JP2001269122A - 気泡有含焼菓子の製造方法 - Google Patents
気泡有含焼菓子の製造方法Info
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Abstract
量、pH、塩バランス、脂質含量等の影響を受けずに、
ホエー蛋白単離物を含む溶液に有機酸を添加して加熱す
ることにより起泡安定性を向上させ、外観、食感及び風
味の優れた焼菓子の製造法を提供する。 【解決手段】 a)少なくともホエー蛋白単離物及び有
機酸を水に溶解し、加熱し、混合物の濁度を420nm
における吸光度で3.9乃至6.5に調整する工程、
b)冷却する工程、c)前記b)工程で得られた混合物
そのもの又はこれにその他の焼菓子原料を混合し、泡立
てる工程、d)前記c)工程で得られた混合物を耐熱性
容器に所定量充填する工程、及びe)混合物を充填した
容器をオーブンにより焼成する工程、の各工程からなる
気泡含有焼菓子の製造方法。
Description
されたホエー蛋白単離物を使用し、泡立てた成分を含有
する焼菓子の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明
は、次のa)〜e)、 a)少なくともホエー蛋白単離物及び有機酸を水に溶解
し、加熱し、吸光度を調整する工程、 b)冷却する工程、 c)前記b)工程で得られた混合物又はこれにその他の
焼菓子成分を混合し、泡立てる工程、 d)前記c)工程で得られた混合物を耐熱性容器に所定
量充填する工程、及び e)混合物を充填した容器をオーブンにより焼成する工
程、の各工程からなる気泡含有焼菓子の製造方法であ
る。 本明細書において百分率は、特に断りのない限り重量に
よる表示である。
te:以下、WPIと略記する。)については、従来から
熱凝固性、ゲル化性、乳化性及び起泡安定性等の機能性
が認められており、多くの研究がなされている。起泡安
定性には起泡性(起泡能力、どの程度の泡を保持し得る
か)と泡沫安定性(一度形成された泡をどの程度維持し
得るか)の2つの見解があり、一般的にホエー蛋白質溶
液の起泡安定性は蛋白質含量、pH、塩及びイオン強
度、糖及び脂質含量、及び熱処理等に影響されるといわ
れている(堂迫俊一著、「食品タンパク質の科学−タン
パク食品の製造と利用編−」、第107ページ、食品資
材研究会、1987年)。しかし、一般的に製造されて
いるホエー蛋白質濃縮物(whey protein concentrate:
以下、WPCと略記する。)、WPI等のホエー蛋白質
は、乳原料の産地及び由来、並びに製造方法及び工程に
よりその蛋白質含量、pH、塩バランス、脂質含量等が
異なっているのが現状である。即ち、多種多様なWPI
により、その起泡安定性が異なる可能性が考えられる。
白質濃度、pH及び塩化カルシウムの影響について示さ
れており、この中でpHの影響について他の研究者と異
なる実験結果を得ているが、この理由としてホエー蛋白
質原料の相違を指摘している(酪農科学の研究、第42
巻、第3号、第A−117ページ、1993年)。この
ように、この文献ではゲル化性について記載されている
が、起泡安定性についても同様にホエー原料由来の影響
が十分考えられることである。一方、このホエー蛋白質
の有する起泡安定性を利用した食品の製造方法について
は、従来より種々の方法が知られている。例えば、膨脹
した多孔性(フォーム)組織を有し、かつ全固形物の7
〜20%の少なくとも1つの蛋白質と全固形物の10〜
65%の穀物フレークとを含み、これらの蛋白質及び穀
物フレークは膨脹した前記多孔性組織内に分散され含ま
れているクッキーが示されており(特開平6−9065
4号公報)、泡立たせることが可能であり、泡発生蛋白
質の例の一つとしてミルク及びホエー蛋白質が列挙され
ているが、ここに列挙されている泡発生蛋白質は、何れ
も卵白蛋白質の一部置換として使用されており、ホエー
蛋白単独使用での泡発生については何ら記載されていな
い。
水分含有フィリング(filling)又は詰め物及びフィリ
ングをパン様の皮から分離する中間層を含む食品及びそ
の製造方法について開示されており(特許第25287
34号公報)、その中間層が1.5乃至4.0m3/k
g、望ましくは2.0乃至3.0m3/kg、の比容と
完全に発達した気泡クラム構造を有するケーキ材料であ
ること、その材料の例としてホエー蛋白質が例示されて
いるが、目的の気泡クラム構造を得るためには、ホエー
蛋白質を含む水溶性蛋白質の他に非常に特殊な乳化剤と
ともにC12〜C24の脂肪酸アシルラクテートが必要
としており、かつケーキ材料の焼成を耐熱性容器に入れ
て行うことについては何ら記載されていない。
添加することを特徴とするホイッピング・クリームの製
造方法についても開示されているが(特許第28443
76号公報)、蛋白質の例としてホエー蛋白質が例示さ
れているが、蛋白質の使用までの間に、蛋白質溶液を加
熱する工程、これを凍結する工程、凍結ゲルを解凍する
工程及び解凍ゲルをホモミキサー等で細粒化しスラリー
状にする工程があり、極めて作業が煩雑であり、連続的
に製造することが困難であり、実用的ではない。
液を添加し、泡立て、この泡状物に卵液を混合し、加熱
調理して得られた卵食品及びその製造方法についても開
示されており(特許第2710013号公報)、水溶性
蛋白質の例としてホエー蛋白質が例示されている。この
方法では蛋白質溶液を泡立てた後に115℃程度に加熱
した糖液を混合しているが、重量比で泡状物1に対して
糖液を4乃至7の割合で混合しており、均一に混合する
には時間を有し、衛生的にも十分でない。
せるために従来から種々の方法が知られている。例え
ば、WPCの起泡性がマイクロフィルトレーション処理
(脱脂)により大幅に改善されたと記載されているが
(日本食品工業学会誌、第32巻、第639頁、198
5年)、マイクロフィルトレーションの工程が必要であ
り、脱脂処理をしても起泡性及び泡沫安定性ともWPI
より劣っている。
上に調製し、55℃以上に加熱した後に、10℃以下に
冷却保存することにより、加熱や冷凍にも安定して、乳
化性、乳化安定性、起泡性及び泡沫安定性等を良好に保
つ透明な乳清蛋白質加工品を得る方法が開示されている
が(特開平4−267850号公報)、起泡性及び泡沫
安定性等を良好に保つための冷却時間が1週間と長く現
実的でない。
その濃縮物をpH6.5乃至9及び温度20乃至55℃
に調製した物に、トリプシンを酵素/基質重量比として
1/5乃至1/90となるように添加して部分加水分解
することを特徴とする起泡安定性が良好なホエー蛋白質
の調製法が示されているが(特開昭61−96956号
公報)、この方法では、泡沫安定性は向上する一方、起
泡性は低下する。
て、特に当該蛋白質含有組成液にトランスグルタミナー
ゼを作用させること、その際予熱処理とpH調整を適宜
組み合わせることにより、特にその前段階でpH調整と
予備加熱を行う等の方法により、得られるチーズホエー
蛋白は、その後100℃以上で加熱しても蛋白の凝集不
溶化が生ずることがなく、処理されたチーズホエーから
得られるゲルや、利用された食品がざらつきのない喉ご
し性に優れた食感を呈し、かつ乳化性、起泡性、保水性
等の好ましい物理特性を高度に保持できると記載されて
いるが(特開2000−4786号公報)、具体的に起
泡性が改善された実施例が示されていない。
ー蛋白質の有効利用のため、WPIの起泡安定性を焼菓
子製造に応用しようとした場合、先ず、WPIの原料由
来(蛋白質含量、pH、塩バランス、脂質含量等)の影
響を受けずに適切な起泡安定性を確保し、それを焼菓子
製造に有効に利用する方法が待望されていた。
来技術に鑑みて、原料由来の影響を受けず、かつ簡単な
方法によりWPIの起泡安定性を向上させる方法及びそ
れを有効に焼菓子に利用する方法に関し、鋭意研究を重
ねた結果、WPIを含む溶液に有機酸を添加して加熱
し、蛋白質を部分的に変性させることにより、ホエー蛋
白質分離物の起泡安定性が原料由来の影響を受けず且つ
簡単な方法で改良することを見出し、それを有効に焼菓
子製造利用することにより本発明を完成した。
PIを焼菓子の製造に使用するにあたり、先ず、WPI
原料由来(蛋白質含量、pH、塩バランス、脂質含量
等)の影響を受けずに、かつ簡単な方法で起泡安定性を
向上させ、これを焼菓子の製造に有効に利用し、外観、
食感及び風味の優れた焼菓子を得ることを目的とした。
明は、次のa)〜e)、 a)少なくともホエー蛋白単離物及び有機酸を水に溶解
し、加熱し、混合物の濁度を420nmにおける吸光度
で3.9乃至6.5に調整する工程、 b)冷却する工程、 c)前記b)工程で得られた混合物又はこれにその他の
焼菓子成分を混合し、泡立てる工程、 d)前記c)工程で得られた混合物を耐熱性容器に所定
量充填する工程、及び e)混合物を充填した容器をオーブンにより焼成する工
程、の各工程からなる気泡含有焼菓子の製造方法であ
る。
酸、リンゴ酸及びフマル酸からなる群より選択される1
種又は2種以上であること、ホエー蛋白単離物及び有機
酸を含有する混合物の加熱が、65乃至100℃で1乃
至60分間実施されること、及び焼成が、120乃至2
50℃で行われることを望ましい態様としてもいる。次
に、本発明について具体的に説明する。
ズ製造工程の副産物として得られるホエーから常法のイ
オン交換樹脂により蛋白質を分離し、UF膜により脱塩
し、濃縮し、殺菌し、噴霧乾燥された物であり、標準的
な組成としては、脂肪1.0%、蛋白質90.0%、炭
水化物1.0%、灰分2.0%及び水分6.0%であ
る。このWPIは、適切な起泡安定性を確保するため
に、濃度を3%前後に調整されることが好ましい。ま
た、WPI及び有機酸の他に、適切な起泡安定性を確保
するために、砂糖、ゼラチン等を適宜添加することも可
能である。
なとおり、ホエー蛋白質に対して0.01乃至0.03
%、望ましくは0.015乃至0.02%、であり、こ
の添加量で混合物を65乃至100℃で1乃至60分
間、望ましくは90℃で10分間、加熱し、加熱後の混
合物の濁度を420nmにおける吸光度で3.9乃至
6.5の範囲に調整される。
は、脱脂粉乳を加工原料として使用する場合、用途別適
合性の指標として得られた未変性ホエー蛋白態窒素量か
ら加熱度を求めることによるものであり、Harland-Ashw
orth法[フード・リサーチ(Food Research )、第12
巻、第247頁、1947年]により測定を実施した。
加熱後、速やかに成分を冷却する。冷却温度は、その
後、この成分をその他の成分に混合して使用する際に問
題が無い温度であればよいが、望ましくは10℃以下で
ある。
の他の成分を混合した混合物をミキサー等で攪拌して泡
状物を調製し、泡状物を適当な耐熱性容器に充填し、こ
れをオーブンにより120℃乃至250℃で20乃至1
20分間、望ましくは180℃で30分間、焼成し、外
観、食感及び風味の優れた起泡含有焼菓子を得ることが
できる。
の起泡性について原料に由来する蛋白質含量、pH、塩
バランス、脂質含量等の影響を受けずに、かつ簡単な方
法により起泡安定性を向上させることができ、これを焼
菓子製造に利用することにより外観、食感及び風味の点
で優れた焼菓子が得られる。
る。 試験例1 この試験は、WPIの塩バランスの相違による起泡安定
性の差を確認するために行った。
なるWPI(ミライ社製。ISOLAC)10種類を使用し、
次の配合組成、 砂糖(ホクレン社製) 12.00(%) WPI 3.00 水 85.00 からなるWPIを含む溶液を調製し、90℃で10分加
熱し、10℃に冷却した。
製。KENMIX Chef )により180回転で6分間攪拌し、
起泡性(オーバーラン%)及び泡沫安定性(泡の保持時
間)を次の基準により評価して試験した。 オーバーラン 200%以下 :× 200〜300% :△ 300%以上 :○ 泡沫安定性(泡から溶液が分離を開始するまでの時
間) 30分以下 :× 30分〜60分 :△ 60分以上 :○
らかなとおり、WPIの塩バランス(Ca及びNa含
量)の相違により、その起泡性及び起泡安定性が異なる
ことが確認された。即ち、Ca/Naが0.53以上の
試料において起泡性及び起泡安定性が良好であり、Ca
/Naが0.53未満の試料において起泡性及び起泡安
定性が不良になることが判明した。尚、WPIの種類を
変更して試験を行ったが、ほぼ同様の結果が得られた。
たWPIについて、適正な起泡安定性を得るために必要
な有機酸添加量を求めるために行った。 1)試料の調製 試験例1の試料5及び試料10について、試験例1の配
合に、更にクエン酸(三栄源FFI社製)を表2に示す
とおり添加したことを除き、試験例1と同一の方法によ
り試料を調製した。
濁度を420nmにおける吸光度を分光光度計(日立社
製。U−2000)により測定し、吸光度と起泡安定性
との相関について試験した。
らかなとおり、次の事実が認められた。 試験例1で起泡安定性が不足であったWPIについて
も、適正量のクエン酸を添加後に加熱することにより、
著しく起泡安定性が改良されることが確認された。 適正な起泡安定性を得るために必要なクエン酸添加
量、及びその時の溶液のpHは、WPIにより必ずしも
一致していないことが確認された。 一方、良好な起泡安定性が得られた時のWPI及びク
エン酸を含む溶液の加熱後の濁度を表わす420nmに
おける吸光度は、WPIが異なった場合においても一定
範囲の値を示し、その範囲は3.9乃至6.5であるこ
とが確認された。
加熱後の濁度を420nmにおける吸光度で測定し、そ
の値が3.9乃至6.5の範囲内の値が得られるよう
に、有機酸の添加量を調整することにより、起泡安定性
が不良なWPIにおいても、適正な有機酸量を添加し、
加熱することにより、起泡安定性を改良し、良好な起泡
安定性を得ることができるのである。尚、WPIの種
類、有機酸の種類及び濃度を変更して試験したが、ほぼ
同様の結果が得られた。
用した場合の外観、食感及び風味を、常法により得られ
た該焼菓子のそれと比較するために行った。 1)試料の調製 試験例2における試料5のWPIを使用し、次の配合組
成、 砂糖(ホクレン社製) 7.50(%) WPI(ミライ社製) 1.80 クエン酸(三栄源FFI社製) 0.03 小麦粉(日清製粉社製) 10.00 加糖卵黄(キユーピー社製) 27.50 水 53.17 からなる原料を混合し、スポンジケーキを以下のとおり
製造した。砂糖、WPI及びクエン酸を水に混合して溶
解し、これをステンレス製容器に入れて90℃で10分
間加熱し、10℃に冷却した。この加熱溶液のクエン酸
添加量は0.030%であり、試験例2と同一の方法に
より測定した吸光度は、4.9であった。
を混合し、この混合物200gを卓上型ミキサー(愛工
舎製作所社製。KENMIX Chef )により180回転で8分
間攪拌し、オーバーラン150%のスポンジケーキ用の
生地を得た。このスポンジケーキ用生地550gを、市
販の焼き型(遠藤商事社製)に充填し、オーブン(九電
舎社製)により180℃で30分間焼成し、スポンジケ
ーキを得た(試料1)。 これとは別に比較のために、次の配合組成 砂糖(ホクレン社製) 33.33(%) 全卵(市販品) 33.33 小麦粉(日清製粉社製) 33.33 からなる原料を混合し、常法によりスポンジケーキを製
造した(試料2)。
女各30名からなるパネラーにより外観、食感及び風味
について官能的試験を行い、次の評価基準により評価し
た。 試料1の方がよい どちらともいえない 試料2の方がよい
は評価者の人数である。表3から明らかなとおり、試料
1は、常法により製造した試料2と比較して外観、食感
及び風味ともほぼ同等の良好な評価が得られた。尚、W
PIの種類及び組成を変更して試験を行ったが、ほぼ同
様の結果が得られた。
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
て使用するWPIについて、乳酸とともに水に溶解し、
溶液の加熱後の濁度を420nmにおける吸光度が3.
9乃至6.5の範囲になるように乳酸添加量を求め、配
合を決定した。その結果、乳酸添加量0.040%にお
いて吸光度は4.2であった。
おり製造した。
し、これをステンレス製容器に入れて90℃で10分間
加熱し、のち10℃に冷却した。次いで、この混合物を
連続ミキサー(ジェー・エム・シー社製。MO−30)
により、900回転でベース流量1:エアー流量2の条
件で攪拌し、オーバーラン300%の泡状物を得た。
リームチーズ、レモン果汁及び加糖卵黄を泡状物に混合
し、更に小麦粉を均一に混合し、最後に前記泡状物をこ
の混合物に均一に混合し、スフレ用の生地を得た。22
0ml容の市販耐熱性容器(吉野工業所社製)に各80
gを充填し、オーブン(九電舎社製)に入れ、湯煎焼に
より230℃で60分間焼成し、スフレチーズケーキ
1,200個を得た。得られたスフレチーズケーキを試
験例3と同一の方法により評価した結果、外観、食感及
び風味とも良好であった。
て使用するWPIについて、クエン酸とともに水に溶解
し、溶液の加熱後の濁度を420nmにおける吸光度が
3.9乃至6.5の範囲になるようにクエン酸添加量を
求め、配合を決定した。その結果、クエン酸添加量0.
035%において吸光度は5.2であった。
おり製造した。
溶解し、これをステンレス製容器に入れ90℃で10分
間加熱し、のち10℃に冷却した。次いで、チョコレー
ト、小麦粉及び加糖卵黄を混合し、ミキサー(愛工舎製
作所社製。KENMIX Chef )により、180回転で6分間
攪拌し、オーバーラン200%のチョコレートケーキ用
生地を得た。
業社製)に各70gを充填し、オーブン(九電舎社製)
に入れ、190℃で20分間焼成し、チョコレートケー
キ1,300個を得た。得られたチョコレートケーキを
試験例3と同一の方法により評価した結果、外観、食感
及び風味とも良好であった。
て使用するWPIについて、リンゴ酸とともに水に溶解
し、溶液の加熱後の濁度を420nmにおける吸光度が
3.9乃至6.5の範囲になるようにリンゴ酸添加量を
求め、配合を決定した。その結果、リンゴ酸添加量0.
040%において吸光度は6.3であった。
り製造した。
合して溶解し、これをステンレス製容器に入れて90℃
で10分間加熱し、のち10℃に冷却した。次いで、は
ちみつ、小麦粉及び加糖卵黄を混合し、更に残りの砂糖
を混合しながら、ミキサー(愛工舎製作所社製。NAM
−50)により、230回転で8分間攪拌し、オーバー
ラン200%の泡状物を得た。この泡状物に、はちみつ
及びサラダ油を混合し、カステラ用生地を得た。
業社製)に各85g充填し、オーブン(九電舎社製)に
入れ、180℃で20分間焼成し、更に160℃の温度
で湯煎焼により40分間焼成し、オレンジカステラ1,
000個を得た。得られたオレンジカステラを試験例3
と同一の方法により評価した結果、外観、食感及び風味
とも良好であった。
白分離物の起泡安定性を改良し、これを有効に焼菓子に
利用する方法に関するものであり、本発明により奏され
る効果は次のとおりである。 1)原料の由来に拘わらず、起泡安定性の不足したWP
Iの起泡安定性を改良できる。 2)起泡安定性が改良されたWPIを使用した泡状物を
使用して、外観、食感及び風味に優れたスポンジ類、ケ
ーキ類等の多様な焼菓子を製造することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 次のa)〜e)、 a)少なくともホエー蛋白単離物及び有機酸を水に溶解
し、加熱し、混合物の濁度を420nmにおける吸光度
で3.9乃至6.5に調整する工程、 b)冷却する工程、 c)前記b)工程で得られた混合物又はこれにその他の
焼菓子原料を混合し、泡立てる工程、 d)前記c)工程で得られた混合物を耐熱性容器に所定
量充填する工程、及び e)混合物を充填した容器をオーブンにより焼成する工
程、の各工程からなる気泡含有焼菓子の製造方法。 - 【請求項2】 有機酸が、クエン酸、乳酸、リンゴ酸及
びフマル酸からなる群より選択される1種又は2種以上
である請求項1に記載の気泡含有焼菓子の製造方法。 - 【請求項3】 ホエー蛋白単離物及び有機酸を含有する
混合物の加熱が、65乃至100℃で1乃至60分間実
施される請求項1又は請求項2のいずれかに記載の気泡
含有焼菓子の製造方法。 - 【請求項4】 焼成が、120乃至250℃で行われる
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の気泡含有焼菓
子の製造方法。
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