JP2001270925A - ポリオレフィン変性ポリオール及びその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン変性ポリオール及びその製造方法

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JP2001270925A JP2000084113A JP2000084113A JP2001270925A JP 2001270925 A JP2001270925 A JP 2001270925A JP 2000084113 A JP2000084113 A JP 2000084113A JP 2000084113 A JP2000084113 A JP 2000084113A JP 2001270925 A JP2001270925 A JP 2001270925A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性に優れたポリオレフィン変性ポリ
オール、及び、その製造方法を提供する。 【解決手段】 数平均分子量300〜10000のポリ
オレフィン(a)と総不飽和度が少なくとも0.05m
eq/gである不飽和基含有ポリオール(b)とをグラ
フト共重合したポリオレフィン変性ポリオールであっ
て、ポリオレフィン(a)単位の含有量が2〜80重量
%、水酸基価が5〜600mgKOH/g、及び、25
℃における粘度が200〜100000mPa・sであ
ることを特徴とするポリオレフィン変性ポリオール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン変
性ポリオール、及びその製造方法に関する。詳しくは、
ポリウレタン樹脂の原料として用い得る、ポリオレフィ
ン構造を含有したポリオール、及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系樹脂、及びポリプロピ
レン系樹脂とオレフィン系エラストマーから得られる成
形品に対する塗膜密着性の向上、或いは、ポリウレタン
とポリオレフィンとの接着性を改良する等の目的で、エ
チレン性酸無水物をグラフト重合した酸変性オレフィン
重合体とポリオキシアルキレン鎖を有するポリオール、
或いは、ポリオレフィンを不飽和カルボン酸、又はその
無水物と、分子中に水酸基を2個以上有するポリオール
化合物とで変性して成る変性ポリオレフィン重合体が提
案されている。
【0003】例えば、特開平8−259744号公報に
は、重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)を有
するブロック共重合体からなる樹脂用改質剤(C)にお
いて、ブロック(A)は、ポリオレフィン鎖であり、ブ
ロック(B)はポリオキシアルキレン鎖、またはポリエ
ポキシドと、アミンまたはジオールとの反応生成物を構
成単位とする重合体が例示されている。該公報におい
て、低分子量ポリエチレンに無水マレイン酸を反応させ
た無水マレイン酸変性ポリエチレンとポリオキシプロピ
レン化グリセリンとのブロック共重合体(実施例3)を
エチレン−プロピレンブロック共重合体、及びエチレン
−プロピレンゴムに添加することにより、塗膜密着性、
塗膜品の外観等が良好になることが記載されている(実
施例7)。
【0004】しかし、該公報では、酸変性オレフィン重
合体と、ポリオキシアルキレンポリオール、或いは、酸
変性オレフィン重合体と、ポリエポキシド化合物とアミ
ン、又はジオールとの反応生成物とのブロック重合体に
おける両成分の混合比が不明である上、使用する酸変性
オレフィン重合体の粘度、分子量分布等の性状に関して
は、何ら記載されていない。本発明者らが調べた結果、
用いる酸変性オレフィン重合体の組成によっては、本発
明者らが目的とするポリオレフィン変性ポリオールが得
られないことがわかった。更に、実施例3における酸変
性オレフィン重合体とポリオキシアルキレンポリオール
との仕込量、及び、反応条件では、得られた重合体の酸
価が高くなり、ポリウレタンの原料として用い得るに
は、十分でないことがわかった。
【0005】又、特公昭63−36603号公報には、
ポリオレフィンを不飽和カルボン酸、又はその無水物
と、分子中に水酸基を2個以上有するポリオール化合物
と、及び場合により、ポリオール化合物の脂肪酸エステ
ルとで変性して成る変性ポリオレフィンが開示されてい
る。分子中に水酸基を2個以上有するポリオール化合物
としては、該公報の2頁、カラム3、21〜44行に記
載されている。該公報における各変性成分の割合、特
に、ポリオレフィンとポリオール化合物に関しては、ポ
リオレフィン100重量部に対して、ポリオール化合物
が0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量
部である(2頁、第4欄、44行〜3頁、第5欄、7
行)ことが記載されている。このような割合であると室
温で固体となり、液状にするためには、ポリオレフィン
の融点近傍まで温度を上げる必要があるため、本発明者
らが目的とするポリウレタンの主原料として用い得るこ
とは困難である。
【0006】更に、特公平1−50246号公報には、
ポリオレフィン、無水マレイン酸とポリオールを反応さ
せて得られる無水マレイン酸のポリオールエステル、お
よびラジカル発生剤を溶融状態で混練押出したオレフィ
ングラフト変性物の製造方法が開示されている。更に、
該公報では、未反応の遊離マレイン酸を少なくするため
に、1級水酸基を末端とするポリオールの使用が好適で
あると記載されている(2頁、第4欄、41行〜3頁、
第5欄、1行)。しかし、該公報で用いているポリオー
ルは、エチレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、グリセリン等の低分子量の活性水素化合物であるた
め、該公報記載の製造方法で得られた変性物は、室温で
固体である。その上、成形用押出機、又は二軸(多軸)
混練押出機を使用して製造しなければならないため、操
作が煩雑となる。
【0007】従って、ポリオレフィン構造の特徴を活か
しながら、従来のポリウレタンの製造方法に適用し得
る、ポリオレフィン構造を含有したポリオレフィン変性
ポリオール、及び、効率的な該ポリオールの製造方法が
望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
オレフィン含有量が高い場合においても、特定範囲の粘
度を有し、且つ、液分離を起こさない貯蔵安定性に優れ
たポリオレフィン変性ポリオール、及びその製造方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、特定範囲の分子量を
有するポリオレフィンと不飽和基含有ポリオールとをグ
ラフト共重合することにより、特定範囲の粘度に制御
し、貯蔵安定性に優れたポリオレフィン変性ポリオール
を製造できることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
【0010】即ち、本発明の第1発明は、数平均分子量
300〜10000のポリオレフィン(a)と総不飽和
度が少なくとも0.05meq/gである不飽和基含有
ポリオール(b)とをグラフト共重合したポリオレフィ
ン変性ポリオールであって、ポリオレフィン(a)単位
の含有量が2〜80重量%、水酸基価が5〜600mg
KOH/g、及び、25℃における粘度が200〜10
0000mPa・sであることを特徴とするポリオレフ
ィン変性ポリオールである。前記したポリオレフィン変
性ポリオールにおいて、ポリオレフィン(a)単位の含
有量は5〜70重量%であることが好ましい。
【0011】更に、ポリオレフィン(a)単位が、α−
オレフィン単位を20〜80モル%含む、エチレンと炭
素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体が好ま
しい。不飽和基含有ポリオール(b)については、アク
ロイル基、メタアクロイル基、ビニルフェニル基、プロ
ペニル基、アリル基、及びビニルエーテル基から選ばれ
た少なくとも1種の不飽和基を有するポリオールである
ことが好適である。更に、オキシアルキレン基が少なく
とも30重量%であることが好ましい。又、ポリオレフ
ィン変性ポリオールの25℃における粘度は、400〜
80000mPa・sであることが好ましい。
【0012】本発明の第2発明は、前記第1発明に係わ
るポリオレフィン変性ポリオールを製造する方法であっ
て、ラジカル開始剤の存在下、100〜200℃におい
て、数平均分子量300〜10000のポリオレフィン
(a)と総不飽和度が少なくとも0.05meq/gで
ある不飽和基含有ポリオール(b)との総重量に対し
て、(a)が2〜80重量%の範囲でグラフト共重合反
応を行うことを特徴とするポリオレフィン変性ポリオー
ルの製造方法である。
【0013】本発明により提供されるポリオレフィン変
性ポリオールは、ポリオレフィン構造を含有したポリオ
ールであって、高濃度のポリオレフィンを含有した場合
も、液状を呈しており、特定範囲の粘度を有し、且つ、
液分離を起こさず、貯蔵安定性に優れている。従って、
本発明に係わるオレフィン変性ポリオールは、ポリウレ
タンフォーム、塗料、接着剤、床材、防水材、シーリン
グ材、靴底、エラストマー等のポリウレタン分野のみな
らず、潤滑油、樹脂改質剤、ポリウレタンとポリオレフ
ィンとの相溶化剤等の幅広い分野において、使用し得る
極めて有用な資材である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。まず、本発明で使用するポリオレフィンについて
説明する。ポリオレフィンとしては、オレフィンの単独
重合体、又は共重合体であって、数平均分子量が300
〜10000の範囲の重合体である。実質的に無色透明
であり、液状のものが好ましい。
【0015】ポリオレフィンを構成するモノマーとして
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、
1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル1−ペンテ
ン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウ
ンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラ
デセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘ
プタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−
エイコデセン等の炭素原子数2〜20のα−オレフィン
等が挙げられる。
【0016】オレフィン単独重合体として、好ましくは
炭素原子数3〜20、更に好ましくは炭素原子数4〜1
0のα−オレフィンを重合したものである。オレフィン
共重合体としては、エチレンと炭素原子数3〜20のα
−オレフィンから構成される共重合体、及び、エチレン
と炭素原子数3〜20のα−オレフィンの中から選ばれ
る少なくとも1種のモノマーとの共重合体等が好まし
い。液状のポリオレフィンを得るためには、ポリオレフ
ィンとして、単独重合より共重合組成が好ましい。共重
合体の製造方法としては、Aモノマーを重合後、次い
で、Bモノマーを重合するブロック共重合方法、Aモノ
マーとBモノマーを不規則に重合するランダム共重合方
法等が挙げられる。特に、ランダム共重合方法で得られ
たポリオレフィンが好ましい。更に、エチレンとα−オ
レフィンとの共重合体は、エチレンと炭素数3〜10の
α−オレフィンとの共重合体が好ましく、特に、エチレ
ンとプロピレンとの共重合体が好ましい。
【0017】ポリオレフィン(a)がエチレンと炭素原
子数3〜20のα−オレフィンから構成される共重合体
の場合、α−オレフィンの組成は、ポリオレフィンに対
して、好ましくは20〜80モル%、更に好ましくは4
0〜60モル%である。α−オレフィンの組成が20モ
ル%未満の場合、共重合体は液状を呈さなくなるか、或
いは、有機溶剤への溶解性が低下してくる。一方、α−
オレフィンの組成が80モル%を超える場合、熱に対す
る酸化安定性が低下する。
【0018】ポリオレフィン(a)の数平均分子量は3
00〜10000である。ポリオレフィン(a)の数平
均分子量、並びに、分子量分布指数(Mw/Mn)は、
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下、GP
Cという)法で測定した値である(測定方法は実施例で
詳述する)。ポリオレフィン(a)の数平均分子量とし
て、好ましくは400〜8000、更に好ましくは50
0〜5000である。数平均分子量が300未満である
と、ポリオレフィンの耐熱性が低下する。一方、100
00を超えると粘度が高くなり、その取り扱いが困難に
なる。又、ポリオレフィン(a)の分子量分布指数は1
〜4が好ましく、更に好ましくは1.1〜3、最も好ま
しくは1.1〜2.5である。ポリオレフィンの分子量
分布指数を1未満とすることは、実質的に困難である。
一方、分子量分布指数が4を超えると、得られたポリオ
レフィン変性ポリオールの粘度が高くなる。
【0019】更に、ポリオレフィン(a)の、135℃
におけるデカリン溶液中で測定した極限粘度[η]は0.
01〜0.3dl/gが好ましい。更に好ましくは0.
02〜0.25dl/gであり、最も好ましくは0.0
3〜0.2dl/gである。極限粘度[η]が、0.01
dl/g未満となると、ポリオレフィン変性ポリオール
をウレタン化した場合、力学物性の改良効果が少ない。
一方、極限粘度[η]が0.3dl/gを超えると、ポリ
オレフィン変性ポリオールの粘度が高くなり、ポリウレ
タンの製造工程において、取り扱いが困難となる。
【0020】ポリオレフィン(a)は、公知のカチオン
重合、或いはアルキノキサンを助触媒とするメタロセン
系触媒による重合によって製造することができる。触
媒、及びオレフィンの種類を制御することにより、ポリ
オレフィンの末端、或いは分子鎖中に二重結合を導入す
ることもできる。二重結合を導入したポリオレフィンは
不飽和基含有ポリオールとグラフト共重合し易い。又、
ポリオレフィン変性ポリオールの使用分野により、ポリ
オレフィンの水素添加反応を行い、分子中の二重結合を
飽和することもできる。具体的には、例えば、特開昭5
7−123205号公報、或いは、特開昭62−121
710号公報に記載されている方法が挙げられる。
【0021】上述のように、本発明では、特開平8−2
59744号公報に記載されるような、酸無水物で変性
された特殊なポリオレフィンは使用しない。
【0022】次に、ポリオレフィン(a)とグラフト共
重合する不飽和基含有ポリオール(b)について説明す
る。不飽和基含有ポリオールとしては、分子中にアクロ
イル基、メタアクロイル基、ビニルフェニル基、プロペ
ニル基、アリル基、及びビニルエーテル基から選ばれた
少なくとも1種の不飽和基を有するポリオールが好まし
い。これらの不飽和基の中で、アクロイル基、メタアク
ロイル基、プロペニル基、アリル基が好ましい。更に好
ましくはプロペニル基、アリル基であり、最も好ましく
はアリル基である。前記した不飽和基の含有量は、総不
飽和度として、少なくとも0.05meq/gであるこ
とが好ましい。より好ましくは少なくとも0.1meq
/g、更に好ましくは少なくとも0.3meq/g、最
も好ましくは少なくとも0.5meq/gである。総不
飽和度の上限は、通常、6meq/g程度である。
【0023】不飽和基含有ポリオールの製造方法とし
て、1)塩基性触媒の存在下、分子内に活性水素基、好
ましくは、水酸基を1個以上存在し、且つ、不飽和基を
有する化合物にエポキサイド化合物を付加重合する方
法、2)塩基性触媒の存在下、活性水素化合物に、アリ
ルグリシジルエーテルを含有するエポキサイド化合物を
付加重合する方法等が例示できる。
【0024】塩基性触媒としては、特開平9−1945
88号公報に記載の3級アミン化合物、カリウム、ルビ
ジウム、及び、セシウム等の比較的原子半径の大きいア
ルカリ金属化合物類や、バリウム等のアルカリ土類金属
化合物類が例示できる。化合物の形態としては、水酸化
物やアルコキシ化物が好ましい。特に、塩基性触媒とし
て、ポリオールからの触媒除去の容易性、エポキサイド
化合物の重合活性の観点から、P=N結合を有する化合
物触媒が好適である。P=N結合を有する化合物の好ま
しい形態としては、ホスファゼニウム化合物、ホスフィ
ンオキシド化合物、及び、ホスファゼン化合物から選ば
れる少なくとも1種の化合物である。これらの内、工業
的な利用見地から、ホスファゼニウム化合物、及びホス
フィンオキシド化合物が特に好ましい。
【0025】ホスファゼニウム化合物としては、特開平
11−106500号公報記載の化合物が挙げられる。
例えば、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフ
ォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシド、テ
トラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデ
ンアミノ]ホスフォニウムメトキシド、テトラキス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホ
スフォニウムエトキシド、テトラキス[トリ(ピロリジ
ン−1−イル)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニ
ウム tert−ブトキシド等が例示される。
【0026】ホスファゼン化合物としては、特開平10
−36499号公報の化合物が挙げられる。例えば、1
−tert−ブチル−2,2,2−トリス(ジメチルア
ミノ)ホスファゼン、1−(1,1,3,3−テトラメ
チルブチル)−2,2,2−トリス(ジメチルアミノ)
ホスファゼン、1−エチル−2,2,4,4,4−ペン
タキス(ジメチルアミノ)−2λ5,4λ5−カテナジ
(ホスファゼン)、1−tert−ブチル−4,4,4
−トリス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス[ トリス
(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]−2
λ5,4λ5−カテナジ(ホスファゼン)、1−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)−4,4,4−トリ
ス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス[トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]−2λ5,4λ5
−カテナジ(ホスファゼン)、1−tert−ブチル−
2,2,2−トリ(1−ピロリジニル)ホスファゼン、
または7−エチル−5,11−ジメチル−1,5,7,
11−テトラアザ−6λ5−ホスファスピロ[5,5]ウ
ンデカ−1(6)−エン等が例示できる。
【0027】ホスフィンオキシド化合物としては、特開
平11−302371号に記載の化合物が挙げられる。
例えば、トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラ
ニリデンアミノ]ホスフィンオキシド、トリス[トリス
(ジエチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフ
ィンオキシド等が例示できる。
【0028】先ず、不飽和基含有ポリオールの製造方法
1)について説明する。前記したP=N結合を有する化
合物を触媒として、分子中に不飽和基、及び活性水素基
を有する化合物にエポキサイド化合物の付加重合を行
う。分子中に不飽和基、及び活性水素基を有する化合物
としては、例えば、アクロイル基、或いは、メタアクロ
イル基を有した水酸基含有化合物が挙げられる。具体的
な化合物を例示すると、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルメタアクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルア
クリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタアクリ
レート、トリプロピレングリコールメチルアクリレー
ト、トリプロピレングリコールメチルメタアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタ
アクリレート、トリメチロールプロパンモノホルマルア
クリレート、グリセロールモノホルマルアクリレート等
が挙げられる。
【0029】又、ビニルフェニル基を有する水酸基含有
化合物が挙げられる。具体的な化合物を例示すると、4
−ビニルフェノール、2−ヒドロキシエチル−4−ビニ
ルフェニルエーテル、(2−ヒドロキシプロピル)−4
−ビニルフェニルエーテル、(2,3−ジヒドロキシプ
ロピル)−4−ビニルフェニルエーテル、4−(2−ヒ
ドロキシエチル)スチレン等が挙げられる。
【0030】更に、プロペニルエーテル基、アリルエー
テル基、ビニルエーテル基等を有する水酸基含有化合物
が挙げられる。具体的な化合物を例示すると、プロペニ
ルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテ
ル、2,3−ジヒドロキシプロピルプロネニルエーテル
等や、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルアリル
エーテル、2−ヒドロキシプロピルアリルアルコール等
や、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロ
キシプロピルビニルエーテル等が挙げられる。
【0031】これらの不飽和基、及び活性水素基含有化
合物の中で最も好ましくは、アクロイル基、メタアクロ
イル基、プロペニル基、及びアリル基を有する水酸基含
有化合物であり、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタ
アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレ
ート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、2,3
−ジヒドロキシプロピルプロネニルエーテル等や、アリ
ルアルコール、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、
2−ヒドロキシプロピルアリルアルコール等が好適であ
る。更に好ましくは、プロペニル基、及びアリル基を有
する水酸基含有化合物である。
【0032】エポキサイド化合物としては、プロピレン
オキサイド、エチレンオキサイド、1,2−ブチレンオ
キサイド、2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキ
サイド、シクロヘキセンオキサイド、エピクロロヒドリ
ン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、
アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは2
種以上併用してもよい。この中で、好ましくは、プロピ
レンオキサイド、エチレンオキサイド、1,2−ブチレ
ンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、スチレン
オキサイドである。更に好ましくはプロピレンオキサイ
ド、エチレンオキサイドである。
【0033】上記化合物にエポキサイド化合物を付加重
合するに際しては、化合物中の活性水素基に対して、
0.001〜20モル%、好ましくは、0.01〜15
モル%、更に好ましくは、0.01〜12モル%の塩基
性触媒を用いる。特に、P=N結合を有する化合物触媒
を用いる場合は、化合物中の活性水素基に対して、0.
001〜5モル%、好ましくは、0.01〜3モル%、
更に好ましくは、0.01〜1モル%の範囲である。
【0034】エポキサイド化合物の付加重合の温度は1
5〜160℃が好ましい。更に好ましくは70〜150
℃、最も好ましくは75〜145℃である。エポキサイ
ド化合物の最大反応圧力は、0.8MPaG以下が好ま
しい。更に好ましくは0.6MPaG以下、最も好まし
くは0.5MPaG以下である。不飽和基含有ポリオー
ルの水酸基価(OHV)は、5〜610mgKOH/g
が好ましい。更に好ましくは10〜500mgKOH/
g、最も好ましくは、10〜200mgKOH/gであ
る。不飽和基含有ポリオールのOHVは、使用するエポ
キサイド化合物の量で制御する。
【0035】前記した方法により、エポキサイド化合物
の付加重合を行った後、ポリオレフィン変性ポリオール
の使用分野によっては、不飽和基含有ポリオール中の触
媒を除去することが好ましい。アルカリ金属、アルカリ
土類金属類を触媒とした場合には、酸で中和し、吸着剤
により精製する方法や、イオン交換樹脂で精製する方法
等の公知の技術が適用できる。触媒除去操作後の、ポリ
オレフィン変性ポリオール中のアルカリ金属、及び、ア
ルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の金属の残
存量は100ppm以下とすることが好ましい。更に、
好ましくは80ppm以下、最も好ましくは30ppm
以下である。ポリオレフィン変性ポリオール中に全く金
属が残存しないことがより好ましい。
【0036】P=N結合を有する化合物を触媒とした場
合には、比表面積が450〜1200m2/g、且つ、
平均細孔直径が40〜100Åであるケイ酸アルミニウ
ム、及びケイ酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1
種の吸着剤との接触により、P=N結合を有する化合物
を除去する方法が好ましい。以下、P=N結合を有する
化合物を触媒として、エポキサイド化合物を付加重合し
たポリオールからの触媒除去方法について説明する。
【0037】吸着剤として、ケイ酸アルミニウム、ケイ
酸マグネシウムの他に、前記形状を満足するならばシリ
カゲルも用いることができる。好ましくはケイ酸アルミ
ニウム、ケイ酸マグネシウムである。前記ケイ酸アルミ
ニウム、及び、ケイ酸マグネシウムの中でも合成品がよ
り好ましい。これらの特性を有する吸着剤の市販品とし
ては、協和化学工業(株)製、商品名:KW−600B
UP−S、KW−700PEL、KW−700SEL等
が挙げられる。好ましくはKW−700PEL、KW−
700SELであり、更に好ましくはKW−700SE
Lである。
【0038】合成ケイ酸アルミニウムの例としては、二
酸化珪素の含有量が55〜75重量%、酸化アルミニウ
ムの含有量が5〜25重量%のものが好ましい。その化
学組成の例としては、Al23・nSiO2・mH2Oが
挙げられる(n、mは、酸化アルミニウムへの二酸化珪
素、または水の配位数)。特に、水が配位したものが好
ましい。合成ケイ酸マグネシウムの例としては、二酸化
珪素の含有量が55〜70重量%、酸化マグネシウムの
含有量が5〜20重量%のものが好ましい。その化学組
成の例としては、MgO・xSiO2・yH2Oが挙げら
れる(x、yは、酸化マグネシウムへの二酸化珪素、ま
たは水の配位数)。特に、水が配位したものが好まし
い。
【0039】触媒が残存したポリオール(以下、粗製ポ
リオールという)と吸着剤との接触方法としては、回分
式と連続式の2方法が挙げられる。回分式とは、例え
ば、反応機に仕込んだ粗製ポリオールに、吸着剤を装入
し、攪拌混合する方法である。ポリオールの着色、劣化
を防止する目的で、不活性ガスの存在下、攪拌混合する
ことが好ましい。また、吸着剤の使用量としては、粗製
ポリオールに対して0.01〜2重量%程度であり、好
ましくは0.05〜1.5重量%、更に好ましくは0.
1〜0.9重量%である。接触時間は、スケールにも依
るが、前記温度条件で1〜6時間程度が好ましい。連続
式とは、吸着剤を充填した塔に粗製ポリオールを通液す
る方法である。空塔速度は、スケールにも依るが、0.
1〜3(1/hr)程度が好ましい。吸着剤と接触した
後、ろ過、遠心分離等の常用の方法によりポリオールを
回収する。又、吸着温度は、通常、50〜150℃、好
ましくは60〜140℃である。
【0040】前記した方法により、不飽和基含有ポリオ
ール中のP=N結合を有する化合物の残存量を150p
pm以下に制御することが可能である。上記、処理法に
よれば、P=N結合を有する化合物の残存量は1ppm
程度まで低減できる。
【0041】次いで、不飽和基含有ポリオールの製造方
法2)について、説明する。該方法は、活性水素化合物
に付加重合するエポキサイド化合物に不飽和基を含有し
たエポキサイド化合物を併用し、ポリオール中に不飽和
基を導入する方法である。
【0042】活性水素化合物としては、アルコール類、
フェノール化合物、ポリアミン、アルカノールアミン、
チオアルコール類等が挙げられる。例えば、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノ
ール、n−ブタノール等の1価アルコール類、水、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパン
ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の
2価アルコール類、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミ
ン類、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、トリペンタエリスリトール等の多価アルコール類、
グルコース、ソルビトール、デキストロース、フラクト
ース、蔗糖、メチルグルコシド等の糖類、又は、その誘
導体、エチレンジアミン、ジ(2−アミノエチル)アミ
ン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪酸アミン類、トル
イレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン等の芳香族
アミン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス
フェノールS、ノボラック、レゾール、レゾルシン等の
フェノール化合物等が挙げられる。
【0043】チオアルコール類としては、メチルメルカ
プタン、エチルメルカプタン、n−プロピルメルカプタ
ン、イソプロピルメルカプタン等の1価のチオアルコー
ル類、エチレンチオグリコール、プロピレンチオグリコ
ール、トリメチレンチオグリコール、ブタンジチオール
等の2価のチオアルコール類や、ジエチレンチオグリコ
ール、トリエチレンチオグリコール等のアルキレンチオ
グリコール類が挙げられる。これらの活性水素化合物の
中で、好ましくは、2価アルコール類、3価アルコール
類、ポリアミン、アルカノールアミン類である。
【0044】前記した活性水素化合物に付加重合するエ
ポキサイド化合物、及び活性水素化合物へのエポキサイ
ド化合物の付加重合触媒は、不飽和基含有ポリオールの
製造方法1)で例示した化合物を使用することが好まし
い。特に、エポキサイド化合物の内、ポリオール中に不
飽和基を導入する上で、アリルグリシジルエーテルは必
須化合物である。総不飽和度として、少なくとも0.0
5meq/gの不飽和基(アリル基)を含有しているこ
とが好ましい。ポリオール中のアリル基の含有量とし
て、好ましくは少なくとも0.1meq/g、更に好ま
しくは少なくとも0.3meq/g、最も好ましくは少
なくとも0.5meq/である。総不飽和度の上限は、
通常、6meq/g程度である。ポリオール中の不飽和
基(アリル基)の含有量(総不飽和度)は、JIS K
−1557記載の酢酸第2水銀法、或いは核磁気共鳴ス
ペクトル(NMR)法により定量できる。
【0045】又、ポリオール中へのアリル基の導入量
は、モノマーであるアリルグリシジルエーテルの反応率
により制御される。通常、P=N結合を有する化合物触
媒を用いることにより、アリルグリシジルエーテルは、
ほぼ100%近い割合で反応する。アリルグリシジルエ
ーテルの反応率は、ガスクロマトグラフィーにより定量
できる。アリルグリシジルエーテル(以下、AGEと言
う)のポリオールへの導入方法としては、予め、AGE
を、AGE以外のエポキサイド化合物と混合し、付加重
合に行うランダム重合法、或いは、AGE以外のエポキ
サイド化合物を付加重合後、次いで、AGEを付加重合
するブロック重合法等が例示できる。
【0046】AGE、及びその他のエポキサイド化合物
の付加重合は、前記した不飽和基含有ポリオールの製造
方法1)記載と同条件が好ましい。又、エポキサイド化
合物付加重合後のポリオールからの触媒除去方法につい
ても、前記1)記載の方法が好適である。更に、製造方
法2)により得られる不飽和基含有ポリオールのOHV
についても、前記した製造方法1)の項で述べた範囲で
あることが好ましい。
【0047】AGEを用いて、ポリオール中に不飽和基
を導入する方法において、活性水素化合物にAGEを含
むエポキサイド化合物を付加重合する方法の他に、公知
のポリオールにAGEを共重合し、不飽和基含有ポリオ
ールとして使用することもできる。例えば、ポリテトラ
メチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ポ
リエステルポリオール、及びポリカプロラクトンジオー
ル等のポリオールに、前記した塩基性触媒、特にP=N
結合を有する化合物触媒を添加後、AGEを反応し、次
いで、AGE以外のエポキサイド化合物の付加重合を行
う方法が挙げられる。
【0048】以上、詳述した不飽和基含有ポリオールの
製造方法1)及び2)において、不飽和基含有ポリオー
ル中のオキシアルキレン基の含有量は、少なくとも30
重量%であることが好ましい。オキシアルキレン基、特
に、オキシプロピレン基の導入により、ポリオレフィン
とグラフト共重合後のポリオレフィン変性ポリオールの
粘度が低下する。不飽和基含有ポリオール中の更に好ま
しいオキシアルキレン基の含有量は、少なくとも40重
量%であり。最も好ましくは、少なくとも50重量%で
ある。不飽和基含有ポリオール中のオキシアルキレン基
の含有量は、使用するアルキレンオキサイドの量で制御
する。
【0049】前記した製造方法1)、2)により、不飽
和基含有ポリオールを製造した後、ラジカル開始剤の存
在下、ポリオレフィンとのグラフト共重合反応を行う。
ラジカル開始剤としては、公知の化合物が使用できる。
例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化
物、或いは、パーオキシジスルフィド等が挙げられる。
特に、過酸化物が好ましい。過酸化物の使用量は、不飽
和基含有ポリオール中の不飽和基1当量に対して、2〜
40モル%が好ましい。更に好ましくは3〜25モル
%、最も好ましくは、8〜20モル%の範囲である。通
常、不活性ガス雰囲気下、加圧反応機に仕込んだポリオ
レフィンに、不飽和基含有ポリオール、及びラジカル開
始剤を滴下しながら、反応を行う方法が好ましい。不飽
和基含有ポリオール、及びラジカル開始剤を一括で添加
しても構わないが、反応温度を一定に制御するという観
点で、不飽和基含有ポリオール、及びラジカル開始剤を
滴下する方法が好ましい。滴下する際のポリオレフィン
の温度(重合反応温度)は100〜200℃である。好
ましくは110〜180℃、更に好ましくは120〜1
70℃である。100℃未満であると、グラフト反応率
が低下する。一方、200℃を超えると、得られるポリ
オレフィン変性ポリオールが着色する傾向にある。滴下
時間は、反応スケールにも依るが、通常、1〜20時間
である。不飽和基含有ポリオール中の不飽和基濃度、或
いはラジカル開始剤の量が多いときには、反応温度を一
定に制御しながら、滴下することが好ましい。
【0050】前記した温度で、不飽和基含有ポリオー
ル、及びラジカル開始剤を滴下後、反応スケールにも依
るが、同温度範囲内で0.5〜7時間反応を継続する。
その後、ラジカル開始剤の分解物等を除去する目的で、
加熱減圧操作を行うことが好ましい。加熱減圧条件とし
て、例えば、100〜200℃、6.55kPa以下の
条件で、1〜10時間実施する方法が挙げられる。その
際、反応液中に、不活性ガス、例えば、窒素ガスを導入
しながら減圧操作を行う方法により、ラジカル開始剤の
分解物等の除去率が向上する。
【0051】又、ポリオレフィン(a)、及び不飽和基
含有ポリオール(b)の使用量により、ポリオレフィン
変性ポリオール中のポリオレフィン単位の含有量を制御
する。ポリオレフィン(a)と不飽和基含有ポリオール
(b)の総重量に対して、ポリオレフィン(a)の量を
2〜80重量%の範囲とすることにより、ポリオレフィ
ン変性ポリオール中のポリオレフィン単位の含有量を制
御する。前記した方法により、ポリオレフィン変性ポリ
オールを製造する。ポリオレフィン変性ポリオール中の
ポリオレフィン単位の含有量は2〜80重量%である。
好ましくは5〜70重量%、更に好ましくは10〜60
重量%である。ポリオレフィン単位の含有量が2重量%
未満となると、ポリオレフィンによるポリウレタン物性
への改質効果が少ない。一方、ポリオレフィン単位の含
有量が80重量%を超えると、ポリオレフィン変性ポリ
オールの粘度が上昇し、作業性が低下する。又、ポリオ
レフィン変性ポリオールと液分離しなければ、ポリオレ
フィンとグラフト共重合していないポリオールが存在し
ても構わない。
【0052】ポリオレフィン変性ポリオールのOHVは
5〜600mgKOH/gである。好ましくは9〜49
0mgKOH/g、更に好ましくは9〜190mgKO
H/gである。ポリオレフィン変性ポリオールのOHV
が5mgKOH/g未満になると、粘度の上昇、或い
は、ポリウレタン樹脂の強度が低下する等の問題が生じ
る。一方、OHVが600mgKOH/gを超えると、
ポリオレフィン単位の含有量にも依るが、ポリオレフィ
ン変性ポリオールを長期に貯蔵した場合、ポリオレフィ
ン相とポリオール相が分離する傾向にあるので好ましく
ない。又、25℃におけるポリオレフィン変性ポリオー
ルの粘度は200〜100000mPa・sであり、室
温で液状を呈していることが好ましい。ポリオレフィン
変性ポリオールの粘度は、ポリオレフィン単位の含有
量、及びポリオレフィンの組成に依存する。ポリオレフ
ィン変性ポリオールの好ましい粘度は400〜8000
0mPa・s/25℃である。更に好ましくは400〜
50000mPa・s/25℃である。ポリオレフィン
変性ポリオールの粘度は低いほど好ましい。粘度が10
0000mPa・s/25℃を超えると、作業性が低下
する上、ポリイソシアネート化合物との混合性も低下す
る。
【0053】更に、本発明のポリオレフィン変性ポリオ
ールは、室温(18〜25℃)で1ヶ月静置しても均一
状態であることが好ましい。室温において、ポリオレフ
ィンは、ポリオキシアルキレン化されたポリオールと比
較して、比重が小さいため、未反応ポリオレフィンが存
在していると、ポリオレフィン変性ポリオールは二層に
分離する傾向にある。本発明の方法により、1ヶ月間程
度の保管においても、均一なポリオレフィン変性ポリオ
ールが得られることを見出した。更に、本発明のポリオ
ールによるポリオレフィンの変性方法において、酸無水
物で変性したポリオレフィンを使用していないため、ポ
リオレフィン変性ポリオール中の遊離酸が残存しない利
点を有する。
【0054】又、ポリオレフィン変性ポリオールの経時
的な安定性を向上させるため、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、熱安定剤等を使用しても良い。例えば、酸化防止剤
としては、ブチルヒドロキシアニソール、t−ブチルヒ
ドロキシトルエン、1,3,5−トリメチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[2−[3−(3−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プ
ロピオニロキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、
ジステアリルチオジプロピオネート等が挙げられる。
【0055】紫外線吸収剤としては、p−t−ブチルフ
ェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノン等が挙げられる。熱安定剤としては、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ト
リフェニルホスファイト、トリラウリルホスファイト等
が挙げられる。これら各々の添加量は、ポリオレフィン
変性ポリオールに対して、0.001〜5重量%が好ま
しい。更に好ましくは0.01〜2重量%、最も好まし
くは0.02〜1重量部である。
【0056】以上、詳述したように、本発明の目的は、
従来の製造方法に適用し得る、ポリオレフィン構造を含
有するポリオレフィン変性ポリオール、特に、高濃度の
ポリオレフィンを含有しても均一であり、特定範囲の粘
度を有するポリオレフィン変性ポリオール、及び、その
製造方法を提供することにある。
【0057】本発明により提供されるポリオレフィン変
性ポリオールは、ポリオレフィン構造の特徴を活かしな
がら、従来のポリウレタンの製造方法に適用し得る、ポ
リオレフィン構造を含有するポリオールであり、ポリウ
レタンフォーム、及び、エラストマー、塗料、接着剤、
床材、防水材、シーリング材、靴底、弾性補強剤等の幅
広いポリウレタン分野の他に、相溶化剤、界面活性剤、
潤滑剤、作動液の分野等において使用できる優れた資材
である。
【0058】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明の熊様
を更に明らかにするが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。実施例、比較例における分析、及び
評価は、下記の方法に従って行った。
【0059】(1)ポリオレフィン、及びその組成(単
位:モル%) ポリオレフィンとして、エチレンとプロピレンのランダ
ム共重合体、及び、ポリエチレンを用いた。その組成
は、「有機化合物のスペクトルによる同定法」(R.
M.SILVERSTEIN著、1983年発行、第4
刷、東京化学同人発行)記載の方法(231〜277
頁)により、13C−核磁気共鳴装置(日本電子(株)
製、400MHz13C−NMR)を用いて、エチレン、
及び、プロピレンに由来する特性スペクトルを検出し、
各スペクトルの面積比から、共重合体の構成成分比を求
める。
【0060】(2)ポリオレフィンの極限粘度(以下、
[η]という、単位:dl/g) 「高分子合成の実験法」(大津 隆行、木下 雅悦共
書、1993年発行、第14刷、化学同人発行)記載の
方法(27〜29頁)により、ウベローデ粘度計を用
い、デカリンを溶媒として、135℃におけるオレフィ
ン重合体の[η]の測定を行う。
【0061】(3)ポリオレフィンの数平均分子量(以
下、Mnという、単位:g/mol)、及び、その分子
量分布指数(以下、Mw/Mnという) (株)島津製作所製、LC−6Aシステムを用い、検量
線を東ソー(株)製の単分散ポリスチレンにて作成す
る。測定条件を以下に記す。分離カラム:東ソー(株)
製ポリスチレンゲル(商品名:G6000HX、G40
00HX、G3000HX、G2000HX)、分離
液:液体クロマトグラフィー用テトラヒドロフラン、温
度:40℃、流速:0.7ml/min。
【0062】(4)ポリオレフィン重合体の動粘度(単
位:mm2/s) JIS K−2283記載の方法により、100℃にお
ける動粘度を測定する。
【0063】(5)ポリオレフィン変性ポリオールの水
酸基価(以下、OHVという、単位:mgKOH/g) JIS K−1557記載のOHV測定方法において、
無水フタル酸/ピリジン溶液(以下、ピリジン溶液と言
う)に対するポリオレフィン変性ポリオールの溶解性を
向上させる目的で、ブランク、及び試料を入れたピリジ
ン溶液に、予め、減圧蒸留により、精製、脱水処理を行
った20mlのテトラヒドロフラン(THF)を添加す
る。THFを添加したピリジン溶液に試料を溶解させた
後、JISK−1557に準拠して、OHVの測定を行
う。
【0064】(6)ポリオレフィン変性ポリオールの粘
度(単位:mPa・s/25℃) JIS K−1557記載の方法により測定する。
【0065】(7)ポリオレフィン変性ポリオールの貯
蔵安定性(以下、貯蔵安定性と言う) オレフィン変性ポリオールをガラス製のサンプル瓶に採
取し、密閉後、25℃のオーブンに1ヶ月静置する。1
ヶ月静置後、目視により、外観を評価する。評価基準を
以下に示す。1:ポリオレフィン相とポリオール相とが
分液せず、均一液体。2:やや不均一液体であり、分液
している。3:完全に分液している。
【0066】(8)不飽和基含有ポリオールのOHV、
総不飽和度(単位:meq./g)、及び、酸価(単
位:mgKOH/g) JIS K−1557記載の方法により、測定する。
【0067】次いで、実施例について説明する。エポキ
サイド化合物の付加重合触媒として、以下の調製例1に
示すホスファゼニウム化合物を用いた。更に、該触媒を
使用して、以下の調製例2に示す不飽和基含有ポリオー
ルを調製した。
【0068】調製例1 <ホスファゼニウム化合物(以下、PZNという)>テ
トラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデ
ンアミノ]ホスフォニウムクロリド(Fluka社製)
31.02g(40mmol)を200mlの50重
量%のメタノール−水の混合溶媒に溶解させて、0.2
mol/lの溶液を調整した。この溶液を、室温にて、
140mlの水酸基型に交換した陰イオン交換樹脂(バ
イエル社製、商品名;レバチットMP500)を充填し
たカラム(直径20mm、高さ450mm)に140m
l/hの速度で流通した。次いで、450mlの50重
量%のメタノール−水の混合溶媒を同速度で流通した。
流出液を濃縮した後、80℃、665Paの条件で乾燥
し、固形状とした。この固形物をテトラヒドロフランと
ジエチルエーテルの体積比1:15の混合溶媒に溶解
後、再結晶することにより、28.76gの無色の化合
物を得た。収率は95%であった。
【0069】りん酸トリ−n−ブチルを内部標準化合物
とした、該化合物の重水素化ジメチルスルホキシド溶液
中の31P−NMR(日本電子(株)製核磁気共鳴装置)
の化学シフトは−33.3(5重線、1P)ppm、
7.7(2重線、4P)ppmであり、テトラキス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホ
スフォニウムカチオン中の中心のリン原子、及び、周り
の4つのりん原子として帰属される。又、テトラメチル
シランを内部標準とした1H−NMRの化学シフトは
2.6ppmであり、テトラキス[トリス(ジメチルア
ミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムカチ
オン中のメチル基に帰属され、リン原子とのカップリン
グにより、2重線として観測される。元素分析値(重量
%)は、C:38.28、H:9.82、N:29.4
3、P:19.94(理論値、C:38.09、H:
9.72、N:29.61、P:20.46)であっ
た。
【0070】調製例2 <不飽和基含有ポリオール(以下、不飽和ポリオールA
と言う)>耐圧製のオートクレーブにジプロピレングリ
コール(以下、DPGと言う)を仕込み、次いで、DP
Gの水酸基に対して、0.25モル%のPZNを添加し
た。その後、オートクレーブ内の窒素置換を行い、80
℃に昇温した。反応温度80℃、最大反応圧力が0.4
MPaG以下の条件で、大気圧の状態から、OHVが2
24mgKOH/gになる量のプロピレンオキサイドを
逐次装入した。オートクレーブの圧力に変化が認められ
なくなるまで、同温度で反応を継続した後、80℃、
1.33kPa以下の条件で、0.5時間の減圧処理を
行った。その後、該粗製ポリオール中の水酸基に対し
て、50モル%のアリルグリシジルエーテル(AGE:
和光純薬(株)製)を一括でオートクレーブに装入し、
80℃、15時間反応を継続した。ガスクロマトグラフ
ィー(島津製作所(株)製、型式:GC−14A)に
て、ポリオール中に未反応のAGEが存在しないことを
確認した後、OHVが112mgKOH/gになる量の
プロピレンオキサイドを逐次装入した。プロピレンオキ
サイドの反応温度は、80℃、最大反応圧力は0.35
MPaG以下である。オートクレーブの圧力に変化が認
められなくなるまで、同温度で反応を継続した後、80
℃、1.33kPa以下の条件で、0.5時間の減圧処
理を行い、粗製ポリオールを得た。
【0071】次いで、窒素雰囲気下、該粗製ポリオール
をセパラブルフラスコに仕込み、80℃に昇温後、同温
度にて、粗製ポリオールに対して、3重量%のイオン交
換水、及び2重量%の固体酸(協和化学工業(株)、商
品名:KW−700SEL)を添加した。80℃、3時
間、攪拌を行った後、減圧脱水操作を行いながら、最終
的に、110℃、1.33kPa以下の条件で3時間の
加熱減圧脱水を行った。次いで、保持粒径1μmのろ紙
を用いた加圧ろ過器により、精製ポリオールを回収し
た。精製ポリオールの分析を行った結果、OHVは11
3.1mgKOH/g、総不飽和度は0.988me
q./g、酸価は、0.011mgKOH/gであっ
た。GPC分析の結果、分子量分布指数(Mw/Mn)
は1.03であった。
【0072】実施例1 ポリオレフィン変性ポリオールA 攪拌機、2本の均圧管付き滴下ロート、温度計、及び水
冷式コンデンサーを装着したセパラブルフラスコに、エ
チレン成分の含有量が48モル%、Mnが3600g/
mol、Mw/Mnが1.65、[η]が0.06dl/
g、動粘度が150mm2/sであるエチレン・プロピ
レン共重合体(以下、ポリオレフィンAと言う)16
6.91gを仕込み、窒素置換を行った。その後、16
0℃に昇温後、同温度にて、滴下ロートに秤量していた
490.60gの不飽和ポリオールA、及び、10.7
1gの過酸化ジ(tert−ブチル)(片山化学(株)
製)を滴下した。2時間で、不飽和ポリオールA、及び
過酸化ジ(tert−ブチル)の滴下を行った。滴下
後、160℃にて2時間の反応を行った後、170℃に
昇温し、170℃、1.33kPa以下の条件で、3時
間の減圧処理を行い、ポリオレフィン変性ポリオールA
を得た。ポリオレフィン変性ポリオールAのポリオレフ
ィン単位の含有量は、25.3重量%、OHVは、8
3.5mgKOH/g、粘度は、3050mPa・s/
25℃であり、貯蔵安定性は1であった。
【0073】実施例2 ポリオレフィン変性ポリオールB 実施例1において、ポリオレフィンAの仕込量を45
0.10g、不飽和ポリオールAの仕込量を450.0
7g、及び過酸化ジ(tert−ブチル)の仕込量を
9.752gに変更した以外は、実施例1と同様な操作
方法により、ポリオレフィン変性ポリオールの合成を行
った。得られたポリオレフィン変性ポリオールBのポリ
オレフィン単位の含有量は、50.0重量%、OHV
は、55.8mgKOH/g、粘度は23000mPa
・s/25℃であり、貯蔵安定性は1であった。
【0074】実施例3 ポリオレフィン変性ポリオールC 実施例1において、ポリオレフィンAの仕込量を35
1.30g、不飽和ポリオールAの仕込量を215.3
1g、及び過酸化ジ(tert−ブチル)の仕込量を
4.687gに変更した以外は、実施例1と同様な操作
方法により、ポリオレフィン変性ポリオールの合成を行
った。得られたポリオレフィン変性ポリオールCのポリ
オレフィン単位の含有量は、62.0重量%、OHV
は、43.3mgKOH/g、粘度は50800mPa
・s/25℃であり、貯蔵安定性は1であった。
【0075】比較例1 ポリオレフィン変性ポリオールD 実施例2において、不飽和ポリオールAを、不飽和基を
有していない2官能性のポリオキシプロピレンポリオー
ル(三井化学(株)製、商品名:Diol−1000、
総不飽和度0.010meq./g)に変更した以外
は、実施例2と同様な操作方法により、ポリオレフィン
変性ポリオールの合成を行った。ポリオレフィンの仕込
みは、ポリオレフィンと不飽和ポリオールとの総重量に
対して、50重量%であった。合成後、一昼夜静置した
後、ポリオレフィンとポリオールとが分液していたた
め、OHV、粘度は測定不可能であった。貯蔵安定性は
3であった。
【0076】比較例2 ポリオレフィン変性ポリオールE 実施例1において、ポリオレフィンAの仕込量を77
9.10g、及び不飽和ポリオールAの仕込量を40.
90gに変更した以外は、実施例1と同様な方法によ
り、ポリオレフィン変性ポリオールを合成した。ポリオ
レフィンの仕込みは、ポリオレフィンと不飽和ポリオー
ルとの総重量に対して、95重量%であった。合成後、
一昼夜静置した後、ポリオレフィンとポリオールとが分
液していたため、OHV、粘度は測定不可能であった。
貯蔵安定性は3であった。
【0077】実施例、比較例の結果を[表1]にまとめ
た。表中のDiol−1000とは、水酸化カリウムを
触媒として、ジプロピレングリコールにプロピレンオキ
サイドを付加重合したポリオキシプロピレンポリオール
であり、総不飽和度が0.010meq./gのポリオ
ールである。DTBOとは、ラジカル開始剤である過酸
化ジ(tert−ブチル)の略号である。
【0078】
【表1】
【0079】<実施例の考察>[表1]より、ポリオール
中の不飽和基含有量が0.988meq./gである不
飽和ポリオールとポリオレフィンとをグラフト共重合し
たポリオレフィン変性ポリオールは、ポリオレフィン単
位の含有量が25.3〜62.0重量%まで増加しても
液分離を起こさず、貯蔵安定性に優れている(実施例1
〜3)。一方、不飽和基含有量が0.010meq./
gと低いポリオキシプロピレンポリオール(Diol−
1000)を使用したポリオレフィン変性ポリオール
は、ポリオレフィンの仕込量が実施例2と同様であるに
も係わらず2層に分離する(比較例1)。更に、ポリオ
レフィンと不飽和ポリオールとの総重量に対して、ポリ
オレフィンの仕込量が95重量%の場合(比較例2)、
比較例1と同様、2層に分離するため貯蔵安定性が悪
い。
【0080】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン変性ポリオール
は、ポリオレフィン構造を含有したポリオールであっ
て、高濃度のポリオレフィンを含有した場合も、液状を
呈しており、特定範囲の粘度を有し、且つ、液分離を起
こさず、貯蔵安定性に優れている。従って、本発明に係
わるオレフィン変性ポリオールは、ポリウレタンフォー
ム、塗料、接着剤、床材、防水材、シーリング材、靴
底、エラストマー等のポリウレタン分野のみならず、潤
滑油、樹脂改質剤、ポリウレタンとポリオレフィンとの
相溶化剤等の幅広い分野において、使用し得る極めて有
用な資材である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊豆川 作 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J027 AC01 AC02 AC03 AC04 AC05 AC06 AC07 AC09 AJ01 AJ03 AJ04 AJ05 CA04 CB04 CC02 CD08 CD09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量300〜10000のポリ
    オレフィン(a)と総不飽和度が少なくとも0.05m
    eq/gである不飽和基含有ポリオール(b)とをグラ
    フト共重合したポリオレフィン変性ポリオールであっ
    て、ポリオレフィン(a)単位の含有量が2〜80重量
    %、水酸基価が5〜600mgKOH/g、及び、25
    ℃における粘度が200〜100000mPa・sであ
    ることを特徴とするポリオレフィン変性ポリオール。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン(a)単位の含有量が5
    〜70重量%であることを特徴とする請求項1記載のポ
    リオレフィン変性ポリオール。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン(a)単位が、α−オレ
    フィン単位を20〜80モル%含む、エチレンと炭素原
    子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であること
    を特徴とする請求項1記載のポリオレフィン変性ポリオ
    ール。
  4. 【請求項4】 不飽和基含有ポリオール(b)が、アク
    ロイル基、メタアクロイル基、ビニルフェニル基、プロ
    ペニル基、アリル基、及びビニルエーテル基から選ばれ
    た少なくとも1種の不飽和基を有するポリオールである
    ことを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン変性ポ
    リオール。
  5. 【請求項5】 不飽和基含有ポリオール(b)中のオキ
    シアルキレン基が少なくとも30重量%であることを特
    徴とする請求項1記載のポリオレフィン変性ポリオー
    ル。
  6. 【請求項6】 25℃における粘度が400〜8000
    0mPa・sであることを特徴とする請求項1記載のポ
    リオレフィン変性ポリオール。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポ
    リオレフィン変性ポリオールを製造する方法であって、
    ラジカル開始剤の存在下、100〜200℃において、
    数平均分子量300〜10000のポリオレフィン
    (a)と総不飽和度が少なくとも0.05meq/gで
    ある不飽和基含有ポリオール(b)との総重量に対し
    て、(a)が2〜80重量%の範囲でグラフト共重合反
    応を行うことを特徴とするポリオレフィン変性ポリオー
    ルの製造方法。
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WO2022048099A1 (zh) * 2020-09-01 2022-03-10 万华化学集团股份有限公司 一种窄分布三乙醇胺嵌段聚醚的制备方法、嵌段聚醚及其应用

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