JP2001272370A - ガス濃度測定装置 - Google Patents

ガス濃度測定装置

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JP2001272370A
JP2001272370A JP2000084323A JP2000084323A JP2001272370A JP 2001272370 A JP2001272370 A JP 2001272370A JP 2000084323 A JP2000084323 A JP 2000084323A JP 2000084323 A JP2000084323 A JP 2000084323A JP 2001272370 A JP2001272370 A JP 2001272370A
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gas
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JP2000084323A
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Shogo Matsubara
正吾 松原
Shoichi Shimizu
章一 志水
Shinji Morimoto
信司 森本
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周囲温度が急激に変わるなどの測定濃度に大
きな誤差を発生する場合であっても、検出対象ガスの濃
度出力値の誤差を少なくするガス濃度測定装置の提供。 【解決手段】 ガス検知素子1の出力を測定する素子測
定手段2及び加熱する加熱手段3と温度検知素子4とそ
の周囲温度を測定する温度測定手段5と素子測定手段2
で測定した素子出力値と温度測定手段5で測定した温度
測定値とを用いて濃度演算値を演算する濃度演算手段6
と濃度演算値を外部に出力する濃度出力手段8とを備え
濃度演算手段6から出力された濃度演算値の誤差の大小
を温度変化速度を基準にして判断し温度変化速度が基準
値以上のとき濃度演算値の誤差が大きいと判断し直前の
濃度演算値を保持して濃度出力手段8に出力し温度変化
速度が基準値以下の場合には濃度演算値の誤差が小さい
と判断し最新の濃度演算値を濃度出力手段8へ出力する
濃度誤差判断手段7を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内空調、環境衛
生、生鮮品保存、植物栽培、生体呼吸モニタ用、防災
用、工業用などのガス濃度を計測し制御する場合に使用
するガス濃度測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境測定、施設園芸、生産設備等
に用いられる炭酸ガス濃度を検知するための炭酸ガスセ
ンサが多用されている。炭酸ガスセンサとしては、赤外
線を用いた検知方法、電解液を使用した方法、熱伝導を
利用した方法による測定器が市販されているが、大型で
あり製造コストが嵩んでいる。このため、他の方法が検
討されており、NaCO3を電極としNASICON等
のアルカリイオン導電性固体電解質を用いた方法、Li
イオン導電体を用いた方法、K2CO3等のCO3 -イオン
導電体を用いた方法、水酸化アパタイトの抵抗値を用い
る方法等、様々な検知方法による新しいタイプの炭酸ガ
スセンサの研究開発が行われている。
【0003】また、装置の小型化が可能な炭酸ガスセン
サの一つとして、金属酸化物と炭酸塩等の混合物の焼結
体と一対の電極とを組み合わせた構造を有し、焼結体を
構成する非複合系酸化物と炭酸ガスとの可逆的な炭酸塩
形成反応による電極間のインピーダンスや静電容量等の
電気的特性を変化させて炭酸ガス濃度を検知するものが
ある。
【0004】例えば、特開平4−24548号公報には
「ペロブスカイト型金属酸化物と非複合系金属酸化物と
の混合物の静電容量の変化を用いた炭酸ガスセンサ」、
特願平6−182261号公報には「非複合系金属酸化
物の混合物を用いた炭酸ガスセンサ」、特開平6−88
800号公報には「非複合系金属酸化物の一種である希
土類酸化物を用いた炭酸ガスセンサ」がそれぞれ開示さ
れている。
【0005】これらのガス検知素子は、例えばCuOや
BaTiO3等の市販原料または市販原料を混合後熱処
理して作製した原料を用いて作製される。使用される原
料は所定の混合比になるよう混合粉砕された後、成型及
び熱処理され板状の炭酸ガス感知セラミックからなる炭
酸ガス検知素子が作製される。その後、炭酸ガス濃度の
変化に伴う電気的変化を調べるため、電気信号取り出し
用の電極部が作製されて炭酸ガスセンサとなる。炭酸ガ
スの検知は静電容量の変化、またはインピーダンスの変
化によりなされる。これらの炭酸ガスセンサの検知能力
向上のため、特開平5−142180号公報ではAg等
の貴金属元素や遷移金属元素の添加を、特開平6−31
3410号公報ではBaOの添加を、特開平7−165
053号公報では炭酸塩の添加を、特開平9−1596
40号公報ではCeO2、BaCO3、CuOを用いるこ
とが提案されている。
【0006】以上の炭酸ガスセンサにおいては、いずれ
もガス検知素子を300℃〜600℃の高温に加熱する
必要がある。しかし、前述のようにガス検知素子の温度
は通常使用される室温よりもかなり高いために、周囲温
度のわずかな変化によってガス検知素子温度が変化し、
濃度出力も変化してしまう。このため、通常は周囲温度
をサーミスタ等の温度検知素子によって測定し、温度変
化量によってセンサ出力値を計算で補正したり、ヒータ
電圧を変えて素子温度を一定にしたりして温度補正を行
っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、サーミ
スタ等の温度検知素子は素子温度を直接測定していない
ので、温度検知素子とガス検知素子の温度変化に時間的
な差が生じて測定濃度に大きな誤差を発生する場合が起
こる。CO2ガス濃度を連続的にモニタリングする場合
にはこの間の誤差は不連続点となり、不自然で使いにく
いという問題があった。特にCO2センサは、温度外乱
による素子出力の変化量が、検知対象ガスの濃度による
変化量に対して大きい割合を占めるので、前述の誤差の
発生は深刻な問題となる。これに対して従来の技術で
は、使用上の注意として、温度変化が少ない場所や風が
直接当たらない場所への設置を要請するなど、センサの
使用条件に制約があった。
【0008】以上はCO2センサを例に述べたが、ガス
検知素子を加熱して被験ガスの濃度を出力するガスセン
サ一般に共通する問題である。
【0009】本発明は、センサの周囲温度が急激に変わ
ったり、風が直接センサに当たるなどの環境下にあっ
て、温度検知素子とガス検知素子の温度変化に時間的な
差が生じて測定濃度に大きな誤差を発生する場合であっ
ても、検出対象ガスの濃度出力値の誤差をできるだけ少
なくし、不連続性が生じないガス濃度測定装置を提供す
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガス検知素子
と、前記ガス検知素子の出力を測定する素子測定手段
と、前記ガス検知素子を加熱する加熱手段と、温度検知
素子と、前記温度検知素子で周囲温度を測定する温度測
定手段と、前記素子測定手段で測定した素子出力値と前
記温度測定手段で測定した温度測定値とを用いて濃度演
算値を演算する濃度演算手段と、前記濃度演算値を外部
に出力する濃度出力手段とを備え、更に、前記濃度演算
手段から出力された前記濃度演算値の誤差の大小を温度
変化速度を基準にして判断し、温度変化速度が基準値以
上の場合には前記濃度演算値の誤差が大きいと判断し
て、直前の濃度演算値を保持して前記濃度出力手段に出
力し、温度変化速度が基準値以下の場合には前記濃度演
算値の誤差が小さいと判断して、最新の濃度演算値を前
記濃度出力手段へ出力する濃度誤差判断手段を設けたこ
とを特徴とする。
【0011】本発明によれば、センサの周囲温度が急激
に変わったり、風が直接センサに当たるなどの環境下に
あって、温度検知素子とガス検知素子の温度変化に時間
的な差が生じて測定濃度に大きな誤差を発生する場合で
あっても、検出対象ガスの濃度出力値の誤差をできるだ
け少なくし、不連続性が生じないガス濃度測定装置を得
ることができる。
【0012】本発明において、前記温度検知素子の熱時
定数が前記ガス検知素子の熱時定数よりも小さい構成と
することができる。
【0013】このような構成では、センサの周囲温度が
急激に変わったり、風が直接センサに当たるなどの環境
下にあって、温度検知素子とガス検知素子の温度変化に
時間的な差が生じて測定濃度に大きな誤差を発生する場
合、迅速に温度変化を検知して、不連続性が生じないガ
ス濃度測定装置を提供することができる。これにより、
周囲温度が急激に変化した前後での濃度演算値の差が大
きい場合にも、濃度出力の不連続変化を生じないガス濃
度測定装置を提供することができる。
【0014】また、前記温度検知素子が前記ガス検知素
子よりも温度が低い場所に設置された構成としてもよ
い。
【0015】このような構成では、センサの周囲温度が
急激に変わったり、風が直接センサに当たるなどの環境
下にあって、温度検知素子とガス検知素子の温度変化に
時間的な差が生じて測定濃度に大きな誤差を発生する場
合、温度変化速度を正確に検知して、不連続性が生じな
いガス濃度測定装置を提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、ガス検
知素子と、ガス検知素子の出力を測定する素子測定手段
と、ガス検知素子を加熱する加熱手段と、温度検知素子
と、温度検知素子で周囲温度を測定する温度測定手段
と、素子測定手段で測定した素子出力値と温度測定手段
で測定した温度測定値とを用いて濃度演算値を演算する
濃度演算手段と、濃度演算値を外部に出力する濃度出力
手段とを備え、更に、濃度演算手段から出力された濃度
演算値の誤差の大小を温度変化速度を基準にして判断
し、温度変化速度が基準値以上の場合には濃度演算値の
誤差が大きいと判断して、直前の濃度演算値を保持して
濃度出力手段に出力し、温度変化速度が基準値以下の場
合には濃度演算値の誤差が小さいと判断して、最新の濃
度演算値を濃度出力手段へ出力する濃度誤差判断手段を
設けたことを特徴とするガス濃度測定装置であり、温度
検知素子の周囲の温度が急激に変化した場合でも、温度
検知素子とガス検知素子の応答性の違いから生じる濃度
出力の演算誤差をできるだけ出力しないという作用を有
する。
【0017】請求項2に記載の発明は、温度検知素子と
ガス検知素子の熱時定数の比が0.7以上かつ1.2以
下であることを特徴とする請求項1記載のガス濃度測定
装置であり、温度検知素子の周囲の温度が変化した場
合、温度検知素子の方がガス検知素子よりも早く温度変
化を感知するという作用を有する。
【0018】請求項3に記載の発明は、温度検知素子が
ガス検知素子よりも温度が100℃以上低い場所に設置
されていることを特徴とする請求項1記載のガス濃度測
定装置であり、温度検知素子周囲の温度が変化した場
合、温度検知素子がガス検知素子よりも早く温度変化を
感知し、しかも温度変化速度を正確に検知するという作
用を有する。
【0019】以下に、本発明の実施の形態を具体的に図
面を参照しながら説明する。
【0020】本発明の一実施の形態におけるガス濃度測
定装置のブロック図を図1に示す。
【0021】図1において、1はガス検知素子、2はガ
ス検知素子1の出力を測定する素子測定手段、3はガス
検知素子1を加熱する加熱手段、4は温度検知素子、5
は温度検知素子4で周囲温度を測定する温度測定手段、
6は素子測定手段2で測定した素子出力値を温度測定手
段5で測定した温度測定値によって補正した検出対象ガ
スの濃度出力値を演算する濃度演算手段、7は濃度誤差
判断手段、8は濃度出力手段である。本発明のガス濃度
測定装置と従来構成とが異なる点は、濃度誤差判断手段
7を設けたことである。
【0022】本実施の形態による動作について具体的に
説明する。電源投入により加熱手段3によってガス検知
素子1の加熱が開始される。温度が安定してガス検知素
子1の出力が安定するまでの所定の時間、例えば15分
間、暖機運転を行う。暖機運転終了後、測定に入る。測
定では、任意の時間tにおいて、ガス検知素子の出力を
測定する素子測定手段2はガス検知素子1の出力値を測
定し、温度測定手段である温度検知素子4の出力値を測
定し、それぞれの測定値を、濃度演算手段6に出力す
る。濃度演算手段6はガス検知素子1の出力測定値と温
度検知素子4の出力測定値とから、検知対象ガスの濃度
演算値Rtと温度変化速度の絶対値Stを演算し、濃度
誤差判断手段7に出力する。濃度誤差判断手段7では、
温度変化速度を基準にして入力された濃度演算値の誤差
の大きさを判断し、濃度出力手段8へ出力する濃度出力
データを決定する。例えば1℃/分を判断基準として設
定する。入力された温度変化速度が1℃/分未満であれ
ば、濃度誤差判断手段7は濃度演算値の誤差は小さいと
判断し、濃度演算値をメモリに格納もしくは更新すると
ともに、メモリ値を濃度出力手段8に出力する。入力さ
れた温度変化速度の絶対値が1℃/分以上であれば、濃
度誤差判断手段7は濃度演算値の誤差は大きいと判断
し、メモリ値を更新することなく濃度出力手段8に出力
する。その後所定の時間が経過すると再び測定に戻り、
上記の動作が繰り返される。
【0023】本実施の形態のガス濃度測定装置を用いて
一定の炭酸ガス濃度を測定し、周囲温度を変えた場合の
濃度出力値の変化について図2の本実施の形態のガス濃
度測定装置を用いて一定の炭酸ガス濃度を測定し、周囲
温度を変えた場合の濃度出力値の変化を示す図を用いて
説明する。図2の(a)は温度検知素子4の出力変化
を、図2の(b)はその時の温度変化速度を、図2の
(c)は濃度演算値を、図2の(d)は濃度出力手段が
出力する濃度出力値を、それぞれ模式的に示したもので
ある。図2の(a)において、時刻t0からt3にかけて
温度がT0からT3へ変化している。このとき、図2の
(b)の温度変化速度をみると、時刻t1には基準のS
stdを越え、時刻t2には再びSstd未満となっている。
ガス濃度測定装置の濃度演算値は図2の(c)に示すよ
うに、温度変化速度が大きくなるに従って、R0からR
maxへ増加し、再びR0へ戻る。これに対し、濃度出力手
段8が出力する濃度データは、図2の(d)に示すよう
に、時刻t1からt2の間は温度変化速度が基準のS
stdを越える直前の濃度R1が出力され続け、時刻t2
に濃度演算値がそのまま出力される。
【0024】ガス検知素子1としては酸化物と炭酸塩の
混合体、固体電解質、アパタイトを用いたもの等、加熱
手段で高温に加熱して使うガス検知素子であれば特に限
定しない。
【0025】素子測定手段2や温度測定手段5として
は、抵抗値変化を検知する場合には平衡ブリッジ回路や
CR発振回路等を用い、起電力変化を検知する場合には
アンプを併用した電圧検知回路等を用いる。加熱手段3
としては、ニクロムやカンタル線をコイル上に巻いたヒ
ータを用いてもよいし、素子を形成する基板上にPtや
RuO2等の発熱抵抗体を印刷形成したものでもよい。
温度検知素子4としては、サーミスタや、ダイオード、
熱電対等があり、いずれを用いてもよい。濃度演算手段
6及び濃度誤差判断手段7はマイコンによって構成され
る。濃度出力手段8としては、濃度演算値を外部に表示
するものでもよく、あるいは外部の回路や装置を制御す
るための信号発生回路でもよい。
【0026】このように、本実施の形態により、ガス検
知素子1と温度検知素子4の応答性の違いによる濃度誤
差を低減した濃度出力を行うガス濃度測定装置を提供す
ることができる。
【0027】図3は本発明のガス濃度測定装置に具体的
な構成例であって、ガス検知素子1と加熱手段3と温度
検知素子4から構成されるガスセンサの概略構造図であ
る。
【0028】ガスセンサはベース301とキャップ30
2とによってケーシングされており、その内部にガス検
知素子1と温度検知素子4が設置されている。キャップ
302にはガス拡散用の細孔303がある。ガス検知素
子1はアルミナ基板304の上面に固定され、アルミナ
基板304の下面にPtヒータ印刷膜からなる加熱手段
3が形成されている。温度検知素子4はサーミスタによ
って構成されている。加熱手段3には端子306を通じ
て電力を供給し、ガス検知素子1の信号は端子307か
ら検出され、温度検知素子4の信号は端子308から検
出される。ガス検知素子1から端子306,307への
接続はPtリード線305により接続されている。形状
寸法の一例として、ガス検知素子1は1.6mm×1.
2mm×0.6mm、アルミナ基板304は3.4mm
×2.8mm×0.4mm、温度検知素子4としたサー
ミスタは外径が1.8mmであって長さは4mmであ
る。ベース301とキャップ302は難燃性樹脂、例え
ばPPSやABSなどを素材とし、ケーシングの外形は
例えば外径が16mmで長さは13mmである。
【0029】ガス検知素子1としては、例えば金属ある
いは希土類元素の酸化物と、アルカリ金属あるいはアル
カリ土類金属の炭酸塩の混合物からなるセラミックを用
いる。その作製方法を説明する。まず、混合粉砕工程と
して、所定の組成比で秤量された原料、例えばCe
2、BaCO3、CuOをボールミル等を用いて湿式混
合、粉砕し、乾燥機等を用いて乾燥させ、混合粉末を得
る。次に成型工程として、混合粉砕工程により得られた
混合粉末を板状や櫛形等の所定の形状に2ton/cm
2以下の圧力でプレス機を用いて成型する。次に焼成工
程として、成型工程で成型された成型物を700℃以上
1000℃以下、望ましくは800℃以上900℃以
下、さらに望ましくは850℃の温度で加熱して焼結す
ることによりセラミック素子が得られる。この時、焼成
時間は、2時間以上20時間以下、望ましくは5時間以
上15時間以下、さらに望ましくは10時間である。焼
成されたセラミック素子をX線回折によって分析する
と、原料のCeO2、BaCO3、CuOの他にBaCe
4や、BaCu24、BaO等の生成物が確認され
た。特にBaOはBaCO3が分解したものであり、大
気中のCO2分圧と平衡して残存したものである。原料
のBaCO3の代わりにBaOを用いた場合、殆どがB
aCO3になってわずかなBaOが残存するとともに、
BaCeO4や、BaCu24等が生成される。したが
って、原料としてアルカリ土類金属あるいはアルカリ金
属の、炭酸塩もしくは酸化物のいずれを用いてもよい。
このセラミック素子上に、公知の方法により少なくとも
2つの電極を形成することによって、炭酸ガス検知素子
が得られる。
【0030】温度検知素子4の熱時定数のガス検知素子
1の熱時定数に対する比は、0.7以上かつ1.2以下
であることが必要である。前記熱時定数の比が0.7未
満あるいは1.2より大きい場合は、温度検知素子4の
周囲で温度変化が起こった場合に濃度出力誤差が大きく
なり、好ましくない。ここで熱時定数は、物質の最初の
温度と最終到達温度との温度差の(1−1/e)、すな
わち63.2%の温度変化を要する時間で表される。具
体的には、ガス検知素子1の熱時定数は、ガス検知素子
1の出力が最初の温度での出力値から最終到達温度での
出力値まで変化するとき、出力値の差の63.2%変化
するのに要する時間である。温度検知素子4の熱時定数
も同様に定義される。周囲の温度と熱時定数は気流の有
無にも依存するので、測定条件は静止空気中とする。本
実施の形態で用いたガス検知素子と温度検知素子4の熱
時定数は、1秒から30秒までの特性である。
【0031】また、温度検知素子4が配置される場所と
しては、ガス検知素子1よりも温度が低いことが望まし
い。更に望ましくは100℃以下の低温である場所であ
る。通常の場合、ガス検知素子1は300℃から600
℃の範囲で加熱して使われるので、ガス検知素子1自体
の温度変化量を高いSN比で検知することは困難であ
る。例えば、温度検知素子4の設置場所の温度が最も高
温となっている加熱手段3とガス検知素子1の温度の間
であれば、温度検知素子4及びガス検知素子1のセンサ
構成部品の組立精度のバラツキにより、同じ周囲温度の
変化が起こっても、温度検知素子4が検知する温度変化
量は固体間でバラツキが大きく、温度変化速度の検知精
度が劣る結果となる。更に、温度検知素子4が加熱手段
3から受けるの熱ノイズも大きいので、温度検知素子4
の配置場所条件としてふさわしくない。したがって、温
度検知素子4が配置される場所としては、ガス検知素子
1よりも温度が低い場所である方が、周囲の温度変化を
検知する精度が高いので望ましい。更に望ましくは、ガ
ス検知素子1よりも100℃以上温度が低い場所であ
る。本条件によれば、温度検知素子4は加熱手段3から
の熱ノイズは十分に小さく、温度検知素子4の周辺の温
度変化を正確に検知できるので、正確な温度変化速度の
検知と、正確な濃度誤差判断が可能となる。また、温度
検知素子4が設置される場所はベース301とキャップ
302とからなるケーシングの外でもよいが、その場合
はなるべくガス検知素子1の近傍に設置する方が望まし
い。100℃以上温度が低い場所であれば、実際の温度
検知素子4の周囲温度変化と同等の温度変化量を温度検
知素子4が検知でき、高精度に濃度誤差判断手段7が機
能できる。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明の炭酸ガスセンサに
よれば、周囲温度が急激に変化した場合にもガス検知素
子と温度検知素子の応答性の違いによる濃度誤差を低減
し、信頼性の高いガス濃度測定装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるガス濃度測定装
置のブロック図
【図2】本実施の形態のガス濃度測定装置を用いて一定
の炭酸ガス濃度を測定し、周囲温度を変えた場合の濃度
出力値の変化を示す図
【図3】本発明のガス濃度測定装置に具体的な構成例で
あって、ガス検知素子と加熱手段と温度検知素子から構
成されるガスセンサの概略構造図
【符号の説明】
1 ガス検知素子 2 素子測定手段 3 加熱手段 4 温度検知素子 5 温度測定手段 6 濃度演算手段 7 濃度誤差判断手段 8 濃度出力手段 301 ベース 302 キャップ 303 細孔 304 アルミナ基板 305 Ptリード線 306 ヒータ用端子 307 ガス検知素子用端子 308 温度検知素子用端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 信司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G004 BF30 BH09 BJ02 BK01 BL08 BL19 2G046 AA12 BB02 BE03 BF05 BH06 BJ02 DB05 DC13 DC14 DC18 FB02 FE04 FE11 FE18 2G060 AA01 AB09 AE19 AF07 AF10 BA01 BB09 BD02 HC02 HC07 HC13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガス検知素子と、前記ガス検知素子の出力
    を測定する素子測定手段と、前記ガス検知素子を加熱す
    る加熱手段と、温度検知素子と、前記温度検知素子で周
    囲温度を測定する温度測定手段と、前記素子測定手段で
    測定した素子出力値と前記温度測定手段で測定した温度
    測定値とを用いて濃度演算値を演算する濃度演算手段
    と、前記濃度演算値を外部に出力する濃度出力手段とを
    備え、更に、前記濃度演算手段から出力された前記濃度
    演算値の誤差の大小を温度変化速度を基準にして判断
    し、温度変化速度が基準値以上の場合には前記濃度演算
    値の誤差が大きいと判断して、直前の濃度演算値を保持
    して前記濃度出力手段に出力し、温度変化速度が基準値
    以下の場合には前記濃度演算値の誤差が小さいと判断し
    て、最新の濃度演算値を前記濃度出力手段へ出力する濃
    度誤差判断手段を設けたことを特徴とするガス濃度測定
    装置。
  2. 【請求項2】前記温度検知素子と前記ガス検知素子の熱
    時定数の比が0.7以上かつ1.2以下であることを特
    徴とする請求項1記載のガス濃度測定装置。
  3. 【請求項3】前記温度検知素子が前記ガス検知素子より
    も温度が100℃以上低い場所に設置されていることを
    特徴とする請求項1記載のガス濃度測定装置。
JP2000084323A 2000-03-24 2000-03-24 ガス濃度測定装置 Pending JP2001272370A (ja)

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