JP2002098668A - 二酸化炭素濃度測定装置 - Google Patents

二酸化炭素濃度測定装置

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JP2002098668A
JP2002098668A JP2000290901A JP2000290901A JP2002098668A JP 2002098668 A JP2002098668 A JP 2002098668A JP 2000290901 A JP2000290901 A JP 2000290901A JP 2000290901 A JP2000290901 A JP 2000290901A JP 2002098668 A JP2002098668 A JP 2002098668A
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carbon dioxide
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dioxide concentration
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Akira Shibue
明 渋江
Susumu Takada
進 高田
Shizuko Kumazawa
志津子 熊澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、室温で作動し、十分な感度と応答性
が得られ、選択性が高く、耐湿性にも優れ、単純な構造
の測定系を有する二酸化炭素濃度測定装置を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】センサ部1には二酸化炭素濃度に応じて起
電力を生じるセンサが内蔵されている。センサ部1から
出力される検出信号は、オペアンプで構成される高入力
インピーダンスの入力部10に入力してインピーダンス
変換され、次段のオフセット調整回路20に入力する。
オフセット調整回路20においてセンサの個体差による
初期起電力のばらつきが調整され、調整された検出信号
が次段以降の増幅部30、逆対数増幅部40を経て表示
部50に入力し、表示部50において二酸化炭素濃度が
表示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内外の環境制
御、施設園芸等の農工業プロセス、防災用途などに使用
される二酸化炭素濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、空調の普及に伴う室内空気の汚染
の検知、畜産における施設内空気の汚染の検知、園芸施
設における植物の成長制御、各種工業プロセスなどを中
心に、二酸化炭素センサに対するニーズが高まってお
り、種々の方式の二酸化炭素センサが提案されている。
【0003】具体的には、例えば、赤外線吸収方式の二
酸化炭素センサが実用化されている。しかし、この方式
のセンサは、装置が大きいこと、高価であることなどか
ら、普及するには至っていない。また、半導体を用いた
センサも提案されているが、このセンサは二酸化炭素の
選択性に劣るため、二酸化炭素のみの濃度を測定するこ
とが困難である。
【0004】さらに、小型で安価なセンサとして、固体
電解質を用いたものが提案されている。丸山ら{第10
回固体イオニクス討論会講演要旨集69(1983)}
は、二酸化炭素と解離平衡を形成する炭酸カリウムなど
の固体電解質に一対の電極を形成し、一方に濃度既知の
基準ガスを接触させて、雰囲気ガスの濃度差による起電
力を測定する濃淡分極型センサを提案している。また、
丸山らは、このような濃淡分極型センサの他、NASI
CON(ナトリウムスーパーイオン伝導体:Na3Zr2
Si2PO12)などのアルカリ金属イオン伝導性の固体
電解質に一対の電極を形成し、一方に炭酸ナトリウムな
どの二酸化炭素と解離平衡を形成する金属炭酸塩層を設
けて検知極とし、他方を二酸化炭素不感応性電極とし
た、いわゆる起電力検出型センサも提案している。
【0005】固体電解質を用いた小型で安価な二酸化炭
素センサの問題点としては、まず材料として使用される
金属炭酸塩が湿度の影響を受けやすいことがある。この
問題を解決するためには、センサ素子のガス検知部以外
を密閉したり、センサをヒータにより加熱して作動温度
を高くして、湿度の影響を低減しなければならない。上
記のセンサの作動温度は400〜700℃と高温であ
る。作動温度が高いと、センサ全体の消費電力が大き
く、また、材料の熱劣化が起こる等の問題が生じてく
る。また、数百度の熱は、たとえ小さなヒータからであ
ってもセンサ周辺を加温し、空気の対流を発生させるな
ど、測定環境に微妙な影響を与えてしまうという問題も
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、非加熱タ
イプのセンサが、特開平11−271270号公報に開
示されている。NASICONを固体電解質とし、作用
極に金属酸化物を用いた起電力発生型のセンサで、室温
で作動し、十分な感度と特に十分な応答性とが得られ、
選択性が高く、耐湿性にも優れている。しかしながら、
NASICONを300℃以下で使用するため、素子の
持つインピーダンスが高くなり、専用の高価な測定装置
(ポテンショメータ)を用いる必要が生じ、小型化が困
難であった。
【0007】本発明の目的は、室温で作動し、十分な感
度と応答性が得られ、選択性が高く、耐湿性にも優れ、
小型で単純な構造を備えた信号処理系を有する二酸化炭
素濃度測定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、検知極と参
照極とがそれぞれ固体電解質に接して設けられ、−70
℃〜500℃の比較的低温範囲で二酸化炭素濃度に応じ
て起電力を生じる二酸化炭素センサを備えたセンサ部
と、前記起電力に基づく検出信号を出力する前記センサ
部に対して高い入力インピーダンスを有する入力部と、
前記入力部でインピーダンス変換された前記検出信号に
対してオフセット電圧を印加するオフセット調整回路と
を備えていることを特徴とする二酸化炭素測定装置によ
って達成される。
【0009】上記本発明の二酸化炭素濃度測定装置にお
いて、前記入力部は、109Ω以上の入力インピーダン
スを有していることを特徴とする。また、前記入力部
は、ボルテージホロア回路を有していることを特徴とす
る。
【0010】上記本発明の二酸化炭素濃度測定装置にお
いて、前記固体電解質が金属イオン導電体を含有し、前
記検知極が金属酸化物層と集電体とを有し、前記金属酸
化物層が、酸化インジウム、酸化スズ、酸化コバルト、
酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化銅、酸化
鉄、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化カドミウム、酸化
ビスマス、酸化マンガン、酸化イットリウム、酸化ジル
コニウム、酸化アンチモン、酸化アルミニウム、酸化ラ
ンタン、酸化セリウム、酸化プラセオジウム、酸化ネオ
ジウム、酸化銀、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化
カリウム、酸化ルビジウム、酸化セシウム、酸化マグネ
シウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バ
リウムのいずれか一種以上を含有することを特徴とす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態による二酸
化炭素濃度測定装置を図1乃至図7を用いて説明する。
まず、本実施の形態による二酸化炭素濃度測定装置の概
略の構成について図1に示す機能ブロックを用いて説明
する。まず、センサ部1は、二酸化炭素を含む雰囲気中
に設置され、雰囲気中の二酸化炭素の濃度に応じて起電
力を生じる二酸化炭素センサを内蔵している。センサ部
1で生じた起電力は、オペアンプで構成される入力部1
0に計測信号として入力するようになっている。入力部
10は、センサ部1の内部インピーダンスを考慮した高
入力インピーダンスに構成されていると共に低い出力イ
ンピーダンスを有している。
【0012】入力部10によりインピーダンス変換され
た計測信号は、オフセット調整回路20に入力する。セ
ンサ部1の初期起電力には二酸化炭素センサ毎にばらつ
きがあるので、オフセット調整回路20でオフセット電
圧を印加して計測信号の電圧レベルを調整する。これに
より、いずれのセンサ部1を用いても二酸化炭素濃度に
応じて等しい出力電圧を得ることができるようになる。
【0013】オフセット調整回路20により調整された
計測信号は、増幅部30に入力して所定の増幅率で増幅
される。二酸化炭素濃度の変化に対してセンサ部1の起
電力は対数的に変化するので、計測信号を逆対数増幅部
40に入力して指数関数的に変化する計測信号を出力さ
せる。この計測信号は表示部50に入力されて所定の形
式(アナログ表示あるいはデジタル表示)で二酸化炭素
濃度が表示される。このように、本実施の形態の二酸化
炭素濃度測定装置によれば、非常に簡単な回路構成で二
酸化炭素濃度を測定・表示することが可能である。
【0014】次に、本実施の形態による二酸化炭素濃度
測定装置のセンサ部1の概略の構成について図2を用い
て説明する。図2に示すように、本実施の形態による二
酸化炭素濃度測定装置のセンサ部1の二酸化炭素センサ
は、検知極3が金属酸化物層4と集電体5とを有してい
る。金属酸化物層4は、酸化インジウム、酸化スズ、酸
化コバルト、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化鉛、酸
化銅、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化カドミ
ウム、酸化ビスマス、酸化マンガン、酸化イットリウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化アルミニ
ウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジウ
ム、酸化ネオジウム、酸化銀、酸化リチウム、酸化ナト
リウム、酸化カリウム、酸化ルビジウム、酸化セシウ
ム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロン
チウム、酸化バリウムのいずれか一種以上を含有するこ
とにより、応答性が向上し、低温での迅速な測定が可能
になる。
【0015】さらに金属酸化物層4は、金属酸化物の他
に、金属炭酸水素塩および/または金属炭酸塩を含有さ
せても良い。これらにより二酸化炭素の検出に必須の炭
酸水素イオンの生成が促進され、感度、応答速度、選択
性などの応答性が向上する。なお、金属炭酸塩は、二酸
化炭素、水分と反応して金属炭酸水素塩となり、二酸化
炭素に由来する炭酸水素イオンの生成を促進すると考え
られる。
【0016】金属炭酸水素塩としては、例えば、アルカ
リ金属の炭酸水素塩などがあり、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシ
ウム等が挙げられる。これらは1種を用いても2種以上
を併用してもかまわない。中でも、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、特に炭酸水素ナトリウムを用い
ることが好ましい。
【0017】また、金属炭酸塩としては、例えば、炭酸
リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジ
ウム、炭酸セシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸マンガ
ン、炭酸鉄、炭酸ニッケル、炭酸銅、炭酸コバルト、炭
酸クロム、炭酸亜鉛、炭酸銀、炭酸カドミウム、炭酸イ
ンジウム、炭酸イットリウム、炭酸鉛、炭酸ビスマス、
炭酸ランタン、炭酸セリウム、炭酸プラセオジム、炭酸
ネオジム等が挙げられる。金属炭酸塩は1種を用いても
2種以上を併用してもよい。中でも、炭酸リチウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウムを用いることが好ましい。
また、金属炭酸水素塩と併用する場合、用いる金属炭酸
水素塩と同じ金属の炭酸塩を用いることが好ましい。特
に、固体電解質2の可動イオン種と同じ金属の炭酸水素
塩、炭酸塩を用いることが好ましい。金属炭酸水素塩お
よび/または金属炭酸塩は、2種以上を併用してもよ
く、この場合、金属炭酸水素塩同士あるいは金属炭酸塩
同士であってもよく、また、金属炭酸水素塩と金属炭酸
塩とを併用することもできる。
【0018】金属炭酸水素塩および/または金属炭酸塩
を含有させることにより、安定なペーストを塗布して検
知極3を形成できるために、検知極3の固体電解質2に
対する密着性がよくなり、応答速度が向上する。しか
も、検知極3の形成時にスクリーン印刷等の作業が容易
になるため、生産性が向上する。さらには、電極の強度
も強くなる。
【0019】また、集電体5を多孔質としたり、集電体
5を金属酸化物層4を挟んで固体電解質2に対向して設
けたりすることにより、検知極3自体がガス拡散層とし
て働くため、さらに迅速な応答が得られるようになる。
【0020】さらには、対極6に金属酸化物を用いるこ
とにより、共存ガスの影響が軽減し、高い二酸化炭素選
択性が得られる。また、耐湿性が向上し、特に低温での
測定時の湿度の影響が軽減される。本実施の形態による
センサ部1の作動温度は、検知極3と対極6との組み合
わせにより、従来の固体電解質2を用いた二酸化炭素セ
ンサよりも低温で作動させることができ、消費電力の低
減が可能となる。本実施の形態によるセンサ部1の最適
作動温度は、センサ部1を構成する材料や共存ガスの種
類等によっても異なるが、−70℃〜500℃、好まし
くは−70℃〜200℃、より好ましくは−50℃〜1
20℃の範囲である。
【0021】ところで、固体電解質2は電気伝導の際、
電子、正孔、イオンの中で、イオンによる電荷移動が大
きく寄与するもので、イオン導電体ともいわれるが、電
子伝導性が全く無いものではない。特に、低温で動作さ
せる場合、可動イオンの移動度が低下して伝導性が低下
するばかりでなく、固体電解質2表面に付着した水分な
どにより電子導電性が増加する。従って、低温で動作さ
せた場合、固体電解質2の電子伝導性により、固体電解
質2内部に閉回路が形成される。固体電解質2内の電子
伝導が、外部の信号処理回路の電気伝導よりも大きい場
合は、短絡された形となり、センサの外部出力が減少す
る。また、その影響は固体電解質2の外部からそれに相
当する電流が流入した場合、固体電解質2表面で酸素還
元反応が生じ、電極近傍に導電イオン金属の酸化物が蓄
積するなど測定系の変化を招き、センサの出力変動や経
時的な変化を大きくする弊害をもたらす。
【0022】そこで、本実施の形態では、センサ部1に
接続される信号処理回路の入力段の入力インピーダンス
を高めて、測定中のセンサに流れる電流を極力低く抑え
ることにより、センサの出力を安定にし、且つ寿命を実
用に耐えるまでに延ばすようにしている。
【0023】図3は、本実施の形態による二酸化炭素濃
度測定装置のセンサ部1に接続される信号処理回路の入
力部10の一例を示している。入力部10は、オペアン
プを用いた差動増幅回路であり、特に、高い入力インピ
ーダンスが得られるインスツルメンテーションアンプ
(計測用増幅器)の構成になっている。
【0024】オペアンプ12の出力端子と反転入力端子
とを接続したボルテージホロワ回路13の非反転入力端
子にセンサ部1の例えば検知極3が接続されている。一
方、オペアンプ14の出力端子と反転入力端子とを接続
したボルテージホロワ回路15の非反転入力端子にセン
サ部1の対極6が接続されている。
【0025】ボルテージホロア回路13の出力端子は、
抵抗R1を介してオペアンプ16の反転入力端子に接続
されている。一方、ボルテージホロア回路15の出力端
子は、抵抗R3を介してオペアンプ16の非反転入力端
子に接続されている。また、オペアンプ16の出力端子
は抵抗R2を介して反転入力端子に接続されて負帰還が
かけられている。
【0026】このように入力部10は、差動増幅回路と
して機能するオペアンプ16の両入力端子にそれぞれボ
ルテージホロワ回路13、15を接続して、高入力イン
ピーダンスの入力段を構成している。このような構成に
おいて、ボルテージホロア回路13、15の非反転入力
端子間にセンサ部1の検知極3及び対極6間の電圧v i
が印加される。例えば、抵抗R1とR3の抵抗値が同じ
(例えば2kΩ)で、抵抗R2とR4の抵抗値が同じ
(例えば4kΩ)とする。ボルテージホロワ回路13、
15の増幅率A1、A2はそれぞれ1であり、オペアン
プ16は反転増幅回路であるから、入力部10の増幅率
A3は、A3=R2/R1=2となる。従って、出力電
圧vOは、vO=−2viとなる(但し、“−”は位相が
反転していることを示す)。
【0027】入力部10の構成によれば、差動増幅回路
であるため、センサ部1側で生じる同相入力電圧成分を
除去して、計測した二酸化炭素濃度に応じた電圧だけを
取り出すことができるだけでなく、入力インピーダンス
を極めて高くすることができる。これにより、低温望ま
しくは非加熱の状況で使用するために内部インピーダン
スが高くなるセンサ部1に対して正確な測定が可能とな
る。
【0028】ところで、上述のように内部インピーダン
スが極めて高くなるセンサ部1は、製造されたセンサ素
子毎の初期起電力のばらつきが大きくなってしまう傾向
を有している。図4は、製造されたセンサ素子の初期起
電力のばらつきを示している。図4の横軸は二酸化炭素
濃度(単位:ppm)を対数表示し、縦軸は起電力(単
位:mV)の線形表示である。また、図4において細か
いピッチの破線(点線)は初期起電力の最大値を示し、
長いピッチの破線は初期起電力の最小値を示し、直線は
その平均値を示している。図4に示すように、初期起電
力が異なっても、二酸化炭素濃度変化に対する起電力変
化(曲線の傾き)はどの素子もほぼ一定であることが分
かる。
【0029】従って、高い入力インピーダンスを有する
入力部10の直後に、起電力のばらつきに基づく計測信
号のばらつきを補正するオフセット調整回路20を接続
して初期値を調整すれば、素子の個体差を解消して一定
の計測信号出力が得られる。従って、表示部50での調
整が不要となり、より単純な回路とすることができるた
め、測定回路を簡略化して測定装置の小型化が可能であ
る。
【0030】そこで、本実施の形態による信号処理回路
では、入力部10の直後に図5に示すようなオフセット
調整回路20を設けている。図5に示すように、オフセ
ット調整回路20にはオペアンプ18が設けられ、オペ
アンプ18の反転入力端子には抵抗R5を介して入力部
10の出力電圧vOが入力するようになっている。オペ
アンプ18の出力端子は抵抗R6を介して反転入力端子
に接続されて負帰還がかけられている。オペアンプ18
の非反転入力端子には、抵抗R7、R8、及びR9を備
えた直流電圧調整部が構成されている。可変抵抗器を調
節してオペアンプ18の非反転入力端子に初期起電力の
ばらつきに応じて微小な直流電圧を印加することにより
オペアンプ18の出力端子の出力電圧vO’を所望の電
圧に調整することができる。
【0031】
【実施例】以下、本実施の形態を実施例及び比較例を用
いてより具体的に説明する。 (実施例1)固体電解質2としてNASICONを合成
した。市販のリン酸ナトリウム、ケイ酸ジルコニウム及
び二酸化ケイ素を所定量取り、ボールミルにて24時間
粉砕した。この粉体に圧力を加えて円形状に成形した後
1200℃で48時間焼成し、次いで、0.5mm厚に
研磨した後カットしてNASICONペレットを得た。
【0032】次に、酸化インジウム(In23)の粉末
(平均粒径:10nm〜100μm)50mgに5wt
%のエチルセルロースを含むα−テルピネオールを50
wt%加えてよく混合し、ペースト状にした。このペー
ストの粘度は10,000〜100,000poise
であった。このペーストを固体電解質2のNASICO
Nペレット(10mm径、1mm厚さ)の上面に塗布
し、750℃で2時間加熱処理し金属酸化物層4を設け
た。その上面に集電体5のAuメッシュ(100メッシ
ュ)を設けて検知極3とした。ペレットの下面には、A
uメッシュ(100メッシュ)を設けて対極6とした。
NaHCO3粉末(平均粒径:0.1〜100μm)と
水とを混合し、水溶液にしたものを上記の金属酸化物層
(酸化インジウム層)に含浸させ、その後乾燥して検知
極3を作製した。そして、それぞれの電極からリード線
を接続し、図2に示す二酸化炭素センサを備えたセンサ
部1を得た。
【0033】このセンサ部1の出力信号を、入力インピ
ーダンスが1011Ωである入力部10を備えた信号処理
回路(測定記録計)に接続して、350ppmの二酸化
炭素濃度の空気中での長期間の連続測定を行なった。そ
の結果を図6の曲線Aで示す。図6の横軸は測定時間経
過(単位:分)を表し、縦軸は、センサ出力(単位:m
V)を表している。曲線Aはほぼセンサ出力が一定の直
線状であり、センサ出力は平均−100mVを示して1
ヶ年以上経過後も出力の低下は見られなかった。入力部
10の入力インピーダンスを1011Ωから109Ωまで
下げてもセンサ出力は0.5mVしか低下せず、108
Ωまで下げると−40mVを示し、明瞭な出力低下が見
られた。図6の曲線Bは、入力部10の入力インピーダ
ンスが109Ωの場合を示している。
【0034】(比較例1)実施例1と同様に作製した固
体電解質2により実施例1と同じ工程でセンサ部1を作
製し、これを直接に市販のペンレコーダ(入力インピー
ダンスは106Ω)に接続し、同様に350ppmの二
酸化炭素濃度の空気中での測定を行った。図6の曲線C
にその結果の一例を示す。これより明らかなように、初
期出力は約−27mV前後であったが、約3mV/mi
nで低下し、10分後に起電力が0となった。
【0035】(実施例2)実施例1と同様に作製したセ
ンサ部1を、実施例1と同様の測定回路で測定し、35
0ppmの二酸化炭素濃度の空気中で測定し、センサ出
力が約−100mVあることを確認後、センサ部1を入
力インピーダンスが1011Ωの入力部10に接続した。
入力部10の出力を比較例1の市販のペンレコーダ(入
力インピーダンス:106Ω)に入力したところ、約−
100mVを示し、実施例1と同様でそれ以上の出力変
動は観測されなかった。
【0036】(比較例2)実施例2と同様に、センサ出
力が−100mVあることを確認した後、センサ部1を
直接に比較例1で用いた市販のペンレコーダ(入力イン
ピーダンス:10 6Ω)に入力したところ、出力が瞬時
に減少して測定不能となった。図6の曲線Dにその結果
の一例を示す。
【0037】(実施例3)実施例1と同様にして100
個のセンサを作成し、二酸化炭素濃度に対する出力を図
3に示す入力部10に接続してその出力電圧vOを測定
した。出力電圧vOは、図4に示すように、二酸化炭素
濃度の対数と1次の関係にあった。また、初期出力のば
らつきは、−120mV〜−70mVで最大50mVで
あった。
【0038】(実施例4)実施例3で作成した素子10
0個の二酸化炭素濃度に対する出力を図1の信号処理回
路に接続して測定した。測定の際、二酸化炭素濃度が3
50ppmでの出力をオフセット調整回路20にて−1
00mVに調整した。1日後に同様の測定を行ったとこ
ろ、いずれの素子も二酸化炭素濃度が350ppmで−
100mVの出力が観測された。
【0039】本発明は、上記実施の形態に限らず種々の
変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、入力
部10の入力段にボルテージホロワ回路13、15を備
えたインスツルメンテーションアンプ(計測用増幅器)
を用いたが、例えば図7に示すような他の計測用増幅器
を用いることももちろん可能である。
【0040】図7に示す回路は、図3に示したボルテー
ジホロア回路13に代えて、オペアンプ12の出力端子
と反転入力端子とを抵抗R10を介して接続した非反転
増幅回路となっている。また、図3に示したボルテージ
ホロア回路15に代えて、オペアンプ14の出力端子と
反転入力端子とを抵抗R14を介して接続した非反転増
幅回路になっている。さらに、オペアンプ12の反転入
力端子と抵抗R10との接続点と、オペアンプ14の反
転入力端子と抵抗R11との接続点が抵抗R12を介し
て接続されている。この回路において、抵抗R10と抵
抗R11の抵抗値を同じにして、抵抗R12の抵抗値を
調節することにより、増幅率を変えることができる。
【0041】図7に示す入力部10の構成も差動増幅回
路であり、センサ部1側で生じた同相入力電圧成分を除
去して、計測した二酸化炭素濃度に応じた計測信号だけ
を取り出すことができるだけでなく、入力インピーダン
スを極めて高くすることができるので、センサ部1の内
部インピーダンスが高くても正確な測定が可能となる。
【0042】また、図7に示す回路は、高い入力インピ
ーダンスが得られるだけでなく大きなCMRR(同相入
力電圧除去比)が得られるので、センサ部1の固体電解
質2の内部インピーダンスが極めて高い場合でも良好な
CMRRを得ることが可能である。
【0043】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、室温で作
動し、十分な感度と応答性が得られ、選択性が高く、耐
湿性にも優れ、小型で単純な構造を備えた信号処理系を
有する二酸化炭素濃度測定装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による二酸化炭素濃度測
定装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態による二酸化炭素濃度測
定装置のセンサ部1の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態による二酸化炭素濃度測
定装置の入力部10の概略構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態による二酸化炭素濃度測
定装置のセンサ部1における二酸化炭素濃度とセンサ出
力の関係を示すグラフである。
【図5】本発明の一実施の形態による二酸化炭素濃度測
定装置のオフセット調整回路20の概略構成を示す図で
ある。
【図6】本発明の一実施の形態による二酸化炭素濃度測
定装置のセンサ部1に異なる入力インピーダンスを持つ
入力部を接続した場合の、時間−素子出力を示すグラフ
である。
【図7】本発明の一実施の形態による二酸化炭素濃度測
定装置における入力部10の変形例の概略構成を示す図
である。
【符号の説明】
1 センサ部 2 固体電解質 3 検知極 4 金属酸化物層 5 集電体 6 対極 10 入力部 12、14、16、18 オペアンプ 13、15 ボルテージホロア回路 20 オフセット調整回路 30 増幅部 40 逆対数増幅部 50 表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊澤 志津子 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 2G004 ZA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検知極と参照極とがそれぞれ固体電解質に
    接して設けられ、−70℃〜500℃の比較的低温範囲
    で二酸化炭素濃度に応じて起電力を生じる二酸化炭素セ
    ンサを備えたセンサ部と、 前記起電力に基づく検出信号を出力する前記センサ部に
    対して高い入力インピーダンスを有する入力部と、 前記入力部でインピーダンス変換された前記検出信号に
    対してオフセット電圧を印加するオフセット調整回路と
    を備えていることを特徴とする二酸化炭素測定装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の二酸化炭素濃度測定装置に
    おいて、 前記入力部は、109Ω以上の入力インピーダンスを有
    していることを特徴とする二酸化炭素測定装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の二酸化炭素濃度測
    定装置において、 前記入力部は、ボルテージホロア回路を有していること
    を特徴とする二酸化炭素測定装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項に記載の二
    酸化炭素濃度測定装置において、 前記固体電解質が金属イオン導電体を含有し、前記検知
    極が金属酸化物層と集電体とを有し、前記金属酸化物層
    が、酸化インジウム、酸化スズ、酸化コバルト、酸化タ
    ングステン、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化銅、酸化鉄、酸化
    ニッケル、酸化クロム、酸化カドミウム、酸化ビスマ
    ス、酸化マンガン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウ
    ム、酸化アンチモン、酸化アルミニウム、酸化ランタ
    ン、酸化セリウム、酸化プラセオジウム、酸化ネオジウ
    ム、酸化銀、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリ
    ウム、酸化ルビジウム、酸化セシウム、酸化マグネシウ
    ム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウ
    ムのいずれか一種以上を含有することを特徴とする二酸
    化炭素濃度測定装置。
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