JP2976703B2 - ヘッドアクチュエータ - Google Patents
ヘッドアクチュエータInfo
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- piezoelectric
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はVTR機器等に用いられ
る圧電体の弾性振動を用いて駆動力を発生する小型のヘ
ッドアクチュエータに関するものである。
る圧電体の弾性振動を用いて駆動力を発生する小型のヘ
ッドアクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、VTR機器において、記録再生画
像の高品質化や特殊再生機能の高度化、さらには磁性材
料の進歩による高記録密度化にともないビデオトラック
幅が狭まるため高精度のトラック追尾のできるヘッドア
クチュエータが嘱望されている。以下に従来の複合バイ
モルフと平行バネ型バイモルフの圧電型ヘッドアクチュ
エータについて説明する。
像の高品質化や特殊再生機能の高度化、さらには磁性材
料の進歩による高記録密度化にともないビデオトラック
幅が狭まるため高精度のトラック追尾のできるヘッドア
クチュエータが嘱望されている。以下に従来の複合バイ
モルフと平行バネ型バイモルフの圧電型ヘッドアクチュ
エータについて説明する。
【0003】図15はアンペックス社が開発した複合バ
イモルフ構造のヘッドアクチュエータの斜視図である。
図16はその動作原理を示す図である。同図において、
31はバイモルフ構造圧電体、32、33、34、35
はアクチュエータ電極、36はセンサ電極、37は支持
台、38はヘッドである。同図の様に構成されたヘッド
アクチュエータは、アクチュエータ電極32と34およ
び33と35が接続され、アクチュエータ電極32と3
3で一方向に曲げを生じた時、反対方向に接続されたア
クチュエータ電極34と35で圧電体31の先端は反対
方向の曲げを生じるために全体としてS字形に変形す
る。これにより先端に設けられたヘッド38はテープ3
9に対してのスペーシング角θを単一バイモルフ構造の
ヘッドアクチュエータに比べて大幅に小さくできるもの
である。また、センサ電極36は圧電体31の曲げによ
る歪から発生する電荷を検出することによりヘッド38
の位置を制御するために用いられる。
イモルフ構造のヘッドアクチュエータの斜視図である。
図16はその動作原理を示す図である。同図において、
31はバイモルフ構造圧電体、32、33、34、35
はアクチュエータ電極、36はセンサ電極、37は支持
台、38はヘッドである。同図の様に構成されたヘッド
アクチュエータは、アクチュエータ電極32と34およ
び33と35が接続され、アクチュエータ電極32と3
3で一方向に曲げを生じた時、反対方向に接続されたア
クチュエータ電極34と35で圧電体31の先端は反対
方向の曲げを生じるために全体としてS字形に変形す
る。これにより先端に設けられたヘッド38はテープ3
9に対してのスペーシング角θを単一バイモルフ構造の
ヘッドアクチュエータに比べて大幅に小さくできるもの
である。また、センサ電極36は圧電体31の曲げによ
る歪から発生する電荷を検出することによりヘッド38
の位置を制御するために用いられる。
【0004】図17は平行バネ型バイモルフ構造のヘッ
ドアクチュエータの斜視図である。図18はその動作原
理を示す図である。同図から、バイモルフ構造の圧電素
子40、41を平行に2枚配置し、その先端に曲がり方
向に柔軟性を持ったフレキシブルヘッドホルダー42を
設け、その先端にヘッド38を貼付けた構成となってい
る。図18から、圧電素子40、41に直流電圧を印加
すると(数1)式に従って先端が変位する。
ドアクチュエータの斜視図である。図18はその動作原
理を示す図である。同図から、バイモルフ構造の圧電素
子40、41を平行に2枚配置し、その先端に曲がり方
向に柔軟性を持ったフレキシブルヘッドホルダー42を
設け、その先端にヘッド38を貼付けた構成となってい
る。図18から、圧電素子40、41に直流電圧を印加
すると(数1)式に従って先端が変位する。
【0005】
【数1】
【0006】ここで、d31は圧電定数、(13)は圧電素子
の長さ、tは圧電素子の厚み、Vは印加電圧である。
の長さ、tは圧電素子の厚み、Vは印加電圧である。
【0007】また、圧電素子40、41の機械的共振周
波数fは(数2)に従う。
波数fは(数2)に従う。
【0008】
【数2】
【0009】ここで、ρは密度、s11は弾性定数であ
る。上記関係により圧電素子40、41が変位した時、
フレキシブルヘッドホルダー42はテープ39に対して
平行になるように変形する。このため図15の複合バイ
モルフ構造に比べて、曲げに寄与する圧電素子長が実効
的に長くとれる、またフレキシブルヘッドホルダー42
によりヘッド38が平行移動するため、スペーシング角
θをほとんどゼロにできるものである。
る。上記関係により圧電素子40、41が変位した時、
フレキシブルヘッドホルダー42はテープ39に対して
平行になるように変形する。このため図15の複合バイ
モルフ構造に比べて、曲げに寄与する圧電素子長が実効
的に長くとれる、またフレキシブルヘッドホルダー42
によりヘッド38が平行移動するため、スペーシング角
θをほとんどゼロにできるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、複合バイモルフ構造や平行バネ型バイモル
フ構造のヘッドアクチュエータは何れも、形状が大きく
なってしまうと言う問題がある。(数1)と(数2)の
関係にしたがえば、変位量ξは圧電素子の長さと厚みの
比(l/t)の平方に比例する。一方、共振周波数fは
圧電体の厚みと長さの平方(t/l2)に比例する。例
えば、圧電素子の長さl=20mm、厚み1mm、d31
≒−10-10(m/v)、ヤング率s11≒1011(N/
m2)、密度ρ=7.8×103(kg/m3)の時、電圧
V=1Kvで変位量ξ≒300μm、共振周波数f≒1
400Hz程度を得ることができる。しかし、変位量を
拡大するためには、圧電体の素子長を長くするか、圧電
体厚を薄くするか、高直流電圧を印加するか、または圧
電定数d31の大きな材料を開発しなければならない。ま
た、共振周波数を向上するためには、圧電体長を短くす
るか、圧電体厚を厚くする等、変位量の拡大とは相反す
る形状が必要となってしまい、より大きな変位量と高い
共振周波数を同時に満たすことが困難となっている。
の構成では、複合バイモルフ構造や平行バネ型バイモル
フ構造のヘッドアクチュエータは何れも、形状が大きく
なってしまうと言う問題がある。(数1)と(数2)の
関係にしたがえば、変位量ξは圧電素子の長さと厚みの
比(l/t)の平方に比例する。一方、共振周波数fは
圧電体の厚みと長さの平方(t/l2)に比例する。例
えば、圧電素子の長さl=20mm、厚み1mm、d31
≒−10-10(m/v)、ヤング率s11≒1011(N/
m2)、密度ρ=7.8×103(kg/m3)の時、電圧
V=1Kvで変位量ξ≒300μm、共振周波数f≒1
400Hz程度を得ることができる。しかし、変位量を
拡大するためには、圧電体の素子長を長くするか、圧電
体厚を薄くするか、高直流電圧を印加するか、または圧
電定数d31の大きな材料を開発しなければならない。ま
た、共振周波数を向上するためには、圧電体長を短くす
るか、圧電体厚を厚くする等、変位量の拡大とは相反す
る形状が必要となってしまい、より大きな変位量と高い
共振周波数を同時に満たすことが困難となっている。
【0011】本発明は上記問題点を解決したヘッドアク
チュエータを提供することを目的とするものである。
チュエータを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のヘッドアクチュエータは、少なくとも1組の
交差する平面には圧電体が設けられた断面形状が四角形
の棒状振動体と、四角形振動体の稜線部にガイド軸に設
けられた移動体を圧接する加圧機構部と、移動体の位置
を知る光学式や歪検出素子等の位置検出部からなり、第
1と第2の圧電体により励振される合成振動による駆動
方法や、片側の圧電体に交流電圧を印加することにより
移動体をある一方向に移動させ、他方の圧電体に交流電
圧を切り替えることにより移動体を逆方向に移動させる
駆動方法によって上記課題を解決するものである。
に本発明のヘッドアクチュエータは、少なくとも1組の
交差する平面には圧電体が設けられた断面形状が四角形
の棒状振動体と、四角形振動体の稜線部にガイド軸に設
けられた移動体を圧接する加圧機構部と、移動体の位置
を知る光学式や歪検出素子等の位置検出部からなり、第
1と第2の圧電体により励振される合成振動による駆動
方法や、片側の圧電体に交流電圧を印加することにより
移動体をある一方向に移動させ、他方の圧電体に交流電
圧を切り替えることにより移動体を逆方向に移動させる
駆動方法によって上記課題を解決するものである。
【0013】
【作用】この構成によって、移動体と振動体との加圧が
面でなく点あるいは線状となるため移動体と振動体の平
面精度や平行度に対する制約は皆無となり、量産性や低
コストが容易にはかれる。また、従来のバイモルフ構造
のように機械的共振周波数によって制御周波数が制限さ
れることがなくなる。そして、振動体に貼付けた圧電素
子の共振現象による弾性振動を、移動体に摩擦力を介し
て伝達するため、駆動電圧の低減や移動体の高速駆動が
可能である。さらにガイド軸上を移動するため、ヘッド
の振れ幅が構造や圧電材料の特性により制限されること
がなく、かつヘッドのスペーシング角をほぼゼロとでき
るものである。
面でなく点あるいは線状となるため移動体と振動体の平
面精度や平行度に対する制約は皆無となり、量産性や低
コストが容易にはかれる。また、従来のバイモルフ構造
のように機械的共振周波数によって制御周波数が制限さ
れることがなくなる。そして、振動体に貼付けた圧電素
子の共振現象による弾性振動を、移動体に摩擦力を介し
て伝達するため、駆動電圧の低減や移動体の高速駆動が
可能である。さらにガイド軸上を移動するため、ヘッド
の振れ幅が構造や圧電材料の特性により制限されること
がなく、かつヘッドのスペーシング角をほぼゼロとでき
るものである。
【0014】また、この駆動方法として、X、Y方向の
振動変位に対してある角度を持つ振動体の稜線部に移動
体が加圧されるため、振動の変位量の余弦成分で移動体
を駆動でき、X、Y方向の片側の圧電体の振動だけで移
動体を一方向に駆動し、また他方の圧電体に振動を励振
するように交流電圧の切り替えだけで移動方向を反転さ
せることができるものである。さらに別の駆動方法とし
ては、X、Y方向の圧電体に位相の異なる交流電圧を同
時に印加することにより振動体の稜線部に楕円軌跡の振
動を励振し、位相の符号を変えることにより移動体の移
動方向を容易に変えることも可能である。
振動変位に対してある角度を持つ振動体の稜線部に移動
体が加圧されるため、振動の変位量の余弦成分で移動体
を駆動でき、X、Y方向の片側の圧電体の振動だけで移
動体を一方向に駆動し、また他方の圧電体に振動を励振
するように交流電圧の切り替えだけで移動方向を反転さ
せることができるものである。さらに別の駆動方法とし
ては、X、Y方向の圧電体に位相の異なる交流電圧を同
時に印加することにより振動体の稜線部に楕円軌跡の振
動を励振し、位相の符号を変えることにより移動体の移
動方向を容易に変えることも可能である。
【0015】
(実施例1)以下本発明の実施例1について、図面を参
照しながら説明する。
照しながら説明する。
【0016】図1は、本発明の実施例1のヘッドアクチ
ュエータの斜視図である。同図において、1は断面形状
が四角形の弾性体、2aは図示していないが第1の圧電
体、2bは第2の圧電体で、弾性体1に第1と第2の圧
電体2a,2bを貼り合わせて振動体3が構成されてい
る。また、4は支持穴、5は支持部材、6は移動体、7
はガイド軸、8はガイド軸の両端に設けた、例えば、翼
状の加圧バネなどからなる加圧機構部、9は光学式位置
検出素子等からなる位置検出器、10は信号検出用のヘ
ッドである。図2は、棒の1次の自由振動の変位分布を
示す図で、11は支持穴4の位置に対応するノード
(節)であり、この場合振動体3の両端から0.224
l(l:振動体長)の位置となる。図1から、移動体6
は振動体3の稜線部で振動体3の中央部の振動変位量の
最大位置で、ガイド軸7の両端に固定された翼状の加圧
バネなどを筐体に固定することで加圧するように構成さ
れた加圧機構部8により振動体とガイド軸に沿って移動
する移動体とを加圧接触している。また、振動体3はプ
ラスチックピンなどの支持部材5で低ヤング率を持つも
のや音速の小さい材料等からなり、支持穴4で支持固定
されている。この時支持穴4はX,Y方向の振動体3の
剛性を等しくするために対称に設ける方が好ましいが、
支持穴4の影響が無視できる場合はこの限りではない。
ュエータの斜視図である。同図において、1は断面形状
が四角形の弾性体、2aは図示していないが第1の圧電
体、2bは第2の圧電体で、弾性体1に第1と第2の圧
電体2a,2bを貼り合わせて振動体3が構成されてい
る。また、4は支持穴、5は支持部材、6は移動体、7
はガイド軸、8はガイド軸の両端に設けた、例えば、翼
状の加圧バネなどからなる加圧機構部、9は光学式位置
検出素子等からなる位置検出器、10は信号検出用のヘ
ッドである。図2は、棒の1次の自由振動の変位分布を
示す図で、11は支持穴4の位置に対応するノード
(節)であり、この場合振動体3の両端から0.224
l(l:振動体長)の位置となる。図1から、移動体6
は振動体3の稜線部で振動体3の中央部の振動変位量の
最大位置で、ガイド軸7の両端に固定された翼状の加圧
バネなどを筐体に固定することで加圧するように構成さ
れた加圧機構部8により振動体とガイド軸に沿って移動
する移動体とを加圧接触している。また、振動体3はプ
ラスチックピンなどの支持部材5で低ヤング率を持つも
のや音速の小さい材料等からなり、支持穴4で支持固定
されている。この時支持穴4はX,Y方向の振動体3の
剛性を等しくするために対称に設ける方が好ましいが、
支持穴4の影響が無視できる場合はこの限りではない。
【0017】次に、図3と図4(a)、(b)の動作説
明図を用いてその駆動原理を説明する。図3は、第1と
第2の圧電体2a、2aの合成振動を用いた時の駆動原
理図であり、図4は第1と第2の圧電体2a、2aを単
独振動を用いた時の駆動原理図である。
明図を用いてその駆動原理を説明する。図3は、第1と
第2の圧電体2a、2aの合成振動を用いた時の駆動原
理図であり、図4は第1と第2の圧電体2a、2aを単
独振動を用いた時の駆動原理図である。
【0018】図3は、第1の圧電体2aに(数3)で表
される交流電圧v1を印加しX方向に振動を励振する、
また第2の圧電体2bに(数4)で表されるπ/2位相
の異なる交流電圧v2でY方向の振動を励振する。
される交流電圧v1を印加しX方向に振動を励振する、
また第2の圧電体2bに(数4)で表されるπ/2位相
の異なる交流電圧v2でY方向の振動を励振する。
【0019】
【数3】
【0020】
【数4】
【0021】ここで、V0は交流電圧の瞬時値、ωは角周
波数、tは時間である。これにより、振動体3の全周に
おいて(数5)で表せる楕円軌跡の曲げ振動が励振され
る。一例として、図3中の矢印で楕円軌跡の様子を示
す。
波数、tは時間である。これにより、振動体3の全周に
おいて(数5)で表せる楕円軌跡の曲げ振動が励振され
る。一例として、図3中の矢印で楕円軌跡の様子を示
す。
【0022】
【数5】
【0023】ここで、ξは曲げ振動の振幅値、ξ0は曲
げ振動の瞬時値である。この楕円軌跡の振動により、加
圧機構部8の加圧バネの押圧で振動体3の稜線部が移動
体6に圧接され、摩擦力により楕円軌跡の運動方向に駆
動される。また、(数4)に示すように±π/2と位相
を変えることにより、移動体6の移動方向を反転するこ
とができるものである。
げ振動の瞬時値である。この楕円軌跡の振動により、加
圧機構部8の加圧バネの押圧で振動体3の稜線部が移動
体6に圧接され、摩擦力により楕円軌跡の運動方向に駆
動される。また、(数4)に示すように±π/2と位相
を変えることにより、移動体6の移動方向を反転するこ
とができるものである。
【0024】また別の駆動方法として、図4(a)は第
1の圧電体2aにより、X方向の振動が励振された場合
の振動体3の稜線部の振動の様子を示している。稜線部
において、振動変位量ξxはξx1とξx2方向の成分に分
解することができる。よって、稜線部に加圧接触された
移動体6は第1の圧電体2aにより励振された振動変位
ξxのξx2成分によりξx2方向に移動することになる。
同様に図3(b)には第2の圧電体2bにより、Y方向
の振動が励振された場合の振動体3の稜線部の振動の様
子を示している。稜線部において、振動変位量ξyはξ
y1とξy2方向の成分に分解することができる。よって、
稜線部に加圧接触された移動体6は第2の圧電体2bに
より励振された振動変位ξyのξy2成分によりξy2方向
に移動することになる。以上説明したように、第1と第
2の圧電体2a、2bにより単独に励振される振動の余
弦方向成分ξx2、ξy2は互いに反対方向の成分であるた
め、どちらか一方の圧電体を駆動することにより移動体
6の移動方向を制御することができ、1つの交流電圧を
各圧電体に対して切り替えて入力することにより移動方
向の反転が可能となる。
1の圧電体2aにより、X方向の振動が励振された場合
の振動体3の稜線部の振動の様子を示している。稜線部
において、振動変位量ξxはξx1とξx2方向の成分に分
解することができる。よって、稜線部に加圧接触された
移動体6は第1の圧電体2aにより励振された振動変位
ξxのξx2成分によりξx2方向に移動することになる。
同様に図3(b)には第2の圧電体2bにより、Y方向
の振動が励振された場合の振動体3の稜線部の振動の様
子を示している。稜線部において、振動変位量ξyはξ
y1とξy2方向の成分に分解することができる。よって、
稜線部に加圧接触された移動体6は第2の圧電体2bに
より励振された振動変位ξyのξy2成分によりξy2方向
に移動することになる。以上説明したように、第1と第
2の圧電体2a、2bにより単独に励振される振動の余
弦方向成分ξx2、ξy2は互いに反対方向の成分であるた
め、どちらか一方の圧電体を駆動することにより移動体
6の移動方向を制御することができ、1つの交流電圧を
各圧電体に対して切り替えて入力することにより移動方
向の反転が可能となる。
【0025】そして、上記どちらかの駆動方法により、
図1に示すガイド軸7に沿って移動する移動体6上にヘ
ッド10を設け、例えばフレキシブルP板等で記録信号
を取り出すものである。この時、ビデオ信号を記録した
トラックにヘッド10を正確にトラッキングさせるため
に位置検出部9から移動体6の位置情報をフィードバッ
クさせることにより高精度のヘッドアクチュエータを得
ることができるものである。図5に位置検出部9の一例
として示すように、ビームスプリッター等の偏光素子1
2上に半導体レーザ13とフォトダイオード等の光検知
素子14と反射鏡15を各面に図のように配置し、移動
体6にアルミ膜などからなる反射膜(図示せず)を設け
る。検出原理は、半導体レーザ13から出たレーザ光が
偏光素子12で2つに分岐され、一方のレーザ光17は
反射鏡15で反射され光検出素子14に入射し、もう一
方のレーザ光18は移動体6上の反射膜により反射し
て、再度偏光素子12で反射されて光検出素子14に入
射する。この時レーザ光17と18の光検出素子14ま
での光路長差による光強度の変化により、その位置を決
定するものである。
図1に示すガイド軸7に沿って移動する移動体6上にヘ
ッド10を設け、例えばフレキシブルP板等で記録信号
を取り出すものである。この時、ビデオ信号を記録した
トラックにヘッド10を正確にトラッキングさせるため
に位置検出部9から移動体6の位置情報をフィードバッ
クさせることにより高精度のヘッドアクチュエータを得
ることができるものである。図5に位置検出部9の一例
として示すように、ビームスプリッター等の偏光素子1
2上に半導体レーザ13とフォトダイオード等の光検知
素子14と反射鏡15を各面に図のように配置し、移動
体6にアルミ膜などからなる反射膜(図示せず)を設け
る。検出原理は、半導体レーザ13から出たレーザ光が
偏光素子12で2つに分岐され、一方のレーザ光17は
反射鏡15で反射され光検出素子14に入射し、もう一
方のレーザ光18は移動体6上の反射膜により反射し
て、再度偏光素子12で反射されて光検出素子14に入
射する。この時レーザ光17と18の光検出素子14ま
での光路長差による光強度の変化により、その位置を決
定するものである。
【0026】なお、位置検出部9は、光てこの原理を用
いたものや光エンコーダなど小型で移動体6と非接触の
検出素子であれば何でもよい。
いたものや光エンコーダなど小型で移動体6と非接触の
検出素子であれば何でもよい。
【0027】以上のように本発明の実施例1によれば、
移動体6はガイド軸7にそって移動するため、原理的に
振れ幅は制限されず、テープとヘッド10とのスペーシ
ング角はゼロとなり、理想的なヘッドアクチュエータを
得ることができる。
移動体6はガイド軸7にそって移動するため、原理的に
振れ幅は制限されず、テープとヘッド10とのスペーシ
ング角はゼロとなり、理想的なヘッドアクチュエータを
得ることができる。
【0028】また、加圧バネなどからなる加圧機構部8
をガイド軸7に設けることにより、振動体3を支持部材
5で完全固定できるため、振動体3の位置を確定でき、
振動体の駆動力を移動体にすべて伝達できるので駆動力
の増加と駆動効率の向上がはかれる。なぜなら、加圧ば
ねで支持した振動体3構造の場合、ガイド軸7と移動体
6では圧電体により励振された弾性振動の垂直方向成分
を吸収しないため、、振動体3自身が移動体6に伝達し
た振動の垂直方向成分の反作用で移動するため、移動体
6を移動させる駆動力が減少し、加圧力に比例した駆動
力を得ることができないためである。
をガイド軸7に設けることにより、振動体3を支持部材
5で完全固定できるため、振動体3の位置を確定でき、
振動体の駆動力を移動体にすべて伝達できるので駆動力
の増加と駆動効率の向上がはかれる。なぜなら、加圧ば
ねで支持した振動体3構造の場合、ガイド軸7と移動体
6では圧電体により励振された弾性振動の垂直方向成分
を吸収しないため、、振動体3自身が移動体6に伝達し
た振動の垂直方向成分の反作用で移動するため、移動体
6を移動させる駆動力が減少し、加圧力に比例した駆動
力を得ることができないためである。
【0029】しかし、本実施例に示すように、ガイド軸
に加圧バネなどで加圧機構部8を設ければ、加圧機構部
の加圧バネによる振動周期よりも振動体3の振動周期の
方が速いため、移動体6は振動変位の垂直成分程度浮上
した状態を実現でき、振動変位の移動体の移動方向成分
を有効に移動体6に伝達することができる。
に加圧バネなどで加圧機構部8を設ければ、加圧機構部
の加圧バネによる振動周期よりも振動体3の振動周期の
方が速いため、移動体6は振動変位の垂直成分程度浮上
した状態を実現でき、振動変位の移動体の移動方向成分
を有効に移動体6に伝達することができる。
【0030】さらに、従来の複合バイモルフや平行バネ
型バイモルフ構造のように、機械的な共振周波数によっ
て制御周波数が制限されることがないため、制御周波数
を高くしたより高精度の制御をすることができる。
型バイモルフ構造のように、機械的な共振周波数によっ
て制御周波数が制限されることがないため、制御周波数
を高くしたより高精度の制御をすることができる。
【0031】また、移動体6の駆動原理が基本的に摩擦
駆動であるためダンピング性能がよくリンギングのない
高精度に制御されるヘッドアクチュエータが得られる。
駆動であるためダンピング性能がよくリンギングのない
高精度に制御されるヘッドアクチュエータが得られる。
【0032】そして、振動体3の稜線部に移動体6を加
圧接触させる構成により、移動体6と振動体3との平行
度や平面精度に対する制約が緩和され、安価で生産性に
優れ、信頼性の高いヘッドアクチュエータを得ることが
できる。
圧接触させる構成により、移動体6と振動体3との平行
度や平面精度に対する制約が緩和され、安価で生産性に
優れ、信頼性の高いヘッドアクチュエータを得ることが
できる。
【0033】また、特に片側の圧電体で振動体を駆動す
る場合において、移動体6の移動方向に対応した圧電体
に交流電圧を印加するだけで駆動できるため、駆動回路
を非常に簡単な構成とすることができる。
る場合において、移動体6の移動方向に対応した圧電体
に交流電圧を印加するだけで駆動できるため、駆動回路
を非常に簡単な構成とすることができる。
【0034】そして、1つの圧電体による駆動時でも、
X、Y方向の合成振動による駆動時に比べて、入力電力
はほぼ半分にし、70%程度の振動変位量が得られるの
で、駆動効率を向上させることができる。
X、Y方向の合成振動による駆動時に比べて、入力電力
はほぼ半分にし、70%程度の振動変位量が得られるの
で、駆動効率を向上させることができる。
【0035】同様に、駆動が片側だけで行えるので、弾
性体1の形状変化や寸法誤差などによる剛性変化によ
り、XとY方向の共振周波数が異なっても制御が可能で
厳密な形状や寸法精度等を必要としない。よって、非常
に簡単な構成の駆動回路で特性の安定したヘッドアクチ
ュエータを得ることができる。
性体1の形状変化や寸法誤差などによる剛性変化によ
り、XとY方向の共振周波数が異なっても制御が可能で
厳密な形状や寸法精度等を必要としない。よって、非常
に簡単な構成の駆動回路で特性の安定したヘッドアクチ
ュエータを得ることができる。
【0036】なお、第1と第2の圧電体2a、2bは図
1に示したように交差する2つの平面のみに限定される
ものではなく、図6に示すように相対する平面に図中の
矢印で示すような分極方向の配置となるように圧電体2
a’、2b’を設け、圧電体2a、2a’および圧電体
2b、2b’の組で駆動することにより、低共振インピ
ーダンス化と高い電気−機械結合が得られ、低電圧駆動
や負荷変動に対する駆動周波数変化に追従する制御回路
を簡略化することができるなどの利点が付与されるもの
である。
1に示したように交差する2つの平面のみに限定される
ものではなく、図6に示すように相対する平面に図中の
矢印で示すような分極方向の配置となるように圧電体2
a’、2b’を設け、圧電体2a、2a’および圧電体
2b、2b’の組で駆動することにより、低共振インピ
ーダンス化と高い電気−機械結合が得られ、低電圧駆動
や負荷変動に対する駆動周波数変化に追従する制御回路
を簡略化することができるなどの利点が付与されるもの
である。
【0037】(実施例2)以下本発明の実施例2につい
て、図面を参照しながら説明する。
て、図面を参照しながら説明する。
【0038】図7は、本発明の実施例2のヘッドアクチ
ュエータの平面図である。同図は、実施例1の光学的な
位置検出部9を除き、移動体6に歪ゲージ等の位置検出
素子19を設けた板バネ20を付与したものである。そ
れにより、移動体6の移動により板バネ20が変形し、
その変形量が位置検出素子19の抵抗値などを変化させ
ることで移動体6の位置を制御するものである。他の構
成は実施例1と同じである。
ュエータの平面図である。同図は、実施例1の光学的な
位置検出部9を除き、移動体6に歪ゲージ等の位置検出
素子19を設けた板バネ20を付与したものである。そ
れにより、移動体6の移動により板バネ20が変形し、
その変形量が位置検出素子19の抵抗値などを変化させ
ることで移動体6の位置を制御するものである。他の構
成は実施例1と同じである。
【0039】以上のように本発明の実施例2によれば、
実施例1と同じ効果が得られる、一方、実施例1では、
高価な光学式位置検出部9を用いたり、ヘッド10から
の記録信号の読み出しが困難であったが、本発明では安
価な抵抗変化を利用した歪ゲージ等の位置検出素子19
で位置制御ができるとともに、板バネ20上を配線する
ことにより、移動体6の駆動による実施例1で発生しや
すい断線等の問題を未然に防止することができるもので
ある。
実施例1と同じ効果が得られる、一方、実施例1では、
高価な光学式位置検出部9を用いたり、ヘッド10から
の記録信号の読み出しが困難であったが、本発明では安
価な抵抗変化を利用した歪ゲージ等の位置検出素子19
で位置制御ができるとともに、板バネ20上を配線する
ことにより、移動体6の駆動による実施例1で発生しや
すい断線等の問題を未然に防止することができるもので
ある。
【0040】(実施例3)以下本発明の実施例3につい
て、図面を参照しながら説明する。
て、図面を参照しながら説明する。
【0041】図8は、本発明の実施例3のヘッドアクチ
ュエータの平面図である。同図は、実施例1と2と同様
にガイド軸7によって移動体6の案内をするとともに、
平行板バネ21で移動体6を挟持し、振動体3に設けた
加圧機構部22または振動体3にガイド軸7に設けたバ
ネなどからなる実施例1および2で示した加圧機構部に
よって移動体6を加圧接触させ、摩擦力を介して駆動す
る構造である。
ュエータの平面図である。同図は、実施例1と2と同様
にガイド軸7によって移動体6の案内をするとともに、
平行板バネ21で移動体6を挟持し、振動体3に設けた
加圧機構部22または振動体3にガイド軸7に設けたバ
ネなどからなる実施例1および2で示した加圧機構部に
よって移動体6を加圧接触させ、摩擦力を介して駆動す
る構造である。
【0042】以上のように本発明の実施例3によれば、
ガイド軸7と平行板バネ21構造とすることにより、平
行板バネ21だけの場合、移動体6の中心位置から変位
した位置での加圧力によるモーメントによって移動体6
が平行に駆動できずヘッドと磁気テープとのスペーシン
グ角を生じると言う問題をガイド軸7を設けることによ
り防止することができる。
ガイド軸7と平行板バネ21構造とすることにより、平
行板バネ21だけの場合、移動体6の中心位置から変位
した位置での加圧力によるモーメントによって移動体6
が平行に駆動できずヘッドと磁気テープとのスペーシン
グ角を生じると言う問題をガイド軸7を設けることによ
り防止することができる。
【0043】また、1本のガイド軸7だけの時におこ
る、移動体6の移動方向と直交する方向の変動を平行板
バネ21により防止することにより、多数ヘッド構成の
アクチュエータにおいて各ヘッドの磁気テープのトラッ
クに対する傾きによる読み取り信号の劣化を防ぐことが
できる。
る、移動体6の移動方向と直交する方向の変動を平行板
バネ21により防止することにより、多数ヘッド構成の
アクチュエータにおいて各ヘッドの磁気テープのトラッ
クに対する傾きによる読み取り信号の劣化を防ぐことが
できる。
【0044】さらに、加圧機構部による加圧力を平行板
バネ21とで分散することにより、移動体3とガイド軸
7との摩擦抵抗を実施例1よりも減少させることができ
ため、より一層の高速駆動が可能となる。
バネ21とで分散することにより、移動体3とガイド軸
7との摩擦抵抗を実施例1よりも減少させることができ
ため、より一層の高速駆動が可能となる。
【0045】また、位置検出素子は実施例2と同様の構
成とできるため、安価で信頼性の高いヘッドアクチュエ
ータとすることができる。
成とできるため、安価で信頼性の高いヘッドアクチュエ
ータとすることができる。
【0046】ここで、実施例3では平行バネ構成とした
が、1枚バネ構成でも良いことは言うまでもない。
が、1枚バネ構成でも良いことは言うまでもない。
【0047】(実施例4)以下本発明の実施例4につい
て、図面を参照しながら説明する。
て、図面を参照しながら説明する。
【0048】図9は、本発明の実施例4のヘッドアクチ
ュエータの平面図である。同図は、実施例3において、
半円筒形の曲げ部23を設けた平行バネ24としたもの
である。他の構成は実施例3と同様である。
ュエータの平面図である。同図は、実施例3において、
半円筒形の曲げ部23を設けた平行バネ24としたもの
である。他の構成は実施例3と同様である。
【0049】以上のように構成した実施例4によれば、
実施例3の平行バネ21構造時、移動体6の振れ幅が平
行バネの伸び量に依存するため大きくとれないという問
題があったが、半円筒形の曲げ部23を持つ平行バネ2
4構造とすることにより、曲げ部23の変形により移動
体6の振れ幅を大きく拡大できるものである。
実施例3の平行バネ21構造時、移動体6の振れ幅が平
行バネの伸び量に依存するため大きくとれないという問
題があったが、半円筒形の曲げ部23を持つ平行バネ2
4構造とすることにより、曲げ部23の変形により移動
体6の振れ幅を大きく拡大できるものである。
【0050】(実施例5)以下本発明の実施例5につい
て、図面を参照しながら説明する。
て、図面を参照しながら説明する。
【0051】図10は、本発明の実施例5のヘッドアク
チュエータの平面図である。同図は、実施例3におい
て、支持固定部において、R部25を設けた平行板バネ
26としたものである。他の構成は実施例3と同様であ
る。
チュエータの平面図である。同図は、実施例3におい
て、支持固定部において、R部25を設けた平行板バネ
26としたものである。他の構成は実施例3と同様であ
る。
【0052】上記のように実施例5によれば、実施例4
の半円筒形の曲げ部23を有する平行板バネ24におけ
るねじり力に対する剛性をR部25形状の平行板バネ2
6で強化することにより、実施例3で述べたモーメント
に対してもヘッドを確実に平行移動することができるも
のである。
の半円筒形の曲げ部23を有する平行板バネ24におけ
るねじり力に対する剛性をR部25形状の平行板バネ2
6で強化することにより、実施例3で述べたモーメント
に対してもヘッドを確実に平行移動することができるも
のである。
【0053】(実施例6)以下本発明の実施例6につい
て、図面を参照しながら説明する。
て、図面を参照しながら説明する。
【0054】図11は、本発明の実施例6のヘッドアク
チュエータの斜視図である。同図において、実施例1か
ら5における弾性体1の断面形状を三角形の弾性体27
としたものである。他の構成は各実施例と同様である。
チュエータの斜視図である。同図において、実施例1か
ら5における弾性体1の断面形状を三角形の弾性体27
としたものである。他の構成は各実施例と同様である。
【0055】次に、図12(a)、(b)の片側の圧電
体で駆動する場合を例として動作原理を説明する。基本
的には図4と同様である。図12(a)、(b)に示す
ように、斜辺AとBの法線方向の振動が励振された場
合、各振動変位量ξAとξBはξ A1とξA2方向およびξB1
とξB2方向の成分に分解でき、移動体6をξA2とξB2に
よって反対方向に駆動するものである。
体で駆動する場合を例として動作原理を説明する。基本
的には図4と同様である。図12(a)、(b)に示す
ように、斜辺AとBの法線方向の振動が励振された場
合、各振動変位量ξAとξBはξ A1とξA2方向およびξB1
とξB2方向の成分に分解でき、移動体6をξA2とξB2に
よって反対方向に駆動するものである。
【0056】以上のように本発明の実施例6によれば、
三角形の断面を持つ振動体構造では各圧電体での共振周
波数が四角形の振動体に比べてずれにくく、またずれて
も単独に調整することが可能である。
三角形の断面を持つ振動体構造では各圧電体での共振周
波数が四角形の振動体に比べてずれにくく、またずれて
も単独に調整することが可能である。
【0057】さらに、図11に示したように斜辺と底辺
に挟まれた角度をθ1、θ2とした時、ξA2、ξB2は(数
6)、(数7)で表わせ、
に挟まれた角度をθ1、θ2とした時、ξA2、ξB2は(数
6)、(数7)で表わせ、
【0058】
【数6】
【0059】
【数7】
【0060】この時、例えば振動体を正三角形とすれ
ば、θ1=θ2=60度でξA2、ξB2はξA、ξBの約87
%となり、正方形のθ1=θ2=45度での約71%に比
べて大きな振幅を得ることができ、駆動効率の高いヘッ
ドアクチュエータを得ることができる。なお、振動体の
三角形の形状は正三角形か2等辺三角形が好ましいが、
この限りではない。
ば、θ1=θ2=60度でξA2、ξB2はξA、ξBの約87
%となり、正方形のθ1=θ2=45度での約71%に比
べて大きな振幅を得ることができ、駆動効率の高いヘッ
ドアクチュエータを得ることができる。なお、振動体の
三角形の形状は正三角形か2等辺三角形が好ましいが、
この限りではない。
【0061】(実施例7)以下本発明の実施例7につい
て、図面を参照しながら説明する。
て、図面を参照しながら説明する。
【0062】本実施例7は、実施例1から6の構成にお
いて、振動体3の少なくとも移動体6が加圧接触する稜
線部に、図13に示すように、丸み28を形成しエッジ
を無くしたヘッドアクチュエータであり、他の構成は各
実施例と同様である。
いて、振動体3の少なくとも移動体6が加圧接触する稜
線部に、図13に示すように、丸み28を形成しエッジ
を無くしたヘッドアクチュエータであり、他の構成は各
実施例と同様である。
【0063】上記のように本発明の実施例7によれば、
実施例1から6の駆動時に発生する振動体3のエッジで
のつっつきによる移動体6の摩耗が非常に少なくなるた
め、ヘッドアクチュエータの寿命を著しく向上させ、長
時間にわたり高い信頼性のアクチュエータを得ることが
でき、工業上のメリットは計り知れないものである。
実施例1から6の駆動時に発生する振動体3のエッジで
のつっつきによる移動体6の摩耗が非常に少なくなるた
め、ヘッドアクチュエータの寿命を著しく向上させ、長
時間にわたり高い信頼性のアクチュエータを得ることが
でき、工業上のメリットは計り知れないものである。
【0064】(実施例8)以下本発明の実施例8につい
て、図面を参照しながら説明する。
て、図面を参照しながら説明する。
【0065】図14(a)、(b)は、本実施例8の移
動体の断面図である。同図(a)は、片持ち梁構造の移
動体29で、同図(b)は両持ち梁構造の移動体30
で、他の構成は各実施例と同様である。
動体の断面図である。同図(a)は、片持ち梁構造の移
動体29で、同図(b)は両持ち梁構造の移動体30
で、他の構成は各実施例と同様である。
【0066】上記のように本実施例8によれば、移動体
29、30に加圧力を調節する機能があるため、ヘッド
アクチュエータの組立時の微調整が非常に容易となり応
用範囲が拡大できるものである。さらに移動体29、3
0の片持ち部や両持ち部により振動体3の接触面に添う
自己調整機構をもつため、さらなる均一接触性と騒音な
どの発生をなくすことができるものである。
29、30に加圧力を調節する機能があるため、ヘッド
アクチュエータの組立時の微調整が非常に容易となり応
用範囲が拡大できるものである。さらに移動体29、3
0の片持ち部や両持ち部により振動体3の接触面に添う
自己調整機構をもつため、さらなる均一接触性と騒音な
どの発生をなくすことができるものである。
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明は、四角形や三角形
断面を有する振動体の稜線部に移動体を加圧機構部を介
して加圧接触して摩擦駆動することにより、振動体の平
面精度や移動体との平行度に対する制約を緩和し、低コ
ストで生産性に優れ、特性の安定したヘッドアクチュエ
ータを実現できる。
断面を有する振動体の稜線部に移動体を加圧機構部を介
して加圧接触して摩擦駆動することにより、振動体の平
面精度や移動体との平行度に対する制約を緩和し、低コ
ストで生産性に優れ、特性の安定したヘッドアクチュエ
ータを実現できる。
【0068】また、振動体の稜線部での駆動により、片
方の圧電体に印加した交流電圧で励振される振動変位の
余弦方向成分で移動体を一方向に駆動でき、また他方の
圧電体に交流電圧を切り替えて印加することにより、移
動体の移動方向を反転することができるため、低入力駆
動が可能で駆動効率の高いヘッドアクチュエータが簡単
な構成で容易に実現できるものである。
方の圧電体に印加した交流電圧で励振される振動変位の
余弦方向成分で移動体を一方向に駆動でき、また他方の
圧電体に交流電圧を切り替えて印加することにより、移
動体の移動方向を反転することができるため、低入力駆
動が可能で駆動効率の高いヘッドアクチュエータが簡単
な構成で容易に実現できるものである。
【0069】さらに、加圧機構部を有するガイド軸を介
して、移動体を移動させることにより、振動体を支持部
を介して固定台に完全固定できるので移動体の移動によ
る反作用で振動体が動かない。そのため、移動体の駆動
力が大幅に向上でき、ヘッドの高精度の位置決めや駆動
が可能である。
して、移動体を移動させることにより、振動体を支持部
を介して固定台に完全固定できるので移動体の移動によ
る反作用で振動体が動かない。そのため、移動体の駆動
力が大幅に向上でき、ヘッドの高精度の位置決めや駆動
が可能である。
【0070】また、加圧機構を有するガイド軸を持つ平
行板バネ構造で移動体を駆動することにより、移動体の
移動方向と直交方向(ヘッド実装方向)の傾きなどを板
バネで矯正し、かつ移動体と振動体の加圧位置による移
動方向に発生するモーメントをガイド軸で矯正すること
により、非常に高精度にヘッドと磁気テープとの相対位
置関係を保つことができるものである。
行板バネ構造で移動体を駆動することにより、移動体の
移動方向と直交方向(ヘッド実装方向)の傾きなどを板
バネで矯正し、かつ移動体と振動体の加圧位置による移
動方向に発生するモーメントをガイド軸で矯正すること
により、非常に高精度にヘッドと磁気テープとの相対位
置関係を保つことができるものである。
【0071】そして、本発明によれば、何れの方式にお
いても、スペーシング角がほぼゼロで振れ幅(振幅)が
大きく、かつ移動体と振動体との摩擦駆動のため、リン
ギングのない位置制御精度の優れた小型で軽量のヘッド
アクチュエータを実現できるものである。
いても、スペーシング角がほぼゼロで振れ幅(振幅)が
大きく、かつ移動体と振動体との摩擦駆動のため、リン
ギングのない位置制御精度の優れた小型で軽量のヘッド
アクチュエータを実現できるものである。
【図1】本発明の実施例1のヘッドアクチュエータの斜
視図
視図
【図2】棒の1次の自由振動分布を示す図
【図3】本発明の実施例1の合成駆動時の動作説明図
【図4】本発明の動作説明図
【図5】光学式位置検出器の構成図
【図6】本発明の実施例1の圧電体の配置例を示す図
【図7】本発明の実施例2のヘッドアクチュエータの平
面図
面図
【図8】本発明の実施例3のヘッドアクチュエータの平
面図
面図
【図9】本発明の実施例4のヘッドアクチュエータの平
面図
面図
【図10】本発明の実施例5のヘッドアクチュエータの
斜視図
斜視図
【図11】本発明の実施例6のヘッドアクチュエータの
斜視図
斜視図
【図12】本発明の実施例6の動作説明図
【図13】本発明の実施例7のヘッドアクチュエータ用
振動体の斜視図
振動体の斜視図
【図14】本発明の実施例8の両持ち梁構造の移動体の
断面図
断面図
【図15】従来の複合バイモルフ構造のヘッドアクチュ
エータの斜視図
エータの斜視図
【図16】同従来の複合バイモルフ構造のヘッドアクチ
ュエータの駆動原理を示す図
ュエータの駆動原理を示す図
【図17】従来の平行バネ型バイモルフ構造のヘッドア
クチュエータの斜視図
クチュエータの斜視図
【図18】同従来の平行バネ型バイモルフ構造のヘッド
アクチュエータの駆動原理を示す図
アクチュエータの駆動原理を示す図
1 四角形状の弾性体 2a、2a’ 第1の圧電体 2b、2b’ 第2の圧電体 3 振動体 6 移動体 7 ガイド軸 8、22 加圧機構部 9、19 位置検出器 10 ヘッド 21 平行バネ 24 曲げ部を設けた平行バネ 26 R部を設けた平行バネ 27 三角形状の弾性体 29 片持ち梁構造の移動体 30 両持ち梁構造の移動体 31 バイモルフ構造圧電体 38 ヘッド 42 フレキシブルヘッドホルダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 克 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 住原 正則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 川崎 修 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−128459(JP,A) 特開 平4−159609(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/588 - 5/592
Claims (10)
- 【請求項1】 断面形状が四角形である棒状の弾性体
と、少なくとも1組の交差する前記弾性体の平面の1面
に第1の圧電体と他の面に第2の圧電体を設けた振動体
と、前記振動体の少なくとも1つの稜線部には接触しガ
イド軸に沿って移動する移動体と、前記ガイド軸に設け
られた加圧機構部と、前記移動体上に設けられた信号検
出部と、前記移動体の位置を光学的に検出する位置検出
部からなることを特徴とするヘッドアクチュエータ。 - 【請求項2】 断面形状が四角形である棒状の弾性体
と、少なくとも1組の交差する前記弾性体の平面の1面
に第1の圧電体と他の面に第2の圧電体を設けた振動体
と、前記振動体の少なくとも1つの稜線部には接触しガ
イド軸に沿って移動する移動体と、前記ガイド軸に設け
られた加圧機構部と、前記移動体に固定した位置検出素
子を設けた板バネと、前記移動体上に設けられた信号検
出部からなることを特徴とするヘッドアクチュエータ。 - 【請求項3】 断面形状が四角形である棒状の弾性体
と、少なくとも1組の交差する前記弾性体の平面の1面
に第1の圧電体と他の面に第2の圧電体を設けた振動体
と、前記振動体の少なくとも1つの稜線部には接触し平
行バネで挟持され、ガイド軸に沿って移動する移動体
と、前記ガイド軸に設けられた加圧機構部と、前記平行
板バネに設けた位置検出部と、前記移動体上に設けられ
た信号検出部とからなることを特徴とするヘッドアクチ
ュエータ。 - 【請求項4】 第1と第2の圧電体の交流電圧の印加に
より励振される合成振動により駆動する請求項1から3
の何れかに記載のヘッドアクチュエータ。 - 【請求項5】 第1と第2の圧電体に印加する交流電圧
を前記圧電体ごとに切り替えることにより各振動の移動
体の移動方向成分により駆動する請求項1から3の何れ
かに記載のヘッドアクチュエータ。 - 【請求項6】 弾性体の断面形状が三角形であり、少な
くとも2面に第1と第2の圧電体を設けた請求項1から
5の何れかに記載のヘッドアクチュエータ。 - 【請求項7】 振動体の稜線部において、少なくとも移
動体と接触する部分に丸みを設けた請求項1から6の何
れかに記載のヘッドアクチュエータ。 - 【請求項8】 平行バネの一部に半円筒形の曲げ部を設
けた請求項3から7の何れかに記載のヘッドアクチュエ
ータ。 - 【請求項9】 平行バネの固定端部にR部を設けた請求
項3から7の何れかに記載のヘッドアクチュエータ。 - 【請求項10】 移動体を片持ちまたは両持ち梁構造と
して前記移動体にバネ性を付与した請求項1から9の何
れかに記載のヘッドアクチュエータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4173972A JP2976703B2 (ja) | 1992-07-01 | 1992-07-01 | ヘッドアクチュエータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4173972A JP2976703B2 (ja) | 1992-07-01 | 1992-07-01 | ヘッドアクチュエータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0620241A JPH0620241A (ja) | 1994-01-28 |
JP2976703B2 true JP2976703B2 (ja) | 1999-11-10 |
Family
ID=15970438
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4173972A Expired - Fee Related JP2976703B2 (ja) | 1992-07-01 | 1992-07-01 | ヘッドアクチュエータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116295105B (zh) * | 2023-03-28 | 2024-01-16 | 北方工业大学 | 一种光干涉型微加工晶圆表面形貌测量装置及测量方法 |
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1992
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