JP2001222323A - 振動モータを用いた位置決め装置 - Google Patents

振動モータを用いた位置決め装置

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JP2001222323A
JP2001222323A JP2000033511A JP2000033511A JP2001222323A JP 2001222323 A JP2001222323 A JP 2001222323A JP 2000033511 A JP2000033511 A JP 2000033511A JP 2000033511 A JP2000033511 A JP 2000033511A JP 2001222323 A JP2001222323 A JP 2001222323A
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vibrator
movable stage
vibration
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driving force
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JP2000033511A
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Takatoshi Ashizawa
隆利 芦沢
Kazuyasu One
一泰 大根
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存の超音波モータを用いた光ファイバ切換
装置は、小型、可動ステージの整定時間の短縮化、さら
には可動ステージの位置決め精度向上をいずれも図れな
い。 【解決手段】 (i)振動子31、及び駆動力取出部3
7a〜37b’を介して加圧接触して直線的に移動する
移動子32を有し、移動子32の移動方向と平行な方向
へ振動する1次の縦振動と、加圧方向と平行な方向へ振
動する4次の屈曲振動とを励振する超音波モータ33
と、(ii)移動子32に固定されて加圧方向と平行な
方向へ向けて延設されるとともに、移動子32に固定さ
れる移動子取付面34aと移動子取付面34aとは異な
るとともに中空部34d及び切欠き部34eが形成され
た搭載面34bとを有し、さらに移動子32の移動方向
と平行な方向へ移動自在に支持される可動ステージ34
とを備える位置決め装置30である。移動子32のうち
の駆動力取出部37a〜37b’との非接触部の厚さ
が、接触部の厚さよりも小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動モータを用い
た位置決め装置に関する。具体的には、本発明は、例え
ば光ファイバ等の情報伝送路の切換装置に適用するのに
好適な、例えば超音波モータ等の振動モータを用いた位
置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、光ファイバや電気的な信号線さ
らには磁気的な信号線等といった各種の情報伝送路を切
り替えるために、情報伝送路切換装置が用いられる。こ
の情報伝送路切換装置は、一般的に、入力側の情報伝送
路及び出力側の情報伝送路それぞれの端部に設けられた
切換端子同士を、所定距離だけ離して互いに対向配置さ
せること(以下、本明細書では「軸芯合わせ」とい
う。)により、入力側の情報伝送路から出力側の情報伝
送路への情報の伝送を行う。従来、この情報伝送路切換
装置において切換端子を駆動させるための切換端子駆動
機構には、電気的なステップモータや、サーボモータと
リニアステージとの組合せ、さらには電磁石とリニアス
テージとの組合せ等が、用いられてきた。
【0003】しかし、これらの切換端子駆動機構に用い
られる電気的なステップモータ等の開発は既に尽くされ
た感があり、その寸法や重量の点でよりいっそうの小型
化や軽量化を図ることは難しかった。このため、情報伝
送路切換装置の全体の小型化や軽量化も、殆ど限界に達
していた。
【0004】そこで、特開平6−34897号公報に
は、切換端子駆動機構に超音波モータを用いることが提
案されている。図9は、この公報により開示された情報
伝送路切換装置1の構成を示す説明図であって、図9
(A)は全体の構成を示す斜視図、図9(B)は図9
(A)における出力側ホルダ5を抽出して示す斜視図、
図9(C)は出力側ホルダ5の内部を走行する端末部品
8を示す説明図である。
【0005】図9(A)に示すように、この情報伝送路
切換装置1は、入力側の情報伝送路2を支持する入力側
ホルダ3と、出力側の情報伝送路4を支持する出力側ホ
ルダ5と、入力側の情報伝送路2及び出力側の情報伝送
路4それぞれの先端に設けられた切換端子同士(図示し
ない。)の軸芯合わせを行う位置合わせ装置6とを有す
る。入力側ホルダ3及び出力側ホルダ5それぞれの内部
には、図9(A)及び図9(B)に示すように、情報伝
送路2、4の延設方向へ向けて開口した複数の移動スペ
ース7が設けられる。図9(C)に示すように、各移動
スペース7の内部には、超音波振動を発生する圧電セラ
ミックス9a〜9dが四隅に配置された直方体型の端末
部品8が移動スペース7の内面に加圧接触した状態で配
置される。そして、端部から離れた中間部を端末部品8
によって支持された情報伝送路2、4が各移動スペース
7を貫通する。
【0006】各圧電セラミックス9a〜9dは、適当な
駆動信号を入力されることにより、超音波振動を発生す
る。これにより、端末部品8は、情報伝送路2、4の中
間点を支持しながら、図9(A)における両矢印方向へ
移動する。端末部品8の移動に伴って、情報伝送路2、
4の先端に設けられた切換端子も移動する。そして、情
報伝送路2、4の先端に設けられた切換端子同士の軸芯
合わせが、位置合わせ装置6の内部で行われる。この軸
芯合わせにより、情報伝送路2の切換端子と、情報伝送
路4の切換端子とは、数μm程度の位置合わせ誤差の範
囲内で対向配置される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この情報伝送路切換装
置1では、入力側の情報伝送路2および出力側の情報伝
送路4それぞれの中間点を、端末部品8により支持す
る。しかし、各情報伝送路2、4は一般的に可撓性を有
するため、情報伝送路2、4の中間点から各切換端子が
装着される情報伝送路2、4の端部までの間で情報伝送
路2、4が屈曲変形してしまう。このため、この情報伝
送路切換装置1では、切換端子同士を数μm程度の位置
合わせ誤差の範囲内で対向配置させるためには、位置合
わせ装置6は不可欠であった。
【0008】また、停止時に、端末部品8自体は所定の
位置で確かに停止するものの、各切換端子は、いずれ
も、端末部品8により支持される中間点から離れている
ため、位置合わせ装置6の内部において切換端子を支持
する部材(図示しない。)にブレーキ機構を設けて、所
定の位置で正確に停止させる必要もあった。
【0009】このように、図9に示す従来の情報伝送路
切換装置1は、停止時にはその位置で保持される自己保
持性や高精度の位置決め性を有する超音波モータを用い
ているにもかかわらず、切換端子の位置合わせ装置6が
不可欠であったり、切換端子を支持する部材にブレーキ
機構を設ける必要があった。このため、この超音波モー
タを用いた情報伝送路切換装置1には、よりいっそうの
小型化や軽量化を図る余地があった。
【0010】そこで、本出願人は、先に特願平11−2
03369号により、超音波モータを用いた情報伝送路
切換装置を提案した。図10は、この提案にかかる情報
伝送路切換装置10の構成例を、一部破断した状態で示
す斜視図である。
【0011】この情報伝送路切換装置10は、入力側の
情報伝送路11aの端部に設けられる切換端子11と、
出力側の情報伝送路12aの端部に設けられる切換端子
12と、切換端子11を支持しながら、これらを略平行
に相対移動させ、情報伝送時には切換端子11および切
換端子12を対向配置させる超音波モータ13を用いた
切換端子駆動機構14とを備える。
【0012】この超音波モータ13は、収容枠15aお
よび基板15bを有するベース部材15と、コイルスプ
リング16および振動子支持部材17を有し収容枠15
aによって支持される加圧支持機構18と、矩形平板状
の弾性体19a及び圧電素子19bを有して1次の縦振
動及び4次の屈曲振動を励振する振動子19と、振動子
19との間で相対運動を発生する移動子(相対運動部
材)20と、レール部材21a及びガイド部材21bを
有して移動子20を直線的に移動自在に支持するリニア
ガイド21とを備える。切換端子11は移動子20に固
定されるとともに、切換端子12は基板15bに固定さ
れる。なお、この振動子19は、例えば「第5回電磁力
関連のダイナミックスシンポジウム講演論文集」の39
3頁等により開示された、いわゆる異形モード縮退型の
振動子である。
【0013】この情報伝送路切換装置10は、超音波モ
ータ13の構成要素である移動子20及び基板15bそ
れぞれに切換端子11及び12をいずれも直接固定する
ため、切換端子11、12同士を光学的に導通させるた
めの専用の位置合わせ機構やブレーキ機構を設ける必要
がない。このため、図9に示す情報伝送路切換装置1よ
りも、充分に小型化や軽量化を図ることができる。ま
た、この情報伝送路切換装置10は、超音波モータ13
が優れた起動停止特性を有することから、電磁モータを
用いた情報伝送路切換装置よりも、整定時間が短縮化さ
れることも期待される。
【0014】しかし、本発明者らは、情報伝送路切換装
置のより一層の性能向上を図るためにさらに検討を重ね
た結果、この情報伝送路切換装置10には以下に列記す
る課題があることがわかった。
【0015】(課題1)情報伝送路切換装置10は、図
10に示すように、上方から下方に向けて順に、収容枠
15a、加圧支持機構18、振動子19、移動子20、
切換端子11、12および基板15bを有する。このた
め、振動子11と移動子20との加圧方向と平行な方向
(図10におけるZ方向)への寸法が大きくなってしま
い、設置スペースが嵩む。このため、適用可能な搭載機
器が相当限られてしまう。
【0016】(課題2)一般的に、超音波モータを用い
た各種の位置決め装置では、搭載対象を搭載する可動ス
テージを移動子に固定し、振動子により移動子及び可動
ステージをともに駆動する構成が、採用される。この場
合、この可動ステージの整定時間を短縮化するには、こ
の位置決め装置における移動系である移動子及び可動ス
テージそれぞれを軽量化することが有効である。
【0017】しかし、特願平11−203369号で
は、移動子20や切換端子11、さらには図示しない可
動ステージ等の軽量化については何ら言及していない。
このため、この情報伝送路切換装置10では、要求され
る整定時間の長さによっては、この整定時間を満足でき
ないおそれがある。
【0018】(課題3)縦振動及び屈曲振動を組み合わ
せた異形モード縮退型の振動子19を有する超音波モー
タ13は、振動子19に発生した縦振動を屈曲振動によ
り移動子20へ断続的に伝播する機能(以下、本明細書
では「クラッチ機能」という。)を有するため、移動子
20は、いわば、屈曲振動により振動子19によって断
続的に叩かれている状態にある。
【0019】このため、移動子20は、振動子13によ
り叩かれることによる衝撃力によってその固有振動数で
振動し、さらに、移動子20を固定する部材や可動ステ
ージ等もそれらの固有振動数で振動する。特に、軽量化
を目的とした薄肉化により可動ステージの移動子20と
の固定部の剛性が高くない場合、超音波モータ13のク
ラッチ機能に起因した可動ステージの振動、特に移動子
20との固定面を基にした屈曲振動が顕著に発生してし
まう。このため、この情報伝送路切換装置10では、こ
の振動に起因して、例えば光ファイバの軸芯合わせを行
うことができるような高精度の位置決めを行うことがで
きないおそれがある。
【0020】本発明の第1の目的は、小型であること、
特に振動子と移動子との加圧方向に平行な方向への寸法
が小さいことから小さな設置スペースにも設置すること
ができる、例えば超音波モータ等の振動モータを用いた
位置決め装置を提供することである。また、本発明の第
2の目的は、この振動モータを用いた位置決め装置の移
動系を軽量化することにより、可動ステージの整定時間
を短縮化することである。さらに、本発明の第3の目的
は、このような軽量化を行っても、可動ステージに発生
する振動を抑制し、可動ステージの位置決め精度の低下
を抑制することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、振
動子、及びこの振動子に加圧接触することにより振動子
との間で直線的な相対運動を行う相対運動部材を有する
振動モータと、相対運動部材に固定されて、振動子と相
対運動部材との加圧方向に略平行な方向へ向けて延設さ
れるとともに、相対運動の方向と略平行な方向へ移動自
在に支持される可動ステージとを備えることを特徴とす
る振動モータを用いた位置決め装置を提供する。
【0022】請求項2の発明では、駆動力取出部を有す
る振動子、及びこの駆動力取出部を介して振動子に加圧
接触することにより振動子との間で直線的な相対運動を
行う相対運動部材を有する振動モータと、相対運動部材
に固定されるとともに、相対運動の方向と略平行な方向
へ移動自在に支持される可動ステージとを備え、相対運
動部材のうちの駆動力取出部との非接触部の厚さが、駆
動力取出部との接触部の厚さよりも小さいことを特徴と
する振動モータを用いた位置決め装置を提供する。
【0023】請求項3の発明では、駆動力取出部を有す
る振動子、及びこの駆動力取出部を介して振動子に加圧
接触することにより振動子との間で直線的な相対運動を
行う相対運動部材を有する振動モータと、相対運動部材
に固定されて、振動子と相対運動部材との加圧方向と略
平行な方向へ向けて延設されるとともに、相対運動の方
向と略平行な方向へ移動自在に支持される可動ステージ
とを備え、相対運動部材のうちの駆動力取出部との非接
触部の厚さが、駆動力取出部との接触部の厚さよりも小
さいことを特徴とする振動モータを用いた位置決め装置
を提供する。
【0024】請求項4の発明は、請求項1から請求項3
までのいずれか1項に記載された振動モータを用いた位
置決め装置において、可動ステージには、切欠き部及び
中空部のうちの少なくとも一方が形成されることを特徴
とする。
【0025】請求項5の発明は、請求項4に記載された
振動モータを用いた位置決め装置において、可動ステー
ジが、相対運動部材に固定される第1の面とこの第1の
面とは異なる第2の面とを有し、切欠き部及び中空部の
うちの少なくとも一方が、第2の面に形成されることを
特徴とする。
【0026】さらに、請求項6の発明は、請求項1から
請求項5までのいずれか1項に記載された振動モータを
用いた位置決め装置において、振動子が、相対運動の方
向と略平行な方向へ振動する第1の振動と、加圧方向と
略平行な方向へ振動する第2の振動とを励振することを
特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
かかる振動モータを用いた位置決め装置の実施の形態
を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以
降の実施の形態の説明では、振動モータとして超音波の
振動域を利用した超音波モータを用いるとともに、本発
明にかかる位置決め装置を、光ファイバの切換装置に適
用した場合を例にとる。
【0028】図1は、本実施形態の位置決め装置30
を、一部が透視されるとともに簡略化された状態で示す
斜視図である。また、図2は図1におけるA矢視図であ
り、図3は図1におけるB矢視図である。
【0029】図1〜図3にそれぞれ示すように、本実施
形態の位置決め装置30は、超音波モータ33と可動ス
テージ34とを有する。以下、本実施形態の位置決め装
置30のこれらの構成要素について、順次説明する。
【0030】〔超音波モータ33〕超音波モータ33
は、振動子31、移動子32及び振動子固定部材42を
有する。以下、これらについて順次説明する。
【0031】(i)振動子31 図4は、本実施形態における振動子31及び移動子32
それぞれの構成を示す斜視図である。また、図5は、振
動子31の説明図であり、図5(A)は上面図、図5
(B)は側面図、図5(C)は振動子31に発生する二
つの異なる振動L1及びB4それぞれの波形例を示す説
明図である。
【0032】図1〜図5にそれぞれ示すように、本実施
形態で用いる振動子31は、弾性体35と、弾性体35
の一方の平面に装着された圧電体36とを備える。
【0033】弾性体35は、例えば鉄鋼、ステンレス
鋼、リン青銅又はエリンバー材等といった共振先鋭度が
大きな金属材料により構成されることが望ましく、矩形
平板状に形成される。また、弾性体35の各部の寸法
は、発生する1次の縦振動L1及び4次の屈曲振動B4
それぞれの固有振動数fL1、f B4が略一致するように、
設定される。
【0034】弾性体35の一方の平面には、圧電体36
が例えば接着により装着される。また、弾性体35の他
方の平面には、弾性体35の幅方向に2本の溝部が相対
運動方向(図2、図4及び図5それぞれにおける左右方
向)に関して所定距離だけ離れて設けられる。これらの
溝部に、横断面形状が矩形である各棒型の、高分子材等
を主成分とした摺動部材が嵌め込まれて装着され、突起
状に突出して装着される。高分子材としては、PTF
E、ポリイミド樹脂、ポリアセタール、PPSさらには
PEEK等の高分子材料が例示される。
【0035】そして、この摺動部材が駆動力取出部37
a、37bとして機能する。したがって、弾性体35は
これら摺動部材からなる駆動力取出部37a、37bを
介して移動子32に加圧接触する。
【0036】また、図3に示すように、各駆動力取出部
37a、37bは、いずれも、振動子31の幅方向に二
つに分割され、分割されたそれぞれの駆動力取出部37
a、37a’、37b、37b’が振動子31の幅方向
の端部側に配置される。このように、本実施形態では、
各駆動力取出部37a、37bは、それぞれが2個の摺
動材により構成される。
【0037】これらの駆動力取出部37a、37bは、
図5(B)及び図5(C)に示すように、弾性体35に
発生する4次の屈曲振動B4の4つの腹位置l1 〜l4
のうちの外側に位置する二つの腹位置l1 、l4 に一致
する位置にそれぞれ設けられる。なお、駆動力取出部3
7a、37bは、屈曲振動B4の二つの腹位置l1 、l
4 に正確に一致する位置に設けられる必要はなく、これ
らの腹位置l1 、l4の近傍に設けられていてもよい。
【0038】圧電体36は、本実施形態ではPZT(チ
タンジルコン酸鉛)からなる一枚の薄板状の圧電素子に
より構成される。この圧電体36には、図4及び図5に
示すように、A相の駆動信号VA が入力される入力領域
36a、36cと、A相の駆動信号とは位相が約(π/
2)ずれたB相の駆動信号VB が入力される入力領域3
6b、36dとが形成される。各入力領域36a〜36
dは、いずれも、図5(A)〜図5(C)に示すよう
に、弾性体35に発生する屈曲振動B4の5つの節位置
1 〜n5 により区画された4つの領域に連続して形成
される。すなわち、駆動信号の入力により変形する各入
力領域36a〜36dが、いずれも、不動点である節位
置n1 〜n5 を跨がない。そのため、入力領域36a〜
36dの変形が節位置n1 〜n5 によって抑制されるこ
とがない。これにより、各入力領域36a〜36dに入
力された電気エネルギを最大の効率で弾性体35の変
形、すなわち機械エネルギへ変換することができる。
【0039】また、屈曲振動B4の節位置n2 、n4
は、振動子31が発生する縦振動L1により電気エネル
ギを出力する検出領域36p、36p’が設けられる。
これにより、振動子31が発生する縦振動L1の振動状
態がモニタされる。
【0040】そして、図4、図5(A)及び図5(B)
に示すように、各入力領域36a〜36dと各検出領域
36p、36p’とは、それぞれの表面を、銀電極38
a〜38d、38p、38p’により覆われる。これに
より、各入力領域36a〜36dへ独立して駆動信号を
入力したり、各検出領域36p、36p’から独立して
検出信号を出力することができる。なお、図面を簡略化
して理解を容易にするため、図1〜図3では、いずれ
も、銀電極38a〜38d、38p、38p’は省略し
てある。
【0041】各銀電極38a〜38dには、電気エネル
ギの授受を行うためのリード線39a〜39dが半田付
けされて接続され、また、銀電極38p、38p’に
は、同じくリード線(図示しない。)が半田付けされて
接続されている。
【0042】なお、本実施形態では、図5(A)に示す
ように、振動子31はその平面の中央部を中心として点
対称となるように、形成される。これにより、各駆動力
取出部37a、37a’、37b、37b’に発生する
楕円運動を略同じ形状とすることができ、相対運動方向
の反転に伴う駆動差が殆ど解消される。
【0043】図7を参照しながら後述するように、位置
決め装置30の駆動制御装置61から、圧電体36の入
力領域36a、36cには、縦振動L1及び屈曲振動B
4それぞれの固有振動数に一致した周波数を有するA相
の駆動信号VA が入力される。また、入力領域36b、
36dには、A相の駆動信号とは(π/2)の位相差を
有するB相の駆動信号VB が入力される。すると、図5
(C)に示すように、弾性体35には、相対運動方向
(図5における左右方向)へ振動する第1の振動である
1次の縦振動L1と、この相対運動方向に直交する上下
方向、すなわち振動子31と移動子32との加圧方向に
平行な方向へ振動する第2の振動である4次の屈曲振動
B4とが同時に発生する。発生した縦振動L1と屈曲振
動B4とは合成されて、駆動力取出部37a、37a’
と駆動力取出部37b、37b’とには、図5(B)に
例示するように、互いの位相がπずれた楕円運動がそれ
ぞれ発生する。これにより、振動子31は加圧接触する
移動子32との間で、縦振動L1の振動方向への相対的
な直線運動を発生する。なお、相対運動方向を逆向きに
するには、B相の駆動信号が、A相の駆動信号に対して
(−π/2)の位相差を有するように設定すればよい。
【0044】このように、本実施形態の振動子31は、
相対運動の方向へ振動する第1の振動である縦振動L1
と、この第1の振動の振動方向と直交する方向へ振動す
る第2の振動である屈曲振動B4とを励振することによ
り、移動子32との間で直線的な相対運動を発生する、
いわゆる異形モード縮退型の振動子である。
【0045】(ii)移動子32 図1〜図5にそれぞれ示すように、本実施形態では、振
動子31との間で相対運動を行う相対運動部材として、
移動子32を用いる。図6は、移動子32及び可動ステ
ージ34を抽出して示す斜視図である。
【0046】移動子32は、ステンレス鋼、銅合金又は
アルミニウム合金等からなっており、可動ステージ34
の移動子取付面34aに3本の平小ねじ40により固定
される。
【0047】本実施形態では、図6に示すように、移動
子32の振動子31との当接面のうちで、駆動力取出部
37a、37a’及び駆動力取出部37b、37b’の
いずれにも接触しない十字型の非接触部41cは、駆動
力取出部37a、37a’及び駆動力取出部37b、3
7b’のいずれかに接触する接触部41a、41a’、
41b、41b’よりも、肉薄に形成されている。これ
により、移動子32の振動子31との当接面は、図1〜
図4及び図6に示すように、十字型の溝状に形成され
る。すなわち、移動子32の振動子31との当接面の四
隅部には、突起部41a〜41b’がそれぞれ形成され
る。なお、本実施形態では、後述するように、移動子3
2の振動子31との当接面に十字型の溝を形成している
が、この溝の部分を節に振動し難いようになっている。
なぜなら、移動子32は、断面2次モーメントが大きい
L型の断面形状を有する可動ステージ34の移動子取付
面34aに装着されているため、移動子32には曲げ変
形に伴った屈曲振動は発生しない。
【0048】移動子32は、図1〜図3を参照しながら
後述するように、振動子固定部材42により加圧支持さ
れた振動子31の駆動力取出部37a、37a’と駆動
力取出部37b、37b’とに、突起部41a〜41
b’を介して適当な加圧力で加圧接触して配置される。
【0049】これにより、振動子31を起動すると、移
動子32は、駆動力取出部37a、37a’と駆動力取
出部37b、37b’とに互いの位相がπだけずれてそ
れぞれ発生した楕円運動によって、突起部41a〜41
b’を介して駆動される。このため、移動子32は、後
述するベース基板60上に固定されたリニアガイド55
によって直線的に案内される可動ステージ34ととも
に、直線的に駆動される。このように、本実施形態で
は、固定配置された振動子31によって移動子32が直
線的に駆動される。
【0050】本実施形態では、移動子32の振動子31
との当接面に十字型の溝が形成されることにより、位置
決め装置30の移動系の一部をなす移動子32の軽量化
が図られている。これにより、移動子32とともに移動
する可動ステージ34の整定時間が短縮化される。
【0051】また、移動子32の振動子31との接触面
に、振動子31との接触状態を良好にするためにラップ
加工による鏡面仕上を施す場合、本実施形態では、突起
部41a〜41b’の底面だけにこのラップ加工を施せ
ばよい。このため、ラップ加工の面積が低減され、ラッ
プ加工による鏡面仕上の加工時間を短縮化することがで
きる。
【0052】さらに、突起部41a〜41b’それぞれ
は、いずれも振動子31よりも相当質量が小さいため、
これら突起部41a〜41b’それぞれの固有振動数
は、振動子31の超音波の振動数(例えば50kHZ程
度)よりも高くなる。このため、振動子31が発生する
振動が駆動力取出部37a、37a’及び駆動力取出部
37b、37b’を介して突起部41a〜41b’に伝
播されても、突起部41a〜41b’はいずれも、駆動
を害するような振動(低周波の振動)が発生し難くな
る。このため、振動子31が発生した振動により可動ス
テージ34が振動することも、抑制される。このため、
可動ステージ34の振動が抑制され、可動ステージ34
を高精度で位置決めすることができる。
【0053】(iii)振動子固定部材42 図1〜図3に示すように、本実施形態の振動モータ30
は、振動子固定部材42を有する。振動子固定部材42
は、L型の水平断面形状を有するブロック体であり、ア
ルミニウム合金やステンレス鋼等の金属材料からなる。
この振動子固定部材42は、振動子支持部材43と振動
子加圧部材44とを備える。
【0054】図1〜図3に示すように、振動子支持部材
43は、アルミニウム合金やステンレス鋼等の金属材料
からなる薄板状部材であり、板厚の小さな屈曲部43a
と、板厚が大きな支持部43bとを有する。屈曲部43
aの一方の端部には二つの貫通孔が設けられており、振
動子支持部材43は、これらの貫通孔をそれぞれ貫通す
る固定ねじ43cによって、振動子固定部材42の端面
に固定される。
【0055】また、支持部43bの振動子11側の平面
には、ステンレス鋼製の二つの支持ピン45a、45b
が、例えば接着や溶接等の適宜手段により固定される。
そして、支持ピン45a、45bは、振動子11の両側
面の長手方向の略中央部に形成された半円上の二つの切
欠き部31a、31b(図5(A)参照。)に嵌め込ま
れて、例えば接着や溶接等の適宜手段により固定され
る。
【0056】なお、振動子31の一方の平面に装着され
た圧電体36と支持部43bとの間には、例えばプラス
チック等からなる絶縁部材46が挟まれた状態で配置さ
れており、入力領域36b及び36cの短絡が防止され
る。
【0057】振動子31は、振動子支持部材43によっ
て、相対運動の方向(図2における左右方向)について
拘束されるとともに、屈曲部43aが円弧状に屈曲変位
することにより加圧方向(図2における上下方向)へ略
直線的に微小に変位できるように、支持される。
【0058】一方、図1〜図3に示すように、振動子加
圧部材44は、四隅部に加圧用突起47a〜47dを有
する板材である。加圧用突起47a〜47dを振動子加
圧部材44の四隅部に配置したのは、電極38a〜38
d、38p、38p’とリード線39a〜39dとの半
田付けの盛り上がり部との干渉を防止するためである。
加圧用突起47a及び47cは、振動子31に発生する
屈曲振動B4の節位置n2 の位置と一致する位置に、ま
た、加圧用突起47b及び47dは、振動子31に発生
する屈曲振動B4の節位置n4 の位置と一致する位置
に、それぞれ設けられて、振動子31に当接する。つま
り、加圧用突起47a〜47dは、いずれも、屈曲振動
B4の節位置n2 、n4 を跨ぐ位置に形成されている。
【0059】また、振動子支持部材43の屈曲部43a
には貫通孔43dが設けられており、振動子加圧部材4
4の加圧用突起47b及び47dは、いずれも、この貫
通孔43dを貫通して振動子31に装着された圧電体3
6に当接する。これにより、振動子支持部材43と、振
動子加圧部材44との接触が防止される。
【0060】図2に示すように、振動子固定部材42の
振動子加圧部材44側の平面の略中央部に設けられた収
容孔42aには、加圧力発生部材48が装着される。本
実施形態では、加圧力発生部材48としてコイルばねを
用いた。なお、振動子固定部材42の加圧力発生部材4
8との当接部には、ねじ部材49がねじ止めされてお
り、ねじ部材49のねじ込み深さを調節することによ
り、加圧力発生部材48が発生する加圧力を適宜調節で
きるように構成されている。
【0061】加圧力発生部材48が発生した加圧力によ
り、振動子加圧部材44は振動子31の方向へ付勢され
る。これにより、加圧用突起47a〜47dにより振動
子31は、駆動力取出部37a〜37b’を介して、移
動子32の突起部41a〜41b’と適宜加圧力で加圧
接触する。
【0062】振動子固定部材42は、2本の取付けねじ
42bによってベース基板60に固定される。これによ
り、振動子31及び移動子32は、ベース基板60の表
面から一定距離だけ離れて支持される。
【0063】このように、本実施形態では、振動子支持
部材43及び振動子加圧部材44を備える振動子固定部
材42により、振動子31が支持される。
【0064】すなわち、本実施形態の超音波モータ33
は、駆動力取出部を有する振動子31と、駆動力取出部
を介して振動子31に加圧接触することによりこの振動
子31との間で直線的な相対運動を行う移動子32と、
振動子31を移動子32に加圧接触させる振動子固定部
材42とを有する。
【0065】なお、本実施形態では、振動子固定部材4
2に中継基板50が固定されている。中継基板50は、
リード線39と、位置決め装置30の駆動制御装置61
に接続されるリード線51とを接続し、駆動制御装置6
1からの駆動信号を圧電体36に入力する。また、この
中継基板50を、例えばガラス、アルミナ、セラミック
又はシリコーン等の熱伝導度が小さい絶縁材料により構
成した場合には、この中継基板50に温度センサ(図示
しない。)を設けて駆動時の振動子31の近辺の環境温
度を検出し、この検出値を駆動制御装置61からの駆動
信号のフィードバック制御因子とすることにより、より
正確な制御を行うことができる。
【0066】〔可動ステージ34〕図1〜図3及び図6
に示すように、本実施形態の位置決め装置30は、可動
ステージ34を有する。
【0067】可動ステージ34は、例えばアルミニウム
合金のような軽金属材料により軽量に構成される。本実
施形態では、この可動ステージ34は、移動子32が固
定される第1の平面である移動子取付面34aと、移動
子取付面34aと略直交する第2の平面である搭載面3
4bとを有し、図3に示すように、L字状に屈曲して形
成される。このため、図3に示すように、相対運動の方
向に対しての垂直な面を断面として見たときの断面二次
モーメントが大きく、摺動面における曲げに対する剛性
が高い。したがって、移動子取付面34aは、振動子3
1が発生する第2の振動である屈曲振動B4による加圧
力を垂直に受けても、変形し難い。
【0068】移動子取付面34aは、図6に示すよう
に、移動子32を装着するための3本の平小ねじ40を
ネジ止めするためのネジ穴以外は何も設けられず、一様
な面とされている。
【0069】一方、搭載面34bは、振動子31及び移
動子32の加圧方向、すなわち屈曲振動B4の振動方向
と平行な方向へ向けて延設されている。
【0070】この搭載面34bの下面の略中央部には、
4本のねじ52によってガイド53が固定される。ガイ
ド53は、ベース基板60に相対運動の方向と平行な方
向へ向けて敷設されたレール54に嵌合し、レール54
とともにリニアガイド55を構成する。このため、可動
ステージ34は、リニアガイド55により相対運動の方
向と平行な方向へ移動自在に支持される。
【0071】搭載面34bには、光ファイバ56aの切
換端子56が搭載される。この切換端子56は、例えば
樹脂材料により直方体状に形成され、入力側の光ファイ
バ56aの端部を貫通させた状態で固定されて、装着さ
れる。
【0072】本実施形態では、光ファイバ56aとし
て、中心部に設けられた屈折率がn1であるコアと、コ
アの外周に設けられた屈折率がn2 (n2 <n1 )のク
ラッディングと、クラッディングの外周に設けられたコ
アやクラッディングに比較して格段に光吸収の多い材料
からなるジャケットとを有するステップ形光ファイバを
用いた。
【0073】また、ベース基板60に固定された支持台
57に、4本の光ファイバ58aそれぞれの4つの切換
端子58が、光ファイバ56aの切換端子56と同じ設
置高さになるようにして搭載される。各切換端子58
は、いずれも、例えば樹脂材料により直方体状に形成さ
れ、4本の光ファイバ58aの端部をそれぞれ貫通させ
た状態で固定されて、装着される。切換端子58それぞ
れの一つの端面には、各光ファイバ58aの端面が同一
平面をなして、配置される。この光ファイバ58aは、
光ファイバ56aと同様に、ステップ形光ファイバであ
る。
【0074】なお、図1〜図3では、図面を簡略化して
理解を容易にするために、切換端子58が4つ並設され
た場合を示すが、本発明はこれに限られるものではな
く、2つ、3つ又は5つ以上の切換端子が並設された場
合にも、同様に適用される。
【0075】なお、ベース基板60には、透過型のエン
コーダ59の検出部を構成する発光部59a及び受光部
59bが、可動ステージ34の縦フランジ34cに固定
されたスケール部59cを挟んで、対向して配置され
る。このエンコーダ59により、可動ステージ34の現
位置が検出される。検出値は、位置決め装置30の駆動
制御装置61へ出力され、超音波モータ33の駆動が制
御される。
【0076】本実施形態では、可動ステージ34を、移
動子取付面34a及び搭載面34bによりL字状に屈曲
して形成することにより、剛性を高めてある。また、搭
載面34bが移動子取付面34aに対して垂直に張り出
している構造である。このため、搭載面34bに、軽量
化のための切欠き部や中空部を設けても、移動子取付面
34aの曲げ剛性を充分に保つことができ、振動モータ
33のクラッチ機能による衝撃を受けても、移動子取付
面34aが変形することに起因した振動が、搭載面34
bに生じ難い(特に曲げ)構造である。したがって、本
実施形態では、搭載面34bのうちで、切換端子56の
搭載部及びガイド53装着部以外の部分、すなわち、受
光部59bの上方に位置する部分と、発光部59aと支
持台57との間とに、それぞれ中空部34d、切欠き部
34eをそれぞれ設けてある。このため、本実施形態に
よれば、振動モータ33のクラッチ機能に振動を可動ス
テージ34に生じることなく、可動ステージ34を軽量
化することができる。
【0077】なお、本実施形態では、図1〜図3及び図
6に示すように、中空部34d及び切欠き部34eを、
いずれも、リニアガイド55の装着部に関して振動子取
付面34aと反対側に位置する可動ステージ34の平面
に設けてあるため、可動ステージ34の重心位置を、リ
ニアガイド55のレール54の直上に近づけることがで
きる。これにより、停止の直前における可動ステージ3
4に作用するヨー慣性モーメントを低減できる。このた
め、本実施形態によれば、可動ステージ34をその重心
回りに回転する変位を生じることなく停止でき、可動ス
テージ34の位置決め精度を向上できる。
【0078】このように、可動ステージ34は、移動子
32に固定されて振動子31と移動子32との加圧方向
に略平行な方向へ向けて延設されるとともに、リニアガ
イド55により振動子31と移動子32との相対運動の
方向と略平行な方向へ直線的に移動自在に支持される。
【0079】図7は、本実施形態の位置決め装置30の
駆動制御装置61の一例を示すブロック図である。
【0080】駆動制御装置61の発振器62から、振動
子31の縦振動L1及び屈曲振動B4それぞれに相当す
る周波数の信号が、出力される。発振器62からの出力
は移相器63によって位相が(π/2)異なる二種の信
号に分岐されて、駆動信号切換器64に入力される。駆
動信号切換器64は、振動子31の駆動状態(粗動、微
動)に応じて、1種又は2種の信号を出力する。
【0081】駆動信号切換器64からの一方の出力は増
幅器65によって増幅された後に、A相の駆動信号VA
として入力領域36a、36cの銀電極38a、38c
へ印加される。また、他方の出力は増幅器66によって
増幅された後に、B相の駆動信号VB として入力領域3
6b、36dの銀電極38b、38dへ印加される。こ
れにより、振動子31は励振し、駆動力取出部37a〜
37b’を介して加圧接触する移動子32と、この移動
子32に固定された可動ステージ34とを、ともに直線
的に駆動する。
【0082】本実施形態では、エンコーダ59により直
線的に移動する可動ステージ34の位置が検出され、エ
ンコーダ59からの検出値が制御部67に入力される。
制御部67は、この検出値の値に応じて、駆動信号切換
器64に制御信号S1 を出力して振動子31の駆動状態
を粗動及び微動の2段階に切り替えるとともに、発振器
62に制御信号S2 を出力する。これにより、振動子3
1の振動振幅が所定の大きさに制御され、可動ステージ
34の速度が制御される。また、可動ステージ34が所
定の位置まで駆動された場合には、制御部67は、駆動
停止の制御信号S1 、S2 を出力し、これにより、振動
子31の振動が止まり、可動ステージ34は停止する。
【0083】この本実施形態の位置決め装置30によれ
ば、以下に列記する効果が奏せられる。
【0084】(1)可動ステージ34を、振動子31と
移動子32との加圧方向に略平行な方向へ向けて延設さ
れた状態で移動子32に固定したため、振動子固定部材
42、振動子31、移動子32及び可動ステージ34を
いずれもこの方向について並設して配置できる。このた
め、ベース基板60に直交する方向に関する位置決め装
置30の寸法をできるだけ抑制できる。このため、小型
であることから小さな設置スペースにも設置することが
できる位置決め装置30を提供できる。
【0085】(2)移動子32のうちの駆動力取出部3
7a〜37b’との非接触部41cの厚さを、駆動力取
出部37a〜37b’との接触部41a〜41b’の厚
さよりも小さくしたため、移動子32を軽量化できる。
また、可動ステージ34に、中空部34d及び切欠き部
34eを形成したため、可動ステージ34を軽量化でき
る。したがって、これらの相乗的効果により、移動子3
2及び可動ステージ34をともに軽量化でき、可動ステ
ージ34の整定時間を短縮化することができる。
【0086】(3)移動子32のうちの駆動力取出部3
7a〜37b’との非接触部41cの厚さを、駆動力取
出部37a〜37b’との接触部41a〜41b’の厚
さよりも小さくしたため、突起部41a〜41b’への
ラップ加工の加工時間を低減できる。
【0087】(4)移動子32のうちの駆動力取出部3
7a〜37b’との非接触部41cの厚さを、駆動力取
出部37a〜37b’との接触部41a〜41b’の厚
さよりも小さくしたため、振動子31が発生した振動に
起因して可動ステージ34が振動することを抑制でき
る。また、可動ステージ34に、移動子32に固定され
る振動子取付け面34aと搭載面34bとを設けたた
め、搭載面34bに中空部34d及び切欠き部34eを
形成しても、振動子31が発生した振動に起因して可動
ステージ34が振動することを抑制できる。さらに、中
空部34d及び切欠き部34eを、いずれも、リニアガ
イド55の装着部に関して振動子取付面34aと反対側
に位置する可動ステージ34の平面に設けることによ
り、可動ステージ34をその重心回りに回転する変位を
生じることなく停止できる。したがって、これらの相乗
的効果により、可動ステージ34の位置決め精度を向上
できる。
【0088】このため、本実施形態によれば、小型であ
り、整定時間が短く、さらに±1μm程度の位置決め精
度を有することから、光ファイバの切換装置に充分適用
できる位置決め装置30を提供できる。
【0089】(第2実施形態)次に、第2実施形態を説
明する。なお、本実施形態の説明では、前述した第1実
施形態と相違する部分を説明し、共通する部分は同一の
図中符号を付すことにより重複する説明を適宜省略す
る。
【0090】図8は、本実施形態の位置決め装置30−
1の上面図である。本実施形態の位置決め装置30−1
が、第1実施形態の位置決め装置30と相違するのは、
可動ステージ34−1の形状である。
【0091】すなわち、図8に示すように、可動ステー
ジ34−1は、切換端子56を、搭載面34−1aのう
ちでリニアガイド55の直上に位置する位置に搭載す
る。このため、この分だけ、可動ステージ34−1を小
型化してあるとともに、中空部34−1dの面積を大き
くとってある。
【0092】なお、図8では省略してあるが、切換端子
58は、ベース基板60に固定された適当な支持台に搭
載されて、切換端子56の正面に対向配置される。
【0093】本実施形態の位置決め装置30−1によれ
ば、第1実施形態の位置決め装置30と同一の効果を奏
するとともに、可動ステージ34−1をより軽量化で
き、可動ステージ34−1の整定時間をさらに短縮でき
る。
【0094】(変形形態)各実施形態の説明では、振動
モータが超音波モータである場合を例にとった。しか
し、本発明は超音波モータには限定されず、超音波以外
の他の振動域を利用した振動モータについても、等しく
適用される。
【0095】また、各実施形態の説明では、本発明にか
かる位置決め装置を光ファイバの切換装置に適用した場
合を例にとった。しかし、本発明は光ファイバの切換装
置には限定されず、各種の位置決め装置についても等し
く適用される。
【0096】また、各実施形態の説明では、振動子と移
動子との間で発生する相対運動の方向と略平行な方向へ
振動する第1の振動である1次の縦振動と、振動子と移
動子との加圧方向と略平行な方向へ振動する第2の振動
である4次の屈曲振動とを励振する異形モード縮退型の
振動子を用いた場合を例にとった。しかし、本発明で用
いる振動子は縦振動及び屈曲振動それぞれの振動の次数
には限定されない。例えば、1次の縦振動と2次の屈曲
振動とを励振する振動子や、1次の縦振動と6次の屈曲
振動とを励振する振動子、さらには3次の縦振動と8次
の屈曲振動とを励振する振動子等も、同様に用いること
ができる。
【0097】また、本発明で用いる振動子は、縦振動及
び屈曲振動の組合せにも限定されず、この組合せ以外の
異形モード縮退型の振動子や、同形モード縮退型の振動
子であっても、同様に適用することができる。
【0098】また、各実施形態の説明では、振動子が圧
電体を備える場合を例にとった。しかし、本発明は圧電
体には限定されず、例えば電歪素子等の電気エネルギ及
び機械エネルギの相互変換素子であれば、等しく適用す
ることができる。
【0099】また、各実施形態の説明では、振動子が4
つの駆動力取出部を有する場合を例にとった。しかし、
本発明はこの形態には限定されず、例えば、弾性体の幅
方向に2つの駆動力取出部が相対運動方向に関して所定
距離だけ離れて設けられた場合であっても、等しく適用
される。この場合、移動子の駆動力取出部との接触部は
矩形の平面形状を呈することから、移動子の振動子との
当接面には、各実施形態のような十字型の溝は形成され
ず、矩形平面形状の溝部が相対運動の方向の略中心部に
形成される。
【0100】また、各実施形態の説明では、移動ステー
ジに切欠き部及び中空部がともに形成された場合を例に
とった。しかし、本発明はこの形態には限定されず、切
欠き部及び中空部の一方が形成されていてもよい。
【0101】さらに、各実施形態は、本発明を具現化し
た一例を示したものであり、本発明の作用効果を奏する
範囲で様々な変形が可能である。
【0102】
【発明の効果】請求項1、請求項3〜請求項6の発明に
より、小型であること、特に振動子と移動子との加圧方
向に平行な方向への寸法が小さいことから小さな設置ス
ペースにも設置することができる、例えば超音波モータ
等の振動モータを用いた位置決め装置を提供することが
できる。
【0103】また、請求項2〜請求項6の発明により、
振動モータを用いた位置決め装置の移動系を軽量化で
き、これにより、可動ステージの整定時間を短縮化する
ことができる。
【0104】さらに、請求項2〜請求項6の発明によ
り、可動ステージの軽量化を行っても、可動ステージに
発生する振動を抑制し、可動ステージの位置決め精度の
低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の位置決め装置を、一部が透視さ
れるとともに簡略化された状態で示す斜視図である。
【図2】図1におけるA矢視図である。
【図3】図1におけるB矢視図である。
【図4】第1実施形態における振動子及び移動子それぞ
れの構成を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態における振動子の説明図であり、
図5(A)は上面図、図5(B)は側面図、図5(C)
は振動子に発生する二つの異なる振動L1及びB4それ
ぞれの波形例を示す説明図である。
【図6】第1実施形態における移動子及び可動ステージ
を抽出して示す斜視図である。
【図7】第1実施形態の位置決め装置の駆動制御装置の
一例を示すブロック図である。
【図8】第2実施形態の位置決め装置の上面図である。
【図9】特開平6−34897号公報により開示された
情報伝送路切換装置の構成を示す説明図であって、図9
(A)は全体の構成を示す斜視図、図9(B)は図9
(A)における出力側ホルダを抽出して示す斜視図、図
9(C)は出力側ホルダの内部を走行する端末部品を示
す説明図である。
【図10】本出願人が特願平11−203369号によ
り提案した情報伝送路切換装置の構成例を、一部破断し
た状態で示す斜視図である。
【符号の説明】
30 位置決め装置 31 振動子 32 移動子 33 超音波モータ 34 可動ステージ 34a 移動子取付面 34b 搭載面 34d 中空部 34e 切欠き部 37a〜37b’駆動力取出部
フロントページの続き Fターム(参考) 5H303 AA05 BB01 BB07 BB11 BB17 CC01 CC03 DD14 EE03 EE07 FF09 GG11 HH01 5H680 AA19 BB01 BB13 BC10 DD02 DD13 DD23 DD34 DD74 EE22 FF23 FF24 FF30 FF33 FF36 GG02 GG27

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動子、及び該振動子に加圧接触するこ
    とにより前記振動子との間で直線的な相対運動を行う相
    対運動部材を有する振動モータと、 前記相対運動部材に固定されて、前記振動子と前記相対
    運動部材との加圧方向に略平行な方向へ向けて延設され
    るとともに、前記相対運動の方向と略平行な方向へ移動
    自在に支持される可動ステージとを備えることを特徴と
    する振動モータを用いた位置決め装置。
  2. 【請求項2】 駆動力取出部を有する振動子、及び前記
    駆動力取出部を介して前記振動子に加圧接触することに
    より前記振動子との間で直線的な相対運動を行う相対運
    動部材を有する振動モータと、 前記相対運動部材に固定されるとともに、前記相対運動
    の方向と略平行な方向へ移動自在に支持される可動ステ
    ージとを備え、 前記相対運動部材のうちの前記駆動力取出部との非接触
    部の厚さは、該駆動力取出部との接触部の厚さよりも小
    さいことを特徴とする振動モータを用いた位置決め装
    置。
  3. 【請求項3】 駆動力取出部を有する振動子、及び前記
    駆動力取出部を介して前記振動子に加圧接触することに
    より前記振動子との間で直線的な相対運動を行う相対運
    動部材を有する振動モータと、 前記相対運動部材に固定されて、前記振動子と前記相対
    運動部材との加圧方向と略平行な方向へ向けて延設され
    るとともに、前記相対運動の方向と略平行な方向へ移動
    自在に支持される可動ステージとを備え、 前記相対運動部材のうちの前記駆動力取出部との非接触
    部の厚さは、該駆動力取出部との接触部の厚さよりも小
    さいことを特徴とする振動モータを用いた位置決め装
    置。
  4. 【請求項4】 前記可動ステージには、切欠き部及び中
    空部のうちの少なくとも一方が形成されることを特徴と
    する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載さ
    れた振動モータを用いた位置決め装置。
  5. 【請求項5】 前記可動ステージは、前記相対運動部材
    に固定される第1の面と該第1の面とは異なる第2の面
    とを有し、前記切欠き部及び中空部のうちの少なくとも
    一方は、前記第2の面に形成されることを特徴とする請
    求項4に記載された振動モータを用いた位置決め装置。
  6. 【請求項6】 前記振動子は、前記相対運動の方向と略
    平行な方向へ振動する第1の振動と、前記加圧方向と略
    平行な方向へ振動する第2の振動とを励振することを特
    徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記
    載された振動モータを用いた位置決め装置。
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