JP2001235692A - 位置決め装置 - Google Patents

位置決め装置

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JP2001235692A
JP2001235692A JP2000047876A JP2000047876A JP2001235692A JP 2001235692 A JP2001235692 A JP 2001235692A JP 2000047876 A JP2000047876 A JP 2000047876A JP 2000047876 A JP2000047876 A JP 2000047876A JP 2001235692 A JP2001235692 A JP 2001235692A
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vibrator
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stage
movable
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JP2000047876A
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Takatoshi Ashizawa
隆利 芦沢
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば−20℃〜+60℃といった広範な温
度条件下で使用しても、±1μm程度の高い位置合わせ
精度で軸芯合わせを行うことができる位置決め装置が存
在しない。 【解決手段】 ベース部材60と、案内部材55と、可
動ステージ34と、固定ステージ57と、移動子32及
び振動子31を有する振動モータ33とを有する位置決
め装置30である。可動ステージ34により移動される
位置決め対象物56と、可動ステージ34の位置を検出
するためのゲージ59cとの間隔の変化と、ベース部材
60に固定された固定ステージ57と位置検出部59の
間隔の変化とが、相殺するようにしたことで、熱膨張又
は熱収縮による位置ずれを防止し、±1μm程度の高い
位置合わせ精度を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位置決め装置に関
する。具体的には、本発明は、例えば光ファイバ等の情
報伝送路の切換装置に適用するのに好適な、±1μm程
度の停止位置精度を有する位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、光ファイバや電気的な信号線さ
らには磁気的な信号線等といった各種の情報伝送路を切
り替えるために、情報伝送路切換装置が用いられる。こ
の情報伝送路切換装置は、一般的に、入力側の情報伝送
路及び出力側の情報伝送路それぞれの端部に設けられた
切換端子同士を、所定距離だけ離して互いに対向配置さ
せること(以下、本明細書では「軸芯合わせ」とい
う。)により、入力側の情報伝送路から出力側の情報伝
送路への情報の伝送を行う。従来、この情報伝送路切換
装置において切換端子を駆動させるための切換端子駆動
機構には、電気的なステップモータや、サーボモータと
リニアステージとの組合せ、さらには電磁石とリニアス
テージとの組合せ等が、用いられてきた。
【0003】しかし、これらの切換端子駆動機構に用い
られる電気的なステップモータ等の開発は既に尽くされ
た感があり、その寸法や重量の点でよりいっそうの小型
化や軽量化を図ることは難しかった。このため、情報伝
送路切換装置の全体の小型化や軽量化も、殆ど限界に達
していた。
【0004】そこで、特開平6−34897号公報に
は、切換端子駆動機構に超音波モータを用いることが提
案されている。図7は、この公報により開示された情報
伝送路切換装置1の構成を示す説明図であって、図7
(A)は全体の構成を示す斜視図、図7(B)は図7
(A)における出力側ホルダ5を抽出して示す斜視図、
図7(C)は出力側ホルダ5の内部を走行する端末部品
8を示す説明図である。
【0005】図7(A)に示すように、この情報伝送路
切換装置1は、入力側の情報伝送路2を支持する入力側
ホルダ3と、出力側の情報伝送路4を支持する出力側ホ
ルダ5と、入力側の情報伝送路2及び出力側の情報伝送
路4それぞれの先端に設けられた切換端子同士(図示し
ない。)の軸芯合わせを行う位置合わせ装置6とを有す
る。入力側ホルダ3及び出力側ホルダ5それぞれの内部
には、図7(A)及び図7(B)に示すように、情報伝
送路2、4の延設方向へ向けて開口した複数の移動スペ
ース7が設けられる。図7(C)に示すように、各移動
スペース7の内部には、超音波振動を発生する圧電セラ
ミックス9a〜9dが四隅に配置された直方体型の端末
部品8が移動スペース7の内面に加圧接触した状態で配
置される。そして、端部から離れた中間部を端末部品8
によって支持された情報伝送路2、4が各移動スペース
7を貫通する。
【0006】各圧電セラミックス9a〜9dは、適当な
駆動信号を入力されることにより、超音波振動を発生す
る。これにより、端末部品8は、情報伝送路2、4の中
間点を支持しながら、図7(A)における両矢印方向へ
移動する。端末部品8の移動に伴って、情報伝送路2、
4の先端に設けられた切換端子も移動する。そして、情
報伝送路2、4の先端に設けられた切換端子同士の軸芯
合わせが、位置合わせ装置6の内部で行われる。この軸
芯合わせにより、情報伝送路2の切換端子と、情報伝送
路4の切換端子とは、±1μm程度の位置合わせ誤差の
範囲内で対向配置される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この情報伝送路切換装
置1では、入力側の情報伝送路2および出力側の情報伝
送路4それぞれの中間点を、端末部品8により支持す
る。しかし、各情報伝送路2、4は一般的に可撓性を有
するため、情報伝送路2、4の中間点から各切換端子が
装着される情報伝送路2、4の端部までの間で情報伝送
路2、4が屈曲変形してしまう。このため、この情報伝
送路切換装置1では、切換端子同士を±1μm程度の位
置合わせ誤差の範囲内で対向配置させるためには、位置
合わせ装置6は不可欠であった。
【0008】また、停止時に、端末部品8自体は所定の
位置で確かに停止するものの、各切換端子は、いずれ
も、端末部品8により支持される中間点から離れている
ため、位置合わせ装置6の内部において切換端子を支持
する部材(図示しない。)にブレーキ機構を設けて、所
定の位置で正確に停止させる必要もあった。
【0009】このように、図7に示す従来の情報伝送路
切換装置1は、停止時にはその位置で保持される自己保
持性や高精度の位置決め性を有する超音波モータを用い
ているにもかかわらず、切換端子の位置合わせ装置6が
不可欠であったり、切換端子を支持する部材にブレーキ
機構を設ける必要があった。このため、この超音波モー
タを用いた情報伝送路切換装置1には、よりいっそうの
小型化や軽量化を図る余地があった。
【0010】そこで、本出願人は、先に特願平11−2
03369号により、超音波モータを用いた情報伝送路
切換装置を提案した。図8は、この提案にかかる情報伝
送路切換装置10の構成例を、一部破断した状態で示す
斜視図である。
【0011】この情報伝送路切換装置10は、入力側の
情報伝送路11aの端部に設けられる切換端子11と、
出力側の情報伝送路12aの端部に設けられる切換端子
12と、切換端子11を支持しながら、これらを略平行
に相対移動させ、情報伝送時には切換端子11および切
換端子12を対向配置させる超音波モータ13を用いた
切換端子駆動機構14とを備える。
【0012】この超音波モータ13は、収容枠15aお
よび基板15bを有するベース部材15と、コイルスプ
リング16および振動子支持部材17を有し収容枠15
aによって支持される加圧支持機構18と、矩形平板状
の弾性体19a及び圧電素子19bを有して1次の縦振
動及び4次の屈曲振動を励振する振動子19と、振動子
19との間で相対運動を発生する移動子(相対運動部
材)20と、レール部材21a及びガイド部材21bを
有して移動子20を直線的に移動自在に支持するリニア
ガイド21とを備える。切換端子11は移動子20に固
定されるとともに、切換端子12は基板15bに固定さ
れる。なお、この振動子19は、例えば「第5回電磁力
関連のダイナミックスシンポジウム講演論文集」の39
3頁等により開示された、いわゆる異形モード縮退型の
振動子である。
【0013】この情報伝送路切換装置10は、超音波モ
ータ13の構成要素である移動子20及び基板15bそ
れぞれに切換端子11及び12をいずれも直接固定する
ため、切換端子11、12の専用の位置合わせ機構やブ
レーキ機構を設ける必要がない。このため、図7に示す
情報伝送路切換装置1よりも、充分に小型化や軽量化を
図ることができる。また、この情報伝送路切換装置10
は、超音波モータ13が優れた起動停止特性を有するこ
とから、電磁モータを用いた情報伝送路切換装置より
も、整定時間が短縮化されることも期待される。
【0014】この情報伝送路切換装置10では、切換端
子11を切換端子12に位置的に正確に一致させるため
に、移動子20が切換端子11を支持する位置とは異な
る位置に、例えばエンコーダのゲージ及びこのゲージの
指示値を読取る位置検出装置(いずれも図示しない。)
を設け、位置検出装置による位置情報に基づいて超音波
モータ13の駆動を制御する。
【0015】ところで、この種の情報伝送路切換装置
は、これまで、常温(例えば20℃)±1℃といった、
温度条件が略一定した環境での使用を前提として、開発
されてきた。しかしながら、近年、例えば−20℃〜+
60℃といったより広範な温度条件下で使用することが
要請されるようになってきた。
【0016】しかしながら、図8に示す情報伝送路切換
装置10をこのような広範な温度条件下で使用すると、
環境温度の変化により切換端子11とゲージとの間の距
離が変化してしまう。このため、位置検出装置により得
られる位置情報が、真の位置からずれてしまい、切換端
子11、12同士を、±1μm程度の位置合わせ誤差の
範囲内で対向配置させることができないおそれがあるこ
とが、判明した。
【0017】本発明の目的は、例えば−20℃〜+60
℃といった広範な温度条件下で使用しても、±1μm程
度の高い位置合わせ精度で軸芯合わせを行うことができ
る位置決め装置、特に、例えば超音波モータ等の振動モ
ータを用いた位置決め装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、移
動する位置決め対象体とこの位置決め対象体の位置を検
出するためのゲージとが互いに離れた位置に設けられる
可動ステージと、この可動ステージが移動することによ
って位置決め対象体と位置的にほぼ一致させられる被対
象物が設けられる固定ステージと、ゲージを読み取り、
位置決め対象体の位置を検出する位置検出手段と、固定
ステージ及び位置検出手段をそれぞれ離れた位置に固定
するベース部材とを備え、可動ステージ及びベース部材
に温度変化が生じても、可動ステージに設けられた位置
決め対象体とゲージとの間隔の変化と、ベース部材に設
けられた位置検出手段と固定ステージとの間隔の変化と
が相殺されるようにしたことを特徴とする位置決め装置
を提供する。
【0019】請求項2の発明は、請求項1に記載された
位置決め装置において、可動ステージとベース部材と
が、互いに熱膨張係数が略同じである材料により構成さ
れることを特徴とする。
【0020】請求項3の発明は、請求項1に記載された
位置決め装置において、さらに、温度検出手段と、可動
ステージの位置決め制御を行う制御手段とを備え、温度
検出手段から得られた信号を基に、制御手段が前記可動
ステージの移動距離を補正することを特徴とする。
【0021】請求項4の発明は、請求項1から請求項3
までのいずれか1項に記載された位置決め装置におい
て、さらに、可動ステージを駆動する振動モータを備
え、振動モータの非駆動時には、可動ステージの移動方
向に関して、振動モータの振動子の中心位置が、ゲージ
の中心位置と略一致することを特徴とする。
【0022】請求項5の発明は、請求項1から請求項4
までのいずれか1項に記載された位置決め装置におい
て、固定ステージ及びベース部材が、互いに熱膨張係数
が略同じである材料により構成されることを特徴とす
る。
【0023】さらに、請求項6の発明は、請求項1から
請求項5までのいずれか1項に記載された位置決め装置
において、可動ステージが、ベース部材に設けられた案
内部材により支持され、案内部材及びベース部材が、互
いに熱膨張係数が略同じである材料により構成されるこ
とを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
かかる位置決め装置の実施の形態を、添付図面を参照し
ながら詳細に説明する。なお、以降の実施の形態の説明
では、駆動源として、振動モータの一種である超音波の
振動域を利用した超音波モータを用いるとともに、本発
明にかかる位置決め装置を、光ファイバの切換装置に適
用した場合を例にとる。
【0025】図1は、本実施形態の位置決め装置30
を、一部が透視されるとともに簡略化された状態で示す
斜視図である。また、図2は図1におけるA矢視図であ
り、図3は図1におけるB矢視図である。
【0026】図1〜図3にそれぞれ示すように、本実施
形態の位置決め装置30は、超音波モータ33と、可動
ステージ34と、案内部材55と、固定ステージ57
と、位置検出装置59と、ベース部材60とを有する。
以下、本実施形態の位置決め装置30のこれらの構成要
素について、順次説明する。
【0027】〔超音波モータ33〕超音波モータ33
は、振動子31、相対運動部材である移動子32及び振
動子固定部材42を有する。以下、これらについて順次
説明する。
【0028】(i)振動子31 図4は、本実施形態における振動子31及び移動子32
それぞれの構成を示す斜視図である。また、図5は、振
動子31の説明図であり、図5(A)は上面図、図5
(B)は側面図、図5(C)は振動子31に発生する二
つの異なる振動L1及びB4それぞれの波形例を示す説
明図である。
【0029】図1〜図5にそれぞれ示すように、本実施
形態で用いる振動子31は、弾性体35と、弾性体35
の一方の平面に装着された圧電体36とを備える。
【0030】弾性体35は、本実施形態では共振先鋭度
が大きなSUS304により、矩形平板状に形成され
る。また、弾性体35の各部の寸法は、発生する1次の
縦振動L1及び4次の屈曲振動B4それぞれの固有振動
数fL1、f B4が略一致するように、設定される。
【0031】弾性体35の一方の平面には、圧電体36
が例えば接着により装着される。また、弾性体35の他
方の平面には、弾性体35の幅方向に2本の溝部が相対
運動方向(図2、図4及び図5それぞれにおける左右方
向)に関して所定距離だけ離れて設けられる。これらの
溝部に、横断面形状が矩形である各棒型の、高分子材等
を主成分とした摺動部材が嵌め込まれて装着され、突起
状に突出して装着される。高分子材としては、PTF
E、ポリイミド樹脂、ポリアセタール、PPSさらには
PEEK等の高分子材料が例示される。
【0032】そして、この摺動部材が駆動力取出部37
a、37bとして機能する。したがって、弾性体35は
これら摺動部材からなる駆動力取出部37a、37bを
介して移動子32に加圧接触する。
【0033】また、図3に示すように、各駆動力取出部
37a、37bは、いずれも、振動子31の幅方向に二
つに分割され、分割されたそれぞれの駆動力取出部37
a、37a’、37b、37b’が振動子31の幅方向
の端部側に配置される。このように、本実施形態では、
各駆動力取出部37a、37bは、それぞれが2個の摺
動材により構成される。
【0034】これらの駆動力取出部37a、37bは、
図5(B)及び図5(C)に示すように、弾性体35に
発生する4次の屈曲振動B4の4つの腹位置l1 〜l4
のうちの外側に位置する二つの腹位置l1 、l4 に一致
する位置にそれぞれ設けられる。なお、駆動力取出部3
7a、37bは、屈曲振動B4の二つの腹位置l1 、l
4 に正確に一致する位置に設けられる必要はなく、これ
らの腹位置l1 、l4の近傍に設けられていてもよい。
【0035】圧電体36は、本実施形態ではPZT(チ
タンジルコン酸鉛)からなる一枚の薄板状の圧電素子に
より構成される。この圧電体36には、図4及び図5に
示すように、A相の駆動信号VA が入力される入力領域
36a、36cと、A相の駆動信号とは位相が約(π/
2)ずれたB相の駆動信号VB が入力される入力領域3
6b、36dとが形成される。各入力領域36a〜36
dは、いずれも、図5(A)〜図5(C)に示すよう
に、弾性体35に発生する屈曲振動B4の5つの節位置
1 〜n5 により区画された4つの領域に連続して形成
される。すなわち、駆動信号の入力により変形する各入
力領域36a〜36dが、いずれも、不動点である節位
置n1 〜n5 を跨がない。そのため、入力領域36a〜
36dの変形が節位置n1 〜n5 によって抑制されるこ
とがない。これにより、各入力領域36a〜36dに入
力された電気エネルギを最大の効率で弾性体35の変
形、すなわち機械エネルギへ変換することができる。
【0036】また、屈曲振動B4の節位置n2 、n4
は、振動子31が発生する縦振動L1により電気エネル
ギを出力する検出領域36p、36p’が設けられる。
これにより、振動子31が発生する縦振動L1の振動状
態がモニタされる。
【0037】そして、図4、図5(A)及び図5(B)
に示すように、各入力領域36a〜36dと各検出領域
36p、36p’とは、それぞれの表面を、銀電極38
a〜38d、38p、38p’により覆われる。これに
より、各入力領域36a〜36dへ独立して駆動信号を
入力したり、各検出領域36p、36p’から独立して
検出信号を出力することができる。なお、図面を簡略化
して理解を容易にするため、図1〜図3では、いずれ
も、銀電極38a〜38d、38p、38p’は省略し
てある。
【0038】各銀電極38a〜38dには、電気エネル
ギの授受を行うためのリード線39a〜39dが半田付
けされて接続され、また、銀電極38p、38p’に
は、同じくリード線(図示しない。)が半田付けされて
接続されている。
【0039】なお、本実施形態では、図5(A)に示す
ように、振動子31はその平面の中央部を中心として点
対称となるように、形成される。これにより、各駆動力
取出部37a、37a’、37b、37b’に発生する
楕円運動を略同じ形状とすることができ、相対運動方向
の反転に伴う駆動差が殆ど解消される。
【0040】図6を参照しながら後述するように、位置
決め装置30の駆動制御装置61から、圧電体36の入
力領域36a、36cには、縦振動L1及び屈曲振動B
4それぞれの固有振動数にほぼ一致した周波数を有する
A相の駆動信号VA が入力される。また、入力領域36
b、36dには、A相の駆動信号とは(π/2)の位相
差を有するB相の駆動信号VB が入力される。すると、
図5(C)に示すように、弾性体35には、相対運動方
向(図5における左右方向)へ振動する第1の振動であ
る1次の縦振動L1と、この相対運動方向に直交する上
下方向、すなわち振動子31と移動子32との加圧方向
に平行な方向へ振動する第2の振動である4次の屈曲振
動B4とが同時に発生する。
【0041】発生した縦振動L1と屈曲振動B4とは合
成されて、駆動力取出部37a、37a’と駆動力取出
部37b、37b’とには、図5(B)に例示するよう
に、互いの位相がπずれた楕円運動がそれぞれ発生す
る。これにより、振動子31は加圧接触する移動子32
との間で、縦振動L1の振動方向への相対的な直線運動
を発生する。なお、相対運動方向を逆向きにするには、
B相の駆動信号が、A相の駆動信号に対して(−π/
2)の位相差を有するように設定すればよい。
【0042】このように、本実施形態の振動子31は、
相対運動の方向へ振動する第1の振動である縦振動L1
と、この第1の振動の振動方向と直交する方向へ振動す
る第2の振動である屈曲振動B4とを励振することによ
り、移動子32との間で直線的な相対運動を発生する、
いわゆる異形モード縮退型の振動子である。
【0043】(ii)移動子32 図1〜図5にそれぞれ示すように、本実施形態では、振
動子31との間で相対運動を行う相対運動部材として、
移動子32を用いる。
【0044】移動子32は、本実施形態ではSUS41
0からなっており、可動ステージ34の移動子取付面3
4aに3本の平小ねじ40により固定される。
【0045】本実施形態では、図1〜図4に示すよう
に、移動子32の振動子31との当接面のうちで、駆動
力取出部37a、37a’及び駆動力取出部37b、3
7b’のいずれにも接触しない十字型の非接触部41c
は、駆動力取出部37a、37a’及び駆動力取出部3
7b、37b’のいずれかに接触する接触部41a、4
1a’、41b、41b’よりも、肉薄に形成されてい
る。これにより、移動子32の振動子31との当接面
は、図1〜図4に示すように、十字型の溝状に形成され
る。すなわち、移動子32の振動子31との当接面の四
隅部には、突起部41a〜41b’がそれぞれ形成され
る。なお、本実施形態では、後述するように、移動子3
2の振動子31との当接面に十字型の溝を形成しても、
移動子32は、L型の断面形状を有したことから充分な
曲げ剛性を有する可動ステージ34の移動子取付面34
aに装着されているため、移動子32には曲げ変形に伴
った屈曲振動は発生しない。
【0046】移動子32は、図1〜図3を参照しながら
後述するように、振動子固定部材42により加圧支持さ
れた振動子31の駆動力取出部37a、37a’と駆動
力取出部37b、37b’とに、突起部41a〜41
b’を介して適当な加圧力で加圧接触して配置される。
【0047】これにより、振動子31を起動すると、移
動子32は、駆動力取出部37a、37a’と駆動力取
出部37b、37b’とに互いの位相がπだけずれてそ
れぞれ発生した楕円運動によって、突起部41a〜41
b’を介して駆動される。このため、移動子32は、後
述するベース基板60上に固定されたリニアガイド55
によって直線的に案内される可動ステージ34ととも
に、直線的に駆動される。このように、本実施形態で
は、固定配置された振動子31によって移動子32が直
線的に駆動される。
【0048】本実施形態では、移動子32の振動子31
との当接面に十字型の溝が形成されることにより、位置
決め装置30の移動系の一部をなす移動子32の軽量化
が図られている。これにより、移動子32とともに移動
する可動ステージ34の整定時間が短縮化される。
【0049】また、移動子32の駆動力取出部37との
接触面に、駆動力取出部37との接触状態を良好にする
ためにラップ加工による鏡面仕上を施す場合、本実施形
態では、突起部41a〜41b’の底面だけにこのラッ
プ加工を施せばよい。このため、ラップ加工の面積が低
減され、ラップ加工による鏡面仕上の加工時間を短縮化
することができる。
【0050】さらに、突起部41a〜41b’それぞれ
は、いずれも振動子31よりも相当質量が小さいため、
これら突起部41a〜41b’それぞれの固有振動数
は、振動子31の超音波の振動数(例えば50kHZ程
度)よりも高くなる。このため、振動子31が発生する
振動が駆動力取出部37a、37a’及び駆動力取出部
37b、37b’を介して突起部41a〜41b’に伝
播されても、突起部41a〜41b’はいずれも振動し
難くなる。このため、振動子31が発生した振動により
可動ステージ34が振動することも、抑制される。この
ため、可動ステージ34の振動が抑制され、可動ステー
ジ34を高精度で位置決めすることができる。
【0051】(iii)振動子固定部材42 図1〜図3に示すように、本実施形態の超音波モータ3
0は、振動子固定部材42を有する。振動子固定部材4
2は、L型の水平断面形状を有するブロック体であり、
本実施形態ではSUS410からなる。この振動子固定
部材42は、振動子支持部材43と振動子加圧部材44
とを備える。
【0052】図1〜図3に示すように、振動子支持部材
43は、本実施形態ではSUS410からなる薄板状部
材であり、板厚の小さな屈曲部43aと、板厚が大きな
支持部43bとを有する。屈曲部43aの一方の端部に
は二つの貫通孔が設けられており、振動子支持部材43
は、これらの貫通孔をそれぞれ貫通する固定ねじ43c
によって、振動子固定部材42の端面に固定される。
【0053】また、支持部43bの振動子11側の平面
には、SUS410からなる二つの支持ピン45a、4
5bが、例えば接着や溶接等の適宜手段により固定され
る。そして、支持ピン45a、45bは、振動子11の
両側面の長手方向の略中央部に形成された半円状の二つ
の切欠き部31a、31b(図5(A)参照。)に嵌め
込まれて、例えば接着や溶接等の適宜手段により固定さ
れる。
【0054】なお、振動子31の一方の平面に装着され
た圧電体36と支持部43bとの間には、例えばプラス
チック等からなる絶縁部材46が挟まれた状態で配置さ
れており、入力領域36b及び36cの短絡が防止され
る。
【0055】振動子31は、振動子支持部材43によっ
て、相対運動の方向(図2における左右方向)について
拘束されるとともに、屈曲部43aが円弧状に屈曲変位
することにより加圧方向(図2における上下方向)へ略
直線的に微小に変位できるように、支持される。
【0056】一方、図1〜図3に示すように、振動子加
圧部材44は、本実施形態ではSUS410からなり、
四隅部に加圧用突起47a〜47dを有する板材であ
る。加圧用突起47a〜47dを振動子加圧部材44の
四隅部に配置したのは、電極38a〜38d、38p、
38p’とリード線39a〜39dとの半田付けの盛り
上がり部との干渉を防止するためである。加圧用突起4
7a及び47cは、振動子31に発生する屈曲振動B4
の節位置n2 の位置と一致する位置に、また、加圧用突
起47b及び47dは、振動子31に発生する屈曲振動
B4の節位置n4の位置と一致する位置に、それぞれ設
けられて、振動子31に当接する。つまり、加圧用突起
47a〜47dは、いずれも、屈曲振動B4の節位置n
2 、n4 を跨ぐ位置に形成されている。
【0057】また、振動子支持部材43の屈曲部43a
には貫通孔43dが設けられており、振動子加圧部材4
4の加圧用突起47b及び47dは、いずれも、この貫
通孔43dを貫通して振動子31に装着された圧電体3
6に当接する。これにより、振動子支持部材43と、振
動子加圧部材44との接触が防止される。
【0058】図2に示すように、振動子固定部材42の
振動子加圧部材44側の平面の略中央部に設けられた収
容孔42aには、加圧力発生部材48が装着される。本
実施形態では、加圧力発生部材48としてコイルばねを
用いた。なお、振動子固定部材42の加圧力発生部材4
8との当接部には、ねじ部材49がねじ止めされてお
り、ねじ部材49のねじ込み深さを調節することによ
り、加圧力発生部材48は発生する加圧力を適宜調節で
きるように構成されている。
【0059】加圧力発生部材48が発生した加圧力によ
り、振動子加圧部材44は振動子31の方向へ付勢され
る。これにより、加圧用突起47a〜47dにより振動
子31は、駆動力取出部37a〜37b’を介して、移
動子32の突起部41a〜41b’と適宜加圧力で加圧
接触する。
【0060】振動子固定部材42は、2本の取付けねじ
42bによってベース基板60に固定される。これによ
り、振動子31は、ベース基板60の表面から一定距離
だけ離れて支持される。
【0061】このように、本実施形態では、振動子支持
部材43及び振動子加圧部材44を備える振動子固定部
材42により、振動子31が支持される。
【0062】すなわち、本実施形態の超音波モータ33
は、駆動力取出部を有する振動子31と、駆動力取出部
を介して振動子31に加圧接触することによりこの振動
子31との間で直線的な相対運動を行う移動子32と、
振動子31を移動子32に加圧接触させる振動子固定部
材42とを有する。
【0063】なお、本実施形態では、振動子固定部材4
2に中継基板50が固定されている。中継基板50は、
リード線39と、位置決め装置30の駆動制御装置61
に接続されるリード線51とを接続し、駆動制御装置6
1からの駆動信号を圧電体36に入力する。また、この
中継基板50を、例えばガラス、アルミナ、セラミック
又はシリコーン等の熱伝導度が小さい絶縁材料により構
成した場合には、この中継基板50に温度センサ(図示
しない。)を設けて駆動時の振動子31の近辺の環境温
度を検出し、この検出値を駆動制御装置61からの駆動
信号のフィードバック制御因子とすることにより、より
正確な制御を行うことができる。
【0064】〔可動ステージ34〕図1〜図3に示すよ
うに、本実施形態の位置決め装置30は、可動ステージ
34を有する。
【0065】可動ステージ34は、本実施形態ではSU
S410により軽量に構成される。本実施形態では、こ
の可動ステージ34は、移動子32が固定される第1の
平面である移動子取付面34aと、移動子取付面34a
と略直交する第2の平面である搭載面34bとを有し、
図3に示すように、L字状に屈曲して形成される。この
ため、図3に示すように、相対運動の方向に対しての垂
直な面を断面として見たときの断面二次モーメントが大
きく、剛性が高い。したがって、移動子取付面34a
は、振動子31が発生する第2の振動である屈曲振動B
4による加圧力を垂直に受けても、変形し難い。
【0066】移動子取付面34aは、移動子32を装着
するための3本の平小ねじ40をネジ止めするためのネ
ジ穴以外は何も設けられず、一様な面とされている。
【0067】移動子取付面34aには、可動ステージ3
4の移動方向について離れた2箇所に、後述するスケー
ル部59cを搭載する位置検出部と、後述する切換端子
56を搭載する位置合わせ部が形成されている。可動ス
テージ34の移動方向に関するこの位置検出部の中心が
位置Sであり、可動ステージ34の移動方向に関する位
置検合わせ部の中心が位置Rである。
【0068】一方、搭載面34bは、振動子31及び移
動子32の加圧方向、すなわち屈曲振動B4の振動方向
と平行な方向へ向けて延設されている。
【0069】本実施形態では、可動ステージ34を、移
動子取付面34a及び搭載面34bによりL字状に屈曲
して形成することにより、剛性を高めてある。また、搭
載面34bが移動子取付面34aに対して垂直に張り出
している構造である。このため、搭載面34bに、軽量
化のための切欠き部や中空部を設けても、移動子取付面
34aの曲げ剛性を充分に保つことができ、振動モータ
33のクラッチ機能による衝撃を受けても、移動子取付
面34aが変形することに起因した振動が、搭載面34
bに生じ難い(特に曲げ)構造である。したがって、本
実施形態では、搭載面34bのうちで、切換端子56を
搭載する位置合わせ部、スケール部59cを支持する位
置検出部及びガイド53装着部以外の部分に、切欠き部
34d、34eをそれぞれ設けてある。このため、本実
施形態によれば、振動モータ33のクラッチ機能に振動
を可動ステージ34に生じることなく、可動ステージ3
4を軽量化することができる。
【0070】このように、可動ステージ34は、移動子
32に固定されて振動子31と移動子32との加圧方向
に略平行な方向へ向けて延設されるとともに、リニアガ
イド55により振動子31と移動子32との相対運動の
方向と略平行な方向へ直線的に移動自在に支持される。
【0071】〔案内部材55〕本実施形態では、案内部
材55としてリニアガイドを用いた。すなわち、本実施
形態では、この搭載面34bの下面の略中央部には、合
計4本のねじ52によって、SUS410からなる二つ
のガイド53a、53bが固定される。ガイド53a、
53bは、いずれも、ベース基板60に相対運動の方向
と平行な方向へ向けて敷設された、SUS410からな
るレール54に嵌合し、レール54とともにリニアガイ
ド55を構成する。このため、可動ステージ34は、リ
ニアガイド55により相対運動の方向と平行な方向へ移
動自在に支持される。
【0072】搭載面34bには、光ファイバ56aの切
換端子56が搭載される。この切換端子56は、例えば
樹脂材料により直方体状に形成され、入力側の光ファイ
バ56aの端部を貫通させた状態で固定されて、装着さ
れる。本実施形態では、この切換端子56が、位置決め
を行われる位置決め対象体である。
【0073】本実施形態では、光ファイバ56aとし
て、中心部に設けられた屈折率がn1であるコアと、コ
アの外周に設けられた屈折率がn2 (n2 <n1 )のク
ラッディングと、クラッディングの外周に設けられたコ
アやクラッディングに比較して格段に光吸収の多い材料
からなるジャケットとを有するステップ形光ファイバを
用いた。
【0074】〔固定ステージ57〕ベース基板60に
は、固定ステージ57が固定される。この固定ステージ
57は、本実施形態ではSUS410により構成され、
切換端子56が移動して、光学的に導通される4本の光
ファイバ58aそれぞれの4つの切換端子58が、光フ
ァイバ56aの切換端子56と同じ設置高さになるよう
にして搭載される。これら4つの切換端子が切換端子5
6の位置決めの目標となる被対象物となる。各切換端子
58は、いずれも、例えば樹脂材料により直方体状に形
成され、4本の光ファイバ58aの端部をそれぞれ貫通
させた状態で固定されて、装着される。切換端子58そ
れぞれの一つの端面には、各光ファイバ58aの端面が
同一平面をなして、配置される。この光ファイバ58a
は、光ファイバ56aと同様に、ステップ形光ファイバ
である。
【0075】なお、図1〜図3では、図面を簡略化して
理解を容易にするために、切換端子58が4つ並設され
た場合を示すが、本発明はこれに限られるものではな
く、2つ、3つ又は5つ以上の切換端子が並設された場
合にも、同様に適用される。
【0076】〔検出装置59〕本実施形態の位置決め装
置30は、検出装置59を備える。本実施形態では、検
出装置59として、発光部59a及び受光部(図示しな
い。)と、可動ステージ34の縦フランジ34cに固定
されたゲージであるスケール部59cとにより構成され
た透過型のエンコーダ59を用いた。発光部59a及び
受光部は、スケール部59cを挟んで対向して配置され
る。
【0077】このエンコーダ59により、可動ステージ
34の現位置が検出される。検出値は、位置決め装置3
0の駆動制御装置61へ出力され、超音波モータ33の
駆動が制御される。
【0078】〔ベース部材60〕ベース部材60は、本
実施形態ではSUS410からなるベース基板である。
ベース基板60には、振動子固定部材42、リニアガイ
ド55、固定ステージ57、及びエンコーダ59が、互
いに離れた位置に固定される。
【0079】図6は、本実施形態の位置決め装置30の
駆動制御装置61の一例を示すブロック図である。
【0080】駆動制御装置61の発振器62から、振動
子31の縦振動L1及び屈曲振動B4それぞれに相当す
る周波数の信号が、出力される。発振器62からの出力
は移相器63によって位相が(π/2)異なる二種の信
号に分岐されて、駆動信号切換器64に入力される。駆
動信号切換器64は、振動子31の駆動状態(粗動、微
動)に応じて、1種又は2種の信号を出力する。
【0081】駆動信号切換器64からの一方の出力は増
幅器65によって増幅された後に、A相の駆動信号VA
として入力領域36a、36cの銀電極38a、38c
へ印加される。また、他方の出力は増幅器66によって
増幅された後に、B相の駆動信号VB として入力領域3
6b、36dの銀電極38b、38dへ印加される。こ
れにより、振動子31は励振し、駆動力取出部37a〜
37b’を介して加圧接触する移動子32と、この移動
子32に固定された可動ステージ34とを、ともに直線
的に駆動する。
【0082】本実施形態では、エンコーダ59により直
線的に移動する可動ステージ34の位置が検出され、エ
ンコーダ59からの検出値が制御部67に入力される。
制御部67は、この検出値の値に応じて、駆動信号切換
器64に制御信号S1 を出力して振動子31の駆動状態
を粗動及び微動の2段階に切り替えるとともに、発振器
62に制御信号S2 を出力する。これにより、振動子3
1の振動振幅が所定の大きさに制御される。
【0083】この本実施形態の位置決め装置30によれ
ば、以下に列記する効果が奏せられる。
【0084】(1)可動ステージ34を、振動子31と
移動子32との加圧方向に略平行な方向へ向けて延設さ
れた状態で移動子32に固定したため、振動子固定部材
42、振動子31、移動子32及び可動ステージ34を
いずれもこの方向について並設して配置できる。このた
め、ベース基板60に直交する方向に関する位置決め装
置30の寸法をできるだけ抑制できる。このため、小型
であることから小さな設置スペースで設置することがで
きる位置決め装置30を提供できる。
【0085】(2)移動子32のうちの駆動力取出部3
7a〜37b’との非接触部41cの厚さを、駆動力取
出部37a〜37b’との接触部41a〜41b’の厚
さよりも小さくしたため、移動子32を軽量化できる。
また、可動ステージ34に、中空部34d及び切欠き部
34eを形成したため、可動ステージ34を軽量化でき
る。したがって、これらの相乗的効果により、移動子3
2及び可動ステージ34をともに軽量化でき、可動ステ
ージ34の整定時間を短縮化することができる。
【0086】(3)移動子32のうちの駆動力取出部3
7a〜37b’との非接触部41cの厚さを、駆動力取
出部37a〜37b’との接触部41a〜41b’の厚
さよりも小さくしたため、突起部41a〜41b’への
ラップ加工の加工時間を低減できる。
【0087】(4)移動子32のうちの駆動力取出部3
7a〜37b’との非接触部41cの厚さを、駆動力取
出部37a〜37b’との接触部41a〜41b’の厚
さよりも小さくしたため、振動子31が発生した振動に
起因して可動ステージ34が振動することを抑制でき
る。また、可動ステージ34に、移動子32に固定され
る振動子取付け面34aと搭載面34bとを設けたた
め、搭載面34bに切欠部34d、34eを形成して
も、振動子31が発生した振動に起因して可動ステージ
34が振動することを抑制できる。したがって、これら
の相乗的効果により、可動ステージ34の位置決め精度
を向上できる。
【0088】さらに、本実施形態の位置決め装置30に
よれば、以下に説明する効果も奏せられる。
【0089】図2に示すように、可動ステージ34の移
動方向に関して、支持ピン45a、45bの配置位置を
Pとし、発光部59aの中心位置をQとし、可動ステー
ジ34の位置検出部の中心位置をRとし、切換端子56
の中心位置をSとし、さらに切換端子58の中心位置を
Tとして、環境温度が、例えば−20℃〜+60℃の範
囲で変動した場合を説明する。
【0090】まず、可動ステージ34が停止している状
態について説明する。本実施形態では、移動子32、可
動ステージ34、振動子固定部材42、振動子支持部材
43、振動子加圧部材44、リニアガイド55、固定ス
テージ57及びベース部材60を、いずれも、SUS4
10により構成している。このため、上記のような広範
な環境温度の変化が発生しても、位置Q及び位置Pそれ
ぞれの可動ステージ34の移動方向に関する相対的な位
置は、振動子固定部材42、振動子支持部材43及びベ
ース部材60がいずれもSUS410により構成されて
いるために同じ熱膨張量を示すことから、変化しない。
【0091】一方、弾性体35は、環境温度が上昇した
場合、支持ピン45a、45bの位置Pを中心として左
右方向へ熱膨張する。これに対し、移動子32及び可動
ステージ34は、いずれも、環境温度の上昇とともに熱
膨張するが、弾性体35と、可動ステージ34とは、そ
れぞれ、熱膨張係数が異なるSUS304(17.2×
10-6)、SUS410(9.9×10-6)により構成
されているため、弾性体35と、可動ステージ34とは
それぞれの伸び量が異なる。しかし、本実施形態では、
弾性体35と移動子32とが接触している駆動力取出部
37a〜37b’が弾性体35の支持ピン45a、45
bの位置Pを対称として2箇所に設けられているため、
位置Pと位置Rとの相対的な位置は、環境温度の上昇に
かかわらず変化しない。両者の差は、剛性が金属材料よ
りも小さな高分子材料から構成される駆動力取出部37
a〜37b’の剪断変形により吸収される。
【0092】また、可動ステージ34は、2つのガイド
部材53a、53bによって支持されているため、熱膨
張に起因した可動ステージ34の撓みを防止することが
できる。
【0093】さらに、可動ステージ34の位置Rと位置
Sとの距離は、可動ステージ34の熱膨張により変動す
る。一方、ベース部材60に固定されたエンコーダ59
の位置Qと、固定ステージ57の位置Tとの距離も、熱
膨張により変動する。しかし、可動ステージ34、ベー
ス部材60及び固定ステージ57のいずれの材料もSU
S410により構成されているため、環境温度が変動し
ても、位置R及び位置S間の距離と、位置Q及び位置T
間の距離とは同じ値を維持し続ける。また、位置Rと位
置Qとの相対的な位置も変動しないため、位置Sと位置
Tとの位置も環境温度の変動にかかわらず、一定とな
る。
【0094】このため、本実施形態の位置決め装置30
によれば、小型化でき、整定時間を短縮化でき、さら
に、広範な温度条件下で使用しても、±1μm程度の所
望の位置合わせ精度で軸芯合わせを行うことが可能であ
る。
【0095】(第2実施形態)次に、第2実施形態を説
明する。なお、本実施形態の説明では、前述した第1実
施形態と相違する部分を説明し、共通する部分は同一の
図中符号を付すことにより重複する説明を適宜省略す
る。
【0096】本実施形態では、可動ステージ34をアル
ミニウム合金A5052により構成するとともに、移動
子32をアルミニウム合金に無電解ニッケルをメッキし
たものにより構成した。また、図6に示すように、可動
ステージ34に環境温度を検出するための温度センサ6
8を搭載し、温度センサ68の出力値を制御部67に入
力した。さらに、制御部67には、環境温度の値と、位
置S及び位置T間のずれ量との関係を記憶するメモリ部
69が接続される。制御部67は、温度センサ68の値
と、メモリ部69の値とに基づいて、位置S及び位置T
間のずれ量を算出し、発振器62を制御する。これ以外
の構成は、第1実施形態と同じである。
【0097】本実施形態では、環境温度が変化した時の
各構成要素間の相対的な位置の変化について、温度が上
昇した場合を例として説明する。まず、可動ステージ3
4が停止している状態について説明する。本実施形態で
は、位置Q及び位置P間の駆動方向への相対的な位置
は、振動子固定部材42、振動子支持部材43及びベー
ス部材60がいずれもSUS410により構成されてい
るために同じ熱膨張量を示すことから、変化しない。
【0098】一方、弾性体35は、環境温度が上昇した
場合、支持ピン45a、45bの位置Pを中心として左
右方向へ熱膨張する。これに対し、移動子32及び可動
ステージ34は、いずれも、環境温度の上昇とともに熱
膨張するが、弾性体35と、可動ステージ34とは、そ
れぞれ、熱膨張係数が異なるSUS304(17.2×
10-6)、A5052(23.8×10-6)により構成
されているため、弾性体35と、可動ステージ34とは
それぞれの伸び量が異なる。しかし、本実施形態では、
弾性体35と移動子32とが接触している駆動力取出部
37a〜37b’が弾性体35の支持ピン45a、45
bの位置Pを対称として2箇所に設けられているため、
位置Pと位置Rとの相対的な位置は、環境温度の上昇に
かかわらず変化しない。両者の差は、剛性が金属材料よ
りも小さな高分子材料から構成される駆動力取出部37
a〜37b’の剪断変形により吸収される。
【0099】なお、可動ステージ34が移動している状
態では、位置Pと位置Rとを一致させればよいので、弾
性体35と可動ステージ34との熱膨張差は無視し得
る。
【0100】さらに、可動ステージ34の位置Rと位置
Sとの距離は、可動ステージ34の熱膨張により変動す
る。一方、ベース部材60に固定されたエンコーダ59
の位置Qと、固定ステージ57の位置Tとの距離も、熱
膨張により変動する。
【0101】本実施形態では、可動ステージ34と、ベ
ース部材60、固定ステージ57とのそれぞれの材料は
異なり、また位置Rと位置Qとの相対的な位置は変動し
ないことから、環境温度が変動すると、位置R及び位置
S間の距離と、位置Q及び位置T間の距離とは、熱膨張
の偏差分だけ変動することになる。
【0102】しかし、本実施形態では、前述したよう
に、駆動制御装置61に温度センサ68及びメモリ部6
9を設けて、可動ステージ34の近傍の環境温度を測定
し、この測定値に基づいて、位置R及び位置S間の距離
と、位置Q及び位置T間の距離との偏差分だけ、振動子
31を駆動するため、位置Sと位置Tとの相対的な位置
を環境温度の変動にかかわらず、一定とすることができ
る。
【0103】また、本実施形態では、可動ステージ34
をアルミニウム合金により軽量に構成したため、可動ス
テージ34の加減速能を向上でき、位置決め精度の向上
と、整定時間の短縮とをさらに図ることもできる。
【0104】(変形形態)また、各実施形態の説明で
は、振動モータが超音波モータである場合を例にとっ
た。しかし、本発明は超音波モータには限定されず、超
音波以外の他の振動域を利用した振動モータについて
も、等しく適用される。
【0105】また、各実施形態の説明では、本発明にか
かる位置決め装置を光ファイバの切換装置に適用した場
合を例にとった。しかし、本発明は光ファイバの切換装
置には限定されず、各種の位置決め装置についても等し
く適用される。
【0106】また、各実施形態の説明では、振動子と移
動子との間で発生する相対運動の方向と略平行な方向へ
振動する第1の振動である1次の縦振動と、振動子と移
動子との加圧方向と略平行な方向へ振動する第2の振動
である4次の屈曲振動とを励振する異形モード縮退型の
振動子を用いた場合を例にとった。しかし、本発明で用
いる振動子は縦振動及び屈曲振動それぞれの振動の次数
には限定されない。例えば、1次の縦振動と2次の屈曲
振動とを励振する振動子や、1次の縦振動と6次の屈曲
振動とを励振する振動子、さらには3次の縦振動と8次
の屈曲振動とを励振する振動等も、同様に用いることが
できる。
【0107】また、本発明で用いる振動子は、縦振動及
び屈曲振動の組合せにも限定されず、この組合せ以外の
異形モード縮退型の振動子や、同形モード縮退型の振動
子であっても、同様に適用することができる。
【0108】また、各実施形態の説明では、振動子が圧
電体を備える場合を例にとった。しかし、本発明は圧電
体には限定されず、例えば電歪素子等の電気エネルギ及
び機械エネルギの相互変換素子であれば、等しく適用す
ることができる。
【0109】また、各実施形態の説明では、振動子が4
つの駆動力取出部を有する場合を例にとった。しかし、
本発明はこの形態には限定されず、例えば、弾性体の幅
方向に2つの駆動力取出部が相対運動方向に関して所定
距離だけ離れて設けられた場合であっても、等しく適用
される。この場合、移動子の駆動力取出部との接触部は
矩形の平面形状を呈することから、移動子の振動子との
当接面には、各実施形態のような十字型の溝は形成され
ず、矩形平面形状の溝部が相対運動の方向の略中心部に
形成される。
【0110】各実施形態では、位置決め装置30のこれ
らの構成要素を主にSUS410により構成した。しか
し、本発明はSUS410には限定されず、熱膨張係数
が略同じ材料であればよい。SUS410以外に、例え
ばSUS430、SUS631や、これらを組合せて用
いることが例示される。
【0111】さらに、各実施形態は、本発明を具現化し
た一例を示したものであり、本発明の作用効果を奏する
範囲で様々な変形が可能である。
【0112】
【発明の効果】請求項1〜請求項5の発明により、例え
ば−20℃〜+60℃といった広範な温度条件下で使用
しても、±1μm程度の高い位置合わせ精度で軸芯合わ
せを行うことができる位置決め装置、特に、例えば超音
波モータ等の振動モータを用いた位置決め装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の位置決め装置を、一部が透視さ
れるとともに簡略化された状態で示す斜視図である。
【図2】図1におけるA矢視図である。
【図3】図1におけるB矢視図である。
【図4】第1実施形態における振動子及び移動子それぞ
れの構成を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態における振動子の説明図であり、
図5(A)は上面図、図5(B)は側面図、図5(C)
は振動子に発生する二つの異なる振動L1及びB4それ
ぞれの波形例を示す説明図である。
【図6】第1実施形態の位置決め装置の駆動制御装置の
一例を示すブロック図である。
【図7】特開平6−34897号公報により開示された
情報伝送路切換装置の構成を示す説明図であって、図7
(A)は全体の構成を示す斜視図、図7(B)は図7
(A)における出力側ホルダを抽出して示す斜視図、図
7(C)は出力側ホルダの内部を走行する端末部品を示
す説明図である。
【図8】本出願人が特願平11−203369号により
提案した情報伝送路切換装置の構成例を、一部破断した
状態で示す斜視図である。
【符号の説明】
30 位置決め装置 31 振動子 32 移動子 33 振動モータ 34 可動ステージ 55 案内部材 56 位置決め対象物 57 固定ステージ 59 位置検出器 59c ゲージ 60 ベース部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02N 2/00 H02N 2/00 C Fターム(参考) 2F078 CA10 CB05 CB12 CC01 2H041 AA14 AB19 AC04 AZ01 AZ06 5H303 AA30 BB01 BB06 BB11 CC06 DD14 DD22 EE03 EE07 FF06 HH01 JJ08 5H680 AA00 BB01 BB13 BC00 CC02 DD01 DD15 DD23 DD53 DD55 DD65 DD72 DD82 DD83 EE21 EE22 FF04 FF08 FF26 FF30 FF33 GG02 GG11 GG27

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動する位置決め対象体と該位置決め対
    象体の位置を検出するためのゲージとが互いに離れた位
    置に設けられる可動ステージと、 該可動ステージが移動することによって前記位置決め対
    象体と位置的にほぼ一致させられる被対象物が設けられ
    る固定ステージと、 前記ゲージを読み取り、前記位置決め対象体の位置を検
    出する位置検出手段と、 前記固定ステージ及び前記位置検出手段をそれぞれ離れ
    た位置に固定するベース部材とを備え、 前記可動ステージ及び前記ベース部材に温度変化が生じ
    ても、前記可動ステージに設けられた前記位置決め対象
    体と前記ゲージとの間隔の変化と、前記ベース部材に設
    けられた前記位置検出手段と前記固定ステージとの間隔
    の変化とが相殺されるようにしたことを特徴とする位置
    決め装置。
  2. 【請求項2】 前記可動ステージと前記ベース部材と
    は、互いに熱膨張係数が略同じである材料により構成さ
    れることを特徴とする請求項1に記載された位置決め装
    置。
  3. 【請求項3】 さらに、温度検出手段と、前記可動ステ
    ージの位置決め制御を行う制御手段とを備え、前記温度
    検出手段から得られた信号を基に、前記制御手段が前記
    可動ステージの移動距離を補正することを特徴とする請
    求項1に記載された位置決め装置。
  4. 【請求項4】 さらに、前記可動ステージを駆動する振
    動モータを備え、 該振動モータの非駆動時には、前記可動ステージの移動
    方向に関して、該振動モータの振動子の中心位置は、前
    記ゲージの中心位置と略一致することを特徴とする請求
    項1から請求項3までのいずれか1項に記載された位置
    決め装置。
  5. 【請求項5】 前記固定ステージ及び前記ベース部材
    は、互いに熱膨張係数が略同じである材料により構成さ
    れることを特徴とする請求項1から請求項4までのいず
    れか1項に記載された位置決め装置。
  6. 【請求項6】 前記可動ステージは、前記ベース部材に
    設けられた案内部材により支持され、該案内部材及び前
    記ベース部材は、互いに熱膨張係数が略同じである材料
    により構成されることを特徴とする請求項1から請求項
    5までのいずれか1項に記載された位置決め装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005283566A (ja) * 2004-02-11 2005-10-13 Agilent Technol Inc ベースの設計方法

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