JP2001258819A - 内視鏡装置 - Google Patents

内視鏡装置

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JP2001258819A JP2000074702A JP2000074702A JP2001258819A JP 2001258819 A JP2001258819 A JP 2001258819A JP 2000074702 A JP2000074702 A JP 2000074702A JP 2000074702 A JP2000074702 A JP 2000074702A JP 2001258819 A JP2001258819 A JP 2001258819A
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康夫 平田
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英之 安達
Hironobu Takizawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、システム全体の携帯性に優れた内視
鏡を提供することを最も主要な特徴とする。 【解決手段】挿入部8が巻装されたドラム12をキャリ
ングケース7に一体に収納し、かつキャリングケース7
の内部あるいはドラム12の内部に流体圧アクチュエー
タ19に流体を供給するボンベ34および流体圧の供給
を制御する電磁弁ユニット30を備えた流体圧制御部を
収納する。さらに、キャリングケース7の内部に電磁弁
ユニット30の制御量を操作するジョイスティック37
を収納できるようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は管腔内に挿入される
長尺の挿入部の先端に空流体圧アクチュエータからなる
湾曲部を備え、例えば工業的内視鏡や、医療用にも適用
可能な内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば工業用や、医療用にも適
用可能な内視鏡には、管腔内に挿入される長尺の挿入部
が設けられている。また、この種の内視鏡には、挿入部
の先端部に湾曲部が配設され、この湾曲部を湾曲操作す
ることにより、内視鏡の観察方向を任意の方向に向ける
ことができるようになっている。
【0003】また、挿入部の先端部に配設される湾曲部
として例えば、特開平4−135570号公報や、特開
平5−305053号公報などには流体圧アクチュエー
タを備えた構成のものが示されている。
【0004】この種の湾曲部では挿入部の先端部に弾性
管状体が配設されている。さらに、この弾性管状体の管
壁には周方向に沿って複数の加圧室が配設されている。
そして、複数の加圧室内に選択的に空気圧を供給して加
圧することにより、ここで加圧された加圧室とは反対方
向に弾性管状体を湾曲させるようになっている。
【0005】また、内視鏡システムは、一般に、内視鏡
の本体と、この内視鏡本体に接続される光源装置や、C
CU(カメラ・コントロール・ユニット)などが組み合
わされて構成されている。そして、内視鏡システムを構
成する各構成器具を1台のカートに収納したり、或いは
小型のケースに収納することにより、携帯性を高めたシ
ステムが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに携帯性を高める内視鏡システムは、湾曲部に流体圧
アクチュエータを備えた構成の内視鏡においても同様に
考慮されている。そして、上記従来構成の流体圧アクチ
ュエータを備えた内視鏡では、流体圧アクチュエータを
湾曲動作するための空気圧源として比較的大型のコンプ
レッサが必要である。そのため、内視鏡システム全体が
大型化するので、携帯性が低くなる問題がある。
【0007】また、流体圧アクチュエータによる湾曲機
構を設けた内視鏡では、内視鏡本体に接続される外部機
器であるコンプレッサから供給される空気を内視鏡本体
の挿入部内に組み込まれる送気管路内を通して挿入部の
先端側の流体圧アクチュエータに送り、湾曲部の湾曲動
作を行うようになっている。
【0008】しかしながら、内視鏡の挿入部の長さが長
尺になる場合にはコンプレッサからの空気が流体圧アク
チュエータに送られるまでに時間がかかるので、湾曲動
作にタイムラグが発生し、正確な湾曲動作を行えないお
それがある。
【0009】また、流体圧アクチュエータによる湾曲機
構を設けた内視鏡では、シリコン樹脂などの伸展性のあ
る材料で湾曲部の弾性管状体が形成されている。そし
て、この弾性管状体の管壁に配設された複数の加圧室内
に選択的に圧縮性流体を供給して加圧することにより、
湾曲部を湾曲駆動させる構成になっている。しかしなが
ら、弾性管状体で形成される湾曲チューブでは圧力の増
減に対するヒステリシスが存在する特有の現象が発生す
るので、手元側の操作部による湾曲操作と、湾曲部の湾
曲動作とを一致させることが難しい問題がある。
【0010】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的は、システム全体の携帯性に優れた内視鏡
装置を提供することにある。
【0011】さらに、本発明の他の目的は、長尺な挿入
部の先端部に流体圧アクチュエータを用いた湾曲機構を
備えた内視鏡における制御性に優れた内視鏡装置を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、管腔
内に挿入される挿入部と、この挿入部の先端部に配設さ
れた撮像手段と、この撮像手段の後方に配設された流体
圧アクチュエータによって構成され、上記挿入部の先端
部を湾曲操作する湾曲部と、上記挿入部が巻装可能なド
ラムと、上記挿入部が巻装されたドラムを一体に収納す
る収納ケースと、上記収納ケースの内部あるいはドラム
の内部に収納され、上記流体圧アクチュエータに流体を
供給する流体圧供給源および上記流体圧供給源を制御す
る流体供給量制御装置を備えた流体圧制御部と、上記収
納ケースの内部に収納可能で、上記流体供給量制御装置
の制御量を操作する操作部とを具備することを特徴とす
る内視鏡装置である。そして、本請求項1の発明では、
挿入部が巻装されたドラムを収納ケースに一体に収納
し、かつ収納ケースの内部あるいはドラムの内部に流体
圧アクチュエータに流体を供給する流体圧供給源および
流体圧供給源を制御する流体供給量制御装置を備えた流
体圧制御部を収納する。さらに、収納ケースの内部に流
体供給量制御装置の制御量を操作する操作部を収納でき
るようにしたものである。
【0013】請求項2の発明は、上記流体圧アクチュエ
ータは、中央に内蔵物を配する孔と、この孔の周辺に配
置された複数の圧力室とを有する柔軟な多孔チューブ
と、上記挿入部内に配設され、上記圧力室と上記流体供
給源とを接続する流体供給用チューブとを具備すること
を特徴とする内視鏡装置である。そして、本請求項2の
発明では、流体供給源から供給される流体を流体供給用
チューブを通して柔軟な多孔チューブの孔の周辺の圧力
室に供給し、ここで加圧された圧力室とは反対方向に流
体圧アクチュエータを湾曲させるようにしたものであ
る。
【0014】請求項3の発明は、管腔内に挿入される挿
入部の先端部に湾曲操作可能な湾曲部が形成されるとと
もに、複数の圧力室が形成された湾曲チューブを備えた
流体圧アクチュエータによって上記湾曲部が湾曲される
内視鏡装置において、上記流体圧アクチュエータの圧力
室に供給する流体圧供給源と、この流体圧供給源から上
記圧力室への流体の供給量を制御する流体制御手段と、
この流体制御手段に設けられ、任意の圧力における前記
圧力室への流体の供給および排出のいずれも停止する停
止制御手段とを具備したことを特徴とする内視鏡装置で
ある。そして、本請求項3の発明では、流体圧供給源か
ら流体圧アクチュエータの圧力室への流体の供給量を流
体制御手段によって制御し、かつこの流体制御手段の停
止制御手段によって任意の圧力における圧力室への流体
の供給および排出のいずれも停止するようにしたもので
ある。
【0015】請求項4の発明は、管腔内に挿入される挿
入部の先端部に湾曲操作可能な湾曲部が形成されるとと
もに、複数の圧力室が形成された湾曲チューブを備えた
流体圧アクチュエータによって上記湾曲部が湾曲される
内視鏡装置において、上記流体圧アクチュエータによる
湾曲部の湾曲操作を入力する操作手段と、この操作手段
からの操作信号と上記流体圧アクチュエータの湾曲部の
湾曲動作との時間差を補正する信号補正手段とを設けた
ことを特徴とする内視鏡装置である。そして、本請求項
4の発明では、流体圧アクチュエータによる湾曲部の湾
曲操作を操作手段によって入力する際に、操作手段から
の操作信号と流体圧アクチュエータの湾曲部の湾曲動作
との時間差を信号補正手段によって補正するようにした
ものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図1乃至図12を参照して説明する。図1は本実施の
形態の内視鏡装置1のシステム全体の概略構成を示すも
のである。この内視鏡装置1には、内視鏡本体2と、C
CU(カメラ・コントロール・ユニット)3と、光源装
置4と、電源5と、モニタ6などからなる複数の構成要
素が設けられている。これらの内視鏡装置1の複数の構
成要素は1つのキャリングケース(収納ケース)7に収
納されている。このキャリングケース7には上面が開口
されたケース本体7aと、このケース本体7aの上面開
口部を開閉可能に閉塞するふた7bとが設けられてい
る。
【0017】また、内視鏡本体2には図2に示すように
管腔内に挿入される長尺な挿入部8が設けられている。
この挿入部8には可撓性を備えた長尺な可撓管部9と、
この可撓管部9の先端部に連結された湾曲部10と、最
先端部に配設された先端構成部11とが設けられてい
る。さらに、キャリングケース7内には内視鏡本体2の
挿入部8が巻装可能な円筒状のドラム12が配設されて
いる。ここで、内視鏡本体2の挿入部8は、ドラム12
に巻かれた状態でキャリングケース7内に収納されてい
る。そして、必要に応じて内視鏡本体2の挿入部8をド
ラム12およびキャリングケース7内から引き出して使
用するようになっている。
【0018】また、本実施の形態の内視鏡本体2の湾曲
部10は次の通り構成されている。すなわち、湾曲部1
0の本体は図3(B)に示すように例えば、材質が柔軟
なシリコンである断面形状が円形状のマルチルーメンチ
ューブ13によって形成されている。このマルチルーメ
ンチューブ13には円形断面の中央位置に中央ルーメン
13aが軸心方向に沿って延設されている。そして、こ
の中央ルーメン13aの内部には後述するケーブル等の
内蔵物が挿通されるようになっている。
【0019】さらに、この中央ルーメン13aの周囲の
管壁には複数、本実施の形態では4つの円弧形状断面の
ルーメン13b,13c,13d,13eが周方向に略
等間隔に配設されている。また、4つの円弧状断面のル
ーメン13b,13c,13d,13eの前後の両端部
はそれぞれ図3(E)、3(F)に示すように例えばシ
リコンの充填剤14で封止されている。これにより、4
つの円弧状断面のルーメン13b,13c,13d,1
3eの内部には密閉された圧力室15がそれぞれ形成さ
れている。
【0020】さらに、4つの円弧状ルーメン13b,1
3c,13d,13eの手元側の充填剤14内には図3
(F)に示すようにシリコン製の接続用チューブ16が
それぞれ貫挿されている。ここで、各接続用チューブ1
6の内端部は4つの円弧状ルーメン13b,13c,1
3d,13eの各圧力室15にそれぞれ連通されてい
る。
【0021】また、各接続用チューブ16の外端部には
各圧力室15内に空気を供給し、また各圧力室15内か
ら排気するための例えば、テフロン製の流体供給チュー
ブ17の先端部がそれぞれ連結されている。ここで、流
体供給チューブ17の接続方法は、図3(C)に示すよ
うに接続用チューブ16に流体供給チューブ17の先端
部側を差し込み、その後、接続用チューブ16の外側か
ら糸18で縛り付けるようになっている。
【0022】これは、マルチルーメンチューブ13がシ
リコンであり、流体供給チューブ17がテフロンである
ことから、この2つは接着性が悪く、接着できた場合で
も強度が弱いためである。なお、マルチルーメンチュー
ブ13がシリコン、接続用チューブ16がシリコンとす
れば同じシリコンであり、シリコンの接着剤を用いれば
接続強度は強い。そして、シリコン製の接続用チューブ
16とテフロン製の流体供給チューブ17との間は、空
気が漏れないように外側から容易に糸18で縛りつける
ことができる。
【0023】これにより、マルチルーメンチューブ13
の4つの円弧状ルーメン13b,13c,13d,13
eの各圧力室15に選択的に空気を送ることで湾曲部1
0に湾曲動作を行わせる流体圧アクチュエータ19が構
成されている。なお,本実施の形態では4つの円弧状ル
ーメン13b,13c,13d,13eの各圧力室15
が4つの湾曲方向、すなわち左右方向および上下方向の
いずれかにそれぞれ対応させるように設定されている。
【0024】また、マルチルーメンチューブ13の先端
側の端部には、前口金20Aが、さらに手元側の端部に
は、後ろ口金20Bがそれぞれ接着等により接続されて
いる。ここで、後ろ口金20Bの先端部側には、4つの
円弧状ルーメン13b,13c,13d,13eの各接
続用チューブ16とそれぞれ対応する位置に4個所のス
リット20a〜20dが形成されている。
【0025】なお、4つの円弧状ルーメン13b,13
c,13d,13eの各接続用チューブ16には後ろ口
金20Bの各スリット20a〜20dとそれぞれ係合す
る係合凸部が形成されている。そして、各接続用チュー
ブ16の係合凸部が後ろ口金20Bの各スリット20a
〜20dとそれぞれ係合されるようになっている。
【0026】また、マルチルーメンチューブ13の中央
ルーメン13aには、例えばステンレスでできている内
側密着コイル21が挿入配置されている。そして、4つ
の円弧状ルーメン13b,13c,13d,13eの各
圧力室15に空気を送り込んだときにマルチルーメンチ
ューブ13が内側に膨らむことをこの内側密着コイル2
1によって押さえるようにしている。
【0027】なお、内側密着コイル21がない状態で
は、4つの円弧状ルーメン13b,13c,13d,1
3eの各圧力室15に空気を送り込んだ際にマルチルー
メンチューブ13が内側に膨らむようになっている。そ
のため、この状態ではマルチルーメンチューブ13の内
側に膨らむ部分がこのマルチルーメンチューブ13の中
央ルーメン13aの内蔵物に接触して、内蔵物の形状に
応じた形状に変形するので、4つの円弧状ルーメン13
b,13c,13d,13eの各圧力室15が均一でな
い膨張をすることになり、耐久性を落とす問題がある。
【0028】また、内側密着コイル21の素線の断面形
状は、円、楕円、平板形状が考えられる。この内側密着
コイル21の素線の断面形状は、湾曲部10のアクチュ
エータのサイズが細くなったときに大きく影響するもの
である。例えば、湾曲部10のアクチュエータのサイズ
が細い場合は、素線の断面形状は平板形状が有効であ
る。なお、素線の断面形状が平板形状の密着コイル21
は、同じ肉厚(コイル外径とコイル内径との差)の他の
断面形状のコイルと比べて、こしが有り、マルチルーメ
ンチューブ13の膨らみに対して、コイルを変形させに
くい利点がある。そのため、組立てを行う場合において
も素線の断面形状が平板形状の密着コイル21は、こし
が有るためにマルチルーメンチューブ13の中央ルーメ
ン13a内に挿通しやすい。
【0029】また、マルチルーメンチューブ13の外周
面には図4に示すように外皮チューブ22が被されてい
る。この外皮チューブ22は、例えば、フッ素ゴム、ニ
トリルゴム、ポリビニル等のようにガソリンや、軽油等
に対する耐油性の高い材料でできている。そして、この
外皮チューブ22の両端部分はそれぞれマルチルーメン
チューブ13の前口金20Aと後ろ口金20Bの位置で
糸23により糸縛りして、この糸23の外側を接着固定
するようにしている。
【0030】なお、外皮チューブ22を耐油性の高い材
料とするのは、本実施の形態の内視鏡システムは医療用
のみではなく工業用での用途も考えられる。そして、工
業用での用途ではエンジンや、様々な配管内の検査が考
えられる。ここで、マルチルーメンチューブ13をシリ
コンとした場合には、ガソリンや、軽油に対して、接触
することで湾曲性能に影響がある可能性があり、耐油性
の高い材料の外皮チューブ22で覆うことでこのような
課題に対処するものである。
【0031】また、マルチルーメンチューブ13をはじ
めから耐油性の高いニトリルゴム、フッ素ゴム、アクリ
ルゴム等で製造すれば、外皮チューブ22は格別に設け
なくてもよい。
【0032】さらに、外皮チューブ22の外側には図3
(D)に示すように外側密着コイル24が配設されてい
る。この外側密着コイル24の両端は接着等で動かない
ように支持されている。なお、外側密着コイル24の素
線の断面形状は、内側密着コイル21と同じように円
形、楕円、平板等が考えられる。また、この外側密着コ
イル24の外側には、さらにステンレスワイヤ等で筒状
に編み込んだ保護部材25を被せる構成になっている。
外側密着コイル24は、マルチルーメンチューブ13が
外側に膨張して、外皮チューブ22とともに膨らむこと
を抑えるものである。また、保護部材251は、配管内
の検査において、湾曲部がこすれて破れることを防止す
るものである。
【0033】また、湾曲部10の先端の先端構成部11
には、図5に示すようにCCD(撮像手段)からなる視
覚機能を備えた観察光学系26と、照明機能を備えた照
明光学系27とが設けられている。ここで、照明光学系
27の照明機能はライトガイドケーブル29によって形
成されている。そして、観察光学系26のCCDの信号
線28と、照明光学系27のライトガイドケーブル29
は湾曲部10におけるマルチルーメンチューブ13の中
央ルーメン13a内を通り、流体供給チューブ17とと
もに可撓管部9の内部に挿通されている。
【0034】また、可撓管部9の手元側端部は図7に示
すようにドラム12に接続されている。さらに、可撓管
部9の内部を通ったCCDの信号線28と、ライトガイ
ドケーブル29と、4本の流体供給チューブ17とは図
8に示すようにドラム12の内部に入っている。ここ
で、CCDの信号線28とライトガイドケーブル29
は、ドラム12の横からさらにドラム12の外側に延出
され、ドラム12の回転軸12aに複数回、巻き付けら
れた状態で保持されている。そして、内視鏡本体2を引
き出して収納する際に、信号線28や、ライトガイドケ
ーブル29にテンションがかからないようにしている。
さらに、CCDの信号線28の基端部はCCU3に接続
され、ライトガイドケーブル29の基端部は光源装置4
に接続されている。
【0035】また、図8に示すようにドラム12の内部
には後述する電磁弁ユニット(流体供給量制御装置)3
0およびこの電磁弁ユニット30を制御コントロールす
る電磁弁制御コントローラ93がそれぞれ配設されてい
る。ここで、電磁弁ユニット30には4本の流体供給チ
ューブ17の基端部が連結されている。
【0036】さらに、電磁弁ユニット30には流体を供
給する空気圧供給源側の流体チューブ32の一端部が連
結されている。この流体チューブ32はドラム12の横
からドラム12の外側に延出され、この流体チューブ3
2の延出部には螺旋形状に巻回された巻回部33が形成
されている。
【0037】また、キャリングケース7の一側部には図
1に示すように空気圧供給源であるボンベ34の収容室
35が形成されている。そして、この収容室35内に配
設された小型のボンベ34には流体チューブ32の他端
部が連結されている。なお、ボンベ34内に充填されて
いるガスとしては、例えば二酸化炭素、フロン、窒素、
ヘリウム、アルゴン、空気等の可燃性のないガスが使わ
れている。さらに、ボンベ34としては、充填圧力が高
く、充填ガス量が多いものがよい。例えば、二酸化炭素
と窒素を比べると充填ガス量は二酸化炭素が多いが、充
填圧力は窒素のほうが高い。
【0038】また、ドラム12の内部の電磁弁制御コン
トローラ93には信号線36の一端部が接続されてい
る。この信号線36は、ドラム12の横からさらにドラ
ム12の外側に延出され、CCDの信号線28や、ライ
トガイドケーブル29と同様にドラム12の回転軸12
aに複数回、巻き付けられた状態で保持されている。こ
れにより、内視鏡本体2を引き出して収納する際に、こ
の信号線36にテンションがかからないようにしてい
る。さらに、この信号線36の他端部は電源5と、内視
鏡本体2の湾曲部10を湾曲操作するジョイスティック
(操作部)37とにそれぞれ接続されている。
【0039】なお、ジョイスティック37には図9
(C)に示すようにベース部材37aと、操作レバー3
7bとが設けられている。この操作レバー37bはベー
ス部材37a上の回動支軸37cを中心に0点位置(ニ
ュートラル位置)から任意の方向に傾動操作可能に支持
されている。さらに、ジョイスティック37には図示し
ない2軸のポテンショメータが設けられており、操作レ
バー37bの0点位置からの傾き角θに応じてポテンシ
ョメータからの抵抗値が変化するようになっている。
【0040】また、図9(A)に示すように、電磁弁ユ
ニット30にはUP、DOWN、RIGHT、LEFT
の4つの湾曲方向にそれぞれ対応させた4つの流体供給
チューブ17の流路をそれぞれ切換える4つの流路切換
え機構部38A〜38Dと、チューブ継ぎ手39とが設
けられている。ここで、各流路切換え機構部38A〜3
8Dには3個の電磁弁(3ポート弁)38a,38b,
38cがそれぞれ設けられている。したがって、電磁弁
ユニット30には合計12個の電磁弁38が設けられて
いる。そして、流路切換え機構部38AによってUP方
向、流路切換え機構部38BによってDOWN方向、流
路切換え機構部38CによってRIGHT方向、流路切
換え機構部38DによってLEFT方向の各流路をそれ
ぞれ切換えるようになっている。
【0041】さらに、各電磁弁38は3つの空気口(ポ
ート)A,E,Pを備えた3ポート弁である。ここで、
各電磁弁38は電圧をかけると空気口Pと空気口Aとが
連通(開放)され、電圧がかけられていないときは空気
口Aと空気口Eとが連通(開放)されるようになってい
る。そして、4つの湾曲方向の各流体供給チューブ17
に対して3つの電磁弁38a,38b,38cが図9
(A)に示す通り接続されている。
【0042】すなわち、1つの湾曲方向、例えばUP方
向の流体供給チューブ17の流路切換え機構部38Aに
は2つの電磁弁38a,38bが直列に接続されてい
る。ここで、流体供給チューブ17の流出端部には電磁
弁38bの空気口Pが接続され、さらにこの電磁弁38
bの空気口Aに電磁弁38aの空気口Aが接続されてい
る。また、電磁弁38aの空気口Eには電磁弁38cの
空気口Pが接続され、さらに電磁弁38aの空気口Pに
は連結チューブ40の一端部が連結されている。
【0043】なお、他の3つの湾曲方向、すなわちDO
WN、RIGHT、LEFTの各方向の流体供給チュー
ブ17の流路切換え機構部38B、38C、38Dでも
3つの電磁弁38a,38b,38cがそれぞれ同様に
接続されている。
【0044】また、チューブ継ぎ手39には1つの流入
ポート39aと、4つの流出ポート39b〜39eとが
設けられている。そして、このチューブ継ぎ手39の流
入ポート39aにはボンベ34側の流体チューブ32が
連結され、4つの流出ポート39b〜39eには4つの
湾曲方向の各流体供給チューブ17に連結された連結チ
ューブ40の他端部がそれぞれ連結されている。ここ
で、流体チューブ32の中途部にはレギュレータ41が
介設されている。そして、チューブ継ぎ手39はレギュ
レータ41を介してボンベ34に接続されている。これ
により、ボンベ34の空気をレギュレータ41で適当な
圧力に調整して電磁弁ユニット30側に供給するように
なっている。
【0045】また、電磁弁制御コントローラ31には図
9(B)に示すように電気回路基板31aと、この基板
31a上に配設されたCPU31bと、入力端子31c
と、出力端子31dとが設けられている。ここで、入力
端子31cにはジョイスティック37の信号線36が、
また、出力端子31dには電磁弁ユニット30の各電磁
弁38の信号線42がそれぞれ接続されている。
【0046】そして、ジョイスティック37の操作時に
は、このジョイスティック37からの出力信号が電磁弁
制御コントローラ31に入力され、この入力信号に基い
て電磁弁制御コントローラ31のCPU31bによって
電磁弁ユニット30の各電磁弁38の動作が制御される
ようになっている。これにより、キャリングケース7の
ボンベ34からの空気を湾曲部10の流体圧アクチュエ
ータ19に供給し、マルチルーメンチューブ13の4つ
の円弧状ルーメン13b,13c,13d,13eの各
圧力室15に選択的に空気を送ることで、湾曲部10を
ジョイスティック37の操作方向に湾曲操作させるよう
になっている。
【0047】さらに、電磁弁制御コントローラ31には
2つの電源43,44が接続されている。ここで、2つ
の電源43,44は、電磁弁制御コントローラ31の心
臓部であるCPU31bを駆動する電圧と、電磁弁ユニ
ット30の各電磁弁38を駆動する電圧が異なるために
必要である。そして、図10に示すようにAC電源45
から電源43を介してDC駆動電源を得て、電磁弁制御
コントローラ31のCPU31bを駆動するとともに、
AC電源45から電源44を介してDC駆動電源を得る
ことにより、電磁弁ユニット30の各電磁弁38を駆動
するようになっている。なお、CPU31bの動作電圧
と電磁弁ユニット30の各電磁弁38を駆動する電圧を
共通にすることで電源を1つとすることも可能である。
【0048】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態の内視鏡装置1を配管等の検査に使用する
場合にはキャリングケース7内のドラム12から内視鏡
本体2を引き出して使用される。そして、配管等の検査
対象の管腔内に内視鏡本体2の挿入部8を挿入しながら
必要に応じてジョイスティック37を操作する。このジ
ョイスティック37の操作時にはこのジョイスティック
37からの出力信号が電磁弁制御コントローラ31に入
力され、この入力信号に基いて電磁弁制御コントローラ
31のCPU31bによって電磁弁ユニット30の各電
磁弁38の動作が制御される。これにより、キャリング
ケース7のボンベ34からの空気が湾曲部10の流体圧
アクチュエータ19に供給され、マルチルーメンチュー
ブ13の4つの円弧状ルーメン13b,13c,13
d,13eのいずれかの圧力室15に選択的に空気が送
られる。
【0049】そして、ここで空気が送られた圧力室15
内の圧力が高くなる。このとき、圧力が高くなる圧力室
15の周壁部は径方向に膨張しようとするが、マルチル
ーメンチューブ13の内外の密着コイル21、24によ
って径方向の膨張が規制されている。そのため、ここで
加圧される圧力室15は長手方向(挿入部8の中心線方
向)に沿って伸びるので、ここで伸びる圧力室15と反
対の方向に湾曲部10が湾曲駆動される。これにより、
ジョイスティック37の操作方向に湾曲部10が湾曲操
作される。
【0050】また、ジョイスティック37の操作時には
次の動作が行われる。すなわち、ジョイスティック37
を傾動操作するとこのジョイスティック37の傾き角が
変わる。このときのジョイスティック37の傾き角に応
じてジョイスティック37の2軸のポテンショメータの
抵抗値が変化する。この抵抗値の変化量と変化スピード
とが電磁弁制御コントローラ31のCPU31bによっ
て検出される。そして、ここで検出される抵抗値の変化
量と変化スピードに応じて、CPU31bから図示しな
いスイッチ回路に対して動作信号が送られ、電磁弁ユニ
ット30の各電磁弁38がON−OFF動作される。
【0051】つまり、ジョイスティック37を傾けると
その傾ける角度に応じて電磁弁38をONする回数が決
まり、さらにジョイスティック37の傾けるスピードに
応じて、ONする時間が決定する。ここで、ジョイステ
ィック37を傾ける速度にはあらかじめ、しきい値が設
定可能である。そして、設定されたジョイスティック3
7のスピードに応じて電磁弁38を開放する時間が決定
される。
【0052】また、図11(A)〜(D)を参照して、
ジョイスティック37の基本動作を説明する。なお、図
11(A)〜(D)中で、J1〜J4はジョイスティッ
ク37の操作状態、a1〜a4は電磁弁38aの動作状
態、b1〜b4は電磁弁38bの動作状態、c1〜c4
は電磁弁38cの動作状態をそれぞれ示すものである。
【0053】まず、ジョイスティック37の傾きを増加
させる場合の動作について説明する。図11(A)のJ
1は、あらかじめ設定されたジョイスティック37の動
作速度のしきい値Vsuよりも遅い速度でジョイスティ
ック37を例えばUP方向にO点位置(ニュートラル位
置)からA1位置に傾けた操作状態を示す。このとき、
図9(A)中におけるUP方向に対応する電磁弁38
a,38b,38cはそれぞれ図11(A)中のa1、
b1、c1に示すようにON、OFF動作を行う。そし
て、ジョイスティック37の傾き角に応じて、電磁弁3
8a,38bはあらかじめ設定されたパルス幅Δt11
でジョイスティック37の動きが止まるt1時点まで同
じ動作を行う。
【0054】また、ジョイスティック37の傾動操作時
には、あらかじめ決められたジョイスティック37の傾
き角度の変化量に応じて電磁弁38a,38bの動作信
号を1パルス出力する。ここでは図11(A)に示すよ
うにジョイスティック37の傾き角度がθ1変わる毎に
1パルスの出力を行う。そして、図11(A)の例では
ジョイスティック37が4θ1より大きく傾き、電磁弁
38a,38bの動作信号が4パルス出力される。
【0055】その後、電磁弁38aはOFFとなり、電
磁弁38bはt1時点でジョイスティック37の傾動操
作が止まったのち、パルス幅Δt12で1パルスだけO
Nする。なお、電磁弁38cはジョイスティック37の
傾動操作が止まるt1時点までは、OFFであり、その
後、パルス幅Δt13の動作信号を出力する。
【0056】また、図11(B)のJ2は、あらかじめ
設定されたジョイスティック37の動作速度のしきい値
Vsuよりも早い速度でジョイスティック37を例えば
UP方向にO点位置からA2位置に傾けた操作状態を示
す。このとき、図9(A)中におけるUP方向に対応す
る電磁弁38a,38b,38cはそれぞれ図11
(B)のa2、b2、c2に示すようにON、OFF動
作を行う。
【0057】ここで、電磁弁38a,38bは、図11
(A)のようにジョイスティック37を傾ける動作速度
が遅い場合のパルス幅Δt11より幅の広いパルス幅Δ
t21でジョイスティック37の傾動操作が止まるt2
時点まで同じ動作を行う。
【0058】また、電磁弁38aはその後、OFFとな
り、電磁弁38bはジョイスティック37の傾動操作が
止まると図11(A)のパルス幅Δt12と同じ、もし
くはそれよりも広いパルス幅Δt22で1パルスだけO
Nする。なお、電磁弁38cは図11(A)と同じ動作
である。
【0059】次に、ジョイスティック37が傾いた状態
から傾きを戻した場合の動作について説明する。図11
(C)のJ3は、あらかじめ設定されたジョイスティッ
ク37の戻し動作速度のしきい値Vsdよりも遅い速度
で例えばUP方向の湾曲位置A3から湾曲を減らすよう
にA3′位置に傾けた状態を示す。このとき、図9
(A)中におけるUP方向に対応する電磁弁38a,3
8b,38cはそれぞれ図11(C)中のa3、b3、
c3に示すようにON、OFF動作を行う。
【0060】そして、あらかじめ決められたジョイステ
ィック37の傾き角度の変化量に応じて電磁弁38bの
動作信号を1パルス出力する。ここでは図11(C)に
示すようにジョイスティック37の傾き角度がθ2変わ
る毎に1パルスの出力を行う。そして、電磁弁38bは
あらかじめ設定されたパルス幅Δt31でジョイスティ
ック37の傾動操作が止まるt3時点まで同じ動作を行
う。また、電磁弁38aはジョイスティック37の傾動
動作が止まるT3時点までOFFで、ジョイスティック
37が止まるt3時点で、電磁弁38a,38bはパル
ス幅Δt32で1パルスだけONする。なお、電磁弁3
8cはジョイスティック37が動いてから止まるまでは
ONで、その後OFFとなる。
【0061】また、図11(D)のJ4は、あらかじめ
設定されたジョイスティック37の戻し動作速度のしき
い値Vsdよりも早い速度で例えばUP方向の湾曲位置
A4から湾曲を減らすようにA4′位置に傾けた状態を
示す。このとき、図9(A)中におけるUP方向に対応
する電磁弁38a,38b,38cはそれぞれ図11
(D)中のa4、b4、c4に示すようにON、OFF
動作を行う。
【0062】そして、電磁弁38bは図11(C)のパ
ルス幅Δt31より広いパルス幅Δt41でジョイステ
ィック37の傾動操作が止まるt4時点まで同じ動作を
行う。また、電磁弁38aはジョイスティック37の傾
動動作が止まるt4時点までOFFで、ジョイスティッ
ク37が止まるt4時点で、電磁弁38a,38bは図
11(C)のパルス幅Δt32と同じ、もしくはこれよ
り広いパルス幅Δt42で1パルスだけONする。な
お、電磁弁38cはジョイスティック37が動いてから
止まるまではONで、その後OFFとなる。
【0063】また、図11(A)〜(D)において、ジ
ョイスティック37の傾きを大きくした場合と小さくし
た場合とで電磁弁38a,38bを動作するパルス幅を
比べるとΔt11>Δt31、Δt21>Δt41であ
る。
【0064】その結果、湾曲部10の湾曲量を増す動作
では、図9(A)に示すようにボンベ34からの圧縮空
気が、電磁弁38a,38bのONのとき、電磁弁38
aの空気口Pから空気口Aを通り、電磁弁38bの空気
口Aから空気口Pを通って、UP方向の円弧状ルーメン
13bの圧力室15に空気が送られる。
【0065】また、電磁弁38a,38bがOFFする
とボンベ34からの空気は電磁弁38aで止まり、円弧
状ルーメン13bの圧力室15に送られた空気は圧力室
15内と流体供給チューブ17の内部で密閉されて、湾
曲部10の湾曲状態が保持される。この時、電磁弁38
aと38bとは同じ信号で同期して動作しているが、電
磁弁38aと38bの間の管路の長さがあり、円弧状ル
ーメン13bの圧力室15および流体供給チューブ17
の内部の空気が電磁弁38aの空気口Eから微妙に漏れ
てくる。これは、湾曲部10の湾曲動作には支障がない
程度であるが、ボンベ34の空気を効率よく、長時間持
たせるために少しでも空気が漏れないようにすることが
重要である。
【0066】そこで、本実施の形態では電磁弁38aの
空気口Eに電磁弁38cを図9(A)に示すように接続
している。ここで、電磁弁38cは通常OFFになって
いる。そして、ジョイスティック11の傾動動作が止ま
った瞬間に電磁弁38bのON時間Δt12よりも長い
Δt13の時間だけ電磁弁38cをONすることで、湾
曲動作中の円弧状ルーメン13bの圧力室15と流体供
給チューブ17からの空気の漏れを無くすようにしてい
る。
【0067】さらに、ジョイスティック37の傾動動作
が止まって、湾曲部10の湾曲動作を止めようとする場
合には、1パルスだけ電磁弁を大気圧に開放することに
より、すばやく湾曲部10の湾曲を止めることができ
る。このように湾曲部10の湾曲を止めようとすると
き、1パルスだけ空気を抜く動作は、内視鏡本体2の挿
入部8の長さが長いときに有効である。ここで、挿入部
8の長さが、例えば10m以上になる場合には手元側の
ボンベ34から送る空気が挿入部8の先端の圧力室15
に送られるまでのタイムラグが有り、このタイムラグを
予測して一瞬、流路内の空気を抜くことで湾曲部10の
湾曲動作を正確に止めることが可能である。すなわち、
挿入部8の先端まで空気が送られて全体が均一の圧力状
態になるまでのタイムラグと、内部の圧力を抜くことに
より圧力が下がる分のタイムラグとが相殺されて湾曲部
10の湾曲動作がすばやく正確に止まるようになる。
【0068】また、湾曲動作を行っていない方向の流体
供給チューブ17に対応する電磁弁38は、マルチルー
メンチューブ13の圧力室15が流体供給チューブ17
を通して大気に開放される状態に保持される。例えば、
UP方向に湾曲動作している場合には、DOWN方向、
RIGHT方向、LEFT方向の各圧力室15内が流体
供給チューブ17を介して大気に開放されるように各電
磁弁38が動作する。
【0069】つまり、流体供給チューブ17の圧力室1
5側に接続されている電磁弁38bがON、ボンベ側に
接続されている電磁弁38aがOFF、もう1つの電磁
弁38cがONとなる。この動作はジョイスティック3
7が湾曲動作を指示していない方向の各電磁弁38は常
に上記の通りになっている。また、ジョイスティック3
7の傾きが各方向それぞれ0点位置(ニュートラル位
置)となった時点から一定時間、上記の動作が行われ
る。
【0070】以上の動作において、ジョイスティック3
7の操作する方向により、内視鏡本体2の湾曲部10の
湾曲方向がわかる。さらに、ジョイスティック37を最
大に傾けたときの湾曲角度を内視鏡本体2の湾曲部10
の最大湾曲角に相当するようにあらかじめ設定する。こ
れにより、ジョイスティック37の傾いている角度に応
じて内視鏡本体2の湾曲部10の湾曲角度を推測でき
る。したがって、ジョイスティック37の傾ける角度
と、その操作方向を確認することにより、内視鏡本体2
の湾曲部10がどの方向にどれだけの湾曲角度で湾曲し
ている状態であるのかがおおよそ分かる。
【0071】次に、ジョイスティック37の傾動操作時
に操作速度などの動作状態を変えながら操作した場合の
湾曲部10の湾曲動作について説明する。図12のJ5
はジョイスティック37を0点位置(ニュートラル位
置)からB1位置、B2位置、B3位置の順に順次移動
させる場合の動作状態を示すものである。ここで、0点
位置とB1位置との間ではしきい値Vsuよりも速い。
また、B1位置とB2位置との間ではしきい値Vsuよ
り遅い。さらに、B2位置とB3位置との間では一定で
ある。なお、図12中で、a5、b5、c5は、図9
(A)中におけるUP方向に対応する電磁弁38a,3
8b,38cのON、OFF動作状態を示す。
【0072】そして、0点位置とB1位置との間ではし
きい値Vsuよりも速い速度でジョイスティック37が
動作しているので、パルス幅の広いモードで電磁弁38
a,38bが動作される。続いて、B1位置とB2位置
との間ではパルス幅の狭いモードで電磁弁38a,38
bが動作される。
【0073】その後、ジョイスティック37はB2位置
で止まり、電磁弁38bが1パルス出力され、電磁弁3
8cは一定時間ONする。その結果、0点位置とB1位
置との間では内視鏡本体2の湾曲部10の湾曲スピード
は速い動作となり、B1位置とB2位置との間では内視
鏡本体2の湾曲部10の湾曲が遅い状態となる。
【0074】つまり、ジョイスティック37をゆっくり
操作することで内視鏡本体2の湾曲部10の湾曲スピー
ドも遅くして、湾曲部10の湾曲を微調整したり、或い
はジョイスティック37を速い速度で操作することで湾
曲部10の湾曲スピードも早く動作させる、などのよう
に、操作者により湾曲部10の湾曲動作状態を任意に選
択できる。
【0075】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態では内視鏡本体2
の湾曲部10の流体圧アクチュエータ19に流体を供給
する空気圧源を小型ボンベ34とすることで、内視鏡本
体2の挿入部8が巻装されたドラム12や、湾曲部10
の湾曲動作を操作するジョイスティック37とともに、
このボンベ34をキャリングケース7内に収納できるよ
うにしたものである。そのため、従来に比べて内視鏡装
置1のシステム全体の構成を小型化することができ、携
帯性に優れた内視鏡装置1のシステムを構成することが
できる。
【0076】さらに、ボンベ34から流体圧アクチュエ
ータ19への流体の供給を制御する電磁弁ユニット30
および電磁弁制御コントローラ31をドラム12の内部
に収納したので、内視鏡装置1の携帯性を一層、高める
ことがっできる。
【0077】また、本実施の形態では流体圧アクチュエ
ータ19を用いた湾曲部10を設けたので、内視鏡本体
2の挿入部8の長さが長い長尺内視鏡においても湾曲性
能に優れたものを実現できる効果がある。
【0078】さらに、本実施の形態では図9(A)に示
すように電磁弁38aの空気口Eに通常OFFになって
いる電磁弁38cを接続し、ジョイスティック11の傾
動動作が止まった瞬間に電磁弁38bのON時間Δt1
2よりも長いΔt13の時間だけ電磁弁38cをONす
ることで、湾曲動作中の円弧状ルーメン13bの圧力室
15と流体供給チューブ17からの空気の漏れを無くす
ようにしている。そのため、電磁弁ユニット30を電磁
弁制御コントローラ31によって制御コントロールする
ことにより、小型ボンベ34の空気を効率的に使う制御
方法を実現可能であり、ボンベ34を長時間使うことが
でき、ボンベ34を取り替える回数が減り、作業性に優
れ、ボンベ34のコストにおいても有効である。
【0079】また、内視鏡本体2の湾曲部10の湾曲ス
ピードの制御をジョイスティック37の動作速度に関連
させたので、ジョイスティック37の動作が速いときと
微妙に動作したときの使い分けができ、内視鏡本体2の
湾曲部10の湾曲操作の操作性を高めることができる。
さらに、小型ボンベ34内に充填されているガスとして
可燃性のないガスを使っているので、安全である。
【0080】また、図13および図14は本発明の第2
の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の
実施の形態(図1乃至図12参照)の内視鏡装置1にお
ける電磁弁ユニット30の各電磁弁38を制御するとき
の制御方法を次の通り変更したものである。
【0081】すなわち、本実施の形態では図13に示す
ように、ジョイスティック37の操作レバー37bを傾
ける角度θと電磁弁38をON(開放)する時間とを比
例させている。そして、ジョイスティック37を傾ける
角度θが大きくなると電磁弁38をON(開放)する時
間が大きくなるように制御し、ジョイスティック37を
傾けている間は、電磁弁38を動作し続けるようになっ
ている。
【0082】また、図14中で、J6はジョイスティッ
ク37の傾動操作状態、a6は電磁弁38aの動作状
態、b6は電磁弁38bの動作状態、c6は電磁弁38
cの動作状態をそれぞれ示すものである。ここで、ジョ
イスティック37を0点位置(ニュートラル位置)から
C1位置に傾けはじめると徐々に電磁弁38をONする
時間が長くなる。例えば、第1の実施の形態の電磁弁3
8a,38bでは図14中のa6、b6に示す通り、パ
ルス幅を徐々に大きくしながら電磁弁38を動作させ
る。
【0083】そして、ジョイスティック37がC1位置
で止まり、その位置を保持するとパルス幅は一定となっ
て、電磁弁38a,38bを動作させる。この状態が、
ジョイスティック37を動作させるC2位置まで続く。
【0084】また、C2位置からC3位置にジョイステ
ィック37を元に戻すように操作すると、パルス幅は少
しずつ小さくなる。そして、ジョイスティック37がC
3位置のニュートラル位置に移動すると、電磁弁38a
の動作は止まり、電磁弁38b,29cは1パルスだけ
ONして、空気を排気する。
【0085】つまり、ジョイスティック37を傾けてい
る間は電磁弁38a,38bは動作し続けて、湾曲部1
0の湾曲が続く。そして、湾曲部10の湾曲を止めたい
場合には、ジョイスティック37をニュートラルに戻す
操作をする。
【0086】また、湾曲部10の湾曲動作を速く行う場
合には、ジョイスティック37を大きく傾けて、圧力室
15に空気を多く送るように操作する。そして、湾曲部
10の湾曲を微妙に行う場合には、ジョイスティック3
7を小さく傾ける。さらに、湾曲部10の湾曲を止めよ
うとする場合には、ジョイスティック37をニュートラ
ルにする。
【0087】そこで、本実施の形態ではジョイスティッ
ク37を傾ける角度θを任意に調整することで湾曲部1
0の湾曲速度を変えることができる。そのため、内視鏡
の湾曲部10を速く動作させることも、微妙に動作させ
ることも可能であり、操作性を一層、高めることができ
る効果がある。
【0088】また、図15および図16は本発明の第3
の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の
実施の形態(図1乃至図12参照)の内視鏡装置1にお
ける電磁弁ユニット30の構成を次の通り変更したもの
である。なお、これ以外の他の部分の構成は第1の実施
の形態と同様であり、図15および図16中で、第1の
実施の形態と同一部分には同一の符号を付してその説明
を省略する。
【0089】すなわち、第1の実施の形態ではUP、D
OWN、RIGHT、LEFTの4つの湾曲方向に対応
する各流体供給チューブ17の流路切換え機構部38A
〜38Dに3個の電磁弁(3ポート弁)38a,38
b,38cをそれぞれ設けた構成を示したが、本実施の
形態では図15に示すように、UP、DOWN、RIG
HT、LEFTの4つの湾曲方向に対応する各流体供給
チューブ17の流路切換え機構部38A〜38Dに2個
の電磁弁(3ポート弁)38a,38bのみをそれぞれ
直列に接続し、残りの電磁弁38cに代えて4つの湾曲
方向の各流路で共通に使用する1つの電磁弁51を設け
たものである。
【0090】さらに、4つの湾曲方向の各流路の電磁弁
38aと電磁弁51との間にはチューブ継ぎ手52が介
設されている。このチューブ継ぎ手52には1つの流出
ポート52aと、4つの流入ポート52b〜52eとが
設けられている。ここで、チューブ継ぎ手52の4つの
流入ポート52b〜52eには4つの湾曲方向の各流路
の電磁弁38aの空気口Eがそれぞれ連結され、流出ポ
ート52aには電磁弁51の空気口Pが連結されてい
る。これにより、4つの湾曲方向の各流路の電磁弁38
aの空気口Eから継ぎ手52を介して1本になった配管
が1つの電磁弁51の空気口Pに接続されている。
【0091】次に、上記構成の作用について図16を参
照して説明する。なお、図16中で、J7はジョイステ
ィック37の傾動操作状態、a7は電磁弁38aの動作
状態、b7は電磁弁38bの動作状態、c7は電磁弁5
1の動作状態をそれぞれ示すものである。ここで、ジョ
イスティック37を図16のJ7に示すように動作させ
ると第1の実施の形態と同様に電磁弁38a,38bは
ON−OFF動作を行う。この時、電磁弁51はジョイ
スティック37が止まっているときには、常にONされ
ていて、ジョイスティック37が動作している間のみ、
OFFとなる。
【0092】そして、湾曲部10を湾曲させようとする
ときに、電磁弁38aと38bとが連動しているときの
空気の漏れを電磁弁51で止めている。また、電磁弁3
8aと38bとが動作していないときには、湾曲してい
ない方向の圧力室15内の空気を大気に開放する動作を
行う。つまり、湾曲動作を行っていない方向の電磁弁3
8a,38bはOFFされており、圧力室15内の空気
は流体供給チューブ17を介して、電磁弁38、電磁弁
38bを通り、電磁弁51から空気が抜ける。なお、他
の動作は基本的には第1の実施の形態と同様である。
【0093】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態では第1の実施の
形態と同様の効果が得られるとともに、これに加えて、
本実施の形態では特に電磁弁ユニット30を構成する電
磁弁の数を減らすことができ、小型化に有効である効果
がある。
【0094】また、図17乃至図20(A),(B)は
本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の
形態は第1の実施の形態(図1乃至図12参照)の内視
鏡装置1における電磁弁ユニット30の構成をさらに次
の通り変更したものである。
【0095】すなわち、本実施の形態では図17に示す
ように、UP、DOWN、RIGHT、LEFTの4つ
の湾曲方向に対応する各流体供給チューブ17の流路切
換え機構部38A〜38Dに2個の電磁弁(3ポート
弁)38a,38bのみをそれぞれ直列に接続し、残り
の電磁弁38cを省略したものである。
【0096】また、図19に示すように電磁弁ユニット
30の制御回路61には、演算回路62と、信号生成回
路63とが設けられている。ここで、演算回路62には
ジョイスティック37からの出力信号が入力されるよう
になっている、。そして、この演算回路62によってジ
ョイスティック37の倒し速度を検出するとともに、ジ
ョイスティック37の倒し角度に応じて信号生成回路6
3から電磁弁ユニット30に駆動信号を出力するように
なっている。なお、これ以外の他の部分の構成は第1の
実施の形態と同様である。
【0097】次に、上記構成の作用について図18
(A),(B)を参照して説明する。なお、図18
(A),(B)中で、J8a、J8bはジョイスティッ
ク37の傾動操作状態、a8a、a8bは電磁弁38a
の動作状態、b8a、b8bは電磁弁38bの動作状態
をそれぞれ示すものである。ここで、図18(A)のJ
8aに示すようにジョイスティック37を動作させると
第1の実施の形態と同様にジョイスティック37の動作
方向に対応する湾曲方向の電磁弁38a,38bはON
−OFF動作を行う。この結果、ボンベ34からの空気
がマルチルーメンチューブ13の圧力室15に送られて
ジョイスティック37の動作方向に対応する湾曲方向の
湾曲部10の湾曲動作が行われる。
【0098】また、ジョイスティック37を止めると電
磁弁38a,38bは同じように1パルス出力して、ジ
ョイスティック37の動作方向に対応する湾曲方向の圧
力室15内の空気を少し排気して、湾曲部10の湾曲動
作がすばやく止まる。この時、完全に2つの電磁弁38
a,38bは連動していても多少の空気が電磁弁38a
の空気口Eから漏れるが、ごくわずかである。そのた
め、本実施の形態では第1の実施の形態に比べてボンベ
34の空気の使用時間は若干短くなる。
【0099】また、図18(B)のJ8bに示すように
ジョイスティック37を動作させ、電磁弁38a,38
bを連動して動作させる際に、電磁弁38aよりも電磁
弁38bのほうがON時間を多少長くする制御を行って
もよい。
【0100】この方法では、ジョイスティック37を止
めたときに始めに電磁弁38aでボンベ34からの空気
を閉じるようになっている。このとき、電磁弁38bは
空気口Pと空気口Aが通じている状態で保持され、ボン
ベ34からの加圧空気を下流側の圧力室15の方向に送
っている状態になっている。そのため、ボンベ34から
の加圧空気を下流側の圧力室15の方向に送っている流
路内の空気が手元側に抜けるまでに時間差がある。ここ
で、電磁弁38bがONする時間が多少長くても空気が
大量に抜けず、また空気を若干抜くことができ、湾曲部
10の湾曲を止めることも可能である。
【0101】また、仮に、抜ける空気が少なくて湾曲部
10の湾曲が止まり難い場合には、図18(A)のJ8
aに示すように、ジョイスティック37を止めたときに
1パルスだけ空気を抜くように動作させてもよい。
【0102】次に、図19〜図20を用いてジョイステ
ィック37をUP方向からDOWN方向に操作させたと
きの動作を説明する。図19は、ジョイスティック37
を実線で示すUP位置から点線で示すDOWN位置方向
に倒す操作を行った際にこのジョイスティック37の動
作と連動して湾曲部10が実線で示すようにUP方向に
湾曲されている状態から、点線で示すDOWN方向に湾
曲されている動作状態を示している。
【0103】ここで、ジョイスティック37の倒し角度
に応じてその動作信号が発生する。そして、制御回路6
1では、演算回路62によりジョイスティック37の倒
し速度を検出するとともに、ジョイスティック37の倒
し角度に応じて信号生成回路63から電磁弁ユニット3
0の各電磁弁38a,38bに駆動信号を送るようにな
っている。
【0104】また、図20(A),(B)は、電磁弁ユ
ニット30のUP方向およびDOWN方向のそれぞれの
電磁弁38の動作を示している。ここで、図20(A)
はジョイスティック37をゆっくりU方向からD方向に
倒した場合、図20(B)は早く倒した場合である。な
お、(A1)、(B1)はU方向の電磁弁38b、(A
2)、(B2)はU方向の電磁弁38a、(A3)、
(B3)はD方向の電磁弁38b、(A4)、(B4)
はD方向の電磁弁38aの動作をそれぞれ示している。
【0105】そして、ジョイスティック37をゆっくり
倒した場合には、図20(A)に示す動作が行われる。
このとき、U方向の電磁弁38bは何れもON状態にな
って、湾曲部10はU方向に湾曲している。
【0106】また、ジョイスティック37をU方向から
D方向に倒し始めると、演算回路62によりジョイステ
ィック37の倒し速度を検出し、遅い場合はU方向の電
磁弁38bを小さいデューティー比でパルス駆動させ
る。なお、デューティー比とは、t2/t1のことであ
る。その間、U方向の電磁弁38aはOFFになってい
る。すなわち、電磁弁38bがONの時のみ圧力室15
の流体が大気に排出されることになる。従って、U方向
の圧力室15からの排気速度は遅いことになる。
【0107】また、D方向の電磁弁38aはジョイステ
ィック37の倒し開始から充分時間が経過した後、何れ
もONとなり、D方向の圧力室15にボンベ34より流
体が供給され、湾曲部10はD方向に湾曲する。
【0108】さらに、ジョイスティック37を速く倒し
た場合には、図20(B)に示す動作が行われる。ここ
で、演算回路62によりジョイスティック37の倒し速
度が速い状態を検出すると、大きいデューティー比でU
方向の電磁弁38bを駆動する。
【0109】このとき、U方向の電磁弁38aはOF
F。この状態では電磁弁38bのON時間が長くなるの
で、圧力室15からの排気速度が速くなり、湾曲部10
の湾曲動作も速くなる。
【0110】また、ジョイスティック37の倒し開始か
ら比較的短時間でD方向の2つの電磁弁38a、38b
をONにする。したがって、D方向に湾曲する。
【0111】以上のように、本実施の形態ではジョイス
ティック37の倒し速度に応じて、排気する湾曲側の電
磁弁38bの駆動デューティー比を可変にし、かつ、倒
し開始から吸気する湾曲側の電磁弁をONにする時間を
可変にした。これにより、ジョイスティック37を遅く
倒した場合は、排気を遅く、かつ反対方向の湾曲を開始
するタイミングを遅くできる。そして、ジョイスティッ
ク37を速く倒した場合は、素早く排気され、且つ反対
方向の湾曲開始タイミングも速くできる。その結果、湾
曲部10の操作性が向上する。
【0112】そこで、上記構成のものにあっては電磁弁
ユニット30に組み込まれる電磁弁38の数を少なくで
きるので、構成がシンプルとなり、小型化に有効であ
る。さらに、ジョイスティック37を倒す速度に応じ
て、排気側の電磁弁の開放時間を変えることで、湾曲部
10の湾曲の応答性を向上し、操作性を向上させること
ができる効果がある。
【0113】また、図21および図22(A),(B)
は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施
の形態は第1の実施の形態(図1乃至図12参照)の内
視鏡装置1における電磁弁ユニット30の構成をさらに
次の通り変更したものである。
【0114】すなわち、本実施の形態の電磁弁ユニット
30には3位置の5ポート弁からなる2つの電磁弁71
と、チューブ継ぎ手72とが設けられている。ここで、
各電磁弁71には5つの空気口(ポート)P、A、B、
R1、R2と、流路切換え用の2つのソレノイド73、
74とが設けられている。そして、一方の電磁弁71の
空気口A、空気口Bには、湾曲部10の流体圧アクチュ
エータ19におけるUPおよびDOWN(またはRIG
HTおよびLEFT)の各湾曲動作方向の圧力室15に
連結された流体供給チューブ17の基端部がそれぞれ連
結されている。さらに、他方の電磁弁71の空気口A、
空気口Bには、湾曲部10の流体圧アクチュエータ19
におけるRIGHTおよびLEFT(またはUPおよび
DOWN)の各湾曲動作方向の圧力室15に連結された
流体供給チューブ17の基端部がそれぞれ連結されてい
る。
【0115】また、チューブ継ぎ手72には1つの流入
ポート72aと、2つの流出ポート72b、72cとが
設けられている。さらに、このチューブ継ぎ手72の流
入ポート72aにはボンベ34側の流体チューブ32が
連結され、2つの流出ポート72b、72cには2つの
電磁弁71の各空気口P側に連結された連結チューブ7
5の他端部がそれぞれ連結されている。そして、各電磁
弁71の空気口Pに継ぎ手72側からの空気が供給され
るようになっている。
【0116】また、2つの電磁弁71はソレノイド7
3,74がともにOFFのときはすべての空気口P、
A、B、R1、R2が閉じられる状態で保持される。そ
して、一方のソレノイド73をONすると図21中で実
線矢印で示すように空気口Pと空気口Aとの間、空気口
R2と空気口Bとの間がそれぞれ通じ、他方のソレノイ
ド74をONすると図21中で点線矢印で示すように空
気口Pと空気口Bとの間、空気口R1と空気口Aとの間
がそれぞれ通じる状態に各電磁弁71の内部流路がそれ
ぞれ切換え操作されるようになっている。なお、これ以
外の他の部分の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0117】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態ではジョイスティック37がUP方向に傾
動操作された場合には、電磁弁ユニット30の一方の電
磁弁71のソレノイド73がON操作される。この状態
では、ソレノイド73がON操作された側の電磁弁71
の空気口Pから空気口Aに空気が流れ、UP方向の圧力
室15に空気が送られる。このとき、空気口Bと空気口
R2との間が通じ、DOWN方向の空気が外に排出され
る。そのため、湾曲部10はUP方向に湾曲される。
【0118】さらに、このように湾曲部10がUP方向
に湾曲されている状態で、ジョイスティック37の操作
を止めるとソレノイド73がOFFされる。そのため、
この状態では電磁弁71の空気口Pが閉じて空気口Pか
ら空気が送られなくなるとともに、空気口Aおよび空気
口Bが閉じて、UP方向の流体供給チューブ17および
圧力室15内が密閉されるので、湾曲部10はUP方向
の湾曲が保持される。
【0119】この湾曲部10のUP方向の湾曲動作を第
1の実施の形態と同様な動作で行わせる場合には、図2
2(A),(B)に示すように制御する。なお、図22
(A),(B)中で、J9、J10はジョイスティック
37の操作状態、a9、a10はソレノイド73の動作
状態、b9、b10はソレノイド74の動作状態をそれ
ぞれ示す。
【0120】すなわち、例えば図22(A)のJ9に示
すようにジョイスティック37を0点位置からUP方向
に傾けるとソレノイド73は図22(A)のa9に示す
通り、ON−OFF動作を行う。そして、t11時点
で、ジョイスティック37を止めるとソレノイド73は
OFFとなる。このとき、同時にソレノイド74が図2
2(A)のb9に示す通り、1パルス出力する。このよ
うにソレノイド74を1パルスONすると、UP方向の
圧力室15内の空気を排出するとともに、DOWN方向
の圧力室15内に微小量の空気を入れることで湾曲部1
0の湾曲動作をすばやく止めることができる。
【0121】また、図22(B)のJ10に示すように
湾曲部10をUP方向に湾曲させた状態からt12時点
で湾曲を戻す方向にジョイスティック37を操作した場
合には図22(B)のa11に示すようにソレノイド7
4がON−OFF動作を行う。そのため、この場合には
UP方向の圧力室15から空気が抜けるとともに、DO
WN方向の圧力室15に空気を供給して、湾曲を戻す動
作が行われる。
【0122】また、t13時点で、ジョイスティック3
7を止めるとソレノイド74はOFFとなる。このと
き、同時にソレノイド73が図22(B)のa10に示
す通り、1パルス出力する。このようにソレノイド73
を1パルスONすると、DOWN方向の圧力室15内の
空気を排出するとともに、UP方向の圧力室15内に微
小量の空気を入れることで湾曲部10の湾曲動作をすば
やく止めることができる。
【0123】さらに、この方法ではUP方向とDOWN
方向(またはRIGHT方向とLEFT方向)の両方の
圧力室15に空気が供給された状態となり、このバラン
スにより湾曲部10の湾曲が制御される。そのため、各
流体供給チューブ17内は圧力がかかった状態となり
(湾曲部10の湾曲に大きく支障を来たさないレベ
ル)、湾曲部10の湾曲動作のために空気を送ったとき
の湾曲動作の始まりが速い。
【0124】このように、3位置の5ポート弁からなる
電磁弁71を使うことで、湾曲部10の湾曲操作時に第
1の実施の形態と同じような制御を行うことができる。
【0125】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態では電磁弁ユニッ
ト30に3位置の5ポート弁からなる2つの電磁弁71
を使用したので、第1の実施の形態に比べて電磁弁ユニ
ット30に組み込まれる電磁弁の数を少なくすることが
でき、構成がシンプルである。
【0126】さらに、湾曲部10の湾曲操作時に第1の
実施の形態と同じような制御を行うことができるので、
第1の実施の形態と同様に湾曲部10の湾曲動作が速
く、湾曲操作を高精度に行わせることができる効果があ
る。
【0127】また、図23は本発明の第6の実施の形態
を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態
(図1乃至図12参照)の内視鏡装置1における電磁弁
ユニット30の構成をさらに次の通り変更したものであ
る。
【0128】すなわち、本実施の形態では第5の実施の
形態(図21および図22(A),(B)参照)と同様
に3位置の5ポート弁からなる2つの電磁弁71を備え
た電磁弁ユニット30におけるチューブ継ぎ手72と流
量計41との間に3つの空気口(ポート)A,E,Pを
備えた3ポート弁の電磁弁81を介設したものである。
【0129】この電磁弁81の空気口Pにはレギュレー
タ41を介してボンベ34が接続されている。さらに、
この電磁弁81の空気口Aにはチューブ継ぎ手72の流
入ポート72aが連結されている。なお、これ以外の他
の部分の構成は第5の実施の形態と同様である。
【0130】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態では、基本動作は、第5の実施の形態と同
じであり、異なるのは電磁弁81を切換え操作すること
で流体圧アクチュエータ109の圧力室15内の空気を
必要に応じて抜くことができる点である。
【0131】たとえば、電磁弁81をOFFして、上下
方向湾曲操作用の電磁弁71のソレノイド73を一定時
間ONすればDOWN方向の空気が抜け、ソレノイド7
4をONすればUP方向の空気が抜ける。
【0132】さらに、左右方向湾曲操作用の電磁弁71
も同様に動作させれば、流体圧アクチュエータ109の
すべての圧力室15内の空気が抜ける。この動作を例え
ばジョイスティック37をニュートラルの位置に移動さ
せたときに行うことで、湾曲部10の湾曲状態を中立と
することができる。
【0133】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態ではジョイスティ
ック37をニュートラルの位置に移動させたときに湾曲
部10の湾曲のリセットがかけられ、必要に応じて、湾
曲部10の湾曲をニュートラルとすることができる。
【0134】また、図24(A),(B)は本発明の第
7の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1
の実施の形態(図1乃至図12参照)の内視鏡装置1に
おける電磁弁ユニット30の構成をさらに次の通り変更
したものである。
【0135】すなわち、本実施の形態では、図24
(B)に示すように、キャリングケース7におけるボン
ベ34の収容室35内にメインのボンベ34aと、予備
のボンベ34bとを並設したものである。
【0136】また、2つのボンベ34a,34bの配管
方法は図24(A)に示すような構成である。ここで、
2つのボンベ34a,34bは切替え弁91に連結され
ている。さらに、この切替え弁91とレギュレータ41
との間には流量計92が介設されている。この流量計9
2にはコントローラ93が接続されている。
【0137】さらに、コントローラ93には切替え弁9
1と、4つの流路切換え機構部38A〜38Dと、モニ
タ上の流量表示部94とがそれぞれ接続されている。そ
して、湾曲部10の湾曲操作時にはボンベ34aまたは
34bのいずれか一方から流れる流量を流量計92によ
って検出して、その情報をコントローラ93に記憶し、
モニタ上の流量表示部94に流量を表示する構成になっ
ている。なお、これ以外の他の部分の構成は第1の実施
の形態と同様である。
【0138】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態では湾曲部10が湾曲動作を行うと、その
時にボンベ34aまたは34bのいずれか一方から流れ
る流量を流量計92によって測定しながら空気を送る。
この流量計92からの空気量の測定データはコントロー
ラ93に送られて、流量表示部94に流量(またはボン
ベ残量)が表示される。これにより、ボンベ34aまた
は34bが使った空気量(または残量)が分かる。
【0139】また、使用中のボンベ34a(または34
b)の空気がなくなった場合には、切替え弁91により
予備のボンベ34b(または34a)を流路に連結する
状態に切換え操作する。これにより、使用中のボンベ3
4a(または34b)の空気がなくなった場合でも予備
のボンベ34b(または34a)によって継続して湾曲
動作を行うことが可能である。
【0140】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態では流量表示部9
4に表示される流量(またはボンベ残量)を目視するこ
とにより、ボンベ34aまたは34bが使った空気の使
用量(または残量)が一目で分かる。そのため、使用中
のボンベ34a(または34b)の交換時期が分かるの
で、検査を行うときにあらかじめボンベを用意する等の
作業が行い易い効果がある。
【0141】なお、切替え弁42は電磁弁によって形成
し、2つのボンベ34a,34bを自動的に切り替える
構成にしてもよい。
【0142】また、図25(A),(B)乃至図27は
本発明の第8の実施の形態を示すものである。図25
(A)は本実施の形態の内視鏡装置101のシステム全
体の概略構成を示すものである。この内視鏡装置101
には、内視鏡本体102と、この内視鏡本体102のシ
ステム全体を収納するキャリングケース103とが設け
られている。
【0143】さらに、内視鏡本体102には図25
(B)に示すように管腔内に挿入される長尺な挿入部1
04が設けられている。この挿入部104には可撓性を
備えた長尺な可撓管部105と、この可撓管部105の
先端部に連結された湾曲部106と、最先端部に配設さ
れた先端構成部107とが設けられている。なお、先端
構成部107には図26(B)に示すように内視鏡像を
撮像する撮像機能部108が設けられている。この撮像
機能部108はCCDと照明用LEDとを組み合わせた
ものである。
【0144】また、内視鏡本体102の湾曲部106
は、第1の実施の形態(図1乃至図12参照)と同様に
圧力室15の内部に流体圧を供給することによって湾曲
を行う構成の流体圧アクチュエータ109によって形成
されている。この流体圧アクチュエータ109には図3
(B),(C)に示すように円筒体の中央ルーメン13
aの周囲の管壁に複数、本実施の形態では4つの円弧形
状断面のルーメン13b,13c,13d,13eが周
方向に略等間隔に配設されているマルチルーメンチュー
ブ13を備えている。さらに、このマルチルーメンチュ
ーブ13の4つの円弧形状ルーメン13b,13c,1
3d,13eの前後の両端部がシリコンの充填剤14で
封止されてUP、DOWN、RIGHT、LEFTの4
つの湾曲方向にそれぞれ対応させた4つの圧力室15が
形成されている。そして、4つの圧力室15に選択的に
流体を送り込むことによって圧力室15の円弧形状ルー
メンが長手方向に伸展し、湾曲部106を湾曲させる構
造になっている。
【0145】また、図26(B)に示すように流体圧ア
クチュエータ109の4つの圧力室15にはそれぞれ流
体供給チューブ110の先端部が連結されている。さら
に、各流体供給チューブ110の基端部はキャリングケ
ース103内の流体供給源111に接続されている。そ
して、この流体供給源111から流体供給チューブ11
0を通して駆動用の流体が流体圧アクチュエータ109
の各圧力室15に供給されるようになっている。
【0146】また、流体供給源111には、図27に示
すように空気圧供給源であるボンベ112と、このボン
ベ112から供給されるガスの圧力を調整するレギュレ
ータ113と、このレギュレータ113に接続されたバ
ルブユニット114とが設けられている。そして、ボン
ベ112からレギュレータ113を経て送られてくるガ
スがバルブユニット114に供給され、流体圧アクチュ
エータ109の各圧力室15に供給されるガスの給排気
をこのバルブユニット114によってコントロールする
ようになっている。
【0147】また、バルブユニット114内には複数の
電磁バルブ115が組み込まれている。本実施の形態で
は流体圧アクチュエータ109のUP、DOWN、RI
GHT、LEFTの各湾曲方向に対応させた4つの圧力
室15にそれぞれ連通する各流体供給チューブ110に
おける1つの流体供給チューブ110あたり2つずつ、
計8つの電磁バルブ115が内蔵されている。
【0148】なお、1つの湾曲方向の流路に組み込まれ
た2個の電磁バルブ115a,115bはそれぞれ直列
に接続されている。そして、4つの各湾曲方向に対応さ
せた各流路内の2個の電磁バルブ115a,115bに
よってその流路の開閉状態を切換える流路切換え機構部
115A〜115Dがそれぞれ形成されている。
【0149】さらに、レギュレータ113側から供給さ
れるガスの流路は、バルブユニット114内の4つの湾
曲方向に対応させた4つの分岐管路に分岐され、各流路
切換え機構部115A〜115Dにそれぞれ連通される
ようになっている。そして、流路切換え機構部115A
によってUP方向、流路切換え機構部115Bによって
DOWN方向、流路切換え機構部115CによってRI
GHT方向、流路切換え機構部115DによってLEF
T方向の各流路をそれぞれ切換えるようになっている。
【0150】また、バルブユニット114内の各電磁バ
ルブ115は3ポート型の電磁弁で、空気口Pと、空気
口Aと、排気口Eとがそれぞれ設けられている。ここ
で、各バルブ115はONのとき空気口Pと、空気口A
との間が連通する。さらに、各バルブ115がOFFの
時は排気口Eと、空気口Aとの間が連通し、空気口Pは
閉じられるようになっている。
【0151】また、4つの各湾曲方向用の2つのバルブ
115、すなわちボンベ112側に配置される電磁バル
ブ115aと、流体圧アクチュエータ109側に配置さ
れる電磁バルブ115bとは互いに逆向きに空気口A同
士で接続されている。
【0152】そして、4つの湾曲方向と対応する4つの
流路切換え機構部115A〜115Dでは、いずれかの
湾曲方向の2つの電磁バルブ115aと電磁バルブ11
5bが共にONのとき、ボンベ112からのガスはそれ
らの電磁バルブ115a、電磁バルブ115bを通して
流体圧アクチュエータ109内の対応している圧力室1
5に送られ、流体圧アクチュエータ109をその湾曲方
向に湾曲させるようになっている。
【0153】その後、電磁バルブ115bがOFFにな
るとその圧力室15に送られたガスはそのまま保持され
ることになる。この状態で、電磁バルブ115aをON
のままにしておくと、ボンベ112からのガスが電磁バ
ルブ115bの排気口Eから排出され続けてしまうの
で、ガスを浪費しないように電磁バルブ115aをOF
Fにし、ボンベ112からのガスを止める必要がある。
【0154】また、流体圧アクチュエータ109に蓄積
されたガスを排気する時は電磁バルブ115bをONに
し、電磁バルブ115aをOFFにすることで、電磁バ
ルブ115aの排気口Eからガスが排気される。
【0155】さらに、流体供給源111にはバルブユニ
ット114内の複数のバルブ115の動作を制御する制
御回路116が接続されている。この制御回路116に
は電源117が接続されているとともに、内視鏡本体1
02の湾曲部106の湾曲操作を行う操作部118がケ
ーブル119を介して接続されている。
【0156】また、キャリングケース103には上面が
開口されたケース本体103aと、このケース本体10
3aの上面開口部を開閉可能に閉塞するふた103bと
が設けられている。さらに、キャリングケース103の
内部には内視鏡本体102の挿入部104を巻き付ける
ことができる円筒状のドラム120が配設されている。
そして、内視鏡本体102の挿入部104を巻き付けた
ドラム120ごとキャリングケース103内に収納でき
るようになっている。
【0157】また、図26(A)に示すようにキャリン
グケース103内の底部にはドラム120を回転可能に
支持する複数のローラー121が配設されている。これ
らのローラー121は中心軸を中心に回転自在に支持さ
れている。そして、ドラム120はキャリングケース1
03内の底部のローラー121上に乗った状態で回転可
能に支持されている。
【0158】さらに、キャリングケース103のケース
本体103aの一側部上縁部にはスコープ取り出し口1
22が形成されている。そして、ドラム120に巻き付
けられた内視鏡本体102の挿入部104はキャリング
ケース103のスコープ取り出し口122から外部に取
り出し可能になっている。
【0159】また、ドラム120内には図25(B)に
示すように複数の内蔵物が組み込まれている。すなわ
ち、本実施の形態ではドラム120内には内視鏡本体1
02の湾曲部106の駆動用の駆動源である流体供給源
111のボンベ112と、レギュレータ113と、バル
ブユニット114と、制御回路116と、電源117
と、後述する画像回路123とが合わせて収納されてい
る。
【0160】さらに、ドラム120の側面開口部には円
形のドラムふた124が取り外し可能に装着されてい
る。なお、キャリングケース103のケース本体103
aにはドラムふた124が嵌合される円形で同径の穴が
空いている。また、ドラムふた124にはドラム回転操
作用の取っ手125が折りたたみ状態で収納可能に設け
られている。この取っ手125は、内視鏡本体102の
挿入部104を巻き取る時に使用される。そして、使用
時以外はこの取っ手125を折りたたんでドラムふた1
24内に収納しておくことが可能になっている。
【0161】さらに、キャリングケース103内にはド
ラム120の外部にある操作部118も収納されるよう
になっている。この操作部118には、図25(A)に
示すように内視鏡本体102の撮像機能部108によっ
て得られた画像情報を映し出す液晶ディスプレイ126
と、操作を行うためのジョイスティック127とが設け
られている。
【0162】そして、操作部118の液晶ディスプレイ
126には図26(B)に示すように内視鏡本体102
の撮像機能部108からの信号が挿入部104内に配置
されている図示しないケーブルによってドラム120内
の画像回路123に送られ、この画像回路123によっ
て生成された映像が表示されるようになっている。
【0163】さらに、操作部118のジョイスティック
127の操作によって制御回路116の制御量が調整さ
れるようになっている。すなわち、操作部103のジョ
イスティック127の倒し角によって、流体供給源11
1から流体供給チューブ110に供給される流体供給量
を調整するように、制御回路116が流体供給源111
を制御するようになっている。
【0164】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態では内視鏡本体1
02の挿入部104をドラム120に巻き付けた状態
で、キャリングケース103に収め、なおかつ内視鏡本
体102の湾曲部106の駆動用の駆動源である流体供
給源111のボンベ112と、レギュレータ113と、
バルブユニット114と、制御回路116と、電源11
7と、後述する画像回路123とを合わせて収納させた
ので、内視鏡装置101のシステム全体の小型化が可能
で、持ち運びや、取り回しが容易である。
【0165】また、流体供給源111に小型のボンベ1
12と、複数の電磁バルブ115が組み込まれたバルブ
ユニット114を用いたことにより、流体圧アクチュエ
ータ109の各圧力室15の加圧に要する時間を短縮で
きる。そのため、内視鏡本体102の湾曲部106の湾
曲応答性および制御性を向上させることができる効果が
ある。
【0166】なお、液晶ディスプレイ126は表示装置
であれば液晶に限らず、小型ブラウン管やプラズマディ
スプレイなどでも良い。さらに、撮像機能部108はC
MOS型イメージセンサと、照明用LEDとを組み合わ
せた構成にしてもよい。また、操作部118のジョイス
ティック127は、ジョイスティックではなくジョイパ
ッドでも良い。
【0167】さらに、本実施の形態ではドラム120を
回転用取っ手125で回転する構成を示したが、これに
代えて、ローラー121にモーターを取り付け、自動で
ドラム120を回転させる構成にしてもよい。
【0168】また、本実施の形態では内視鏡本体102
の操作部118に液晶ディスプレイ126と、操作を行
うためのジョイスティック127とを設けた構成を示し
たが、操作部118のジョイスティック127に代えて
図25(B)に示すようにタッチパネル式の液晶パネル
操作部131を設ける構成にしてもよい。
【0169】すなわち、本変形例の操作部118には図
28に示すようにグリップ132aと、操作部本体13
2bとが設けられている。そして、液晶パネル操作部1
31は操作部本体132bに配設されている。この液晶
パネル操作部131には、タッチパネル式の液晶ディス
プレイ133が設けられている。この液晶ディスプレイ
133上には全面に押圧を検知するためのタッチパネル
134が設けられており、操作者が指で触った位置を検
出することができる。
【0170】また、液晶ディスプレイ133内は、中心
位置に内視鏡本体102の先端の撮像機能部108から
の内視鏡像を映し出す画像表示部135が配置されてい
る。さらに、この画像表示部135の周囲には制御回路
116の制御量を呈示する4つの制御量表示部136
と、湾曲操作する部分を示す4つの操作指示部137と
がそれぞれ設けられている。ここで、4つの制御量表示
部136と、操作指示部137とはそれぞれUP、DO
WN、RIGHT、LEFTの4つの湾曲方向にそれぞ
れ対応させて配置されている。
【0171】また、制御量表示部136はバーグラフ状
に制御量を呈示するようになっており、流体アクチュエ
ータ109への送気量(例えば、バルブユニット114
内のバルブ115a,115bの開放時間)を色違いの
バーの長さで表示するものである。そして、図28に示
すように、上下左右の各湾曲方向に対応して制御量表示
部136に各湾曲方向の制御量に対応するバー表示が行
われるようになっている。
【0172】例えば、図28中で、上方の湾曲方向の制
御量(ガス供給量)が0のときは上方の制御量表示部1
36の全体に緑色のバーが表示されるようになってい
る。そして、上方の湾曲方向のガス供給量が増すにした
がって制御量表示部136のバーが左端から徐々に赤色
に変り、制御量が最大のときにはバー全体が赤色に変化
するようになっている。
【0173】また、操作指示部137には上下左右の各
湾曲方向に対応して各制御量表示部136の近傍に操作
指示部137としての円形の指標が表示されている。そ
して、操作者は液晶パネル操作部131の画像表示部1
35の内視鏡像を見ながら操作指示部137を手指で押
圧することによって、制御回路116に指示を出すこと
ができるようになっている。
【0174】例えば、上方湾曲用の操作指示部137を
押した場合には、タッチパネル134からその位置の信
号が制御回路116に送られ、その位置信号から押され
た場所が上方湾曲を示していることを制御回路116が
判断し、上方用の電磁バルブ115aと電磁バルブ11
5bとを共にONにするようにバルブユニット114を
駆動するようになっている。その後、操作者の手指がタ
ッチパネル134から離れると、その信号を受け取った
制御回路116は電磁バルブ115a、電磁バルブ11
5bを共にOFFにし、圧力を保持するようになってい
る。
【0175】さらに、続いて、下方の操作指示部137
を押すことによって上方用電磁バルブ115bがONに
なり、圧力が開放される。他の湾曲方向についても同様
である。
【0176】そこで、本変形例では操作部118にタッ
チパネル式の液晶ディスプレイ133を設けたので、画
像表示部135に表示される内視鏡像と連繋した操作が
可能になり、操作部118の操作性の向上を図ることが
できる。
【0177】また、上記第1の変形例において、操作指
示部である制御量表示部136を触る時、制御量表示部
136のバー位置によって制御量が変化するような制御
手段を制御回路116に設けてもよい。例えば、上下の
制御量表示部136では、バーの左側を押すと、電磁バ
ルブ115aと電磁バルブ115bのON時間が短く、
制御量表示部136のバーを押す位置が右寄りになるほ
ど、両バルブ115a,115bのON時間が長くなる
構成になっている。なお,左右の制御量表示部136の
場合も同様に、バーの下側を押すとバルブのON時間が
短く、上側ほど長くなる構成になっている。そして、本
変形例では操作部118の操作性の向上を図ることがで
きる。
【0178】また、図29は第8の実施の形態の操作部
118の第2の変形例を示すものである。本変形例では
操作部118の操作部本体132bの中心部位に液晶デ
ィスプレイ141が設けられている。この液晶ディスプ
レイ141上には画像表示部142と、この画像表示部
142の周囲に配置されている略矩形枠状のタッチパネ
ル部143とが設けられている。このタッチパネル部1
43には画像表示部142の周囲に湾曲操作する操作指
示部を兼ねている4つの制御量表示部144が配置され
ている。
【0179】そして、操作者は画像表示部142を見な
がら、内視鏡本体102を湾曲させたい方向、すなわち
画像表示部142に表示されている画像を移動させたい
方向に配置されている制御量表示部144を触ることに
よって、その方向に湾曲部106を湾曲させるように制
御回路116がバルブユニット114を制御するように
なっている。
【0180】そこで、本変形例では液晶ディスプレイ1
41上のタッチパネル部143に操作指示部を兼ねてい
る4つの制御量表示部144を配置したので、タッチパ
ネル部143に複数の機能を兼ねさせることによって液
晶パネル、タッチパネルの小型化を図ることができる。
【0181】また、上記第1と第2の変形例において、
バルブユニット114と液体供給チューブ110間に図
示しないセンサ(圧力センサが流量センサ)を設け、こ
のセンサからの信号を制御量表示部136、144に反
映させることにより、より湾曲部106の実際の湾曲角
度に近い高精度な情報を制御量表示部136、144に
表示させることができる。そのため、より信頼性の高い
表示が可能である。
【0182】また、図29に示すように、第2の変形例
の液晶ディスプレイ141の周囲に各湾曲方向に対応し
て、4つの湾曲停止ボタン145を設けてもよい。この
場合、停止ボタン145が押されると、押した方向の流
体圧アクチュエータ109内の圧力室15に流体が流れ
ないように制御回路116がバルブユニット114内の
各バルブ115をコントロールするようになっている。
【0183】具体的には、例えば上方の停止ボタン14
5が押された時、その信号が制御回路116に伝わり、
制御回路116が上方湾曲用の2つの電磁バルブ115
aと電磁バルブ115bとをコントロールする。これに
より、ボンベ112から流体圧アクチュエータ109内
の上方湾曲用の圧力室15にガスが流れないようにする
ことができ、その状態が保持される。これは、流体圧ア
クチュエータ109の圧力室15がパンクした時、ボン
ベ112のガスを無駄にしないために有効である。
【0184】なお、通常の湾曲操作時に、操作部118
を操作しているにもかかわらず画像表示部142に表示
されている画像が動かない場合、その操作方向の流体圧
アクチュエータ109の圧力室15がパンクしているこ
とが原因の一つと考えられる。そして、パンク時にその
まま湾曲操作を続ければ、パンクしている流体圧アクチ
ュエータ109の圧力室15にもガスが流れてしまう可
能性があるので、ガスの無駄遣いになる。
【0185】そこで、本変形例のように停止ボタン14
5を押して、パンクしている流体圧アクチュエータ10
9の圧力室15へのガスの供給を止めることでガスの浪
費を抑えることが可能となる。そのため、本変形例では
ガスの節約が期待できる。
【0186】また、図30は本発明の第9の実施の形態
を示すものである。本実施の形態は第8の実施の形態
(図25(A),(B)乃至図27参照)の内視鏡装置
101におけるドラム120内部構成を次の通り変更し
たものである。なお、これ以外の他の部分の構成は第8
の実施の形態と同様であり、図30中で、第8の実施の
形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略
する。
【0187】すなわち、本実施の形態ではドラム120
の内部にUP、DOWN、RIGHT、LEFTの4方
向の各湾曲方向の圧力室15内に圧縮空気を送るための
4本のシリンジユニット151と、各シリンジユニット
151を制御するための制御回路152と、各シリンジ
ユニット151と制御回路152とを駆動するための電
源153とが配置されている。
【0188】さらに、各シリンジユニット151には図
示しない駆動用のモーターの回転を直進運動に変換する
リニア変換ギアを備えた変換機構部154と、空気圧縮
用のシリンジ155とが設けられている。そして、シリ
ンジ155内のピストン156の前進運動によって空気
を圧縮するシリンジポンプが構成されている。
【0189】また、各シリンジ155の先端には挿入部
104の根元から延出している流体供給チューブ110
が接続されている。ここで、挿入部104の根元部分は
ドラム120の壁の穴を通ってドラム120の内部に入
り、ドラム120の内壁に固定されている。
【0190】そして、湾曲部106の湾曲操作時にはシ
リンジユニット151で圧縮された空気が流体供給チュ
ーブ110を経由して、内視鏡本体102の先端にある
湾曲部106内の流体圧アクチュエータ109に供給さ
れるようになっている。
【0191】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態では操作部118のジョイスティック12
7を所望の湾曲方向に操作することで、このジョイステ
ィック127の操作と対応する湾曲方向のシリンジユニ
ット151が動作する。そして、このシリンジユニット
151のシリンジ155から送られる空気が湾曲部10
6の流体圧アクチュエータ109の圧力室15に送られ
て湾曲部106が湾曲動作する。
【0192】また、ジョイスティック127の操作を止
めるとシリンジ155が止まり、湾曲部106の湾曲動
作が止まる。ここで、内視鏡本体102の挿入部104
が10m以上と長くなる場合にはシリンジユニット15
1からの空気が先端の圧力室15に送られるまでの時間
遅れが有り、湾曲部106の湾曲動作がすばやく止まら
ない場合がある。その場合は、ジョイスティック127
を止めたときに湾曲動作のために空気を送っているシリ
ンジユニット151のピストン156を加圧方向と反対
に多少戻す動作を行う制御を行う。これにより正確に、
すばやく湾曲部106の湾曲動作を止めることが可能と
なる。
【0193】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態ではシリンジユニ
ット151のピストン156の前後運動により圧縮空気
を流体圧アクチュエータ109の圧力室15に供給する
シンプルな構成であり、シリンジ155の位置を制御す
ることで湾曲量を制御できる効果がある。
【0194】さらに、シリンジユニット151のピスト
ン156によって構成されるシリンジポンプの大きさに
より加圧する空気量の最大値は決まっており、過大に加
圧してすることがない。そのため、湾曲部106の湾曲
動作を高精度に制御することができる。
【0195】また、図31および図32(A),(B)
は本発明の第10の実施の形態を示すものである。本実
施の形態は第9の実施の形態(図30参照)の内視鏡装
置101のシリンジユニット151の構成をさらに次の
通り変更したものである。
【0196】すなわち、本実施の形態では第9の実施の
形態の4方向の各湾曲方向のシリンジユニット151の
構成に加えて、シリンジユニット151のピストン15
6によって構成されるシリンジポンプ内に予圧を与える
構成を設けたものである。
【0197】本実施の形態の例えばUP方向のシリンジ
ユニット151には図31に示すようにシリンジ筺体1
61が設けられている。このシリンジ筺体161の基端
部にはシリンジ筺体161内のピストン162を駆動す
る駆動機構部163が連結されている。
【0198】この駆動機構部163には駆動源であるモ
ータ164と、このモータ164の回転を減速器165
を介して往復動作に変換する直動機構166とが設けら
れている。この直動機構166は棒状の雄ネジ部167
と、この雄ネジ部167と螺合するナット状の雌ネジ部
168とを備えたボールねじ機構によって構成されてい
る。さらに、雌ネジ部168にはピストン162のピス
トン軸169が連結されている。そして、モータ164
の回転が減速器165を介して伝達されて雄ネジ部16
7が回転すると、雌ネジ部168が前後方向に移動し、
ピストン162が駆動されるようになっている。これに
より、モータ164の回転を減速器165を介して直動
機構166で往復動作に変換してピストン162が駆動
されるようになっている。
【0199】また、モータ164にはエンコーダ170
が接続されている。このエンコーダ170は、シリンジ
筺体161内のピストン162の位置センサとして機能
させている。
【0200】また、シリンジ筺体161の先端部には吐
出口171が形成されている。この吐出口171には口
金172が取り付けられている。この口金172には2
つのチューブ連結部173,174が設けられている。
そして、一方のチューブ連結部である第1のチューブ連
結部173にはUP方向の圧力室15に繋がる流体供給
チューブ175が接続されている。さらに、他方のチュ
ーブ連結部である第2のチューブ連結部174には、空
気圧供給源側の流体チューブ176の一端部が連結され
ている。この流体チューブ176の他端側は電磁弁17
7経由で圧力調整器178を伴うボンベ179に接続さ
れている。この電磁弁177は、ボンベ179側からシ
リンジ筺体161に向けて連通(開放)させる状態と、
完全に閉じている状態と、シリンジ筺体161から大気
に向けて連通(開放)させる状態との3状態に切換え可
能になっている。
【0201】また、電磁弁177は制御回路180に接
続されている。この制御回路180にはモータ164
と、エンコーダ170とが接続されているとともに、電
源181と、第8の実施の形態(図25(A),(B)
乃至図27参照)の操作部118と同様に液晶ディスプ
レイ126と、操作を行うためのジョイスティック12
7とが設けられた湾曲操作装置182とが接続されてい
る。そして、制御回路180からの制御信号により電磁
弁177の開閉動作がコントロールされる。
【0202】なお、UP方向以外の湾曲方向、すなわち
DOWN、RIGHT、LEFTの各湾曲方向のシリン
ジユニット151もUP方向のシリンジユニット151
と同様に構成されている。そして、4つのシリンジポン
プは同じように接続されている。
【0203】また、制御回路180および電源181
は、第9の実施の形態の内視鏡装置101と同様の構成
のドラム120の内部に配置されている。そして、内視
鏡本体102の湾曲部106の湾曲操作時には湾曲操作
装置182のジョイスティック127から湾曲指令が入
力されると、制御回路180からモータ164に駆動信
号が出力されて、適切な量だけシリンジ筺体161内の
ピストン162が押し込まれるようになっている。これ
により、ジョイスティック127の操作方向と対応する
湾曲方向の圧力室15が膨張し、湾曲部106が湾曲動
作されるようになっている。このとき、エンコーダ17
0の信号が制御回路180にフィードバックされてシリ
ンジ筺体161内のピストン162の押し込み位置制御
の精度を高めるようになっている。
【0204】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態では、ジョイスティック127の操作が開
始される前、すなわち、ジョイスティック127から操
作信号が出されていない場合には、シリンジ筺体161
内のピストン162の位置は図31中で最も右側の移動
限位置に引かれた位置(原点位置)にある。
【0205】そして、内視鏡本体102の湾曲部106
の湾曲操作時には、操作者が湾曲制御装置182の液晶
ディスプレイ126で内視鏡観察像を見ながら、湾曲さ
せたい方向にジョイスティック127を倒す。このと
き、制御回路180がジョイスティック127の倒し方
向/角度信号を受け、適切なシリンジポンプに対して駆
動信号を出す。
【0206】なお、図32(A)はジョイスティック1
27の操作によってある方向に湾曲信号が出力された時
の、シリンジ筺体161の内圧Pと時間tとの関係を示
している。また、図32(B)は、同じ時の湾曲部10
6の湾曲角度θと時間tとの関係を示している。
【0207】ここで、ジョイスティック127の操作時
にはジョイスティック127の操作によってある方向に
操作信号が出た時点t0で、瞬間的に、電磁弁177が
ボンベ179側からシリンジ筺体161に向けて連通さ
れる状態に切換え操作される。さらに、操作信号が出た
時点t0から短時間経過したt1時点で、また直ぐ電磁
弁177が閉じるように制御信号が出力される。この時
のボンベ179の圧力Pは、圧力室15の膨張により湾
曲部106が動き始める直前の圧力P0に調整されてい
る。
【0208】また、t1時点で、モータ164の回転が
開始され、モータ164は定速で回転する。ここで、操
作信号が出ている間、シリンジ筺体161内のピストン
162が図31中で左方向に定速で押し出される。そし
て、シリンジ筺体161の内圧がP1になるt2時点
で、湾曲角はθbとなる。
【0209】さらに、一定時間、θbの湾曲角を保持さ
せた後、t3時点で、例えば反対方向に湾曲させる信号
を入力すると、シリンジ筺体161内のピストン162
は原点位置まで等速で戻る。この原点位置に戻ったt4
時点で、シリンジ筺体161の内圧はP0になる。この
とき、湾曲部106の湾曲角は湾曲部106の特性によ
り圧力の加減に対してヒステリシスを有するので、t4
時点での湾曲部106の湾曲角は0度にならず、θaで
停止する。
【0210】そのため、シリンジ筺体161内のピスト
ン162が原点位置に復帰したt4時点で、電磁弁17
7をシリンジ筺体161から大気に向けて連通する状態
に切換え操作するように制御信号を出力する。その結
果、t4時点から若干時間が経過したt5時点で湾曲部
106の湾曲角は0度になる。
【0211】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態ではジョイスティ
ック127の操作時にジョイスティック127の操作に
よってある方向に操作信号が出た時点t0で、瞬間的
に、ボンベ179によってシリンジ筺体161内に予圧
を掛けられるので、湾曲操作信号に対してレスポンスよ
く湾曲部106の湾曲動作を行なえる。その結果、操作
性が良くなる効果がある。
【0212】また、図33および図34(A),(B)
は第10の実施の形態(図31および図32(A),
(B)参照)の第1の変形例を示すものである。第10
の実施の形態の内視鏡装置101ではシリンジ筺体16
1内のピストン162の動作と、湾曲部106の湾曲角
θとの関係では、湾曲操作時のレスポンスは良くなる
が、湾曲操作信号を出力している時間と湾曲角度とは線
形に対応していない。そのため、ある時間経つと急激に
湾曲部106の湾曲角θが大きくなるという動作になる
(図32(B)参照)。
【0213】そこで、本変形例では図33に示すように
湾曲操作装置182と制御回路180の間に、湾曲操作
信号を出力している時間と湾曲角度θとが線形の関係に
なるようにモータ164の速度を可変する補正回路25
5を設けたものである。
【0214】これは、図34(A)に示すようにシリン
ジ筺体161内の内圧の特性曲線を得るようにモータ1
64の回転速度を制御することで、図34(B)に示す
ように、湾曲部106の湾曲角θは時間に対して線形に
湾曲するようになっている。
【0215】また、図35は第10の実施の形態(図3
1および図32(A),(B)参照)の第2の変形例を
示すものである。本変形例では、第10の実施の形態の
エンコーダ170を使用せず、シリンジ筺体161内の
ピストン162が原点位置に復帰した状態のみを検出す
る構成にしたものである。
【0216】すなわち、本変形例ではシリンジ筺体16
1は透明な材料で成形されている。さらに、シリンジ筺
体161の根元部の外周面には、発光ダイオード(LE
D)201と、受光素子(PD)202とが180°離
れた位置に離間対向配置された状態で取付けられてい
る。ここで、発光ダイオード201と受光素子202と
は制御回路180に接続されている。そして、シリンジ
筺体161内のピストン162が発光ダイオード201
と受光素子202との間を通過する時、光を遮るので、
ピストン162の通過を検出することができる。なお、
受光素子202からの検出信号は制御回路180に入力
される。
【0217】従って、本変形例では内視鏡本体102の
湾曲部106の湾曲操作時にシリンジ筺体161内のピ
ストン162の原点位置を検出できるので、第10の実
施の形態の電磁弁177の制御が可能になる。そのた
め、本変形例では第10の実施の形態のエンコーダ17
0を使用する場合に比べてシステム全体を小型化できる
効果がある。
【0218】また、図36は第10の実施の形態(図3
1および図32(A),(B)参照)の第3の変形例を
示すものである。本変形例では、第10の実施の形態で
使用した電磁弁177を省略してシリンジポンプ内に予
圧を与える機構を設けたものである。
【0219】すなわち、本変形例ではシリンジ筺体16
1の先端の吐出口171には流体圧アクチュエータ10
9の圧力室15に繋がるチューブ175が直接接続され
ている。
【0220】また、シリンジ筺体161の基端部側の外
周面には原点位置側開口部211が設けられている。こ
の原点位置側開口部211には、圧力調整器178経由
でボンベ179に接続される流体チューブ176が接続
されている。
【0221】そして、本変形例では内視鏡本体102の
湾曲部106の湾曲操作時に、圧力調整器178は湾曲
部106が湾曲を開始する直前の圧力P0に調整されて
いる。ここで、ピストン162が原点位置にある時は常
にシリンジ筺体161内の内圧はP0の圧力状態になる
ようになっている。
【0222】また、湾曲部106の湾曲操作時にシリン
ジ筺体161内のピストン162が前進すると、このピ
ストン162によって原点位置側開口部211が閉じ
る。
【0223】したがって、本変形例の構成では、第10
の実施の形態で使用した電磁弁177を省略してシリン
ジポンプ内に予圧を与える機構を設けることができるの
で、内視鏡装置のシステム全体を小型化できる効果があ
る。
【0224】なお、第10の実施の形態のシリンジユニ
ット151の駆動機構部163は回転モーター164と
リニア変換ギアを備えた直動機構166との組み合わせ
に限定されるものではなく、リニアモーターでも良い。
【0225】また、図37乃至図42は本発明の第11
の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第8の
実施の形態(図25(A),(B)乃至図27参照)の
内視鏡装置101におけるドラム120部分の構成を次
の通り変更したものである。なお、これ以外の他の部分
の構成は第8の実施の形態と同様であり、図37乃至図
42中で、第8の実施の形態と同一部分には同一の符号
を付してその説明を省略する。また、図37では図25
(A)の操作部118は省略されている。
【0226】すなわち、本実施の形態では図38に示す
ように第8の実施の形態の内視鏡装置101におけるド
ラム120の内部に、流体圧アクチュエータ109の4
つの圧力室15にそれぞれ連結された流体供給チューブ
110内の圧力を強制的に大気圧に開放する一括開放バ
ルブ221が設けられている。さらに、ドラムふた12
4には、この一括開放バルブ221を作動させる一括開
放ボタン222が設けられている。
【0227】また、図38はドラム120の内部構造と
ドラムふた124の構成を示している。ここで、一括開
放バルブ221はドラム120の内部空間を左右に仕切
る中間壁223に取り付けられている。この一括開放バ
ルブ221はバルブユニット114に連結された流体供
給チューブ110の中途部に介設されている。さらに、
一括開放ボタン222は、ドラムふた124がドラム1
20に取り付けられた時に、一括開放バルブ221の位
置と対応する位置に配置されている。
【0228】また、図39(A),(B)に示すように
一括開放バルブ221には中間壁223に固定された固
定部224と、この固定部224に対して開閉可能に連
結された可動部225とが設けられている。ここで、可
動部225の一端部(図39(A),(B)中で上端
部)は回動軸226を中心に固定部224に回動可能に
連結されている。さらに、可動部225の下端部には固
定部224の下端部よりも下方に延出されたボタン受部
225aが形成されている。
【0229】また、ドラムふた124には一括開放ボタ
ン222の軸部227を軸方向に移動可能に挿通可能な
挿通孔228が形成されている。この挿通孔228は一
括開放バルブ221における可動部225のボタン受部
225aと対応する位置に配置されている。
【0230】さらに、一括開放バルブ221には可動部
225を固定部224側に押圧する状態に常時付勢する
バネ229と、図40(A)に示すように中間壁223
に固定されたバネ押さえ230とが設けられている。こ
のバネ229は一括開放バルブ221における可動部2
25のボタン受部225aを挟んでドラムふた124の
挿通孔228と対応する位置に離間対向配置されてい
る。
【0231】そして、このバネ229のばね力によって
一括開放バルブ221の可動部225は固定部224側
に当接させる状態(一括開放バルブ221の閉鎖位置)
に常時付勢されている。このとき、一括開放ボタン22
2は図39(A)に示すようにドラムふた124の外側
に突出された状態で保持されている。
【0232】また、一括開放ボタン222の押し込み操
作時には図39(B)に示すようにドラムふた124の
挿通孔228に挿通された一括開放ボタン222の軸部
227が軸方向に移動する。そのため、この一括開放ボ
タン222の軸部227からの押圧力によってバネ22
9を圧縮しながら一括開放バルブ221の可動部225
を回動軸226を中心に回転させ、一括開放バルブ22
1の可動部225を固定部224から離れた開放状態
(一括開放バルブ221の開放位置)に移動させるよう
になっている。
【0233】また、一括開放バルブ221の固定部22
4および可動部225の内部には湾曲部106の4つの
湾曲方向の各流体供給チューブ110にそれぞれ連結さ
れた4つの中間流路231が設けられている。
【0234】図40(A)は1つの湾曲方向の流体供給
チューブ110に連結された一括開放バルブ221内の
中間流路231の連結状態を示すものである。ここで、
中間流路231には固定部224と中間壁223に一体
に形成されている固定部側流路231aと、可動部22
5に形成された可動部側流路231bとが設けられてい
る。
【0235】また、可動部225には可動部側流路23
1bの一端部に連結された第1のチューブ連結部232
が突設されている。この第1のチューブ連結部232に
は流体供給チューブ110が連結されている。さらに、
可動部225における固定部224との当接面には可動
部側流路231bの他端部に連結された連結口部233
が形成されている。
【0236】また、固定部224には可動部225との
当接面に固定部側流路231aの一端部に連結された流
路連結部234が形成されている。そして、図39
(A)に示すように固定部224と可動部225とが当
接されている状態では固定部224の流路連結部234
に可動部225の連結口部233が着脱可能に連結され
るようになっている。
【0237】さらに、図40(A)に示すように中間壁
223には固定部側流路231aの他端部に連結された
第2のチューブ連結部235が形成されている。この第
2のチューブ連結部235には流体供給チューブ110
におけるバルブユニット側チューブ236の一端部が連
結されている。このバルブユニット側チューブ236の
他端部はバルブユニット114に接続されている。
【0238】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態では通常の使用時には図39(A)に示す
ように一括開放バルブ221が閉じている状態で保持さ
れる。この状態では図40(A)に示すように固定部2
24の流路連結部234に可動部225の連結口部23
3が連結されているので、固定部224と中間壁223
の固定部側流路231aと、可動部225の可動部側流
路231bとが連結状態で保持される。そのため、中間
壁223、固定部224、可動部225内の流路231
は通じているので、バルブユニット114側からのガス
は流体圧アクチュエータ109側へと供給可能である。
【0239】また、一括開放ボタン222が押し込み操
作された場合には図39(B)に示すようにこの一括開
放ボタン222の軸部227からの押圧力によってバネ
229を圧縮しながら一括開放バルブ221の可動部2
25が固定部224から離れた開放位置に移動される。
そのため、固定部224の流路連結部234から可動部
225の連結口部233が引き離されるので、固定部2
24と中間壁223の固定部側流路231aと、可動部
225の可動部側流路231bとの間の連結が切断され
る。
【0240】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態では制御回路11
6やバルブユニット114の故障などで、過剰なガスが
流体圧アクチュエータ109に供給された場合には、一
括開放ボタン222を押し込み操作して一括開放バルブ
221を作動させることにより、強制的に流体供給チュ
ーブ110内の圧力を大気圧に開放することができる。
そのため、制御回路116やバルブユニット114の故
障などで、過剰なガスが流体圧アクチュエータ109に
供給される状態で放置される場合のように流体圧アクチ
ュエータ109やその他の部分が破壊されることを防止
することができ、過剰なガスが流体圧アクチュエータ1
09に供給されることによって発生する様々なダメージ
を最小限に抑えることが可能である。したがって、故障
時に内視鏡本体102におよぼす影響を最小限に抑える
ことができる効果がある。
【0241】また、図40(B)は第11の実施の形態
の内視鏡装置101における流体供給源111の構成を
示している。なお、図40(B)では前述の一括開放バ
ルブ221は省略してある。
【0242】第11の実施の形態では、バルブユニット
114内の各湾曲方向別の流路切換え機構部115A〜
115Dと流体供給チューブ110との間に各チューブ
110内の圧力を検出する圧力センサ237をそれぞれ
設けたものである。本圧力センサ237は制御回路11
6に電気的に接続されている。そして、各圧力センサ2
37からの信号は制御回路116に伝達される。
【0243】また、図41(A)は1つの湾曲方向(U
P方向)の流体供給チューブ110に連結された圧力セ
ンサ237と流路切換え機構部115Aの部分の詳細図
である。ここで、流路切換え機構部115Aの2個の電
磁バルブ115a,115bは第8の実施の形態でも説
明した通り、3ポート型の電磁弁からなる。
【0244】そして、電磁バルブ115aと電磁バルブ
115bとがONのとき、流体圧アクチュエータ109
によって湾曲部106は湾曲し、電磁バルブ115aと
電磁バルブ115bとがOFFのとき、流体圧アクチュ
エータ109によって湾曲部106の湾曲は保持され
る。さらに、一方の電磁バルブ115aがOFFで、他
方の電磁バルブ115bがONの時、流体圧アクチュエ
ータ109内の対応している圧力室15は開放され、流
体圧アクチュエータ109によって湾曲部106の湾曲
は元の初期形状(湾曲していない形状)に戻る。
【0245】また、図42は圧力センサ237の検出圧
力Pと、1つの湾曲方向(UP方向)の流路切換え機構
部115Aの2個の電磁バルブ115a,115b(バ
ルブAとバルブB)の動作状態と、湾曲部106の湾曲
角度θとの関係を表わすグラフである。
【0246】そして、湾曲部106が1つの湾曲方向
(UP方向)に湾曲される場合には次の動作が行われ
る。図42に示すように、まず、湾曲角度0の状態のt
1時点で、電磁バルブ115a、電磁バルブ115bと
もONにすると、ボンベ112からガスが送られ、流体
圧アクチュエータ109内の圧力室15内の圧力Pが上
昇し始める。
【0247】ここで、圧力が上昇し始めてからしばらく
は湾曲部106の湾曲は開始せず、時間Δtが経過した
t2時点で、圧力が湾曲開始圧力Paを超える(図42
中の点A)と、湾曲部106は湾曲を開始する。
【0248】そのまま送気を続けると、流体圧アクチュ
エータ109内の圧力室15内の圧力Pの上昇と共に湾
曲部106の湾曲動作は進行して行く。そして、センサ
237の検出する圧力Pが設定されている許容最大圧力
Pb(図42中の点D)を超えるt3時点で、制御回路
116によって自動的に電磁バルブ115a、電磁バル
ブ115bがともにOFFになる。これにより、圧力上
昇は止まり、湾曲部106の湾曲は保持される。
【0249】その後、しばらくしてt4時点で、操作に
よって電磁バルブ115bのみをONにすると、流体圧
アクチュエータ109内の圧力室15内の圧力が開放さ
れ始め、湾曲角度も多少の遅れをもって減少し始める。
【0250】さらに、流体圧アクチュエータ109の圧
力室15内の圧力が減少し、圧力センサ237の検出圧
力が湾曲開始圧力Paを下回ったt5時点(図42中の
点B)で、再び両バルブ115a、115bがOFFに
なる。そのため、ガスの供給が停止され、流体圧アクチ
ュエータ109および流体供給チューブ110内のガス
圧が保持される。このときの圧力は湾曲開始圧Paより
も低いため、湾曲部106は多少遅れながらも元の角度
0の近傍まで戻る。
【0251】その後、t6時点で再び湾曲させようと両
バルブ115a、115bをONにする(図42中の点
C、点C′)。このとき、さきに流体圧アクチュエータ
109内にガスが保持されているため、すぐに湾曲開始
圧力Paを超えるので、湾曲開始が迅速に行われる。
【0252】このように、湾曲部106の湾曲を戻す時
に流体圧アクチュエータ109および流体供給チューブ
110の内部のガスを湾曲開始圧力Paの近辺に保持し
ておくことで、通常ならば湾曲部106の湾曲開始に時
間Δtかかる所を、すばやく湾曲部106の湾曲動作を
開始させることができる。
【0253】また、流体圧アクチュエータ109内の圧
力室15内の圧力Pの許容最大圧力Pbを設定すること
によって、過度な圧力が流体圧アクチュエータ109に
作用して、流体圧アクチュエータ109あるいはその周
辺を破壊してしまうことを回避させることができる。
【0254】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態では流体供給チュ
ーブ110内の圧力を検出する圧力センサ237を設
け、湾曲部106の湾曲開始圧Paと許容最大圧力Pb
とを設定することによって、迅速に湾曲部106の湾曲
動作を開始させることができると同時に、過剰圧力供給
の防止が可能である。
【0255】なお、本実施の形態の一括開放バルブ22
1を設ける構成は、本実施の形態のように流体圧供給源
109にボンベ112を用いる方式に適用されるだけで
はなく、第8の実施の形態(図25(A),(B)乃至
図27参照)のようなシリンジユニット151を用いる
方式でも良い。この場合も、本実施の形態と同様に制御
回路116や、シリンジユニット151の故障による暴
走時に強制的に流路内の圧力を大気圧に開放することが
できる。
【0256】また、本実施の形態の一括開放バルブ22
1は一括開放ボタン222を押している間だけこの一括
開放バルブ221を開く構成であるが、一括開放ボタン
222を押した状態で係止するクリックアクション機構
を設け、一度、一括開放ボタン222を押せば、クリッ
クアクション機構によってその状態を係止して、一括開
放バルブ221を開き続ける構成にしても良い。
【0257】さらに、バルブユニット114内の各湾曲
方向別の流路切換え機構部115A〜115Dと流体供
給チューブ110との間に各チューブ110内の圧力を
検出する圧力センサ237に代えて、図41(B)に示
すように流量センサ238を設けても良い。この場合の
作用としては圧力センサ237の場合と略同様である。
ただし、本変形例では、第11の実施の形態の圧力セン
サ237による圧力検出を供給流量(供給流量から排気
流量を引いた値)に変更し、さらに図42中の許容最大
圧力Pbは許容最大流量となり、湾曲開始圧力Paは湾
曲開始流量となり、大気圧は流量0となる。
【0258】また、図43(A),(B)乃至図46は
本発明の第12の実施の形態を示すものである。本実施
の形態は第8の実施の形態(図25(A),(B)乃至
図27参照)の内視鏡装置101の内視鏡本体102の
構成を次の通り変更したものである。
【0259】すなわち、本実施の形態の内視鏡本体10
2には図43(A),(B)に示すように挿入部104
における可撓管部105の中途部に複数の流体供給口体
241が設けられている。これらの流体供給口体241
は可撓管部105の内部で流体供給チューブ110とそ
れぞれ接続されている。
【0260】また、複数の流体供給口体241は可撓管
部105に例えば5m間隔で(可撓管部105に5m毎
に)1つの流体供給口体241が配置されている。な
お、可撓管部105に1つの流体供給口体241を設け
る構成にしてもよい。
【0261】さらに、本実施の形態には図43(B)に
示すようにバルブユニット114と流体供給チューブ1
10との間に切り替え弁242が介設されている。この
切り替え弁242はドラム120内に設けられている。
【0262】また、切り替え弁242には補助チューブ
243の一端部が連結されている。そして、切り替え弁
242の操作によってバルブユニット114と流体供給
チューブ110とを連通させる状態と、あるいはバルブ
ユニット114と補助チューブ243とを連通させる状
態とを切り替えることができるようになっている。
【0263】さらに、ドラムふた124には切り替え弁
242の切り替えスイッチ244が配設されている。こ
の切り替えスイッチ244には切り替え弁242が接続
されている。そして、切り替えスイッチ244を操作す
ることによって切り替え弁242を切り替え操作してバ
ルブユニット114と流体供給チューブ110とを連通
させる状態と、バルブユニット114と補助チューブ2
43とを連通させる状態とを選択することができる。
【0264】また、補助チューブ243の他端部には流
体供給コネクタ245が連結されている。この流体供給
コネクタ245は可撓管部105の各流体供給口体24
1に選択的に着脱可能に連結されるようになっている。
【0265】また、流体供給口体241は図44(A)
に示すように略円筒形状に形成されている。この流体供
給口体241の外径寸法は挿入部104の可撓管部10
5と略同径に設定されている。
【0266】さらに、この流体供給口体241には可撓
管部105内に配設された流体供給チューブ110と同
数の4つの供給穴246が形成されている。そして、各
供給穴246は流体供給口体241の内部で流体供給チ
ューブ110とそれぞれ連通可能になっている。
【0267】また、流体供給口体241の各供給穴24
6と流体供給チューブ110との連結部分には逆止弁2
47が装着されている。そして、流体供給口体241の
各供給穴246と流体供給チューブ110との連結部分
は通常は逆止弁247によって閉じて流体供給チューブ
110と各供給穴246との間が閉鎖されている。
【0268】また、流体供給コネクタ245は図44
(B)に示すように円筒体を略半円形の断面形状の2つ
のコネクタ構成体245a、245bに2分割されてい
る。これらのコネクタ構成体245a、245bは一端
部間が蝶番248によって回動可能に連結されている。
【0269】さらに、2つのコネクタ構成体245a、
245bの他端部側の端縁部には図示しない磁石が取付
けられている。そして、図45(A)に示すように2つ
のコネクタ構成体245a、245b間が閉じた状態で
は、2つのコネクタ構成体245a、245bの他端部
側の接合面間が図示しない磁石の磁力によって吸着固定
されるようになっている。
【0270】また、流体供給コネクタ245の管壁には
図45(B)に示すように補助チューブ243と同数の
4つの流路249が形成されている。そして、各流路2
49の基端部には補助チューブ243がそれぞれ連結さ
れている。
【0271】また、流体供給コネクタ245の内周面に
は細管状の4本の供給ピン250が内部側に向けて突設
されている。各供給ピン250の基端部には流体供給コ
ネクタ245の各流路249の先端部が連結されてい
る。
【0272】さらに、各供給ピン250の外径寸法は流
体供給口体241の各供給穴246の穴径と略同径に設
定されている。また、各供給ピン250の先端部分には
ガス供給用のピン穴251が形成されている。
【0273】そして、流体供給口体241が可撓管部1
05のいずれかの流体供給口体241に連結された場合
には図45(A),(B)に示すように流体供給口体2
41と流体供給コネクタ245との間が組み付けられる
ようになっている。このとき、流体供給コネクタ245
の各供給ピン250は図45(B)に示すように流体供
給口体241の各供給穴246に挿脱可能に挿入されて
嵌合されるようになっている。さらに、この嵌合時には
供給ピン250の先端部は流体供給口体241の各供給
穴246から逆止弁247に当接し、図46に示すよう
にこの逆止弁247が流体供給チューブ110の内側に
押し倒される状態で、流体供給チューブ110の内部に
挿入されるようになっている。
【0274】また、供給ピン250が流体供給チューブ
110に挿入されると、この供給ピン250によって流
体供給チューブ110内は塞がれてシールされるように
なっている。さらに、流体供給チューブ110内への挿
入時には供給ピン250のピン穴251は湾曲部106
側を向いている状態に設定されている。そのため、ピン
穴251から供給されるガスは流体供給チューブ110
内における湾曲部106側の流路に供給されるようにな
っている。このとき、流体供給チューブ110内におけ
る手元側の流路にはピン穴251から供給されるガスが
流入しないようになっている。
【0275】そして、流体供給口体241が可撓管部1
05のいずれかの流体供給口体241に連結された場合
には流体供給口体241、流体供給コネクタ245、補
助チューブ243、切り替え弁242内の流路は4つの
湾曲方向の各流体供給チューブ110に対応してそれぞ
れ独立に形成されるようになっている。
【0276】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態の内視鏡装置101の使用時にはドラムふ
た124の切り替えスイッチ244を操作することによ
って切り替え弁242を切り替え操作してバルブユニッ
ト114と流体供給チューブ110とを連通させる状態
と、バルブユニット114と補助チューブ243とを連
通させる状態とが選択される。そして、バルブユニット
114と流体供給チューブ110とを連通させる状態が
選択された場合には内視鏡本体102の湾曲部106が
湾曲操作された際に、ボンベ112からバルブユニット
114を経由して供給されるガスは流体供給チューブ1
10を通って挿入部104の後端側から先端側の流体圧
アクチュエータ109に送られる。
【0277】ここで、挿入部104の全長がたとえば数
10m程度に長い場合には、流体供給チューブ110も
同様に長くなる。そのため、ガスを送る距離が長くなる
ので、圧力の伝達遅れが生じるおそれがある。このよう
に圧力の伝達遅れが大きくなる場合には、手元側の操作
部118のジョイスティック127で湾曲操作しても先
端にある湾曲部106が実際に湾曲するまでに時間がか
かってしまい、タイムラグにより、応答性・制御性が低
下するおそれがある。
【0278】また、挿入部104の全長が短く、圧力の
伝達距離が短いほど、応答性・制御性は良くなる。しか
しながら、挿入部104の後端側からガスを供給してい
る以上、ドラム120から引き出されて実際に使用する
挿入部104の長さが例えば数m程度で短く、残りの部
分はドラム120に巻き付けられたままだとしても、流
体圧アクチュエータ109に送られるガスは挿入部10
4の全長を経由することになる。
【0279】そこで、本実施の形態では切り替えスイッ
チ244によってバルブユニット114と補助チューブ
243とを連通させる状態に切り替え弁242を切り替
え操作することにより、挿入部104よりも長さが短い
補助チューブ243を経由して流体圧アクチュエータ1
09にガスを供給することができる。
【0280】図43(B)は本実施の形態の流体供給コ
ネクタ245の使用状態を説明する概略図である。すな
わち、本実施の形態では、挿入部104の途中に複数の
流体供給口体241を設け、使用する長さに合わせて流
体供給口体241を選択し、そこに流体供給コネクタ2
45を接続することで、挿入部104よりも長さが短い
補助チューブ243を経由して流体圧アクチュエータ1
09にガスを供給することができる。そのため、ガスの
供給距離を実際に使用する挿入部104の長さ程度にま
で短くすることが可能である。このように、実際に使用
する際の挿入部104の長さが短い場合には、ガスの供
給距離も短くて済むため、湾曲部106が湾曲操作時の
応答性・制御性を大幅に向上させることができる。
【0281】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態では切り替えスイ
ッチ244によってバルブユニット114と補助チュー
ブ243とを連通させる状態に切り替え弁242を切り
替え操作する。この状態で、使用する挿入部104の長
さに合わせて流体供給口体241を選択し、そこに補助
チューブ243の流体供給コネクタ245を接続するこ
とで、挿入部104よりも長さが短い補助チューブ24
3を経由して流体圧アクチュエータ109にガスを供給
することができる。そのため、ドラム120から引き出
されて実際に使用する実使用時の挿入部104の長さに
合わせて流体供給経路を短くできるので、湾曲部106
が湾曲操作時の湾曲応答性および制御性を向上させるこ
とができる効果がある。
【0282】また、図47は第12の実施の形態(図4
3(A),(B)乃至図46参照)の変形例を示すもの
である。第12の実施の形態では流体供給コネクタ24
5は補助チューブ243と接続されているだけで、キャ
リングケース103からある程度引き出すことができた
が、本変形例では流体供給コネクタ245をキャリング
ケース103のスコープ取り出し口122に固定したも
のである。
【0283】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態では流体供給コネ
クタ245をキャリングケース103と一体化すること
により、取り扱いが容易になる。
【0284】なお、本実施の形態は、流体供給源にボン
ベ112とバルブユニット114を使用する構成ではな
く、第9の実施の形態(図30参照)のようにシリンジ
ユニット151を用いる構成でも良い。
【0285】また、図48乃至図50(A)は本発明の
第13の実施の形態を示すものである。本実施の形態は
第8の実施の形態(図25(A),(B)乃至図27参
照)の内視鏡装置101における内視鏡本体102の湾
曲部106の構成を次の通り変更したものである。
【0286】すなわち、本実施の形態の湾曲部106に
は図50(A)に示すようにシリコン樹脂製マルチルー
メンチューブ261が設けられている。このマルチルー
メンチューブ261は、円筒体の中央ルーメン261a
の周囲の管壁に複数、本実施の形態では4つのルーメン
261b,261c,261d,261eが周方向に略
等間隔に配設されている。
【0287】さらに、中央ルーメン261aの内部には
図49に示すように内側密巻コイル266が配置され、
その内部にCCD信号線や、ライトガイドファイバなど
の内蔵物267が挿通されている。
【0288】また、本実施の形態では、4つのルーメン
261b〜261eの断面形状は図50(A)に示すよ
うに偏平なスリット形状に形成されている。さらに、各
ルーメン261b〜261eのスリットの両端部には応
力緩和のための丸み部269が形成されている。
【0289】また、マルチルーメンチューブ261の4
つの偏平なスリット形状ルーメン261b,261c,
261d,261eの前後の両端部はシリコンの充填剤
で封止されてUP、DOWN、RIGHT、LEFTの
4つの湾曲方向にそれぞれ対応させた4つの圧力室15
が形成されている。さらに、各圧力室15の後端側では
流体供給用のチューブ268がそれぞれ接続された状態
で封止されている。
【0290】また、図49に示すように湾曲部106の
マルチルーメンチューブ261の外側には外側密巻コイ
ル262、ゴムチューブ263、網管264を順次積層
させた積層構造体265が被せられている。なお、マル
チルーメンチューブ261の外側の積層構造体265
は、ゴムチューブ263、外側密巻コイル262、網管
264の順序で配置しても良い。
【0291】そして、任意の圧力室15に流体が供給さ
れると、その圧力室15が膨張し、外側密巻コイル26
2、網管264の作用により圧力室15は径方向の膨張
が抑えられ、軸方向に伸長する。これにより、湾曲部1
06は、膨張した圧力室15とは反対の方向に湾曲する
ようになっている。なお、圧力室15へ供給する流体の
圧力によって、湾曲部106の湾曲量は制御可能であ
る。さらに、複数の圧力室15の圧力バランスによっ
て、図48に示すように全方位どの方向でも湾曲部10
6を湾曲させることができる。
【0292】また、本実施の形態の内視鏡本体102の
挿入部104は全長が10m以上ある。そして、本実施
の形態の内視鏡本体102の使用時には検査対象に応じ
て必要な長さだけ挿入部104をキャリングケース10
3から引き出して使用する。
【0293】さらに、検査対象の管腔内に内視鏡本体1
02の挿入部104を挿入する作業中、内視鏡本体10
2の先端構成部107の撮像機能部108によって検査
対象の管腔内の内視鏡検査像が得られる。そのため、操
作者は湾曲操作装置のモニタで内視鏡検査像を見なが
ら、ジョイスティックで所望の方向に湾曲指令を出す。
このとき、内視鏡本体102の湾曲部106の作用は第
8の実施の形態と同様であり、上述したように全方向に
任意の湾曲が可能である。
【0294】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態のマルチルーメン
チューブ261では4つの湾曲方向にそれぞれ対応させ
た4つの圧力室15を形成する4つのルーメン261b
〜261eの断面形状を図50(A)に示すように偏平
なスリット形状に形成し、各ルーメン261b〜261
eのスリットの両端部に応力緩和のための丸み部269
を形成している。そのため、実用上、充分な耐久性が選
られるマルチルーメンチューブ261の肉厚を確保しつ
つ、このマルチルーメンチューブ261の外径寸法を目
的のサイズまで細径化することができる。
【0295】一般に、工業用内視鏡システムでは、内視
鏡挿入部105の外径寸法は細いことが望まれる。具体
的には内視鏡挿入部105の外径寸法を6mm程度に設
定した場合には、適用できる被検査対象が多くなる。そ
のため、湾曲部106に使用するマルチルーメンチュー
ブ261も外径寸法を4〜5mm程度の設定値で実現す
る必要がある。そして、本実施の形態のマルチルーメン
チューブ261では上述したように実用上、充分な耐久
性が選られるマルチルーメンチューブ261の肉厚を確
保しつつ、このマルチルーメンチューブ261の外径寸
法を目的のサイズまで細径化することができる。
【0296】これに対して、図50(B)に示す従来の
マルチルーメンチューブMでは中央ルーメンMaの周囲
の管壁の4つのルーメンMb,Mc,Md,Meは断面
形状が略楕円形の貫通孔で形成されている。このような
略楕円形の断面形状の従来のルーメンMb,Mc,M
d,Meの圧力室形状が形成されているマルチルーメン
チューブMの外径寸法を前述の設定値で実現した場合に
は、必然的にマルチルーメンチューブMの肉厚を薄くせ
ざるを得ない。その結果、従来のマルチルーメンチュー
ブMでは膨張収縮を繰り返すマルチルーメンチューブの
耐久性を実用に充分なほど確保できない問題がある。
【0297】したがって、本実施の形態のマルチルーメ
ンチューブ261のように4つの湾曲方向の各圧力室1
5を形成する4つのルーメン261b〜261eの断面
形状を図50(A)に示すように偏平なスリット形状に
形成し、各ルーメン261b〜261eのスリットの両
端部に応力緩和のための丸み部269を形成することに
より、マルチルーメンチューブ261の細径化を実現す
ることができ、細いタイプの内視鏡の実現に有効である
効果がある。
【0298】また、図51および図52は本発明の第1
4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1
3の実施の形態(図48乃至図50(A)参照)の内視
鏡装置101における内視鏡本体102の湾曲部106
の構成をさらに次の通り変更したものである。
【0299】すなわち、本実施の形態のマルチルーメン
チューブ261の全長は湾曲部106の長さの数倍程度
に設定されている。そして、マルチルーメンチューブ2
61は先端部分のみが湾曲部106の内部に配置され、
残りの部分は可撓管部105内に挿入されている。ここ
で、可撓管部105を構成する挿入管は被伸展構造にな
っている。
【0300】また、このマルチルーメンチューブ261
の基端側では流体圧アクチュエータ109の各圧力室1
5に流体供給用のチューブ268がそれぞれ接続されて
いる。そして、各圧力室15から流体が漏れないように
封止されている。
【0301】また、湾曲部106の湾曲操作時には流体
供給用のチューブ268から本実施の形態の流体圧アク
チュエータ109の湾曲方向の圧力室15に圧力流体が
供給される。この場合、圧力室15はマルチルーメンチ
ューブ261の全長に渡って膨張しようとするが、可撓
管部105内に配置されている部分は被伸展構造である
可撓管部105の挿入管に抑えられて、膨張しない。従
って、マルチルーメンチューブ261内の圧力室15の
全長のうち、実際に膨張する部分は、このマルチルーメ
ンチューブ261の先端側の湾曲部106の部分のみと
なる。
【0302】また、本実施の形態の湾曲部106の構造
ではマルチルーメンチューブ261の膨張により湾曲さ
せているため、マルチルーメンチューブ261の肉厚を
充分確保していても、チューブ材質の経年劣化や、不測
の要因により圧力室15がパンクすることがあり得る。
そして、本実施の形態の湾曲部106の構成によれば、
圧力室15がパンクした際にも、煩雑な分解作業を行な
うことなしに、湾曲部106のマルチルーメンチューブ
261の交換が可能になっている。
【0303】次に、湾曲部106のマルチルーメンチュ
ーブ261の交換の手順を図51および図52を参照し
て説明する。すなわち、この湾曲部106のマルチルー
メンチューブ261の交換作業時には次の(1)〜
(7)の各工程が順次、行われる。
【0304】(1)内視鏡本体102の先端構成部10
7と、湾曲部106との接続を解除し、図51に示すよ
うに先端構成部107をCCD信号線や、ライトガイド
ファイバなどの内蔵物267と共に湾曲部106から軸
方向にずらして引き離す。
【0305】(2)湾曲部106の外側密巻コイル26
2、ゴムチューブ263、網管264を順次積層させた
積層構造体265をマルチルーメンチューブ261から
軸方向にずらして引き離すとともに、内側密巻コイル2
66も同様にマルチルーメンチューブ261から軸方向
にずらして引き離す。
【0306】(3)剥ぎ出しになったマルチルーメンチ
ューブ261のパンク部分271を含む先端部分272
を切断する。このとき、CCD信号線や、ライトガイド
ファイバなどの内蔵物267を傷つけないように切断す
る。その後、図51に示すように切断されたマルチルー
メンチューブ261のパンク部分271を含む先端部分
272の一部を切開し、この先端部分272をCCD信
号線や、ライトガイドファイバなどの内蔵物267から
取り外す。
【0307】(4)図52に示すように可撓管部105
の挿入管内からマルチルーメンチューブ261の残りの
部分を湾曲部106の長さに合わせて前方に引き出す。
【0308】(5)前方に引き出されたマルチルーメン
チューブ261の各圧力室15の先端側を封止する。
【0309】(6)外側密巻コイル262、ゴムチュー
ブ263、網管264を順次積層させた積層構造体26
5をマルチルーメンチューブ261に被せる。
【0310】(7)内視鏡本体102の先端構成部10
7と、湾曲部106とを接続する。
【0311】そこで、本実施の形態の湾曲部106の構
成では上記手順の湾曲部106のマルチルーメンチュー
ブ261の交換作業によって湾曲部106のマルチルー
メンチューブ261を交換することができる。そのた
め、CCD信号線や、ライトガイドファイバなどの内蔵
物267の接続を外す必要がないので、内視鏡本体10
2の湾曲部106の補修性が向上する効果がある。
【0312】また、図53(A)〜(C)は本発明の第
15の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第
13の実施の形態(図48乃至図50(A)参照)の内
視鏡装置101における内視鏡本体102の湾曲部10
6の構成をさらに次の通り変更したものである。
【0313】すなわち、本実施の形態では図53(A)
に示すように湾曲部106の全長と略同じ長さのマルチ
ルーメンチューブ261が複数個、本実施の形態では3
つのマルチルーメンチューブ261A,261B,26
1Cが設けられている。そして、1つのマルチルーメン
チューブ261Aは湾曲部106に配設され、残りのマ
ルチルーメンチューブ261B,261Cは可撓管部1
05を構成する挿入管内に予備として直列に収納されて
いる。
【0314】また、湾曲部106に配置されるマルチル
ーメンチューブ261Aには、4つの湾曲方向の各圧力
室15の後端側に流体供給用のチューブ268が接続さ
れている。さらに、各圧力室15の前後は封止されてい
る。
【0315】なお、湾曲部106のマルチルーメンチュ
ーブ261Aの外側に被嵌される外側密巻コイル26
2、ゴムチューブ263、網管264を順次積層させた
積層構造体265は第13の実施の形態と同じである。
さらに、CCD信号線や、ライトガイドファイバなどの
内蔵物267は予備のマルチルーメンチューブ261
B,261Cの中央ルーメン261aの内部に挿通さ
れ、流体供給用のチューブ268は中央ルーメン261
aの周囲の4つのルーメン261b,261c,261
d,261eにそれぞれ挿通されている。
【0316】次に、本実施の形態の湾曲部106の構造
でのマルチルーメンチューブ261の交換の手順を図5
3(B)、(C)を参照して説明する。すなわち、この
湾曲部106のマルチルーメンチューブ261の交換作
業時には次の(1)〜(7)の各工程が順次、行われ
る。
【0317】(1)内視鏡本体102の先端構成部10
7と、湾曲部106との接続を解除し、図53(B)に
示すように先端構成部107をCCD信号線や、ライト
ガイドファイバなどの内蔵物267と共に湾曲部106
から軸方向にずらして引き離す。
【0318】(2)湾曲部106の外側密巻コイル26
2、ゴムチューブ263、網管264を順次積層させた
積層構造体265をマルチルーメンチューブ261Aか
ら軸方向にずらして引き離すとともに、内側密巻コイル
266も同様にマルチルーメンチューブ261Aから軸
方向にずらして引き離す。
【0319】(3)剥ぎ出しになったマルチルーメンチ
ューブ261Aの一部を切開し、CCD信号線や、ライ
トガイドファイバなどの内蔵物267から取り外す。さ
らに、マルチルーメンチューブ261Aの各圧力室15
の後端側に連結された流体供給用のチューブ268を切
断する。
【0320】(4)図53(C)に示すように可撓管部
105の挿入管内からマルチルーメンチューブ261B
を前方に引き出す。
【0321】(5)マルチルーメンチューブ261Bの
各圧力室15の先端側を封止する。また、このマルチル
ーメンチューブ261Bの各圧力室15の後端側にチュ
ーブ268を接続して封止する。
【0322】(6)外側密巻コイル262、ゴムチュー
ブ263、網管264を順次積層させた積層構造体26
5をマルチルーメンチューブ261Bに被せるととも
に、内側密巻コイル266を嵌める。
【0323】(7)内視鏡本体102の先端構成部10
7と、湾曲部106とを接続する。
【0324】そこで、本実施の形態の湾曲部106の構
成では上記手順の湾曲部106のマルチルーメンチュー
ブ261Aの交換作業によって湾曲部106のマルチル
ーメンチューブ261Aを交換することができる。その
ため、CCD信号線や、ライトガイドファイバなどの内
蔵物267の接続を外す必要がないので、内視鏡本体1
02の湾曲部106の補修性が向上する効果がある。
【0325】また、図54および図55は本発明の第1
6の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1
3の実施の形態(図48乃至図50(A)参照)の内視
鏡装置101における内視鏡本体102の湾曲部106
の構成をさらに次の通り変更したものである。
【0326】すなわち、本実施の形態はマルチルーメン
チューブ261の中央ルーメン261a内に挿通されて
いるCCD信号線や、ライトガイドファイバなどの内蔵
物267を保護する緩衝部材281を設けたものであ
る。この緩衝部材281は図54に示すようにウレタン
や、シリコン材料などの衝撃吸収性の高い材料でマルチ
ルーメン状に形成されている。さらに、この緩衝部材2
81の各ルーメン282には切れ目281が形成されて
いる。
【0327】そして、この緩衝部材281の切れ目28
1からCCD信号線や、ライトガイドファイバなどの内
蔵物267を各ルーメン282に嵌め込むことができ
る。その後、この緩衝部材281がマルチルーメンチュ
ーブ261の中央ルーメン261a内に収納されるよう
になっている。
【0328】そこで、本実施の形態では緩衝部材281
を内側密巻コイル266の代わりに用いることができる
ので、湾曲部106に予期せぬ大きな外力がかかって、
湾曲部106が潰れた時でもマルチルーメンチューブ2
61の中央ルーメン261a内に収納されているCCD
信号線や、ライトガイドファイバなどの内蔵物267の
保護が可能である。
【0329】また、第14,第15の各実施の形態で示
したマルチルーメンチューブ261の交換手順にも影響
を与えないので、湾曲部106のマルチルーメンチュー
ブ261の交換作業は簡易である。
【0330】また、図56は第16の実施の形態(図5
4および図55参照)の湾曲部106の構造の変形例を
示す。本変形例では内視鏡本体102の先端構成部10
7と、湾曲部106の前端部との間が前側口金291を
介して接続されるとともに、湾曲部106の後端部と、
可撓管部105を構成する挿入管の前端部との間が後ろ
側口金292を介して接続されている。
【0331】さらに、湾曲部106の積層構造体265
のゴムチューブ263は両口金291,292を完全に
覆うように先端構成部107と、可撓管部105とにそ
れぞれ固定されて、内視鏡本体102の水密を保ってい
る。なお、図56中では積層構造体265の外側密巻コ
イル262と、網管264は省略されている。また、後
ろ側の口金292にはゴムチューブ263の内側に開口
する孔293が設けられている。
【0332】そして、本変形例では湾曲部106を水に
浸積した状態で、内視鏡本体102の内部に手元側から
空気を送り込むことにより、後ろ側の口金292の孔2
93を通じてゴムチューブ263の内部に空気が回り込
むので、ゴムチューブ263にピンホールが存在する場
合は、湾曲部106の表面より気泡が発生する。そのた
め、この湾曲部106の表面からの気泡の発生を確認す
ることにより、ゴムチューブ263にピンホールが生じ
た状態の検査を行なえる。
【0333】また、図57は第8の実施の形態(図25
(A),(B)乃至図27参照)の内視鏡装置101に
おけるドラム120の内部構成を次の通り変更したもの
である。
【0334】すなわち、本変形例ではドラム120の内
部に配置された流体圧装置(第8の実施の形態ではボン
ベ112とバルブユニット114、第9の実施の形態
(図30参照)ではシリンジユニット151のシリンジ
ポンプ)と、マルチルーメンチューブの圧力室15に連
結された流体供給チューブ110との間に長さ調整用チ
ューブ301を介設したものである。この長さ調整用チ
ューブ301は使用目的に応じて各種の長さのものが適
宜、交換可能である。
【0335】なお、工業用内視鏡では通常、内視鏡本体
102の挿入部104の全長が10m以上であり、例え
ば10m,15m,20mといくつかの長さの機種があ
る。そして、湾曲部106の流体圧アクチュエータ10
9の各圧力室15への圧力伝達に使用される湾曲駆動流
体として気体を使用している場合には流体供給チューブ
110の長さが変わると、伝達の時間遅れがそれぞれ異
なる。例えば、図20で説明した補正回路の設定は、流
体供給チューブ110の長さが変わると異なる値にしな
ければならない。
【0336】そこで、本変形例の構成では、内視鏡本体
102の挿入部104の全長が最も長い内視鏡の機種に
合わせて補正回路を設定しておくことにより、短い長さ
の内視鏡の機種を接続して使用する場合には、最長の内
視鏡の機種との長さの差分の長さ調整用チューブ301
に交換して使用する。その結果、補正回路の設定を変え
なくても、常に最長の内視鏡の機種と同じ操作性を得る
ことができる。
【0337】さらに、本変形例の長さ調整用チューブ3
01はコイル状に成形しておくことで、ドラム120内
にもコンパクトに収納できる。
【0338】また、図58は第8の実施の形態(図25
(A),(B)乃至図27参照)の内視鏡装置101に
おけるドラム120の内部構成の変形例を示すものであ
る。すなわち、本変形例では、ドラム120に内蔵され
るボンベ112内に充填されるガスとして窒素ガスを使
用した窒素ガスボンベ112が使用されている。さら
に、この窒素ガスボンベ112の周囲にはヒータ311
が巻き付けられている。このヒータ311は制御回路1
16内のヒータ駆動回路312に接続されている。そし
て、ヒータ311の温度は制御回路116内のヒータ駆
動回路312によって制御される。
【0339】また、圧力調整器であるレギュレータ11
3は圧力センサを内蔵しているものを使用し、圧力値を
常時、ヒータ駆動回路312にフィードバックされてい
る。そして、制御回路116内のヒータ駆動回路312
によってレギュレータ113の設定圧力を下回らないよ
うにヒータ311の温度をコントロールするようになっ
ている。
【0340】なお、ドラム120に内蔵されるボンベ1
12内に充填されるガスとして窒素ガスを使用した窒素
ガスボンベ112では通常、窒素ガスはボンベ112内
で液体窒素として存在する。このような窒素ガスボンベ
112を使用すると、ボンベ112の吐出口部で液体窒
素が気化する際に気化熱が奪われる為、ボンベ112の
温度が低下する。このようにボンベ112の温度が下が
ると窒素の気化量が減少する為、窒素ガスの圧力が低下
する。そのため、湾曲操作に必要な圧力が得られないお
それがある。
【0341】そこで、本変形例では制御回路116内の
ヒータ駆動回路312によってレギュレータ113の設
定圧力を下回らないようにヒータ311の温度をコント
ロールするようにしたので、使用時にボンベ112の圧
力が低下して、湾曲性能が劣化することを防げる。ま
た、ボンベ112の使用時間を延ばせる効果がある。
【0342】なお、ヒータ311を使用せず、ボンベ1
12を断熱材で覆っても一定の効果を発揮する。
【0343】また、図59(A),(B)は本発明の第
17の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第
10の実施の形態(図31および図32(A),(B)
参照)の内視鏡装置101における空気圧源のシリンジ
ユニット151の構成をさらに次の通り変更したもので
ある。
【0344】すなわち、内視鏡装置101における空気
圧源として図59(A)に示すように2組のシリンジユ
ニット321が設けられている。そして、本実施の形態
のシリンジユニット321には図59(B)に示すよう
にユニットケース328の左右に連結された2つのシリ
ンダ322a,322bと、ピストンユニット323と
が設けられている。ここで、ピストンユニット323に
は螺旋状にネジ溝を切ってある雄ねじ部325の両端に
ゴム部材326a,326bが取り付けられている。そ
して、雄ねじ部325の先端のゴム部材326a,32
6bが各シリンダ322a,322bの中を動くことで
各シリンダ322a,322bの中の空気を送り出すピ
ストンが形成される構成になっている。
【0345】また、ユニットケース328の内部にはナ
ット状の回転部材327がベアリング329を介して回
転自在に軸支されている。この回転部材327の内周面
にはピストンユニット323の雄ねじ部325に螺合す
るねじ穴部が形成されている。そして、回転部材327
の回転にともない雄ねじ部325が軸方向にリニアに進
退駆動されるボールねじ機構330が形成されている。
さらに、回転部材327の一端部には歯車331が固定
されて一体化されている。
【0346】また、ユニットケース328には駆動モー
タ332が固定されている。この駆動モータ332の回
転軸には減速ギア333を介して駆動歯車334が連結
されている。この駆動歯車334には回転部材327の
歯車331が噛合されている。そして、モータ332の
回転が減速ギア333を介して駆動歯車334に伝達さ
れ、この駆動歯車334によって回転部材327の歯車
331が回転駆動される。このとき、歯車331と一体
に回転部材327が回転駆動され、この回転部材327
の回転にともない雄ねじ部325が軸方向にリニアに進
退駆動される。これにより、雄ねじ部325の先端のゴ
ム部材326a,326bが各シリンダ322a,32
2bの中を動くことで各シリンダ322a,322bの
中の空気を送り出すようになっている。
【0347】また、各シリンダ322a,322bには
各シリンダ322a,322b内を大気に開放する開放
穴335が設けられている。そして、向き合う2つのシ
リンダ322a,322b間の中央位置にピストンユニ
ット323の雄ねじ部325が移動した中立状態で、こ
の開放穴335を通じて各シリンダ322a,322b
の内部が大気に開放されるようになっている。
【0348】さらに、本実施の形態の2組のシリンジユ
ニット321は図59(A)に示すように接続されてい
る。ここで、1組のシリンジユニット321の一方のシ
リンダ322aの吐出口336aにはDOWN方向の流
体供給チューブ337bが接続され、他方のシリンダ3
22bの吐出口336bにはUP方向の流体供給チュー
ブ337aが接続されている。また、他の1組のシリン
ジユニット321にはRIGHT方向の流体供給チュー
ブ337cと、LEFT方向の流体供給チューブ337
dがそれぞれ同様に接続されている。
【0349】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態では、モータ332を駆動して、シリンジ
ユニット321のシリンダ322a,322b内で例え
ばピストンユニット323の雄ねじ部325を図59
(B)中で右方向に移動させると右側のシリンダ322
b内の空気が流体供給チューブ337aに送られる。こ
のとき、DOWN方向の左側のシリンダ322a内は開
放穴335から大気に開放されるので、湾曲部106は
UP方向に湾曲される。
【0350】そこで、上記構成のものにあっては内視鏡
装置101における空気圧源として図59(A)に示す
2組のシリンジユニット321を設け、一方のシリンジ
ユニット321にDOWN方向の流体供給チューブ33
7bと、UP方向の流体供給チューブ337aとをそれ
ぞれ接続させ、他方のシリンジユニット321にはRI
GHT方向の流体供給チューブ337cと、LEFT方
向の流体供給チューブ337dとをそれぞれ同様に接続
させたので、コンパクトでシンプルな構成で空気圧源を
実現できる効果がある。
【0351】なお、第17の実施の形態のシリンジユニ
ット321におけるシリンダ322a,322bのそれ
ぞれの開放穴335に電磁弁を接続し、この電磁弁にボ
ンベを接続した構成にしてもよい。
【0352】そして、本変形例ではモータ332を駆動
する前に電磁弁を操作してボンベからの空気を湾曲方向
のシリンダ322aまたは322bの中に空気を送り、
補助予圧をかけた後に、ピストンユニット323を駆動
して、湾曲部106を湾曲動作させるようになってい
る。そのため、本変形例では湾曲部106を湾曲動作さ
せる際の湾曲動作の応答性向上を図れる効果がある。
【0353】また、図60は本発明の第18の実施の形
態を示すものである。本実施の形態は第17の実施の形
態(図59(A),(B)参照)のシリンジユニット3
21の構成をさらに次の通り変更したものである。
【0354】すなわち、第18の実施の形態の駆動モー
タ332に代えて本実施の形態のシリンジユニット32
1では遊星ギア付きの小型モータ351を設けたもので
ある。そして、このモータ351側の駆動歯車352が
回転部材327の歯車331に噛合されている。なお、
他の部分は第18の実施の形態と同様である。
【0355】そこで、本実施の形態では第18の実施の
形態よりも一層の小型化を図れる効果がある。
【0356】また、図61および図62は本発明の第1
9の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1
の実施の形態(図1乃至図12参照)の内視鏡装置1に
おける湾曲部10の構成をさらに次の通り変更したもの
である。
【0357】すなわち、第1の実施の形態の湾曲部10
の外側密着コイル24の代わりに本実施の形態では図6
1に示すように複数のリング部材361をマルチルーメ
ンチューブ13の外側に配置したものである。この場
合、例えば湾曲部10の先端側ほど前後のリング部材3
61間の間隔Lを広くする。
【0358】そして、本実施の形態では湾曲部10の湾
曲動作を行うと、図62中に実線で示すように湾曲部1
0の先端側が大きく湾曲し、根元が小さく湾曲する。つ
まり湾曲部10の先端側の曲がりが大きくなる効果があ
る。そのため、図62に示すように細い管内に内視鏡本
体2の挿入部8を挿入した際に、湾曲部10の長さが同
じ場合、図62中に点線で示す通常の一般的な構成の湾
曲部10の湾曲形状に比べて本実施の形態では湾曲部1
0の先端側を大きく曲げることができる。したがって、
本実施の形態の内視鏡本体2の湾曲部10の湾曲時には
図62に示すように細い管の内周壁面に対して、先端構
成部11を正面から対面させる(対向配置させる)こと
ができるので、細い管の内周壁面を斜めから観察する場
合に比べて高精度に管壁を検査できる効果がある。
【0359】なお、図62中に点線で示す通常の一般的
な構成の湾曲部10では細い管内の管壁を正面から検査
するためには、湾曲部10の長さを短くする必要があ
る。このように、湾曲部10の長さが短い場合には湾曲
部10を大きく湾曲させることが難しくなり、湾曲部1
0の制御が難しくなる問題がある。そして、本実施の形
態ではこれに比べて細い管の内周壁面を高精度に管壁を
検査できる効果がある。
【0360】また、図63に示す本実施の形態の変形例
のように前後のリング部材361の間に柔軟なゴム等で
できているリング部材362を設けてリング部材361
が移動しない構成にしてもよい。
【0361】なお、リング部材362を設けない場合
は、リング部材361をマルチルーメンチューブ13の
外側に接着等で固定してもよい。
【0362】さらに、他の湾曲部10の構成として、図
64に示す変形例のように湾曲部10の外側から複数個
のリング部材371を装着して、リング部材371の位
置を自由に変える構成にしてもよい。ここで、例えば図
61の場合と同じように湾曲部10の先端側ほど前後の
リング部材371間の間隔Lを広く配置することによ
り、同様の効果が得られる。
【0363】また、図64のリング部材371の代わり
に図65に示すように平板コイル372を湾曲部10の
外側に設け、湾曲部10の先端側ほど前後のコイルリン
グ間の間隔を広くしてもよい。
【0364】さらに、他の湾曲部10の構成として、第
1の実施の形態の外皮チューブ22の代わりに図66
(A),(B)に示す変形例の外皮チューブ381を設
けてもよい。この外皮チューブ381には湾曲部10の
先端側に配置される薄肉部381aと、湾曲部10の後
端側に配置される厚肉部381bとが設けられている。
【0365】さらに、図66(C),(D)に示す別の
変形例では長さが短い第1のチューブ382と、この第
1のチューブ382よりも長い第2のチューブ383と
を組み合わせて1つの外皮チューブ384を形成する構
成になっている。ここで、湾曲部10の後端側に第1の
チューブ382と第2のチューブ383とを重ね合わせ
た重ね合わせ部が配置され、湾曲部10の先端側には第
2のチューブ383の先端部のみを延出させた単管部が
配置されている。
【0366】したがって、図66(A),(B)の外皮
チューブ381や、図66(C),(D)の外皮チュー
ブ384でも第19の実施の形態(図61および図62
参照)と同様の効果が得られる。
【0367】また、図67および図68は本発明の第2
0の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1
の実施の形態(図1乃至図12参照)の内視鏡装置1に
おけるドラム12の構成をさらに次の通り変更したもの
である。
【0368】すなわち、本実施の形態ではドラム12の
支持脚部391に回転自在に支持されているドラム12
の中央部にロータリージョイント部394を設けて、ド
ラム12が回転するときに、ロータリージョイント部3
94が回転して、流体供給チューブ17がからまない構
成としている。
【0369】ここで、ドラム12の回転軸にはパイプ状
の固定軸393が設けられている。この固定軸393の
一端部側にはエルボ状のロータリージョイント部394
が回転可能に接続されている。
【0370】また、この固定軸393の他端部側には継
ぎ手395が接続されている。この継ぎ手395には流
体供給チューブ17が連結されている。さらに、継ぎ手
395は電磁弁ユニット30に接続され、ロータリージ
ョイント394には空気圧源のボンベ34がレギュレー
タ41を介して接続されている。
【0371】また、その他の電気信号線はスリップリン
グで接続してもよく、また照明を白色LEDによる先端
照明としてこれもスリップリングで接続してもよい。
【0372】そして、本実施の形態では内視鏡本体2の
挿入部8をドラム12から引き出す際に、ドラム12が
回転するときにいっしょにロータリージョイント394
も回転して、流体供給チューブ17の絡まりがない。他
の信号線もスリップリングを使って配線すれば全てのケ
ーブルの絡まりがなくなる。
【0373】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態では内視鏡本体2
の挿入部8を引き出すときに空気を送る流体供給チュー
ブ17をドラム12に巻き付けたり、螺旋状にする必要
がなく、構成が簡単で、スペースが少なくてもよい。そ
の結果、小型化できる効果がある。
【0374】また、図69乃至図71は本発明の第21
の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の
実施の形態(図1乃至図12参照)の内視鏡装置1の構
成をさらに次の通り変更したものである。
【0375】すなわち、本実施の形態では図69に示す
ようにドラム12の内部にCCU3と、光源装置4と、
湾曲動作を行うコントローラ31と、電磁弁ユニット3
0とを収納させた構成とする。
【0376】さらに、図70(A)に示すようにキャリ
ングケース7の中に直接収納される部品はモニタ6と、
ジョイスティック37のみである。ここで、ジョイステ
ィック37は引き出して使い、モニタ6は図70(B)
に示すように立てかけて使う。
【0377】また、図71に示すように1つの電源5に
CCU3と、光源装置4と、コントローラ31のCPU
31bと、電磁弁ユニット30とを接続し、これらの各
装置の動作に使う電源を共通とする。
【0378】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態ではドラム12の
中にCCU3と、光源装置4と、湾曲動作を行うコント
ローラ31と、電磁弁ユニット30等を収納したので、
ドラム12の外の配線を少なくすることができる。その
ため、ドラム12の外の配線を簡素化することができる
効果がある。さらに、内視鏡本体2の挿入部8を引き出
すときの信号線がドラム12に絡まる心配がない。
【0379】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではない。例えば、第1の実施の形態において、
電磁弁を比例制御弁(圧力制御弁)としてもよい。この
場合、流体圧アクチュエータ19の4方向の湾曲操作用
の各圧力室に対してそれぞれ1つの比例制御弁を設け、
合計4つの比例制御弁が設けられている。
【0380】そして、本変形例では比例制御弁を制御す
ることでボンベ34からの流体の圧力を制御する。例え
ば、ジョイスティック37を傾けた時、その傾きに対応
した圧力の指示が入力され、比例制御弁により、その圧
力になるように流体を制御する。さらに、指示した圧力
に達すると流体を送るのを止めて圧力室15の圧力を保
ち、湾曲部10の湾曲を保持する。
【0381】また、ジョイスティック37を戻すと圧力
を下げて、湾曲部10の湾曲を戻し、ジョイスティック
37を止めるとその位置で湾曲部10の湾曲を止める。
【0382】そこで、上記構成の本変形例にあっては、
比例制御弁を制御することでボンベ34からの流体の圧
力を制御することができるため、湾曲の指示に対して湾
曲部10の湾曲方向と湾曲量のコントロールが正確にな
る効果がある。
【0383】さらに、その他、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で種々変形実施できることは勿論である。次に、
本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。 記 (付記項1) 流体圧によって湾曲する内視鏡におい
て、上記内視鏡の先端に設けられた撮像手段と、上記撮
像手段の後方に設けられ、中央に内蔵物を配する孔と、
前記孔の周辺に設けた複数の圧力室を有する多孔チュー
ブからなる流体圧アクチュエータと、上記流体圧アクチ
ュエータから構成され、流体圧アクチュエータによって
湾曲する湾曲部と、上記湾曲部に接続され、基端側に延
伸している湾曲部と略同外径の挿入部と、上記挿入部の
基端部が接続されている円筒状のドラムと、上記ドラム
内部に収納され、上記流体圧アクチュエータに流体を供
給する流体圧供給源と、上記挿入部内に配設され、上記
流体圧アクチュエータの圧力室と流体供給源とを接続す
る流体供給用チューブと、上記挿入部およびドラムを一
体に収納する筺体と、上記筺体内部あるいはドラム内部
に収納され、上記流体圧供給源を制御する流体供給量制
御装置と、上記筺体内部に収納可能で、上記流体供給量
制御装置の制御量を操作する操作部とからなることを特
徴とする内視鏡。
【0384】(付記項2) 付記項1からなる内視鏡に
おいて、上記流体圧供給源は、圧縮流体あるいは液化ガ
スを充填したボンベと、上記ボンベから供給される流体
流量を調節する少なくとも上記流体圧アクチュエータの
圧力室数と同数の流体用バルブと、からなることを特徴
とする付記項1に記載された内視鏡。
【0385】(付記項3) 付記項2からなる内視鏡に
おいて、上記流体用バルブと上記流体圧アクチュエータ
の間にあり、なおかつ上記流体供給用チューブに接続さ
れ、流体圧アクチュエータへの流体流量を検出する流量
検出手段を設け、上記流体圧アクチュエータの流体排出
時に、上記流量検出手段からの信号によって、流体圧ア
クチュエータへの流体供給量から同流体排出量を差し引
いた値が設定された湾曲開始流量を下回った時に、流体
の排出を停止するように上記流体用バルブを制御する制
御手段と、を設けたことを特徴とする。
【0386】(付記項4) 付記項2からなる内視鏡に
おいて、上記流体用バルブと上記流体圧アクチュエータ
の間にあり、なおかつ上記流体供給用チューブに接続さ
れ、流体供給用チューブ内の圧力を検出する圧力検出手
段を設け、上記流体圧アクチュエータの流体排出時に、
上記圧力検出手段からの信号によって、流体供給用チュ
ーブ内の圧力が設定された湾曲開始圧力を下回った時
に、流体の排出を停止するように上記流体用バルブを制
御する制御手段と、を設けたことを特徴とする内視鏡。
【0387】(付記項5) 付記項2からなる内視鏡に
おいて、上記流体用バルブと上記流体圧アクチュエータ
の間にあり、なおかつ上記流体供給用チューブに接続さ
れ、流体圧アクチュエータへの流体流量を検出する流量
検出手段を設け、上記流体圧アクチュエータへの流体供
給時に、上記流量検出手段からの信号によって、流体圧
アクチュエータへの流体供給量が設定された許容大流量
を上回った時に、流体の供給を停止するように上記流体
用バルブを制御する制御手段と、を設けたことを特徴と
する内視鏡。
【0388】(付記項6) 付記項2からなる内視鏡に
おいて、上記流体用バルブと上記流体圧アクチュエータ
の間にあり、なおかつ上記流体供給用チューブに接続さ
れ、流体供給用チューブ内の圧力を検出する圧力検出手
段を設け、上記流体圧アクチュエータへの液体供給時
に、上記圧力検出手段からの信号によって、流体供給用
チューブ内の圧力が設定された許容最大圧力を上回った
時に、流体の供給を停止するように上記流体用バルブを
制御する制御手段と、を設けたことを特徴とする内視
鏡。
【0389】(付記項7) 複数の圧力室を形成した湾
曲チューブを用いた流体圧アクチュエータによって湾曲
する内視鏡において、上記流体圧アクチュエータの圧力
室に供給する流体圧供給源と、上記流体圧供給源の流体
の上記圧力室への供給量を制御する流体制御手段と、上
記流体制御手段は、任意の圧力における前記圧力室への
流体の供給および排出のいずれも停止する制御手段と、
からなることを特徴とする内視鏡。
【0390】(付記項8) 複数の圧力室を形成した湾
曲チューブを用いた流体圧アクチュエータによって湾曲
する内視鏡において、湾曲操作を入力する操作手段と、
操作手段からの操作信号と流体圧アクチュエータの湾曲
部の湾曲動作との時間差を補正する信号補正手段を設け
たことを特徴とする内視鏡。
【0391】(付記項9) 付記項8からなる内視鏡に
おいて、流体圧源は小型のガスボンベであり、流体制御
手段は電磁弁とその制御回路であり、全体として圧力室
に対して作動流体の供給・排気を行なうとともに、該信
号補正手段は、湾曲操作入力手段の出力信号から湾曲速
度指令を検出する手段と、検出した湾曲速度指令に応じ
て、電磁弁の排気タイミングを可変にする手段よりなる
内視鏡。
【0392】(付記項10) 付記項7からなる内視鏡
において、前記流体圧供給源は圧縮空気を供給するボン
ベからなり、前記ボンベの流体を前記圧力室に供給、停
止を行い、前記圧力室の流体を外部に排出する少なくと
も1つの電磁弁で構成される電磁弁ユニットと、前記電
磁弁ユニットを経由して前記圧力室へ前記ボンベの流体
を供給および停止を行うとともに、前記圧力室の流体を
密閉および排出を行う駆動回路と、前記駆動回路に対し
て、湾曲指示を行う操作手段と、からなる内視鏡。
【0393】(付記項11) 付記項2からなる内視鏡
において、前記小型ボンベには加熱手段を外装してお
り、加熱手段には温度制御手段を有している内視鏡。
【0394】(付記項12) 付記項10からなる内視
鏡において、上記電磁弁ユニットは、前記ボンベ側に設
けた流体を供給および停止を行う第1の電磁弁と、前記
第1の電磁弁経由で前記圧力室へ前記ボンベの流体を供
給および排出制御する第2の電磁弁と、からなる内視
鏡。
【0395】(付記項13) 付記項12からなる内視
鏡において、前記操作手段は、ジョイスティックからな
り、前記ジョィスティックの操作レバーの操作量と操作
スピードに応じて、前記第1の電磁弁と前記第2の電磁
弁のON時間を変化させる流体制御手段と、からなる内
視鏡。
【0396】(付記項14) 付記項12からなる内視
鏡において、前記操作手段は、ジョイスティックからな
り、前記ジョィスティックの操作レバーの操作量に応じ
て、前記第1の電磁弁と前記第2の電磁弁のON時間を
変化させる流体制御手段と、からなる内視鏡。
【0397】(付記項15) 付記項12からなる内視
鏡において、前記第1の電磁弁および第2の電磁弁は、
同様な3ポート弁であり、流体を流すための第1のポー
ト、第2のポート、第3のポートを有し、電源ONのと
き第1のポートと第2のポートが通じ、第3のポートは
閉じ、電源OFFのとき第2のポートと第3のポートが
通じ、第1のポートは閉じ、第1の電磁弁の第1のポー
トに前記ボンベを接続し、第1の電磁弁の第2のポート
と第2の電磁弁の第2のポートを接続し、第2の電磁弁
の第1のポートを前記圧力室に接続したことを特徴とす
る内視鏡。
【0398】(付記項16) 付記項12からなる内視
鏡において、前記電磁弁ユニットは、前記ボンベ側に設
けた流体を供給および停止を行う第1の電磁弁と、前記
第1の電磁弁経由で前記圧力室へ前記ボンベの流体を供
給および排出制御する第2の電磁弁と、前記第1の電磁
弁および前記第2の電磁弁経由で前記圧力室の流体を排
出制御する第3の電磁弁と、からなる内視鏡。
【0399】(付記項17) 付記項16からなる内視
鏡において、前記第1、第2、第3の電磁弁は、同様な
3ポート弁であり、流体を流すための第1のポート、第
2のポート、第3のポートを有し、電源ONのとき第1
のポートと前記第2のポートが通じ、前記第3のポート
は閉じ、電源OFFのとき前記第2のポートと前記第3
のポートが通じ、前記第1のポートは閉じ、前記第1の
電磁弁の前記第1のポートに前記ボンベを接続し、前記
第1の電磁弁の前記第2のポートと前記第2の電磁弁の
前記第2のポートを接続し、前記第2の電磁弁の前記第
1のポートを前記圧力室に接続し、前記第2の電磁弁の
前記第3のポートに前記第3の電磁弁の前記第1のポー
トを接続したことを特徴とする内視鏡。
【0400】(付記項18) 付記項12からなる内視
鏡において、前記電磁弁ユニットは前記圧力室へ前記ボ
ンベの流体を供給および停止を行うとともに、前記圧力
室の流体を密閉および排出を行う1つの電磁弁からなる
ことを特徴とする内視鏡。
【0401】(付記項19) 付記項18からなる内視
鏡において、前記圧力室が少なくとも2つあり、前記圧
力室に対して加圧するときの湾曲方向が互いに拮抗する
位置に設けた第1の圧力室と第2の圧力室を有する流体
圧アクチュエータであって、前記電磁弁は1つ設けるこ
とでお互いに拮抗する位置の2つの圧力室に対して、前
記ボンベの流体の供給、排出を行うように配管したこと
を特徴とする内視鏡。
【0402】(付記項20) 付記項19からなる内視
鏡において、前記電磁弁は、3位置の5ポート弁であ
り、2つのソレノイドとして第1のソレノイドと第2の
ソレノイドを有し、前記第1のソレノイドの電源ONの
とき前記第1と前記第2のポートが通じるとともに、前
記第3と前記第5のポートが通じ、前記第2のソレノイ
ドの電源ONのとき前記第1と前記第3のポートが通じ
るとともに、前記第2と前記第4のポートが通じ、電源
OFFのとき前記第2のポートと前記第3のポートが通
じ、前記第1のポートは閉じ、前記第1のソレノイドお
よび前記第2のソレノイドがともにOFFのとき前記ポ
ートのすべてが閉じ、前記第1のポートに前記ボンベを
接続し、前記第2および前記第3のポートに前記圧力室
のそれぞれを接続し、前記第4および前記第5のポート
を大気に開放したことを特徴とする内視鏡。
【0403】(付記項21) 付記項1からなる内視鏡
において、上記流体供給源は、流体を圧縮する少なくと
も一つのシリンジと、上記シリンジを前後に駆動するた
めの少なくとも一つのアクチュエータとからなることを
特徴とする付記項1に記載された内視鏡。
【0404】(付記項22) 付記項1からなる内視鏡
において、前記圧力室が少なくとも2つあり、前記圧力
室に対して加圧するときの湾曲方向が互いに拮抗する位
置に設けた第1の圧力室と第2の圧力室を有する流体圧
アクチュエータであって、前記第1および第2の圧力室
に接続されている流体を圧縮する第1のシリンジと第2
のシリンジと、前記第1および第2のシリンジ内を移動
する第1ピストンと第2のピストンと、前記第1および
第2のピストンのピストンの双方を駆動する1つのモー
タと、前記モータを駆動する制御回路と、からなる内視
鏡。
【0405】(付記項23) 付記項22からなる内視
鏡において、前記第1のシリンジと第2のシリンジは互
いに反対向き、かつ直線状に配置され、前記第1のピス
トンと前記第2のピストンとを連結部材で接続し、前記
連結部材を前記シリンジに対して摺動する前記モータ
と、からなる内視鏡。
【0406】(付記項24) 付記項21からなる内視
鏡において、前記制御回路は前記圧力室の圧力増減に対
するヒステリシスを打ち消すように前記モータを駆動す
る制御回路である内視鏡。
【0407】(付記項25) 付記項21からなる内視
鏡において、前記アクチュエータを駆動する前に前記シ
リンジ内に流体を供給する流体供給手段を設けたことを
特徴とする内視鏡。
【0408】(付記項26) 付記項25からなる内視
鏡において、前記流体供給手段は小型ガスボンベである
内視鏡。
【0409】(付記項27) 付記項21からなる内視
鏡において、前記アクチュエータにはシリンジポンプの
原点位置を検出する手段を設け、原点位置を検出すると
小型ガスボンベからシリンジ内に加圧流体が流入する弁
手段とを設けた内視鏡。
【0410】(付記項28) 付記項1からなる内視鏡
において、前記湾曲部を構成する流体圧アクチュエータ
と同様な構造の湾曲チューブを前記湾曲部の後方に複数
個直列に配置したことを特徴とする内視鏡。
【0411】(付記項29) 付記項28からなる内視
鏡において、前記湾曲チューブは前記湾曲部の長さより
数倍の長さを有する連続したチューブである内視鏡。
【0412】(付記項30) 付記項28からなる内視
鏡において、前記圧力室の断面形状は厚みの無いスリッ
トの両端部に略円形の穴を設けた形状である内視鏡。
【0413】(付記項31) 付記項1からなる内視鏡
において、上記撮像手段からの映像を表示するモニター
と、上記モニター表示面あるいはモニター近傍に設けら
れ、上記流体供給量制御装置の制御量を示す制御量表示
手段と、上記モニター表示上に設けられ、モニター表面
への押圧とその位置を表示するタッチパネルとが設けら
れ、上記タッチパネルからの押圧位置信号に応じて、上
記流体供給量制御装置の制御量が調整されることを特徴
とする内視鏡。
【0414】(付記項32) 付記項1からなる内視鏡
において、上記流体圧アクチュエータの圧力室と同数の
スイッチが設けられ、上記スイッチが押されることによ
って、対応する圧力室への流体供給を停止する制御手段
を設けたことを特徴とする内視鏡。
【0415】(付記項33) 付記項1からなる内視鏡
において、上記筺体あるいはドラムに設けられ、押圧す
ることによって一括して全ての流体供給チューブ内の圧
力を大気圧に開放する開放弁を設けたことを特徴とする
内視鏡。
【0416】(付記項34) 付記項1からなる内視鏡
において、上記挿入部上の少なくとも1ヶ所に設けら
れ、内設する上記流体供給用チューブと接続された流体
圧供給口と、上記流体圧供給口に着脱可能に接続される
流体圧供給コネクタと、上記流体圧供給コネクタと上記
流体圧供給源とを接続する流体供給補助チューブと、を
設けたことを特徴とする内視鏡。
【0417】(付記項35) 付記項34における内視
鏡において、上記流体圧供給コネクタを上記筺体に設け
たことを特徴とする内視鏡。
【0418】(付記項36) 付記項34からなる内視
鏡において、上記流体圧供給口を挿入部の略中間位置に
設けたことを特徴とする内視鏡。
【0419】(発明の属する技術分野) 本発明は管腔
内に挿入される長尺の挿入部の先端に空流体圧アクチュ
エータからなる湾曲部を備え、例えば工業的内視鏡や、
医療用にも適用可能な内視鏡に関する。
【0420】(付記項1〜 36の従来技術) 特開平
4−135570や特開平5−305053などに流体
圧アクチュエータを備えた構成のものが示されている。
この種の湾曲部では挿入部の先端部に弾性管状体が配設
され、この管状体の管壁には周方向に沿って複数の圧力
室が設けられている。そして、この複数の圧力室内を選
択的に加圧することで、加圧された方向と反対方向に湾
曲されるものになっている。
【0421】内視鏡のシステムとして、内視鏡本体、光
源、CCUがあり、これらをカートに収納したシステム
や小型のケースに収納して携帯性を考えたものが提案さ
れており、前記したように流体圧アクチュエータにおい
ても同様に携帯性を考慮したものがある。
【0422】(付記項1が解決しようとする課題) と
ころがこの構成では、携帯性を考慮しているものの流体
圧アクチュエータを湾曲動作するための空気圧源がケー
スの他にケースと同等程度のサイズのコンプレッサが必
要であり、携帯性が悪いという課題がある。
【0423】(付記項1の目的) この点に鑑み本発明
の目的とするところは、携帯性に優れた流体圧アクチュ
エータを用いた長尺な内視鏡を提供することにある。
【0424】(付記項7、8が解決しようとする課題)
また、流体圧アクチュエータによる湾曲機構を設けた
内視鏡において、コンプレッサからの空気を流体圧アク
チュエータに送り湾曲動作を行っているが、内視鏡が長
尺になるとコンプレッサからの空気が流体圧アクチュエ
ータに送られるまでに時間がかかり、湾曲動作にタイム
ラグが有り正確な動作を行えないという課題があった。
また、流体圧アクチュエータは、シリコン樹脂などの伸
展性のある湾曲部を圧縮性流体で湾曲駆動させるので、
湾曲チューブ特有の圧力の増減に対するヒステリシスが
存在するため、湾曲操作と湾曲動作を一致させることが
難しいという課題があった。
【0425】(付記項7、8の目的) この点に鑑み本
発明の目的とするところは、制御性に優れた長尺な内視
鏡を提供することにある。
【0426】(付記項1〜36が解決しようとする課
題) さらに流体圧アクチュエータによる湾曲機構を設
けた内視鏡において、流体圧アクチュエータはシリコン
等の弾性体によるものであり、不慮の事故(例えば湾曲
チューブの圧力室にパンクが生じた時)の場合、内視鏡
挿入部を全て分解した上で、湾曲チューブを交換するし
か構造上できなかった。修理を考慮した構成になってい
ないので、修理性が悪いという課題があった。
【0427】(付記項1〜36の目的) この点に鑑み
本発明の目的とするところは、修理性に優れた流体圧ア
クチュエータを用いた内視鏡を提供することにある。
【0428】(付記項1〜36の課題を解決するための
手段) クレームに同じ
【0429】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、挿入部が巻装
されたドラムを収納ケースに一体に収納し、かつ収納ケ
ースの内部あるいはドラムの内部に流体圧アクチュエー
タに流体を供給する流体圧供給源および流体圧供給源を
制御する流体供給量制御装置を備えた流体圧制御部を収
納し、さらに、収納ケースの内部に流体供給量制御装置
の制御量を操作する操作部を収納できるようにしたの
で、システム全体の携帯性を高めることができる。
【0430】請求項2の発明によれば、流体供給源から
供給される流体を流体供給用チューブを通して柔軟な多
孔チューブの孔の周辺の圧力室に供給し、ここで加圧さ
れた圧力室とは反対方向に流体圧アクチュエータを湾曲
させるようにしたので、制御性に優れた長尺な内視鏡を
提供することができる。
【0431】請求項3の発明によれば、流体圧供給源か
ら流体圧アクチュエータの圧力室への流体の供給量を流
体制御手段によって制御し、かつこの流体制御手段の停
止制御手段によって任意の圧力における圧力室への流体
の供給および排出のいずれも停止するようにしたので、
制御性に優れた長尺な内視鏡を提供することができる。
【0432】請求項4の発明によれば、流体圧アクチュ
エータによる湾曲部の湾曲操作を操作手段によって入力
する際に、操作手段からの操作信号と流体圧アクチュエ
ータの湾曲部の湾曲動作との時間差を信号補正手段によ
って補正するようにしたので、制御性に優れた長尺な内
視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の内視鏡装置のシ
ステム全体を示す斜視図。
【図2】 第1の実施の形態の内視鏡装置のシステムの
要部の概略構成を示す斜視図。
【図3】 第1の実施の形態の内視鏡本体の湾曲部の組
立て手順を説明するもので、(A)はマルチルーメンチ
ューブに前口金と後口金とが接続された状態を示す斜視
図、(B)はマルチルーメンチューブと内側密着コイル
と前口金とを示す分解斜視図、(C)はマルチルーメン
チューブと流体供給チューブと後口金とを示す分解斜視
図、(D)は外側密着コイルと保護部材とを示す分解斜
視図、(E)は円弧状ルーメンの前端部側の充填剤の封
止部を示す要部の縦断面図、(F)は円弧状ルーメンの
後端部側の充填剤の封止部を示す要部の縦断面図。
【図4】 第1の実施の形態の内視鏡本体における湾曲
部のマルチルーメンチューブの前口金と後口金の固定状
態を示す斜視図。
【図5】 第1の実施の形態の内視鏡本体の湾曲部と先
端構成部との組み立て前の状態を示す斜視図。
【図6】 第1の実施の形態の内視鏡本体の可撓管部の
先端部分を示す斜視図。
【図7】 第1の実施の形態の内視鏡装置のドラムを示
す斜視図。
【図8】 第1の実施の形態の内視鏡装置のキャリング
ケースの内部構成を示す縦断面図。
【図9】 (A)は第1の実施の形態の内視鏡装置の電
磁弁ユニットを示す概略構成図、(B)は電磁弁制御コ
ントローラの接続状態を示す概略構成図、(C)はジョ
イスティックの概略構成図。
【図10】 第1の実施の形態の内視鏡の湾曲動作時の
電磁弁ユニットの動作を説明するための説明図。
【図11】 第1の実施の形態の内視鏡の湾曲部の湾曲
動作を説明するもので、(A)は湾曲部を湾曲させる際
のジョイスティックの動作速度が遅い場合の各電磁弁の
動作状態を説明する特性図、(B)は湾曲部を湾曲させ
る際のジョイスティックの動作速度が早い場合の各電磁
弁の動作状態を説明する特性図、(C)は湾曲部を湾曲
を戻す際のジョイスティックの動作速度が遅い場合の各
電磁弁の動作状態を説明する特性図、(D)は湾曲部の
湾曲を戻す際のジョイスティックの動作速度が早い場合
の各電磁弁の動作状態を説明する特性図。
【図12】 第1の実施の形態の内視鏡の湾曲部の湾曲
動作時にジョイスティックの動作状態を変えながら操作
したときの湾曲動作について説明する特性図。
【図13】 本発明の第2の実施の形態における内視鏡
のジョイスティックのレバーの傾き角と電磁弁をオンす
る時間との関係を示す特性図。
【図14】 第2の実施の形態の内視鏡における電磁弁
を制御するときの制御方法について説明するための特性
図。
【図15】 本発明の第3の実施の形態の内視鏡装置に
おける流体圧アクチュエータの駆動機構を示す概略構成
図。
【図16】 第3の実施の形態の内視鏡装置における内
視鏡のジョイスティックのレバーの傾き角と電磁弁をオ
ンする時間との関係を示す特性図。
【図17】 本発明の第4の実施の形態の内視鏡装置に
おける流体圧アクチュエータの駆動機構を示す概略構成
図。
【図18】 (A)は第4の実施の形態の内視鏡装置に
おける内視鏡のジョイスティックのレバーの傾き角と電
磁弁をオンする時間との関係を示す特性図、(B)は
(A)の変形例を示す特性図。
【図19】 第4の実施の形態の内視鏡装置におけるジ
ョイスティックをUP方向からDOWN方向に操作させ
たときの動作を説明するための説明図。
【図20】 (A)は第4の実施の形態の内視鏡装置に
おけるジョイスティックをゆっくりU方向からD方向に
倒した動作を説明するための特性図、(B)はジョイス
ティックを早くU方向からD方向に倒した動作を説明す
るための特性図。
【図21】 本発明の第5の実施の形態の内視鏡装置に
おける流体圧アクチュエータの駆動機構を示す概略構成
図。
【図22】 (A)は第5の実施の形態の内視鏡装置に
おける内視鏡のジョイスティックのレバーの傾き角と電
磁弁をオンする時間との関係を示す特性図、(B)は
(A)の変形例を示す特性図。
【図23】 本発明の第6の実施の形態の内視鏡装置に
おける流体圧アクチュエータの駆動機構を示す概略構成
図。
【図24】 本発明の第7の実施の形態を示すもので、
(A)は内視鏡装置における流体圧アクチュエータの駆
動機構を示す概略構成図、(B)はキャリングケースに
2つのボンベを設けた状態を示す要部の斜視図。
【図25】 本発明の第8の実施の形態を示すもので、
(A)は内視鏡装置のシステム全体の斜視図、(B)は
内視鏡本体のスコープ挿入部を巻き付けたドラムの内部
に流体供給源を組み込んだ状態を示す斜視図。
【図26】 (A)は第8の実施の形態の内視鏡装置に
おけるキャリングケース内に内視鏡本体とドラムを収納
した状態を示す側面からの断面図、(B)は内視鏡シス
テムの要部の概略構成図。
【図27】 第8の実施の形態の内視鏡装置における流
体圧アクチュエータの駆動機構を示す概略構成図。
【図28】 第8の実施の形態の内視鏡装置における操
作部の第1の変形例を示す平面図。
【図29】 第8の実施の形態の内視鏡装置における操
作部の第2の変形例を示す平面図。
【図30】 本発明の第9の実施の形態の内視鏡本体の
スコープ挿入部を巻き付けたドラムの内部に流体供給源
を組み込んだ状態を示す斜視図。
【図31】 本発明の第10の実施の形態の内視鏡装置
のシステム全体の概略構成図。
【図32】 (A)は第10の実施の形態の内視鏡装置
における湾曲信号が出力された時のシリンジ筺体の内圧
と時間との関係を示す特性図、(B)は同じ時の湾曲部
の湾曲角度と時間との関係を示す特性図。
【図33】 第10の実施の形態の内視鏡装置の第1の
変形例を示す要部の概略構成図。
【図34】 (A)は第10の実施の形態の第1の変形
例の内視鏡装置における湾曲信号が出力された時のシリ
ンジ筺体の内圧と時間との関係を示す特性図、(B)は
同じ時の湾曲部の湾曲角度と時間との関係を示す特性
図。
【図35】 第10の実施の形態の内視鏡装置の第2の
変形例を示す要部の概略構成図。
【図36】 第10の実施の形態の内視鏡装置の第3の
変形例を示す要部の概略構成図。
【図37】 本発明の第11の実施の形態の内視鏡装置
のシステム全体の概略構成図。
【図38】 第11の実施の形態の内視鏡装置における
ドラム部分の構成を示す斜視図。
【図39】 第11の実施の形態の内視鏡装置における
ドラム内部の一括開放バルブの動作状態を説明するもの
で、(A)は一括開放バルブが閉じている状態を示す要
部の縦断面図、(B)は一括開放バルブが開いている状
態を示す要部の縦断面図。
【図40】 (A)は第11の実施の形態の内視鏡装置
における一括開放バルブが閉じている場合の流体圧アク
チュエータへのガス供給流路を示す要部の縦断面図、
(B)は第11の実施の形態の流体圧アクチュエータの
流路構成を示す概略構成図。
【図41】 (A)は第11の実施の形態の内視鏡装置
における1つの湾曲方向の流体供給チューブに連結され
た圧力センサの接続状態を示す要部の概略構成図、
(B)は第11の実施の形態の変形例を示す要部の概略
構成図。
【図42】 第11の実施の形態の内視鏡装置における
1つの湾曲方向の流路切換え機構部のバルブの動作と、
圧力と、湾曲状態との関係を表す特性図。
【図43】 本発明の第12の実施の形態を示すもの
で、(A)は内視鏡装置のシステム全体の斜視図、
(B)は流体供給コネクタの使用状態を説明するための
概略構成図。
【図44】 (A)は第12の実施の形態の内視鏡装置
における挿入部の流体供給口体を示す斜視図、(B)は
流体供給コネクタの外観を示す斜視図。
【図45】 (A)は第12の実施の形態の内視鏡装置
における流体供給コネクタが流体供給口体に接続された
状態を示す横断面図、(B)は同縦断面図。
【図46】 第12の実施の形態の内視鏡装置における
供給ピンと供給穴の嵌合状態を示す要部の縦断面図。
【図47】 第12の実施の形態の変形例を示す要部の
概略構成図。
【図48】 本発明の第13の実施の形態の内視鏡装置
における挿入部の先端部分を示す斜視図。
【図49】 第13の実施の形態の内視鏡装置における
湾曲部の構造を一部断面にして示す斜視図。
【図50】 (A)は第13の実施の形態の内視鏡装置
における湾曲部のマルチルーメンチューブの断面形状を
示す斜視図、(B)は従来のマルチルーメンチューブの
断面形状を示す斜視図。
【図51】 本発明の第14の実施の形態の内視鏡装置
における湾曲部のマルチルーメンチューブの交換手順を
説明するための分解斜視図。
【図52】 第14の実施の形態の内視鏡装置における
湾曲部の補修作業後のマルチルーメンチューブを示す斜
視図。
【図53】 本発明の第15の実施の形態を示すもの
で、(A)は内視鏡装置における湾曲部付近の概略構成
を示す斜視図、(B)は湾曲部のマルチルーメンチュー
ブを取り外した状態を示す斜視図、(C)は挿入管から
次のマルチルーメンチューブを引き出した状態を示す要
部の斜視図。
【図54】 本発明の第16の実施の形態の内視鏡装置
における湾曲部内に緩衝部材を組み込む前の状態を示す
要部の斜視図。
【図55】 第16の実施の形態の内視鏡装置における
湾曲部内に緩衝部材を組み込んだ状態を示す要部の斜視
図。
【図56】 第16の実施の形態の湾曲部の構造の変形
例を示す要部の縦断面図。
【図57】 第8の実施の形態のドラム内部の変形例を
示す要部の概略構成図。
【図58】 第8の実施の形態のドラムの変形例を示す
要部の概略構成図。
【図59】 本発明の第17の実施の形態を示すもの
で、(A)は内視鏡装置における流体圧アクチュエータ
の駆動機構の概略構成図、(B)は流体圧アクチュエー
タの駆動機構の要部の概略構成図。
【図60】 本発明の第18の実施の形態の内視鏡装置
における湾曲部の流体圧アクチュエータの駆動機構の要
部の概略構成図。
【図61】 本発明の第19の実施の形態の内視鏡装置
における湾曲部の要部構成を示す斜視図。
【図62】 第19の実施の形態の内視鏡装置における
湾曲部の湾曲動作状態を説明するための説明図。
【図63】 第19の実施の形態の内視鏡装置における
湾曲部の第1の変形例を示す斜視図。
【図64】 第19の実施の形態の内視鏡装置における
湾曲部の第2の変形例を示す斜視図。
【図65】 第19の実施の形態の第3の変形例のコイ
ル部材を示す斜視図。
【図66】 (A)は第19の実施の形態の第4の変形
例を示す要部の斜視図、(B)は同変形例の要部の縦断
面図、(C)は第19の実施の形態の第5の変形例を示
す要部の斜視図、(D)は同変形例の要部の縦断面図。
【図67】 本発明の第20の実施の形態の内視鏡装置
におけるドラムの要部構成を示す斜視図。
【図68】 第20の実施の形態の内視鏡装置における
ドラムの要部構成を示す縦断面図。
【図69】 本発明の第21の実施の形態の内視鏡装置
におけるドラムの要部構成を示す斜視図。
【図70】 (A)は第21の実施の形態の内視鏡装置
におけるキャリングケースを示す斜視図、(B)はキャ
リングケース内のモニタを引き出した状態を示す斜視
図。
【図71】 第21の実施の形態の内視鏡装置のシステ
ムの概略構成図。
【符号の説明】
2 内視鏡本体 7 キャリングケース(収納ケース) 8 挿入部 10 湾曲部 12 ドラム 19 流体圧アクチュエータ 30 電磁弁ユニット(流体供給量制御装置) 34 ボンベ(空気圧供給源) 37 ジョイスティック(操作部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 7/18 H04N 7/18 M (72)発明者 瀧澤 寛伸 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H040 AA01 BA21 BA23 DA14 DA15 DA21 DA43 DA53 GA02 GA11 4C061 AA00 AA29 BB00 CC06 DD03 FF32 FF35 GG01 GG13 JJ03 JJ11 LL02 5C022 AA09 AB65 AC42 AC63 AC77 5C054 CC07 CF06 HA05 HA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管腔内に挿入される挿入部と、 この挿入部の先端部に配設された撮像手段と、 この撮像手段の後方に配設された流体圧アクチュエータ
    によって構成され、上記挿入部の先端部を湾曲操作する
    湾曲部と、 上記挿入部が巻装可能なドラムと、 上記挿入部が巻装されたドラムを一体に収納する収納ケ
    ースと、 上記収納ケースの内部あるいはドラムの内部に収納さ
    れ、上記流体圧アクチュエータに流体を供給する流体圧
    供給源および上記流体圧供給源を制御する流体供給量制
    御装置を備えた流体圧制御部と、 上記収納ケースの内部に収納可能で、上記流体供給量制
    御装置の制御量を操作する操作部とを具備することを特
    徴とする内視鏡装置。
  2. 【請求項2】 上記流体圧アクチュエータは、 中央に内蔵物を配する孔と、この孔の周辺に配置された
    複数の圧力室とを有する柔軟な多孔チューブと、 上記挿入部内に配設され、上記圧力室と上記流体供給源
    とを接続する流体供給用チューブとを具備することを特
    徴とする内視鏡装置。
  3. 【請求項3】 管腔内に挿入される挿入部の先端部に湾
    曲操作可能な湾曲部が形成されるとともに、複数の圧力
    室が形成された湾曲チューブを備えた流体圧アクチュエ
    ータによって上記湾曲部が湾曲される内視鏡装置におい
    て、 上記流体圧アクチュエータの圧力室に供給する流体圧供
    給源と、 この流体圧供給源から上記圧力室への流体の供給量を制
    御する流体制御手段とこの流体制御手段に設けられ、任
    意の圧力における前記圧力室への流体の供給および排出
    のいずれも停止する停止制御手段とを具備したことを特
    徴とする内視鏡装置。
  4. 【請求項4】 管腔内に挿入される挿入部の先端部に湾
    曲操作可能な湾曲部が形成されるとともに、複数の圧力
    室が形成された湾曲チューブを備えた流体圧アクチュエ
    ータによって上記湾曲部が湾曲される内視鏡装置におい
    て、 上記流体圧アクチュエータによる湾曲部の湾曲操作を入
    力する操作手段と、 この操作手段からの操作信号と上記流体圧アクチュエー
    タの湾曲部の湾曲動作との時間差を補正する信号補正手
    段とを設けたことを特徴とする内視鏡装置。
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