JP2001275574A - 冷菓用添加剤及びこれを用いた冷菓並びにその製造法 - Google Patents

冷菓用添加剤及びこれを用いた冷菓並びにその製造法

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JP2001275574A
JP2001275574A JP2000099372A JP2000099372A JP2001275574A JP 2001275574 A JP2001275574 A JP 2001275574A JP 2000099372 A JP2000099372 A JP 2000099372A JP 2000099372 A JP2000099372 A JP 2000099372A JP 2001275574 A JP2001275574 A JP 2001275574A
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okara
frozen dessert
frozen
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additive
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Atsushi Yura
篤史 由良
Masayuki Yamaguchi
正之 山口
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Fuji Oil Co Ltd
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Fuji Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、オカラを冷菓用添加剤として用いる
ことで、オカラ以外の乳化剤、オカラ以外の乳化安定剤
を添加せずに風味、食感を損なうことなく冷菓を製造す
ることを目的とした。又、好ましくは冷菓の滑らかな食
感を損なわないような添加剤を目的とした。 【解決手段】本発明は、オカラを含む冷菓用添加剤であ
る。又、本発明は、油脂、水及びこの冷菓用添加剤を含
み均質化され凍結されている冷菓である。又、本発明
は、その冷菓の製造法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷菓用添加剤及びこれ
を用いた冷菓並びにその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アイスクリーム等の冷菓は、通常、主に
乳製品等の蛋白成分、糖類、乳化剤、安定剤及び各種風
味原料等から成り、それらを混合したミックスを、殺菌
・均質化した後、凍結されている。冷菓中の乳化剤は冷
菓の組織を滑らかにし、脂肪分の分散保持と脂肪分の凝
集を適度に行う。また乳化安定剤は冷菓の組織を滑らか
にし、冷菓ミックスに適度な粘性を与え、オーバーラン
や保形性の向上に関与している。
【0003】ここに云う乳化剤は、例えば飽和モノグリ
セライド、不飽和モノグリセライド、ジグリセライド、
ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プ
ロピレングリコール脂肪酸エステル、有機酸モノグリセ
ライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリ
ン縮合リシノレイン酸エステル、レシチン、レシチン分
解物等などのオカラ以外の乳化剤である。
【0004】又、ここに云う乳化安定剤は、天然多糖
類、ガム質、セルロース誘導体、無機塩類等が挙げら
れ、具体的には、ローカストビーンガム、カラギーナ
ン、ゼラチン、結晶セルロース、キサンタンガム、リン
酸塩類等のオカラ以外の乳化安定剤である。
【0005】一方、これまでいくつかの食物繊維が冷菓
に用いることが開示されている。例えば、冷菓の保形性
を向上させるために特開平6−181693号公報では
甜菜根由来の食物繊維を添加することが、また、特開平
8−182468号公報では冷菓ミックスに膨潤させた
さつまいもファイバーを分散させることが知られてい
る。
【0006】しかしこれらの食物繊維が、冷菓の乳化剤
や乳化安定剤として利用可能なことは開示されていな
い。
【0007】上記の乳化剤や乳化安定剤は冷菓の製造に
おいて多くの効果をもたらすが、食品添加物であり多量
に使用すると冷菓本来の風味を損なう。また市販の食物
繊維は保形性の向上などの安定剤としての機能を果たす
ことは知られているものの、乳化性が悪いため前述のオ
カラ以外の乳化剤を併用しなければならず、食物繊維に
乳化性を付与するためには食物繊維の添加量が多くな
り、冷菓本来の風味や食感が損なわれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
ような乳化剤、オカラ以外の乳化安定剤を添加する必要
なく、冷菓を製造することを目的とした。
【0009】副次的には、冷菓の滑らかな食感を損なわ
ないような添加剤を目的とした。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決すべく鋭意研究の結果、オカラが冷菓の乳化安定剤
だけでなく乳化剤として用いることが出来る知見を得、
本発明に到達した。又、冷菓の食感を損なわないような
特定オカラがより好適である知見も得て本発明を完成す
るに到った。
【0011】即ち、本発明は、オカラを含有する冷菓用
添加剤である。この冷菓用添加剤中のオカラの平均粒子
径は400ミクロン以下好ましくは100ミクロン以下
であるのがよい。またオカラの蛋白含量が乾燥固形分比
で5〜50重量%、好ましくは20〜50重量%、より
好ましくは25〜50重量%であるのがよい。またオカ
ラの糖含量(この明細書において糖は水溶性のものをい
う)が乾燥固形分比で0〜40重量%、好ましくは0〜
10重量%であるのがよい。この添加剤には、オカラ以
外に豆乳を含むことが出来、乳化剤や乳化安定剤を含む
ことも妨げない。
【0012】又、本発明は、油脂、水及びオカラを含む
均質化された冷菓ミックスが凍結されている冷菓であ
る。冷菓ミックス中のオカラを非乾燥状態の重量換算で
2〜50重量%含むことが好ましい。又、本発明は、油
脂、水及びオカラを含む冷菓ミックスを均質化し凍結す
ることを特徴とする冷菓の製造法である。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、本発明の冷菓用添加剤につ
いて説明する。
【0014】オカラは周知のように、大豆から豆腐を製
造する工程や脱脂大豆から分離大豆蛋白を抽出する工程
で水不溶残査として得ることができる。しかし、市販の
最も通常のオカラでは平均粒子径は概して大きく、糖含
量は概して高い傾向にあり、上記範囲に入るとしても、
より好ましい平均粒子径、糖含量にするため、より適し
たオカラの製造条件を選択したものがよい。
【0015】オカラの原料となる大豆は脱皮、脱胚軸さ
れているものを用いることで、大豆の皮や臍部分が完全
に除かれているので見た目がきれいな冷菓にすることが
できる。
【0016】オカラは上記範囲内の平均粒子径において
冷菓の食感がよく、乳化安定性もよい。平均粒子径が大
きすぎると、冷菓にしたときに舌にざらざらとした違和
感を感じ、あまりに粒子径を細かくするにはオカラの生
産性が悪い。
【0017】粒子径を細かくするのは、大豆の磨砕の程
度を上げることにより達成できるが、オカラ独特の渋味
や収斂味を減じるには、回転刃型剪断力とホモゲナイザ
−を組合せて実施するのがよい。より具体的には、水
(後に85〜95℃に昇温)に浸漬した含水大豆を回転
刃型剪断力により2回以上裁断し、次いで高圧ホモゲナ
イザ−などの均質化処理をすることにより風味よく、容
易に粒子径を細かくすることが出来る。
【0018】またオカラは蛋白を含む点、通常の他の食
物繊維と異なる。この蛋白とオカラの繊維が複雑に相互
的に作用して乳化安定性を増大しているためか、他の食
物繊維はオカラと同等の乳化安定性が得られるためには
多くの添加量を必要とし、ざらつきのある食感になり、
また冷菓の風味を損なうものとなる。
【0019】オカラ中の糖含量が多すぎると乳化安定性
が低下し、乳化安定性を得られるために多くのオカラの
量を必要とする。一方、糖含量が少なくなれば蛋白含量
が多くなるため、乳化安定性が良くなり添加量が少なく
てよい。
【0020】オカラの糖含量を小さくし、かつ風味をよ
くするには、高温の湯で糖などを抽出除去するのがよ
い。
【0021】添加剤には、オカラ以外に豆乳を含むこと
が出来、乳化剤や乳化安定剤を含むことも妨げない。即
ち、本発明の冷菓用添加剤は前記のように、大豆或いは
脱脂大豆から豆腐や分離大豆蛋白を製造する際の水溶性
成分である豆乳を分離したオカラであってもよいし、豆
乳を分離しない状態のオカラと豆乳の混合物でもよく、
後者の場合、オカラと豆乳を分離する前のスラリーを微
細化して得ることが出来る。また、オカラと豆乳を分離
する前のスラリーを使用することで冷菓ミックスの調合
時にオカラの分散が簡単にできる。ただしスラリーを多
量に使用するとスラリー以外の原材料の配合量が少なく
なるため、風味等の自由度が無くなり配合が制限され
る。
【0022】本発明の冷菓用添加剤としてオカラの特徴
は、オカラ以外の乳化剤やオカラ以外の乳化安定剤(天
然多糖類ガム質、セルロース誘導体、無機塩類等が挙げ
られ、具体的には、ローカストビーンガム、カラギーナ
ン、ゼラチン、結晶セルロース、キサンタンガム、リン
酸塩類等から選択された1種又は2種以上。)を使用し
なくても冷菓に乳化剤、安定剤の機能を付与することか
でき、また大量に使用しても風味がよいので冷菓の風味
を損なうことはない。
【0023】又、本発明の冷菓用添加剤は前記オカラだ
けで十分に乳化力と乳化安定作用があるが、オカラ以外
の乳化剤(例えば飽和モノグリセライド、不飽和モノグ
リセライド、ジグリセライド、ショ糖脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪
酸エステル、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エ
ステル、レシチン、レシチン分解物等などの中から選ば
れた1種または2種以上。)を併用しても良い。オカラ
以外の乳化剤がオカラの乳化力や乳化安定性を低下させ
るものではない。
【0024】また本発明において、冷菓用添加剤として
のオカラと、オカラ以外の乳化剤、乳化安定剤を併用す
ること妨げない。前述のオカラ以外の乳化剤、オカラ以
外の乳化安定剤でも冷菓にそれぞれの機能を付与するこ
とが可能であるが、多量に使用することは冷菓の食感や
風味を損なう。冷菓用添加剤としてのオカラを併用する
ことでオカラ以外の乳化剤、オカラ以外の乳化安定剤の
添加量を必要としないか或いは少なくすることができ
る。
【0025】次に、本発明の冷菓について説明する。本
発明の冷菓は、油脂、水及びオカラを含む均質化された
冷菓ミックスが凍結されており、アイスクリーム乃至ア
イスクリーム様のものから、ソフトクリーム様のもので
あってもよく、冷菓ミックスは、乳成分の有無または多
少に関わらず、水、糖類、他の各種風味原料、着香料、
着色料を含むことができる。
【0026】乳成分には生乳、乳製品、植物乳等の一種
または二種以上を併用することができる。生乳には牛
乳、羊乳及び山羊乳等の哺乳類の生乳がある。乳製品に
は生乳の加工品である濃縮乳、加糖乳、練乳、脱脂乳、
粉乳、チーズ及び生クリーム等がある。植物乳には例え
ば豆乳等がある。
【0027】油脂は植物性油脂、乳脂あるいはこれらの
分別油脂、硬化油脂、エステル交換油脂等があり、その
中から一種または二種以上を併用することができる。植
物性油脂としては大豆油、菜種油、綿実油、コーン油、
ひまわり油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、パ
ーム核油、ヤシ油、カポック油及びサル脂等がある。こ
れらの油脂は冷菓ミックスに対し0〜20重量%の範囲
で使用される。
【0028】糖類は冷菓に甘味を与えるほか、冷菓ミッ
クスに適度な粘性を与え組織を改良する。糖類は糖、糖
アルコール、転化糖、混合液糖、水飴類、人工甘味料等
から一種または二種以上を併用して使用できる。中でも
ショ糖が最も普通に使用されており、通常製品全量に対
し10〜20%重量の範囲で使用される。
【0029】また原料の各種風味原料、着味料及び着香
料等は、消費者の嗜好等に応じて適宜選択使用される。
バニラが一般的であり、チョコレート類やストロベリー
などの果汁・果肉類等が良く好まれる。
【0030】冷菓の全固形分は最終製品の組織、フリー
ジング適性、風味、口溶け、保存性等に影響を与える。
冷菓の全固形分は通常10〜45重量%が適当である。
全固形分が少ないと低下させると口当たりが冷たくシャ
リシャリとした食感になるが、あっさりとコク味の乏し
いものになる。逆に全固形分が多いと滑らかで緻密なボ
ディが得られるが、重たい食感になってしまう。
【0031】本発明の冷菓ミックス中のオカラは非乾燥
状態の重量に換算して2〜50重量%、好ましくは2〜
20%重量、より好ましくは2〜10重量%含まれるの
が適当である。オカラを添加すると乳化性、安定性が良
くなり、冷菓ミックスに適度な粘度を与え、フリージン
グした冷菓の保形性を向上させ、風味に適度なコク味を
与えるが、添加量が多すぎると大豆由来の風味が増え他
素材の風味を阻害し、口溶けが悪くなり重い食感にな
る。オカラの添加量が少ないと乳化性、安定性が悪くな
り、フリージングした時の冷菓の保形性がなくなる。
【0032】ここに用いる冷菓用添加剤としてのオカラ
は前述のようにの平均粒子径が400ミクロン以下、好
ましくは100ミクロン以下、より好ましくは5〜40
ミクロンが適当である。
【0033】次に、冷菓の代表的な製造法を説明する。
先ず、冷菓ミックスは、原料を配合、混合、溶解して、
均質化した後、殺菌して調製する。混合、溶解する温度
は通常は50〜70℃が適当である。
【0034】均質化により冷菓ミックスの脂肪球が微粒
化され乳化状態とする。均質化は一段圧式または二段圧
式など均質機の方式によって一様ではないが、どちらで
も良い。通常、均質化圧は一段圧式では100〜180
kg/cm2、二段圧式では第1バルブで約100kg
/cm、第2バルブで40〜70kg/cmが多
い。均質化温度も一般的な50〜70℃で良い。
【0035】殺菌処理は、80℃30分程度の加熱また
は100℃を超える所謂UHT加熱のいずれでもよく、
また間接加熱方式または直接加熱方式のいずれでも良
い。間接加熱装置としてはAPVプレート式UHT処理
装置(APV社製)、CP−UHT滅菌装置(クリマテ
ィ・パッケージ社製)、ストルク・チューブラー型滅菌
装置(ストルク社製)等が例示できる。また、直接加熱
装置としては、ユーペリゼーション滅菌装置(テトラパ
ック・アルファラバル社製)、VTIS滅菌装置(テト
ラパック・アルファラバル社製)、ラギアーUHT滅菌
装置(ラギアー社製)、パラリゼーター(パッシュ・ア
ンド・シルケボーグ社製)、C.P.Vac−Heat
・UHT滅菌装置(クリマティー・パッケージ社製)等
が例示でき、これらのいずれの装置を使用しても良い。
【0036】加熱殺菌した冷菓ミックスは冷却され、通
常0〜5℃で3〜24時間エージング(もしくはストレ
ージ)される。このエージングにより冷菓ミックス中の
各成分が安定化される。次いで冷菓ミックスは、攪拌し
ながら着香料等の残りの原料があればそれが添加され、
しかる後、フリージングされる。
【0037】フリージング工程では、水分の凍結、適当
量の空気の混入、ミックス中への微細な空気の泡と氷の
結晶粒子や脂肪粒子の分散が起こる。その後、所定の容
器に充填し包装した後、−20〜−30℃にて一定の形
を保持するまで凍結させる硬化を行い、出荷されるまで
貯蔵しておく。エージングした冷菓ミックスは、目的に
応じて着色料、着香料を添加し、フリージングを行う。
フリージングにはバッチ式、連続式フリーザーのいずれ
で行っても良い。目的とするオーバーランに達した時点
でフリージングを終了し、−5℃前後でカップまたはバ
ー用のモールドに充填し、−18℃以下で急速冷凍して
冷菓とすることが出来る。
【0038】かかる製造方法において、前述のように本
発明の冷菓用添加剤としてオカラを冷菓全体の重量に対
して2〜50重量%、好ましくは2〜20%重量、より
好ましくは2〜10重量%添加する。オカラを添加する
と乳化性、安定性が良くなり、冷菓ミックスに適度な粘
度を与え、フリージングした冷菓の保形性を向上させ、
風味に適度なコク味を与えるが、添加量が多すぎると口
溶けが悪くなり重たい食感になる。オカラの添加量が少
ないと口溶けが良く、すっきりとした食感になるが、乳
化性、安定性が悪くなり、フリージングした時の冷菓の
保形性がなくなる。
【0039】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、この発明の
効果をより一層明確にするが、これらは例示であってこ
の発明技術思想がこれらの例示によって限定されるもの
ではない。
【0040】製造例1 微細化したオカラを以下のようにして製造した。脱皮・
脱胚軸した大豆1重量部(以下、部)に対して水10部
を加え、85〜95℃で60分以上浸漬した。浸漬して
充分に吸水した脱皮・脱胚軸した大豆(水分含量40〜
50%)1部に対し、熱水(90℃)3部を加えたもの
を回転刃型剪断力により裁断するコミットロール(UR
SCHEL社製造)を用いて2回処理して平均45ミク
ロンのスラリーを得た。得られたスラリーを次に高圧ホ
モゲナイザー(APV社製造)を用いて200kg/c
m2で2回処理して均質化し、平均粒子径25ミクロン
の微細化スラリーを得た。この均質化した微細化スラリ
ーを遠心分離機を用いて3000Gで5分間処理して微
細化オカラを得た。この微細化したオカラの固形分は1
4.0重量%、固形分中の蛋白含量35重量%、糖含量
2重量%、食物繊維含量36重量%、平均粒子径25ミ
クロンであった。なお平均粒子径はコールターカウンタ
ーにて測定した。
【0041】実施例1及び比較例1 下記の配合により、冷菓の試作を行った。冷菓用添加剤
として製造例1の微細化オカラを使用した。
【0042】 (表1) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 比較例1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 脱脂粉乳 9重量% 同左 砂糖 12重量% 同左 水飴 4.5重量% 同左 精製ヤシ油 8重量% 同左 冷菓用添加剤 4.4重量% 0.6重量% 水 残量 残量 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 注)精製ヤシ油:不二製油株式会社製
【0043】比較例の乳化安定剤として実施例1の冷菓
用添加剤の代わりにサンソフトスーパーNo618(太
陽化学株式会社製)を0.6重量%を使用し、残りは水
を加えた。上記配合を混合し、150kg/cm2の一
段圧式のホモゲナイザー(イズミフードマシナリ社製)
で均質化を行った。均質化を行った冷菓ミックスは80
℃30分間の加熱殺菌処理を行った後、冷却し5℃で1
晩エージングした。エージングした冷菓ミックスをバッ
チ式のフリーザーでフリージングし、約200ml容量
の紙カップに充填し、急速凍結したのち冷凍保存した。
保形性の確認は以下の方法で行った。
【0044】30℃に管理された室内において、容器上
に網目5mm×5mmの金網に載せ、さらにその上へ紙
カップに入っていた冷菓を出して載せ、網上に残存する
重量の経時的変化(スタート時を100%とする)を確
認した。その結果、実施例1の配合は比較例1より保形
性は向上した。 (表2) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 経過時間(分) 10 20 40 60 90 120 実施例1 100% 100% 100% 90.3% 60.3% 26.1% 比較例1 100% 100% 99.4% 78.9% 41.1% 4.1% −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− フリージングによって得られた冷菓の風味の評価は5名のパネルによって評価し た。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− コク味 豆臭さ ざらつき 総合評価 実施例1 3.0 3.0 3.0 3.0 比較例1 2.4 3.0 3.0 2.8 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 注)・コク味の評点は3点法で行い、平均点で表した。 3点:はっきり感じる。2点:やや感じる。1点:まったく感じない。 ・豆臭さ、ざらつきの評点は3点法で行い、平均点で表した。 3点:まったく感じない。2点:やや感じる。1点:はっきり感じる。 ・総合評価の評点は3点法で行い、平均点で表した。 3点:風味に違和感なくおいしく食べられる。2点:風味に違和感があり おいしくはないが食べられる。 1点:不快な風味で食べることができない。
【0045】実施例1で得られた冷菓の風味は豆臭さ、
ざらつきもまったく無く、比較例1よりコク味を感じる
ものであった。
【0046】なお、製造例1の微細化オカラの代わりに
市販の豆腐オカラ(固形分22重量%、固形分中の蛋白
含量25重量%、糖含量34重量%、平均粒子径200
ミクロン)2.3重量%と残り分は水を加え、その他は
同じ配合で調製し、実施例1と同様の手順で冷菓を製造
した。冷菓ミックスは良好な乳化状態を示した。しかし
フリージングによって得られた冷菓の風味はコク味2.
2点、豆臭さ1.8点、ざらつき1.4点であった。
【0047】また、製造例1の微細化オカラの代わりに
実施例1の乳化安定剤の代わりに乾燥オカラ(不二製油
株式会社製プロプラス500S(固形分93重量%、固
形分中の蛋白含量35重量%、食物繊維含量45重量
%、平均粒子径125ミクロン)を0.6重量%と残り
分は水を加え、その他は同じ配合で調製し、同様の手順
で冷菓を製造した。冷菓ミックスは良好な乳化状態を示
した。しかしフリージングによって得られた冷菓の風味
はコク味2.0点、豆臭さ1.6点、ざらつき1.6点
であった。
【0048】比較例2 実施例1の乳化安定剤として粉末セルロース(旭化成株
式会社、アビセルRC−N81、平均粒子径40ミクロ
ン、固形分中の食物繊維含量86重量%)0.6重量%
と残り分は水を加え、その他は同じ配合で冷菓ミックス
を調製した。エージング後の冷菓ミックスはかなり粘度
が高く、取り扱いにくいものであった。また乳化性が悪
いため、冷菓ミックス中に植物性油脂が分離した。冷菓
ミックスはフリージングを行い、製造された冷菓につい
て実施例1と同様に保形性の確認を行った。その結果、
実施例1と同様保形性の向上が認められた。
【0049】フリージングによって得られた冷菓の風味
は実施例1と同様に5名のパネルによって3点法で評価
した。製造された冷菓の風味はコク味2.2点、豆臭さ
3.0点、ざらつき3.0点、総合評価2.4点で結果
としてざらつきはないがコク味、クリーミー感が実施例
1と比較して劣るものであった。
【0050】実施例2 実施例1の配合の乳化安定剤として製造例1の微細化オ
カラ(固形分14.0重量%、固形分中の蛋白含量35
重量%、糖含量2重量%、食物繊維含量36重量%)を
2.2重量%と、サンソフトスーパーNo618(太陽
化学(株))を0.3重量%と残り分は水を加え、その
他は実施例1と同じ配合で冷菓ミックスを調製し、同様
の手順で冷菓を製造した。製造された冷菓について、実
施例1と同様に保形性の確認をおこなった結果、実施例
1と同様に保形性は向上した。 (表3) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 経過時間(分) 10 20 40 60 90 120 実施例2 100% 100% 97.4% 77.9% 54.8% 10.3% −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− フリージングによって得られた冷菓の風味は実施例1と
同様に5名のパネルによって3点法で評価した。製造さ
れた冷菓の風味はコク味3.0点、豆臭さ3.0点、ざ
らつき3.0点、総合評価3.0点でざらつきもまった
く無く、コク味、クリーミー感があり良好であった。
【0051】実施例3 製造例1で得られた豆乳(固形分9重量%、固形分中の
蛋白含量53重量%、糖含量11重量%)と製造例1で
得られた微細化オカラを使用して冷菓を製造した。 (表4) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 豆乳 65重量% 砂糖 9重量% 水飴 4.5重量% 精製ヤシ油 5重量% 微細オカラ 4.4重量% 水 残量 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0052】上記の配合を用い実施例1と同様の手順で
冷菓ミックスを調製し冷菓を製造した。製造された冷菓
について実施例1と同様に保形性の確認をおこなったと
ころ、保形性は向上した。
【0053】 (表5) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 経過時間(分) 10 20 40 60 90 120 実施例3 100% 100% 100% 97.6% 74.6% 54.6% −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− フリージングによって得られた冷菓の風味は実施例1と
同様に5名のパネルによって3点法で評価した。製造さ
れた冷菓の風味はコク味3.0点、豆臭さ2.4点、ざ
らつき3.0点、総合評価3.0点でざらつきもまった
く無く、コク味、クリーミー感があり良好であった。
【0054】実施例4 製造例1での豆乳と微細化オカラを分離する前の微細化
スラリー(固形分11重量%、固形分中の蛋白含量48
重量%、平均粒子径25ミクロン)を使用して冷菓を製
造した。 (表6) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 微細化スラリー 60重量% 砂糖 9重量% 麦芽糖 5重量% 水飴 3.5重量% 精製ヤシ油 4.5重量% 水 残量 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 上記の配合を用い実施例1と同様の手順で冷菓ミックス
を調製し冷菓を製造した。製造された冷菓について実施
例1と同様に保形性の確認をおこなった。その結果、保
形性の向上が確認された。
【0055】 (表7) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 経過時間(分) 10 20 40 60 90 120 実施例4 100% 100% 100% 98.0% 76.9% 48.3% −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− フリージングによって得られた冷菓の風味は実施例1と
同様に5名のパネルによって3点法で評価した。製造さ
れた冷菓の風味はコク味3.0点、豆臭さ2.6点、ざ
らつき3.0点、総合評価3.0点でざらつきもまった
く無く、コク味、クリーミー感があり良好であった。コ
ク味、クリーミー感があり良好であった。
【0056】
【発明の効果】本発明によりオカラ以外の乳化剤(例え
ば飽和モノグリセライド、不飽和モノグリセライド、ジ
グリセライド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、有
機酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、レシ
チン、レシチン分解物等)や乳化安定剤(天然多糖類ガ
ム質、セルロース誘導体、無機塩類等、具体的には、ロ
ーカストビーンガム、カラギーナン、ゼラチン、結晶セ
ルロース、キサンタンガム、リン酸塩類等)を添加せず
に風味、食感を損なうことなく冷菓を製造することが可
能になったものである。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オカラを含有する冷菓用添加剤。
  2. 【請求項2】豆乳も含む請求項1の冷菓用添加剤。
  3. 【請求項3】乳化剤または/及び乳化安定剤も含む請求
    項1又は請求項2の冷菓用添加剤。
  4. 【請求項4】オカラの平均粒子径が400ミクロン以下
    である請求項1〜3のいずれかの冷菓用添加剤。
  5. 【請求項5】オカラの蛋白含量が乾燥固形分比で5〜5
    0重量%である請求項1〜4のいずれかの冷菓用添加
    剤。
  6. 【請求項6】オカラの糖含量が乾燥固形分比で0〜40
    重量%である請求項1〜5のいずれかの冷菓用添加剤。
  7. 【請求項7】オカラの平均粒子径が100ミクロン以下
    である請求項1〜6のいずれかの冷菓用添加剤。
  8. 【請求項8】オカラの蛋白含量が乾燥固形分比で25〜
    50重量%である請求項1〜7のいずれかの冷菓用添加
    剤。
  9. 【請求項9】オカラの糖含量が乾燥固形分比で0〜10
    重量%である請求項1〜8のいずれかの冷菓用添加剤。
  10. 【請求項10】油脂、水及びオカラを含む均質化された
    冷菓ミックスが凍結されている冷菓。
  11. 【請求項11】オカラが請求項4〜9に記載のオカラで
    ある請求項10の冷菓。
  12. 【請求項12】冷菓ミックス中オカラを非乾燥基準で2
    〜50重量%含む請求項10〜11のいずれかの冷菓。
  13. 【請求項13】油脂、水及びオカラを含む冷菓ミックス
    を均質化し凍結することを特徴とする冷菓の製造法。
  14. 【請求項14】オカラが請求項4〜9に記載のオカラで
    ある請求項13の製造法。
  15. 【請求項15】冷菓ミックス中オカラを非乾燥基準で2
    〜50重量%含む請求項13〜14のいずれかの製造
    法。
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