JP2001220140A - チタン化合物の回収方法 - Google Patents

チタン化合物の回収方法

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JP2001220140A
JP2001220140A JP2000035690A JP2000035690A JP2001220140A JP 2001220140 A JP2001220140 A JP 2001220140A JP 2000035690 A JP2000035690 A JP 2000035690A JP 2000035690 A JP2000035690 A JP 2000035690A JP 2001220140 A JP2001220140 A JP 2001220140A
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titanium compound
titanium
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recovering
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JP2000035690A
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Mitsuhiro Kaneda
田 充 弘 金
Toshimasa Takada
田 敏 正 高
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成
分とするオレフィン重合用固体状チタン触媒成分などの
ポリマー製造用触媒成分またはポリマー製造用触媒を調
製する際に発生する、チタン化合物を含む廃溶液からチ
タン化合物をより多く回収する方法を提供すること。 【解決手段】チタン化合物の回収方法は、ポリマー製造
用触媒またはポリマー製造用触媒成分を調製する際に発
生する、チタン化合物を含む廃溶液または該廃溶液を蒸
留した後の蒸留釜残液を、加熱手段を有する混練器を用
いて加熱混練し前記廃溶液または蒸留釜残液中のチタン
化合物を気化させて回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はチタン化合物の回収
方法に関し、さらに詳しくは、ポリマー製造用触媒また
はポリマー製造用触媒成分、例えばオレフィン重合用固
体状チタン触媒成分を調製する際に得られる、チタン化
合物を含む廃溶液からチタン化合物を回収する方法に関
する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来α-オレフィンの単独重合
体、エチレン・α-オレフィン共重合体などのオレフィ
ン重合体を製造するために用いられる触媒として、活性
状態のハロゲン化マグネシウムに担持されたチタン化合
物を含む触媒が知られている。このようなオレフィン重
合触媒としては、マグネシウム、チタンおよびハロゲン
を必須成分とする固体状チタン触媒成分と有機金属化合
物触媒成分からなる触媒があり、マグネシウム、チタン
およびハロゲンを必須成分とする固体状チタン触媒成分
の調製方法としては、例えば、溶液状のマグネシウム化
合物と溶液状のチタン化合物とを電子供与体の存在下に
接触させて固体生成物を形成させ、さらにこの固体生成
物と溶液状のチタン化合物とを接触させて固体状チタン
触媒成分を形成させる方法などがある。
【0003】ところでこのような固体状チタン触媒成分
の調製時において、固体状チタン触媒成分を回収した後
には、固体状チタン触媒成分に担持されなかったチタン
化合物やその調製工程における反応等で新たに生じたそ
の他のチタン化合物を含有する廃溶液が発生する。従来
はこの廃溶液を減圧蒸留することによりこれらのチタン
化合物を回収していたが、この方法では蒸留母液または
トレーに固形物が析出し、蒸留釜残液の排出が困難とな
ったり、塔内差圧の発生等により蒸留の継続が困難にな
ることがあった。このため、チタン化合物の回収を十分
に行わないまま蒸留を停止し、蒸留釜残液を廃棄してい
るのが現状である。
【0004】
【発明の目的】本発明はこのように従来技術に鑑みてな
されたものであって、ポリマー製造用触媒またはポリマ
ー製造用触媒成分、例えばオレフィン重合用固体状チタ
ン触媒成分を調製する際に発生する、チタン化合物を含
む廃溶液からチタン化合物をより多く回収する方法を提
供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】本発明に係るチタン化合物の回収方法
は、ポリマー製造用触媒またはポリマー製造用触媒成分
を調製する際に発生するチタン化合物を含む廃溶液を、
加熱手段を有する混練器を用いて加熱混練し前記廃溶液
中のチタン化合物を気化させて回収することを特徴とす
るチタン化合物の回収方法である。
【0006】また、本発明に係るチタン化合物の回収方
法は、ポリマー製造用触媒またはポリマー製造用触媒成
分を調製する際に発生するチタン化合物を含む廃溶液を
蒸留した後の蒸留釜残液を、加熱手段を有する混練器を
用いて加熱混練し前記蒸留釜残液中のチタン化合物を気
化させて回収することを特徴とするチタン化合物の回収
方法。
【0007】さらに、本発明に係るチタン化合物の回収
方法は、ポリマー製造用触媒またはポリマー製造用触媒
成分を調製する際に発生する、チタン化合物を含む廃溶
液を蒸留して、廃溶液中のチタン化合物の一部を回収す
るとともに、蒸留した後の蒸留釜残液を、加熱手段を有
する混練器を用いて加熱混練し前記蒸留釜残液中のチタ
ン化合物を気化させて回収することを特徴とするチタン
化合物の回収方法。
【0008】本発明に係るチタン化合物の回収方法は、
マグネシウム化合物とチタン化合物とを接触させて、チ
タン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分とするオ
レフィン重合用固体状チタン触媒成分を調製する際に発
生するチタン化合物を含む廃溶液を、加熱手段を有する
混練器を用いて加熱混練し前記廃溶液中のチタン化合物
を気化させて回収することを特徴としている。
【0009】また、本発明に係るチタン化合物の回収方
法は、マグネシウム化合物とチタン化合物とを接触させ
て、チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分と
するオレフィン重合用固体状チタン触媒成分を調製する
際に発生するチタン化合物を含む廃溶液を蒸留した後の
蒸留釜残液を、加熱手段を有する混練器を用いて加熱混
練し前記蒸留釜残液中のチタン化合物を気化させて回収
することを特徴としている。
【0010】さらに、本発明に係るチタン化合物の回収
方法は、マグネシウム化合物とチタン化合物とを接触さ
せて、チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分
とするオレフィン重合用固体状チタン触媒成分を調製す
る際に発生するチタン化合物を含む廃溶液を蒸留して、
廃溶液中のチタン化合物の一部を回収するとともに、蒸
留した後の蒸留釜残液を、加熱手段を有する混練器を用
いて加熱混練し前記蒸留釜残液中のチタン化合物を気化
させて回収することを特徴としている。
【0011】前記加熱手段および撹拌手段を有する混練
器は、例えばスクリュー式押出機である。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るチタン化合物
の回収方法について具体的に説明する。本発明において
チタン化合物を含む廃溶液としては特に限定されず、ポ
リオレフィン製造用触媒またはポリオレフィン製造用触
媒成分を調製する際に生じる廃液は勿論、他のポリマー
製造用触媒またはポリマー製造用触媒成分を調製する際
に生じる廃液であって、チタン化合物を含みうる可能性
があるものは、本発明のチタン化合物を含む廃溶液とし
てそれらは全て包含されうる。
【0013】ここでポリオレフィン製造用触媒として具
体的には、例えばチーグラー・ナッタ触媒、メタロセン
触媒、ポストメタロセン触媒などが挙げられ、他のポリ
マー製造用触媒として具体的には、例えばポリエチレン
テレフタレート製造用の固体状チタン触媒等が挙げられ
る。
【0014】また、廃溶液に含まれるチタン化合物とし
ては、触媒(成分)製造時に用いられるチタン化合物、
例えば原料として用いられるチタン化合物は勿論、その
調製工程における反応等により生じるチタン化合物も包
含される。
【0015】さらに、本発明の方法により回収されるチ
タン化合物としては、液体・固体等の状態の制限はない
が、取扱いの容易さから液体状態のものがより好まし
い。以下、具体例として、オレフィン重合用固体状チタ
ン触媒成分を調製する際に発生する、チタン化合物を含
む廃溶液からチタン化合物を回収する方法について説明
する。
【0016】固体状チタン触媒成分は、例えば下記のよ
うなマグネシウム化合物およびチタン化合物、必要に応
じて電子供与体を接触させることにより調製される。固
体状チタン触媒成分の調製に用いられるチタン化合物と
して具体的には、例えば、下記式(I)で表される4価
のチタン化合物が挙げられる。
【0017】Ti(OR)n 4-n …(I) (式中、Rは炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示
し、nは0≦n≦4である) このようなチタン化合物として、具体的には、テトラハ
ロゲン化チタン、トリハロゲン化アルコキシチタン、ジ
ハロゲン化ジアルコキシチタン、モノハロゲン化トリア
ルコキシチタン、テトラアルコキシチタンなどが挙げら
れる。
【0018】これらの中ではハロゲン含有チタン化合物
が好ましく、さらにテトラハロゲン化チタンが好まし
く、特に四塩化チタンが好ましい。これらチタン化合物
は1種単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせ
て用いてもよい。さらにこれらのチタン化合物は、炭化
水素化合物またはハロゲン化炭化水素化合物などに希釈
されていてもよい。
【0019】固体状チタン触媒成分の調製に用いられる
マグネシウム化合物としては、還元性を有するマグネシ
ウム化合物および還元性を有しないマグネシウム化合物
が挙げられる。固体状チタン触媒成分の調製に用いられ
るマグネシウム化合物としては、最終的に得られる固体
状チタン触媒成分中において、ハロゲン含有マグネシウ
ム化合物の形をとることが好ましく、従ってハロゲンを
含まないマグネシウム化合物を用いる場合には、調製の
途中でハロゲン含有化合物と接触反応させることが好ま
しい。
【0020】マグネシウム化合物としては、還元性を有
しないマグネシウム化合物が好ましく、ハロゲン含有マ
グネシウム化合物がさらに好ましく、塩化マグネシウ
ム、アルコキシ塩化マグネシウム、アリロキシ塩化マグ
ネシウムが特に好ましい。
【0021】固体状チタン触媒成分の調製には、電子供
与体を用いることが好ましく、電子供与体としては、ア
ルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、
カルボン酸、酸ハライド類、有機酸または無機酸のエス
テル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物、アンモニ
ア、アミン類、ニトリル類、イソシアネート、含窒素環
状化合物、含酸素環状化合物、有機ケイ素化合物などが
挙げられる。これらの電子供与体は、1種単独でまたは
2種以上組み合せて用いられる。
【0022】固体状チタン触媒成分は、上記したような
チタン化合物およびマグネシウム化合物、必要に応じて
電子供与体を接触させることにより調製することができ
るが、例えば、以下のようにして調製することができ
る。なお以下に説明する固体状チタン触媒成分の製造方
法では、電子供与体を用いる例について述べるが、この
電子供与体は必ずしも用いなくてもよい。 (1) マグネシウム化合物、電子供与体および炭化水素溶
媒からなる溶液を、有機金属化合物と接触反応させて固
体を析出させた後、または析出させながらチタン化合物
と接触反応させる方法。 (2) マグネシウム化合物と電子供与体からなる錯体を有
機金属化合物と接触、反応させた後、チタン化合物を接
触反応させる方法。 (3) 無機担体と有機マグネシウム化合物との接触物に、
チタン化合物および好ましくは電子供与体を接触反応さ
せる方法。この際、あらかじめ該接触物をハロゲン含有
化合物および/または有機金属化合物と接触反応させて
もよい。 (4) マグネシウム化合物、電子供与体、場合によっては
更に炭化水素溶媒を含む溶液と無機または有機担体との
混合物から、マグネシウム化合物の担持された無機また
は有機担体を得、次いでチタン化合物を接触させる方
法。 (5) マグネシウム化合物、チタン化合物、電子供与体、
場合によっては更に炭化水素溶媒を含む溶液と無機また
は有機担体との接触により、マグネシウム、チタンの担
持された固体状チタン触媒成分を得る方法。 (6) 液状状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有
チタン化合物と接触反応させる方法。このとき電子供与
体を1回は用いる。 (7) 液状状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有
化合物と接触反応後、チタン化合物を接触させる方法。
このとき電子供与体を1回は用いる。 (8) アルコキシ基含有マグネシウム化合物をハロゲン含
有チタン化合物と接触反応する方法。このとき電子供与
体を1回は用いる。 (9) アルコキシ基含有マグネシウム化合物および電子供
与体からなる錯体をチタン化合物と接触反応する方法。 (10)アルコキシ基含有マグネシウム化合物および電子供
与体からなる錯体を有機金属化合物と接触後チタン化合
物と接触反応させる方法。 (11)マグネシウム化合物と、電子供与体と、チタン化合
物とを任意の順序で接触、反応させる方法。この反応
は、各成分を電子供与体および/または有機金属化合物
やハロゲン含有ケイ素化合物などの反応助剤で予備処理
してもよい。なお、この方法においては、上記電子供与
体を少なくとも一回は用いることが好ましい。 (12)還元能を有しない液状のマグネシウム化合物と液状
チタン化合物とを、好ましくは電子供与体の存在下で反
応させて固体状のマグネシウム・チタン複合体を析出さ
せる方法。 (13) (12)で得られた反応生成物に、チタン化合物をさ
らに反応させる方法。 (14) (11)または(12)で得られる反応生成物に、電子供
与体およびチタン化合物をさらに反応させる方法。 (15)上記(11)〜(14)で得られる化合物をハロゲンまたは
ハロゲン化合物または芳香族炭化水素で処理する方法。 (16)金属酸化物、有機マグネシウムおよびハロゲン含有
化合物との接触反応物を、好ましくは電子供与体および
チタン化合物と接触させる方法。 (17)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウ
ム、アリーロキシマグネシウムなどのマグネシウム化合
物を、チタン化合物および/またはハロゲン含有炭化水
素および好ましくは電子供与体と反応させる方法。 (18)マグネシウム化合物とアルコキシチタンとを少なく
とも含む炭化水素溶液と、チタン化合物および/または
電子供与体とを接触させる方法。この際ハロゲン含有ケ
イ素化合物などのハロゲン含有化合物を共存させること
が好ましい。 (19)還元能を有しない液状状態のマグネシウム化合物と
有機金属化合物とを反応させて固体状のマグネシウム・
金属(アルミニウム)複合体を析出させ、次いで、電子
供与体およびチタン化合物を反応させる方法。
【0023】このようにして得られる固体状チタン触媒
成分は、マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成
分とし、必要に応じて電子供与体を含有している。上記
のような固体状チタン触媒成分を調製する際には、例え
ば、原料として用いられたが固体状チタン触媒成分に担
持されなかったチタン化合物やその調製工程における反
応等で新たに生じたその他のチタン化合物を含む廃溶液
が発生する。これらのチタン化合物を含む廃溶液として
は、具体的には例えばマグネシウム化合物とチタン化合
物と電子供与体とを接触させて固体状チタン触媒成分を
含む懸濁液とし、この懸濁液から固体状チタン触媒成分
を回収した後の溶液、固体状チタン触媒成分にさらにチ
タン化合物を接触させ、得られた固体状チタン触媒成分
を回収した後の溶液などがある。
【0024】このような固体状チタン触媒成分を調製す
る際に発生する、チタン化合物を含む廃溶液は、通常チ
タン化合物30〜70重量%と、炭化水素等を含んでい
る。本発明では、この廃溶液を蒸留器で蒸留し廃溶液に
含まれるチタン化合物、より好適には触媒(成分)調製
時に用いられたチタン化合物の一部を回収するととも
に、蒸留した後の蒸留釜残液を加熱手段を有する混練器
を用いて加熱混練してチタン化合物、より好適には触媒
(成分)調製時に用いられたチタン化合物を回収しても
よく、この廃溶液をそのまま加熱手段を有する混練器を
用いて加熱混練してチタン化合物、より好適には触媒
(成分)調製時に用いられたチタン化合物を回収しても
よい。
【0025】上記廃溶液を蒸留器で蒸留して廃溶液に含
まれるチタン化合物、より好適には触媒(成分)調製時
に用いられたチタン化合物の一部を回収する際には、ボ
トム温度70〜150℃、トップ温度60〜140℃、
トップ圧力常圧〜5.3kPa、リフラックス量300
〜900kg/時間の条件で行われる。この蒸留により
回収される廃溶液中のチタン化合物の割合は特に限定さ
れないが、通常その40〜80重量%程度を回収する。
なお、このチタン化合物は廃溶液中の低沸点成分ととも
に回収される。
【0026】上記蒸留後に残った蒸留釜残液を加熱混練
する加熱手段を有する混練器としては、一軸押出機、二
軸押出機などのスクリュー式押出機、(コ)ニーダー、
バンバリーミキサーなどが挙げられ、スクリュー式押出
機を用いることが好ましい。
【0027】このような混練器を用いて蒸留釜残液を加
熱混練することによりチタン化合物を含む低沸点成分を
気化させて回収する。蒸留釜残液を加熱する際の温度
は、チタン化合物が気化する温度以上、かつチタン化合
物が分解する温度未満であれば特に限定されないが、通
常80〜250℃の範囲であり、蒸留釜残液の加熱は窒
素などの不活性ガス流通下に行うことができる。
【0028】より具体的には、例えば加熱手段を有する
混練器としてベント部を有するスクリュー式押出機を用
いる場合には、蒸留釜残液を混練する際の加熱温度は、
80〜250℃、好ましくは100〜200℃であり、
圧力は4.0kPa〜常圧、好ましくは16kPa〜常
圧であることが望ましい。また、蒸留釜残液の加熱混練
は窒素などの不活性ガスの流通下に行うことが好まし
い。
【0029】ここで用いられるスクリュー式押出機は特
に限定されず、市販のものを使用することができる。具
体的には、例えば押出機のスクリューは、径(D)が3
2〜396mmであり、径(D)と長さ(L)との比
(L/D)は、14〜52.5であることが好ましい。
またスクリュー式押出機としては、二軸押出機を用いる
ことが好ましい。
【0030】蒸留釜残液を加熱することにより、チタン
化合物を含む低沸点成分が気化し、気化したチタン化合
物を含む低沸点成分は、ベント部から回収される。なお
廃溶液を蒸留して回収されたチタン化合物を含む低沸点
成分および蒸留釜残液を加熱混練することにより回収さ
れたチタン化合物を含む低沸点成分は、通常定法により
精製されチタン化合物が回収される。
【0031】上記方法により回収されるチタン化合物と
しては、特に制限はないが、より具体的には、ハロゲン
含有チタン化合物が好ましく、さらにテトラハロゲン化
チタンが好ましく、特に四塩化チタンが好ましい。
【0032】このようにしてチタン化合物を含む低沸点
成分が蒸発した後の固形分は、スクリューで押し出され
る。上記方法によって、廃溶液からチタン化合物を回収
すると、廃溶液中のチタン化合物、より好適には触媒
(成分)調製時に用いられたチタン化合物の90重量%
以上を回収することが可能である。この固形分中に含ま
れるチタン化合物は通常10重量%以下である。
【0033】また、本発明では上記廃溶液をそのまま加
熱手段を有する混練器を用いて加熱混練してチタン化合
物を回収してもよい。この場合上述した蒸留釜残液を加
熱手段を有する混練器を用いて加熱混練する方法と同様
にしてチタン化合物を回収することができる。
【0034】なお廃溶液を混練する際の加熱温度は、例
えばスクリュー式押出機を用いて加熱混練する場合は8
0〜200℃、好ましくは100〜150℃であり、圧
力は4.0kPa〜常圧、好ましくは16kPa〜常圧
であることが望ましい。また、蒸留釜残液の加熱混練は
窒素などの不活性ガスの流通下に行うことが好ましい。
【0035】このように廃溶液をそのまま加熱手段を有
する混練器を用いて加熱混練してチタン化合物を回収し
た場合には、廃溶液中のチタン化合物、より好適には触
媒(成分)調製時に用いられたチタン化合物の85重量
%以上を回収することが可能である。
【0036】
【発明の効果】本発明によるとオレフィン重合用固体状
チタン触媒成分を調製する際に得られる、チタン化合物
を含む廃溶液からチタン化合物を、より好適には触媒
(成分)調製時に用いられたチタン化合物を効率的に回
収することができる。特に反応溶液等からのチタン化合
物、とりわけハロゲン化チタン、特に四塩化チタンを十
分効率的に回収することが可能となる。
【0037】また、本発明の方法によれば、加熱混練器
によりチタン化合物が回収されるとともに、通常の蒸留
では閉塞原因となる析出成分を固形分として容易に排出
することが可能となる。
【0038】さらに、加熱混練器は通常、長期間の連続
運転が可能であるため、通常の蒸留処理のように固形分
析出のために蒸留を停止する必要がなく、廃溶液の処理
を連続的に行うことが可能であり、かつ固形分は揮発成
分の含有量が低いので廃棄物としての処理、特に取り扱
いを容易に行うことが可能となる。より具体的には、蒸
留処理等で発生した析出固形物では、蒸留器から取り出
し発散する揮発成分の処理等を施した後に取り扱う必要
があるのに対し、上記固形分はそのまますぐ次の処理等
(例えば廃棄処理等)に供することが可能である。
【0039】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0040】
【実施例1】固体状チタン触媒成分を調製後に得られた
廃溶液80kg(この中には、触媒成分調製時に使用さ
れた四塩化チタンが42.7kg含まれる。)を蒸留設
備を用いて減圧蒸留(最終ボトム温度90℃、トップ圧
力5.3kPa)を行い、廃溶液中に含まれる四塩化チ
タンを34.3kg回収した。残った蒸留釜残液を蒸留
器からほぼ全量を150℃に加熱された二軸押出機
(径:100mm、L/D:20、回転数:70rp
m)へ導いた。押出機内の内圧力は常圧であり、また釜
残液供給口付近から留出液方向へ少量の窒素を流通し
た。
【0041】24.8kgの釜残液を供給したところ、
揮発成分が6.2kg得られ、この揮発成分中には四塩
化チタンが4.6kg含まれていた。また廃溶液からの
四塩化チタンの回収率は91%であった。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー製造用触媒またはポリマー製造
    用触媒成分を調製する際に発生する、チタン化合物を含
    む廃溶液を、加熱手段を有する混練器を用いて加熱混練
    し前記廃溶液中のチタン化合物を気化させて回収するこ
    とを特徴とするチタン化合物の回収方法。
  2. 【請求項2】 ポリマー製造用触媒またはポリマー製造
    用触媒成分を調製する際に発生する、チタン化合物を含
    む廃溶液を蒸留した後の蒸留釜残液を、加熱手段を有す
    る混練器を用いて加熱混練し前記蒸留釜残液中のチタン
    化合物を気化させて回収することを特徴とするチタン化
    合物の回収方法。
  3. 【請求項3】 ポリマー製造用触媒またはポリマー製造
    用触媒成分を調製する際に発生する、チタン化合物を含
    む廃溶液を蒸留して、廃溶液中のチタン化合物の一部を
    回収するとともに、蒸留した後の蒸留釜残液を、加熱手
    段を有する混練器を用いて加熱混練し前記蒸留釜残液中
    のチタン化合物を気化させて回収することを特徴とする
    チタン化合物の回収方法。
  4. 【請求項4】 マグネシウム化合物とチタン化合物とを
    接触させて、チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必
    須成分とするオレフィン重合用固体状チタン触媒成分を
    調製する際に発生する、チタン化合物を含む廃溶液を、
    加熱手段を有する混練器を用いて加熱混練し前記廃溶液
    中のチタン化合物を気化させて回収することを特徴とす
    るチタン化合物の回収方法。
  5. 【請求項5】 マグネシウム化合物とチタン化合物とを
    接触させて、チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必
    須成分とするオレフィン重合用固体状チタン触媒成分を
    調製する際に発生する、チタン化合物を含む廃溶液を蒸
    留した後の蒸留釜残液を、加熱手段を有する混練器を用
    いて加熱混練し前記蒸留釜残液中のチタン化合物を気化
    させて回収することを特徴とするチタン化合物の回収方
    法。
  6. 【請求項6】 マグネシウム化合物とチタン化合物とを
    接触させて、チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必
    須成分とするオレフィン重合用固体状チタン触媒成分を
    調製する際に発生する、チタン化合物を含む廃溶液を蒸
    留して、廃溶液中のチタン化合物の一部を回収するとと
    もに、蒸留した後の蒸留釜残液を、加熱手段を有する混
    練器を用いて加熱混練し前記蒸留釜残液中のチタン化合
    物を気化させて回収することを特徴とするチタン化合物
    の回収方法。
  7. 【請求項7】 前記加熱手段および撹拌手段を有する混
    練器がスクリュー式押出機である請求項1ないし6のい
    ずれかに記載のチタン化合物の回収方法。
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