JP2001275631A - サトウキビ茶とその製造方法 - Google Patents

サトウキビ茶とその製造方法

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JP2001275631A JP2000100639A JP2000100639A JP2001275631A JP 2001275631 A JP2001275631 A JP 2001275631A JP 2000100639 A JP2000100639 A JP 2000100639A JP 2000100639 A JP2000100639 A JP 2000100639A JP 2001275631 A JP2001275631 A JP 2001275631A
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康 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】サトウキビの茎をスライスして焙煎などの処理
をしてなるサトウキビ茶とその製造方法に関し、サトウ
キビ茶の品質を高め、一般の消費を拡大可能とする。 【解決手段】サトウキビの茎を輪切りしたスライス片を
赤色に変色するまで発酵させる過程においてEM菌を添
加し、発酵終了後に、そのまま又は加熱しながら乾燥さ
せることでサトウキビ茶を製造する。そして、このサト
ウキビ茶と、ヤエヤマアオキの葉を一旦多少乾燥させた
後、発酵させ、その後加熱乾燥させ、さらに焙煎してな
るヤエヤマアオキ茶または焙煎したウコンの少なくとも
片方とを混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サトウキビの茎をスラ
イスして焙煎などの処理をしてなるサトウキビ茶とその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】沖縄では、サトウキビは基幹作物であ
り、その製糖用原料としてのキビの収穫は、1〜3月の
短期間に限られ、期間内に出荷出来ないキビは畑に放置
されたままとなる。
【0003】また、夏から秋にかけては、台風などで折
れたりしたサトウキビは、手付かずの状態である。これ
らの悪条件で砂糖製造用の原料として利用されないサト
ウキビを茶の原料として用いることで、サトウキビの付
加価値を高め、サトウキビの生産農家の経営を改善する
ことができる。
【0004】こうして、サトウキビを製糖用原料以外に
も利用できれば、風で倒れたサトウキビや短期間労働な
どの問題を改善できる。また、サトウキビ茶の原料とす
る場合は、製糖工場などのように一度に大量に処理する
必要はないので、茶の原料サトウキビは、年間を通して
収穫可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】製糖のためにサトウキ
ビを圧搾した際に残る搾りかす(バガス)などを用いて
サトウキビ茶を製造する方法は、すでに提案されている
が、一般に普及するに至っていない。
【0006】本発明の技術的課題は、このような問題に
着目し、サトウキビ茶の品質を高め、一般の消費を拡大
可能とすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の技術的課題は次
のような手段によって解決される。請求項1は、サトウ
キビの茎を輪切りしたスライス片を生のまま又は乾燥さ
せた状態で焙煎してなるサトウキビ茶である。
【0008】このように、サトウキビの茎を輪切りした
スライス片を生のまま又は乾燥させた状態で焙煎してな
るサトウキビ茶は、焙煎で乾燥するため、1枚1枚のス
ライス片が反り返って空間が生じる。このことにより、
各サトウキビ片の隙間の水分が蒸発しやすく、短時間に
能率良く、均質なサトウキビ茶となる。また、焙煎によ
って、黒糖風味が増す。
【0009】サトウキビの茎を輪切りしたスライス片を
用いるため、乾燥過剰とならず、サトウキビの甘味と香
りが残り、風味の良いサトウキビ茶となる。スライス状
のサトウキビ茶を砕いて米粒状の状態で、あるいは粉砕
してパウダー状で用いることもできる。
【0010】請求項2は、サトウキビの茎を輪切りした
スライス片を赤色に変色するまで発酵させてから、その
まま又は加熱しながら乾燥させてなるサトウキビ茶であ
る。このように、赤色に変色するまで発酵させてあるた
め、湯を注ぐと水分を吸収して平らに拡がり、開いた花
を浮かべたように美しい。溶け出した赤色で湯もサクラ
の花のようなピンク色に染まるので、目でも茶を楽しめ
る。
【0011】請求項3は、請求項1または請求項2に記
載のようなサトウキビ茶にヤエヤマアオキ茶や煎り米入
りウコン茶その他のハーブ類を混合してなるサトウキビ
茶である。
【0012】このように、サトウキビ茶にヤエヤマアオ
キ茶や煎り米入りウコン茶その他のハーブ類を混合して
なるサトウキビ茶は、ヤエヤマアオキ茶とサトウキビ茶
の自然な甘味と黒糖の香りとの相乗効果により、ヤエヤ
マアオキ茶の味や香りの向上が図れる。また、ウコン茶
とサトウキビ茶を混ぜた茶は、ウコンの苦みや匂いが効
果的に緩和され、大分飲み易くなる。サトウキビ茶と各
種のハーブを混合すると、ファッショナブルなお茶が提
供できる。
【0013】請求項4はサトウキビ茶の製造方法であ
り、サトウキビの茎を輪切りしたスライス片を赤色に変
色するまで発酵させる過程においてEM菌を添加し、発
酵終了後に、そのまま又は加熱しながら乾燥させること
でサトウキビ茶が出来上がる。
【0014】このように、サトウキビの茎を輪切りした
スライス片を赤色に変色するまで発酵させる過程におい
てEM菌を添加して発酵させる方法によると、発酵に要
する期間を30〜40%程度短縮でき、赤変サトウキビ
茶の量産が可能となる。
【0015】請求項5は、請求項4に記載のようにして
製造したサトウキビ茶と、ヤエヤマアオキの葉を一旦多
少乾燥させた後、発酵させ、その後加熱乾燥させ、さら
に焙煎してなるヤエヤマアオキ茶、又は焙煎したウコン
の少なくとも片方とを、混合することでサトウキビ茶を
製造する。
【0016】このように、前記のようにして製造したサ
トウキビ茶と、ヤエヤマアオキ茶又は焙煎したウコンの
少なくとも片方とを混合することによって、サトウキビ
茶とヤエヤマアオキ茶や焙煎したウコンの特長を併せ持
ったサトウキビ茶を容易に製造できる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に本発明によるサトウキビ茶と
その製造方法が実際上どのように具体化されるか実施形
態を説明する。図1は本発明方法によるサトウキビ茶の
製造方法を示す図である。
【0018】〔無発酵サトウキビ茶の製造方法〕図1
(1)は圃場に生えているサトウキビであり、幹の部分
1を茶の原料とする。したがって、根の部分と梢頭部を
除去する。そして、枯れ葉やゴミを除去し、かつ幹部1
を洗浄して、清浄にする。
【0019】次に、図1(2)のように、収穫したサト
ウキビの幹1を1〜2mm程度の厚さでスライスする。
【0020】こうしてサトウキビの茎を輪切りしたスラ
イス片1sを、図2のように、生の状態で、鉄板2の上
に均一の厚さに広げ、平らになるように手のひらで押さ
える。
【0021】なお、微塵切りでもよいが、スライスの方
がより質の高いサトウキビ茶を製造できる。
【0022】前記のスライス片1sの入った鉄板2を2
00℃前後に加熱し、その中でクッキーを焼くように、
生のスライス片を焼く。燃料費節約のために、多少乾燥
させた後に焼くのもよいが、乾燥状態よりは、生の状態
を直接オーブンで焼いた方が風味が良い。
【0023】このように200℃程度に温度を保ったオ
ーブンで20〜30分間かけて焼く。焦げ具合を見なが
ら、スライス片全体を時々混ぜ、全体の焼け具合の色を
均一に保つようにする。
【0024】このサトウキビ片は、サトウキビの繊維に
対して直角になるように輪切りすることにより、水分の
蒸発が進むにつれ、1枚1枚がそれぞれ反り返って空間
が生じる。そのことにより、各サトウキビ片の隙間の水
分が蒸発しやすく、温度差がそれ程生じない。
【0025】乾燥したサトウキビ片よりは、生のサトウ
キビ片を焼いた方が、水分と糖分との相互作用が働きや
すく、その方が黒糖にも似たカラメル状の風味が増して
いるものと思われる。
【0026】さらに黒糖の香を強調したい場合は、水で
薄めたメイプルシロップの様な香のあるものをサトウキ
ビ片に散布し、オーブンで焼くとよい。黒糖を水で溶か
して散布しても良い。分蜜糖を製造する際に副産物とし
て発生する糖蜜を用いるとなお良い。
【0027】片の焼け具合は、うす茶〜暗褐色に至るま
での範囲が適している。うす茶色から濃い茶まで幅広く
製品化できる。香ばしいほど、食欲をそそり、人の心を
幸福な気分にさせる。
【0028】焼き方が強い程、黒糖風味が増す。こうし
て出来上がったサトウキビ片は、スライス状のままでも
良いが、砕いて米粒状の状態で用いても良い。押しつぶ
すだけで、容易に細かく出来る。
【0029】また、サトウキビ片を単味で用いても良い
が、茶として用いることの出来る他の原料(ハーブな
ど)とブレンドすると、味や香りの種類が拡がる。この
場合の混ぜる割合は、一定でなくても良い。
【0030】前記のようにして製造したサトウキビ片を
更に粉砕して、パウダー状にすると、他の飲み物に混ぜ
て用いることが出来る。例えば、抹茶に混ぜることによ
り、抹茶特有の青臭さや苦みなどが緩和され、子供でも
飲みやすくなる。このスライス片は、湯や水に入れるだ
けでエキスが抽出でき、夏は冷茶で、冬は温茶どちらで
も美味しく簡単に食生活の中に取り入れることが出来
る。
【0031】〔紅色サトウキビ茶の製造方法〕紅色(赤
変)サトウキビ茶とは、前記のようなサトウキビの茎を
輪切りしたスライス片を赤く変色させる製法であり、図
3において詳述する。
【0032】図1で説明したように、サトウキビの幹部
1を洗浄した後、1〜2mm程度の厚さにスライスしてサ
トウキビ片1sにする。このスライスは、外皮付きのま
までもよく、外皮を除去した状態でもよい。
【0033】スライスには、鋭く切れる刃を有する器具
を用いる。サトウキビの細胞を出来る限り壊さないよう
に、スパッとした状態で切るためである。
【0034】このことは、サトウキビのスライス片が赤
く変色していくのに大きく関係する。細胞を砕くような
状態で(ノコクズ状に)細断すると、なかなか変色しに
くい。したがって、微塵切り状はあまり好ましくない。
【0035】こうしてスライスしたものを発酵させる。
まず、(1)のように、蓋3付きの容器4中に、スライ
スした片1sを入れ、水分が逃げないように蓋3をし
て、25℃前後の温度の中で発酵させる。5日前後経つ
と、サトウキビ片1sの中心部あたりから次第に赤色に
変色する。
【0036】7〜10日頃には、スライス片全体に赤色
が拡がる。容器4中のスライス片全体が朱赤色に変化し
たら、スライス片1a全体に有用微生物菌(EMX)を
散布し、スライス片の切断面に微生物を付着させること
により、サトウキビの細胞が防御反応を起こす。
【0037】このように、EMX菌を用いることによ
り、30〜40%程度、発酵期間の短縮が図れた。EM
X菌を用いても、茶の味にはなんら影響を与えない。発
酵がちょうどいい状態になったら、発酵を止めて、乾燥
させる。
【0038】EMX菌の散布は、スライス直後が適して
おり、スライス直後に散布すると、4〜7日で赤変を起
こす。
【0039】発酵時の温度は、25℃程度が最もいい状
態で赤色が起こり易い。35℃以上になると、まったく
変色しない。これは微生物の活動がないため、サトウキ
ビの防御反応も行なわれないためだと思われる。また、
温度が15℃以下に下がった時も同様に変色しなかっ
た。
【0040】このほか、サトウキビ片に泡盛(アルコー
ル)を散布し、25℃の中で発酵を試みた結果、サトウ
キビ片は、白いままの状態で、ほとんど色は変わらず、
味は酸っぱい感じが強いだけであった。
【0041】サトウキビの切断面が赤変するのは、サト
ウキビの細胞が、微生物の侵入をストレスと感じ、それ
に対して防御しようとするためである。そのとき、汁液
に含まれる抗酸化物質が作用したものと思われる。それ
は、ポリフェノール化合物の酸化重合によって、アント
シアニン系色素による発色だと思われる。この赤い色
は、植物自体が発するものであり、食品として摂取して
も毒性はなく、また微生物もしかりである。
【0042】10日前後で赤変発酵を終え、続いてこれ
を乾燥させる。自然乾燥でも良いが、湿度の高い日が続
くと、サトウキビ片にカビが生える場合もある。最もよ
い方法は、(2)のように、鉄板2の上に拡げて、加熱
乾燥することである。フード乾燥機を用い、70〜80
℃の温度で、7〜8時間かけて乾燥する。
【0043】反り返っていた赤変スライス片は、湯を注
ぐと水分を吸収して平らに拡がり、つぼみが開くように
動くので、この変化を見るのも楽しい。また、開いた花
を浮かべたようにきれいであり、溶け出した赤色で湯も
サクラの花のようなピンク色に変化する。白いサトウキ
ビから、甘味のある赤い色が出来るのは、これまでに誰
も経験していない。
【0044】乾燥した赤変サトウキビ片をそのまま用い
ることも出来るが、無発酵の場合と同様に粒状にした
り、粉状にして用いてもよい。パウダー状の粉末を他の
食材と混ぜて使えば、繊維分として容易に摂取でき、腹
にも大変よい。例えば、沖縄そば、クッキーなどの原料
に混ぜるとよい。
【0045】乾燥以外に、発酵終了した生のサトウキビ
片をガスオーブンを用いて、若干焦げ色を付けながら乾
燥を行なう方法も出来る。すなわち、(3)のように、
鉄板2上にサトウキビ片1sを拡げ、ガスオーブン内の
温度を220℃に保ち30分前後で焼き上げる。
【0046】焼き具合や乾燥具合、赤変スライス片の紅
色の具合を確認しながら、時々、スライス片全体をかき
混ぜる。熱の通りを良くし、焼け具合が均一になるよう
にする。通常の乾燥機の温度より高いため、サトウキビ
片に含まれている糖分が焦げて、黒糖の香ばしさに変わ
る。赤変スライス片の紅色が残る程度に焼き上げるよう
に注意を払う。このように、オーブンで焼くと、赤色は
薄くなるが、香ばしさが出てくる。
【0047】なお、サトウキビの赤変スライス片は染料
として用いることもできる。乾燥した赤変スライス片を
湯で煮出し、煮詰めて色濃くし、これを染料として用い
る。染める色の濃さに応じて、染める回数を重ねればよ
い。
【0048】〔ヤエヤマアオキ茶の製造方法〕ヤエヤマ
アオキ茶は、ヤエヤマアオキの葉を用いて製造する。
「ヤエヤマアオキ」は、タヒチやビルマなどでは、食用
として古くから用いられている植物である。日本では、
沖縄諸島および八重山諸島に自生しているが、畑地栽培
も可能である。原料としては、この植物の葉の部分を用
いる。葉は通年収穫できる。
【0049】塩害の多い沖縄においても、この植物は自
然環境に大変に強く、また病害虫などもつきにくく、農
薬などを使う必要もない。したがって、安全な作物とし
て栽培できる。沖縄の太陽光線をいっぱい浴びており、
葉は濃いグリーン色をしている。このように濃い色素を
持つ植物は、抗酸化物質を多く含むといわれている。
【0050】抗酸化物質を多く含む植物を原料として用
いることにより、茶として飲用した場合、体内にミネラ
ルや他の栄養分を容易に摂取できる。
【0051】図4はヤエヤマアオキ茶の製造方法を工程
順に示す図である。ヤエヤマアオキ茶を製造するには、
先ず(1)のように、収穫した青葉を水洗いし、ゴミや
塩分などを取り除いてから、陰干しにする。しなやかに
なるまで水分を蒸発させることにより、水分による痛み
易さを抑え、腐敗を避けるためである。
【0052】次いで、(2)に鎖線で示すように、5m
m四方のサイズに切断する。このように切断したもの
を、(3)のように、網5の上に拡げ、生葉の状態から
約40%程度の水分を乾燥させる。
【0053】こうして水分調整したものを、(4)のよ
うに、力を入れて手で揉む。黒くなるまで揉むことによ
り、酵素が働き易くなる。酵素が働き易くなることによ
り、青臭さが解消され易くなる。
【0054】次に、有用微生物菌(EM菌)を散布した
後、(5)のように、蓋6付きの容器7に入れて発酵を
促す。微生物を用いることにより、発酵を促進させ、青
臭さを解消できる。
【0055】なお、水分が多い状態で発酵を行なうと、
痛み易く、カビなども発生する。もし、カビ等が発生し
た場合は、カビしている部分を除去し、表面全体に食酢
を霧吹きで散布すれば、カビの発生を押さえることがで
きる。
【0056】実施例においては、1kgの原料葉に対し、
20ccのEM溶液を散布した。そして、20〜25℃の
室温で約15日間発酵させた。1日に朝夕1回ずつ、蓋
6を開けて、青臭さガス抜きを行なった。10日目頃か
ら青臭さが大部分抜け、発酵臭が多少ある。
【0057】こうして発酵終了したものを、少し乾燥さ
せる。陰干し、または扇風機を用い、20〜30%程度
水分が乾いたら、(6)のように、食用酢を混ぜる。あ
る程度乾燥させることにより、酢が茶葉の内部に浸透し
やすくなり、青臭さが減少する。2、3時間で終わる。
【0058】次いで、(7)のように、加熱乾燥を行な
う。すなわち、鍋や釜で煎る。煎ることにより、酢の臭
いがほとんど消え、青臭さも解消できた。また、湯を注
ぎ、茶にして飲んでみたところ、美味しい茶に出来上が
っていた。
【0059】なお、用いる酢の種類によって、茶の香り
が若干違ってくる。リンゴ酢を用いると、林檎の風味
が、黒糖酢を用いると、黒糖風味が茶の香りの中に残
る。この茶は、これ単味で味わっても良いが、後述する
ようにハーブやサトウキビ茶など他の原料とブレンドし
て複合茶として用いても良い。
【0060】発酵を行なうことにより、風味が向上し、
煎ることにより、さらに味と色が良くなる。湯を注いだ
時に、エキスの抽出が早く、コクがでる。青臭みも減少
する。
【0061】実施例として、仕込み時の原料の重さ1kg
に対し、リンゴ酢30cc程度使用してみた。この茶は、
発酵期間を長くし、15日間程熟成を行なった。その結
果、ウーロン茶の味に似ている茶になった。
【0062】〔煎り米入りウコン茶の製造方法〕煎り米
の原料米は、玄米や精白米を用いるが、白米よりは玄米
の方が栄養価が高いので、主として玄米を用いる。
【0063】米は、炊くか蒸すかして熱を通し、煮る。
こうして炊いた米を加温して乾燥させてから、鍋または
釜で煎る。焙煎機を用いて焙煎してもよい。茶色ないし
茶褐色に至るまで煎ることで、煎り米が完成する。
【0064】ウコンは、春ウコン、秋ウコン、紫ウコン
を用いる。用いる部分は根茎で、土をよく洗い落とし、
2〜3mm程度の微塵切りにし、これにEMX菌を全体に
混ぜた状態で、容器に入れ蓋をして20〜25℃の温度
の中で発酵させる。
【0065】生のウコンを乾燥させただけでもよいが、
煎ることにより、味覚の向上が図れる。すなわち、生の
ものよりはコクが出る。
【0066】発酵させることにより、ウコン特有の苦み
や匂いをやわらげる事が出来る。発酵後、乾燥を行い、
これを鍋や釜などで焙煎する。焙煎することにより、特
有の匂いをさらにやわらげ、煎ることにより、香ばしさ
が増す。煎るのは、ウコンの色が若干変化する程度でよ
く、強く煎ると、ウコンの黄色味のエキスが湯中にあま
り抽出できない。
【0067】こうして製造したウコンは、ウコン茶とし
て使用してもよいが、前記の煎り米とブレンドすること
もできる。各種のハーブとブレンドすると、さらに味や
香りが向上する。
【0068】次に、前記の発酵ウコンの製造方法を説明
する。まず、春ウコン、秋ウコン、紫ウコンのどちらで
もよく、2mm程度に微塵切りする。微塵切りされた春ウ
コンや秋ウコン、紫ウコンなどをブレンドしてもよい。
春ウコンは最も苦いが、最も効果が大きいと言われてい
る。
【0069】微塵切りしたものを容器に入れ、EMX菌
を混ぜる。実施例では、ウコン微塵切り1kgに対し、E
MX30cc程使用した。そして、容器を2個用意し、一
方にはEMX菌を混ぜたものを、他方には混ぜないもの
を入れ、それぞれ蓋をして20〜25℃の中に置き、味
や匂いの変化のテストを試みた。
【0070】その結果、3日目頃から、EMXを混ぜた
ウコンは、混ぜないものに比べ、苦み、辛み、不快な匂
いなどが軽減していた。さらに3日間、様子を見た。そ
の結果、明らかにEMX菌を用いて発酵した方が、苦
み、辛み、不快な匂いなどが改善された。これに比べ、
混ぜない方は、味や匂いに殆ど改善(変化)がみられな
かった。
【0071】このように発酵処理した後、前記のような
微塵切り状態のまま加熱乾燥させる。フード乾燥機を用
い、70℃程度に温度を維持し乾燥を行なった。こうし
て乾燥したものを茶碗に入れ、湯をそそぎ、味を比べた
ところ、EMXを用いた方が飲み易くなっていた。な
お、EMXは、ほとんど無味、無臭に近い。
【0072】また、前記の乾燥品したウコンを鍋で煎っ
てみた。若干色が変化する程度でよく、煎ることによ
り、香ばしさが増し、さらに飲み易くなった。
【0073】前記のサトウキビ片やヤエヤマアオキも、
EMXによって発酵させると、生のまま、あるいは乾燥
しただけのものより、味や香りが良く、飲みやすくなっ
た。さらに、焙煎処理すると、香りや味がさらに向上し
た。なお、このように処理した茶を粉末にすれば、クッ
キーや沖縄そばなどの生地に混ぜたり、料理に利用する
ことも可能である。
【0074】〔サトウキビを主体とした複合茶の製造方
法〕以上のサトウキビ茶やヤエヤマアオキ茶、煎り米入
りウコン茶などは、そのまま単一種でもおいしく味わえ
るが、図5のような組み合わせでブレンドすると、より
効果的である。
【0075】すなわち、無発酵のまたは発酵によって赤
変させたサトウキビ茶と前記のヤエヤマアオキ茶とを混
合することで、サトウキビ茶とヤエヤマアオキ茶の双方
の特長を生かしたブレンド茶が実現できる。
【0076】サトウキビ茶だけでは、薄味と思われる場
合は、ヤエヤマアオキ茶を割合を変えて、サトウキビ茶
とブレンドする。ヤエヤマアオキ茶は発酵期間が長いせ
いか、ウーロン茶にも似たコクのある味が有る。このコ
クをサトウキビ茶にブレンドすることにより、サトウキ
ビの自然な甘味と黒糖の香との相乗効果により、味の向
上が図れた。
【0077】生の乾燥ウコンを、茶として飲んだ場合、
ノドの奥の方でウコン特有の不快な匂いや苦みがある。
この不快な点を解決するために、前記のようにして製造
したウコン茶に、サトウキビ茶やハーブ等を混ぜて用い
ることにより、大分飲みやすくなった。
【0078】特に肝臓に良いといわれているウコン茶と
サトウキビ茶をブレンドすることにより、臓器の機能の
働きを助ける健康的な飲料茶として提供できる。
【0079】また、無発酵のまたは発酵によって赤変さ
せたサトウキビ茶と前記の煎り米入りウコン茶とを混合
すると、サトウキビ茶と煎り米とウコン茶との長所をミ
ックスした茶が実現できる。また、サトウキビ茶とウコ
ン茶だけをブレンドすることもできる。ウコンの苦みが
緩和され、まろやかさが出る。
【0080】あるいは、各種のハーブと無発酵のまたは
発酵によって赤変させたサトウキビ茶を混合することも
できる。混合するハーブとしては、レモングラス、ペパ
ーミント、アップルミント、オレンジミント、ラベンダ
ー、バジル、カモミールなどが適している。パイナップ
ルやパッションフルーツ、桑の実、ヤマモモの実などの
ような果実や木の実なども、ハーブの一種とする。
【0081】次に、「サトウキビ茶:ヤエヤマアオキ
茶:ハーブ茶」のブレンド例とブレンド割合を7例、例
示する。
【0082】このように、サトウキビ茶とヤエヤマアオ
キ茶や各種のハーブ類とをブレンドするだけで、ファッ
ショナブルな茶が提供できる。ハーブには、気持ちを落
ちつかせたり、癒したり、また意欲の向上や疲労回復な
どの手助けにもなる、といった作用が確認されている。
なお、日本茶や抹茶などもハーブの一種に含まれるもの
とする。
【0083】なお、飲み方は、冷茶、温茶どちらでもお
いしく味わえる。
【0084】
【発明の効果】請求項1のように、サトウキビの茎を輪
切りしたスライス片を生のまま又は乾燥させた状態で焙
煎してなるサトウキビ茶は、焙煎で乾燥するため、1枚
1枚のサトウキビ片が反り返って空間が生じる。そのこ
とにより、各サトウキビ片の隙間の水分が蒸発しやす
く、短時間に能率良く、均質なサトウキビ茶となる。ま
た、焙煎によって、黒糖風味が増す。
【0085】サトウキビの茎を輪切りしたスライス片を
用いるため、乾燥過剰とならず、サトウキビの甘味と香
りが残り、風味の良いサトウキビ茶となる。スライス状
のサトウキビ茶を砕いて米粒状の状態で、あるいは粉砕
してパウダー状で用いることもできる。
【0086】請求項2のサトウキビ茶は、赤色に変色す
るまで発酵させてあるため、湯を注ぐと水分を吸収して
平らに拡がり、開いた花を浮かべたように美しい。溶け
出した赤色で湯もサクラの花のようなピンク色に染まる
ので、目でも茶を楽しめる。
【0087】請求項3のように、サトウキビ茶にヤエヤ
マアオキ茶や煎り米入りウコン茶その他のハーブ類を混
合してなるサトウキビ茶は、ヤエヤマアオキ茶とサトウ
キビ茶の自然な甘味と黒糖の香りとの相乗効果により、
ヤエヤマアオキ茶の味や香りの向上が図れる。また、ウ
コン茶とサトウキビ茶を混ぜた茶は、ウコンの苦みや匂
いが効果的に緩和され、大分飲み易くなる。サトウキビ
茶と各種のハーブを混合すると、ファッショナブルなお
茶が提供できる。
【0088】請求項4のように、サトウキビの茎を輪切
りしたスライス片を赤色に変色するまで発酵させる過程
において、EM菌を添加して発酵させる方法によると、
発酵に要する期間を30〜40%程度短縮でき、赤変サ
トウキビ茶の量産が可能となる。
【0089】請求項5のように、サトウキビ茶と、ヤエ
ヤマアオキ茶又は焙煎したウコンの少なくとも片方とを
混合することによって、サトウキビ茶とヤエヤマアオキ
茶や焙煎したウコンの特長を併せ持ったサトウキビ茶を
容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法によるサトウキビ茶の製造方法を
示す図である。
【図2】 本発明による無発酵サトウキビ茶の製造方法
を示す図である。
【図3】 本発明による発酵赤変サトウキビ茶の製造方
法を示す図である。
【図4】 本発明によるヤエヤマアオキ茶の製造方法を
工程順に示す図である。
【図5】 サトウキビ茶と他種の茶とのブレンドの組み
合わせを示す図である。
【符号の説明】
1 サトウキビの幹 1s サトウキビ片(サトウキビのスライス片) 2 鉄板 3、6 蓋 4、7 容器 5 網

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サトウキビの茎を輪切りしたスライス片
    を生のまま又は乾燥させた状態で焙煎してなることを特
    徴とするサトウキビ茶。
  2. 【請求項2】 サトウキビの茎を輪切りしたスライス片
    を赤色に変色するまで発酵させてから、そのまま又は加
    熱しながら乾燥させてなることを特徴とするサトウキビ
    茶。
  3. 【請求項3】 前記のようなサトウキビ茶に、ヤエヤマ
    アオキ茶、煎り米入りウコン茶またはハーブ類の少なく
    とも1種を混合してなることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載のサトウキビ茶。
  4. 【請求項4】 サトウキビの茎を輪切りしたスライス片
    を赤色に変色するまで発酵させる過程においてEM菌を
    添加し、発酵終了後に、そのまま又は加熱しながら乾燥
    させることを特徴とするサトウキビ茶の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のようにして製造したサ
    トウキビ茶と、 ヤエヤマアオキの葉を一旦多少乾燥させた後、発酵さ
    せ、その後加熱乾燥させ、さらに焙煎してなるヤエヤマ
    アオキ茶、 又は焙煎したウコンの少なくとも片方とを、混合するこ
    とを特徴とするサトウキビ茶の製造方法。
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