JPH10195111A - 重合体の製造方法 - Google Patents

重合体の製造方法

Info

Publication number
JPH10195111A
JPH10195111A JP1732697A JP1732697A JPH10195111A JP H10195111 A JPH10195111 A JP H10195111A JP 1732697 A JP1732697 A JP 1732697A JP 1732697 A JP1732697 A JP 1732697A JP H10195111 A JPH10195111 A JP H10195111A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
reaction
monomer
polymerization
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1732697A
Other languages
English (en)
Inventor
Michihiro Kawai
道弘 河合
Tsugio Kimura
次雄 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP1732697A priority Critical patent/JPH10195111A/ja
Publication of JPH10195111A publication Critical patent/JPH10195111A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で効率的に機能性重合体を製造する方
法を提供する。 【解決手段】 (a)ラジカル重合性基およびその他の
反応性基を有するラジカル重合性単量体、(b)該反応
性基と反応し得る改質用化合物、および、(c)前記
(a)以外のラジカル重合性単量体、を連続的に重合器
に供給し、同器内で重合開始剤の存在下または非存在下
に前記混合物を180〜300℃に5〜60分間加熱し
て、得られる反応生成物を連続的に同器外に取り出すこ
とにより、前記改質用化合物の結合した重合体を製造す
る。この製造方法によると、短時間のうちに効率よく機
能性重合体を得ることができる。また、分子量分布が狭
く、且つ着色の少ない重合体を得ることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能性重合体の製
造方法に関し、さらに詳しくは、連続重合法を用いて、
改質用化合物の存在下に180〜300℃の高温でラジ
カル重合性単量体を重合させることにより、上記改質用
化合物に基づく単位を機能性単位として有する重合体の
製造方法に関する。本発明の方法によれば、機能性重合
体を短時間で効率的に製造することができる。
【0002】
【従来の技術】汎用重合体にない特異な性質または機能
を有する重合体すなわち機能性重合体の代表的な製造方
法としては、従来下記(A)または(B)等の方法が知
られている。 (A)ラジカル重合性基と機能性基とを有する単量体
(以下「機能性単量体」という。)をラジカル重合させ
る。 (B)ラジカル重合性基を有するが機能性基のない汎用
単量体をラジカル重合させて汎用重合体を製造し、その
後この汎用重合体の側鎖に機能性基を導入する反応(以
下「改質反応」という。)を行う。しかしながら、上記
(A)の方法に関しては、通常機能性単量体は、汎用単
量体と比較して高価なために、目的重合体の製造コスト
の観点からそれを多量に使用することは難しく、一方
(B)の方法に関しては、重合工程と改質反応工程の2
工程が必要であるため、やはり上記(A)と同様に製造
コストが高くなるという問題があった。
【0003】上記問題点を解決するための技術手段とし
て、前記(B)の方法における改質反応と単量体の重合
反応を平行して同時に行うことが提案されている(特開
平1−215802号公報)。すなわち、同公報には、
例えばカルボキシル基とラジカル重合性基の両者を有す
る(メタ)アクリル酸等を含むラジカル重合性単量体
を、該カルボキシル基と反応性の水酸基を有するポリ
(アルキレンオキシド)モノアルキルエーテル等の界面
活性能を有するアルコールの存在下に、具体的には13
0〜150℃程度の単量体の還流温度でラジカル重合さ
せることにより、重合反応と同時にエステル化反応をさ
せ、ポリ(アルキレンオキシド)モノアルキルエーテル
単位を側鎖とする重合体を得る方法が開示されている。
【0004】しかしながら、上記のようにエテスル化反
応とラジカル重合を平行させる場合に上記公報開示の方
法では、重合終了の時点でエテスル化反応率が低いた
め、これを高めるべく、重合終了後にさらに加熱および
/または副生成物の水の系外除去等の操作が必要だっ
た。要するに、上記公報開示の方法では、機能性重合体
を製造するのに、実質的に長時間を要するという問題が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、機
能性重合体を短時間で効率的に製造する方法を提供する
ことを課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、(a)ラジカル重合性
基およびその他の反応性基を有するラジカル重合性単量
体(以下「特性単量体」という。)、(b)該反応性基
と反応し得る改質用化合物、および、(c)前記(a)
以外のラジカル重合性単量体、を連続的に重合器に供給
し、同器内で重合開始剤の存在下または非存在下に前記
混合物を180〜300℃に5〜60分間加熱して、得
られる反応生成物を連続的に同器外に取り出すことを特
徴とする前記改質用化合物の結合した重合体(以下「目
的重合体」ということがある。)の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】上記本発明における主要な特徴
は、反応温度として180〜300℃という高温を採用
している点にあり、かかる高温を採用することにより、
5〜60分間という短時間で目的の機能性重合体を高収
率で得ることを可能としたのである。さらに、本発明に
おいては、連続的製造法の採用により、機能性重合体の
生産効率を一層向上させることができたのである。ま
た、本発明において改質用化合物は、重合する前の特性
単量体および重合により得られる重合体中の該単量体単
位のいずれとも反応するものと推測する。
【0008】反応温度が、180℃未満であると、改質
用化合物が特性単量体および得られる重合体中の該単量
体単位と反応する際の速度が不十分であり、機能性重合
体を製造するのに長時間を要し本発明の目的が達成でき
ない。一方、反応温度が、300℃を超えると、重合体
の熱分解が起こり、高品質の目的重合体が得られない。
本発明において好ましい反応温度は、200〜280℃
であり、さらに好ましくは210〜250℃である。重
合および改質反応時の圧力は、反応温度と反応液の沸点
等に依存するが、80〜200℃程度の沸点の単量体を
主体とする反応液を用いる場合には、通常5〜50kg
/cm2 である。
【0009】上記の反応条件で、目的重合体は5〜60
分間という短時間で高収率で製造できる。反応時間が5
分未満であると、重合体への改質用化合物の導入量が不
足したり、また未反応のラジカル重合性単量体および改
質用化合物が多く残存する。一方、反応時間が60分を
越えると、反応液が着色したり望ましくない副生成物が
生じる。より好ましい反応時間は、5〜40分である。
本発明においては、上記の如き短時間の反応を効率よく
行うために、連続重合方式を採用している。バッチ重合
方式では、反応時間が短すぎるため反応中の温度制御が
難しく、バッチ間で目的重合体の組成のバラツキが生じ
る。
【0010】本発明における連続重合方式においては、
重合反応器として加圧可能な反応器を用い、後記するラ
ジカル重合性単量体および改質用化合物(以下これらを
「単量体等」と総称することがある)を連続的に重合反
応器へ供給しながら、原料の供給量に見合う量の反応生
成液を抜き出すとともに、前記のとおり、上記重合反応
器における単量体等の反応温度を180〜300℃と
し、かつ該単量体等の重合反応器における滞留時間を5
〜60分間とする必要がある。なお、反応開始前の反応
器には、改質用化合物または該化合物と重合溶剤の混合
液等を仕込んでおくことが好ましく、通常反応器内容物
の温度を180〜300℃の範囲内の所定温度に昇温し
た後、上記単量体等を重合反応器に供給させる。反応器
から抜き出された反応生成液は、そのまま製品としても
よいが、蒸発器等により揮発成分を分離して目的重合体
を単離することが好ましい。また、未反応のラジカル重
合性単量体、改質用化合物および重合溶剤等を分離回収
して再使用することもできる。高温でかつ連続重合法に
より反応を行うことにより、例えば80〜120℃程度
で行われる一般的な溶液重合により得られる重合体と比
較して、本発明によれば、分散度すなわちMw/Mnの
小さい、具体的には1.0〜4.0の重合体が得られ
る。
【0011】本発明において使用される単量体は、前記
特性単量体およびその他のラジカル重合性単量体(以下
これらを単に「ラジカル重合性単量体」と総称する。)
である。ラジカル重合性単量体としては、(メタ)アク
リル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)
アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水
酸基含有(メタ)アクリレート;無水マレイン酸、マレ
イン酸、マレイン酸のモノ及びジアルキルエステル;ス
チレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量
体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル;エチレン、プロピレン等のアルケン;ブタジエン、
イソプレン等のジエン;(メタ)アクリロニトリル、
(メタ)アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、アリルクロライドおよびアリルアルコール等が挙げ
られる。
【0012】上記ラジカル重合性単量体のうち、(メ
タ)アクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸またはマ
レイン酸のモノアルキルエステル等は、特性単量体とし
て使用できる。すなわち、これらを使用する場合には、
改質用化合物として水酸基を有する化合物を用いれば、
エステル化反応により、目的とする重合体に改質用化合
物が導入される。水酸基を有する改質用化合物として
は、シクロヘキシルアルコール等のシクロアルカノー
ル;イソプロピルアルコール等のアルカノール;フルオ
ロアルキルアルコール等のハロゲン基含有アルコール;
エチレングリコール、ブタンジオール等のアルキレンジ
オール;シクロヘキサンジオール、シクロヘキシルジメ
タノール等のシクロアルキレンジオール;末端に水酸基
を有するポリエーテル、ポリエステル等のポリマー;2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤;2(2’ヒドロキシ−5’−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’ヒドロキシ
−5’−ターシャリブチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が挙げられ
る。上記のエステル化反応により改質用化合物を目的重
合体に導入する場合、好ましいカルボキシル基含有単量
体は、(メタ)アクリル酸である。また、好ましい改質
用化合物は、耐薬品性や耐候性等に優れる重合体が得ら
れる点でシクロヘキサノールで代表されるシクロアルカ
ノールである。
【0013】上記カルボキシル基含有単量体の代わり
に、アルキル(メタ)アクリレートまたはカルボン酸ビ
ニルエステル等のエステル基含有単量体を用いて、前記
水酸基を有する改質用化合物とエステル交換反応をさせ
ることにより、機能性重合体を製造することもできる。
この場合、好ましい特性単量体は、メチル(メタ)アク
リレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートお
よび2−エチルヘキシルアクリレートである。
【0014】さらに、カルボキシル基含有単量体または
エステル基含有単量体の代わりに、水酸基含有単量体を
使用して、改質用化合物としてカルボキシル基またはエ
ステル基含有化合物を用い、それらの反応によるエステ
ル結合の形成により、機能性基を導入することもでき
る。水酸基含有単量体としては、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートまたはヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等が好ましい。カルボキシル基または
エステル基含有化合物としては、シクロヘキシルカルボ
ン酸 シクロヘキシルジカルボン酸 アジピン酸、セバ
シン酸 フルオロアルキルジカルボン酸 無水マレイン
酸およびフマル酸等のカルボキシル基含有化合物;酢酸
エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、メチルプ
ロピレングリコールアセテート、カルビトールアセテー
トおよびエチルカルビトールアセテート等のエステル基
含有化合物が挙げられる。
【0015】上記のようなエステル化またはエステル交
換反応を採用する場合には、パラトルエンスルホン酸、
メタンスルホン酸、リン酸等の酸触媒;テトラアルキル
チタネート、アルミニウムアルコキサイド、アルカリ金
属アルコキサイド、有機錫化合物等の触媒を適量使用す
ることにより、反応がより円滑に進む。
【0016】エステル結合によって重合体に機能性基を
導入する他の方法としては、特性単量体として前記した
カルボキシル基含有単量体を用い、改質用化合物として
シクロヘキセン、シクロペンテンおよびイソブテン等の
アルケンを用いる方法がある。この方法では、カルボキ
シル基がエチレン性不飽和結合に付加反応する結果、エ
ステル結合が形成され、改質用化合物が重合体と結合す
る。
【0017】(a)特性単量体、(b)改質用化合物お
よび(c)前記(a)以外のラジカル重合性単量体の好
ましい使用割合は、それらの合計量を基準にして、
(a):5〜60重量%(b):15〜60重量%およ
び(c):5〜65重量%であり、さらに好ましくは、
(a):10〜40重量%(b):30〜55重量%お
よび(c):20〜50重量%である。(a)特性単量
体の割合が、5重量%未満であると得られる重合体への
改質用化合物の導入量が少な過ぎ、実用的に優れた物性
を有する機能性重合体が得られ難く、一方60重量%を
越えて(a)特性単量体を使用すると、相対的に成分
(c)の使用割合が少な過ぎ、重合体の物性が低下し易
い。(b)改質用化合物の割合が、15重量%未満であ
ると得られる重合体への改質用化合物の導入量が少な過
ぎ、実用的に優れた物性を有する機能性重合体が得られ
難く、一方60重量%を越えると相対的に成分(a)お
よび成分(c)からなるラジカル重合性単量体の濃度が
低下して、重合速度が低下し易い。成分(c)の割合
が、5重量%未満であると得られる重合体の物性が低下
し易く、一方65重量%を越えると得られる重合体への
改質用化合物の導入量が過少になり易い。
【0018】上記(a)特性単量体、(b)改質用化合
物および(c)前記(a)以外のラジカル重合性単量体
からなる原料は、前記のとおり、連続的に重合反応器に
供給され、同器内に5〜60分間滞留した後、反応器外
に取り出される。その際、重合反応器における重合反応
は、ほぼ100%の反応率となるが、重合と平行して起
こる改質反応の反応率は、通常10〜80%程度であ
る。改質反応の反応率は、高ければ高いほど好ましく、
例えば反応温度および滞留時間すなわち反応時間等を適
宜調整することにより、該反応率を高めることができ
る。改質反応の反応率が100%の場合には、改質用化
合物は、勿論仕込みどおりの割合で重合体中に導入され
るが、そうでない場合には、使用された改質用化合物の
一部が重合体中に導入され、残余は未反応のまま反応生
成物中に残る。
【0019】改質用化合物に基づく機能性基の目的重合
体における好ましい割合は、該重合体の用途によって異
なるが、通常該重合体の全構成単位の合計量を基準にし
て、5〜50重量%である。但し、改質用化合物として
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系紫外線吸収剤等を
用いる場合には、目的重合体における機能性基の割合
が、0.1〜5重量%であっても、目的とする効果は得
られる。
【0020】本発明における単量体等の反応に際して、
重合開始剤は、使用してもまたはしなくてもよい。重合
開始剤を使用する場合には、アゾ系の開始剤及び過酸化
物系の開始剤等が好ましい。例えば、ジターシャリブチ
ルパーオキサイド、過酸化水素、ターシャリブチルハイ
ドロパーオキサイド等の開始剤が、分解温度が高く且つ
着色が少ないことから好適に用いられる。重合開始剤の
好ましい使用量は、例えば目的とする分子量が1,00
0〜10,000である場合には、ラジカル重合性単量
体100重量部当たり、0.001〜5重量部である。
また、本発明においては、反応溶剤を使用してもまたは
しなくてもよく、使用する場合には、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチ
ルケトンおよびメチルイソブチルケトン等が好ましく使
用できる。反応溶剤を用いる場合、その使用量は、反応
液中20重量%以下であることが好ましい。
【0021】本発明の製造方法により得られる目的重合
体の好ましい分子量は、重量平均分子量(Mw)が50
0〜100,000、より好ましくは1000〜50,
000である。分子量が500未満では、目的重合体の
物性が不十分となる恐れがあり、一方分子量が100,
000を超えると、反応時における粘度が高くなり改質
反応の速度が遅くなる場合がある。
【0022】本発明の製造方法により得られた重合体の
用途としては、塗料、粘着剤、接着剤、粘着性付与剤、
可塑剤、分散剤、界面活性剤、繊維加工剤、ゲルコート
剤、弾性壁材、塗膜防水材、床材、シーリング材、各種
バインダー、熱硬化型エラストマー、マイクロセルラ
ー、吸音材料、制振材料、インキ用樹脂、フィルム材
料、各種成型材料、合わせガラス用樹脂、弾性繊維、人
工皮革、合成皮革等が上げられる。また、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂等の各種樹脂への添加剤として、例えば、粘
着性付与剤、可塑剤、耐衝撃性付与剤、相溶化剤等とし
て用いてもよい。特に、シクロヘキシルアルコール、シ
クロヘキシルカルボン酸又はシクロヘキセン等を改質用
化合物に用いてシクロヘキシル基を導入した重合体は、
このシクロヘキシル基により重合体の耐候性を向上可能
であるので、耐候性塗料等として好適に利用される。
【0023】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を詳細
に説明する。 (1)製造方法 〔実施例1〜6〕表1に示す組成の原料液から、実施例
1〜6に対応する重合体A−1〜A−6をそれぞれ製造
した。
【0024】
【表1】
【0025】使用した装置の概略を図1に示す。攪拌器
及びヒータを備えた加圧式の反応器2に、改質用化合物
としてのシクロヘキシルアルコール(実施例1〜5)又
は1,4−ブタンジオール(実施例6)を満たし、表1
に示す所定の反応温度まで昇温して、圧力調節器により
ゲージ圧が20〜22kg/cm2 になるように圧力を
調節した。次いで、反応器2の温度及び圧力を一定に保
ちながら、表1に示す組成の原料液をフィードタンク1
から反応器へ一定の供給速度で連続的に供給するととも
に、この供給量に見合う量の反応液を反応器2から抜き
出した。このとき、滞留時間が表1に示す時間となるよ
うに供給速度を調節した。反応器2から抜き出した反応
液は薄膜蒸留器3に導入し、未反応の単量体やエステル
化/交換反応により副生した水及び/又はアルコール等
の揮発成分を除去して目的とする重合体を得た。また、
薄膜蒸留器3により除去された揮発成分のうち、未反応
の単量体は反応器2に戻して反応に再利用し、副生した
水及び/又はアルコールは反応系外に抜き出した。
【0026】〔比較例1〜2〕実施例1〜6と同様の装
置及び操作で、表1に示す組成の原料液を連続重合させ
て、比較例1〜2に対応する重合体B−1及びB−2を
製造した。
【0027】〔比較例3〕セミバッチ(半回分式)重合
法により、表1に示す組成の原料液から比較例3に対応
する重合体B−3を製造した。操作方法は以下のとおり
である。攪拌器及びヒータを備えた2リットルの反応器
にシクロヘキシルアルコール500gを添加し、反応温
度である150℃まで昇温した。次いで、反応器中の温
度を150℃に保ちながら、表1に示す組成の原料液5
06gを、2時間かけて一定の供給速度で反応器中に連
続滴下した。滴下終了後、熟成及びエステル化反応を促
進するためにDTBP5gを新たに添加し、150℃で
2時間攪拌して熟成反応を行った。熟成終了後、反応液
を抜き出して実施例1〜6と同様に揮発成分を除去し、
目的とする重合体B−3を得た。
【0028】(2)重合体の分析 得られた重合体A−1〜A−6及び重合体B−1〜B−
3について、その重合率、分子量及び単量体ユニットの
重量比を測定した。 〔重合率〕反応器に供給したラジカル重合性単量体の合
計重量と得られた重合体の重量との比を、便宜的な重合
率として表2に示す。 〔分子量〕GPC(東ソー株式会社製)により、以下に
示す条件で測定した。測定結果及びこれから求めた多分
散度を表2に示す。 カラム:GMH(60cm)×2本 溶媒 :テトラヒドロフラン 流量 :1.0ml/分 温度 :40℃スタンタ゛ート゛ :ポリスチレン
【0029】
【表2】
【0030】〔単量体ユニットの重量比〕単量体ユニッ
トの重量比を求める方法を、実施例1の重合体A−1を
例として説明する。この重合体A−1はアクリル酸に由
来するカルボキシル基を有するため、このカルボキシル
基をアルキルエステル化した後、重クロロホルムを溶媒
として 1H−NMRを測定した。得られたNMRチャー
トを図3に示す。このチャートの3〜5ppmには、図
3に示すように、特定単量体ユニットであるシクロヘキ
シルアクリレート(CHA)ユニット、その他のユニッ
トであるブチルアクリレート(BA)ユニット及びアク
リル酸ユニット(アルキルエステル化されている)、メ
チルメタクリレート(MMA)ユニットにそれぞれ帰属
される三つのピークが表れている。各ピークに含まれる
水素数でピーク面積を割って各単量体ユニットのモル比
を求め、これと各単量体ユニットの分子量とから各単量
体ユニットの重量比を算出した。尚、この方法によりN
MRから得られたアクリル酸ユニットの重量比は、酸価
の測定から求めたアクリル酸ユニットの重量比とほぼ一
致した。重合体A−2〜A−6及びB−1〜B−3につ
いても、同様の方法で各単量体ユニットの重量比を求め
た。その結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】(3)結果 実施例1によると、反応温度245℃、滞留時間13.
5分で原料液を加熱することにより、CHAを含まない
原料液から、CHAユニット21重量%を含む重合体A
−1が in situ反応にて得られた。このときの重合率は
95%であり、0.2重量部という少量の重合触媒で、
また短い滞留時間で実用上十分な程度に高い重合率が得
られた。この方法によると、原料としてCHAを用いな
いため原材料費が低減され、また簡略な製造工程によっ
て生産性良く重合体を得ることができる。更に、得られ
た重合体は多分散度が1.6と小さく、このため低粘度
で取扱い作業性等に優れるものであった。
【0033】実施例2は、実施例1の原料液に加えてエ
ステル化触媒(パラトルエンスルホン酸)を用いた例で
あり、実施例1に比べて反応温度が220℃と低いにも
かかわらず、重合体中に含まれるCHAユニットの割合
は24重量%と向上した。実施例3は、単量体の一つと
してスチレンを用い、重合開始剤を使用しない例であ
る。この場合にも多分散度が2.1と小さい重合体が得
られた。また、反応温度は実施例2と同じ220℃であ
るが、滞留時間を30.0分と長くしたことにより、エ
ステル化触媒を使用しなかったにもかかわらずCHAユ
ニットの割合は26重量%と更に向上した。
【0034】実施例4は、アクリル酸に替えてメタクリ
ル酸を用いた他は実施例3と同じ条件で重合体を製造し
た例である。この実施例4の重合体に含まれるCHAユ
ニットは16重量%であり、実施例3で得られた26重
量%に比べて低い。これは、アクリル酸に比べてメタク
リル酸はエステル化の反応性が低いためと考えられる。
実施例5は、特性単量体として(メタ)アクリル酸を使
用せず、エステル交換反応によるシクロヘキシル基の導
入を試みた例である。一般に、エステル交換はエステル
化に比べて反応速度が遅いため、反応を促進するために
エステル交換触媒を使用した。その結果、反応温度22
0℃、滞留時間30.0分でCHAユニット9重量%を
含む重合体が得られた。
【0035】実施例6は、改質用化合物として、シクロ
ヘキシルアルコールに替えて1,4−ブタンジオールを
用いた例である。反応温度245℃、滞留時間13.5
分の反応条件により、特定単量体ユニットとしての4−
ヒドロキシブチルアクリレート(4−HBA)ユニット
12重量%を含む重合体A−6が得られた。即ち、重合
体A−6中に導入された1,4−ブタンジオールのうち
少なくとも一部は、二つの水酸基のうち一つが側鎖に残
されていた。この4−HBAユニットの導入比は、NM
Rチャートにおける3.6ppmのピークから求めた。
尚、この重合体A−6の多分散度が重合体1〜5に比べ
てやや大きいのは、1,4−ブタンジオールの一部が二
つの水酸基の双方でエステル化/交換反応を起こしたた
め等の理由によると考えられるが、反応液中にゲル化物
等はみられなかった。
【0036】そして、実施例1〜6による重合体はいず
れも透明で着色の少ないものであった。具体的には、重
合体A−1〜A−6をそれぞれアセトンで希釈して70
重量%ポリマー溶液を調整し、その着色度をAPHA法
により測定したところ、測定値はいずれも30と低かっ
た。
【0037】これに対して比較例1は、実施例2(反応
温度220℃)と同じ組成のラジカル重合性単量体及び
改質用化合物を用いたが、反応温度を110℃と低くし
た例である。また、反応温度が異なるため重合触媒とし
てDTBPに替えてAIBNを用いた。この比較例1に
より得られた重合体B−1は、実施例2の十倍量のエス
テル化触媒を用いたにもかかわらず含まれるCHAユニ
ットは3重量%であり、実施例2(24重量%)に比べ
て著しく低かった。この結果から、反応温度が110℃
と低い場合には、エステル化触媒を多量に用いてもエス
テル化反応の速度が不十分であることが判る。また、実
施例2の十倍量の重合触媒を用いたにもかかわらず、実
施例2の重合体A−2に比べて重合体B−1は数平均及
び重量平均分子量が著しく高いため高粘度で取り扱いが
困難であった。更に、重合率は90%であり、実施例2
に比べて低かった。
【0038】また、比較例2は、重合触媒(DTBP)
の量を五倍とした点以外は実施例1(反応温度245
℃)と同じ組成の原料液を用いて、反応温度150℃で
連続重合を行った例である。この比較例2により得られ
た重合体B−2は、表3に示すようにCHAユニットを
含まないものであった。即ち、比較例2の条件では反応
温度が低すぎるために、実施例1と同程度の短い反応時
間ではエステル化反応がほとんど進行しないのでCHA
ユニットを導入することができなかった。また、反応温
度が低すぎるため、実施例1と同程度の反応時間では重
合率は88%と低かった。
【0039】そして、比較例3は、重合触媒(DTB
P)の量を五倍とした点以外は実施例2(反応温度22
5℃、滞留時間13.5分)と同じ組成の原料液を用い
て、但し実施例2とは異なり反応温度150℃、滞留時
間240分のセミバッチ重合法により重合体を製造した
例である。この比較例3により得られた重合体B−3
は、240分間にわたって150℃に加熱されていたた
め黄色に着色していた。重合体B−3について、重合体
A−1〜A−6と同様の方法により測定した着色度は4
00であり、滞留時間の短い実施例2の重合体A−2
(着色度30)に比べて著しく高かった。また、同量の
エステル化触媒を用いたにもかかわらず、重合体B−3
に含まれるCHAユニットは9重量%であり、実施例2
の重合体A−2(24重量%)に比べて著しく低い。更
に、重合体A−2の多分散度は1.9と低いのに対し
て、重合体B−3の多分散度は3.3であり、分子量分
布が広くなっていることが判る。
【0040】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。例え
ば、特定単量体ユニットの導入比を更に向上させるため
に、図3に示す製造装置のように、精留塔4を備えた反
応器2を用い、エステル化/交換反応により副生する水
及び/又はアルコールを精留塔4から留去しながら反応
を行ってもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
によると、短時間のうちに効率よく機能性ポリマーを得
ることができる。また、本発明の製造方法によると、分
子量分布が狭く、且つ着色の少ない重合体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において、重合体の製造に用い
た装置を示す説明図である。
【図2】図1に示す装置に精留塔を取り付けた装置を示
す説明図である。
【図3】実施例による重合体A−1の 1H−NMRチャ
ートである。
【符号の説明】
1;フィードタンク、2;反応器、3;薄膜蒸留器、
4;精留塔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ラジカル重合性基およびその他の
    反応性基を有するラジカル重合性単量体、(b)該反応
    性基と反応し得る改質用化合物、および、(c)前記
    (a)以外のラジカル重合性単量体、を連続的に重合器
    に供給し、同器内で重合開始剤の存在下または非存在下
    に前記混合物を180〜300℃に5〜60分間加熱し
    て、得られる反応生成物を連続的に同器外に取り出すこ
    とを特徴とする前記改質用化合物の結合した重合体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記(b)改質用化合物の重合体への結
    合様式がエステル結合である請求項1記載の重合体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記(a)ラジカル重合性単量体として
    (メタ)アクリル酸を用い、かつ前記(b)改質用化合
    物として脂肪族または脂環式アルコールを用いる請求項
    1記載の重合体の製造方法。
JP1732697A 1997-01-14 1997-01-14 重合体の製造方法 Pending JPH10195111A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1732697A JPH10195111A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1732697A JPH10195111A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10195111A true JPH10195111A (ja) 1998-07-28

Family

ID=11940932

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1732697A Pending JPH10195111A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10195111A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003155469A (ja) * 2001-11-20 2003-05-30 Toagosei Co Ltd シーリング材組成物
JP2003193033A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Toagosei Co Ltd シーリング材組成物
US7388038B2 (en) 1998-10-08 2008-06-17 Kaneka Corporation Curable compositions
US20110166246A1 (en) * 2008-04-25 2011-07-07 Industrial Technology Research Institute Encapsulant composition and method for fabricating encapsulant material

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7388038B2 (en) 1998-10-08 2008-06-17 Kaneka Corporation Curable compositions
US7601781B2 (en) 1998-10-08 2009-10-13 Kaneka Corporation Curable compositions
JP2003155469A (ja) * 2001-11-20 2003-05-30 Toagosei Co Ltd シーリング材組成物
JP2003193033A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Toagosei Co Ltd シーリング材組成物
US20110166246A1 (en) * 2008-04-25 2011-07-07 Industrial Technology Research Institute Encapsulant composition and method for fabricating encapsulant material
US9018276B2 (en) * 2008-04-25 2015-04-28 Industrial Technology Research Institute Encapsulant composition and method for fabricating encapsulant material

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6433098B1 (en) Process of preparing curable compositions and compositions therefrom
US20060173142A1 (en) Functionalized thermosetting resin systems
CN107428771B (zh) 制备异山梨醇二(甲基)丙烯酸酯的方法
EP0275081B1 (en) Copolymers of vinyl alcohol and acrylates
US4948857A (en) Copolymers of vinyl acetate and acrylates
CN112004843B (zh) 固化性优异的组合物
US4760152A (en) Pyrrolidonyl acrylate block polymers
JPH10195111A (ja) 重合体の製造方法
CN1317021A (zh) 二烷基过氧化物化合物以及用其引发化学反应的方法
DE2947964A1 (de) Pfropfpolymerisat-dispersionen
US4178326A (en) Low-shrink thermosetting polyesters
US2626945A (en) Interpolymerization of polyolefinic esters of 2-alkenyl alcohols with certain monoolefinic hydrocarbons
US3105065A (en) Method of manufacturing polyvinyl alcohol
JPS59221306A (ja) 反応性重合体の製造方法
JPS6317098B2 (ja)
JP2004143411A (ja) 特殊構造グラフト共重合体の製造方法
JP2002509574A (ja) 残留アリルモノマー低含有率のヒドロキシ官能価アクリル樹脂を製造する方法
WO2005040241A1 (en) Fast drying coating composition comprising an unsaturated hydroxydiester
US20020068777A1 (en) Process for devolatilizing an acrylic resin, process for preparing a powder coating composition and composition capable of being formed into a powder coating composition
JP4291491B2 (ja) ポリオレフィン変性ポリオール及びその製造方法
JPH0580922B2 (ja)
JP7375418B2 (ja) 化合物の製造方法、及び重合体の製造方法
JP2002517528A (ja) アリル/エチレン系共重合体の製造方法
JPS59221305A (ja) 反応性重合体の製造法
WO2020141348A1 (en) (meth)acrylate-functionalized branched polyalpha-olefins