JP2001258669A - 足載台構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 足長の異なる使用者が着座した場合
に、各使用者の足長に適合するよう足載台の突出幅を任
意に調整できる椅子の足載台構造を提供する。 【解決手段】 座部１と該座部１の前部に接続された
足載台４と座部１後方で起伏自在に配設された背凭れ部
２とを備え、背凭れ部２と足載台４との間にリンク機構
３を介設して足載台４がリンク機構３を介して背凭れ部
２に連動して出没するようにした椅子において、前記足
載台４の前部に手動レバー５に連動する手動リンク機構
５１で０度乃至２８０度の範囲で回動出没し得る手動足
載台４１を取付けて構成し、通常は、背凭れ部の起倒に
連動して足載台が自動的に出没し、使用者の好みに合せ
て任意に手動足載台を出没させる事ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、椅子の座部前方で
出没自在に連結される足載台の構造に係り、詳しくは、
背凭れ部の起倒に連動して出没する足載台と、背凭れ部
が倒伏状態で手動により出没する手動用足載台とを備え
た足載台構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の椅子は、座部及び背凭れ部を有
し、これに任意に設けられる肘掛け部を備えて構成して
いるが、通常の椅子は、座部の高さが一定規格に統一さ
れているものである。

【０００３】また、マッサージ椅子においては、このよ
うな従来の椅子にマッサージ機能を具備させたものであ
り、背凭れ部内に揉み動作や叩き動作を行なえる施療子
の駆動機構や圧縮空気給排装置等に連通される膨縮袋を
設けて構成されており、しかも前記施療子の駆動機構や
膨縮袋を背凭れ部内の所定の範囲で上下方向に電動昇降
させる事ができるよう構成したものが一般的である。

【０００４】更に、従来の椅子やマッサージ椅子は、手
動や電動で背凭れ部を好みの角度に傾倒させる事ができ
るリクライニング機構が設けられており、例えば特開平
６−１５４０５４号公報には、起立状態からバックレス
ト（背凭れ部）を徐々に後方に倒すと、座部の下方に収
納されているオットマン（足載台）が連動して徐々に回
動しながら前方に持ち上がり、バックレストの倒伏状態
でオットマンが座部の高さと水平状になるように形成さ
れたものが開示されており、このリクライニング機構を
使用することによって、使用者が楽な姿勢で着座或いは
仰臥できるようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の椅
子やマッサージ椅子においては、古来からの標準的な日
本人の体格に適合させるよう座部の高さを設定してお
り、このため、座部の前方位置で出没自在に取着される
足載台の突出幅は座部高さ以内の幅に限定されてしま
う。

【０００６】この足載台の突出幅は、古来からの標準的
な日本人にとっては問題ないのであるが、近年の若人や
欧米人のような足の長い使用者がこのような椅子を使用
する場合には、足載台の突出量が短い為に、逆に座り心
地の悪いものとなり、リラックスできないという問題が
生じており、該椅子がマッサージ椅子の場合には、尚更
である。

【０００７】本発明は、上記実情に鑑みて成されたもの
であり、足長の異なる施療者や使用者がマッサージ椅子
等の椅子に着座した場合に、施療者や使用者の足長に適
合するよう足載台の突出幅を任意に調整できるようにす
る椅子における足載台構造を提供する事を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の椅子における足
載台構造は、上記目的を達成すべく以下のように構成し
ている。すなわち、本発明の請求項１記載の足載台構造
は、座部と該座部に接続された足載台と起倒自在な背凭
れ部とを備え、背凭れ部と足載台との間にリンク機構を
介設して足載台が背凭れ部に連動して出没するようにし
た椅子において、該椅子の足載台の前部に手動レバーに
連動する手動リンク機構で出没する手動足載台を取付け
て構成する事を特徴とする。

【０００９】また、本発明の請求項２の足載台構造は、
手動足載台を、足載台の前部で少なくとも０度乃至２８
０度の範囲を回動可能に構成した事を特徴とするもので
ある。

【００１０】更に、本発明の請求項３記載の足載台構造
は、手動足載台を、足載台の前部で少なくとも０度乃至
１８０度の範囲で係止可能に構成した事を特徴とするも
のである。

【００１１】

【作用】本発明の足載台構造は、上記のような構成を採
用することにより次のような作用をもたらす。本発明の
請求項１の足載台構造は、起倒自在な背凭れ部の起倒に
連動して足載台が出没し、該足載台の前部に手動足載台
を任意に出没させる事ができるように構成している為、
通常は、背凭れ部の起倒に連動して足載台が自動的に出
没し、使用者の足長に合せて手動足載台を任意に出没さ
せる事ができる。

【００１２】本発明の請求項２の足載台構造は、手動足
載台を足載台の前部で少なくとも０度乃至２８０度の範
囲を回動可能に構成している為、手動足載台を突出させ
た状態のまま背凭れ部を起伏させた場合には、足載台が
退没すると共に該足載台と略々直角になる８０度程度の
位置迄回動を続け、足置きを構成する状態になり、起伏
時に手動足載台が設置面に当接して破損する危険性がな
い。

【００１３】本発明の請求項３の足載台構造は、手動足
載台を、足載台の前部で少なくとも０度乃至１８０度の
範囲で係止可能に構成している為、足載台の手動足載台
の角度設定により、足長の微差に適応させる事ができ
る。

【００１４】

【発明の実施の態様】以下、本発明の足載台構造を、添
付図面に示す一実施例に基づいて、これを詳細に説明す
る。

【００１５】図１乃至図３は本発明の足載台構造の一実
施例を示す説明図であり、図４乃至図６は本発明の足載
台構造の一実施例を示す斜面図であり、図７乃至図９は
本発明の足載台構造の使用状態を示す説明図である。

【００１６】本発明の足載台の構造は、図１に示したよ
うな、使用者の着座用の座部１と該座部１の前部に接続
された足載台４と座部１後方で起伏自在に配設された背
凭れ部２とを備え、背凭れ部２と足載台４との間にリン
ク機構３を介設して足載台４がリンク機構３を介して背
凭れ部２に連動して出没するようにした椅子に採用され
るものであり、その構造は、前記足載台４の前部に手動
レバー５に連動する手動リンク機構５１で出没する手動
足載台４１を取付けて構成したものである。

【００１７】前記座部１には、骨組み構成される座枠１
１を有しており、背凭れ部２にも骨組み構成される背枠
２１を備えており、その各内部及び外周に有クッション
性を有するウレタンや発砲スチロール等の弾性部材を配
備すると共に、該弾性部材の外周を布製や革製の生地で
被覆して構成している。

【００１８】また、前記背凭れ部２には、図示していな
いが油圧シリンダーや電動モータとジャッキ或いは螺軸
により構成されるアクチュエータ等が設けられており、
手動や電動で背凭れ部２を起立状態から傾斜状態及び倒
伏状態に移動させる事ができるようにしている。

【００１９】例えば、前記起伏を電動式にした場合に
は、図１乃至図３に示したように、座部１の前部下面側
に垂下状に支持させた固定部材と、背凭れ部２の下部に
一体的に設けられた背凭れ保持部材と、これら両者間に
介設される電動アクチュエータ（図示せず）とで構成
し、該電動アクチュエータを外部電源に接続して電動ア
クチュエータの螺子軸を電力により進退させる事によ
り、背凭れ部２を起伏可能にしている。

【００２０】前記足載台４と前記背凭れ部２間に介設さ
れて前記背凭れ部２の起伏に連動するリンク機構３は、
複数のリンクで構成しても良いが、最も簡易なリンク機
構として、実施例ではＵ字状リンク３１と棒状リンク３
２とで構成している。

【００２１】前記Ｕ字状リンク３１は湾曲形成されてお
り、前記座枠１１の前部にその一端を枢止し、他端を前
記足載台４に枢止して、該足載台４を揺動可能にしてい
る。

【００２２】前記棒状リンク３２は、前記背枠２１の下
部にその一端が枢着され、他端を前記Ｕ字状リンク３１
の座部側腹部３３に枢止しており、前記背凭れ部２の起
伏に連動して棒状リンク３２が前後に移動してこれに枢
着されたＵ字状リンク３１が揺動し、前記足載台４を座
部前方への出没するようにしている。

【００２３】而して、前記手動足載台４１は、前記足載
台４の前部で出没するよう構成されるのであるが、該手
動足載台４１は、手動レバー５に連動する手動リンク機
構５１は、前記足載台４の場合と同様に複数のリンクで
構成しても良いが、最も簡易なリンク機構として、実施
例では足載台４前端に垂下状に固定された棒状リンク５
１２と該棒状リンク５１２の至端に枢止されて回動する
Ｕ字状リンク５１１とで構成している。

【００２４】前記Ｕ字状リンク５１１は、湾曲形成され
ており、その他端側に前記手動足載台４１を固定して、
該手動足載台４１を枢点５１３を中心として揺動可能に
している。

【００２５】尚、前記棒状リンク５１２とＵ字状リンク
５１１の枢点５１３には、Ｕ字状リンク５１１を回動す
るための回動棒５１４を横架しており、該回動棒５１４
の一端には手動レバー５が連結されており、手動レバー
５を前後に回動する事でこれに連動する回動棒５１４が
回動すると共にＵ字状リンク５１１が枢点５１３を基準
として回動し、手動足載台４１が前後に出没移動するよ
うにしている。

【００２６】前記手動足載台４１は、係止機構を設けて
前記足載台４と面一になるように係止させるのである
が、足載台４の軸芯を基準として１８０度から２８０度
程度の範囲はフリーな揺動を行えるようにしており、図
８の状態のように、手動足載台４１を突出させた状態の
まま背凭れ部２を起立させた場合には、足載台４の退没
に応じて手動足載台４１の先端が設置面に接触し乍ら回
動を続け、図９に示したように、該足載台４の軸芯を基
準として２８０度程度の位置迄回動して、設置面に足置
きを構成する事ができる。

【００２７】更に前記手動足載台４１の係止機構は、図
示していないが、ラチエット等を利用して足載台４の軸
芯を基準として足載台４の裏面側に位置する０度の位置
から前記足載台４と面一になる１８０度の位置迄の範囲
で任意の段階係止を可能にするものであり、この範囲の
係止を可能にした事により、異なる使用者の足長の微差
に対応できると共に使用者が好む楽な姿勢での手動足載
台４１角度に選択設定できるようにしている。

【００２８】尚、図示していないが、本発明の足載台構
造は、背凭れ部２にマッサージ機構（ローリングマッサ
ージや振動マッサージ及び空圧マッサージ或いは指圧マ
ッサージ等を行わせる為の機構）を内装したマッサージ
椅子にも適応できるものであり、しかも、本発明の足載
台４や手動足載台４１にも任意のマッサージ機構（ロー
リングマッサージや振動マッサージ及び空圧マッサージ
或いは指圧マッサージ等を行わせる為の機構）を内装で
きるものであり、これにより、マッサージを全身の広域
範囲に亘るマッサージを可能にする事ができる。

【００２９】また、図示していないが、前記足載台４及
び手動足載台４１の任意の位置に発條部材を設ける事も
でき、これらに荷重が加わると、該荷重をスプリング等
の発條部材でその弾力により吸収してクッション性を良
好にする事もできる。

【００３０】上記のように構成した本発明の足載台構造
を利用した椅子を使用するにあっては、図４の状態の椅
子に図７に示したように使用者が着座し、背凭れ部２を
手動や電動で図５に示したように背凭れ部２を起立状態
から傾斜状態及び倒伏状態に移動させる事で、足載台４
が連動して使用者の足部を載置した状態で前方へ突出
し、リラックスした仰臥姿勢にする事ができるものであ
り、更にこの状態で手動レバー５を回動させる事で、図
６に示したように手動足載台４１が突出し、図８に示し
たように使用者を更にリラックスできる仰臥姿勢にする
事ができる。

【００３１】また、前記図８のような背凭れ部２が倒伏
し、足載台４及び手動足載台４１が突出した状態から、
背凭れ部２が起立する通常の状態に戻す場合には、前記
と逆方向に手動レバー５を回動して図５のように手動足
載台４１を足載台４裏面側に退没させた後に、背凭れ部
２を手動や電動で起立させる事で、元の状態に復帰させ
る事ができる。

【００３２】更に、使用者が手動足載台４１で設置面に
足置きを形成したい場合や、使用者が誤って、手動足載
台４１が突出したままで背凭れ部２が起立する通常の状
態に戻してしまった場合には、背凭れ部２の起立に連動
して足載台４が退没し続け、該足載台４の退没に応じて
手動足載台４１もその先端が設置面に接触し乍ら足載台
４の軸芯を基準として１８０度を越えて回動を続け、図
９に示したように、該足載台４の軸芯を基準として２８
０度程度の位置迄回動し、設置面に足置きを自動的に構
成する。

【００３３】

【発明の効果】よって、椅子やマッサージ椅子に適応で
きる本発明の足載台構造は、上記のように背凭れ部の起
倒に連動して出没する足載台と手動により出没させる事
ができる手動足載台を備えて、座部前方位置での足載台
の突出幅を任意に延長できるように構成している為、標
準的な日本人の体格に適合させた座部高さに設定してい
る事で、座部前方位置での足載台の突出幅が座部高さ以
内の幅に限定されていた従来の足載台構造とは異なり、
近年の若人や欧米人のような足の長い使用者が使用した
場合にも、任意に手動足載台を出没調整して使用する事
ができ、リラックスできる仰臥姿勢を提供する事ができ
る。

【００３４】また、本発明の足載台構造は、足載台の軸
芯を基準として０度乃至１８０度の範囲で手動足載台を
係止させる事ができ、足載台の軸芯を基準として１８０
度乃２８０度の範囲をフリーな揺動を行わせるようにし
ている為、手動足載台の係止角度を使用者の好みや足長
に適応させる事ができると共に、背凭れ部を起立させた
状態で設置面に手動足載台による足置きを形成する事も
でき、また、使用者が誤って手動足載台を突出させたま
まで起立させた場合にも、手動足載台が設置面に当接し
て壊損したり、床面に瑕疵を与えたりする事も危険性も
回避でき、安価で安全性を高める事ができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の足載台構造の一実施例を示す説明図で
ある。

【図２】本発明の足載台構造における足載台を突出させ
た状態の一実施例を示す説明図である。

【図３】本発明の足載台構造における足載台と手動足載
台を突出させた状態の一実施例を示す説明図である。

【図４】本発明の足載台構造における足載台と手動足載
台を退没させた状態の一実施例を示す斜面図である。

【図５】本発明の足載台構造における足載台を突出さ
せ、手動足載台を退没させた状態の一実施例を示す斜面
図である。

【図６】本発明の足載台構造における足載台と手動足載
台を突出させた状態の一実施例を示す斜面図である。

【図７】本発明の足載台構造を利用した椅子の使用状態
を示す説明図である。

【図８】本発明の足載台構造を利用した椅子の使用状態
を示す説明図である。

【図９】本発明の足載台構造を利用した椅子の使用状態
を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 座部 ２ 背凭れ部 ３ リンク機構 ４ 足載台 ４１ 手動足載台 ５ 手動レバー ５１ 手動リンク機構

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 座部と該座部に接続された足載台と起倒
   自在な背凭れ部とを備え、背凭れ部と足載台との間にリ
   ンク機構を介設して足載台が背凭れ部に連動して出没す
   るようにした椅子において、該椅子の足載台の前部に手
   動レバーに連動する手動リンク機構で出没する手動足載
   台を取付けて構成する事を特徴とする足載台構造。
2. 【請求項２】 前記手動足載台を、足載台の前部で少な
   くとも０度乃至２８０度の範囲を回動可能に構成した事
   を特徴とする請求項１記載の足載台構造。
3. 【請求項３】 前記手動足載台を、足載台の前部で少な
   くとも０度乃至１８０度の範囲で係止可能に構成した事
   を特徴とする請求項１及び請求項２記載の足載台構造。