JPH09264863A - 炭酸ガスセンサ及びその製造方法 - Google Patents

炭酸ガスセンサ及びその製造方法

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JPH09264863A
JPH09264863A JP7272296A JP7272296A JPH09264863A JP H09264863 A JPH09264863 A JP H09264863A JP 7272296 A JP7272296 A JP 7272296A JP 7272296 A JP7272296 A JP 7272296A JP H09264863 A JPH09264863 A JP H09264863A
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carbon dioxide
ceramic element
oxide
temperature
carbonate
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JP7272296A
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Shogo Matsubara
正吾 松原
Shinichiro Kaneko
信一郎 金子
Shoichi Shimizu
章一 志水
Shinji Morimoto
信司 森本
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高湿雰囲気による感度の出力変化及び特性の
経時劣化を抑え、耐久性と信頼性を高めた炭酸ガスセン
サを提供することを目的とする。 【解決手段】 CO2を検知するための2種以上の混合
物からなるセラミックス素子10とセラミックス素子1
0の上に形成された少なくとも一対のインピーダンス検
出用の電極11とから構成される炭酸ガスセンサであっ
て、セラミックス素子10を炭酸塩と炭酸塩分解触媒と
半導体酸化物との混合物からなる構成としたことによ
り、水に対する化学安定性が優れているため、炭酸ガス
センサの高湿雰囲気による感度の出力変化及び特性の経
時劣化を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸ガス濃度を計
測、制御を必要とする環境衛生、施設園芸、防災用、工
業用等の施設で使用する炭酸ガスセンサに関し、特に電
気抵抗、静電容量等を変化させて炭酸ガス濃度を検知す
る炭酸ガスセンサ及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のCO2センサには赤外線吸収型,
固体電解質型等がある。赤外線吸収型はレーザー発光素
子と受光センサから構成され、精密な測定ができる反
面、装置が大きく高価であるために分析機器として用い
られている。固体電解質型はNASICONやLi−T
i−O酸化物などが用いられており、水分に対して弱い
欠点を有している。また、電極/炭酸塩/固体電解質か
らなる構成で電池を形成しており、構造が複雑である。
これらの材料の不安定さと構造の複雑さから、特性の信
頼性と寿命の点で問題を有していた。
【0003】一方、静電容量変化によりCO2の検知を
行うセラミック粉末と非複合系金属酸化物との混合物か
らなるCO2センサは、上記の問題を解決する手段とし
て、特開平4−24548号公報にはBaTiO3やS
rTiO3等のペロブスカイト型酸化物とCuOやNi
O等の非複合系酸化物との混合物からなるセンサを、特
願平6−313410号公報ではCuO,CaO,Mg
O等の炭酸塩を形成する酸化物からなる容量検知型セン
サが報告されている。これらのセンサは室温では化学的
に安定な酸化物を主成分としており、構造も単純なコン
デンサ構造であることが特徴である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の固体電解質型あるいは容量検知型センサでは、高湿
度の雰囲気におかれた場合に素子自身が膨潤して特性が
劣化したり、電極のはく離を生じたり、あるいは検知材
料であるアルカリ金属炭酸塩が溶出する等して経時劣化
を引き起こすという問題点を有していた。
【0005】また、従来の固体電解質型あるいは容量検
知型センサでは動作時に素子の温度を400℃〜600
℃に制御する必要があるが、高湿雰囲気で使用する場合
には水分が蒸発するときに気化熱が奪われ、素子自身の
温度が変動しやすい問題があった。素子の静電容量とC
2感度は温度に強く依存するために、素子の温度制御
性を更に向上させる必要があった。
【0006】本発明は以上の課題を解決し、高湿雰囲気
による感度の出力変化及び特性の経時劣化を抑え、耐久
性と信頼性を高めた炭酸ガスセンサ及びその製造方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、CO2を検知するための2種以上の混合物
からなるセラミックス素子とセラミックス素子の上に形
成された少なくとも一対のインピーダンス検出用の電極
とから構成されるセンサ素子であって、セラミックス素
子が炭酸塩と炭酸塩分解触媒と半導体酸化物との混合物
からなる構成としたものである。
【0008】この発明によれば、高湿雰囲気による感度
の出力変化及び特性の経時劣化を抑え、耐久性と信頼性
を高めた炭酸ガスセンサ及びその製造方法を提供するこ
とができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、CO2を検知するための2種以上の混合物からなる
セラミックス素子と前記セラミックス素子の上に形成さ
れた少なくとも一対のインピーダンス検出用の電極とか
ら構成されるセンサ素子であって、前記セラミックス素
子が炭酸塩と炭酸塩分解触媒と半導体酸化物との混合物
からなる構成としたものであり、構成原料の水に対する
化学安定性が優れているため、炭酸ガスセンサの高湿雰
囲気による感度の出力変化及び特性の経時劣化を抑制で
きるという作用を有する。
【0010】本発明の請求項2に記載の発明は、CO2
をインピーダンス変化で検知するセラミックス素子と、
CO2に対して不活性で前記セラミックス素子と同じイ
ンピーダンスの温度特性を有する基準素子と、前記セラ
ミックス素子と前記基準素子のインピーダンスを比較し
て相関出力する回路とからなり、前記基準素子によって
前記セラミックス素子の温度補償及び経時変化補償をす
る構成としたものであり、炭酸ガスセンサの検出値の信
頼性が増すという作用を有する。
【0011】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
2において、前記セラミックス素子が炭酸塩と炭酸塩分
解触媒と、酸化銅、酸化鉛、酸化鉄から選ばれる酸化物
との混合物であり、前記基準素子が炭酸塩を含まないこ
とを除き前記セラミックス素子と同じ組成の混合物であ
る構成としたものであり、炭酸ガスセンサの検出値の信
頼性が増すという作用を有する。
【0012】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
1、2、3いずれか1において、前記炭酸塩はアルカリ
金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩から選ばれる少な
くとも1種である構成としたものであり、炭酸ガスセン
サの高湿雰囲気による感度の出力変化及び特性の経時劣
化を抑制できるという作用を有する。
【0013】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
1、2、3いずれか1において、前記炭酸塩分解触媒は
ペロブスカイト型酸化物、希土類酸化物、酸化鉛から選
ばれる少なくとも1種である構成としたものであり、C
2濃度に対する炭酸塩の生成・分解の反応性を高め炭
酸ガスセンサの感度が高まるという作用を有する。
【0014】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
1、2、3いずれか1において、前記半導体酸化物が酸
化銅、酸化鉛、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化錫から選ばれる
少なくとも1種である構成としたものであり、CO2
スの濃度に応じた炭酸塩の分解生成反応を電気信号に変
換して増幅するので炭酸ガスセンサの感度が高まるとい
う作用を有する。
【0015】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
1、2、3、4、5、6いずれか1において、電極に貴
金属、あるいは、酸化物導電体を用いる構成としたもの
であり、水分による電極の酸化防止、剥離離防止の作用
を有する。
【0016】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
7において、前記貴金属がPtである構成としたもので
あり、水分による電極の酸化防止、剥離離防止に特に優
れる作用を有する。
【0017】本発明の請求項9に記載の発明は、請求項
7において、前記酸化物導電体がRuO2である構成と
したものであり、水分による電極の酸化防止、剥離離防
止に特に優れる作用を有する。
【0018】本発明の請求項10に記載の発明は、請求
項1、2、3、4、5、6、7、8、9いずれか1にお
いて、前記セラミックス素子を加熱する手段を有し、初
めに通電動作させるときに、前記セラミックス素子を1
10℃以上250℃以下、あるいは600℃以上800
℃以下に加熱処理し、しかる後に400℃以上600℃
以下の温度に保持する構成としたものであり、セラミッ
クス素子に吸着された水分をセラミックス素子の構成材
料と反応させることなく効果的に脱離させる作用を有す
る。
【0019】本発明の請求項11に記載の発明は、請求
項10において、前記セラミックス素子の温度制御にお
いて、前記セラミックス素子の温度を検知してヒータ出
力装置にフィードバックする手段を具備する構成とした
ものであり、高湿度雰囲気においても水分蒸発による気
化熱の影響を排除した温度制御が行えるという作用を有
する。
【0020】本発明の請求項12に記載の発明は、請求
項1、2、3、4、5、6、7、8、9いずれか1記載
の炭酸ガスセンサであって、前記セラミックス素子の原
料粉末にシリカを主成分とするゾル溶液を固形成分が1
wt%から15wt%になるように添加して所定の形状
にプレス成形し、550℃〜900℃で熱処理して焼結
体とする構成としたものであり、セラミックス素子の強
度を高めて水分吸収による素子膨潤を防止するという作
用を有する。
【0021】本発明の請求項13に記載の発明は、請求
項1、2、3、4、5、6、7、8、9いずれか1記載
の炭酸ガスセンサであって、前記セラミックス素子の原
料粉末を所定の形状にプレス成形し、550℃〜900
℃で熱処理して焼結体とし、前記焼結体をシリカを主成
分とするゾル溶液に含浸させた後に脱水処理を行う構成
としたものであり、セラミックス素子の強度を高めて水
分吸収による素子膨潤を防止するという作用を有する。
【0022】本発明の請求項14に記載の発明は、請求
項12、13いずれか1において、前記シリカを主成分
とするゾル溶液が前記セラミックス素子の金属成分から
なる塩、あるいは、錯体を含む構成としたものであり、
シリカ成分によるセラミックス素子の感度の低下を防止
するという作用を有する。
【0023】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図3を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の第1の実施の形態によ
る炭酸ガスセンサの構成図である。セラミックス素子1
はCO2ガスと反応してCO2濃度を検知する作用を有
し、CeO 2、BaCO3、CuOの混合物焼結体によっ
て構成される。セラミックス素子1の両面に形成された
電極2はセラミックス素子1のインピーダンスを測定す
るためのものであり、RuO2から構成される。RuO2
の他に貴金属を用いてもよく、特にPtはRuO2と同
様に感度と耐湿性に優れるので望ましい。リード線3は
電極2と外部回路を電気的に接続する作用を有し、Pt
で構成される。リード線3はインピーダンス検知回路4
へ接続され、更にCO2濃度警報検知回路5へ接続され
る。ヒータ6はセラミックス素子1を加熱する作用を有
し、Ptで構成される。ヒータ6の材料は特に限定され
ず、カンタル線等を用いても良い。ヒータ6はヒータ出
力制御回路7に接続される。熱電対8はセラミックス素
子1の温度を測定してヒータ出力にフィードバックする
作用を有し、セラミックス素子1の表面上に接着されて
ヒータ出力制御回路7に接続される。
【0024】次に動作について説明する。セラミックス
素子1のインピーダンスは電極2を通してインピーダン
ス検知回路4によって測定され、セラミックス素子1の
温度は熱電対8によって測定される。測定されたインピ
ーダンス値とセラミックス素子1の温度を使ってマイコ
ンを内蔵したCO2濃度警報検知回路5でCO2濃度を算
出する。更に、CO2濃度警報検知回路5は検出したC
2濃度に応じた信号を出力する機能も有する。例えば
CO2濃度がある設定値になると外部装置へ信号出力し
たり、音声出力あるいは映像出力をする。セラミックス
素子1はヒータ6によって加熱され、その温度制御は、
動作初期のリフレッシュ処理や検知動作のための温度保
持のためのプログラムを内蔵した、ヒータ出力制御回路
7によって行われる。セラミックス素子1の温度制御を
正確にするため、熱電対8の信号はヒータ出力制御回路
7にフィードバックされる。
【0025】(実施の形態2)図2は本発明の第2の実
施の形態による炭酸ガスセンサの構成図である。基体9
は炭酸ガスセンサを機械的に保持する機能と加熱媒体の
作用を有し、アルミナで構成される。セラミックス素子
10はCO2ガスと反応してCO2濃度を検知する作用を
有し、CeO2、BaCO3、CuOの混合物焼結体から
なり、基体9上に形成される。セラミックス素子10の
片面に櫛形に形成された電極11はRuO2からなり、
印刷により形成される。電極11の材料は貴金属でもよ
く、特にPtが望ましい。ヒータ12はセラミックス素
子10を加熱する作用を有し、RuO2からなり基体9
のもう一方の面に形成される。ヒータ12の材料はRu
2である必要はなく、Ptでも良い。熱電対13はセ
ラミックス素子10の温度を測定する作用を有し、セラ
ミックス素子10上に固着される。電極11はインピー
ダンス検知回路14に接続され、更にCO2濃度警報検
知回路15に接続される。ヒータ12はヒータ出力制御
回路16に接続され、熱電対13はヒータ出力制御回路
16とインピーダンス検知回路14に接続される。
【0026】本実施の形態での動作は実施の形態1と同
様である。但し、本実施の形態ではヒータ12とセラミ
ックス素子10が一体構造でセラミックス素子10の温
度はヒータ12の温度に等しいので、セラミックス素子
10の温度検知をヒータ電流で行っても良い。また、電
極11をセラミックス素子10の同一平面上に形成する
ために、構造が簡単、アセンブリが容易、製造コストが
低いといった特徴もある。更に、ヒータ12を印刷膜で
形成するためにセラミックス素子10の小型化が可能と
なる。
【0027】(実施の形態3)図3は本発明の第3の実
施の形態による炭酸ガスセンサの構成図である。基体1
7は炭酸ガスセンサを機械的に保持する機能と加熱媒体
の作用を有し、アルミナで構成される。セラミックス素
子18はCO2ガスと反応してCO2濃度を検知する作用
を有し、CeO2、BaCO3、CuOの混合物焼結体か
らなり、基体17上に形成される。電極19はRuO2
からなり、セラミックス素子18の片面に櫛形に印刷で
形成される。基準素子20はCO2ガスに不活性でセラ
ミックス素子18のインピーダンス特性の温度補償をす
る作用を有し、CeO2、CuOの混合物焼結体からな
り、基体17上に形成される。電極21はRuO2から
なり、基準素子20の片面に櫛形に印刷で形成される。
ヒータ22はセラミックス素子18と基準素子20を加
熱する作用を有し、RuO2からなり基体17のもう一
方の面に形成される。電極19はインピーダンス検知回
路23に接続され、更にCO2濃度警報検知回路24に
接続される。電極21はインピーダンス検知回路23と
ヒータ出力制御回路25に接続される。ヒータ22はヒ
ータ出力制御回路25に接続される。
【0028】次に動作について説明する。セラミックス
素子18のインピーダンスはCO2ガスとともに温度に
よっても変化するため、セラミックス素子18と同じイ
ンピーダンスの温度特性を有し、かつ、CO2ガスに対
して不活性な基準素子20を用いて温度補償を行う。従
って、セラミックス素子18と基準素子20のインピー
ダンスをインピーダンス検知回路23で測定するととも
に、CO2濃度警報検知回路24で両者のインピーダン
ス値を用いた演算を行ってCO2濃度を算出する。実施
の形態1と同様に、CO2濃度警報検知回路24は検出
したCO2濃度に応じた信号を出力する機能も有する。
また、基準素子20のインピーダンスの温度特性から温
度を算出し、ヒータ出力制御回路25にフィードバック
して、ヒータ22の加熱によってセラミックス素子18
と基準素子20の温度を制御する。本実施の形態によれ
ば、熱電対の装着がなく工程が簡素化されることと、セ
ラミックス素子18のインピーダンス特性の経時変化を
相殺して、校正が不要となる。
【0029】
【実施例】図1のように構成された炭酸ガスセンサにつ
いて、以下その製造方法について説明する。
【0030】まず、和光純薬工業製のCeO2粉末とB
aCO3とCuOを63:6:31のモル比で加えて秤
量し、エタノールを分散媒体として用い、ボールミル混
合によって45時間混合した。
【0031】この混合物を大気中において400〜10
00℃で5時間焼成した後、再度エタノールを用いてボ
ールミル粉砕を45時間行い、エタノールを乾燥除去し
た。混合粉にシリカとセリアを含むゾル溶液を加えて混
練した後、メッシュを用いて整粒した。プレス加工機に
より30kg/cm2の圧力で直径10mm厚さ0.4
mmのディスク状のセラミックス素子を成形した。セラ
ミックス素子の両側面にPtペーストを電極として塗布
し、リード線を取り付け800℃で40分焼き付けて、
炭酸ガスセンサとした。電極は他の貴金属あるいは導電
性酸化物でもよいが、特にPtとRuO2はセラミック
ス素子との接着力に強く、吸湿によるセラミックス素子
の膨潤に対して効果が大きい。
【0032】X線回折、FT−IR及びTG分析によれ
ば、セラミックス素子はCeO2、BaCO3、BaO、
BaO2からなる混合物であった。
【0033】上記のゾル溶液はシリカのコロイド粒子を
分散したアルコール溶液にCe,Ba,Cuの硝酸塩、
あるいは錯体を溶かして作製した。ゾル溶液の濃度は、
成分がゲル化した時の固形成分がセラミックス素子の1
wt%以上15wt%以下、更に望ましくは3wt%以
上10wt%以下がよい。1wt%以下ではセラミック
ス素子の強度が不足し、15wt%以上ではCO2に対
する感度が消失した。また、ゾル溶液の成分がシリカの
みの場合は1wt%以上の添加により感度が消失したの
で、ゾル溶液の成分としてセラミックス素子の金属成分
を第2成分として含む必要がある。ゾル溶液中の第2成
分のシリカに対する分量比は0.5以上5以下、更に望
ましくは1以上3以下がよい。分量比が1以下ではCO
2に対する感度が小さく、5以上ではコロイド粒子が凝
集、沈殿して分散性が著しく低下したので好ましくな
い。
【0034】次にCO2濃度に対する静電容量を測定し
た。ヒューレット・パッカー製のLCRメータを用いて
10KHz,0.5Vの交流電圧を炭酸ガスセンサに印
加し、静電容量を測定した。CO2濃度は、乾燥空気と
CO2ガスを混合させることにより、350ppmと2
%とした。炭酸ガスセンサの動作温度は550℃で行っ
た。空気中での静電容量値をCAir、2%CO2ガス雰囲
気中での静電容量値をC2%CO2とし、感度は次式で定義
する。
【0035】 感度=|10×LOG(C2%CO2/CAir)| (dB) 次に、炭酸ガスセンサの高温高湿負荷試験について説明
する。作製した炭酸ガスセンサを85℃、90%RHの
恒温恒湿槽に放置し、1000hrの負荷を与えた。こ
のとき炭酸ガスセンサの電源はOFFでセラミックス素
子は加熱されていない。負荷試験後、炭酸ガスセンサを
動作させ、セラミックス素子温度を110℃以上250
℃以下、あるいは600℃以上800℃以下に加熱処理
し、しかる後に400℃以上600℃以下の温度に保持
して2%CO2濃度に対する静電容量を測定した。負荷
試験前の感度をS0(dB)、負荷試験後の感度をS
(dB)とし、耐湿性をΔS=(S0−S)/S0×10
0(%)で表した。本実施例においてΔSは5%以下で
あり、良好な耐湿性を示した。
【0036】比較例として上記のゾル溶液を添加しない
で作製したセラミックス素子を用いた炭酸ガスセンサで
は、同じ85℃、90%RH雰囲気で400hr以上放
置すると、感度が消失した。
【0037】また、負荷試験後の炭酸ガスセンサの動作
において、初期の加熱処理を行わず直ちに50℃/se
cで昇温し、400℃以上600℃以下の温度に保持し
て感度測定した場合には、感度は著しく低下するととも
にばらつきが大きかったので好ましくない。更に、動作
初期の加熱処理が110℃以下、あるいは250℃以上
600℃以下の場合も同様な感度の不安定性が見られ
た。800℃以上での加熱処理は感度は向上させるが経
時変化が大きくなるために好ましくない。
【0038】本実施例ではCeO2とBaCO3とCuO
の混合物からなるセラミックス素子を用いた炭酸ガスセ
ンサの特性について説明したが、他の混合材料について
も検討を行い同様の結果が得られた。結果を(表1)〜
(表3)にまとめた。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】熱重量分析によれば、(表1)〜(表3)
のB群の材料はA群の炭酸塩を低温で分解する触媒作用
があることを見出した。即ちB群の酸化物とA群の炭酸
塩を混合して空気中で加熱すると重量が減少し、CO2
ガスを導入すると可逆的に増加した。更に重量減少した
混合物のX線回折、FT−IR分析により、この可逆的
な重量増減が炭酸塩の分解/生成によるものであること
がわかった。A群の単独材料でも高温になれば同様な分
解生成反応が起こるが、A群とB群の混合系ではA群単
独の場合よりも200℃低温で炭酸塩の分解生成反応が
起こった。以上のことから、B群の酸化物はA群の炭酸
塩を低温で分解する触媒機能を有すると解釈することが
できる。この低温触媒機能はCO2検知に極めて重要
で、B群を含まないA群とC群の混合物で作製した素子
のCO2に対する感度は極めて小さい。また、アルカリ
金属炭酸塩とアルカリ土類金属炭酸塩の中で最も耐湿性
に優れながらも、分解温度が高く検知材料として使用が
困難であったBaCO3を検知材料として用いる上で
も、炭酸塩触媒酸化物の適用の新規性は大きい。
【0043】C群の半導体酸化物はA群とB群の混合焼
結体での炭酸塩の分解生成反応を電気信号に変換し、増
幅する作用を有する。例えばA群とB群の混合焼結体だ
けでもCO2濃度に対してインピーダンスが変化する
が、その変化量はC群を加えた場合よりはるかに小さ
い。
【0044】以上(表1)〜(表3)のA群、B群、C
群の材料の機能について説明したが、混合系にした場合
の重要な条件のもうひとつは、混合系において構成材料
が互いに不活性、即ち難焼結性であることである。構成
材料の反応性が高い場合には焼結条件によっては感度特
性が低下したり、経時変化が大きくなったりする。この
難焼結性と耐湿性を考慮すると、A群ではBaCO3
B群ではCeO2の選択が望ましい。C群の材料は特に
選択性はなく、どれを用いても良い。
【0045】以上の実施例ではセラミックス素子の機械
的強度の強化方法としてシリカを主成分とするゾル溶液
を混合してプレス体を作る方法を示したが、原料混合粉
末だけを用いて焼結体を形成後、上記ゾル液に含浸して
引き上げ、乾燥、熱処理する方法を採用しても良い。実
施例1との比較を例に説明する。和光純薬工業製のCe
2粉末とBaCO3とCuOを所定の割合で加えて秤量
し、エタノールを分散媒体として用い、ボールミル混合
によって45時間混合した。この混合物を大気中におい
て400〜1000℃で5時間焼成した後、再度エタノ
ールを用いてボールミル粉砕を45時間行い、エタノー
ルを乾燥除去した後、メッシュを用いて整粒した。プレ
ス加工機により30kg/cm2の圧力で直径10mm
厚さ0.4mmのディスク状のセラミックス素子を成形
した。このセラミックス素子をシリカとセリアのコロイ
ド粒子を含有するゾル溶液に含浸させた。ゾル溶液が完
全にセラミックス素子内に浸透するように脱気処理した
後、引き上げて室温で乾燥してコロイド粒子をゲル化さ
せた。セラミックス素子の両側面にPtペーストを電極
として塗布し、リード線を取り付け800℃で40分焼
き付けて、炭酸ガスセンサとした。この方法でもセラミ
ックス素子は十分高い強度を有し、実施例1と同じ耐湿
特性が得られた。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、CO2
度に対する耐湿特性や経時特性において、従来よりも優
れた炭酸ガスセンサを提供できる。更に本発明を用いれ
ば、室内や車内などの居住空間の空気汚染モニタ、空調
システム用モニタ、生鮮食料品の輸送・保管時のCO2
ガス濃度制御、バイオ施設でのモニタ・システム等でC
2検知の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による炭酸ガスセン
サの構成図
【図2】本発明の第2の実施の形態による炭酸ガスセン
サの構成図
【図3】本発明の第3の実施の形態による炭酸ガスセン
サの構成図
【符号の説明】 1、10、18 セラミックス素子 2、11、19、21 電極 3 リード線 4、14、23 インピーダンス検知回路 5、15、24 CO2濃度警報検知回路 6、12、22 ヒータ 7、16、25 ヒータ出力制御回路 8、13 熱電対 9、17 基体 20 基準素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 信司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CO2を検知するための2種以上の混合物
    からなるセラミックス素子と前記セラミックス素子の上
    に形成された少なくとも一対のインピーダンス検出用の
    電極とから構成されるセンサ素子であって、前記セラミ
    ックス素子が炭酸塩と炭酸塩分解触媒と半導体酸化物と
    の混合物であることを特徴とする炭酸ガスセンサ。
  2. 【請求項2】CO2をインピーダンス変化で検知するセ
    ラミックス素子と、CO2に対して不活性で前記セラミ
    ックス素子と同じインピーダンスの温度特性を有する基
    準素子と、前記セラミックス素子と前記基準素子のイン
    ピーダンスを比較して相関出力する回路とからなり、前
    記基準素子によって前記セラミックス素子の温度補償及
    び経時変化補償をすることを特徴とする炭酸ガスセン
    サ。
  3. 【請求項3】前記セラミックス素子が炭酸塩と炭酸塩分
    解触媒と、酸化銅、酸化鉛、酸化鉄から選ばれる酸化物
    との混合物であり、前記基準素子が炭酸塩を含まないこ
    とを除き前記セラミックス素子と同じ組成の混合物であ
    ることを特徴とする請求項2記載の炭酸ガスセンサ。
  4. 【請求項4】前記炭酸塩はアルカリ金属炭酸塩、アルカ
    リ土類金属炭酸塩から選ばれる少なくとも1種であるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3いずれか1記載の炭酸
    ガスセンサ。
  5. 【請求項5】前記炭酸塩分解触媒はペロブスカイト型酸
    化物、希土類酸化物、酸化鉛から選ばれる少なくとも1
    種であることを特徴とする請求項1、2、3いずれか1
    記載の炭酸ガスセンサ。
  6. 【請求項6】前記半導体酸化物が酸化銅、酸化鉛、酸化
    鉄、酸化亜鉛、酸化錫から選ばれる少なくとも1種であ
    ることを特徴とする請求項1、2、3いずれか1記載の
    炭酸ガスセンサ。
  7. 【請求項7】電極に貴金属、あるいは、酸化物導電体を
    用いることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6
    いずれか1記載の炭酸ガスセンサ。
  8. 【請求項8】前記貴金属がPtであることを特徴とする
    請求項7記載の炭酸ガスセンサ。
  9. 【請求項9】前記酸化物導電体がRuO2であることを
    特徴とする請求項7記載の炭酸ガスセンサ。
  10. 【請求項10】前記セラミックス素子を加熱する手段を
    有し、初めに通電動作させるときに、前記セラミックス
    素子を110℃以上250℃以下、あるいは600℃以
    上800℃以下に加熱処理し、しかる後に400℃以上
    600℃以下の温度に保持することを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5、6、7、8、9いずれか1記載の
    炭酸ガスセンサ。
  11. 【請求項11】前記セラミックス素子の温度制御におい
    て、前記セラミックス素子の温度を検知してヒータ出力
    装置にフィードバックする手段を具備することを特徴と
    する請求項10記載の炭酸ガスセンサ。
  12. 【請求項12】請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9いずれか1記載の炭酸ガスセンサであって、前記
    セラミックス素子の原料粉末にシリカを主成分とするゾ
    ル溶液を固形成分が1wt%から15wt%になるよう
    に添加して所定の形状にプレス成形し、550℃〜90
    0℃で熱処理して焼結体とすることを特徴とする炭酸ガ
    スセンサの製造方法。
  13. 【請求項13】請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9いずれか1記載の炭酸ガスセンサであって、前記
    セラミックス素子の原料粉末を所定の形状にプレス成形
    し、550℃〜900℃で熱処理して焼結体とし、前記
    焼結体をシリカを主成分とするゾル溶液に含浸させた後
    に脱水処理を行うことを特徴とする炭酸ガスセンサの製
    造方法。
  14. 【請求項14】前記シリカを主成分とするゾル溶液が前
    記セラミックス素子の金属成分からなる塩、あるいは、
    錯体を含むことを特徴とする請求項12、13いずれか
    1記載の炭酸ガスセンサの製造方法。
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WO2008004582A1 (fr) * 2006-07-04 2008-01-10 Ngk Insulators, Ltd. Capteur du type film PIéZOélectrique/éLECTROSTRICTIf
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