JP2001257469A - プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents

プリント配線板およびその製造方法

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JP2001257469A
JP2001257469A JP2000067901A JP2000067901A JP2001257469A JP 2001257469 A JP2001257469 A JP 2001257469A JP 2000067901 A JP2000067901 A JP 2000067901A JP 2000067901 A JP2000067901 A JP 2000067901A JP 2001257469 A JP2001257469 A JP 2001257469A
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conductor
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JP2000067901A
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Touto O
東冬 王
Masayuki Hayashi
正幸 林
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 導体回路やスルーホールを含んだ導体層と樹
脂絶縁層との密着性に優れ、高周波数帯域の信号伝搬の
遅延を防止できるプリント配線板およびその製造方法を
提案すること。 【解決手段】 基板上1に、導体層およびこの導体層を
覆う樹脂絶縁層とを有し、基板には導体層同士を接続す
るスルーホールが形成されてなるプリント配線板におい
て、スルーホールあるいは導体層表面の少なくとも一部
に、有機化合物層11が形成されていること、またその
ようなプリント配線板の製造方法において、スルーホー
ルを含む導体層が形成された基板を、有機化合物の水溶
液中または有機溶剤溶液中に浸漬し、導体層の表面に有
機化合物層を形成し、さらにその導体層を覆う樹脂絶縁
層を設けることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に形成され
た導体回路やスルーホール等の導体層と、その導体層を
覆う樹脂絶縁層との間の密着性に優れたプリント配線板
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、信号の高周波数化に伴ない、パッ
ケージ基板の材料は、低誘電率、低誘電正接であること
が求められており、そのため、パッケージ基板の材料
は、セラミックから樹脂へとその主流が移りつつある。
【0003】このような樹脂基板上に、導体層と、その
導体層を覆う樹脂絶縁層を有するプリント配線板におい
て、導体層と樹脂絶縁層との間の密着性を向上させるた
めに、導体層表面に粗化層が形成され、その粗化層上に
樹脂絶縁層あるいはソルダーレジスト層が形成されてい
る。
【0004】また、スルーホール内壁の導体表面にも同
様に粗化層が形成され、そのような粗化層を設けた後
に、スルーホール内に充填材が充填される場合もある。
スルーホール導体層に凹凸層を設ける従来技術として
は、特開平8‐78842号、特開平8‐83971号、特開平9‐8
424号、特開平9‐181415号などがある。このようなスル
ーホールの内壁の導体層には凹凸層があるため、ICチ
ップが1GHz以上の高周波領域で作動するような場合
には、所望の性能を発揮することができず、信号伝播の
遅延が生じてしまう。上記粗化層は、その平均粗度Ra
が0.1〜5μmであり、酸化(黒化)−還元処理、第二
銅錯体と有機酸塩からなるエッチング液等によるエッチ
ング処理、Cu‐Ni‐P針状合金のめっき処理等によ
って形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような導体層に粗
化層を設けた積層構造では、電気銅めっき膜のような金
属層に1GHz以上の高周波数の信号を伝搬させる場
合、金属層の表面部分のみを伝播するという表皮効果の
ため、伝播する高周波信号が粗化面のミクロな凹凸の影
響を受け、信号伝播の遅延を生じさせたり、インピーダ
ンス整合ができないという問題があった。このような問
題は、セラミック基板に比べて低誘電率および低誘電正
接を持つ樹脂基板を使用する場合に、特に顕著であっ
た。
【0006】さらに、導体回路上にこのような粗化層が
形成されていると、それらを囲んで形成される層間樹脂
絶縁層の上面からビアホールやはんだパッド用の開口を
形成させる際に、開口底部に樹脂残さとして残ることが
あり、その場合には、樹脂残さを含んだまま導体層や耐
食性金属層あるいははんだバンプが形成されてしまう。
このような樹脂残さを含んで形成されたプリント配線板
は、ヒートサイクル条件下においては、樹脂残さが他の
部分と熱膨張率が異なるために、開口部に形成された金
属層を押し上げてしまい、剥離やクラックを引き起こし
てしまうという問題があった。
【0007】本発明は、従来技術の抱える上述した問題
を解消するためになされたものであり、その主たる目的
は、スルーホールを含んだ導体層と樹脂絶縁層との間の
密着性に優れ、かつ高周波数帯域の信号伝搬の遅延を防
止できるプリント配線板およびその製造方法を提案する
ことにある。
【008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記目的を
達成するために鋭意研究した結果、導体層の表面または
スルーホール表面の少なくともその一部に、有機化合物
層を形成することにより、導体層またはスルーホールと
樹脂絶縁層との密着性が改善できることを知見し、本発
明に想達した。
【0009】すなわち、本発明のプリント配線板は、基
板上に、導体層およびこの導体層を覆う樹脂絶縁層とを
有し、前記基板には前記導体層同士を接続するスルーホ
ールが形成されてなるプリント配線板において、前記ス
ルーホールあるいは導体層表面の少なくとも一部に、有
機化合物層が形成されていることを特徴とする。また、
上記有機化合物層は、トリアジンチオール誘導体、有機
リン酸化合物、ジチオカルバミン酸化合物、フッ素化合
物から選ばれる少なくとも1種の有機化合物を用いて形
成されることが望ましい。
【0010】前記有機化合物層は、基板に形成されたス
ルーホールの内壁面や、スルーホールを覆う導体層(ふ
ためっき層)の表面および側面や、ビアホール底部が接
続する他のビアホールの表面に形成されることが望まし
い。また、前記有機化合物層は、前記スルーホールの内
壁を含んだ表面に形成されるとともに、そのスルーホー
ル内にはその有機化合物層を覆って樹脂絶縁材が充填さ
れていることが望ましい。
【0011】さらに、本発明のプリント配線板の製造方
法は、スルーホールを含む導体層が形成された基板を、
有機化合物の水溶液中または有機溶剤溶液中に浸漬し、
その導体層表面に有機化合物層を形成し、その後該導体
層を覆う樹脂絶縁層を形成することを特徴とする。
【0012】また、本発明のプリント配線板の製造方法
は、スルーホールを含んだ導体層が形成された基板を、
有機化合物の水溶液中または有機溶剤溶液中に浸漬し、
そのスルーホールを含む導体層表面に有機化合物層を形
成し、その後、前記スルーホール内に樹脂絶縁材が充填
されることを特徴とする。
【0013】さらに、本発明のプリント配線板の製造方
法は、スルーホールを含む導体回路が形成された基板
を、有機化合物の水溶液中または有機溶剤溶液中に浸漬
し、その基板の導体回路を陽極として、陰極との間に所
定電圧を印加することにより、その導体回路表面に有機
化合物を析出、電着させて有機化合物電着層を形成し、
その後、前記導体回路を覆う樹脂絶縁層を形成すること
を特徴とする。
【0014】なお、上記有機化合物層は、トリアジンチ
オール誘導体、有機リン酸化合物、ジチオカルバミン酸
塩、フッ素化合物のカルボン酸塩またはスルフォン酸塩
から選ばれる少なくとも1種の有機化合物を用いて形成
されることが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明にかかるプリント配線板
は、基板上に、導体層およびこの導体層を覆う樹脂絶縁
層とを有し、前記基板には前記導体層同士を接続するス
ルーホールが形成されてなるプリント配線板において、
前記スルーホールあるいは導体層表面の少なくとも一部
に、有機化合物層が形成されていることを特徴とする。
【0016】すなわち、このような構造によれば、導体
層表面またはスルーホール表面とその上に形成した有機
化合物層との間(境界面)には、化学的結合層が生成し
ており、それ故に、導体層表面またはスルーホール表面
と有機化合物層との結合のみならず、この有機化合物層
とその上に形成される樹脂絶縁層との結合が大幅に強化
され、ひいてはスルーホールを含む導体層と樹脂絶縁層
との密着性が粗化層を設けるまでもなく良好なものとな
る。
【0017】したがって、導体層や樹脂絶縁層に粗化層
を設ける必要がなくなるので、たとえ、MPUの演算処
理の高速化のために導体層に高周波数の信号を伝搬させ
ても、伝搬遅延などが生じるようなことはない。また、
有機化合物層は、内層導体回路の表面だけでなく、その
内層導体回路の側面や、その内層導体回路と同一レベル
に形成されるスルーホールを覆う導体層(ふためっき
層)の表面および側面に形成されることが望ましい。
【0018】さらに、有機化合物層は、ビアホールの内
壁を含んだ表面や側面およびそのビアホールよりも内層
に位置する他のビアホールの内壁を含んだ表面および側
面にも形成されることが望ましい。
【0019】上記有機化合物層は、トリアジンチオール
誘導体、有機リン酸化合物、ジチオカルバミン酸化合
物、フッ素化合物から選ばれる少なくとも1種の有機化
合物を用いて形成されることが望ましい。
【0020】前記トリアジンチオール誘導体として
は、次のような一般式で表される有機化合物が望まし
く、これらの水溶液または有機溶剤を溶媒とした溶液を
処理溶液として用いるのが望ましい。
【式1】
【0021】ここで、Rは-OR’,‐SR’,−NH
R’,−N(R’);R’はアルキル基,アルケニル
基、フェニル基、フェニルアルキル基、アルキルフェニ
ル基、シクロアルキル基、またMH,Na,Li,K,
1/2Ba,1/2Ca,脂肪族一級、二級および三級
アミン類、4級アンモニウム塩などが用いられる。な
お、二つの「M」 は同じ場合と異なる場合とがある。
【0022】かかるトリアジンチオール誘導体に属する
有機化合物は、以下に列挙するようなものがある。1,
3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール
(F)、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチ
オール・モノナトリウム(FN)、1,3,5−トリア
ジン−2,4,6−トリチオール・トリエタノールアミ
ン(F・TEA)、6−アニリノ−1,3,5−トリア
ジン−2,4−ジチオール(AF)、6−アニリノ−
1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール・モノナ
トリウム(AN)、6−ジブチルアミノ−1,3,5−
トリアジン−2,4−ジチオール(DB)、6−ジブチ
ルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオー
ル・モノナトリウム(DBN)、6−ジアリルアミノ−
1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(D
A)、6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジチオール・モノナトリウム(DAN)、1,
3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール・ジ
(テトラブチルアンモニウム塩)(F2A)、6−ジブ
チルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオ
ール・テトラブチルアンモニウム塩(DBA)、6−ジ
チオクチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−
ジチオール(DO)、6−ジチオクチルアミノ−1,
3,5−トリアジン−2,4−ジチオール・モノナトリ
ウム(DON)、6−ジラウリルアミノ−1,3,5−
トリアジン−2,4−ジチオール(DL)、6−ジラウ
リルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオ
ール・モノナトリウム(DLN)、6−ステアリルアミ
ノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(S
T)、6−ステアリルアミノ−1,3,5−トリアジン
−2,4−ジチオール・モノカリウム(STK)、6−
オレイルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジ
チオール(DL)、6−オレイルアミノ−1,3,5−
トリアジン−2,4−ジチオール・モノカリウム(OL
K)等が望ましい。
【0023】前記有機リン酸化合物としては、次のよ
うな一般式で表される有機化合物 が望ましく、そのア
ルカリまたはアミン塩の水溶液も処理液として有効であ
る。
【式2】(R)PO(OH) (R)PO(SH) (R)PS(OH) または(R)PS(SH)
【0024】ここで、Rはアルキル基,アルケニル基、
フェニル基、フェニルアルキル基、アルキルフェニル基
またはシクロアルキル基である。
【0025】具体的な有機リン酸を例示すると、エチル
リン酸、エチルジチオリン酸、ジエチルリン酸、ジエチ
ルジチオリン酸、オクチルリン酸、オクチルジチオリン
酸、ジオクチルリン酸、ジオクチルジチオリラン酸、フ
エニルリン酸、フエニルジチオリン酸、ジフエニルリン
酸、ジフエニルジチオリン酸、、レスチン等である。
【0026】前記ジチオカルバミン酸化合物の例とし
ては、次のような一般式で表されるデンサートまたはジ
チオカルバミン酸塩が望ましい。
【式3】RNHCSSM,ROCSSM 又は(R)2NSSM
【0027】ここで、Rはアルキル基、アルケニル基、
フエニル基、フエニルアルキル基、アルキルフエニル基
又はシクロアルキル基、また、MはH,Na,Li,
K,1/2Ba,1/2Ca、脂肪族一級、二級及び三級
アミン類などである。
【0028】具体的には、たとえば、プチルジオチカル
バミン酸ナトリウム、ジプチルジチオカルバミン酸ナト
リウム、プチルザンテートカリウム、オクチルジチオカ
ルバミン酸ナトリウム、ジオクチルジチオカルバミン酸
ナトリウム、オクチルザンテートカリウム、アリルチオ
カルバミン酸ナトリウム、ジアリルジチオカルバミン酸
ナトリウム、アリルザンテートカリウムなどが望まし
い。
【0029】前記フッ素化合物としては、次のような
一般式で表されるフッ素化合物のカルボン酸塩とスルホ
ン酸塩が望ましく、それらの水溶液またはメチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、ア
セトン、トルエン、エチルセルソルブ、ジメチルホルム
アルデヒド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケト
ン、ベンゼン、酢酸エチルエーテル等の有機溶剤を溶媒
とした溶液を処理溶液として用いるのが望ましい。
【式4】 Rf−X−COOM Rf−X−SOM またはRf−X−PO(OM)
【0030】ここで、Rfは炭素数4〜12のバーフルオ
ロ基、Xはなしまたは、アルキレン、−O−C
−,−O−CCH2−、また、MはH,Na,
Li,K,1/2Ba,1/2Ca、脂肪族一級、二級及び
三級アミン類等である。
【0031】なお、フッ素素化合物のカルボン酸塩とス
ルホン酸塩としては、具体的には、バーフルオロオクチ
ルスルホン酸ナトリウム(RfSN)、バーフルオロ−
ヘブチルカルボン酸ナトリウム、バーフルオロノニルオ
キシベンゼンスルホン酸ナトリウム、バーフルオロノニ
ルオキシベンジルリン酸ナトリウムなどが望ましい。
【0032】上記各有機化合物層は、上記処理溶液を用
いた塗布、浸漬、あるいは電着等の方法によって、導体
層表面上に形成され得る。具体的には、以下の通りであ
る。塗布による場合には、ローラなどで直接塗布する
ことによって形成される。浸漬による場合には、ま
ず、主としてアルカリ系脱脂による導体層の油分やよご
れを除去した後、10%程度の硫酸や弱酸に浸漬して導体
層表面を活性化させてその表面電位を調整する。次い
で、有機化合物の反応性エマルジョンを調整して40〜70
℃とし、そのエマルジョン液に基板を1〜20分の間、浸
漬することによって形成される。最後に、樹脂層に残留
した有機化合物を除去する目的で、例えばメタノール等
の低級アルコールによる洗浄を行う。電着による場合
には、その処理装置は特別の装置である必要はなく、図
25に示すような電着槽101内の処理溶液102に、円筒形の
陰極103を浸漬し、その陰極103の内側には、基板上に形
成された被処理体であるところの導体層を陽極104とし
て浸漬した状態で、陰極103と陽極104との間に所定の電
圧を印加することによって、電着する形式のものが用い
られる。このような電着処理を行う際には、導体回路や
スルーホール、ビアホール等の導体層が互いに通電でき
るように、適切な電着用リードを予め形成しておくこと
が必要である。
【0033】上記処理溶液は、有機化合物を水または有
機溶剤中に溶解したものであり、所望の厚さの有機化合
物層を得るためには、通常は0.001〜10wt%、好まし
くは0.05〜2wt%の濃度に調整される。このような濃
度範囲において基板の導体回路表面に形成される有機化
合物層の厚さは、1nm〜1000nmの範囲が望ましく、
その理由は、1nm未満では良好な密着が得られないこ
と、1000nmを超えるとコストが高くなること、電気特
性に影響を与える可能性があることが挙げられる。
【0034】また、前記陰極の材料としては、白金やチ
タンなどの不活性金属、またはカーボンなどの電気化学
的に不活性な導電材料を用いることが望ましい。
【0035】さらに、電着による方法においては、印加
する電圧は、0.1mV〜20Vの範囲が望ましく、電流密
度は0.1mA/dm〜10A/dmの範囲が望まし
い。その理由は、0.1mA/dm未満では電着ができ
ない、もしくはできても時間がかかり過ぎること、10A
/dmを超えると良好な被膜ができないからである。
【0036】なお、本発明において、前記樹脂絶縁層
は、層間樹脂絶縁層であってもよいし、その層間樹脂絶
縁層はまた、樹脂フィルムを熱圧着することによって形
成することもできる。
【0037】次に、本発明のプリント配線板の製造方法
について説明する。本発明のプリント配線板の製造方法
は、導体回路が形成された基板を、有機化合物の水溶液
中または有機溶剤溶液中に浸漬し、浸漬法または電着法
によって、その導体回路表面に有機化合物層を形成し、
その後、前記導体回路を覆う樹脂絶縁層を形成すること
を特徴とする。
【0038】即ち、トリアジンチオール誘導体、有機リ
ン酸化合物、ジチオカルバミン酸塩、フッ素化合物のカ
ルボン酸塩またはスルフォン酸塩から選ばれる少なくと
も1種の有機化合物の水溶液または有機溶剤溶液を処理
溶液とし、この処理溶液中に導体回路が形成された基板
を浸漬することによって、導体回路の表面に有機化合物
層が形成される。電着によって形成させる場合は、予め
各導体回路を導通させるための電着用リードを適切に設
け、それを陽極とし、不活性金属あるいはカーボンを陰
極として、陽極、陰極間に所定の電圧を印加して、導体
回路表面の少なくともその一部に、トリアジンチオール
誘導体、有機リン酸化合物、ジチオカルバミン酸塩、フ
ッ素化合物等を析出(電着)させる。また、さらに電圧
を印加してこれらを積層させて肥厚化させてもよい。
【0039】また、本発明のプリント配線板の製造方法
は、基板上に形成されたスルーホールの内壁面やスルー
ホールランドの表面や側面、内層導体回路の表面や側面
だけでなく、層間樹脂絶縁層上に形成した外層導体回路
の表面や側面に有機化合物層が形成されることを特徴と
する。
【0040】このような製造方法によれば、導体回路お
よびスルーホールの表面と有機化合物層との境界には化
学結合層が形成されると考えられ、また導体回路および
スルーホール上に樹脂絶縁層を形成する場合に、この有
機化合物層と樹脂絶縁層との間にも樹脂絶縁層を硬化さ
せる際に、化学的結合が得られると考えられるため、ス
ルーホールを含んだ導体回路と樹脂絶縁層との密着性が
著しく向上する。
【0041】以下、本発明のプリント配線板を製造する
方法について、一例を挙げて具体的に説明する。 (1) スルーホールの形成 .まず、基板にドリル加工あるいはレーザ加工により
貫通孔を明け、その貫通孔の壁面および銅箔表面に無電
解めっきを施してスルーホールを形成する。基板として
は、ガラスエポキシ基板やポリイミド基板、ビスマレイ
ミド−トリアジン樹脂基板、フッ素樹脂基板などの樹脂
基板、あるいはこれらの樹脂基板の銅張積層板、セラミ
ック基板、金属基板などを用いることができる。特に、
誘電率を考慮する場合は、両面銅張フッ素樹脂基板を用
いることが好ましい。この基板は、片面が粗化された銅
箔をポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂基板に
熱圧着したものである。ただし、樹脂基板は融点が30
0℃以下であるため、350℃以上では融解、炭化して
しまう。無電解めっきとしては銅めっきがよい。フッ素
樹脂基板のようにめっきのつきまわりが悪い基板の場合
は、有機金属ナトリウムからなる前処理剤(商品名:潤
工社製:テトラエッチ)、プラズマ処理などの表面改質
を行う。 .次に、厚付けのために電解めっきを行う。この電解
めっきとしては銅めっきがよい。
【0042】(2)有機化合物層の形成 上記(1)の工程で処理されたスルーホール内壁および電
解めっき膜表面に、塗布法、浸漬法、電着法のいずれか
によって有機化合物層を設ける。
【0043】(3)スルーホール内への充填材の充填 上記(2)の工程で有機化合物層を形成したスルーホー
ル内に、金属粒子を含む非導電性の充填材を充填する。 この非導電性充填材は、金属粒子、ノボラック型エポキ
シ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂および無機粒子
からなり、比抵抗が1MΩ・cm以上、より望ましくは
1×10Ω・cm以上であることが好ましい。
【0044】前記充填材を構成する金属粒子としては、
銅、金、銀、アルミニウム、ニッケル、チタン、クロ
ム、すず/鉛、パラジウムなどが使用できる。この金属
粒子の表面には、樹脂との密着性を改善するために、シ
ランカップリング剤などの金属表面改質剤などを添加し
てもよい。
【0045】この金属粒子の粒子径は、 0.1〜30μmが
よい。この理由は、充填材を被覆する導体層との密着性
を確保できるからである。また、前記充填材を構成する
マトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂、ポリイミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)等のフッ素樹脂、BT樹脂、FEP、PF
A、PPS、PEN、PES、ナイロン、アラミド、P
EEK、PET、PEKK等が使用できる。
【0046】上記充填材は、スルーホール部分に開口を
設けたマスクを載置した基板上に、印刷法にて塗布する
ことによりスルーホール内に充填され、充填後、乾燥、
硬化される。硬化条件としては、50〜160 ℃で 0.5〜5
時間であることが望ましい。
【0047】.さらに、スルーホールからはみ出した
充填材および基板の電解めっき膜表面の有機化合物層を
研磨により除去して、基板表面を平坦化する。研磨は、
ベルトサンダーやバフ研磨がよい。
【0048】(4) 導体層の形成 上記(3)で平坦化した基板の表面に触媒核を付与した
後、無電解めっき、電解めっきを施し、さらにエッチン
グレジストを形成し、レジスト非形成部分をエッチング
することにより、導体回路部分および導電ペーストを覆
う導体層(ふためっき層)部分を形成する。そのエッチ
ング液としては、硫酸−過酸化水素の水溶液、過硫酸ア
ンモニウムや過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの
過硫酸塩水溶液、塩化第二鉄や塩化第二銅の水溶液がよ
い。
【0049】なお、導体層の形成方法として、以下の工
程を採用することができる。即ち、前記(1)、(2) の工
程を終えた基板にめっきレジストを形成し、次いで、レ
ジスト非形成部分に電解めっきを施して導体回路および
導体層部分を形成し、これらの導体上に、ホウフッ化ス
ズ、ホウフッ化鉛、ホウフッ化水素酸、ペプトンからな
る電解半田めっき液を用いて半田めっき膜を形成した
後、めっきレジストを除去し、そのめっきレジスト下の
無電解めっき膜および銅箔をエッチング除去して独立パ
ターンを形成し、さらに、半田めっき膜をホウフッ酸水
溶液で溶解除去して導体層を形成する。
【0050】(5)有機化合物層の形成 上記(4)において形成したエッチングレジストを剥離し
て、独立した内層の導体回路およびふためっき層とした
後、その内層の導体回路およびふためっき層の表面およ
び側面に、浸漬法によって有機化合物層を形成する。導
体回路およびふためっき層の表面および側面に有機化合
物層を形成すると、その導体は、層間樹脂絶縁層との密
着性に優れるので、導体回路およびふためっき層の側面
と樹脂絶縁層との界面を起点とするクラックが発生しな
い。また一方で、ふためっき層は、電気的に接続される
ビアホールとの密着性が改善される。
【0051】(6) 層間樹脂絶縁層および導体回路の形成 .このようにして作製した配線基板の上に、層間樹脂
絶縁層を形成する。層間樹脂絶縁層としては、熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂と熱可塑性
樹脂の複合体を使用できる。また、本発明では、層間樹
脂絶縁材として前述した無電解めっき用接着剤を用いる
ことができる。層間樹脂絶縁層は、これらの樹脂の未硬
化液を塗布したり、フィルム状の樹脂を熱圧着してラミ
ネートすることにより形成される。
【0052】.次に、この層間樹脂絶縁層に被覆され
る内層導体回路との電気的接続を確保するためのビアホ
ール形成用の開口を層間樹脂絶縁層に設ける。この開口
の穿孔は、層間樹脂絶縁層が感光性樹脂からなる場合
は、露光、現像処理にて行い、熱硬化性樹脂や熱可塑性
樹脂からなる場合は、レーザ光にて行う。このとき、使
用されるレーザ光としては、炭酸ガスレーザ、紫外線レ
ーザ、エキシマレーザなどがある。レーザ光にて孔明け
した場合は、デスミア処理を行ってもよい。このデスミ
ア処理は、クロム酸、過マンガン酸塩などの水溶液から
なる酸化剤を使用して行うことができ、また酸素プラズ
マなどで処理してもよい。
【0053】.開口を有する層間樹脂絶縁層を形成し
た後、必要に応じてその樹脂表面を粗化する。上述した
無電解めっき用接着剤を層間樹脂絶縁層として使用した
場合は、表面を酸化剤で処理して耐熱性樹脂粒子のみを
選択的に除去して粗化する。また、熱硬化性樹脂や熱可
塑性樹脂を使用した場合でも、クロム酸、過マンガン酸
塩などの水溶液から選ばれる酸化剤による表面粗化処理
が有効である。なお、酸化剤では粗化されないフッ素樹
脂(ポリテトラフルオロエチレン等)などの樹脂の場合
は、プラズマ処理やテトラエッチなどにより表面を粗化
する。
【0054】.次に、無電解めっき用の触媒核を付与
する。一般に触媒核は、パラジウム−スズコロイドであ
り、この溶液に基板を浸漬、乾燥、加熱処理して樹脂表
面に触媒核を固定する。また、金属核をCVD、スパッ
タ、プラズマにより樹脂表面に打ち込んで触媒核とする
ことができる。この場合、樹脂表面に金属核が埋め込ま
れることになり、この金属核を中心にめっきが析出して
導体回路が形成されるため、粗化しにくい樹脂やフッ素
樹脂(ポリテトラフルオロエチレン等)のように樹脂と
導体回路との密着が悪い樹脂でも、密着性を確保でき
る。この金属核としては、パラジウム、銀、金、白金、
チタン、銅およびニッケルから選ばれる少なくとも1種
以上がよい。なお、金属核の量は、20μg/cm以下
がよい。この量を超えると金属核を除去しなければなら
ないからである。
【0055】.次に、層間樹脂絶縁層の表面に無電解
めっきを施し、全面に無電解めっき膜を形成する。無電
解めっき膜の厚みは 0.1〜5μm、より望ましくは 0.5
〜3μmである。 .そして、無電解めっき膜上にめっきレジストを形成
する。めっきレジストは、前述のように感光性ドライフ
ィルムをラミネートして露光、現像処理して形成され
る。 .さらに、電解めっきを行い、導体回路部分を厚付け
するとともに、ビアホールを電解めっきにより充填す
る。電解めっき膜は、5〜30μmがよい。
【0056】.そしてさらに、めっきレジストを剥離
した後、そのめっきレジスト下の無電解めっき膜をエッ
チングにて溶解除去し、ビアホールを含む独立した導体
回路を形成する。エッチング液としては、硫酸−過酸化
水素の水溶液、過硫酸アンモニウムや過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩水溶液、塩化第二鉄
や塩化第二銅の水溶液がよい。
【0057】(7)ソルダーレジスト層およびはんだバン
プの形成 次に、上記(5)、(6)の工程を繰り返して、さらに外層の
導体回路やビアホールを設けた後、最外層の導体回路を
覆うソルダーレジスト層を形成して、例えば、片面3層
の6層両面多層プリント配線板とすることができる。 配線基板の外表面に、ソルダーレジスト組成物を塗布
し、その塗膜を乾燥した後、この塗膜に、開口部を描画
したフォトマスクフィルムを載置して露光、現像処理す
ることにより、導体層のうちはんだパッド(導体パッ
ド、ビアホールを含む)部分を露出させた開口を形成す
る。ここで、露出する開口の開口径は、はんだパッドの
径よりも大きくすることができ、はんだパッドを完全に
露出させてもよい。また、逆に前記開口の開口径は、は
んだパッドの径よりも小さくすることができ、はんだパ
ッドの縁周をソルダーレジスト層で被覆することができ
る。この場合、はんだパッドをソルダーレジスト層で抑
えることができ、はんだパッドの剥離を防止できる。 ついで、前記開口部から露出した前記はんだパッド部
上に「ニッケル−金」の金属層を形成する。ニッケル層
は1〜7μmが望ましく、金層は0.01〜0.06μmがよい。
この理由は、ニッケル層は、厚すぎると抵抗値の増大を
招き、薄すぎると剥離しやすいからである。一方金層
は、厚すぎるとコスト増になり、薄すぎるとはんだ体と
の密着効果が低下するからである。 前記開口部から露出した前記はんだパッド部上にはん
だ体(バンプ)を供給して、多層プリント配線板が製造
される。はんだ体の供給方法としては、はんだ転写法や
印刷法を用いることができる。ここで、はんだ転写法
は、プリプレグにはんだ箔を貼合し、このはんだ箔を開
口部分に相当する箇所のみを残してエッチングすること
により、はんだパターンを形成してはんだキャリアフィ
ルムとし、このはんだキャリアフィルムを、基板のソル
ダーレジスト開口部分にフラックスを塗布した後、はん
だパターンがパッドに接触するように積層し、これを加
熱して転写する方法である。一方、印刷法は、パッドに
相当する箇所に貫通孔を設けた印刷マスク(メタルマス
ク)を基板に載置し、はんだペーストを印刷して加熱処
理する方法である。上述した(1)〜(7)の工程に従って製
造される6層両面多層プリント配線板においては、1層
目の層間樹脂絶縁層に形成されるビアホール内を、電気
めっきで充填し、そのほぼ平坦な表面上に電気的接続さ
れる他のビアホールを2層目の層間樹脂絶縁層に形成
し、この2層目のビアホール底部が接触する1層目のビ
アホール表面には、有機化合物層が浸漬法によって形成
されるのが望ましい。また、2層目の外層導体回路の表
面および側面や、2層目のビアホール表面を覆うソルダ
ーレジスト層を樹脂絶縁層として設けるようにしてもよ
い。また、ビアホールの開口内に樹脂充填材を充填する
場合には、樹脂充填材の充填前に、開口内壁の表面に有
機化合物層を形成することが望ましい。
【0058】
〔無電解めっき水溶液〕
EDTA: 150 g/l 硫酸銅: 20 g/l HCHO: 30 ml/l NaOH: 40 g/l α、α’−ビピリジル: 80 mg/l PEG: 0.1 g/l 〔無電解めっき条件〕70℃の液温度で30分
【0059】ついで、以下の条件で電解銅めっきを施
し、厚さ15μmの電解銅めっき膜を形成した(図1(c)
参照)。 〔電解めっき水溶液〕 硫酸: 180 g/l 硫酸銅: 80 g/l 添加剤(アトテックジャパン製、商品名:カパラシドGL) 1 ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度: 1A/dm2 時間: 30分 温度: 室温
【0060】(2) 全面に無電解銅めっき膜と電解銅めっ
き膜からなる導体層4(スルーホール3を含む)を形成し
た基板を、水洗、アルカリ系脱脂洗浄、弱酸(10%H2S
O4)による導体層の活性処理、乾燥の後、1,3,5−
トリアジン−2,4,6−トリチオール・モノナトリウ
ム0.1gと水1000gを1.5リットルの浴槽に入れ、20℃で
拌しながら、亜麻仁油1mlを1ml/分の速度でピペッ
トにて滴下し、滴下後30分間さらに攪拌して得られる反
応性エマルジョン溶液に5分間浸漬し、これを水、メタ
ノールで洗浄後、スルーホール3を含む導体層4の全表面
に、厚さ0.1μmの有機化合物層(トリアジンチオール
層)3a、4aを形成した。(図1(d) 参照)。
【0061】(3) 〔スルーホール用充填材の調製〕 .クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル
製、エピコート152) 3.5重量部、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂(油化シェル製、エピコート807 )14.1重量
部、平均粒子径14nmのシリカ超微粉末(アエロジル
R202 )1.0重量部、さらにイミダゾール硬化剤(四国
化成製、2E4MZ-CN) 1.2重量部、平均粒子径15μmの銅
粉 100重量部を加えて3本ローラにて混練し、これらの
混合物の粘度を22±1℃で200〜1000Pa・sに調整して、ス
ルーホール用充填材を調整した。
【0062】 調製した充填材を、スルーホール3内に
スクリーン印刷によって充填し、乾燥した後、80℃, 10
0 ℃, 120 ℃でそれぞれ1時間づつ、さらに 150℃で1
時間の加熱により硬化させた。そして、導体上面の粗化
面およびスルーホール3からはみ出した充填材を、#400
のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベルトサンダ
ー研磨により除去し、さらに、このベルトサンダー研磨
による傷を取り除くために、アルミナ砥粒やSiC砥粒に
よるバフ研磨を行い、基板表面を平坦化した(図1(e)
参照)。
【0063】(4) 前記(3) で平坦化した基板表面に、パ
ラジウム触媒(アトテック製)を付与し、常法に従って
無電解銅めっきを施すことにより、厚さ 0.6μmの無電
解銅めっき膜6を形成した(図1(f) 参照)。
【0064】(5) ついで、以下の条件で電解銅めっきを
施し、厚さ15μmの電解銅めっき膜7を形成し、導体回
路9となる部分の厚付け、およびスルーホール3に充填
された導電ペースト5を覆う導体層10となる部分(ふた
めっき層)を形成した。 〔電解めっき水溶液〕 硫酸: 180 g/l 硫酸銅: 80 g/l 添加剤(アトテックジャパン製、商品名:カパラシドGL) 1 ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度: 1 A/dm2 時間: 30分 温度: 室温
【0065】(6) 導体回路9および導体層10となる部分
を形成した基板の両面に、市販の感光性ドライフィルム
を張り付け、マスク載置して、100mJ/cmで露
光、0.8%炭酸ナトリウムで現像処理し、厚さ15μmの
エッチングレジスト8を形成した(図2(a) 参照)。
【0066】(7) そして、エッチングレジスト8を形成
してない部分のめっき膜を、硫酸と過酸化水素の混合液
を用いるエッチングにて溶解除去し、さらに、エッチン
グレジスト8を5%KOHで剥離除去して、独立した内
層導体回路9および導電ペースト5を覆う導体層10を形成
した(図2(b) 参照)。
【0067】次に、(2)の工程にしたがって、内層導体
回路9および充填材5を覆う導体層10の表面に、浸漬法に
よって厚さ約0.1μmの有機化合物層11を形成する。
【0068】(9) 基板1上に形成した内層導体回路9に
起因する凹凸をなくするため、内層導体回路9間および
内層導体回路9と導体層10との間に、以下のような組成
からなる樹脂充填材を調製、塗布して充填し、これを硬
化させ、この表面を有機化合物層11の表面が露出するま
で研磨して平滑化する。 〔樹脂充填材〕 ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル
製、分子量 310、YL983U)100重量部、表面にシランカ
ップリング剤がコーティングされた平均粒径1.6 μmの
SiO2の球状粒子(アドマテック製、CRS 1101−CE、ここ
で、最大粒子の大きさは後述する内層銅パターンの厚み
以下とする) 170重量部、レベリング剤(サンノプコ
製、ペレノールS4)1.5 重量部を3本ロールにて混練
して、その混合物の粘度を23±1℃で45,000〜49,000cp
sに調製した。 イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)6.5 重
量部。これらを混合して樹脂充填剤12aを調製した。
【0069】(10) 次いで、(9)の工程を経た基板の両
面に、以下のような組成の無電解めっき用接着剤をロー
ルコータを用いて2回塗布し、水平状態で20分間放置し
てから、60℃、30分の条件で乾燥を行ない、厚さ60μm
の接着剤層12b(2層構造)を形成した(図2(d) 参
照)。 〔基板に近い側(下層)の接着剤〕 .クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
製、分子量2500)の25%アクリル化物を35重量部(固形
分80%)、感光性モノマー(東亜合成製、商品名:アロ
ニックスM315 )4重量部、消泡剤(サンノプコ製、商
品名:S−65)0.5重量部、NMPを3.6 重量部を攪拌
混合した。 .ポリエーテルスルフォン(PES)8重量部、エポ
キシ樹脂粒子(三洋化成製、商品名:ポリマーポール)
の平均粒径 0.5μmのものを14.49 重量部、を混合した
後、さらにNMP20重量部を添加し、攪拌混合した。 .イミダゾール硬化剤(四国化成製、商品名:2E4MZ-
CN)2重量部、光開始剤(チバガイギー製、商品名:イ
ルガキュア I−907 )2重量部、光増感剤(日本化薬
製、商品名:DETX-S) 0.2重量部、NMP 1.5重量部を
攪拌混合した。これらを混合して無電解めっき用接着剤
を得た。
【0070】〔基板の反対側(上層)の接着剤〕 .クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
製、分子量2500)の25%アクリル化物を35重量部(固形
分80%)、感光性モノマー(東亜合成製、商品名:アロ
ニックスM315 )4重量部、消泡剤(サンノプコ製、商
品名:S−65)0.5重量部、NMPを 3.6重量部を攪拌
混合した。 .ポリエーテルスルフォン(PES)8重量部、エポ
キシ樹脂粒子(三洋化成製、商品名:ポリマーポール)
の平均粒径0.5 μmのものを7.245 重量部、を混合した
後、さらにNMP20重量部を添加し攪拌混合した。 .イミダゾール硬化剤(四国化成製、商品名:2E4MZ-
CN)2重量部、光開始剤(チバガイギー製、商品名:イ
ルガキュア I−907 )2重量部、光増感剤(日本化薬
製、商品名:DETX-S) 0.2重量部、NMP1.5 重量部を
攪拌混合した。これらを混合して無電解めっき用接着剤
を得た。
【0071】(11) 上記(10)の工程で得られた無電解め
っき用接着剤層12bを形成した基板1の両面に、直径85μ
mの黒円が印刷されたフォトマスクフィルムを密着さ
せ、超高圧水銀灯により500mJ/cm 強度で露光し
た。これをジエチレングリコールジメチルエーテル(D
MDG)溶液でスプレー現像することにより、その接着
剤層12bに直径85μmのビアホール形成用開口13を形成
した。さらに、当該基板を超高圧水銀灯により3000mJ
/cm で露光し、100℃で1時間、その後150℃で5時
間の加熱処理を行うことにより、フォトマスクフィルム
に相当する寸法精度に優れた開口(ビアホール形成用開
口13)を有する厚さ18μmの層間樹脂絶縁層を形成した
(図2(e)参照)。
【0072】(12)前記ビアホール形成用開口13を形成し
た基板を、クロム酸に10分間浸漬し、接着剤層表面に存
在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去して、当該接着剤層
の表面を粗化し、その後、中和溶液(シプレイ社製)に
浸漬してから水洗した。
【0073】(13)上記工程(12)において粗面化処理(粗
化深さ5μm)を行った基板に対し、パラジウム触媒
(アトテック製)を付与することにより、接着剤層12b
およびビアホール形成用開口13の表面に触媒核を付与し
た。
【0074】(14)以下に示す組成の無電解銅めっき水溶
液中に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ 0.6μmの無電
解銅めっき膜14を形成した(図3(a) 参照)。 〔無電解めっき水溶液〕 EDTA: 150 g/l 硫酸銅: 20 g/l HCHO: 30 ml/l NaOH: 40 g/l α、α’−ビピリジル: 80 mg/l PEG: 0.1 g/l 〔無電解めっき条件〕70℃の液温度で30分
【0075】(15)市販の感光性樹脂フィルム(ドライフ
ィルム)を無電解銅めっき膜14に熱圧着して張り付ける
ともに、クロム層によって、めっきレジスト非形成部分
がマスクパターンとして描画された厚さ5mmのソーダ
ライムガラス基板を、クロム層が形成された側を感光性
樹脂フィルムに密着させて、110 mJ/cmで露光、
0.8 %炭酸ナトリウムで現像処理し、L/S=25/25μ
mで厚さ15μmのめっきレジスト16のパターンを設けた
(図3(b) 参照)。
【0076】(16)ついで、以下の条件でパルス波長を用
いた電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電解銅めっき膜
15を形成するとともに、ビアホール形成用開口13を電解
めっきにより充填した(図3(c) 参照)。 〔電解めっき水溶液〕 硫酸: 180 g/l 硫酸銅: 80 g/l 添加剤(アトテックジャパン製、商品名:カパラシドGL) 1 ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度: 1.2 A/dm 時間: 30分 温度: 室温
【0077】(17)めっきレジスト16を5%KOHをスプ
レーして剥離除去した後、そのめっきレジスト16下の無
電解めっき膜14を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチン
グ処理して溶解除去し、無電解銅めっき膜14と電解銅め
っき膜15からなる厚さ18μmでL/S=25/25μmの外
層導体回路9およびビアホール17を形成した(図3(d)参
照)。
【0078】(18)次に、(2)の工程にしたがって、上記
外層導体回路9およびビアホール17の表面に、浸漬法に
よって厚さ約0.1μmの有機化合物層11を形成する。
【0079】(19)前記 (11)〜(18)の工程を繰り返すこ
とにより、さらに外層の層間樹脂絶縁層12b、外層導体
回路9およびビアホール17を設け(図4(a) 参照)、そ
の外層導体回路9およびビアホール17の表面に有機化合
物層11を形成した多層配線基板を得た。
【0080】(20)一方、DMDGに溶解させた60重量%
のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)
のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴ
マー(分子量4000)を 46.67重量部、メチルエチルケト
ンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ
樹脂(油化シェル製、商品名:エピコート1001)15.0重
量部、イミダゾール硬化剤(四国化成製、商品名:2E4M
Z-CN)1.6 重量部、感光性モノマーである多価アクリル
モノマー(日本化薬製、商品名:R604 )3重量部、同
じく多価アクリルモノマー(共栄社化学製、商品名:DP
E6A ) 1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、商
品名:S−65)0.71重量部を混合し、さらにこの混合物
に対して光開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学
製)を2重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関
東化学製)0.2 重量部を加えて、粘度を25℃で 2.0Pa・
sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。なお、粘
度測定は、B型粘度計(東京計器、 DVL-B型)で 60rpm
の場合はローターNo.4、6rpm の場合はローターNo.3に
よった。
【0081】(21)前記(19)で得られた多層配線基板の両
面に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗
布した。次いで、70℃で20分間、70℃で30分間の乾燥処
理を行った後、クロム層によってソルダーレジスト開口
部の円パターン(マスクパターン)が描画された厚さ5
mmのソーダライムガラス基板を、クロム層が形成され
た側をソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm
の紫外線で露光し、DMTG現像処理した。さらに、80℃
で1時間、 100℃で1時間、 120℃で1時間、 150℃で
3時間の条件で加熱処理し、はんだパッドの上面、ビア
ホールおよびランド部分を開口した(開口径 200μm)
ソルダーレジストパターン層18(厚み20μm)を形成し
た。
【0082】(22)次に、ソルダーレジストパターン層18
を形成した基板を、塩化ニッケル30g/l、次亜リン酸
ナトリウム10g/l、クエン酸ナトリウム10g/lから
なるpH=5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬し
て、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層19を形成し
た。さらに、その基板を、シアン化金カリウム2g/
l、塩化アンモニウム75g/l、クエン酸ナトリウム50
g/l、次亜リン酸ナトリウム10g/lからなる無電解
金めっき液に93℃の条件で23秒間浸漬して、ニッケルめ
っき層19上に厚さ0.03μmの金めっき層20を形成した。
【0083】(23)そして、ソルダーレジストパターン層
18の開口部に、はんだペーストを印刷して 200℃でリフ
ローすることによりはんだバンプ(はんだ体)21を形成
し、はんだバンプ21を有する多層プリント配線板を製造
した(図4(b) 参照)。
【0084】(実施例2)上記実施例1の(2) の工程に
おいて、トリアジンチオール処理液に代えてオクチルジ
オリン酸ナトリウムの0.5%水溶液を使用したこと以外
は、実施例1と同じ工程にしたがって製造した。
【0085】(実施例3)上記実施例1の(2) の工程に
おいて、トリアジンチオール処理液に代えてジブチルチ
オカルバミン酸ナトリウムの0.5%水溶液を使用したこ
と以外は、実施例1と同じ工程にしたがって製造した。
【0086】(実施例4)上記実施例1の(2) の工程に
おいて、トリアジンチオール処理液に代えてパーフルオ
ロオクチルスルフォン酸ナトリウムの0.5%水溶液を使
用したこと以外は、実施例1と同じ工程にしたがって製
造した。
【0087】(実施例5) (1)厚さ 0.8mmのBT樹脂(ビスマレイミドトリアジ
ン)からなる基板1の両面に、18μmの銅箔2がラミネー
トされている銅張積層板を出発材料として用いた(図5
参照)。まず、この銅貼積層板をドリル削孔し、続いて
めっきレジストを形成した後、この基板に無電解銅めっ
き処理を施して、直径が300μmのスルーホール3を形成
し(図6参照)、さらに、常法にしたがって、銅箔2を回
路パターン形状にエッチングすることにより、基板の両
面に内層導体回路4およびスルーホールランド30を形成
した(図7参照)。
【0088】(2)次に、1,3,5−トリアジン−2,
4,6−トリチオール・モノナトリウム0.1gと水1000
gを1.5リットルの浴槽に入れ、20℃で攪拌しながら、
亜麻仁油1mlを1ml/分の速度でピペットにて滴下し
た。滴下後30分間さらに攪拌して反応性エマルジョン溶
液を得た。内層導体回路4を形成した基板1を水洗、アル
カリ系脱脂洗浄、弱酸(10%H2SO 4)による導体層の活
性処理、乾燥の後、上記エマルジョン溶液に5分間浸漬
し、これを水、メタノールで洗浄後、スルーホール3を
含む内層導体回路4の全表面に、約0.1μmの有機化合物
層(トリアジンチオール層)11を形成した。(図8参
照)。
【0089】(3)前記(2)で有機化合物層11を形成した基
板表面に、ポリオレフィン系樹脂を80wt%含んだ樹脂
絶縁材からなる厚さ25μmの樹脂フィルム2を貼着した
後、ステンレス板32で挟み、2.0×106N/mで加圧
し、加熱炉内で150℃で加熱しながら、65分間加熱プレ
スした(図9参照)。この加熱プレスにより、樹脂絶縁
材が軟化し、その軟化した樹脂材料が、スルーホールラ
ンド30を含む内層導体回路間の凹部およびスルーホール
の貫通穴にほぼ完全に充填されるとともに、その樹脂絶
縁材の表面が平坦化される(図10参照)。なお、樹脂フ
ィルム2を構成するポリオレフィン系樹脂の一つとし
て、シクロオレフィン系樹脂を用いてもよい。
【0090】(4) 前記(3)で平坦化した層間樹脂絶縁層2
の両面に、波長が10.4μmの炭酸ガスレーザを用いて、
パルスエネルギーが1.5mJ、パルス幅が10−5μs、
パルス間隔が0.1ms以上、ショット数が6の照射条件で
直径が60μmのビアホール形成用の開口13を形成した。
(図11参照)。さらに、CFおよび酸素混合気体のプ
ラズマ処理により、デスミアおよびポリオレフィン系樹
脂絶縁層表面の改質を行った。この改質により、表面に
は、OH基やカルボニル基、COOH基などの親水性基
が確認された。なお、酸素プラズマ処理条件は、電力80
0W、0.1 Torr、1分間である。
【0091】(5)さらに、パラジウム触媒(アトテック
製)を付与することにより、層間樹脂絶縁層の表面およ
びビアホール用開口13の内壁面に触媒核を付与した後
(図12参照)、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に
基板を浸漬して、厚さ1.0μmの無電解銅めっき膜14を
形成した(図13参照)。 〔無電解めっき水溶液〕 EDTA: 150 g/l 硫酸銅: 20 g/l HCHO: 30 ml/l NaOH: 40 g/l α、α’−ビピリジル: 80 mg/l PEG: 0.1 g/l 〔無電解めっき条件〕70℃の液温度で30分
【0092】(6)前記(5)で形成した無電解めっき膜14上
に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載
置して、100 mJ/cmで露光、0.8 %炭酸ナトリウ
ムで現像処理し、厚さ15μmのめっきレジスト16を設け
た(図14参照)。 (7)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の
水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で
電解銅めっきを施し、厚さ20μmの電解銅めっき膜15を
形成した(図15参照)。 〔電解めっき水溶液〕 硫酸: 180 g/l 硫酸銅: 80 g/l 添加剤(アドテックジャパン製、カパラシドGL) 1 ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度: 1 A/dm2 時間: 30分 温度: 室温
【0093】(8)めっきレジスト3を5%KOH水溶液で
剥離除去した後、そのめっきレジスト下の無電解銅めっ
き膜14を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理し
て溶解除去し、無電解銅めっき膜14と電解銅めっき膜15
からなる厚さ18μmの外層導体回路9およびビアホール1
7を形成した(図16参照)。 (9)次に、外層導体回路9およびビアホール17を形成した
基板表面に、(2)の工程に従って、浸漬処理によって厚
さ約0.1μmの有機化合物層11を形成する(図17参
照)。
【0094】(10)そして、前記 (3)〜(9)の工程を繰り
返すことにより、さらに外層の導体回路9およびビアホ
ール17を形成し、多層配線板を得た。図18〜図23参
照)。
【0095】(11)一方、DMDGに溶解させた60wt%のクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)のエポ
キシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー
(分子量4000)を 46.67重量部、メチルエチルケトンに
溶解させた80wt%のビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェル製、エピコート1001)15.0重量部、イミダ
ゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)1.6 重量部、感
光性モノマーである多価アクリルモノマー(日本化薬
製、R604 )3重量部、同じく多価アクリルモノマー
(共栄社化学製、DPE6A ) 1.5重量部、分散系消泡剤
(サンノプコ社製、S−65)0.71重量部を混合し、さら
にこの混合物に対して光開始剤としてのベンゾフェノン
(関東化学製)を2重量部、光増感剤としてのミヒラー
ケトン(関東化学製)0.2 重量部を加えて、ソルダーレ
ジスト組成物を得た。
【0096】(12)前記(10)で得た多層配線基板の両面
に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布
した。次いで、70℃で20分間、70℃で30分間の乾燥処理
を行った後、クロム層によってソルダーレジスト開口部
の円パターン(マスクパターン)が描画された厚さ5m
mのソーダライムガラス基板を、クロム層が形成された
側をソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm
の紫外線で露光し、DMTG現像処理した。さらに、80℃で
1時間、 100℃で1時間、 120℃で1時間、 150℃で3
時間の条件で加熱処理し、はんだパッドの上面、ビアホ
ールおよびランド部分を開口した(開口径 200μm)ソ
ルダーレジストパターン層(厚み20μm)18を形成し
た。
【0097】(13)次に、ソルダーレジストパターン層18
を形成した基板を、塩化ニッケル30g/l、次亜リン酸
ナトリウム10g/l、クエン酸ナトリウム10g/lの水
溶液からなるpH=5の無電解ニッケルめっき液に20分
間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層19
を形成した。さらに、その基板を、シアン化金カリウム
2g/l、塩化アンモニウム75g/l、クエン酸ナトリ
ウム50g/l、次亜リン酸ナトリウム10g/lの水溶液
からなる無電解金めっき液に93℃の条件で23秒間浸漬し
て、ニッケルめっき層上に厚さ0.03μmの金めっき層20
を形成した。
【0098】(14)そして、ソルダーレジストパターン層
18の開口部に、はんだペーストを印刷して 200℃でリフ
ローすることにより、はんだ体(はんだバンプ)21を形
成した多層プリント配線板を製造した(図24参照)。な
お、このはんだバンプに代わって、叉は、はんだバンプ
とともに、ピングリッドアレイ(PGA)やボールグリッ
ドアレイ(BGA)を形成することもできる。
【0099】(実施例6)上記実施例1の工程(2)にお
いて、トリアジンチオール処理液を用いた浸漬処理に代
えて、以下のような条件で電着処理を行ったこと以外は
実施例1と同じ工程にしたがって製造した。内層導体回
路4を形成した基板1を、水洗、アルカリ系脱脂洗浄、弱
酸による導体層の活性処理、乾燥の後、図25に示すよう
な装置にて電着処理を行なう。円筒形の陰極103は、白
金や金などの不活性金属から形成され、陽極104として
の内層導体回路4が形成された基板1は、円筒形陰極の内
部に配置される。各内層導体回路4には適切な電着用リ
ードを予め形成しておき、これらの電着用リードを陽極
とする。このような状態で両極間に所定の電圧が印加さ
れ、スルーホールを含む内層導体回路4の全表面に、厚
さ約0.1μmの有機化合物層(トリアジンチオール層)
が形成される。 〔処理溶液〕 1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール・
モノナトリウムの1%水溶液 〔処理条件〕 温度:20℃/時間:2分/電圧:0.3V
【0100】(比較例1)上記実施例1における(2)の
工程において、トリアジンチオール処理液を用いた浸漬
処理に代えて、以下のようなCu−Ni−Pの針状合金
めっき処理を行ったこと以外は、実施例1と同じ工程に
したがって製造した。基板をアルカリ脱脂してソフトエ
ッチングし、次いで、塩化パラジウムと有機酸とからな
る触媒溶液で処理して、パラジウム触媒を付与し、この
触媒を活性化した。 次に、硫酸銅(3.2×10‐2mo
l/l)、硫酸ニッケル(2.4×10‐3mol/l)、
クエン酸(5.2×10‐2mol/l)、次亜リン酸ナト
リウム(2.7×10‐1 mol/l)、ホウ酸(5.0×10
‐1mol/l)、界面活性剤(日信化学工業社製、サ
ーフィノール465)(1.0g/l)の水溶液からなる
pH=9の無電解めっき浴にて無電解めっき処理を施し
て、導体回路の全表面にCu−Ni−P合金からなる粗
化層を形成した。
【0101】(比較例2)上記実施例1における(2)の
工程において、トリアジンチオール処理液を用いた浸漬
処理に代えて、以下のような黒化−還元処理を行ったこ
と以外は、実施例1と同じ工程にしたがって製造した。
NaOH(10g/l)、NaClO (40g/l)、
Na PO (6g/l)の水溶液を酸化浴(黒化
浴)、NaOH(10g/l)、NaBH (6g/l)
の水溶液(還元浴)とした。
【0102】上記の各実施例と各比較例によって製造さ
れたプリント配線板について、−5〜125℃で1000回のヒ
ートサイクル試験を行い、層間樹脂絶縁層の剥離の有無
を光学顕微鏡により観察した。また、スルーホールおよ
びビアホール部分の導電性を測定し、断線していなけれ
ば○とした。また、伝搬遅延について測定し、ノイズの
発生がない場合は○とした。それらの結果は表1に示さ
れる。
【0103】
【表1】
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
導体回路やスルーホール等の導体層の表面に粗化層を設
けることなく、導体層表面と樹脂絶縁層との間の密着性
が改善されると共に、高周波数の信号を伝搬させても伝
搬遅延が生じることがない。また、有機化合物層は、ス
ルーホール導体層と充填材の緩衝材としての機能をも有
するので、熱衝撃による充填材の剥がれやクラックを防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1による多層プリント配線板の一製造工
程を示す図
【図2】実施例1による多層プリント配線板の一製造工
程を示す図
【図3】実施例1による多層プリント配線板の一製造工
程を示す図
【図4】実施例1による多層プリント配線板の一製造工
程を示す図
【図5】実施例5による多層プリント配線板の一製造工
程を示す図
【図6】実施例5による多層プリント配線板の一製造工
程を示す図
【図7】実施例5による多層プリント配線板の一製造工
程を示す図
【図8】実施例5による多層プリント配線板の一製造工
程を示す図
【図9】実施例5による多層プリント配線板の一製造工
程を示す図
【図10】実施例5による多層プリント配線板の一製造
工程を示す図
【図11】実施例5による多層プリント配線板の一製造
工程を示す図
【図12】実施例5による多層プリント配線板の一製造
工程を示す図
【図13】実施例5による多層プリント配線板の一製造
工程を示す図
【図14】実施例5による多層プリント配線板の一製造
工程を示す図
【図15】実施例5による多層プリント配線板の一製造
工程を示す図
【図16】実施例5による多層プリント配線板の一製造
工程を示す図
【図17】実施例5による多層プリント配線板の一製造
工程を示す図
【図18】実施例5による多層プリント配線板の一製造
工程を示す図
【図19】実施例5による多層プリント配線板の一製造
工程を示す図
【図20】実施例5による多層プリント配線板の一製造
工程を示す図
【図21】実施例5による多層プリント配線板の一製造
工程を示す図
【図22】実施例5による多層プリント配線板の一製造
工程を示す図
【図23】実施例5による多層プリント配線板の一製造
工程を示す図
【図24】実施例5による多層プリント配線板の一製造
工程を示す図
【図25】実施例6において使用される電着処理装置の
概略を示す図
【符号の説明】
1 基板 2 銅箔 3 スルーホール 4 導体層 3a,4a 有機化合物層 5 導電ペースト 6 無電解めっき 7 電解めっき 8 めっきレジスト 9 内層(外層)導体回路 10 ふためっき層 11 有機化合物層 12a 樹脂充填材 12b 無電解めっき用接着剤層 13 ビアホール形成用開口 14 無電解めっき 15 電解めっき 16 めっきレジスト 17 ビアホール 18 ソルダーレジスト層 19 ニッケルめっき層 20 金めっき層 21 はんだバンプ 30 スルーホールランド 32 ステンレス板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E314 AA21 BB06 CC04 FF08 GG08 GG11 5E317 AA21 AA24 BB02 BB12 CC25 CC32 CC33 CD27 CD32 GG03 GG11 5E346 CC04 CC08 CC09 CC14 CC32 CC41 DD02 DD47 EE08 FF03 FF04 FF07 FF15 FF18 GG15 GG17 GG27 HH05 HH18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、導体層およびこの導体層を覆
    う樹脂絶縁層とを有し、前記基板には前記導体層同士を
    接続するスルーホールが形成されてなるプリント配線板
    において、 前記スルーホールあるいは導体層表面の少なくとも一部
    に、有機化合物層が形成されていることを特徴とするプ
    リント配線板。
  2. 【請求項2】 前記有機化合物層は、トリアジンチオー
    ル誘導体、有機リン酸化合物、ジチオカルバミン酸化合
    物、フッ素化合物から選ばれる少なくとも1種の有機化
    合物を用いて形成されることを特徴とする請求項1に記
    載のプリント配線板。
  3. 【請求項3】 前記導体層は、スルーホールを覆う導体
    層を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記
    載のプリント配線板。
  4. 【請求項4】 前記スルーホールの内壁を含んだ表面に
    は、有機化合物層が形成されているとともに、その有機
    化合物層を覆って樹脂絶縁材が充填されていることを特
    徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板。
  5. 【請求項5】 スルーホールを含む導体層が形成された
    基板を、有機化合物の水溶液中または有機溶剤溶液中に
    浸漬し、その導体層表面に有機化合物層を形成し、その
    後、前記スルーホールを覆う樹脂絶縁層を形成すること
    を特徴とするプリント配線板の製造方法。
  6. 【請求項6】 スルーホールを含む導体層が形成された
    基板を、有機化合物の水溶液中または有機溶剤溶液中に
    浸漬し、そのスルーホールを含む導体層の表面に有機化
    合物層を形成し、その後、前記スルーホール内に樹脂絶
    縁材が充填されることを特徴とするプリント配線板の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 スルーホールを含む導体回路が形成され
    た基板を、有機化合物の水溶液中または有機溶剤溶液中
    に浸漬し、その基板の導体回路を陽極として、陰極との
    間に所定電圧を印加することにより、その導体回路表面
    に有機化合物を析出、電着させて有機化合物電着層を形
    成し、その後、前記導体層を覆う樹脂絶縁層を形成する
    ことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記有機化合物層は、トリアジンチオー
    ル誘導体、有機リン酸化合物、ジチオカルバミン酸塩、
    フッ素化合物のカルボン酸塩またはスルフォン酸塩から
    選ばれる少なくとも1種の有機化合物を用いて形成され
    る請求項6〜8のいずれかに記載のプリント配線板の製
    造方法。
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