
でき、プリントヘッド4の破片による2次的な弊害(例
えば定着装置やトナー供給装置への破片混入による装置
構成部材の損傷等)を防止することができる。
【0075】尚、上記実施形態では、各補強リブ12を
単にセラミック基材5の下面に設けただけであるが、こ
の補強リブ12を、セラミック基材5に間隙を介して対
向する対向部材としての例えばトナー担持体1や背面電
極13に当接させるようにして、そのセラミック基材5
とトナー担持体1や背面電極13との間の距離を保持す
る距離保持手段とすることもできる。こうすれば、補強
リブ12をトナー担持体1や背面電極13との間隔を保
つためのスペーサとして兼用することができる。
【0076】
【発明の効果】以上説明した如く、請求項1の発明によ
ると、プリントヘッドとして、セラミック粉末をバイン
ダ樹脂に分散したセラミックグリーンシートが焼結され
てなり、複数の貫通孔が設けられたセラミック基材を備
えたものとしたことにより、うねりがなくかつ貫通孔が
形成された長尺で薄膜のプリントヘッドを容易に得るこ
とができ、貫通孔内の面積を小さくしてその内部でのト
ナーの目詰まりの低減を図ることができる。
【0077】請求項2の発明によると、貫通孔をセラミ
ックグリーンシートが焼結される前に設けたことによ
り、貫通孔の孔開け加工を容易に行うことができるとと
もに、グリーンシートに複数の貫通孔を孔開け加工する
ときのセラミック基材のクラックの発生を防止すること
ができる。
【0078】請求項3の発明によると、セラミック基材
に、トナー粒子を通過させる複数の貫通孔が設けられて
いるプリントヘッドとして、セラミック基材のセラミッ
ク粉末の平均粒径をトナー粒子の平均粒径よりも小さく
したことにより、うねりがなくかつ貫通孔が形成された
プリントヘッドを得ることができるとともに、プリント
ヘッドの表面にセラミック面をそのまま露出させていて
も、トナーのセラミック基材表面への埋込みを防止する
ことができる。
【0079】請求項4の発明によると、プリントヘッド
として、複数の貫通孔が設けられたセラミック基材と、
各貫通孔近傍のセラミック基材上に設けられた電極と、
セラミック基材上にマウントされ、電極への電圧供給の
駆動を制御する電圧駆動制御手段とを備えた構成とした
ことにより、うねりがなくかつ貫通孔が形成されたプリ
ントヘッドを得ることができるとともに、電圧駆動制御
手段の放熱性を高めてその誤動作や破壊を防止すること
ができ、さらには電圧駆動制御手段の熱がリード電極を
経て貫通孔近傍の電極へ伝導されるのを抑えて電極近傍
でのトナーの融着を防止することができる。
【0080】請求項5の発明によれば、プリントヘッド
として、複数の貫通孔が設けられたセラミック基材と、
このセラミック基材の表面を被覆する被覆層とを備えた
構成としたことにより、うねりがなくかつ貫通孔が形成
されたプリントヘッドを得ることがができるとともに、
セラミック基材表面の被覆層により、貫通孔の電極間や
トナー担持体及び電極間でそれぞれ絶縁破壊により放電
されるのを防止することができる。さらには、セラミッ
ク基材表面への水分の浸透による電気抵抗の変動や、小
粒径のトナーのセラミック基材表面への埋込みを防止で
きる。
【0081】請求項6の発明によると、上記被覆層を有
機樹脂材料としたことにより、プリントヘッド表面層で
の分圧により例えばトナー担持体上のトナー層表面との
間の空間で電界強度が低下するのを防止することができ
る。
【0082】また、請求項7の発明によると、上記被覆
層を可撓性を有するものとしたことにより、セラミック
基材からなるプリントヘッドが割れたとしても、その断
片が周囲に飛散するのを被覆層で抑制して、プリントヘ
ッドの破片による2次的な弊害を防止することができ
る。
【0083】請求項8の発明によると、プリントヘッド
として、複数の貫通孔が列状に設けられたセラミック基
材と、このセラミック基材に貫通孔の配列方向とは直交
する方向に沿って設けられた補強手段とを備えた構成と
したことにより、複数の貫通孔の配列によりクラックが
発生し易くなっているセラミック基材を補強手段により
補強して、セラミック基材のクラックの発生を有効に防
止することができる。
【0084】請求項9の発明によると、上記補強手段を
セラミック基材と一体形成したことにより、その補強手
段をセラミック基材と共に焼結により形成でき、補強手
段の接着工程を不要化できるとともに、補強手段のセラ
ミック基材からの離脱を防止することができる。
【0085】また、請求項10の発明によると、上記補
強手段は、セラミック基材に間隙を介して対向する対向
部材に当接して両者の距離を保持する距離保持手段とし
たことにより、補強手段を対向部材との間隔を保つため
のスペーサとして兼用することができる。
【0086】請求項11の発明によれば、上記請求項1
〜10のいずれか1つのプリントヘッドを備えた画像形
成装置を設けたことにより、請求項1〜10の各々の作
用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るプリントヘッドを備え
た画像形成装置の要部を概略的に示す分解斜視図であ
る。
【図2】プリントヘッドの下面を示す斜視図である。
【図3】プリントヘッドのトナー通過孔周辺の拡大図で
ある。
【図4】トナー通過孔におけるトナーの飛翔状態を示す
断面図である。
【図5】プリントヘッドの製造方法の一例を示す工程図
である。
【図6】プリントヘッドの製造方法の他の例を示す工程
図である。
【図7】従来の画像形成装置の要部構成を示す図であ
る。
【図8】従来のプリントヘッドのトナー通過孔周辺の拡
大平面図である。
【図9】他の従来の画像形成装置の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 トナー担持体 2 トナー 4 プリントヘッド 5 セラミック基材 6 トナー通過孔(貫通孔) 7 トナー通過孔列 8 制御電極 9 リード電極 10 駆動IC(電圧駆動制御手段) 11 絶縁膜(被覆層) 12 補強リブ(補強手段) 17 セラミックグリーンシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 597063831 Onnereds Brygga 13 421 57 Vestra Frolund a Sweden (72)発明者 伊藤 太一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 三浦 眞芳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2C162 AE25 AE31 AG05 CA02 CA12 CA24 2H029 DB04 4G055 AA08 AC09 BA83 CC17

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック粉末をバインダ樹脂に分散し
    てなるセラミックグリーンシートが焼結されて形成され
    たセラミック基材を備え、 上記セラミック基材に複数の貫通孔が設けられているこ
    とを特徴とするプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1のプリントヘッドにおいて、 貫通孔は、セラミックグリーンシートが焼結される前に
    設けられているものであることを特徴とするプリントヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 セラミック基材に、トナー粒子を通過さ
    せるための複数の貫通孔が設けられているプリントヘッ
    ドであって、 上記セラミック基材は、上記貫通孔を通過するトナー粒
    子の平均粒径よりも小さい平均粒径のセラミック粉末か
    らなることを特徴とするプリントヘッド。
  4. 【請求項4】 複数の貫通孔が設けられたセラミック基
    材と、 上記各貫通孔近傍のセラミック基材上に設けられた電極
    と、 上記セラミック基材上にマウントされ、上記電極への電
    圧供給の駆動を制御する電圧駆動制御手段とを備えたこ
    とを特徴とするプリントヘッド。
  5. 【請求項5】 複数の貫通孔が設けられたセラミック基
    材と、 上記セラミック基材の表面を被覆する被覆層とを備えた
    ことを特徴とするプリントヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項5のプリントヘッドにおいて、 被覆層は有機樹脂材料からなることを特徴とするプリン
    トヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6のプリントヘッドにおい
    て、 被覆層は可撓性を有することを特徴とするプリントヘッ
    ド。
  8. 【請求項8】 複数の貫通孔が列状に設けられたセラミ
    ック基材と、 上記セラミック基材に上記貫通孔の配列方向とは直交す
    る方向に沿って設けられた補強手段とを備えたことを特
    徴とするプリントヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項8のプリントヘッドにおいて、 補強手段は、セラミック基材と一体形成されたセラミッ
    ク材であることを特徴とするプリントヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9のプリントヘッドにお
    いて、 補強手段は、セラミック基材に間隙をあけて対向する対
    向部材に当接して、該対向部材との間の距離を保持する
    距離保持手段であることを特徴とするプリントヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1つのプリ
    ントヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013190588A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 画像形成用回路基板及びその製造方法

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JP2013190588A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 画像形成用回路基板及びその製造方法

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