JP2016095746A - 転がり機構を用いた位置決め制御方法及び装置 - Google Patents

転がり機構を用いた位置決め制御方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】移動体の整定時間を短くすることができ、移動体を精密に位置決めすることができる位置決め制御方法を提供する。
【解決手段】
転がり機構を用いた位置決め装置の制御方法において、移動体1が目標位置から微小距離だけ行き過ぎた位置に到達するように位置指令を生成する工程(S1)と、移動体1が行き過ぎた位置に到達した後、移動体が目標位置に戻るように位置指令を生成する工程(S3)と、を備える。転動体9を応力及び弾性変形から解放することで、転動体9の摩擦特性が非線刑である領域を使用しないことができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、転がり機構を用いた位置決め制御方法及び装置に関する。
転がり機構を用いた位置決め装置として、リニアガイドと、リニアモータと、を備えるリニアステージが知られている。転がり機構としてのリニアガイドは、軌道レールと、軌道レールに沿って移動可能な移動ブロックと、軌道レールと移動ブロックとの間に転がり運動可能に介在する多数の転動体と、を備える。移動ブロックの上面にはテーブルが取り付けられており、テーブルの直線運動はリニアガイドによって案内される。駆動源としてのリニアモータは、コイルを有する電機子と、電機子のコイルに対向する磁石と、を備える。テーブルはリニアモータにより軸方向に駆動される。テーブルの位置はスケール及び検出器により検出される。リニアモータを制御する制御器は、位置指令器が生成する位置指令にテーブルの位置が追従するようにモータを制御する。
リニアステージには、テーブルを目標位置までロングストロークを移動させること(すなわちロングストローク動作)と、テーブルをナノメートル単位の分解能で位置決めすること(すなわちナノステップ動作)が要求される場合がある。例えば半導体製造装置、超精密加工装置、DNA合成装置、DNA解析装置等に用いられるリニアステージには、テーブルにロングストローク動作をさせた後、テーブルにナノステップ動作をさせることが要求される。
特許文献1には、ロングストローク動作とナノステップ動作を行うために、大移動量を有するが位置決め精度の低い粗動機構と、小移動量であるが位置決め精度の高い微動機構と、を組み合わせたリニアステージが開示されている。しかし、粗動機構と微動機構とを用いた2軸構成のリニアステージであるので、機構及び制御が複雑になるという課題がある。そこで、単一のリニア駆動機構を用いてロングストローク動作とナノステップ動作を行うことが望まれる。
特開平7−168625号公報
しかし、転がり機構を用いた単一のリニア駆動機構には、テーブルを目標位置までロングストローク動作させた後の整定時間(すなわちテーブルを目標位置にナノメートル単位の高精度で安定させる時間)が長くなるという課題がある。また、位置決めの判断(In position)の幅に入ったときには、位置決めの判断(In position)の幅がそのまま位置偏差として残ったまま次の動作を始めるので、位置偏差分のオフセットがナノステップ動作時の位置指令に加算される。このため、ナノメートル単位の高精度でテーブルを位置決めすることが困難になるという課題がある。
そこで本発明は、移動体の整定時間を短くすることができ、移動体を精密に位置決めすることができる位置決め制御方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、転がり機構を用いた位置決め装置の制御方法において、移動体が目標位置から微小距離だけ行き過ぎた位置に到達するように位置指令を生成する工程と、前記移動体が前記行き過ぎた位置に到達した後、前記移動体が前記目標位置に戻るように位置指令を生成する工程と、を備える位置決め制御方法である。
本発明の他の態様は、転がり機構を用いた位置決め装置の制御装置において、移動体の位置指令を生成する位置指令器を備え、前記位置指令器は、移動体が目標位置から微小距離だけ行き過ぎた位置に到達するように位置指令を生成し、前記移動体が前記行き過ぎた位置に到達した後、前記移動体が前記目標位置に戻るように位置指令を生成する位置決め制御装置である。
なお、本発明において、転がり機構は、転動体の転がり運動を利用した機構であり、例えばリニアガイド、ボールスプライン、ボールねじ等を挙げることができる。
本発明によれば、移動体を目標位置から微小距離だけ行き過ぎた位置に到達させた後、移動体を目標位置に戻すことで、移動体の整定時間を短くすることができ、移動体を精密に位置決めすることができる。詳しくは後述するが、移動体の整定時間が長くなる原因は、転がり機構の転動体の非線形な摩擦特性にあると推測される。ロングストローク動作で転動体が停止するとき、転動体の進行方向の前方側の応力が増加し、転動体が弾性変形することが、転動体の非線形な摩擦特性を引き起こす。図8A(c)に示すように、転動体(ボール9)を微小距離だけ反転させ、転動体(ボール9)を応力及び弾性変形から解放することで、転動体(ボール9)の摩擦特性が非線形である領域を使用しないことができ、したがって移動体の整定時間を短くすることができる。また、図7Aに示すように、移動体の目標位置からの偏差も小さくすることができるので、移動体を精密に位置決めすることができる。
本発明の一実施形態の位置決め制御装置が組み込まれたリニアステージの全体構成図である。 上記リニアステージのリニアガイドの斜視図である。 上記リニアガイドの循環路の断面図である。 本実施形態の制御器の構成図である。 本発明の一実施形態の位置決め制御方法のフローチャートである。 本実施形態の位置指令器が生成するロングストローク動作、反転動作、及びナノステップ動作の位置指令を示すグラフである(図6の上段は、コンピュータに入力される速度指令を示すグラフである)。 本実施形態のテーブルの応答波形を示すグラフである。 従来例のテーブルの応答波形を示すグラフである。 本実施形態のボールの挙動を示す模式図である(図8A(a)はロングストローク中のボールを示し、図8A(b)は1μmだけ行き過ぎた位置にボールを停止させた状態を示し、図8A(c)はボールを1μmだけ戻して目標位置に停止させた状態を示す)。 従来例のボールの挙動を示す模式図である(図8B(a)はロングストローク中のボールを示し、図8B(b)は目標位置にボールを停止させた状態を示す)。 テーブルの反転動作の微小距離を変化させたときのテーブルの応答波形を示すグラフである(図9(a)は反転動作が無いときを示し、図9(b)はテーブルを0.1μmだけ反転動作させたときを示し、図9(c)はテーブルを1.0μmだけ反転動作させたときを示し、図9(d)はテーブルを10μmだけ反転動作させたときを示す)。
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態の位置決め制御装置を詳細に説明する。図1は、本実施形態の位置決め制御装置が組み込まれたリニアステージの全体構成を示す。リニアステージのテーブル1は、転がり機構としての左右一対のリニアガイド2によってX軸方向(図2参照)に移動可能に案内される。テーブル1は、リニアモータ4によってX軸方向に駆動される。リニアモータ4は、コイルを有する電機子4aと、電機子4aのコイルに対向する磁石4bと、を備える。
位置決め制御装置は、位置指令を生成する位置指令器としてのコンピュータ5と、位置指令にテーブル1の位置が追従するようにリニアモータ4を制御する制御器6と、テーブル1の少なくとも位置を検出するセンサ7と、を備える。センサ7は、スケールと、検出器と、から構成される。センサ7が検出した情報は、コンピュータ5及び制御器6に送られる。
図2は、リニアガイド2の斜視図を示す。リニアガイド2は、軌道部材としての軌道レール2aと、軌道レール2aに沿って移動する移動部材としての移動ブロック2bと、を備える。リニアステージのベース8(図1参照)には、平行に例えば2本の軌道レール2aが設置される。軌道レール2aには、移動ブロック2bが軌道レール2aの長手方向(X軸方向)に移動可能に組み付けられる。テーブル1は移動ブロック2bに固定される。
図3は、リニアガイド2の循環路に沿った断面図を示す。軌道レール2aと移動ブロック2bとの間には、転がり運動可能に転動体としてのボール9が介在する。ボール9は、軌道レール2aのボール転走溝2a1と移動ブロック2bの負荷ボール転走溝2b1との間で圧縮されながら転がり運動する。負荷ボール転走溝2b1の一端と他端は戻し路11に接続される。戻し路11は、負荷ボール転走溝2b1と平行な直線通路11aと、負荷ボール転走溝2b1と直線通路11aとを接続する一対のU字状の方向転換路11bと、から構成される。ボール転走溝2a1と負荷ボール転走溝2b1との間の負荷転走路及び戻し路11が循環路を構成する。負荷ボール転走溝2b1の一端まで転がったボール9は、戻し路11を経由して負荷ボール転走溝2b1の他端に戻される。循環路は、リニアガイド2の各移動ブロック2bに複数形成される。
図4は、制御器6の構成を示す。コンピュータ5からの位置指令Xrefは、位置制御部21及びフィードフォワード演算部22に送られる。位置制御部21は、位置指令Xrefと実際の位置Xとの差分である位置偏差を算出し、位置偏差に位置ループゲインKpを乗算して速度指令Vrefを作成する。フィードフォワード演算部22は、位置指令Xrefを微分して速度成分を算出し、速度成分にフィードフォワード係数のF(Xerr)を乗算してフィードフォワード量を作成する。位置制御系の遅れが原因で、位置指令Xrefに対して実際の位置Xが追従できずに位置ずれが発生することがある。フィードフォワード演算部22は、この位置ずれの発生を防ぐ役割を持つ。なお、位置ずれはストローク動作のみに発生するので、ストローク動作のみにフィードフォワード演算部22を使用する。
速度制御部23は、速度指令Vrefにフィードフォワード量を加算し、加算した値から位置Xを微分した実際の速度Vを減算し、速度偏差を算出する。そして、速度制御部23は、速度偏差、速度ループゲインKv、速度積分ゲインKiから推力指令を作成し、トルク定数の逆数1/Kfから電流指令Irefを作成する。電流指令Irefは電流ループ24に送られる。電流ループ24は、電流指令Irefに基づいてリニアモータ4に駆動電流Iを供給する。
図5は、コンピュータ5が実行する位置決め制御方法のフローチャートを示す。コンピュータ5は、ロングストローク動作の位置指令を生成すると共に、ナノステップ動作の位置指令を生成する。コンピュータ5は、不図示のCPUと記憶部とを備える。記憶部には、コンピュータ5で実行されるプログラムが記憶される。プログラムは、例えば、ハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリカード等の記憶媒体に格納され、そこからコンピュータ5にインストールされる。
まず、コンピュータ5は、100μm以上、例えば1mm、10mm、100mm、200mm等のロングストロークの位置指令を生成する(S1)。この位置指令は、テーブル1が目標位置から0.1μm以上10μm以下、この実施形態では1μmの微小距離だけ行き過ぎた位置に到達するように生成される。コンピュータ5には例えば台形波の速度指令が入力されており、コンピュータ5はこの速度指令から位置指令を生成する。速度指令を積分すると、テーブル1のストロークが得られる。
コンピュータ5が生成するロングストローク動作の位置指令は、制御器6に送られる(図1参照)。制御器6は、位置指令にテーブル1の位置が追従するようにリニアモータ4を制御する。
次に、コンピュータ5は、センサ7からの情報に基づいて、テーブル1が行き過ぎた位置に位置決めされたか否かを判断する(S2)。すなわち、行き過ぎた位置からのテーブル1の偏差が位置決め範囲にあるか否かを判断する。コンピュータ5には、あらかじめ位置決めの判断(In position)をするためのパラメータ、例えば幅2.0nm、10サイクル(制御器6のサーボサイクル)が入力されている。コンピュータ5は、テーブル1の偏差が10サイクル連続で2.0nm以下のとき、行き過ぎた位置にテーブル1が位置決めされたと判断する。
次に、コンピュータ5は、テーブル1が目標位置に戻るように反転動作の位置指令を生成する(S3)。テーブル1は目標位置から1μmだけ行き過ぎているから、反転動作の位置指令はテーブル1を1μmだけ戻す位置指令である。コンピュータ5には、例えば三角波の速度指令が入力されている。コンピュータ5はこの速度指令から位置指令を生成する。速度指令を積分すると、1μmになる。
コンピュータ5が生成する反転動作の位置指令は、制御器6に送られる(図1参照)。制御器6は、位置指令にテーブル1の位置が追従するようにリニアモータ4を制御する。
次に、コンピュータ5は、センサ7からの情報に基づいて、テーブル1が目標位置に位置決めされたか否かを判断する(S4)。すなわち、コンピュータ5は、目標位置からのテーブル1の偏差が位置決め範囲にあるか否かを判断する。コンピュータ5には、あらかじめ位置決めの判断(In position)をするためのパラメータ、例えば幅0.5nm、10サイクル(制御器6のサーボサイクル)が入力されている。コンピュータ5は、テーブル1の偏差が10サイクル連続で0.5nm以下のとき、目標位置にテーブル1が位置決めされたと判断する。目標位置における位置決め範囲は行き過ぎた位置における位置決め範囲よりも狭く設定される。テーブル1を目標位置に位置決め後、ナノステップ動作を行うからである。
次に、コンピュータ5は、テーブル1の位置を安定させるために、一定の位置指令を生成した状態を例えば0.2秒間保つ(S5)。この時間はコンピュータ5の待ち時間である。テーブル1の位置が安定しているときは、コンピュータ5の待ち時間を無くすこともできる。
次に、コンピュータ5は、ナノステップ動作の位置指令を生成する(S6)。ナノステップ動作では、テーブル1を100nm以下のナノステップで移動させて位置決めする。この実施形態では、ナノステップ動作の一例として、20msecの間隔で1nmずつ位置が変化する階段状の位置指令を示すが、もちろん位置指令はこれに限定されるものではない。
コンピュータ5が生成するナノステップ動作の位置指令は、制御器6に送られる(図1参照)。制御器6は、位置指令にテーブル1が追従するようにリニアモータ4を制御する。なお、テーブル1をナノステップ動作させるときの制御器6のアルゴリズム及びゲインは、テーブル1をロングストローク動作させるときの制御器6のアルゴリズム及びゲインと同一である。
図6の下段は、コンピュータ5が生成するロングストローク動作、反転動作、及びナノステップ動作の位置指令を示す。図6の上段は、コンピュータ5に入力される速度指令を示す。コンピュータ5にはロングストローク動作の台形波の速度指令が入力される。コンピュータ5は台形波の速度指令からロングストローク動作の位置指令を生成する。ロングストローク動作の最後の位置指令は、目標位置の1.0mmから1μm行き過ぎた1.001mmである。また、コンピュータ5には反転動作の三角波の速度指令が入力される。コンピュータ5は三角波の速度指令から反転動作の位置指令を生成する。反転動作の最後の位置指令は、行き過ぎた位置から1μm戻った1.0mmである。図6中の位置決め判断時間(1)は、行き過ぎた位置にテーブル1が位置決めされたか否かを判断する時間である。位置決め判断時間(2)は、目標位置にテーブル1が位置決めされたか否かを判断する時間である。テーブル1が目標位置に位置決めされた後、コンピュータ5はナノステップ動作の位置指令を生成する。
図7Aは、反転動作が終了した直後のテーブル1の応答波形を示す。図7Aの一点鎖線はコンピュータ5が生成する位置指令を示し、実線はセンサ7が検出したテーブル1の位置を示す。反転動作が終了するのと同時にテーブル1の応答も位置指令通りになることがわかった。その後、ナノステップ動作に移っても、テーブル1の応答がほぼ位置指令通りになるので、ナノメートル単位の高分解能でテーブル1を位置決めできた。
図7Bは、反転動作の位置指令を生成しない従来例のテーブル1の応答波形を示す。従来例では、テーブル1が1000000nm(1mm)の目標位置に到達するようにロングストロークの位置指令を生成すると、テーブル1の追従が目標位置直前に緩慢になり、テーブル1の整定時間が長くなった。また、位置決めの判断(In position)の幅に入ったときには、位置決めの判断(In position)の幅がそのまま位置偏差として残ったまま次の動作を始めるので、位置偏差分のオフセットがナノステップ動作の位置指令に加算され、ナノステップ動作の位置決めに誤差が生じた。
図8Aは、反転動作の位置指令を生成した本実施形態のリニアガイド2のボール9の挙動を示す。図8A(a)はロングストローク中のボール9を示し、図8A(b)は1μmだけ行き過ぎた位置にボール9を停止させた状態を示し、図8A(c)はボール9を1μmだけ戻して目標位置に停止させた状態を示す。
図8Bは、反転動作の位置指令を生成しない従来例のリニアガイド2のボール9の挙動を示す。図8B(a)はロングストローク中のボール9を示し、図8B(b)は目標位置にボール9を停止させた状態を示す。従来例において、テーブル1の整定時間が長くなる原因は、ボール9の非線形な摩擦特性にあると推測される。ロングストローク動作中のボール9と軌道レール2aとの接触面積は小さいが、停止時にはボール9の進行方向に応力がかかり、ボール9が弾性変形して軌道レール2aとの接触面積が大きくなる。ボール9と軌道レール2aとの接触面積の増加は、ボール9の非線形な摩擦特性を引き起こす。ボール9のオーバーシュートを目標位置まで戻すとき、ボール9の非線形な摩擦特性の影響により、目標位置に近づくにつれ、ゲインの不足によって追従動作が緩慢になり、整定時間が長くなる。
これに対して、本実施形態の図8A(b)に示すように、ボール9を目標位置から1μmだけ行き過ぎた位置で停止させ、図8A(c)に示すように、ボール9を1μmだけ反転させることで、ボール9が図8A(b)に示す進行方向の前方側10の応力から解放される。目標位置におけるボール9を応力及び弾性変形から解放することで、ボール9の摩擦特性が非線形になる領域を使用しないことができ、したがってテーブル1の整定時間を短くできる。
図9は、テーブル1の反転動作の微小距離を変化させたときのテーブル1の応答波形を示す。図9(a)は反転動作が無いときを示し、図9(b)はテーブル1を0.1μmだけ反転動作させたときを示し、図9(c)はテーブル1を1.0μmだけ反転動作させたときを示し、図9(d)はテーブル1を10μmだけ反転動作させたときを示す。
図9(b)に示すようにテーブル1を0.1μmだけ反転動作させたときは、図9(a)に示すように反転動作が無いときに比べて、目標位置に到達後のテーブル1の整定時間を短くすることができた。ただし、テーブル1の応答に位置指令からのオフセットが僅かに存在した。図9(c)に示すようにテーブル1を1.0μmだけ反転動作させたときは、テーブル1の整定時間が短くできただけでなく、位置指令からのオフセットも殆ど無くすことができた。図9(d)に示すようにテーブル1を10μmだけ反転させたときは、反転側にオーバーシュートが発生し、ボール9の弾性変形の現象が現れ始めた。
本実施形態の位置決め制御装置によれば、以下の効果を奏する。テーブル1を目標位置から微小距離だけ行き過ぎた位置に到達させた後、テーブル1を目標位置に戻すことで、テーブル1の整定時間を短くすることができ、テーブル1を精密に位置決めすることができる。
テーブル1が行き過ぎた位置に位置決めされたか否かを判断することで、その後の位置指令に加算される位置偏差分のオフセットを小さくすることができる。
テーブル1が目標位置に位置決めされたか否かを判断し、目標位置における位置決めの範囲を行き過ぎた位置における位置決めの範囲よりも狭くすることで、その後のナノステップ動作の位置指令に加算される位置偏差分のオフセットを小さくすることができる。
微小距離を0.1μm以上10μm以下に設定することで、ボール9を応力及び弾性変形から解放することができる。
テーブル1を100μm以上のロングストロークを目標位置まで移動させるのに本実施形態の位置決め制御方法を用い、その後、テーブル1を100nm以下のナノステップで移動させることで、ロングストローク動作と高精度のナノステップ動作を行うことができる。
テーブル1をロングストローク動作させるときの制御器6のゲインを、テーブル1をナノステップ動作させるときの制御器6のゲインと同一にすることで、制御器6の制御を容易にすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に具現化されるのに限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲で様々な実施形態に変更可能である。
例えば、上記実施形態では、X軸リニアステージに本実施形態の位置決め制御装置を使用した例を説明したが、本実施形態の位置決め制御装置はX−Yの2軸リニアステージに使用することもできる。
上記実施形態では、位置指令を実行するためのプログラムをコンピュータの記憶部に記憶させた例を説明したが、位置指令を実行するためのプログラムを制御器の記憶部に記憶させることもできる。位置指令器は制御器に組み込むこともできる。
上記実施形態では、転がり機構としてリニアガイドを用いているが、リニアガイド以外にボールスプライン、ボールねじを用いることもできる。
1…テーブル(移動体),2…リニアガイド(転がり機構),4…リニアモータ(モータ),5…コンピュータ(位置指令器),6…制御器,7…センサ,9…ボール(転動体)



Claims (8)

  1. 転がり機構を用いた位置決め装置の制御方法において、
    移動体が目標位置から微小距離だけ行き過ぎた位置に到達するように位置指令を生成する工程と、
    前記移動体が前記行き過ぎた位置に到達した後、前記移動体が前記目標位置に戻るように位置指令を生成する工程と、
    を備える位置決め制御方法。
  2. 前記位置決め制御方法はさらに、
    前記移動体が前記行き過ぎた位置に位置決めされたか否かを判断する工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の位置決め制御方法。
  3. 前記位置決め制御方法はさらに、
    前記移動体が前記目標位置に位置決めされたか否かを判断する工程を備え、
    前記目標位置における位置決めの範囲は、前記行き過ぎた位置における位置決めの範囲よりも狭いことを特徴とする請求項2に記載の位置決め制御方法。
  4. 前記微小距離は0.1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の位置決め制御方法。
  5. 前記移動体を100μm以上のロングストロークを前記目標位置まで移動させるのに請求項1ないし4のいずれかに記載の位置決め制御方法を用い、
    その後、前記移動体を100nm以下のナノステップで移動させるように位置指令を生成することを特徴とするロングストローク動作とナノステップ動作を連続して実行する方法。
  6. 前記移動体の位置が前記位置指令に追従するようにモータを制御する制御器のゲインは、前記移動体をロングストローク動作させるときと前記移動体をナノステップ動作させるときとで、同一であることを特徴とする請求項5に記載のロングストローク動作とナノステップ動作を連続して実行する方法。
  7. 転がり機構を用いた位置決め装置の制御装置において、
    移動体の位置指令を生成する位置指令器を備え、
    前記位置指令器は、移動体が目標位置から微小距離だけ行き過ぎた位置に到達するように位置指令を生成し、前記移動体が前記行き過ぎた位置に到達した後、前記移動体が前記目標位置に戻るように位置指令を生成する位置決め制御装置。
  8. 請求項1ないし4のいずれかに記載の位置決め制御方法、又は請求項5若しくは6に記載のロングストローク動作とナノステップ動作を連続して実行する方法を実行するためのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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