JP2001269183A - 肝臓機能調節剤 - Google Patents

肝臓機能調節剤

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JP2001269183A
JP2001269183A JP2000152773A JP2000152773A JP2001269183A JP 2001269183 A JP2001269183 A JP 2001269183A JP 2000152773 A JP2000152773 A JP 2000152773A JP 2000152773 A JP2000152773 A JP 2000152773A JP 2001269183 A JP2001269183 A JP 2001269183A
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Hideki Matsui
英起 松井
Yasushi Shintani
靖 新谷
Yukiko Hikichi
由紀子 引地
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規肝臓機能調節剤のDNAの提供。 【解決手段】配列番号:1、配列番号:2、配列番号:
3または配列番号:31で表わされるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質またはそれの塩を含有してなる肝臓機能調節剤、該
肝臓機能調節剤のスクリーニング方法など。 【効果】本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたは
それらの塩は、肝臓機能調節作用を有しており、肝機能
不全症、肝炎、肝癌または肝硬変などの疾病の予防・治
療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な肝臓機能調
節剤などに関する。
【0002】
【従来の技術】肝臓は我々の全身のエネルギーの代謝を
調節する上で中心的な役割を担う生命維持に不可欠の臓
器であり、非常に多彩な機能を有している。肝臓の主な
生体機能として例えば、貯蔵・循環機能、分解・排出機
能、代謝機能(各種栄養素[糖質、タンパク質、脂質、
ビタミン、ホルモン等]の処理)、保護・解毒機能及び
血液学的機能などがあるが、そのいずれかが障害を受け
ると、過労感、倦怠感、食欲不振、黄胆や微熱を始めと
する肝機能障害特有の諸症状があらわれることとなる。
さらに、肝硬変、ウイルス肝炎、劇症肝炎、肝癌等の重
篤な肝疾患が、これといった有効な治療法が確立される
ことなく現在に至っている。一方で、肝臓は生体内で最
も高度に分化した、かつ再生能の高い臓器である(Cel
l, 96, 235-244(1999))。肝臓には代謝や合成を司る
肝実質細胞と、Kupffer細胞や血管内皮細胞、I
to細胞などの様々な非実質細胞から構成されている。
なかでも中心的な役割を担っている肝実質細胞は生体内
において各種ホルモンにより制御を受けており、ある環
境下においては極めて旺盛な増殖を示すことが知られて
いる(Science, 276, 60-65 (1997))。例えば、ラ
ットの肝を70%切除した場合、10日間前後でほぼ元
の重量まで回復することが知られており、またヒトでも
肝癌患者等において、部分肝切除とその後の再生による
治療法が行われている。このため、肝再生に関しては古
くからその再生機構に興味が持たれ、細胞生物学の重要
な課題であったのみならず、各種肝疾患に対する治療法
確立のため、注目されてきた問題でもある。事実、肝実
質細胞の増殖による肝再生機構については従来数多くの
研究が行われ、複数の候補となる肝実質細胞増殖因子が
報告されてきた(Molecular Medicine, 34, 544-553
(1997))。
【0003】現在、肝再生を促進する因子としては、H
GF,TGFα,EGF,HB-EGF,TNFα,I
L-6等が知られている。HGFは肝実質細胞を除く全
身の様々な細胞で産生されるが、肝切除を行うことによ
り肝臓を含む多数の臓器の細胞からのHGFの産生が増
加し、血中HGF濃度が上昇し肝実質細胞の増殖に関与し
ていると考えられている(FASEB J., 9, 1527-1536 (19
95))。TGFαはEGFファミリーに属する因子であ
るが、肝実質細胞で産生され、オートクリン因子として
作用するといわれている(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A, 86, 1558-1562 (1989))。一方でEGFはin vitro
で肝細胞の増殖を非常に強く促進する因子として古くか
ら知られていたが、肝臓では発現しないと考えられるこ
とから、実際の肝再生にどれくらい関与しているかは意
見の分かれるところである(FASEBJ., 9, 1527-1536 (1
995))。またHB-EGFは、肝細胞に対し非常に強力
な増殖促進作用を示すことから最近注目されている分子
である(Biochem. Bophys. Res. Commun.,198, 25-31
(1994))。
【0004】しかしながら、最近の研究成果から、肝再
生のいちばん最初の引き金を引くのはHGF等の増殖因
子ではなく、細胞分裂には関与しないものの、G0期か
らG1期への細胞周期の移行を促す因子であることが明
らかとなってきた(Progressin Cell Cycle Researc
h, 2, 37-47 (1996))。これを便宜上プライミング
因子と呼んでいる。肝実質細胞を肝臓から分離、培養す
ることですでにG1期への移行が起こるため、上記の増
殖因子は試験管内での肝実質細胞の増殖を強力に促進す
ることができる。しかしながら正常動物ではこの移行を
促す因子が発現、あるいは活性化しない限り増殖因子を
投与しても肝実質細胞の増殖は誘導できない。現在、こ
のG0期からG1期への移行期に関与する因子の同定が
進められているところである。Posthepatectomy factor
(PHF)/NF-κB、AP-1、あるいはSTAT3を含む転写因子
の活性化がDNA合成の前に起こることが示されており、
肝再生時において重要な役割を演じていると考えられて
いる。これら転写因子の活性化を誘導する因子がすなわ
ちプライミング因子と考えられるが、その候補としてTN
Fα、IL-6が挙がっている。これらのサイトカインがNF-
κB,STAT3など転写因子の活性化に関与すること、また
TNFαレセプターあるいはIL-6のノックアウトマウスで
は肝切除後の肝再生が非常に悪く、NF-κB,STAT3など
の活性化が抑制されていること、さらにこの様な個体に
IL-6を投与することによって肝再生が可能になること等
が報告されており(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94,
1441-1446 (1997)、Science, 274, 1379-1383, (199
6))、プライミング因子としての強い根拠となってい
る。しかしながら、これらの因子が実際の肝再生の場に
実際にどれくらい関与するかについては意見の分かれる
ところである。それを明確に示した研究は未だなされて
いない。特にTNFαは肝再生に関与することが示唆さ
れる一方で、肝障害機構にも深く関与しているものと考
えられるため(Hepatology, 29, 1-4, (1999); J.
Immunol., 153, 1778-1788 (1994))、本来の生理
的な意義については未定である。またこれらの治療薬と
しての有効性についても不明である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】斯かる状況に鑑み、肝
再生に有効な活性を有する新たな因子を見出し、またそ
の因子が肝細胞に対しては副作用(例えば細胞死誘導等
の重篤な作用など)を示さないものであれば、ヒトを含
めた哺乳類の肝機能を正常な状態に調節することができ
ると考えられる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、TNFフ
ァミリーに属するリガンド分子であるTL4(WO98
/03648号)が予想外にも正常ヒト肝実質細胞のDN
A合成能を促進する作用を有することを見出し、かつ他
のTNFファミリーリガンド分子で顕著に認められる、ア
クチノマイシンDとの併用による細胞死誘導活性がTL
4には認められない事実を突き止めた。さらに研究を進
めることにより、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(1)配列番号:
1、配列番号:2、配列番号:3または配列番号:31
で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩を含
有してなる肝臓機能調節剤、(2)配列番号:1、配列
番号:2または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列が、配列番号:1で表わ
されるアミノ酸配列の第8〜21番目、第54〜59番
目、第93〜102番目、第109〜116番目、第1
18〜126番目、第128〜134番目、第144〜
149番目、第162〜170番目、第176〜182
番目、第184〜189番目、第193〜213番目、
第215〜219番目および第228〜240番目のア
ミノ酸配列を有するアミノ酸配列である上記(1)記載
の剤、(3)上記(1)記載のタンパク質の部分ペプチ
ドまたはその塩を含有してなる肝臓機能調節剤、(4)
上記(1)記載のタンパク質の部分ペプチドが配列番
号:1で表されるアミノ酸配列の第84〜240番目の
アミノ酸配列を有するアミノ酸配列からなるペプチドで
ある上記(3)記載の剤、(5)上記(1)記載のタン
パク質または上記(3)記載の部分ペプチドをコードす
る塩基配列を有するDNAを含有するDNAを含有して
なる肝臓機能調節剤、(6)DNAが配列番号:4〜配
列番号:10のいずれかの配列番号または配列番号:3
0で表わされる塩基配列を有するDNAである上記
(5)記載の剤、(7)上記(1)記載のタンパク質も
しくは上記(3)記載の部分ペプチドまたはそれらの塩
に対する抗体を含有してなる肝臓機能調節剤、(8)
上記(1)記載のタンパク質もしくは上記(3)記載の
部分ペプチドまたはその塩、上記(5)記載のDN
A、または上記(7)記載の抗体を用いることを特徴
とする肝臓機能調節剤のスクリーニング方法、(9)上
記(8)記載のスクリーニング方法を用いて得られる化
合物またはその塩を含有してなる肝臓機能調節剤、(1
0)肝臓機能促進剤である上記(1)、上記(3)、上
記(5)、上記(7)または上記(9)記載の剤、(1
1)肝臓再生剤である上記(1)、上記(3)、上記
(5)、上記(7)または上記(9)記載の剤、(1
2)G0期からG1期への細胞周期の移行促進作用を有
する上記(1)、上記(3)、上記(5)、上記(7)
または上記(9)記載の剤、(13)配列番号:31で
表されるアミノ酸配列を含有してなるタンパク質または
その塩、(14)上記(13)記載のタンパク質をコー
ドする塩基配列を有するDNAを含有するDNA、(1
5)配列番号:30で表される塩基配列を有する上記
(14)記載のDNA、(16)上記(15)記載のD
NAを含有する組換えベクター、(17)上記(16)
記載の組換えベクターで形質転換された形質転換体、
(18)上記(17)記載の形質転換体を培養し、上記
(13)記載のタンパク質を生成、蓄積せしめ、これを
採取することを特徴とする上記(13)記載のタンパク
質またはその塩の製造法、(19)上記(13)記載の
タンパク質またはその塩に対する抗体、(20)上記
(14)記載のDNAまたは上記(19)記載の抗体を
含有してなる診断剤、(21)上記(14)記載のDN
Aに相補的または実質的に相補的な塩基配列を有し、該
DNAの発現を抑制し得る作用を有するアンチセンスD
NA、(22)上記(13)記載のタンパク質またはそ
の塩を用いることを特徴とする上記(13)記載のタン
パク質またはその塩の活性を促進または阻害する化合物
またはその塩のスクリーニング方法、(23)上記(1
3)記載のタンパク質またはその塩を含有してなる上記
(13)記載のタンパク質またはその塩の活性を促進ま
たは阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キ
ット、(24)上記(22)記載のスクリーニング方法
または上記(23)記載のスクリーニング用キットを用
いて得られうる上記(13)記載のタンパク質またはそ
の塩の活性を促進または阻害する化合物またはその塩、
(25)上記(24)記載の化合物またはその塩を含有
してなる医薬組成物、および(26)肝臓機能調節剤で
ある上記(25)記載の医薬組成物などを提供する。
【0008】さらには、本発明は、(27)(i)肝細
胞に、上記(1)記載のタンパク質、上記(3)記載の
部分ペプチドまたはそれらの塩を接触させた場合と、
(ii)肝細胞または肝臓組識に、上記(1)記載のタン
パク質、上記(3)記載の部分ペプチドまたはそれらの
塩および試験化合物を接触させた場合において、該肝細
胞のDNA合成能を測定し、比較することを特徴とする
上記(8)記載のスクリーニング方法、(28)肝細胞
が肝実質細胞である上記(27)記載のスクリーニング
方法、(29)上記(28)記載のスクリーニング方法
を用いて得られる肝臓機能調節作用を有する化合物また
はその塩、(30)肝機能不全症、肝癌、肝炎(ウイル
ス肝炎、劇症肝炎など)または肝硬変の予防・治療剤で
ある上記(24)または上記(28)記載の化合物また
はその塩、および(31)肝臓再生剤である上記(2
4)または上記(28)記載の化合物またはその塩など
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の肝臓機能調節剤に含有さ
れるタンパク質(以下、本発明のタンパク質と称する場
合がある)は、配列番号:1、配列番号:2、配列番
号:3または配列番号:31で表わされるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
る。本発明のタンパク質は、例えば、ヒトや温血動物
(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウ
サギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、ウマ、サルなど)のあらゆ
る細胞(例えば、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓
β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス
細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊
維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファ
ージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細
胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜
細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細
胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆
細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)、またはそれらの
細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位
(例、嗅球、扁桃核、大脳基底核、海馬、視床、視床下
部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵
臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副
腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸、十二指
腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立
腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋などに
由来するタンパク質であってもよく、また合成タンパク
質であってもよい。
【0010】本発明のタンパク質としては、例えば、W
O 98/03648号公報およびWO 97/3491
1号公報に記載のタンパク質などがあげられる。さらに
本発明のタンパク質としては、例えば、J. Clin. Inves
t., 102, 1142-1151 (1998)や米国特許第5,874,240号に
記載のレセプター蛋白質に対するリガンド活性を有する
タンパク質(ポリペプチド)なども含まれる。配列番
号:1、配列番号:2、配列番号:3と実質的に同一の
アミノ酸配列としては、例えば、配列番号:1、配列番
号:2、配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と約4
0%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは約8
0%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好まし
くは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが
挙げられる。特に、配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列のうち第84番目〜第240番目のアミノ酸配列、
配列番号:2で表わされるアミノ酸配列のうち第82番
目〜第239番目のアミノ酸配列または配列番号:3で
表わされるアミノ酸配列のうち第82番目〜第239番
目のアミノ酸配列と約40%以上、好ましくは60%以
上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約
90%以上の相同性を有する場合が好ましい。
【0011】また、配列番号:1、配列番号:2または
配列番号:3と実質的に同一のアミノ酸配列としては、
構成アミノ酸として、配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列の第8〜21番目、第55〜59番目、第93〜
102番目、第109〜116番目、第118〜126
番目、第128〜134番目、第144〜149番目、
第162〜170番目、第176〜182番目、第18
4〜189番目、第193〜213番目、第215〜2
19番目および第228〜239番目のアミノ酸配列を
有するアミノ酸配列なども好ましい。これらのアミノ酸
配列は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列、配列
番号:2で表わされるアミノ酸配列および配列番号:3
で表わされるアミノ酸配列に共通するアミノ酸配列であ
る。また、配列番号:1または配列番号:2と実質的に
同一のアミノ酸配列としては、構成アミノ酸として、配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第8〜21番
目、第54〜59番目、第93〜102番目、第109
〜116番目、第118〜126番目、第128〜13
4番目、第144〜149番目、第162〜170番
目、第176〜182番目、第184〜189番目、第
193〜213番目、第215〜219番目および第2
28〜240番目のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列
なども好ましい。これらのアミノ酸配列は、配列番号:
2で表わされるアミノ酸配列の第6〜20番目、第52
〜57番目、第91〜100番目、第107〜114番
目、第116〜124番目、第126〜132番目、第
142〜147番目、第162〜170番目、第176
〜182番目、第184〜189番目、第192〜21
2番目、第214〜218番目および第227〜239
番目のアミノ酸配列に対応し、配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列と配列番号:2で表わされるアミノ酸配
列に共通するアミノ酸配列である。
【0012】さらに、配列番号:31と実質的に同一の
アミノ酸配列としては、構成アミノ酸として、配列番
号:31で表わされるアミノ酸配列の第8〜21番目、
第57〜66番目、第73〜80番目、第82〜90番
目、第92〜98番目、第108〜111番目、第12
6〜134番目、第140〜146番目、第148〜1
53番目、第157〜177番目、第179〜183番
目および第192〜204番目のアミノ酸配列を有する
アミノ酸配列などがあげられる。配列番号:1、配列番
号:2、配列番号:3または配列番号:31で表わされ
るアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
る本発明のタンパク質としては、上記のとおり配列番
号:1、配列番号:2、配列番号:3または配列番号:
31で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ
酸配列を有し、配列番号:1、配列番号:2、配列番
号:3または配列番号:31で表わされるアミノ酸配列
を含有するタンパク質と実質的に同質の活性を有するタ
ンパク質などが好ましい。実質的に同質の活性として
は、例えば、肝機能調節作用(例、肝細胞維持作用、肝
細胞死抑制作用、肝臓機能促進作用など)、より具体的
には、肝臓再生作用(好ましくは、肝実質細胞増殖作
用)など、さらに具体的には、 G0期からG1期への
細胞周期(好ましくは、肝細胞の細胞周期)の移行促進
作用などの活性が挙げられる。実質的に同質とは、それ
らの活性が性質的(例、生理化学的または薬理学的)に
同質であることを示す。したがって、肝機能調節作用
(例、肝細胞維持作用、肝細胞死抑制作用、肝臓機能促
進作用など)、より具体的には、肝臓再生作用(好まし
くは、肝実質細胞増殖作用)など、さらに具体的には、
G0期からG1期への細胞周期(好ましくは、肝細胞
の細胞周期)の移行促進作用などの活性が同等(例、約
0.01〜20倍、好ましくは約0.2〜5倍、より好
ましくは約0.5〜2倍)であることが好ましいが、こ
れらの活性の程度やタンパク質の分子量などの量的要素
は異なっていてもよい。
【0013】肝機能調節作用(例、肝細胞維持作用、肝
細胞死抑制作用、肝臓機能促進作用など)、より具体的
には、肝臓再生作用(好ましくは、肝実質細胞増殖作
用)など、さらに具体的には、 G0期からG1期への
細胞周期(好ましくは、肝細胞の細胞周期)の移行促進
作用などの活性は、自体公知の方法あるいはそれに準じ
る方法(例えば、目加田英輔、三宅康子、岡田善雄;癌
と化学療法、4、407(1977)などに記載の方法)
や例えば、後述するスクリーニング方法で記載されてい
る方法などを用いて測定することができる。また、本発
明のタンパク質には、配列番号:1、配列番号:2、
配列番号:3または配列番号:31で表わされるアミノ
酸配列中の1または2個以上(例えば1〜80個、好ま
しくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程度、
さらに好ましくは数(例、1〜5)個)のアミノ酸が欠
失したアミノ酸配列、配列番号:1、配列番号:2、
配列番号:3または配列番号:31で表わされるアミノ
酸配列に1または2個以上(例えば1〜80個、好まし
くは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程度、さ
らに好ましくは数(例、1〜5)個)のアミノ酸が付加
したアミノ酸配列、配列番号:1、配列番号:2、配
列番号:3または配列番号:31で表わされるアミノ酸
配列中の1または2個以上(例えば1〜80個、好まし
くは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程度、さ
らに好ましくは数(例、1〜5)個)のアミノ酸が他の
アミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれらを
組み合わせたアミノ酸配列を含有するタンパク質などの
いわゆるムテインも含まれる。上記のようにアミノ酸配
列が欠失または置換されている場合、その欠失または置
換の位置としては、特に限定されないが、例えば、配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第8〜21番
目、第55〜59番目(または第54〜59番目)、第
93〜102番目、第109〜116番目、第118〜
126番目、第128〜134番目、第144〜149
番目、第162〜170番目、第176〜182番目、
第184〜189番目、第193〜213番目、第21
5〜219番目または第228〜239番目(または第
228〜240番目)のアミノ酸配列以外の位置、好ま
しくは、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第9
3〜102番目、第109〜116番目、第118〜1
26番目、第128〜134番目、第144〜149番
目、第162〜170番目、第176〜182番目、第
184〜189番目、第193〜213番目、第215
〜219番目または第228〜240番目のアミノ酸配
列以外の位置、配列番号:2で表わされるアミノ酸配
列の第6〜19番目、第53〜57番目(または第52
〜57番目)、第91〜100番目、第107〜114
番目、第116〜124番目、第126〜132番目、
第142〜147番目、第162〜170番目、第17
6〜182番目、第184〜189番目、第192〜2
12番目、第214〜218番目または第227〜23
8番目(または第227〜239番目)のアミノ酸配列
以外の位置、好ましくは、配列番号:2で表わされるア
ミノ酸配列の第91〜100番目、第107〜114番
目、第116〜124番目、第126〜132番目、第
142〜147番目、第162〜170番目、第176
〜182番目、第184〜189番目、第192〜21
2番目、第214〜218番目または第227〜239
番目のアミノ酸配列以外の位置、配列番号:3で表わ
されるアミノ酸配列の第6〜19番目、53〜57番目
(または第52〜57番目)、第91〜100番目、第
107〜114番目、第116〜124番目、第126
〜132番目、第142〜147番目、第162〜17
0番目、第176〜182番目、第184〜189番
目、第192〜212番目、第214〜218番目また
は第227〜238番目(または第227〜239番
目)のアミノ酸配列以外の位置、好ましくは、配列番
号:3で表わされるアミノ酸配列の第91〜100番
目、第107〜114番目、第116〜124番目、第
126〜132番目、第142〜147番目、第162
〜170番目、第176〜182番目、第184〜18
9番目、第192〜212番目、第214〜218番目
または第227〜239番目のアミノ酸配列以外の位
置、配列番号:31で表わされるアミノ酸配列の第8
〜21番目、第57〜66番目、第73〜80番目、第
82〜90番目、第92〜98番目、第108〜111
番目、第126〜134番目、第140〜146番目、
第148〜153番目、第157〜177番目、第17
9〜183番目および第192〜204番目のアミノ酸
配列以外の位置などが挙げられる。
【0014】さらには、配列番号:1、配列番号:2ま
たは配列番号:3で表されるアミノ酸配列と実質的に同
一のアミノ酸配列を含有するタンパク質として具体的に
は、一般式、 Met Glu Xaa Ser Val Val Xaa Pro Ser Val Phe Val Val Asp Gly Gln 1 5 10 15 Thr Asp Ile Pro Phe Xaa Arg Leu Xaa Xaa Xaa His Arg Arg Xaa Xaa 20 25 30 Cys Xaa Xaa Xaa Xaa Val Xaa Leu Xaa Leu Xaa Leu Leu Leu Xaa Gly 35 40 45 Ala Gly Leu Ala Xaa Gln Gly Trp Phe Leu Leu Xaa Leu His Xaa Arg 50 55 60 Leu Gly Xaa Xaa Vla Xaa Xaa Leu Pro Asp Gly Xaa Xaa Gly Ser Trp 65 70 75 80 Glu Xaa Leu Ile Gln Xaa Xaa Arg Ser His Xaa Xaa Asn Pro Ala Ala 85 90 95 His Leu Thr Gly Ala Asn Xaa Ser Leu Xaa Gly Xaa Gly Gly Pro Leu 100 105 110 Leu Trp Glu Thr Xaa Leu Gly Leu Ala Phe Leu Arg Gly Leu Xaa Tyr 115 120 125 His Asp Gly Ala Leu Val Xaa Xaa Xaa Xaa Gly Tyr Tyr Tyr Xaa Tyr 130 135 140 Ser Lys Val Gln Leu Xaa Gly Val Gly Cys Pro Xaa Gly Leu Ala Xaa 145 150 155 160 Xaa Xaa Xaa Ile Thr His Gly Leu Tyr Lys Arg Thr Xaa Arg Tyr Pro 165 170 175 Glu Xaa Leu Glu Leu Leu Val Ser Xaa Xaa Ser Pro Cys Gly Arg Ala 180 185 190 Xaa Xaa Ser Ser Arg Val Trp Trp Asp Ser Ser Phe Leu Gly Gly Val 195 200 205 Val His Leu Glu Ala Gly Glu Xaa Val Val Val Arg Val Xaa Xaa Xaa 210 215 220 Arg Leu Val Arg Xaa Arg Asp Gly Thr Arg Ser Tyr Phe Gly Ala Phe 225 230 235 240 Met Val (I) 〔式中、Xaaは任意のアミノ酸残基または結合手を示
す〕で表わされるアミノ酸配列〔配列番号:25で表わ
されるアミノ酸配列〕を有するタンパク質なども好まし
く用いられる。
【0015】また、上記の一般式(I)において、1個
または2個以上(例えば1〜56、好ましくは1〜40
個、より好ましくは1〜20個、さらに好ましくは1〜
9個、最も好ましくは数(1〜5)個)の位置でXaa
が欠失していてもよい。Xaaで示されるアミノ酸とし
ては、親水性アミノ酸、疎水性アミノ酸のいずれでもよ
く、また、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、中性アミノ
酸のいずれでもよい。具体的には、Gly、Ala、V
al、Leu、Ile、Ser、Thr、Cys、Me
t、Glu、Asp、Lys、Arg、His、Ph
e、Tyr、Trp、Pro、Asn、Glnなどが用
いられる。一般式(I)中、第3番目のXaaとして
は、Gluが好ましく、あるいは欠失していてもよい。
第7番目のXaaとしては、親水性アミノ酸が好まし
く、具体的には、ArgまたはGlnが好適である。第
22番目のXaaとしては、親水性アミノ酸が好まし
く、具体的には、ThrまたはArgが好適である。第
25番目のXaaとしては、親水性アミノ酸が好まし
く、具体的には、GlyまたはGluが好適である。第
26番目のXaaとしては、親水性アミノ酸が好まし
く、具体的には、ArgまたはGlnが好適である。第
27番目のXaaとしては、親水性アミノ酸が好まし
く、具体的には、SerまたはAsnが好適である。第
31番目のXaaとしては、親水性アミノ酸が好まし
く、具体的には、GlnまたはArgが好適である。第
32番目のXaaとしては、親水性アミノ酸が好まし
く、具体的には、SerまたはArgが好適である。第
34番目のXaaとしては、親水性アミノ酸が好まし
く、具体的には、SerまたはGlyが好適である。第
35番目のXaaとしては、例えば、ValまたはTh
rが好適である。第36番目のXaaとしては、例え
ば、疎水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Alaま
たはValが好適である。第37番目のXaaとして
は、例えば、親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、
ArgまたはGlnが好適である。第39番目のXaa
としては、例えば、親水性アミノ酸が好ましく、具体的
には、GlyまたはSerが好適である。第41番目の
Xaaとしては、例えば、GlyまたはAlaが好適で
ある。第43番目のXaaとしては、例えば、疎水性ア
ミノ酸が好ましく、具体的には、LeuまたはValが
好適である。第47番目のXaaとしては、Metが好
ましく、あるいは欠失していてもよい。第53番目のX
aaとしては、例えば、ValまたはThrが好適であ
る。第60番目のXaaとしては、例えば、親水性アミ
ノ酸が好ましく、具体的には、GlnまたはArgが好
適である。第63番目のXaaとしては、例えば、Tr
pまたはGlnが好適である。第67番目のXaaとし
ては、例えば、酸性アミノ酸が好ましく、具体的には、
GluまたはAspが好適である。第68番目のXaa
としては、例えば、疎水性アミノ酸が好ましく、具体的
には、MetまたはIleが好適である。第70番目の
Xaaとしては、例えば、ThrまたはAlaが好適で
ある。第71番目のXaaとしては、例えば、塩基性ア
ミノ酸が好ましく、具体的には、ArgまたはHisが
好適である。第76番目のXaaとしては、例えば、P
roまたはGlyが好適である。第77番目のXaaと
しては、例えば、AlaまたはLysが好適である。第
82番目のXaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が
好ましく、具体的には、GlnまたはLysが好適であ
る。第86番目のXaaとしては、例えば、酸性アミノ
酸が好ましく、具体的には、GluまたはAspが好適
である。第87番目のXaaとしては、例えば、親水性
アミノ酸が好ましく、具体的には、ArgまたはGln
が好適である。第91番目のXaaとしては、例えば、
親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Gluまたは
Glnが好適である。第92番目のXaaとしては、例
えば、疎水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Val
またはAlaが好適である。第103番目のXaaとし
ては、例えば、SerまたはAlaが好適である。第1
06番目のXaaとしては、例えば、ThrまたはIl
eが好適である。第108番目のXaaとしては、例え
ば、SerまたはIleが好適である。第117番目の
Xaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好ましく、
具体的には、GlnまたはArgが好適である。第12
7番目のXaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好
ましく、具体的には、SerまたはThrが好適であ
る。第135番目のXaaとしては、例えば、Valま
たはThrが好適である。第136番目のXaaとして
は、例えば、ThrまたはMetが好適である。第13
7番目のXaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好
ましく、具体的には、LysまたはGluが好適であ
る。第138番目のXaaとしては、例えば、疎水性ア
ミノ酸が好ましく、具体的には、AlaまたはProが
好適である。第143番目のXaaとしては、例えば、
疎水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Ileまたは
Valが好適である。第150番目のXaaとしては、
例えば、親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Gl
yまたはSerが好適である。第156番目のXaaと
しては、例えば、LeuまたはGlnが好適である。第
160番目のXaaとしては、例えば、親水性アミノ酸
が好ましく、具体的には、SerまたはAsnが好適で
ある。第161番目のXaaとしては、例えば、親水性
アミノ酸が好ましく、具体的には、ThrまたはGly
が好適である。第162番目のXaaとしては、Leu
が好ましく、あるいは欠失していてもよい。第163番
目のXaaとしては、Proが好ましく、あるいは欠失
していてもよい。第173番目のXaaとしては、例え
ば、ProまたはSerが好適である。第178番目の
Xaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好ましく、
具体的には、GluまたはLysが好適である。第18
5番目および186番目のXaaとしては、例えば、親
水性アミノ酸が好ましく、具体的には、GlnまたはA
rgが好適である。第193番目のXaaとしては、T
hrが好ましく、あるいは欠失していてもよい。第19
4番目のXaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好
ましく、具体的には、SerまたはAsnが好適であ
る。第216番目のXaaとしては、例えば、親水性ア
ミノ酸が好ましく、具体的には、LysまたはGluが
好適である。第222番目のXaaとしては、例えば、
疎水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Leuまたは
Proが好適である。第223番目のXaaとしては、
例えば、親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、As
pまたはGlyが好適である。第224番目のXaaと
しては、例えば、親水性アミノ酸が好ましく、具体的に
は、GluまたはAsnが好適である。第229番目の
Xaaとしては、例えば、疎水性アミノ酸が好ましく、
具体的には、LeuまたはProが好適である。
【0016】また、配列番号:31で表されるアミノ酸
配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
質として具体的には、一般式、 Met Glu Xaa Ser Val Val Xaa Pro Ser Val Phe Val Val Asp Gly Gln 1 5 10 15 Thr Asp Ile Pro Phe Xaa Arg Leu Xaa Xaa Xaa His Arg Arg Xaa Xaa 20 25 30 Cys Xaa Xaa Xaa Xaa Asp Gly Xaa Xaa Gly Ser Trp Glu Xaa Leu Ile 35 40 45 Gln Xaa Xaa Arg Ser His Xaa Xaa Asn Pro Ala Ala His Leu Thr Gly 50 55 60 Ala Asn Xaa Ser Leu Xaa Gly Xaa Gly Gly Pro Leu Leu Trp Glu Thr 65 70 75 80 Xaa Leu Gly Leu Ala Phe Leu Arg Gly Leu Xaa Tyr His Asp Gly Ala 85 90 95 Leu Val Xaa Xaa Xaa Xaa Gly Tyr Tyr Tyr Xaa Tyr Ser Lys Val Gln 100 105 110 Leu Xaa Gly Val Gly Cys Pro Xaa Gly Leu Ala Xaa Xaa Ile Thr His 115 120 125 Gly Leu Tyr Lys Arg Thr Xaa Arg Tyr Pro Glu Xaa Leu Glu Leu Leu 130 135 140 Val Ser Xaa Xaa Ser Pro Cys Gly Arg Ala Xaa Xaa Ser Ser Arg Val 145 150 155 160 Trp Trp Asp Ser Ser Phe Leu Gly Gly Val Val His Leu Glu Ala Gly 165 170 175 Glu Xaa Val Val Val Arg Val Xaa Xaa Xaa Arg Leu Val Arg Xaa Arg 180 185 190 Asp Gly Thr Arg Ser Tyr Phe Gly Ala Phe Met Val (II) 195 200 204 〔式中、Xaaは任意のアミノ酸残基または結合手を示
す〕で表わされるアミノ酸配列〔配列番号:47で表わ
されるアミノ酸配列〕を有するタンパク質なども好まし
く用いられる。
【0017】また、上記の一般式(II)において、1個
または2個以上(例えば1〜40個、好ましくは1〜2
0個、より好ましくは1〜9個、最も好ましくは数(1
〜5)個)の位置でXaaが欠失していてもよい。Xa
aで示されるアミノ酸としては、親水性アミノ酸、疎水
性アミノ酸のいずれでもよく、また、酸性アミノ酸、塩
基性アミノ酸、中性アミノ酸のいずれでもよい。具体的
には、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Se
r、Thr、Cys、Met、Glu、Asp、Ly
s、Arg、His、Phe、Tyr、Trp、Pr
o、Asn、Glnなどが用いられる。一般式(II)
中、第3番目のXaaとしては、Gluが好ましく、あ
るいは欠失していてもよい。第7番目のXaaとして
は、親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Argま
たはGlnが好適である。第22番目のXaaとして
は、親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Thrま
たはArgが好適である。第25番目のXaaとして
は、親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Glyま
たはGluが好適である。第26番目のXaaとして
は、親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Argま
たはGlnが好適である。第27番目のXaaとして
は、親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Serま
たはAsnが好適である。第31番目のXaaとして
は、親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Glnま
たはArgが好適である。第32番目のXaaとして
は、親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Serま
たはArgが好適である。第34番目のXaaとして
は、親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Serま
たはGlyが好適である。第35番目のXaaとして
は、例えば、ValまたはThrが好適である。第36
番目のXaaとしては、例えば、疎水性アミノ酸が好ま
しく、具体的には、AlaまたはValが好適である。
第37番目のXaaとしては、例えば、親水性アミノ酸
が好ましく、具体的には、ArgまたはGlnが好適で
ある。第40番目のXaaとしては、例えば、Proま
たはGlyが好適である。第41番目のXaaとして
は、例えば、AlaまたはLysが好適である。第46
番目のXaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好ま
しく、具体的には、GlnまたはLysが好適である。
第50番目のXaaとしては、例えば、酸性アミノ酸が
好ましく、具体的には、GluまたはAspが好適であ
る。第51番目のXaaとしては、例えば、親水性アミ
ノ酸が好ましく、具体的には、ArgまたはGlnが好
適である。第55番目のXaaとしては、例えば、親水
性アミノ酸が好ましく、具体的には、GluまたはGl
nが好適である。第56番目のXaaとしては、例え
ば、疎水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Valま
たはAlaが好適である。第67番目のXaaとして
は、例えば、SerまたはAlaが好適である。第70
番目のXaaとしては、例えば、ThrまたはIleが
好適である。第72番目のXaaとしては、例えば、S
erまたはIleが好適である。第81番目のXaaと
しては、例えば、親水性アミノ酸が好ましく、具体的に
は、GlnまたはArgが好適である。第91番目のX
aaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好ましく、具
体的には、SerまたはThrが好適である。第99番
目のXaaとしては、例えば、ValまたはThrが好
適である。第100番目のXaaとしては、例えば、T
hrまたはMetが好適である。第101番目のXaa
としては、例えば、親水性アミノ酸が好ましく、具体的
には、LysまたはGluが好適である。第102番目
のXaaとしては、例えば、疎水性アミノ酸が好まし
く、具体的には、AlaまたはProが好適である。第
107番目のXaaとしては、例えば、疎水性アミノ酸
が好ましく、具体的には、IleまたはValが好適で
ある。第114番目のXaaとしては、例えば、親水性
アミノ酸が好ましく、具体的には、GlyまたはSer
が好適である。第120番目のXaaとしては、例え
ば、LeuまたはGlnが好適である。第124番目の
Xaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好ましく、
具体的には、SerまたはAsnが好適である。第12
5番目のXaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好
ましく、具体的には、ThrまたはGlyが好適であ
る。第135番目のXaaとしては、Proが好まし
く、あるいは欠失していてもよい。第140番目のXa
aとしては、例えば、親水性アミノ酸が好ましく、具体
的には、GluまたはLysが好適である。第147番
目および148番目のXaaとしては、例えば、親水性
アミノ酸が好ましく、具体的には、GlnまたはArg
が好適である。第155番目のXaaとしては、Thr
が好ましく、あるいは欠失していてもよい。第156番
目のXaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好まし
く、具体的には、SerまたはAsnが好適である。第
178番目のXaaとしては、例えば、親水性アミノ酸
が好ましく、具体的には、LysまたはGluが好適で
ある。第184番目のXaaとしては、例えば、疎水性
アミノ酸が好ましく、具体的には、LeuまたはPro
が好適である。第185番目のXaaとしては、例え
ば、親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Aspま
たはGlyが好適である。第186番目のXaaとして
は、例えば、親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、
GluまたはAsnが好適である。第191番目のXa
aとしては、例えば、疎水性アミノ酸が好ましく、具体
的には、LeuまたはProが好適である。
【0018】本明細書におけるタンパク質は、ペプチド
標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめ
とする、本発明のタンパク質は、C末端が通常カルボキ
シル基(−COOH)またはカルボキシレート(−CO
-)であるが、C末端がアミド(−CONH2)または
エステル(−COOR)であってもよい。ここでエステ
ル基のRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1-6
ルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルな
どのC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−
ナフチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベンジル、
フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基もしくは
α−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2アルキ
ル基などのC7-14アラルキル基のほか、経口用エステル
として汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用い
られる。本発明のタンパク質がC末端以外にカルボキシ
ル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カ
ルボキシル基がアミド化またはエステル化されているも
のも本発明のタンパク質に含まれる。この場合のエステ
ルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用
いられる。
【0019】さらに、本発明のタンパク質には、上記し
たタンパク質において、N末端のアミノ酸残基のアミノ
基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC
1-6アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で保護され
ているもの、N端側が生体内で切断され生成したグルタ
ミル基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ
酸の側鎖上の置換基(例えば、−OH、−SH、アミノ
基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基な
ど)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基
などのC1-6アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で
保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる
糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれる。よ
り具体的には、本発明のタンパク質としては、例えば、
配列番号:1〔図1〜3または図4〜6〕で表わされる
アミノ酸配列を有するヒト肝臓由来のタンパク質、配列
番号:2〔図7〜8または図9〜18〕で表わされるア
ミノ酸配列を有するマウス胚由来のタンパク質、配列番
号:3〔図20〜21〕で表わされるアミノ酸配列を有
するラット肝臓由来のタンパク質、配列番号:31で表
されるヒト肝臓由来のタンパク質などが好適である。本
発明のタンパク質の部分ペプチドとしては、前記した本
発明のタンパク質と同質の活性、例えば、肝機能調節作
用(例、肝細胞維持作用、肝細胞死抑制作用、肝臓機能
促進作用など)、より具体的には、肝臓再生作用(好ま
しくは、肝実質細胞増殖作用)など、さらに具体的に
は、 G0期からG1期への細胞周期(好ましくは、肝
細胞の細胞周期)の移行促進作用などの活性を有するペ
プチドであれば何れのものであってもよい。例えば、本
発明のタンパク質のアミノ酸配列のうち、少なくとも約
20個以上、好ましくは約50個以上、より好ましくは
約70個以上、さらに好ましくは約100個以上、最も
好ましくは約200個以上のアミノ酸残基を有するペプ
チドなどが好ましく用いられる。
【0020】例えば、(1)配列番号:1で表わされる
アミノ酸配列の第8〜21番目、第55〜59番目、第
93〜102番目、第109〜116番目、第118〜
126番目、第128〜134番目、第144〜149
番目、第162〜170番目、第176〜182番目、
第184〜189番目、第193〜213番目、第21
5〜219番目および第228〜239番目のアミノ酸
配列から選ばれる少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を
有する部分ペプチド(すなわち、配列番号:2または配
列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第6〜20番
目、第53〜57番目、第91〜100番目、第107
〜114番目、第116〜124番目、第126〜13
2番目、第142〜147番目、第162〜170番
目、第176〜182番目、第184〜189番目、第
192〜212番目、第214〜218番目および第2
27〜238番目のアミノ酸配列から選ばれる少なくと
も1つ以上のアミノ酸配列を有する部分ペプチド)、
(2)配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第8〜
21番目、第54〜59番目、第93〜102番目、第
109〜116番目、第118〜126番目、第128
〜134番目、第144〜149番目、第162〜17
0番目、第176〜182番目、第184〜189番
目、第193〜213番目、第215〜219番目およ
び第228〜240番目のアミノ酸配列から選ばれる少
なくとも1つ以上のアミノ酸配列を有する部分ペプチド
(すなわち、配列番号:2または配列番号:3で表わさ
れるアミノ酸配列の第6〜20番目、第52〜57番
目、第91〜100番目、第107〜114番目、第1
16〜124番目、第126〜132番目、第142〜
147番目、第162〜170番目、第176〜182
番目、第184〜189番目、第192〜212番目、
第214〜218番目および第227〜239番目のア
ミノ酸配列から選ばれる少なくとも1つ以上のアミノ酸
配列を有する部分ペプチド)、(3)配列番号:31で
表わされるアミノ酸配列の第8〜21番目、第57〜6
6番目、第73〜80番目、第82〜90番目、第92
〜98番目、第108〜113番目、第126〜134
番目、第140〜146番目、第148〜153番目、
第157〜177番目、第179〜183番目および第
192〜203番目のアミノ酸配列から選ばれる少なく
とも1つ以上のアミノ酸配列を有する部分ペプチドなど
が用いられる。
【0021】より具体的には、配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列の第84番目〜第240番目のアミノ酸
配列を有する部分ペプチド、配列番号:2で表わされる
アミノ酸配列の第82番目〜第239番目のアミノ酸配
列を有する部分ペプチド、配列番号:3で表わされるア
ミノ酸配列の第82番目〜第239番目のアミノ酸配列
を有する部分ペプチド、配列番号:31で表わされるア
ミノ酸配列の第48番目〜第204番目のアミノ酸配列
を有する部分ペプチドなどが好ましく用いられる。さら
に、本発明の部分ペプチドとしては、配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列の第84番目〜第240番目の
アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第84番目〜第
240番目のアミノ酸配列を含有するペプチドと実質的
に同質の活性を有するペプチド、配列番号:2で表わ
されるアミノ酸配列の第82番目〜第239番目のアミ
ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列の第82番目〜第23
9番目のアミノ酸配列を含有するペプチドと実質的に同
質の活性を有するペプチド、配列番号:3で表わされ
るアミノ酸配列の第82番目〜第239番目のアミノ酸
配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:
2で表わされるアミノ酸配列の第82番目〜第239番
目のアミノ酸配列を含有するペプチドと実質的に同質の
活性を有するペプチド、配列番号:31で表わされる
アミノ酸配列の第48番目〜第204番目のアミノ酸配
列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列の第48番目〜第204番目
のアミノ酸配列を含有するペプチドと実質的に同質の活
性を有するペプチドなどが好ましい。
【0022】配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の
第84番目〜第240番目のアミノ酸配列と実質的に同
一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列の第84番目〜第240番目のア
ミノ酸配列と約40%以上、好ましくは60%以上、よ
り好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%
以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するア
ミノ酸配列などが用いられる。配列番号:2で表わされ
るアミノ酸配列の第82番目〜第239番目のアミノ酸
配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、
配列番号:2で表わされるアミノ酸配列の第82番目〜
第239番目のアミノ酸配列と約40%以上、好ましく
は60%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好
ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の
相同性を有するアミノ酸配列などが用いられる。配列番
号:3で表わされるアミノ酸配列の第82番目〜第23
9番目のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列と
しては、例えば、配列番号:3で表わされるアミノ酸配
列の第82番目〜第239番目のアミノ酸配列と約40
%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは約80
%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましく
は約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが用
いられる。配列番号:31で表わされるアミノ酸配列の
第48番目〜第204番目のアミノ酸配列と実質的に同
一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番号:31で
表わされるアミノ酸配列の第48番目〜第204番目の
アミノ酸配列と約40%以上、好ましくは60%以上、
より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90
%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する
アミノ酸配列などが用いられる。「実質的に同質の活
性」とは、前記と同意義を示す。
【0023】肝機能調節作用(例、肝細胞維持作用、肝
細胞死抑制作用、肝臓機能促進作用など)、より具体的
には、肝臓再生作用(好ましくは、肝実質細胞増殖作
用)など、さらに具体的には、 G0期からG1期への
細胞周期(好ましくは、肝細胞の細胞周期)の移行促進
作用などの活性は、自体公知の方法(目加田英輔、三宅
康子、岡田善雄;癌と化学療法、4、407(197
7)あるいはそれに準じる方法、例えば、後述するスク
リーニング方法で記載されている方法などを用いて測定
することができる。また、本発明の部分ペプチドには、
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第84番目
〜第240番目のアミノ酸配列中の1または2個以上
(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より
好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数(例、1
〜5)個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列の第84番目〜第24
0番目のアミノ酸配列に1または2個以上(例えば1〜
80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1
〜9個程度、さらに好ましくは数(例、1〜5)個)の
アミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:1で表わ
されるアミノ酸配列の第84番目〜第240番目のアミ
ノ酸配列中の1または2個以上(例えば1〜80個、好
ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程
度、さらに好ましくは数(例、1〜5)個)のアミノ酸
が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれ
らを組み合わせたアミノ酸配配列を含有する部分ペプチ
ド、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列の第82
番目〜第239番目のアミノ酸配列中の1または2個以
上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、よ
り好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数(例、
1〜5)個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列
番号:2で表わされるアミノ酸配列の第82番目〜第2
39番目のアミノ酸配列に1または2個以上(例えば1
〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは
1〜9個程度、さらに好ましくは数(例、1〜5)個)
のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:2で表
わされるアミノ酸配列の第82番目〜第239番目のア
ミノ酸配列中の1または2個以上(例えば1〜80個、
好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程
度、さらに好ましくは数(例、1〜5)個)のアミノ酸
が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれ
らを組み合わせたアミノ酸配配列を含有する部分ペプチ
ド、配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第82
番目〜第239番目のアミノ酸配列中の1または2個以
上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、よ
り好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数(例、
1〜5)個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列
番号:3で表わされるアミノ酸配列の第82番目〜第2
39番目のアミノ酸配列に1または2個以上(例えば1
〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは
1〜9個程度、さらに好ましくは数(例、1〜5)個)
のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:3で表
わされるアミノ酸配列の第82番目〜第239番目のア
ミノ酸配列中の1または2個以上(例えば1〜80個、
好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程
度、さらに好ましくは数(例、1〜5)個)のアミノ酸
が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれ
らを組み合わせたアミノ酸配配列を含有する部分ペプチ
ド、配列番号:31で表わされるアミノ酸配列の第4
8番目〜第204番目のアミノ酸配列中の1または2個
以上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、
より好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数
(例、1〜5)個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配
列、配列番号:31で表わされるアミノ酸配列の第48
番目〜第204番目のアミノ酸配列に1または2個以上
(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より
好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数(例、1
〜5)個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番
号:31で表わされるアミノ酸配列の第48番目〜第2
04番目のアミノ酸配列中の1または2個以上(例えば
1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましく
は1〜9個程度、さらに好ましくは数(例、1〜5)
個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配
列、またはそれらを組み合わせたアミノ酸配配列を含有
する部分ペプチドなども含まれる。
【0024】上記のように欠失または置換されている場
合、具体的には、一般式(I)で表わされるアミノ酸配
列から第1〜83番目のアミノ酸を取り除いたアミノ酸
配列を有するペプチドなどが好ましく用いられる。ま
た、本発明の部分ペプチドのC末端は通常カルボキシル
基(−COOH)またはカルボキシレート(−COO-
であるが、前記した本発明のタンパク質のごとく、C末
端がアミド(−CONH2)またはエステル(−COO
R)(Rは前記と同意義を示す)であってもよい。さら
に、本発明の部分ペプチドには、前記した本発明のタン
パク質と同様に、上記した部分ペプチドにおいて、N末
端のアミノ酸残基のアミノ基が保護基で保護されている
もの、N端側が生体内で切断され生成したグルタミン残
基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の
側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、
あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合
ペプチドなども含まれる。
【0025】本発明の部分ペプチドとしては、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列の第84番目〜第24
0番目のアミノ酸配列、配列番号:2で表わされるアミ
ノ酸配列の第82番目〜第239番目のアミノ酸配列を
有するペプチド、配列番号:3で表わされるアミノ酸配
列の第82番目〜第239番目のアミノ酸配列、配列番
号:31で表わされるアミノ酸配列の第48番目〜第2
04番目のアミノ酸配列を有するペプチドが好適であ
る。本発明のタンパク質またはその部分ペプチドの塩と
しては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機
酸)または塩基(例、アルカリ金属)などとの塩が用い
られ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機
酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マ
レイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚
酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸)との塩などが用いられる。本発明のタンパク質また
はその塩は、前述したヒトや温血動物の細胞または組織
から自体公知のタンパク質の精製方法によって製造する
こともできるし、後述するタンパク質をコードするDN
Aを含有する形質転換体を培養することによっても製造
することができる。また、後述のタンパク質合成法また
はこれに準じて製造することもできる。具体的には、W
O 98/03648号公報またはWO97/3491
1号公報に記載の方法によって製造することができる。
ヒトや温血動物の組織または細胞から製造する場合、ヒ
トや温血動物の組織または細胞をホモジナイズした後、
酸などで抽出を行い、該抽出液を逆相クロマトグラフィ
ー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラ
フィーを組み合わせることにより精製単離することがで
きる。
【0026】本発明のタンパク質、その部分ペプチドも
しくはそれらの塩またはそれらのアミド体の合成には、
通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができ
る。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹
脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセト
アミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェ
ノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocア
ミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることができ
る。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基
を適当に保護したアミノ酸を、目的とするタンパク質の
配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で
縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパク質を切り出
すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で
分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的のタン
パク質、その部分ペプチドまたはそれらのアミド体を取
得する。上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、タン
パク質合成に使用できる各種活性化試薬を用いることが
できるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジイ
ミド類としては、DCC、N,N'-ジイソプロピルカルボジイ
ミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロリル)カル
ボジイミドなどが用いられる。これらによる活性化には
ラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt, HOOBt)とともに保
護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対称酸無水
物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとしてあ
らかじめ保護アミノ酸の活性化を行なったのちに樹脂に
添加することができる。保護アミノ酸の活性化や樹脂と
の縮合に用いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応
に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択され
うる。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メ
チルピロリドン、クロロホルム、トリフルオロエタノー
ル、ジメチルスルホキシド、DMF、ジメチルスルホキシ
ド、ピリジン、クロロホルム、ジオキサン、塩化メチレ
ン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチ
ル、N-メチルピロリドンあるいはこれらの適宜の混合
物などが用いられる。反応温度はタンパク質結合形成反
応に使用され得ることがしられている範囲から適宜選択
され、通常約−20℃〜50℃の範囲から適宜選択され
る。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜4倍過
剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結
果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことな
く縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なうこ
とができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られな
いときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを用
いて未反応アミノ酸をアセチル化することによって、後
の反応に影響を与えないようにすることができる。
【0027】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、ターシャリーアミルオキシカルボニル、
イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジル
オキシカルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカ
ルボニル、トリフルオロアセチル、フタリル、ホルミ
ル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホス
フィノチオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキシル
基は、例えば、アルキルエステル(例えば、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ターシャリーブチル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオ
クチル、2−アダマンチルなどのエステル基)、ベンジ
ルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メトキ
シベンジルエステル、4−クロロベンジルエステル、ベ
ンズヒドリルエステル、フェナシンエステル、ベンジル
オキシカルボニルヒドラジド、ターシャリーブトキシカ
ルボニルヒドラジド、トリチルヒドラジドなどに導くこ
とによって保護することができる。セリンの水酸基は、
例えば、エステル化またはエーテル化によって保護する
ことができる。このエステル化に適する基としては、例
えば、アセチル基などの低級アルカノイル基、ベンゾイ
ル基などのアロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基などの炭素から誘導される基など
が用いられる。また、エーテル化に適する基としては、
例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基、t-ブチ
ル基などである。
【0028】チロシンのフェノール性水酸基の保護基と
しては、例えば、Bzl、Cl2-Bzl、2−ニトロベンジル、
Br-Z、ターシャリーブチルなどが用いられる。ヒスチジ
ンのイミダゾールの保護基としては、例えば、Tos、4-
メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、
ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用
いられる。原料のカルボキシル基の活性化されたものと
しては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エス
テル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノール、
2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノー
ル、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノール、
HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタルイ
ミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原料の
アミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対応す
るリン酸アミドが用いられる。保護基の除去(脱離)方
法としては、例えば、Pd-黒あるいはPd-炭素などの触媒
の存在下での水素気流中での接触還元や、また、無水フ
ッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスル
ホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの混合液など
による酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、トリエ
チルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどによる塩基処
理、また液体アンモニア中ナトリウムによる還元なども
用いられる。上記酸処理による脱離反応は、一般に約−
20℃〜40℃の温度で行なわれるが、酸処理において
は、例えば、アニソール、フェノール、チオアニソー
ル、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチルスルフ
ィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタンジチオールの
ようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒス
チジンのイミダゾール保護基として用いられる2,4-ジニ
トロフェニル基はチオフェノール処理により除去され、
トリプトファンのインドール保護基として用いられるホ
ルミル基は上記の1,2-エタンジチオール、1,4-ブタンジ
チオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、希
水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによるアルカ
リ処理によっても除去される。原料の反応に関与すべき
でない官能基の保護および保護基、ならびにその保護基
の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは公知の基
あるいは公知の手段から適宜選択しうる。
【0029】タンパク質のアミド体を得る別の方法とし
ては、まず、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシ
ル基をアミド化して保護した後、アミノ基側にペプチド
(タンパク質)鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプ
チド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いたタ
ンパク質とC末端のカルボキシル基の保護基のみを除去
したタンパク質とを製造し、この両タンパク質を上記し
たような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細につ
いては上記と同様である。縮合により得られた保護タン
パク質を精製した後、上記方法によりすべての保護基を
除去し、所望の粗タンパク質を得ることができる。この
粗タンパク質は既知の各種精製手段を駆使して精製し、
主要画分を凍結乾燥することで所望のタンパク質のアミ
ド体を得ることができる。タンパク質のエステル体を得
るには、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基
を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした
後、タンパク質のアミド体と同様にして、所望のタンパ
ク質のエステル体を得ることができる。本発明の部分ペ
プチドまたはその塩は、自体公知のペプチドの合成法に
従って、あるいは本発明のタンパク質を適当なペプチダ
ーゼで切断することによって製造することができる。ペ
プチドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相合
成法のいずれによっても良い。すなわち、本発明のタン
パク質を構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残
余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保
護基を脱離することにより目的のペプチドを製造するこ
とができる。公知の縮合方法や保護基の脱離としては、
例えば、以下の〜に記載された方法が挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成
広川書店
【0030】また、反応後は通常の精製法、例えば、溶
媒抽出・蒸留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマ
トグラフィー・再結晶などを組み合わせて本発明のタン
パク質を精製単離することができる。上記方法で得られ
るタンパク質が遊離体である場合は、公知の方法あるい
はそれに準じる方法によって適当な塩に変換することが
できるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法あるい
はそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変換
することができる。本発明のタンパク質をコードするD
NAとしては、前述した本発明のタンパク質をコードす
る塩基配列を含有するものであればいかなるものであっ
てもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラ
リー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細
胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのい
ずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バ
クテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミ
ドなどいずれであってもよい。また、前記した細胞・組
織よりmRNA画分を調製したものを用いて直接Revers
e Transcriptase Polymerase Chain Reaction(以下、
RT-PCR法と略称する)によって増幅することもで
きる。また、WO 98/03648号公報またはWO
97/34911号公報に記載の本発明のタンパク質を
コードする塩基配列を含有するDNAも本発明のDNA
としてあげられる。
【0031】具体的には、本発明の配列番号:1で表わ
されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするD
NAとしては、例えば、配列番号:4で表わされる塩
基配列を有するDNA、配列番号:4で表わされる塩
基配列を有するDNAにハイストリンジェントな条件下
でハイブリダイズし、配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列を有するタンパク質と同質の活性(例、肝機能調
節作用(例、肝細胞維持作用、肝細胞死抑制作用、肝臓
機能促進作用など))、より具体的には、肝臓再生作用
(好ましくは、肝実質細胞増殖作用)など、さらに具体
的には、 G0期からG1期への細胞周期(好ましく
は、肝細胞の細胞周期)の移行促進作用などの活性)を
有するタンパク質をコードするDNAなどが用いられ
る。配列番号:4で表わされる塩基配列を有するDNA
とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズでき
るDNAとしては、例えば、配列番号:4で表わされる
塩基配列と約40%以上、好ましくは約60%以上、よ
り好ましくは80%以上、さらに好ましくは約90%以
上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基
配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0032】本発明の配列番号:2で表わされるアミノ
酸配列を有するタンパク質をコードするDNAとして
は、例えば、配列番号:7で表わされる塩基配列を有
するDNA、配列番号:7で表わされる塩基配列を有
するDNAにハイストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズし、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を有
するタンパク質と同質の活性を有するタンパク質をコー
ドするDNAなどが用いられる。配列番号:7で表わさ
れる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズできるDNAとしては、例えば、配列番号:7
で表わされる塩基配列と約40%以上、好ましくは約6
0%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましく
は約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性
を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
本発明の配列番号:3で表わされるアミノ酸配列を有す
るタンパク質をコードするDNAとしては、例えば、
配列番号:10で表わされる塩基配列を有するDNA、
配列番号:10で表わされる塩基配列を有するDNA
にハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、
配列番号:3で表わされるアミノ酸配列を有するタンパ
ク質と同質の活性を有するタンパク質をコードするDN
Aなどが用いられる。配列番号:10で表わされる塩基
配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
できるDNAとしては、例えば、配列番号:10で表わ
される塩基配列と約40%以上、好ましくは約60%以
上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは約9
0%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有す
る塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。本発明
の配列番号:31で表わされるアミノ酸配列を有するタ
ンパク質をコードするDNAとしては、例えば、配列
番号:30で表わされる塩基配列を有するDNA、配
列番号:30で表わされる塩基配列を有するDNAにハ
イストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、配列
番号:2で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質
と同質の活性を有するタンパク質をコードするDNAな
どが用いられる。
【0033】配列番号:30で表わされる塩基配列とハ
イストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるD
NAとしては、例えば、配列番号:30で表わされる塩
基配列と約40%以上、好ましくは約60%以上、より
好ましくは80%以上、さらに好ましくは約90%以
上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基
配列を含有するDNAなどが用いられる。ハイブリダイ
ゼーションは、自体公知の方法あるいはそれに準じる方
法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular
Cloning)2nd(J. Sambrook etal., Cold Spring Harb
or Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行な
うことができる。また、市販のライブラリーを使用する
場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうこ
とができる。より好ましくは、ハイストリンジェントな
条件に従って行なうことができる。ハイストリンジェン
トな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40
mM、好ましくは約19〜20mMで、温度が約50〜
70℃、好ましくは約60〜65℃の条件を示す。特
に、ナトリウム濃度が約19mMで温度が約65℃の場
合が最も好ましい。より具体的には、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードす
るDNAとしては、配列番号:4で表わされる塩基配列
を有するDNAなどが用いられる。また、本発明の配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク
質をコードするDNAを含有するDNAとしては、例え
ば、配列番号:5〔図1〜3〕または配列番号:6〔図
4〜6〕で表わされる塩基配列を有するDNAなどが用
いられる。
【0034】配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を
含有するタンパク質をコードするDNAとしては、配列
番号:7で表わされる塩基配列を有するDNAなどが用
いられる。また、本発明の配列番号:2で表わされるア
ミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAを
含有するDNAとしては、例えば、配列番号:8〔図7
〜8〕または配列番号:9で表わされる塩基配列を有す
るDNA〔図9〜18〕などが用いられる。配列番号:
3で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコ
ードするDNAとしては、配列番号:10で表わされる
塩基配列を有するDNAなどが用いられる。配列番号:
31で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質を
コードするDNAとしては、配列番号:30で表わされ
る塩基配列を有するDNAなどが用いられる。本発明の
部分ペプチドをコードするDNAとしては、前述した本
発明の部分ペプチドをコードする塩基配列を含有するも
のであればいかなるものであってもよい。また、ゲノム
DNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組
織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNA
ライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラ
リーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラ
スミド、コスミド、ファージミドなどいずれであっても
よい。また、前記した細胞・組織よりmRNA画分を調
製したものを用いて直接RT-PCR法によって増幅す
ることもできる。
【0035】具体的には、配列番号:1で表わされるア
ミノ酸配列の第8〜21番目、第55〜59番目(また
は第54〜59番目)、第93〜102番目、第109
〜116番目、第118〜126番目、第128〜13
4番目、第144〜149番目、第162〜170番
目、第176〜182番目、第184〜189番目、第
193〜213番目、第215〜219番目および第2
28〜239番目(または第228〜240番目)のア
ミノ酸配列から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸配列
を有する部分ペプチドをコードするDNAとしては、例
えば、配列番号:4で表わされる塩基配列の第22〜6
3番目、第163〜177番目(または第160〜17
7番目)、第277〜306番目、第325〜348番
目、第352〜378番目、第382〜402番目、第
430〜447番目、第484〜510番目、第526
〜546番目、第550〜567番目、第577〜63
9番目、第643〜657番目および第682〜717
番目(または第682〜720番目)の塩基配列から選
ばれる少なくとも1つの塩基配列を有するDNAなどが
用いられる。配列番号:2で表わされるアミノ酸配列の
第6〜20番目、第53〜57番目(または第52〜5
7番目)、第91〜100番目、第107〜114番
目、第116〜124番目、第126〜132番目、第
142〜147番目、第162〜170番目、第176
〜182番目、第184〜189番目、第192〜21
2番目、第214〜218番目および第227〜238
番目(または第227〜239番目)のアミノ酸配列か
ら選ばれる少なくとも1つのアミノ酸配列を有する部分
ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、配列番
号:7で表わされる塩基配列の第16〜60番目、第1
57〜171番目(または第154〜171番目)、第
271〜300番目、第319〜342番目、第346
〜372番目、第376〜396番目、第424〜44
1番目、第484〜510番目、第526〜546番
目、第550〜567番目、第574〜636番目、第
640〜654番目および第678〜714番目(また
は第678〜717番目)の塩基配列から選ばれる少な
くとも1つの塩基配列を有するDNAなどが用いられ
る。
【0036】配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の
第6〜20番目、第53〜57番目(または第52〜5
7番目)、第91〜100番目、第107〜114番
目、第116〜124番目、第126〜132番目、第
142〜147番目、第162〜170番目、第176
〜182番目、第184〜189番目、第192〜21
2番目、第214〜218番目および第227〜238
番目(または第227〜239番目)のアミノ酸配列か
ら選ばれる少なくとも1つのアミノ酸配列を有する部分
ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、配列番
号:10で表わされる塩基配列の第16〜60番目、第
157〜171番目(または第154〜171番目)、
第271〜300番目、第319〜342番目、第34
6〜372番目、第376〜396番目、第424〜4
41番目、第484〜510番目、第526〜546番
目、第550〜567番目、第574〜636番目、第
640〜654番目および第678〜714番目(また
は第678〜717番目)の塩基配列から選ばれる少な
くとも1つの塩基配列を有するDNAなどが用いられ
る。配列番号:31で表わされるアミノ酸配列の第8〜
21番目、第57〜66番目、第73〜80番目、第8
2〜90番目、第92〜98番目、第108〜113番
目、第126〜134番目、第140〜146番目、第
148〜153番目、第157〜177番目、第179
〜183番目および第192〜203番目のアミノ酸配
列から選ばれる少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を有
する部分ペプチドをコードするDNAとしては、例え
ば、配列番号:30で表わされる塩基配列の第22〜6
3番目、第169〜198番目、第217〜240番
目、第244〜270番目、第274〜294番目、第
322〜339番目、第376〜402番目、第418
〜438番目、第442〜459番目、第469〜53
1番目、第535〜549番目および第574〜607
番目の塩基配列から選ばれる少なくとも1つの塩基配列
を有するDNAなどが用いられる。
【0037】また、配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列の第84番目〜240番目のアミノ酸配列を有する
部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、
配列番号:4で表わされる塩基配列の第250番目〜第
720番目の塩基配列を有するDNA、配列番号:4
で表わされる塩基配列の第250番目〜第720番目の
塩基配列を有するDNAにハイストリンジェントな条件
下でハイブリダイズし、配列番号:1で表わされるアミ
ノ酸配列の第84番目〜240番目のアミノ酸配列を有
する部分ペプチドと同質の活性(例、肝機能調節作用
(例、肝細胞維持作用、肝細胞死抑制作用、肝臓機能促
進作用など))、より具体的には、肝臓再生作用(好ま
しくは、肝実質細胞増殖作用)など、さらに具体的に
は、 G0期からG1期への細胞周期(好ましくは、肝
細胞の細胞周期)の移行促進作用などの活性)を有する
部分ペプチドをコードするDNAなども用いられる。配
列番号:4で表わされる塩基配列の第250番目〜第7
20番目の塩基配列とハイストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番
号:4で表わされる塩基配列の第250番目〜第720
番目の塩基配列と約40%以上、好ましくは約60%以
上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは約9
0%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有す
る塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列の第82番目〜239
番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチドをコードする
DNAとしては、例えば、配列番号:7で表わされる
塩基配列の第244番目〜第717番目の塩基配列を有
するDNA、配列番号:7で表わされる塩基配列の第
244番目〜第717番目の塩基配列を有するDNAに
ハイブリダイズし、配列番号:2で表わされるアミノ酸
配列の第82番目〜239番目のアミノ酸配列を有する
部分ペプチドと同質の活性(例、肝機能調節作用(例、
肝細胞維持作用、肝細胞死抑制作用、肝臓機能促進作用
など))、より具体的には、肝臓再生作用(好ましく
は、肝実質細胞増殖作用)など、さらに具体的には、
G0期からG1期への細胞周期(好ましくは、肝細胞の
細胞周期)の移行促進作用などの活性)を有する部分ペ
プチドをコードするDNAなども用いられる。
【0038】配列番号:7で表わされる塩基配列の第2
44番目〜第717番目の塩基配列とハイストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、
例えば、配列番号:7で表わされる塩基配列の第244
番目〜第717番目の塩基配列と約40%以上、好まし
くは約60%以上、より好ましくは80%以上、さらに
好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上
の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用い
られる。配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第8
2番目〜239番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチ
ドをコードするDNAとしては、例えば、配列番号:
10で表わされる塩基配列の第244番目〜第717番
目の塩基配列を有するDNA、配列番号:10で表わ
される塩基配列の第244番目〜第717番目の塩基配
列を有するDNAにハイブリダイズし、配列番号:3で
表わされるアミノ酸配列の第82番目〜239番目のア
ミノ酸配列を有する部分ペプチドと同質の活性(例、肝
機能調節作用(例、肝細胞維持作用、肝細胞死抑制作
用、肝臓機能促進作用など))、より具体的には、肝臓
再生作用(好ましくは、肝実質細胞増殖作用)など、さ
らに具体的には、 G0期からG1期への細胞周期(好
ましくは、肝細胞の細胞周期)の移行促進作用などの活
性)を有する部分ペプチドをコードするDNAなども用
いられる。また、配列番号:31で表わされるアミノ酸
配列の第48番目〜204番目のアミノ酸配列を有する
部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、
配列番号:30で表わされる塩基配列の第142番目〜
第612番目の塩基配列を有するDNA、配列番号:
30で表わされる塩基配列の第142番目〜第612番
目の塩基配列を有するDNAにハイストリンジェントな
条件下でハイブリダイズし、配列番号:31で表わされ
るアミノ酸配列の第48番目〜204番目のアミノ酸配
列を有する部分ペプチドと同質の活性(例、肝機能調節
作用(例、肝細胞維持作用、肝細胞死抑制作用、肝臓機
能促進作用など))、より具体的には、肝臓再生作用
(好ましくは、肝実質細胞増殖作用)など、さらに具体
的には、G0期からG1期への細胞周期(好ましくは、
肝細胞の細胞周期)の移行促進作用などの活性)を有す
る部分ペプチドをコードするDNAなども用いられる。
配列番号:10で表わされる塩基配列の第244番目〜
第717番目の塩基配列とハイストリンジェントな条件
下でハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、配
列番号:10で表わされる塩基配列の第244番目〜第
717番目の塩基配列と約40%以上、好ましくは約6
0%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましく
は約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性
を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
ハイブリダイゼーションの方法およびハイストリンジェ
ントな条件は、前記と同様である。
【0039】より具体的には、配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列の第84番目〜240番目のアミノ酸配
列を有する部分ペプチドをコードするDNAとしては、
配列番号:4で表わされる塩基配列の第250番目〜第
720番目の塩基配列を有するDNAなどが用いられ
る。配列番号:2で表わされるアミノ酸配列の第82番
目〜239番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチドを
コードするDNAとしては、配列番号:7で表わされる
塩基配列の第244番目〜第717番目の塩基配列を有
するDNAなどが用いられる。配列番号:3で表わされ
るアミノ酸配列の第82番目〜239番目のアミノ酸配
列を有する部分ペプチドをコードするDNAとしては、
配列番号:10で表わされる塩基配列の第244番目〜
第717番目の塩基配列を有するDNAなどが用いられ
る。配列番号:31で表わされるアミノ酸配列の第48
番目〜204番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチド
をコードするDNAとしては、配列番号:30で表わさ
れる塩基配列の第142番目〜第612番目の塩基配列
を有するDNAなどが用いられる。本発明のタンパク質
またはその部分ペプチドをコードするDNAのクローニ
ングの手段としては、本発明のタンパク質をコードする
DNAの部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを
用いて、PCR法によって前記DNAライブラリー等か
ら目的とするDNAを増幅するか、または適当なベクタ
ーに組み込んだDNAを本発明のタンパク質の一部ある
いは全領域を有するDNA断片もしくは合成DNAを用
いて標識したものとのハイブリダイゼーションによって
選別することができる。ハイブリダイゼーションの方法
は、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular
Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Har
bor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行な
うことができる。また、市販のライブラリーを使用する
場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうこ
とができる。DNAの塩基配列の変換(欠失・付加・置
換)は、公知のキット、例えば、MutanTM-G(宝酒造
(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))などを用いて、G
apped duplex法やKunkel法などの自体公知の方法あるい
はそれらに準じる方法に従って行なうことができる。ク
ローン化された本発明のタンパク質またはその部分ペプ
チドをコードするDNAは、目的によりそのまま、また
は所望により制限酵素で消化したり、リンカーを付加し
たりして使用することができる。該DNAはその5'末
端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また3'
末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまた
はTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コドン
や翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用
いて付加することもできる。本発明のタンパク質または
その部分ペプチドをコードするDNAの発現ベクター
は、例えば、(イ)本発明のタンパク質をコードするD
NAから目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該D
NA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流
に連結することにより製造することができる。ベクター
としては、例えば、大腸菌由来のプラスミド(例、pB
R322,pBR325,pUC12,pUC13)、
枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110,pTP
5,pC194)、酵母由来プラスミド(例、pSH1
9,pSH15)、λファージなどのバクテリオファー
ジ、レトロウイルス,ワクシニアウイルス,バキュロウ
イルスなどの動物ウイルスなどの他、pA1−11、p
XT1、pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNA
I/Neoなどが用いられる。本発明で用いられるプロ
モーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応し
て適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。
例えば、動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプ
ロモーター、SV40プロモーター、LTRプロモータ
ー、CMV(サイトメガロウイルス)プロモーター、H
SV-TKプロモーターなどが挙げられる。これらのう
ち、CMVプロモーター、SRαプロモーターなどを用
いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア属菌である場合
は、trpプロモーター、lacプロモーター、rec
Aプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモー
ターなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO
1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロ
モーターなど、宿主が酵母である場合は、AOX1プロ
モーター、PHO5プロモーター、PGKプロモータ
ー、GAPプロモーター、ADHプロモーターなどが好
ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプ
ロモーター、P10プロモーターなどが好ましい。発現
ベクターには、以上の他に、所望によりエンハンサー、
スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マ
ーカー、SV40複製オリジン(以下、SV40ori
と略称する場合がある)などを含有しているものを用い
ることができる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒ
ドロ葉酸還元酵素(以下、dhfrと略称する場合があ
る)遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Ampr
と略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子(以
下、Neoと略称する場合がある、G418耐性)等が
用いられる。dhfr遺伝子はメソトレキセート(MT
X)耐性を、NeoはG418耐性を付与する。特に、
dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞CHO
を用いてdhfr遺伝子を選択マーカーとして使用する
場合、チミジンを含まない培地によっても目的とする遺
伝子を選択することができる。また、必要に応じて、宿
主に合ったシグナル配列を、タンパク質のN端末側に付
加する。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、PhoA
・シグナル配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主が
バチルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル
配列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母
である場合は、MFα・シグナル配列、SUC2・シグ
ナル配列など、宿主が動物細胞である場合には、例えば
インシュリン・シグナル配列、α−インターフェロン・
シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ
利用できる。
【0040】このようにして構築された本発明のタンパ
ク質をコードするDNAを含有するベクターを細胞に導
入することによって形質転換体を製造することができ
る。宿主としては、例えば、エシェリヒア属菌、バチル
ス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞などが用いら
れる。エシェリヒア属菌としては、例えば、エシェリヒ
ア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1〔プロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA),60巻,160(196
8)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッズ・リサー
チ,(Nucleic Acids Research),9巻,309(19
81)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレキュラ
ー・バイオロジー(Journal of Molecular Biolog
y)〕,120巻,517(1978)〕,HB101
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,4
1巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティック
ス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用
いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・
サチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,
24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャーナ
ル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemis
try),95巻,87(1984)〕などが用いられる。
酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22
-,NA87−11A,DKD−5D,20B−1
2、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomy
ces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピ
キア パストリス(Pichia pastoris)KM71などが
用いられる。昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞とし
ては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21
細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィトロ(in Vit
ro),13, 213-217,(1977))などが用いられる。
【0041】昆虫としては、例えば、カイコの幼虫など
が用いられる〔前田ら、ネイチャー(Nature),315
巻,592(1985)〕。動物細胞としては、例えば、
サル細胞COS−7,Vero,チャイニーズハムスター
細胞CHO(以下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝
子欠損チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CH
O(dhfr-)細胞と略記),マウスL細胞,マウス
AtT−20,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,
ヒトFL細胞、293細胞、C127細胞、BALB3
T3細胞、Sp−2細胞などが用いられる。これらの中
でも、CHO細胞、CHO(dhfr-)細胞、293
細胞などが好ましい。エシェリヒア属菌を形質転換する
には、例えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユ
ーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69
巻,2110(1972)やジーン(Gene),17巻,1
07(1982)などに記載の方法に従って行なうことが
できる。バチルス属菌を形質転換するには、例えば、モ
レキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス
(Molecular & General Genetics),168巻,11
1(1979)などに記載の方法に従って行なうことがで
きる。酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ・イ
ン・エンザイモロジー(Methods in Enzymology),1
94巻,182−187(1991)、プロシージング
ズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA),75巻,1929(1978)など
に記載の方法に従って行なうことができる。
【0042】昆虫細胞や昆虫を形質転換するには、例え
ば、バイオ/テクノロジー(Bio/Technology),6, 47-5
5(1988))などに記載の方法に従って行なうことができ
る。動物細胞を形質転換するには、例えば、細胞工学別
冊8 新細胞工学実験プロトコール.263−267
(1995)(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Virolog
y),52巻,456(1973)に記載の方法に従って
行なうことができる。発現ベクターの細胞への導入方法
としては、例えば、リン酸カルシウム法〔Graham, F.
L. and van der Eb, A. J.ヴィロロジー(Virology) 5
2, 456-467(1973)〕、電気穿孔法〔Nuemann, E. et a
l. エンボ・ジャーナル(EMBO J.) 1,841-845(198
2)〕等が用いられる。このようにして、本発明のタン
パク質をコードするDNAを含有する発現ベクターで形
質転換された形質転換体を得ることができる。なお、動
物細胞を用いて、本発明のタンパク質を安定に発現させ
る方法としては、上記の動物細胞に導入された発現ベク
ターが染色体に組み込まれた細胞をクローン選択によっ
て選択する方法がある。具体的には、上記の選択マーカ
ーを指標にして形質転換体を選択することができる。さ
らに、このように選択マーカーを用いて得られた動物細
胞に対して、繰り返しクローン選択を行なうことにより
本発明のタンパク質の高発現能を有する安定な動物細胞
株を得ることができる。また、dhfr遺伝子を選択マ
ーカーとして用いた場合、MTX濃度を徐々に上げて培
養し、耐性株を選択することにより、dhfr遺伝子と
ともに、本発明のタンパク質をコードするDNAを細胞
内で増幅させて、さらに高発現の動物細胞株を得ること
もできる。上記の形質転換体を本発明のタンパク質また
はその部分ペプチドをコードするDNAが発現可能な条
件下で培養し、本発明のタンパク質またはその部分ペプ
チドを生成、蓄積せしめることによって、本発明のタン
パク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩を製造する
ことができる。
【0043】宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌で
ある形質転換体を培養する際、培養に使用される培地と
しては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体
の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せ
しめられる。炭素源としては、例えば、グルコース、デ
キストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源として
は、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチ
ープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆
粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機
物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナ
トリウム、塩化マグネシウムなどがそれぞれ用いられ
る。また、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子など
を添加してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
エシェリヒア属菌を培養する際の培地としては、例え
ば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー
(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イ
ン・モレキュラー・ジェネティックス(Journal of Exp
eriments in Molecular Genetics),431−433,
Cold Spring Harbor Laboratory, New York1972〕
が好ましい。ここに必要によりプロモーターを効率よく
働かせるために、例えば3β−インドリル アクリル酸
のような薬剤を加えることができる。宿主がエシェリヒ
ア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24
時間行ない、必要により、通気や撹拌を加えることもで
きる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜
40℃で約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌
を加えることもできる。宿主が酵母である形質転換体を
培養する際、培地としては、例えば、バークホールダー
(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、プロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA),77巻,4505(198
0)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitte
r, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユ
ーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),81
巻,5330(1984)〕が挙げられる。培地のpH
は約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約20
℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて通
気や撹拌を加える。宿主が昆虫細胞である形質転換体を
培養する際、培地としては、Grace's Insect Medium(G
race, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(1962))
に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたも
のなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に
調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5
日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
【0044】宿主が動物細胞である形質転換体を培養す
る際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児牛血
清を含むMEM培地〔サイエンス(Science),122
巻,501(1952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー
(Virology),8巻,396(1959)〕,RPMI
1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メ
ディカル・アソシエーション(The Journal of the Ame
rican Medical Association)199巻,519(196
7)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサ
イエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン
(Proceeding ofthe Society for the Biological Medi
cine),73巻,1(1950)〕などが用いられる。p
Hは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃
〜40℃で約15〜72時間行ない、必要に応じて通気
や撹拌を加える。特に、CHO(dhfr-)細胞およ
びdhfr遺伝子を選択マーカーとして用いる場合、チ
ミジンをほとんど含まない透析ウシ胎児血清を含むDM
EM培地を用いるのが好ましい。上記培養物から本発明
のタンパク質を分離精製するには、例えば、下記の方法
により行なうことができる。本発明のタンパク質を培養
菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、培養後、公
知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝
液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融
解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心
分離やろ過により本発明のタンパク質の粗抽出液を得る
方法などが適宜用い得る。緩衝液の中に尿素や塩酸グア
ニジンなどのタンパク変性剤や、トリトンX−100TM
などの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中にタ
ンパク質が分泌される場合には、培養終了後、それ自体
公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清
を集める。このようにして得られた培養上清、あるいは
抽出液中に含まれる本発明のタンパク質の精製は、自体
公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうことが
できる。これらの公知の分離、精製法としては、塩析や
溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限外
ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する
方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を
利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなど
の特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマト
グラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電
気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いら
れる。
【0045】かくして得られる本発明のタンパク質が遊
離体で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれ
に準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩
で得られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じ
る方法により、遊離体または他の塩に変換することがで
きる。なお、組換え体が産生する本発明のタンパク質
を、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用さ
せることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチド
を部分的に除去することもできる。蛋白修飾酵素として
は、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニル
エンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダ
ーゼなどが用いられる。かくして生成する本発明のタン
パク質の存在は、特異抗体を用いたエンザイムイムノア
ッセイなどにより測定することができる。本発明のタン
パク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗
体は、本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそ
れらの塩(以下、本発明のタンパク質と略記することも
ある)を認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗
体、モノクローナル抗体の何れであってもよい。
【0046】本発明のタンパク質に対する抗体(以下、
本発明の抗体と略記することもある)は、本発明のタン
パク質を抗原として用い、自体公知の抗体または抗血清
の製造法に従って製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のタンパク質は、温血動物に対して投与により抗
体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤と
ともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に
1回ずつ、計2〜10回程度行なうことができる。温血
動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモッ
ト、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが用いら
れるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モ
ノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原を免
疫された温血動物、例えば、マウスから抗体価の認めら
れた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリ
ンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種
または異種の骨髄腫細胞と融合させることにより、モノ
クローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することがで
きる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識
化タンパク質等と抗血清とを反応させたのち、抗体に結
合した標識剤の活性を測定することにより行なうことが
できる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミ
ルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (1
975)〕に従い実施できる。融合促進剤としては、例え
ば、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィ
ルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが用いられ
る。
【0047】骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物由来の
骨髄腫細胞が用いられるが、P3U1が好ましく用いら
れる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫
細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であ
り、PEG(好ましくはPEG1000〜PEG600
0)が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40
℃、好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベ
ートすることにより効率よく細胞融合を実施することが
できる。モノクローナル抗体産生ハイブリドーマのスク
リーニングには種々の方法が使用できるが、例えば、タ
ンパク質抗原を直接あるいは担体とともに吸着させた固
相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清
を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫
グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの
場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)また
はプロテインAを加え、固相に結合したモノクローナル
抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロ
テインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を
添加し、放射性物質や酵素などで標識したタンパク質を
加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方
法などが用いられる。
【0048】モノクローナル抗体の選別は、自体公知あ
るいはそれに準じる方法に従って行なうことができる。
通常HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジ
ン)を添加した動物細胞用培地で行なうことができる。
選別および育種用培地としては、ハイブリドーマが生育
できるものならばどのような培地を用いても良い。例え
ば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清
を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血
清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))あるいはハ
イブリドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水
製薬(株))などを用いることができる。培養温度は、
通常20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時
間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間で
ある。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0049】(b)モノクロナール抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、自体公知の方法、例
えば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アル
コール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換
体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ
過法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロ
テインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結
合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行な
うことができる。 〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポリクローナル
抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じる方法にした
がって製造することができる。例えば、免疫抗原(タン
パク質抗原)とキャリアー蛋白質との複合体をつくり、
上記のモノクローナル抗体の製造法と同様に温血動物に
免疫を行ない、該免疫動物から本発明のポリクローナル
抗体含有物を採取して、抗体の分離精製を行なうことに
より製造することができる。温血動物を免疫するために
用いられる免疫抗原とキャリアー蛋白質との複合体に関
し、キャリアー蛋白質の種類およびキャリアーとハプテ
ンとの混合比は、キャリアーに架橋させて免疫したハプ
テンに対して抗体が効率良くできれば、どの様なものを
どの様な比率で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清
アルブミンやウシサイログロブリン、ヘモシアニン等を
重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好ましく
は約1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられる。ま
た、ハプテンとキャリアーのカプリングには、種々の縮
合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒドやカ
ルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオール基、
ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用い
られる。縮合生成物は、温血動物に対して、抗体産生が
可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投
与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全
フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバン
トを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週毎に1回
ずつ、計約3〜10回程度行なうことができる。ポリク
ローナル抗体は、上記の方法で免疫された温血動物の血
液、腹水など、好ましくは血液から採取することができ
る。抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、上記の
血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。抗体の
分離精製は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同
様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうことが
できる。本発明のタンパク質または部分ペプチドをコー
ドするDNAまたはmRNAに実質的に相補的な塩基配
列を有するアンチセンスDNAとしては、本発明のタン
パク質または部分ペプチドをコードするDNAまたはm
RNAの塩基配列またはその一部の塩基配列に実質的に
相補的な塩基配列を有し、該タンパク質または部分ペプ
チドの発現を抑制し得る作用を有するオリゴヌクレオチ
ドまたはその誘導体であれば、いずれのアンチセンスD
NAであってもよい。該DNAまたはmRNAに実質的
に相補的な塩基配列とは、例えば、該DNAまたはmR
NAに相補的な塩基配列(すなわち、該DNAまたはm
RNAの相補鎖)の全塩基配列または部分塩基配列と約
40%以上、好ましくは約60%以上、より好ましくは
約80%以上、さらに好ましくは約90%以上の相同性
を有する塩基配列などが挙げられる。特に、本発明のD
NAまたはmRNAの相補鎖の全塩基配列うち、本発明
のタンパク質のN末端部位をコードする部分の塩基配列
(例えば、開始コドン付近の塩基配列など)の相補鎖と
約40%以上、好ましくは約60%以上、より好ましく
は約80%以上、さらに好ましくは約90%以上の相同
性を有するアンチセンスDNAが好適である。これらの
アンチセンスDNAは、公知のDNA合成装置などを用
いて製造することができる。
【0050】本発明のタンパク質、その部分ペプチドま
たはそれらの塩は、例えば、肝機能調節作用(例、肝細
胞維持作用、肝細胞死抑制作用、肝臓機能促進作用な
ど)、より具体的には、肝臓再生作用(好ましくは、肝
実質細胞増殖作用)など、さらに具体的には、 G0期
からG1期への細胞周期(好ましくは、肝細胞の細胞周
期)の移行促進作用などの作用を有している。したがっ
て、本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれ
らの塩は上記作用に基づくさまざまな用途に用いること
ができる。
【0051】以下に、本発明のタンパク質、その部分ペ
プチドまたはそれらの塩(以下、本発明のタンパク質と
略記する場合がある)、本発明のタンパク質等をコード
するDNA(以下、本発明のDNAと略記する場合があ
る)、本発明のタンパク質等に対する抗体(本発明の抗
体と略記する場合がある)およびアンチセンスDNAの
用途を説明する。 (1)肝機能調節作用に基づく各種疾病の治療・予防剤
などの医薬 例えば、生体内において本発明のタンパク質が減少ある
いは欠損しているために、肝機能調節作用(例、肝細胞
維持作用、肝細胞死抑制作用、肝臓機能促進作用な
ど)、より具体的には、肝臓再生作用(好ましくは、肝
実質細胞増殖作用)など、さらに具体的には、 G0期
からG1期への細胞周期(好ましくは、肝細胞の細胞周
期)の移行促進作用などが十分に、あるいは正常に発揮
されない患者がいる場合に、(イ)本発明のDNAを該
患者に投与し、生体内で本発明のタンパク質を発現させ
ることによって、(ロ)細胞に本発明のDNAを挿入
し、本発明のタンパク質を発現させた後に、該細胞を患
者に移植することによって、(ハ)本発明のタンパク質
を該患者に投与することなどによって、該患者における
本発明のタンパク質の役割を十分に、あるいは正常に発
揮させることができる。また、後述の実施例4および実
施例5に示されているとおり、本発明のタンパク質は他
のTNF-ファミリーリガンド分子で顕著に見られる肝細胞
死(アポトーシス)誘導能、肝細胞障害活性などの医薬
として用いる場合の副作用と考えられる作用を有してい
ないという優れた性質を有している。したがって、本発
明のタンパク質および本発明のDNAは、例えば、肝機
能不全症、肝癌、肝炎(ウイルス肝炎、劇症肝炎など)
または肝硬変などの疾病の治療・予防剤などの医薬とし
て有用である。また、肝癌患者などにおける部分肝切除
(摘出)後の肝臓再生剤などの医薬としても有用であ
る。本発明のDNAを上記の治療・予防剤または肝臓再
生剤などとして使用する場合は、該DNAを単独あるい
はレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、
アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなど
の適当なベクターに挿入した後、常套手段に従ってヒト
または温血動物に投与することができる。本発明のDN
Aは、そのままで、あるいは摂取促進のために補助剤な
どの生理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝
子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによ
って投与できる。本発明のタンパク質を上記の治療・予
防剤として使用する場合は、少なくとも90%、好まし
くは95%以上、より好ましく98%以上、さらに好ま
しくは99%以上に精製されたものを使用するのが好ま
しい。本発明のタンパク質を上記の医薬として使用する
場合は、例えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプ
セル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして
経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容
し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤
の形で非経口的に使用できる。例えば、本発明のタンパ
ク質を生理学的に認められる担体、香味剤、賦形剤、ベ
ヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認
められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和する
ことによって製造することができる。これら製剤におけ
る有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られる
ようにするものである。本発明のDNAを用いる場合
は、該DNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、
アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテ
ッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した
後、常套手段に従って投与することができる。錠剤、カ
プセル剤などに混和することができる添加剤としては、
例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラ
ビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦
形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのよ
うな膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑
剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペ
パーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤
などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合
には、前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体
を含有することができる。注射のための無菌組成物は注
射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油
などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させ
るなどの通常の製剤実施に従って処方することができ
る。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブ
ドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソ
ルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)
などが用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコー
ル(例えば、エタノールなど)、ポリアルコール(例え
ば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールな
ど)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート
80TM、HCO−50など)などと併用してもよい。油
性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、
リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液など)、無痛化
剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインな
ど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチ
レングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアル
コール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合して
もよい。調整された注射液は、通常、適当なアンプルに
充填される。本発明のDNAが挿入されたベクターも上
記と同様に製剤化され、通常、非経口的に使用される。
【0052】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、ヒトまたは哺乳動物(例え
ば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与
することができる。本発明のタンパク質の投与量は、対
象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はある
が、例えば、肝硬変治療剤として本発明のタンパク質を
経口投与する場合、一般的に成人(60kgとして)に
おいては、一日につき該タンパク質を約0.1mg〜1
00mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好まし
くは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する
場合は、該タンパク質の1回投与量は投与対象、対象疾
患などによっても異なるが、例えば、肝臓再生剤として
本発明のタンパク質を注射剤の形で成人(体重60kg
として)に投与する場合、一日につき該タンパク質を約
0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20m
g程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を患部
に注射することにより投与するのが好都合である。他の
動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与する
ことができる。
【0053】(2)遺伝子診断剤 本発明のDNAは、プローブとして使用することによ
り、ヒトまたは温血哺乳動物(例えば、ラット、マウ
ス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、
ネコ、イヌ、サルなど)における本発明のタンパク質を
コードするDNAの異常(遺伝子異常)を検出すること
ができる。したがって、本発明のDNAは、本発明のタ
ンパク質が関与する各種疾病の遺伝子診断剤として有用
である。例えば、本発明のタンパク質をコードするDN
AまたはmRNAが損傷し、欠損し、あるいはタンパク
質の発現が減少していることが検出された場合は、例え
ば、肝機能不全症、肝炎(ウイルス肝炎、劇症肝炎な
ど)、肝癌または肝硬変などの疾病であると診断するこ
とができる。本発明のDNAを用いる上記の遺伝子診断
は、例えば、自体公知のノーザンハイブリダイゼーショ
ンやPCR−SSCP法(ゲノミックス(Genomics),
第5巻,874〜879頁(1989年)、プロシージ
ングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ
イエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceedings ofth
e National Academy of Sciences of the United State
s of America),第86巻,2766〜2770頁(1
989年))などにより実施することができる。例え
ば、ノーザンハイブリダイゼーションにより該mRNA
の発現低下が検出された場合は、例えば、肝機能不全
症、肝炎(ウイルス肝炎、劇症肝炎など)、肝癌または
肝硬変などの疾病である、または将来罹患する可能性が
高いと診断することができる。
【0054】(3)本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはそれらの塩の定量による本発明のタンパク質
の肝機能調節作用に基づく各種疾病の診断 本発明の抗体は、本発明のタンパク質を特異的に認識す
ることができるので、被検液中の本発明のタンパク質の
定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量をするこ
とによって、本発明のタンパク質の肝機能調節作用に基
づく各種疾病の診断などに使用することができる。本発
明のタンパク質の定量法としては、(i)本発明の抗体
と、被検液および標識化された本発明のタンパク質とを
競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化された本発
明のタンパク質の割合を測定することを特徴とする被検
液中の本発明のタンパク質を定量する方法、および(i
i)被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標
識化された本発明の別の抗体とを同時あるいは連続的に
反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定す
ることを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質を定
量する方法などがあげられる。上記(ii)の定量法にお
いては、一方の抗体が本発明のタンパク質のN端部を認
識する抗体で、他方の抗体が本発明のタンパク質のC端
部に反応する抗体であることが望ましい。また、本発明
のタンパク質に対するモノクローナル抗体(以下、単に
モノクローナル抗体と称する場合がある)を用いて本発
明のタンパク質の定量を行なえるほか、組織染色等によ
る検出を行なうこともできる。これらの目的には、抗体
分子そのものを用いてもよく、また、抗体分子のF(a
b')2 、Fab'、あるいはFab画分を用いてもよ
い。本発明の抗体を用いる本発明のタンパク質の定量法
は、 特に制限されるべきものではなく、被測定液中の
抗原量(例えば、タンパク質量)に対応した抗体、抗原
もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手
段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用
いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、い
ずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリ
ー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法
が好適に用いられるが、感度、特異性の点で、後述する
サンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。標識物質を
用いる測定法に用いられる標識剤としては、例えば、放
射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いら
れる。放射性同位元素としては、例えば、〔125I〕、
131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが、上記酵素として
は、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β
−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフ
ォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵
素などが、蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミ
ン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが、発光物
質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、
ルシフェリン、ルシゲニンなどがそれぞれ用いられる。
さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン
−アビジン系を用いることもできる。抗原あるいは抗体
の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、また通
常タンパク質あるいは酵素等を不溶化、固定化するのに
用いられる化学結合を用いる方法でもよい。担体として
は、例えば、アガロース、デキストラン、セルロースな
どの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミ
ド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガラスなどが用い
られる。サンドイッチ法においては不溶化したモノクロ
ーナル抗体に被検液を反応させ(1次反応)、さらに標
識化したモノクローナル抗体を反応させ(2次反応)た
のち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することによ
り被検液中の本発明のタンパク質量を定量することがで
きる。1次反応と2次反応は逆の順序に行っても、ま
た、同時に行なってもよいし時間をずらして行なっても
よい。標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準
じることができる。また、サンドイッチ法による免疫測
定法において、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いら
れる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度
を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用
いてもよい。
【0055】本発明のサンドイッチ法による本発明のタ
ンパク質の測定法においては、1次反応と2次反応に用
いられる本発明のモノクローナル抗体は、本発明のタン
パク質の結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いら
れる。すなわち、1次反応および2次反応に用いられる
抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、本発明
のタンパク質のC端部を認識する場合、1次反応で用い
られる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を
認識する抗体が用いられる。本発明のモノクローナル抗
体をサンドイッチ法以外の測定システム、例えば、競合
法、イムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどに
用いることができる。競合法では、被検液中の抗原と標
識抗原とを抗体に対して競合的に反応させたのち、未反
応の標識抗原(F)と抗体と結合した標識抗原(B)と
を分離し(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測
定し、被検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗
体として可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレン
グリコール、前記抗体に対する第2抗体などを用いる液
相法、および、第1抗体として固相化抗体を用いるか、
あるいは、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体とし
て固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。イムノ
メトリック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一
定量の標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相
を分離するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標
識化抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の
標識化抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離
する。次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の
抗原量を定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内
あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈
降物の量を測定する。被検液中の抗原量僅かであり、少
量の沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利
用するレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられ
る。これら個々の免疫学的測定法を本発明の定量方法に
適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必
要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操
作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明のタン
パク質の測定系を構築すればよい。これらの一般的な技
術手段の詳細については、総説、成書などを参照するこ
とができる。例えば、入江 寛編「ラジオイムノアッセ
イ〕(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編「続ラジ
オイムノアッセイ〕(講談社、昭和54年発行)、石川
栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医
学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測
定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「Me
thods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochemical Techniq
ues(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochemical Techniq
ues(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochemical Techniq
ues(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochemical Techniq
ues(Part D:Selected Immunoassays))、 同書 Vol. 92
(Immunochemical Techniques(Part E:Monoclonal Antib
odies and General Immunoassay Methods))、 同書 Vo
l. 121(Immunochemical Techniques(Part I:Hybridoma
Technology and Monoclonal Antibodies))(以上、アカ
デミックプレス社発行)などを参照することができる。
以上のようにして、本発明の抗体を用いることによっ
て、本発明のタンパク質を感度良く定量することができ
る。上述の定量法によって、本発明のタンパク質が関与
する各種疾病の診断を行なうことができる。例えば、本
発明のタンパク質の濃度の減少が検出された場合は、例
えば、肝機能不全症、肝炎(ウイルス肝炎、劇症肝炎な
ど)、肝癌または肝硬変などの疾病である、または将来
罹患する可能性が高いと診断することができる。
【0056】(4)医薬候補化合物のスクリーニング (A)肝機能調節作用を有する化合物のスクリーニング
方法 本発明のタンパク質は、肝機能調節作用(例、肝細胞維
持作用、肝細胞死抑制作用、肝臓機能促進作用など)、
より具体的には、肝臓再生作用(好ましくは、肝実質細
胞増殖作用)など、さらに具体的には、G0期からG1
期への細胞周期(好ましくは、肝細胞の細胞周期)の移
行促進作用などを有するので、本発明のタンパク質と肝
細胞(好ましくは肝実質細胞など)を用いたアッセイ系
を構築することによって、本発明のタンパク質の肝機能
調節作用を促進または阻害する化合物またはその塩のス
クリーニング方法を提供する。すなわち、本発明は、肝
細胞(好ましくは、肝実質細胞)に、本発明のタンパク
質を接触させた場合と(ii)肝細胞(好ましくは、肝実
質細胞)に、本発明のタンパク質および試験化合物を接
触させた場合との比較を行なうことを特徴とする、本発
明のタンパク質の肝機能調節作用を促進または阻害する
化合物またはその塩のスクリーニング方法などを提供す
る。具体的には、本発明のスクリーニング方法において
は、上記の場合における、例えば、肝細胞(好ましくは
肝実質細胞)のDNA合成能などを測定して、比較する
ことを特徴とするものである。また、上記のスクリーニ
ング方法において、本発明のタンパク質の肝細胞(好ま
しくは肝実質細胞)のDNA合成能の促進作用が認めら
れた試験化合物をアゴニストとして選択することがで
き、DNA合成能の阻害作用が認められた試験化合物を
アンタゴニストとして選択することができる。本発明の
スクリーニング方法に用いられる肝細胞としては、ヒト
または温血動物(例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモ
ット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリなど)
由来の肝細胞(特に肝実質細胞)であればいかなるもの
であっていてもよい。用いられる肝細胞(好ましくは肝
実質細胞)は、ヒトや温血動物などの正常組織からコラ
ーゲナーゼ潅流法という確立された方法により分離する
ことができる。
【0057】上記肝細胞の培地としては、例えば、CS
C無血清培地(Cell System社)、ハムF−12培地
(GIBCO社)、ライホビッツL−15培地(GIB
CO社)などの市販の培地、約5〜20%の胎児牛血清
を含むMEM培地〔サイエンス(Science),122
巻,501(1952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー
(Virology),8巻,396(1959)〕,RPMI
1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メ
ディカル・アソシエーション(The Journal of the Ame
rican Medical Association)199巻,519(196
7)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサ
イエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン
(Proceeding of the Society for the Biological Med
icine),73巻,1(1950)〕、またはこれらを適
宜混合した培地などが用いられる。本発明のスクリーニ
ング方法において、肝細胞をグルタルアルデヒド、ホル
マリンなどで固定化することができる。固定化方法は、
それ自体公知の方法に従って行なうことができる。肝細
胞に本発明のタンパク質を接触させる場合、本発明のタ
ンパク質の発現能を有する細胞または本発明のタンパク
質の発現能を有する細胞の細胞膜画分を用いることも可
能である。本発明のタンパク質の発現能を有する細胞と
しては、本発明のタンパク質を発現する能力を有する細
胞であればいかなるものであっていてもよく、具体的に
は、上記の形質転換体として例示した細胞などがあげら
れる。本発明のタンパク質の発現能を有する細胞の細胞
膜画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方
法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。
細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナ
イザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーや
ポリトロン(Kinematica社製)のよる破砕、超音波によ
る破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細い
ノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられ
る。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心
分離法などの遠心力による分画法が主として用いられ
る。例えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜300
0rpm)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心し、
上清をさらに高速(15000rpm〜30000rp
m)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画
分とする。該膜画分中には、発現したまたは本発明のタ
ンパク質と、細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成
分が多く含まれる。試験化合物としては、例えば、ペプ
チド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、
発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出
液、血漿などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物
であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
【0058】本発明のスクリーニング方法において、本
発明のタンパク質と肝細胞(好ましくは肝実質細胞)と
の反応は、通常約37℃で数十時間(例えば、36時間
〜72時間、好ましくは48時間〜72時間)行なうこ
とができる。具体的には、上記のスクリーニング方法を
実施するには、まず、肝細胞(好ましくは肝実質細胞)
を、スクリーニングに適した培地(具体的には、上述の
培地など)に懸濁することにより肝細胞(好ましくは肝
実質細胞)を調製する。培地に懸濁された肝細胞(好ま
しくは肝実質細胞)は、培養プレート(例えば、市販の
マルチウェルプレート等など)に播種される。このと
き、該プレートとしては、表面がコラーゲンなどでコー
トされ、プレートへの付着を促進するように加工された
ものが好ましい。播種される際の肝細胞(好ましくは肝
実質細胞)濃度は約1000〜5000個/well、好ま
しくは約2000〜5000個/well、より好ましくは
約3000〜5000個/wellである。次に、上記の自
体公知の方法により精製された本発明のタンパク質を最
終濃度が約0.01〜1000ng/ml、好ましくは約
0.1〜1000ng/ml、より好ましくは約0.1〜1
00ng/mlとなるようにプレートに添加し、肝細胞(好
ましくは肝実質細胞)を培養し、該肝細胞(好ましくは
肝実質細胞)をコントロールとして用いる。一方、上記
と同様の方法でマルチプレートに播種された肝細胞(好
ましくは肝実質細胞)に自体公知の方法により精製され
た本発明のタンパク質および試験化合物を最終濃度が約
0.01〜1000ng/ml、好ましくは約0.05〜5
00ng/ml、より好ましくは約0.1〜100ng/mlと
なるように添加し、肝細胞(好ましくは肝実質細胞)を
上記と同様の培養条件下で培養する。培養後の各肝細胞
におけるDNA合成活性の検出は自体公知の方法(例え
ば、Burton, K : Biochem. J., 62, 315 (1956)などに
記載の方法)に準じて行うことができる。具体的には、
例えば、Schmidt-Thanhauser法によって得られるDNA
画分を約0.5mlとり、5%過塩素酸約0.5mlを
加える。発色が強すぎる場合は、5%過塩素酸でさらに
希釈する。これにジフェニルアミン試薬(ジフェニルア
ミン 約1.5g;氷酢酸約100ml;濃硫酸 約1.
5ml、使用時調製)約1.0mlを加え、次にアセト
アルデヒド(約10.3mlを水で100mlに希釈し
たもの)約0.05mlを加え、約27〜37℃で約1
6時間放置し、A600nmを測定する。標準として、市
販の仔ウシ胸腺DNAを約1mg/mlの濃度で水に完
全に溶解し、この一部をとり、約0.2N NaOHに
して、A260nmを測定する。市販のDNAは水分、タ
ンパク質、塩などの混入のおそれがあるので、先のA
260nmの測定値から、1μg/mlのDNAはA260
0.023として、もとのDNA濃度を補正しておく。
上記のスクリーニング方法において、試験化合物を添加
した際の肝細胞(好ましくは肝実質細胞)におけるDN
Aの合成能が試験化合物を添加しない場合の肝細胞(好
ましくは肝実質細胞)におけるDNAの合成能より高い
場合には、該試験化合物をアゴニスト候補化合物として
選択することができる。一方、試験化合物を添加した際
の肝細胞(好ましくは肝実質細胞)におけるDNAの合
成能が試験化合物を添加しない場合の肝細胞(好ましく
は肝実質細胞)におけるDNAの合成能より低い場合に
は、該試験化合物をアンタゴニスト候補化合物として選
択することができる。
【0059】本発明のスクリーニング用キットは、肝細
胞(好ましくは肝実質細胞)および本発明のタンパク質
等等を含有するものである。本発明のスクリーニング用
キットの例としては、次のものが挙げられる。 〔スクリーニング用試薬〕 肝細胞(好ましくは肝実質細胞)用培地 (a)CSS無血清培地(Cell Systems社)または
(b)ハムF-12培地(GIBCO社)とライホビッツL-15培
地(GIBCO社)を当量混合した基礎培地に、各最終濃度
1%BSA、5mMグルコース(WAKO社)、10-8Mデキサメ
タゾン(WAKO社)、10-8Mウシインスリン(GIBCO社)と
なるように添加した基本培地。 肝細胞(好ましくは肝実質細胞)標品 正常ヒト肝実質細胞(Cell System社、#3716)。 本発明のタンパク質標品 上述の本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそ
れらの塩。 〔測定法〕 CSC無血清培地(Cell Systems社)で懸濁した正常
ヒト肝実質細胞(Cell Systems社、#3716)をI型コラー
ゲンコート96穴培養プレート(FALCON社)に2500個/wel
l/50mlで播種する。 精製した本発明のタンパク質を3倍公比で最終濃度
が0.1 ng/mlから10 ng/mlになるように50ml/well(n=
2)で添加し3日間CO2インキュベータ−(37℃、5% C
O2)で培養する。 上記とは別に上記のプレートに精製した本発明
のタンパク質および試験化合物を3倍公比で最終濃度が
0.1 ng/mlから10 ng/mlになるように50ml/well(n=2)
で添加し3日間CO2インキュベータ−(37℃、5% CO2)で
培養する。 培養後、最終希釈率が1000倍になるようにブロモデ
オキシウリジン(BrdU)を各ウエルに添加し1晩培養し
た後、各培養液を除去しFix Denat溶液を200ml/wellで
添加した後30分間室温で細胞を固定する。 その後、溶液を除去しHRP標識抗BrdU抗体溶液を100
ml/wellで添加した後90分間室温で作用させ、PBSで洗浄
後、基質を50ml/wellで添加し30分間発色させ、96穴プ
レートリーダー(マルチスチャンマルチソフト:大日本
製薬)で波長340nmでの吸光と、対照として492nmの吸光
を測定する。 上記の培養細胞のBrdUの取り込み、すなわちDNA
の合成能と、上記の培養細胞のBrdUの取り込み、すな
わちDNAの合成能を比較する。 以上のとおり、本発明のタンパク質は、本件タンパク質
が有する肝機能調節作用を促進する化合物(アゴニス
ト)または阻害する化合物(アンタゴニスト)をスクリ
ーニングするための試薬として有用である。
【0060】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、本発明のタンパク質が有する肝機能調節作用を促進
または阻害する作用を有する化合物であり、具体的に
は、肝臓再生作用(好ましくは、肝実質細胞増殖作
用)、 G0期からG1期への細胞周期(好ましくは、
肝細胞の細胞周期)の移行促進作用を促進または阻害す
る化合物である。該化合物は、前述した試験化合物
(例、ペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合
成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物
組織抽出液、血漿など)から得られるものであり、これ
ら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合
物であってもよい。上記のアゴニストは、本発明のタン
パク質が有する生理活性の全部または一部を有している
ので、該生理活性に応じて安全で低毒性な医薬として有
用である。すなわち、肝機能不全症、肝炎(ウイルス肝
炎、劇症肝炎など)、肝癌または肝硬変 などの疾病の
予防・治療剤などの医薬として有用である。また、肝癌
患者などにおける部分肝切除(摘出)後の肝臓再生剤な
どの医薬としても有用である。上記スクリーニング方法
で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物
の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、
有機酸)または塩基(例、アルカリ金属)との塩が用い
られ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機
酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マ
レイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚
酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸)との塩などが用いられる。該化合物を上記の疾患の
治療・予防剤として用いる場合、前記した本発明のタン
パク質を含有する医薬と同様にして製剤化し、使用する
ことができる。このようにして得られる製剤は安全で低
毒性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラ
ット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル
など)に対して投与することができる。
【0061】上記スクリーニングで得られた化合物また
はその塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルート
などにより差異はあるが、例えば、肝硬変治療の目的で
該アゴニストを経口投与する場合、一般的に成人(体重
60kgとして)においては、一日につき該アゴニスト
を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50m
g、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経
口的に投与する場合は、該アゴニストの1回投与量は投
与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、肝
硬変治療の目的で該アゴニストを注射剤の形で通常成人
(60kgとして)に投与する場合、一日につき該アゴ
ニストを約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.
1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg
程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の
動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与する
ことができる。
【0062】(6)アンチセンスDNAを含有する医薬 本発明のDNAに相補的に結合し、該DNAの発現を抑
制することができるアンチセンスDNAは、生体内にお
ける本発明のタンパク質または本発明のDNAの機能を
抑制することができるので、例えば、本発明のタンパク
質などの発現過多に起因する疾患の治療・予防剤として
使用することができる。上記アンチセンスDNAを上記
の治療・予防剤として使用する場合、前記した本発明の
DNAを含有する各種疾病の治療・予防剤と同様にして
使用することができる。例えば、該アンチセンスDNA
を用いる場合、該アンチセンスDNAを単独あるいはレ
トロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデ
ノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適
当なベクターに挿入した後、常套手段に従って投与する
ことができる。該アンチセンスDNAは、そのままで、
あるいは摂取促進のために補助剤などの生理学的に認め
られる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲル
カテーテルのようなカテーテルによって投与できる。さ
らに、該アンチセンスDNAは、組織や細胞における本
発明のDNAの存在やその発現状況を調べるための診断
用オリゴヌクレオチドプローブとして使用することもで
きる。本明細書および図面において、塩基やアミノ酸な
どを略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commis
sion on Biochemical Nomenclature による略号あるい
は当該分野における慣用略号に基づくものであり、その
例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得
る場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸
【0063】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェノール Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0064】本明細書の配列表の配列番号は、以下の配
列を示す。 〔配列番号:1〕本発明のヒト由来タンパク質のアミノ
酸配列を示す。 〔配列番号:2〕本発明のマウス由来タンパク質のアミ
ノ酸配列を示す。 〔配列番号:3〕本発明のラット由来タンパク質のアミ
ノ酸配列を示す。 〔配列番号:4〕本発明の配列番号:1で表わされるア
ミノ酸配列を有するヒト由来タンパク質をコードするc
DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕プラスミドpTB1939に挿入され
ている、本発明の配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を有するヒト由来タンパク質をコードするcDNAを
含有するDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕プラスミドpTB1940に挿入され
ている、本発明の配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を有するヒト由来タンパク質をコードするcDNAを
含有するDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕本発明の配列番号:2で表わされるア
ミノ酸配列を有するマウス由来タンパク質をコードする
cDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕プラスミドpTB1958に挿入され
ている、本発明の配列番号:2で表わされるアミノ酸配
列を有するマウス由来タンパク質をコードするcDNA
を含有するDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:9〕本発明の配列番号:2で表わされるア
ミノ酸配列を有するマウス由来タンパク質をコードする
ゲノムDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:10〕本発明の配列番号:3で表わされる
アミノ酸配列を有するラット由来タンパク質をコードす
るcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:11〕本発明のヒト由来タンパク質をコー
ドするDNAをクローニングするために使用した合成オ
リゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:12〕本発明のヒト由来タンパク質をコー
ドするDNAをクローニングするために使用したプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:13〕本発明のヒト由来タンパク質をコー
ドするDNAをクローニングするために使用したプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:14〕本発明のマウス由来タンパク質をコ
ードするDNAをクローニングするために使用したオリ
ゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:15〕本発明のマウス由来タンパク質をコ
ードするDNAをクローニングするために使用したオリ
ゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:16〕本発明のマウス由来タンパク質をコ
ードするDNAの開始コドン付近の塩基配列の解析に使
用した合成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:17〕本発明のマウス由来タンパク質をコ
ードするDNAの開始コドン付近の塩基配列の解析に使
用した合成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:18〕本発明のマウス由来タンパク質をコ
ードするDNAの開始コドン付近の塩基配列の解析に使
用したマウス染色体DNA断片の両末端結合しているア
ダプターの塩基配列を示す。 〔配列番号:19〕本発明のマウス由来タンパク質をコ
ードするDNAの開始コドン付近の塩基配列の解析に使
用した合成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:20〕本発明のマウス由来タンパク質をコ
ードするDNAの開始コドン付近の塩基配列の解析に使
用した合成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:21〕本発明のヒト由来タンパク質の細胞
外領域をコードするDNAをクローニングするために使
用したプライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:22〕本発明のヒト由来タンパク質の細胞
外領域をコードするDNAをクローニングするために使
用したプライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:23〕本発明のラット由来タンパク質をコ
ードするDNAをクローニングするために使用したプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:24〕本発明のラット由来タンパク質をコ
ードするDNAをクローニングするために使用したプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:25〕本発明のタンパク質のアミノ酸配列
の一般式(I)を示す。 〔配列番号:26〕後述の実施例1で使用したプライマ
ーの塩基配列を示す。 〔配列番号:27〕後述の実施例1で使用したプライマ
ーの塩基配列を示す。 〔配列番号:28〕後述の実施例6で使用したプライマ
ー1の塩基配列を示す。 〔配列番号:29〕後述の実施例6で使用したプライマ
ー2の塩基配列を示す。 〔配列番号:30〕後述の実施例6で取得した612塩
基からなるcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:31〕後述の実施例6で取得したhTL4
−2のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:32〕後述の実施例8で用いられたプロー
ブの塩基配列を示す。 〔配列番号:33〕後述の実施例8で用いられたプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:34〕後述の実施例8で用いられたプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:35〕後述の実施例8で用いられたプロー
ブの塩基配列を示す。 〔配列番号:36〕後述の実施例8で用いられたプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:37〕後述の実施例8で用いられたプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:38〕後述の実施例8で用いられたプロー
ブの塩基配列を示す。 〔配列番号:39〕後述の実施例8で用いられたプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:40〕後述の実施例8で用いられたプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:41〕後述の実施例8で用いられたプロー
ブの塩基配列を示す。 〔配列番号:42〕後述の実施例8で用いられたプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:43〕後述の実施例8で用いられたプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:44〕後述の実施例8で用いられたプロー
ブの塩基配列を示す。 〔配列番号:45〕後述の実施例8で用いられたプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:46〕後述の実施例8で用いられたプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:47〕本発明の蛋白質のアミノ酸配列の一
般式(II)を示す。 〔配列番号:48〕後述の実施例9で用いられたプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:49〕後述の実施例9で用いられたプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:50〕後述の実施例10で用いられたプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:51〕後述の実施例10で用いられたプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:52〕後述の実施例10で用いられたプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:53〕後述の実施例10で用いられたプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:54〕後述の実施例9で用いられたプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:55〕後述の実施例9で用いられたプライ
マーの塩基配列を示す。
【0065】後述の参考例1で得られた形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli)DH10B/pT
B1939およびエシェリヒア コリ(Escherichia co
li)DH10B/pTB1940は、それぞれ1996
年7月17日から通商産業省工業技術院生命工学工業技
術研究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−55
95およびFERM BP−5596として、また19
96年7月11日から財団法人・発酵研究所(IFO)
に寄託番号IFO 15997およびIFO 1599
8として寄託されている。後述の参考例2で得られた形
質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia coli)DH
5α/pTB1958は、1997年1月30日から通
商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(NIB
H)に寄託番号FERM BP−5805として、また
1997年1月31日から財団法人・発酵研究所(IF
O)に寄託番号IFO 16054として寄託されてい
る。後述の参考例3で得られた形質転換体エシェリヒア
コリ(Escherichia coli)DH5α/pTB2011
は、1997年7月8日から通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号FERM
BP−6012として、また1997年7月7日から財
団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16
109として寄託されている。後述の参考例5で得られ
た形質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia coli)
DH5α/pTB2012は、1997年7月8日から
通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(NIB
H)に寄託番号FERM BP−6013として、また
1997年7月7日から財団法人・発酵研究所(IF
O)に寄託番号IFO 16110として寄託されてい
る。後述の実施例6で得られたhTL4−2をコードす
る塩基配列を保持する形質転換体エシェリヒア コリ
(Escherichia coli)DH5α/hTL4−pCR2.
1は、1999年12月6日から通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号FER
M BP−6958として、また1999年10月27
日から財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IF
O 16329として寄託されている。
【0066】
【実施例】以下に、実施例および参考例をあげて本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はそれに限定され
るものではない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法
は、モレキュラー・クローニング(Molecular clonin
g)に記載されている方法に従った。
【0067】参考例1 ヒト由来TL4タンパク質をコ
ードするcDNAのクローニング cDNAのクローニングは、ジーントラッパー(GENETR
APPERTM)cDNAポジティブ選択システム(ギブコビ
ーアールエル社)を用いて行なった。 スーパースクリ
プトTMヒト肝臓cDNAライブラリー(ギブコビーアー
ルエル社)の大腸菌DH12S株を、100μg/ml ア
ンピシリン含有Terrific Broth(12g/lBacto-trypton
e(ディフコ社)、24g/l Bacto-yeast extract(ディ
フコ社)、2.3g/l リン酸一カリウム、12.5g/l リ
ン酸二カリウム、0.4% グリセロール)で30℃で
16時間培養し、集菌後、キアジェンプラスミドキット
(キアジェン社)を用いて、プラスミドcDNAライブ
ラリーを調製した。精製したプラスミドcDNAライブ
ラリーをGeneII,ExoIII(いずれもギブコビー
アールエル社)によって消化し、一本鎖cDNAライブ
ラリーを作成した。一方、プローブとして、合成オリゴ
ヌクレオチド(配列番号:11)をcDNAライブラリ
ーのスクリーニングに用いた。プローブは、TdT,ビ
オチン−14−dCTP(ギブコビーアールエル社)を
用いて、3'末端をビオチン化することで標識した。一
本鎖cDNAライブラリーを95℃で1分間処理した
後、氷中で急冷し、ビオチン化したプローブを加えて3
7℃で1時間、室温でハイブリダイゼーションを行なっ
た。ハイブリダイゼーション後、ジーントラッパーcD
NAポジティブ選択システム・ストレプトアビジンビー
ズ(ギブコビーアールエル社)を加えて、室温で2分ご
とに撹拌しながら30分間放置した。その後、ジーント
ラッパーcDNAポジティブ選択システム・マグネット
ラック(ギブコビーアールエル社)中に入れ、2分間放
置した。上清を捨て、マグネットビーズをジーントラッ
パーcDNAポジティブ選択システム・ウオッシュバッ
ファーで洗浄した。このウオッシュバッファーによる洗
浄を3回行なった。その後、マグネットラックに入れて
放置し、上清を捨て、ジーントラッパーcDNAポジテ
ィブ選択システム・溶出バッファーを加え、5分間室温
で放置した。マグネットラックに入れて5分間放置した
後、その上清のDNA溶液を回収した。取得したDNA
溶液にプライマーとして合成オリゴヌクレオチド(配列
番号:11)を入れ、95℃で1分間処理した。ジーン
トラッパーcDNAポジティブ選択システム・修復酵素
を加え、70℃で15分間放置して二本鎖DNAを合成
した。合成した二本鎖DNAをエレクトロポレーション
装置(バイオ・ラッド社)により、大腸菌DH10B株
に導入した。得られた形質転換株を用いて2種のオリゴ
ヌクレオチド(配列番号:12、配列番号:13)をプ
ライマーとしてコロニーPCRによるスクリーニングを
行なった。PCRにより434bpの増幅断片が形成さ
れたコロニーを陽性クローンとして3株(#9、#3
3、#81)選択した。選択した大腸菌を培養後、DN
Aを抽出し、Taqダイデオキシターミネーターサイク
ルシーケンシングキット(パーキンエルマー社)を用い
て反応を行ない、ABI PRISMTM 377 DNAシーケン
サー(パーキンエルマー社)により、cDNA断片の塩
基配列を決定した。取得した3クローンのうち、クロー
ン#9とクローン#33は同一のDNA断片を含んでお
り、poly(A)+鎖を含む配列番号:5で表される149
1個の塩基配列を有していた〔図1〜3〕。また、クロ
ーン#81は poly(A)+鎖、並びに poly(A)+付加シグ
ナル(AATAA)を含む配列番号:6で表される13
53個の塩基配列を有していた〔図4〜6〕。これら3
クローンのcDNA断片には同一遺伝子が含まれてお
り、配列番号:1で表される240個のアミノ酸からな
るTL4蛋白質がコードされていた。また Kyte−Dooli
ttle解析から、35番バリン(Val)から63番トリ
プトファン(Trp)にかけての疎水性領域が本タンパ
ク質の膜貫通領域と予想された。本タンパク質はヒトリ
ンホトキシンβと最も相同性が高かったが、アミノ酸レ
ベルで33%の相同性が見られた。また、ヒトFasリ
ガンドとはアミノ酸レベルで31%の相同性が見られた
が、J. Hein法(PAM250 residue weight table に基づ
く)による系統樹解析では、ヒトリンホトキシンβより
もヒトFasリガンドとのより高い相同性が見られた。
本発明のタンパク質をコードするDNAのうちクローン
#9を保持するプラスミドpTB1939並びにクロー
ン#81を含むプラスミドpTB1940を大腸菌(Es
cherichia coli)DH10Bに導入して、形質転換体:
大腸菌(Escherichia coli)DH10B/pTB193
9並びに大腸菌(Escherichia coli)DH10B/pT
B1940を得た。
【0068】参考例2 マウス由来TL4タンパク質を
コードするcDNAのクローニング cDNAのクローニングは、PCR法によって行なっ
た。スーパースクリプトTMマウス8.5日胚由来cDN
Aライブラリー(ギブコビーアールエル社)の大腸菌D
H12S株を、100μg/ml アンピシリン含有Super B
roth(32g/l Bacto-tryptone(ディフコ社)、20g
/l Bacto-yeast extract(ディフコ社)、0.2g/l N
aCl)で30℃、16時間培養した後、キアジェンプラ
スミドキット(キアジェン社)を用いてプラスミドcD
NAライブラリーを調製し、鋳型として用いた。プライ
マーとして、次の2つの合成オリゴヌクレオチドを用い
た。 5'−TCTGCTCTGGCATGGAGAGTGT
GGT−3'(配列番号:14) 5'−CTATTGCTGGGTTTGAGGTGAG
TC−3'(配列番号:15) PCR反応は、TaKaRa Ex Taq(宝酒造
(株))を含む系で、サーマルサークラー(GeneAmpR P
CR System 2400,パーキンエルマー社)を用いて94
℃,1分を1サイクル、94℃,20秒→55℃,30
秒→72℃,2分を30サイクル、4℃放置の条件で行
なった。得られた増幅断片をpT7Blue T-vector(ノバジ
ェン社)にDNAライゲーションキットバージョン2
(宝酒造(株))を用いて挿入し、大腸菌DH5α株に
導入した。得られた形質転換菌からプラスミドDNAを
抽出し、ダイターミネーターサイクルシークエンスFS
レディリアクションキット(パーキンエルマー社)を用
いて反応を行ない、373A DNAシーケンサー(パ
ーキンエルマー社)によりcDNA断片の塩基配列を決
定した。取得したクローンは、配列番号:7で表わされ
る717個の塩基配列を含む配列番号:8で表される7
95個の塩基配列を有しており、配列番号:2で表わさ
れる239個のアミノ酸からなるマウス由来TL4タン
パク質をコードしていた〔図7〜8〕。このマウス由来
TL4タンパク質と参考例1で得られた配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列を有するヒト由来TL4タンパ
ク質とは、アミノ酸レベルで78%の相同性を有してお
り、また、それをコードするDNAは、塩基レベルで7
7%の相同性を有していた。 得られたマウス由来TL
4タンパク質をコードするDNAを保持するプラスミド
pTB1958を大腸菌(Escherichia coli)DH5α
に導入して、形質転換体:大腸菌(Escherichia coli)
DH5α/pTB1958を得た。次に、プロモーター
ファインダーDNAウォーキングキット(クローンテッ
ク社)を用いて、本発明のマウス由来タンパク質をコー
ドするDNAの開始コドン付近の配列の解析を行なっ
た。使用したマウスゲノムDNAは、予めScaIの制
限酵素で消化され、その5'および3'末端に、プライマ
ーAP1(クローンテック社)やプライマーAP2(ク
ローンテック社)が結合可能なアダプター配列が連結さ
れている。 プライマーAP1:(配列番号:16) 5'−GTAATACGACTCACTATAGGGC
−3'プライマーAP2:(配列番号:17) 5'−ACTATAGGGCACGCGTGGT−3'
アダプター配列:(配列番号:18) 5'−GTAATACGACTCACTATAGGGC
ACGCGTGGTCGACGGCCCGGGCTGG
T−3' 第1PCR反応は、このマウスゲノムDNA溶液とTa
KaRa LA PCRキットバージョン2(宝酒造
(株))、AP1、合成オリゴヌクレオチドGSP1を
用い、サーマルサイクラー(GeneAmpR PCR System 240
0,パーキンエルマー社)で、94℃,2秒、72℃,
3分を7サイクル、94℃,2秒、68℃,3分を37
サイクル、68℃,4分、4℃放置の条件で行なった。 合成オリゴヌクレオチドGSP1:(配列番号:1
9) 5'−CAGCCCAGCACCTAGCAGCAGC
ACCAG−3' 次に、この反応液を滅菌水で50倍希釈し、第2PCR
反応に用いた。第2PCR反応は、この第1PCR反応
液、TaKaRa LA PCRキットバージョン2(宝
酒造(株))、前記プライマーAP2、合成オリゴヌク
レオチドGSP2を用い、サーマルサイクラー(GeneAm
pR PCR System 2400,パーキンエルマー社)で、94
℃,2秒、72℃,3分を5サイクル、94℃,2秒、
68℃,3分を25サイクル、68℃,4分、4℃放置
の条件で行なった。 合成オリゴヌクレオチドGSP2:(配列番号:2
0) 5'−GCCGCCTGAATGGGATGTCCGT
CTGTC−3' ScaIで消化したゲノムDNA溶液から得られた約
1.1kbpの増幅断片をpT7ブルーT−ベクター
(ノバジェン社)にDNAライゲーションキットバージ
ョン2(宝酒造(株))を用いて挿入し、大腸菌DH5
α株に導入し、形質転換株を得た。得られた形質転換株
から、プラスミドDNAを抽出し、ダイターミネーター
サイクルシークエンスFSレディリアクションキット
(パーキンエルマー社)を用いて反応を行ない、373
A DNAシークエンサー(パーキンエルマー社)によ
り増幅断片の塩基配列の一部を決定した。取得したクロ
ーンには、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を有
する本発明のマウス由来タンパク質の1番Met(開始
コドン)から13番Aspをコードする塩基配列(配列
番号:7で表わされる塩基配列の第1〜39番目の塩基
配列)と完全に一致する配列が存在したことから、本発
明のマウス由来タンパク質をコードするcDNAのクロ
ーニングに用いた合成オリゴヌクレオチド(配列番号:
14)の配列は、実際の本発明のマウス由来タンパク質
をコードするDNAの配列の一部であることが確認され
た。
【0069】参考例3 マウス由来TL4タンパク質遺
伝子のコード領域を含む染色体遺伝子のクローニング マウス由来TL4タンパク質遺伝子のオープンリーディ
ングフレーム部分を含む領域をコードする染色体DNA
断片の取得は、129SVJマウス染色体DNA Sa
u3AI部分消化断片を組み込んだラムダFIXRIIラ
イブラリー(ストラタジーン社)を用いて、標識したマ
ウス由来TL4タンパク質cDNAをプローブとしたプ
ラークハイブリダイゼーション法により単離した。ま
ず、1−10×104pfu(plaque-forming unit)/mlに
なるように希釈したファージ溶液に、0.2%マルトー
ス,10mM MgSO4を添加したLB培地で30℃一晩
培養した大腸菌XL1−Blue MRAの培養液を同
量混ぜ、37℃、10分間インキュベートした。該混合
液200μlに対して、あらかじめ50℃に温めておい
た5mlのトップアガロース(0.7%になるようアガロ
ースを添加したNZY培地〔5g/l NaCl、2g/l M
gSO4・7H2O、5g/l yeast extract、10g/l N
Zアミン(pH7.5に調整)〕を加え、NZYプレー
ト(1.5% アガロース、9cmディッシュ)に均一にな
るように重曹した後、9時間、37℃で静置した。あら
かじめプレートの位置がわかるように印をつけたナイロ
ントランスファーメンブレン HybondTM−N+(アマシ
ャム社)を該プレート上に1分間密着させることによ
り、出現したファージ粒子をメンブレン上に移した。該
メンブレンを変性溶液(1.5M NaCl、0.5M N
aOH)を染み込ませたワットマン3MMペーパー濾紙
(ワットマンインターナショナル社)上に、ファージの
ついた面を上にして7分間置いた後、中和溶液(1.5
M NaCl、0.5M トリス塩酸(pH7.2)、1mM
EDTA)を染み込ませた濾紙上に、ファージのつい
た面を上にして3分間放置した。再度この中和処理を繰
り返した後、2×SSC溶液(0.3M NaCl、0.
03M クエン酸ナトリウム)で洗浄した。該メンブレ
ンを自然乾燥させた後、0.4M NaOHを染み込ませ
た濾紙上に、ファージのついた面を上にして20分間置
き、5×SSC溶液(0.75M NaCl、75mM ク
エン酸ナトリウム)で洗浄し、ハイブリダイゼーション
パックにつめた。このパックにECL遺伝子検出システ
ム(アマシャム社)のハイブリダイゼーションバッファ
ーを5ml加えて1時間、42℃でプレハイブリダイゼー
ションを行なった。一方、マウス由来TL4タンパク質
cDNAのオープンリーディングフレーム部分(720
bp)をPCR反応により増幅させたDNA断片を熱変
性後に、ECL遺伝子検出システムのラベリング試薬と
グルタルアルデヒドを同量ずつ添加して5分間37℃で
インキュベートし標識した後、これを10μlずつプレ
ハイブリダイゼーションパックに添加し、42℃で1時
間インキュベートした。その後パックよりメンブレンを
取り出し、あらかじめ42℃に保温させた一次洗浄バッ
ファー(6M 尿素、4g/l SDS、25ml/l 20×S
SC)で20分間洗浄した。これを再度繰り返した後、
室温で二次洗浄バッファー(2×SSC)で5分間洗浄
した。これを再度繰り返した後、ECL遺伝子検出シス
テムの検出試薬に1分間浸した後、メンブレンをX線フ
ィルムに重ね、感光させた。1時間後に該メンブレンを
取り出して現像を行ない、ポジティブクローンを選択し
た。ここで選択したクローンをさらに先と同様の方法に
より二次スクリーニングに供し、最終的に5つの候補ク
ローン(#2,3,4,5,6)を得ることができた。
PCR反応を行なった結果から、これら5つの候補クロ
ーンのうち、マウス由来TL4タンパク質をコードする
遺伝子の全領域を包含しているクローンは#1クローン
及び#6クローンであることがわかった。次に、マウス
由来TL4タンパク質遺伝子のコード領域を含む染色体
DNAの塩基配列を明らかにする目的でサブクローニン
グを行なった。まず得られた#6クローンを制限酵素X
baIで消化した後、0.7%アガロースゲルを用いて
電気泳動を行ない、マウス由来TL4タンパク質遺伝子
のコード領域を含むことが考えられた約9kbのDNA断
片を切り出し、キアクイックゲル抽出キット(キアジェ
ン社)を用いて回収・精製を行なった。一方、クローニ
ングベクターpUC19は制限酵素XbaIで消化した
後、1.0%アガロースゲルを用いて電気泳動を行な
い、2.7kbに相当するDNA断片を切り出し、キアク
イックゲル抽出キット(キアジェン社)を用いて回収・
精製を行なった後、ウシ小腸由来アルカリフォスファタ
ーゼCIAP(宝酒造)を用いて末端の脱リン酸化を行
なった。このCIAP処理pUC19に、先に調製した
#6クローン由来のDNA断片をDNA Ligation Kit
Ver.2(宝酒造)を用いて連結し、大腸菌DH5αに導
入して得られたアンピシリン耐性株より目的のDNA断
片が挿入されたプラスミドDNAを選択・単離した。ク
ローン化された#6クローン由来のXbaI DNA断
片の塩基配列については、種々の合成オリゴDNAをプ
ライマーとし、ダイターミネーターサイクルシークエン
スFSレディリアクションキット(パーキンエルマー
社)を用いたシークエンス反応を、添付資料の条件に従
ってGeneAmpR PCR System 2400で行なった後、該試料を
DNAシーケンサー373A(パーキンエルマー社)で決定
した。得られた塩基配列は遺伝子解析ソフトレーザージ
ーン(Lasergene、ディーエヌエースター(DNASTAR)
社)で確認した。その結果、マウス由来TL4タンパク
質をコードする染色体遺伝子は4つのエクソンから成る
ことが分かった〔図9〜18〕。以上のようにして取得
した、マウス由来TL4タンパク質のコード領域を含む
#6クローン由来のXbaI DNA断片を保持するプ
ラスミドはpTB2011と命名し、大腸菌(Escheric
hia coli)DH5αに導入して得た形質転換体は、大腸
菌(Escherichia coli)DH5α/pTB2011とし
た。
【0070】参考例4 Pichia酵母を宿主としたヒト由
来TL4タンパク質の細胞外領域の発現とウエスタンブ
ロット解析 本発明のヒト由来TL4タンパク質の細胞外領域を酵母
Pichia pastorisで発現させるためのベクターとしては
pPICZαA(インビトロジェン社)を用いた。本ベ
クターには該酵母のアルコールオキシダーゼ遺伝子(A
OX1)のプロモーターの下流にPichia酵母でも機能的
な出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeの分泌シグナルα
−因子をコードする遺伝子とそれに続くマルチクローニ
ングサイトが含まれており、組換え蛋白質を培地中に分
泌させることが可能である。まず本発明のヒト由来TL
4タンパク質の細胞外領域をコードするDNA断片はP
CR法により調製するが、その際用いる次の2種のプラ
イマーをDNA合成機(Oligo1000M、ベックマン社)で
合成した。 5'−プライマー:(配列番号:21) 5'−ACGAATTCCAAGAGCGAAGGTC
TCACGAGGTC−3' (このプライマーは、EcoRI認識配列とその3'側
にヒト由来TL4タンパク質の細胞外領域のうち、N末
端側の85番Glnから8アミノ酸をコードする24塩
基を有する) 3'−プライマー:(配列番号:22) 5'−AGTCTAGACTCCTTCCTTCACA
CCATGAAAGCCCC−3' (このプライマーは、XbaI認識配列とその3'側に
終止コドン(TGA)とヒト由来TL4タンパク質の細
胞外領域C末端5アミノ酸をコードする15塩基に相補
的な配列を有する) 得られたプライマーをそれぞれ50pmol、参考例1で得
られたプラスミドpTB1939を100ng、dAT
P、dCTP、dGTP、dTTPを各10nmol、2.
5ユニットのネイティブPfu DNAポリメラーゼ
(ストラタジーン社)とネイティブPfuバッファー
(ストラタジーン社)5μlを含む50μlの溶液を調
製し、サーマルサイクラー(GeneAmpR PCR System 240
0、パーキンエルマー社)を用いて、94℃、1分、続
いて98℃、20秒→55℃、30秒→68℃、2分を
1サイクルとする反応を30サイクル、最後に72℃、
5分の条件でPCR反応を行なった。反応終了液からP
CR産物を回収し、EcoRI、XbaIで消化後、予
めEcoRI、XbaIで消化・線状化したpPICZ
αAに連結し、環状化プラスミドを得た。該プラスミド
DNAを再びAOX1座位のSacIユニーク切断部位
で切断し、線状化後、エレクトロポレーション法により
Pichia pastoris KM71株に導入した。そこで得られ
た100μg/ml ZeocinTM(インビトロジェン社)含有
YPD寒天培地(1% yeast extract(ディフコ(Difc
o)社)、2% Bactopeptone(ディフコ(Difco)
社)、2% glucose(和光純薬)、2% 寒天末(和光
純薬))上で生育可能なZeocinTM耐性株の中から数クロ
ーンを選択し、各染色体DNAを調製後、それを鋳型に
用いた、導入プラスミドDNAの染色体への組み込みを
確認するためのPCR反応を行ない、組み込みが確認さ
れたクローンを目的とする組換え蛋白質発現用形質転換
株として選択した。組換え蛋白質の発現は以下の手順で
行なった。まず、1白金耳のヒト由来TL4タンパク質
の発現用形質転換株のコロニーをBMGY培地(1%
酵母エキス、2% ペプトン、100mM リン酸カリウム
(pH6.0)、1.34% yeast nitrogen base with
ammonium sulfate without amino acids(ディフコ(Di
fco)社)、4×10-5% ビオチン、1% グリセロー
ル)25mlに接種し、30℃、20時間培養した。菌体
を遠心で集め、次にOD600=1.0になるようにBMM
Y(1% 酵母エキス、2% ペプトン、100mM リン
酸カリウム(pH6.0)、1.34% yeast nitrogen
base with ammonium sulfate without amino acids(デ
ィフコ(Difco)社)、4×10-5% ビオチン、0.5
% メタノール)培地に再懸濁後、30℃で培養し、1
日、または2日後に該培養液をサンプリングし、遠心し
て培養上清を得た。本培養上清を用いたウエスタンブロ
ッティングは以下の通りに行なった。まず、ヒト由来T
L4タンパク質の細胞外領域のアミノ酸配列の一部(配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第166番目〜
第180番目までのアミノ酸配列)を含むペプチドを合
成し、該合成ペプチドを認識するウサギ抗血清を公知の
方法に従って作製した。次に上述の培養上清5μlをサ
ンプル処理液(0.25M Tris−HCl、2% S
DS、30% glycerol、10% β−mercaptoethano
l,0.01% bromophenol blue,pH6.8)5μlと
混合し95℃で5分処理した後、SDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動(10−20%グラジエントゲル)
を用い、泳動終了後タンパク質ブロッティング装置(Se
miPhorTM、ホーファ・ファルマシア・バイオテック(Ho
efer Pharmacia BioTech)社)を用いてニトロセルロー
ス膜(ファルマシア社)に泳動タンパク質を転写した。
3% ゼラチン含有TBS(20mM Tris,500mM
NaCl,pH7.5)で膜をブロッキングして、次に
TTBS(0.05% Tween−20含有TBS)で
洗浄後、1.0% ゼラチン含有TTBSで2000倍に
希釈された上述のウサギ抗血清と室温で2時間反応させ
た。反応終了後、膜をTTBSで2回洗浄して、次に
1.0%ゼラチン含有TTBSで3000倍に希釈され
たアルカリフォスファターゼ(AP)標識ヤギ抗ウサギ
IgG抗体と室温で1時間反応させた。膜をTTBSで
2回洗浄してさらにTBSで1回洗浄後、AP発色キッ
ト(バイオラッド社)を用いて検出した。〔図19〕に
そのウエスタンブロッティングの結果を示した。発現ベ
クターを導入した株の培養上清では約20kD付近に主
たるバンドが認められ、そのシグナルの強さは経時的に
増加していたが、対照のpPICZαA導入株の培養上
清では全くシグナルが認められなかった。
【0071】参考例5 ラット由来TL4タンパク質を
コードするcDNAのクローニング ラット由来TL4タンパク質をコードするcDNAのク
ローニングは、PCR法によって行なった。スーパース
クリプトTMラット肝臓cDNAライブラリー(ギブコビ
ーアールエル社)の大腸菌DH12S株を、100μg/
mlアンピシリン含有Terrific Broth(12g/l Bacto-tr
yptone(ディフコ社),24g/l Bacto-yeast extract
(ディフコ社),2.3g/l リン酸一カリウム,12.5
g/l リン酸二カリウム,0.4% グリセロール)で30
℃で16時間培養し、集菌後、キアジェンプラスミドキ
ット(キアジェン社)を用いてプラスミドcDNAライ
ブラリーを調製した。該DNAを鋳型として、また、下
記の2つの合成オリゴヌクレオチドをプライマーDNA
として、またTaKaRa LA Taq(宝酒造(株))をDNA
ポリメラーゼとして用いた反応系でPCR反応を行なっ
た。 5'−CCTGACCCTGGGCTTCTGAGCC
TC−3'(配列番号:23) 5'−TCCACAAAATCCATTGTCGTCA
TAGCC−3'(配列番号:24) 反応はサーマルサイクラー(GeneAmpR PCR System 240
0,パーキンエルマー社)を用いて、94℃・1分を1
サイクル、98℃・20秒→55℃・30秒→72℃・
3分を35サイクル、72℃・2分を1サイクル、4℃
・放置のプログラムで行なった。反応終了液の一部を
1.0%アガロースゲル電気泳動し、PCR反応で増幅
された単一のDNA断片に対応するバンドを確認の後、
キアクィックゲルエキストラクションキット(キアジェ
ン社)を用いて該DNA断片を回収し、その塩基配列を
決定するためにpT7Blue T-vector(ノバジェン社)のT
クローニングサイトにDNAライゲーションキットバー
ジョン2(宝酒造(株))を用いて挿入・連結した。該
ライゲーション液を大腸菌DH5α株に導入後、アンピ
シリン含有LB寒天培地上で出現してきたアンピシリン
耐性形質転換株のコロニー群の中から2クローンを選択
し、各々からプラスミドDNAを調製した。両クローン
の各挿入DNAの塩基配列を決定するため、各プラスミ
ドDNAを鋳型に、2種(PRM−007、PRM−0
08)の市販プライマーDNA(東洋紡績(株))の
他、DNA合成装置(Oligo1000M、ベックマン社)で合
成したオリゴDNAをプライマーDNAとして用い、Th
ermo SequenaseTM dye terminator cycle sequencing p
re-mix kit(アマシャム社)を用いたサイクルシークエ
ンス反応を添付資料の条件に従ってGeneAmpR PCR Syste
m 2400で行なった後、該試料をDNAシーケンサー37
3A(パーキンエルマー社)で分析した。得られた塩基
配列は遺伝子解析ソフトレーザージーン(Lasergene、
ディーエヌエースター(DNASTAR)社)で解析した。そ
の結果、両クローンとも、Tクローニングサイトには、
配列番号:3で表される239個のアミノ酸からなるラ
ット由来TL4タンパク質をコードする配列番号:10
で表される717個の塩基配列からなるオープンリーデ
ィングフレーム(Open reading frame)を含む784塩
基対の塩基配列のDNA断片が含まれていた〔図20〜
21〕。このラット由来TL4タンパク質と参考例1で
得られた配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有する
ヒト由来TL4タンパク質とはアミノ酸レベルで75%
の相同性を有しており、それらをコードするDNAは塩
基レベルで74%の相同性を有していた。また、このラ
ット由来TL4タンパク質と参考例2で得られた配列番
号:2で表されるアミノ酸配列を有するマウス由来TL
4タンパク質とはアミノ酸レベルで96%の相同性を有
しており、それらをコードするDNAは塩基レベルで9
4%の相同性を有していた。得られたラット由来TL4
タンパク質をコードするDNAを保持するプラスミドp
TB2012を大腸菌(Escherichia coli)DH5αに
導入して形質転換体:大腸菌(Escherichia coli)DH
5α/pTB2012を得た。
【0072】実施例1 昆虫細胞発現系を用いた可溶型
ヒトTL4の生産 ヒトTL4タンパク質をコードするDNAを挿入したプ
ラスミドpTB1940を鋳型にして、5'末端部分に
制限酵素EcoRIの切断部位を付加した合成オリゴヌクレ
オチド(5’GAATTCGATACAAGAGCGA
AGGTCTCACGAGGTC3'(配列番号:2
6))と3’末端部にXbaIの制限酵素部位を付加した合
成オリゴヌクレオチド(5'AAATCTAGATCC
TTCCTTCACACCATGAAAGCCCC3’
(配列番号:27))をプライマーとして用いてPCR
反応を行い、TL4の細胞外領域に相当する84残基目
のイソロイシンから240残基目のバリンをコードする
可溶型TL4の増幅DNA断片を得た。PCR反応はD
NAサーマルサイクラー9600を使用し、94℃で1
分間処理した後、ExTaqDNAポリメラーゼを用い
て98℃で10秒間、55℃で5秒間、72℃で1分間
のサイクルを25回繰り返した。このようにして得られ
た増幅断片は制限酵素EcoRI及びXbaIで処理した。また
pCMV−FLAGプラスミドを同じく制限酵素EcoRI
及びXbaIで処理して、プレプロトリプシンのシグナル
配列並びにタグとして精製・検出を容易にする目的で付
加されたFLAGタンパク質を各々コードするDNA断
片を取得した。該プレプロトリプシン-FLAGタンパ
ク質をコードするDNA断片の3'末端側に制限酵素処
理を行った可溶型TL4の増幅DNA断片を連結した。
得られた該プレプロトリプシン-FLAGタンパク質-可
溶型ヒトTL4タンパク質をコードするDNA断片を制
限酵素SacI及びXbaIで処理し、同じく制限酵素Sac
I及びXbaIで処理した昆虫細胞発現用ベクターpFAS
T Bac1(GIBCO BRLライフテック社)に挿入
した(図22)。得られたTL4発現プラスミドpFAST
Bac1/shTL4は、昆虫細胞においてプレプロトリプシン
を利用して細胞培養上清中に分泌され、かつFLAGタ
グが付加された融合タンパク質として産生されることが
期待された。以後の操作については、Bac-to-Bac Bacu
lovirus Expression Systems(GIBCO BRLラ
イフテック社)を用い、実験方法については添付のプロ
トコールに従った。すなわち、得られたヒトTL4タン
パク質をコードするDNAを挿入した組換えプラスミド
pFAST Bac1/shTL4を添付の大腸菌DH10Bacに導
入し形質転換菌を得た後、その菌体より組換えバックミ
ドを回収した。得られた組換えバックミドは添付のセル
フェクチン試薬を用いてSf9昆虫細胞へ形質導入し、
組換えバキュロウイルスを得た。これをSf9昆虫細胞
へ再度感染させた後、4日ないし5日間培養を行い、培
養上清中に分泌されたFLAGヒトTL4融合タンパク
質を抗FLAG抗体カラムを用いて精製し、shTL4と名
づけ以後の実験に供した。
【0073】実施例2 可溶型ヒトTL4による正常ヒト
肝実質細胞のDNA合成促進作用の確認 正常ヒト肝実質細胞に対するshTL4のDNA合成に及ぼす作
用を調べるために、以下の実験を行った。すなわちCSC
無血清培地(Cell Systems社)で懸濁した正常ヒト肝実
質細胞(Cell Systems社、#3716)をI型コラーゲンコー
ト96穴培養プレート(FALCON社)に2500個/well/50mlで
播種し、同時に実施例1の方法により取得、精製したsh
TL4を3倍公比で最終濃度が0.1 ng/mlから10 ng/mlにな
るように50ml/well(n=2)で添加し3日間CO2インキュベ
ータ−(37℃、5% CO2)で培養した。DNA合成の検出に
はCell Proliferation ELISA, BrdU kit(BOEHRINGER
社)を用いた。すなわち最終希釈率が1000倍になるよう
にブロモデオキシウリジン(BrdU)を各ウエルに添加し
1晩培養した後、培養液を除去しFix Denat溶液を200ml/
wellで添加した後30分間室温で細胞を固定した。その
後、溶液を除去しHRP標識抗BrdU抗体溶液を100ml/well
で添加した後90分間室温で作用させた。PBSで洗浄後、
基質を50ml/wellで添加し30分間発色させ、96穴プレー
トリーダー(マルチスチャンマルチソフト:大日本製
薬)で波長340nmでの吸光と、対照として492nmの吸光を
測定した。その結果、shTL4は用量依存的に肝実質細胞
のBrdUの取り込み、すなわちDNAの合成を促進すること
が明らかとなった(図23)。
【0074】実施例3 可溶型ヒトTL4による飢餓状態
下での正常ヒト肝実質細胞のDNA合成促進作用 飢餓状態下でのshTL4の作用を検討するために、ハムF-1
2培地とライホビッツL-15培地(GIBCO社)を当量混合し
た基礎培地に、各最終濃度1% BSA、5mMグルコース(WAK
O社)、10-8Mデキサメタゾン(WAKO社)、10-8Mウシイ
ンスリン(GIBCO社)となるように添加したものを基本
培地とした。この培地に懸濁した正常ヒト肝実質細胞を
I型コラーゲンコート96穴培養プレート(FALCON社)に2
500個/well/50mlで播種し、CO2インキュベーターで24時
間培養した。shTL4、ヒトEGF、ヒトヘパリン結合型EGF
(HB-EGF)、ヒトTGFα、またはヒトHGF(各増殖因子:
R&D社)を3倍公比で最終濃度0.03 ng/mlから100ng/mlと
なるように50ml/well(n=3)で添加し3日間培養した
後、実施例1と同様にDNA合成の検出を行った。その結
果、shTL4は飢餓状態においても、他の増殖因子と同様
な肝実質細胞のBrdUの取り込み、すなわちDNA合成を促
進した。したがってshTL4は肝実質細胞の増殖過程にお
いて促進的な作用を有することが示された(図24)。
【0075】実施例4 可溶型ヒトTL4のアクチノマイ
シンD(ActD)との併用による肝実質細胞に対する細胞
障害活性 実施例3で記載した基本培地に最終濃度10%となるよう
新生仔牛血清(GIBCO社)を添加した培地に懸濁した正
常ヒト肝実質細胞をI型コラーゲンコート96穴培養プレ
ート(FALCON社)に5000個/well/100mlで播種しCO2イン
キュベーターで1昼夜培養した。その後、基本培地に最
終濃度1%となるよう新生仔牛血清(GIBCO社)を添加し
た培地に置換し、1.33mMのActD(WAKO社)を50ml/well
で添加し30分間CO2インキュベーターで培養した。shTL
4、ヒトTNFα(Genzyme社)、ヒトLTα(Genzyme社)、
抗ヒトFas抗体(CH-11:MBL社)、ヒトHB-EGF(R&D
社)、ヒトHGF(R&D社)を各々最終濃度0.3 ng/mlから1
00ng/mlとなるように3倍公比で50ml/wellづつ添加し、2
4時間CO2インキュベーターで培養した。細胞障害活性の
指標として、LDH-Cytotoxic Test Wako(WAKO社)を用
いて培養上清中のラクトースデヒドロゲナーゼ(LDH)
活性を測定した。すなわち培養上清を10ml、PBSを40m
l、基質50mlを混合し室温で45分間放置した後、プレー
トリーダーで620nmの吸光を測定した。LDH活性は培養上
清の代わりに培地を用いた値をブランク値とし、0.5% T
ween20(BioRad社)を含む培地で細胞を融解したものを
100%とした。TNFα、抗Fas抗体は用量依存的に培養上清
中のLDH活性を増加させたのに対し、shTL4添加では明ら
かな増加は認められなかった。すなわち肝実質細胞に対
してTNFα、抗Fas抗体は顕著な細胞障害活性を有するの
に比べ、shTL4にはそのような活性がないことがわかっ
た。LTαについては明らかなLDH活性の上昇は検出でき
なかったが、顕微鏡観察では若干の死細胞が認められた
(図25)。
【0076】実施例5 アネキシンVとPropidium Iodid
e(P.I.)を用いたアポトーシス誘導活性の検出 実施例4で見出したshTL4とTNFα、抗Fas抗体あるいはL
Tαとの相違点をアネキシンVとP.I.を用いたアポトーシ
ス検出系で検討した。正常ヒト肝実質細胞をI型コラー
ゲンコート6穴プレート(FALCON社)に150000個/well/2
mlで播種し、CO2インキュベーターで1昼夜培養した後、
実施例4と同様に培地交換をした後、最終濃度が333nMと
なるようにActDを添加し30分間培養した。その後、最終
濃度が100ng/mlとなるようにshTL4、TNFα、LTα、抗Fa
s抗体を各々添加し15時間培養した後、細胞を回収し
た。アポトーシスの検出にはEarly Apoptosis detectio
n kit(KAMIYA BIOMEDICAL社)を用いた。すなわちトリ
プシン処理で細胞を回収した後、400mlのBinding buffe
rに懸濁し、10mlのFITC-アネキシンV溶液と10mlのP.I.
溶液を添加し30分間暗所で放置した。染色した細胞をFA
CScan(Becton Dekinson社)で解析した。 解析条件はF
SC:E-1、9.5、lin、SSC:330、1.0、lin、FL-1:320、
log、FL-2:320、log、comp:FL1-1.1%FL2、FL2-24.4%F
L1を用いた。対照の細胞と比較してTNFα、LTα、抗Fas
抗体を添加した細胞ではFL-1、FL-2の蛍光強度が上昇し
ていたが、shTL4を添加した細胞は上昇しなかった、す
なわちTNFα、LTα、抗Fas抗体を添加した細胞はアネキ
シンV、P.I.で染色されたが、shTL4を添加した細胞は染
色されなかった。このことはTNFα、LTα、抗Fas抗体に
は肝実質細胞に対するアポトーシス誘導能があるもの
の、shTL4には誘導能がないことを示す。以上の結果か
らshTL4は他のTNFファミリーリガンドと異なり、肝実質
細胞を傷害しないことが明らかとなった(図26)。
【0077】実施例6 ヒト肝臓由来の新規Fasリガン
ド様可溶型蛋白質をコードするcDNAのクローニングと塩
基配列の決定 ヒト肝臓cDNAを鋳型とし、2個のプライマー、プライマ
ー1(配列番号:28)及びプライマー2(配列番号:2
9)を用いてPCR反応を行った。該反応における反応液の
組成は上記cDNA、33.5ngを鋳型として使用し、Advantag
e 2 PolymeraseMix(CLONTECH社)1/50量、プライマー1
(配列番号:28)及びプライマー2(配列番号:29)を
各々20μM、dNTPs 2.5mM、及び酵素に添付のバッファー
を1/10を加え、総50μlの液量とした。PCR反応は95℃
・30秒の後95℃・10秒、58℃・10秒、72℃・45秒のサ
イクルを30回最後に72℃・2分の伸長反応を行った。
該PCR反応後の反応産物は、723塩基と615塩基の二つの
産物を有するが、615塩基対の反応産物をゲルから回収
し、QIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN社)の方法に
従い、精製を行った。精製産物をTAクローニングキット
(Invitrogen社)の処方に従い、プラスミドベクターpCR
2.1-TOPO vectorへサブクローニングした。これを大腸
菌DH5αに導入し、目的のcDNAを持つクローンをアンピ
シリンを含むLB寒天培地中で選択した後、個々のクロー
ンの配列を解析した結果、新規Fasリガンド様可溶型蛋
白質をコードする612塩基対のcDNA配列(配列番号:3
0)を得た。このcDNAより導き出されるアミノ酸配列(配
列番号:31)を有する新規Fasリガンド様可溶型蛋白質
をhTL4-2と命名した。
【0078】実施例7 各種増殖因子による正常ヒト肝
実質細胞のDNA合成誘導における可溶型ヒトTL4の
相乗的なDNA合成促進作用 実施例3で認められた可溶型ヒトTL4(shTL4)によ
るDNA合成促進作用が、増殖因子の存在下でどのよう
に発揮されるかを明らかにするため、各種増殖因子存在
下での効果を調べた。まずハムF12培地とライホビッ
ツL15培地(GIBCO社)を等量混合した基礎培地
に、最終濃度が1%のBSA、5mMグルコース、10
―8Mデキサメタゾン(以上、WAKO社)、10―8
ウシインスリン(GIBCO社)を添加したものを基本
培地とした。この培地に正常ヒト肝実質細胞を懸濁し、
あらかじめEHS細胞由来細胞外基質matrigel(ファル
コン社)溶液を10μg/wellの濃度になるように
添加してコートした96穴培養プレート(ファルコン
社)上に2500個/wellで播種し、CO2インキュ
ベーターで24時間培養した。shTL4は最終濃度が1ま
たは10ng/mlの用量になるように、またヒトEG
Fは0.1, 0.3, 1, 3, 10ng/mlの用量で、ヒトヘパ
リン結合型EGF(HB−EGF),ヒトTGFαおよび
ヒトHGF(以上、R&D社)は最終濃度が各々1、
3、10、30、100ng/mlとなるように添加し3日
間培養した後、実施例1と同様にDNA合成の検出を行
った(n=3)。その結果、matrigelをコートしたプレ
ート上では、肝実質細胞の増殖因子によるDNA合成の
低応答性が認められ、これはmatrigelから入る増殖抑制
性のシグナルによる脱分化抑制の結果であると考えてい
るが、このような条件下においてもshTL4は肝実質細胞
のBrdUの取り込み、すなわち肝細胞のDNA合成を促進
し、それは他の増殖因子と相乗的に作用することがわか
った。従って、shTL4は肝実質細胞の増殖因子による増
殖過程において、DNA合成の相乗的な誘導促進因子で
あることが示された(図27)。
【0079】実施例8 四塩化炭素投与肝障害モデルマ
ウスにおける各遺伝子発現変動の検討 四塩化炭素(CCl4)投与肝障害モデルマウスの肝臓におい
て、マウスTL4をはじめとする種々の遺伝子がどのよう
な発現変動を示すのかをPCR法により増幅された特異的P
CR鎖をABI PRISMTM7700 Sequence Detection System(SD
S7700)(PE Applied Biosystems)によって検出、定量す
ることにより検討した。まずCCl4投与肝障害モデルマウ
スの作製と肝臓の摘出を行った。すなわちC57BL/6マウ
ス(雄、7週齢)(日本SLCより購入)の体重測定を行い、7
0%エタノールで腹部を消毒した後、 CCl4 (和光純薬)
をコーンオイル(和光純薬)で8倍希釈したサンプルを0.
5ml/kgで各マウス(N=3)に腹腔内投与した。その1、4、
7、12、24、48、72時間経過後に再び体重測定を行い、
エーテル麻酔の後、肝臓を摘出し、肝臓の重量を測定し
た。摘出した肝臓の外側左葉部分はホルマリン保存を行
い、残りの肝臓は3匹分をまとめて即座に液体窒素中で
凍結させ、以後-80℃保存を行った。コントロールとし
てコーンオイルのみを腹腔内投与したモデルマウスを作
製し、同様の一連の操作を行った。またプラズマ中のGP
T活性は、各時間での肝臓摘出の前にヘパリナイズを予
め行ったシリンジを用いて心採血を行い、採取した血液
を3000回転、10分間の遠心して調製した血漿中のGPT活
性を測定した。血漿中のGPT活性の測定は、エスティエ
ーテストワコー(和光純薬)を用いて行った。方法は添付
のプロトコールに準じた。その結果、 CCl4投与マウス
において血漿中のGPT活性は投与後24時間をピークとし
て上昇し、その後低下した。コーンオイルを投与したコ
ントロール群ではGPT活性の上昇は認められなかったこ
とより、 CCl4依存的な肝障害を惹起することが出来
た。また肝重量はCCl4投与群では24時間まで減少し、そ
の後増加する傾向にあり、一方コントロール群ではほぼ
一定の値を示していた。このことから肝障害成立後、肝
再生が起きていることが示された。一方、肝組織のPCNA
(Proliferating Cell Nuclear Antigen)免疫染色
は、以下の方法で行った。すなわち、ホルマリン固定し
た肝臓を脱水包埋装置にて脱水、透徹、パラフィン浸透
させた後、融点60℃のパラフィンを使用して包埋皿に組
織を包埋し、2〜3μの厚さで薄切した。切片をスライ
ドガラスにのせ、48〜52℃の湯に浸し伸展させ、37℃の
孵卵器で2時間以上乾燥させた後、キシレン、エタノー
ルを順次通して脱パラフィン処理し、十分水洗した。0.
01Mクエン酸バッファー(pH6)中でオートクレーブ121
℃、10分間の処理を行った後、0.03%過酸化水素水と0.1
%NaN3・PBSの混合溶液中に20分間浸し、内因性処理を行
い更に、100倍希釈した抗PCNAマウスモノクローナル抗
体クローンPC10(DAKO社)含有液中で室温で60分間浸透さ
せ、その後PBSで40分間洗浄した。その後100倍希釈した
ビオチン化ウサギ抗マウスIg,F(ab')2(DAKO社)含有液中
で室温で60分間浸透させた後PBSで40分間洗浄した。3次
試薬としてストレプトアビジンとビオチンの複合体/パ
オキシダーゼ標識(DAKO社)の酵素試薬中で30分間反応さ
せ、 PBSで40分間洗浄した後、 DAB(3,3'-diaminobenzi
dine tetrahydrochloride)7030mg、0.05MTris-HCl(pH
7.6)、0.01%過酸化水素水中で発色程度を見ながら発色
させ、ヘマトキシリン液で核染色を行い、脱水、透徹の
操作を経て封入し、PCNA陽性細胞数を光学顕微鏡にてカ
ウントした。その結果、CCl4投与後4時間目から顕著な
陽性細胞が確認され、それは少なくとも72時間後も継続
したことから、旺盛な肝再生がCCl4により誘発されたこ
とが分かった。次にCCl4投与肝障害モデルマウスから摘
出した肝臓から以下の方法を用いてトータルRNAを調製
した。すなわち-80℃保存した肝臓のサンプルを再び液
体窒素中に入れ、気泡が出なくなったことを確認してか
らスパチュラで薬包紙の上にのせ、上から木槌で破砕
し、予め用意しておいたISOGEN((株)ニッポンジーン)
30ml中に入れる。事前に約10%の過酸化水素水で処理
し、RNaseフリーの滅菌水((株)ニッポンジーン)でリ
ンスしたポリトロンホモジナイザー(KINEMATICA社)でホ
モジナイズし、室温で15分間静置した。新しい50ml用の
チューブに15mlのホモジネートを移し、さらに15mlのIS
OGENを加え、よく混合し、6mlのクロロホルム(和光純薬
工業(株))を加えボルテックスで撹拌し、室温で5分間静
置した。10000回転、15分間(4℃)の遠心分離後、水層を
10ml回収し等量の2-プロパノール(和光純薬工業(株))を
加えて、穏やかに混合し室温で10分間静置した。10000
回転、10分間(4℃)の遠心分離後、ゲル様のペレットと
してチューブの内壁に付着したRNA沈澱を回収し、70%エ
タノールでリンスした後、風乾した。58℃の温浴水層中
で10〜20mlのRNaseフリーの滅菌水に溶解し、濃度を測
定し、トータルRNA(tRNA)溶液を得た。次に該tRNAをMes
sageCleanKit(Gen Hunter Corporation社)を用いてDNas
eI処理した。該反応における反応組成はtRNA、100μg
、添付バッファー11.4μl、DNaseI2μlを加え、総113.
4μlの液量とした。37℃・30分の反応を行った後、RNea
sy Mini Kit(QIAGEN社)のRNA cleanupのプロトコールに
従い、RNAを精製した。該精製RNAをTaqMan Gold RT-PCR
Kit(PE Applied Biosystems)のプロトコールに従い、
リバーストランスクリプション(RT)反応を行った。該反
応における反応組成はtRNA2μg 、10xTaqMan RT Buffer
10μl、5.5mM MgCl2、0.5mM dNTPs、2.5μM Random Hex
amer、 RNase Inhibitor0.4U/μl 、MultiScribe Rever
seTranscriptase1.25 U/μlを加え、総100μlの液量と
した。25℃・10分、48℃・30分、95℃・5分のPCR反応を
行った後、cDNA溶液として-20℃保存を行った。CCl4
与肝障害モデルマウスにおける各遺伝子発現変動はTaqM
an法を用いて定量した。すなわちTaqManプローブ、プラ
イマーの設計はPrimer Express(PE Applied Biosystems
社製ソフトウエアー)を用いて行った。マウスTL4のTaq
Manプローブ配列(配列番号:32)、 TaqManプライマ
ー配列(配列番号:33、34)、マウスTNFαのTaq Ma
nプローブ配列(配列番号:35)、 TaqManプライマー
配列(配列番号:36、37)、マウスc-mycのTaq Man
プローブ配列(配列番号:38)、 TaqManプライマー配
列(配列番号:39、40)、マウスHB-EGFのTaq Manプ
ローブ配列(配列番号:41)、 TaqManプライマー配列
(配列番号:42、43)、マウスTGF-αのTaq Manプロ
ーブ配列(配列番号:44)、 TaqManプライマー配列
(配列番号:45、46)を選択し、合成を行った。Taq
Man PCR反応における反応組成は既に調製したcDNAを鋳
型として使用し、2x TaqMan UniversalPCR Master Mix
(PE Applied Biosystems)12.5μl、200nM TaqManプロー
ブ、TaqManプライマー各々100nMになるように加え、総2
5μlの液量とした。PCR反応は50℃・2分、95℃・10分の
後(95℃・15秒、62℃・1分)のサイクルを40回行い、反
応終了と同時にPCRの定量的自動解析を行った。また各c
DNA間のばらつきは、TaqMan Rodent GAPDH Control Rea
gents(PE Applied Biosystems)を用いて補正を行った。
以下に上記各プローブ、プライマーの塩基配列を記載す
る。 配列番号:32 ; CCAACGCCAGCTTGATAGGTATTGGTGG 配列番号:33 ; CCCAGCAGCACATCTTACAGGA 配列番号:34 ; AGGCCAAGTCGTGTCTCCCATA 配列番号:35 ; CTATGGCCCAGACCCTCACACTCAGATCAT 配列番号:36 ; CAAATGGCCTCCCTCTCATCAG 配列番号:37 ; GGCTACAGGCTTGTCACTCGAA 配列番号:38 ; ACAACGAAAAGGCCCCCAAGGTAGTGA 配列番号:39 ; GTGACCAGATCCCTGAATTGGAA 配列番号:40 ; GTAGGCGGTGGCTTTTTTGAG 配列番号:41 ; CCTCTTGCAAATGCCTCCCTGGTTACCA 配列番号:42 ; ATACAAGGACTACTGCATCCACGG 配列番号:43 ; GTAGAGTCAGCCCATGACACCTGT 配列番号:44 ; TGTCCTCATTATCAC
CTGTGTGCTGATCCA 配列番号:45 ; AAGAAGCAAGCCATCACTGCC 配列番号:46 ; ACAGTGTTTGCGGAGCTGACAG その結果、図28に示すように、CCl4投与群での肝臓中
のTL4メッセンジャーRNA(mRNA)量は7時間をピークとし
て上昇し、その後発現は低下した。一方、コントロール
群では4時間をピークとして比較的高い発現上昇を示し
たが、肝臓中のTNFα mRNA量は24時間後に発現の上昇が
認められ、TL4よりも発現がかなり遅れることが明らか
となった。一方HB-EGFはCCl4投与4時間後に発現のピー
クをむかえ、またc-mycは投与4時間後に顕著な上昇があ
り、以後12時間目をピークとして、この上昇は持続し
た。肝再生における重要な肝細胞増殖因子であるHB-EGF
の発現上昇がCCl4投与後4時間目という比較的早い時期
に起こること、それに連動するようにc-myc、PCNA陽性
細胞の上昇とTL4の発現上昇が起こることから、従来言
われていた肝再生時におけるTNFαの役割よりもむしろT
L4がより積極的に障害肝の再生に関与している可能性が
示された。TL4が細胞レベルにおいて、正常肝実質細胞
のHB-EGFをはじめとする肝細胞増殖因子によるDNA合成
を相乗的に促進することと考え合わせ、これらの事実か
らTL4が障害肝の修復過程において重要な役割を担って
いることが示唆される。
【0080】実施例9 昆虫細胞発現系を用いた可溶型
マウスTL4の生産 マウスTL4タンパク質(配列番号:2)をコードするDNA
を挿入したプラスミドpTB1958を鋳型にして、5'末端部
分に制限酵素EcoRIの切断部位を付加した合成オリゴヌ
クレオチド(5'-GTAGAATTCGGCCAACCCAGCAGCACATCTTAC-
3'(配列番号:48))と3'末端部にXbaIの制限酵素部
位を付加した合成オリゴヌクレオチド(5'-AAATCTAGATA
TTGCTGGGTTTGAGGTGAGTCC-3'(配列番号:49))をプラ
イマーとして用いてPCR反応を行い、TL4の細胞外
領域に相当する90残基目のアラニンから239残基目のバ
リンをコードする可溶型TL4の増幅DNA断片を得
た。PCR反応はDNAサーマルサイクラー9600を
使用し、94℃で1分間処理した後、ExTaqDNA
ポリメラーゼを用いて98℃で10秒間、60℃で5秒
間、72℃で1.5分間のサイクルを25回繰り返した。
このようにして得られた増幅断片は制限酵素EcoRI及びX
baIで処理した。またpCMV−FLAGプラスミドを
同じく制限酵素EcoRI及びXbaIで処理して、プレプロト
リプシンのシグナル配列並びにタグとして精製・検出を
容易にする目的で付加されたFLAGタンパク質を各々
コードするDNA断片を取得した。該プレプロトリプシ
ン-FLAGタンパク質をコードするDNA断片の3'末
端側に制限酵素処理を行った可溶型TL4の増幅DNA
断片を連結した。得られた該プレプロトリプシン-FL
AGタンパク質-可溶型マウスTL4タンパク質をコー
ドするDNA断片を制限酵素SacI及びXbaIで処理
し、同じく制限酵素SacI及びXbaIで処理した昆虫
細胞発現用ベクターpFAST Bac1(GIBCO BRL
ライフテック社)に挿入した。得られたTL4発現プラ
スミドpFAST Bac1/smTL4は、昆虫細胞においてプレプ
ロトリプシンを利用して細胞培養上清中に分泌され、か
つFLAGタグが付加された融合タンパク質として産生
されることが期待された。以後の操作については、Bac-
to-Bac Baculovirus Expression Systems(GIBC
O BRLライフテック社)を用い、実験方法について
は添付のプロトコールに従った。すなわち、得られたマ
ウスTL4タンパク質をコードするDNAを挿入した組
換えプラスミドpFAST Bac1/smTL4を添付の大腸菌DH
10Bacに導入し形質転換菌を得た後、その菌体より
組換えバックミドを回収した。得られた組換えバックミ
ドは添付のセルフェクチン試薬を用いてSf9昆虫細胞
へ形質導入し、組換えバキュロウイルスを得た。これを
1.5x106/mlに調製したSf9昆虫細胞へ総体積の1/20量
を再度感染させた後、2日間培養を行い、培養上清中に
分泌されたFLAGマウスTL4融合タンパク質を回収
した。これをUF膜(MWCO 3000 0.1平方メートル)で濃縮
し、TBS(50mM Tris-HCl,150mM NaCl pH7.4)に置換し
た。抗FLAG M2抗体カラムを用いて精製し、溶出液
をSephadex G-25カラムで精製後、再度抗FLAG M2抗
体カラムを用いて精製し、各画分をSDS-PAGEで確認後、
純度の高い画分をまとめて回収した。これをCentriplus
10Kで濃縮し、 Sephadex G-25カラムで精製後PBSに置
換した。得られたFLAGマウスTL4融合タンパク質
をsmTL4と名づけ以後の実験に供した。
【0081】実施例10 コンカナバリンA投与肝障害
モデルマウスにおける各遺伝子発現変動の検討 コンカナバリンA(ConA)投与肝障害モデルマウスの肝臓
において、TL4やTNFa遺伝子がどのような発現変動を示
すのかをPCR法により増幅された特異的PCR鎖をABI PRIS
MTM7700 Sequence Detection System(SDS7700)(PE Appl
ied Biosystems)によって検出、定量することにより検
討した。まずConA投与肝障害モデルマウスの作製と肝臓
の摘出を行った。すなわちC57BL/6マウス(雄、6週齢)
(日本SLCより購入)の体重測定を行い、70%エタノール
で腹部を消毒した後、 ConA(和光純薬)をPBSで5mg/mlの
濃度になるように調製したサンプルを20mg/kgで各マウ
ス(N=3)に腹腔内投与した。その1、4、7、12、24時間経
過後にエーテル麻酔の後、肝臓を摘出し、3匹分をまと
めて即座に液体窒素中で凍結させ、以後-80℃保存を行
った。コントロールとしてPBSのみを腹腔内投与したモ
デルマウスを作製し、同様の一連の操作を行った。また
プラズマ中のGPT活性は、各時間での肝臓摘出の前にヘ
パリナイズを予め行ったシリンジを用いて心採血を行
い、採取した血液を3000回転、10分間の遠心して調製し
た血漿中のGPT活性を測定した。血漿中のGPT活性の測定
は、エスティエーテストワコー(和光純薬)を用いて行っ
た。方法は添付のプロトコールに準じた。その結果、 C
onA投与マウスにおいて血漿中のGPT活性は投与後7時間
目から上昇し、24時間目まで高値を持続した。 PBSを投
与したコントロール群ではGPT活性の上昇は認められな
かったことより、 ConA依存的な肝障害を惹起すること
が出来た(図29)。次にConA投与肝障害モデルマウスか
ら摘出した肝臓から以下の方法を用いてトータルRNAを
調製した。すなわち-80℃保存した肝臓のサンプルを再
び液体窒素中に入れ、気泡が出なくなったことを確認し
てからスパチュラで薬包紙の上にのせ、上から木槌で破
砕し、予め用意しておいたISOGEN((株)ニッポンジー
ン)30ml中に入れる。事前に約10%の過酸化水素水で処理
し、RNaseフリーの滅菌水((株)ニッポンジーン)でリ
ンスしたポリトロンホモジナイザー(KINEMATICA社)でホ
モジナイズし、室温で15分間静置した。新しい50ml用の
チューブに15mlのホモジネートを移し、さらに15mlのIS
OGENを加え、よく混合し、6mlのクロロホルム(和光純薬
工業(株))を加えボルテックスで撹拌し、室温で5分間静
置した。10000回転、15分間(4℃)の遠心分離後、水層を
10ml回収し等量の2-プロパノール(和光純薬工業(株))を
加えて、穏やかに混合し室温で10分間静置した。10000
回転、10分間(4℃)の遠心分離後、ゲル様のペレットと
してチューブの内壁に付着したRNA沈澱を回収し、70%エ
タノールでリンスした後、風乾した。58℃の温浴水層中
で10〜20mlのRNaseフリーの滅菌水に溶解し、濃度を測
定し、トータルRNA(tRNA)溶液を得た。次に該tRNAをMes
sageCleanKit(Gen Hunter Corporation社)を用いてDNas
eI処理した。該反応における反応組成はtRNA、100μg
、添付バッファー11.4μl、DNaseI2μlを加え、総113.
4μlの液量とした。37℃・30分の反応を行った後、RNea
sy Mini Kit(QIAGEN社)のRNA cleanupのプロトコールに
従い、RNAを精製した。該精製RNAをTaqMan Gold RT-PCR
Kit(PE Applied Biosystems)のプロトコールに従い、
リバーストランスクリプション(RT)反応を行った。該反
応における反応組成はtRNA2μg 、10xTaqMan RT Buffer
10μl、5.5mM MgCl2、0.5mM dNTPs、2.5μM Random Hex
amer、 RNase Inhibitor0.4U/μl 、MultiScribe Rever
seTranscriptase1.25 U/μlを加え、総100μlの液量と
した。25℃・10分、48℃・30分、95℃・5分のPCR反応を
行った後、cDNA溶液として-20℃保存を行った。ConA投
与肝障害モデルマウスにおける各遺伝子発現変動はTaqM
an法を用いて定量した。すなわちTaqManプローブ、プラ
イマーの設計はPrimer Express(PE Applied Biosystems
社製ソフトウエアー)を用いて行った。マウスTL4のTaq
Manプローブ配列(配列番号:50)、 TaqManプライマ
ー配列(配列番号:51、52)、マウスTNFαのTaq Ma
nプローブ配列(配列番号:53)、 TaqManプライマー
配列(配列番号:54、55)を選択し、合成を行っ
た。TaqMan PCR反応における反応組成は既に調製したcD
NAを鋳型として使用し、2x TaqMan Universal PCR Mast
er Mix(PE Applied Biosystems)12.5μl、200nM TaqMan
プローブ、TaqManプライマー各々100nMになるように加
え、総25μlの液量とした。PCR反応は50℃・2分、95℃
・10分の後(95℃・15秒、62℃・1分)のサイクルを40回
行い、反応終了と同時にPCRの定量的自動解析を行っ
た。また各cDNA間のばらつきは、TaqMan RodentGAPDH C
ontrol Reagents(PE Applied Biosystems)を用いて補正
を行った。以下に上記各プローブ、プライマーの塩基配
列を記載する。 配列番号:50 ; CCAACGCCAGCTTGATAGGTATTGGTGG 配列番号:51 ; CCCAGCAGCACATCT
TACAGGA 配列番号:52 ; AGGCCAAGTCGTGTCTCCCATA 配列番号:53 ; CTATGGCCCAGACCCTCACACTCAGATCAT 配列番号:54 ; CAAATGGCCTCCCTCTCATCAG 配列番号:54 ; GGCTACAGGCTTGTCACTCGAA その結果、ConA投与群での肝臓中のTL4メッセンジャーR
NA(mRNA)量は1時間後にコントロール群の約10倍に上昇
し、その後24時間まで4〜5倍の発現上昇を保持してい
た。一方、肝臓中のTNFα mRNA量は1時間後にコントロ
ール群の約60倍上昇し、その後24時間まで10倍前後の発
現上昇を保持していた(図29)。 ConA投与によりTL4が
早い時期に発現上昇し、それに引き続いてGPT値が上昇
したことにより肝障害が起こることが示唆された。
【0082】実施例11 アクチノマイシンDとTNFαに
より惹起される正常ヒト肝実質細胞のアポトーシスに対
する可溶型ヒトTL4の抗アポトーシス作用 実施例3及び実施例4で見出したアクチノマイシンD(A
ctD)とTNFαによる正常ヒト肝実質細胞のアポトーシス
に対し、TL4がどのような影響を与えるかを検討し
た。尚、培養条件並びに実験条件は下記に示す以外、実
施例3及び4に順じた。その結果、ActDとTNFαの同時
投与により正常ヒト肝実質細胞にアポトーシスを誘導す
る際に、あらかじめ可溶型ヒトTL4を添加することに
よりTNFαによるアポトーシスを抑制することができ
た。このTL4による抗アポトーシス作用は、ActDとTN
Fαで刺激する3時間以上前にTL4を添加することに
より顕著に誘導されることが分かった(図30、図31)。
すなわち、TL4は単独で肝実質細胞に対し傷害作用を
有さないのみならず、TNFαによるアポトーシス作用を
抑制できる活性を有することが明らかとなり、このこと
からTL4の投与あるいはTL4と同様の活性を有する
低分子化合物や抗体(アゴニスト)の投与により、TNF
αが関与する種々の肝障害(疾患)の改善が期待でき
る。
【0083】
【発明の効果】本発明のタンパク質、その部分ペプチド
またはそれらの塩は、肝機能調節作用(例、肝細胞維持
作用、肝細胞死抑制作用など)より具体的には、肝臓再
生作用(好ましくは、肝実質細胞増殖作用)など、さら
に具体的には、G0期からG1期への細胞周期(好まし
くは、肝細胞の細胞周期)の移行促進作用などを有して
おり、例えば、肝癌患者などにおける部分肝切除(摘
出)後の肝臓再生剤などの医薬としても有用である。
【0084】
【配列表】 [Sequence Listing] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Liver Function Modulator <130> B00119 <150> JP 11-141106 <151> 1999-05-21 <150> JP 2000-014044 <151> 2000-01-19 <160> 55 <210> 1 <211> 240 <212> PRT <213> Human <400> 1 Met Glu Glu Ser Val Val Arg Pro Ser Val Phe Val Val Asp Gly Gln 1 5 10 15 Thr Asp Ile Pro Phe Thr Arg Leu Gly Arg Ser His Arg Arg Gln Ser 20 25 30 Cys Ser Val Ala Arg Val Gly Leu Gly Leu Leu Leu Leu Leu Met Gly 35 40 45 Ala Gly Leu Ala Val Gln Gly Trp Phe Leu Leu Gln Leu His Trp Arg 50 55 60 Leu Gly Glu Met Val Thr Arg Leu Pro Asp Gly Pro Ala Gly Ser Trp 65 70 75 80 Glu Gln Leu Ile Gln Glu Arg Arg Ser His Glu Val Asn Pro Ala Ala 85 90 95 His Leu Thr Gly Ala Asn Ser Ser Leu Thr Gly Ser Gly Gly Pro Leu 100 105 110 Leu Trp Glu Thr Gln Leu Gly Leu Ala Phe Leu Arg Gly Leu Ser Tyr 115 120 125 His Asp Gly Ala Leu Val Val Thr Lys Ala Gly Tyr Tyr Tyr Ile Tyr 130 135 140 Ser Lys Val Gln Leu Gly Gly Val Gly Cys Pro Leu Gly Leu Ala Ser 145 150 155 160 Thr Ile Thr His Gly Leu Tyr Lys Arg Thr Pro Arg Tyr Pro Glu Glu 165 170 175 Leu Glu Leu Leu Val Ser Gln Gln Ser Pro Cys Gly Arg Ala Thr Ser 180 185 190 Ser Ser Arg Val Trp Trp Asp Ser Ser Phe Leu Gly Gly Val Val His 195 200 205 Leu Glu Ala Gly Glu Lys Val Val Val Arg Val Leu Asp Glu Arg Leu 210 215 220 Val Arg Leu Arg Asp Gly Thr Arg Ser Tyr Phe Gly Ala Phe Met Val 225 230 235 240 <210> 2 <211> 239 <212> PRT <213> Murine <400> 2 Met Glu Ser Val Val Gln Pro Ser Val Phe Val Val Asp Gly Gln Thr 1 5 10 15 Asp Ile Pro Phe Arg Arg Leu Glu Gln Asn His Arg Arg Arg Arg Cys 20 25 30 Gly Thr Val Gln Val Ser Leu Ala Leu Val Leu Leu Leu Gly Ala Gly 35 40 45 Leu Ala Thr Gln Gly Trp Phe Leu Leu Arg Leu His Gln Arg Leu Gly 50 55 60 Asp Ile Val Ala His Leu Pro Asp Gly Gly Lys Gly Ser Trp Glu Lys 65 70 75 80 Leu Ile Gln Asp Gln Arg Ser His Gln Ala Asn Pro Ala Ala His Leu 85 90 95 Thr Gly Ala Asn Ala Ser Leu Ile Gly Ile Gly Gly Pro Leu Leu Trp 100 105 110 Glu Thr Arg Leu Gly Leu Ala Phe Leu Arg Gly Leu Thr Tyr His Asp 115 120 125 Gly Ala Leu Val Thr Met Glu Pro Gly Tyr Tyr Tyr Val Tyr Ser Lys 130 135 140 Val Gln Leu Ser Gly Val Gly Cys Pro Gln Gly Leu Ala Asn Gly Leu 145 150 155 160 Pro Ile Thr His Gly Leu Tyr Lys Arg Thr Ser Arg Tyr Pro Lys Glu 165 170 175 Leu Glu Leu Leu Val Ser Arg Arg Ser Pro Cys Gly Arg Ala Asn Ser 180 185 190 Ser Arg Val Trp Trp Asp Ser Ser Phe Leu Gly Gly Val Val His Leu 195 200 205 Glu Ala Gly Glu Glu Val Val Val Arg Val Pro Gly Asn Arg Leu Val 210 215 220 Arg Pro Arg Asp Gly Thr Arg Ser Tyr Phe Gly Ala Phe Met Val 225 230 235 <210> 3 <211> 239 <212> PRT <213> Rat <400> 3 Met Glu Ser Val Val Gln Pro Ser Val Phe Val Val Asp Gly Gln Thr 1 5 10 15 Asp Ile Pro Phe Arg Arg Leu Gly Gln Asn His Arg Arg Arg His Cys 20 25 30 Gly Thr Val Gln Val Ser Leu Ala Leu Leu Leu Leu Leu Gly Ala Gly 35 40 45 Leu Ala Thr Glu Gly Trp Phe Leu Leu Arg Leu His Gln Arg Leu Gly 50 55 60 Asp Ile Val Ala His Leu Pro Asp Gly Gly Lys Gly Ser Trp Glu Lys 65 70 75 80 Leu Ile Gln Asp Gln Arg Ser His Gln Pro Asn Pro Ala Ala His Leu 85 90 95 Thr Gly Ala Asn Ala Ser Leu Ile Gly Ile Gly Gly Pro Leu Leu Trp 100 105 110 Glu Thr Gln Leu Gly Leu Ala Phe Leu Arg Gly Leu Thr Tyr His Asp 115 120 125 Gly Ala Leu Val Thr Thr Glu Ala Gly Tyr Tyr Tyr Val Tyr Ser Lys 130 135 140 Val Gln Leu Ser Gly Val Gly Cys Pro Gln Gly Leu Ala Asn Gly Leu 145 150 155 160 Pro Ile Thr His Gly Leu Tyr Lys Arg Thr Ser Arg Tyr Pro Lys Glu 165 170 175 Leu Glu Leu Leu Val Ser Arg Arg Ser Pro Cys Gly Arg Ala Asn Ser 180 185 190 Ser Arg Val Trp Trp Asp Ser Ser Phe Leu Gly Gly Val Val His Leu 195 200 205 Glu Ala Gly Glu Glu Val Val Val Arg Val Pro Gly Asn Arg Leu Val 210 215 220 Arg Pro Arg Asp Gly Thr Arg Ser Tyr Phe Gly Ala Phe Met Ile 225 230 235 <210> 4 <211> 720 <212> DNA <213> Human <400> 4 ATGGAGGAGA GTGTCGTACG GCCCTCAGTG TTTGTGGTGG ATGGACAGAC CGACATCCCA 60 TTCACGAGGC TGGGACGAAG CCACCGGAGA CAGTCGTGCA GTGTGGCCCG GGTGGGTCTG 120 GGTCTCTTGC TGTTGCTGAT GGGGGCTGGG CTGGCCGTCC AAGGCTGGTT CCTCCTGCAG 180 CTGCACTGGC GTCTAGGAGA GATGGTCACC CGCCTGCCTG ACGGACCTGC AGGCTCCTGG 240 GAGCAGCTGA TACAAGAGCG AAGGTCTCAC GAGGTCAACC CAGCAGCGCA TCTCACAGGG 300 GCCAACTCCA GCTTGACCGG CAGCGGGGGG CCGCTGTTAT GGGAGACTCA GCTGGGCCTG 360 GCCTTCCTGA GGGGCCTCAG CTACCACGAT GGGGCCCTTG TGGTCACCAA AGCTGGCTAC 420 TACTACATCT ACTCCAAGGT GCAGCTGGGC GGTGTGGGCT GCCCGCTGGG CCTGGCCAGC 480 ACCATCACCC ACGGCCTCTA CAAGCGCACA CCCCGCTACC CCGAGGAGCT GGAGCTGTTG 540 GTCAGCCAGC AGTCACCCTG CGGACGGGCC ACCAGCAGCT CCCGGGTCTG GTGGGACAGC 600 AGCTTCCTGG GTGGTGTGGT ACACCTGGAG GCTGGGGAGA AGGTGGTCGT CCGTGTGCTG 660 GATGAACGCC TGGTTCGACT GCGTGATGGT ACCCGGTCTT ACTTCGGGGC TTTCATGGTG 720 <210> 5 <211> 1491 <212> DNA <213> Human <400> 5 CGAGACTCCA TCTCAAAAAC AAAACAAATA AACGAACAAA AAAACCCACA ACGTATTATT 60 TTCTTGTTTA CGAGGTTTCT TGTCTCTCTG GCTCCACCAG AAGAGGAGCA GGGACCCTTC 120 TTGCTGTTGT TCATTGCTGC ATCCCCCACA CCGAGAGCAG AGCCTGGCAT GGGCAGAAAG 180 TCCTCAGTCG ATATTTGGTG GCCCCAAGCG AATGAAGCAT CCAAGAAGGG AAAGCTGGGG 240 GCTCCCCACT GCACTTGCCA CCTGAGTCAC ATTTTCAGAA GCCTCTGGAA AGTCGTGCAC 300 AGCCCAGGAG TGTTGAGCAA TTTCGGTTTC CTCTGAGGTT GAAGGACCCA GGCGTGTCAG 360 CCCTGCTCCA GACACCTTGG GCATGGAGGA GAGTGTCGTA CGGCCCTCAG TGTTTGTGGT 420 GGATGGACAG ACCGACATCC CATTCACGAG GCTGGGACGA AGCCACCGGA GACAGTCGTG 480 CAGTGTGGCC CGGGTGGGTC TGGGTCTCTT GCTGTTGCTG ATGGGGGCTG GGCTGGCCGT 540 CCAAGGCTGG TTCCTCCTGC AGCTGCACTG GCGTCTAGGA GAGATGGTCA CCCGCCTGCC 600 TGACGGACCT GCAGGCTCCT GGGAGCAGCT GATACAAGAG CGAAGGTCTC ACGAGGTCAA 660 CCCAGCAGCG CATCTCACAG GGGCCAACTC CAGCTTGACC GGCAGCGGGG GGCCGCTGTT 720 ATGGGAGACT CAGCTGGGCC TGGCCTTCCT GAGGGGCCTC AGCTACCACG ATGGGGCCCT 780 TGTGGTCACC AAAGCTGGCT ACTACTACAT CTACTCCAAG GTGCAGCTGG GCGGTGTGGG 840 CTGCCCGCTG GGCCTGGCCA GCACCATCAC CCACGGCCTC TACAAGCGCA CACCCCGCTA 900 CCCCGAGGAG CTGGAGCTGT TGGTCAGCCA GCAGTCACCC TGCGGACGGG CCACCAGCAG 960 CTCCCGGGTC TGGTGGGACA GCAGCTTCCT GGGTGGTGTG GTACACCTGG AGGCTGGGGA 1020 GAAGGTGGTC GTCCGTGTGC TGGATGAACG CCTGGTTCGA CTGCGTGATG GTACCCGGTC 1080 TTACTTCGGG GCTTTCATGG TGTGAAGGAA GGAGCGTGGT GCATTGGACA TGGGTCTGAC 1140 ACGTGGAGAA CTCAGAGGGT GCCTCAGGGG AAAGAAAACT CACGAAGCAG AGGCTGGGCG 1200 TGGTGGCTCT CGCCTGTAAT CCCAGCACTT TGGGAGGCCA AGGCAGGCGG ATCACCTGAG 1260 GTCAGGAGTT CGAGACCAGC CTGGCTAACA TGGCAAAACC CCATCTCTAC TAAAAATACA 1320 AAAATTAGCC GGACGTGGTG GTGCCTGCCT GTAATCCAGC TACTCAGGAG GCTGAGGCAG 1380 GATAATTTTG CTTAAACCCG GGAGGCGGAG GTTGCAGTGA GCCGAGATCA CACCACTGCA 1440 CTCCAACCTG GGAAACGCAG TGAGACTGTG CCTCAAAAAA AAAAAAAAAA A 1491 <210> 6 <211> 1353 <212> DNA <213> Human <400> 6 CCCACGCGTC CGCCCACGCG TCCGCTGAGG TTGAAGGACC CAGGCGTGTC AGCCCTGCTC 60 CAGACACCTT GGGCATGGAG GAGAGTGTCG TACGGCCCTC AGTGTTTGTG GTGGATGGAC 120 AGACCGACAT CCCATTCACG AGGCTGGGAC GAAGCCACCG GAGACAGTCG TGCAGTGTGG 180 CCCGGGTGGG TCTGGGTCTC TTGCTGTTGC TGATGGGGGC TGGGCTGGCC GTCCAAGGCT 240 GGTTCCTCCT GCAGCTGCAC TGGCGTCTAG GAGAGATGGT CACCCGCCTG CCTGACGGAC 300 CTGCAGGCTC CTGGGAGCAG CTGATACAAG AGCGAAGGTC TCACGAGGTC AACCCAGCAG 360 CGCATCTCAC AGGGGCCAAC TCCAGCTTGA CCGGCAGCGG GGGGCCGCTG TTATGGGAGA 420 CTCAGCTGGG CCTGGCCTTC CTGAGGGGCC TCAGCTACCA CGATGGGGCC CTTGTGGTCA 480 CCAAAGCTGG CTACTACTAC ATCTACTCCA AGGTGCAGCT GGGCGGTGTG GGCTGCCCGC 540 TGGGCCTGGC CAGCACCATC ACCCACGGCC TCTACAAGCG CACACCCCGC TACCCCGAGG 600 AGCTGGAGCT GTTGGTCAGC CAGCAGTCAC CCTGCGGACG GGCCACCAGC AGCTCCCGGG 660 TCTGGTGGGA CAGCAGCTTC CTGGGTGGTG TGGTACACCT GGAGGCTGGG GAGAAGGTGG 720 TCGTCCGTGT GCTGGATGAA CGCCTGGTTC GACTGCGTGA TGGTACCCGG TCTTACTTCG 780 GGGCTTTCAT GGTGTGAAGG AAGGAGCGTG GTGCATTGGA CATGGGTCTG ACACGTGGAG 840 AACTCAGAGG GTGCCTCAGG GGAAAGAAAA CTCACGAAGC AGAGGCTGGG ATTACAGGCG 900 TGAGCCACTG TTCCCAGCAG GAATTTCTTT TTTATAGTAT TGGATAAAGT TTGGTGTTTT 960 TACAGAGGAG AAGCAATGGG TCTTAGCTCT TTCTCTATTA TGTTATCATC CTCCCTTTTT 1020 TGTACAATAT GTTGTTTACC TGAAAGGAAG GTTTCTATTC GTTGGTTGTG GACCTGGACA 1080 AAGTCCAAGT CTGTGGAACT TAAAACCTTG AAGGTCTGTC ATAGGACTCT GGACAATCTC 1140 ACACCTTAGC TATTCCCAGG GAACCCCAGG GGGCAACTGA CATTGCTCCA AGATGTTCTC 1200 CTGATGTAGC TTGAGATATA AAGGAAAGGC CCTGCACAGG TGGCTGTTTC TTGTCTGTTA 1260 TGTCAGAGGA ACAGTCCTGT TCAGAAAGGG GCTCTTCTGA GCAGAAATGG 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180 CAGCGTCTTG GGGACATAGT AGCTCATCTG CCAGATGGAG GCAAAGGCTC CTGGGAGAAG 240 CTGATACAAG ATCAACGATC TCACCAGCCC AACCCAGCAG CACATCTCAC AGGAGCTAAC 300 GCCAGCTTGA TAGGCATTGG TGGACCTCTG TTATGGGAGA CACAACTTGG CCTGGCCTTC 360 CTGAGGGGCC TGACGTATCA TGATGGGGCC CTGGTGACCA CCGAGGCTGG CTACTACTAC 420 GTGTACTCCA AAGTGCAGTT GAGTGGTGTG GGCTGCCCCC AGGGGCTGGC CAATGGCCTC 480 CCCATCACCC ACGGGCTGTA CAAGCGCACA TCCCGATACC CCAAGGAGTT AGAACTGCTG 540 GTCAGCCGGC GGTCACCTTG TGGCCGGGCC AACAGCTCCC GAGTCTGGTG GGACAGTAGT 600 TTCCTCGGCG GAGTGGTACA TCTGGAGGCC GGAGAAGAGG TGGTGGTCCG CGTGCCTGGA 660 AACCGCCTGG TCAGACCACG TGATGGCACG AGGTCCTATT TCGGAGCTTT CATGATC 717 <210> 11 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 11 AGGTCAACCC AGCAGCGCAT CTCA 24 <210> 12 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 12 AGGTCAACCC AGCAGCGCAT CTCACAGG 28 <210> 13 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 13 CAAATTAAAC CGGGTACCAT CACGCAGTCG 30 <210> 14 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 14 TCTGCTCTGG CATGGAGAGT GTGGT 25 <210> 15 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 15 CTATTGCTGG GTTTGAGGTG AGTC 24 <210> 16 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 16 GTAATACGAC TCACTATAGG GC 22 <210> 17 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 17 ACTATAGGGC ACGCGTGGT 19 <210> 18 <211> 48 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 18 GTAATACGAC TCACTATAGG GCACGCGTGG TCGACGGCCC GGGCTGGT 48 <210> 19 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 19 CAGCCCAGCA CCTAGCAGCA GCACCAG 27 <210> 20 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 20 GCCGCCTGAA TGGGATGTCC GTCTGTC 27 <210> 21 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 21 ACGAATTCCA AGAGCGAAGG TCTCACGAGG TC 32 <210> 22 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 22 AGTCTAGACT CCTTCCTTCA CACCATGAAA GCCCC 35 <210> 23 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 23 CCTGACCCTG GGCTTCTGAG CCTC 24 <210> 24 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 24 TCCACAAAAT CCATTGTCGT CATAGCC 27 <210> 25 <211> 242 <212> PRT <213> Human, Murine, Rat <400> 25 Met Glu Xaa Ser Val Val Xaa Pro Ser Val Phe Val Val Asp Gly Gln 1 5 10 15 Thr Asp Ile Pro Phe Xaa Arg Leu Xaa Xaa Xaa His Arg Arg Xaa Xaa 20 25 30 Cys Xaa Xaa Xaa Xaa Val Xaa Leu Xaa Leu Xaa Leu Leu Leu Xaa Gly 35 40 45 Ala Gly Leu Ala Xaa Gln Gly Trp Phe Leu Leu Xaa Leu His Xaa Arg 50 55 60 Leu Gly Xaa Xaa Vla Xaa Xaa Leu Pro Asp Gly Xaa Xaa Gly Ser Trp 65 70 75 80 Glu Xaa Leu Ile Gln Xaa Xaa Arg Ser His Xaa Xaa Asn Pro Ala Ala 85 90 95 His Leu Thr Gly Ala Asn Xaa Ser Leu Xaa Gly Xaa Gly Gly Pro Leu 100 105 110 Leu Trp Glu Thr Xaa Leu Gly Leu Ala Phe Leu Arg Gly Leu Xaa Tyr 115 120 125 His Asp Gly Ala Leu Val Xaa Xaa Xaa Xaa Gly Tyr Tyr Tyr Xaa Tyr 130 135 140 Ser Lys Val Gln Leu Xaa Gly Val Gly Cys Pro Xaa Gly Leu Ala Xaa 145 150 155 160 Xaa Xaa Xaa Ile Thr His Gly Leu Tyr Lys Arg Thr Xaa Arg Tyr Pro 165 170 175 Glu Xaa Leu Glu Leu Leu Val Ser Xaa Xaa Ser Pro Cys Gly Arg Ala 180 185 190 Xaa Xaa Ser Ser Arg Val Trp Trp Asp Ser Ser Phe Leu Gly Gly Val 195 200 205 Val His Leu Glu Ala Gly Glu Xaa Val Val Val Arg Val Xaa Xaa Xaa 210 215 220 Arg Leu Val Arg Xaa Arg Asp Gly Thr Arg Ser Tyr Phe Gly Ala Phe 225 230 235 240 Met Val <210> 26 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 26 GAATTCGATA CAAGAGCGAA GGTCTCACGA GGTC 34 <210> 27 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 27 AAATCTAGAT CCTTCCTTCA CACCATGAAA GCCCC 35 <210> 28 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 28 AGGAATTCAT GGAGGAGAGT GTCGTACGGC CCTCAG 36 <210> 29 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 29 AGCTCGAGCT CCTTCCTTCA CACCATGAAA GCCCC 35 <210> 30 <211> 612 <212> DNA <213> Human <400> 30 ATGGAGGAGA GTGTCGTACG GCCCTCAGTG TTTGTGGTGG ATGGACAGAC CGACATCCCA 60 TTCACGAGGC TGGGACGAAG CCACCGGAGA CAGTCGTGCA GTGTGGCCCG GGACGGACCT 120 GCAGGCTCCT GGGAGCAGCT GATACAAGAG CGAAGGTCTC ACGAGGTCAA CCCAGCAGCG 180 CATCTCACAG GGGCCAACTC CAGCTTGACC GGCAGCGGGG GGCCGTTGTT ATGGGAGACT 240 CAGCTGGGCC TGGCCTTCCT GAGGGGCCTC AGCTACCATG ATGGGGCCCT TGTGGTCACC 300 AAAGCTGGCT ACTACTACAT CTACTCCAAG GTGCAGCTGG GCGGTGTGGG CTGCCCGCTG 360 GGCCTGGCCA GCACCATCAC CCACGGCCTC TACAAGCGCA CACCCCGCTA CCCCGAGGAG 420 CTGGAGCTGT TGGTCAGCCA GCAGTCACCC TGCGGACGGG CCACCAGCAG CTCCCGGGTC 480 TGGTGGGACA GCAGCTTCCT GGGTGGTGTG GTACACCTGG AGGCTGGGGA GAAGGTGGTC 540 GTCCGTGTGC TGGATGAACG CCTGGTTCGA CTGCGTGATG GTACCCGGTC TTACTTCGGG 600 GCTTTCATGG TG 612 <210> 31 <211> 204 <212> PRT <213> Human <400> 31 Met Glu Glu Ser Val Val Arg Pro Ser Val Phe Val Val Asp Gly Gln 1 5 10 15 Thr Asp Ile Pro Phe Thr Arg Leu Gly Arg Ser His Arg Arg Gln Ser 20 25 30 Cys Ser Val Ala Arg Asp Gly Pro Ala Gly Ser Trp Glu Gln Leu Ile 35 40 45 Gln Glu Arg Arg Ser His Glu Val Asn Pro Ala Ala His Leu Thr Gly 50 55 60 Ala Asn Ser Ser Leu Thr Gly Ser Gly Gly Pro Leu Leu Trp Glu Thr 65 70 75 80 Gln Leu Gly Leu Ala Phe Leu Arg Gly Leu Ser Tyr His Asp Gly Ala 85 90 95 Leu Val Val Thr Lys Ala Gly Tyr Tyr Tyr Ile Tyr Ser Lys Val Gln 100 105 110 Leu Gly Gly Val Gly Cys Pro Leu Gly Leu Ala Ser Thr Ile Thr His 115 120 125 Gly Leu Tyr Lys Arg Thr Pro Arg Tyr Pro Glu Glu Leu Glu Leu Leu 130 135 140 Val Ser Gln Gln Ser Pro Cys Gly Arg Ala Thr Ser Ser Ser Arg Val 145 150 155 160 Trp Trp Asp Ser Ser Phe Leu Gly Gly Val Val His Leu Glu Ala Gly 165 170 175 Glu Lys Val Val Val Arg Val Leu Asp Glu Arg Leu Val Arg Leu Arg 180 185 190 Asp Gly Thr Arg Ser Tyr Phe Gly Ala Phe Met Val 195 200 <210> 32 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 32 CCAACGCCAG CTTGATAGGT ATTGGTGG 28 <210> 33 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 33 CCCAGCAGCA CATCTTACAG GA 22 <210> 34 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 34 AGGCCAAGTC GTGTCTCCCA TA 22 <210> 35 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 35 CTATGGCCCA GACCCTCACA CTCAGATCAT 30 <210> 36 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 36 CAAATGGCCT CCCTCTCATC AG 22 <210> 37 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 37 GGCTACAGGC TTGTCACTCG AA 22 <210> 38 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 38 ACAACGAAAA GGCCCCCAAG GTAGTGA 27 <210> 39 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 39 GTGACCAGAT CCCTGAATTG GAA 23 <210> 40 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 40 GTAGGCGGTG GCTTTTTTG AG 22 <210> 41 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 41 CCTCTTGCAA ATGCCTCCCT GGTTACCA 28 <210> 42 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 42 ATACAAGGAC TACTGCATCC ACGG 24 <210> 43 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 43 GTAGAGTCAG CCCATGACAC CTGT 24 <210> 44 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 44 TGTCCTCATT ATCACCTGTG TGCTGATCCA 30 <210> 45 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 45 AAGAAGCAAG CCATCACTGC C 21 <210> 46 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 46 ACAGTGTTTG CGGAGCTGAC AG 22 <210> 47 <211> 204 <212> PRT <213> Human <400> 47 Met Glu Xaa Ser Val Val Xaa Pro Ser Val Phe Val Val Asp Gly Gln 1 5 10 15 Thr Asp Ile Pro Phe Xaa Arg Leu Xaa Xaa Xaa His Arg Arg Xaa Xaa 20 25 30 Cys Xaa Xaa Xaa Xaa Asp Gly Xaa Xaa Gly Ser Trp Glu Xaa Leu Ile 35 40 45 Gln Xaa Xaa Arg Ser His Xaa Xaa Asn Pro Ala Ala His Leu Thr Gly 50 55 60 Ala Asn Xaa Ser Leu Xaa Gly Xaa Gly Gly Pro Leu Leu Trp Glu Thr 65 70 75 80 Xaa Leu Gly Leu Ala Phe Leu Arg Gly Leu Xaa Tyr His Asp Gly Ala 85 90 95 Leu Val Xaa Xaa Xaa Xaa Gly Tyr Tyr Tyr Xaa Tyr Ser Lys Val Gln 100 105 110 Leu Xaa Gly Val Gly Cys Pro Xaa Gly Leu Ala Xaa Xaa Ile Thr His 115 120 125 Gly Leu Tyr Lys Arg Thr Xaa Arg Tyr Pro Glu Xaa Leu Glu Leu Leu 130 135 140 Val Ser Xaa Xaa Ser Pro Cys Gly Arg Ala Xaa Xaa Ser Ser Arg Val 145 150 155 160 Trp Trp Asp Ser Ser Phe Leu Gly Gly Val Val His Leu Glu Ala Gly 165 170 175 Glu Xaa Val Val Val Arg Val Xaa Xaa Xaa Arg Leu Val Arg Xaa Arg 180 185 190 Asp Gly Thr Arg Ser Tyr Phe Gly Ala Phe Met Val 195 200 204 <210> 48 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 48 GTAGAATTCG GCCAACCCAG CAGCACATCT TAC 33 <210> 49 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 49 AAATCTAGAT ATTGCTGGGT TTGAGGTGAG TCC 33 <210> 50 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Probe <400> 50 CCAACGCCAG CTTGATAGGT ATTGGTGG 28 <210> 51 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 51 CCCAGCAGCA CATCTTACAG GA 22 <210> 52 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 52 AGGCCAAGTC GTGTCTCCCA TA 22 <210> 53 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 53 CTATGGCCCA GACCCTCACA CTCAGATCAT 30 <210> 54 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 54 CAAATGGCCT CCCTCTCATC AG 22 <210> 55 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 55 GGCTACAGGC TTGTCACTCG AA 22
【0085】
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で得られたプラスミドpTB1939
に含まれる本発明のヒト由来タンパク質をコードするD
NAの塩基配列、およびそれから推定される本発明のヒ
ト由来タンパク質のアミノ酸配列を示す(図2に続
く)。
【図2】参考例1で得られたプラスミドpTB1939
に含まれる本発明のヒト由来タンパク質をコードするD
NAの塩基配列、およびそれから推定される本発明のヒ
ト由来タンパク質のアミノ酸配列を示す(図1の続き、
図3に続く)。
【図3】参考例1で得られたプラスミドpTB1939
に含まれる本発明のヒト由来タンパク質をコードするD
NAの塩基配列、およびそれから推定される本発明のヒ
ト由来タンパク質のアミノ酸配列を示す(図2の続
き)。
【図4】参考例1で得られたプラスミドpTB1940
に含まれる本発明のヒト由来タンパク質をコードするD
NAの塩基配列、およびそれから推定される本発明のヒ
ト由来タンパク質のアミノ酸配列を示す(図5に続
く)。
【図5】参考例1で得られたプラスミドpTB1940
に含まれる本発明のヒト由来タンパク質をコードするD
NAの塩基配列、およびそれから推定される本発明のヒ
ト由来タンパク質のアミノ酸配列を示す(図4の続き、
図6に続く)。
【図6】参考例1で得られたプラスミドpTB1940
に含まれる本発明のヒト由来タンパク質をコードするD
NAの塩基配列、およびそれから推定される本発明のヒ
ト由来タンパク質のアミノ酸配列を示す(図5の続
き)。
【図7】参考例2で得られたプラスミドpTB1958
に含まれる本発明のマウス由来タンパク質をコードする
DNAの塩基配列、およびそれから推定される本発明の
マウス由来タンパク質のアミノ酸配列を示す(図8に続
く)。
【図8】参考例2で得られたプラスミドpTB1958
に含まれる本発明のマウス由来タンパク質をコードする
DNAの塩基配列、およびそれから推定される本発明の
マウス由来タンパク質のアミノ酸配列を示す(図7の続
き)。
【図9】参考例3で得られたプラスミドpTB2011
に含まれる本発明のマウス由来タンパク質をコードする
ゲノムDNAの塩基配列、およびそれから推定される本
発明のマウス由来タンパク質のアミノ酸配列を示す(図
10に続く)。
【図10】参考例3で得られたプラスミドpTB201
1に含まれる本発明のマウス由来タンパク質をコードす
るゲノムDNAの塩基配列、およびそれから推定される
本発明のマウス由来タンパク質のアミノ酸配列を示す
(図9の続き、図11に続く)。
【図11】参考例3で得られたプラスミドpTB201
1に含まれる本発明のマウス由来タンパク質をコードす
るゲノムDNAの塩基配列、およびそれから推定される
本発明のマウス由来タンパク質のアミノ酸配列を示す
(図10の続き、図12に続く)。
【図12】参考例3で得られたプラスミドpTB201
1に含まれる本発明のマウス由来タンパク質をコードす
るゲノムDNAの塩基配列、およびそれから推定される
本発明のマウス由来タンパク質のアミノ酸配列を示す
(図11の続き、図13に続く)。
【図13】参考例3で得られたプラスミドpTB201
1に含まれる本発明のマウス由来タンパク質をコードす
るゲノムDNAの塩基配列、およびそれから推定される
本発明のマウス由来タンパク質のアミノ酸配列を示す
(図12の続き、図14に続く)。
【図14】参考例3で得られたプラスミドpTB201
1に含まれる本発明のマウス由来タンパク質をコードす
るゲノムDNAの塩基配列、およびそれから推定される
本発明のマウス由来タンパク質のアミノ酸配列を示す
(図13の続き、図15に続く)。
【図15】参考例3で得られたプラスミドpTB201
1に含まれる本発明のマウス由来タンパク質をコードす
るゲノムDNAの塩基配列、およびそれから推定される
本発明のマウス由来タンパク質のアミノ酸配列を示す
(図14の続き、図16に続く)。
【図16】参考例3で得られたプラスミドpTB201
1に含まれる本発明のマウス由来タンパク質をコードす
るゲノムDNAの塩基配列、およびそれから推定される
本発明のマウス由来タンパク質のアミノ酸配列を示す
(図15の続き、図17に続く)。
【図17】参考例3で得られたプラスミドpTB201
1に含まれる本発明のマウス由来タンパク質をコードす
るゲノムDNAの塩基配列、およびそれから推定される
本発明のマウス由来タンパク質のアミノ酸配列を示す
(図16の続き、図18に続く)。
【図18】参考例3で得られたプラスミドpTB201
1に含まれる本発明のマウス由来タンパク質をコードす
るゲノムDNAの塩基配列、およびそれから推定される
本発明のマウス由来タンパク質のアミノ酸配列を示す
(図17の続き)。
【図19】参考例4でPichia酵母を宿主とした本発明の
ヒトTL4タンパク質の細胞外領域組換えタンパク質の
発現を該タンパク質に対する抗血清を用いたウエスタン
ブロット解析で調べた結果を示す。レーン1〜3はヒト
TL4タンパク質発現ベクターを導入した株の培養上清
を用いた場合の結果を、レーン4〜6はベクターpPI
CZαAを導入した株の培養上清を用いた場合の結果を
示す(レーン1、4はBMMY培地での培養開始直後、
レーン2、5は培養1日後、レーン3、6は培養2日
後)。バンドは目的の組換えタンパク質の発現を示す。
【図20】参考例5で得られたプラスミドpTB201
2に含まれる本発明のラット由来タンパク質をコードす
るDNAの塩基配列、およびそれから推定される本発明
のラット由来タンパク質のアミノ酸配列を示す(図21
に続く)。
【図21】参考例5で得られたプラスミドpTB201
2に含まれる本発明のラット由来タンパク質をコードす
るDNAの塩基配列、およびそれから推定される本発明
のラット由来タンパク質のアミノ酸配列を示す(図20
の続き)。
【図22】実施例1で用いられた昆虫細胞用TL4発現
ベクターの構築図を示す。
【図23】実施例2で行われた可溶性ヒトTL4による
正常ヒト肝実質細胞のDNA合成促進作用の測定結果を
示す。
【図24】実施例3で行われた可溶性ヒトTL4による
飢餓状態下での正常ヒト肝実質細胞のDNA合成促進作
用の測定結果を示す。
【図25】実施例4で行われた可溶性ヒトTL4のアク
チノマイシンとの併用による肝実質細胞に対する細胞障
害活性の測定結果を示す。
【図26】実施例5で行われたアネキシンVとpropidiu
m Iodideを用いたアポトーシス誘導活性の検出結果を示
す。
【図27】実施例7で行われた正常ヒト肝実質細胞のT
L4と各増殖因子との相乗的なDNA合成促進作用の測
定結果を示す。
【図28】実施例8で行われたCCl4投与肝障害マウ
スモデルにおける各遺伝子の発現変動の測定結果を示
す。
【図29】図29は実施例10で行われたコンカナバリ
ンA投与肝傷害モデルマウスにおける遺伝子発現変動の
結果を示す。
【図30】実施例11で行われたアクチノマイシンDとT
NFαにより惹起される正常ヒト肝実質細胞のアポトーシ
スに対する可溶型ヒトTL4の抗アポトーシス作用の結
果を示す。図中、−○−は可溶型ヒトTL4無添加、−
●−は可溶型ヒトTL4を100ng/ml添加したサンプルを
示す。
【図31】実施例11で行われたアクチノマイシンDとT
NFαにより惹起される正常ヒト肝実質細胞のアポトーシ
スに対する可溶型ヒトTL4の抗アポトーシス作用の結
果を示す。図中、−○−は可溶型ヒトTL4無添加、−
●−は可溶型ヒトTL4を100ng/ml添加したサンプルを
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61P 1/16 4C084 48/00 43/00 105 4C085 A61P 1/16 C07K 14/525 4C086 43/00 105 16/24 4H045 C07K 14/525 C12N 1/15 16/24 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 L 1/21 C12Q 1/04 5/10 1/68 A C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/04 33/50 Z 1/68 33/566 G01N 33/15 C12P 21/08 33/50 (C12N 1/19 33/566 C12R 1:84) // C12P 21/08 1:91) (C12N 1/19 (C12P 21/02 L C12R 1:84) C12R 1:84) (C12N 5/10 (C12P 21/02 L C12R 1:91) C12R 1:91) (C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:84) A61K 37/02 (C12P 21/02 C12N 5/00 A C12R 1:91) C12R 1:91) (72)発明者 引地 由紀子 茨城県つくば市松代4丁目21番2 シャレ ールつくば松代1号棟504号 Fターム(参考) 2G045 AA34 DA36 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 BA28 BA44 CA04 DA02 DA12 EA04 GA11 GA18 GA19 HA01 HA04 HA14 4B063 QA01 QA08 QA19 QQ02 QQ42 QQ53 QQ58 QR42 QR48 QR55 QR69 QR73 QS12 QS20 QS25 QS34 QX01 4B064 AG07 AG27 CA06 CA10 CA19 CC24 CE07 CE11 CE12 CE14 DA01 DA13 4B065 AA77X AA90X AA91Y AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA01 AA02 AA13 AA17 BA01 BA08 BA22 BA23 CA53 CA59 DB62 NA14 ZA752 ZB212 4C085 AA17 AA19 BB07 EE01 4C086 AA01 AA02 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA75 ZB21 4H045 AA11 AA20 AA30 CA40 DA14 DA76 DA86 EA28 EA50 FA74 GA23 GA26 GA32

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:1、配列番号:2、配列番号:
    3または配列番号:31で表わされるアミノ酸配列と同
    一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン
    パク質またはその塩を含有してなる肝臓機能調節剤。
  2. 【請求項2】配列番号:1、配列番号:2または配列番
    号:3で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミ
    ノ酸配列が、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の
    第8〜21番目、第54〜59番目、第93〜102番
    目、第109〜116番目、第118〜126番目、第
    128〜134番目、第144〜149番目、第162
    〜170番目、第176〜182番目、第184〜18
    9番目、第193〜213番目、第215〜219番目
    および第228〜240番目のアミノ酸配列を有するア
    ミノ酸配列である請求項1記載の剤。
  3. 【請求項3】請求項1記載のタンパク質の部分ペプチド
    またはその塩を含有してなる肝臓機能調節剤。
  4. 【請求項4】請求項1記載のタンパク質の部分ペプチド
    が配列番号:1で表されるアミノ酸配列の第84〜24
    0番目のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列からなるペ
    プチドである請求項3記載の剤。
  5. 【請求項5】請求項1記載のタンパク質または請求項3
    記載の部分ペプチドをコードする塩基配列を有するDN
    Aを含有するDNAを含有してなる肝臓機能調節剤。
  6. 【請求項6】DNAが配列番号:4〜配列番号:10の
    いずれかの配列番号または配列番号:30で表わされる
    塩基配列を有するDNAである請求項5記載の剤。
  7. 【請求項7】請求項1記載のタンパク質もしくは請求項
    3記載の部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体を
    含有してなる肝臓機能調節剤。
  8. 【請求項8】請求項1記載のタンパク質もしくは請求
    項3記載の部分ペプチドまたはその塩、請求項5記載
    のDNA、または請求項7記載の抗体を用いることを
    特徴とする肝臓機能調節剤のスクリーニング方法。
  9. 【請求項9】請求項8記載のスクリーニング方法を用い
    て得られる化合物またはその塩を含有してなる肝臓機能
    調節剤。
  10. 【請求項10】肝臓機能促進剤である請求項1、請求項
    3、請求項5、請求項7または請求項9記載の剤。
  11. 【請求項11】肝臓再生剤である請求項1、請求項3、
    請求項5、請求項7または請求項9記載の剤。
  12. 【請求項12】G0期からG1期への細胞周期の移行促
    進作用を有する請求項1、請求項3、請求項5、請求項
    7または請求項9記載の剤。
  13. 【請求項13】配列番号:31で表されるアミノ酸配列
    を含有してなるタンパク質またはその塩。
  14. 【請求項14】請求項13記載のタンパク質をコードす
    る塩基配列を有するDNAを含有するDNA。
  15. 【請求項15】配列番号:30で表される塩基配列を有
    する請求項14記載のDNA。
  16. 【請求項16】請求項15記載のDNAを含有する組換
    えベクター。
  17. 【請求項17】請求項16記載の組換えベクターで形質
    転換された形質転換体。
  18. 【請求項18】請求項17記載の形質転換体を培養し、
    請求項13記載のタンパク質を生成、蓄積せしめ、これ
    を採取することを特徴とする請求項13記載のタンパク
    質またはその塩の製造法。
  19. 【請求項19】請求項13記載のタンパク質またはその
    塩に対する抗体。
  20. 【請求項20】請求項14記載のDNAまたは請求項1
    9記載の抗体を含有してなる診断剤。
  21. 【請求項21】請求項14記載のDNAに相補的または
    実質的に相補的な塩基配列を有し、該DNAの発現を抑
    制し得る作用を有するアンチセンスDNA。
  22. 【請求項22】請求項13記載のタンパク質またはその
    塩を用いることを特徴とする請求項13記載のタンパク
    質またはその塩の活性を促進または阻害する化合物また
    はその塩のスクリーニング方法。
  23. 【請求項23】請求項13記載のタンパク質またはその
    塩を含有してなる請求項13記載のタンパク質またはそ
    の塩の活性を促進または阻害する化合物またはその塩の
    スクリーニング用キット。
  24. 【請求項24】請求項22記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項23記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られうる請求項13記載のタンパク質またはその塩の
    活性を促進または阻害する化合物またはその塩。
  25. 【請求項25】請求項24記載の化合物またはその塩を
    含有してなる医薬組成物。
  26. 【請求項26】肝臓機能調節剤である請求項25記載の
    医薬組成物。
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