JPH1132482A - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JPH1132482A
JPH1132482A JP18402597A JP18402597A JPH1132482A JP H1132482 A JPH1132482 A JP H1132482A JP 18402597 A JP18402597 A JP 18402597A JP 18402597 A JP18402597 A JP 18402597A JP H1132482 A JPH1132482 A JP H1132482A
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JP18402597A
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Toshitaka Nakamura
利孝 中村
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンバータの出力周波数が低周波になった時で
も確実に過負荷保護を行なうこと。 【解決手段】複数の電力変換素子から構成され、負荷4
に対して正弦波電流を供給して当該負荷4を駆動する電
力変換装置において、負荷電流検出器5a〜5cにより検出
された負荷電流検出値iupと機器仕様で定められた周囲
温度条件Ta とに基づいて、電力変換素子の推定内部温
度Tj を演算する温度演算手段40apと、温度演算手段40
apにより演算された電力変換素子の推定内部温度Tj
あらかじめ設定された所定の保護動作レベルを超えた場
合に、過負荷と判定して電力変換装置本体を停止させる
ための過負荷信号を出力する判定手段42とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばサイリスタ
等の複数の電力変換素子から構成され、負荷に対して正
弦波電流を供給して負荷を駆動するサイクロコンバータ
装置等の電力変換装置に係り、特にコンバータの出力周
波数が低周波になった時でも確実に過負荷保護を行なえ
る過負荷保護装置を備えた電力変換装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】最近、サイリスタ等の複数の電力変換素
子から構成され、電動機等の負荷に対して正弦波電流を
供給して負荷を駆動するサイクロコンバータ装置等の電
力変換装置が多く用いられている。
【0003】図4は、この種の従来の電力変換装置であ
るサイクロコンバータ装置の全体構成例を示すブロック
図である。なお、ここでは、負荷として、3相の同期電
動機を接続して制御するものとする。
【0004】図4において、サイクロコンバータ装置の
主回路は、3相交流電源1に接続された電源変圧器2
と、この電源変圧器2の二次巻線2a,2b,2cに接
続された3相グレーツ接続コンバータ3a,3b,3c
とから構成され、この3相グレーツ接続コンバータ3
a,3b,3cの出力側に接続された3相の同期電動機
4に電力が供給されている。
【0005】この3相グレーツ接続コンバータ3a,3
b,3cは、電力変換素子である例えばサイリスタを、
3相各相の正極側,負極側毎にそれぞれ6個ずつブリッ
ジ接続してなり、正,逆両方向の負荷電流(正弦波電
流)を同期電動機4に供給することができる。
【0006】また、3相グレーツ接続コンバータ3a,
3b,3cの出力側には、負荷電流を検出する負荷電流
検出器(以下、単に電流検出器と称する)5a,5b,
5cが設けられ、さらに同期電動機4には、その回転子
位置を検出する位置検出器6が取り付けられている。
【0007】一方、サイクロコンバータ装置の制御回路
としては、同期電動機4の速度を設定する速度設定器1
0が設けられており、この速度設定器10で設定された
速度基準信号と、位置検出器6で検出された回転子位置
信号が速度変換回路11を介して変換された連度速度フ
ィードバック信号とが、速度制御回路12に入力され
る。
【0008】速度制御回路12では、上記速度基準信号
に速度フィードバック信号が追従するように、比例積分
動作を行なってトルク基準信号が出力される。また、速
度変換回路11から得られた速度フィードバック信号
は、磁束弱め制御回路15に入力され、その出力として
磁束基準信号が得られる。
【0009】さらに、電流基準演算器13では、速度制
御回路12からのトルク基準信号T* を、磁束弱め制御
回路15からの磁束基準信号Φ* で除算して、トルク分
電流基準信号iT * が求められる。
【0010】さらにまた、電流制限器14では、電流基
準演算器13からの出力であるトルク分電流基準信号に
リミット処置が行なわれる。一方、ベクトル演算回路1
7には、電流制限器14からのトルク分電流基準信号i
T * と、磁束弱め制御回路15からの磁束基準信号Φ*
とが入力され、あらかじめ与えられた同期電動機4の諸
定数と、電流フィードバック信号if とを基に、同期電
動機4の回転子磁極の位置に、並行するd軸電流基準信
号、および直交するq軸電流基準信号、界磁電流基準信
号がそれぞれ演算される。
【0011】また、電流検出器5a,5b,5cにより
検出された3相各相の負荷電流iu,iv ,iw は、3
相2相変換器19を介して2相変換され、d軸電流フィ
ードバック信号とq軸電流フィードバック信号とに分離
されて、電流制御回路20,21に入力される。
【0012】さらに、電流制御回路20,21の他の入
力としては、各々ベクトル演算回路17からの出力であ
る、d軸電流基準信号、q軸電流基準信号が入力され、
各電流フィードバック信号が各電流基準信号に追従する
ように、比例積分動作が行なわれ、d軸電圧信号Vd *
とq軸電圧信号Vq * とが出力される。
【0013】さらにまた、電圧指令回路23では、電流
制御回路20,21からの出力であるd軸電圧信号Vd
* ,q軸電圧信号Vq * と、位置検出器6により検出さ
れた同期電動機4の回転子磁極位置信号とが入力され、
各相の出力電圧Vu * ,Vv * ,Vw * を演算して、そ
の演算した出力電圧となるように、3相グレーツ接続コ
ンバータ3a,3b,3cが制御される。
【0014】一方、同期電動機4の界磁電流は、電流制
御回路22に、界磁電流基準信号if * 、電流検出器8
から検出された界磁巻線9の界磁電流フィードバック信
号if が入力され、界磁電流フィードバック信号if
界磁電流基準信号if * に追従するように、比例積分動
作が行なわれ、界磁電圧信号Vf * が出力されて、界磁
用コンバータ7が制御される。
【0015】なお、上記において、ベクトル演算回路1
7、および電圧指令回路23は、本発明の本質的な部分
ではないため、ここでは簡単に述べる。すなわち、ベク
トル演算回路17では、dq軸上で表わした同期電動機
4の電圧方程式から出発し、dq軸上の磁束が演算され
る。
【0016】このd軸磁束Φd とq軸磁束Φq は、次式
で示される。 Φd =Lad(1+Td2S)/(1+Td1S)×(id +if )+la ×id ・・・(1) Φq =Laq(1+Tq2S)/(1+Tq1S)×iq +la ×iq ・・・(2) ここで、Sはラプラス演算子、Lad,Laqはdq軸の相
互インダクタンス、la は電機子漏れインダクタンス、
d1,Tq1はそれぞれdq軸のダンパ抵抗と同期インダ
クタンスにかかわる時定数、Td2,Tq2はそれぞれdq
軸のダンパ抵抗とダンパ漏れインダクタンスにかかわる
時定数である。
【0017】d軸磁束は、界磁電流とd軸電機子電流と
の和から演算され、またq軸磁束は、q軸電流から演算
される。δは、磁束のd軸方向に対する角度であり、 δ=tan-1(Φq /Φd ) ・・・(3) で演算される。
【0018】次に、トルク電流基準信号iT * と角度δ
とから、dq軸の電流基準id * ,iq * と界磁電流基
準if * が、次式によりそれぞれ演算される。 id * =−iT * ・sinδ ・・・(4) iq * = iT * ・cosδ ・・・(5) if * =(Φ* ・cosδ−(Lad×la )×id )/Lad・・・(6) 一方、電圧指令回路23では、入力したd軸電圧信号V
d * とq軸電圧信号Vq * とから、電圧振幅基準V*
位相信号θV が演算される。
【0019】V* =√(Vd *2+Vq *2) θ =tan-1(Vq * /Vd * ) また、位置検出信号θr とθとが加算されて、電圧位相
θV が得られる。
【0020】さらに、各相の電圧基準が、次のような式
で演算される。 Vu* =V* {sinθv } Vv* =V* {sin(θv −120 ゜)} Vw* =V* {sin(θv −240 ゜)} かかる制御は、同期電動機4のベクトル制御として、広
く一般に知られている。
【0021】次に、上述したサイクロコンバータ装置の
過負荷保護装置について説明する。図5は、この種の従
来の過負荷保護装置の構成例を示すブロック図である。
図5において、過負荷保護装置では、電流検出器5a,
5b,5cにより検出された各相の負荷電流iu ,i
v ,iw を入力し、各コンバータ3a,3b,3cに流
れている電流のRMSが演算される。
【0022】負荷電流iu は、電流極性判定器31によ
り、正逆コンバータの正側コンバータに流れている電流
upと負側コンバータに流れている電流iunとに分離さ
れる。
【0023】このU相の電流iupおよびiunは、それぞ
れ電流RMS演算器30ap,30anに入力される。ま
た、V,W相の電流についても同じ構成となり、30ap
〜30cnは同一構成である。
【0024】そして、電流RMS演算値は、あらかじめ
設定された保護動作レベルと比較器32により比較さ
れ、保護動作レベルを超えた時に、サイクロコンバータ
装置を停止させるための過負荷信号が出力される。
【0025】ところで、サイクロコンバータ装置の過負
荷保護においては、サイクロコンバータ装置の通電能力
が考慮される。このサイクロコンバータ装置の通電能力
は、サイリスタの熱抵抗、コンバータ3a,3b,3c
の冷却能力、機器仕様で定められた周囲温度条件、運転
周波数条件に基づいて決められる。そして、これらの諸
条件により、サイリスタ内部のジャンクション温度が規
格値を超えないような電流値が求められ、これを通電能
力としている。
【0026】図6は、サイクロコンバータ装置の通電能
力と保護動作点の関係の一例を示す特性図である。図6
中、A−A′が通電能力である。ここで、時間∞の電流
値は、連続して通電できる許容電流値(コンバータ通電
電流のRMS値)である。また、他の時間tでの電流値
は、機器仕様で定められた定格電流(100%電流)を
連続して通電した後、t秒間流し得る許容電流値であ
る。
【0027】一方、保護動作レベルは、機器仕様で定め
られた過負荷耐量を考慮して決められる。この過負荷耐
量は、一例として、225%−1分間といった仕様であ
り、この場合、100%電流通電後、225%−1分間
の電流通電を許容しなければならない。電流RMS演算
器30apでは、現在時刻T1よりT秒前からのT秒間
のRMSが、次式により演算される。
【0028】
【数1】
【0029】一例として、T=300秒として、100
%−240秒後、225%−60秒の電流パターンのR
MSを演算すると、図7に示すようになる。これを、過
負荷保護装置の保護動作レベルとする。図6のBーB´
に保護動作レベルを示す。
【0030】ここで、時間300秒以上での電流値は、
連続通電により保護動作レベルを超える電流値であり、
上記より135%になる。また、他の時間tでの電流値
は、100%電流を連続して通電した後、t秒間流した
時に保護動作レベルを超える電流値である。t=60の
時に、225%となる。
【0031】図6では、A−A′に対して、B−B′が
下回っており、サイクロコンバータ装置の過負荷保護と
しては妥当であることがわかる。すなわち、A−A′と
B−B´との差が大きい程、保護動作レベルに対してサ
イクロコンバータ装置の通電能力の余裕分が大きいこと
を意味し、A−A′とB−B´との差が小さい程、保護
動作レベルに対してサイクロコンバータ装置の通電能力
がマッチしていることを意味する。
【0032】図4に示したように、同期電動機4を可変
速駆動するサイクロコンバータ装置では、出力周波数が
変化する。サイクロコンバータ装置の通電能力は、出力
周波数に左右される。通常運転中は、正弦波電流の極性
に合わせて、正逆コンバータが交互に使用され、通電期
間は出力周波数の周期の1/2である。
【0033】図8は、出力周波数に依存したサイリスタ
の温度上昇分の一例を模擬的に示す特性図である。図8
中、正弦波のところを矩形波で表わしている。
【0034】この図8に示すように、出力周波数が低い
程、サイリスタの温度上昇分のピーク値が高くなる。そ
して、サイリスタの温度上昇のピーク値を規格値以下に
抑えなければならないため、出力周波数が低い時には、
サイクロコンバータ装置の通電電流が下がることにな
る。
【0035】また、同期電動機4がロックした場合等の
出力周波数が零になった場合を考える。図9(a),
(b)は、同期電動機4が回転中と零周波数の電流特性
図の一例を示すものである。
【0036】ここでは、振幅が1000Aの電流であ
る。図9(a)に示すように、通常回転中は、正逆コン
バータが交互に通電されるため、コンバータの通電電流
のRMSは、 1000/√2/√2=500A となる。
【0037】一方、図9(b)に示すように、出力周波
数が零となると、通電電流は直流となり、特に位相が正
弦波のピーク時点で固定されると、コンバータの通電電
流のRMSは1000Aとなり、図9(a)に比べて2
倍の通電電流となる。
【0038】この場合、図6の過負荷保護カーブで22
5%の電流が、2倍の450%に相当するため、動作点
がC点となって保護上かなり厳しくなる。そして、出力
周波数の低下によって、サイクロコンバータ装置の通電
能力が下がることを考えると、従来の過負荷保護装置で
は保護できないケースも出てくる。
【0039】そこで、従来から、このような問題に対し
ては、以下のような対処案が提案されている。 (a)出力周波数が零の場合でも保護できるように、あ
らかじめサイクロコンバータ装置の容量を上げて、通電
能力の余裕を充分に大きくする。
【0040】(b)出力周波数が低い場合、電流制限値
を下げる。 (c)出力周波数が低い場合、所定の電流値以上が所定
の時間経過した場合に保護動作を行なうような、別の保
護機能を設ける。
【0041】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(a)については、経済的な面で非常に不利である。ま
た、上記(b)については、同期電動機4がロックした
時等に、短時間であっても過負荷トルクを出力したい場
合があるが、これを行なうことが困難である。
【0042】さらに、上記(c)については、通電能力
は出力周波数が低くなる以前の負荷状態に依存するた
め、所定の時間を適切に選択することが難しい。本発明
の目的は、コンバータの出力周波数が低周波になった時
でも確実に過負荷保護を行なうことが可能な過負荷保護
装置を備えた電力変換装置を提供することにある。
【0043】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、複数の電力変換素子から構成され、負荷に対して
正弦波電流を供給して当該負荷を駆動する電力変換装置
において、請求項1の発明では、負荷電流検出器により
検出された負荷電流検出値と、機器仕様で定められた周
囲温度条件とに基づいて、電力変換素子の推定内部温度
を演算する温度演算手段と、温度演算手段により演算さ
れた電力変換素子の推定内部温度があらかじめ設定され
た所定の保護動作レベルを超えた場合に、過負荷と判定
して電力変換装置本体を停止させる過負荷信号を出力す
る判定手段とを備えている。
【0044】従って、請求項1の発明の電力変換装置に
おいては、電力変換素子の推定内部温度が、その時の負
荷電流の値を基に演算されることにより、低周波時のリ
ップル温度上昇分や、出力周波数が零になって直流とな
った場合の影響が、自動的に考慮されるため、電力変換
素子の過負荷保護を最良に行なうことができる。
【0045】これにより、電力変換装置の適正な保護を
行なうことが可能となる。また、請求項2の発明では、
負荷電流検出器により検出された負荷電流検出値と、機
器仕様で定められた周囲温度条件とに基づいて、電力変
換素子の推定内部温度を演算する温度演算手段と、温度
演算手段により演算された電力変換素子の推定内部温度
に応じて、電力変換装置本体の負荷電流の電流制限値を
変化させる電流制限値信号を出力する電流制限可変手段
とを備えている。
【0046】従って、請求項2の発明の電力変換装置に
おいては、電力変換素子の推定内部温度が変化(上昇)
してきた場合に、その推定内部温度の値に応じて電力変
換装置本体の負荷電流の電流制限の値を変化させる(下
げる)ことにより、推定内部温度が保護動作レベルを超
えないようにして、過負荷保護による装置の不必要な停
止を防止することができる。
【0047】これにより、過負荷保護停止をさせない範
囲での最適な負荷電流を供給して、電力変換装置本体を
停止させない範囲での最大負荷運転を行なうことができ
る。さらに、請求項3の発明では、負荷電流検出器によ
り検出された負荷電流検出値と、機器仕様で定められた
周囲温度条件とに基づいて、電力変換素子の推定内部温
度を演算する温度演算手段と、温度演算手段により演算
された電力変換素子の推定内部温度があらかじめ設定さ
れた所定の保護動作レベルを超えた場合に、過負荷と判
定して電力変換装置本体を停止させるための過負荷信号
を出力する判定手段と、上記温度演算手段により演算さ
れた電力変換素子の推定内部温度に応じて、電力変換装
置本体の負荷電流の電流制限値を変化させる電流制限値
信号を出力する電流制限可変手段とを備えている。
【0048】従って、請求項3の発明の電力変換装置に
おいては、電力変換素子の推定内部温度が、その時の負
荷電流の値を基に演算されることにより、低周波時のリ
ップル温度上昇分や、出力周波数が零になって直流とな
った場合の影響が、自動的に考慮されるため、電力変換
素子の過負荷保護を最良に行なうことができる。
【0049】これにより、電力変換装置の適正な保護を
行なうことが可能となる。また、電力変換素子の推定内
部温度が変化(上昇)してきた場合に、その推定内部温
度の値に応じて電力変換装置本体の負荷電流の電流制限
の値を変化させる(下げる)ことにより、推定内部温度
が保護動作レベルを超えないようにして、過負荷保護に
よる装置の不必要な停止を防止することができる。
【0050】これにより、過負荷保護停止をさせない範
囲での最適な負荷電流を供給して、電力変換装置本体を
停止させない範囲での最大負荷運転を行なうことができ
る。一方、請求項4の発明では、上記請求項1乃至請求
項3のいずれか1項の発明の電力変換装置において、上
記温度演算手段は、電力変換素子の周囲温度を検出する
温度検出器を有し、機器仕様で定められた周囲温度条件
の代わりに、温度検出器により検出された電力変換素子
の周囲温度検出値と、負荷電流検出器により検出された
負荷電流検出値とに基づいて、電力変換素子の推定内部
温度を演算するようにしている。
【0051】従って、請求項4の発明の電力変換装置に
おいては、機器仕様で定められた周囲温度条件の代わり
に、温度検出器で検出された実測の電力変換素子の周囲
温度を使用することにより、周囲温度に依存した電力変
換素子の推定内部温度の正確さを向上させて、電力変換
装置のより一層確実でかつ適正な保護を行なうことがで
きる。特に、機器仕様の周囲温度条件よりも実際の使用
周囲温度が低い場合には、その分だけ通電容量を向上さ
せることができる。
【0052】また、請求項5の発明では、上記請求項1
乃至請求項3のいずれか1項の発明の電力変換装置にお
いて、負荷電流検出器を電力変換装置本体の各電力変換
素子毎に個別に設けると共に、温度演算手段を電力変換
装置本体の各電力変換素子毎に個別に設け、各負荷電流
検出器により検出された負荷電流検出値を、各電力変換
素子毎に対応して設けた温度演算手段にそれぞれ入力
し、各電力変換素子毎の推定内部温度を演算して、当該
各電力変換素子毎に過負荷保護を行なうようにしてい
る。
【0053】従って、請求項5の発明の電力変換装置に
おいては、各電力変換素子毎に、その温度演算手段によ
って推定内部温度が演算されることにより、各電力変換
素子毎の推定内部温度を得て、各電力変換素子毎の適正
な保護を行なうことができる。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。 (第1の実施の形態)図1は、本実施の形態の構成例を
示すブロック図である。
【0055】なお、サイクロコンバータ装置の全体構成
については、従来の図3と同一であるので、本実施の形
態において、従来のサイクロコンバータ装置と同一要素
には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異な
る部分についてのみ述べる。
【0056】すなわち、本実施の形態は、図1に示すよ
うに、温度演算手段としての電力変換素子(本例では、
サイリスタ)の熱的等価モデルである過負荷保護回路4
apと、判定手段である比較器42とから構成してい
る。
【0057】なお、図1では、U相正極側のみについて
示しているが、U相負極側,V,W相についても、それ
ぞれU相正極側と同一構成としている。また、3相グレ
ーツ接続コンバータ3a,3b,3c内の3相各相の正
極側,負極側毎の各電力変換素子には、120゜通電の
電流が一様に流れるものとし、電力変換素子の熱的等価
モデルは、サイリスタを6個ずつ接続した1つのブリッ
ジ内では1つとしている。
【0058】すなわち、U相正極側、U相負極側、V相
正極側、V相負極側、W相正極側、W相負極側のそれぞ
れについて1個ずつの熱的等価モデルを備え、3相各相
の正極側,負極側で合計6個の熱的等価モデルを備えて
いる。
【0059】ここで、過負荷保護回路40apは、3相グ
レーツ接続コンバータ3a内のU相正極側の電力変換素
子に設けた電流検出器5aにより検出された負荷電流検
出値と、機器仕様で定められた周囲温度条件とに基づい
て、電力変換素子の推定内部温度を演算するものであ
る。
【0060】すなわち、この過負荷保護回路40apは、
関数発生器41と、抵抗R1〜R5,Rfa と、コンデ
ンサC1〜C5とからなっている。関数発生器41で
は、電流検出器5aにより検出されたU相正側の負荷電
流検出値iupから、ジャンクション部で発生する熱源P
Tを得る。
【0061】この熱源PTは、あらかじめ与えられた電
力変換素子の特性データと、その時の負荷電流値iup
により求まる。また、各抵抗R1〜R5は熱抵抗をそれ
ぞれ表わし、各コンデンサC1〜C5は熱容量をそれぞ
れ表わす。
【0062】さらに、Rfa は冷却用のフィンと周囲温
度Ta との間の熱抵抗である。一方、Ta は機器仕様で
定められた周囲温度条件であり、固定値である(一例と
して40℃)。
【0063】また、Tj は電力変換素子のジャンクショ
ン温度であり、これが電力変換素子の推定内部温度であ
る。一方、比較器42は、過負荷保護回路40apにより
演算された電力変換素子の推定内部温度Tj が、あらか
じめ設定された所定の保護動作レベルを超えた場合に、
過負荷と判定してサイクロコンバータ装置本体を停止さ
せるための過負荷信号を出力する。
【0064】次に、以上のように構成した本実施の形態
の作用について説明する。なお、サイクロコンバータ装
置の全体的な作用は、前述した従来のサイクロコンバー
タ装置の場合と同様であるので、ここでは過負荷保護装
置の作用についてのみ述べる。
【0065】図1において、過負荷保護回路40ap
は、電流検出器5aにより検出されたU相正側の負荷電
流検出値iupを入力し、この負荷電流検出値iupと機器
仕様で定められた周囲温度条件Ta とに基づいて、電力
変換素子の推定内部温度Tj が演算される。
【0066】そして、このようにして過負荷保護回路4
apで演算した電力変換素子の推定内部温度Tj は、あ
らかじめ設定された所定の保護動作レベルと比較器42
で比較される。その結果、保護動作レベル、すなわち電
力変換素子の規格上の所定の値(例えば125℃)を超
えた時に、比較器42により過負荷と判定して過負荷信
号が出力される。
【0067】上述したように、本実施の形態では、負荷
電流検出値と機器仕様で定められた周囲温度条件とを基
に、温度演算手段としての電力変換素子の熱的等価モデ
ルを用いて、電力変換素子の推定内部温度を演算し、こ
の電力変換素子の推定内部温度が所定の保護動作レベル
を超えた場合に、サイクロコンバータ装置本体を停止さ
せて過負荷保護動作させるようにしているので、低周波
時のリップル温度上昇分や、出力周波数が零になって直
流となった場合の影響が、自動的に考慮されるため、前
述したようにコンバータの出力周波数が低周波になった
時に過負荷保護できないといった問題がなくなり、コン
バータの出力周波数が低周波になった時でも、電力変換
素子の過負荷保護を確実にかつ最良に行なうことが可能
となる。
【0068】特に、本実施の形態の場合には、3相各相
の正極側,負極側毎に、その熱的等価モデルによって推
定内部温度を演算しているので、3相各相の正極側,負
極側毎の電力変換素子の推定内部温度を得て、電力変換
素子の適正な保護を行なうことが可能となる。
【0069】また、前述したように不必要にコンバータ
の容量を上げることもないため、極めて経済性の良いサ
イクロコンバータ装置を得ることが可能となる。 (第2の実施の形態)図2は、本実施の形態の構成例を
示すブロック図であり、図1と同一要素には同一符号を
付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について
のみ述べる。
【0070】すなわち、本実施の形態は、図2に示すよ
うに、図1に関数発生器43を付加した構成としてい
る。ここで、関数発生器43は、過負荷保護回路40ap
により演算された電力変換素子の推定内部温度Tj を入
力とし、この入力の値に応じて、サイクロコンバータ装
置本体の負荷電流の電流制限値を変化させる電流制限値
信号を、前記電流制限器14への電流制限値信号として
出力するものである。
【0071】すなわち、この関数発生器43は、熱的等
価モデル(過負荷保護回路40ap)を使用すると、現在
の推定内部温度に対して、ある値の負荷電流が流れた場
合のt秒後の推定内部温度を演算することができること
から、現在の推定内部温度からt秒後に推定内部温度が
所定の保護動作レベルを超えないような負荷電流値をあ
らかじめ求めることができ、これを推定内部温度に対す
る負荷電流値として、あらかじめ関数設定しているもの
である。
【0072】次に、以上のように構成した本実施の形態
の作用について説明する。なお、前述した第1の実施の
形態の場合と同一作用についてはその説明を省略し、こ
こでは異なる部分についてのみ述べる。
【0073】図2において、前述のようにして過負荷保
護回路40apで演算した電力変換素子の推定内部温度T
j は、関数発生器43に入力される。そして、関数発生
器43では、入力した電力変換素子の推定内部温度Tj
の値に応じて、サイクロコンバータ装置本体の負荷電流
の電流制限値を低下させる電流制限値信号が出力され
る。
【0074】この関数発生器43からの電流制限値信号
は、前述した図4の電流制限器14の電流制限値信号と
して使用され、トルク分電流基準信号iT * がリミット
処置される。
【0075】すなわち、電力変換素子の推定内部温度T
j が所定の保護動作レベルを超えて過負荷保護動作が働
かないように、電力変換素子の推定内部温度Tj の値に
応じて、電流制限値が可変される。
【0076】具体的には、電力変換素子の推定内部温度
j が高い時には電流制限値を下げるように、逆に電力
変換素子の推定内部温度Tj が低い時には電流制限値を
上げるように、電流制限値が可変される。
【0077】上述したように、本実施の形態では、電力
変換素子の推定内部温度が変化(上昇/低下)してきた
場合に、その推定内部温度の値に応じてサイクロコンバ
ータ装置本体の負荷電流の電流制限の値を変化させる
(下げる/上げる)ようにしているので、前述した第1
の実施の形態の場合と同様の効果を得ることが可能であ
るのに加えて、電力変換素子の推定内部温度が保護動作
レベルを超えないようにして、過負荷保護による不必要
な停止を防止することができるため、過負荷保護停止を
させない範囲での最適な負荷電流を供給して、サイクロ
コンバータ装置本体を停止させない範囲での最大負荷運
転を行なうことが可能となる。
【0078】特に、本実施の形態の場合には、3相各相
の正極側,負極側毎に、その熱的等価モデルによって推
定内部温度を演算しているので、3相各相の正極側,負
極側毎の電力変換素子の推定内部温度を得て、3相各相
の正極側,負極側毎の電力変換素子の推定内部温度の正
確さを向上させ、さらにサイクロコンバータ装置本体を
停止させない範囲で最適な負荷電流容量を得て、サイク
ロコンバータ装置のより一層適正な保護を行なうことが
可能となる。
【0079】(第3の実施の形態)本実施の形態は、前
述した第2の実施の形態における比較器42を省略し
て、電力変換素子の熱的等価モデルである過負荷保護回
路40apと関数発生器43のみを備え、関数発生器43
により、過負荷保護回路40apにより演算された電力変
換素子の推定内部温度Tj の値に応じて、サイクロコン
バータ装置本体の負荷電流の電流制限値を変化させる電
流制限値信号を、電流制限器14への電流制限値信号と
して出力する構成としている。
【0080】次に、以上のように構成した本実施の形態
においては、前述のようにして過負荷保護回路40ap
演算した電力変換素子の推定内部温度Tj は、関数発生
器43に入力される。
【0081】そして、関数発生器43では、入力した電
力変換素子の推定内部温度Tj の値に応じて、サイクロ
コンバータ装置本体の負荷電流の電流制限値を低下させ
る電流制限値信号が出力される。
【0082】この関数発生器43からの電流制限値信号
は、前述した図4の電流制限器14の電流制限値信号と
して使用され、トルク分電流基準信号iT * がリミット
処置される。
【0083】すなわち、電力変換素子の推定内部温度T
j が所定の保護動作レベルを超えて過負荷保護動作が働
かないように、電力変換素子の推定内部温度Tj の値に
応じて、電流制限値が可変される。
【0084】具体的には、電力変換素子の推定内部温度
j が高い時には電流制限値を下げるように、逆に電力
変換素子の推定内部温度Tj が低い時には電流制限値を
上げるように、電流制限値が可変される。
【0085】上述したように、本実施の形態では、電力
変換素子の推定内部温度が(上昇/低下)してきた場合
に、その推定内部温度の値に応じてサイクロコンバータ
装置本体の負荷電流の電流制限の値を変化させる(下げ
る/上げる)ようにしているので、電力変換素子の推定
内部温度が保護動作レベルを超えないようにして、過負
荷保護による不必要な停止を防止することができるた
め、過負荷保護停止をさせない範囲での最適な負荷電流
を供給して、サイクロコンバータ装置本体を停止させな
い範囲での最大負荷運転を行なうことが可能となる。
【0086】特に、本実施の形態の場合には、3相各相
の正極側,負極側毎に、その熱的等価モデルによって推
定内部温度を演算しているので、3相各相の正極側,負
極側毎の電力変換素子の推定内部温度を得て、3相各相
の正極側,負極側毎の電力変換素子の推定内部温度の正
確さを向上させ、さらにサイクロコンバータ装置本体を
停止させない範囲で最適な負荷電流容量を得て、サイク
ロコンバータ装置のより一層適正な保護を行なうことが
可能となる。
【0087】(第4の実施の形態)本実施の形態は、前
述した第1の実施の形態において、電力変換素子の周囲
温度を検出する温度検出器を設け、機器仕様で定められ
た周囲温度条件(固定値)の代わりに、温度検出器によ
り検出された実測の電力変換素子の周囲温度検出値を、
電力変換素子の熱的等価モデルである過負荷保護回路に
入力し、これと電流検出器により検出された負荷電流検
出値とに基づいて、電力変換素子の推定内部温度を演算
する構成としている。
【0088】ここで、温度検出器としては、3相グレー
ツ接続コンバータ3a,3b,3cのU相正極側、U相
負極側、V相正極側、V相負極側、W相正極側、W相負
極側のそれぞれに個別に設けて、各熱的等価モデルに個
別に温度検出値を入力するようにしてもよいし、U相正
極側、U相負極側、V相正極側、V相負極側、W相正極
側、W相負極側の中のいずれか1箇所のみに設けて、一
つの温度検出値を各熱的等価モデルに共通に入力するよ
うにしてもよい。
【0089】本実施の形態では、推定内部温度演算に使
用する周囲温度条件を、機器仕様に基づく固定値ではな
く、温度検出器による実測温度を用いることにより、周
囲温度に依存した電力変換素子の推定内部温度の正確さ
を向上させて、サイクロコンバータ装置のより一層確実
でかつ適正な保護を行なうことが可能となる。
【0090】特に、機器仕様の周囲温度条件よりも実際
の使用周囲温度が低い場合には、その分だけ通電容量を
向上させることが可能となる。 (第5の実施の形態)本実施の形態は、前述した第2の
実施の形態において、電力変換素子の周囲温度を検出す
る温度検出器を設け、機器仕様で定められた周囲温度条
件(固定値)の代わりに、温度検出器により検出された
実測の電力変換素子の周囲温度検出値を、電力変換素子
の熱的等価モデルである過負荷保護回路に入力し、これ
と電流検出器により検出された負荷電流検出値とに基づ
いて、電力変換素子の推定内部温度を演算する構成とし
ている。
【0091】ここで、温度検出器としては、3相グレー
ツ接続コンバータ3a,3b,3cのU相正極側、U相
負極側、V相正極側、V相負極側、W相正極側、W相負
極側のそれぞれに個別に設けて、各熱的等価モデルに個
別に温度検出値を入力するようにしてもよいし、U相正
極側、U相負極側、V相正極側、V相負極側、W相正極
側、W相負極側の中のいずれか1箇所のみに設けて、一
つの温度検出値を各熱的等価モデルに共通に入力するよ
うにしてもよい。
【0092】本実施の形態では、推定内部温度演算に使
用する周囲温度条件を、機器仕様に基づく固定値ではな
く、温度検出器による実測温度を用いることにより、周
囲温度に依存した電力変換素子の推定内部温度の正確さ
を向上させ、さらにサイクロコンバータ装置本体を停止
させない範囲で、周囲温度が低い場合には負荷容量を増
大させ、逆に周囲温度が高い場合には負荷容量を減少さ
せて、サイクロコンバータ装置のより一層確実でかつ適
正な保護を行なうことが可能となる。
【0093】特に、機器仕様の周囲温度条件よりも実際
の使用周囲温度が低い場合には、その分だけ通電容量を
向上させることが可能となる。 (第6の実施の形態)本実施の形態は、前述した第3の
実施の形態において、電力変換素子の周囲温度を検出す
る温度検出器を設け、機器仕様で定められた周囲温度条
件(固定値)の代わりに、温度検出器により検出された
実測の電力変換素子の周囲温度検出値を、電力変換素子
の熱的等価モデルである過負荷保護回路に入力し、これ
と電流検出器により検出された負荷電流検出値とに基づ
いて、電力変換素子の推定内部温度を演算する構成とし
ている。
【0094】ここで、温度検出器としては、3相グレー
ツ接続コンバータ3a,3b,3cのU相正極側、U相
負極側、V相正極側、V相負極側、W相正極側、W相負
極側のそれぞれに個別に設けて、各熱的等価モデルに個
別に温度検出値を入力するようにしてもよいし、U相正
極側、U相負極側、V相正極側、V相負極側、W相正極
側、W相負極側の中のいずれか1箇所のみに設けて、一
つの温度検出値を各熱的等価モデルに共通に入力するよ
うにしてもよい。
【0095】本実施の形態では、推定内部温度演算に使
用する周囲温度条件を、機器仕様に基づく固定値ではな
く、温度検出器による実測温度を用いることにより、周
囲温度に依存した電力変換素子の推定内部温度の正確さ
を向上させ、周囲温度が低い場合には負荷容量を増大さ
せ、逆に周囲温度が高い場合には負荷容量を減少させ
て、サイクロコンバータ装置のより一層確実でかつ適正
な保護を行なうことが可能となる。
【0096】特に、機器仕様の周囲温度条件よりも実際
の使用周囲温度が低い場合には、その分だけ通電容量を
向上させることが可能となる。 (その他の実施の形態)前記第1乃至第3の各実施の形
態において、図3に要部回路図を示すように、3相各相
の正極側,負極側毎の各電力変換素子毎に、すなわちU
相正極側、U相負極側、V相正極側、V相負極側、W相
正極側、W相負極側の6つのブリッジ回路内のそれぞれ
6個の電力変換素子(サイリスタSR)毎に個別に電流
検出器44を設けると共に、熱的等価モデルをこれら各
電力変換素子毎に個別に設け(合計:6個×3相各相の
正極側,負極側分6個=36個)、各電流検出器により
検出された負荷電流検出値を、各電力変換素子毎に対応
して設けた熱的等価モデルにそれぞれ入力し、各電力変
換素子毎の推定内部温度を演算して、各電力変換素子毎
に過負荷保護を行なう構成としてもよい。
【0097】本実施の形態では、各電力変換素子毎に、
その熱的等価モデルによって推定内部温度が演算される
ことにより、各電力変換素子毎の推定内部温度を得て、
各電力変換素子毎の推定内部温度の正確さを向上させ、
さらに電力変換装置本体を停止させない範囲で最適な負
荷電流容量を得て、電力変換装置のより一層適正な保護
を行なうことが可能となる。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
温度演算手段を用いて電力変換素子の推定内部温度を演
算し、これが所定の保護動作レベルを超えた時に過負荷
保護動作させるようにしているので、コンバータの出力
周波数が低周波になった時でも確実に過負荷保護を行な
うことが可能となる。
【0099】また、不必要にコンバータの容量を上げる
こともないため、経済性の良い電力変換装置を得ること
が可能となる。さらに、電力変換素子の推定内部温度
(上昇/低下)に応じて電流制限を変化させる(下げる
/上げる)ようにしているので、過負荷保護によって不
必要に装置を停止させず、過負荷保護停止をさせない範
囲での最適な負荷電流を供給することが可能となる。
【0100】一方、実測した電力変換素子の周囲温度を
使用するようにしているので、機器仕様の周囲温度条件
よりも実際の使用周囲温度が低い場合には、その分だけ
通電容量(負荷電流容量)を拡大させることが可能とな
る。
【0101】さらに、各電力変換素子毎に、その温度演
算手段によって推定内部温度を演算し、各電力変換素子
毎の推定内部温度を得るようにしているので、各電力変
換素子毎の推定内部温度の正確さを向上させ、さらに電
力変換装置本体を停止させない範囲で最適な負荷電流容
量を得て、電力変換装置のより一層適正な保護を行なう
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態を示すブロック
図。
【図2】本発明による第2の実施の形態を示すブロック
図。
【図3】本発明によるその他の実施の形態を示す要部回
路図。
【図4】従来のサイクロコンバータ装置の全体構成例を
示すブロック図。
【図5】従来の過負荷保護装置の構成例を示すブロック
図。
【図6】サイクロコンバータ装置の通電能力と保護動作
点の関係の一例を示す特性図。
【図7】電流パターンのRMSの演算の一例を示す概念
図。
【図8】出力周波数に依存したサイリスタの温度上昇分
の一例を模擬的に示す特性図。
【図9】同期電動機が回転中と零周波数の電流特性の一
例を示す図。
【符号の説明】
1…3相交流電源、 2…電源変圧器、 2a,2b,2c…二次巻線、 3a,3b,3c…3相グレーツ接続コンバータ、 4…同期電動機、 5a,5b,5c…電流検出器、 6…位置検出器、 7…界磁用コンバータ、 8…電流検出器、 9…界磁巻線、 10…速度設定器、 11…速度変換回路、 12…速度制御回路、 13…電流基準演算器、 14…電流制限器、 15…磁束弱め制御回路、 17…ベクトル演算回路、 19…3相2相変換器、 20,21,22…電流制御回路、 23…電圧指令回路、 30ap,30an,30bp,30bn,30cp,30cn…電
流RMS演算器、 31…電流極性判定器、 32…比較器、 40ap,40an,40bp,40bn,40cp,40cn…過
負荷保護回路、 41…関数発生器、 42…比較器、 43…関数発生器、 44…電流検出器。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電力変換素子から構成され、負荷
    に対して正弦波電流を供給して当該負荷を駆動する電力
    変換装置において、 負荷電流検出器により検出された負荷電流検出値と、機
    器仕様で定められた周囲温度条件とに基づいて、前記電
    力変換素子の推定内部温度を演算する温度演算手段と、 前記温度演算手段により演算された電力変換素子の推定
    内部温度があらかじめ設定された所定の保護動作レベル
    を超えた場合に、過負荷と判定して電力変換装置本体を
    停止させる過負荷信号を出力する判定手段と、 を備えて成ることを特徴とする電力変換装置。
  2. 【請求項2】 複数の電力変換素子から構成され、負荷
    に対して正弦波電流を供給して当該負荷を駆動する電力
    変換装置において、 負荷電流検出器により検出された負荷電流検出値と、機
    器仕様で定められた周囲温度条件とに基づいて、前記電
    力変換素子の推定内部温度を演算する温度演算手段と、 前記温度演算手段により演算された電力変換素子の推定
    内部温度に応じて、電力変換装置本体の負荷電流の電流
    制限値を変化させる電流制限値信号を出力する電流制限
    可変手段と、 を備えて成ることを特徴とする電力変換装置。
  3. 【請求項3】 複数の電力変換素子から構成され、負荷
    に対して正弦波電流を供給して当該負荷を駆動する電力
    変換装置において、 負荷電流検出器により検出された負荷電流検出値と、機
    器仕様で定められた周囲温度条件とに基づいて、前記電
    力変換素子の推定内部温度を演算する温度演算手段と、 前記温度演算手段により演算された電力変換素子の推定
    内部温度があらかじめ設定された所定の保護動作レベル
    を超えた場合に、過負荷と判定して電力変換装置本体を
    停止させる過負荷信号を出力する判定手段と、 前記温度演算手段により演算された電力変換素子の推定
    内部温度に応じて、電力変換装置本体の負荷電流の電流
    制限値を変化させる電流制限値信号を出力する電流制限
    可変手段と、 を備えて成ることを特徴とする電力変換装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項1乃至請求項3のいずれか1
    項に記載の電力変換装置において、 前記温度演算手段は、 前記電力変換素子の周囲温度を検出する温度検出器を有
    し、 前記機器仕様で定められた周囲温度条件の代わりに、前
    記温度検出器により検出された電力変換素子の周囲温度
    検出値と、前記負荷電流検出器により検出された負荷電
    流検出値とに基づいて、電力変換素子の推定内部温度を
    演算するようにしたことを特徴とする電力変換装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1乃至請求項3のいずれか1
    項に記載の電力変換装置において、 前記負荷電流検出器を前記電力変換装置本体の各電力変
    換素子毎に個別に設けると共に、前記温度演算手段を前
    記電力変換装置本体の各電力変換素子毎に個別に設け、 前記各負荷電流検出器により検出された負荷電流検出値
    を、前記各電力変換素子毎に対応して設けた温度演算手
    段にそれぞれ入力し、前記各電力変換素子毎の推定内部
    温度を演算して、当該各電力変換素子毎に過負荷保護を
    行なうようにしたことを特徴とする電力変換装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008178188A (ja) * 2007-01-17 2008-07-31 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp 電力変換装置
CN106527214A (zh) * 2015-09-14 2017-03-22 四方特变电工智能电气有限公司 变压器智能型电子控制器双重化配置方法
WO2019049246A1 (ja) * 2017-09-06 2019-03-14 株式会社日立産機システム 電力変換装置

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