JP2001261340A - チタン化合物の回収方法および回収したチタンの利用法 - Google Patents

チタン化合物の回収方法および回収したチタンの利用法

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JP2001261340A JP2000084700A JP2000084700A JP2001261340A JP 2001261340 A JP2001261340 A JP 2001261340A JP 2000084700 A JP2000084700 A JP 2000084700A JP 2000084700 A JP2000084700 A JP 2000084700A JP 2001261340 A JP2001261340 A JP 2001261340A
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Mitsuhiro Kaneda
田 充 弘 金
Takumi Kitahara
原 巧 北
Koji Fukui
井 浩 二 福
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリマー製造用触媒またはポリマー製造用触
媒成分、例えばオレフィン重合用固体状チタン触媒成分
を調製する際に発生する、チタン化合物を含む廃溶液か
らチタン化合物をより多く回収する方法および回収した
チタンの利用法を提供すること。 【解決手段】 ポリマー製造用触媒またはポリマー製造
用触媒成分を調製する際に発生する、チタン化合物を含
む廃溶液からチタン化合物の一部を回収した後の回収残
分と水とを接触させ、回収残分中のチタン化合物を加水
分解し、得られた加水分解物を含む混合物を400〜8
00℃で焼成してアナターゼ型を主成分とする粗酸化チ
タンを得るか、またはチタン化合物を含む廃溶液からチ
タン化合物の一部を回収した後の回収残分を加水分解
し、得られた加水分解物を800〜1200℃で焼成し
てルチル型を主成分とする粗酸化チタンを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はチタン化合物の回収
方法および回収したチタンの利用法に関し、さらに詳し
くは、ポリマー製造用触媒またはポリマー製造用触媒成
分、例えばオレフィン重合用固体状チタン触媒成分を調
製する際に得られる、チタン化合物を含む廃溶液からチ
タン化合物を回収する方法およびこの方法により回収し
たチタンの利用法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来α-オレフィンの単独重合
体、エチレン・α-オレフィン共重合体などのオレフィ
ン重合体を製造するために用いられる触媒として、活性
状態のハロゲン化マグネシウムに担持されたチタン化合
物を含む触媒が知られている。このようなオレフィン重
合触媒としては、マグネシウム、チタンおよびハロゲン
を必須成分とする固体状チタン触媒成分と有機金属化合
物触媒成分からなる触媒があり、マグネシウム、チタン
およびハロゲンを必須成分とする固体状チタン触媒成分
の調製方法としては、例えば、溶液状のマグネシウム化
合物と溶液状のチタン化合物とを電子供与体の存在下に
接触させて固体生成物を形成させ、さらにこの固体生成
物と溶液状のチタン化合物とを接触させて固体状チタン
触媒成分を形成させる方法などがある。
【0003】ところでこのような固体状チタン触媒成分
の調製時において、固体状チタン触媒成分を回収した後
には、固体状チタン触媒成分に担持されなかったチタン
化合物やその調製工程における反応等で新たに生じたそ
の他のチタン化合物を含有する廃溶液が発生する。従来
はこの廃溶液を減圧蒸留することによりこれらのチタン
化合物を回収していたが、この方法では蒸留母液または
トレーに固形物が析出し、蒸留釜残液の排出が困難とな
ったり、塔内差圧の発生等により蒸留の継続が困難にな
ることがあった。このため、チタン化合物の回収を十分
に行わないまま蒸留を停止し、蒸留釜残液を廃棄してい
るのが現状である。この蒸留釜残液は、通常液体と固形
物に分離され、固形物は通常埋立て等の方法により処分
されているが、近年は環境保護等の点で埋立て処分場の
確保も困難になってきているのが現状である。
【0004】上述のように蒸留釜残液には十分に回収し
きれなかったチタン化合物が含まれており、資源の有効
利用、廃棄物の削減等の観点から、前記蒸留釜残液から
さらにチタン化合物を回収する方法、回収したチタン化
合物を再利用する方法等が求められている。
【0005】
【発明の目的】本発明はこのように従来技術に鑑みてな
されたものであって、ポリマー製造用触媒またはポリマ
ー製造用触媒成分、例えばオレフィン重合用固体状チタ
ン触媒成分を調製する際に発生する、チタン化合物を含
む廃溶液からチタン化合物をより多く回収する方法およ
び回収したチタンの利用法を提供することを目的として
いる。
【0006】
【発明の概要】本発明に係るチタン化合物の回収方法
は、ポリマー製造用触媒またはポリマー製造用触媒成分
を調製する際に発生する、チタン化合物を含む廃溶液か
らチタン化合物の一部を回収した後の回収残分と水とを
接触させ、回収残分中のチタン化合物を加水分解し、得
られた加水分解物を含む混合物を400〜800℃で焼
成してアナターゼ型を主成分とする粗酸化チタンを得る
ことを特徴とするチタン化合物の回収方法である。
【0007】また本発明に係るチタン化合物の回収方法
は、ポリマー製造用触媒またはポリマー製造用触媒成分
を調製する際に発生する、チタン化合物を含む廃溶液か
らチタン化合物の一部を回収した後の回収残分と水とを
接触させ、回収残分中のチタン化合物を加水分解し、得
られた加水分解物を含む混合物を800〜1200℃で
焼成してルチル型を主成分とする粗酸化チタンを得るこ
とを特徴とするチタン化合物の回収方法である。
【0008】本発明に係るチタン化合物の回収方法に
は、前記チタン化合物を含む廃溶液からチタン化合物の
一部を回収する方法が、蒸留であることを特徴とするチ
タン化合物の回収方法がある。前記蒸留方法は、例えば
フラッシュ蒸留である。
【0009】この場合回収残分は、チタン化合物を含む
廃溶液を蒸留して廃溶液中のチタン化合物の一部を回収
した後に蒸留塔内および/または釜残液中に残存してい
る析出固形物である。
【0010】本発明に係るチタン化合物の回収方法は、
前記チタン化合物を含む廃溶液からチタン化合物の一部
を回収する方法が、チタン化合物を含む廃溶液を、加熱
手段を有する混練器を用いて加熱混練し、前記廃溶液中
のチタン化合物を気化させて回収する方法であり、回収
残分が、廃溶液からチタン化合物を回収した後の固形残
渣であることを特徴とするチタン化合物の回収方法であ
る。前記加熱手段を有する混練器としては、例えばスク
リュー式押出機がある。
【0011】本発明に係るチタン化合物の回収方法で用
いられるチタン化合物を含む廃溶液として、例えばマグ
ネシウム化合物とチタン化合物とを接触させて、チタ
ン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分とするオレ
フィン重合用固体状チタン触媒成分を調製する際に発生
する、チタン化合物を含む廃溶液が用いられる。
【0012】本発明に係る酸化チタン製造用原料は、上
記いずれかの方法により得られた粗酸化チタンからなる
ことを特徴とする酸化チタン製造用原料である。本発明
に係る金属チタン製造用原料は、上記いずれかに記載の
方法により得られた粗酸化チタンからなることを特徴と
する金属チタン製造用原料である。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るチタン化合物
の回収方法および回収したチタンの利用法について具体
的に説明する。
【0014】本発明においてチタン化合物を含む廃溶液
としては特に限定されず、ポリオレフィン製造用触媒ま
たはポリオレフィン製造用触媒成分を調製する際に生じ
る廃液は勿論、他のポリマー製造用触媒またはポリマー
製造用触媒成分を調製する際に生じる廃液であって、チ
タン化合物を含みうる可能性があるものは、本発明のチ
タン化合物を含む廃溶液としてそれらは全て包含されう
る。
【0015】ここでポリオレフィン製造用触媒として具
体的には、例えばチーグラー・ナッタ触媒、メタロセン
触媒、ポストメタロセン触媒などが挙げられ、他のポリ
マー製造用触媒として具体的には、例えばポリエチレン
テレフタレート製造用の固体状チタン触媒等が挙げられ
る。
【0016】また、廃溶液に含まれるチタン化合物とし
ては、触媒(成分)調製時に用いられるチタン化合物、
例えば原料として用いられるチタン化合物は勿論、その
調製工程における反応等により生じるチタン化合物も包
含される。
【0017】以下、具体例として、オレフィン重合用固
体状チタン触媒成分を調製する際に発生する、チタン化
合物を含む廃溶液からチタン化合物を回収する方法につ
いて説明する。
【0018】固体状チタン触媒成分は、例えば下記のよ
うなマグネシウム化合物およびチタン化合物、必要に応
じて電子供与体を接触させることにより調製される。固
体状チタン触媒成分の調製に用いられるチタン化合物と
して具体的には、例えば、下記式(I)で表される4価
のチタン化合物が挙げられる。
【0019】Ti(OR)n 4-n …(I) (式中、Rは炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示
し、nは0≦n≦4である)このようなチタン化合物と
して、具体的には、テトラハロゲン化チタン、トリハロ
ゲン化アルコキシチタン、ジハロゲン化ジアルコキシチ
タン、モノハロゲン化トリアルコキシチタン、テトラア
ルコキシチタンなどが挙げられる。
【0020】これらの中ではハロゲン含有チタン化合物
が好ましく、さらにテトラハロゲン化チタンが好まし
く、特に四塩化チタンが好ましい。これらチタン化合物
は1種単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせ
て用いてもよい。さらにこれらのチタン化合物は、炭化
水素化合物またはハロゲン化炭化水素化合物などに希釈
されていてもよい。
【0021】固体状チタン触媒成分の調製に用いられる
マグネシウム化合物としては、還元性を有するマグネシ
ウム化合物および還元性を有しないマグネシウム化合物
が挙げられる。固体状チタン触媒成分の調製に用いられ
るマグネシウム化合物としては、最終的に得られる固体
状チタン触媒成分中において、ハロゲン含有マグネシウ
ム化合物の形をとることが好ましく、従ってハロゲンを
含まないマグネシウム化合物を用いる場合には、調製の
途中でハロゲン含有化合物と接触反応させることが好ま
しい。
【0022】マグネシウム化合物としては、還元性を有
しないマグネシウム化合物が好ましく、ハロゲン含有マ
グネシウム化合物がさらに好ましく、塩化マグネシウ
ム、アルコキシ塩化マグネシウム、アリロキシ塩化マグ
ネシウムが特に好ましい。
【0023】固体状チタン触媒成分の調製には、電子供
与体を用いることが好ましく、電子供与体としては、ア
ルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、
カルボン酸、酸ハライド類、有機酸または無機酸のエス
テル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物、アンモニ
ア、アミン類、ニトリル類、イソシアネート、含窒素環
状化合物、含酸素環状化合物、有機ケイ素化合物などが
挙げられる。これらの電子供与体は、1種単独でまたは
2種以上組み合せて用いられる。
【0024】固体状チタン触媒成分は、上記したような
チタン化合物およびマグネシウム化合物、必要に応じて
電子供与体を接触させることにより調製することができ
るが、例えば、以下のようにして調製することができ
る。なお以下に説明する固体状チタン触媒成分の製造方
法では、電子供与体を用いる例について述べるが、この
電子供与体は必ずしも用いなくてもよい。 (1) マグネシウム化合物、電子供与体および炭化水素溶
媒からなる溶液を、有機金属化合物と接触反応させて固
体を析出させた後、または析出させながらチタン化合物
と接触反応させる方法。 (2) マグネシウム化合物と電子供与体からなる錯体を有
機金属化合物と接触、反応させた後、チタン化合物を接
触反応させる方法。 (3) 無機担体と有機マグネシウム化合物との接触物に、
チタン化合物および好ましくは電子供与体を接触反応さ
せる方法。この際、あらかじめ該接触物をハロゲン含有
化合物および/または有機金属化合物と接触反応させて
もよい。 (4) マグネシウム化合物、電子供与体、場合によっては
更に炭化水素溶媒を含む溶液と無機または有機担体との
混合物から、マグネシウム化合物の担持された無機また
は有機担体を得、次いでチタン化合物を接触させる方
法。 (5) マグネシウム化合物、チタン化合物、電子供与体、
場合によっては更に炭化水素溶媒を含む溶液と無機また
は有機担体との接触により、マグネシウム、チタンの担
持された固体状チタン触媒成分を得る方法。 (6) 液状状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有
チタン化合物と接触反応させる方法。このとき電子供与
体を1回は用いる。 (7) 液状状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有
化合物と接触反応後、チタン化合物を接触させる方法。
このとき電子供与体を1回は用いる。 (8) アルコキシ基含有マグネシウム化合物をハロゲン含
有チタン化合物と接触反応する方法。このとき電子供与
体を1回は用いる。 (9) アルコキシ基含有マグネシウム化合物および電子供
与体からなる錯体をチタン化合物と接触反応する方法。 (10)アルコキシ基含有マグネシウム化合物および電子供
与体からなる錯体を有機金属化合物と接触後チタン化合
物と接触反応させる方法。 (11)マグネシウム化合物と、電子供与体と、チタン化合
物とを任意の順序で接触、反応させる方法。この反応
は、各成分を電子供与体および/または有機金属化合物
やハロゲン含有ケイ素化合物などの反応助剤で予備処理
してもよい。なお、この方法においては、上記電子供与
体を少なくとも一回は用いることが好ましい。 (12)還元能を有しない液状のマグネシウム化合物と液状
チタン化合物とを、好ましくは電子供与体の存在下で反
応させて固体状のマグネシウム・チタン複合体を析出さ
せる方法。 (13) (12)で得られた反応生成物に、チタン化合物をさ
らに反応させる方法。 (14) (11)または(12)で得られる反応生成物に、電子供
与体およびチタン化合物をさらに反応させる方法。 (15)上記(11)〜(14)で得られる化合物をハロゲンまたは
ハロゲン化合物または芳香族炭化水素で処理する方法。 (16)金属酸化物、有機マグネシウムおよびハロゲン含有
化合物との接触反応物を、好ましくは電子供与体および
チタン化合物と接触させる方法。 (17)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウ
ム、アリーロキシマグネシウムなどのマグネシウム化合
物を、チタン化合物および/またはハロゲン含有炭化水
素および好ましくは電子供与体と反応させる方法。 (18)マグネシウム化合物とアルコキシチタンとを少なく
とも含む炭化水素溶液と、チタン化合物および/または
電子供与体とを接触させる方法。この際ハロゲン含有ケ
イ素化合物などのハロゲン含有化合物を共存させること
が好ましい。 (19)還元能を有しない液状状態のマグネシウム化合物と
有機金属化合物とを反応させて固体状のマグネシウム・
金属(アルミニウム)複合体を析出させ、次いで、電子
供与体およびチタン化合物を反応させる方法。
【0025】このようにして得られる固体状チタン触媒
成分は、マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成
分とし、必要に応じて電子供与体を含有している。上記
のような固体状チタン触媒成分を調製する際には、例え
ば原料として用いられたが固体状チタン触媒成分に担持
されなかったチタン化合物やその調製工程における反応
等で新たに生じたその他のチタン化合物を含む廃溶液が
発生する。これらのチタン化合物を含む廃溶液として
は、具体的には例えばマグネシウム化合物とチタン化合
物と電子供与体とを接触させて固体状チタン触媒成分を
含む懸濁液とし、この懸濁液から固体状チタン触媒成分
を回収した後の溶液、固体状チタン触媒成分にさらにチ
タン化合物を接触させ、得られた固体状チタン触媒成分
を回収した後の溶液などがある。
【0026】このような固体状チタン触媒成分を調製す
る際に発生する、チタン化合物を含む廃溶液(以下、単
に「廃溶液」という。)は、通常チタン化合物30〜7
0重量%と、炭化水素等を含んでいる。
【0027】本発明では、まず廃溶液から廃溶液中のチ
タン化合物の一部を回収した回収残分を得る。このとき
廃溶液中のチタン化合物の一部を回収する方法として
は、廃溶液中からチタン化合物の一部を回収できる方法
であれば特に限定されない。具体的には、例えばその操
作の簡便性から、蒸留が好ましく採用される。
【0028】廃溶液を蒸留器で蒸留する際には、廃溶液
に含まれるチタン化合物、より好適には触媒(成分)調
製時に用いられたチタン化合物の一部を回収する。上記
廃溶液を蒸留器で蒸留して廃溶液に含まれるチタン化合
物、より好適には触媒(成分)調製時に用いられたチタ
ン化合物の一部を回収する際には、ボトム温度70〜1
50℃、トップ温度60〜140℃、トップ圧力常圧〜
5.3kPa、リフラックス量300〜900kg/時
間の条件で行われる。この蒸留により回収される廃溶液
中のチタン化合物の割合は特に限定されないが、通常そ
の40〜80重量%程度を回収する。なお、このチタン
化合物は廃溶液中の低沸点成分とともに回収される。
【0029】本発明では、上記通常の蒸留として、フラ
ッシュ蒸留を行うことも好ましい態様として挙げられ
る。フラッシュ蒸留の一例を、以下に示すような方法を
例に挙げてより具体的に説明する。
【0030】フラッシュ蒸留を行う場合、廃溶液をその
まま用いてもよく、前記の通常の蒸留を行った後、残っ
た蒸留釜残液を用いてもよいが、蒸留釜残液を用いるこ
とが好ましい。
【0031】フラッシュ蒸留を行うには、まず廃溶液ま
たは蒸留釜残液を加熱する。加熱は例えば加熱管により
行われ、加熱時の温度は通常130〜190℃、特に1
50〜180℃の範囲にあることが好ましい。また加熱
時の圧力は、減圧する場合には、通常67〜0.67k
Pa、特に53〜6.7kPaの範囲にあることが好ま
しく、また加熱する場合には、通常100〜10MP
a、特に60〜30MPaの範囲にあることが好まし
い。
【0032】この加熱された廃溶液または蒸留釜残液
は、前記加熱時の圧力よりも減圧された室内、例えば蒸
発管に噴霧され、チタン化合物、より好適には触媒(成
分)調製時に用いられたチタン化合物を含む低沸点成分
とそれ以外の成分に分離され、チタン化合物、より好適
には触媒(成分)調製時に用いられたチタン化合物を含
む低沸点成分が回収される。このときの蒸発管内の温度
は通常100〜200℃、特に130〜180℃の範囲
にあることが好ましい。また蒸発管内の圧力は、減圧す
る場合には、通常67〜0.67kPa、特に40〜
6.7kPaの範囲にあることが好ましく、また加圧す
る場合には、通常3〜0.1MPa、特に0.5〜0.
15MPaの範囲にあることが好ましい。
【0033】このようにして廃溶液または蒸留釜残液か
らチタン化合物を回収すると、廃溶液または蒸留釜残液
中のチタン化合物、より好適には触媒(成分)調製時に
用いられたチタン化合物の90重量%以上を回収するこ
とが可能である。
【0034】なお廃溶液および蒸留釜残液から分離回収
したチタン化合物を含む低沸点成分は、通常定法により
精製されチタン化合物が回収される。上記方法により回
収されるチタン化合物としては、特に制限はないが、よ
り具体的には、ハロゲン含有チタン化合物が好ましく、
さらにテトラハロゲン化チタンが好ましく、特に四塩化
チタンが好ましい。
【0035】本発明では、上記のような廃溶液を蒸留し
た後の残留釜残液(回収残分)または廃溶液もしくは蒸
留釜残液をフラッシュ蒸留した後の残留釜残液(回収残
分)と水とを接触させ、残留釜残液中のチタン化合物を
加水分解し、得られた加水分解物を含む混合物を焼成す
る。
【0036】残留釜残液と水とを接触させて残留釜残液
中のチタン化合物を加水分解する方法としては、特に限
定されず、例えば水中に残留釜残液を添加する方法、残
留釜残液中に水を添加する方法、残留釜残液中に水蒸気
を含んだガスを通じる方法などが挙げられる。加水分解
を行う温度は、通常70℃以下、特に5〜40℃の範囲
であることが好ましい。
【0037】残留釜残液中のチタン化合物を加水分解す
る際には、塩基を添加して中和を行ってもよい。ここで
用いられる塩基としては、アンモニア水、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムなどの元素
の周期表第1、2族元素の水酸化物、あるいは炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素
カリウムなどの元素の周期表第1、2族元素の炭酸(水
素)化合物、尿素、塩基性有機化合物が挙げられる。中
和の終点はpHが5以上が好ましく、また中和は、70
℃以下で行うことが好ましい。
【0038】チタン化合物を加水分解する際には、十分
に加水分解が進行するように、前記蒸留釜残液と水とを
含む油水混合懸濁液は、必要に応じて撹拌振とうした
後、静置して油水の2層に分離させ、その後分液処理器
等を用いて水層部分を取り出す。
【0039】次に、前記水層部分(懸濁液)から加水分
解物を分離する。懸濁液から加水分解物を含む混合物を
分離する方法としては特に限定されないが、例えば加水
分解物を含む懸濁液に凝集剤を添加し加水分解物を凝集
させた後、濾過して加水分解物を含む混合物を含水ケー
キ状の固形物として得る。
【0040】また、本発明では、廃溶液を蒸留し、廃溶
液中のチタン化合物の一部を回収した後に蒸留塔内およ
び/または釜残液中に残存している析出固形物(回収残
分)と水とを接触させ、析出固形物中のチタン化合物を
加水分解し、得られた加水分解物を含む混合物を焼成し
てもよい。
【0041】この場合、上記蒸留塔内および/または釜
残液中に残存する析出固形物としては、前記方法の通常
の蒸留を行った後のもの、または前記フラッシュ蒸留を
行った後のものでもよく、蒸留を行った後のものであれ
ば特に制限はない。
【0042】析出固形物と水とを接触させて析出固形物
中のチタン化合物を加水分解する方法としては、特に限
定されず、例えば水中に析出固形物を添加する方法、析
出固形物中に水を添加する方法、析出固形物中に水蒸気
を含んだガスを通じる方法などが挙げられる。加水分解
を行う温度は、通常70℃以下、特に5〜40℃の範囲
であることが好ましい。
【0043】析出固形物中のチタン化合物を加水分解す
る際には、塩基を添加して中和を行ってもよい。ここで
用いられる塩基としては、アンモニア水、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムなどの元素
の周期表第1、2族元素の水酸化物、あるいは炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素
カリウムなどの元素の周期表第1、2族元素の炭酸(水
素)化合物、尿素、塩基性有機化合物が挙げられる。中
和の終点はpHが5以上が好ましく、また中和は、70
℃以下で行うことが好ましい。
【0044】チタン化合物を加水分解する際には、十分
に加水分解が進行するように、前記析出固形物と水から
なる油水混合懸濁液は、必要に応じて撹拌振とうした
後、静置して油水の2層に分離させ、その後分液処理器
等を用いて水層部分を取り出す。
【0045】次に、前記水層部分(懸濁液)から加水分
解物を含む混合物を分離する。懸濁液から加水分解物を
含む混合物を分離する方法としては特に限定されない
が、例えば加水分解物を含む懸濁液に凝集剤を添加し加
水分解物を凝集させた後、濾過して加水分解物を含む混
合物を含水ケーキ状の固形物として得る。
【0046】さらに本発明では、廃溶液を、加熱手段を
有する混練器を用いて加熱混練し、前記廃溶液中のチタ
ン化合物を気化させて回収した後の固形残渣(回収残
分)と水とを接触させ、固形残渣中のチタン化合物を加
水分解し、得られた加水分解物を含む混合物を焼成して
もよい。
【0047】本発明では、廃溶液を蒸留器で蒸留し廃溶
液に含まれるチタン化合物、より好適には触媒(成分)
調製時に用いられたチタン化合物の一部を回収するとと
もに、蒸留した後の蒸留釜残液を加熱手段を有する混練
器を用いて加熱混練してチタン化合物、より好適には触
媒(成分)調製時に用いられたチタン化合物の一部を回
収してもよく、この廃溶液をそのまま加熱手段を有する
混練器を用いて加熱混練してチタン化合物、より好適に
は触媒(成分)調製時に用いられたチタン化合物の一部
を回収してもよい。
【0048】上記廃溶液を蒸留器で蒸留して廃溶液に含
まれるチタン化合物、より好適には触媒(成分)調製時
に用いられたチタン化合物の一部を回収する際には、ボ
トム温度70〜150℃、トップ温度60〜140℃、
トップ圧力常圧〜5.3kPa、リフラックス量300
〜900kg/時間の条件で行われる。この蒸留により
回収される廃溶液中のチタン化合物の割合は特に限定さ
れないが、通常その40〜80重量%程度を回収する。
なお、このチタン化合物は廃溶液中の低沸点成分ととも
に回収される。
【0049】上記蒸留後に残った蒸留釜残液を加熱混練
する加熱手段を有する混練器としては、一軸押出機、二
軸押出機などのスクリュー式押出機、(コ)ニーダー、
バンバリーミキサーなどが挙げられ、スクリュー式押出
機を用いることが好ましい。
【0050】このような混練器を用いて蒸留釜残液を加
熱混練することによりチタン化合物を含む低沸点成分を
気化させて回収する。蒸留釜残液を加熱する際の温度
は、チタン化合物が気化する温度以上、かつチタン化合
物が分解する温度未満であれば特に限定されないが、通
常80〜250℃の範囲であり、蒸留釜残液の加熱は窒
素などの不活性ガス流通下に行うことができる。
【0051】より具体的には、例えば加熱手段を有する
混練器としてベント部を有するスクリュー式押出機を用
いる場合には、蒸留釜残液を混練する際の加熱温度は、
80〜250℃、好ましくは100〜200℃であり、
圧力は4.0kPa〜常圧、好ましくは16kPa〜常
圧であることが望ましい。また、蒸留釜残液の加熱混練
は窒素などの不活性ガスの流通下に行うことが好まし
い。
【0052】ここで用いられるスクリュー式押出機は特
に限定されず、市販のものを使用することができる。具
体的には、例えば押出機のスクリューは、径(D)が3
2〜396mmであり、径(D)と長さ(L)との比
(L/D)は、14〜52.5であることが好ましい。
またスクリュー式押出機としては、二軸押出機を用いる
ことが好ましい。
【0053】蒸留釜残液を加熱することにより、チタン
化合物を含む低沸点成分が気化し、気化したチタン化合
物を含む低沸点成分は、ベント部から回収される。なお
廃溶液を蒸留して回収されたチタン化合物を含む低沸点
成分および蒸留釜残液等を加熱混練することにより回収
されたチタン化合物を含む低沸点成分は、通常定法によ
り精製されチタン化合物が回収される。
【0054】上記方法により回収されるチタン化合物と
しては、特に制限はないが、より具体的には、ハロゲン
含有チタン化合物が好ましく、さらにテトラハロゲン化
チタンが好ましく、特に四塩化チタンが好ましい。
【0055】このようにしてチタン化合物を含む低沸点
成分が蒸発した後の固形残渣(回収残分)は、スクリュ
ーで押し出される。上記方法によって、廃溶液からチタ
ン化合物を回収すると、廃溶液中のチタン化合物、より
好適には触媒(成分)調製時に用いられたチタン化合物
の90重量%以上を回収することが可能である。この固
形残渣中に含まれるチタン化合物は通常10重量%以下
である。
【0056】本発明では、上記のように廃溶液を蒸留し
た後の蒸留釜残液を加熱手段を有する混練器を用いてチ
タン化合物の一部を回収してもよく、廃溶液をそのまま
加熱手段を有する混練器を用いて加熱混練してチタン化
合物を回収してもよい。この場合、上述した蒸留釜残液
を加熱手段を有する混練器を用いて加熱混練する方法と
同様にしてチタン化合物の一部を回収することができ
る。
【0057】なお廃溶液を混練する際の加熱温度は、例
えばスクリュー式押出機を用いて加熱混練する場合は8
0〜200℃、好ましくは100〜150℃であり、圧
力は4.0kPa〜常圧、好ましくは16kPa〜常圧
であることが望ましい。また、廃溶液の加熱混練は窒素
などの不活性ガスの流通下に行うことが好ましい。
【0058】このように廃溶液をそのまま加熱手段を有
する混練器を用いて加熱混練してチタン化合物を回収し
た場合には、廃溶液中のチタン化合物、より好適には触
媒(成分)調製時に用いられたチタン化合物の85重量
%以上を回収することが可能であり、スクリューで押し
出された固形残渣(回収残分)中に含まれるチタン化合
物は、通常13重量%以下である。
【0059】以上のようにして、加熱手段を有する混練
器を用いて加熱混練し、廃溶液中のチタン化合物を気化
させて回収した後の固形残渣、例えば上記スクリュー式
押出機で押し出された固形残渣と水とを接触させ、固形
物中のチタン化合物を加水分解し、得られた加水分解物
を含む混合物を焼成する。
【0060】固形残渣と水とを接触させて固形残渣中の
チタン化合物を加水分解する方法としては、特に限定さ
れず、例えば水中に固形残渣を添加する方法、固形残渣
中に水を添加する方法、固形残渣中に水蒸気を含んだガ
スを通じる方法などが挙げられる。加水分解を行う温度
は、通常70℃以下、特に5〜40℃の範囲であること
が好ましい。
【0061】固形残渣中のチタン化合物を加水分解する
際には、塩基を添加して中和を行ってもよい。ここで用
いられる塩基としては、アンモニア水、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムなどの元素の
周期表第1、2族元素の水酸化物、あるいは炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カ
リウムなどの元素の周期表第1、2族元素の炭酸(水
素)化合物、尿素、塩基性有機化合物が挙げられる。中
和の終点はpHが5以上が好ましく、また中和は、70
℃以下で行うことが好ましい。
【0062】チタン化合物を加水分解する際には、十分
に加水分解が進行するように、前記固形残渣と水とを含
む油水混合懸濁液は、必要に応じて撹拌振とうした後、
静置して油水の2層に分離させ、その後分液処理器等を
用いて水層部分を取り出す。
【0063】次に、前記水層部分(懸濁液)から加水分
解物を分離する。懸濁液から加水分解物を含む混合物を
分離する方法としては特に限定されないが、例えば加水
分解物を含む懸濁液に凝集剤を添加し加水分解物を凝集
させた後、濾過して加水分解物を含む混合物を含水ケー
キ状の固形物として得る。
【0064】本発明では、廃溶液からチタン化合物の一
部を回収した後の回収残分の加水分解物、より具体的に
は、上記のようにして調製した、前記残留釜残中のチタ
ン化合物を加水分解して得られた加水分解物を含む混合
物、前記析出固形物中のチタン化合物を加水分解して得
られた加水分解物を含む混合物、前記固形残渣中のチタ
ン化合物を加水分解して得られた加水分解物を含む混合
物(以下、これらを「含チタン混合物」という。)を焼
成するが、焼成に先立って該含チタン混合物を乾燥させ
てもよい。その場合、乾燥は常圧または減圧で行うこと
ができ、乾燥温度は特に限定されないが、300〜35
0℃である。また、乾燥時間は処理量により異なるの
で、特に限定されるものではないが、通常1〜300時
間程度である。この場合、乾燥後の含チタン混合物の含
水率は、50重量%以下であることが好ましい。
【0065】上記含チタン混合物の焼成温度は、アナタ
ーゼ型を主成分とする粗酸化チタンを得る場合には、通
常400〜800℃、好ましくは500〜800℃の範
囲であり、焼成時間は、焼成温度にもよるが通常1分〜
5時間、好ましくは5分〜1時間であることが望まし
い。またルチル型を主成分とする粗酸化チタンを得る場
合には、焼成温度は、通常800〜1200℃、好まし
くは900〜1200℃の範囲であり、焼成時間は、焼
成温度にもよるが通常1分〜5時間、好ましくは5分〜
1時間であることが望ましい。
【0066】このようにして得られた粗酸化チタン(焼
成物)は通常70重量%以上の酸化チタンを含有してお
り、含チタン混合物を400〜800℃で焼成して得ら
れた粗酸化チタンは通常アナターゼを90重量%以上の
割合で含有し、含チタン混合物を800〜1200℃で
焼成して得られた粗酸化チタンは通常ルチルを90重量
%以上の割合で含有している。
【0067】得られた粗酸化チタンのうちアナターゼを
主成分とする酸化チタンを含むものは、硫酸法による酸
化チタンの製造用原料に使用することができる。また得
られた粗酸化チタンのうちルチルを主成分とする酸化チ
タンを含むものは、塩素法による酸化チタンの製造用原
料または金属チタン製造用原料に使用することができ
る。上記の場合、出発原料としては勿論、酸化チタンま
たは金属チタンの製造製造工程の途中に混合して使用す
ることも可能である。
【0068】
【発明の効果】本発明によるとポリマー重合用固体状チ
タン触媒(成分)を調製する際に得られる、チタン化合
物を含む廃溶液からチタン化合物を効率的に回収し、再
利用することができ、廃棄物を削減することができる。
特に、廃棄物として埋立て処分されていたチタン化合物
を酸化チタン酸化物の原料や金属チタンの原料として再
資源化することにより、チタン成分の有効利用が図れ、
前記埋立廃棄物の削減、場合によると不要とすることが
できる。
【0069】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0070】
【実施例1】蒸留後の釜残液を加水分解後アルカリで中
和し、凝集剤の添加後脱水して含水ケーキを得た。この
含水ケーキを焼成炉へ導入して600℃で焼成し、酸化
チタンを77重量%含む焼成物を得た。また酸化チタン
中のアナターゼ型は90重量%であった。
【0071】
【実施例2】蒸留後の釜残液を加水分解後アルカリで中
和し、凝集剤の添加後脱水して含水ケーキを得た。この
含水ケーキを焼成炉へ導入して1000℃で焼成し、酸
化チタンを80重量%含む焼成物を得た。また酸化チタ
ン中のルチル型は90重量%であった。
【0072】
【実施例3】蒸留後の釜残液を150℃に加熱された二
軸押出機(径:100mm、L/D:20、回転数:7
0rpm)へ導いた。押出機内の内圧力は常圧であり、
また釜残液供給口付近から留出液方向へ少量の窒素を流
通した。
【0073】24.8kgの釜残液を供給したところ、
揮発成分が6.2kg得られ、非揮発成分(押出固形
物)が16.5kg得られた。この非揮発成分を加水分
解後アルカリで中和し、凝集剤の添加後脱水して含水ケ
ーキを得た。この含水ケーキを焼成炉へ導入して600
℃で焼成し、酸化チタンを78重量%含む焼成物を得
た。また酸化チタン中のアナターゼ型は91重量%であ
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福 井 浩 二 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4D076 AA01 AA14 AA22 BA11 BB18 CD22 HA03 HA06 JA01 4G047 CA02 CB05 CC03 CD07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー製造用触媒またはポリマー製造
    用触媒成分を調製する際に発生する、チタン化合物を含
    む廃溶液からチタン化合物の一部を回収した後の回収残
    分と水とを接触させ、回収残分中のチタン化合物を加水
    分解し、得られた加水分解物を含む混合物を400〜8
    00℃で焼成してアナターゼ型を主成分とする粗酸化チ
    タンを得ることを特徴とするチタン化合物の回収方法。
  2. 【請求項2】 ポリマー製造用触媒またはポリマー製造
    用触媒成分を調製する際に発生する、チタン化合物を含
    む廃溶液からチタン化合物の一部を回収した後の回収残
    分と水とを接触させ、回収残分中のチタン化合物を加水
    分解し、得られた加水分解物を含む混合物を800〜1
    200℃で焼成してルチル型を主成分とする粗酸化チタ
    ンを得ることを特徴とするチタン化合物の回収方法。
  3. 【請求項3】 前記チタン化合物を含む廃溶液からチタ
    ン化合物の一部を回収する方法が、蒸留である請求項1
    または2に記載のチタン化合物の回収方法。
  4. 【請求項4】 前記蒸留が、フラッシュ蒸留である請求
    項3に記載のチタン化合物の回収方法。
  5. 【請求項5】 前記回収残分が、チタン化合物を含む廃
    溶液を蒸留して廃溶液中のチタン化合物の一部を回収し
    た後に蒸留塔内および/または釜残液中に残存している
    析出固形物である請求項3または4に記載のチタン化合
    物の回収方法。
  6. 【請求項6】 前記チタン化合物を含む廃溶液からチタ
    ン化合物の一部を回収する方法が、チタン化合物を含む
    廃溶液を、加熱手段を有する混練器を用いて加熱混練
    し、前記廃溶液中のチタン化合物を気化させて回収する
    方法であり、前記回収残分が、廃溶液からチタン化合物
    を回収した後の固形残渣である請求項1または2に記載
    のチタン化合物の回収方法。
  7. 【請求項7】 前記加熱手段を有する混練器が、スクリ
    ュー式押出機である請求項6に記載のチタン化合物の回
    収方法。
  8. 【請求項8】 前記チタン化合物を含む廃溶液が、マグ
    ネシウム化合物とチタン化合物とを接触させて、チタ
    ン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分とするオレ
    フィン重合用固体状チタン触媒成分を調製する際に発生
    する、チタン化合物を含む廃溶液である請求項1ないし
    7のいずれかに記載のチタン化合物の回収方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の方
    法により得られた粗酸化チタンからなることを特徴とす
    る酸化チタン製造用原料。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし8のいずれかに記載の
    方法により得られた粗酸化チタンからなることを特徴と
    する金属チタン製造用原料。
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