JP2001265442A - 振動モータ、位置決め装置及び振動モータの制御方法 - Google Patents

振動モータ、位置決め装置及び振動モータの制御方法

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JP2001265442A
JP2001265442A JP2000080748A JP2000080748A JP2001265442A JP 2001265442 A JP2001265442 A JP 2001265442A JP 2000080748 A JP2000080748 A JP 2000080748A JP 2000080748 A JP2000080748 A JP 2000080748A JP 2001265442 A JP2001265442 A JP 2001265442A
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drive signal
vibration
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relative motion
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JP2000080748A
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Satoshi Miwa
聡 三輪
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Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗動駆動が完了して一旦停止した移動子に発
生する微小な振動に起因して、その後に微小駆動を行っ
ても、停止位置ずれが発生する。 【解決手段】 振動子31、移動子32、エンコーダ5
9、及び、移動子32の目標停止位置までの移動距離が
予め定めた所定値よりも大きい場合には振動子31に第
1の駆動信号を入力し、移動距離が所定値以下である場
合に振動子32に第2の駆動信号を入力するとともに第
1の駆動信号の入力が停止された時から所定の時間が経
過した時におけるエンコーダ59の検出値に基づいて第
2の駆動信号を入力する駆動制御装置61を有する振動
モータ33と、振動モータ33により駆動される可動ス
テージ34とを備える位置決め装置30である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動モータ、位置
決め装置及び振動モータの制御方法に関する。具体的に
は、本発明は、バースト波形部を間欠的に有する駆動信
号を入力されることによって微動する振動モータと、こ
の振動モータを用いた位置決め装置と、この振動モータ
の駆動方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、振動モータは、2種の圧電素
子に、互いの位相が(π/2)異なるとともに所定の周
波数を有する連続波からなる2相の駆動信号(交流電
圧)をそれぞれ入力することによって、これらの圧電素
子が装着された弾性体に位相が異なる二つの定在波を励
振し、これらの定在波が合成されて弾性体の駆動力取出
部に発生した楕円運動を利用して、この駆動力取出部に
加圧接触する相対運動部材を摩擦駆動する。この種の振
動モータとして、超音波の振動域を利用した超音波モー
タが知られているため、以降の説明ではこの超音波モー
タを例にとる。
【0003】この超音波モータは、所望の停止位置に停
止した後は電気入力を停止するだけでドリフトもなく、
さらに外力にも乱されずにその位置で静止し続けること
ができるという、いわゆる自己保持性を有する。これに
対し、例えばステッピングモータも、電気入力を継続す
ればある程度の自己保持性を奏することはできる。しか
し、電気入力を必要とするために効率の点で超音波モー
タには及ばない。
【0004】ところで、このステッピングモータでは1
ステップの歩幅、つまり送り量が、電極パターンの幅と
いうかなり大きな量によって支配され、いわばデジタル
化されている。このため、nステップ分の動作パルスに
よる送り量は、1ステップ分のn倍として極めて正確に
求めることができ、その再現性も高い。しかし、現実に
は、ステッピングモータの発生トルクは一般的に低いた
めに減速ギヤ列を用いる必要があり、バックラッシュが
生じるといった問題がある。これに対し、超音波モータ
は、発生トルクが高いために減速ギヤ列を用いる必要性
は低いが、1ステップの送り量は基本的にデジタル化さ
れておらず、アナログ的である。
【0005】なお、超音波モータでは、駆動周波数1周
期分によって駆動力取出部が1回転分だけ楕円運動を描
くことから、これを1ステップの送り量とみなすことも
できる。しかし、この1ステップの送り量は、駆動電
圧、駆動周波数さらには駆動時の摩擦状態等により変動
するため、高い再現性を期待することができない。
【0006】このように、ステッピングモータの動作は
デジタル的であるのに対し、超音波モータの動作は極め
てアナログ的である。このため、超音波モータは、ステ
ッピングモータに比較すると、自己保持性や高い発生ト
ルクを有するといった長所を有する反面、1ステップ分
の動作パルスによる送り量が変動し易く、その再現性が
低いとも言える。
【0007】そこで、バースト波形部を間欠的に有する
駆動信号を入力することによって超音波モータの1ステ
ップの歩幅をデジタル的に扱えるようにし、これによ
り、特に超低速での微動時における1ステップ分の動作
パルスによる送り量を安定させる発明が、これまでにも
多数提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本出願人も、先に、特
願平11−341703号により、連続波を有する第1
の駆動信号を入力することによって超音波モータを粗動
させて目標停止位置に接近させた後に、目標停止位置の
極近傍でバースト波形部を間欠的に有する第2の駆動信
号を入力することによって超音波モータを微動させる際
に、駆動信号のバースト波形部の周波数の制御を行うこ
とを提案した。この提案によれば、一つのバースト波形
部による送り量を無段階で自在に調節でき、停止位置精
度を向上させることができる。
【0009】しかし、本発明者は、超音波モータの位置
決め精度をより向上させるためにさらに検討を重ねた結
果、以下の課題があることがわかった。すなわち、超音
波モータを微動させるための第2の駆動信号による駆動
条件は、第1の駆動信号の入力が遮断された後に相対運
動部材の位置を検出し、この検出値から目標停止位置ま
での距離を演算した結果に基づいて、設定される。しか
し、第1の駆動信号の入力が遮断されて一旦停止した筈
の相対運動部材には、意外にも、その停止位置を振幅の
略中心とする微小な振動が発生することが判明した。こ
のため、相対運動部材にこの微小な振動が発生している
段階で相対運動部材の位置を検出し、この検出値から目
標停止位置までの距離を演算した結果に基づいて第2の
駆動信号による駆動条件を設定すると、目標停止位置ま
での距離の演算値に誤差が含まれてしまう。
【0010】このため、相対運動部材を例えば±1μm
程度の高い停止位置精度で目標停止位置に停止させよう
とすると、この誤差に起因して停止位置ずれが発生して
しまい、所望の停止位置精度で停止させることができな
い。
【0011】本発明の目的は、第1の駆動信号の入力が
遮断されて一旦停止した振動子又は相対運動部材に発生
する微小な振動に起因した停止位置ずれを解消し、高い
停止位置精度で目標停止位置に確実に、かつ短時間で停
止することができる振動モータと、この振動モータを用
いた位置決め装置と、この振動モータの駆動方法とをい
ずれも提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の駆動信
号の入力が遮断されて一旦停止したと考えられてきた振
動子又は相対運動部材に発生する微小な振動が、所望の
停止位置精度を与えることに影響を与えない程度に減衰
するまで、振動子又は相対運動部材の検出と、この検出
値に基づいた第2の駆動信号の設定及び入力とをともに
遅らせることにより、上述した課題を解決することがで
きるという、新規かつ重要な知見に基づくものである。
【0013】請求項1の発明では、振動子と、この振動
子に加圧接触して相対運動を発生する相対運動部材と、
振動子又は相対運動部材の位置検出手段と、振動子又は
相対運動部材の目標停止位置までの移動距離が予め定め
た所定値よりも大きい場合には振動子に第1の駆動信号
を入力し、移動距離が所定値以下である場合には振動子
に第2の駆動信号を入力するとともに、第1の駆動信号
の入力が停止された時から所定の時間が経過した時にお
ける位置検出手段の検出値に基づいて第2の駆動信号を
設定する駆動制御装置とを備えることを特徴とする振動
モータを提供する。
【0014】請求項2の発明は、請求項1に記載された
振動モータにおいて、第1の駆動信号が、連続波を有す
る駆動信号であるとともに、第2の駆動信号が、バース
ト波形部を間欠的に有する駆動信号であることを特徴と
する。
【0015】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載された振動モータにおいて、第2の駆動信号の間
欠周波数が、第2の駆動信号を入力することにより得ら
れる相対運動の量の最小値が、目標停止位置から所定距
離離れた範囲に設定される位置決め許容範囲の長さ以下
となるように、設定されることを特徴とする。
【0016】請求項4の発明は、請求項1から請求項3
までのいずれか1項に記載された振動モータと、この振
動モータにより駆動される可動ステージとを備えること
を特徴とする位置決め装置を提供する。
【0017】さらに、請求項5の発明は、振動子又は振
動子に加圧接触して相対運動を発生する相対運動部材の
目標停止位置までの移動距離が予め定めた所定値よりも
大きい場合には振動子に第1の駆動信号を入力し、移動
距離が所定値以下である場合には振動子に第2の駆動信
号を入力するとともに、第1の駆動信号の入力が停止さ
れた時から所定の時間が経過した時に、振動子又は相対
運動部材の位置を検出し、この検出値に基づいて第2の
駆動信号を設定することを特徴とする振動モータの制御
方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
かかる振動モータを用いた位置決め装置の実施の形態
を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以
降の実施の形態の説明では、振動モータとして超音波の
振動域を利用した超音波モータを用いるとともに、本発
明にかかる位置決め装置を、光ファイバの切換装置に適
用した場合を例にとる。
【0019】図1は、本実施形態の位置決め装置30
を、一部が透視されるとともに簡略化された状態で示す
斜視図である。また、図2は図1におけるA矢視図であ
り、図3は図1におけるB矢視図である。
【0020】図1〜図3にそれぞれ示すように、本実施
形態の位置決め装置30は、超音波モータ33と可動ス
テージ34とを有する。以下、本実施形態の位置決め装
置30のこれらの構成要素について、順次説明する。
【0021】〔超音波モータ33〕超音波モータ33
は、振動子31、移動子32及び振動子固定部材42を
有する。以下、これらについて順次説明する。
【0022】(i)振動子31 図4は、本実施形態における振動子31及び移動子32
それぞれの構成を示す斜視図である。また、図5は、振
動子31の説明図であり、図5(A)は上面図、図5
(B)は側面図、図5(C)は振動子31に発生する二
つの異なる振動L1及びB4それぞれの波形例を示す説
明図である。
【0023】図1〜図5にそれぞれ示すように、本実施
形態で用いる振動子31は、弾性体35と、弾性体35
の一方の平面に装着された圧電体36とを備える。弾性
体35は、例えば鉄鋼、ステンレス鋼、リン青銅又はエ
リンバー材等といった共振先鋭度が大きな金属材料によ
り構成されることが望ましく、矩形平板状に形成され
る。また、弾性体35の各部の寸法は、発生する1次の
縦振動L1及び4次の屈曲振動B4それぞれの固有振動
数fL1、f B4が略一致するように、設定される。
【0024】弾性体35の一方の平面には、圧電体36
が例えば接着により装着される。また、弾性体35の他
方の平面には、弾性体35の幅方向に2本の溝部が相対
運動方向(図2、図4及び図5それぞれにおける左右方
向)に関して所定距離だけ離れて設けられる。これらの
溝部に、横断面形状が矩形である各棒型の、高分子材等
を主成分とした摺動部材が嵌め込まれて装着され、突起
状に突出して装着される。高分子材としては、PTF
E、ポリイミド樹脂、ポリアセタール、PPSさらには
PEEK等の高分子材料が例示される。
【0025】そして、この摺動部材が駆動力取出部37
a、37bとして機能する。したがって、弾性体35は
これら摺動部材からなる駆動力取出部37a、37bを
介して移動子32に加圧接触する。
【0026】また、図3に示すように、各駆動力取出部
37a、37bは、いずれも、振動子31の幅方向に二
つに分割され、分割されたそれぞれの駆動力取出部37
a、37a’、37b、37b’が振動子31の幅方向
の端部側に配置される。このように、本実施形態では、
各駆動力取出部37a、37bは、それぞれが2個の摺
動材により構成される。
【0027】これらの駆動力取出部37a、37bは、
図5(B)及び図5(C)に示すように、弾性体35に
発生する4次の屈曲振動B4の4つの腹位置l1 〜l4
のうちの外側に位置する二つの腹位置l1 、l4 に一致
する位置にそれぞれ設けられる。なお、駆動力取出部3
7a、37bは、屈曲振動B4の二つの腹位置l1 、l
4 に正確に一致する位置に設けられる必要はなく、これ
らの腹位置l1 、l4の近傍に設けられていてもよい。
【0028】圧電体36は、本実施形態ではPZT(チ
タンジルコン酸鉛)からなる一枚の薄板状の圧電素子に
より構成される。この圧電体36には、図4及び図5に
示すように、A相の駆動信号VA が入力される入力領域
36a、36cと、A相の駆動信号とは位相が約(π/
2)ずれたB相の駆動信号VB が入力される入力領域3
6b、36dとが形成される。各入力領域36a〜36
dは、いずれも、図5(A)〜図5(C)に示すよう
に、弾性体35に発生する屈曲振動B4の5つの節位置
1 〜n5 により区画された4つの領域に連続して形成
される。すなわち、駆動信号の入力により変形する各入
力領域36a〜36dが、いずれも、不動点である節位
置n1 〜n5 を跨がない。そのため、入力領域36a〜
36dの変形が節位置n1 〜n5 によって抑制されるこ
とがない。これにより、各入力領域36a〜36dに入
力された電気エネルギを最大の効率で弾性体35の変
形、すなわち機械エネルギへ変換することができる。
【0029】また、屈曲振動B4の節位置n2 、n4
は、振動子31が発生する縦振動L1により電気エネル
ギを出力する検出領域36p、36p’が設けられる。
これにより、振動子31が発生する縦振動L1の振動状
態がモニタされる。
【0030】そして、図4、図5(A)及び図5(B)
に示すように、各入力領域36a〜36dと各検出領域
36p、36p’とは、それぞれの表面を、銀電極38
a〜38d、38p、38p’により覆われる。これに
より、各入力領域36a〜36dへ独立して駆動信号を
入力したり、各検出領域36p、36p’から独立して
検出信号を出力することができる。なお、図面を簡略化
して理解を容易にするため、図1〜図3では、いずれ
も、銀電極38a〜38d、38p、38p’は省略し
てある。
【0031】各銀電極38a〜38dには、電気エネル
ギの授受を行うためのリード線39a〜39dが半田付
けされて接続され、また、銀電極38p、38p’に
は、同じくリード線(図示しない。)が半田付けされて
接続されている。
【0032】なお、本実施形態では、図5(A)に示す
ように、振動子31はその平面の中央部を中心として点
対称となるように、形成される。これにより、各駆動力
取出部37a、37a’、37b、37b’に発生する
楕円運動を略同じ形状とすることができ、相対運動方向
の反転に伴う駆動差が殆ど解消される。
【0033】図7を参照しながら後述するように、位置
決め装置30の駆動制御装置61から、圧電体36の入
力領域36a、36cには、縦振動L1及び屈曲振動B
4それぞれの固有振動数に略一致した周波数を有するA
相の駆動信号VA が入力される。また、入力領域36
b、36dには、A相の駆動信号とは(π/2)の位相
差を有するB相の駆動信号VB が入力される。すると、
図5(C)に示すように、弾性体35には、相対運動方
向(図5における左右方向)へ振動する第1の振動であ
る1次の縦振動L1と、この相対運動方向に直交する上
下方向、すなわち振動子31と移動子32との加圧方向
に平行な方向へ振動する第2の振動である4次の屈曲振
動B4とが同時に発生する。
【0034】発生した縦振動L1と屈曲振動B4とは合
成されて、駆動力取出部37a、37a’と駆動力取出
部37b、37b’とには、図5(B)に例示するよう
に、互いの位相がπずれた楕円運動がそれぞれ発生す
る。これにより、振動子31は加圧接触する移動子32
との間で、縦振動L1の振動方向への相対的な直線運動
を発生する。なお、相対運動方向を逆向きにするには、
B相の駆動信号が、A相の駆動信号に対して(−π/
2)の位相差を有するように設定すればよい。
【0035】このように、本実施形態の振動子31は、
相対運動の方向へ振動する第1の振動である縦振動L1
と、この第1の振動の振動方向と直交する方向へ振動す
る第2の振動である屈曲振動B4とを励振することによ
り、移動子32との間で直線的な相対運動を発生する、
いわゆる異形モード縮退型の振動子である。
【0036】(ii)移動子32 図1〜図5にそれぞれ示すように、本実施形態では、振
動子31との間で相対運動を行う相対運動部材として、
移動子32を用いる。図6は、移動子32及び可動ステ
ージ34を抽出して示す斜視図である。
【0037】移動子32は、ステンレス鋼、銅合金又は
アルミニウム合金等からなっており、可動ステージ34
の移動子取付面34aに3本の平小ねじ40により固定
される。
【0038】本実施形態では、図6に示すように、移動
子32の振動子31との当接面のうちで、駆動力取出部
37a、37a’及び駆動力取出部37b、37b’の
いずれにも接触しない十字型の非接触部41cは、駆動
力取出部37a、37a’及び駆動力取出部37b、3
7b’のいずれかに接触する接触部41a、41a’、
41b、41b’よりも、肉薄に形成されている。これ
により、移動子32の振動子31との当接面は、図1〜
図4及び図6に示すように、十字型の溝状に形成され
る。すなわち、移動子32の振動子31との当接面の四
隅部には、突起部41a〜41b’がそれぞれ形成され
る。なお、本実施形態では、後述するように、移動子3
2の振動子31との当接面に十字型の溝を形成している
が、この溝の部分を節に振動し難いようになっている。
なぜなら、移動子32は、断面2次モーメントが大きい
L型の断面形状を有する可動ステージ34の移動子取付
面34aに装着されているため、移動子32には曲げ変
形に伴った屈曲振動は発生しない。
【0039】移動子32は、図1〜図3を参照しながら
後述するように、振動子固定部材42により加圧支持さ
れた振動子31の駆動力取出部37a、37a’と駆動
力取出部37b、37b’とに、突起部41a〜41
b’を介して適当な加圧力で加圧接触して配置される。
【0040】これにより、振動子31を起動すると、移
動子32は、駆動力取出部37a、37a’と駆動力取
出部37b、37b’とに互いの位相がπだけずれてそ
れぞれ発生した楕円運動によって、突起部41a〜41
b’を介して駆動される。このため、移動子32は、後
述するベース基板60上に固定されたリニアガイド55
によって直線的に案内される可動ステージ34ととも
に、直線的に駆動される。このように、本実施形態で
は、固定配置された振動子31によって移動子32が直
線的に駆動される。
【0041】本実施形態では、移動子32の振動子31
との当接面に十字型の溝が形成されることにより、位置
決め装置30の移動系の一部をなす移動子32の軽量化
が図られている。これにより、移動子32とともに移動
する可動ステージ34の整定時間が短縮化される。
【0042】また、移動子32の振動子31との接触面
に、振動子31との接触状態を良好にするためにラップ
加工による鏡面仕上を施す場合、本実施形態では、突起
部41a〜41b’の底面だけにこのラップ加工を施せ
ばよい。このため、ラップ加工の面積が低減され、ラッ
プ加工による鏡面仕上の加工時間を短縮化することがで
きる。
【0043】さらに、突起部41a〜41b’それぞれ
は、いずれも振動子31よりも相当質量が小さいため、
これら突起部41a〜41b’それぞれの固有振動数
は、振動子31の超音波の振動数(例えば50kHZ程
度)よりも高くなる。このため、振動子31が発生する
振動が駆動力取出部37a、37a’及び駆動力取出部
37b、37b’を介して突起部41a〜41b’に伝
播されても、突起部41a〜41b’はいずれも、駆動
を害するような振動(低周波の振動)が発生し難くな
る。このため、振動子31が発生した振動により可動ス
テージ34が振動することも、抑制される。このため、
可動ステージ34の振動が抑制され、可動ステージ34
を高精度で位置決めすることができる。
【0044】(iii)振動子固定部材42 図1〜図3に示すように、本実施形態の振動モータ30
は、振動子固定部材42を有する。振動子固定部材42
は、L型の水平断面形状を有するブロック体であり、ア
ルミニウム合金やステンレス鋼等の金属材料からなる。
この振動子固定部材42は、振動子支持部材43と振動
子加圧部材44とを備える。
【0045】図1〜図3に示すように、振動子支持部材
43は、アルミニウム合金やステンレス鋼等の金属材料
からなる薄板状部材であり、板厚の小さな屈曲部43a
と、板厚が大きな支持部43bとを有する。屈曲部43
aの一方の端部には二つの貫通孔が設けられており、振
動子支持部材43は、これらの貫通孔をそれぞれ貫通す
る固定ねじ43cによって、振動子固定部材42の端面
に固定される。
【0046】また、支持部43bの振動子11側の平面
には、ステンレス鋼製の二つの支持ピン45a、45b
が、例えば接着や溶接等の適宜手段により固定される。
そして、支持ピン45a、45bは、振動子11の両側
面の長手方向の略中央部に形成された半円上の二つの切
欠き部31a、31b(図5(A)参照。)に嵌め込ま
れて、例えば接着や溶接等の適宜手段により固定され
る。
【0047】なお、振動子31の一方の平面に装着され
た圧電体36と支持部43bとの間には、例えばプラス
チック等からなる絶縁部材46が挟まれた状態で配置さ
れており、入力領域36b及び36cの短絡が防止され
る。
【0048】振動子31は、振動子支持部材43によっ
て、相対運動の方向(図2における左右方向)について
拘束されるとともに、屈曲部43aが円弧状に屈曲変位
することにより加圧方向(図2における上下方向)へ略
直線的に微小に変位できるように、支持される。
【0049】一方、図1〜図3に示すように、振動子加
圧部材44は、四隅部に加圧用突起47a〜47dを有
する板材である。加圧用突起47a〜47dを振動子加
圧部材44の四隅部に配置したのは、電極38a〜38
d、38p、38p’とリード線39a〜39dとの半
田付けの盛り上がり部との干渉を防止するためである。
加圧用突起47a及び47cは、振動子31に発生する
屈曲振動B4の節位置n2 の位置と一致する位置に、ま
た、加圧用突起47b及び47dは、振動子31に発生
する屈曲振動B4の節位置n4 の位置と一致する位置
に、それぞれ設けられて、振動子31に当接する。つま
り、加圧用突起47a〜47dは、いずれも、屈曲振動
B4の節位置n2 、n4 を跨ぐ位置に形成されている。
【0050】また、振動子支持部材43の屈曲部43a
には貫通孔43dが設けられており、振動子加圧部材4
4の加圧用突起47b及び47dは、いずれも、この貫
通孔43dを貫通して振動子31に装着された圧電体3
6に当接する。これにより、振動子支持部材43と、振
動子加圧部材44との接触が防止される。
【0051】図2に示すように、振動子固定部材42の
振動子加圧部材44側の平面の略中央部に設けられた収
容孔42aには、加圧力発生部材48が装着される。本
実施形態では、加圧力発生部材48としてコイルばねを
用いた。なお、振動子固定部材42の加圧力発生部材4
8との当接部には、ねじ部材49がねじ止めされてお
り、ねじ部材49のねじ込み深さを調節することによ
り、加圧力発生部材48が発生する加圧力を適宜調節で
きるように構成されている。
【0052】加圧力発生部材48が発生した加圧力によ
り、振動子加圧部材44は振動子31の方向へ付勢され
る。これにより、加圧用突起47a〜47dにより振動
子31は、駆動力取出部37a〜37b’を介して、移
動子32の突起部41a〜41b’と適宜加圧力で加圧
接触する。
【0053】振動子固定部材42は、2本の取付けねじ
42bによってベース基板60に固定される。これによ
り、振動子31及び移動子32は、ベース基板60の表
面から一定距離だけ離れて支持される。
【0054】このように、本実施形態では、振動子支持
部材43及び振動子加圧部材44を備える振動子固定部
材42により、振動子31が支持される。すなわち、本
実施形態の超音波モータ33は、駆動力取出部を有する
振動子31と、駆動力取出部を介して振動子31に加圧
接触することによりこの振動子31との間で直線的な相
対運動を行う移動子32と、振動子31を移動子32に
加圧接触させる振動子固定部材42とを有する。
【0055】なお、本実施形態では、振動子固定部材4
2に中継基板50が固定されている。中継基板50は、
リード線39と、位置決め装置30の駆動制御装置61
に接続されるリード線51とを接続し、駆動制御装置6
1からの駆動信号を圧電体36に入力する。また、この
中継基板50を、例えばガラス、アルミナ、セラミック
又はシリコーン等の熱伝導度が小さい絶縁材料により構
成した場合には、この中継基板50に温度センサ(図示
しない。)を設けて駆動時の振動子31の近辺の環境温
度を検出し、この検出値を駆動制御装置61からの駆動
信号のフィードバック制御因子とすることにより、より
正確な制御を行うことができる。
【0056】〔可動ステージ34〕図1〜図3及び図6
に示すように、本実施形態の位置決め装置30は、可動
ステージ34を有する。
【0057】可動ステージ34は、例えばアルミニウム
合金のような軽金属材料により軽量に構成される。本実
施形態では、この可動ステージ34は、移動子32が固
定される第1の平面である移動子取付面34aと、移動
子取付面34aと略直交する第2の平面である搭載面3
4bとを有し、図3に示すように、L字状に屈曲して形
成される。このため、図3に示すように、相対運動の方
向に対しての垂直な面を断面として見たときの断面二次
モーメントが大きく、摺動面における曲げに対する剛性
が高い。したがって、移動子取付面34aは、振動子3
1が発生する第2の振動である屈曲振動B4による加圧
力を垂直に受けても、変形し難い。
【0058】移動子取付面34aは、図6に示すよう
に、移動子32を装着するための3本の平小ねじ40を
ネジ止めするためのネジ穴以外は何も設けられず、一様
な面とされている。
【0059】一方、搭載面34bは、振動子31及び移
動子32の加圧方向、すなわち屈曲振動B4の振動方向
と平行な方向へ向けて延設されている。この搭載面34
bの下面の略中央部には、4本のねじ52によってガイ
ド53が固定される。ガイド53は、ベース基板60に
相対運動の方向と平行な方向へ向けて敷設されたレール
54に嵌合し、レール54とともにリニアガイド55を
構成する。このため、可動ステージ34は、リニアガイ
ド55により相対運動の方向と平行な方向へ移動自在に
支持される。
【0060】搭載面34bには、光ファイバ56aの切
換端子56が搭載される。この切換端子56は、例えば
樹脂材料により直方体状に形成され、入力側の光ファイ
バ56aの端部を貫通させた状態で固定されて、装着さ
れる。
【0061】本実施形態では、光ファイバ56aとし
て、中心部に設けられた屈折率がn1であるコアと、コ
アの外周に設けられた屈折率がn2 (n2 <n1 )のク
ラッディングと、クラッディングの外周に設けられたコ
アやクラッディングに比較して格段に光吸収の多い材料
からなるジャケットとを有するステップ形光ファイバを
用いた。
【0062】また、ベース基板60に固定された支持台
57に、4本の光ファイバ58aそれぞれの4つの切換
端子58が、光ファイバ56aの切換端子56と同じ設
置高さになるようにして搭載される。各切換端子58
は、いずれも、例えば樹脂材料により直方体状に形成さ
れ、4本の光ファイバ58aの端部をそれぞれ貫通させ
た状態で固定されて、装着される。切換端子58それぞ
れの一つの端面には、各光ファイバ58aの端面が同一
平面をなして、配置される。この光ファイバ58aは、
光ファイバ56aと同様に、ステップ形光ファイバであ
る。
【0063】なお、図1〜図3では、図面を簡略化して
理解を容易にするために、切換端子58が4つ並設され
た場合を示すが、本発明はこれに限られるものではな
く、2つ、3つ又は5つ以上の切換端子が並設された場
合にも、同様に適用される。
【0064】なお、ベース基板60には、透過型のエン
コーダ59の検出部を構成する発光部59a及び受光部
59bが、可動ステージ34の縦フランジ34cに固定
されたスケール部59cを挟んで、対向して配置され
る。このエンコーダ59により、可動ステージ34の現
位置が検出される。検出値は、位置決め装置30の駆動
制御装置61へ出力され、超音波モータ33の駆動が制
御される。
【0065】本実施形態では、可動ステージ34を、移
動子取付面34a及び搭載面34bによりL字状に屈曲
して形成することにより、剛性を高めてある。また、搭
載面34bが移動子取付面34aに対して垂直に張り出
している構造である。このため、搭載面34bに、軽量
化のための切欠き部や中空部を設けても、移動子取付面
34aの曲げ剛性を充分に保つことができ、振動モータ
33のクラッチ機能による衝撃を受けても、移動子取付
面34aが変形することに起因した振動が、搭載面34
bに生じ難い(特に曲げ)構造である。したがって、本
実施形態では、搭載面34bのうちで、切換端子56の
搭載部及びガイド53装着部以外の部分、すなわち、受
光部59bの上方に位置する部分と、発光部59aと支
持台57との間とに、それぞれ中空部34d、切欠き部
34eをそれぞれ設けてある。このため、本実施形態に
よれば、振動モータ33のクラッチ機能に起因した振動
を可動ステージ34に生じることなく、可動ステージ3
4を軽量化することができる。
【0066】なお、本実施形態では、図1〜図3及び図
6に示すように、中空部34d及び切欠き部34eを、
いずれも、リニアガイド55の装着部に関して振動子取
付面34aと反対側に位置する可動ステージ34の平面
に設けてあるため、可動ステージ34の重心位置を、リ
ニアガイド55のレール54の直上に近づけることがで
きる。これにより、停止の直前における可動ステージ3
4に作用するヨー慣性モーメントを低減できる。このた
め、本実施形態によれば、可動ステージ34をその重心
回りに回転する変位を生じることなく停止でき、可動ス
テージ34の位置決め精度を向上できる。
【0067】このように、可動ステージ34は、移動子
32に固定されて振動子31と移動子32との加圧方向
に略平行な方向へ向けて延設されるとともに、リニアガ
イド55により振動子31と移動子32との相対運動の
方向と略平行な方向へ直線的に移動自在に支持される。
【0068】図7は、本実施形態の位置決め装置30の
駆動制御装置61の一例を示すブロック図である。ま
た、図8は、この駆動制御装置61のCPU62のフロ
ーチャートである。
【0069】駆動制御装置61のCPU62は、図8に
おけるステップ(以下、「S」と略記する。)1におい
て上位指令装置63から目標位置、動作条件(加減速度
や最高速度等)の指令を入力される。また、CPU62
は、目標位置とエンコーダ59のカウンタ68からのカ
ウント値との偏差に基づいてディジタル信号を出力す
る。そして、S2に移行する。
【0070】S2において、CPU62は、エンコーダ
59の検出値に基づいて、目標位置と現在位置との差で
ある移動量を算出する。そして、S3に移行する。S3
において、CPU62は、S2において算出した移動量
が、予め定めた所定値(本明細書では「駆動方法切替距
離」という。)よりも大きいか否かを判定する。大きい
場合にはS4に移行し、大きくない場合にはS7に移行
する。
【0071】図9は、この駆動方法切替距離の設定を説
明するためのグラフであり、移動子32に固定された可
動ステージ34を図面左から右へ向けて駆動する場合に
ついて示してある。図9(A)は目標停止位置P0 を通
過して粗動を完了した場合を示し、図9(B)は目標停
止位置P0 の手前で粗動を完了した場合を示す。
【0072】図9(A)及び図9(B)に示すように、
位置決め許容範囲P1 は、目標停止位置P0 を中心とし
て可動ステージ34の移動方向の両側に等距離設定され
る。また、駆動方法切替距離Lは、目標停止位置P0
通過して粗動を完了した場合及び目標停止位置P0 の手
前で粗動を完了した場合のいずれの場合にも、粗動駆動
終了位置の統計的分布に基づいて、適宜設定すればよ
い。
【0073】S4において、CPU62は、振動モータ
33に粗動駆動を行う信号を出力する。これにより、C
PU62は、駆動周波数を初期値f0 (共振周波数より
も高周波側)に設定し、図7におけるD/A変換器64
にディジタル信号を出力する。D/A変換器64は、デ
ィジタル信号をアナログ電圧信号に変換して、VCO6
5に出力する。VCO65は、D/A変換器64から入
力されるアナログ電圧信号の電圧値に対応した二つの周
波信号を発生し、増幅器66A及び移相器67に出力す
る。移相器67は、入力された周波信号の位相を(±π
/2)ずらす。そして、増幅器66AからA相の連続波
を有する第1の駆動信号が入力領域36a、36cの銀
電極38a、38cへ印加され、また、増幅器66Bか
らB相の連続波を有する第1の駆動信号が入力領域36
b、36dの銀電極38b、38dへ印加される。これ
により、振動子31は励振し、駆動力取出部37a〜3
7b’を介して加圧接触する移動子32と、この移動子
32に固定された可動ステージ34とを、ともに直線的
に駆動する。そして、S5に移行する。
【0074】S5において、CPU62は、粗動駆動終
了後に所定の時間だけ待機する信号を出力する。そし
て、S6に移行する。この時間を、本明細書では「位置
検出待ち時間」という。この位置検出待ち時間は、粗動
駆動終了時に移動子32及び可動ステージ34に発生し
た微小な振動が減衰するのに要する時間であり、例えば
1〜5msec程度に設定される。
【0075】S6において、CPU62は、エンコーダ
59の出力値を読み取り、移動子32及び可動ステージ
34の現在位置を検出する。そして、S2に移行する。
一方、S7において、CPU62は、S2において算出
した移動量が予め設定した位置決め許容範囲より大きい
か否かを判定する。大きい場合にはS8へ移行し、大き
くない場合にはそのままで位置決め制御を終了する。
【0076】S8において、振動モータ33に微動駆動
を行う信号を出力する。これにより、CPU62は、駆
動周波数を高周波側に設定し、図7におけるD/A変換
器64にディジタル信号を出力する。D/A変換器64
は、ディジタル信号をアナログ電圧信号に変換して、V
CO65に出力する。VCO65は、D/A変換器64
から入力されるアナログ電圧信号の電圧値に対応した二
種のバースト信号を発生し、増幅器66A及び移相器6
7に出力する。移相器67は、入力された周波信号の位
相を(±π/2)ずらす。そして、増幅器66Aからバ
ースト波形部を間欠的に有するA相の第2の駆動信号が
入力領域36a、36cの銀電極38a、38cへ印加
され、増幅器66Bからバースト波形部を間欠的に有す
るB相の第2の駆動信号が入力領域36b、36dの銀
電極38b、38dへ印加される。これにより、振動子
31は励振し、駆動力取出部37a〜37b’を介して
加圧接触する移動子32と、この移動子32に固定され
た可動ステージ34とを、ともに微小駆動する。この微
小駆動における移動量は、駆動信号のオン−オフ時間長
さか、あるいはバースト波形部の駆動周波数を制御する
ことにより制御される。そして、S9に移行する。
【0077】S9において、CPU62は、微動駆動終
了後に所定の時間だけ待機する信号を出力する。そし
て、S10に移行する。この時間を、本明細書では「位
置検出待ち時間」という。この位置検出待ち時間は、微
動駆動終了時に移動子32及び可動ステージ34に発生
した微小な振動が減衰するのに要する時間であり、例え
ば1〜5msec程度に設定される。
【0078】S10において、CPU62は、エンコー
ダ59の出力値を読み取り、可動ステージ34の現在位
置を検出する。そして、S2に移行する。このようにし
て、CPU62は、S3の条件及びS7の条件がいずれ
も満足されなくなった時に、位置決め制御を終了する。
【0079】この本実施形態の位置決め装置30によれ
ば、以下に列記する効果が奏せられる。 (1)可動ステージ34を、振動子31と移動子32と
の加圧方向に略平行な方向へ向けて延設された状態で移
動子32に固定したため、振動子固定部材42、振動子
31、移動子32及び可動ステージ34をいずれもこの
方向について並設して配置できる。このため、ベース基
板60に直交する方向に関する位置決め装置30の寸法
をできるだけ抑制できる。このため、小型であることか
ら小さな設置スペースにも設置することができる位置決
め装置30を提供できる。
【0080】(2)移動子32のうちの駆動力取出部3
7a〜37b’との非接触部41cの厚さを、駆動力取
出部37a〜37b’との接触部41a〜41b’の厚
さよりも小さくしたため、移動子32を軽量化できる。
また、可動ステージ34に、中空部34d及び切欠き部
34eを形成したため、可動ステージ34を軽量化でき
る。したがって、これらの相乗的効果により、移動子3
2及び可動ステージ34をともに軽量化でき、可動ステ
ージ34の整定時間を短縮化することができる。
【0081】(3)移動子32のうちの駆動力取出部3
7a〜37b’との非接触部41cの厚さを、駆動力取
出部37a〜37b’との接触部41a〜41b’の厚
さよりも小さくしたため、突起部41a〜41b’への
ラップ加工の加工時間を低減できる。
【0082】(4)移動子32のうちの駆動力取出部3
7a〜37b’との非接触部41cの厚さを、駆動力取
出部37a〜37b’との接触部41a〜41b’の厚
さよりも小さくしたため、振動子31が発生した振動に
起因して可動ステージ34が振動することを抑制でき
る。また、可動ステージ34に、移動子32に固定され
る振動子取付け面34aと搭載面34bとを設けたた
め、搭載面34bに中空部34d及び切欠き部34eを
形成しても、振動子31が発生した振動に起因して可動
ステージ34が振動することを抑制できる。さらに、中
空部34d及び切欠き部34eを、いずれも、リニアガ
イド55の装着部に関して振動子取付面34aと反対側
に位置する可動ステージ34の平面に設けることによ
り、可動ステージ34をその重心回りに回転する変位を
生じることなく停止できる。したがって、これらの相乗
的効果により、可動ステージ34の位置決め精度を向上
できる。
【0083】(5)第1の駆動信号による粗動駆動の終
了後に所定の位置検出待ち時間を設けて待機するため、
粗動駆動終了時に移動子32に発生した微小な振動が充
分に減衰した後に、移動子32の位置を正確に検出して
第2の駆動信号の駆動条件を設定することができる。
【0084】このため、目標停止位置までの距離の演算
値に、移動子32に発生した微小な振動に起因した誤差
が含まれなくなり、この誤差に起因した停止位置ずれが
発生しない。これにより、移動子32を±1μm程度の
高い停止位置精度で目標停止位置に確実に停止させるこ
とができる。
【0085】(6)第1の駆動信号を入力することによ
り得られる粗動駆動も用いて超音波モータ33を停止さ
せるため、停止時間の増加をできるだけ抑制することが
できる。このため、本実施形態の位置決め装置30の整
定時間を短縮できる。
【0086】(変形形態)実施形態の説明では、振動モ
ータが超音波モータである場合を例にとった。しかし、
本発明は超音波モータには限定されず、超音波以外の他
の振動域を利用した振動モータについても、等しく適用
される。
【0087】また、実施形態の説明では、本発明にかか
る位置決め装置を光ファイバの切換装置に適用した場合
を例にとった。しかし、本発明は光ファイバの切換装置
には限定されず、各種の位置決め装置についても等しく
適用される。
【0088】また、実施形態の説明では、振動子と移動
子との間で発生する相対運動の方向と略平行な方向へ振
動する第1の振動である1次の縦振動と、振動子と移動
子との加圧方向と略平行な方向へ振動する第2の振動で
ある4次の屈曲振動とを励振する異形モード縮退型の振
動子を用いた場合を例にとった。しかし、本発明で用い
る振動子は縦振動及び屈曲振動それぞれの振動の次数に
は限定されない。例えば、1次の縦振動と2次の屈曲振
動とを励振する振動子や、1次の縦振動と6次の屈曲振
動とを励振する振動子、さらには3次の縦振動と8次の
屈曲振動とを励振する振動子等も、同様に用いることが
できる。
【0089】また、本発明で用いる振動子は、縦振動及
び屈曲振動の組合せにも限定されず、この組合せ以外の
異形モード縮退型の振動子や、同形モード縮退型の振動
子であっても、同様に適用することができる。
【0090】また、実施形態の説明では、振動子が圧電
体を備える場合を例にとった。しかし、本発明は圧電体
には限定されず、例えば電歪素子等の電気エネルギ及び
機械エネルギの相互変換素子であれば、等しく適用する
ことができる。
【0091】また、実施形態の説明では、振動子が4つ
の駆動力取出部を有する場合を例にとった。しかし、本
発明はこの形態には限定されず、例えば、弾性体の幅方
向に2つの駆動力取出部が相対運動方向に関して所定距
離だけ離れて設けられた場合であっても、等しく適用さ
れる。この場合、移動子の駆動力取出部との接触部は矩
形の平面形状を呈することから、移動子の振動子との当
接面には、各実施形態のような十字型の溝は形成され
ず、矩形平面形状の溝部が相対運動の方向の略中心部に
形成される。
【0092】また、実施形態の説明では、移動ステージ
に切欠き部及び中空部がともに形成された場合を例にと
った。しかし、本発明はこの形態には限定されず、切欠
き部及び中空部の一方が形成されていてもよい。
【0093】また、実施形態の説明では、振動子を固定
配置し、相対運動部材を可動ステージに設けた場合を例
にとったが、本発明はこの形態には限定されず、例え
ば、相対運動部材を固定配置し、振動子を可動ステージ
に設けてもよい。
【0094】さらに、各実施形態は、本発明を具現化し
た一例を示したものであり、本発明の作用効果を奏する
範囲で様々な変形が可能である。
【0095】
【発明の効果】本発明により、第1の駆動信号の入力が
遮断されて一旦停止した振動子又は相対運動部材に発生
する微小な振動に起因した停止位置ずれを解消し、高い
停止位置精度で目標停止位置に停止することができる振
動モータと、この振動モータを用いた位置決め装置と、
この振動モータの駆動方法とをいずれも提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の位置決め装置を、一部が透視される
とともに簡略化された状態で示す斜視図である。
【図2】図1におけるA矢視図である。
【図3】図1におけるB矢視図である。
【図4】実施形態における振動子及び移動子それぞれの
構成を示す斜視図である。
【図5】実施形態における振動子の説明図であり、図5
(A)は上面図、図5(B)は側面図、図5(C)は振
動子に発生する二つの異なる振動L1及びB4それぞれ
の波形例を示す説明図である。
【図6】実施形態における移動子及び可動ステージを抽
出して示す斜視図である。
【図7】実施形態の位置決め装置の駆動制御装置の一例
を示すブロック図である。
【図8】実施形態の駆動制御装置のCPUのフローチャ
ートである。
【図9】駆動方法切替距離の設定を説明するためのグラ
フであり、図9(A)は目標停止位置を通過して粗動を
完了した場合を示し、図9(B)は目標停止位置の手前
で粗動を完了した場合を示す。
【符号の説明】
30 位置決め装置 31 振動子 32 移動子 33 振動モータ 34 可動ステージ 59 エンコーダ 61 駆動制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H303 AA05 BB01 BB06 BB11 CC01 DD14 EE03 EE07 FF09 HH01 KK35 5H680 AA07 BB13 BC10 CC02 DD01 DD15 DD23 DD53 DD55 DD65 DD72 DD82 DD83 DD92 EE10 EE22 FF02 FF08 FF27 FF33 FF36 GG02 GG23 GG27

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動子と、 該振動子に加圧接触して相対運動を発生する相対運動部
    材と、 前記振動子又は前記相対運動部材の位置検出手段と、 前記振動子又は前記相対運動部材の目標停止位置までの
    移動距離が予め定めた所定値よりも大きい場合には前記
    振動子に第1の駆動信号を入力し、前記移動距離が前記
    所定値以下である場合には前記振動子に第2の駆動信号
    を入力するとともに、前記第1の駆動信号の入力が停止
    された時から所定の時間が経過した時における前記位置
    検出手段の検出値に基づいて前記第2の駆動信号を設定
    する駆動制御装置とを備えることを特徴とする振動モー
    タ。
  2. 【請求項2】 前記第1の駆動信号は、連続波を有する
    駆動信号であるとともに、前記第2の駆動信号は、バー
    スト波形部を間欠的に有する駆動信号であることを特徴
    とする請求項1に記載された振動モータ。
  3. 【請求項3】 前記第2の駆動信号の間欠周波数は、該
    第2の駆動信号を入力することにより得られる前記相対
    運動の量の最小値が、前記目標停止位置から所定距離離
    れた範囲に設定される位置決め許容範囲の長さ以下とな
    るように、設定されることを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載された振動モータ。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
    項に記載された振動モータと、 該振動モータにより駆動される可動ステージとを備える
    ことを特徴とする位置決め装置。
  5. 【請求項5】 振動子又は該振動子に加圧接触して相対
    運動を発生する相対運動部材の目標停止位置までの移動
    距離が予め定めた所定値よりも大きい場合には前記振動
    子に第1の駆動信号を入力し、前記移動距離が前記所定
    値以下である場合には前記振動子に第2の駆動信号を入
    力するとともに、前記第1の駆動信号の入力が停止され
    た時から所定の時間が経過した時に、前記振動子又は前
    記相対運動部材の位置を検出し、この検出値に基づいて
    前記第2の駆動信号を設定することを特徴とする振動モ
    ータの制御方法。
JP2000080748A 2000-03-22 2000-03-22 振動モータ、位置決め装置及び振動モータの制御方法 Pending JP2001265442A (ja)

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