JP2001268999A - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JP2001268999A
JP2001268999A JP2001003838A JP2001003838A JP2001268999A JP 2001268999 A JP2001268999 A JP 2001268999A JP 2001003838 A JP2001003838 A JP 2001003838A JP 2001003838 A JP2001003838 A JP 2001003838A JP 2001268999 A JP2001268999 A JP 2001268999A
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利明 岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制御飽和による制御の乱調を防止して装置を安
定して運転すること。 【解決手段】交流電動機4のトルク電流成分を指令する
第1の指令手段9と、交流電動機4の励磁電流成分を指
令する第2の指令手段31と、第1および第2の指令手段
からのトルク電流成分指令および励磁電流成分指令と、
交流電動機4の速度と、電力変換装置本体から出力され
る各相電流とを基に、交流電動機4の速度が所定の速度
となるように出力電圧基準を生成し出力する出力電圧基
準生成手段10〜12と、出力電圧基準生成手段からの出力
電圧基準に対応した出力電圧を発生するように、各単相
インバータ3Aのゲート信号を制御するゲート制御手段8
と、単相インバータ出力をバイパスして運転する場合
に、単相インバータの出力側を短絡する出力短絡手段16
と、単相インバータ出力が短絡された時に、第2の指令
手段31から出力される励磁電流成分指令を低減する手段
45とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単相インバータの
出力側を直列接続して各相を構成することにより、多相
交流電力を多相の交流電動機に供給する電力変換装置に
係り、特に制御が飽和することによる制御の乱調を防止
し、また単相インバータの直流電圧の過充電を防止する
ようにした電力変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、三相交流電力を出力する電力
変換装置の一つとして、電力変換装置の大容量化、高電
圧化を目的とし、また出力波形を改善するために、単相
インバータの出力側を直列接続して各相を構成すること
により多重化したものが知られている。
【0003】図32は、この種の電圧形多重インバータ
からなる電力変換装置の一概要構成例を示すブロック図
である。
【0004】図32において、三相電源1から、2次側
に複数の巻線を持った変圧器2を介して、三相交流電力
を単相インバータ3へ供給する。
【0005】単相インバータ3の出力側は直列に接続さ
れ、さらにその一方を中性点として接続し、その他方を
多相の交流電動機である3相の誘導電動機4に接続する
ことにより、誘導電動機4に三相交流電力を供給する。
【0006】一方、誘導電動機4の速度ωrを速度検出
器5で検出し、制御回路6に入力する。
【0007】また、電力変換装置本体から出力される各
相電流Iu,Iv,Iwを電流検出器7で検出し、制御
回路6に入力する。
【0008】制御回路6では、誘導電動機4の速度ωr
が所定の速度となるように出力電圧基準Vu,Vv,V
wを生成し、PWM制御回路8に出力する。
【0009】PWM制御回路8では、制御回路6からの
出力電圧基準Vu,Vv,Vwに対応した出力電圧を発
生するように、各単相インバータ3のゲート信号を制御
する。
【0010】図33は、上記図32の制御回路6の詳細
な内部構成例を示すブロック図である。
【0011】この制御回路6は、例えば“電気書院発
行:ニュードライプエレクトロニクス6.2.4項”で
知られているように、誘導電動機の電流をトルク電流成
分と励磁電流成分とに分解し、独立して制御するもので
ある。
【0012】図33において、誘導電動機の速度を指令
する手段である速度指令器30から出力される電動機速
度指令(以下、速度指令と称する)ωr* と速度ωrと
の偏差を加算器32で求め、この偏差が零になるよう
に、誘導電動機4のトルク電流成分を指令する手段であ
る速度制御器9を用いて、トルク電流成分指令(以下、
トルク指令と称する)T* を調節する。
【0013】一方、誘導電動機4の励磁電流成分を指令
する手段である励磁電流指令器31から出力される励磁
指令設定値Φset(すなわち、最終的には励磁電流成
分指令(以下、励磁指令と称する)Φ* となる)は、通
常一定に保たれることが多い。
【0014】これらのトルク指令T* および励磁指令Φ
* は、図33に示すように、除算器33、微分器34、
係数器35,36,37,38、除算器39、加算器4
0,41,42,43、および積分器44を用いた演算
により、直交するd軸,q軸の各電流指令id* ,iq
* に変換されて、それぞれの電流フィードバック信号i
d,iqとの偏差が零になるように、電流制御器10を
用いてd軸,q軸の電圧指令Vd,Vqを調節する。
【0015】一方、トルク指令T* と励磁指令Φ* とか
らすべり周波数ωsを求め、これに速度ωrを加えるこ
とにより、電力変換装置が出力する周波数ω1を決定す
る。
【0016】そして、この出力周波数ω1を積分して得
られる出力位相θを用いて、三相の電流検出値Iu,I
v,Iwから、三相dq変換器11によりd軸,q軸の
各電流id,iqを求めると共に、d軸,q軸の電圧指
令Vd,Vqから、dq三相変換器12により出力電圧
基準Vu,Vv,Vwを求める。
【0017】図34は、この種の電圧形多重インバータ
からなる電力変換装置の他の概要構成例を示すブロック
図であり、図32と同一要素には同一符号を付してその
説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べ
る。
【0018】図34において、制御回路6では、誘導電
動機4の速度が所定の速度となるように出力電圧基準V
u,Vv,Vwを決定し、PWM制御回路8に出力す
る。
【0019】PWM制御回路8では、制御回路6からの
出力電圧基準Vu,Vv,Vwに対応した出力電圧を発
生するように、各単相インバータ3のゲート信号を制御
する。
【0020】図35は、上記図34の制御回路6の詳細
な内部構成例を示すブロック図である。
【0021】この制御回路6は、周波数設定器61にて
設定される周波数設定値fsetと、励磁設定器62に
て設定される励磁指令設定値Φsetとから、V/f比を
同じに保つように電圧基準V* を演算する電圧基準演算
器63と、周波数設定値fsetと電圧基準V* とか
ら、各相の出力電圧基準Vu,Vv,Vwをそれぞれ下
記の(1),(2),(3)式により演算する瞬時電圧
基準演算器64とからなる。
【0022】 Vu=V* ×sin(2π×fset×t)×Φset (1)式 Vv=V* ×sin(2π×fset×t+2π/3)×Φset (2)式 Vw=V* ×sin(2π×fset×t−2π/3)×Φset (3)式 ここで、tは時刻を表わす。
【0023】図36は、上記単相インバータ3の詳細な
内部構成例を示す回路図である。
【0024】図36において、変圧器2の2次巻線から
の電力を、ダイオード整流回路13および直流平滑コン
デンサ14で直流電力に変換し、さらに単相インバータ
回路15で任意の周波数、電圧を持った電力に変換す
る。
【0025】また、個々の単相インバータの出力側に、
出力短絡回路16を接続する。この出力短絡回路16
は、例えば“US005625545号”や“特願平9
−277725号”で知られているように、単相インバ
ータ3が故障した場合等に、少なくとも1つの単相イン
バータ3の単相インバータ回路15の動作を停止し、出
力短絡回路16をオンすることにより単相インバータ出
力をバイパスして運転するために用いられる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単相イ
ンバータ3出力をバイパスして運転する場合に、電力変
換装置の出力可能な最大電圧は、バイパスされた単相イ
ンバータ3出力が零となる分だけ低下する。
【0027】例えば、図32(あるいは図34)の例で
は、1相当たり1つの単相インバータ3の出力をバイパ
スした場合に、電力変換装置が出力できる最大の電圧
は、全ての単相インバータ3を動作させた場合の2/3
倍となる。
【0028】そして、この最大出力可能な電圧範囲が低
下することによって、次のような種々の問題が発生す
る。
【0029】すなわち、バイパス動作時は、実際に出力
できる最大電圧が低下するため、電流制御器10(ある
いは電圧基準演算器63)が前記バイパス時の最大電圧
に相当する電圧基準を超過した場合、電流制御器10
(あるいは電圧基準演算器63)が電圧基準を出力して
も、実際の出力電圧は前記バイパス時の最大電圧でリミ
ットされるために、出力電圧が正弦波とならなくなり、
誘導電動機4に多くの高調波電流が流れて温度上昇が過
大となり、制御動作が乱調するという問題がある。
【0030】また、このように制御動作が乱調しない場
合でも、バイパス運転状態では電力変換装置が出力可能
な電力は出力電圧の低下に比例して低減するが、誘導電
動機4が必要な電力がこのバイパス運転で出力可能な電
力を超過した場合、装置は過負荷となって運転を継続で
きなくなる。
【0031】さらに、単相インバータ3の何れか1つが
故障した時に、その単相インバータ3出力をバイパスし
て運転を継続するような場合に、誘導電動機4の誘起電
圧が1つの単相インバータ3をバイパスして出力可能な
電圧よりも大きい時に、誘導電動機4からの誘起電圧に
よって、バイパスしていない単相インバータ3の直流電
圧が過充電してしまうという問題がある。
【0032】本発明の目的は、制御が飽和することによ
る制御の乱調を防止して装置を安定して運転することが
でき、また交流電動機の負荷を低減して装置が過負荷で
停止となることを防止することができ、さらに単相イン
バータの直流電圧が過充電となることを防止することが
可能な電力変換装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、単相インバータの出力側を直列接続して各相を構
成することにより、多相交流電力を多相の交流電動機に
供給する電力変換装置において、請求項1に対応する発
明では、交流電動機のトルク電流成分を指令する第1の
指令手段と、交流電動機の励磁電流成分を指令する第2
の指令手段と、第1および第2の指令手段から出力され
るトルク電流成分指令および励磁電流成分指令と、交流
電動機の速度と、電力変換装置本体から出力される各相
電流とに基づいて、交流電動機の速度が所定の速度とな
るように出力電圧基準を生成し出力する出力電圧基準生
成手段と、出力電圧基準生成手段から出力される出力電
圧基準に対応した出力電圧を発生するように、各単相イ
ンバータのゲート信号を制御するゲート制御手段と、単
相インバータ出力をバイパスして運転する場合に、当該
単相インバータの出力側を短絡する出力短絡手段と、出
力短絡手段により単相インバータ出力が短絡された時
に、第2の指令手段から出力される励磁電流成分指令を
低減する手段とを備えている。
【0034】従って、請求項1に対応する発明の電力変
換装置においては、単相インバータ出力が短絡された時
に、励磁電流成分指令を低減することにより、単相イン
バータの1相当たり少なくとも1つの出力をバイパスし
て運転する場合に、この状態で電力変換装置の出力可能
な最大電圧に対して出力電圧基準が当該最大電圧に相当
する値以上にならないように制御されるため、制御が飽
和することによる制御の乱調を防止して、装置を安定し
て運転することができる。
【0035】また、請求項2に対応する発明では、交流
電動機のトルク電流成分を指令する第1の指令手段と、
交流電動機の励磁電流成分を指令する第2の指令手段
と、第1および第2の指令手段から出力されるトルク電
流成分指令および励磁電流成分指令と、交流電動機の速
度と、電力変換装置本体から出力される各相電流とに基
づいて、交流電動機の速度が所定の速度となるように出
力電圧基準を生成し出力する出力電圧基準生成手段と、
出力電圧基準生成手段から出力される出力電圧基準に対
応した出力電圧を発生するように、各単相インバータの
ゲート信号を制御するゲート制御手段と、単相インバー
タ出力をバイパスして運転する場合に、当該単相インバ
ータの出力側を短絡する出力短絡手段と、出力短絡手段
により単相インバータ出力が短絡された時に、第2の指
令手段から出力される励磁電流成分指令を所定の割合で
低減する手段とを備えている。
【0036】従って、請求項2に対応する発明の電力変
換装置においては、単相インバータ出力が短絡された時
に、励磁電流成分指令を所定の割合で低減することによ
り、単相インバータの1相当たり少なくとも1つの出力
をバイパスして運転する場合に、この状態で電力変換装
置の出力可能な最大電圧に対して出力電圧基準が当該最
大電圧に相当する値以上にならないように制御されるた
め、制御が飽和することによる制御の乱調を防止して、
装置を安定して運転することができる。
【0037】さらに、請求項3に対応する発明では、交
流電動機のトルク電流成分を指令する第1の指令手段
と、交流電動機の励磁電流成分を指令する第2の指令手
段と、第1および第2の指令手段から出力されるトルク
電流成分指令および励磁電流成分指令と、交流電動機の
速度と、電力変換装置本体から出力される各相電流とに
基づいて、交流電動機の速度が所定の速度となるように
出力電圧基準を生成し出力する出力電圧基準生成手段
と、出力電圧基準生成手段から出力される出力電圧基準
に対応した出力電圧を発生するように、各単相インバー
タのゲート信号を制御するゲート制御手段と、単相イン
バータ出力をバイパスして運転する場合に、当該単相イ
ンバータの出力側を短絡する出力短絡手段と、出力短絡
手段により単相インバータ出力が短絡された時に、第2
の指令手段から出力される励磁電流成分指令を電力変換
装置本体が出力する所定の周波数以上の領域で当該周波
数に反比例させて低減する手段とを備えている。
【0038】従って、請求項3に対応する発明の電力変
換装置においては、単相インバータ出力が短絡された時
に、励磁電流成分指令を電力変換装置本体が出力する所
定の周波数以上の領域で当該周波数に反比例させて低減
することにより、単相インバータの1相当たり少なくと
も1つの出力をバイパスして運転する場合に、この状態
で電力変換装置の出力可能な最大電圧に対して出力電圧
基準が当該最大電圧に相当する値以上にならないように
制御されるため、制御が飽和することによる制御の乱調
を防止して、装置を安定して運転することができる。
【0039】また、請求項4に対応する発明では、交流
電動機のトルク電流成分を指令する第1の指令手段と、
交流電動機の励磁電流成分を指令する第2の指令手段
と、第1および第2の指令手段から出力されるトルク電
流成分指令および励磁電流成分指令と、交流電動機の速
度と、電力変換装置本体から出力される各相電流とに基
づいて、交流電動機の速度が所定の速度となるように出
力電圧基準を生成し出力する出力電圧基準生成手段と、
出力電圧基準生成手段から出力される出力電圧基準に対
応した出力電圧を発生するように、各単相インバータの
ゲート信号を制御するゲート制御手段と、単相インバー
タ出力をバイパスして運転する場合に、当該単相インバ
ータの出力側を短絡する出力短絡手段と、出力短絡手段
により単相インバータ出力が短絡された時に、第2の指
令手段から出力される励磁電流成分指令を交流電動機の
速度が所定値以上の領域で当該交流電動機の速度に反比
例させて低減する手段とを備えている。
【0040】従って、請求項4に対応する発明の電力変
換装置においては、単相インバータ出力が短絡された時
に、励磁電流成分指令を交流電動機の速度が所定値以上
の領域で当該交流電動機の速度に反比例させて低減する
ことにより、単相インバータの1相当たり少なくとも1
つの出力をバイパスして運転する場合に、この状態で電
力変換装置の出力可能な最大電圧に対して出力電圧基準
が当該最大電圧に相当する値以上にならないように制御
されるため、制御が飽和することによる制御の乱調を防
止して、装置を安定して運転することができる。
【0041】さらに、請求項5に対応する発明では、交
流電動機の速度を指令する手段と、交流電動機の速度を
指令する手段から出力される電動機速度指令と交流電動
機の速度とに基づいて、交流電動機のトルク電流成分を
指令する第1の指令手段と、交流電動機の励磁電流成分
を指令する第2の指令手段と、第1および第2の指令手
段から出力されるトルク電流成分指令および励磁電流成
分指令と、交流電動機の速度と、電力変換装置本体から
出力される各相電流とに基づいて、交流電動機の速度が
所定の速度となるように出力電圧基準を生成し出力する
出力電圧基準生成手段と、出力電圧基準生成手段から出
力される出力電圧基準に対応した出力電圧を発生するよ
うに、各単相インバータのゲート信号を制御するゲート
制御手段と、単相インバータ出力をバイパスして運転す
る場合に、当該単相インバータの出力側を短絡する出力
短絡手段と、出力短絡手段により単相インバータ出力が
短絡された時に、交流電動機の速度を指令する手段から
出力される電動機速度指令の絶対値の上限を制限する手
段とを備えている。
【0042】従って、請求項5に対応する発明の電力変
換装置においては、単相インバータ出力が短絡された時
に、電動機速度指令の絶対値の上限を制限することによ
り、単相インバータの1相当たり少なくとも1つの出力
をバイパスして運転する場合に、この状態で電力変換装
置の出力可能な最大電圧に対して出力電圧基準が当該最
大電圧に相当する値以上にならないように制御されるた
め、制御が飽和することによる制御の乱調を防止して、
装置を安定して運転することができる。
【0043】一方、請求項6に対応する発明では、上記
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に対応する発明の
電力変換装置において、交流電動機に流れる電流が所定
値を超過した場合に、当該交流電動機に流れる電流が所
定値以下となるように交流電動機の速度を低減させるよ
うに制御する手段を備えている。
【0044】従って、請求項6に対応する発明の電力変
換装置においては、交流電動機に流れる電流が所定値を
超過した時に、これが所定値以下となるように交流電動
機の速度を低減させることにより、バイパス運転中の出
力電圧が低減されることに対しても、交流電動機の負荷
を低減して、装置が過負荷で停止となることを防止する
ことができる。
【0045】また、請求項7に対応する発明では、上記
請求項6に対応する発明の電力変換装置において、交流
電動機の速度を低減させるように制御する手段として
は、交流電動機の速度を指令する手段から出力される電
動機速度指令、または第1の指令手段から出力されるト
ルク電流成分指令、もしくは当該トルク電流成分指令に
相当する成分を低減させるように制御する。
【0046】従って、請求項7に対応する発明の電力変
換装置においては、交流電動機に流れる電流が所定値を
超過した時に、これが所定値以下となるように、電動機
速度指令、またはトルク電流成分指令、もしくは当該ト
ルク電流成分指令に相当する成分を低減させることによ
り、バイパス運転中の出力電圧が低減されることに対し
ても、交流電動機の負荷を低減して、装置が過負荷で停
止となることを防止することができる。
【0047】一方、請求項8に対応する発明では、上記
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に対応する発明の
電力変換装置において、単相インバータの故障を検出す
る手段と、手段により少なくとも1つの単相インバータ
が故障したことが検出された場合に、全ての単相インバ
ータの出力を一旦停止し、故障した単相インバータの出
力を短絡すると共に、当該故障した単相インバータを含
む相以外の他の相の単相インバータの出力を出力が短絡
された単相インバータと同数だけ短絡する手段と、所定
の条件が成立した場合に、出力が短絡された単相インバ
ータ以外の単相インバータを用いて出力を再開する手段
とを備えている。
【0048】従って、請求項8に対応する発明の電力変
換装置においては、単相インバータが故障した場合に、
全ての単相インバータの出力を一旦停止し、故障した単
相インバータの出力を短絡すると共に、故障した単相イ
ンバータを含む相以外の他の相の単相インバータの出力
を出力短絡された単相インバータと同数だけ短絡した状
態で、所定の条件が成立した時に、出力短絡された単相
インバータ以外の単相インバータを用いて出力を再開す
ることにより、交流電動機の誘起電圧が低減してから故
障した単相インバータ出力をバイパスできるため、単相
インバータの直流電圧が過充電となることを防止するこ
とができる。
【0049】また、請求項9に対応する発明では、上記
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に対応する発明の
電力変換装置において、単相インバータの故障を検出す
る手段と、手段により少なくとも1つの単相インバータ
が故障したことが検出された場合に、全ての単相インバ
ータの出力を一旦停止し、故障した単相インバータの出
力を短絡すると共に、当該故障した単相インバータを含
む相以外の他の相の単相インバータの出力を出力が短絡
された単相インバータと同数だけ短絡する手段と、手段
により単相インバータの故障が検出されてから所定の時
間が経過した後に、出力が短絡された単相インバータ以
外の単相インバータを用いて出力を再開する手段とを備
えている。
【0050】従って、請求項9に対応する発明の電力変
換装置においては、単相インバータが故障した場合に、
全ての単相インバータの出力を一旦停止し、故障した単
相インバータの出力を短絡すると共に、故障した単相イ
ンバータを含む相以外の他の相の単相インバータの出力
を出力短絡された単相インバータと同数だけ短絡した状
態で、単相インバータが故障してから所定の時間が経過
した後に、出力短絡された単相インバータ以外の単相イ
ンバータを用いて出力を再開することにより、交流電動
機の誘起電圧が低減してから故障した単相インバータ出
力をバイパスできるため、単相インバータの直流電圧が
過充電となることを防止することができる。
【0051】さらに、請求項10に対応する発明では、
上記請求項1乃至請求項7のいずれか1項に対応する発
明の電力変換装置において、単相インバータの故障を検
出する手段と、手段により少なくとも1つの単相インバ
ータが故障したことが検出された場合に、全ての単相イ
ンバータの出力を一旦停止し、故障した単相インバータ
の出力を短絡すると共に、当該故障した単相インバータ
を含む相以外の他の相の単相インバータの出力を出力が
短絡された単相インバータと同数だけ短絡する手段と、
交流電動機の誘起電圧が所定値以下になったことを検出
する手段と、手段により交流電動機の誘起電圧が所定値
以下になったことが検出された後に、出力が短絡された
単相インバータ以外の単相インバータを用いて出力を再
開する手段とを備えている。
【0052】従って、請求項10に対応する発明の電力
変換装置においては、単相インバータが故障した場合
に、全ての単相インバータの出力を一旦停止し、故障し
た単相インバータの出力を短絡すると共に、故障した単
相インバータを含む相以外の他の相の単相インバータの
出力を出力短絡された単相インバータと同数だけ短絡し
た状態で、交流電動機の誘起電圧が所定値以下になった
ことが検出された後に、出力短絡された単相インバータ
以外の単相インバータを用いて出力を再開することによ
り、交流電動機の誘起電圧が低減してから故障した単相
インバータ出力をバイパスできるため、単相インバータ
の直流電圧が過充電となることを防止することができ
る。
【0053】さらにまた、請求項11に対応する発明で
は、上記請求項1乃至請求項7のいずれか1項に対応す
る発明の電力変換装置において、単相インバータの故障
を検出する手段と、手段により少なくとも1つの単相イ
ンバータが故障したことが検出された場合に、全ての単
相インバータの出力を一旦停止し、故障した単相インバ
ータの出力を短絡すると共に、当該故障した単相インバ
ータを含む相以外の他の相の単相インバータの出力を出
力が短絡された単相インバータと同数だけ短絡する手段
と、交流電動機の速度が所定値以下になったことを検出
する手段と、手段により交流電動機の速度が所定値以下
になったことが検出された後に、出力が短絡された単相
インバータ以外の単相インバータを用いて出力を再開す
る手段とを備えている。
【0054】従って、請求項11に対応する発明の電力
変換装置においては、単相インバータが故障した場合
に、全ての単相インバータの出力を一旦停止し、故障し
た単相インバータの出力を短絡すると共に、故障した単
相インバータを含む相以外の他の相の単相インバータの
出力を出力短絡された単相インバータと同数だけ短絡し
た状態で、交流電動機の速度が所定値以下になったこと
が検出された後に、出力短絡された単相インバータ以外
の単相インバータを用いて出力を再開することにより、
交流電動機の誘起電圧が低減してから故障した単相イン
バータ出力をバイパスできるため、単相インバータの直
流電圧が過充電となることを防止することができる。
【0055】一方、請求項12に対応する発明では、交
流電動機に与える周波数を指令する手段と、交流電動機
に与える周波数を指令する手段から出力される周波数指
令に基づいて演算される電圧指令信号を入力として、交
流電動機の端子電圧を制御する制御手段と、単相インバ
ータ出力をバイパスして運転する場合に、当該単相イン
バータの出力側を短絡する出力短絡手段と、出力短絡手
段により単相インバータ出力が短絡された時に、制御手
段に入力する電圧指令信号を所定の割合で低減する手段
とを備えている。
【0056】従って、請求項12に対応する発明の電力
変換装置においては、単相インバータ出力が短絡された
時に、制御手段に入力する電圧指令信号を所定の割合で
低減することにより、単相インバータの1相当たり少な
くとも1つの出力をバイパスして運転する場合に、この
状態で電力変換装置の出力可能な最大電圧に対して出力
電圧基準が当該最大電圧に相当する値以上にならないよ
うに制御されるため、出力電圧が正弦波とならなくなる
ことによる高調波電流の増加に抑えて、電動機の過度な
温度上昇を防止することができ、制御が飽和することに
よる制御の乱調を防止して、装置を安定して運転するこ
とができる。
【0057】また、請求項13に対応する発明では、交
流電動機に与える周波数を指令する手段と、交流電動機
に与える周波数を指令する手段から出力される周波数指
令に基づいて演算される電圧指令信号を入力として、交
流電動機の端子電圧を制御する制御手段と、単相インバ
ータ出力をバイパスして運転する場合に、当該単相イン
バータの出力側を短絡する出力短絡手段と、出力短絡手
段により単相インバータ出力が短絡された時に、制御手
段に入力する電圧指令信号を電力変換装置本体が出力す
る所定の周波数以上の領域で略一定となるように制御す
る手段とを備えている。
【0058】従って、請求項13に対応する発明の電力
変換装置においては、単相インバータ出力が短絡された
時に、制御手段に入力する電圧指令信号を電力変換装置
本体が出力する所定の周波数以上の領域で略一定となる
ように制御することにより、単相インバータの1相当た
り少なくとも1つの出力をバイパスして運転する場合
に、この状態で電力変換装置の出力可能な最大電圧に対
して出力電圧基準が当該最大電圧に相当する値以上にな
らないように制御されるため、出力電圧が正弦波となら
なくなることによる高調波電流の増加に抑えて、電動機
の過度な温度上昇を防止することができ、制御が飽和す
ることによる制御の乱調を防止して、装置を安定して運
転することができる。
【0059】さらに、請求項14に対応する発明では、
交流電動機に与える周波数を指令する手段と、交流電動
機に与える周波数を指令する手段から出力される周波数
指令に基づいて演算される電圧指令信号を入力として、
交流電動機の端子電圧を制御する制御手段と、単相イン
バータ出力をバイパスして運転する場合に、当該単相イ
ンバータの出力側を短絡する出力短絡手段と、出力短絡
手段により単相インバータ出力が短絡された時に、制御
手段に入力する電圧指令信号を交流電動機の速度が所定
値以上の領域で略一定となるように制御する手段とを備
えている。
【0060】従って、請求項14に対応する発明の電力
変換装置においては、単相インバータ出力が短絡された
時に、制御手段に入力する電圧指令信号を交流電動機の
速度が所定値以上の領域で略一定となるように制御する
ことにより、単相インバータの1相当たり少なくとも1
つの出力をバイパスして運転する場合に、この状態で電
力変換装置の出力可能な最大電圧に対して出力電圧基準
が当該最大電圧に相当する値以上にならないように制御
されるため、出力電圧が正弦波とならなくなることによ
る高調波電流の増加に抑えて、電動機の過度な温度上昇
を防止することができ、制御が飽和することによる制御
の乱調を防止して、装置を安定して運転することができ
る。
【0061】さらにまた、請求項15に対応する発明で
は、交流電動機に与える周波数を指令する手段と、単相
インバータ出力をバイパスして運転する場合に、当該単
相インバータの出力側を短絡する出力短絡手段と、出力
短絡手段により単相インバータ出力が短絡された時に、
交流電動機に与える周波数を指令する手段から出力され
る周波数指令の絶対値の上限を制限する手段とを備えて
いる。
【0062】従って、請求項15に対応する発明の電力
変換装置においては、単相インバータ出力が短絡された
時に、交流電動機に与える周波数を指令する手段から出
力される周波数指令の絶対値の上限を制限することによ
り、単相インバータの1相当たり少なくとも1つの出力
をバイパスして運転する場合に、この状態で電力変換装
置の出力可能な最大電圧に対して出力電圧基準が当該最
大電圧に相当する値以上にならないように制御されるた
め、出力電圧が正弦波とならなくなることによる高調波
電流の増加に抑えて、電動機の過度な温度上昇を防止す
ることができ、制御が飽和することによる制御の乱調を
防止して、装置を安定して運転することができる。
【0063】一方、請求項16に対応する発明では、上
記請求項12乃至請求項14のいずれか1項に対応する
発明の電力変換装置において、交流電動機に与える周波
数を指令する手段と、交流電動機に流れる電流が所定値
を超過した場合に、当該交流電動機に流れる電流が所定
値以下となるように交流電動機の周波数を指令する手段
から出力される周波数指令を低減する手段とを備えてい
る。
【0064】従って、請求項16に対応する発明の電力
変換装置においては、交流電動機に流れる電流が所定値
を超過した時に、これが所定値以下となるように交流電
動機の周波数指令を低減させることにより、バイパス運
転中の出力電圧が低減されることに対しても、交流電動
機の負荷を低減して、装置が過負荷で停止となることを
防止することができる。
【0065】また、請求項17に対応する発明では、上
記請求項12乃至請求項16のいずれか1項に対応する
発明の電力変換装置において、単相インバータの故障を
検出する手段と、上記手段により少なくとも1つの単相
インバータが故障したことが検出された場合に、全ての
単相インバータの出力を一旦停止し、故障した単相イン
バータの出力を短絡すると共に、当該故障した単相イン
バータを含む相以外の他の相の単相インバータの出力を
出力が短絡された単相インバータと同数だけ短絡する手
段と、単相インバータの故障発生から所定の時間が経過
した後に、出力が短絡された単相インバータ以外の単相
インバータを用いて出力を再開する手段とを備えてい
る。
【0066】従って、請求項17に対応する発明の電力
変換装置においては、単相インバータが故障した場合
に、全ての単相インバータの出力を一旦停止し、故障し
た単相インバータの出力を短絡すると共に、故障した単
相インバータを含む相以外の他の相の単相インバータの
出力を出力短絡された単相インバータと同数だけ短絡し
た状態で、単相インバータが故障してから所定の時間が
経過した後に、出力短絡された単相インバータ以外の単
相インバータを用いて出力を再開することにより、交流
電動機の誘起電圧が低減してから故障した単相インバー
タ出力をバイパスできるため、単相インバータの直流電
圧が過充電となることを防止することができる。
【0067】さらに、請求項18に対応する発明では、
上記請求項12乃至請求項16のいずれか1項に対応す
る発明の電力変換装置において、単相インバータの故障
を検出する手段と、上記手段により少なくとも1つの単
相インバータが故障したことが検出された場合に、全て
の単相インバータの出力を一旦停止し、故障した単相イ
ンバータの出力を短絡すると共に、当該故障した単相イ
ンバータを含む相以外の他の相の単相インバータの出力
を出力が短絡された単相インバータと同数だけ短絡する
手段と、交流電動機の誘起電圧が所定値以下になったこ
とを検出する手段と、上記手段により交流電動機の誘起
電圧が所定値以下になったことが検出された後に、出力
が短絡された単相インバータ以外の単相インバータを用
いて出力を再開する手段とを備えている。
【0068】従って、請求項18に対応する発明の電力
変換装置においては、単相インバータが故障した場合
に、全ての単相インバータの出力を一旦停止し、故障し
た単相インバータの出力を短絡すると共に、故障した単
相インバータを含む相以外の他の相の単相インバータの
出力を出力短絡された単相インバータと同数だけ短絡し
た状態で、交流電動機の誘起電圧が所定値以下になった
ことが検出された後に、出力短絡された単相インバータ
以外の単相インバータを用いて出力を再開することによ
り、交流電動機の誘起電圧が低減してから故障した単相
インバータ出力をバイパスできるため、単相インバータ
の直流電圧が過充電となることを防止することができ
る。
【0069】さらにまた、請求項19に対応する発明で
は、上記請求項12乃至請求項16のいずれか1項に対
応する発明の電力変換装置において、単相インバータの
故障を検出する手段と、上記手段により少なくとも1つ
の単相インバータが故障したことが検出された場合に、
全ての単相インバータの出力を一旦停止し、故障した単
相インバータの出力を短絡すると共に、当該故障した単
相インバータを含む相以外の他の相の単相インバータの
出力を出力が短絡された単相インバータと同数だけ短絡
する手段と、交流電動機の回転数が所定値以下になった
ことを検出する手段と、上記手段により交流電動機の回
転数が所定値以下になったことが検出された後に、出力
が短絡された単相インバータ以外の単相インバータを用
いて出力を再開する手段とを備えている。
【0070】従って、請求項19に対応する発明の電力
変換装置においては、単相インバータが故障した場合
に、全ての単相インバータの出力を一旦停止し、故障し
た単相インバータの出力を短絡すると共に、故障した単
相インバータを含む相以外の他の相の単相インバータの
出力を出力が短絡された単相インバータと同数だけ短絡
した状態で、交流電動機の回転数が所定値以下になった
ことが検出された後に、出力短絡された単相インバータ
以外の単相インバータを用いて出力を再開することによ
り、交流電動機の誘起電圧が低減してから故障した単相
インバータ出力をバイパスできるため、単相インバータ
の直流電圧が過充電となることを防止することができ
る。
【0071】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0072】(第1の実施の形態:請求項1、請求項2
に対応)図1は、本実施の形態による電力変換装置の概
要構成例を示すブロック図であり、図32と同一要素に
は同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる
部分についてのみ述べる。
【0073】すなわち、本実施の形態の電力変換装置
は、図1に示すように、前記図32における制御回路6
に代えて制御回路6Aを備え、さらにバイパス指令回路
17と、OR回路18とを付加した構成としている。
【0074】バイパス指令回路17は、バイパス指令信
号A,B,Cを出力するものであり、このバイパス指令
信号A,B,Cを、出力側が直列接続された各相の単相
インバータ3Aの出力側に設けられた出力短絡回路16
へ入力すると共に、OR回路18へ入力する。
【0075】OR回路18は、バイパス指令回路17か
ら出力されるバイパス指令信号A,B,Cの論理和をと
り、その論理和信号をBYPASS信号として制御回路
6Aへ入力する。
【0076】制御回路6Aは、OR回路18からBYP
ASS信号が入力された時に、制御動作を切替える。
【0077】図2は、制御回路6Aの詳細な内部構成例
を示すブロック図であり、図33と同一要素には同一符
号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分につ
いてのみ述べる。
【0078】すなわち、本制御回路6Aは、図2に示す
ように、前記図33における励磁電流指令器31の出力
側に、励磁電流指令器31から出力される励磁指令設定
値Φsetを所定の割合で低減する手段である係数器4
5と、励磁電流指令器31から出力される励磁指令設定
値Φsetまたは係数器45から出力される励磁指令の
低減値のいずれか一方を、励磁指令Φ* として切替え出
力するスイッチ19A,19Bとを付加した構成として
いる。
【0079】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0080】なお、図32、図33および図36と同一
要素の動作についてはその説明を省略し、ここでは異な
る部分の動作についてのみ述べる。
【0081】図1において、バイパス指令回路17から
バイパス指令信号A,B,Cが出力されると、このバイ
パス指令信号A,B,Cにより、単相インバータ3Aの
出力短絡回路16を閉制御して、単相インバータ3Aの
出力が短絡されてバイパス運転される。
【0082】OR回路18では、バイパス指令回路17
からのバイパス指令信号A,B,Cにより、少なくとも
単相インバータ3Aの1段分がバイパスされていること
を判定すると、BYPASS信号が制御回路6Aに出力
される。
【0083】制御回路6Aでは、OR回路18からBY
PASS信号が入力されると、制御動作が切替えられ
る。
【0084】すなわち、図2において、通常の運転動作
では、スイッチ19Aがオンして、励磁指令設定値Φs
etがそのまま励磁指令Φ* として使用され、BYPA
SS信号が入力された場合には、スイッチ19Aがオフ
しスイッチ19Bがオンして、励磁指令Φ* としては、
励磁指令設定値Φsetを係数器45でK5倍した値に
切替えられる。
【0085】ここで、誘導電動機4の誘起電圧は、下記
のような式で得ることができる。
【0086】 (誘導電動機4の誘起電圧)=a×(回転速度)×Φ a:比例定数 一般的に、回転速度の上限値で誘導電動機の誘起電圧
が、電力変換装置が出力可能な最大電圧と略同等となる
ように使用される。
【0087】この場合、いま1相当たり1つの単相イン
バータ3Aがバイパスされて運転する電力変換装置が出
力可能な最大電圧は、通常時の2/3倍となることか
ら、上記式より励磁指令Φ* が2/3倍になるように、
係数器45でK5=2/3とすれば、回転速度の上限値
でも、誘導電動機4の誘起電圧が通常時の2/3に低減
される。これにより、バイパス運転時でも電力変換装置
の出力可能な最大電圧範囲内で運転することが可能とな
る。
【0088】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置では、単相インバータ3A出力が短絡された時に、
励磁指令Φ* を、所定の割合K5で低減するようにして
いるので、単相インバータ3Aの1相当たり少なくとも
1つの出力をバイパスして運転する場合に、この状態で
電力変換装置の出力可能な最大電圧に対して出力電圧基
準がこの最大電圧に相当する値以上にならないように制
御されるため、制御が飽和することによる制御の乱調を
防止して、装置を安定して運転することが可能となる。
【0089】(第2の実施の形態:請求項1、請求項3
に対応)図3は、本実施の形態による電力変換装置にお
ける制御回路6Aの詳細な内部構成例を示すブロック図
であり、図2と同一要素には同一符号を付してその説明
を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0090】すなわち、本制御回路6Aは、図3に示す
ように、前記図2における係数器45に代えて励磁低減
回路46を備えた構成としている。
【0091】励磁低減回路46は、前記励磁電流指令器
31から出力される励磁指令設定値Φsetを、電力変
換装置が出力する所定の周波数以上の領域でこの周波数
ω1に反比例させて低減する。
【0092】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0093】なお、図1および図2と同一要素の動作に
ついてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の動作
についてのみ述べる。
【0094】制御回路6Aでは、OR回路18からBY
PASS信号が入力されると、制御動作が切替えられ
る。
【0095】すなわち、図3において、通常の運転動作
では、スイッチ19Aがオンして、励磁指令設定値Φs
etがそのまま励磁指令Φ* として使用され、BYPA
SS信号が入力された場合には、スイッチ19Aがオフ
しスイッチ19Bがオンして、励磁指令Φ* としては、
励磁指令設定値Φsetを励磁低減回路46で低減した
値に切替えられる。
【0096】ここで、励磁低減回路46では、図4
(a)に示すように、電力変換装置の出力周波数ω1
が、所定値ω1s以下の領域Iの部分では、励磁指令Φ
* を励磁指令設定値Φsetとする。
【0097】また、電力変換装置の出力周波数ω1が、
所定値ω1sを超過する領域IIの部分では、電力変換装
置の出力周波数ω1に反比例させて、励磁指令Φ* を低
減する。
【0098】前記第1の実施の形態でも説明したよう
に、一般的に、回転速度の上限値で誘導電動機の誘起電
圧が、電力変換装置が出力可能な最大電圧と略同等とな
るように使用されるので、1相当たり1つの単相インバ
ータ3Aがバイパスされて運転する電力変換装置が出力
可能な最大電圧は、通常時の2/3倍となることから、
図4(b)に示すように、最高出力周波数の2/3の出
力周波数以上で、上記励磁指令Φ* の低減を実施するこ
とにより、バイパス運転時でも電力変換装置の出力可能
な最大電圧範囲内で運転することが可能となる。
【0099】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置では、単相インバータ3A出力が短絡された時に、
励磁指令Φ* を、電力変換装置が出力する所定の周波数
以上の領域でこの周波数ω1に反比例させて低減するよ
うにしているので、単相インバータ3Aの1相当たり少
なくとも1つの出力をバイパスして運転する場合に、こ
の状態で電力変換装置の出力可能な最大電圧に対して出
力電圧基準がこの最大電圧に相当する値以上にならない
ように制御されるため、制御が飽和することによる制御
の乱調を防止して、装置を安定して運転することが可能
となる。
【0100】(第3の実施の形態:請求項1、請求項4
に対応)図5は、本実施の形態による電力変換装置にお
ける制御回路6Aの詳細な内部構成例を示すブロック図
であり、図2と同一要素には同一符号を付してその説明
を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0101】すなわち、本制御回路6Aは、図5に示す
ように、前記図2における係数器43に代えて励磁低減
回路47を備えた構成としている。
【0102】励磁低減回路47は、前記励磁電流指令器
31から出力される励磁指令設定値Φsetを、誘導電
動機4の速度ωrが所定値以上の領域でこの誘導電動機
4の速度ωrに反比例させて低減する。
【0103】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0104】なお、図1および図2と同一要素の動作に
ついてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の動作
についてのみ述べる。
【0105】制御回路6Aでは、OR回路18からBY
PASS信号が入力されると、制御動作が切替えられ
る。
【0106】すなわち、図5において、通常の運転動作
では、スイッチ19Aがオンして、励磁指令設定値Φs
etがそのまま励磁指令Φ* として使用され、BYPA
SS信号が入力された場合には、スイッチ19Aがオフ
しスイッチ19Bがオンして、励磁指令Φ* としては、
励磁指令設定値Φsetを励磁低減回路47で低減した
値に切替えられる。
【0107】ここで、励磁低減回路47では、前記図4
に示した方法とほぼ同様に、誘導電動機4の速度ωr
が、所定値(ωts)以下の領域(I)の部分では、励
磁指令Φ* を励磁指令設定値Φsetとする。
【0108】また、誘導電動機4の速度ωrが、所定値
(ωts)を超過する領域(II)の部分では、誘導電動
機4の速度ωrに反比例させて、励磁指令Φ* を低減す
る。前記第1の実施の形態でも説明したように、一般的
に、回転速度の上限値で電動機の誘起電圧が、電力変換
装置が出力可能な最大電圧と略同等となるように使用さ
れるので、1相当たり1つの単相インバータ3Aがバイ
パスされて運転する電力変換装置が出力可能な最大電圧
は、通常時の2/3倍となることから、図4(b)に示
したように、誘導電動機4の最高速度の2/3の速度以
上で、上記励磁指令Φ* の低減を実施することにより、
バイパス運転時でも電力変換装置の出力可能な最大電圧
範囲内で運転することが可能となる。
【0109】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置では、単相インバータ3A出力が短絡された時に、
励磁指令Φ* を、誘導電動機4の速度ωrが所定値以上
の領域でこの誘導電動機4の速度ωrに反比例させて低
減するようにしているので、単相インバータ3Aの1相
当たり少なくとも1つの出力をバイパスして運転する場
合に、この状態で電力変換装置の出力可能な最大電圧に
対して出力電圧基準がこの最大電圧に相当する値以上に
ならないように制御されるため、制御が飽和することに
よる制御の乱調を防止して、装置を安定して運転するこ
とが可能となる。
【0110】(第4の実施の形態:請求項5に対応)図
6は、本実施の形態による電力変換装置における制御回
路6Aの詳細な内部構成例を示すブロック図であり、図
33と同一要素には同一符号を付してその説明を省略
し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0111】すなわち、本制御回路6Aは、図6に示す
ように、前記図33における速度指令器30の出力側
に、速度指令器30から出力される速度指令ωr* の絶
対値の上限を制限する手段であるリミット回路48と、
速度指令器30から出力される速度指令ωr* またはリ
ミット回路48から出力される速度指令の制限値のいず
れか一方を、最終的な速度指令ωr* として切替え出力
するスイッチ49A,49Bとを付加した構成としてい
る。
【0112】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0113】なお、図1、図32、図33および図36
と同一要素の動作についてはその説明を省略し、ここで
は異なる部分の動作についてのみ述べる。
【0114】制御回路6Aでは、OR回路18からBY
PASS信号が入力されると、制御動作が切替えられ
る。
【0115】すなわち、図6において、通常の運転動作
では、スイッチ49Aがオンして、速度指令器30から
出力される速度指令ωr* がそのまま速度指令ωr*
して使用され、BYPASS信号が入力された場合に
は、スイッチ49Aがオフしスイッチ47Bがオンし
て、速度指令ωr* としては、速度指令器30から出力
される速度指令ωr* をリミット回路48で絶対値の上
限を制限した値に切替えられる。
【0116】前記第1の実施の形態でも説明したよう
に、いま1相当たり1つの単相インバータ3Aがバイパ
スされて運転する電力変換装置が出力可能な最大電圧
は、通常時の2/3倍となることから、前記式より誘導
電動機4の速度ωrを最大速度の2/3に制限すれば、
誘導電動機4の誘起電圧が通常時の2/3に制限される
ことにより、バイパス時でも電力変換装置の出力可能な
最大電圧範囲内で運転することが可能となる。
【0117】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置では、単相インバータ3A出力が短絡された時に、
誘導電動機4の速度指令ωr* の絶対値の上限を制限す
るようにしているので、単相インバータ3Aの1相当た
り少なくとも1つの出力をバイパスして運転する場合
に、この状態で電力変換装置の出力可能な最大電圧に対
して出力電圧基準がこの最大電圧に相当する値以上にな
らないように制御されるため、制御が飽和することによ
る制御の乱調を防止して、装置を安定して運転すること
が可能となる。
【0118】(第5の実施の形態:請求項6、請求項7
に対応)図7は、本実施の形態による電力変換装置にお
ける制御回路6Aの詳細な内部構成例を示すブロック図
であり、図2と同一要素には同一符号を付してその説明
を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0119】すなわち、本制御回路6Aは、図7に示す
ように、出力電流検出器22と、速度低減回路50と、
加算器51とを、前記図2に付加した構成としている。
【0120】出力電流検出器22は、前記三相dq変換
器11から出力されるd軸,q軸の電流id,iqに基
づいて、出力電流実効値I1を検出する。
【0121】速度低減回路50は、出力電流検出器22
から出力される出力電流実効値I1が所定値を超過した
場合に、誘導電動機4に流れる電流がこの所定値以下と
なるように誘導電動機4の速度を低減させるための速度
補正信号を出力する。
【0122】加算器51は、前記速度指令器30から出
力される速度指令ωr* から、速度低減回路50から出
力される速度補正信号を減算し、その減算信号を補正さ
れた速度指令として前記加算器32へ入力する。
【0123】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0124】なお、図1および図2と同一要素の動作に
ついてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の動作
についてのみ述べる。
【0125】図7において、出力電流検出器22では、
三相dq変換器11からのd軸,q軸の電流id,iq
を基に出力電流実効値I1が検出され、速度低減回路5
0に入力される。
【0126】速度低減回路50では、出力電流検出器2
2からの出力電流実効値I1が所定値を超過した時に、
誘導電動機4の速度を低減させるための速度補正信号
が、加算器51に出力される。
【0127】加算器51では、速度指令器30からの速
度指令ωr* から、速度低減回路50からの速度補正信
号が減算されて、その減算信号が補正された速度指令と
して加算器32へ入力される。
【0128】ここで、速度低減回路50では、図8に示
すように、あらかじめ設定された電流値I1setと出
力電流実効値I1との偏差を加算器52で求め、この偏
差を負側リミッタ24に入力することにより、出力電流
実効値I1が電流設定値I1setより超過した分を検
出し、さらにこの超過分が零になるように、速度低減制
御器25では速度補正信号を調節する。
【0129】誘導電動機4が駆動する対象がファンやポ
ンプである場合、誘導電動機4が必要とする電力は誘導
電動機4の速度の二乗ないし三乗に比例するので、速度
低減回路50による誘導電動機4の速度の低減に伴なっ
て、出力電流も低減される。
【0130】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置では、誘導電動機4に流れる電流が所定値I1se
tを超過した時に、これが所定値I1以下となるように
誘導電動機4の速度を低減させるようにしているので、
前記第1の実施の形態と同様の効果が得られるのに加え
て、バイパス運転中の出力電圧が低減されることに対し
ても、誘導電動機4の負荷を低減して、装置が過負荷で
停止となることを防止することが可能となる。
【0131】(第6の実施の形態:請求項8、請求項9
に対応)図9は、本実施の形態による電力変換装置の概
要構成例を示すブロック図であり、図1と同一要素には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
【0132】すなわち、本実施の形態の電力変換装置
は、図9に示すように、前記図1におけるバイパス指令
回路17に代えてバイパス指令回路17Aを備え、さら
にバイパス指令回路17Aから出力されるゲートブロッ
ク信号GBをPWM制御回路8Aへ入力する構成として
いる。
【0133】バイパス指令回路17Aは、各単相インバ
ータ3Aの故障信号P1,P2,P3,Q1,Q2,Q
3,R1,R2,R3を入力とし、この故障信号P1,
P2,P3,Q1,Q2,Q3,R1,R2,R3によ
りバイパス指令信号A,B,Cを生成すると共に、ゲー
トブロック信号GBをPWM制御回路8Aへ入力する。
【0134】図10は、バイパス指令回路17Aの詳細
な内部構成例を示すブロック図である。
【0135】すなわち、本バイパス指令回路17Aは、
図10に示すように、各単相インバータ3Aの故障信号
P1,P2,P3の論理和をとり、その論理和信号を前
記バイパス指令信号Aとして出力するOR回路18A
と、各単相インバータ3Aの故障信号Q1,Q2,Q3
の論理和をとり、その論理和信号を前記バイパス指令信
号Bとして出力するOR回路18Bと、各単相インバー
タ3Aの故障信号R1,R2,R3の論理和をとり、そ
の論理和信号を前記バイパス指令信号Cとして出力する
OR回路18Cと、各OR回路18A,18B,18C
からのバイパス指令信号A,B,Cの論理和をとり、そ
の論理和信号を出力するOR回路18Dと、OR回路1
8Dからの論理和信号を保持し、その保持信号を上記ゲ
ートブロック信号GBとして出力する保持回路26と、
保持回路26からのゲートブロック信号GBにより起動
され、あらかじめ設定された時間T経過すると、リセッ
ト信号を保持回路26へ出力して保持動作を解除させる
タイマ回路27とから構成している。
【0136】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0137】なお、図1および図2と同一要素の動作に
ついてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の動作
についてのみ述べる。
【0138】図9において、バイパス指令回路17Aで
は、各単相インバータ3Aの故障信号P1,P2,P
3,Q1,Q2,Q3,R1,R2,R3を入力し、こ
の故障信号によりバイパス指令信号A,B,Cが生成さ
れ、さらにゲートブロック信号GBがPWM制御回路8
Aに出力される。
【0139】すなわち、図10において、単相インバー
タ3Aの故障信号をP,Q,Rと分類し、OR回路18
A,18B,18Cによりいずれか1つの単相インバー
タ3Aの故障が発生した場合に、バイパス指令信号A,
B,Cのいずれかの信号をオンして、単相インバータ3
Aの出力がバイパスされる。
【0140】また、これと同時に、バイパス指令信号
A,B,CをOR回路18Dに入力してその論理和をと
り、論理和信号が保持回路26に入力される。
【0141】保持回路26では、OR回路18Dからの
論理和信号を保持し、その保持信号がゲートブロック信
号GBとしてPWM制御回路8Aへ出力される。
【0142】これにより、1つ以上の単相インバータ3
Aが故障した場合に、全ての単相インバータ3Aのゲー
トをブロックし、故障した単相インバータ3Aと他の相
の単相インバータ3Aの出力がバイパスされる。
【0143】そして、この状熊から、タイマ回路27で
は時間の計数を開始し、あらかじめ設定された時間Tが
経過すると、保持回路26にリセット信号を出力して、
ゲートブロック信号GBがリセットされる。
【0144】ここで、タイマ回路27の設定時間Tとし
ては、誘導電動機4の誘起電圧が、単相インバータ3A
の直流電圧が過充電とならないレベルまで低減する時間
相当に設定している。
【0145】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置では、単相インバータ3Aが故障した場合に、全て
の単相インバータ3Aの出力を一旦停止し、故障した単
相インバータ3Aの出力を短絡すると共に、故障した単
相インバータ3Aを含む相以外の他の相の単相インバー
タ3Aの出力を、出力短絡された単相インバータ3Aと
同数だけ短絡した状態で、単相インバータ3Aが故障し
てから所定の時間Tが経過した後に、出力短絡された単
相インバータ3A以外の単相インバータ3Aを用いて出
力を再開するようにしているので、誘導電動機4の誘起
電圧が低減してから故障した単相インバータ3A出力を
バイパスできるため、単相インバータ3Aの直流電圧が
過充電となることを防止することが可能となる。
【0146】(第7の実施の形態:請求項8、請求項1
0に対応)図11は、本実施の形態による電力変換装置
の概要構成例を示すブロック図であり、図9と同一要素
には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異な
る部分についてのみ述べる。
【0147】すなわち、本実施の形態の電力変換装置
は、図11に示すように、前記図9におけるバイパス指
令回路17Aに代えてバイパス指令回路17Bを備え、
さらに電圧検出器28を付加した構成としている。
【0148】電圧検出器28は、誘導電動機4の電圧を
検出し、電圧検出信号Vをバイパス指令回路17Bへ入
力する。
【0149】図12は、バイパス指令回路17Bの詳細
な内部構成例を示すブロック図であり、図10と同一要
素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異
なる部分についてのみ述べる。
【0150】すなわち、本バイパス指令回路17Bは、
図12に示すように、前記図10におけるタイマ回路2
7に代えて比較器29を備えた構成としている。
【0151】比較器29は、上記電圧検出器28から出
力される電圧検出信号Vと、あらかじめ設定された電圧
判定値V* とを比較し、電圧検出信号Vが電圧判定値V
* よりも小さくなると、リセット信号を前記保持回路2
6へ出力して保持動作を解除させる。
【0152】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0153】なお、図9および図10と同一要素の動作
についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の動
作についてのみ述べる。
【0154】図11において、電圧検出器28では、誘
導電動機4の電圧を検出し、その電圧検出信号Vがバイ
パス指令回路17Bに入力される。
【0155】図12において、バイパス指令回路17B
では、電圧検出器28からの電圧検出信号Vと電圧判定
値V* とを比較し、電圧検出信号Vが電圧判定値V*
りも小さくなった時に、保持回路26にリセット信号を
出力して、ゲートブロック信号GBがリセットされる。
【0156】ここで、電圧判定値V* としては、誘導電
動機4の誘起電圧が、単相インバータ3Aの直流電圧が
過充電とならないレベル相当に設定している。
【0157】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置では、単相インバータ3Aが故障した場合に、全て
の単相インバータ3Aの出力を一旦停止し、故障した単
相インバータ3Aの出力を短絡すると共に、故障した単
相インバータ3Aを含む相以外の他の相の単相インバー
タ3Aの出力を、出力短絡された単相インバータ3Aと
同数だけ短絡した状態で、誘導電動機4の誘起電圧Vが
所定値V* 以下になったことが検出された後に、出力短
絡された単相インバータ3A以外の単相インバータ3A
を用いて出力を再開するようにしているので、誘導電動
機4の誘起電圧が低減してから故障した単相インバータ
3A出力をバイパスできるため、単相インバータ3Aの
直流電圧が過充電となることを防止することが可能とな
る。
【0158】(第8の実施の形態:請求項8、請求項1
1に対応)図13は、本実施の形態による電力変換装置
の概要構成例を示すブロック図であり、図9と同一要素
には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異な
る部分についてのみ述べる。
【0159】すなわち、本実施の形態の電力変換装置
は、図13に示すように、前記図9におけるバイパス指
令回路17Aに代えてバイパス指令回路17Cを備え、
さらに前記速度検出器5から出力される誘導電動機4の
速度ωrを、バイパス指令回路17Cへ入力する構成と
している。
【0160】図14は、バイパス指令回路17Cの詳細
な内部構成例を示すブロック図であり、図10と同一要
素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異
なる部分についてのみ述べる。
【0161】すなわち、本バイパス指令回路17Cは、
図14に示すように、前記図10におけるタイマ回路2
7に代えて比較器29Aを備えた構成としている。
【0162】比較器29Aは、上記速度検出器5から出
力される誘導電動機4の速度ωrと、あらかじめ設定さ
れた速度判定値ω* とを比較し、誘導電動機4の速度ω
rが速度判定値ω* よりも小さくなると、リセット信号
を前記保持回路26へ出力して保持動作を解除させる。
【0163】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0164】なお、図9および図10と同一要素の動作
についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の動
作についてのみ述べる。
【0165】図13において、速度検出器5で検出した
誘導電動機4の速度ωrが、バイパス指令回路17Cに
入力される。
【0166】図14において、バイパス指令回路17C
では、速度検出器5からの誘導電動機4の速度ωrと速
度判定値ω* とを比較し、誘導電動機4の速度ωrが速
度判定値ω* よりも小さくなった時に、保持回路26に
リセット信号を出力して、ゲートブロック信号GBがリ
セットされる。
【0167】ここで、速度判定値ω* としては、誘導電
動機4の誘起電圧が、単相インバータ3Aの直流電圧が
過充電とならないレベル相当に設定している。
【0168】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置では、単相インバータ3Aが故障した場合に、全て
の単相インバータ3Aの出力を一旦停止し、故障した単
相インバータ3Aの出力を短絡すると共に、故障した単
相インバータ3Aを含む相以外の他の相の単相インバー
タ3Aの出力を、出力短絡された単相インバータ3Aと
同数だけ短絡した状態で、誘導電動機4の速度が所定値
ω* 以下になったことが検出された後に、出力短絡され
た単相インバータ3A以外の単相インバータ3Aを用い
て出力を再開するようにしているので、誘導電動機4の
誘起電圧が低減してから故障した単相インバータ3A出
力をバイパスできるため、単相インバータ3Aの直流電
圧が過充電となることを防止することが可能となる。
【0169】尚、前記第1乃至第8の実施の形態では、
速度検出器5を用いた速度制御の場合について説明した
が、速度検出器を用いずに速度推定によって速度制御を
実施するような場合や、速度制御を行なわずに出力周波
数を調節するような場合についても、本発明を同様に実
施することが可能であり、以下に説明する。 (第9の実施の形態:請求項12に対応)図15は、本
実施の形態による電力変換装置の概要構成例を示すブロ
ック図であり、図34と同一要素には同一符号を付して
その説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述
べる。
【0170】すなわち、本実施の形態の電力変換装置
は、図15に示すように、前記図34における制御回路
6に代えて制御回路6Aを備え、さらにバイパス指令回
路17と、OR回路18とを付加した構成としている。
【0171】バイパス指令回路17は、バイパス指令信
号A,B,Cを出力するものであり、このバイパス指令
信号A,B,Cを、出力側が直列接続された各相の単相
インバータ3Aの出力側に設けられた出力短絡回路16
へ入力すると共に、OR回路18へ入力する。
【0172】OR回路18は、バイパス指令回路17か
ら出力されるバイパス指令信号A,B,Cの論理和をと
り、その論理和信号をBYPASS信号として制御回路
6Aへ入力する。
【0173】制御回路6Aは、OR回路18からBYP
ASS信号が入力された時に、制御動作を切替える。
【0174】図16は、制御回路6Aの詳細な内部構成
例を示すブロック図であり、図35と同一要素には同一
符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分に
ついてのみ述べる。
【0175】すなわち、本制御回路6Aは、図16に示
すように、前記図35における励磁基準設定器62の出
力側に、励磁基準設定器62から出力される励磁指令設
定値Φsetを所定の割合で低減する手段である係数器4
5と、励磁基準設定器62から出力される励磁指令設定
値Φsetまたは係数器45から出力される励磁指令の低
減値のいずれか一方を、励磁指令Φ*として切替え出力
するスイッチ19A,19Bとを付加した構成としてい
る。
【0176】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0177】なお、図34、図35および図36と同一
要素の動作についてはその説明を省略し、ここでは異な
る部分の動作についてのみ述べる。
【0178】図15において、バイパス指令回路17か
らバイパス指令信号A,B,Cが出力されると、このバ
イパス指令信号A,B,Cにより、単相インバータ3A
の出力短絡回路16を閉制御して、単相インバータ3A
の出力が短絡されてバイパス運転される。
【0179】OR回路18では、バイパス指令回路17
からのバイパス指令信号A,B,Cにより、少なくとも
単相インバータ3Aの1段分がバイパスされていること
を判定すると、BYPASS信号が制御回路6Aに出力
される。
【0180】制御回路6Aでは、OR回路18からBY
PASS信号が入力されると、制御動作が切替えられ
る。
【0181】すなわち、図16において、通常の運転動
作では、スイッチ19Aがオンして、励磁指令設定値Φ
setがそのまま励磁指令Φ* として使用され、BYPA
SS信号が入力された場合には、スイッチ19Aがオフ
し17Bがオンして、励磁指令Φ* としては、励磁指令
設定値Φsetを係数器45でK2倍した値に切替えられ
る。
【0182】ここで、誘導電動機4の誘導電圧は、下記
のような(4)式で得ることができる。
【0183】 (誘導電動機4の誘起電圧)=a×(回転速度)×Φ* (4)式 a:比例定数 一般的に、回転速度の上限値で誘導電動機の誘起電圧
が、電力変換装置が出力可能な最高電圧と略同等となる
ように使用される。
【0184】この場合、いま1相当たり1つの単相イン
バータ3Aがバイパスされて運転する電力変換装置が出
力可能な最高電圧は、通常時の2/3倍となることか
ら、上記(4)式より励磁指令Φ*が2/3倍になるよ
うに、係数器45でK2=2/3とすれば、回転速度の
上限値でも、誘導電動機4の誘起電圧が通常時の2/3
に低減される。これにより、バイパス運転時でも電力変
換装置の出力可能な最大電圧範囲内で運転することが可
能となる。
【0185】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置では、単相インバータ3A出力が短絡された時に、
励磁指令Φ* を、所定の割合K2で低減するようにして
いるので、単相インバータ3Aの1相当たり少なくとも
1つの出力をバイパスして運転する場合に、この状態で
電力変換装置の出力可能な最大電圧に対して出力電圧基
準がこの最大電圧に相当する値以上にならないように制
御されるため、出力電圧が正弦波とならなくなることに
よる高調波電流の増加に抑えて、誘導電動機4の過度な
温度上昇を防止することができ、制御が飽和することに
よる制御の乱調を防止して、装置を安定して運転するこ
とが可能となる。
【0186】(第10の実施の形態:請求項13に対
応)図17は、本実施の形態による電力変換装置におけ
る制御回路6Aの詳細な内部構成例を示すブロック図で
あり、図16と同一要素には同一符号を付してその説明
を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0187】すなわち、本制御回路6Aは、図17に示
すように、前記図16における係数器45に代えて励磁
低減回路46を備えた構成としている。
【0188】励磁低減回路46は、前記励磁基準設定器
62から出力される励磁指令設定値Φsetを、前記周波
数基準設定器61から出力される周波数設定値fset
に応じて、電力変換装置が出力する所定の周波数以上の
領域で略一定となるように低減する。
【0189】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0190】なお、図15および図16と同一要素の動
作についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の
動作についてのみ述べる。
【0191】制御回路6Aでは、OR回路18からBY
PASS信号が入力されると、制御動作が切替えられ
る。
【0192】すなわち、図17において、通常の運転動
作では、スイッチ19Aがオンして、励磁指令設定値Φ
setがそのまま励磁指令Φ* として使用され、BYP
ASS信号が入力された場合には、スイッチ19Aがオ
フしスイッチ19Bがオンして、励磁指令Φ* として
は、励磁指令設定値Φsetを励磁低減回路46で低減
した値に切替えられる。
【0193】ここで、励磁低減回路46では、図18
(a)に示すように、電力変換装置の出力周波数が、所
定値以下の領域Iの部分では、励磁指令Φ* を励磁指令
設定値Φsetとする。
【0194】また、電力変換装置の出力周波数が、所定
値を超過する領域IIの部分では、周波数設定値fset
に反比例させて励磁指令Φ* を低減する。
【0195】前記第9の実施の形態でも説明したよう
に、一般的に、回転速度の上限値で誘導電動機の誘起電
圧が、電力変換装置が出力可能な最高電圧と略同等とな
るように使用されるので、1相当たり1つの単相インバ
ータ3Aがバイパスされて運転する電力変換装置が出力
可能な最高電圧は、通常時の2/3倍となることから、
図18(b)に示すように、最高出力周波数の2/3の
出力周波数以上で、上記励磁指令Φ* の低減を実施する
ことにより、バイパス運転時でも電力変換装置の出力可
能な最大電圧範囲内で運転することが可能となる。
【0196】(変形例)図19は、本実施の形態による
電力変換装置における制御回路6Aの詳細な内部構成例
を示すブロック図であり、図35と同一要素には同一符
号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分につ
いてのみ述べる。
【0197】すなわち、本制御回路6Aは、図19に示
すように、前記図35における電圧基準演算器63の出
力側に、電圧基準演算器63から出力される電圧基準V
*を制限する手段である電圧リミット回路65と、電圧
基準演算器63から出力される電圧基準V*または電圧
リミット回路65から出力される電圧基準の低減値のい
ずれか一方を、電圧基準V*として切替え出力するスイ
ッチ19A,19Bとを付加した構成としている。
【0198】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0199】なお、図16と同一要素の動作については
その説明を省略し、ここでは異なる部分の動作について
のみ述べる。
【0200】図19において、通常の運転動作では、ス
イッチ19Aがオンして、電圧基準演算器63からの電
圧基準V*がそのまま電圧基準V*として使用され、BY
PASS信号が入力された場合には、スイッチ19Aが
オフし17Bがオンして、電圧基準V* としては、電圧
基準演算器63からの電圧基準V*を電圧リミット回路
65で制限した値に切替えられる。
【0201】前記第9の実施の形態でも説明したよう
に、一般的に、回転速度の上限値で誘導電動機の誘起電
圧が、電力変換装置が出力可能な最高電圧と略同等とな
るように使用されるので、1相当たり1つの単相インバ
ータ3Aがバイパスされて運転する電力変換装置が出力
可能な最高電圧は、通常時の2/3倍となることから、
最高出力電圧の2/3で上記出力電圧を制限することに
より、バイパス運転時でも電力変換装置の出力可能な最
大電圧範囲内で運転することが可能となる。
【0202】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置では、単相インバータ3A出力が短絡された時に、
励磁指令Φ* を低減するか、あるいは電圧基準V*を制
限するようにしているので、単相インバータ3Aの1相
当たり少なくとも1つの出力をバイパスして運転する場
合に、この状態で電力変換装置の出力可能な最大電圧に
対して出力電圧基準がこの最大電圧に相当する値以上に
ならないように制御されるため、出力電圧が正弦波とな
らなくなることによる高調波電流の増加に抑えて、誘導
電動機4の過度な温度上昇を防止することができ、制御
が飽和することによる制御の乱調を防止して、装置を安
定して運転することが可能となる。
【0203】(第11の実施の形態:請求項14に対
応)図20は、本実施の形態による電力変換装置の概要
構成例を示すブロック図であり、図15と同一要素には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
【0204】すなわち、本実施の形態の電力変換装置
は、図20に示すように、前記図15に加えて速度検出
器5を備えた構成としている。
【0205】速度検出器5は、前記誘導電動機4の速度
ωrを検出し、この速度検出器5から出力される速度ω
rを、前記制御回路6Aへ入力するようにしている。
【0206】図21は、本実施の形態による電力変換装
置における制御回路6Aの詳細な内部構成例を示すブロ
ック図であり、図17と同一要素には同一符号を付して
その説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述
べる。
【0207】すなわち、本制御回路6Aは、図21に示
すように、前記図17における励磁低減回路46への入
力として、前記周波数基準設定器61から出力される周
波数設定値fsetに代えて、速度検出器5から出力さ
れる速度ωrを、励磁低減回路46へ入力する構成とし
ている。
【0208】励磁低減回路46は、前記励磁基準設定器
62から出力される励磁指令設定値Φsetを、速度検出
器5から出力される速度ωrに応じて、誘導電動機4の
速度が所定以上の領域で略一定となるように低減する。
【0209】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0210】なお、図15および図17と同一要素の動
作についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の
動作についてのみ述べる。
【0211】制御回路6Aでは、OR回路18からBY
PASS信号が入力されると、制御動作が切替えられ
る。
【0212】すなわち、図21において、通常の運転動
作では、スイッチ19Aがオンして、励磁指令設定値Φ
setがそのまま励磁指令Φ* として使用され、BYP
ASS信号が入力された場合には、スイッチ19Aがオ
フしスイッチ19Bがオンして、励磁指令Φ* として
は、励磁指令設定値Φsetを励磁低減回路46で低減
した値に切替えられる。
【0213】ここで、励磁低減回路46では、誘導電動
機4の速度が所定以上の領域では、励磁指令Φ*が誘導
電動機4の速度ωrに応じて低減される。
【0214】この低減の方法は、前記図18に示した方
法と略同等であり、周波数設定値fsetに反比例させ
て低減する代わりに、誘導電動機4の速度ωrを用いて
低減する。
【0215】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置でも、前記第10の実施の形態の電力変換装置と同
様の効果を得ることが可能である。
【0216】(第12の実施の形態:請求項15に対
応)図22は、本実施の形態による電力変換装置におけ
る制御回路6Aの詳細な内部構成例を示すブロック図で
あり、図35と同一要素には同一符号を付してその説明
を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0217】すなわち、本制御回路6Aは、図22に示
すように、前記図35における周波数基準設定器61の
出力側に、周波数基準設定器61から出力される周波数
設定値fsetの絶対値の上限を制限するリミット回路
21と、周波数基準設定器61から出力される周波数設
定値fsetまたはリミット回路21から出力される周
波数設定値の制限値のいずれか一方を、周波数指令f*
として切替え出力するスイッチ19A,19Bとを付加
した構成としている。
【0218】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0219】なお、図16と同一要素の動作については
その説明を省略し、ここでは異なる部分の動作について
のみ述べる。
【0220】制御回路6Aでは、OR回路18からBY
PASS信号が入力されると、制御動作が切替えられ
る。
【0221】すなわち、図22において、通常の運転動
作では、スイッチ19Aがオンして、周波数設定値fs
etがそのまま周波数指令f* として使用され、BYP
ASS信号が入力された場合には、スイッチ19Aがオ
フしスイッチ19Bがオンして、周波数指令f* として
は、周波数設定値fsetをリミット回路21で制限し
た値に切替えられる。
【0222】前記第9の実施の形態でも説明したよう
に、1相当たり1つの単相インバータ3Aがバイパスさ
れて運転する電力変換装置が出力可能な最高電圧は、通
常時の2/3倍となり、前記(1)式より回転速度を最
大速度の2/3に制限することにより、誘導電動機2の
誘起電圧が通常時の2/3に制限されるので、バイパス
運転時でも電力変換装置の出力可能な最大電圧範囲内で
運転することが可能となる。
【0223】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置でも、前記第9の実施の形態の電力変換装置と同様
の効果を得ることが可能である。
【0224】(第13の実施の形態:請求項16に対
応)図23は、本実施の形態による電力変換装置の概要
構成例を示すブロック図であり、図15と同一要素には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
【0225】すなわち、本実施の形態の電力変換装置
は、図23に示すように、前記図15に加えて出力電流
検出器22を備えた構成としている。
【0226】出力電流検出器22は、電力変換装置本体
から出力される相電流の実効値I1を検出し、この出力
電流検出器22から出力される相電流の実効値I1を、
前記制御回路6Aへ入力するようにしている。
【0227】図24は、本実施の形態による電力変換装
置における制御回路6Aの詳細な内部構成例を示すブロ
ック図であり、図16と同一要素には同一符号を付して
その説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述
べる。
【0228】すなわち、本制御回路6Aは、図24に示
すように、前記図16に周波数低減回路66を付加した
構成としている。
【0229】周波数低減回路66は、出力電流検出器2
2から出力される相電流の実効値I1を入力とし、この
相電流の実効値I1が所定値を超過した場合に、誘導電
動機4に流れる電流が所定値以下となるように、前記周
波数基準設定器61から出力される周波数設定値fse
tを低減するための周波数補正信号を出力する。
【0230】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0231】なお、図15および図16と同一要素の動
作についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の
動作についてのみ述べる。
【0232】図24において、周波数低減回路66で
は、出力電流検出器22からの相電流の実効値I1が所
定値を超過した時に、誘導電動機4に流れる電流が所定
値以下となるように、周波数基準設定器61からの周波
数設定値fsetを周波数補正信号により低減する。
【0233】図25は、周波数低減回路66の作用を説
明するためのブロック図である。すなわち、図25にお
いて、あらかじめ電流設定器67で設定された電流値設
定I1setと相電流の実効値I1との偏差を負側リミ
ッタ68に入力することにより、相電流の実効値I1が
設定値I1setよりも超過した分を検出し、この超過
分がゼロになるように、周波数低減制御器69では周波
数補正信号を調節する。
【0234】ここで、誘導電動機4が駆動する対象が例
えばファンやポンプの場合、誘導電動機4が必要とする
電力は速度の二乗ないし三乗に比例するので、周波数低
減に伴なって速度が低下し負荷が低減されるため、出力
電流も低減される。
【0235】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置では、誘導電動機4に流れる電流が所定値を超過し
た時に、これが所定値以下となるように誘導電動機4の
周波数指令を低減させるようにしているので、バイパス
運転中の出力電圧が低減されることに対しても、誘導電
動機4の負荷を低減して、装置が過負荷で停止となるこ
とを防止することが可能となる。 (第14の実施の形態:請求項17に対応)図26は、
本実施の形態による電力変換装置の概要構成例を示すブ
ロック図であり、図15と同一要素には同一符号を付し
てその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ
述べる。
【0236】すなわち、本実施の形態の電力変換装置
は、図26に示すように、前記図15におけるバイパス
指令回路17に代えてバイパス指令回路17Aを備え、
さらにバイパス指令回路17Aから出力されるゲートブ
ロック信号GBをPWM制御回路8Aへ入力する構成と
している。
【0237】バイパス指令回路17Aは、各単相インバ
ータ3Aの故障信号P1,P2,P3,Q1,Q2,Q
3,R1,R2,R3を入力とし、この故障信号P1,
P2,P3,Q1,Q2,Q3,R1,R2,R3によ
りバイパス指令信号A,B,Cを生成すると共に、ゲー
トブロック信号GBをPWM制御回路8Aへ入力する。
【0238】図27は、バイパス指令回路17Aの詳細
な内部構成例を示すブロック図である。
【0239】すなわち、本バイパス指令回路17Aは、
図27に示すように、各単相インバータ3Aの故障信号
P1,P2,P3の論理和をとり、その論理和信号を前
記バイパス指令信号Aとして出力するOR回路18A
と、各単相インバータ3Aの故障信号Q1,Q2,Q3
の論理和をとり、その論理和信号を前記バイパス指令信
号Bとして出力するOR回路18Bと、各単相インバー
タ3Aの故障信号R1,R2,R3の論理和をとり、そ
の論理和信号を前記バイパス指令信号Cとして出出力す
るOR回路18Cと、各OR回路18A,18B,18
Cからのバイパス指令信号A,B,Cの論理和をとり、
その論理和信号を出力するOR回路18Dと、OR回路
18Dからの論理和信号を保持し、その保持信号を上記
ゲートブロック信号GBとして出力する保持回路26
と、保持回路26からのゲートブロック信号GBにより
起動され、あらかじめ設定された時間T経過すると、リ
セット信号を保持回路26へ出力して保持動作を解除さ
せるタイマ回路27とから構成している。
【0240】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0241】なお、図15および図16と同一要素の動
作についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の
動作についてのみ述べる。
【0242】図26において、バイパス指令回路17A
では、各単相インバータ3Aの故障信号P1,P2,P
3,Q1,Q2,Q3,R1,R2,R3を入力し、こ
の故障信号によりバイパス指令信号A,B,Cが生成さ
れ、さらにゲートブロック信号GBがPWM制御回路8
Aに出力される。
【0243】すなわち、図27において、単相インバー
タ3Aの故障信号をP,Q,Rと分類し、OR回路18
A,18B,18Cによりいずれか1つの単相インバー
タ3Aの故障が発生した場合に、バイパス指令信号A,
B,Cのいずれかの信号をオンして、単相インバータ3
Aの出力がバイパスされる。
【0244】また、これと同時に、バイパス指令信号
A,B,CをOR回路18Dに入力してその論理和をと
り、論理和信号が保持回路26に入力される。
【0245】保持回路26では、OR回路18Dからの
論理和信号を保持し、その保持信号がゲートブロック信
号GBとしてPWM制御回路8Aへ出力される。
【0246】これにより、1つ以上の単相インバータ3
Aが故障した場合に、全ての単相インバータ3Aのゲー
トをブロックし、故障した単相インバータ3Aと他の相
の単相インバータ3Aの出力がバイパスされる。
【0247】そして、この状熊から、タイマ回路27で
は時間の計数を開始し、あらかじめ設定された時間Tが
経過すると、保持回路26にリセット信号を出力して、
ゲートブロック信号GBがリセットされる。
【0248】ここで、タイマ回路27の設定時間Tとし
ては、誘導電動機4の誘起電圧が、単相インバータ3A
の直流電圧が過充電とならないレベルまで低減する時間
相当に設定している。
【0249】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置では、単相インバータ3Aが故障した場合に、全て
の単相インバータ3Aの出力を一旦停止し、故障した単
相インバータ3Aの出力を短絡すると共に、故障した単
相インバータ3Aを含む相以外の他の相の単相インバー
タ3Aの出力を、出力短絡された単相インバータ3Aと
同数だけ短絡した状態で、単相インバータ3Aが故障し
てから所定の時間Tが経過した後に、出力短絡された単
相インバータ3A以外の単相インバータ3Aを用いて出
力を再開するようにしているので、誘導電動機4の誘起
電圧が低減してから故障した単相インバータ3A出力を
バイパスできるため、単相インバータ3Aの直流電圧が
過充電となることを防止することが可能となる。
【0250】(第15の実施の形態:請求項18に対
応)図28は、本実施の形態による電力変換装置の概要
構成例を示すブロック図であり、図15と同一要素には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
【0251】すなわち、本実施の形態の電力変換装置
は、図28に示すように、前記図15におけるバイパス
指令回路17Aに代えてバイパス指令回路17Bを備
え、さらに電圧検出器28を付加した構成としている。
【0252】電圧検出器28は、誘導電動機4の電圧を
検出し、電圧検出信号Vをバイパス指令回路17Bへ入
力する。
【0253】図29は、バイパス指令回路17Bの詳細
な内部構成例を示すブロック図であり、図27と同一要
素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異
なる部分についてのみ述べる。
【0254】すなわち、本バイパス指令回路17Bは、
図29に示すように、前記図27におけるタイマ回路2
7に代えて比較器29を備えた構成としている。
【0255】比較器29は、上記電圧検出器28から出
力される電圧検出信号Vと、あらかじめ設定された電圧
判定値V* とを比較し、電圧検出信号Vが電圧判定値V
* よりも小さくなると、リセット信号を前記保持回路2
6へ出力して保持動作を解除させる。
【0256】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0257】なお、図15および図16と同一要素の動
作についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の
動作についてのみ述べる。
【0258】図28において、電圧検出器28では、誘
導電動機4の電圧を検出し、その電圧検出信号Vがバイ
パス指令回路17Bに入力される。
【0259】図29において、バイパス指令回路17B
では、電圧検出器28からの電圧検出信号Vfbkと電
圧判定値Vov* とを比較し、電圧検出信号Vfbkが
電圧判定値Vov* よりも小さくなった時に、保持回路
26にリセット信号を出力して、ゲートブロック信号G
Bがリセットされる。
【0260】ここで、電圧判定値Vov* としては、誘
導電動機4の誘起電圧が、単相インバータ3Aの直流電
圧が過充電とならないレベル相当に設定している。
【0261】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置では、単相インバータ3Aが故障した場合に、全て
の単相インバータ3Aの出力を一旦停止し、故障した単
相インバータ3Aの出力を短絡すると共に、故障した単
相インバータ3Aを含む相以外の他の相の単相インバー
タ3Aの出力を、出力短絡された単相インバータ3Aと
同数だけ短絡した状態で、誘導電動機4の誘起電圧Vf
bkが所定値Vov*以下になったことが検出された後
に、出力短絡された単相インバータ3A以外の単相イン
バータ3Aを用いて出力を再開するようにしているの
で、誘導電動機4の誘起電圧が低減してから故障した単
相インバータ3A出力をバイパスできるため、単相イン
バータ3Aの直流電圧が過充電となることを防止するこ
とが可能となる。
【0262】(第16の実施の形態:請求項19に対
応)図30は、本実施の形態による電力変換装置の概要
構成例を示すブロック図であり、図15と同一要素には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
【0263】すなわち、本実施の形態の電力変換装置
は、図30に示すように、前記図15におけるバイパス
指令回路17Aに代えてバイパス指令回路17Cを備
え、さらに前記速度検出器5から出力される誘導電動機
4の速度ωrを、バイパス指令回路17Cへ入力する構
成としている。
【0264】図31は、バイパス指令回路17Cの詳細
な内部構成例を示すブロック図であり、図27と同一要
素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異
なる部分についてのみ述べる。
【0265】すなわち、本バイパス指令回路17Cは、
図31に示すように、前記図27におけるタイマ回路2
7に代えて比較器29Aを備えた構成としている。
【0266】比較器29Aは、上記速度検出器5から出
力される誘導電動機4の速度ωrと、あらかじめ設定さ
れた速度判定値ω* とを比較し、誘導電動機4の速度ω
rが速度判定値ω* よりも小さくなると、リセット信号
を前記保持回路26へ出力して保持動作を解除させる。
【0267】次に、以上のように構成した本実施の形態
の電力変換装置の動作について説明する。
【0268】なお、図15および図16と同一要素の動
作についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の
動作についてのみ述べる。
【0269】図30において、速度検出器5で検出した
誘導電動機4の速度ωrが、バイパス指令回路17Cに
入力される。
【0270】図31において、バイパス指令回路17C
では、速度検出器5からの誘導電動機4の速度ωrと速
度判定値ωlmtとを比較し、誘導電動機4の速度ωr
が速度判定値ωlmtよりも小さくなった時に、保持回
路26にリセット信号を出力して、ゲートブロック信号
GBがリセットされる。
【0271】ここで、速度判定値ωlmtとしては、誘
導電動機4の誘起電圧が、単相インバータ3Aの直流電
圧が過充電とならないレベル相当に設定している。
【0272】上述したように、本実施の形態の電力変換
装置では、単相インバータ3Aが故障した場合に、全て
の単相インバータ3Aの出力を一旦停止し、故障した単
相インバータ3Aの出力を短絡すると共に、故障した単
相インバータ3Aを含む相以外の他の相の単相インバー
タ3Aの出力を、出力短絡された単相インバータ3Aと
同数だけ短絡した状態で、誘導電動機4の速度が所定値
ωlmt以下になったことが検出された後に、出力短絡
された単相インバータ3A以外の単相インバータ3Aを
用いて出力を再開するようにしているので、誘導電動機
4の誘起電圧が低減してから故障した単相インバータ3
A出力をバイパスできるため、単相インバータ3Aの直
流電圧が過充電となることを防止することが可能とな
る。
【0273】(その他の実施の形態) (a)前記第6乃至第8の実施の形態、および第14乃
至第16の実施の形態では、図9および図11および図
13、および図26および図28および図30におい
て、A,B,Cなるバイパス指令信号で単相インバータ
3Aの出力をバイパスする組合わせの場合について説明
したが、これは本発明の実施の形態の一例であり、本発
明は出力をバイパスする組合わせについては、任意の組
合わせを包含するものである。
【0274】(b)前記第1乃至第8の実施の形態、お
よび第9乃至第16の実施の形態では、単相インバータ
の出力をバイパスする方法については、図36の出力短
絡回路16を短絡する方法を一例として説明したが、こ
れに限らず、例えば図36の単相インバータ回路15の
U,Vの素子をオンする方法や、X,Yの素子をオンす
る方法等、単相インバータの出力に電圧が発生しない方
法についても、本発明に含まれるものである。
【0275】(c)前記第5の実施の形態では、誘導電
動機4に流れる電流が所定値を超過した場合に、誘導電
動機4に流れる電流がこの所定値以下となるように誘導
電動機4の速度を低減させるように制御する手段とし
て、誘導電動機4に流れる電流がこの所定値以下となる
ように、誘導電動機4の速度を低減させるための速度補
正信号を出力する速度低減回路50を備えて、速度指令
器30から出力される速度指令ωr* を低減させる場合
について説明したが、これに限らず、誘導電動機4に流
れる電流がこの所定値以下となるように、誘導電動機4
のトルクを低減させるためのトルク補正信号を出力する
トルク低減回路を備えて、前記速度制御器9から出力さ
れるトルク指令T* を低減させるようにしてもよい。あ
るいは、誘導電動機4に流れる電流がこの所定値以下と
なるように、誘導電動機4のトルクに相当する成分を低
減させるためのトルク相当成分補正信号を出力するトル
ク相当成分低減回路を備えて、前記係数器35から出力
されるq軸電流指令iq* を低減させるようにしてもよ
い。
【0276】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電力変換
装置によれば、単相インバータの1相当たり少なくとも
1つの出力をバイパスして運転する時に、この状態で電
力変換装置の出力可能な最大電圧に対して出力電圧基準
がこの最大電圧に相当する値以上にならないように制御
されるため、出力電圧が正弦波とならなくなることによ
る高調波電流の増加に抑えて、交流電動機の過度な温度
上昇を防止することができ、制御が飽和することによる
制御の乱調を防止して、装置を安定して運転することが
可能となる。
【0277】また、バイパス運転中の出力電圧が低減さ
れることに対しても速度を低減することにより、交流電
動機の負荷を低減して、装置が過負荷で停止となること
を防止することが可能となる。
【0278】さらに、交流電動機の誘起電圧が低減して
から故障したインバータ出力をバイパスすることによ
り、単相インバータの直流電圧が過充電となることを防
止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1乃至第5の実施の形態による電力
変換装置の概要構成例を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施の形態による電力変換装置
における制御回路の詳細な内部構成例を示すブロック
図。
【図3】本発明の第2の実施の形態による電力変換装置
における制御回路の詳細な内部構成例を示すブロック
図。
【図4】図3における励磁低減回路の動作を説明するた
めの概念図。
【図5】本発明の第3の実施の形態による電力変換装置
における制御回路の詳細な内部構成例を示すブロック
図。
【図6】本発明の第4の実施の形態による電力変換装置
における制御回路の詳細な内部構成例を示すブロック
図。
【図7】本発明の第5の実施の形態による電力変換装置
における制御回路の詳細な内部構成例を示すブロック
図。
【図8】図7における速度低減回路の動作を説明するた
めのブロック図。
【図9】本発明の第6の実施の形態による電力変換装置
の概要構成例を示すブロック図。
【図10】図9におけるバイパス指令回路の動作を説明
するためのブロック図。
【図11】本発明の第7の実施の形態による電力変換装
置の概要構成例を示すブロック図。
【図12】図11におけるバイパス指令回路の動作を説
明するためのブロック図。
【図13】本発明の第8の実施の形態による電力変換装
置の概要構成例を示すブロック図。
【図14】図13におけるバイパス指令回路の動作を説
明するためのブロック図。
【図15】本発明の第9および第10の実施の形態によ
る電力変換装置の概要構成例を示すブロック図。
【図16】本発明の第9の実施の形態による電力変換装
置における制御回路の詳細な内部構成例を示すブロック
図。
【図17】本発明の第10の実施の形態による電力変換
装置における制御回路の詳細な内部構成例を示すブロッ
ク図。
【図18】図17おける励磁低減回路の動作を説明する
ための概念図。
【図19】本発明の第10の実施の形態の変形例による
電力変換装置における制御回路の詳細な内部構成例を示
すブロック図。
【図20】本発明の第11の実施の形態による電力変換
装置の概要構成例を示すブロック図。
【図21】本発明の第11の実施の形態による電力変換
装置における制御回路の詳細な内部構成例を示すブロッ
ク図。
【図22】本発明の第12の実施の形態による電力変換
装置における制御回路の詳細な内部構成例を示すブロッ
ク図。
【図23】本発明の第13の実施の形態による電力変換
装置の概要構成例を示すブロック図。
【図24】本発明の第13の実施の形態による電力変換
装置における制御回路の詳細な内部構成例を示すブロッ
ク図。
【図25】図24における周波数低減回路の動作を説明
するためのブロック図。
【図26】本発明の第14の実施の形態による電力変換
装置の概要構成例を示すブロック図。
【図27】図26におけるバイパス指令回路の動作を説
明するためのブロック図。
【図28】本発明の第15の実施の形態による電力変換
装置の概要構成例を示すブロック図。
【図29】図28におけるバイパス指令回路の動作を説
明するためのブロック図。
【図30】本発明の第16の実施の形態による電力変換
装置の概要構成例を示すブロック図。
【図31】図30におけるバイパス指令回路の動作を説
明するためのブロック図。
【図32】従来の電圧形多重インバータからなる電力変
換装置の一概要構成例を示すブロック図。
【図33】図32における制御回路の詳細な内部構成例
を示すブロック図。
【図34】従来の電圧形多重インバータからなる電力変
換装置の他の概要構成例を示すブロック図。
【図35】図34における制御回路の詳細な内部構成例
を示すブロック図。
【図36】図32および図34における単相インバータ
の詳細な内部構成例を示す回路図。
【符号の説明】
1…三相電源 2…変圧器 3,3A…単相インバータ 4…誘導電動機 5…速度検出器 6,6A…制御回路 7…電流検出器 8,8A…PWM制御回路 9…速度制御器 10…電流制御器 11…三相dq変換器 12…dq三相変換器 13…整流回路 14…直流平滑回路 15…単相インバータ回路 16…出力短絡回路 17,17A,17B,17C…バイパス指令回路 18,18A,18B,18C,18D…OR回路 19A,19B,49A,49B…スイッチ 20…励磁低減回路 21…リミット回路 22…出力電流検出器 23…速度低減回路 24…負側リミッタ 25…速度低減制御器 26…保持回路 27…タイマ回路 28…電圧検出器 29,29A…比較器 30…速度指令器 31…励磁電流指令器 33,39…除算器 34…微分器 35,36,37,38,45…係数器 32,39,40,41,42,43,51…加算器 44…積分器 46,47…励磁低減回路 48…リミット回路 50…速度低減回路 61…周波数設定器 62…励磁設定器 63…電圧基準演算器 64…瞬時電圧基準演算器 65…電圧リミット回路 66…低減回路 67…電流設定器 68…負側リミッタ 69…周波数低減制御器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H576 AA05 AA08 CC05 DD02 DD04 EE01 EE11 GG02 GG04 GG05 HB02 HB05 JJ05 JJ15 JJ18 JJ22 JJ23 JJ28 LL01 LL22 LL24 LL30 LL55 MM02 MM03 MM04

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単相インバータの出力側を直列接続して
    各相を構成することにより、多相交流電力を多相の交流
    電動機に供給する電力変換装置において、 前記交流電動機のトルク電流成分を指令する第1の指令
    手段と、 前記交流電動機の励磁電流成分を指令する第2の指令手
    段と、 前記第1および第2の指令手段から出力されるトルク電
    流成分指令および励磁電流成分指令と、前記交流電動機
    の速度と、前記電力変換装置本体から出力される各相電
    流とに基づいて、前記交流電動機の速度が所定の速度と
    なるように出力電圧基準を生成し出力する出力電圧基準
    生成手段と、 前記出力電圧基準生成手段から出力される出力電圧基準
    に対応した出力電圧を発生するように、前記各単相イン
    バータのゲート信号を制御するゲート制御手段と、 前記単相インバータ出力をバイパスして運転する場合
    に、当該単相インバータの出力側を短絡する出力短絡手
    段と、 前記出力短絡手段により前記単相インバータ出力が短絡
    された時に、前記第2の指令手段から出力される励磁電
    流成分指令を低減する手段と、 を備えて成ることを特徴とする電力変換装置。
  2. 【請求項2】 単相インバータの出力側を直列接続して
    各相を構成することにより、多相交流電力を多相の交流
    電動機に供給する電力変換装置において、 前記交流電動機のトルク電流成分を指令する第1の指令
    手段と、 前記交流電動機の励磁電流成分を指令する第2の指令手
    段と、 前記第1および第2の指令手段から出力されるトルク電
    流成分指令および励磁電流成分指令と、前記交流電動機
    の速度と、前記電力変換装置本体から出力される各相電
    流とに基づいて、前記交流電動機の速度が所定の速度と
    なるように出力電圧基準を生成し出力する出力電圧基準
    生成手段と、 前記出力電圧基準生成手段から出力される出力電圧基準
    に対応した出力電圧を発生するように、前記各単相イン
    バータのゲート信号を制御するゲート制御手段と、 前記単相インバータ出力をバイパスして運転する場合
    に、当該単相インバータの出力側を短絡する出力短絡手
    段と、 前記出力短絡手段により前記単相インバータ出力が短絡
    された時に、前記第2の指令手段から出力される励磁電
    流成分指令を所定の割合で低減する手段と、 を備えて成ることを特徴とする電力変換装置。
  3. 【請求項3】 単相インバータの出力側を直列接続して
    各相を構成することにより、多相交流電力を多相の交流
    電動機に供給する電力変換装置において、 前記交流電動機のトルク電流成分を指令する第1の指令
    手段と、 前記交流電動機の励磁電流成分を指令する第2の指令手
    段と、 前記第1および第2の指令手段から出力されるトルク電
    流成分指令および励磁電流成分指令と、前記交流電動機
    の速度と、前記電力変換装置本体から出力される各相電
    流とに基づいて、前記交流電動機の速度が所定の速度と
    なるように出力電圧基準を生成し出力する出力電圧基準
    生成手段と、 前記出力電圧基準生成手段から出力される出力電圧基準
    に対応した出力電圧を発生するように、前記各単相イン
    バータのゲート信号を制御するゲート制御手段と、 前記単相インバータ出力をバイパスして運転する場合
    に、当該単相インバータの出力側を短絡する出力短絡手
    段と、 前記出力短絡手段により前記単相インバータ出力が短絡
    された時に、前記第2の指令手段から出力される励磁電
    流成分指令を前記電力変換装置本体が出力する所定の周
    波数以上の領域で当該周波数に反比例させて低減する手
    段と、 を備えて成ることを特徴とする電力変換装置。
  4. 【請求項4】 単相インバータの出力側を直列接続して
    各相を構成することにより、多相交流電力を多相の交流
    電動機に供給する電力変換装置において、 前記交流電動機のトルク電流成分を指令する第1の指令
    手段と、 前記交流電動機の励磁電流成分を指令する第2の指令手
    段と、 前記第1および第2の指令手段から出力されるトルク電
    流成分指令および励磁電流成分指令と、前記交流電動機
    の速度と、前記電力変換装置本体から出力される各相電
    流とに基づいて、前記交流電動機の速度が所定の速度と
    なるように出力電圧基準を生成し出力する出力電圧基準
    生成手段と、 前記出力電圧基準生成手段から出力される出力電圧基準
    に対応した出力電圧を発生するように、前記各単相イン
    バータのゲート信号を制御するゲート制御手段と、 前記単相インバータ出力をバイパスして運転する場合
    に、当該単相インバータの出力側を短絡する出力短絡手
    段と、 前記出力短絡手段により前記単相インバータ出力が短絡
    された時に、前記第2の指令手段から出力される励磁電
    流成分指令を前記交流電動機の速度が所定値以上の領域
    で当該交流電動機の速度に反比例させて低減する手段
    と、 を備えて成ることを特徴とする電力変換装置。
  5. 【請求項5】 単相インバータの出力側を直列接続して
    各相を構成することにより、多相交流電力を多相の交流
    電動機に供給する電力変換装置において、 前記交流電動機の速度を指令する手段と、 前記交流電動機の速度を指令する手段から出力される電
    動機速度指令と前記交流電動機の速度とに基づいて、前
    記交流電動機のトルク電流成分を指令する第1の指令手
    段と、 前記交流電動機の励磁電流成分を指令する第2の指令手
    段と、 前記第1および第2の指令手段から出力されるトルク電
    流成分指令および励磁電流成分指令と、前記交流電動機
    の速度と、前記電力変換装置本体から出力される各相電
    流とに基づいて、前記交流電動機の速度が所定の速度と
    なるように出力電圧基準を生成し出力する出力電圧基準
    生成手段と、 前記出力電圧基準生成手段から出力される出力電圧基準
    に対応した出力電圧を発生するように、前記各単相イン
    バータのゲート信号を制御するゲート制御手段と、 前記単相インバータ出力をバイパスして運転する場合
    に、当該単相インバータの出力側を短絡する出力短絡手
    段と、 前記出力短絡手段により前記単相インバータ出力が短絡
    された時に、前記交流電動機の速度を指令する手段から
    出力される電動機速度指令の絶対値の上限を制限する手
    段と、 を備えて成ることを特徴とする電力変換装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項1乃至請求項3のいずれか1
    項に記載の電力変換装置において、 前記交流電動機に流れる電流が所定値を超過した場合
    に、当該交流電動機に流れる電流が前記所定値以下とな
    るように前記交流電動機の速度を低減させるように制御
    する手段を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項6に記載の電力変換装置にお
    いて、 前記交流電動機の速度を低減させるように制御する手段
    としては、 前記交流電動機の速度を指令する手段から出力される電
    動機速度指令、または前記第1の指令手段から出力され
    るトルク電流成分指令、もしくは当該トルク電流成分指
    令に相当する成分を低減させるように制御することを特
    徴とする電力変換装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項1乃至請求項7のいずれか1
    項に記載の電力変換装置において、 前記単相インバータの故障を検出する手段と、 前記手段により前記少なくとも1つの単相インバータが
    故障したことが検出された場合に、前記全ての単相イン
    バータの出力を一旦停止し、前記故障した単相インバー
    タの出力を短絡すると共に、当該故障した単相インバー
    タを含む相以外の他の相の単相インバータの出力を前記
    出力が短絡された単相インバータと同数だけ短絡する手
    段と、 所定の条件が成立した場合に、前記出力が短絡された単
    相インバータ以外の単相インバータを用いて出力を再開
    する手段と、 を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  9. 【請求項9】 前記請求項1乃至請求項7のいずれか1
    項に記載の電力変換装置において、 前記単相インバータの故障を検出する手段と、 前記手段により前記少なくとも1つの単相インバータが
    故障したことが検出された場合に、前記全ての単相イン
    バータの出力を一旦停止し、前記故障した単相インバー
    タの出力を短絡すると共に、当該故障した単相インバー
    タを含む相以外の他の相の単相インバータの出力を前記
    出力が短絡された単相インバータと同数だけ短絡する手
    段と、 前記手段により前記単相インバータの故障が検出されて
    から所定の時間が経過した後に、前記出力が短絡された
    単相インバータ以外の単相インバータを用いて出力を再
    開する手段と、 を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  10. 【請求項10】 前記請求項1乃至請求項7のいずれか
    1項に記載の電力変換装置において、 前記単相インバータの故障を検出する手段と、 前記手段により前記少なくとも1つの単相インバータが
    故障したことが検出された場合に、前記全ての単相イン
    バータの出力を一旦停止し、前記故障した単相インバー
    タの出力を短絡すると共に、当該故障した単相インバー
    タを含む相以外の他の相の単相インバータの出力を前記
    出力が短絡された単相インバータと同数だけ短絡する手
    段と、 前記交流電動機の誘起電圧が所定値以下になったことを
    検出する手段と、 前記手段により前記交流電動機の誘起電圧が所定値以下
    になったことが検出された後に、前記出力が短絡された
    単相インバータ以外の単相インバータを用いて出力を再
    開する手段と、 を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  11. 【請求項11】 前記請求項1乃至請求項7のいずれか
    1項に記載の電力変換装置において、 前記単相インバータの故障を検出する手段と、 前記手段により前記少なくとも1つの単相インバータが
    故障したことが検出された場合に、前記全ての単相イン
    バータの出力を一旦停止し、前記故障した単相インバー
    タの出力を短絡すると共に、当該故障した単相インバー
    タを含む相以外の他の相の単相インバータの出力を前記
    出力が短絡された単相インバータと同数だけ短絡する手
    段と、 前記交流電動機の速度が所定値以下になったことを検出
    する手段と、 前記手段により前記交流電動機の速度が所定値以下にな
    ったことが検出された後に、前記出力が短絡された単相
    インバータ以外の単相インバータを用いて出力を再開す
    る手段と、 を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  12. 【請求項12】 単相インバータの出力側を直列接続し
    て各相を構成することにより、多相交流電力を多相の交
    流電動機に供給する電力変換装置において、 前記交流電動機に与える周波数を指令する手段と、 前記交流電動機に与える周波数を指令する手段から出力
    される周波数指令に基づいて演算される電圧指令信号を
    入力として、前記交流電動機の端子電圧を制御する制御
    手段と、 前記単相インバータ出力をバイパスして運転する場合
    に、当該単相インバータの出力側を短絡する出力短絡手
    段と、 前記出力短絡手段により前記単相インバータ出力が短絡
    された時に、前記制御手段に入力する電圧指令信号を所
    定の割合で低減する手段と、 を備えて成ることを特徴とする電力変換装置。
  13. 【請求項13】 単相インバータの出力側を直列接続し
    て各相を構成することにより、多相交流電力を多相の交
    流電動機に供給する電力変換装置において、 前記交流電動機に与える周波数を指令する手段と、 前記交流電動機に与える周波数を指令する手段から出力
    される周波数指令に基づいて演算される電圧指令信号を
    入力として、前記交流電動機の端子電圧を制御する制御
    手段と、 前記単相インバータ出力をバイパスして運転する場合
    に、当該単相インバータの出力側を短絡する出力短絡手
    段と、 前記出力短絡手段により前記単相インバータ出力が短絡
    された時に、前記制御手段に入力する電圧指令信号を前
    記電力変換装置本体が出力する所定の周波数以上の領域
    で略一定となるように制御する手段と、 を備えて成ることを特徴とする電力変換装置。
  14. 【請求項14】 単相インバータの出力側を直列接続し
    て各相を構成することにより、多相交流電力を多相の交
    流電動機に供給する電力変換装置において、 前記交流電動機に与える周波数を指令する手段と、 前記交流電動機に与える周波数を指令する手段から出力
    される周波数指令に基づいて演算される電圧指令信号を
    入力として、前記交流電動機の端子電圧を制御する制御
    手段と、 前記単相インバータ出力をバイパスして運転する場合
    に、当該単相インバータの出力側を短絡する出力短絡手
    段と、 前記出力短絡手段により前記単相インバータ出力が短絡
    された時に、前記制御手段に入力する電圧指令信号を前
    記交流電動機の速度が所定値以上の領域で略一定となる
    ように制御する手段と、 を備えて成ることを特徴とする電力変換装置。
  15. 【請求項15】 単相インバータの出力側を直列接続し
    て各相を構成することにより、多相交流電力を多相の交
    流電動機に供給する電力変換装置において、 前記交流電動機に与える周波数を指令する手段と、 前記単相インバータ出力をバイパスして運転する場合
    に、当該単相インバータの出力側を短絡する出力短絡手
    段と、 前記出力短絡手段により前記単相インバータ出力が短絡
    された時に、前記交流電動機に与える周波数を指令する
    手段から出力される周波数指令の絶対値の上限を制限す
    る手段と、 を備えて成ることを特徴とする電力変換装置。
  16. 【請求項16】 前記請求項12乃至請求項14のいず
    れか1項に記載の電力変換装置において、 前記交流電動機に与える周波数を指令する手段と、 前記交流電動機に流れる電流が所定値を超過した場合
    に、当該交流電動機に流れる電流が前記所定値以下とな
    るように前記交流電動機の周波数を指令する手段から出
    力される周波数指令を低減する手段と、 を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  17. 【請求項17】 前記請求項12乃至請求項16のいず
    れか1項に記載の電力変換装置において、 前記単相インバータの故障を検出する手段と、 前記手段により前記少なくとも1つの単相インバータが
    故障したことが検出された場合に、前記全ての単相イン
    バータの出力を一旦停止し、前記故障した単相インバー
    タの出力を短絡すると共に、当該故障した単相インバー
    タを含む相以外の他の相の単相インバータの出力を前記
    出力が短絡された単相インバータと同数だけ短絡する手
    段と、 前記単相インバータの故障発生から所定の時間が経過し
    た後に、前記出力が短絡された単相インバータ以外の単
    相インバータを用いて出力を再開する手段と、 を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  18. 【請求項18】 前記請求項12乃至請求項16のいず
    れか1項に記載の電力変換装置において、 前記単相インバータの故障を検出する手段と、 前記手段により前記少なくとも1つの単相インバータが
    故障したことが検出された場合に、前記全ての単相イン
    バータの出力を一旦停止し、前記故障した単相インバー
    タの出力を短絡すると共に、当該故障した単相インバー
    タを含む相以外の他の相の単相インバータの出力を前記
    出力が短絡された単相インバータと同数だけ短絡する手
    段と、 前記交流電動機の誘起電圧が所定値以下になったことを
    検出する手段と、 前記手段により前記交流電動機の誘起電圧が所定値以下
    になったことが検出された後に、前記出力が短絡された
    単相インバータ以外の単相インバータを用いて出力を再
    開する手段と、 を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  19. 【請求項19】 前記請求項12乃至請求項16のいず
    れか1項に記載の電力変換装置において、 前記単相インバータの故障を検出する手段と、 前記手段により前記少なくとも1つの単相インバータが
    故障したことが検出された場合に、前記全ての単相イン
    バータの出力を一旦停止し、前記故障した単相インバー
    タの出力を短絡すると共に、当該故障した単相インバー
    タを含む相以外の他の相の単相インバータの出力を前記
    出力が短絡された単相インバータと同数だけ短絡する手
    段と、 前記交流電動機の回転数が所定値以下になったことを検
    出する手段と、 前記手段により前記交流電動機の回転数が所定値以下に
    なったことが検出された後に、前記出力が短絡された単
    相インバータ以外の単相インバータを用いて出力を再開
    する手段と、 を備えたことを特徴とする電力変換装置。
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