JP2001238475A - 振動アクチュエータを用いた位置決め装置 - Google Patents

振動アクチュエータを用いた位置決め装置

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JP2001238475A
JP2001238475A JP2000049940A JP2000049940A JP2001238475A JP 2001238475 A JP2001238475 A JP 2001238475A JP 2000049940 A JP2000049940 A JP 2000049940A JP 2000049940 A JP2000049940 A JP 2000049940A JP 2001238475 A JP2001238475 A JP 2001238475A
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vibrator
vibration
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moving
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Kazuyasu One
一泰 大根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型であって小さな設置スペースにも設置す
ることができ、かつ、光ファイバの切換装置にも適用可
能な高精度の位置決めを、短い整定時間で行うことがで
きる、超音波アクチュエータを用いた位置決め装置が存
在しない。 【解決手段】 直線状のレール部材32a及びガイド部
材32bを有するリニアガイド32と、ガイド部材32
bに支持されてレール部材32aに対して直線的に移動
する可動ステージ33と、可動ステージ33の移動方向
と略直交する加圧方向へ可動ステージ33を加圧するこ
とにより可動ステージ33との間で相対運動を発生する
振動子39を有する超音波アクチュエータ34とを備え
る位置決め装置30である。可動ステージ33は、加圧
方向に略平行な方向へ延設された搭載面33bを有する
とともに、レール部材32a及びガイド部材32bそれ
ぞれの嵌合方向は、振動子39による可動ステージ33
の加圧方向と略同じ方向である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動アクチュエー
タを用いた位置決め装置に関する。具体的には、本発明
は、例えば光ファイバ等の情報伝送路の切換装置に適用
するのに好適な、例えば超音波アクチュエータ等の振動
アクチュエータを用いた位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、光ファイバや電気的な信号線さ
らには磁気的な信号線等といった各種の情報伝送路を切
り替えるために、情報伝送路切換装置が用いられる。こ
の情報伝送路切換装置は、一般的に、入力側の情報伝送
路及び出力側の情報伝送路それぞれの端部に設けられた
切換端子同士を、所定距離だけ離して互いに対向配置さ
せること(以下、本明細書では「軸芯合わせ」とい
う。)により、入力側の情報伝送路から出力側の情報伝
送路への情報の伝送を行う。従来、この情報伝送路切換
装置において切換端子を駆動させるための切換端子駆動
機構には、電気的なステップモータや、サーボモータと
リニアステージとの組合せ、さらには電磁石とリニアス
テージとの組合せ等が、用いられてきた。
【0003】しかし、これらの切換端子駆動機構に用い
られる電気的なステップモータ等の開発は既に尽くされ
た感があり、その寸法や重量の点でよりいっそうの小型
化や軽量化を図ることは難しかった。このため、情報伝
送路切換装置の全体の小型化や軽量化も、殆ど限界に達
していた。
【0004】そこで、特開平6−34897号公報に
は、切換端子駆動機構に超音波アクチュエータを用いる
ことが提案されている。図10は、この公報により開示
された情報伝送路切換装置1の構成を示す説明図であっ
て、図10(A)は全体の構成を示す斜視図、図10
(B)は図10(A)における出力側ホルダ5を抽出し
て示す斜視図、図10(C)は出力側ホルダ5の内部を
走行する端末部品8を示す説明図である。
【0005】図10(A)に示すように、この情報伝送
路切換装置1は、入力側の情報伝送路2を支持する入力
側ホルダ3と、出力側の情報伝送路4を支持する出力側
ホルダ5と、入力側の情報伝送路2及び出力側の情報伝
送路4それぞれの先端に設けられた切換端子同士(図示
しない。)の軸芯合わせを行う位置合わせ装置6とを有
する。入力側ホルダ3及び出力側ホルダ5それぞれの内
部には、図10(A)及び図10(B)に示すように、
情報伝送路2、4の延設方向へ向けて開口した複数の移
動スペース7が設けられる。図10(C)に示すよう
に、各移動スペース7の内部には、超音波振動を発生す
る圧電セラミックス9a〜9dが四隅に配置された直方
体型の端末部品8が移動スペース7の内面に加圧接触し
た状態で配置される。そして、端部から離れた中間部を
端末部品8によって支持された情報伝送路2、4が各移
動スペース7を貫通する。
【0006】各圧電セラミックス9a〜9dは、適当な
駆動信号を入力されることにより、超音波振動を発生す
る。これにより、端末部品8は、情報伝送路2、4の中
間点を支持しながら、図10(A)における両矢印方向
へ移動する。端末部品8の移動に伴って、情報伝送路
2、4の先端に設けられた切換端子も移動する。そし
て、情報伝送路2、4の先端に設けられた切換端子同士
の軸芯合わせが、位置合わせ装置6の内部で行われる。
この軸芯合わせにより、情報伝送路2の切換端子と、情
報伝送路4の切換端子とは、数μm程度の位置合わせ誤
差の範囲内で対向配置される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この情報伝送路切換装
置1では、入力側の情報伝送路2および出力側の情報伝
送路4それぞれの中間点を、端末部品8により支持す
る。しかし、各情報伝送路2、4は一般的に可撓性を有
するため、情報伝送路2、4の中間点から各切換端子が
装着される情報伝送路2、4の端部までの間で情報伝送
路2、4が屈曲変形してしまう。このため、この情報伝
送路切換装置1では、切換端子同士を数μm程度の位置
合わせ誤差の範囲内で対向配置させるためには、位置合
わせ装置6は不可欠であった。
【0008】また、停止時に、端末部品8自体は所定の
位置で確かに停止するものの、各切換端子は、いずれ
も、端末部品8により支持される中間点から離れている
ため、位置合わせ装置6の内部において切換端子を支持
する部材(図示しない。)にブレーキ機構を設けて、所
定の位置で正確に停止させる必要もあった。
【0009】このように、図10に示す従来の情報伝送
路切換装置1は、停止時にはその位置で保持される自己
保持性や高精度の位置決め性を有する超音波アクチュエ
ータを用いているにもかかわらず、切換端子の位置合わ
せ装置6が不可欠であったり、切換端子を支持する部材
にブレーキ機構を設ける必要があった。このため、この
超音波アクチュエータを用いた情報伝送路切換装置1に
は、よりいっそうの小型化や軽量化を図る余地があっ
た。
【0010】そこで、本出願人は、先に特願平11−2
03369号により、超音波アクチュエータを用いた情
報伝送路切換装置を提案した。図11は、この提案にか
かる情報伝送路切換装置10の構成例を、一部破断した
状態で示す斜視図である。
【0011】この情報伝送路切換装置10は、入力側の
情報伝送路11aの端部に設けられる切換端子11と、
出力側の情報伝送路12aの端部に設けられる切換端子
12と、切換端子11を支持しながら、これらを略平行
に相対移動させ、情報伝送時には切換端子11および切
換端子12を対向配置させる超音波アクチュエータを用
いた切換端子駆動機構14とを備える。
【0012】この超音波アクチュエータ13は、収容枠
15aおよび基板15bを有するベース部材15と、コ
イルスプリング16および振動子支持部材17を有し収
容枠15aによって支持される加圧支持機構18と、矩
形平板状の弾性体19a及び圧電素子19bを有して1
次の縦振動及び4次の屈曲振動を励振する振動子19
と、レール部材21a及びガイド部材21bを有して移
動子20を直線的に移動自在に支持するリニアガイド2
1とを備え、振動子19と移動子(相対運動部材)20
との間で相対運動を発生する。切換端子11は移動子2
0に固定されるとともに、切換端子12は基板15bに
固定される。なお、この振動子19は、例えば「第5回
電磁力関連のダイナミックスシンポジウム講演論文集」
の393頁等により開示された、いわゆる異形モード縮
退型の振動子である。
【0013】この情報伝送路切換装置10は、超音波ア
クチュエータ13の構成要素である基板15bに切換端
子12を直接固定するとともに移動子20に切換端子1
1を直接固定するため、切換端子11、12の専用の位
置合わせ機構やブレーキ機構を設ける必要がない。この
ため、図10に示す情報伝送路切換装置1よりも、充分
に小型化や軽量化を図ることができる。また、この情報
伝送路切換装置10は、超音波アクチュエータ13が優
れた起動停止特性を有することから、電磁モータを用い
た情報伝送路切換装置よりも、整定時間が短縮化される
ことも期待される。
【0014】しかし、本発明者は、情報伝送路切換装置
のよりいっそうの性能向上を図るためにさらに検討を重
ねた結果、この情報伝送路切換装置10には以下に列記
する課題があることがわかった。
【0015】(課題1)情報伝送路切換装置10は、図
11に示すように、上方から下方に向けて順に、収容枠
15a、加圧支持機構18、振動子19、移動子20、
切換端子11、12および基板15bを有する。このた
め、振動子19と移動子20との加圧方向と平行な方向
(図11におけるZ方向)への寸法が大きくなってしま
い、設置スペースが嵩む。このため、適用可能な搭載機
器がかなり限定されてしまう。
【0016】(課題2)縦振動及び屈曲振動を組み合わ
せた異形モード縮退型の振動子19を有する超音波アク
チュエータ13は、振動子19に発生した縦振動を屈曲
振動により移動子20へ断続的に伝播する機能(以下、
本明細書では「クラッチ機能」という。)を有するた
め、移動子20は、いわば、屈曲振動により振動子19
によって断続的に叩かれている状態にある。このため、
移動子20は、振動子19により叩かれることによる衝
撃力によってその固有振動数で振動し、さらに、移動子
20を固定する部材等もそれらの固有振動数で振動す
る。特に、軽量化を目的とした薄肉化により移動子20
等の剛性が高くない場合、超音波アクチュエータのクラ
ッチ機能に起因した移動子20の振動が顕著に発生して
しまう。
【0017】一方、一般的に、光ファイバの切換装置で
は、軸芯合わせの位置精度は±1μm程度の高精度が要
求される。このため、この情報伝送路切換装置10で
は、移動子20の振動に起因して、例えば光ファイバの
軸芯合わせのような高精度の位置決めを行うことができ
ないおそれがある。位置決め精度を上げるには、移動子
20が目標の停止範囲に入るまで移動子20の停止制御
を繰り返して行えばよいが、これでは、位置決めに長時
間を要し、光ファイバの切換装置として要求される性能
を満足できないおそれがある。
【0018】このため、この情報伝送路切換装置10を
光ファイバの切換装置に適用するには、よりいっそう高
い位置決め精度を短い整定時間で得られる必要がある。
【0019】本発明の第1の目的は、小型であること、
特に振動子の加圧方向に平行な方向への寸法が小さいこ
とから小さな設置スペースにも設置することができる、
例えば超音波アクチュエータ等の振動アクチュエータを
用いた位置決め装置を提供することである。また、本発
明の第2の目的は、振動子が発生する振動に起因した位
置決め精度の低下や位置決めの長時間化を抑制し、例え
ば光ファイバの切換装置にも適用可能な高精度の位置決
めを、短い整定時間で行うことが可能な振動アクチュエ
ータを用いた位置決め装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、振動子により
加圧される可動ステージを支持するリニアガイドのレー
ル部材及びガイド部材それぞれの嵌合方向を、振動子の
加圧方向と略一致させることにより、上記第1の目的及
び第2の目的を、ともに達成することができるという新
規かつ重要な知見に基づくものである。
【0021】請求項1の発明では、直線状のレール部
材、及びレール部材に嵌合する移動部材をいずれも有す
る案内部材と、移動部材に支持されて、レール部材に対
して直線的に移動する可動ステージと、可動ステージの
移動方向と略直交する加圧方向へ可動ステージを加圧す
ることにより可動ステージとの間で相対運動を発生する
振動子を有する振動アクチュエータとを備え、可動ステ
ージが、加圧方向に略平行な方向へ延設された搭載面を
有するとともに、レール部材及び移動部材それぞれの嵌
合方向が、加圧方向と略同じ方向であることを特徴とす
る振動アクチュエータを用いた位置決め装置を提供す
る。
【0022】請求項2の発明は、請求項1に記載された
振動アクチュエータを用いた位置決め装置において、案
内部材を構成するレール部材及び移動部材それぞれのう
ちの一方が凸形の断面形状を有するとともに、他方がこ
の凸形の断面形状に対して嵌合する凹形の断面形状を有
することを特徴とする。
【0023】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2に記載された振動アクチュエータを用いた位置決め装
置において、移動部材が、その移動方向へ離間して少な
くとも2基設けられることを特徴とする。
【0024】さらに、請求項4の発明は、請求項1から
請求項3までのいずれか1項に記載された振動アクチュ
エータを用いた位置決め装置において、振動子が、相対
運動の方向と略同じ方向へ振動する第1の振動と、加圧
方向と略同じ方向へ振動する第2の振動とを励振するこ
とを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
かかる振動アクチュエータを用いた位置決め装置の実施
の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。な
お、以降の実施の形態は、振動アクチュエータが超音波
の振動域を利用した超音波アクチュエータである場合を
例にとって、説明する。
【0026】図1は、本実施形態の位置決め装置30
を、一部簡略化及び透視するとともに省略して示す斜視
図である。また、図2は、図1におけるA矢視図であ
る。さらに、図3は、図1におけるB矢視図である。
【0027】図1〜図3に示すように、本実施形態の位
置決め装置30は、ベース基板31と、案内部材32
と、可動ステージ33と、超音波アクチュエータ34
と、位置検出装置35と、固定ステージ36とを有す
る。以下、位置決め装置30のこれらの構成要素を順次
説明する。
【0028】〔ベース基板31〕ベース基板31は、位
置決め装置30の各構成要素を搭載して固定する平板材
である。すなわち、ベース基板31は、位置検出装置3
5と、固定ステージ36と、敷設部材37と、固定ブロ
ック47とを、いずれも、その上面に搭載して固定す
る。
【0029】ベース基板31は、これらの各構成要素を
搭載するのに充分な剛性を有する材料により構成すれば
よく、特定の材料には限定されない。本実施形態のベー
ス基板31は、以上のように構成される。
【0030】〔案内部材32〕ベース基板31には、敷
設部材37を介して、案内部材32が支持される。本実
施形態では、案内部材32として、レール部材32a
と、移動部材であるガイド部材32bとをともに有す
る、いわゆるリニアガイドを用いた。
【0031】すなわち、レール部材32aは、図3に示
すような凸形の異形断面形状を有し、直線状に形成され
る。また、レール部材32aは、ベース基板31の上面
に垂直に設置された敷設部材37の縦面37aに敷設さ
れる。また、ガイド部材32bは、このレール部材32
aと嵌合可能な凹形の断面形状を有し、レール部材32
aとの間に摺動するようにして嵌合する。これにより、
本実施形態では、レール部材32aとガイド部材32b
との嵌合方向は、図1〜図3におけるY方向となり、後
述するように、振動子39による可動ステージ33の加
圧方向と一致する方向に設定される。
【0032】また、ガイド部材32bは可動ステージ3
3の裏面に、例えばねじ止め等の適宜手段により固定さ
れる。ガイド部材32bはレール部材32aの敷設方向
へ直線的に往復移動自在に配置されるため、このガイド
部材32bに固定される可動ステージ33も、レール部
材32aの敷設方向へ往復移動自在に支持される。
【0033】なお、本実施形態では、レール部材32a
が凸形の異形断面形状を有するとともにガイド部材32
bがレール部材32aと嵌合可能な凹形の断面形状を有
する場合を例にとった。しかし、本発明はこの形態に限
定されるものではなく、この形態とは逆に、レール部材
32aが凹形の異形断面形状を有するとともにガイド部
材32bがレール部材32aと嵌合可能な凸形の断面形
状を有するようにしてもよい。
【0034】本実施形態では、案内部材32としてリニ
アガイドを用いているため、可動ステージ33の位置精
度を、向上できる。本実施形態の案内部材32は、以上
のように構成される。
【0035】〔可動ステージ33〕可動ステージ33
は、例えばアルミニウム合金のような軽金属材料により
軽量に構成される。本実施形態では、この可動ステージ
33は、振動子39が接触する第1の平面である振動子
接触面33aと、振動子接触面33aと略直交する第2
の平面である搭載面33bとを有し、図3に示すよう
に、略L字状に屈曲して形成される。このため、相対運
動の方向に対しての垂直な面を断面として見たときの断
面二次モーメントが大きく、剛性が高い。したがって、
振動子接触面33aは、振動子39が発生する第2の振
動である屈曲振動B4による加圧力を垂直に受けても、
変形し難い。これにより、搭載面33bには、振動子3
9が発生する振動に起因した振動が発生し難い構造とな
っている。これにより、可動ステージ33の停止位置精
度を向上できる。
【0036】振動子接触面33aの外面のうちで振動子
39と接触する平面には、振動子39との接触状態を安
定に保つことにより振動子39が発生する駆動力を効率
的に受けるため、ラップ加工による鏡面仕上を行われて
いる。
【0037】一方、搭載面33bは、振動子39の加圧
方向、すなわち屈曲振動B4の振動方向と平行な方向へ
向けて延設されている。このため、振動子39及び可動
ステージ33の加圧方向と直交する方向への寸法を抑制
できる。
【0038】この搭載面33bの裏面の略中央部には、
前述したように、適宜手段によってガイド部材32bが
固定される。このため、可動ステージ33は、レール部
材32aの敷設方向へ往復移動自在に支持される。
【0039】本実施形態では、搭載面33bには、光フ
ァイバ38aの切換端子38が搭載される。この切換端
子38は、例えば樹脂材料により直方体状に形成され、
入力側の光ファイバ38aの端部を貫通させた状態で固
定されて、装着される。
【0040】本実施形態では、光ファイバ38aとし
て、中心部に設けられた屈折率がn1であるコアと、コ
アの外周に設けられた屈折率がn2 (n2 <n1 )のク
ラッディングと、クラッディングの外周に設けられたコ
アやクラッディングに比較して格段に光吸収の多い材料
からなるジャケットとを有するステップ形光ファイバを
用いた。本実施形態の可動ステージ33は、以上のよう
に構成される。
【0041】〔超音波アクチュエータ34〕超音波アク
チュエータ34は、振動子39及び振動子固定部材40
を有する。以下、これらについて順次説明する。
【0042】(i)振動子39 図4は、本実施形態における振動子39の構成を示す斜
視図である。また、図5は、振動子39の説明図であ
り、図5(A)は上面図、図5(B)は側面図、図5
(C)は振動子39に発生する二つの異なる振動L1及
びB4それぞれの波形例を示す説明図である。
【0043】図1〜図5にそれぞれ示すように、本実施
形態で用いる振動子39は、弾性体41と、弾性体41
の一方の平面に装着された圧電体42とを備える。
【0044】弾性体41は、例えば鉄鋼、ステンレス
鋼、リン青銅又はエリンバー材等といった共振先鋭度が
大きな金属材料により構成されることが望ましく、矩形
平板状に形成される。また、弾性体41の各部の寸法
は、発生する1次の縦振動L1及び4次の屈曲振動B4
それぞれの固有振動数fL1、f B4が略一致するように、
設定される。
【0045】弾性体41の一方の平面には、圧電体42
が例えば接着により装着される。また、弾性体41の他
方の平面には、弾性体41の幅方向に2本の溝部が相対
運動方向(図2、図4及び図5それぞれにおける左右方
向)に関して所定距離だけ離れて設けられる。これらの
溝部に、横断面形状が矩形である各棒型の、高分子材等
を主成分とした摺動部材が嵌め込まれて装着され、突起
状に突出して装着される。高分子材としては、PTF
E、ポリイミド樹脂、ポリアセタール、PPSさらには
PEEK等の高分子材料が例示される。
【0046】そして、この摺動部材が駆動力取出部43
a、43bとして機能する。したがって、弾性体41は
これら摺動部材からなる駆動力取出部43a、43bを
介して、可動ステージ33の振動子接触面33aに加圧
接触する。
【0047】また、図3に示すように、各駆動力取出部
43a、43bは、いずれも、振動子39の幅方向に二
つに分割され、分割されたそれぞれの駆動力取出部43
a、43a’、43b、43b’が振動子39の幅方向
の端部側に配置される。このように、本実施形態では、
各駆動力取出部43a、43bは、それぞれが2個の摺
動材により構成される。
【0048】これらの駆動力取出部43a、43bは、
図5(B)及び図5(C)に示すように、弾性体41に
発生する4次の屈曲振動B4の4つの腹位置l1 〜l4
のうちの外側に位置する二つの腹位置l1 、l4 に一致
する位置にそれぞれ設けられる。なお、駆動力取出部4
3a、43bは、屈曲振動B4の二つの腹位置l1 、l
4 に正確に一致する位置に設けられる必要はなく、これ
らの腹位置l1 、l4の近傍に設けられていてもよい。
【0049】圧電体42は、本実施形態ではPZT(チ
タンジルコン酸鉛)からなる一枚の薄板状の圧電素子に
より構成される。この圧電体42には、図4及び図5に
示すように、A相の駆動信号VA が入力される入力領域
42a、42cと、A相の駆動信号とは位相が約(π/
2)ずれたB相の駆動信号VB が入力される入力領域4
2b、42dとが形成される。各入力領域42a〜42
dは、いずれも、図5(A)〜図5(C)に示すよう
に、弾性体41に発生する屈曲振動B4の5つの節位置
1 〜n5 により区画された4つの領域に連続して形成
される。すなわち、駆動信号の入力により変形する各入
力領域42a〜42dが、いずれも、不動点である節位
置n1 〜n5 を跨がない。そのため、入力領域42a〜
42dの変形が節位置n1 〜n5 によって抑制されるこ
とがない。これにより、各入力領域42a〜42dに入
力された電気エネルギを最大の効率で弾性体41の変
形、すなわち機械エネルギへ変換することができる。
【0050】また、屈曲振動B4の節位置n2 、n4
は、振動子39が発生する縦振動L1により電気エネル
ギを出力する検出領域42p、42p’が設けられる。
これにより、振動子39が発生する縦振動L1の振動状
態がモニタされる。
【0051】そして、図4、図5(A)及び図5(B)
に示すように、各入力領域42a〜42dと各検出領域
42p、42p’とは、それぞれの表面を、銀電極44
a〜44d、44p、44p’により覆われる。これに
より、各入力領域42a〜42dへ独立して駆動信号を
入力したり、各検出領域42p、42p’から独立して
検出信号を出力することができる。なお、図面を簡略化
して理解を容易にするため、図1〜図3では、いずれ
も、銀電極44a〜44d、44p、44p’は省略し
てある。
【0052】各銀電極44a〜44dには、電気エネル
ギの授受を行うためのリード線45a〜45dが半田付
けされて接続され、また、銀電極44p、44p’に
は、同じくリード線(図示しない。)が半田付けされて
接続されている。
【0053】本実施形態では、振動子39の両側面の長
手方向の中央部に、それぞれ、貫通孔を有する支持用突
起部46a、46bが設けられている。この支持用突起
部46a、46bの形成位置は、図5(B)及び図5
(C)に示すように、振動子39が発生する縦振動L1
及び屈曲振動B4それぞれの節位置であるため、支持に
伴う振動の減衰が最小限に抑制される。
【0054】なお、本実施形態では、図5(A)に示す
ように、振動子39はその平面の中央部を中心として点
対称となるように、形成される。これにより、各駆動力
取出部43a、43a’、43b、43b’に発生する
楕円運動を略同じ形状とすることができ、相対運動方向
の反転に伴う駆動差が殆ど解消される。
【0055】図6を参照しながら後述するように、位置
決め装置30の駆動制御装置61から、圧電体42の入
力領域42a、42cには、縦振動L1及び屈曲振動B
4それぞれの固有振動数に一致した周波数を有するA相
の駆動信号VA が入力される。また、入力領域42b、
42dには、A相の駆動信号とは(π/2)の位相差を
有するB相の駆動信号VB が入力される。すると、図5
(C)に示すように、弾性体41には、相対運動方向
(図5における左右方向)へ振動する第1の振動である
1次の縦振動L1と、この相対運動方向に直交する上下
方向、すなわち振動子39と可動ステージ33との加圧
方向に平行な方向へ振動する第2の振動である4次の屈
曲振動B4とが同時に発生する。
【0056】発生した縦振動L1と屈曲振動B4とは合
成されて、駆動力取出部43a、43a’と駆動力取出
部43b、43b’とには、図5(B)に例示するよう
に、互いの位相がπずれた楕円運動がそれぞれ発生す
る。これにより、振動子39は加圧接触する可動ステー
ジ33との間で、縦振動L1の振動方向への相対的な直
線運動を発生する。なお、相対運動方向を逆向きにする
には、B相の駆動信号が、A相の駆動信号に対して(−
π/2)の位相差を有するように設定すればよい。
【0057】このように、本実施形態の振動子39は、
相対運動の方向へ振動する第1の振動である縦振動L1
と、振動子39と可動ステージ33との加圧方向と同じ
方向へ振動する第2の振動である屈曲振動B4とを励振
することにより、可動ステージ33との間で直線的な相
対運動を発生する、いわゆる異形モード縮退型の振動子
である。
【0058】(ii)振動子固定部材40 図1〜図3に示すように、振動子固定部材40は、固定
ブロック47と、加圧部材48と、支持部材49とを有
する。
【0059】固定ブロック47は、ベース基板31に、
例えばねじ止め等の適宜手段により固定されるブロック
体である。固定ブロック47の内部には、振動子39の
加圧方向(図2における上下方向)に貫通した装着部が
設けられており、この装着部に、ねじ部48b及び加圧
部材であるコイルスプリング48aが設けられ、コイル
スプリング48aの先端に、略円錐状の加圧端子48c
が設けられている。この加圧端子48cの先端が振動子
39の中央部に当接する。このため、振動子39は、コ
イルスプリング48aが発生するばね力により、加圧端
子48cにより加圧される。このため、振動子39の駆
動力取出部43a〜43b’と可動ステージ33の振動
子接触面33aとが適当な加圧力で加圧接触する。
【0060】なお、ねじ部48bのねじ込み位置を変更
することにより、コイルスプリング48aが発生するば
ね力が変更される。これにより、振動子39の駆動力取
出部43a〜43b’と可動ステージ33の振動子接触
面33aとの間の加圧力を、適宜変更することができ
る。
【0061】固定ブロック47の振動子39側の平面に
は、支持部材49が設けられる。本実施形態では、支持
部材49は、振動子39と可動ステージ33との加圧方
向と平行な方向へ向けて延設された2本の支持ピン49
a、49bを有する。支持ピン49a、49bは、振動
子39に形成された支持用突起部46a、46bにそれ
ぞれ設けられた二つの貫通孔の間の間隔と同じ距離だけ
離れて、固定ブロック47に適宜手段により固定され
る。また、支持ピン49a、49bは、支持用突起部4
6a、46bにそれぞれ設けられた二つの貫通孔に、隙
間を有して嵌まり合う。
【0062】このように、振動子39は、加圧部材48
により可動ステージ33へ加圧されるとともに、支持部
材49により加圧部材48の加圧方向へは変位自在であ
るとともに相対運動の方向には拘束されて、固定ブロッ
ク47に支持される。すなわち、振動子39による可動
ステージ33の加圧方向は、図1〜図3におけるY方向
となり、レール部材32aとガイド部材32bとの嵌合
方向と同じ方向とされる。本実施形態の超音波アクチュ
エータ34は、以上のように構成される。
【0063】〔位置検出装置35〕ベース基板31に
は、可動ステージ33の位置検出装置35が設けられ
る。本実施形態では、位置検出装置として、発光及び受
光を行う本体35aと、スケールを形成されて検出部を
構成する反射板35bとを有する反射型の光学式リニア
エンコーダを用いた。
【0064】本体35aは、ベース基板31に適宜手段
により固定される。一方、本実施形態では、反射板35
bは、可動ステージ33の本体35a側の端部に、搭載
面33bに直交するようにして、設けられる。
【0065】このエンコーダ35により、可動ステージ
33の現位置が検出される。検出値は、位置決め装置3
0の駆動制御装置61へ出力され、超音波アクチュエー
タ34の駆動状態が制御される。本実施形態の位置検出
装置35は、以上のように構成される。
【0066】〔固定ステージ36〕ベース基板31に
は、固定ステージ36が適宜手段により固定される。そ
して、この固定ステージ36の上面に、4本の光ファイ
バ50aそれぞれの4つの切換端子50が、光ファイバ
38aの切換端子38と同じ設置高さになるようにして
搭載される。各切換端子50は、いずれも、例えば樹脂
材料により直方体状に形成され、4本の光ファイバ50
aの端部をそれぞれ貫通させた状態で固定されて、装着
される。切換端子50それぞれの一つの端面には、各光
ファイバ50aの端面が同一平面をなして、配置され
る。この光ファイバ50aは、光ファイバ38aと同様
に、ステップ形光ファイバである。
【0067】なお、図1〜図3では、図面を簡略化して
理解を容易にするために、切換端子50が4つ並設され
た場合を示すが、本発明はこれに限られるものではな
く、2つ、3つ又は5つ以上の切換端子が並設された場
合にも、同様に適用される。また、図3では、固定ステ
ージ36は二点鎖線により透視状態で示してある。本実
施形態の固定ステージ36は、以上のように構成され
る。
【0068】図6は、本実施形態の位置決め装置30の
駆動制御装置61の一例を示すブロック図である。
【0069】制御部67からの指令により、駆動制御装
置61の発振器62から、振動子39の縦振動L1及び
屈曲振動B4それぞれに相当する高周波の駆動信号が、
出力される。発振器62からの出力は移相器63によっ
て位相が(π/2)異なる二種の信号に分岐されて、駆
動信号切換器64に入力される。駆動信号切換器64
は、振動子39の駆動状態(粗動、微動)に応じて、1
種又は2種の信号を出力する。すなわち、駆動信号切換
器64は、粗動駆動時及び微動駆動時それぞれの駆動信
号の伝達方法を、粗動駆動時には移相器63からの二つ
の駆動信号が各入力領域42a〜42dに入力されるよ
うに、また微動駆動時には移相器63からの二つの駆動
信号のうちの一方が入力領域42a、42cまたは入力
領域42b、42dに入力されるように、切り替える。
【0070】駆動信号切換器64からの一方の出力は増
幅器65によって増幅された後に、A相の駆動信号VA
として入力領域42a、42cの銀電極44a、44c
へ印加される。また、他方の出力は増幅器66によって
増幅された後に、B相の駆動信号VB として入力領域4
2b、42dの銀電極44b、44dへ印加される。こ
れにより、振動子39は励振し、駆動力取出部43a〜
43b’を介して加圧接触する可動ステージ33を、レ
ール部材32aの敷設方向へ向けて直線的に駆動する。
【0071】本実施形態では、エンコーダ35により直
線的に駆動される可動ステージ33の位置が検出され、
エンコーダ35からの検出値が制御部67に入力され
る。制御部67は、この検出値の値に応じて、駆動信号
切換器64に制御信号S1 を出力して振動子39の駆動
状態を粗動及び微動の2段階に切り替えるとともに、発
振器61に制御信号S2 を出力する。これにより、振動
子31の振動振幅が所定の大きさに制御される。
【0072】なお、制御部67には、検出領域42p、
42p’からの出力電圧も入力される。制御部67は、
予め設定されていた基準電圧と各検出領域42p、42
p’からの出力電圧とを比較して、検出領域42p、4
2p’からの出力電圧のほうが小さいときには周波数を
低くするように、発振器62を制御する。一方、制御部
67は、検出領域42p、42p’からの出力電圧のほ
うが大きいときには周波数を高くするように、発振器6
2を制御する。
【0073】次に、可動ステージ33の駆動を、駆動制
御装置61からの各種の命令とともに説明する。
【0074】本実施形態の位置決め装置30において、
可動ステージ33の位置をある位置から所望の位置に移
動する場合、駆動制御装置61の制御部67は、発振器
62及び切換器それぞれに、粗動駆動状態になる信号S
1 を出力する。つまり、発振器62には超音波アクチュ
エータ34の共振点から離れた周波数から共振点に近い
周波数に掃引させるように命令する。これにより、可動
ステージ33は、速度ゼロの状態から速い速度で駆動さ
れる。これと同時に、駆動信号切換器64には、入力領
域42a、42c及び入力領域42b、42dのいずれ
にも駆動信号を印加するように、切換えを選択させる。
【0075】そして、エンコーダ35からの信号により
所望の位置に近付いたことが制御部67に伝達される
と、制御部67は発振器62に周波数を共振点から離す
ように指令し、これにより、振動子39の駆動力は無く
なり、可動ステージ33は、速い速度から速度が瞬時に
遅くなり、停止する。この停止を、本明細書では、「粗
動停止」という。
【0076】可動ステージ33が粗動停止した後、制御
部67は、エンコーダ35からの検出信号に基づいて、
可動ステージ33の現位置と所望位置との偏差を求め
る。そして、可動ステージ33の現位置と所望の位置と
の偏差が許容範囲を超えている場合、発振器62及び駆
動信号切換器64それぞれに微動駆動状態になるように
命令し、可動ステージ33の現位置と所望の位置との偏
差が許容範囲内になるまで微動を行う。つまり、発振器
62にはある値の周波数を間欠的に印加する。間欠信号
は、高周波信号をBH時間印加した後にBL時間印加し
ないという周期BTのバースト信号である。
【0077】これと同時に、駆動信号切換器64には、
入力領域42a、42c及び入力領域42b、42dの
うちの一方に駆動信号を印加するように、切換えを選択
させる。例えば図4では、可動ステージ33を左方向へ
微動駆動させる時には入力領域42a、42cに駆動信
号を入力し、一方、右方向へ微動駆動させる時には入力
領域42b、42dに駆動信号を入力する。
【0078】これにより、可動ステージ33は、粗動停
止した後に、再度微小駆動され、最終的に所望の停止許
容範囲に高精度に停止する。
【0079】しかし、粗動停止時に、可動ステージ33
は、リニアガイド32を構成するレール部材32a及び
ガイド部材32b間が完全に固定されていないことによ
る微小なガタつきや、高分子材料からなる駆動力取出部
42a〜42b’の変形、さらには自身のイナーシャ等
といった様々な要因により、移動方向に関して主として
発生するヨーイング、さらにはこのヨーイングに随伴し
て発生するピッチングやローリング等の様々な微小振動
を複合して発生する。そのため、粗動停止した後に直ち
にエンコーダ35からの検出信号を用いて可動ステージ
33の現位置を求めると、粗動停止時に可動ステージ3
3に発生している微小振動、特にヨーイング振動によ
り、エンコーダ35からの検出値には大きな検出誤差が
含まれてしまい、その後に微小駆動を行っても、最終的
に、光ファイバの切換装置に要求される±1μm程度の
停止位置精度を得ることができないことがある。これを
防止するには、微小振動がなくなるまで、エンコーダ3
5からの検出信号を用いた可動ステージ33の現位置の
検出を待つ必要があり、整定時間が長時間化してしま
う。
【0080】しかし、本実施形態では、前述したよう
に、レール部材32a及びガイド部材32bの嵌合方向
を、振動子39による可動ステージ33の加圧方向と略
同じ方向として、振動子39による加圧力によりヨーイ
ング等の振動を発生することがないようにしている。こ
のため、上記の様々な微小振動のうちの特にヨーイング
振動に起因した、エンコーダ35の検出値に含まれる誤
差が、著しく低減される。このため、本実施形態では、
粗動停止した可動ステージ33に上記の微小振動が発生
している時に、エンコーダ35からの検出信号を用いた
可動ステージ33の現位置の検出を行っても、可動ステ
ージ33の位置を正確に検出することができる。このた
め、このエンコーダ35からの検出信号に基づいて微動
駆動を行っても、最終的に、光ファイバの切換装置に要
求される±1μm程度の停止位置精度を得ることができ
る。
【0081】このように、本実施形態によれば、以下に
列記する効果が奏せられる。 (1)可動ステージ33の搭載面を、超音波アクチュエ
ータ34の加圧方向と平行な方向へ向けて延設させるた
め、振動子39と可動ステージ33との加圧方向と直交
する方向への寸法を抑制できる。このため、小型である
ことから小さな設置スペースにも設置することができ
る、例えば超音波アクチュエータ34を用いた位置決め
装置を提供できる。
【0082】(2)レール部材32a及びガイド部材3
2bの嵌合方向を、振動子39による可動ステージ33
の加圧方向と略同じ方向としている。このため、粗動停
止時に直ちにエンコーダ35を用いて可動ステージ33
の位置検出を行っても、その検出値の誤差が小さく抑制
される。このため、例えば光ファイバの軸芯合わせを行
うことができるような高精度の位置決めを、短い整定時
間で行うことが初めて可能となる。
【0083】(3)レール部材32a及びガイド部材3
2bの嵌合方向を、振動子39による可動ステージ33
の加圧方向と略同じ方向とするために粗動停止時に直ち
にエンコーダ35を用いて可動ステージ33の位置検出
を行っても、その検出値の誤差が小さく抑制されること
から、安価かつ小型であって剛性の小さなリニアガイド
32を用いることもできる。このため、この分だけ、移
動時の可動ステージ33のイナーシャを低減できるため
に位置決め精度を向上できるとともに、位置決め装置3
0のコストを低下できる。
【0084】(第2実施形態)次に、第2の実施の形態
を説明する。なお、以降の本実施形態の説明は、前述し
た第1の実施の形態と相違する部分について行うことと
し、共通する部分は、同一の図中符号を付すことによ
り、重複する説明を省略する。
【0085】図7は、本実施形態の位置決め装置30−
1を、一部簡略化及び透視するとともに省略して示す斜
視図である。また、図8は、図7におけるA矢視図であ
る。さらに、図9は、図7におけるB矢視図である。
【0086】本実施形態の位置決め装置30−1が、第
1実施形態の位置決め装置30と相違するのは、案内部
材32’である。
【0087】すなわち、本実施形態では、案内部材3
2’を構成するガイド部材を、ガイド部材の移動方向へ
離間した2基のガイド部材32b−1、32b−2に分
けている。
【0088】これにより、各ガイド部材32b−1、3
2b−2を、第1実施形態のガイド32bよりも小型化
・軽量化できる。このため、可動ステージ33のイナー
シャを低減できるとともに、加減速性能を向上できる。
【0089】また、ガイド部材32b−1、32b−2
を設けたことにより、粗動停止時における可動ステージ
33のヨーイング等の振動を低減できる。このため、第
1実施形態よりも微動駆動後の最終的な停止位置の精度
を向上することができるとともに、可動ステージ33の
ヨーイングによるガイド部材32b−1、32b−2と
レール部材32a’との摺動に起因した、ガイド部材3
2b−1、32b−2及びレール部材32a’それぞれ
の摩耗を低減でき、位置決め装置30−1の耐久性を向
上できる。
【0090】さらに、小型化されたガイド部材32b−
1、32b−2を用いることにより、ガイド部材32b
−1、32b−2と嵌合するレール部材32a’の断面
積を低減して小型化することもできる。このため、案内
部材32’に要するコストを低減することもできる。
【0091】なお、本実施形態では、2基のガイド部材
32b−1、32b−2を設けたが、必要に応じて、3
基以上設けてもよい。
【0092】(変形形態)各実施形態の説明では、振動
アクチュエータが超音波アクチュエータである場合を例
にとった。しかし、本発明は超音波アクチュエータには
限定されず、超音波以外の他の振動域を利用した振動ア
クチュエータについても、等しく適用される。
【0093】また、各実施形態の説明では、本発明にか
かる位置決め装置を光ファイバの切換装置に適用した場
合を例にとった。しかし、本発明は光ファイバの切換装
置には限定されず、各種の位置決め装置についても等し
く適用される。
【0094】また、各実施形態の説明では、振動子と可
動ステージとの間で発生する相対運動の方向と略平行な
方向へ振動する第1の振動である1次の縦振動と、振動
子と可動ステージとの加圧方向と略平行な方向へ振動す
る第2の振動である4次の屈曲振動とを励振する異形モ
ード縮退型の振動子を用いた場合を例にとった。しか
し、本発明で用いる振動子は縦振動及び屈曲振動それぞ
れの振動の次数には限定されない。例えば、1次の縦振
動と2次の屈曲振動とを励振する振動子や、1次2縦振
動と6次の屈曲振動とを励振する振動子、さらには3次
の縦振動と8次の屈曲振動とを励振する振動等も、同様
に用いることができる。
【0095】また、本発明で用いる振動子は、縦振動及
び屈曲振動の組合せにも限定されず、この組合せ以外の
異形モード縮退型の振動子や、同形モード縮退型の振動
子であっても、同様に適用することができる。
【0096】また、各実施形態の説明では、振動子が圧
電体を備える場合を例にとった。しかし、本発明は圧電
体には限定されず、例えば電歪素子等の電気エネルギ及
び機械エネルギの相互変換素子であれば、等しく適用す
ることができる。
【0097】また、各実施形態の説明では、位置検出装
置の検出部である反射板が、可動ステージの搭載面に直
交して配置された場合を例にとった。しかし、本発明は
この形態には限定されず、位置決め装置の高さが許容さ
れる範囲で、反射板を90度以外の角度で傾斜させて配
置してもよい。
【0098】また、各実施形態の説明では、案内部材
が、いわゆるリニアガイドである場合を例にとった。し
かし、本発明はリニアガイドには限定されず、直線状の
レール部材と、このレール部材に隙間を有して嵌合する
移動部材をいずれも有する案内部材であれば、等しく適
用される。
【0099】また、各実施形態の説明では、案内部材が
すべり案内部材である場合を例にとった。しかし、本発
明はすべり案内部材には限定されず、球又はころを案内
面に配置したころがり案内部材や、案内面に設けたポケ
ットに油圧或いは空圧を絞りを介して供給する静圧案内
部材等も、等しく適用される。
【0100】さらに、各実施形態は、本発明を具現化し
た一例を示したものであり、本発明の作用効果を奏する
範囲で様々な変形が可能である。
【0101】
【発明の効果】請求項1〜請求項4の発明により、振動
子の加圧方向に平行な方向への寸法が小さいことから小
さな設置スペースにも設置することができるとともに、
振動子が発生する振動に起因した位置決め精度の低下
や、位置決めの長時間化を抑制し、例えば光ファイバの
切換装置にも適用可能な高精度の位置決めを、短い整定
時間で行うことができる、超音波アクチュエータ等の振
動アクチュエータを用いた小型の位置決め装置を提供す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の位置決め装置を、一部簡略化及
び透視するとともに省略して示す斜視図である。
【図2】図1におけるA矢視図である。
【図3】図1におけるB矢視図である。
【図4】実施形態における振動子の構成を示す斜視図で
ある。
【図5】振動子の説明図であり、図5(A)は上面図、
図5(B)は側面図、図5(C)は振動子に発生する二
つの異なる振動L1及びB4それぞれの波形例を示す説
明図である。
【図6】実施形態の位置決め装置の駆動制御装置の一例
を示すブロック図である。
【図7】第2実施形態の位置決め装置を、一部簡略化及
び透視するとともに省略して示す斜視図である。
【図8】図7におけるA矢視図である。
【図9】図8におけるB矢視図である。
【図10】特開平6−34897号公報により開示され
た情報伝送路切換装置の構成を示す説明図であって、図
10(A)は全体の構成を示す斜視図、図10(B)は
図10(A)における出力側ホルダを抽出して示す斜視
図、図10(C)は出力側ホルダの内部を走行する端末
部品を示す説明図である。
【図11】本出願人が特願平11−203369号によ
り提案した情報伝送路切換装置の構成例を、一部破断し
た状態で示す斜視図である。
【符号の説明】
30 位置決め装置 32 リニアガイド 32a レール部材 32b ガイド部材 33 可動ステージ 33b 搭載面 34 超音波アクチュエータ 39 振動子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H041 AA14 AB20 AC08 AZ03 5H303 AA05 BB01 BB07 BB11 BB17 CC01 DD14 DD22 DD30 FF06 GG11 KK16 5H680 AA07 BB03 BB13 BC10 CC07 DD02 DD23 DD27 DD34 DD53 DD55 DD74 DD82 FF03 FF24 FF30 FF33 GG02 GG25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直線状のレール部材、及び該レール部材
    に嵌合する移動部材をいずれも有する案内部材と、 該移動部材に支持されて、前記レール部材に対して直線
    的に移動する可動ステージと、 該可動ステージの移動方向と略直交する加圧方向へ前記
    可動ステージを加圧することにより前記可動ステージと
    の間で相対運動を発生する振動子を有する振動アクチュ
    エータとを備え、 前記可動ステージは、前記加圧方向に略平行な方向へ延
    設された搭載面を有するとともに、前記レール部材及び
    前記移動部材それぞれの嵌合方向は、前記加圧方向と略
    同じ方向であることを特徴とする振動アクチュエータを
    用いた位置決め装置。
  2. 【請求項2】 前記案内部材を構成する前記レール部材
    及び前記移動部材それぞれのうちの一方は凸形の断面形
    状を有するとともに、他方は該凸形の断面形状に対して
    嵌合する凹形の断面形状を有することを特徴とする請求
    項1に記載された振動アクチュエータを用いた位置決め
    装置。
  3. 【請求項3】 前記移動部材は、その移動方向へ離間し
    て少なくとも2基設けられることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載された振動アクチュエータを用い
    た位置決め装置。
  4. 【請求項4】 前記振動子は、前記相対運動の方向と略
    同じ方向へ振動する第1の振動と、前記加圧方向と略同
    じ方向へ振動する第2の振動とを励振することを特徴と
    する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載さ
    れた振動アクチュエータを用いた位置決め装置。
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