JPH10271997A - 新規Fasリガンド様タンパク質およびそのDNA - Google Patents

新規Fasリガンド様タンパク質およびそのDNA

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JPH10271997A
JPH10271997A JP9192119A JP19211997A JPH10271997A JP H10271997 A JPH10271997 A JP H10271997A JP 9192119 A JP9192119 A JP 9192119A JP 19211997 A JP19211997 A JP 19211997A JP H10271997 A JPH10271997 A JP H10271997A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】新規Fasリガンド様タンパク質、そのDNA
及びそれらを含む医薬の提供。 【解決手段】ヒト,マウスまたはラット由来のFasリ
ガンド様タンパク質,その部分ペプチド又はそれらの
塩、該タンパク質をコードするDNA、組換えベクタ
ー、形質転換体、該タンパク質の製造方法、該タンパク
質,その部分ペプチド又はDNAを含有してなる医薬、
該タンパク質又は部分ペプチドに対する抗体、該タンパ
ク質とレセプターとの結合性を変化させる化合物のスク
リーニング方法又はスクリーニング用キット。 【効果】本発明のタンパク質、その部分ペプチド又はそ
れらの塩は、アポトーシス誘導活性等を有しており、
癌、ウイルス感染症、肝炎、腎炎、リウマチ関節炎、動
脈硬化症などの予防・治療剤として有用であり、上記D
NAは、上記疾患の予防・治療剤又は遺伝子診断剤とし
て有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なFasリガ
ンド様タンパク質およびそのDNAに関する。
【0002】
【従来の技術】多細胞生物は、その恒常性を保つために
細胞の増殖と死を巧妙にコントロールしている。個体発
生の過程では、多くの細胞が細胞死によって除去され、
また、成体においても臓器、組織を構成する細胞は常に
増殖と死のバランスを保ちながら、その機能を維持して
いる。こうした際の細胞死は、予め予定された死、"Pro
grammed Cell Death"であるとされており、物理的・化
学的要因で不慮に起こる細胞死であるネクローシス(Ne
crosis、壊死)とは形態学的に明確に区別されたアポト
ーシス(Apoptosis)の過程を経て起こることが知られ
ている。アポトーシスによる細胞死の特徴は、細胞膜の
湾曲、核の凝縮や断片化が起こり、最終的にマクロファ
ージのような貪食細胞によって取り込まれ、再利用され
る機構として論じられている(インターナショナル・レ
ビュー・オブ・サイトロジー(INTERNATIONAL REVIEW O
F CYTOLOGY)68,251-306,1980)。これまでにアポト
ーシスが関与する多くの生理的、病理的現象が明らかに
されてきており、細胞のアポトーシスを誘導あるいは抑
制することにより、各種疾患の診断、予防および治療を
図る試みも盛んに行われている(サイエンス(SCIENC
E)267, 1456-1462, 1995)。アポトーシスは当業界で
特に注目されている生命現象の一つである。
【0003】アポトーシスは種々の生理的条件下で誘導
されるが、中でもFas抗原(CD95,APO−1)
は免疫系の細胞に死を誘導する分子として近年注目を集
めている(サイエンス(SCIENCE)267, 1449-1456, 199
5)。Fas抗原は分子量45kDaのTNF(腫瘍細
胞壊死因子,tumor necrosis factor)レセプターファ
ミリーに属するI型膜タンパク質であり、Fasリガン
ドと結合することにより、細胞死を誘導する。Fas抗
原の発現が各種血球系細胞や、肝臓、心臓、小腸など多
くの組織や細胞で見られるのに対して、分子量40kD
aのII型膜タンパク質であるFasリガンドの発現は活
性化Tリンパ球やナチュラルキラー(NK)細胞、マク
ロファージ、精巣、角膜などに限られる。最近、マウス
における遺伝子の解析から、Fas抗原遺伝子は、lp
r(lymphoproliferation)マウスと呼ばれる自己免疫
疾患発症マウスにおいて変異が起きているlpr構造遺
伝子そのものであること、またlprマウスと同様の症
状を呈するgld(generalized-lymphoproliferative
disease)マウスではFasリガンドに変異が起きてい
ることが明らかにされた。ヒトにおいてもFas抗原遺
伝子に変異を有する自己免疫疾患患者が報告されてお
り、Fas/Fasリガンド系の機能不全が自己免疫疾
患を惹起することが強く示唆されている(サイエンス
(SCIENCE)268,1347-1349, 1995)。また、ヒトFas
リガンドがマトリックスメタロプロテイナーゼ(matrix
metalloproteinase)により切断され、可溶型Fasリ
ガンドとして遊離されうることが判明し、Fasリガン
ドが細胞間の接触による相互作用だけでなく、より広範
に免疫応答を調節している可能性も示唆されている(ジ
ャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン(JO
UNAL OF EXPERIMENTAL MEDICINE)182, 1777-1783, 199
5)。
【0004】Fasリガンド以外にも、多彩な生物活性
を有するTNFファミリーに属するタンパク質の中で、
TNF−α、リンホトキシン−α(Lymphotoxin−α、
LT−α)およびリンホトキシン−β(Lymphotoxin−
β、LT−β)にアポトーシスを誘導する活性があるこ
とが報告されている(ザ・ニュー・イングランド・ジャ
ーナル・オブ・メディシン(THE NEW ENGLAND JOURNAL
OF MEDICINE)334, 1717-1725, 1996)。TNF−αは
腫瘍壊死活性を持った因子として1975年に発見され
たが、最近では、むしろ炎症反応のメディエーターとし
ての免疫機能の賦活因子として、またウイルス感染や細
菌感染をはじめ種々の侵襲に対する防御因子としての作
用の重要性が認識されてきている。また、LT−αは当
初、リンパ球が産生する細胞傷害因子として報告され、
TNF−αと同様にホモ三量体を形成し、55kDaと
75kDaの2つのTNFレセプターに結合し、Bリン
パ球の増殖促進以外は活性の強弱はあるもののTNFと
同様な生物活性スペクトラムを示す。LT−βはLT−
αと相同性の高い分子量33kDaの膜結合型タンパク
質で、LT−αとヘテロ三量体を形成し、2種のTNF
レセプターとは異なる新たに見いだされたLT−βレセ
プターに結合し、リンパ節形成というTNF、LT−α
三量体にはない生物活性を有する。また最近、アポトー
シス誘導活性を有しかつFasリガンドと相同性が高い
分子(APO−2L/TRAIL)が新たに発見され、
本タンパク質がTNFレセプターやFas抗原とは異な
る別のレセプターDR4に結合して細胞傷害活性を発揮
することが示されている(ザ・ジャーナル・オブ・バイ
オロジカル・ケミストリー(THE JOURNAL OF BIOLOGICA
L CHEMISTRY)271, 12687-12690, 1996;サイエンス(SCIENC
E), 276, 111-113, 1997)。従って、このようなリガン
ド、レセプターの発現特異性が異なるお互いのTNF
(TNFレセプター)ファミリーのタンパク質間でも、
アポトーシス誘導活性における生理的に明確な機能分担
があることが考えられる。
【0005】最近、アポトーシスと疾病との関連性につ
いて詳細な報告がされている(日本臨床、第54巻、第
7号、1996年7月1日発行)。例えば、アポトーシス減
少に起因する疾患としては、癌(例、乳癌、前立腺癌、
卵巣癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴う癌)、ウ
イルス感染(例、ヘルペスウイルス感染、アデノウイル
ス感染、ボックスウイルス感染)、自己免疫性疾患
(例、全身性エリテマトーデス、免疫関連糸球体腎炎)
が例示されており、一方、アポトーシス増加に起因する
疾患としては、エイズ、神経変性疾患(例、アルツハイ
マー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、色素性
網膜炎、小脳変性)、骨髄異形成疾患(例、再生不良性
貧血)、虚血性疾患(例、心筋梗塞、脳卒中)、中毒性
肝疾患(例、アルコール)が例示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規Fas
リガンド様タンパク質,その部分ペプチドまたはその
塩、該タンパク質をコードするDNA、組換えベクタ
ー、形質転換体、該タンパク質の製造法、該タンパク質
またはDNAを含有する医薬、該タンパク質に対する抗
体、レセプターアゴニスト/アンタゴニストのスクリー
ニング方法並びにスクリーニング用キット、該スクリー
ニングで得られるレセプターアゴニスト/アンタゴニス
ト並びにその医薬、該タンパク質を分解するプロテイナ
ーゼの活性を促進/阻害する化合物のスクリーニング方
法並びにスクリーニング用キット、該スクリーニングで
得られる化合物並びにその医薬、該タンパク質と該タン
パク質が結合し得るレセプターとの結合後の細胞内シグ
ナル伝達を促進または阻害する化合物のクリーニング方
法並びにスクリーニング用キット、該スクリーニングで
得られる化合物並びにその医薬等を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】新たなFasリガンド様
タンパク質の単離は、TNFファミリー、TNFレセプ
ターファミリーを介した新たなアポトーシス経路を明ら
かにし、またそれが臓器あるいは細胞特異的に発現して
いれば、臓器別各種疾患とアポトーシスとの関連につい
て、一層詳細な究明を可能にし、新たなFasリガンド
様タンパク質に対して阻害活性あるいは促進活性を発揮
し、種々の疾患の予防や治療に役立つ新たな医薬品の開
発ができる。本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ヒ
ト肝臓、マウス胚およびラット肝臓由来cDNAライブ
ラリーからそれぞれ新規な塩基配列を有するcDNAを
クローニングすることに成功した。そして、本発明者ら
は、得られたcDNAにコードされるタンパク質が有用
なFasリガンド様タンパク質であることを見いだし、
これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねた結果、本
発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、(1)配列番号:
1、配列番号:2または配列番号:3で表わされるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
有するタンパク質またはその塩、(2)配列番号:1、
配列番号:2または配列番号:3で表わされるアミノ酸
配列と実質的に同一のアミノ酸配列が、配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列の第8〜21番目、第55〜5
9番目、第93〜102番目、第109〜116番目、
第118〜126番目、第128〜134番目、第14
4〜149番目、第162〜170番目、第176〜1
82番目、第184〜189番目、第193〜213番
目、第215〜219番目および第228〜239番目
のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列である第(1)項
記載のタンパク質、(3)アポトーシス誘導活性を有す
るタンパク質である第(1)項または第(2)項記載の
タンパク質、(4)第(1)項記載のタンパク質の部分
ペプチドまたはその塩、(5)第(1)項記載のタンパ
ク質をコードする塩基配列を有するDNAを含有するD
NA、(6)配列番号:4〜配列番号:10のいずれか
の配列番号で表わされる塩基配列を有する第(5)項記
載のDNA、(7)第(5)項記載のDNAを含有する
組換えベクター、(8)第(7)項記載の組換えベクタ
ーで形質転換された形質転換体、(9)第(8)項記載
の形質転換体を培養し、第(1)項記載のタンパク質を
生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする第
(1)項記載のタンパク質またはその塩の製造方法、
(10)第(1)項記載のタンパク質、第(4)項記載
の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有してなる医薬、
(11)第(5)項記載のDNAを含有してなる医薬、
(12)癌、ウイルス感染症、ヘリコバクター・ピロリ
感染、侵襲性ブドウ状球菌感染、肝炎、腎炎、骨疾患、
動脈硬化症または痛みの治療・予防剤である第(10)
項または第(11)項記載の医薬、(13)第(1)項
記載のタンパク質、第(4)項記載の部分ペプチドまた
はそれらの塩に対する抗体、
【0009】(14)第(1)項記載のタンパク質、第
(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いる
ことを特徴とする、第(1)項記載のタンパク質、第
(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩と第
(1)項記載のタンパク質が結合し得るレセプターとの
結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法、(15)第(1)項記載のタンパク質、第
(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有す
る、第(1)項記載のタンパク質、第(4)項記載の部
分ペプチドまたはそれらの塩と第(1)項記載のタンパ
ク質が結合し得るレセプターとの結合性を変化させる化
合物またはその塩のスクリーニング用キット、(16)
第(14)項記載のスクリーニング方法または第(1
5)項記載のスクリーニング用キットを用いて得られ
る、第(1)項記載のタンパク質、第(4)項記載の部
分ペプチドまたはそれらの塩と第(1)項記載のタンパ
ク質が結合し得るレセプターとの結合性を変化させる化
合物またはその塩、(17)第(14)項記載のスクリ
ーニング方法または第(15)項記載のスクリーニング
用キットを用いて得られる第(1)項記載のタンパク
質、第(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩と
第(1)項記載のタンパク質が結合し得るレセプターと
の結合性を変化させる化合物またはその塩を含有してな
る医薬、(18)第(1)項記載のタンパク質、第
(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いる
ことを特徴とする第(1)項記載のタンパク質を分解す
るプロテイナーゼの活性を促進または阻害する化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法、(19)第(1)項
記載のタンパク質、第(4)項記載の部分ペプチドまた
はそれらの塩を含有する、第(1)項記載のタンパク質
を分解するプロテイナーゼの活性を促進または阻害する
化合物またはその塩のスクリーニング用キット、(2
0)第(18)項記載のスクリーニング方法または第
(19)項記載のスクリーニング用キットを用いて得ら
れる、第(1)項記載のタンパク質を分解するプロテイ
ナーゼの活性を促進または阻害する化合物またはその
塩、(21)第(18)項記載のスクリーニング方法ま
たは第(19)項記載のスクリーニング用キットを用い
て得られる第(1)項記載のタンパク質を分解するプロ
テイナーゼの活性を促進または阻害する化合物またはそ
の塩を含有してなる医薬、
【0010】(22)第(1)項記載のタンパク質、第
(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いる
ことを特徴とする、第(1)項記載のタンパク質、第
(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩と第
(1)項記載のタンパク質が結合し得るレセプターとの
結合後の細胞内シグナル伝達を促進または阻害する化合
物またはその塩のクリーニング方法、(23)第(1)
項記載のタンパク質、第(4)項記載の部分ペプチドま
たはそれらの塩を含有する、第(1)項記載のタンパク
質、第(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩と
第(1)項記載のタンパク質が結合し得るレセプターと
の結合後の細胞内シグナル伝達を促進または阻害する化
合物またはその塩のスクリーニング用キット、(24)
第(22)項記載のスクリーニング方法または第(2
3)項記載のスクリーニング用キットを用いて得られ
る、第(1)項記載のタンパク質、第(4)項記載の部
分ペプチドまたはそれらの塩と第(1)項記載のタンパ
ク質が結合し得るレセプターとの結合後の細胞内シグナ
ル伝達を促進または阻害する化合物またはその塩、(2
5)第(22)項記載のスクリーニング方法または第
(23)項記載のスクリーニング用キットを用いて得ら
れる第(1)項記載のタンパク質、第(4)項記載の部
分ペプチドまたはそれらの塩と第(1)項記載のタンパ
ク質が結合し得るレセプターとの結合後の細胞内シグナ
ル伝達を促進または阻害する化合物またはその塩を含有
してなる医薬、(26)外来性の第(5)項記載のDN
Aまたはその変異DNAを有することを特徴とする非ヒ
ト哺乳動物、(27)第(5)項記載のDNAが不活性
化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、(28)第(5)項
記載のDNAが不活性化された該DNA発現不全非ヒト
哺乳動物、(29)該DNAがレポーター遺伝子を導入
することにより不活性化され、該レポーター遺伝子が第
(5)項記載のDNAに対するプロモーターの制御下で
発現し得る第(28)項記載の非ヒト哺乳動物、(3
0)第(29)項記載の非ヒト哺乳動物に試験化合物を
投与し、レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴
とする第(5)項記載のDNAに対するプロモーターの
活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリ
ーニング方法、(31)第(30)項記載のスクリーニ
ング方法を用いて得られる、第(5)項記載のDNAに
対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物
またはその塩、および(32)第(30)項記載のスク
リーニング方法を用いて得られる第(5)項記載のDN
Aに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化
合物またはその塩を含有してなる医薬。
【0011】また、本発明は、(1)配列番号:1、配
列番号:2または配列番号:3で表わされるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する
タンパク質またはその塩、(2)配列番号:1、配列番
号:2または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列が、配列番号:1で表わさ
れるアミノ酸配列の第8〜21番目、第55〜59番
目、第93〜102番目、第109〜116番目、第1
18〜126番目、第128〜134番目、第144〜
149番目、第162〜170番目、第176〜182
番目、第184〜189番目、第193〜213番目、
第215〜219番目および第228〜239番目のア
ミノ酸配列を有するアミノ酸配列である第(1)項記載
のタンパク質、(3)配列番号:1または配列番号:2
で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配
列が、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第8〜
21番目、第54〜59番目、第93〜102番目、第
109〜116番目、第118〜126番目、第128
〜134番目、第144〜149番目、第162〜17
0番目、第176〜182番目、第184〜189番
目、第193〜213番目、第215〜219番目およ
び第228〜240番目のアミノ酸配列を有するアミノ
酸配列である第(1)項記載のタンパク質、(4)アポ
トーシス誘導活性を有するタンパク質である第(1)項
〜第(3)項のいずれかに記載のタンパク質、(5)第
(1)項記載のタンパク質の部分ペプチドまたはその
塩、(6)第(1)項記載のタンパク質をコードする塩
基配列を有するDNAを含有するDNA、(7)配列番
号:4〜配列番号:10のいずれかの配列番号で表わさ
れる塩基配列を有する第(6)項記載のDNA、(8)
第(6)項記載のDNAを含有する組換えベクター、
(9)第(8)項記載の組換えベクターで形質転換され
た形質転換体、(10)第(9)項記載の形質転換体を
培養し、第(1)項記載のタンパク質を生成、蓄積せし
め、これを採取することを特徴とする第(1)項記載の
タンパク質またはその塩の製造方法、(11)第(1)
項記載のタンパク質、第(5)項記載の部分ペプチドま
たはそれらの塩を含有してなる医薬、(12)癌、ウイ
ルス感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染、侵襲性ブド
ウ状球菌感染、肝炎、腎炎、骨疾患、動脈硬化症または
痛みの治療・予防剤である第(11)項記載の医薬、
(13)第(6)項記載のDNAを含有してなる医薬、
(14)癌、ウイルス感染症、ヘリコバクター・ピロリ
感染、侵襲性ブドウ状球菌感染、肝炎、腎炎、骨疾患、
動脈硬化症または痛みの治療・予防剤である第(13)
項記載の医薬、(15)第(1)項記載のタンパク質、
第(5)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩に対す
る抗体、
【0012】(16)(i)第(1)項記載のタンパク
質が結合し得るレセプターまたはその部分ペプチドに、
第(1)項記載のタンパク質、第(5)項記載の部分ペ
プチドまたはそれらの塩を接触させた場合と、(ii)該
レセプターまたはその部分ペプチドに、第(1)項記載
のタンパク質、第(5)項記載の部分ペプチドまたはそ
れらの塩および試験化合物を接触させた場合における、
該レセプターまたはその部分ペプチドと第(1)項記載
のタンパク質、第(5)項記載の部分ペプチドまたはそ
れらの塩との結合量を測定し、比較することを特徴とす
る、第(1)項記載のタンパク質、第(5)項記載の部
分ペプチドまたはそれらの塩とレセプターとの結合性を
変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(17)(i)第(1)項記載のタンパク質が結合し得
るレセプターを含有する細胞またはその細胞膜画分に、
第(1)項記載のタンパク質、第(5)項記載の部分ペ
プチドまたはそれらの塩を接触させた場合と、(ii)該
レセプターを含有する細胞またはその細胞膜画分に、第
(1)項記載のタンパク質、第(5)項記載の部分ペプ
チドまたはそれらの塩および試験化合物を接触させた場
合における、該レセプターを含有する細胞またはその細
胞膜画分と第(1)項記載のタンパク質、第(5)項記
載の部分ペプチドまたはそれらの塩との結合量を測定
し、比較することを特徴とする、第(1)項記載のタン
パク質、第(5)項記載の部分ペプチドまたはそれらの
塩とレセプターとの結合性を変化させる化合物またはそ
の塩のスクリーニング方法、(18)(i)第(1)項
記載のタンパク質が結合し得るレセプターを含有する細
胞に、第(1)項記載のタンパク質を含有する細胞を接
触させた場合と、(ii)該レセプターを含有する細胞
に、第(1)項記載のタンパク質を含有する細胞および
試験化合物を接触させた場合における、該レセプターを
含有する細胞におけるアポトーシス誘導活性または細胞
傷害活性を測定して、比較することを特徴とする第
(1)項記載のタンパク質、第(5)項記載の部分ペプ
チドまたはそれらの塩とレセプターとの結合性を変化さ
せる化合物またはその塩のスクリーニング方法、(1
9)第(1)項記載のタンパク質、第(5)項記載の部
分ペプチドまたはそれらの塩を含有する、第(1)項記
載のタンパク質が結合し得るレセプターと第(1)項記
載のタンパク質、第(5)項記載の部分ペプチドまたは
それらの塩との結合性を変化させる化合物またはその塩
のスクリーニング用キット、(20)第(16)項〜第
(18)項のいずれかに記載のスクリーニング方法また
は第(19)項記載のスクリーニング用キットを用いて
得られる、第(1)項記載のタンパク質が結合し得るレ
セプターと第(1)項記載のタンパク質、第(5)項記
載の部分ペプチドまたはそれらの塩との結合性を変化さ
せる化合物またはその塩、(21)第(16)項〜第
(18)項のいずれかに記載のスクリーニング方法また
は第(19)項記載のスクリーニング用キットを用いて
得られる第(1)項記載のタンパク質が結合し得るレセ
プターに対するアゴニストを含有してなる医薬、(2
2)癌、ウイルス感染、ヘリコバクター・ピロリ感染、
侵襲性ブドウ状球菌感染、肝炎、腎炎、骨疾患、動脈硬
化症または痛みの治療・予防剤である第(21)項記載
の医薬、(23)第(16)項〜第(18)項のいずれ
かに記載のスクリーニング方法または第(19)項記載
のスクリーニング用キットを用いて得られる第(1)項
記載のタンパク質が結合し得るレセプターに対するアン
タゴニストを含有してなる医薬、(24)エイズ、神経
変性疾患、骨髄異形成疾患、虚血性疾患、リウマチにお
ける関節組織の破壊、炎症、肝炎、自己免疫性疾患、心
筋症、糖尿病、糖尿病性合併症、インフルエンザ感染、
糸球体腎炎または潰瘍性大腸炎の治療・予防剤である第
(23)項記載の医薬、
【0013】(25)(i)第(1)項記載のタンパク
質またはその塩を分解するプロテイナーゼ(ただし、第
(1)項記載のタンパク質を含有する細胞が、該タンパ
ク質を分解する活性を有する細胞外プロテイナーゼを産
生・分泌する場合は、該細胞が産生・分泌する該細胞外
プロテイナーゼでもよい)の存在下で第(1)項記載の
タンパク質を含有する細胞を培養して得られる培養上清
と、レセプターを含有する細胞とを接触させた場合と、
(ii)第(1)項記載のタンパク質を分解するプロテイ
ナーゼ(ただし、第(1)項記載のタンパク質を含有す
る細胞が、第(1)項記載のタンパク質を分解する活性
を有する細胞外プロテイナーゼを産生・分泌する場合
は、該細胞が産生・分泌する該細胞外プロテイナーゼで
もよい)および試験化合物の存在下で第(1)項記載の
タンパク質を含有する細胞を培養して得られる培養上清
と、レセプターを含有する細胞とを接触させた場合にお
ける、レセプターを介する細胞刺激活性、またはレセプ
ターを含有する細胞のアポトーシスもしくは細胞傷害を
測定または観察して、比較することを特徴とする第
(1)項記載のタンパク質を分解するプロテイナーゼの
活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリ
ーニング方法、(26)第(1)項記載のタンパク質、
第(5)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有
する、第(1)項記載のタンパク質を分解するプロテイ
ナーゼの活性を促進または阻害する化合物またはその塩
のスクリーニング用キット、(27)第(25)項記載
のスクリーニング方法または第(26)項記載のスクリ
ーニング用キットを用いて得られる第(1)項記載のタ
ンパク質を分解するプロテイナーゼの活性を促進または
阻害する化合物またはその塩、(28)第(25)項記
載のスクリーニング方法または第(26)項記載のスク
リーニング用キットを用いて得られる第(1)項記載の
タンパク質を分解するプロテイナーゼの活性を促進する
化合物またはその塩を含有してなる医薬、(29)癌、
ウイルス感染、ヘリコバクター・ピロリ感染、侵襲性ブ
ドウ状球菌感染、肝炎、腎炎、骨疾患、動脈硬化症また
は痛みの治療・予防剤である第(28)項記載の医薬、
(30)第(25)項記載のスクリーニング方法または
第(26)項記載のスクリーニング用キットを用いて得
られる第(1)項記載のタンパク質を分解するプロテイ
ナーゼの活性を阻害する化合物またはその塩を含有して
なる医薬、(31)エイズ、リウマチにおける関節組織
の破壊、炎症、肝炎または自己免疫性疾患の治療・予防
剤である第(30)項記載の医薬、
【0014】(32)(i)第(1)項記載のタンパク
質が結合し得るレセプターを含有する細胞に、第(1)
項記載のタンパク質、第(5)項記載の部分ペプチドま
たはそれらの塩を接触させた場合と、(ii)該レセプタ
ーを含有する細胞に、第(1)項記載のタンパク質、第
(5)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩および試
験化合物を接触させた場合における、該レセプターと第
(1)項記載のタンパク質、第(5)項記載の部分ペプ
チドまたはそれらの塩との結合後の細胞内シグナル伝達
を測定し、比較することを特徴とする、第(1)項記載
のタンパク質が結合し得るレセプターと第(1)項記載
のタンパク質、第(5)項記載の部分ペプチドまたはそ
れらの塩との結合後の細胞内シグナル伝達を促進または
阻害する化合物またはその塩のクリーニング方法、(3
3)(i)第(1)項記載のタンパク質が結合し得るレ
セプターを含有する細胞に、第(1)項記載のタンパク
質を含有する細胞を接触させた場合と、(ii)該レセプ
ターを含有する細胞に、第(1)項記載のタンパク質を
含有する細胞および試験化合物を接触させた場合におい
て、該レセプターと第(1)項記載のタンパク質、第
(5)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩との結合
後の細胞内シグナル伝達を測定し、比較することを特徴
とする、第(1)項記載のタンパク質が結合し得るレセ
プターと第(1)項記載のタンパク質、第(5)項記載
の部分ペプチドまたはそれらの塩との結合後の細胞内シ
グナル伝達を促進または阻害する化合物またはその塩の
クリーニング方法、(34)第(1)項記載のタンパク
質、第(5)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を
含有する、第(1)項記載のタンパク質が結合し得るレ
セプターと第(1)項記載のタンパク質、第(5)項記
載の部分ペプチドまたはそれらの塩との結合後の細胞内
シグナル伝達を促進または阻害する化合物またはその塩
のスクリーニング用キット、(35)第(32)項また
は第(33)項記載のスクリーニング方法または第(3
4)項記載のスクリーニング用キットを用いて得られ
る、第(1)項記載のタンパク質が結合し得るレセプタ
ーと第(1)項記載のタンパク質、第(5)項記載の部
分ペプチドまたはそれらの塩との結合後の細胞内シグナ
ル伝達を促進または阻害する化合物またはその塩、(3
6)第(32)項または第(33)項記載のスクリーニ
ング方法または第(34)項記載のスクリーニング用キ
ットを用いて得られる、第(1)項記載のタンパク質が
結合し得るレセプターと第(1)項記載のタンパク質、
第(5)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩との結
合後の細胞内シグナル伝達を促進する化合物またはその
塩を含有してなる医薬、(37)癌、ウイルス感染、ヘ
リコバクター・ピロリ感染、侵襲性ブドウ状球菌感染、
肝炎、腎炎、骨疾患、動脈硬化症または痛みの治療・予
防である第(36)項記載の医薬、(38)第(32)
項または第(33)項記載のスクリーニング方法または
第(34)項記載のスクリーニング用キットを用いて得
られる、第(1)項記載のタンパク質が結合し得るレセ
プターと第(1)項記載のタンパク質、第(5)項記載
の部分ペプチドまたはそれらの塩との結合後の細胞内シ
グナル伝達を阻害する化合物またはその塩を含有してな
る医薬、(39)エイズ、神経変性疾患、骨髄異形成疾
患、虚血性疾患、リウマチにおける関節組織の破壊、炎
症、肝炎、自己免疫性疾患、心筋症、糖尿病、糖尿病性
合併症、インフルエンザ感染、糸球体腎炎または潰瘍性
大腸炎の治療・予防剤である第(38)項記載の医薬、
【0015】(40)ヒトまたは哺乳動物に第(1)項
記載のタンパク質、第(5)項記載の部分ペプチドまた
はそれらの塩を有効量投与することを特徴とするヒトま
たは哺乳動物における癌、ウイルス感染、ヘリコバクタ
ー・ピロリ感染、侵襲性ブドウ状球菌感染、肝炎、腎
炎、自己免疫性疾患、骨疾患、動脈硬化症または痛みを
治療または予防する方法、(41)ヒトまたは哺乳動物
に第(6)項記載のDNAを有効量投与することを特徴
とするヒトまたは哺乳動物における癌、ウイルス感染、
ヘリコバクター・ピロリ感染、侵襲性ブドウ状球菌感
染、肝炎、腎炎、骨疾患、動脈硬化症または痛みを治療
または予防する方法、(42)癌、ウイルス感染、ヘリ
コバクター・ピロリ感染、侵襲性ブドウ状球菌感染、肝
炎、腎炎、骨疾患、動脈硬化症または痛みの治療・予防
剤を製造するための第(1)項記載のタンパク質、第
(5)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩の使用、
(43)癌、ウイルス感染、ヘリコバクター・ピロリ感
染、侵襲性ブドウ状球菌感染、肝炎、腎炎、骨疾患、動
脈硬化症または痛みの治療・予防剤を製造するための第
(6)項記載のDNAの使用、(44)外来性の第
(6)項記載のDNAまたはその変異DNAを有するこ
とを特徴とする非ヒト哺乳動物、(45)非ヒト哺乳動
物がゲッ歯動物である第(44)項記載の非ヒト哺乳動
物、(46)ゲッ歯動物がマウスである第(44)項記
載の非ヒト哺乳動物、(47)DNAが配列番号:9で
表わされる塩基配列を有するDNA(マウス由来ゲノム
DNA)である第(46)項記載の非ヒト哺乳動物、
(48)外来性の第(6)項記載のDNAまたはその変
異DNAを含有し、非ヒト哺乳動物において発現し得る
組換えベクター、(49)DNAが配列番号:9で表わ
される塩基配列を有するDNA(マウス由来ゲノムDN
A)である第(48)項記載の組換えベクター、(5
0)第(6)項記載のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞、(51)該DNAがレポーター遺伝子
(例、大腸菌由来β−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入
することにより不活性化された第(50)項記載の非ヒ
ト動物胚幹細胞、(52)ネオマイシン耐性である第
(50)項記載の非ヒト動物胚幹細胞、(53)非ヒト
哺乳動物がゲッ歯動物である第(50)項記載の非ヒト
哺乳動物胚幹細胞、(54)ゲッ歯動物がマウスである
第(53)項記載の非ヒト哺乳動物胚幹細胞、(55)
DNAが配列番号:9で表わされる塩基配列を有するD
NA(マウス由来ゲノムDNA)である第(54)項記
載の非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
【0016】(56)第(6)項記載のDNAが不活性
化された該DNA発現不全非ヒト哺乳動物、(57)該
DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来β−ガラク
トシダーゼ遺伝子)を導入することにより不活性化さ
れ、該レポーター遺伝子が第(6)項記載のDNAに対
するプロモーターの制御下で発現し得る第(56)項記
載の非ヒト哺乳動物、(58)非ヒト哺乳動物がゲッ歯
動物である第(56)項記載の非ヒト哺乳動物、(5
9)ゲッ歯動物がマウスである第(58)項記載の非ヒ
ト哺乳動物、(60)DNAが配列番号:9で表わされ
る塩基配列を有するDNA(マウス由来ゲノムDNA)
である第(59)項記載の非ヒト哺乳動物、(61)第
(56)項記載の非ヒト哺乳動物に、試験化合物を投与
し、レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴とす
る第(6)項記載のDNAに対するプロモーターの活性
を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニ
ング方法、(62)第(51)項記載のスクリーニング
方法を用いて得られる、第(6)項記載のDNAに対す
るプロモーターの活性を促進する化合物またはその塩、
(63)第(6)項記載のDNAに対するプロモーター
の活性を促進する化合物またはその塩を含有してなる医
薬、(64)癌、ウイルス感染、ヘリコバクター・ピロ
リ感染、侵襲性ブドウ状球菌感染、肝炎、腎炎、骨疾
患、動脈硬化症または痛みの治療・予防剤である第(6
3)項記載の医薬、(65)第(51)項記載のスクリ
ーニング方法を用いて得られる、第(6)項記載のDN
Aに対するプロモーターの活性を阻害する化合物または
その塩、(66)第(6)項記載のDNAに対するプロ
モーターの活性を阻害する化合物またはその塩を含有し
てなる医薬、(67)エイズ、神経変性疾患、骨髄異形
成疾患、虚血性疾患、リウマチにおける関節組織の破
壊、炎症、肝炎、自己免疫性疾患、心筋症、糖尿病、糖
尿病性合併症、インフルエンザ感染、糸球体腎炎または
潰瘍性大腸炎の治療・予防剤である第(66)項記載の
医薬、
【0017】(68)一般式、 Met Glu Xaa Ser Val Val Xaa Pro Ser Val Phe Val Val Asp Gly Gln 1 5 10 15 Thr Asp Ile Pro Phe Xaa Arg Leu Xaa Xaa Xaa His Arg Arg Xaa Xaa 20 25 30 Cys Xaa Xaa Xaa Xaa Val Xaa Leu Xaa Leu Xaa Leu Leu Leu Xaa Gly 35 40 45 Ala Gly Leu Ala Xaa Gln Gly Trp Phe Leu Leu Xaa Leu His Xaa Arg 50 55 60 Leu Gly Xaa Xaa Vla Xaa Xaa Leu Pro Asp Gly Xaa Xaa Gly Ser Trp 65 70 75 80 Glu Xaa Leu Ile Gln Xaa Xaa Arg Ser His Xaa Xaa Asn Pro Ala Ala 85 90 95 His Leu Thr Gly Ala Asn Xaa Ser Leu Xaa Gly Xaa Gly Gly Pro Leu 100 105 110 Leu Trp Glu Thr Xaa Leu Gly Leu Ala Phe Leu Arg Gly Leu Xaa Tyr 115 120 125 His Asp Gly Ala Leu Val Xaa Xaa Xaa Xaa Gly Tyr Tyr Tyr Xaa Tyr 130 135 140 Ser Lys Val Gln Leu Xaa Gly Val Gly Cys Pro Xaa Gly Leu Ala Xaa 145 150 155 160 Xaa Xaa Xaa Ile Thr His Gly Leu Tyr Lys Arg Thr Xaa Arg Tyr Pro 165 170 175 Glu Xaa Leu Glu Leu Leu Val Ser Xaa Xaa Ser Pro Cys Gly Arg Ala 180 185 190 Xaa Xaa Ser Ser Arg Val Trp Trp Asp Ser Ser Phe Leu Gly Gly Val 195 200 205 Val His Leu Glu Ala Gly Glu Xaa Val Val Val Arg Val Xaa Xaa Xaa 210 215 220 Arg Leu Val Arg Xaa Arg Asp Gly Thr Arg Ser Tyr Phe Gly Ala Phe 225 230 235 240 Met Val (I) 〔式中、Xaaは任意のアミノ酸残基を示し、欠失して
いてもよい〕で表わされるアミノ酸配列(配列番号:2
5で表わされるアミノ酸配列)を有する第(1)項記載
のタンパク質、
【0018】(69)配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列の第8〜21番目、第55〜59番目、第93〜
102番目、第109〜116番目、第118〜126
番目、第128〜134番目、第144〜149番目、
第162〜170番目、第176〜182番目、第18
4〜189番目、第193〜213番目、第215〜2
19番目および第228〜239番目のアミノ酸配列か
ら選ばれる少なくとも1つ以上のアミノ酸配列を有する
第(5)項記載の部分ペプチド、(70)配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列の第8〜21番目、第54〜
59番目、第93〜102番目、第109〜116番
目、第118〜126番目、第128〜134番目、第
144〜149番目、第162〜170番目、第176
〜182番目、第184〜189番目、第193〜21
3番目、第215〜219番目および第228〜240
番目のアミノ酸配列から選ばれる少なくとも1つ以上の
アミノ酸配列を有する第(5)項記載の部分ペプチド、
(71)配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第8
3番目〜第240番目のアミノ酸配列または配列番号:
2で表わされるアミノ酸配列の第81番目〜第239番
目のアミノ酸配列を有する第(5)項記載の部分ペプチ
ド、(72)配列番号:4〜配列番号:10のいずれか
の配列番号で表わされる塩基配列とハイストリンジェン
トな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有するDN
Aを含有するDNA、(73)第(72)項記載のDN
Aを含有する組換えベクター、(74)第(73)項記
載の組換えベクターで形質転換された形質転換体、(7
5)第(74)項記載の形質転換体を培養し、タンパク
質を生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴とす
る第(72)項記載のDNAにコードされるタンパク質
またはその塩の製造方法、(76)第(75)項記載の
製造法で製造される、第(72)項記載のDNAにコー
ドされるタンパク質またはその塩、
【0019】(77)第(1)項記載のタンパク質が結
合し得るレセプターが、TNFレセプターファミリーに
属するレセプター(例、TNFレセプター、リンホトキ
シン−βレセプター、Fas、CD27、CD30、C
D40、OX40、DR4、DR3/WSL−1、TR
2)または第(1)項記載のタンパク質に対するレセプ
ターである第(16)項〜第(18)項のいずれかに記
載のスクリーニング方法、(78)第(1)項記載のタ
ンパク質が結合し得るレセプターが、TNFレセプター
ファミリーに属するレセプター(例、TNFレセプタ
ー、リンホトキシン−βレセプター、Fas、CD2
7、CD30、CD40、OX40、DR4、DR3/
WSL−1、TR2)または第(1)項記載のタンパク
質に対するレセプターである第(19)項記載のスクリ
ーニング用キット、(79)第(15)項記載の抗体
と、被検液および標識化された第(1)項記載のタンパ
ク質、第(5)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩
とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化された
第(1)項記載のタンパク質、第(5)項記載の部分ペ
プチドまたはそれらの塩の割合を測定することを特徴と
する被検液中の第(1)項記載のタンパク質、第(5)
項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩の定量法、(8
0)被検液と担体上に不溶化した第(15)項記載の抗
体および標識化された別の第(14)項記載の抗体とを
同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の
標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の第
(1)項記載のタンパク質、第(5)項記載の部分ペプ
チドまたはそれらの塩の定量法、(81)第(15)項
記載の抗体(好ましくは、第(1)項記載のタンパク質
活性を中和する活性を有する第(15)項記載の抗体)
を含有してなる医薬、(82)エイズ、神経変性疾患、
骨髄異形成疾患、虚血性疾患、リウマチにおける関節組
織の破壊、炎症、肝炎、自己免疫性疾患、心筋症、糖尿
病、糖尿病性合併症、インフルエンザ感染、糸球体腎炎
または潰瘍性大腸炎の治療・予防剤である第(81)項
記載の医薬、(83)第(6)項または第(72)項記
載のDNAに相補的または実質的に相補的な塩基配列を
有し、該DNAの発現を抑制し得る作用を有するアンチ
センスDNA、(84)第(6)項または第(72)項
記載のDNAに実質的に相補的な塩基配列が、該DNA
に相補的な塩基配列の全塩基配列あるいは部分塩基配列
と約40%以上(好ましくは約60%以上、より好まし
くは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最
も好ましくは約95%以上)の相同性を有する塩基配列
である第(83)項記載のアンチセンスDNA、(8
5)第(83)項記載のアンチセンスDNAを含有して
なる医薬、および(86)エイズ、神経変性疾患、骨髄
異形成疾患、虚血性疾患、リウマチにおける関節組織の
破壊、炎症、肝炎、自己免疫性疾患、心筋症、糖尿病、
糖尿病性合併症、インフルエンザ感染、糸球体腎炎また
は潰瘍性大腸炎の治療・予防剤である第(85)項記載
の医薬を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明のタンパク質は、配列番
号:1、配列番号:2または配列番号:3で表わされる
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
列を有する。本発明のタンパク質は、例えば、ヒトや温
血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワト
リ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、ウマ、サルなど)の
あらゆる細胞(例えば、脾細胞、神経細胞、グリア細
胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲ
ルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽
細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マ
クロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細
胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨
核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細
胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら
細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)、また
はそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、
脳の各部位(例、嗅球、扁桃核、大脳基底核、海馬、視
床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂
体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、
骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小
腸、十二指腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末
梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨
格筋などに由来するタンパク質であってもよく、また合
成タンパク質であってもよい。
【0021】配列番号:1、配列番号:2または配列番
号:3と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例え
ば、配列番号:1、配列番号:2または配列番号:3で
表わされるアミノ酸配列と約40%以上、好ましくは6
0%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好まし
くは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同
性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。特に、配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列のうち第83番目〜
第240番目のアミノ酸配列、配列番号:2で表わされ
るアミノ酸配列のうち第81番目〜第239番目のアミ
ノ酸配列または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列
のうち第81番目〜第239番目のアミノ酸配列と約4
0%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは約8
0%以上、さらに好ましくは約90%以上の相同性を有
する場合が好ましい。また、配列番号:1、配列番号:
2または配列番号:3と実質的に同一のアミノ酸配列と
しては、構成アミノ酸として、配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列の第8〜21番目、第55〜59番目、
第93〜102番目、第109〜116番目、第118
〜126番目、第128〜134番目、第144〜14
9番目、第162〜170番目、第176〜182番
目、第184〜189番目、第193〜213番目、第
215〜219番目および第228〜239番目のアミ
ノ酸配列を有するアミノ酸配列なども好ましい。これら
のアミノ酸配列は、配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列および配
列番号:3で表わされるアミノ酸配列に共通するアミノ
酸配列である。また、配列番号:1または配列番号:2
と実質的に同一のアミノ酸配列としては、構成アミノ酸
として、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第8
〜21番目、第54〜59番目、第93〜102番目、
第109〜116番目、第118〜126番目、第12
8〜134番目、第144〜149番目、第162〜1
70番目、第176〜182番目、第184〜189番
目、第193〜213番目、第215〜219番目およ
び第228〜240番目のアミノ酸配列を有するアミノ
酸配列なども好ましい。これらのアミノ酸配列は、配列
番号:2で表わされるアミノ酸配列の第6〜20番目、
第52〜57番目、第91〜100番目、第107〜1
14番目、第116〜124番目、第126〜132番
目、第142〜147番目、第162〜170番目、第
176〜182番目、第184〜189番目、第192
〜212番目、第214〜218番目および第227〜
239番目のアミノ酸配列に対応し、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列と配列番号:2で表わされるアミ
ノ酸配列に共通するアミノ酸配列である。
【0022】配列番号:1、配列番号:2または配列番
号:3で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有する本発明のタンパク質としては、上記
のとおり配列番号:1、配列番号:2または配列番号:
3で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸
配列を有し、配列番号:1、配列番号:2または配列番
号:3で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質
と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好まし
い。実質的に同質の活性としては、例えば、アポトーシ
ス誘導活性、ウイルス感染細胞等に対する細胞傷害活性
などの活性が挙げられる。実質的に同質とは、それらの
活性が性質的(例、生理化学的または薬理学的)に同質
であることを示す。したがって、アポトーシス誘導活
性、ウイルス感染細胞等に対する細胞傷害活性などの活
性が同等(例、約0.01〜20倍、好ましくは約0.
2〜5倍、より好ましくは約0.5〜2倍)であること
が好ましいが、これらの活性の程度やタンパク質の分子
量などの量的要素は異なっていてもよい。アポトーシス
誘導活性、ウイルス感染細胞等に対する細胞傷害活性な
どの活性は、自体公知の方法あるいはそれに準じる方
法、例えば、後述するスクリーニング方法で記載されて
いる方法などを用いて測定することができる。また、本
発明のタンパク質には、配列番号:1、配列番号:2
または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列中の1ま
たは2個以上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20
個程度、より好ましくは1〜9個程度、さらに好ましく
は数(例、1〜5)個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸
配列、配列番号:1、配列番号:2または配列番号:
3で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上(例え
ば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好まし
くは1〜9個程度、さらに好ましくは数(例、1〜5)
個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:
1、配列番号:2または配列番号:3で表わされるアミ
ノ酸配列中の1または2個以上(例えば1〜80個、好
ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程
度、さらに好ましくは数(例、1〜5)個)のアミノ酸
が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそ
れらを組み合わせたアミノ酸配列を含有するタンパク質
などのいわゆるムテインも含まれる。
【0023】上記のようにアミノ酸配列が欠失または置
換されている場合、その欠失または置換の位置として
は、特に限定されないが、例えば、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列の第8〜21番目、第55〜59
番目(または第54〜59番目)、第93〜102番
目、第109〜116番目、第118〜126番目、第
128〜134番目、第144〜149番目、第162
〜170番目、第176〜182番目、第184〜18
9番目、第193〜213番目、第215〜219番目
または第228〜239番目(または第228〜240
番目)のアミノ酸配列以外の位置、好ましくは、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列の第93〜102番
目、第109〜116番目、第118〜126番目、第
128〜134番目、第144〜149番目、第162
〜170番目、第176〜182番目、第184〜18
9番目、第193〜213番目、第215〜219番目
または第228〜240番目のアミノ酸配列以外の位
置、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列の第6〜
19番目、第53〜57番目(または第52〜57番
目)、第91〜100番目、第107〜114番目、第
116〜124番目、第126〜132番目、第142
〜147番目、第162〜170番目、第176〜18
2番目、第184〜189番目、第192〜212番
目、第214〜218番目または第227〜238番目
(または第227〜239番目)のアミノ酸配列以外の
位置、好ましくは、配列番号:2で表わされるアミノ酸
配列の第91〜100番目、第107〜114番目、第
116〜124番目、第126〜132番目、第142
〜147番目、第162〜170番目、第176〜18
2番目、第184〜189番目、第192〜212番
目、第214〜218番目または第227〜239番目
のアミノ酸配列以外の位置、配列番号:3で表わされ
るアミノ酸配列の第6〜19番目、53〜57番目(ま
たは第52〜57番目)、第91〜100番目、第10
7〜114番目、第116〜124番目、第126〜1
32番目、第142〜147番目、第162〜170番
目、第176〜182番目、第184〜189番目、第
192〜212番目、第214〜218番目または第2
27〜238番目(または第227〜239番目)のア
ミノ酸配列以外の位置、好ましくは、配列番号:3で表
わされるアミノ酸配列の第91〜100番目、第107
〜114番目、第116〜124番目、第126〜13
2番目、第142〜147番目、第162〜170番
目、第176〜182番目、第184〜189番目、第
192〜212番目、第214〜218番目または第2
27〜239番目のアミノ酸配列以外の位置などが挙げ
られる。
【0024】さらには、具体的には、一般式、 Met Glu Xaa Ser Val Val Xaa Pro Ser Val Phe Val Val Asp Gly Gln 1 5 10 15 Thr Asp Ile Pro Phe Xaa Arg Leu Xaa Xaa Xaa His Arg Arg Xaa Xaa 20 25 30 Cys Xaa Xaa Xaa Xaa Val Xaa Leu Xaa Leu Xaa Leu Leu Leu Xaa Gly 35 40 45 Ala Gly Leu Ala Xaa Gln Gly Trp Phe Leu Leu Xaa Leu His Xaa Arg 50 55 60 Leu Gly Xaa Xaa Vla Xaa Xaa Leu Pro Asp Gly Xaa Xaa Gly Ser Trp 65 70 75 80 Glu Xaa Leu Ile Gln Xaa Xaa Arg Ser His Xaa Xaa Asn Pro Ala Ala 85 90 95 His Leu Thr Gly Ala Asn Xaa Ser Leu Xaa Gly Xaa Gly Gly Pro Leu 100 105 110 Leu Trp Glu Thr Xaa Leu Gly Leu Ala Phe Leu Arg Gly Leu Xaa Tyr 115 120 125 His Asp Gly Ala Leu Val Xaa Xaa Xaa Xaa Gly Tyr Tyr Tyr Xaa Tyr 130 135 140 Ser Lys Val Gln Leu Xaa Gly Val Gly Cys Pro Xaa Gly Leu Ala Xaa 145 150 155 160 Xaa Xaa Xaa Ile Thr His Gly Leu Tyr Lys Arg Thr Xaa Arg Tyr Pro 165 170 175 Glu Xaa Leu Glu Leu Leu Val Ser Xaa Xaa Ser Pro Cys Gly Arg Ala 180 185 190 Xaa Xaa Ser Ser Arg Val Trp Trp Asp Ser Ser Phe Leu Gly Gly Val 195 200 205 Val His Leu Glu Ala Gly Glu Xaa Val Val Val Arg Val Xaa Xaa Xaa 210 215 220 Arg Leu Val Arg Xaa Arg Asp Gly Thr Arg Ser Tyr Phe Gly Ala Phe 225 230 235 240 Met Val (I) 〔式中、Xaaは任意のアミノ酸残基を示す〕で表わさ
れるアミノ酸配列〔配列番号:25で表わされるアミノ
酸配列〕を有するタンパク質なども好ましく用いられ
る。また、上記の一般式(I)において、1個または2
個以上(例えば1〜56、好ましくは1〜40個、より
好ましくは1〜20個、さらに好ましくは1〜9個、最
も好ましくは数個)の位置でXaaが欠失していてもよ
い。
【0025】Xaaで示されるアミノ酸としては、親水
性アミノ酸、疎水性アミノ酸のいずれでもよく、また、
酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、中性アミノ酸のいずれ
でもよい。具体的には、Gly、Ala、Val、Le
u、Ile、Ser、Thr、Cys、Met、Gl
u、Asp、Lys、Arg、His、Phe、Ty
r、Trp、Pro、Asn、Glnなどが用いられ
る。一般式(I)中、第3番目のXaaとしては、Gl
uが好ましく、あるいは欠失していてもよい。第7番目
のXaaとしては、親水性アミノ酸が好ましく、具体的
には、ArgまたはGlnが好適である。第22番目の
Xaaとしては、親水性アミノ酸が好ましく、具体的に
は、ThrまたはArgが好適である。第25番目のX
aaとしては、親水性アミノ酸が好ましく、具体的に
は、GlyまたはGluが好適である。第26番目のX
aaとしては、親水性アミノ酸が好ましく、具体的に
は、ArgまたはGlnが好適である。第27番目のX
aaとしては、親水性アミノ酸が好ましく、具体的に
は、SerまたはAsnが好適である。第31番目のX
aaとしては、親水性アミノ酸が好ましく、具体的に
は、GlnまたはArgが好適である。第32番目のX
aaとしては、親水性アミノ酸が好ましく、具体的に
は、SerまたはArgが好適である。第34番目のX
aaとしては、親水性アミノ酸が好ましく、具体的に
は、SerまたはGlyが好適である。第35番目のX
aaとしては、例えば、ValまたはThrが好適であ
る。第36番目のXaaとしては、例えば、疎水性アミ
ノ酸が好ましく、具体的には、AlaまたはValが好
適である。
【0026】第37番目のXaaとしては、例えば、親
水性アミノ酸が好ましく、具体的には、ArgまたはG
lnが好適である。第39番目のXaaとしては、例え
ば、親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Glyま
たはSerが好適である。第41番目のXaaとして
は、例えば、GlyまたはAlaが好適である。第43
番目のXaaとしては、例えば、疎水性アミノ酸が好ま
しく、具体的には、LeuまたはValが好適である。
第47番目のXaaとしては、Metが好ましく、ある
いは欠失していてもよい。第53番目のXaaとして
は、例えば、ValまたはThrが好適である。第60
番目のXaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好ま
しく、具体的には、GlnまたはArgが好適である。
第63番目のXaaとしては、例えば、TrpまたはG
lnが好適である。第67番目のXaaとしては、例え
ば、酸性アミノ酸が好ましく、具体的には、Gluまた
はAspが好適である。第68番目のXaaとしては、
例えば、疎水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Me
tまたはIleが好適である。第70番目のXaaとし
ては、例えば、ThrまたはAlaが好適である。第7
1番目のXaaとしては、例えば、塩基性アミノ酸が好
ましく、具体的には、ArgまたはHisが好適であ
る。第76番目のXaaとしては、例えば、Proまた
はGlyが好適である。第77番目のXaaとしては、
例えば、AlaまたはLysが好適である。第82番目
のXaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好まし
く、具体的には、GlnまたはLysが好適である。第
86番目のXaaとしては、例えば、酸性アミノ酸が好
ましく、具体的には、GluまたはAspが好適であ
る。第87番目のXaaとしては、例えば、親水性アミ
ノ酸が好ましく、具体的には、ArgまたはGlnが好
適である。
【0027】第91番目のXaaとしては、例えば、親
水性アミノ酸が好ましく、具体的には、GluまたはG
lnが好適である。第92番目のXaaとしては、例え
ば、疎水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Valま
たはAlaが好適である。第103番目のXaaとして
は、例えば、SerまたはAlaが好適である。第10
6番目のXaaとしては、例えば、ThrまたはIle
が好適である。第108番目のXaaとしては、例え
ば、SerまたはIleが好適である。第117番目の
Xaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好ましく、
具体的には、GlnまたはArgが好適である。第12
7番目のXaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好
ましく、具体的には、SerまたはThrが好適であ
る。第135番目のXaaとしては、例えば、Valま
たはThrが好適である。第136番目のXaaとして
は、例えば、ThrまたはMetが好適である。第13
7番目のXaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好
ましく、具体的には、LysまたはGluが好適であ
る。第138番目のXaaとしては、例えば、疎水性ア
ミノ酸が好ましく、具体的には、AlaまたはProが
好適である。第143番目のXaaとしては、例えば、
疎水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Ileまたは
Valが好適である。第150番目のXaaとしては、
例えば、親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Gl
yまたはSerが好適である。第156番目のXaaと
しては、例えば、LeuまたはGlnが好適である。第
160番目のXaaとしては、例えば、親水性アミノ酸
が好ましく、具体的には、SerまたはAsnが好適で
ある。
【0028】第161番目のXaaとしては、例えば、
親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Thrまたは
Glyが好適である。第162番目のXaaとしては、
Leuが好ましく、あるいは欠失していてもよい。第1
63番目のXaaとしては、Proが好ましく、あるい
は欠失していてもよい。第173番目のXaaとして
は、例えば、ProまたはSerが好適である。第17
8番目のXaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好
ましく、具体的には、GluまたはLysが好適であ
る。第185番目および186番目のXaaとしては、
例えば、親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Gl
nまたはArgが好適である。第193番目のXaaと
しては、Thrが好ましく、あるいは欠失していてもよ
い。第194番目のXaaとしては、例えば、親水性ア
ミノ酸が好ましく、具体的には、SerまたはAsnが
好適である。第216番目のXaaとしては、例えば、
親水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Lysまたは
Gluが好適である。第222番目のXaaとしては、
例えば、疎水性アミノ酸が好ましく、具体的には、Le
uまたはProが好適である。第223番目のXaaと
しては、例えば、親水性アミノ酸が好ましく、具体的に
は、AspまたはGlyが好適である。第224番目の
Xaaとしては、例えば、親水性アミノ酸が好ましく、
具体的には、GluまたはAsnが好適である。第22
9番目のXaaとしては、例えば、疎水性アミノ酸が好
ましく、具体的には、LeuまたはProが好適であ
る。
【0029】本明細書におけるタンパク質は、ペプチド
標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめ
とする、本発明のタンパク質は、C末端が通常カルボキ
シル基(−COOH)またはカルボキシレート(−CO
-)であるが、C末端がアミド(−CONH2)または
エステル(−COOR)であってもよい。ここでエステ
ル基のRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1-6
ルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルな
どのC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−
ナフチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベンジル、
フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基もしくは
α−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2アルキ
ル基などのC7-14アラルキル基のほか、経口用エステル
として汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用い
られる。本発明のタンパク質がC末端以外にカルボキシ
ル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カ
ルボキシル基がアミド化またはエステル化されているも
のも本発明のタンパク質に含まれる。この場合のエステ
ルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用
いられる。さらに、本発明のタンパク質には、上記した
タンパク質において、N末端のアミノ酸残基のアミノ基
が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC
1-6アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で保護され
ているもの、N端側が生体内で切断され生成したグルタ
ミル基がピログルタミル化したもの、分子内のアミノ酸
の側鎖上の置換基(例えば、−OH、−SH、アミノ
基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基な
ど)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基
などのC1-6アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で
保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる
糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれる。よ
り具体的には、本発明のタンパク質としては、例えば、
配列番号:1〔図1または図2〕で表わされるアミノ酸
配列を有するヒト肝臓由来のタンパク質、配列番号:2
〔図3または図4〕で表わされるアミノ酸配列を有する
マウス胚由来のタンパク質、配列番号:3〔図6〕で表
わされるアミノ酸配列を有するラット肝臓由来のタンパ
ク質などが好適である。
【0030】本発明のタンパク質の部分ペプチドとして
は、前記した本発明のタンパク質と同質の活性、例え
ば、アポトーシス誘導活性、ウイルス感染細胞等に対す
る細胞傷害活性などの活性を有するペプチドであれば何
れのものであってもよい。例えば、本発明のタンパク質
のアミノ酸配列のうち、少なくとも約20個以上、好ま
しくは約50個以上、より好ましくは約70個以上、さ
らに好ましくは約100個以上、最も好ましくは約20
0個以上のアミノ酸残基を有するペプチドなどが好まし
く用いられる。例えば、(1)配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列の第8〜21番目、第55〜59番目、
第93〜102番目、第109〜116番目、第118
〜126番目、第128〜134番目、第144〜14
9番目、第162〜170番目、第176〜182番
目、第184〜189番目、第193〜213番目、第
215〜219番目および第228〜239番目のアミ
ノ酸配列から選ばれる少なくとも1つ以上のアミノ酸配
列を有する部分ペプチド(すなわち、配列番号:2また
は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第6〜20
番目、第53〜57番目、第91〜100番目、第10
7〜114番目、第116〜124番目、第126〜1
32番目、第142〜147番目、第162〜170番
目、第176〜182番目、第184〜189番目、第
192〜212番目、第214〜218番目および第2
27〜238番目のアミノ酸配列から選ばれる少なくと
も1つ以上のアミノ酸配列を有する部分ペプチド)、
(2)配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第8〜
21番目、第54〜59番目、第93〜102番目、第
109〜116番目、第118〜126番目、第128
〜134番目、第144〜149番目、第162〜17
0番目、第176〜182番目、第184〜189番
目、第193〜213番目、第215〜219番目およ
び第228〜240番目のアミノ酸配列から選ばれる少
なくとも1つ以上のアミノ酸配列を有する部分ペプチド
(すなわち、配列番号:2または配列番号:3で表わさ
れるアミノ酸配列の第6〜20番目、第52〜57番
目、第91〜100番目、第107〜114番目、第1
16〜124番目、第126〜132番目、第142〜
147番目、第162〜170番目、第176〜182
番目、第184〜189番目、第192〜212番目、
第214〜218番目および第227〜239番目のア
ミノ酸配列から選ばれる少なくとも1つ以上のアミノ酸
配列を有する部分ペプチド)などが用いられる。より具
体的には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第
83番目〜第240番目のアミノ酸配列を有する部分ペ
プチド、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列の第8
1番目〜第239番目のアミノ酸配列を有する部分ペプ
チド、配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第81
番目〜第239番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチ
ドなどが好ましく用いられる。
【0031】さらに、本発明の部分ペプチドとしては、
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第83番目
〜第240番目のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ
酸配列を有し、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
の第83番目〜第240番目のアミノ酸配列を含有する
ペプチドと実質的に同質の活性を有するペプチド、配
列番号:2で表わされるアミノ酸配列の第81番目〜第
239番目のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配
列を有し、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列の第
81番目〜第239番目のアミノ酸配列を含有するペプ
チドと実質的に同質の活性を有するペプチド、配列番
号:3で表わされるアミノ酸配列の第81番目〜第23
9番目のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を
有し、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列の第81
番目〜第239番目のアミノ酸配列を含有するペプチド
と実質的に同質の活性を有するペプチドなどが好まし
い。
【0032】配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の
第83番目〜第240番目のアミノ酸配列と実質的に同
一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列の第83番目〜第240番目のア
ミノ酸配列と約40%以上、好ましくは60%以上、よ
り好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%
以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するア
ミノ酸配列などが用いられる。配列番号:2で表わされ
るアミノ酸配列の第81番目〜第239番目のアミノ酸
配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、
配列番号:2で表わされるアミノ酸配列の第81番目〜
第239番目のアミノ酸配列と約40%以上、好ましく
は60%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好
ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の
相同性を有するアミノ酸配列などが用いられる。配列番
号:3で表わされるアミノ酸配列の第81番目〜第23
9番目のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列と
しては、例えば、配列番号:3で表わされるアミノ酸配
列の第81番目〜第239番目のアミノ酸配列と約40
%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは約80
%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましく
は約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが用
いられる。「実質的に同質の活性」とは、前記と同意義
を示す。アポトーシス誘導活性、ウイルス感染細胞等に
対する細胞傷害活性などの活性は、自体公知の方法ある
いはそれに準じる方法、例えば、後述するスクリーニン
グ方法で記載されている方法などを用いて測定すること
ができる。
【0033】また、本発明の部分ペプチドには、配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列の第83番目〜第2
40番目のアミノ酸配列中の1または2個以上(例えば
1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましく
は1〜9個程度、さらに好ましくは数(例、1〜5)
個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列の第83番目〜第240番目
のアミノ酸配列に1または2個以上(例えば1〜80
個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9
個程度、さらに好ましくは数(例、1〜5)個)のアミ
ノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列の第83番目〜第240番目のアミノ酸
配列中の1または2個以上(例えば1〜80個、好まし
くは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程度、さ
らに好ましくは数(例、1〜5)個)のアミノ酸が他の
アミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれらを組
み合わせたアミノ酸配配列を含有する部分ペプチド、
配列番号:2で表わされるアミノ酸配列の第81番目〜
第239番目のアミノ酸配列中の1または2個以上(例
えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ま
しくは1〜9個程度、さらに好ましくは数(例、1〜
5)個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列の第81番目〜第23
9番目のアミノ酸配列に1または2個以上(例えば1〜
80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1
〜9個程度、さらに好ましくは数(例、1〜5)個)の
アミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:2で表わ
されるアミノ酸配列の第81番目〜第239番目のアミ
ノ酸配列中の1または2個以上(例えば1〜80個、好
ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程
度、さらに好ましくは数(例、1〜5)個)のアミノ酸
が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれ
らを組み合わせたアミノ酸配配列を含有する部分ペプチ
ド、配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第81
番目〜第239番目のアミノ酸配列中の1または2個以
上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、よ
り好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数(例、
1〜5)個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列
番号:3で表わされるアミノ酸配列の第81番目〜第2
39番目のアミノ酸配列に1または2個以上(例えば1
〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは
1〜9個程度、さらに好ましくは数(例、1〜5)個)
のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:3で表
わされるアミノ酸配列の第81番目〜第239番目のア
ミノ酸配列中の1または2個以上(例えば1〜80個、
好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程
度、さらに好ましくは数(例、1〜5)個)のアミノ酸
が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれ
らを組み合わせたアミノ酸配配列を含有する部分ペプチ
ドなども含まれる。上記のように欠失または置換されて
いる場合、具体的には、一般式(I)で表わされるアミ
ノ酸配列から第1〜82番目のアミノ酸を取り除いたア
ミノ酸配列を有するペプチドなどが好ましく用いられ
る。
【0034】また、本発明の部分ペプチドのC末端は通
常カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレー
ト(−COO-)であるが、前記した本発明のタンパク質
のごとく、C末端がアミド(−CONH2)またはエス
テル(−COOR)であってもよい。さらに、本発明の
部分ペプチドには、前記した本発明のタンパク質と同様
に、上記した部分ペプチドにおいて、N末端のアミノ酸
残基のアミノ基が保護基で保護されているもの、N端側
が生体内で切断され生成したグルタミル基がピログルタ
ミル化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が
適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結
合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含
まれる。本発明の部分ペプチドとしては、配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列の第83番目〜第240番目
のアミノ酸配列、配列番号:2で表わされるアミノ酸配
列の第81番目〜第239番目のアミノ酸配列を有する
ペプチド、配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第
81番目〜第239番目のアミノ酸配列を有するペプチ
ドが好適である。本発明のタンパク質またはその部分ペ
プチドの塩としては、生理学的に許容される酸(例、無
機酸、有機酸)または塩基(例、アルカリ金属)などと
の塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加
塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸
(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、
あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、
フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、
リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸)との塩などが用いられる。本発明のタン
パク質またはその塩は、前述したヒトや温血動物の細胞
または組織から自体公知のタンパク質の精製方法によっ
て製造することもできるし、後述するタンパク質をコー
ドするDNAを含有する形質転換体を培養することによ
っても製造することができる。また、後述のタンパク質
合成法またはこれに準じて製造することもできる。ヒト
や温血動物の組織または細胞から製造する場合、ヒトや
温血動物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸な
どで抽出を行い、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、
イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィ
ーを組み合わせることにより精製単離することができ
る。
【0035】本発明のタンパク質、その部分ペプチドも
しくはそれらの塩またはそれらのアミド体の合成には、
通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができ
る。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹
脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセト
アミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェ
ノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocア
ミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることができ
る。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基
を適当に保護したアミノ酸を、目的とするタンパク質の
配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で
縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパク質を切り出
すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で
分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的のタン
パク質、その部分ペプチドまたはそれらのアミド体を取
得する。
【0036】上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、
タンパク質合成に使用できる各種活性化試薬を用いるこ
とができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボ
ジイミド類としては、DCC、N,N'-ジイソプロピルカルボ
ジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロリル)
カルボジイミドなどが用いられる。これらによる活性化
にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt, HOOBt)ととも
に保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対称酸
無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとし
てあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なったのちに樹
脂に添加することができる。保護アミノ酸の活性化や樹
脂との縮合に用いられる溶媒としては、タンパク質縮合
反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択
されうる。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N
−メチルピロリドン、クロロホルム、トリフルオロエタ
ノール、ジメチルスルホキシド、DMF、ジメチルスルホ
キシド、ピリジン、クロロホルム、ジオキサン、塩化メ
チレン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エ
チル、N-メチルピロリドンあるいはこれらの適宜の混
合物などが用いられる。反応温度はタンパク質結合形成
反応に使用され得ることがしられている範囲から適宜選
択され、通常約−20℃〜50℃の範囲から適宜選択さ
れる。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜4倍
過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストの
結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うこと
なく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なう
ことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られ
ないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを
用いて未反応アミノ酸をアセチル化することによって、
後の反応に影響を与えないようにすることができる。原
料のアミノ基の保護基としては、例えば、Z、Boc、タ
ーシャリーアミルオキシカルボニル、イソボルニルオキ
シカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニ
ル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリ
フルオロアセチル、フタリル、ホルミル、2−ニトロフ
ェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、
Fmocなどが用いられる。カルボキシル基は、例えば、ア
ルキルエステル(例えば、メチル、エチル、プロピル、
ブチル、ターシャリーブチル、シクロペンチル、シクロ
ヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2−アダ
マンチルなどのエステル基)、ベンジルエステル、4−
ニトロベンジルエステル、4−メトキシベンジルエステ
ル、4−クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエス
テル、フェナシンエステル、ベンジルオキシカルボニル
ヒドラジド、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジ
ド、トリチルヒドラジドなどに導くことによって保護す
ることができる。
【0037】セリンの水酸基は、例えば、エステル化ま
たはエーテル化によって保護することができる。このエ
ステル化に適する基としては、例えば、アセチル基など
の低級アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル
基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基などの炭素から誘導される基などが用いられる。ま
た、エーテル化に適する基としては、例えば、ベンジル
基、テトラヒドロピラニル基、t-ブチル基などである。
チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、例え
ば、Bzl、Cl2-Bzl、2−ニトロベンジル、Br-Z、ターシ
ャリーブチルなどが用いられる。ヒスチジンのイミダゾ
ールの保護基としては、例えば、Tos、4-メトキシ-2,
3,6-トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオ
キシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、例
えば、対応する酸無水物、アジド、活性エステル〔アル
コール(例えば、ペンタクロロフェノール、2,4,5-トリ
クロロフェノール、2,4-ジニトロフェノール、シアノメ
チルアルコール、パラニトロフェノール、HONB、N-ヒド
ロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタルイミド、HOBt)
とのエステル〕などが用いられる。原料のアミノ基の活
性化されたものとしては、例えば、対応するリン酸アミ
ドが用いられる。保護基の除去(脱離)方法としては、
例えば、Pd黒あるいはPd-炭素などの触媒の存在下での
水素気流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メ
タンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリ
フルオロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理
や、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、
ピペリジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体
アンモニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。
上記酸処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40
℃の温度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、
アニソール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾ
ール、パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4-ブタ
ンジチオール、1,2-エタンジチオールのようなカチオン
捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダ
ゾール保護基として用いられる2,4-ジニトロフェニル基
はチオフェノール処理により除去され、トリプトファン
のインドール保護基として用いられるホルミル基は上記
の1,2-エタンジチオール、1,4-ブタンジチオールなどの
存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウ
ム溶液、希アンモニアなどによるアルカリ処理によって
も除去される。
【0038】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護および保護基、ならびにその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基あるいは公知の手
段から適宜選択しうる。タンパク質のアミド体を得る別
の方法としては、まず、カルボキシ末端アミノ酸のα−
カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミノ基側
にペプチド(タンパク質)鎖を所望の鎖長まで延ばした
後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみ
を除いたタンパク質とC末端のカルボキシル基の保護基
のみを除去したタンパク質とを製造し、この両タンパク
質を上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応
の詳細については上記と同様である。縮合により得られ
た保護タンパク質を精製した後、上記方法によりすべて
の保護基を除去し、所望の粗タンパク質を得ることがで
きる。この粗タンパク質は既知の各種精製手段を駆使し
て精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望のタンパ
ク質のアミド体を得ることができる。タンパク質のエス
テル体を得るには、カルボキシ末端アミノ酸のα−カル
ボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エス
テルとした後、タンパク質のアミド体と同様にして、所
望のタンパク質のエステル体を得ることができる。
【0039】本発明の部分ペプチドまたはその塩は、自
体公知のペプチドの合成法に従って、あるいは本発明の
タンパク質を適当なペプチダーゼで切断することによっ
て製造することができる。ペプチドの合成法としては、
例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによっても良
い。すなわち、本発明のタンパク質を構成し得る部分ペ
プチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成
物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより
目的のペプチドを製造することができる。公知の縮合方
法や保護基の脱離としては、例えば、以下の〜に記
載された方法が挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成
広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明のタンパク質を精製
単離することができる。上記方法で得られるタンパク質
が遊離体である場合は、公知の方法あるいはそれに準じ
る方法によって適当な塩に変換することができるし、逆
に塩で得られた場合は、公知の方法あるいはそれに準じ
る方法によって遊離体または他の塩に変換することがで
きる。
【0040】本発明のタンパク質をコードするDNAと
しては、前述した本発明のタンパク質をコードする塩基
配列を含有するものであればいかなるものであってもよ
い。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、
前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組
織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれで
もよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリ
オファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなど
いずれであってもよい。また、前記した細胞・組織より
mRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Tran
scriptase Polymerase Chain Reaction(以下、RT-P
CR法と略称する)によって増幅することもできる。具
体的には、本発明の配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列を有するタンパク質をコードするDNAとしては、
例えば、配列番号:4で表わされる塩基配列を有する
DNA、配列番号:4で表わされる塩基配列を有する
DNAにハイストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズし、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有する
タンパク質と同質の活性(例、アポトーシス誘導活性、
ウイルス感染細胞等に対する細胞傷害活性などの活性)
を有するタンパク質をコードするDNAなどが用いられ
る。配列番号:4で表わされる塩基配列を有するDNA
とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズでき
るDNAとしては、例えば、配列番号:4で表わされる
塩基配列と約40%以上、好ましくは約60%以上、よ
り好ましくは80%以上、さらに好ましくは約90%以
上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基
配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0041】本発明の配列番号:2で表わされるアミノ
酸配列を有するタンパク質をコードするDNAとして
は、例えば、配列番号:7で表わされる塩基配列を有
するDNA、配列番号:7で表わされる塩基配列を有
するDNAにハイストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズし、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を有
するタンパク質と同質の活性を有するタンパク質をコー
ドするDNAなどが用いられる。配列番号:7で表わさ
れる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズできるDNAとしては、例えば、配列番号:7
で表わされる塩基配列と約40%以上、好ましくは約6
0%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましく
は約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性
を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
本発明の配列番号:3で表わされるアミノ酸配列を有す
るタンパク質をコードするDNAとしては、例えば、
配列番号:10で表わされる塩基配列を有するDNA、
配列番号:10で表わされる塩基配列を有するDNA
にハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、
配列番号:3で表わされるアミノ酸配列を有するタンパ
ク質と同質の活性を有するタンパク質をコードするDN
Aなどが用いられる。配列番号:10で表わされる塩基
配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
できるDNAとしては、例えば、配列番号:10で表わ
される塩基配列と約40%以上、好ましくは約60%以
上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは約9
0%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有す
る塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。ハイブ
リダイゼーションは、自体公知の方法あるいはそれに準
じる方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Mole
cular Cloning)2nd(J. Sambrook etal., Cold Sprin
g Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従っ
て行なうことができる。また、市販のライブラリーを使
用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行
なうことができる。より好ましくは、ハイストリンジェ
ントな条件に従って行なうことができる。ハイストリン
ジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19
〜40mM、好ましくは約19〜20mMで、温度が約
50〜70℃、好ましくは約60〜65℃の条件を示
す。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温度が約65
℃の場合が最も好ましい。
【0042】より具体的には、配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDN
Aとしては、配列番号:4で表わされる塩基配列を有す
るDNAなどが用いられる。また、本発明の配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコ
ードするDNAを含有するDNAとしては、例えば、配
列番号:5〔図1〕または配列番号:6〔図2〕で表わ
される塩基配列を有するDNAなどが用いられる。配列
番号:2で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク
質をコードするDNAとしては、配列番号:7で表わさ
れる塩基配列を有するDNAなどが用いられる。また、
本発明の配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を含有
するタンパク質をコードするDNAを含有するDNAと
しては、例えば、配列番号:8〔図3〕または配列番
号:9で表わされる塩基配列を有するDNA〔図4〕な
どが用いられる。配列番号:3で表わされるアミノ酸配
列を含有するタンパク質をコードするDNAとしては、
配列番号:10で表わされる塩基配列を有するDNAな
どが用いられる。
【0043】本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、前述した本発明の部分ペプチドをコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリ
ー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞
・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいず
れでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バク
テリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミド
などいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織
よりmRNA画分を調製したものを用いて直接RT-P
CR法によって増幅することもできる。具体的には、配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第8〜21番
目、第55〜59番目(または第54〜59番目)、第
93〜102番目、第109〜116番目、第118〜
126番目、第128〜134番目、第144〜149
番目、第162〜170番目、第176〜182番目、
第184〜189番目、第193〜213番目、第21
5〜219番目および第228〜239番目(または第
228〜240番目)のアミノ酸配列から選ばれる少な
くとも1つのアミノ酸配列を有する部分ペプチドをコー
ドするDNAとしては、例えば、配列番号:4で表わさ
れる塩基配列の第22〜63番目、第163〜177番
目(または第160〜177番目)、第277〜306
番目、第325〜348番目、第352〜378番目、
第382〜402番目、第430〜447番目、第48
4〜510番目、第526〜546番目、第550〜5
67番目、第577〜639番目、第643〜657番
目および第682〜717番目(または第682〜72
0番目)の塩基配列から選ばれる少なくとも1つの塩基
配列を有するDNAなどが用いられる。配列番号:2で
表わされるアミノ酸配列の第6〜20番目、第53〜5
7番目(または第52〜57番目)、第91〜100番
目、第107〜114番目、第116〜124番目、第
126〜132番目、第142〜147番目、第162
〜170番目、第176〜182番目、第184〜18
9番目、第192〜212番目、第214〜218番目
および第227〜238番目(または第227〜239
番目)のアミノ酸配列から選ばれる少なくとも1つのア
ミノ酸配列を有する部分ペプチドをコードするDNAと
しては、例えば、配列番号:7で表わされる塩基配列の
第16〜60番目、第157〜171番目(または第1
54〜171番目)、第271〜300番目、第319
〜342番目、第346〜372番目、第376〜39
6番目、第424〜441番目、第484〜510番
目、第526〜546番目、第550〜567番目、第
574〜636番目、第640〜654番目および第6
78〜714番目(または第678〜717番目)の塩
基配列から選ばれる少なくとも1つの塩基配列を有する
DNAなどが用いられる。配列番号:3で表わされるア
ミノ酸配列の第6〜20番目、第53〜57番目(また
は第52〜57番目)、第91〜100番目、第107
〜114番目、第116〜124番目、第126〜13
2番目、第142〜147番目、第162〜170番
目、第176〜182番目、第184〜189番目、第
192〜212番目、第214〜218番目および第2
27〜238番目(または第227〜239番目)のア
ミノ酸配列から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸配列
を有する部分ペプチドをコードするDNAとしては、例
えば、配列番号:10で表わされる塩基配列の第16〜
60番目、第157〜171番目(または第154〜1
71番目)、第271〜300番目、第319〜342
番目、第346〜372番目、第376〜396番目、
第424〜441番目、第484〜510番目、第52
6〜546番目、第550〜567番目、第574〜6
36番目、第640〜654番目および第678〜71
4番目(または第678〜717番目)の塩基配列から
選ばれる少なくとも1つの塩基配列を有するDNAなど
が用いられる。
【0044】また、配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列の第83番目〜240番目のアミノ酸配列を有する
部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、
配列番号:4で表わされる塩基配列の第247番目〜第
720番目の塩基配列を有するDNA、配列番号:4
で表わされる塩基配列の第247番目〜第720番目の
塩基配列を有するDNAにハイストリンジェントな条件
下でハイブリダイズし、配列番号:1で表わされるアミ
ノ酸配列の第83番目〜240番目のアミノ酸配列を有
する部分ペプチドと同質の活性(例、アポトーシス誘導
活性、ウイルス感染細胞等に対する細胞傷害活性などの
活性)を有する部分ペプチドをコードするDNAなども
用いられる。配列番号:4で表わされる塩基配列の第2
47番目〜第720番目の塩基配列とハイストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、
例えば、配列番号:4で表わされる塩基配列の第247
番目〜第720番目の塩基配列と約40%以上、好まし
くは約60%以上、より好ましくは80%以上、さらに
好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上
の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用い
られる。配列番号:2で表わされるアミノ酸配列の第8
1番目〜239番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチ
ドをコードするDNAとしては、例えば、配列番号:
7で表わされる塩基配列の第241番目〜第717番目
の塩基配列を有するDNA、配列番号:7で表わされ
る塩基配列の第241番目〜第717番目の塩基配列を
有するDNAにハイブリダイズし、配列番号:2で表わ
されるアミノ酸配列の第81番目〜239番目のアミノ
酸配列を有する部分ペプチドと同質の活性(例、アポト
ーシス誘導活性、ウイルス感染細胞等に対する細胞傷害
活性などの活性)を有する部分ペプチドをコードするD
NAなども用いられる。配列番号:7で表わされる塩基
配列の第241番目〜第717番目の塩基配列とハイス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNA
としては、例えば、配列番号:7で表わされる塩基配列
の第241番目〜第717番目の塩基配列と約40%以
上、好ましくは約60%以上、より好ましくは80%以
上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましくは約
95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNA
などが用いられる。
【0045】配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の
第81番目〜239番目のアミノ酸配列を有する部分ペ
プチドをコードするDNAとしては、例えば、配列番
号:10で表わされる塩基配列の第241番目〜第71
7番目の塩基配列を有するDNA、配列番号:10で
表わされる塩基配列の第241番目〜第717番目の塩
基配列を有するDNAにハイブリダイズし、配列番号:
3で表わされるアミノ酸配列の第81番目〜239番目
のアミノ酸配列を有する部分ペプチドと同質の活性
(例、アポトーシス誘導活性、ウイルス感染細胞等に対
する細胞傷害活性などの活性)を有する部分ペプチドを
コードするDNAなども用いられる。配列番号:10で
表わされる塩基配列の第241番目〜第717番目の塩
基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズできるDNAとしては、例えば、配列番号:10で表
わされる塩基配列の第241番目〜第717番目の塩基
配列と約40%以上、好ましくは約60%以上、より好
ましくは80%以上、さらに好ましくは約90%以上、
最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列
を含有するDNAなどが用いられる。ハイブリダイゼー
ションの方法およびハイストリンジェントな条件は、前
記と同様である。より具体的には、配列番号:1で表わ
されるアミノ酸配列の第83番目〜240番目のアミノ
酸配列を有する部分ペプチドをコードするDNAとして
は、配列番号:4で表わされる塩基配列の第247番目
〜第720番目の塩基配列を有するDNAなどが用いら
れる。配列番号:2で表わされるアミノ酸配列の第81
番目〜239番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチド
をコードするDNAとしては、配列番号:7で表わされ
る塩基配列の第241番目〜第717番目の塩基配列を
有するDNAなどが用いられる。配列番号:3で表わさ
れるアミノ酸配列の第81番目〜239番目のアミノ酸
配列を有する部分ペプチドをコードするDNAとして
は、配列番号:10で表わされる塩基配列の第241番
目〜第717番目の塩基配列を有するDNAなどが用い
られる。
【0046】本発明のタンパク質またはその部分ペプチ
ドをコードするDNAのクローニングの手段としては、
本発明のタンパク質をコードするDNAの部分塩基配列
を有する合成DNAプライマーを用いて、PCR法によ
って前記DNAライブラリー等から目的とするDNAを
増幅するか、または適当なベクターに組み込んだDNA
を本発明のタンパク質の一部あるいは全領域を有するD
NA断片もしくは合成DNAを用いて標識したものとの
ハイブリダイゼーションによって選別することができ
る。ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、モレキ
ュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J.
Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 19
89)に記載の方法などに従って行なうことができる。ま
た、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説
明書に記載の方法に従って行なうことができる。DNA
の塩基配列の変換(欠失・付加・置換)は、公知のキッ
ト、例えば、MutanTM-G(宝酒造(株))、MutanTM-K
(宝酒造(株))などを用いて、Gapped duplex法やKun
kel法などの自体公知の方法あるいはそれらに準じる方
法に従って行なうことができる。クローン化された本発
明のタンパク質またはその部分ペプチドをコードするD
NAは、目的によりそのまま、または所望により制限酵
素で消化したり、リンカーを付加したりして使用するこ
とができる。該DNAはその5'末端側に翻訳開始コド
ンとしてのATGを有し、また3'末端側には翻訳終止
コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有してい
てもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドン
は、適当な合成DNAアダプターを用いて付加すること
もできる。本発明のタンパク質またはその部分ペプチド
をコードするDNAの発現ベクターは、例えば、(イ)
本発明のタンパク質をコードするDNAから目的とする
DNA断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発
現ベクター中のプロモーターの下流に連結することによ
り製造することができる。
【0047】ベクターとしては、例えば、大腸菌由来の
プラスミド(例、pBR322,pBR325,pUC
12,pUC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、p
UB110,pTP5,pC194)、酵母由来プラス
ミド(例、pSH19,pSH15)、λファージなど
のバクテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウ
イルス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの
他、pA1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc
/RSV、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本
発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現
に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであればい
かなるものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用
いる場合は、SRαプロモーター、SV40プロモータ
ー、LTRプロモーター、CMV(サイトメガロウイル
ス)プロモーター、HSV-TKプロモーターなどが挙
げられる。これらのうち、CMVプロモーター、SRα
プロモーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェ
リヒア属菌である場合は、trpプロモーター、lac
プロモーター、recAプロモーター、λPLプロモー
ター、lppプロモーターなどが、宿主がバチルス属菌
である場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモ
ーター、penPプロモーターなど、宿主が酵母である
場合は、AOX1プロモーター、PHO5プロモータ
ー、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADH
プロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場
合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーター
などが好ましい。
【0048】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子、アンピシリン耐性遺伝
子(以下、Amprと略称する場合がある)、ネオマイ
シン耐性遺伝子(以下、Neoと略称する場合がある、
G418耐性)等が用いられる。dhfr遺伝子はメソ
トレキセート(MTX)耐性を、NeoはG418耐性
を付与する。特に、dhfr遺伝子欠損チャイニーズハ
ムスター細胞CHOを用いてdhfr遺伝子を選択マー
カーとして使用する場合、チミジンを含まない培地によ
っても目的とする遺伝子を選択することができる。ま
た、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列を、タン
パク質のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌
である場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル
配列などが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−ア
ミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列
などが、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配
列、SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞であ
る場合には、例えばインシュリン・シグナル配列、α−
インターフェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル
配列などがそれぞれ利用できる。このようにして構築さ
れた本発明のタンパク質をコードするDNAを含有する
ベクターを細胞に導入することによって形質転換体を製
造することができる。
【0049】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌としては、例えば、
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH
1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160
(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッズ・
リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,309
(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレキ
ュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biolog
y)〕,120巻,517(1978)〕,HB101
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,4
1巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティック
ス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用
いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・
サチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,
24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャーナ
ル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemis
try),95巻,87(1984)〕などが用いられる。
酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22
-,NA87−11A,DKD−5D,20B−1
2、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomy
ces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピ
キア パストリス(Pichia pastoris)KM71などが
用いられる。昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞とし
ては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21
細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィトロ(in Vit
ro),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫と
しては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。
【0050】動物細胞としては、例えば、サル細胞CO
S−7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO
(以下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャ
イニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhf
-)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−2
0,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細
胞、293細胞、C127細胞、BALB3T3細胞、
Sp−2細胞などが用いられる。これらの中でも、CH
O細胞、CHO(dhfr-)細胞、293細胞などが
好ましい。エシェリヒア属菌を形質転換するには、例え
ば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,211
0(1972)やジーン(Gene),17巻,107(19
82)などに記載の方法に従って行なうことができる。
バチルス属菌を形質転換するには、例えば、モレキュラ
ー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecula
r & General Genetics),168巻,111(197
9)などに記載の方法に従って行なうことができる。酵
母を形質転換するには、例えば、メソッズ・イン・エン
ザイモロジー(Methods in Enzymology),194巻,
182−187(1991)、プロシージングズ・オブ
・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ
・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci.
USA),75巻,1929(1978)などに記載の
方法に従って行なうことができる。昆虫細胞や昆虫を形
質転換するには、例えば、バイオ/テクノロジー(Bio/
Technology),6, 47-55(1988))などに記載の方法に従
って行なうことができる。動物細胞を形質転換するに
は、例えば、細胞工学別冊8 新細胞工学実験プロトコ
ール.263−267(1995)(秀潤社発行)、ヴ
ィロロジー(Virology),52巻,456(1973)に
記載の方法に従って行なうことができる。
【0051】発現ベクターの細胞への導入方法として
は、例えば、リン酸カルシウム法〔Graham, F. L. and
van der Eb, A. J.ヴィロロジー(Virology) 52, 456-
467(1973)〕、電気穿孔法〔Nuemann, E. et al. エン
ボ・ジャーナル(EMBO J.) 1,841-845(1982)〕等が
用いられる。このようにして、本発明のタンパク質をコ
ードするDNAを含有する発現ベクターで形質転換され
た形質転換体を得ることができる。なお、動物細胞を用
いて、本発明のタンパク質を安定に発現させる方法とし
ては、上記の動物細胞に導入された発現ベクターが染色
体に組み込まれた細胞をクローン選択によって選択する
方法がある。具体的には、上記の選択マーカーを指標に
して形質転換体を選択することができる。さらに、この
ように選択マーカーを用いて得られた動物細胞に対し
て、繰り返しクローン選択を行なうことにより本発明の
タンパク質の高発現能を有する安定な動物細胞株を得る
ことができる。また、dhfr遺伝子を選択マーカーと
して用いた場合、MTX濃度を徐々に上げて培養し、耐
性株を選択することにより、dhfr遺伝子とともに、
本発明のタンパク質をコードするDNAを細胞内で増幅
させて、さらに高発現の動物細胞株を得ることもでき
る。上記の形質転換体を本発明のタンパク質またはその
部分ペプチドをコードするDNAが発現可能な条件下で
培養し、本発明のタンパク質またはその部分ペプチドを
生成、蓄積せしめることによって、本発明のタンパク
質、その部分ペプチドまたはそれらの塩を製造すること
ができる。
【0052】宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌で
ある形質転換体を培養する際、培養に使用される培地と
しては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体
の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せ
しめられる。炭素源としては、例えば、グルコース、デ
キストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源として
は、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチ
ープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆
粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機
物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナ
トリウム、塩化マグネシウムなどがそれぞれ用いられ
る。また、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子など
を添加してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
エシェリヒア属菌を培養する際の培地としては、例え
ば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー
(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イ
ン・モレキュラー・ジェネティックス(Journal of Exp
eriments in Molecular Genetics),431−433,
Cold Spring Harbor Laboratory, New York1972〕
が好ましい。ここに必要によりプロモーターを効率よく
働かせるために、例えば3β−インドリル アクリル酸
のような薬剤を加えることができる。宿主がエシェリヒ
ア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24
時間行ない、必要により、通気や撹拌を加えることもで
きる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜
40℃で約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌
を加えることもできる。
【0053】宿主が酵母である形質転換体を培養する
際、培地としては、例えば、バークホールダー(Burkho
lder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、プロシージング
ズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA),77巻,4505(1980)〕や
0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G. A.
ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),81巻,53
30(1984)〕が挙げられる。培地のpHは約5〜
8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜35
℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌
を加える。宿主が昆虫細胞である形質転換体を培養する
際、培地としては、Grace's Insect Medium(Grace, T.
C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(1962))に非動化
した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが
用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整する
のが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行な
い、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿主が動物細胞
である形質転換体を培養する際、培地としては、例え
ば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイ
エンス(Seience),122巻,501(1952)〕,
DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),8巻,39
6(1959)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル
・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーショ
ン(The Jounal of the American Medical Associatio
n)199巻,519(1967)〕,199培地〔プロ
シージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バ
イオロジカル・メディスン(Proceeding of the Societ
y for the Biological Medicine),73巻,1(195
0)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるのが好
ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜72時
間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。特に、C
HO(dhfr-)細胞およびdhfr遺伝子を選択マ
ーカーとして用いる場合、チミジンをほとんど含まない
透析ウシ胎児血清を含むDMEM培地を用いるのが好ま
しい。
【0054】上記培養物から本発明のタンパク質を分離
精製するには、例えば、下記の方法により行なうことが
できる。本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞か
ら抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体ある
いは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音
波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌
体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により
本発明のタンパク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用
い得る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのたん
ぱく変性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤
が含まれていてもよい。培養液中にタンパク質が分泌さ
れる場合には、培養終了後、それ自体公知の方法で菌体
あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集める。このよ
うにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれ
る本発明のタンパク質の精製は、自体公知の分離・精製
法を適切に組み合わせて行なうことができる。これらの
公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの
溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過
法、およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法
などの主として分子量の差を利用する方法、イオン交換
クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、ア
フィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を
利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの
疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等
電点の差を利用する方法などが用いられる。かくして得
られる本発明のタンパク質が遊離体で得られた場合に
は、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって
塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には自
体公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体
または他の塩に変換することができる。なお、組換え体
が産生する本発明のタンパク質を、精製前または精製後
に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意に
修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去すること
もできる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプシ
ン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、
プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられ
る。かくして生成する本発明のタンパク質の存在は、特
異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイなどにより測
定することができる。
【0055】本発明のタンパク質、その部分ペプチドま
たはそれらの塩に対する抗体は、本発明のタンパク質、
その部分ペプチドまたはそれらの塩(以下、本発明のタ
ンパク質等と略記する)を認識し得る抗体であれば、ポ
リクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れであって
もよい。本発明のタンパク質等に対する抗体(以下、本
発明の抗体と略記する)は、本発明のタンパク質等を抗
原として用い、自体公知の抗体または抗血清の製造法に
従って製造することができる。
【0056】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のタンパク質等は、温血動物に対して投与により
抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤
とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高める
ため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイント
アジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎
に1回ずつ、計2〜10回程度行なうことができる。温
血動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモ
ット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが用い
られるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原を
免疫された温血動物、例えば、マウスから抗体価の認め
られた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓または
リンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同
種または異種の骨髄腫細胞と融合させることにより、モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することが
できる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標
識化タンパク質等と抗血清とを反応させたのち、抗体に
結合した標識剤の活性を測定することにより行なうこと
ができる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーと
ミルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495
(1975)〕に従い実施できる。融合促進剤としては、例え
ば、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィ
ルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが用いられ
る。骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、P3U
1、SP2/0、AP−1などの温血動物由来の骨髄腫
細胞が用いられるが、P3U1が好ましく用いられる。
用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数
との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、PE
G(好ましくはPEG1000〜PEG6000)が1
0〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、好ま
しくは30〜37℃で1〜10分間インキュベートする
ことにより効率よく細胞融合を実施することができる。
【0057】モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの
スクリーニングには種々の方法が使用できるが、例え
ば、タンパク質等抗原を直接あるいは担体とともに吸着
させた固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ
培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識し
た抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞が
マウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられ
る)またはプロテインAを加え、固相に結合したモノク
ローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体ま
たはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培
養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識したタン
パク質等を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を
検出する方法などが用いられる。モノクローナル抗体の
選別は、自体公知あるいはそれに準じる方法に従って行
なうことができる。通常HAT(ヒポキサンチン、アミ
ノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地で行
なうことができる。選別および育種用培地としては、ハ
イブリドーマが生育できるものならばどのような培地を
用いても良い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜
20%の牛胎児血清を含むRPMI 1640培地、1
〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業
(株))あるいはハイブリドーマ培養用無血清培地(S
FM−101、日水製薬(株))などを用いることがで
きる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましくは約3
7℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましく
は1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下
で行なうことができる。ハイブリドーマ培養上清の抗体
価は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定
できる。
【0058】(b)モノクロナール抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、自体公知の方法、例
えば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アル
コール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換
体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ
過法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロ
テインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結
合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行な
うことができる。
【0059】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じ
る方法にしたがって製造することができる。例えば、免
疫抗原(タンパク質等抗原)とキャリアー蛋白質との複
合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法と同
様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発明の
ポリクローナル抗体含有物を採取して、抗体の分離精製
を行なうことにより製造することができる。温血動物を
免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアー蛋白質
との複合体に関し、キャリアー蛋白質の種類およびキャ
リアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに架橋させ
て免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、
どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、例
えば、ウシ血清アルブミンやウシサイログロブリン、ヘ
モシアニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜
20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせる方法が
用いられる。また、ハプテンとキャリアーのカプリング
には、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタル
アルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステ
ル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エス
テル試薬等が用いられる。縮合生成物は、温血動物に対
して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、
希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を
高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロ
イントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常約
2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なうこと
ができる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫さ
れた温血動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採
取することができる。抗血清中のポリクローナル抗体価
の測定は、上記の血清中の抗体価の測定と同様にして測
定できる。抗体の分離精製は、上記のモノクローナル抗
体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従
って行なうことができる。
【0060】本発明のタンパク質または部分ペプチドを
コードするDNAまたはmRNAに実質的に相補的な塩
基配列を有するアンチセンスDNAとしては、本発明の
タンパク質または部分ペプチドをコードするDNAまた
はmRNAの塩基配列またはその一部の塩基配列に実質
的に相補的な塩基配列を有し、該タンパク質または部分
ペプチドの発現を抑制し得る作用を有するオリゴヌクレ
オチドまたはその誘導体であれば、いずれのアンチセン
スDNAであってもよい。該DNAまたはmRNAに実
質的に相補的な塩基配列とは、例えば、該DNAまたは
mRNAに相補的な塩基配列(すなわち、該DNAまた
はmRNAの相補鎖)の全塩基配列または部分塩基配列
と約40%以上、好ましくは約60%以上、より好まし
くは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上の相
同性を有する塩基配列などが挙げられる。特に、本発明
のDNAまたはmRNAの相補鎖の全塩基配列うち、本
発明のタンパク質等のN末端部位をコードする部分の塩
基配列(例えば、開始コドン付近の塩基配列など)の相
補鎖と約40%以上、好ましくは約60%以上、より好
ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上
の相同性を有するアンチセンスDNAが好適である。こ
れらのアンチセンスDNAは、公知のDNA合成装置な
どを用いて製造することができる。
【0061】本発明のタンパク質、その部分ペプチドま
たはそれらの塩は、例えば、アポトーシス誘導活性、ウ
イルス感染細胞等に対する細胞傷害活性などの作用を有
している。したがって、本発明のタンパク質、その部分
ペプチドまたはそれらの塩はさまざまな用途に用いるこ
とができる。以下に、本発明のタンパク質、その部分ペ
プチドまたはそれらの塩(以下、本発明のタンパク質等
と略記する場合がある)、本発明のタンパク質等をコー
ドするDNA(以下、本発明のDNAと略記する場合が
ある)、本発明のタンパク質等に対する抗体(本発明の
抗体と略記する場合がある)およびアンチセンスDNA
の用途を説明する。
【0062】(1)各種疾病の治療・予防剤などの医薬 例えば、生体内においてFasリガンドが減少あるいは
欠損しているために、細胞における、Fasリガンドの
機能が十分に、あるいは正常に発揮されない患者がいる
場合に、(イ)本発明のDNAを該患者に投与し、生体
内で本発明のタンパク質等を発現させることによって、
(ロ)細胞に本発明のDNAを挿入し、本発明のタンパ
ク質等を発現させた後に、該細胞を患者に移植すること
によって、(ハ)本発明のタンパク質等を該患者に投与
することなどによって、該患者における本発明のタンパ
ク質等の役割を十分に、あるいは正常に発揮させること
ができる。したがって、本発明のタンパク質等および本
発明のDNAは、例えば、癌(例、乳癌、前立腺癌、卵
巣癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴う癌、脳腫
瘍、膀胱癌、子宮頸部癌、大腸癌(結腸/直腸癌)、非
小細胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌など)、ウイルス感染
(例、エイズウイルス感染初期、ヘルペスウイルス感
染、アデノウイルス感染、ボックスウイルス感染、水痘
-帯状疱疹ウイルス感染、ヒトパピローマウイルス感染
など)、ヘリコバクター・ピロリ感染、侵襲性ブドウ状
球菌感染肝炎(例、A型肝炎、C型肝炎など)、腎炎、
自己免疫性疾患(例、全身性エリテマトーデス、免疫関
連糸球体腎炎など)、骨疾患(例、リウマチ関節炎
(例、リウマチにおける滑膜細胞の異常増殖)など)、
動脈硬化症、痛みなどの疾病、好ましくは、癌(例、乳
癌、前立腺癌、卵巣癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異
を伴う癌など)、ウイルス感染(例、エイズウイルス感
染初期、ヘルペスウイルス感染、アデノウイルス感染、
ボックスウイルス感染など)、肝炎、腎炎、リウマチ関
節炎、動脈硬化症、自己免疫性疾患(例、全身性エリテ
マトーデス、免疫関連糸球体腎炎など)などの疾病の治
療・予防剤などの医薬として有用である。本発明のDN
Aを上記の治療・予防剤として使用する場合は、該DN
Aを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイ
ルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイル
スベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手
段に従ってヒトまたは温血動物に投与することができ
る。本発明のDNAは、そのままで、あるいは摂取促進
のために補助剤などの生理学的に認められる担体ととも
に製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのよう
なカテーテルによって投与できる。本発明のタンパク質
等を上記の治療・予防剤として使用する場合は、少なく
とも90%、好ましくは95%以上、より好ましく98
%以上、さらに好ましくは99%以上に精製されたもの
を使用するのが好ましい。
【0063】本発明のタンパク質等を上記の医薬として
使用する場合は、例えば、必要に応じて糖衣を施した錠
剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤な
どとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学
的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤など
の注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、本発明
のタンパク質等あるいはDNAを生理学的に認められる
担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結
合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求され
る単位用量形態で混和することによって製造することが
できる。これら製剤における有効成分量は指示された範
囲の適当な容量が得られるようにするものである。本発
明のDNAを用いる場合は、該DNAを単独あるいはレ
トロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデ
ノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適
当なベクターに挿入した後、常套手段に従って実施する
ことができる。錠剤、カプセル剤などに混和することが
できる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスタ
ーチ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶
性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例えば、エタノールなど)、
ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコールなど)、非イオン性界面活性剤(例
えば、ポリソルベート80TM、HCO−50など)など
と併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、
大豆油などが用いられ、溶解補助剤として安息香酸ベン
ジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。ま
た、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム
緩衝液など)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清
アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調整された注射液は、
通常、適当なアンプルに充填される。本発明のDNAが
挿入されたベクターも上記と同様に製剤化され、通常、
非経口的に使用される。
【0064】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、ヒトまたは哺乳動物(例え
ば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与
することができる。本発明のタンパク質等の投与量は、
対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はある
が、例えば、癌治療目的で本発明のタンパク質等を経口
投与する場合、一般的に成人(60kgとして)におい
ては、一日につき該タンパク質等を約0.1mg〜10
0mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましく
は約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場
合は、該タンパク質等の1回投与量は投与対象、対象疾
患などによっても異なるが、例えば、癌治療目的で本発
明のタンパク質等を注射剤の形で成人(体重60kgと
して)に投与する場合、一日につき該タンパク質等を約
0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20m
g程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を患部
に注射することにより投与するのが好都合である。他の
動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与する
ことができる。
【0065】(2)遺伝子診断剤 本発明のDNAは、プローブとして使用することによ
り、ヒトまたは温血哺乳動物(例えば、ラット、マウ
ス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)における本発明のタンパ
ク質またはその部分ペプチドをコードするDNAの異常
(遺伝子異常)を検出することができる。したがって、
本発明のDNAは、本発明のタンパク質等が関与する各
種疾病の遺伝子診断剤として有用である。例えば、本発
明のタンパク質またはその部分ペプチドをコードするm
RNAが増加し、あるいはタンパク質の発現が増加して
いることが検出された場合は、例えば、エイズ、神経変
性疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎
縮性側索硬化症、色素性網膜炎、小脳変性など)、骨髄
異形成疾患(例、再生不良性貧血など)、虚血性疾患
(例、心筋梗塞、脳卒中など)、リウマチにおける関節
組織の破壊、炎症、肝炎(例、劇症肝炎)、自己免疫性
疾患(例、全身性エリテマトーデス、免疫関連糸球体腎
炎など)、心筋症(例、拡張型心筋症)、糖尿病、糖尿
病性合併症(例、糖尿病性合併症、糖尿病性腎症、糖尿
病性神経障害、糖尿病性網膜症)、インフルエンザ感
染、糸球体腎炎、潰瘍性大腸炎などの疾患、特に、エイ
ズ、リウマチにおける関節組織の破壊、炎症、肝炎、自
己免疫性疾患などの疾患である、または罹患する可能性
が高いと診断することができる。一方、本発明のタンパ
ク質またはその部分ペプチドをコードするDNAまたは
mRNAが損傷し、欠損し、あるいはタンパク質の発現
が減少していることが検出された場合は、例えば、癌、
ウイルス感染、ヘリコバクター・ピロリ感染、侵襲性ブ
ドウ状球菌感染、肝炎、腎炎、リウマチ関節炎、動脈硬
化症、自己免疫性疾患などの疾病であると診断すること
ができる。本発明のDNAを用いる上記の遺伝子診断
は、例えば、自体公知のノーザンハイブリダイゼーショ
ンやPCR−SSCP法(ゲノミックス(Genomics),
第5巻,874〜879頁(1989年)、プロシージ
ングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ
イエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceedings ofth
e Natinal Academy of Sciences of the United States
of America),第86巻,2766〜2770頁(1
989年))などにより実施することができる。例え
ば、ノーザンハイブリダイゼーションにより該mRNA
の発現過多が検出された場合は、例えば、エイズ、神経
変性疾患、骨髄異形成疾患、虚血性疾患、リウマチにお
ける関節組織の破壊、炎症、肝炎、自己免疫性疾患、心
筋症、糖尿病、糖尿病性合併症、インフルエンザ感染、
糸球体腎炎、潰瘍性大腸炎などの疾患、特に、エイズ、
リウマチにおける関節組織の破壊、炎症、肝炎、自己免
疫性疾病である、または将来罹患する可能性が高いと診
断することができる。一方、ノーザンハイブリダイゼー
ションにより該mRNAの発現低下が検出された場合
は、例えば、癌、ウイルス感染、ヘリコバクター・ピロ
リ感染、侵襲性ブドウ状球菌感染、肝炎、腎炎、リウマ
チ関節炎、動脈硬化症、自己免疫性疾患などの疾病であ
る、または将来罹患する可能性が高いと診断することが
できる。また、CR−SSCP法によりDNAの突然変
異が検出された場合は、例えば、癌、ウイルス感染、肝
炎、腎炎、リウマチ関節炎、動脈硬化症、自己免疫性疾
患、エイズ、神経変性疾患、骨髄異形成疾患、虚血性疾
患、リウマチにおける関節組織の破壊、炎症、心筋症、
糖尿病、糖尿病性合併症、インフルエンザ感染、糸球体
腎炎、潰瘍性大腸炎などの疾病である、または将来罹患
する可能性が高いと診断することができる。
【0066】(3)本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはそれらの塩の定量 本発明の抗体は、本発明のタンパク質等を特異的に認識
することができるので、被検液中の本発明のタンパク質
等の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量など
に使用することができる。すなわち、本発明は、(i)
本発明の抗体と、被検液および標識化された本発明のタ
ンパク質等とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標
識化された本発明のタンパク質等の割合を測定すること
を特徴とする被検液中の本発明のタンパク質等の定量
法、および(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の
抗体および標識化された本発明の別の抗体とを同時ある
いは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の
活性を測定することを特徴とする被検液中の本発明のタ
ンパク質等の定量法を提供する。上記(ii)の定量法に
おいては、一方の抗体が本発明のタンパク質等のN端部
を認識する抗体で、他方の抗体が本発明のタンパク質等
のC端部に反応する抗体であることが望ましい。
【0067】また、本発明のタンパク質等に対するモノ
クローナル抗体(以下、モノクローナル抗体と称する場
合がある)を用いて本発明のタンパク質等の定量を行な
えるほか、組織染色等による検出を行なうこともでき
る。これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよ
く、また、抗体分子のF(ab')2 、Fab'、あるいは
Fab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる本発
明のタンパク質等の定量法は、 特に制限されるべきも
のではなく、被測定液中の抗原量(例えば、タンパク質
量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の
量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知
量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算
出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよ
い。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリッ
ク法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感
度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるの
が特に好ましい。標識物質を用いる測定法に用いられる
標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光
物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素とし
ては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14
C〕などが、上記酵素としては、安定で比活性の大きな
ものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−
グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキ
シダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが、蛍光物質として
は、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチ
オシアネートなどが、発光物質としては、例えば、ルミ
ノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニン
などがそれぞれ用いられる。さらに、抗体あるいは抗原
と標識剤との結合にビオチン−アビジン系を用いること
もできる。
【0068】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは酵
素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用
いる方法でもよい。担体としては、例えば、アガロー
ス、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポ
リスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹
脂、あるいはガラスなどが用いられる。サンドイッチ法
においては不溶化したモノクローナル抗体に被検液を反
応させ(1次反応)、さらに標識化したモノクローナル
抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化担体上の標
識剤の活性を測定することにより被検液中の本発明のタ
ンパク質量等を定量することができる。1次反応と2次
反応は逆の順序に行っても、また、同時に行なってもよ
いし時間をずらして行なってもよい。標識化剤および不
溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。ま
た、サンドイッチ法による免疫測定法において、固相用
抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1
種類である必要はなく、測定感度を向上させる等の目的
で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本発明の
サンドイッチ法による本発明のタンパク質等の測定法に
おいては、1次反応と2次反応に用いられる本発明のモ
ノクローナル抗体は、本発明のタンパク質等の結合する
部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すなわち、
1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例えば、
2次反応で用いられる抗体が、本発明のタンパク質等の
C端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗体は、
好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識する抗体が
用いられる。
【0069】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B
/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液
中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶
性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、
前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、およ
び、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、
第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗
体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリック
法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識
化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する
か、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体と
を反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体
を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次
に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を
定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは
溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量
を測定する。被検液中の抗原量僅かであり、少量の沈降
物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレ
ーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0070】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のタンパク質等の測定系を構築すればよい。これらの
一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを
参照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイ
ムノアッセイ〕(講談社、昭和49年発行)、入江 寛
編「続ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochem
ical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochem
ical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochem
ical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochem
ical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、
同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Mono
clonal Antibodies and General Immunoassay Method
s))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part
I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodie
s))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照する
ことができる。以上のようにして、本発明の抗体を用い
ることによって、本発明のタンパク質等を感度良く定量
することができる。
【0071】さらには、本発明の抗体を用いて本発明の
タンパク質等の濃度を定量することによって、本発明の
タンパク質が関与する各種疾病の診断を行なうことがで
きる。例えば、本発明のタンパク質等の濃度の減少が検
出された場合は、例えば、癌、ウイルス感染、肝炎、腎
炎、リウマチ関節炎、動脈硬化症、自己免疫性疾患など
の疾病である、または将来罹患する可能性が高いと診断
することができる。一方、本発明のタンパク質等の濃度
の増加が検出された場合は、例えば、エイズ、神経変性
疾患、骨髄異形成疾患、虚血性疾患、リウマチにおける
関節組織の破壊、炎症、肝炎、自己免疫性疾患、心筋
症、糖尿病、糖尿病性合併症、インフルエンザ感染、糸
球体腎炎、潰瘍性大腸炎などの疾患、特に、エイズ、リ
ウマチにおける関節組織の破壊、炎症、肝炎、自己免疫
性疾病などの疾患である、または将来罹患する可能性が
高いと診断することができる。このように、本発明の抗
体は上記疾患の診断剤として有用である。また、本発明
の抗体は、体液や組織などの被検体中に存在する本発明
のタンパク質等を検出するために使用することができ
る。さらに、本発明のタンパク質等を精製するために使
用する抗体カラムの作製、精製時の各分画中の本発明の
タンパク質等の検出、被検細胞における本件タンパク質
の挙動の検出などのために使用することができる。
【0072】(4)本発明の抗体を含有する医薬 本発明の抗体のうち、本発明のタンパク質等の活性を中
和することができる抗体は、例えば、エイズ、神経変性
疾患、骨髄異形成疾患、虚血性疾患、リウマチにおける
関節組織の破壊、炎症、肝炎、自己免疫性疾患、心筋
症、糖尿病、糖尿病性合併症、インフルエンザ感染、糸
球体腎炎、潰瘍性大腸炎などの疾患、特に、エイズ、リ
ウマチにおける関節組織の破壊、炎症、肝炎、自己免疫
性疾病などの疾患の予防・治療剤などの医薬として使用
することができる。本発明の抗体を含有する上記疾患の
治療・予防剤は、そのまま液剤として、または適当な剤
型の医薬組成物として、ヒトまたは哺乳動物(例、ラッ
ト、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して経口的または非経口的に投与することがで
きる。投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルー
トなどによっても異なるが、例えば、成人のエイズの治
療・予防のために使用する場合には、本発明の抗体を1
回量として、通常0.01〜20mg/kg体重程度、
好ましくは0.1〜10mg/kg体重程度、さらに好
ましくは0.1〜5mg/kg体重程度を、1日1〜5
回程度、好ましくは1日1〜3回程度、静脈注射により
投与するのが好都合である。他の非経口投与および経口
投与の場合もこれに準ずる量を投与することができる。
症状が特に重い場合には、その症状に応じて増量しても
よい。本発明の抗体は、それ自体または適当な医薬組成
物として投与することができる。上記投与に用いられる
医薬組成物は、上記またはその塩と薬理学的に許容され
得る担体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むものである。
かかる組成物は、経口または非経口投与に適する剤形と
して提供される。すなわち、例えば、経口投与のための
組成物としては、固体または液体の剤形、具体的には錠
剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、
顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含
む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などがあげられる。か
かる組成物は自体公知の方法によって製造され、製剤分
野において通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤
を含有するものである。例えば、錠剤用の担体、賦形剤
としては、乳糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネ
シウムなどが用いられる。
【0073】非経口投与のための組成物としては、例え
ば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射
剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤
などの剤形を包含する。かかる注射剤は、自体公知の方
法に従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射
剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁
または乳化することによって調製する。注射用の水性液
としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補
助薬を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、
例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコー
ル(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、
HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of
hydrogenated castor oil)〕などと併用してもよい。
油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどを併用してもよい。調製された注射液は、通
常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられ
る坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に
混合することによって調製される。上記の経口用または
非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するよ
うな投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。
かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル
剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞ
れの投薬単位剤形当たり通常5〜500mg、とりわけ
注射剤では5〜100mg、その他の剤形では10〜2
50mgの上記抗体が含有されていることが好ましい。
なお前記した各組成物は、上記抗体との配合により好ま
しくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有し
てもよい。
【0074】(5)医薬候補化合物のスクリーニング (A)本発明のタンパク質等とレセプターとの結合性を
変化させる化合物のスクリーニング方法 本発明のタンパク質等は、TNFレセプターファミリー
に属するレセプター(以下、レセプターと略記する)に
特異的に結合することができるので、本発明のタンパク
質等と該レセプターを用いたリガンド・レセプター結合
アッセイ系を構築することによって、TNFリガンドフ
ァミリー(例えば、TNF、リンホトキシン−α、リン
ホトキシン−β、Fasリガンド、神経成長因子など)
と同様の作用を有する医薬候補化合物のスクリーニング
や、本発明のタンパク質等の作用を阻害する医薬候補化
合物のスクリーニングを行なうことができる。すなわ
ち、本発明は、本発明のタンパク質等を用いる、本発明
のタンパク質等とレセプターとの結合性を変化させる化
合物のスクリーニング方法を提供する。このような本発
明のタンパク質等とレセプターとの結合性を変化させる
化合物には、(イ)該レセプターを介した細胞刺激活性
(例えば、DNA合成促進、アラキドン酸遊離、アセチ
ルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生
成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細
胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの
活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制する
活性など)、アポトーシス誘導作用、細胞傷害活性など
の活性を有する化合物(いわゆるアゴニスト)、(ロ)
該細胞刺激活性、アポトーシス誘導作用、細胞傷害活性
などの活性を有しない化合物(いわゆるアンタゴニス
ト)、(ハ)本発明のタンパク質等とレセプターとの結
合力を増強する化合物、あるいは(ニ)本発明のタンパ
ク質等とレセプターとの結合力を減少させる化合物など
が含まれる(なお、上記(イ)の化合物は、前記したリ
ガンド決定方法によってスクリーニングすることが好ま
しい)。
【0075】すなわち、本発明は、(1)(i)レセプ
ターまたはその部分ペプチドに、本発明のタンパク質等
を接触させた場合と(ii)レセプターまたはその部分ペ
プチドに、本発明のタンパク質等および試験化合物を接
触させた場合との比較を行なうことを特徴とする、本発
明のタンパク質等とレセプターとの結合性を変化させる
化合物またはその塩のスクリーニング方法、(2)
(i)レセプターを含有する細胞またはその細胞膜画分
に、本発明のタンパク質等を接触させた場合と(ii)レ
セプターを含有する細胞またはその細胞膜画分に、本発
明のタンパク質等および試験化合物を接触させた場合と
の比較を行なうことを特徴とする、本発明のタンパク質
等とレセプターとの結合性を変化させる化合物またはそ
の塩のスクリーニング方法、および(3)(i)レセプ
ターを含有する細胞またはその細胞膜画分に、本発明の
タンパク質を含有する細胞またはその細胞膜画分を接触
させた場合と(ii)レセプターを含有する細胞またはそ
の細胞膜画分に、本発明のタンパク質を含有する細胞ま
たはその細胞膜画分および試験化合物を接触させた場合
との比較を行なうことを特徴とする、本発明のタンパク
質等とレセプターとの結合性を変化させる化合物または
その塩のスクリーニング方法を提供する。
【0076】具体的には、本発明のスクリーニング方法
においては、(i)と(ii)の場合における、例えば、
レセプターまたはレセプターを含有する細胞等に対する
本発明のタンパク質等の結合量、アポトーシス誘導活
性、細胞傷害活性などの活性を測定して、比較すること
を特徴とするものである。より具体的には、本発明は、
(1a)(i)標識した本発明のぺプチド等を、レセプ
ターまたはその部分ペプチドに接触させた場合と、(i
i)標識した本発明のタンパク質等および試験化合物
を、レセプターまたはその部分ペプチドに接触させた場
合における、標識した本発明のタンパク質等の該レセプ
ターまたはその部分ペプチドまたはそれらの塩に対する
結合量を測定し、比較することを特徴とする、本発明の
タンパク質等とレセプターとの結合性を変化させる化合
物またはその塩のスクリーニング方法、(2a)(i)
標識した本発明のタンパク質等を、レセプターを含有す
る細胞またはその細胞膜画分に接触させた場合と、(i
i)標識した本発明のタンパク質等および試験化合物
を、レセプターを含有する細胞またはその細胞膜画分に
接触させた場合における、標識した本発明のタンパク質
等の該細胞またはその細胞膜画分に対する結合量を測定
し、比較することを特徴とする、本発明のタンパク質等
とレセプターとの結合性を変化させる化合物またはその
塩のスクリーニング方法、(2b)(i)本発明のタン
パク質等を、レセプターを含有する細胞に接触させた場
合と、(ii)本発明のタンパク質および試験化合物を、
レセプターを含有する細胞に接触させた場合における、
レセプターを介した細胞刺激活性(例えば、DNA合成
促進、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内
Ca2+濃度の変動、細胞内cAMP生成、細胞内cGM
P生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細
胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低
下、細胞の遊走活性などを促進する活性または抑制する
活性など)、アポトーシス誘導活性、細胞傷害活性など
の活性を測定し、比較することを特徴とする、本発明の
タンパク質等とレセプターとの結合性を変化させる化合
物またはその塩のスクリーニング方法、
【0077】(3a)(i)本発明のタンパク質を含有
する細胞またはその細胞膜画分を、レセプターを含有す
る細胞に接触させた場合と、(ii)本発明のタンパク質
を含有する細胞またはその細胞膜画分および試験化合物
を、レセプターを含有する細胞に接触させた場合におけ
る、レセプターを介した細胞刺激活性(例えば、DNA
合成促進、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細
胞内Ca2+濃度の変動、細胞内cAMP生成、細胞内c
GMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変
動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、p
Hの低下、細胞の遊走活性などを促進する活性または抑
制する活性など)、アポトーシス誘導活性、細胞傷害活
性などの活性を測定し、比較することを特徴とする、本
発明のタンパク質等とレセプターとの結合性を変化させ
る化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供す
る。上記の(1a)または(2a)のスクリーニング方
法において、レセプターに結合して、本発明のタンパク
質等とレセプターとの結合を阻害する化合物が、本発明
のタンパク質等とレセプターとの結合性を変化させる化
合物として選択できる。上記(2b)または(3a)の
スクリーニング方法において、レセプターに結合し、該
レセプターを介した細胞刺激活性(例えば、DNA合成
促進、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内
Ca2+濃度の変動、細胞内cAMP生成、細胞内cGM
P生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細
胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低
下、細胞の遊走活性などを促進する活性または抑制する
活性など)、アポトーシス誘導活性、細胞傷害活性など
の活性を有する化合物をレセプターアゴニストとして選
択することができ、一方、レセプターと結合するが、該
細胞刺激活性、アポトーシス誘導活性などの活性を有し
ない化合物をレセプターアンタゴニストとして選択する
ことができる。また、上記の(1a)または(2a)の
スクリーニング方法において、本発明のタンパク質等と
レセプターとの結合性を変化させる活性が認められた試
験化合物の中で、該アポトーシス誘導活性等を有する化
合物をレセプターアゴニストとして選択することがで
き、該アポトーシス誘導活性等を有しない化合物をレセ
プターアンタゴニストとして選択することができる。
【0078】本発明のスクリーニング方法に用いられる
レセプターとしては、本発明のタンパク質等が結合し得
るレセプターであればいずれのものでもよく、例えば、
TNFレセプターファミリーに属するレセプターや本発
明のタンパク質等に対するレセプターが用いられる。T
NFレセプターファミリーに属するレセプターとして
は、例えば、TNFレセプター(55kDa:セル(Ce
ll)61, p351-359, 1990;75kDa:サイエンス(Sc
ience)248, 1019-1023, 1990)、リンホトキシン−β
レセプター、Fas(セル(Cell)66, p233-243, 199
1)、CD27(ザ・ジャーナル・オブ・イムノロジー
(The Journal of Immunology)147, p3165-3169, 199
1)、CD30(セル(Cell)68, p421-427, 1992)、
CD40(ザ・エンボ・ジャーナル(The EMBO Journa
l)8, p1403-1410, 1989)、OX40(ヨーロッピアン
・ジャーナル・イムノロジー(European Journal Immun
ology)24/3, p677-683, 1994)、DR4(サイエンス
(Science)276, 111-113, 1997)、DR3/WSL−
1(ネイチャー(NATURE)384, 372-375, 1996;サイエ
ンス(Science)274, 990-992, 1996)、TR2(ザ・
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Th
e Journal of Biological Chemistry)272, p14272-142
76, 1997)などが用いられる。これらのレセプターおよ
び本発明のタンパク質等に対するレセプターは、自体公
知のタンパク質の精製方法に従って入手することがで
き、また、自体公知の遺伝子工学的手法に従って該レセ
プターをコードするDNAをクローニングした後、前記
した本発明のタンパク質等の発現方法に従って目的とす
るレセプターを入手することもできる。該レセプターの
部分ペプチドとしては、全長レセプターを適当に切断し
て得られる部分ペプチドを用いることができる。標識し
た本発明のタンパク質等としては、例えば、〔3H〕、
125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識した本発明
のタンパク質等などを用いることができる。
【0079】本発明のスクリーニング方法に用いられる
上記レセプターを含有する細胞としては、前記した本発
明のタンパク質等を発現させるために用いる宿主細胞と
して列記したものと同様のものを用いることができる
が、なかでも、CHO細胞などが好ましい。レセプター
を含有する細胞は、レセプターをコードするDNAを用
いて、自体公知の方法、例えば、前記した本発明のタン
パク質の発現方法などに従って製造することができる。
また、上記レセプターを含有する細胞として、Jurkat細
胞株、U937細胞株(以上、ザ・ジャーナル・オブ・
バイオロジカル・ケミストリー(THE JOURNAL OF BIOLO
GICAL CHEMISTRY)271, 12691-12694, 1996))、He
pG2細胞株、THP−1細胞株などの株化細胞を用い
ることもできる。本発明のスクリーニング方法に用いら
れる本発明のタンパク質等を含有する細胞としては、前
記した本発明のタンパク質等を発現させるために用いる
宿主細胞として列記したものと同様のものを用いること
ができるが、なかでも、CHO細胞などが好ましい。レ
セプターを含有する細胞は、レセプターをコードするD
NAを用いて、自体公知の方法、例えば、前記した本発
明のタンパク質の発現方法などに従って製造することが
できる。本発明のスクリーニング方法において、レセプ
ターを含有する細胞または本発明のタンパク質等を含有
する細胞を用いる場合、該細胞をグルタルアルデヒド、
ホルマリンなどで固定化することができる。固定化方法
は、それ自体公知の方法に従って行なうことができる。
また、本発明のタンパク質等を含有する組織として、各
種動物の肝臓、脾臓等またはそれらの膜画分を用いるこ
とができる。
【0080】上記レセプターを含有する細胞または本発
明のタンパク質等を含有する細胞の細胞膜画分として
は、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法で得られる
細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方
法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞
を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン
(Kinematica社製)のよる破砕、超音波による破砕、フ
レンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから
噴出させることによる破砕などが挙げられる。細胞膜の
分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの
遠心力による分画法が主として用いられる。例えば、細
胞破砕液を低速(500rpm〜3000rpm)で短
時間(通常、約1分〜10分)遠心し、上清をさらに高
速(15000rpm〜30000rpm)で通常30
分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜
画分中には、発現したレセプターまたは本発明のタンパ
ク質等と、細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分
が多く含まれる。該レセプターを含有する細胞やその細
胞膜画分中のレセプターの量は、1細胞当たり103
108分子であるのが好ましく、105〜107分子であ
るのが好適である。なお、発現量が多いほど膜画分当た
りのリガンド結合活性(比活性)が高くなり、高感度な
スクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、同
一ロットで大量の試料を測定できるようになる。
【0081】試験化合物としては、例えば、ペプチド、
タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生
産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿
などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であって
もよいし、公知の化合物であってもよい。本発明のスク
リーニング方法において、本発明のタンパク質等とレセ
プターとの反応は、通常約37℃で数時間(例えば、2
0分〜24時間、好ましくは30分〜3時間)行なうこ
とができる。具体的には、上記の(1a)または(2
a)のスクリーニング方法を実施するには、まず、レセ
プターを含有する細胞またはその細胞膜画分、あるいは
レセプターまたはその部分ペプチドを、スクリーニング
に適したバッファーに懸濁することによりレセプター標
品を調製する。バッファーには、pH約4〜10(望ま
しくは、pH約6〜8)のリン酸バッファー、トリス−
塩酸バッファーなどの、本発明のタンパク質等とレセプ
ターとの結合を阻害しないバッファーであればいずれで
もよい。また、非特異的結合を低減させる目的で、CH
APS、Tween−80TM(花王−アトラス社)、ジ
ギトニン、デオキシコレートなどの界面活性剤をバッフ
ァーに加えることもできる。さらに、プロテアーゼによ
るレセプターやリガンドの分解を抑える目的で、PMS
F、ロイペプチン、バシトラシン、アプロチニン、E−
64(タンパク質研究所製)、ペプスタチンなどのプロ
テアーゼ阻害剤を添加することもできる。一方、細胞が
固定化細胞の場合、培養器に固定化させたまま、つまり
細胞を生育させた状態で、あるいはグルタルアルデヒド
やパラホルムアルデヒドで固定した細胞を用いて、本発
明のタンパク質等とレセプターを結合させることができ
る。
【0082】この場合、該緩衝液は培地やハンクス液な
どが用いられる。そして、0.01ml〜10mlの該
レセプター溶液に、一定量(例えば、2000Ci/m
molの場合、約10000cpm〜1000000c
pm)の標識した本発明のタンパク質等(例えば、〔
125I〕で標識した本発明のタンパク質等)を添加し、
同時に10-4M〜10-10Mの試験化合物を共存させ
る。非特異的結合量(NSB)を知るために大過剰の未
標識の本発明のタンパク質等を加えた反応チューブも用
意する。反応は0℃から50℃、望ましくは4℃から3
7℃で20分から24時間、望ましくは30分から3時
間行なう。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の
同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存する
放射活性(例えば、〔125I〕の量)を液体シンチレー
ションカウンターまたはγ−カウンターで測定する。濾
過には、マニホールドやセルハーベスターを用いること
ができるが、セルハーベスターを用いることが効率を上
げるために望ましい。拮抗する物質がない場合のカウン
ト(B0)から非特異的結合量(NSB)を引いたカウン
ト(B0−NSB)を100%とした時、特異的結合量
(B−NSB)が、例えばカウント(B0−NSB)の
50%以下になる試験化合物をアゴニストまたはアンタ
ゴニスト候補化合物として選択することができる。
【0083】また、上記(2b)または(3a)のスク
リーニング方法を実施するためには、レセプターを介し
た細胞刺激活性(例えば、DNA合成促進、アラキドン
酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+濃度の変
動、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシ
トールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリ
ン酸化、c−fos活性化、pHの低下、細胞の遊走活
性などを促進する活性または抑制する活性など)、アポ
トーシス誘導活性、細胞傷害活性などの活性を公知の方
法あるいはそれに準じる方法に従って測定することがで
きる。具体的には、まず、レセプターを含有する細胞を
マルチウェルプレート等に培養する。スクリーニングを
行なうにあたっては前もって新鮮な培地あるいは細胞に
毒性を示さない適当なバッファーに交換し、試験化合物
などを添加して一定時間インキュベートした後、細胞を
抽出あるいは上清液を回収して、生成した産物をそれぞ
れ自体公知の方法に従って定量する。細胞刺激活性の指
標とする物質(例えば、アラキドン酸など)の生成が、
細胞が含有する分解酵素によって検定困難な場合は、該
分解酵素に対する阻害剤を添加してアッセイを行なって
もよい。また、cAMP産生抑制などの活性について
は、フォルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増大さ
せておいた細胞に対する産生抑制作用として検出するこ
とができる。
【0084】アポトーシスとは、例えば、細胞縮小、ク
ロマチン凝縮、核濃縮、細胞表面微絨毛消失、大小突起
の出現(blebbing)、アポトーシス小体形成、細胞縮小
に伴う周辺細胞との間隙、隣接細胞による貧食除去など
をいう(日本臨床,第54巻,第7号(1996))。アポ
トーシス誘導活性は、例えば、細胞工学別冊 実験プロ
トコールシリーズ,アポトーシス実験プロトコール(19
94年12月20日発行、秀潤社)などに従って、アポトーシ
スの形態学的解析または生化学的解析を行なうことによ
って測定することができる。アポトーシスの形態学的解
析法としては、例えば、光学顕微鏡によるアポトーシス
観察(例、位相差顕微鏡による観察,色素染色による浮
遊または接着細胞の観察,蛍光染色による観察などの細
胞形態の観察、パラフィン切片の作製,ヘマトキシリン
・エオジン染色標本の作製などの組織形態の観察な
ど)、電子顕微鏡によるアポトーシスの観察(例、薄片
作製および電子染色法など)などが用いられる。アポト
ーシスの生化学的解析法としては、例えば、DNA断片
化の解析(例、アガロースゲル電気泳動法など)、細胞
死の判定法(例、クリスタルバイオレット法、MTT
法、LDH法など)などが用いられる。細胞障害活性の
測定は、ルービエ E.(Rouvier E.)等の方法に準じて行
なうことができる(ジャーナル・オブ・エクスペリメン
タル・メディシン(Journal ofExperimental Medicin
e)177巻、195-200頁、1993年)。上記(2b)または
(3a)のスクリーニング方法において、試験化合物を
添加した際にレセプターを含有する細胞がアポトーシ
ス、細胞傷害などを起こした場合、該試験化合物をレセ
プターアゴニスト候補化合物として選択することができ
る。一方、試験化合物を添加した際にレセプターを含有
する細胞のアポトーシス、細胞傷害などが抑制された場
合、該試験化合物をレセプターアンタゴニスト候補化合
物として選択することができる。
【0085】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明のタンパク質等、好ましくはさらに、レセプターを含
有する細胞もしくはその細胞膜画分等を含有するもので
ある。本発明のスクリーニング用キットの例としては、
次のものが挙げられる。 〔スクリーニング用試薬〕 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 レセプター標品 本発明のタンパク質に対するレセプターまたはTNFレ
セプターなどを含有するCHO細胞を、12穴プレート
に5×105個/穴で継代し、37℃、5%CO2、95
%airで2日間培養したもの。 標識した本発明のタンパク質標品 本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩を〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標
識したもの。 本発明のタンパク質等標準液 本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩を0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)を含む
PBSで0.1mMとなるように溶解し、−20℃で保
存する。
【0086】〔測定法〕 12穴組織培養用プレートにて培養した組換え型レセ
プターを含有するCHO細胞を、測定用緩衝液1mlで
2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加
える。 10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、5nMの標識した本発明のタンパク質等を5μl加
え、室温にて1時間反応させる。非特異的結合量を知る
ためには試験化合物のかわりに10-4Mの本発明のタン
パク質等を5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識した本発明のタンパク質等を
0.5mlの0.2N NaOH−1%SDSで溶解
し、4mlの液体シンチレーターA(和光純薬製)と混
合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding
(PMB)を次の式〔数1〕で求める。なお、
125I〕で標識されている場合は、液体シンチレータ
ーと混合することなしに直接ガンマーカウンターで測定
できる。
【0087】
【数1】 PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量
【0088】以上のとおり、本発明のタンパク質等は、
本件タンパク質とレセプターとの結合性を変化させる化
合物をスクリーニングするための試薬として有用であ
る。本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング
用キットを用いて得られる化合物またはその塩は、本発
明おタンパク質等とレセプターとの結合性を変化させる
作用を有する化合物であり、具体的には、(イ)レセプ
ターを介した細胞刺激活性、アポトーシス誘導活性、細
胞傷害活性などの作用を有する化合物(いわゆる、アゴ
ニスト)、(ロ)該細胞刺激活性、アポトーシス誘導活
性、細胞傷害活性などの作用を有しない化合物(いわゆ
る、アンタゴニスト)、(ハ)本発明のタンパク質等と
レセプターとの結合力を増強する化合物、あるいは
(ニ)本発明のタンパク質等とレセプターとの結合力を
減少させる化合物である。該化合物は、前述した試験化
合物(例、ペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合
物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出
液、動物組織抽出液、血漿など)から得られるものであ
り、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公
知の化合物であってもよい。
【0089】レセプターアゴニストは、本発明のタンパ
ク質等が有する生理活性の全部または一部を有している
ので、該生理活性に応じて安全で低毒性な医薬として有
用である。例えば、癌(例、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、
ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴う癌、脳腫瘍、膀胱
癌、子宮頸部癌、大腸癌(結腸/直腸癌)、非小細胞肺
癌、小細胞肺癌、胃癌など)、ウイルス感染(例、エイ
ズウイルス感染初期、ヘルペスウイルス感染、アデノウ
イルス感染、ボックスウイルス感染、水痘-帯状疱疹ウ
イルス感染、ヒトパピローマウイルス感染など)、ヘリ
コバクター・ピロリ感染、侵襲性ブドウ状球菌感染、肝
炎(例、A型肝炎、C型肝炎など)、腎炎、自己免疫性
疾患(例、全身性エリテマトーデス、免疫関連糸球体腎
炎など)、骨疾患(例、リウマチ関節炎(例、リウマチ
における滑膜細胞の異常増殖)など)、動脈硬化症、痛
みなどの疾病、好ましくは、癌(例、乳癌、前立腺癌、
卵巣癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴う癌な
ど)、ウイルス感染(例、エイズウイルス感染初期、ヘ
ルペスウイルス感染、アデノウイルス感染、ボックスウ
イルス感染など)、肝炎、腎炎、リウマチ関節炎、動脈
硬化症、自己免疫性疾患(例、全身性エリテマトーデ
ス、免疫関連糸球体腎炎など)などの疾病の予防・治療
剤などの医薬として有用である。レセプターアンタゴニ
ストは、本発明のタンパク質等が有する生理活性の全部
または一部を抑制することができるので、該生理活性を
抑制する安全で低毒性な医薬として有用である。例え
ば、エイズ、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、パ
ーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、色素性網膜炎、小
脳変性など)、骨髄異形成疾患(例、再生不良性貧血な
ど)、虚血性疾患(例、心筋梗塞、脳卒中など)、リウ
マチにおける関節組織の破壊、炎症、肝炎(例、劇症肝
炎)、自己免疫性疾患(例、全身性エリテマトーデス、
免疫関連糸球体腎炎など)、心筋症(例、拡張型心筋
症)、糖尿病、糖尿病性合併症(例、糖尿病性合併症、
糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症)、
インフルエンザ感染、糸球体腎炎、潰瘍性大腸炎などの
疾患、好ましくは、例えば、エイズ、リウマチにおける
関節組織の破壊、炎症、肝炎、自己免疫性疾患などの疾
患の予防・治療剤などの医薬として有用である。
【0090】本発明のタンパク質等とレセプターとの結
合力を増強する化合物は、本発明のタンパク質等の生理
活性を増強するための安全で低毒性な医薬として有用で
ある。該化合物は、上記アゴニストと同様に、例えば、
癌、ウイルス感染、ヘリコバクター・ピロリ感染、侵襲
性ブドウ状球菌感染、肝炎、腎炎、自己免疫性疾患、骨
疾患、動脈硬化症、痛みなどの疾病などの治療・予防剤
などの医薬として有用である。本発明のタンパク質等と
レセプターとの結合力を減少させる化合物は、本発明の
タンパク質等の生理活性を減少させるための安全で低毒
性な医薬として有用である。該化合物は、上記アンタゴ
ニストと同様に、例えば、エイズ、神経変性疾患、骨髄
異形成疾患、虚血性疾患、リウマチにおける関節組織の
破壊、炎症、肝炎、自己免疫性疾患、心筋症、糖尿病、
糖尿病性合併症、インフルエンザ感染、糸球体腎炎、潰
瘍性大腸炎などの疾患などの治療・予防剤などの医薬と
して有用である。上記スクリーニング方法で得られた化
合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩として
は、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸)ま
たは塩基(例、アルカリ金属)との塩が用いられ、とり
わけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様
な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン
酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例え
ば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン
酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安
息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との
塩などが用いられる。
【0091】該化合物を上記の疾患の治療・予防剤とし
て用いる場合、前記した本発明のタンパク質等を含有す
る医薬と同様にして製剤化し、使用することができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるの
で、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、ウサ
ギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対
して投与することができる。上記スクリーニングで得ら
れた化合物またはその塩の投与量は、対象疾患、投与対
象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、癌治
療の目的で該レセプターアゴニストを経口投与する場
合、一般的に成人(体重60kgとして)においては、
一日につき該アゴニストを約0.1〜100mg、好ま
しくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜
20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該アゴ
ニストの1回投与量は投与対象、対象疾患などによって
も異なるが、例えば、癌治療の目的で該アゴニストを注
射剤の形で通常成人(60kgとして)に投与する場
合、一日につき該アゴニストを約0.01〜30mg程
度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましく
は約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するの
が好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに
換算した量を投与することができる。また、エイズ治療
の目的で該レセプターアンタゴニストを経口投与する場
合、一般的に成人(体重60kgとして)においては、
一日につき該アンタゴニストを約0.1〜100mg、
好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.
0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該
アンタゴニストの1回投与量は投与対象、対象疾患など
によっても異なるが、例えば、エイズ治療の目的で該ア
ンタゴニストを注射剤の形で通常成人(60kgとし
て)に投与する場合、一日につき該アンタゴニストを約
0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20m
g程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈
注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合
も、60kg当たりに換算した量を投与することができ
る。
【0092】また、癌治療の目的で本発明のタンパク質
等の生理活性を増強する化合物を経口投与する場合、一
般的に成人(体重60kgとして)においては、一日に
つき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約
1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg
投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回
投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、
例えば、癌治療の目的で該化合物を注射剤の形で通常成
人(60kgとして)に投与する場合、一日につき該化
合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1
〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程
度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動
物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与するこ
とができる。また、エイズ治療の目的で本発明のタンパ
ク質等の生理活性を減少する化合物を経口投与する場
合、一般的に成人(体重60kgとして)においては、
一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましく
は約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20
mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の
1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なる
が、例えば、エイズ治療の目的で該化合物を注射剤の形
で通常成人(60kgとして)に投与する場合、一日に
つき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは
約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜1
0mg程度を静脈注射により投与するのが好都合であ
る。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を
投与することができる。
【0093】(B)本発明のタンパク質を分解するプロ
テイナーゼの活性を促進または阻害する化合物のスクリ
ーニング方法およびスクリーニング用キット 本発明のタンパク質またはその塩は膜結合型タンパク質
であり、(i)膜に結合したまま、あるいは(ii)生体
内に存在するプロテイナーゼによって膜結合部位が切断
され、細胞外部分が放出され、レセプターと結合するこ
とによって、その機能を発揮すると考えられる。したが
って、本発明のタンパク質等および本発明のタンパク質
を分解するプロテイナーゼを用いることによって、本発
明のタンパク質を分解するプロテイナーゼの活性を促進
または阻害する活性を有する化合物を選択することがで
きる。該プロテイナーゼの活性を促進する活性を有する
化合物は、生体内における本発明のタンパク質等の細胞
外部分の放出を促進することにより、細胞間接触に依存
しない発明のタンパク質等の活性を促進することができ
るので、例えば、癌、ウイルス感染症、ヘリコバクター
・ピロリ感染、侵襲性ブドウ状球菌感染、肝炎、腎炎、
自己免疫性疾患、骨疾患、動脈硬化症、痛みなどの疾患
の予防・治療剤などの医薬として期待できる。一方、該
プロテイナーゼの活性を阻害する活性を有する化合物
は、生体内における本発明のタンパク質等の細胞外部分
の放出を阻害することにより、細胞間接触に依存しない
発明のタンパク質等の活性を阻害することができるの
で、例えば、エイズ、神経変性疾患、骨髄異形成疾患、
虚血性疾患、リウマチにおける関節組織の破壊、炎症、
肝炎、自己免疫性疾患、心筋症、糖尿病、糖尿病性合併
症、インフルエンザ感染、糸球体腎炎、潰瘍性大腸炎な
どの疾患、特に、エイズ、リウマチにおける関節組織の
破壊、炎症、肝炎、自己免疫性疾患などの疾患の予防・
治療剤などの医薬として期待できる。すなわち、本発明
は、本発明のタンパク質等を用いることを特徴とする本
発明のタンパク質を分解するプロテイナーゼの活性を促
進または阻害する活性を有する化合物またはその塩のス
クリーニング方法を提供する。
【0094】より具体的には、本発明は、(1)(i)
本発明のタンパク質を分解するプロテイナーゼ(ただ
し、本発明のタンパク質を含有する細胞が、本発明のタ
ンパク質を分解する活性を有する細胞外プロテイナーゼ
を産生・分泌する場合は、該細胞が産生・分泌する該細
胞外プロテイナーゼでもよい)の存在下で本発明のタン
パク質を含有する細胞を培養して得られる培養上清と、
レセプターを含有する細胞とを接触させた場合と、(i
i)該プロテイナーゼおよび試験化合物の存在下で本発
明のタンパク質を含有する細胞を培養して得られる培養
上清と、レセプターを含有する細胞とを接触させた場合
との比較を行なうことを特徴とする本発明のタンパク質
を分解するプロテイナーゼの活性を促進または阻害する
活性を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法
を提供する。具体的には、本発明のスクリーニング方法
においては、(i)と(ii)の場合における、例えば、
レセプターを介する細胞刺激活性、レセプターを含有す
る細胞のアポトーシスや細胞傷害などを測定(観察)し
て、比較することを特徴とするものである。より具体的
には、本発明は、(1a)(i)本発明のタンパク質を
分解するプロテイナーゼ(ただし、本発明のタンパク質
を含有する細胞が、本発明のタンパク質を分解する活性
を有する細胞外プロテイナーゼを産生・分泌する場合
は、該細胞が産生・分泌する該細胞外プロテイナーゼで
もよい)の存在下で本発明のタンパク質を含有する細胞
を培養して得られる培養上清と、レセプターを含有する
細胞とを接触させた場合と、(ii)本発明のタンパク質
を分解するプロテイナーゼ(ただし、本発明のタンパク
質を含有する細胞が、本発明のタンパク質を分解する活
性を有する細胞外プロテイナーゼを産生・分泌する場合
は、該細胞が産生・分泌する該細胞外プロテイナーゼで
もよい)および試験化合物の存在下で本発明のタンパク
質を含有する細胞を培養して得られる培養上清と、レセ
プターを含有する細胞とを接触させた場合における、レ
セプターを介した細胞刺激活性(例えば、DNA合成促
進、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内C
2+濃度の変動、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP
生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞
内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低
下、細胞の遊走活性などを促進する活性または抑制する
活性など)、アポトーシス誘導活性、細胞傷害活性など
の活性を測定し、比較することを特徴とする本発明のタ
ンパク質を分解するプロテイナーゼの活性を促進または
阻害する活性を有する化合物またはその塩のスクリーニ
ング方法を提供する。
【0095】上記のスクリーニング方法において、レセ
プターを介した細胞刺激活性(例えば、DNA合成促
進、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内C
2+濃度の変動、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP
生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞
内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低
下、細胞の遊走活性などを促進する活性または抑制する
活性など)、アポトーシス誘導活性、細胞傷害活性など
の活性を抑制する試験化合物を本発明のタンパク質を分
解するプロテイナーゼの活性を促進または阻害する活性
を有する化合物またはその塩として選択することができ
る。本発明のスクリーニング方法に用いられるレセプタ
ーとしては、本発明のタンパク質等が結合し得るレセプ
ターであればいかなるものであってもよいが、例えば、
TNFレセプターファミリーに属するレセプターや本発
明のタンパク質等に対するレセプターが用いられる。T
NFレセプターファミリーに属するレセプターとして
は、例えば、前記したTNFレセプター(55kDaま
たは75kDa)、リンホトキシン−βレセプター、F
as、CD27、CD30、CD40、OX40、DR
4、DR3/WSL−1、TR2などが用いられる。こ
れらのレセプターおよび本発明のタンパク質等に対する
レセプターは、自体公知のタンパク質の精製方法に従っ
て入手することができ、また、自体公知の遺伝子工学的
手法に従って該レセプターをコードするDNAをクロー
ニングした後、前記した本発明のタンパク質等の発現方
法に従って目的とするレセプターを入手することもでき
る。本発明のタンパク質を分解するプロテイナーゼとし
ては、例えば、マトリックスメタロプロテイナーゼ
(例、MMP−1、MMP−2、MMP−3など)、ア
ダマリシン類(adamalysinsまたはADAMS)(例、
TNF−α変換酵素(TACE)など)などが用いられ
る。
【0096】本発明のスクリーニング方法に用いられる
上記レセプターを含有する細胞としては、前記した本発
明のタンパク質等を発現させるために用いる宿主細胞と
して列記したものと同様のものを用いることができる
が、なかでも、CHO細胞などが好ましい。レセプター
を含有する細胞は、レセプターをコードするDNAを用
いて、自体公知の方法、例えば、前記した本発明のタン
パク質の発現方法などに従って製造することができる。
また、上記レセプターを含有する細胞として、Jurkat細
胞株、U937細胞株、HepG2細胞株、THP−1
細胞株などの株化細胞を用いることもできる。本発明の
スクリーニング方法に用いられる本発明のタンパク質を
含有する細胞としては、前記した本発明のタンパク質等
を発現させるために用いる宿主細胞として列記したもの
と同様のものを用いることができるが、なかでも、CH
O細胞などが好ましい。レセプターを含有する細胞は、
レセプターをコードするDNAを用いて、自体公知の方
法、例えば、前記した本発明のタンパク質の発現方法な
どに従って製造することができる。
【0097】本発明のスクリーニング方法において、本
発明のタンパク質を含有する細胞を用いる場合、該細胞
をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化するこ
とができる。固定化方法は、それ自体公知の方法に従っ
て行うことができる。また、本発明のタンパク質を含有
する組織として、各種動物の肝臓、脾臓等またはそれら
の膜画分を用いることができる。本発明のタンパク質等
を含有する細胞の細胞膜画分としては、前記したものと
同様のものを用いることができる。試験化合物として
は、例えばペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合
物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出
液、動物組織抽出液、血漿などが挙げられ、これら化合
物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であ
ってもよい。本発明のスクリーニング方法において、プ
ロテイナーゼ存在下における本発明のタンパク質を含有
する細胞の培養は、通常数時間(例、約0.5〜24時
間、好ましくは約1〜6時間)、約37℃で行なうこと
ができる。また、この培養で得られる培養上清とレセプ
ターを含有する細胞との反応は、通常数時間(例、約
0.5〜24時間、好ましくは約1〜6時間)、約37
℃で行なうことができる。レセプターを介した細胞刺激
活性、アポトーシス誘導活性、細胞傷害活性などの測定
は前記と同様にして行なうことができる。
【0098】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明のタンパク質等および本発明のタンパク質を分解する
プロテイナーゼを、好ましくはさらに、レセプターを含
有する細胞を含有するものである。本発明のスクリーニ
ング用キットの例としては、次のものが挙げられる。 〔スクリーニング用試薬〕 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 レセプター標品 本発明のタンパク質に対するレセプターまたはTNFレ
セプターなどを含有するCHO細胞を、12穴プレート
に5×105個/穴で継代し、37℃、5%CO2、95
%airで2日間培養したもの。 本発明のタンパク質標品 本発明のタンパク質を含有する細胞 本発明のタンパク質を分解するプロテイナーゼ標品 マトリックスメタロプロテイナーゼ(ただし、本発明の
タンパク質を含有する細胞が、本発明のタンパク質を分
解する活性を有する細胞外プロテイナーゼを産生・分泌
する場合は不要である。)
【0099】〔測定法〕 本発明のタンパク質を分解するプロテイナーゼ(ただ
し、本発明のタンパク質を含有する細胞が、本発明のタ
ンパク質を分解する活性を有する細胞外プロテイナーゼ
を産生・分泌する場合は、該細胞が産生・分泌する該細
胞外プロテイナーゼでもよい)の存在下で本発明のタン
パク質を含有する細胞を約37℃で数時間培養して培養
上清を得る。 該プロテイナーゼおよび試験化合物の存在下で本発明
のタンパク質を含有する細胞を約37℃で数時間培養し
て培養上清を得る。 上記およびで得られる培養上清を、それぞれ本発
明のタンパク質に対するレセプターを含有する細胞と約
37℃で数時間培養する。 次いで、アポトーシス誘導活性を細胞工学別冊 実験
プロトコールシリーズ、アポトーシス実験プロトコール
(1994年12月20日発行、秀潤社)に記載の方法に従って
測定する。
【0100】以上のとおり、本発明のタンパク質等は本
発明のタンパク質を分解するプロテイナーゼの活性を促
進または阻害する活性を有する化合物またはその塩をス
クリーニングするための試薬として有用である。上記ス
クリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していて
もよく、該化合物の塩としては、生理学的に許容される
酸(例、無機酸、有機酸)または塩(例、アルカリ金
属)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容さ
れる酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例え
ば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫
酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プ
ロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石
酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられ
る。本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング
用キットを用いて得られる本発明のタンパク質を分解す
るプロテイナーゼの活性を促進する化合物は、該プロテ
イナーゼによる本発明のタンパク質の細胞外部分の放出
・遊離を促進するので、細胞間接触に依存しない本発明
のタンパク質に対するレセプターを介する細胞刺激活
性、アポトーシス誘導活性、細胞傷害活性などの活性を
促進することができ、例えば、癌、ウイルス感染症、ヘ
リコバクター・ピロリ感染、侵襲性ブドウ状球菌感染、
肝炎、腎炎、自己免疫性疾患、骨疾患、動脈硬化症、痛
みなどの疾患の予防・治療剤などの安全で低毒性な医薬
として有用である。一方、本発明のスクリーニング方法
またはスクリーニング用キットを用いて本発明のタンパ
ク質を分解するプロテイナーゼの活性を阻害する化合物
は、該プロテイナーゼによる本発明のタンパク質の細胞
外部分の放出・遊離を阻害するので、細胞間接触に依存
しない本発明のタンパク質に対するレセプターを介する
細胞刺激活性、アポトーシス誘導活性、細胞傷害活性な
どの活性を抑制することができ、例えば、エイズ、神経
変性疾患、骨髄異形成疾患、虚血性疾患、リウマチにお
ける関節組織の破壊、炎症、肝炎、自己免疫性疾患、心
筋症、糖尿病、糖尿病性合併症、インフルエンザ感染、
糸球体腎炎、潰瘍性大腸炎などの疾患、特に、エイズ、
リウマチにおける関節組織の破壊、炎症、肝炎、自己免
疫性疾患などの疾患の予防・治療剤などの安全で低毒性
な医薬として有用である。本発明のスクリーニング方法
またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物
を上述の治療・予防剤として使用する場合、前記した本
発明のタンパク質等を含有する医薬と同様にして、錠
剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、
無菌性溶液、懸濁液剤などに製剤化することができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるの
で、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、ウサ
ギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対
して投与することができる。
【0101】該化合物またはその塩の投与量は、対象疾
患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例
えば、癌治療の目的で本発明のタンパク質を分解するプ
ロテイナーゼの活性を促進する化合物を経口投与する場
合、一般的に成人(体重60kgとして)においては、
一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましく
は約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20
mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の
1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なる
が、例えば、癌治療の目的で該化合物を注射剤の形で通
常成人(60kgとして)に投与する場合、一日につき
該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約
0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10
mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。
他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与
することができる。一方、自己免疫性疾患治療の目的で
本発明のタンパク質を分解するプロテイナーゼの活性を
阻害する化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体
重60kgとして)においては、一日につき該化合物を
約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50m
g、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経
口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対
象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、自己免
疫性疾患治療の目的で該化合物を注射剤の形で通常成人
(60kgとして)に投与する場合、一日につき該化合
物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜
20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度
を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物
の場合も、60kg当たりに換算した量を投与すること
ができる。
【0102】(C)本発明のタンパク質等とレセプター
との結合後の細胞内シグナル伝達を促進または阻害する
化合物またはその塩のスクリーニング方法 本発明のタンパク質等は、TNFレセプターファミリー
に属するレセプター(以下、レセプターと略記する)ま
たは本発明のタンパク質等に対するレセプターに特異的
に結合することができるので、本発明のタンパク質等と
該レセプターを用いたリガンド・レセプター結合アッセ
イ系を構築することによって、本発明のタンパク質等が
該レセプターに結合した後の細胞内シグナル伝達を促進
または阻害する化合物またはその塩のスクリーニングを
行なうことができる。すなわち、本発明は、本発明のタ
ンパク質等を用いることを特徴とする本発明のタンパク
質等とレセプターとの結合後の細胞内シグナル伝達を促
進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング
方法を提供する。より具体的には、本発明は、(1)
(i)レセプターを含有する細胞に、本発明のタンパク
質等を接触させた場合と(ii)レセプターを含有する細
胞に、本発明のタンパク質等および試験化合物を接触さ
せた場合との比較を行なうことを特徴とする本発明のタ
ンパク質等とレセプターとの結合後の細胞内シグナル伝
達を促進または阻害する化合物またはその塩のクリーニ
ング方法、および(2)(i)レセプターを含有する細
胞に、本発明のタンパク質を含有する細胞またはその細
胞膜画分を接触させた場合と(ii)レセプターを含有す
る細胞に、本発明のタンパク質を含有する細胞またはそ
の細胞膜画分および試験化合物を接触させた場合との比
較を行なうことを特徴とする本発明のタンパク質等とレ
セプターとの結合後の細胞内シグナル伝達を促進または
阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提
供する。
【0103】具体的には、本発明のスクリーニング方法
においては、(i)と(ii)の場合における、例えば本
発明のタンパク質等とレセプターが結合した後の細胞内
シグナル伝達などを測定して、比較することを特徴とす
るものである。より具体的には、本発明は、(1a)
(i)本発明のタンパク質等を、レセプターを含有する
細胞に接触させた場合と、(ii)本発明のタンパク質お
よび試験化合物を、レセプターを含有する細胞に接触さ
せた場合における、レセプターを介した細胞刺激活性
(例えば、DNA合成促進、アラキドン酸遊離、アセチ
ルコリン遊離、細胞内Ca2+濃度の変動、細胞内cAM
P生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産
生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−f
osの活性化、pHの低下、細胞の遊走活性などを促進
する活性または抑制する活性など)、アポトーシス誘導
活性、細胞傷害活性などの活性を測定し、比較すること
を特徴とする本発明のタンパク質等とレセプターとの結
合後の細胞内シグナル伝達を促進または阻害する化合物
またはその塩のスクリーニング方法、および(2a)
(i)本発明のタンパク質を含有する細胞またはその細
胞膜画分を、レセプターを含有する細胞に接触させた場
合と、(ii)本発明のタンパク質を含有する細胞または
その細胞膜画分および試験化合物を、レセプターを含有
する細胞に接触させた場合における、レセプターを介し
た細胞刺激活性(例えば、DNA合成促進、アラキドン
酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+濃度の変
動、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシ
トールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリ
ン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、細胞の遊走
活性などを促進する活性または抑制する活性など)、ア
ポトーシス誘導活性、細胞傷害活性などの活性を測定
し、比較することを特徴とする本発明のタンパク質等と
レセプターとの結合後の細胞内シグナル伝達を促進また
は阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を
提供する。
【0104】上記(1a)または(2a)のスクリーニ
ング方法において、本発明のタンパク質等とレセプター
との結合を阻害せず、該レセプターを介した細胞刺激活
性、アポトーシス誘導活性、細胞傷害活性などの活性を
促進する化合物を、本発明のタンパク質等とレセプター
との結合後の細胞内シグナル伝達を促進する化合物また
はその塩として選択することができる。一方、本発明の
タンパク質等とレセプターとの結合を阻害せず、該細胞
刺激活性、アポトーシス誘導活性などの活性を阻害する
作用を有する化合物を、本発明のタンパク質等とレセプ
ターとの結合後の細胞内シグナル伝達を阻害する化合物
またはその塩として選択することができる。すなわち、
本スクリーニング方法は、本発明のタンパク質とレセプ
ターとの結合に影響を与えず、レセプター結合後の細胞
内シグナル伝達を調節(促進または抑制)する化合物を
選択する方法であるので、本スクリーニング方法に用い
る試験化合物としては、前記したレセプターアゴニスト
/アンタゴニストのスクリーニング方法において、レセ
プターアゴニストまたはアンタゴニストとして選択され
なかった化合物を用いるのが望ましい。
【0105】本発明のスクリーニング方法に用いられる
レセプターとしては、本発明のタンパク質等が結合し得
るレセプターであればいかなるものでもよく、例えば、
TNFレセプターファミリーに属するレセプターや本発
明のタンパク質等に対するレセプターが用いられる。T
NFレセプターファミリーに属するレセプターとして
は、例えば、前記したTNFレセプター(55kDaま
たは75kDa)、リンホトキシン−βレセプター、F
as、CD27、CD30、CD40、OX40、DR
4、DR3/WSL−1、TR2などが用いられる。こ
れらのレセプターおよび本発明のタンパク質等に対する
レセプターは、自体公知のタンパク質の精製方法に従っ
て入手することができ、また、自体公知の遺伝子工学的
手法に従って該レセプターをコードするDNAをクロー
ニングした後、前記した本発明のタンパク質等の発現方
法に従って目的とするレセプターを入手することもでき
る。該レセプターの部分ペプチドとしては、全長レセプ
ターを適当に切断して得られる部分ペプチドを用いるこ
とができる。本発明のスクリーニング方法に用いられる
上記レセプターを含有する細胞としては、前記した本発
明のタンパク質等を発現させるために用いる宿主細胞と
して列記したものと同様のものを用いることができる
が、なかでも、CHO細胞などが好ましい。レセプター
を含有する細胞は、レセプターをコードするDNAを用
いて、自体公知の方法、例えば、前記した本発明のタン
パク質の発現方法などに従って製造することができる。
また、上記レセプターを含有する細胞として、例えば、
Jurkat細胞株、U937細胞株、HepG2細胞株、T
HP−1細胞株などの株化細胞を用いることもできる。
【0106】本発明のスクリーニング方法に用いられる
本発明のタンパク質を含有する細胞としては、前記した
本発明のタンパク質等を発現させるために用いる宿主細
胞として列記したものと同様のものを用いることができ
るが、なかでも、CHO細胞などが好ましい。レセプタ
ーを含有する細胞は、レセプターをコードするDNAを
用いて、自体公知の方法、例えば、前記した本発明のタ
ンパク質の発現方法などに従って製造することができ
る。本発明のスクリーニング方法において、レセプター
を含有する細胞または本発明のタンパク質を含有する細
胞を用いる場合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマ
リンなどで固定化することができる。固定化方法は、そ
れ自体公知の方法に従って行うことができる。また、本
発明のタンパク質を含有する組織として、各種動物の肝
臓、脾臓等またはそれらの膜画分を用いることができ
る。上記レセプターを含有する細胞または本発明のタン
パク質を含有する細胞の細胞膜画分としては、前記と同
様のものが用いられる。試験化合物としては、例えば、
タンパク質、タンパク、非タンパク質性化合物、合成化
合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織
抽出液、血漿などが挙げられ、これら化合物は新規な化
合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
本発明のスクリーニング方法において、本発明のタンパ
ク質等とレセプターを含有する細胞との反応は、通常約
37℃で数時間行なうことができる。上記(1a)また
は(2a)のスクリーニング方法において、レセプター
を介する細胞刺激活性、アポトーシス誘導活性、細胞傷
害活性などの測定は前記と同様にして行なうことができ
る。上記(1a)または(2a)のスクリーニング方法
において、試験化合物を添加した際に、レセプターを介
した細胞刺激活性、アポトーシス誘導活性、細胞傷害活
性などが促進された場合、該試験化合物をレセプター結
合後の細胞内シグナル伝達を促進する化合物またはその
塩として選択することができる。一方、試験化合物を添
加した際に、レセプターを介した細胞刺激活性、アポト
ーシス誘導活性、細胞傷害活性などが阻害された場合、
該試験化合物をレセプター結合後の細胞内シグナル伝達
を阻害する化合物またはその塩化合物として選択するこ
とができる。
【0107】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明のタンパク質等を、好ましくはさらに、レセプターを
含有する細胞を含有するものである。本発明のスクリー
ニング用キットの例としては、次のものが挙げられる。 〔スクリーニング用試薬〕 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 レセプター標品 本発明のタンパク質に対するレセプターまたはTNFレ
セプターなどを含有するCHO細胞を、12穴プレート
に5×105個/穴で継代し、37℃、5%CO2、95
%airで2日間培養したもの。 本発明のタンパク質標品 本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩 〔測定法〕アポトーシス誘導活性を細胞工学別冊 実験
プロトコールシリーズ、アポトーシス実験プロトコール
(1994年12月20日発行、秀潤社)に記載の方法に従って
測定する。
【0108】以上のとおり、本発明のタンパク質等はレ
セプター結合後の細胞内シグナル伝達を促進または阻害
する化合物またはその塩をスクリーニングするための試
薬として有用である。該スクリーニング方法で得られた
化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩として
は、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸)ま
たは塩基(例、アルカリ金属)などとの塩が用いられ、
とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。こ
の様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リ
ン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例
えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン
酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安
息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との
塩などが用いられる。本発明のスクリーニング方法また
はスクリーニング用キットを用いて得られる化合物また
はその塩は、本発明のタンパク質等とレセプターが結合
した後の細胞内シグナル伝達、具体的には、レセプター
を介した細胞刺激活性、アポトーシス誘導活性、細胞傷
害活性などの活性を促進する化合物またはその塩、ある
いは該細胞刺激活性、アポトーシス誘導活性、細胞傷害
活性などの活性を阻害する化合物またはその塩である。
本発明のタンパク質等とレセプターが結合した後の細胞
内シグナル伝達を促進する化合物またはその塩は、例え
ば、癌(例、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、ろ胞性リンパ球
腫、p53変異を伴う癌、脳腫瘍、膀胱癌、子宮頸部
癌、大腸癌(結腸/直腸癌)、非小細胞肺癌、小細胞肺
癌、胃癌など)、ウイルス感染(例、エイズウイルス感
染初期、ヘルペスウイルス感染、アデノウイルス感染、
ボックスウイルス感染、水痘-帯状疱疹ウイルス感染、
ヒトパピローマウイルス感染など)、ヘリコバクター・
ピロリ感染、侵襲性ブドウ状球菌感染、肝炎(例、A型
肝炎、C型肝炎など)、腎炎、自己免疫性疾患(例、全
身性エリテマトーデス、免疫関連糸球体腎炎など)、骨
疾患(例、リウマチ関節炎(例、リウマチにおける関節
組織の破壊)など)、動脈硬化症、痛みなどの疾病、好
ましくは、癌、ウイルス感染、ヘリコバクター・ピロリ
感染、侵襲性ブドウ状球菌感染、肝炎、腎炎、リウマチ
関節炎、動脈硬化症、自己免疫性疾患などの疾病の予防
・治療剤などの安全で低毒性な医薬として有用である。
【0109】本発明のタンパク質等とレセプターが結合
した後の細胞内シグナル伝達を阻害する化合物またはそ
の塩は、例えば、エイズ、神経変性疾患(例、アルツハ
イマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、色素
性網膜炎、小脳変性など)、骨髄異形成疾患(例、再生
不良性貧血など)、虚血性疾患(例、心筋梗塞、脳卒中
など)、リウマチにおける関節組織の破壊、炎症、肝炎
(例、劇症肝炎)、自己免疫性疾患(例、全身性エリテ
マトーデス、免疫関連糸球体腎炎など)、心筋症(例、
拡張型心筋症)、糖尿病、糖尿病性合併症(例、糖尿病
性合併症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性
網膜症)、インフルエンザ感染、糸球体腎炎、潰瘍性大
腸炎などの疾患、好ましくは、例えば、エイズ、リウマ
チにおける関節組織の破壊、炎症、肝炎、自己免疫性疾
患などの疾患の予防・治療剤などの安全で低毒性な医薬
として有用である。本発明のスクリーニング方法または
スクリーニング用キットを用いて得られる化合物を上述
の治療・予防剤として使用する場合、前記した本発明の
タンパク質等を含有する医薬と同様にして、錠剤、カプ
セル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶
液、懸濁液剤などに製剤化することができる。このよう
にして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例え
ば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、ウサギ、ヒツ
ジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与
することができる。該化合物またはその塩の投与量は、
対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はある
が、例えば、癌治療の目的で本発明のタンパク質等とレ
セプターが結合した後の細胞内シグナル伝達を促進する
化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60k
gとして)においては、一日につき該化合物を約0.1
〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好
ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与
する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾
患などによっても異なるが、例えば、癌治療の目的で本
発明のタンパク質等とレセプターが結合した後の細胞内
シグナル伝達を促進する化合物を注射剤の形で通常成人
(60kgとして)に投与する場合、一日につき該化合
物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜
20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度
を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物
の場合も、60kg当たりに換算した量を投与すること
ができる。一方、エイズ治療の目的で本発明のタンパク
質等とレセプターが結合した後の細胞内シグナル伝達を
阻害する化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体
重60kgとして)においては、一日につき該化合物を
約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50m
g、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経
口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対
象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、エイズ
治療の目的で本発明のタンパク質等とレセプターが結合
した後の細胞内シグナル伝達を阻害する化合物を注射剤
の形で通常成人(60kgとして)に投与する場合、一
日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好まし
くは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1
〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合で
ある。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量
を投与することができる。
【0110】(6)アンチセンスDNAを含有するDN
A 本発明のタンパク質等をコードするDNAまたはmRN
Aに相補的に結合し、該DNAもしくはmRNAや本発
明のタンパク質等の発現を抑制することができるアンチ
センスDNAは、生体内において上記の作用を発揮する
本発明のタンパク質等またはそれらをコードするDNA
の機能を抑制することができる。したがって、該アンチ
センスDNAは、例えば、エイズ、神経変性疾患(例、
アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化
症、色素性網膜炎、小脳変性など)、骨髄異形成疾患
(例、再生不良性貧血など)、虚血性疾患(例、心筋梗
塞、脳卒中など)、リウマチにおける関節組織の破壊、
炎症、肝炎(例、劇症肝炎など)、自己免疫性疾患
(例、全身性エリテマトーデス、免疫関連糸球体腎炎な
ど)、心筋症(例、拡張型心筋症)、糖尿病、糖尿病性
合併症(例、糖尿病性合併症、糖尿病性腎症、糖尿病性
神経障害、糖尿病性網膜症)、インフルエンザ感染、糸
球体腎炎、潰瘍性大腸炎などの疾患、好ましくは、例え
ば、エイズ、リウマチにおける関節組織の破壊、炎症、
肝炎、自己免疫性疾患などの疾患の予防・治療剤として
使用することができる。該アンチセンスDNAを上記の
治療・予防剤として使用する場合、前記した本発明のD
NAを含有する医薬と同様にして製造することができ
る。例えば、該アンチセンスDNAを単独あるいはレト
ロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ
ウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当
なベクターに挿入した後、常套手段に従ってヒトまたは
温血動物に投与することができる。該アンチセンスDN
Aは、そのままで、あるいは摂取促進のために補助剤な
どの生理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝
子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによ
って投与できる。さらに、該アンチセンスDNAは、組
織や細胞における本発明のDNAの存在やその発現状況
を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブとし
て使用することもできる。
【0111】(7)DNA転移動物の作製 さらに、本発明は、外来性の本発明のタンパク質をコー
ドするDNA(以下、本発明の外来性DNAと略記す
る)またはその変異DNA(本発明の外来性変異DNA
と略記する場合がある)を有する非ヒト哺乳動物を提供
する。すなわち、本発明は、 (1)本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを有
する非ヒト哺乳動物、 (2)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(1)記載
の非ヒト哺乳動物、 (3)ゲッ歯動物がマウスである第(2)記載の非ヒト
哺乳動物、および (4)本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを含
有し、哺乳動物において発現しうる組換えベクターを提
供するものである。
【0112】本発明の外来性DNAまたはその変異DN
Aを有する非ヒト哺乳動物(以下、本発明のDNA転移
動物と略記する)は、未受精卵、受精卵、精子およびそ
の始原細胞を含む胚芽細胞などに対して、好ましくは、
非ヒト哺乳動物の発生における胚発生の段階(さらに好
ましくは、単細胞または受精卵細胞の段階でかつ一般に
8細胞期以前)に、リン酸カルシウム法、電気パルス
法、リポフェクション法、凝集法、マイクロインジェク
ション法、パーティクルガン法、DEAE−デキストラ
ン法などにより目的とするDNAを転移することによっ
て作出することができる。また、該DNA転移方法によ
り、体細胞、生体の臓器、組織細胞などに目的とする本
発明の外来性DNAを転移し、細胞培養、組織培養など
に利用することもでき、さらに、これら細胞を上述の胚
芽細胞と自体公知の細胞融合法により融合させることに
より本発明のDNA転移動物を作出することもできる。
非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウシ、ブタ、ヒツ
ジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスタ
ー、マウス、ラットなどが用いられる。なかでも、病体
動物モデル系の作成の面から個体発生および生物サイク
ルが比較的短く、また、繁殖が容易なゲッ歯動物、とり
わけマウス(例えば、純系として、C57BL/6系
統,DBA2系統など、交雑系として、B6C3F1
統,BDF1系統,B6D2F1系統,BALB/c系
統,ICR系統など)またはラット(例えば、Wist
ar,SDなど)などが好ましい。哺乳動物において発
現しうる組換えベクターにおける「哺乳動物」として
は、上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどが挙げられ
る。
【0113】本発明の外来性DNAとは、非ヒト哺乳動
物が本来有している本発明のDNAではなく、いったん
哺乳動物から単離・抽出された本発明のDNAをいう。
特に、配列番号:9で表わされる塩基配列を有するマウ
ス由来ゲノムDNAなどが好適である。本発明の変異D
NAとしては、元の本発明のDNAの塩基配列に変異
(例えば、突然変異など)が生じたもの、具体的には、
塩基の付加、欠損、他の塩基への置換などが生じたDN
Aなどが用いられ、また、異常DNAも含まれる。該異
常DNAとしては、異常な本発明のタンパク質を発現さ
せるDNAを意味し、例えば、正常な本発明のタンパク
質の機能を抑制するタンパク質を発現させるDNAなど
が用いられる。本発明の外来性DNAは、対象とする動
物と同種あるいは異種のどちらの哺乳動物由来のもので
あってもよい。本発明のDNAを対象動物に転移させる
にあたっては、該DNAを動物細胞で発現させうるプロ
モーターの下流に結合したDNAコンストラクトとして
用いるのが一般に有利である。例えば、本発明のヒトD
NAを転移させる場合、これと相同性が高い本発明のD
NAを有する各種哺乳動物(例えば、ウサギ、イヌ、ネ
コ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由
来のDNAを発現させうる各種プロモーターの下流に、
本発明のヒトDNAを結合したDNAコンストラクト
(例、ベクターなど)を対象哺乳動物の受精卵、例え
ば、マウス受精卵へマイクロインジェクションすること
によって本発明のDNAを高発現するDNA転移哺乳動
物を作出することができる。
【0114】本発明のタンパク質の発現ベクターとして
は、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミ
ド、酵母由来のプラスミド、λファージなどのバクテリ
オファージ、モロニー白血病ウィルスなどのレトロウィ
ルス、ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルスなど
の動物ウイルスなどが用いられる。なかでも、大腸菌由
来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由
来のプラスミドなどが好ましく用いられる。上記のDN
A発現調節を行なうプロモーターとしては、例えば、ウ
ィルス(例、シミアンウィルス、サイトメガロウィル
ス、モロニー白血病ウィルス、JCウィルス、乳癌ウィ
ルス、ポリオウィルスなど)に由来するDNAのプロモ
ーター、各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、モ
ルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来のも
のとしては、アルブミン、インスリンII、ウロプラキ
ンII、エラスターゼ、エリスロポエチン、エンドセリ
ン、筋クレアチンキナーゼ、グリア線維性酸性タンパク
質、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、血小板由来
成長因子β、ケラチンK1,K10およびK14、コラ
ーゲンI型およびII型、サイクリックAMP依存タン
パク質キナーゼβIサブユニット、ジストロフィン、酒
石酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、心房ナトリウム
利尿性因子、内皮レセプターチロシンキナーゼ(一般に
Tie2と略される)、ナトリウムカリウムアデノシン
3リン酸化酵素(Na,K−ATPase)、ニューロ
フィラメント軽鎖、メタロチオネインIおよびIIA、
メタロプロティナーゼ1組織インヒビター、MHCクラ
スI抗原(H−2L)、H−ras、レニン、ドーパミ
ンβ−水酸化酵素、甲状腺ペルオキシダーゼ(TP
O)、ポリペプチド鎖延長因子1α(EF−1α)、β
アクチン、αおよびβミオシン重鎖、ミオシン軽鎖1お
よび2、ミエリン基礎タンパク質、チログロブリン、T
hy−1、免疫グロブリン、H鎖可変部(VNP)、血
清アミロイドPコンポーネント、ミオグロビン、トロポ
ニンC、平滑筋αアクチン、プレプロエンケファリン
A、バソプレシンなどのプロモーターなどが用いられる
が、好ましくは全身で高発現することが可能なサイトメ
ガロウィルスプロモーター、ヒトポリペプチド鎖延長因
子1α(EF−1α)のプロモーター、ヒトおよびニワ
トリβアクチンプロモーターなどを用いることができ
る。
【0115】上記ベクターは、DNA転移哺乳動物にお
いて目的とするmRNAの転写を終結する配列(一般に
ターミネターと呼ばれる)を有していることが好まし
く、例えば、ウイルス由来および各種哺乳動物由来の各
DNAの配列を用いることができ、好ましくは、シミア
ンウィルスのSV40ターミネターなどが用いられる。
その他、目的DNAをさらに高発現させる目的で各DN
Aのスプライシングシグナル、エンハンサー領域、真核
DNAのイントロンの一部などをプロモーター領域の
5'上流、プロモーター領域と翻訳領域間あるいは翻訳
領域の3'下流に連結することも目的により可能であ
る。正常な本発明のタンパク質の翻訳領域は、各種哺乳
動物(例えば、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハム
スター、ラット、マウス、ヒトなど)由来の肝臓、腎
臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来DNAおよび市販の各
種ゲノムDNAライブラリーよりゲノムDNAの全てあ
るいは一部として、または肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線
維芽細胞由来RNAより公知の方法により調製された相
補DNAを原料として取得することが出来る。また、外
来性の異常DNAは、上記の細胞または組織より得られ
た正常なタンパク質の翻訳領域を点突然変異誘発法によ
り変異した翻訳領域を作製することができる。該翻訳領
域は転移動物において発現しうるDNAコンストラクト
として、前記のプロモーターの下流および所望により転
写終結部位の上流に連結させる通常のDNA工学的手法
により作製することができる。受精卵細胞段階における
本発明の外来性DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細
胞および体細胞のすべてに存在するように確保される。
DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において、本発明の
外来性DNAが存在することは、作出動物の後代がすべ
て、その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来
性DNAを保持することを意味する。本発明の外来性D
NAを受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞お
よび体細胞のすべてに本発明のDNAを有する。
【0116】本発明の外来性正常DNAを転移させた非
ヒト哺乳動物は、交配によりDNAを安定に保持するこ
とを確認して、該DNA保有動物として通常の飼育環境
で継代飼育することが出来る。受精卵細胞段階における
本発明の外来性DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細
胞および体細胞の全てに過剰に存在するように確保され
る。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において本発明
の外来性DNAが過剰に存在することは、作出動物の子
孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外
来性DNAを過剰に有することを意味する。本発明の外
来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽
細胞および体細胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰
に有する。導入DNAを相同染色体の両方に持つホモザ
イゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配すること
によりすべての子孫が該DNAを過剰に有するように繁
殖継代することができる。本発明の正常DNAを有する
非ヒト哺乳動物は、本発明の正常DNAが高発現させら
れており、内在性の正常DNAの機能を促進することに
より最終的に本発明のタンパク質の機能亢進症を発症す
ることがあり、その病態モデル動物として利用すること
ができる。例えば、本発明の正常DNA転移動物を用い
て、本発明のタンパク質の機能亢進症や、本発明のタン
パク質が関連する疾患の病態機序の解明およびこれらの
疾患の治療方法の検討を行なうことが可能である。ま
た、本発明の外来性正常DNAを転移させた哺乳動物
は、遊離した本発明のタンパク質の増加症状を有するこ
とから、本発明のタンパク質に関連する疾患に対する治
療薬のスクリーニング試験にも利用可能である。
【0117】一方、本発明の外来性異常DNAを有する
非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保
持することを確認して該DNA保有動物として通常の飼
育環境で継代飼育することが出来る。さらに、目的とす
る外来性DNAを前述のプラスミドに組み込んで原科と
して用いることができる。プロモーターとのDNAコン
ストラク卜は、通常のDNA工学的手法によって作製す
ることができる。受精卵細胞段階における本発明の異常
DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞
の全てに存在するように確保される。DNA転移後の作
出動物の胚芽細胞において本発明の異常DNAが存在す
ることは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体
細胞の全てに本発明の異常DNAを有することを意味す
る。DNAを受け継いだこの種の動物の子孫は、その胚
芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常DNAを有す
る。導入DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴー
ト動物を取得し、この雌雄の動物を交配することにより
すべての子孫が該DNAを有するように繁殖継代するこ
とができる。本発明の異常DNAを有する非ヒト哺乳動
物は、本発明の異常DNAが高発現させられており、内
在性の正常DNAの機能を阻害することにより最終的に
本発明のタンパク質の機能不活性型不応症となることが
あり、その病態モデル動物として利用することができ
る。例えば、本発明の異常DNA転移動物を用いて、本
発明のタンパク質の機能不活性型不応症の病態機序の解
明およびこの疾患を治療方法の検討を行なうことが可能
である。また、具体的な利用可能性としては、本発明の
異常DNA高発現動物は、本発明のタンパク質の機能不
活性型不応症における本発明の異常タンパク質による正
常タンパク質の機能阻害(dominant negative作用)を
解明するモデルとなる。また、本発明の外来異常DNA
を転移させた哺乳動物は、遊離した本発明のタンパク質
の増加症状を有することから、本発明のタンパク質の機
能不活性型不応症に対する治療薬スクリーニング試験に
も利用可能である。
【0118】また、上記2種類の本発明のDNA転移動
物のその他の利用可能性として、例えば、 組織培養のための細胞源としての使用、 本発明のDNA転移哺乳動物の組織中のDNAもしく
はRNAを直接分析するか、またはDNAにより発現さ
れたタンパク質組織を分析することによる、本発明のタ
ンパク質により特異的に発現あるいは活性化するタンパ
ク質との関連性についての解析、 DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により
培養し、これらを使用して、一般に培養困難な組織から
の細胞の機能の研究、 上記記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高
めるような薬剤のスクリーニング、および 本発明の変異タンパク質を単離精製およびその抗体作
製などが考えられる。さらに、本発明のDNA転移動物
を用いて、本発明のタンパク質の機能不活性型不応症を
含む、本発明のタンパク質に関連する疾患の臨床症状を
調べることができ、また、本発明のタンパク質に関連す
る疾患モデルの各臓器におけるより詳細な病理学的所見
が得られ、新しい治療方法の開発、さらには、該疾患に
よる二次的疾患の研究および治療に貢献することができ
る。また、本発明のDNA転移動物から各臓器を取り出
し、細切後、トリプシンなどのタンパク質分解酵素によ
り、遊離したDNA転移細胞の取得、その培養またはそ
の培養細胞の系統化を行なうことが可能である。さら
に、本発明のタンパク質産生細胞の特定化、アポトーシ
ス、分化あるいは増殖との関連性、またはそれらにおけ
るシグナル伝達機構を調べ、それらの異常を調べること
などができ、本発明のタンパク質およびその作用解明の
ための有効な研究材料となる。さらに、本発明のDNA
転移動物を用いて、本発明のタンパク質の機能不活性型
不応症を含む、本発明のタンパク質に関連する疾患の治
療薬の開発を行なうために、上述の検査法および定量法
などを用いて、有効で迅速な該疾患治療薬のスクリーニ
ング法を提供することが可能となる。また、本発明のD
NA転移動物または本発明の外来性DNA発現ベクター
を用いて、本発明のタンパク質が関連する疾患の遺伝子
治療法を検討、開発することが可能である。
【0119】(8)ノックアウト動物の作製 さらに、本発明は、本発明のDNAが不活性化された非
ヒト哺乳動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非
ヒト哺乳動物を提供する。すなわち、本発明は、(1)
本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細
胞、(2)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由
来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することによ
り不活性化された第(1)項記載の胚幹細胞、(3)ネ
オマイシン耐性である第(1)項記載の胚幹細胞、
(4)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(1)項記
載の胚幹細胞、(5)ゲッ歯動物がマウスである第
(4)項記載の胚幹細胞、(6)本発明のDNAが不活
性化された該DNA発現不全非ヒト哺乳動物、(7)該
DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラ
クトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不活性化さ
れ、該レポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロ
モーターの制御下で発現しうる第(6)項記載のヒト哺
乳動物、(8)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第
(6)項記載のヒト哺乳動物、(9)ゲッ歯動物がマウ
スである第(8)項記載のヒト哺乳動物、および(1
0)第(7)項記載の非ヒト哺乳動物に、試験化合物を
投与し、レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴
とする本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進
または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方
法を提供する。本発明のノックアウト動物の作製には、
配列番号:9で表わされる塩基配列を含有するマウス由
来のゲノムDNAを含有するDNA〔図4〕が好適であ
る。
【0120】本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞とは、該非ヒト哺乳動物が有する本発明
のDNAに人為的に変異を加えることにより、DNAの
発現能を抑制するか、もしくは該DNAがコードしてい
る本発明のタンパク質の活性を実質的に喪失させること
により、DNAが実質的に本発明のタンパク質の発現能
を有さない(以下、本発明のノックアウトDNAと称す
ることがある)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、ES
細胞と略記する)をいう。非ヒト哺乳動物としては、前
記と同様のものが用いられる。本発明のDNAに人為的
に変異を加える方法としては、例えば、遺伝子工学的手
法により該DNA配列の一部又は全部の削除、他DNA
を挿入または置換させることによって行なうことができ
る。これらの変異により、例えば、コドンの読み取り枠
をずらしたり、プロモーターあるいはエキソンの機能を
破壊することにより本発明のノックアウトDNAを作製
すればよい。本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞(以下、本発明のDNA不活性化ES細
胞または本発明のノックアウトES細胞と略記する)の
具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が
有する本発明のDNAを単離し、そのエキソン部分にネ
オマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を
代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガ
ラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコー
ルアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレ
ポーター遺伝子等を挿入することによりエキソンの機能
を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロン部分に
遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、polyA
付加シグナルなど)を挿入し、完全なmRNAを合成で
きなくすることによって、結果的に遺伝子を破壊するよ
うに構築したDNA配列を有するDNA鎖(以下、ター
ゲッティングベクターと略記する)を、例えば相同組換
え法により該動物の染色体に導入し、得られたES細胞
について本発明のDNA上あるいはその近傍のDNA配
列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析
あるいはターゲッティングベクター上のDNA配列とタ
ーゲッティングベクター作製に使用した本発明のDNA
以外の近傍領域のDNA配列をプライマーとしたPCR
法により解析し、本発明のノックアウトES細胞を選別
することにより得ることができる。
【0121】また、相同組換え法等により本発明のDN
Aを不活化させるために用いられる元のES細胞として
は、例えば、前述のような既に樹立されたものを用いて
もよく、また公知 EvansとKaufmaの方法に準じて新しく
樹立したものでもよい。例えば、マウスのES細胞の場
合、現在、一般的には129系のES細胞が使用されて
いるが、免疫学的背景がはっきりしていないので、これ
に代わる純系で免疫学的に遺伝的背景が明らかなES細
胞を取得するなどの目的で例えば、C57BL/6マウ
スやC57BL/6の採卵数の少なさをDBA/2との
交雑により改善したBDF1マウス(C57BL/6と
DBA/2とのF1)を用いて樹立したものなども良好
に用いうる。BDF1マウスは、採卵数が多く、かつ、
卵が丈夫であるという利点に加えて、C57BL/6マ
ウスを背景に持つので、これを用いて得られたES細胞
は病態モデルマウスを作出したとき、C57BL/6マ
ウスとバッククロスすることでその遺伝的背景をC57
BL/6マウスに代えることが可能である点で有利に用
い得る。また、ES細胞を樹立する場合、一般には受精
後3.5日目の胚盤胞を使用するが、これ以外に8細胞
期胚を採卵し胚盤胞まで培養して用いることにより効率
よく多数の初期胚を取得することができる。また、雌雄
いずれのES細胞を用いてもよいが、通常雄のES細胞
の方が生殖系列キメラを作出するのに都合が良い。ま
た、煩雑な培養の手間を削減するためにもできるだけ早
く雌雄の判別を行なうことが望ましい。ES細胞の雌雄
の判定方法としては、例えば、PCR法によりY染色体
上の性決定領域の遺伝子を増幅、検出する方法が、その
1例として挙げることができる。この方法を使用すれ
ば、従来、核型分析をするのに約106個の細胞数を要
していたのに対して、1コロニー程度のES細胞数(約
50個)で済むので、培養初期におけるES細胞の第一
次セレクションを雌雄の判別で行なうことが可能であ
り、早期に雄細胞の選定を可能にしたことにより培養初
期の手間は大幅に削減できる。
【0122】また、第二次セレクションとしては、例え
ば、G−バンディング法による染色体数の確認等により
行うことができる。得られるES細胞の染色体数は正常
数の100%が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の
関係上困難な場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウト
した後、正常細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n
=40である細胞)に再びクローニングすることが望ま
しい。このようにして得られた胚幹細胞株は、通常その
増殖性は大変良いが、個体発生できる能力を失いやすい
ので、注意深く継代培養することが必要である。例え
ば、STO繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上
でLIF(1−10000U/ml)存在下に炭酸ガス培養
器内(好ましくは、5%炭酸ガス、95%空気または5
%酸素、5%炭酸ガス、90%空気)で約37℃で培養
するなどの方法で培養し、継代時には、例えば、トリプ
シン/EDTA溶液(通常0.001−0.5%トリプシ
ン/0.1−5mM EDTA、好ましくは約0.1%ト
リプシン/1mM EDTA)処理により単細胞化し、
新たに用意したフィーダー細胞上に播種する方法などが
とられる。このような継代は、通常1−3日毎に行なう
が、この際に細胞の観察を行い、形態的に異常な細胞が
見受けられた場合はその培養細胞は放棄することが望ま
れる。ES細胞は、適当な条件により、高密度に至るま
で単層培養するか、または細胞集塊を形成するまで浮遊
培養することにより、頭頂筋、内臓筋、心筋などの種々
のタイプの細胞に分化させることが可能であり〔M. J.
Evans及びM. H. Kaufman, ネイチャー(Nature)第292
巻、154頁、1981年;G. R. Martin プロシーディング
ス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス
・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)第7
8巻、7634頁、1981年;T. C. Doetschmanら、ジャーナ
ル・オブ・エンブリオロジー・アンド・エクスペリメン
タル・モルフォロジー、第87巻、27頁、1985年〕、本発
明のES細胞を分化させて得られる本発明のDNA発現
不全細胞は、インビトロにおける本発明のタンパク質の
細胞生物学的検討において有用である。本発明のDNA
発現不全非ヒト哺乳動物は、該動物のmRNA量を公知
方法を用いて測定して間接的にその発現量を比較するこ
とにより、正常動物と区別することが可能である。該非
ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いられ
る。
【0123】本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
は、例えば、前述のようにして作製したターゲッティン
グベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入
し、導入によりターゲッティングベクターの本発明のD
NAが不活性化されたDNA配列が遺伝子相同組換えに
より、マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色体上の
本発明のDNAと入れ換わる相同組換えをさせることに
より、本発明のDNAをノックアウトさせることができ
る。本発明のDNAがノックアウトされた細胞は、本発
明のDNA上またはその近傍のDNA配列をプローブと
したサザンハイブリダイゼーション解析またはターゲッ
ティングベクター上のDNA配列と、ターゲッティング
ベクターに使用したマウス由来の本発明のDNA以外の
近傍領域のDNA配列とをプライマーとしたPCR法に
よる解析で判定することができる。非ヒト哺乳動物胚幹
細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換えにより、本発明
のDNAが不活性化された細胞株をクローニングし、そ
の細胞を適当な時期、例えば、8細胞期の非ヒト哺乳動
物胚または胚盤胞に注入し、作製したキメラ胚を偽妊娠
させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植する。作出された
動物は正常な本発明のDNA座をもつ細胞と人為的に変
異した本発明のDNA座をもつ細胞との両者から構成さ
れるキメラ動物である。該キメラ動物の生殖細胞の一部
が変異した本発明のDNA座をもつ場合、このようなキ
メラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体
群より、全ての組織が人為的に変異を加えた本発明のD
NA座をもつ細胞で構成された個体を、例えば、コート
カラーの判定等により選別することにより得られる。こ
のようにして得られた個体は、通常、本発明のタンパク
質のヘテロ発現不全個体であり、本発明のタンパク質の
ヘテロ発現不全個体同志を交配し、それらの産仔から本
発明のタンパク質のホモ発現不全個体を得ることができ
る。卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞核内にマ
イクロインジェクション法でDNA溶液を注入すること
によりターゲッティングベクターを染色体内に導入した
トランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ることができ、
これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物に比べて、
遺伝子相同組換えにより本発明のDNA座に変異のある
ものを選択することにより得られる。
【0124】このようにして本発明のDNAがノックア
ウトされている個体は、交配により得られた動物個体も
該DNAがノックアウトされていることを確認して通常
の飼育環境で飼育継代を行なうことができる。さらに、
生殖系列の取得および保持についても常法に従えばよ
い。すなわち、該不活化DNAの保有する雌雄の動物を
交配することにより、該不活化DNAを相同染色体の両
方に持つホモザイゴート動物を取得しうる。得られたホ
モザイゴート動物は、母親動物に対して、正常個体1,
ホモザイゴート複数になるような状態で飼育することに
より効率的に得ることができる。ヘテロザイゴート動物
の雌雄を交配することにより、該不活化DNAを有する
ホモザイゴートおよびヘテロザイゴート動物を繁殖継代
する。本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物
胚幹細胞は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を
作出する上で、非常に有用である。また、本発明のタン
パク質発現不全マウスは、本発明のタンパク質により誘
導され得る種々の生物活性を欠失するため、本発明のタ
ンパク質の生物活性の不活性化を原因とする疾病のモデ
ルとなり得るので、これらの疾病の原因究明及び治療法
の検討に有用である。
【0125】(8a)本発明のDNAの欠損や損傷など
に起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物
のスクリーニング方法 本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、前記した本
発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾病(例、癌
など)に対して治療・予防効果を有する化合物のスクリ
ーニングに用いることができる。すなわち、本発明は、
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を
投与し、該非ヒト哺動物の変化を観察・測定することを
特徴とする、本発明のDNAの欠損や損傷などに起因す
る疾病に対して治療・予防効果を有する化合物またはそ
の塩のスクリーニング方法を提供する。該スクリーニン
グ方法において用いられる本発明のDNA発現不全非ヒ
ト哺乳動物としては、前記と同様のものが挙げられる。
試験化合物としては、例えば、ペプチド、タンパク、非
ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出
液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などが挙げら
れ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公
知の化合物であってもよい。具体的には、本発明のDN
A発現不全非ヒト哺乳動物を、試験化合物で処理し、無
処理の対照動物と比較し、該動物の各器官、組織、疾病
の症状などの変化を指標として試験化合物の治療・予防
効果を試験することができる。試験動物を試験化合物で
処理する方法としては、例えば、経口投与、静脈注射な
どが用いられ、試験動物の症状、試験化合物の性質など
にあわせて適宜選択することができる。また、試験化合
物の投与量は、投与方法、試験化合物の性質などにあわ
せて適宜選択することができる。例えば、癌に対して治
療・予防効果を有する化合物をスクリーニングする場
合、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合
物を投与し、該動物の体重変化などを経時的に測定す
る。該スクリーニング方法において、試験動物に試験化
合物を投与した場合、該試験動物の体重が約10%以
上、好ましくは約30%以上、より好ましくは約50%
以上上昇した場合、該試験化合物を癌に対して治療・予
防効果を有する化合物として選択することができる。
【0126】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物は、上記した試験化合物から選ばれた化合物
であり、本発明のタンパク質等の欠損や損傷などによっ
て引き起こされる疾患、例えば、癌、ウイルス感染、ヘ
リコバクター・ピロリ感染、侵襲性ブドウ状球菌感染、
肝炎、腎炎、自己免疫性疾患、骨疾患、動脈硬化症、痛
みなどの疾患に対して治療・予防効果を有するので、該
疾患に対する安全で低毒性な治療・予防剤などの医薬と
して使用することができる。さらに、上記スクリーニン
グで得られた化合物から誘導される化合物も同様に用い
ることができる。該スクリーニング方法で得られた化合
物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、
生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸)または
塩(例、アルカリ金属)などとの塩が用いられ、とりわ
け生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な
塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、
臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、
酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コ
ハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香
酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩な
どが用いられる。該スクリーニング方法で得られた化合
物またはその塩を含有する治療・予防剤は、前記した本
発明のタンパク質等を含有する医薬と同様にして製造す
ることができる。該化合物またはその塩の投与量は、対
象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はある
が、例えば、癌治療の目的で該化合物を経口投与する場
合、一般的に成人(体重60kgとして)においては、
一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましく
は約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20
mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の
1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なる
が、例えば、癌治療の目的で該化合物を注射剤の形で通
常成人(60kgとして)に投与する場合、一日につき
該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約
0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10
mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。
他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与
することができる。
【0127】(8b)本発明のDNAに対するプロモー
ターの活性を促進または阻害する化合物をスクリーニン
グ方法 本発明は、本発明のDNAがレポーター遺伝子を導入す
ることにより不活性化された本発明のDNA発現不全非
ヒト哺乳動物に、試験化合物を投与し、レポーター遺伝
子の発現を検出することを特徴とする本発明のDNAに
対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物
またはその塩のスクリーニング方法を提供する。試験化
合物としては、前記と同様のものが挙げられる。レポー
ター遺伝子としては、前記と同様のものが用いられ、β
−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)が好適である。
本発明のDNAをレポーター遺伝子で不活性化された本
発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物では、レポーター
遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの支配下
に存在するので、レポーター遺伝子がコードする物質の
発現をトレースすることにより、プロモーターの活性を
検出することができる。
【0128】例えば、本発明のタンパク質をコードする
DNA領域の一部が大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子(lacZ)で不活性化されている場合、本来、
本発明のタンパク質の発現する組織で、本発明のタンパ
ク質の代わりにβ−ガラクトシダーゼが発現する。従っ
て、例えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル
−β−ガラクトピラノシド(X−gal)のようなβ−
ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用いて染色するこ
とにより、簡便に本発明のタンパク質の動物生体内にお
ける発現状態を観察することができる。具体的には、本
発明のタンパク質欠損マウスまたはその組織切片をグル
タルアルデヒドなどで固定し、ダルベッコリン酸緩衝生
理食塩液(PBS)で洗浄後、X−galを含む染色液
で、室温または7℃付近で、約30分ないし1時間反応
させた後、組織標本を1mM EDTA/PBS溶液で
洗浄することによって、β−ガラクトシダーゼ反応を停
止させ、呈色を観察すればよい。また、常法に従い、l
acZをコードするmRNAを検出してもよい。
【0129】上記スクリーニング方法を用いて得られる
化合物またはその塩は、上記した試験化合物から選ばれ
た化合物であり、本発明のDNAに対するプロモーター
活性を促進または阻害する化合物である。該スクリーニ
ング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、
該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、
無機酸、有機酸)または塩(例、アルカリ金属)などと
の塩が好ましくは、とりわけ生理学的に許容される酸付
加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸
(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、
あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、
フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、
リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸)との塩などが用いられる。本発明のDN
Aに対するプロモーター活性を阻害する化合物またはそ
の塩は、本発明のタンパク質の発現を阻害し、該タンパ
ク質の機能を阻害することができるので、例えば、エイ
ズ、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソ
ン病、筋萎縮性側索硬化症、色素性網膜炎、小脳変性な
ど)、骨髄異形成疾患(例、再生不良性貧血など)、虚
血性疾患(例、心筋梗塞、脳卒中など)、リウマチにお
ける関節組織の破壊、炎症、肝炎(例、劇症肝炎)、自
己免疫性疾患(例、全身性エリテマトーデス、免疫関連
糸球体腎炎など)、心筋症(例、拡張型心筋症)、糖尿
病、糖尿病性合併症(例、糖尿病性合併症、糖尿病性腎
症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症)、インフルエ
ンザ感染、糸球体腎炎、潰瘍性大腸炎などの疾患、好ま
しくは、エイズ、リウマチにおける関節組織の破壊、炎
症、肝炎、自己免疫性疾患などの疾病に対する安全で低
毒性な治療・予防剤などの医薬として有用である。一
方、本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進す
る化合物またはその塩は、本発明のタンパク質の発現を
促進し、該タンパク質の機能を促進することができるの
で、例えば、癌、ウイルス感染、ヘリコバクター・ピロ
リ感染、侵襲性ブドウ状球菌感染、肝炎、腎炎、自己免
疫性疾患、骨疾患、動脈硬化症、痛みのなどの疾病に対
する安全で低毒性な治療・予防剤などの医薬として有用
である。さらに、上記スクリーニングで得られた化合物
から誘導される化合物も同様に用いることができる。
【0130】該スクリーニング方法で得られた化合物ま
たはその塩を含有する医薬は、前記した本発明のタンパ
ク質等を含有する医薬と同様にして製造し、ヒトまたは
哺乳動物に投与することができる。このようにして得ら
れる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺
乳動物(例えば、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウ
シ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することがで
きる。該化合物またはその塩の投与量は、対象疾患、投
与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、
癌治療の目的で本発明のDNAに対するプロモーター活
性を促進する化合物を経口投与する場合、一般的に成人
(体重60kgとして)においては、一日につき該化合
物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50
mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非
経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与
対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、癌治
療の目的で本発明のDNAに対するプロモーター活性を
促進する化合物を注射剤の形で通常成人(60kgとし
て)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01
〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、
より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射によ
り投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60
kg当たりに換算した量を投与することができる。一
方、例えば、エイズ治療の目的で本発明のDNAに対す
るプロモーター活性を阻害する化合物を経口投与する場
合、一般的に成人(体重60kgとして)においては、
一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましく
は約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20
mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の
1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なる
が、例えば、エイズ治療の目的で本発明のDNAに対す
るプロモーター活性を阻害する化合物を注射剤の形で通
常成人(60kgとして)に投与する場合、一日につき
該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約
0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10
mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。
他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与
することができる。
【0131】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commision on Biochemical Nomenclature による略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
【0132】Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸
【0133】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェノール Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0134】本明細書の配列表の配列番号は、以下の配
列を示す。 〔配列番号:1〕本発明のヒト由来タンパク質のアミノ
酸配列を示す。 〔配列番号:2〕本発明のマウス由来タンパク質のアミ
ノ酸配列を示す。 〔配列番号:3〕本発明のラット由来タンパク質のアミ
ノ酸配列を示す。 〔配列番号:4〕本発明の配列番号:1で表わされるア
ミノ酸配列を有するヒト由来タンパク質をコードするc
DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕プラスミドpTB1939に挿入され
ている、本発明の配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を有するヒト由来タンパク質をコードするcDNAを
含有するDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕プラスミドpTB1940に挿入され
ている、本発明の配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を有するヒト由来タンパク質をコードするcDNAを
含有するDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕本発明の配列番号:2で表わされるア
ミノ酸配列を有するマウス由来タンパク質をコードする
cDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕プラスミドpTB1958に挿入され
ている、本発明の配列番号:2で表わされるアミノ酸配
列を有するマウス由来タンパク質をコードするcDNA
を含有するDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:9〕本発明の配列番号:2で表わされるア
ミノ酸配列を有するマウス由来タンパク質をコードする
ゲノムDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:10〕本発明の配列番号:3で表わされる
アミノ酸配列を有するラット由来タンパク質をコードす
るcDNAの塩基配列を示す。
【0135】〔配列番号:11〕本発明のヒト由来タン
パク質をコードするDNAをクローニングするために使
用した合成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:12〕本発明のヒト由来タンパク質をコー
ドするDNAをクローニングするために使用したプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:13〕本発明のヒト由来タンパク質をコー
ドするDNAをクローニングするために使用したプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:14〕本発明のマウス由来タンパク質をコ
ードするDNAをクローニングするために使用したオリ
ゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:15〕本発明のマウス由来タンパク質をコ
ードするDNAをクローニングするために使用したオリ
ゴヌクレオチドの塩基配列を示す。
【0136】〔配列番号:16〕本発明のマウス由来タ
ンパク質をコードするDNAの開始コドン付近の塩基配
列の解析に使用した合成オリゴヌクレオチドの塩基配列
を示す。 〔配列番号:17〕本発明のマウス由来タンパク質をコ
ードするDNAの開始コドン付近の塩基配列の解析に使
用した合成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:18〕本発明のマウス由来タンパク質をコ
ードするDNAの開始コドン付近の塩基配列の解析に使
用したマウス染色体DNA断片の両末端結合しているア
ダプターの塩基配列を示す。 〔配列番号:19〕本発明のマウス由来タンパク質をコ
ードするDNAの開始コドン付近の塩基配列の解析に使
用した合成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:20〕本発明のマウス由来タンパク質をコ
ードするDNAの開始コドン付近の塩基配列の解析に使
用した合成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:21〕本発明のヒト由来タンパク質の細胞
外領域をコードするDNAをクローニングするために使
用したプライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:22〕本発明のヒト由来タンパク質の細胞
外領域をコードするDNAをクローニングするために使
用したプライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:23〕本発明のラット由来タンパク質をコ
ードするDNAをクローニングするために使用したプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:24〕本発明のラット由来タンパク質をコ
ードするDNAをクローニングするために使用したプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:25〕本発明のタンパク質のアミノ酸配列
の一般式を示す。
【0137】後述の実施例1で得られた形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli)DH10B/pT
B1939およびエシェリヒア コリ(Escherichia co
li)DH10B/pTB1940は、それぞれ平成8年
7月17日から通商産業省工業技術院生命工学工業技術
研究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−559
5およびFERM BP−5596として、また平成8
年7月11日から財団法人・発酵研究所(IFO)に寄
託番号IFO 15997およびIFO 15998と
して寄託されている。後述の実施例2で得られた形質転
換体エシェリヒア コリ(Escherichia coli)DH5α
/pTB1958は、平成9年1月30日から通商産業
省工業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄
託番号FERM BP−5805として、また平成9年
1月31日から財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託
番号IFO 16054として寄託されている。後述の
実施例3で得られた形質転換体エシェリヒア コリ(Es
cherichia coli)DH5α/pTB2011は、平成9
年7月8日から通商産業省工業技術院生命工学工業技術
研究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−601
2として、また平成9年7月7日から財団法人・発酵研
究所(IFO)に寄託番号IFO16109として寄託
されている。後述の実施例5で得られた形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli)DH5α/pTB
2012は、平成9年7月8日から通商産業省工業技術
院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号FE
RM BP−6013として、また平成9年7月7日か
ら財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO1
6110として寄託されている。
【0138】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではな
い。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキュ
ラー・クローニング(Molecular cloning)に記載され
ている方法に従った。
【0139】
【実施例1】ヒト由来Fasリガンド様タンパク質をコ
ードするcDNAのクローニング cDNAのクローニングは、ジーントラッパー(GENETR
APPERTM)cDNAポジティブ選択システム(ギブコビ
ーアールエル社)を用いて行なった。スーパースクリプ
TMヒト肝臓cDNAライブラリー(ギブコビーアール
エル社)の大腸菌DH12S株を、100μg/ml アン
ピシリン含有Terrific Broth(12g/l Bacto-tryptone
(ディフコ社)、24g/l Bacto-yeast extract(ディ
フコ社)、2.3g/l リン酸一カリウム、12.5g/l リ
ン酸二カリウム、0.4% グリセロール)で30℃で
16時間培養し、集菌後、キアジェンプラスミドキット
(キアジェン社)を用いて、プラスミドcDNAライブ
ラリーを調製した。精製したプラスミドcDNAライブ
ラリーをGeneII,ExoIII(いずれもギブコビー
アールエル社)によって消化し、一本鎖cDNAライブ
ラリーを作成した。一方、プローブとして、合成オリゴ
ヌクレオチド(配列番号:11)をcDNAライブラリ
ーのスクリーニングに用いた。プローブは、TdT,ビ
オチン−14−dCTP(ギブコビーアールエル社)を
用いて、3'末端をビオチン化することで標識した。一
本鎖cDNAライブラリーを95℃で1分間処理した
後、氷中で急冷し、ビオチン化したプローブを加えて3
7℃で1時間、室温でハイブリダイゼーションを行なっ
た。ハイブリダイゼーション後、ジーントラッパーcD
NAポジティブ選択システム・ストレプトアビジンビー
ズ(ギブコビーアールエル社)を加えて、室温で2分ご
とに撹拌しながら30分間放置した。その後、ジーント
ラッパーcDNAポジティブ選択システム・マグネット
ラック(ギブコビーアールエル社)中に入れ、2分間放
置した。上清を捨て、マグネットビーズをジーントラッ
パーcDNAポジティブ選択システム・ウオッシュバッ
ファーで洗浄した。このウオッシュバッファーによる洗
浄を3回行なった。その後、マグネットラックに入れて
放置し、上清を捨て、ジーントラッパーcDNAポジテ
ィブ選択システム・溶出バッファーを加え、5分間室温
で放置した。マグネットラックに入れて5分間放置した
後、その上清のDNA溶液を回収した。
【0140】取得したDNA溶液にプライマーとして合
成オリゴヌクレオチド(配列番号:11)を入れ、95
℃で1分間処理した。ジーントラッパーcDNAポジテ
ィブ選択システム・修復酵素を加え、70℃で15分間
放置して二本鎖DNAを合成した。合成した二本鎖DN
Aをエレクトロポレーション装置(バイオ・ラッド社)
により、大腸菌DH10B株に導入した。得られた形質
転換株を用いて2種のオリゴヌクレオチド(配列番号:
12、配列番号:13)をプライマーとしてコロニーP
CRによるスクリーニングを行なった。PCRにより4
34bpの増幅断片が形成されたコロニーを陽性クロー
ンとして3株(#9、#33、#81)選択した。選択
した大腸菌を培養後、DNAを抽出し、Taqダイデオ
キシターミネーターサイクルシーケンシングキット(パ
ーキンエルマー社)を用いて反応を行ない、ABI PRISM
TM 377 DNAシーケンサー(パーキンエルマー社)
により、cDNA断片の塩基配列を決定した。取得した
3クローンのうち、クローン#9とクローン#33は同
一のDNA断片を含んでおり、poly(A)+鎖を含む配列
番号:5で表される1491個の塩基配列を有していた
〔図1〕。また、クローン#81は poly(A)+鎖、並び
に poly(A)+付加シグナル(AATAA)を含む配列番
号:6で表される1353個の塩基配列を有していた
〔図2〕。これら3クローンのcDNA断片には同一遺
伝子が含まれており、配列番号:1で表される240個
のアミノ酸からなる新規Fasリガンド様蛋白質がコー
ドされていた。また Kyte−Doolittle解析から、35番
バリン(Val)から63番トリプトファン(Trp)
にかけての疎水性領域が本タンパク質の膜貫通領域と予
想された。本タンパク質はヒトリンホトキシンβと最も
相同性が高かったが、アミノ酸レベルで33%の相同性
が見られた。また、ヒトFasリガンドとはアミノ酸レ
ベルで31%の相同性が見られたが、J. Hein法(PAM25
0 residue weight table に基づく)による系統樹解析
では、ヒトリンホトキシンβよりもヒトFasリガンド
とのより高い相同性が見られた。本発明のタンパク質を
コードするDNAのうちクローン#9を保持するプラス
ミドpTB1939並びにクローン#81を含むプラス
ミドpTB1940を大腸菌(Escherichia coli)DH
10Bに導入して、形質転換体:大腸菌(Escherichia
coli)DH10B/pTB1939並びに大腸菌(Esch
erichia coli)DH10B/pTB1940を得た。
【0141】
【実施例2】マウス由来Fasリガンド様タンパク質を
コードするcDNAのクローニング cDNAのクローニングは、PCR法によって行なっ
た。スーパースクリプトTMマウス8.5日胚由来cDN
Aライブラリー(ギブコビーアールエル社)の大腸菌D
H12S株を、100μg/ml アンピシリン含有Super B
roth(32g/l Bacto-tryptone(ディフコ社)、20g
/l Bacto-yeast extract(ディフコ社)、0.2g/l N
aCl)で30℃、16時間培養した後、キアジェンプラ
スミドキット(キアジェン社)を用いてプラスミドcD
NAライブラリーを調製し、鋳型として用いた。プライ
マーとして、次の2つの合成オリゴヌクレオチドを用い
た。 5'−TCTGCTCTGGCATGGAGAGTGTGGT−3’ (配列番号:14) 5’−CTATTGCTGGGTTTGAGGTGAGTC−3' (配列番号:15) PCR反応は、TaKaRa Ex Taq(宝酒造
(株))を含む系で、サーマルサークラー(GeneAmpR P
CR System 2400,パーキンエルマー社)を用いて94
℃,1分を1サイクル、94℃,20秒→55℃,30
秒→72℃,2分を30サイクル、4℃放置の条件で行
なった。得られた増幅断片をpT7Blue T-vector(ノバジ
ェン社)にDNAライゲーションキットバージョン2
(宝酒造(株))を用いて挿入し、大腸菌DH5α株に
導入した。得られた形質転換菌からプラスミドDNAを
抽出し、ダイターミネーターサイクルシークエンスFS
レディリアクションキット(パーキンエルマー社)を用
いて反応を行ない、373A DNAシーケンサー(パ
ーキンエルマー社)によりcDNA断片の塩基配列を決
定した。取得したクローンは、配列番号:7で表わされ
る717個の塩基配列を含む配列番号:8で表される7
95個の塩基配列を有しており、配列番号:2で表わさ
れる239個のアミノ酸からなるマウス由来Fasリガ
ンド様タンパク質をコードしていた〔図3〕。このマウ
ス由来Fasリガンド様タンパク質と実施例1で得られ
た配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有するヒト
由来Fasリガンド様タンパク質とは、アミノ酸レベル
で78%の相同性を有しており、また、それをコードす
るDNAは、塩基レベルで77%の相同性を有してい
た。得られたマウス由来Fasリガンド様タンパク質を
コードするDNAを保持するプラスミドpTB1958
を大腸菌(Escherichia coli)DH5αに導入して、形
質転換体:大腸菌(Escherichia coli)DH5α/pT
B1958を得た。
【0142】次に、プロモーターファインダーDNAウ
ォーキングキット(クローンテック社)を用いて、本発
明のマウス由来タンパク質をコードするDNAの開始コ
ドン付近の配列の解析を行なった。使用したマウスゲノ
ムDNAは、予めScaIの制限酵素で消化され、その
5'および3'末端に、プライマーAP1(クローンテッ
ク社)やプライマーAP2(クローンテック社)が結合
可能なアダプター配列が連結されている。 プライマーAP1:(配列番号:16) 5'−GTAATACGACTCACTATAGGGC
−3' プライマーAP2:(配列番号:17) 5'−ACTATAGGGCACGCGTGGT−3' アダプター配列:(配列番号:18) 5'−GTAATACGACTCACTATAGGGC
ACGCGTGGTCGACGGCCCGGGCTGG
T−3' 第1PCR反応は、このマウスゲノムDNA溶液とTa
KaRa LA PCRキットバージョン2(宝酒造
(株))、AP1、合成オリゴヌクレオチドGSP1を
用い、サーマルサイクラー(GeneAmpR PCR System 240
0,パーキンエルマー社)で、94℃,2秒、72℃,
3分を7サイクル、94℃,2秒、68℃,3分を37
サイクル、68℃,4分、4℃放置の条件で行なった。 合成オリゴヌクレオチドGSP1:(配列番号:1
9) 5'−CAGCCCAGCACCTAGCAGCAGC
ACCAG−3'
【0143】次に、この反応液を滅菌水で50倍希釈
し、第2PCR反応に用いた。第2PCR反応は、この
第1PCR反応液、TaKaRa LA PCRキットバ
ージョン2(宝酒造(株))、前記プライマーAP2、
合成オリゴヌクレオチドGSP2を用い、サーマルサイ
クラー(GeneAmpR PCR System 2400,パーキンエルマー
社)で、94℃,2秒、72℃,3分を5サイクル、9
4℃,2秒、68℃,3分を25サイクル、68℃,4
分、4℃放置の条件で行なった。 合成オリゴヌクレオチドGSP2:(配列番号:2
0) 5'−GCCGCCTGAATGGGATGTCCGT
CTGTC−3' ScaIで消化したゲノムDNA溶液から得られた約
1.1kbpの増幅断片をpT7ブルーT−ベクター
(ノバジェン社)にDNAライゲーションキットバージ
ョン2(宝酒造(株))を用いて挿入し、大腸菌DH5
α株に導入し、形質転換株を得た。得られた形質転換株
から、プラスミドDNAを抽出し、ダイターミネーター
サイクルシークエンスFSレディリアクションキット
(パーキンエルマー社)を用いて反応を行ない、373
A DNAシークエンサー(パーキンエルマー社)によ
り増幅断片の塩基配列の一部を決定した。取得したクロ
ーンには、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を有
する本発明のマウス由来タンパク質の1番Met(開始
コドン)から13番Aspをコードする塩基配列(配列
番号:7で表わされる塩基配列の第1〜39番目の塩基
配列)と完全に一致する配列が存在したことから、本発
明のマウス由来タンパク質をコードするcDNAのクロ
ーニングに用いた合成オリゴヌクレオチド(配列番号:
14)の配列は、実際の本発明のマウス由来タンパク質
をコードするDNAの配列の一部であることが確認され
た。
【0144】
【実施例3】マウス由来Fasリガンド様タンパク質遺
伝子のコード領域を含む染色体遺伝子のクローニング マウス由来Fasリガンド様タンパク質遺伝子のオープ
ンリーディングフレーム部分を含む領域をコードする染
色体DNA断片の取得は、129SVJマウス染色体D
NA Sau3AI部分消化断片を組み込んだラムダF
IXRIIライブラリー(ストラタジーン社)を用いて、
標識したマウス由来Fasリガンド様タンパク質cDN
Aをプローブとしたプラークハイブリダイゼーション法
により単離した。まず、1−10×104pfu(plaque-f
orming unit)/mlになるように希釈したファージ溶液
に、0.2%マルトース,10mM MgSO4を添加した
LB培地で30℃一晩培養した大腸菌XL1−Blue
MRAの培養液を同量混ぜ、37℃、10分間インキ
ュベートした。該混合液200μlに対して、あらかじ
め50℃に温めておいた5mlのトップアガロース(0.
7%になるようアガロースを添加したNZY培地〔5g/
l NaCl、2g/l MgSO4・7H2O、5g/lyeast e
xtract、10g/l NZアミン(pH7.5に調整)〕を
加え、NZYプレート(1.5% アガロース、9cmディ
ッシュ)に均一になるように重曹した後、9時間、37
℃で静置した。あらかじめプレートの位置がわかるよう
に印をつけたナイロントランスファーメンブレン Hybon
dTM−N+(アマシャム社)を該プレート上に1分間密
着させることにより、出現したファージ粒子をメンブレ
ン上に移した。該メンブレンを変性溶液(1.5M Na
Cl、0.5M NaOH)を染み込ませたワットマン3
MMペーパー濾紙(ワットマンインターナショナル社)
上に、ファージのついた面を上にして7分間置いた後、
中和溶液(1.5M NaCl、0.5M トリス塩酸(p
H7.2)、1mM EDTA)を染み込ませた濾紙上に、
ファージのついた面を上にして3分間放置した。再度こ
の中和処理を繰り返した後、2×SSC溶液(0.3M
NaCl、0.03M クエン酸ナトリウム)で洗浄し
た。該メンブレンを自然乾燥させた後、0.4M NaO
Hを染み込ませた濾紙上に、ファージのついた面を上に
して20分間置き、5×SSC溶液(0.75M NaC
l、75mM クエン酸ナトリウム)で洗浄し、ハイブリ
ダイゼーションパックにつめた。このパックにECL遺
伝子検出システム(アマシャム社)のハイブリダイゼー
ションバッファーを5ml加えて1時間、42℃でプレハ
イブリダイゼーションを行なった。
【0145】一方、マウス由来Fasリガンド様タンパ
ク質cDNAのオープンリーディングフレーム部分(7
20bp)をPCR反応により増幅させたDNA断片を
熱変性後に、ECL遺伝子検出システムのラベリング試
薬とグルタルアルデヒドを同量ずつ添加して5分間37
℃でインキュベートし標識した後、これを10μlずつ
プレハイブリダイゼーションパックに添加し、42℃で
1時間インキュベートした。その後パックよりメンブレ
ンを取り出し、あらかじめ42℃に保温させた一次洗浄
バッファー(6M 尿素、4g/l SDS、25ml/l 20
×SSC)で20分間洗浄した。これを再度繰り返した
後、室温で二次洗浄バッファー(2×SSC)で5分間
洗浄した。これを再度繰り返した後、ECL遺伝子検出
システムの検出試薬に1分間浸した後、メンブレンをX
線フィルムに重ね、感光させた。1時間後に該メンブレ
ンを取り出して現像を行ない、ポジティブクローンを選
択した。ここで選択したクローンをさらに先と同様の方
法により二次スクリーニングに供し、最終的に5つの候
補クローン(#2,3,4,5,6)を得ることができ
た。PCR反応を行なった結果から、これら5つの候補
クローンのうち、マウス由来Fasリガンド様タンパク
質をコードする遺伝子の全領域を包含しているクローン
は#1クローン及び#6クローンであることがわかっ
た。
【0146】次に、マウス由来Fasリガンド様タンパ
ク質遺伝子のコード領域を含む染色体DNAの塩基配列
を明らかにする目的でサブクローニングを行なった。ま
ず得られた#6クローンを制限酵素XbaIで消化した
後、0.7%アガロースゲルを用いて電気泳動を行な
い、マウス由来Fasリガンド様タンパク質遺伝子のコ
ード領域を含むことが考えられた約9kbのDNA断片を
切り出し、キアクイックゲル抽出キット(キアジェン
社)を用いて回収・精製を行なった。一方、クローニン
グベクターpUC19は制限酵素XbaIで消化した
後、1.0%アガロースゲルを用いて電気泳動を行な
い、2.7kbに相当するDNA断片を切り出し、キアク
イックゲル抽出キット(キアジェン社)を用いて回収・
精製を行なった後、ウシ小腸由来アルカリフォスファタ
ーゼCIAP(宝酒造)を用いて末端の脱リン酸化を行
なった。このCIAP処理pUC19に、先に調製した
#6クローン由来のDNA断片をDNA Ligation Kit
Ver.2(宝酒造)を用いて連結し、大腸菌DH5αに導
入して得られたアンピシリン耐性株より目的のDNA断
片が挿入されたプラスミドDNAを選択・単離した。ク
ローン化された#6クローン由来のXbaI DNA断
片の塩基配列については、種々の合成オリゴDNAをプ
ライマーとし、ダイターミネーターサイクルシークエン
スFSレディリアクションキット(パーキンエルマー
社)を用いたシークエンス反応を、添付資料の条件に従
ってGeneAmpR PCR System 2400で行なった後、該試料を
DNAシーケンサー373A(パーキンエルマー社)で決定
した。得られた塩基配列は遺伝子解析ソフトレーザージ
ーン(Lasergene、ディーエヌエースター(DNASTAR)
社)で確認した。その結果、マウス由来Fasリガンド
様タンパク質をコードする染色体遺伝子は4つのエクソ
ンから成ることが分かった〔図4〕。以上のようにして
取得した、マウス由来Fasリガンド様タンパク質のコ
ード領域を含む#6クローン由来のXbaI DNA断
片を保持するプラスミドはpTB2011と命名し、大
腸菌(Escherichia coli)DH5αに導入して得た形質
転換体は、大腸菌(Escherichia coli)DH5α/pT
B2011とした。
【0147】
【実施例4】Pichia酵母を宿主としたヒト由来Fasリ
ガンド様タンパク質の細胞外領域の発現とウエスタンブ
ロット解析 本発明のヒト由来Fasリガンド様タンパク質の細胞外
領域を酵母Pichia pastorisで発現させるためのベクタ
ーとしてはpPICZαA(インビトロジェン社)を用
いた。本ベクターには該酵母のアルコールオキシダーゼ
遺伝子(AOX1)のプロモーターの下流にPichia酵母
でも機能的な出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeの分泌
シグナルα−因子をコードする遺伝子とそれに続くマル
チクローニングサイトが含まれており、組換え蛋白質を
培地中に分泌させることが可能である。まず本発明のヒ
ト由来Fasリガンド様タンパク質の細胞外領域をコー
ドするDNA断片はPCR法により調製するが、その際
用いる次の2種のプライマーをDNA合成機(Oligo100
0M、ベックマン社)で合成した。 5'−プライマー:(配列番号:21) 5'−ACGAATTCCAAGAGCGAAGGTC
TCACGAGGTC−3' (このプライマーは、EcoRI認識配列とその3'側
にヒト由来Fasリガンド様タンパク質の細胞外領域の
うち、N末端側の85番Glnから8アミノ酸をコード
する24塩基を有する) 3'−プライマー:(配列番号:22) 5'−AGTCTAGACTCCTTCCTTCACA
CCATGAAAGCCCC−3' (このプライマーは、XbaI認識配列とその3'側に
終止コドン(TGA)とヒト由来Fasリガンド様タン
パク質の細胞外領域C末端5アミノ酸をコードする15
塩基に相補的な配列を有する)
【0148】得られたプライマーをそれぞれ50pmol、
実施例1で得られたプラスミドpTB1939を100
ng、dATP、dCTP、dGTP、dTTPを各10
nmol、2.5ユニットのネイティブPfu DNAポリメ
ラーゼ(ストラタジーン社)とネイティブPfuバッフ
ァー(ストラタジーン社)5μlを含む50μlの溶液
を調製し、サーマルサイクラー(GeneAmpR PCR System
2400、パーキンエルマー社)を用いて、94℃、1分、
続いて98℃、20秒→55℃、30秒→68℃、2分
を1サイクルとする反応を30サイクル、最後に72
℃、5分の条件でPCR反応を行なった。反応終了液か
らPCR産物を回収し、EcoRI、XbaIで消化
後、予めEcoRI、XbaIで消化・線状化したpP
ICZαAに連結し、環状化プラスミドを得た。該プラ
スミドDNAを再びAOX1座位のSacIユニーク切
断部位で切断し、線状化後、エレクトロポレーション法
によりPichia pastoris KM71株に導入した。そこで
得られた100μg/ml ZeocinTM(インビトロジェン
社)含有YPD寒天培地(1% yeast extract(ディフ
コ(Difco)社)、2% Bactopeptone(ディフコ(Difc
o)社)、2% glucose(和光純薬)、2% 寒天末(和
光純薬))上で生育可能なZeocinTM耐性株の中から数ク
ローンを選択し、各染色体DNAを調製後、それを鋳型
に用いた、導入プラスミドDNAの染色体への組み込み
を確認するためのPCR反応を行ない、組み込みが確認
されたクローンを目的とする組換え蛋白質発現用形質転
換株として選択した。組換え蛋白質の発現は以下の手順
で行なった。まず、1白金耳のヒト由来Fasリガンド
様タンパク質の発現用形質転換株のコロニーをBMGY
培地(1%酵母エキス、2% ペプトン、100mM リン
酸カリウム(pH6.0)、1.34% yeast nitrogen
base with ammonium sulfate without amino acids(デ
ィフコ(Difco)社)、4×10-5% ビオチン、1%
グリセロール)25mlに接種し、30℃、20時間培養
した。菌体を遠心で集め、次にOD600=1.0になるよ
うにBMMY(1% 酵母エキス、2% ペプトン、10
0mM リン酸カリウム(pH6.0)、1.34% yeast
nitrogen base with ammonium sulfate without amino
acids(ディフコ(Difco)社)、4×10-5% ビオチ
ン、0.5% メタノール)培地に再懸濁後、30℃で培
養し、1日、または2日後に該培養液をサンプリング
し、遠心して培養上清を得た。
【0149】本培養上清を用いたウエスタンブロッティ
ングは以下の通りに行なった。まず、ヒト由来Fasリ
ガンド様タンパク質の細胞外領域のアミノ酸配列の一部
(配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第166番
目〜第180番目までのアミノ酸配列)を含むペプチド
を合成し、該合成ペプチドを認識するウサギ抗血清を公
知の方法に従って作製した。次に上述の培養上清5μl
をサンプル処理液(0.25M Tris−HCl、2%
SDS、30% glycerol、10% β−mercaptoethan
ol,0.01% bromophenol blue,pH6.8)5μl
と混合し95℃で5分処理した後、SDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(10−20%グラジエントゲ
ル)を用い、泳動終了後タンパク質ブロッティング装置
(SemiPhorTM、ホーファ・ファルマシア・バイオテック
(Hoefer Pharmacia BioTech)社)を用いてニトロセル
ロース膜(ファルマシア社)に泳動タンパク質を転写し
た。3% ゼラチン含有TBS(20mM Tris,50
0mM NaCl,pH7.5)で膜をブロッキングして、
次にTTBS(0.05% Tween−20含有TB
S)で洗浄後、1.0% ゼラチン含有TTBSで200
0倍に希釈された上述のウサギ抗血清と室温で2時間反
応させた。反応終了後、膜をTTBSで2回洗浄して、
次に1.0%ゼラチン含有TTBSで3000倍に希釈
されたアルカリフォスファターゼ(AP)標識ヤギ抗ウ
サギIgG抗体と室温で1時間反応させた。膜をTTB
Sで2回洗浄してさらにTBSで1回洗浄後、AP発色
キット(バイオラッド社)を用いて検出した。〔図5〕
にそのウエスタンブロッティングの結果を示した。発現
ベクターを導入した株の培養上清では約20kD付近に
主たるバンドが認められ、そのシグナルの強さは経時的
に増加していたが、対照のpPICZαA導入株の培養
上清では全くシグナルが認められなかった。
【0150】
【実施例5】ラット由来Fasリガンド様タンパク質を
コードするcDNAのクローニング ラット由来Fasリガンド様タンパク質をコードするc
DNAのクローニングは、PCR法によって行なった。
スーパースクリプトTMラット肝臓cDNAライブラリー
(ギブコビーアールエル社)の大腸菌DH12S株を、
100μg/mlアンピシリン含有Terrific Broth(12g/l B
acto-tryptone(ディフコ社),24g/l Bacto-yeast e
xtract(ディフコ社),2.3g/l リン酸一カリウム,
12.5g/l リン酸二カリウム,0.4% グリセロー
ル)で30℃で16時間培養し、集菌後、キアジェンプ
ラスミドキット(キアジェン社)を用いてプラスミドc
DNAライブラリーを調製した。該DNAを鋳型とし
て、また、下記の2つの合成オリゴヌクレオチドをプラ
イマーDNAとして、またTaKaRa LA Taq(宝酒造
(株))をDNAポリメラーゼとして用いた反応系でP
CR反応を行なった。 5'−CCTGACCCTGGGCTTCTGAGCCTC−3' (配列番号:23) 5'−TCCACAAAATCCATTGTCGTCATAGCC−3' (配列番号:24) 反応はサーマルサイクラー(GeneAmpR PCR System 240
0,パーキンエルマー社)を用いて、94℃・1分を1
サイクル、98℃・20秒→55℃・30秒→72℃・
3分を35サイクル、72℃・2分を1サイクル、4℃
・放置のプログラムで行なった。反応終了液の一部を
1.0%アガロースゲル電気泳動し、PCR反応で増幅
された単一のDNA断片に対応するバンドを確認の後、
キアクィックゲルエキストラクションキット(キアジェ
ン社)を用いて該DNA断片を回収し、その塩基配列を
決定するためにpT7Blue T-vector(ノバジェン社)のT
クローニングサイトにDNAライゲーションキットバー
ジョン2(宝酒造(株))を用いて挿入・連結した。該
ライゲーション液を大腸菌DH5α株に導入後、アンピ
シリン含有LB寒天培地上で出現してきたアンピシリン
耐性形質転換株のコロニー群の中から2クローンを選択
し、各々からプラスミドDNAを調製した。両クローン
の各挿入DNAの塩基配列を決定するため、各プラスミ
ドDNAを鋳型に、2種(PRM−007、PRM−0
08)の市販プライマーDNA(東洋紡績(株))の
他、DNA合成装置(Oligo1000M、ベックマン社)で合
成したオリゴDNAをプライマーDNAとして用い、Th
ermo SequenaseTM dye terminator cycle sequencing p
re-mix kit(アマシャム社)を用いたサイクルシークエ
ンス反応を添付資料の条件に従ってGeneAmpR PCR Syste
m 2400で行なった後、該試料をDNAシーケンサー37
3A(パーキンエルマー社)で分析した。
【0151】得られた塩基配列は遺伝子解析ソフトレー
ザージーン(Lasergene、ディーエヌエースター(DNAST
AR)社)で解析した。その結果、両クローンとも、Tク
ローニングサイトには、配列番号:3で表される239
個のアミノ酸からなるラット由来Fasリガンド様タン
パク質をコードする配列番号:10で表される717個
の塩基配列からなるオープンリーディングフレーム(Op
en reading frame)を含む784塩基対の塩基配列のD
NA断片が含まれていた〔図6〕。このラット由来Fa
sリガンド様タンパク質と実施例1で得られた配列番
号:1で表されるアミノ酸配列を有するヒト由来Fas
リガンド様タンパク質とはアミノ酸レベルで75%の相
同性を有しており、それらをコードするDNAは塩基レ
ベルで74%の相同性を有していた。また、このラット
由来Fasリガンド様タンパク質と実施例2で得られた
配列番号:2で表されるアミノ酸配列を有するマウス由
来Fasリガンド様タンパク質とはアミノ酸レベルで9
6%の相同性を有しており、それらをコードするDNA
は塩基レベルで94%の相同性を有していた。得られた
ラット由来Fasリガンド様タンパク質をコードするD
NAを保持するプラスミドpTB2012を大腸菌(Es
cherichia coli)DH5αに導入して形質転換体:大腸
菌(Escherichia coli)DH5α/pTB2012を得
た。
【0152】
【発明の効果】本発明のタンパク質、その部分ペプチド
またはそれらの塩は、アポトーシス活性、細胞傷害活性
などの作用を有している。したがって、本発明のタンパ
ク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩、および本発
明のDNAは、例えば、癌(例、乳癌、前立腺癌、卵巣
癌、ろ胞性リンパ球腫、p53変異を伴う癌、脳腫瘍、
膀胱癌、子宮頸部癌、大腸癌(結腸/直腸癌)、非小細
胞肺癌、小細胞肺癌、胃癌など)、ウイルス感染(例、
エイズウイルス感染初期、ヘルペスウイルス感染、アデ
ノウイルス感染、ボックスウイルス感染、水痘-帯状疱
疹ウイルス感染、ヒトパピローマウイルス感染など)、
ヘリコバクター・ピロリ感染、侵襲性ブドウ状球菌感
染、肝炎(例、A型肝炎、C型肝炎など)、腎炎、骨疾
患(例、リウマチ関節炎(例、リウマチにおける滑膜細
胞の異常増殖)など)、動脈硬化症、痛みなどの疾病の
予防・治療剤などとして有用である。また、本発明のD
NAは、例えば、癌、ウイルス感染、肝炎、腎炎、リウ
マチ関節炎などの疾患の遺伝子診断剤として有用であ
る。本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれ
らの塩に対する抗体は、本発明のタンパク質、その部分
ペプチドまたはそれらの塩を特異的に認識することがで
きるので、被検液中の本発明のタンパク質等の定量など
に使用することができる。また、本発明のタンパク質、
その部分ペプチドまたはそれらの塩の活性を中和するこ
とができる抗体は、例えば、エイズ、リウマチにおける
関節組織の破壊、炎症、肝炎、自己免疫疾患などの予防
・治療剤などとして使用することができる。さらに、本
発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩
は、本発明のタンパク質とレセプターとの結合性を変化
させる化合物,プロテイナーゼ促進もしくは阻害作用を
有する化合物,またはレセプター結合後の細胞内シグナ
ル伝達を促進もしくは阻害する化合物をスクリーニング
するための試薬として有用である。
【0153】
【配列表】
【配列番号:1】 配列の長さ:240 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク 配列 Met Glu Glu Ser Val Val Arg Pro Ser Val Phe Val Val Asp Gly Gln 1 5 10 15 Thr Asp Ile Pro Phe Thr Arg Leu Gly Arg Ser His Arg Arg Gln Ser 20 25 30 Cys Ser Val Ala Arg Val Gly Leu Gly Leu Leu Leu Leu Leu Met Gly 35 40 45 Ala Gly Leu Ala Val Gln Gly Trp Phe Leu Leu Gln Leu His Trp Arg 50 55 60 Leu Gly Glu Met Val Thr Arg Leu Pro Asp Gly Pro Ala Gly Ser Trp 65 70 75 80 Glu Gln Leu Ile Gln Glu Arg Arg Ser His Glu Val Asn Pro Ala Ala 85 90 95 His Leu Thr Gly Ala Asn Ser Ser Leu Thr Gly Ser Gly Gly Pro Leu 100 105 110 Leu Trp Glu Thr Gln Leu Gly Leu Ala Phe Leu Arg Gly Leu Ser Tyr 115 120 125 His Asp Gly Ala Leu Val Val Thr Lys Ala Gly Tyr Tyr Tyr Ile Tyr 130 135 140 Ser Lys Val Gln Leu Gly Gly Val Gly Cys Pro Leu Gly Leu Ala Ser 145 150 155 160 Thr Ile Thr His Gly Leu Tyr Lys Arg Thr Pro Arg Tyr Pro Glu Glu 165 170 175 Leu Glu Leu Leu Val Ser Gln Gln Ser Pro Cys Gly Arg Ala Thr Ser 180 185 190 Ser Ser Arg Val Trp Trp Asp Ser Ser Phe Leu Gly Gly Val Val His 195 200 205 Leu Glu Ala Gly Glu Lys Val Val Val Arg Val Leu Asp Glu Arg Leu 210 215 220 Val Arg Leu Arg Asp Gly Thr Arg Ser Tyr Phe Gly Ala Phe Met Val 225 230 235 240
【0154】
【配列番号:2】 配列の長さ:239 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Glu Ser Val Val Gln Pro Ser Val Phe Val Val Asp Gly Gln Thr 1 5 10 15 Asp Ile Pro Phe Arg Arg Leu Glu Gln Asn His Arg Arg Arg Arg Cys 20 25 30 Gly Thr Val Gln Val Ser Leu Ala Leu Val Leu Leu Leu Gly Ala Gly 35 40 45 Leu Ala Thr Gln Gly Trp Phe Leu Leu Arg Leu His Gln Arg Leu Gly 50 55 60 Asp Ile Val Ala His Leu Pro Asp Gly Gly Lys Gly Ser Trp Glu Lys 65 70 75 80 Leu Ile Gln Asp Gln Arg Ser His Gln Ala Asn Pro Ala Ala His Leu 85 90 95 Thr Gly Ala Asn Ala Ser Leu Ile Gly Ile Gly Gly Pro Leu Leu Trp 100 105 110 Glu Thr Arg Leu Gly Leu Ala Phe Leu Arg Gly Leu Thr Tyr His Asp 115 120 125 Gly Ala Leu Val Thr Met Glu Pro Gly Tyr Tyr Tyr Val Tyr Ser Lys 130 135 140 Val Gln Leu Ser Gly Val Gly Cys Pro Gln Gly Leu Ala Asn Gly Leu 145 150 155 160 Pro Ile Thr His Gly Leu Tyr Lys Arg Thr Ser Arg Tyr Pro Lys Glu 165 170 175 Leu Glu Leu Leu Val Ser Arg Arg Ser Pro Cys Gly Arg Ala Asn Ser 180 185 190 Ser Arg Val Trp Trp Asp Ser Ser Phe Leu Gly Gly Val Val His Leu 195 200 205 Glu Ala Gly Glu Glu Val Val Val Arg Val Pro Gly Asn Arg Leu Val 210 215 220 Arg Pro Arg Asp Gly Thr Arg Ser Tyr Phe Gly Ala Phe Met Val 225 230 235
【0155】
【配列番号:3】 配列の長さ:239 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Glu Ser Val Val Gln Pro Ser Val Phe Val Val Asp Gly Gln Thr 1 5 10 15 Asp Ile Pro Phe Arg Arg Leu Gly Gln Asn His Arg Arg Arg His Cys 20 25 30 Gly Thr Val Gln Val Ser Leu Ala Leu Leu Leu Leu Leu Gly Ala Gly 35 40 45 Leu Ala Thr Glu Gly Trp Phe Leu Leu Arg Leu His Gln Arg Leu Gly 50 55 60 Asp Ile Val Ala His Leu Pro Asp Gly Gly Lys Gly Ser Trp Glu Lys 65 70 75 80 Leu Ile Gln Asp Gln Arg Ser His Gln Pro Asn Pro Ala Ala His Leu 85 90 95 Thr Gly Ala Asn Ala Ser Leu Ile Gly Ile Gly Gly Pro Leu Leu Trp 100 105 110 Glu Thr Gln Leu Gly Leu Ala Phe Leu Arg Gly Leu Thr Tyr His Asp 115 120 125 Gly Ala Leu Val Thr Thr Glu Ala Gly Tyr Tyr Tyr Val Tyr Ser Lys 130 135 140 Val Gln Leu Ser Gly Val Gly Cys Pro Gln Gly Leu Ala Asn Gly Leu 145 150 155 160 Pro Ile Thr His Gly Leu Tyr Lys Arg Thr Ser Arg Tyr Pro Lys Glu 165 170 175 Leu Glu Leu Leu Val Ser Arg Arg Ser Pro Cys Gly Arg Ala Asn Ser 180 185 190 Ser Arg Val Trp Trp Asp Ser Ser Phe Leu Gly Gly Val Val His Leu 195 200 205 Glu Ala Gly Glu Glu Val Val Val Arg Val Pro Gly Asn Arg Leu Val 210 215 220 Arg Pro Arg Asp Gly Thr Arg Ser Tyr Phe Gly Ala Phe Met Ile 225 230 235
【0156】
【配列番号:4】 配列の長さ:720 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ATGGAGGAGA GTGTCGTACG GCCCTCAGTG TTTGTGGTGG ATGGACAGAC CGACATCCCA 60 TTCACGAGGC TGGGACGAAG CCACCGGAGA CAGTCGTGCA GTGTGGCCCG GGTGGGTCTG 120 GGTCTCTTGC TGTTGCTGAT GGGGGCTGGG CTGGCCGTCC AAGGCTGGTT CCTCCTGCAG 180 CTGCACTGGC GTCTAGGAGA GATGGTCACC CGCCTGCCTG ACGGACCTGC AGGCTCCTGG 240 GAGCAGCTGA TACAAGAGCG AAGGTCTCAC GAGGTCAACC CAGCAGCGCA TCTCACAGGG 300 GCCAACTCCA GCTTGACCGG CAGCGGGGGG CCGCTGTTAT GGGAGACTCA GCTGGGCCTG 360 GCCTTCCTGA GGGGCCTCAG CTACCACGAT GGGGCCCTTG TGGTCACCAA AGCTGGCTAC 420 TACTACATCT ACTCCAAGGT GCAGCTGGGC GGTGTGGGCT GCCCGCTGGG CCTGGCCAGC 480 ACCATCACCC ACGGCCTCTA CAAGCGCACA CCCCGCTACC CCGAGGAGCT GGAGCTGTTG 540 GTCAGCCAGC AGTCACCCTG CGGACGGGCC ACCAGCAGCT CCCGGGTCTG GTGGGACAGC 600 AGCTTCCTGG GTGGTGTGGT ACACCTGGAG GCTGGGGAGA AGGTGGTCGT CCGTGTGCTG 660 GATGAACGCC TGGTTCGACT GCGTGATGGT ACCCGGTCTT ACTTCGGGGC TTTCATGGTG 720
【0157】
【配列番号:5】 配列の長さ:1491 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 CGAGACTCCA TCTCAAAAAC AAAACAAATA AACGAACAAA AAAACCCACA ACGTATTATT 60 TTCTTGTTTA CGAGGTTTCT TGTCTCTCTG GCTCCACCAG AAGAGGAGCA GGGACCCTTC 120 TTGCTGTTGT TCATTGCTGC ATCCCCCACA CCGAGAGCAG AGCCTGGCAT GGGCAGAAAG 180 TCCTCAGTCG ATATTTGGTG GCCCCAAGCG AATGAAGCAT CCAAGAAGGG AAAGCTGGGG 240 GCTCCCCACT GCACTTGCCA CCTGAGTCAC ATTTTCAGAA GCCTCTGGAA AGTCGTGCAC 300 AGCCCAGGAG TGTTGAGCAA TTTCGGTTTC CTCTGAGGTT GAAGGACCCA GGCGTGTCAG 360 CCCTGCTCCA GACACCTTGG GCATGGAGGA GAGTGTCGTA CGGCCCTCAG TGTTTGTGGT 420 GGATGGACAG ACCGACATCC CATTCACGAG GCTGGGACGA AGCCACCGGA GACAGTCGTG 480 CAGTGTGGCC CGGGTGGGTC TGGGTCTCTT GCTGTTGCTG ATGGGGGCTG GGCTGGCCGT 540 CCAAGGCTGG TTCCTCCTGC AGCTGCACTG GCGTCTAGGA GAGATGGTCA CCCGCCTGCC 600 TGACGGACCT GCAGGCTCCT GGGAGCAGCT GATACAAGAG CGAAGGTCTC ACGAGGTCAA 660 CCCAGCAGCG CATCTCACAG GGGCCAACTC CAGCTTGACC GGCAGCGGGG GGCCGCTGTT 720 ATGGGAGACT CAGCTGGGCC TGGCCTTCCT GAGGGGCCTC AGCTACCACG ATGGGGCCCT 780 TGTGGTCACC AAAGCTGGCT ACTACTACAT CTACTCCAAG GTGCAGCTGG GCGGTGTGGG 840 CTGCCCGCTG GGCCTGGCCA GCACCATCAC CCACGGCCTC TACAAGCGCA CACCCCGCTA 900 CCCCGAGGAG CTGGAGCTGT TGGTCAGCCA GCAGTCACCC TGCGGACGGG CCACCAGCAG 960 CTCCCGGGTC TGGTGGGACA GCAGCTTCCT GGGTGGTGTG GTACACCTGG AGGCTGGGGA 1020 GAAGGTGGTC GTCCGTGTGC TGGATGAACG CCTGGTTCGA CTGCGTGATG GTACCCGGTC 1080 TTACTTCGGG GCTTTCATGG TGTGAAGGAA GGAGCGTGGT GCATTGGACA TGGGTCTGAC 1140 ACGTGGAGAA CTCAGAGGGT GCCTCAGGGG AAAGAAAACT CACGAAGCAG AGGCTGGGCG 1200 TGGTGGCTCT CGCCTGTAAT CCCAGCACTT TGGGAGGCCA AGGCAGGCGG ATCACCTGAG 1260 GTCAGGAGTT CGAGACCAGC CTGGCTAACA TGGCAAAACC CCATCTCTAC TAAAAATACA 1320 AAAATTAGCC GGACGTGGTG GTGCCTGCCT GTAATCCAGC TACTCAGGAG GCTGAGGCAG 1380 GATAATTTTG CTTAAACCCG GGAGGCGGAG GTTGCAGTGA GCCGAGATCA CACCACTGCA 1440 CTCCAACCTG GGAAACGCAG TGAGACTGTG CCTCAAAAAA AAAAAAAAAA A 1491
【0158】
【配列番号:6】 配列の長さ:1353 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 CCCACGCGTC CGCCCACGCG TCCGCTGAGG TTGAAGGACC CAGGCGTGTC AGCCCTGCTC 60 CAGACACCTT GGGCATGGAG GAGAGTGTCG TACGGCCCTC AGTGTTTGTG GTGGATGGAC 120 AGACCGACAT CCCATTCACG AGGCTGGGAC GAAGCCACCG GAGACAGTCG TGCAGTGTGG 180 CCCGGGTGGG TCTGGGTCTC TTGCTGTTGC TGATGGGGGC TGGGCTGGCC GTCCAAGGCT 240 GGTTCCTCCT GCAGCTGCAC TGGCGTCTAG GAGAGATGGT CACCCGCCTG CCTGACGGAC 300 CTGCAGGCTC CTGGGAGCAG CTGATACAAG AGCGAAGGTC TCACGAGGTC AACCCAGCAG 360 CGCATCTCAC AGGGGCCAAC TCCAGCTTGA CCGGCAGCGG GGGGCCGCTG TTATGGGAGA 420 CTCAGCTGGG CCTGGCCTTC CTGAGGGGCC TCAGCTACCA CGATGGGGCC CTTGTGGTCA 480 CCAAAGCTGG CTACTACTAC ATCTACTCCA AGGTGCAGCT GGGCGGTGTG GGCTGCCCGC 540 TGGGCCTGGC CAGCACCATC ACCCACGGCC TCTACAAGCG CACACCCCGC TACCCCGAGG 600 AGCTGGAGCT GTTGGTCAGC CAGCAGTCAC CCTGCGGACG GGCCACCAGC AGCTCCCGGG 660 TCTGGTGGGA CAGCAGCTTC CTGGGTGGTG TGGTACACCT GGAGGCTGGG GAGAAGGTGG 720 TCGTCCGTGT GCTGGATGAA CGCCTGGTTC GACTGCGTGA TGGTACCCGG TCTTACTTCG 780 GGGCTTTCAT GGTGTGAAGG AAGGAGCGTG GTGCATTGGA CATGGGTCTG ACACGTGGAG 840 AACTCAGAGG GTGCCTCAGG GGAAAGAAAA CTCACGAAGC AGAGGCTGGG ATTACAGGCG 900 TGAGCCACTG TTCCCAGCAG GAATTTCTTT TTTATAGTAT TGGATAAAGT TTGGTGTTTT 960 TACAGAGGAG AAGCAATGGG TCTTAGCTCT TTCTCTATTA TGTTATCATC CTCCCTTTTT 1020 TGTACAATAT GTTGTTTACC TGAAAGGAAG GTTTCTATTC GTTGGTTGTG GACCTGGACA 1080 AAGTCCAAGT CTGTGGAACT TAAAACCTTG AAGGTCTGTC ATAGGACTCT GGACAATCTC 1140 ACACCTTAGC TATTCCCAGG GAACCCCAGG GGGCAACTGA CATTGCTCCA AGATGTTCTC 1200 CTGATGTAGC TTGAGATATA AAGGAAAGGC CCTGCACAGG TGGCTGTTTC TTGTCTGTTA 1260 TGTCAGAGGA ACAGTCCTGT TCAGAAAGGG GCTCTTCTGA GCAGAAATGG CTAATAAACT 1320 TTGTGCTGAT CTGGAAAAAA AAAAAAAAAA AAA 1353
【0159】
【配列番号:7】 配列の長さ:717 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ATGGAGAGTG TGGTACAGCC TTCAGTGTTT GTG
GTGGATG GACAGACGGA CATCCCATTC 60 AGGCGGCTGG AACAGAACCA CCGGAGACGG CGC
TGTGGCA CTGTCCAGGT CAGCCTGGCC 120 CTGGTGCTGC TGCTAGGTGC TGGGCTGGCC ACT
CAGGGCT GGTTTCTCCT GAGACTGCAT 180 CAACGTCTTG GAGACATAGT AGCTCATCTG CCA
GATGGAG GCAAAGGCTC CTGGGAGAAG 240 CTGATACAAG ATCAACGATC TCACCAGGCC AAC
CCAGCAG CACATCTTAC AGGAGCCAAC 300 GCCAGCTTGA TAGGTATTGG TGGACCTCTG TTA
TGGGAGA CACGACTTGG CCTGGCCTTC 360 TTGAGGGGCT TGACGTATCA TGATGGGGCC CTG
GTGACCA TGGAGCCCGG TTACTACTAT 420 GTGTACTCCA AAGTGCAGCT GAGCGGCGTG GGC
TGCCCCC AGGGGCTGGC CAATGGCCTC 480 CCCATCACCC ATGGACTATA CAAGCGCACA TCC
CGCTACC CGAAGGAGTT AGAACTGCTG 540 GTCAGTCGGC GGTCACCCTG TGGCCGGGCC AAC
AGCTCCC GAGTCTGGTG GGACAGCAGC 600 TTCCTGGGCG GCGTGGTACA TCTGGAGGCT GGG
GAAGAGG TGGTGGTCCG CGTGCCTGGA 660 AACCGCCTGG TCAGACCACG TGACGGCACC AGG
TCCTATT TCGGAGCTTT CATGGTC 717
【0160】
【配列番号:8】 配列の長さ:795 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 TCTGCTCTGG CATGGAGAGT GTGGTACAGC CTT
CAGTGTT TGTGGTGGAT GGACAGACGG 60 ACATCCCATT CAGGCGGCTG GAACAGAACC ACC
GGAGACG GCGCTGTGGC ACTGTCCAGG 120 TCAGCCTGGC CCTGGTGCTG CTGCTAGGTG CTG
GGCTGGC CACTCAGGGC TGGTTTCTCC 180 TGAGACTGCA TCAACGTCTT GGAGACATAG TAG
CTCATCT GCCAGATGGA GGCAAAGGCT 240 CCTGGGAGAA GCTGATACAA GATCAACGAT CTC
ACCAGGC CAACCCAGCA GCACATCTTA 300 CAGGAGCCAA CGCCAGCTTG ATAGGTATTG GTG
GACCTCT GTTATGGGAG ACACGACTTG 360 GCCTGGCCTT CTTGAGGGGC TTGACGTATC ATG
ATGGGGC CCTGGTGACC ATGGAGCCCG 420 GTTACTACTA TGTGTACTCC AAAGTGCAGC TGA
GCGGCGT GGGCTGCCCC CAGGGGCTGG 480 CCAATGGCCT CCCCATCACC CATGGACTAT ACA
AGCGCAC ATCCCGCTAC CCGAAGGAGT 540 TAGAACTGCT GGTCAGTCGG CGGTCACCCT GTG
GCCGGGC CAACAGCTCC CGAGTCTGGT 600 GGGACAGCAG CTTCCTGGGC GGCGTGGTAC ATC
TGGAGGC TGGGGAAGAG GTGGTGGTCC 660 GCGTGCCTGG AAACCGCCTG GTCAGACCAC GTG
ACGGCAC CAGGTCCTAT TTCGGAGCTT 720 TCATGGTCTG AAGGCTGCGG TGACAATGTA TTT
TGTGGAG GGACCTCTCC AGGACTCACC 780 TCAAACCCAG CAATA
795
【0161】
【配列番号:9】 配列の長さ:9058 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ゲノムDNA 配列 TCTAGATTGC ATTAACAGAG AGAAGACCCT GAGTATGGGT GGAGTCATCT CAGGGCTGAG 60 GTCCTGGGCT GAATGAAAAT GACAGAGTGA GCAGAGCACC CGTGTTCTTT GGTTTCTGCT 120 ACCTCACTGT GGATTTGACA TGACCAACTG CCTCGTGCTA CCTCCCCTCT CCCCACTTTG 180 ACTTCTCCAC TGTGATAGAC ACTTCTCACT ATGAGCCAAG ATTTTTCTTC CTCCCAGTCT 240 TAGTTGGGGT TTCTACTGCT GTGCTAAAAC ACCATGACCA AAAGCAACTT GGAGAGAAGA 300 GGGTTTATTT CAGTTACATT TCCAGGTTAT AGTTCATCAC TGAATAAAAT CAGGACAGGA 360 ATTCTAATTG TGCAGGATCC TGGAGGCAGT AGGTGACGCA GAGGCCATGA GGATGCTGCT 420 TGCTAGTTTG CTCCCCATGG CTTGCTTGCT CAGCCTGCTT TCTTATAGAA CCCAGGATCA 480 TCAGCCCAGG GGATGGTGCC ATCCACAGTG GACTGGGCCC TTCCGCATCA ATCACTAATG 540 GAGAAAATGC CCCACGGGCT TAAATGCATC CTGATCTTAT GGAGGCATTT TTTTTTCAAC 600 TGAGGCTCCC TCCTCTCAGA TGATTTTTGC TCGTGTCAAG TTGACATAAA ACTATCCAGC 660 ACCCTGTACC CTTTGTCATC TTGACACACA AACACAACAC TAGTAAGCCA CAACCTTTCC 720 TTTCTTGTCA TCTCCAAGAT CAAACATTAA TATCAACGTC ACAACATAAA AACATTTTGT 780 GGGCTAGAGA GATGGCTTGG AGGCTAAGAG CACTGGCTGT CCTTCAAGAA AATGAGCAAT 840 TCCCAGCACC CACACGGCAG CTCACAACTG TCTTTAATTC ATTTTCCAGG GGATCCAAAT 900 CCCTCACACA TGCAAGCAAA ACACTAATGT ACAGAAAATA GAAATAAATA AATTTTTAAA 960 CATTTTGCAA ACTTAAAAAA AAAAAAAGTC CCACCACTTT ACAAATTCAA ACAGGTTAAA 1020 ATTTAGTGTC TTTAAAACTC CAAAGTTTAA AGTTGAAAAA CCTTTAAAAT CTAAAATATT 1080 TTAAAAGCTA GCCTCTCAGC TGTGGGATCC TATAACATTG AAAACAAGCT TAATACTTCC 1140 TTATTTCAAG AGGGAAGAAC CACGGCACAG TCAACAACCT GAACAAGCAA AACCAAATAC 1200 CAGCTGTGTA AATAATTCGA TTTCCAGTGT CTGGGATTCA AACATGATCT TCTGGGCTCC 1260 TCCAAAGGTC CTGAGTGCCT TCTCTGGTGC TGCCCTATGC AGCCCTCACA TCTTGTCTTC 1320 TAGGCTGGGG CTGGCTCCAC CCCAAGGCTG CTGCTGCTGC TGCTGCTGCT GGTGATCATC 1380 CCAAGACACC AGCATCTTCA AAATACTGTG GTCTTCTGCT GCCACGGAGG CTGCACTTTC 1440 ACCAACAGCC TCTCCTGGTC CCACACAGTG CCATGCCTCA GCTTCTCTCC ATGGCCTCCT 1500 TATCCTTCCA AACCCAGCAT CATCTGAGGA TAACCTTGTT CACCTTAACA GCACAGCTTC 1560 TGTGTACTGG TTCTCTCAGG AAACACTCCC CAGATTTCAC CTCAGTGATG CAGGTCTCTT 1620 CTAAATCACG GCCAGTTCTG CAGAACAAGC TAAGCAGAAC TAAGAATCTC ATTTCAAATA 1680 TCAAACATCC CCAATGCTCT CCTTGTTGTT GTTTTTGTTT TAAAATAGAA TCCCTTTATA 1740 GTTCTTGCTC TCTTGGAACT CACTATGTAG AATAGGCTGG TTTTGATCTC ACAGGAGATC 1800 CATCTGCCTC TGCCTCCCAA AGGTGTGTAC TACCCTACCC AGGAAATCGT GGTGGTCTTT 1860 AAGAAACTCT CAAACTTCCC TCTGTAATTT CACAAGGCAG GCCTCCATCA TCTGCCGTAT 1920 TCTCAGCATT TTGAACTTCC AAGCTCCCAC AGAACAGCCC ACTGAGCTCT GCATGGAACA 1980 GTTTCTCCAG TCCAAAGTTG AGAGGCCGTA CAATCTTCTC AATACCATAG TCAGGTCTTT 2040 CCTATTCCTA ACCCACACCT GATTCCAATT TGTGTCTTGG CTAGGATTTC TATTGCTGTC 2100 ATAAAACAGC ATGATCAAAA GCAACCTCAG CTTACACTTT CAGGTCACAC CCCATCCACT 2160 GAGGGAGGTC AGGACAGGAA CCTGGAGACA GGAGCTGATG CAGAGACTAT GGAAGAACAC 2220 TGCTTACTGG CTTGTGTCCT ATGACTTGTT CAGCCTGCTT TCTTATAGAA CTCAGGAATG 2280 CCAGTGCAGG GAAGGCCCAG TTTACAGTGA GCACGGCCTC CCACAAGCCA ATCTGTTGGG 2340 GGTGTTTTCT CCATTGAAGT TTCCTCTTCC AAAATGAATG TAGCTTGTGT CAAATTGACA 2400 CTGGCCAGCA CAGACCATGA GAGATTAGAG AACGCTTCCA GGCAGATCCT TTATGGAGTA 2460 TCAGATACTC CGGGCTGCTG AGTAATTTGC ACAGTTCCAG GAATGGACCT GAGTTGGGCA 2520 ACAGCAAAGA GATGAAGAAA CGACAAACAC AGACATCCAG GAATCCTGGG GTCATGTGAT 2580 CTGGGCCTTC TGCACACGAG TTCTCTTAGC ACGTTATTAT ATAGAGTCGA GTGGAGAAGT 2640 GGGGTTATTG CCTACCACTG AAAAAGGCAA CTTATTACAT ACAGTTAAGC AAGGAGGCAG 2700 GGTTTATATG CACAATGGGA TGGGGAAGGC AGGTTGAGTT AGTCTCCATA AGAACTGTCC 2760 CTGGAAGGGA GCTATGTTCA TGCGTCAGCA CTCAAGGGGG AGGATGGTGA ACACATTCTA 2820 CACACACTGG CGACATGCAC ATCCATGCGT GGACCAGAAG AGAAGGCTAT GTTTCCCTCT 2880 GGGTCTGAGG CTCTGGAGTT GTTGACAAGC TCATGTCAAC AGCACACATC CCTTCAGCAC 2940 CTCACAGACC TGGGCTTCCT CTGAAGGGCT CTGTTGCTGA GGCAGGTGGA TGGGTGGGTC 3000 CTGCAGGGGG ACAGGAGTCT CAGCAGTACT TTCCCCTGGA CCCTTGGTTA GAGAACCCAT 3060 GAATCAGCAG CGTGGCAGAG CACTGGGGTT CTGTGGTCAC AGCATCGCCA GCCCTGTGTC 3120 AAGACAAACA CTACAGCATG GGGGCCATTG ACATTGAGAA GGGGCGCTGG TGATTCTTAT 3180 AACTGAACCC CCAAGTCTTC AGTATCTGGG AGGGTGTCTG ATGGGGGTAA GCTCCAAGCT 3240 GAAGATTTGG GGACAAGGTG GTATCTGAAA ATCTACCCCA GCACCGTCTC CAGTGGACAC 3300 ACATATGAAC ACATCTGAGG TTCATGTGTG CATGTGCTAA TAGATGATAG ACACTGTAGT 3360 GTGTGTGTGT GTGTGTGTCC ATATATGGAC CTGCACACAC ATCAGGAAAT GCCTGTGTGC 3420 TTGTTCCAGC ACTTGCAGAC ACATATCAGA ACATCTACAC CTGTGTGCAC ACATCCACGA 3480 ACCGTGCATC TGTACAAGCA CCTGCACCCA TATGCACAGA CTAAAGCAAA CACAGAGGCC 3540 TCTGCTTGTC AGCGCGTGCA AATGCAGGTG CGGTGCAAGA TGCTTGCATG GAACCCACAG 3600 AAGTTCTTTT GAGGGAAACA AAAGCCACCA AGTACATCGG AGCAGGGGCT GCCCCATCCA 3660 TCCCACCTGA GTCACATTTT CTGGAAAGTG TGAGCTATGG TGGCCTCAGT GAGAGTGATC 3720 GACCGGGGGC TGGCCTTCTG GGGGCACAGG AAGAAGAGGA GGTACGTGAG GAAAGGGGAG 3780 GCACCAGACT TCAGCTTTAA AGTGAGTCCT AGGGGTGACA GGAACCTTTT GCAGTTTGCA 3840 CAGCCCGAGC GTGTTGGGCA ATTGTGGTTT CCTCCGGAGA GGAGGAACTC AGGCTTGCCA 3900 ACCCTTTCCC CTGGGCTTCG GAGCCTCAGC TGCTCTGGCA TGGAGAGTGT GGTACAGCCT 3960 TCAGTGTTTG TGGTGGATGG ACAGACGGAC ATCCCATTCA GGCGGCTGGA ACAGAACCAC 4020 CGGAGACGGC GCTGTGGCAC TGTCCAGGTC AGCCTGGCCC TGGTGCTGCT GCTAGGTGCT 4080 GGGCTGGCCA CTCAGGGCTG GTTTCTCCTG AGACTGCATC AACGTCTTGG AGACATAGTA 4140 GCTCATCTGC CAGTAAGTGG GGCTTGGGGA ACCAGCGAGT CTTCTCCAGT ACCTGTCCCT 4200 TTATGGTTGT GTATTGTGTG CTAGAACCCA GGGCTTCGGT TAGCCTGTCT CTCTGACCCT 4260 CAGTCTTCTC ATCTTTACAT GAGGATCTGA TACACGTGCA GTGCCCGGCA GTTTCCTTGG 4320 GATTCACCTA CTCGGTTGTT GTTTCCAGCC CAAACCTTTG TCCACCACTG GCTTCATGGT 4380 CACCCTGCTT CACTCGCAGC TCTCTCATGT GCTTGCTCTA CTGTTTCCTT TCAGACAAGC 4440 CATGGGTGTG TCACAGTATG CTCCCGAGTC TTTGCCTATA TTTTCTTTTT AAGTTTTTTT 4500 TTTTAATTAC ATTTACTTAT TTAGTGTGTA GACATGAAAA AGTATGCATG TGCCGCAGCA 4560 TGTATGTGGA ACACCTCTAT GGAATCACTT CTCTGTGCCT TCCTTTGTGG AGGGTCCTAG 4620 GGACTGAACT CAGGTAGCCA GGCTTGGCAG CAAGCACTTT TACCGCCTGA GCCCTCTCAC 4680 CGGCCCTCAA CTATCCAAAA ACCTCGAAAA CAGTTCCGAA ACAATTCTAG TCTCAAGCAT 4740 TTCAGACACT CGACTTGACT AGTTAATTCC TCATCCCAGC ACTTGGGCAG GGGAGGCAGA 4800 AGACTGAGGG AGTTCAAGGT CATCCTAGGC TATTTAGCAA GTCTGAGGCC AGACTGGGCT 4860 ACATGAGAGC CTATCTTGGA AATACAACAG ATCTAATTAG GTGTGTGCCC CTCCCCCTGC 4920 ATCTGTGTGT ATGTATGTGA TATGTGCATG TGTGGCTCTG CATACATGTC CATGGGTGGT 4980 GTCTGTGGCC ATGGCCAGAC AGTCTCATCA CCACATACCA GTGAGACTCG GAGCGGCATG 5040 TCCTTACCAA ACATCCCTGT CTGCATTTCA GGATGGAGGC AAAGGCTCCT GGGAGAAGCT 5100 GATACAAGGT GAGTTTGGGC CCCAGTCCCT TTGAAGCAGG TGGAATGGTT TCCGTTCAGC 5160 ACCTCCCCAC ACCAACTCTG GGTCATCACC CAGTGTCACA TTGTAGGCCT CGCAGGTGCC 5220 CCTCCCCCAG GGCCAGAGAA GCAGAAATCT GGGTCCAAAA GGGACAGAGC CTGACACAGG 5280 TAGCCTCAAT TGATGTGTGA GAAACTTCGG GTACACACAC ACTGAGACAT GCGTGCACAC 5340 ACACACATAC ACACACACAC ACACACACAC AATCCTCTTT TTGTCTCTAA CCTTTGACTC 5400 TCTTCCTCAG ATCAACGATC TCACCAGGCC AACCCAGCAG CACATCTTAC AGGTGAGAGG 5460 GACCCCAGAT CTTCACACGG AATGGGGTTT AGCATGTCCT GGGAGACTCA GATCTTTATA 5520 AGTTAGAGCA CTCGTTTATG CATTCATTTA GTGTGTCTTT AAATTTTTTT TGACATTTAC 5580 TTCTTTTTAT TCATTTATTA TTGCACATGT GCATGCCATA GTGTAGAGGT CAGAAAACTC 5640 TCAGGGGAAC GATTCTTTCC TTCCACCTTT TGGCCTCCGT GTACTGATCT CAGCCATCAG 5700 GCTTGGCTCT AAGTACCTTT ACTCTCTGCG CCATCTTGCC GGTCACTTTT TTTTTTCTCA 5760 GTGTTTACTA AAAAACAGCC CAGAGAAGAG CCACAGGGAG CCATGTAAAG TCAACTCTTC 5820 ACCCTGCTAG TCATGGGGAC ACATCCCAAG GTCCTTGGAG GCCTCAGAAG ATGTTGGGAC 5880 TCAGACCTAC CACAGTTTAT ATTTGTTTGT TTGTTTGGTT GGTTGGTTGG TTGGTTGGTT 5940 GGTTGGTTGA TTGGTTGGTT GGTTTTGGTT TTGGAGACAG GGTCTCTCTG TGTAGCTTGG 6000 GCTGCCTGGG TAGACCTGCC TCTGTCCTGA GTACTGGAAT TAACAGGAAT TAACGACGTG 6060 GGCCACTACA CCCAGCTGTA TATACTGGTT TTTCTTTTGG CATAGACAGT TTAATTTATA 6120 ATTTAACAAG TAAGAAACTA ACAAGAATAC ACATAAAGTA TGCTGTAATT AAAAACTATT 6180 TTTGAAACAT GATGTGGGAG ATAGGGAGGT GGCTCCATGT GCAAATTGCT AGCCACTTTT 6240 GACTCAACAT CTGAGCCAAA AGCCAAACAC ACACTCCCGT GACAGTTACA GAGGCAGATT 6300 CAGACAGACA CACACTCCTG TGACAGTCAT GGAGACAGAG ACAGGCAGAG AGGTCCCTAG 6360 GACCTGCTGT CCAGCAGCCT TGACAAACAG GGGACTTCCA GGGTCAATAA GAGACTCTGC 6420 CTCAAAACTA AGGTGGACAG AGGTTGAAAC TGAGGAAGTT GCCTGGTTTT GACTTCTGGG 6480 CACACACACA CACACACACA CACATATATA TAACACATAC ATCACACACA TATACACAAA 6540 CATACAGTCA CACACACTTT TTGAGATAGA GTCTCATGTA GCCTAAACCG GCCTTGAACT 6600 CTTGATCCTC CAGACTCGAC GTCCCAAGAT CTGGATGTCA CCACTACACC TGATTTATTT 6660 GGTACTGGGG CTGGAATGTA CAGCCTTCGG CATGCTGGGC GAGTGTTCCA CCTCCTAAAT 6720 CCTAACCCCA TTTAAAAAAA ATTTTTTTGA CATTTCACTA GGAAGCTTCA ATACCTTGTG 6780 CCTCAGTTTC TTCTTTGGTA TTCAAGTGAC TTTGCTCCTC AGTGCTTCAG TGTCTACCCT 6840 TGCAGAAGGA GATGGGAATG AACGGAGTTA AGACACAACC ACCAAATTAC TTTGCTTGCT 6900 TTCCTGTATC TCAGTTTCTT CCCCCTGCAA GATAGGAATG GGCTGAGTCA ACCCAGACAA 6960 GCAGCCTACT ATGGTGGTGA AACCAGAGGG AACTAGCATA AGGTCACACA GAAAGGGTGG 7020 GCACAATGCT AACCGTGCTG ACGGGTTATC TTTCTCTCTC CTTTCCTCCC AGGAGCCAAC 7080 GCCAGCTTGA TAGGTATTGG TGGACCTCTG TTATGGGAGA CACGACTTGG CCTGGCCTTC 7140 TTGAGGGGCT TGACGTATCA TGATGGGGCC CTGGTGACCA TGGAGCCCGG TTACTACTAT 7200 GTGTACTCCA AAGTGCAGCT GAGCGGCGTG GGCTGCCCCC AGGGGCTGGC CAATGGCCTC 7260 CCCATCACCC ATGGACTATA CAAGCGCACA TCCCGCTACC CGAAGGAGTT AGAACTGCTG 7320 GTCAGTCGGC GGTCACCCTG TGGCCGGGCC AACAGCTCCC GAGTCTGGTG GGACAGCAGC 7380 TTCCTGGGCG GCGTGGTACA TCTGGAGGCT GGGGAAGAGG TGGTGGTCCG CGTGCCTGGA 7440 AACCGCCTGG TCAGACCACG TGACGGCACC AGGTCCTATT TCGGAGCTTT CATGGTCTGA 7500 AGGCTGCGGT GACAATGTAT TTTGTGGAGG GACCTCTCCA GGACTCACCT CAAACCCAGC 7560 AATAGGGTTT GAAGTCCTCC CTTTAAGGAG CCCTGAACTC TGCAGTGCTC GGGGCGGTGT 7620 TCACTGCTGA CCTGCTTTGG GCAATCTTCA AATCAGAGAC CTGGAGACTT GGGGCGTGGA 7680 GCCCAGGAGC GAGGGGTCAG CTCATTTGCC TGATATTCAG GAAGAAAGAA TCAAGCTGGG 7740 GTATTTATGC TTCTGATGCA AACACTGAGA TTTCGGCTTT CTGGGTTTTG AGCTGGAGGC 7800 AAGAAACCTT CCCAGAGTGT CATCAGGACC ATGTTGGCAG GACTTGGGGC TCCAGACTTG 7860 CCACCACACT CTGGCCTCTC CCATCCATCC GCTGCATTGG TTTCCAGCCA CCAAAACAGC 7920 ACTGGCCCCC TGGCTGCAAC TGGCCAGGTA CGAGCTTCTG AGCACCTACA TTCCTCAGGG 7980 ACATCTTGAT GAGATCTCAG TACTCAGTCC AATGCGCAGC AGCGACAGAC ATGCCAGGAA 8040 TGGTTGGTCA GAAGGGAAGG GAGGAAAGGG AGGAAAGAAC GGAATGCACA AGAGAAGGGG 8100 GGAAAACAAG ACCAAAACAA AACAGCAACA ACAAAGCGGC AGGGAAGAAG TTGACACCCT 8160 TGGGGATACT TTAGTCAACA CACTTAGAAC AGATTGTGCC AGGCCTGTTG GATTCCTGGA 8220 GTTGATGGGA TCGTGGGAAG GCACAATGGG GAGCAAGTGG GCTTGGGTTA TGGCTCAGTG 8280 GGTAAAGTGC AATTATGGGG ATCTGAGTTT GAATCCCTGG TACCCATATA AAGACACAGA 8340 TGCGGTGATG GGCACTTGTG ACAATGAGAT CATCAATAGG GAATGGAGAC AGGAGGGACC 8400 TCTGGGGTTC ACTGGCCAGG CAGTCTAGCT GAATCAAAGA GCTCCAAGTT CAGTCGATAG 8460 CTCCTGAAGA TGACAACTGA GGCTATTCTC CAAACCCCAC ACGCAGGGAC ACATGCGTAA 8520 TAAATAAAAT TTTAAAAATA TTAAATAATA GTGTTTGAGA GGCACTTTAT ATGTTCTAAT 8580 CATTTGTGCT TTTGTTTATT TGTTCAGGTT TGTTTGTTTG TTTGTTGGAA GACAGGGGTC 8640 TCAAGTAGCC CAGGCTAGCT TTGAACTATA TATTTCATAT ATTTTGAGGC AGTCTTATGC 8700 CTTTTATCTA GGTTTTCTTG GCATCTAAAG CTATAGCTGT GTGTTACTCC AATGGAACAT 8760 CTGGGCAGTT ACCCAGCACC TTCAAATGCA GAGCCCACAC CTGATAGGGT CGGGCTCGCC 8820 CTGCTCAGGG GTCGCTGCTA GTCCAAGCCA GTCCAAGCGG ACTTCCCGCG TCCTGTCCTT 8880 GCAACCCTGG TGGGAGGTGG AAAAGCCCCC AAATACCCAG TCTCACCCTC CATCGGAGTT 8940 TCCTTTATGC TTATCACGGC CTGTTTCCGT GTCTTTGATG AGACCAAGGT GTGGGGACAG 9000 TATATTTATA AAAAGCCACC AGCAGTTTCC GCTGTAAGGA AAAAAAAATC ACTCTAGA 9058
【0162】
【配列番号:10】 配列の長さ:717 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ATGGAGAGTG TGGTACAGCC TTCAGTGTTT GTG
GTGGATG GACAGACAGA CATCCCATTC 60 AGGCGGCTGG GACAGAACCA CAGGAGACGG CAC
TGCGGCA CTGTCCAGGT CAGCCTGGCC 120 CTGCTGCTGC TGCTGGGTGC TGGGCTGGCC ACT
GAGGGCT GGTTTCTCCT GAGACTGCAT 180 CAGCGTCTTG GGGACATAGT AGCTCATCTG CCA
GATGGAG GCAAAGGCTC CTGGGAGAAG 240 CTGATACAAG ATCAACGATC TCACCAGCCC AAC
CCAGCAG CACATCTCAC AGGAGCTAAC 300 GCCAGCTTGA TAGGCATTGG TGGACCTCTG TTA
TGGGAGA CACAACTTGG CCTGGCCTTC 360 CTGAGGGGCC TGACGTATCA TGATGGGGCC CTG
GTGACCA CCGAGGCTGG CTACTACTAC 420 GTGTACTCCA AAGTGCAGTT GAGTGGTGTG GGC
TGCCCCC AGGGGCTGGC CAATGGCCTC 480 CCCATCACCC ACGGGCTGTA CAAGCGCACA TCC
CGATACC CCAAGGAGTT AGAACTGCTG 540 GTCAGCCGGC GGTCACCTTG TGGCCGGGCC AAC
AGCTCCC GAGTCTGGTG GGACAGTAGT 600 TTCCTCGGCG GAGTGGTACA TCTGGAGGCC GGA
GAAGAGG TGGTGGTCCG CGTGCCTGGA 660 AACCGCCTGG TCAGACCACG TGATGGCACG AGG
TCCTATT TCGGAGCTTT CATGATC 717
【0163】
【配列番号:11】 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 AGGTCAACCC AGCAGCGCAT CTC
A 24
【0164】
【配列番号:12】 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 AGGTCAACCC AGCAGCGCAT CTCACAGG 28
【0165】
【配列番号:13】 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CAAATTAAAC CGGGTACCAT CAC
GCAGTCG 30
【0166】
【配列番号:14】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TCTGCTCTGG CATGGAGAGT GTG
GT 25
【0167】
【配列番号:15】 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CTATTGCTGG GTTTGAGGTG AGTC 24
【0168】
【配列番号:16】 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GTAATACGAC TCACTATAGG GC
22
【0169】
【配列番号:17】 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 ACTATAGGGC ACGCGTGGT
19
【0170】
【配列番号:18】 配列の長さ:48 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GTAATACGAC TCACTATAGG GCACGCGTGG TCGACGGCCC GGGCTGGT 48
【0171】
【配列番号:19】配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CAGCCCAGCA CCTAGCAGCA GCA
CCAG 27
【0172】
【配列番号:20】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GCCGCCTGAA TGGGATGTCC GTC
TGTC 27
【0173】
【配列番号:21】 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 ACGAATTCCA AGAGCGAAGG TCTCACGAGG TC 32
【0174】
【配列番号:22】 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 AGTCTAGACT CCTTCCTTCA CAC
CATGAAA GCCCC 35
【0175】
【配列番号:23】 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CCTGACCCTG GGCTTCTGAG CCT
【0176】
【配列番号:24】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TCCACAAAAT CCATTGTCGT CATAGCC
【0177】
【配列番号:25】 配列の長さ:242 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Glu Xaa Ser Val Val Xaa Pro Ser
Val Phe Val Val Asp Gly Gln 1 5
10 15 Thr Asp Ile Pro Phe Xaa Arg Leu Xaa
Xaa Xaa His Arg Arg Xaa Xaa 20 25
30 Cys Xaa Xaa Xaa Xaa Val Xaa Leu Xaa
Leu Xaa Leu Leu Leu Xaa Gly 35 40
45 Ala Gly Leu Ala Xaa Gln Gly Trp Phe
Leu Leu Xaa Leu His Xaa Arg 50 55
60 Leu Gly Xaa Xaa Vla Xaa Xaa Leu Pro
Asp Gly Xaa Xaa Gly Ser Trp 65 70
75 80 Glu Xaa Leu Ile Gln Xaa Xaa Arg Ser
His Xaa Xaa Asn Pro Ala Ala 85
90 95 His Leu Thr Gly Ala Asn Xaa Ser Leu
Xaa Gly Xaa Gly Gly Pro Leu 100 105
110 Leu Trp Glu Thr Xaa Leu Gly Leu Ala
Phe Leu Arg Gly Leu Xaa Tyr 115 120
125 His Asp Gly Ala Leu Val Xaa Xaa Xaa
Xaa Gly Tyr Tyr Tyr Xaa Tyr 130 135
140 Ser Lys Val Gln Leu Xaa Gly Val Gly
Cys Pro Xaa Gly Leu Ala Xaa 145 150
155 160 Xaa Xaa Xaa Ile Thr His Gly Leu Tyr
Lys Arg Thr Xaa Arg Tyr Pro 165
170 175 Glu Xaa Leu Glu Leu Leu Val Ser Xaa
Xaa Ser Pro Cys Gly Arg Ala 180 185
190 Xaa Xaa Ser Ser Arg Val Trp Trp Asp
Ser Ser Phe Leu Gly Gly Val 195 200
205 Val His Leu Glu Ala Gly Glu Xaa Val
Val Val Arg Val Xaa Xaa Xaa 210 215
220 Arg Leu Val Arg Xaa Arg Asp Gly Thr
Arg Ser Tyr Phe Gly Ala Phe 225 230
235 240 Met Val
【0178】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたプラスミドpTB1939
に含まれる本発明のヒト由来タンパク質をコードするD
NAの塩基配列、およびそれから推定される本発明のヒ
ト由来タンパク質のアミノ酸配列を示す。
【図2】実施例1で得られたプラスミドpTB1940
に含まれる本発明のヒト由来タンパク質をコードするD
NAの塩基配列、およびそれから推定される本発明のヒ
ト由来タンパク質のアミノ酸配列を示す。
【図3】実施例2で得られたプラスミドpTB1958
に含まれる本発明のマウス由来タンパク質をコードする
DNAの塩基配列、およびそれから推定される本発明の
マウス由来タンパク質のアミノ酸配列を示す。
【図4】実施例3で得られたプラスミドpTB2011
に含まれる本発明のマウス由来タンパク質をコードする
ゲノムDNAの塩基配列、およびそれから推定される本
発明のマウス由来タンパク質のアミノ酸配列を示す。
【図5】実施例4でPichia酵母を宿主とした本発
明のヒトFasリガンド様タンパク質の細胞外領域組換
えタンパク質の発現を該タンパク質に対する抗血清を用
いたウエスタンブロット解析で調べた結果を示す。レー
ン1〜3はヒトFasリガンド様タンパク質発現ベクタ
ーを導入した株の培養上清を用いた場合の結果を、レー
ン4〜6はベクターpPICZαAを導入した株の培養
上清を用いた場合の結果を示す(レーン1、4はBMM
Y培地での培養開始直後、レーン2、5は培養1日後、
レーン3、6は培養2日後)。バンドは目的の組換えタ
ンパク質の発現を示す。
【図6】実施例5で得られたプラスミドpTB2012
に含まれる本発明のラット由来タンパク質をコードする
DNAの塩基配列、およびそれから推定される本発明の
ラット由来タンパク質のアミノ酸配列を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 48/00 ACS A61K 48/00 ADU ADS ADZ ADU C07H 21/04 B ADZ C07K 14/705 C07H 21/04 C12N 1/21 C07K 14/705 9/99 C12N 1/21 C12P 21/02 C 5/10 21/08 9/99 G01N 33/53 D C12P 21/02 33/577 B 21/08 A61K 37/02 ADY G01N 33/53 37/64 ABX 33/577 C12N 5/00 B //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:1、配列番号:2または配列番
    号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
    に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質またはその
    塩。
  2. 【請求項2】配列番号:1、配列番号:2または配列番
    号:3で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミ
    ノ酸配列が、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の
    第8〜21番目、第55〜59番目、第93〜102番
    目、第109〜116番目、第118〜126番目、第
    128〜134番目、第144〜149番目、第162
    〜170番目、第176〜182番目、第184〜18
    9番目、第193〜213番目、第215〜219番目
    および第228〜239番目のアミノ酸配列を有するア
    ミノ酸配列である請求項1記載のタンパク質。
  3. 【請求項3】アポトーシス誘導活性を有するタンパク質
    である請求項1または2記載のタンパク質。
  4. 【請求項4】請求項1記載のタンパク質の部分ペプチド
    またはその塩。
  5. 【請求項5】請求項1記載のタンパク質をコードする塩
    基配列を有するDNAを含有するDNA。
  6. 【請求項6】配列番号:4〜配列番号:10のいずれか
    の配列番号で表わされる塩基配列を有する請求項5記載
    のDNA。
  7. 【請求項7】請求項5記載のDNAを含有する組換えベ
    クター。
  8. 【請求項8】請求項7記載の組換えベクターで形質転換
    された形質転換体。
  9. 【請求項9】請求項8記載の形質転換体を培養し、請求
    項1記載のタンパク質を生成、蓄積せしめ、これを採取
    することを特徴とする請求項1記載のタンパク質または
    その塩の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有してなる医
    薬。
  11. 【請求項11】請求項5記載のDNAを含有してなる医
    薬。
  12. 【請求項12】癌、ウイルス感染症、ヘリコバクター・
    ピロリ感染、侵襲性ブドウ状球菌感染、肝炎、腎炎、骨
    疾患、動脈硬化症または痛みの治療・予防剤である請求
    項10または11記載の医薬。
  13. 【請求項13】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体。
  14. 【請求項14】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを特徴
    とする、請求項1記載のタンパク質、請求項4記載の部
    分ペプチドまたはそれらの塩と請求項1記載のタンパク
    質が結合し得るレセプターとの結合性を変化させる化合
    物またはその塩のスクリーニング方法。
  15. 【請求項15】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有する、請求項
    1記載のタンパク質、請求項4記載の部分ペプチドまた
    はそれらの塩と請求項1記載のタンパク質が結合し得る
    レセプターとの結合性を変化させる化合物またはその塩
    のスクリーニング用キット。
  16. 【請求項16】請求項14記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項15記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られる、請求項1記載のタンパク質、請求項4記載の
    部分ペプチドまたはそれらの塩と請求項1記載のタンパ
    ク質が結合し得るレセプターとの結合性を変化させる化
    合物またはその塩。
  17. 【請求項17】請求項14記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項15記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られる請求項1記載のタンパク質、請求項4記載の部
    分ペプチドまたはそれらの塩と請求項1記載のタンパク
    質が結合し得るレセプターとの結合性を変化させる化合
    物またはその塩を含有してなる医薬。
  18. 【請求項18】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを特徴
    とする請求項1記載のタンパク質を分解するプロテイナ
    ーゼの活性を促進または阻害する化合物またはその塩の
    スクリーニング方法。
  19. 【請求項19】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有する、請求項
    1記載のタンパク質を分解するプロテイナーゼの活性を
    促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニン
    グ用キット。
  20. 【請求項20】請求項18記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項19記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られる、請求項1記載のタンパク質を分解するプロテ
    イナーゼの活性を促進または阻害する化合物またはその
    塩。
  21. 【請求項21】請求項18記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項19記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られる請求項1記載のタンパク質を分解するプロテイ
    ナーゼの活性を促進または阻害する化合物またはその塩
    を含有してなる医薬。
  22. 【請求項22】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを特徴
    とする、請求項1記載のタンパク質、請求項4記載の部
    分ペプチドまたはそれらの塩と請求項1記載のタンパク
    質が結合し得るレセプターとの結合後の細胞内シグナル
    伝達を促進または阻害する化合物またはその塩のクリー
    ニング方法。
  23. 【請求項23】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有する、請求項
    1記載のタンパク質、請求項4記載の部分ペプチドまた
    はそれらの塩と請求項1記載のタンパク質が結合し得る
    レセプターとの結合後の細胞内シグナル伝達を促進また
    は阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キッ
    ト。
  24. 【請求項24】請求項22記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項23記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られる、請求項1記載のタンパク質、請求項4記載の
    部分ペプチドまたはそれらの塩と請求項1記載のタンパ
    ク質が結合し得るレセプターとの結合後の細胞内シグナ
    ル伝達を促進または阻害する化合物またはその塩。
  25. 【請求項25】請求項22記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項23記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られる請求項1記載のタンパク質、請求項4記載の部
    分ペプチドまたはそれらの塩と請求項1記載のタンパク
    質が結合し得るレセプターとの結合後の細胞内シグナル
    伝達を促進または阻害する化合物またはその塩を含有し
    てなる医薬。
  26. 【請求項26】外来性の請求項5記載のDNAまたはそ
    の変異DNAを有することを特徴とする非ヒト哺乳動
    物。
  27. 【請求項27】請求項5記載のDNAが不活性化された
    非ヒト哺乳動物胚幹細胞。
  28. 【請求項28】請求項5記載のDNAが不活性化された
    該DNA発現不全非ヒト哺乳動物。
  29. 【請求項29】該DNAがレポーター遺伝子を導入する
    ことにより不活性化され、該レポーター遺伝子が請求項
    5記載のDNAに対するプロモーターの制御下で発現し
    得る請求項28記載の非ヒト哺乳動物。
  30. 【請求項30】請求項29記載の非ヒト哺乳動物に試験
    化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出するこ
    とを特徴とする請求項5記載のDNAに対するプロモー
    ターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩の
    スクリーニング方法。
  31. 【請求項31】請求項30記載のスクリーニング方法を
    用いて得られる、請求項5記載のDNAに対するプロモ
    ーターの活性を促進または阻害する化合物またはその
    塩。
  32. 【請求項32】請求項30記載のスクリーニング方法を
    用いて得られる請求項5記載のDNAに対するプロモー
    ターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩を
    含有してなる医薬。
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