JP2001256829A - 絶縁材用組成物、並びに絶縁材及びその製造方法 - Google Patents
絶縁材用組成物、並びに絶縁材及びその製造方法Info
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- JP2001256829A JP2001256829A JP2000069369A JP2000069369A JP2001256829A JP 2001256829 A JP2001256829 A JP 2001256829A JP 2000069369 A JP2000069369 A JP 2000069369A JP 2000069369 A JP2000069369 A JP 2000069369A JP 2001256829 A JP2001256829 A JP 2001256829A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】半導体用途に優れた熱特性、電気特性を有する
絶縁材を提供する。 【解決手段】 1)シクロブタン環構造を有するポリイ
ミドまたはポリイミド前駆体と、耐熱性材料またはその
前駆体とを必須成分とする絶縁材用組成物。耐熱性材料
またはその前駆体として、ポリベンゾオキサゾールまた
はポリベンゾオキサゾール前駆体が例示される。 2)前記組組成物に紫外線を照射し、組成物成分のポリ
イミドまたはポリイミド前駆体を低分子化させ、更に蒸
発または抽出する絶縁材の製造方法。
絶縁材を提供する。 【解決手段】 1)シクロブタン環構造を有するポリイ
ミドまたはポリイミド前駆体と、耐熱性材料またはその
前駆体とを必須成分とする絶縁材用組成物。耐熱性材料
またはその前駆体として、ポリベンゾオキサゾールまた
はポリベンゾオキサゾール前駆体が例示される。 2)前記組組成物に紫外線を照射し、組成物成分のポリ
イミドまたはポリイミド前駆体を低分子化させ、更に蒸
発または抽出する絶縁材の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は絶縁材に関するもの
であり、更に詳しくは電気・電子機器用、半導体装置用
として優れた特性を有する絶縁材用組成物及びこれを用
いた絶縁材に関するものである。
であり、更に詳しくは電気・電子機器用、半導体装置用
として優れた特性を有する絶縁材用組成物及びこれを用
いた絶縁材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気電子機器用、半導体装置用材料に求
められている特性のなかで、電気特性と耐熱性は、最も
重要な特性である。特に近年、回路の微細化と信号の高
速化に伴い、誘電率の低い絶縁材料が要求されている。
この2つの特性を両立させるための材料として、耐熱性
樹脂を用いた絶縁材が期待されている。例えば、従来か
ら用いられている二酸化シリコン等の無機の絶縁材は、
高耐熱性を示すが誘電率が高く、要求特性が高度化して
いる現在では、前述の特性について、両立が困難になり
つつある。ポリイミド樹脂に代表される耐熱性樹脂は、
電気特性と耐熱性に優れ、2つの特性の両立が可能であ
り、実際にプリント回路のカバーレイや半導体装置のパ
ッシベーション膜などに用いられている。
められている特性のなかで、電気特性と耐熱性は、最も
重要な特性である。特に近年、回路の微細化と信号の高
速化に伴い、誘電率の低い絶縁材料が要求されている。
この2つの特性を両立させるための材料として、耐熱性
樹脂を用いた絶縁材が期待されている。例えば、従来か
ら用いられている二酸化シリコン等の無機の絶縁材は、
高耐熱性を示すが誘電率が高く、要求特性が高度化して
いる現在では、前述の特性について、両立が困難になり
つつある。ポリイミド樹脂に代表される耐熱性樹脂は、
電気特性と耐熱性に優れ、2つの特性の両立が可能であ
り、実際にプリント回路のカバーレイや半導体装置のパ
ッシベーション膜などに用いられている。
【0003】しかしながら、近年の半導体の高機能化、
高性能化にともない、電気特性、耐熱性について、著し
い向上が必要とされているため、更に、高性能な絶縁材
が必要とされるようになっている。特に、誘電率につい
て、2.5を下回るような低誘電率材料が期待されてお
り、従来の絶縁材では、必要とされる特性に達していな
い。これに対して、これまでに、耐熱性材料の前駆体と
熱分解性成分を有する液状材料を塗布し、加熱工程によ
り、この熱分解性成分を分解させて空隙を形成すること
により、絶縁材の誘電率を低減させることが試みられて
いる。しかし、熱分解性成分を、完全に分解・揮散させ
るためには、高温・長時間の加熱工程が必要であること
や、熱分解性成分を分解させる際に、空隙が潰れてしま
い、誘電率が効果的に低減できない場合があることが問
題となっている。
高性能化にともない、電気特性、耐熱性について、著し
い向上が必要とされているため、更に、高性能な絶縁材
が必要とされるようになっている。特に、誘電率につい
て、2.5を下回るような低誘電率材料が期待されてお
り、従来の絶縁材では、必要とされる特性に達していな
い。これに対して、これまでに、耐熱性材料の前駆体と
熱分解性成分を有する液状材料を塗布し、加熱工程によ
り、この熱分解性成分を分解させて空隙を形成すること
により、絶縁材の誘電率を低減させることが試みられて
いる。しかし、熱分解性成分を、完全に分解・揮散させ
るためには、高温・長時間の加熱工程が必要であること
や、熱分解性成分を分解させる際に、空隙が潰れてしま
い、誘電率が効果的に低減できない場合があることが問
題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、効率的な加
工方法で、極めて低い誘電率と良好な絶縁性を示すとと
もに、耐熱性にも優れた絶縁材用組成物、絶縁材の製造
方法及び絶縁材を提供する事を目的とする。
工方法で、極めて低い誘電率と良好な絶縁性を示すとと
もに、耐熱性にも優れた絶縁材用組成物、絶縁材の製造
方法及び絶縁材を提供する事を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
の問題点を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、以下の手段に
より本発明を完成するに至った。
の問題点を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、以下の手段に
より本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、1.シクロブタン環
構造を有するポリイミドまたはポリイミド前駆体と、耐
熱性材料またはその前駆体とを必須成分とする絶縁材用
組成物、
構造を有するポリイミドまたはポリイミド前駆体と、耐
熱性材料またはその前駆体とを必須成分とする絶縁材用
組成物、
【0007】2.耐熱性材料またはその前駆体がポリベ
ンゾオキサゾールまたはポリベンゾオキサゾール前駆体
である第1項記載の絶縁材用組成物、
ンゾオキサゾールまたはポリベンゾオキサゾール前駆体
である第1項記載の絶縁材用組成物、
【0008】3.第1項または2項記載の絶縁材用組成
物を用いて、波長350nm以下の紫外線の照射によ
り、前記組成物成分のシクロブタン環構造を有するポリ
イミドまたはポリイミド前駆体を、低分子量化させて、
更に蒸発または抽出する工程を含むことを特徴とする絶
縁材の製造方法、
物を用いて、波長350nm以下の紫外線の照射によ
り、前記組成物成分のシクロブタン環構造を有するポリ
イミドまたはポリイミド前駆体を、低分子量化させて、
更に蒸発または抽出する工程を含むことを特徴とする絶
縁材の製造方法、
【0009】4.第3項記載の製造方法により得られた
絶縁材、である。
絶縁材、である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の絶縁材用組成物は、シク
ロブタン環構造を有するポリイミドまたはポリイミド前
駆体(以下成分A)と、耐熱性材料またはその前駆体
(以下成分B)とを必須成分として成るものである。こ
れらの成分以外の成分として、溶剤を用いることが可能
であるが、耐熱性材料の前駆体が、成分(A)を溶解す
る液体である場合は、これをもって溶剤を兼ねることも
できる。また、これらの成分以外に、光増感剤、密着性
付与剤、レベリング剤等を添加してもかまわない。
ロブタン環構造を有するポリイミドまたはポリイミド前
駆体(以下成分A)と、耐熱性材料またはその前駆体
(以下成分B)とを必須成分として成るものである。こ
れらの成分以外の成分として、溶剤を用いることが可能
であるが、耐熱性材料の前駆体が、成分(A)を溶解す
る液体である場合は、これをもって溶剤を兼ねることも
できる。また、これらの成分以外に、光増感剤、密着性
付与剤、レベリング剤等を添加してもかまわない。
【0011】本発明の絶縁材用組成物は、次のような工
程により絶縁材とすることができる。第一に、絶縁材用
組成物を、波長350nm以下の紫外線を含まない照明
下で、基板上にスピンコーター等を用いて塗布し、加熱
乾燥して溶剤を除去し、更に加熱して製膜する。成分
(B)が耐熱性材料の前駆体である場合には、この工程
において溶剤除去後、更に前駆体を加熱して、閉環反応
させて耐熱性材料とする。この際、成分(A)がポリイ
ミド前駆体である場合には、この工程においてポリイミ
ドとなる。
程により絶縁材とすることができる。第一に、絶縁材用
組成物を、波長350nm以下の紫外線を含まない照明
下で、基板上にスピンコーター等を用いて塗布し、加熱
乾燥して溶剤を除去し、更に加熱して製膜する。成分
(B)が耐熱性材料の前駆体である場合には、この工程
において溶剤除去後、更に前駆体を加熱して、閉環反応
させて耐熱性材料とする。この際、成分(A)がポリイ
ミド前駆体である場合には、この工程においてポリイミ
ドとなる。
【0012】第二に、波長350nm以下の紫外線を露
光器により、塗膜上に照射する。これにより、成分
(A)のシクロブタン環が開裂し、シクロブタン環構造
を有するポリイミドがモノマー単位である分子量約50
0以下まで低分子量化する。
光器により、塗膜上に照射する。これにより、成分
(A)のシクロブタン環が開裂し、シクロブタン環構造
を有するポリイミドがモノマー単位である分子量約50
0以下まで低分子量化する。
【0013】第三に、再度加熱することにより、前記の
低分子量化物を蒸発させるか、低分子量化物が可溶な溶
剤により、これを抽出、洗浄して除去する。以上の工程
によって、微細な空隙を形成し、これにより低い誘電率
の絶縁材を得ることが出来るものである。
低分子量化物を蒸発させるか、低分子量化物が可溶な溶
剤により、これを抽出、洗浄して除去する。以上の工程
によって、微細な空隙を形成し、これにより低い誘電率
の絶縁材を得ることが出来るものである。
【0014】溶剤による抽出を行う際には、加熱後の耐
熱性材料が、溶解しない溶剤を用いることが必要であ
る。前駆体から加熱により得られる耐熱性材料は、一般
的に耐溶剤性が良好であるので、より好ましい。
熱性材料が、溶解しない溶剤を用いることが必要であ
る。前駆体から加熱により得られる耐熱性材料は、一般
的に耐溶剤性が良好であるので、より好ましい。
【0015】また、蒸発により除去する場合には、前記
第三の工程における加熱条件としては、低分子量化した
成分(A)が気化する温度以上、および、微細な空隙が
潰れることを避けるために耐熱性材料(B)の融点、も
しくは耐熱性材料が高分子である場合には、そのガラス
転移温度以下の温度で行う。
第三の工程における加熱条件としては、低分子量化した
成分(A)が気化する温度以上、および、微細な空隙が
潰れることを避けるために耐熱性材料(B)の融点、も
しくは耐熱性材料が高分子である場合には、そのガラス
転移温度以下の温度で行う。
【0016】耐熱性材料の耐熱性は、耐熱樹脂における
熱処理温度による影響が大きく、特に前駆体から反応に
より形成される場合には、その反応時の温度より高い耐
熱温度を得ることは困難である。本発明の絶縁材用組成
物では、分解成分として耐熱性が良好であるポリイミド
を用いることにより、耐熱性材料の形成温度を高くする
ことができるので、高い耐熱性を持つ絶縁材料を得るこ
とができる。
熱処理温度による影響が大きく、特に前駆体から反応に
より形成される場合には、その反応時の温度より高い耐
熱温度を得ることは困難である。本発明の絶縁材用組成
物では、分解成分として耐熱性が良好であるポリイミド
を用いることにより、耐熱性材料の形成温度を高くする
ことができるので、高い耐熱性を持つ絶縁材料を得るこ
とができる。
【0017】本発明に用いるシクロブタン環構造を有す
るポリイミドまたはポリイミド前駆体は、シクロブタン
環構造を有するテトラカルボン酸二無水物とジアミンと
を、極性溶媒中で反応させることにより、合成すること
が出来る。シクロブタン環構造を有するテトラカルボン
酸二無水物としては、1,2,3,4−シクロブタンテ
トラカルボン酸二無水物、1−メチル−シクロブタン
1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、トリシク
ロ[6.4.0.02,7]ドデカン−1,8,2,7−テ
トラカルボン酸二無水物等が挙げられるが、これらに限
定させるものではない。
るポリイミドまたはポリイミド前駆体は、シクロブタン
環構造を有するテトラカルボン酸二無水物とジアミンと
を、極性溶媒中で反応させることにより、合成すること
が出来る。シクロブタン環構造を有するテトラカルボン
酸二無水物としては、1,2,3,4−シクロブタンテ
トラカルボン酸二無水物、1−メチル−シクロブタン
1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、トリシク
ロ[6.4.0.02,7]ドデカン−1,8,2,7−テ
トラカルボン酸二無水物等が挙げられるが、これらに限
定させるものではない。
【0018】本発明に用いるシクロブタン環構造を有す
るポリイミドまたはポリイミド前駆体の合成に用いるこ
とができるジアミンとしては、p−フェニレンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエ
ン、2,5−ジアミノトルエン、3,5−ジアミノトル
エン、2,5−ジアミノ−p−キシレン、4,4’−ジ
アミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノ
ビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ
ビフェニル、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミ
ノヘキサン等が挙げられるが、これらに限られるもので
はない。
るポリイミドまたはポリイミド前駆体の合成に用いるこ
とができるジアミンとしては、p−フェニレンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエ
ン、2,5−ジアミノトルエン、3,5−ジアミノトル
エン、2,5−ジアミノ−p−キシレン、4,4’−ジ
アミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノ
ビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ
ビフェニル、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミ
ノヘキサン等が挙げられるが、これらに限られるもので
はない。
【0019】本発明に用いるシクロブタン環構造を有す
るポリイミドまたはポリイミド前駆体の合成における反
応溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホル
ムアミド、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロ
リドン、m−クレゾール等が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
るポリイミドまたはポリイミド前駆体の合成における反
応溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホル
ムアミド、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロ
リドン、m−クレゾール等が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
【0020】本発明に用いる耐熱性材料またはその前駆
体の例を挙げると、ポリイミド、ポリアミド酸、ポリア
ミド酸エステル、ポリイソイミド、ポリアミドイミド、
ポリアミド、ビスマレイミド、ポリベンゾオキサゾー
ル、ポリヒドロキシアミド、ポリベンゾチアゾール、ポ
リシロキサン、ポリシルセスキオキサン、ポリシラザン
等であるが、これらに限られるものではない。これらの
中でも、ポリベンゾオキサゾールとポリヒドロキシアミ
ド等のポリベンゾオキサゾール前駆体は、得られる絶縁
材の誘電率が低く、耐熱性も高いので好ましい。
体の例を挙げると、ポリイミド、ポリアミド酸、ポリア
ミド酸エステル、ポリイソイミド、ポリアミドイミド、
ポリアミド、ビスマレイミド、ポリベンゾオキサゾー
ル、ポリヒドロキシアミド、ポリベンゾチアゾール、ポ
リシロキサン、ポリシルセスキオキサン、ポリシラザン
等であるが、これらに限られるものではない。これらの
中でも、ポリベンゾオキサゾールとポリヒドロキシアミ
ド等のポリベンゾオキサゾール前駆体は、得られる絶縁
材の誘電率が低く、耐熱性も高いので好ましい。
【0021】本発明の絶縁材用組成物の成分として溶剤
を用いる場合に、好ましいものの例を挙げると、N,N-ジ
メチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、γ-ブチロラクトン等である
が、これらに限定されるものではない。また、これらを
2種以上同時に用いてもかまわない。
を用いる場合に、好ましいものの例を挙げると、N,N-ジ
メチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、γ-ブチロラクトン等である
が、これらに限定されるものではない。また、これらを
2種以上同時に用いてもかまわない。
【0022】本発明の絶縁材用樹脂組成物は、成分
(A)を5〜90重量%、成分(B)を95〜10重量%
の範囲で配合し、これらを均一に混合して得られる。成
分(A)が5重量%より少ないと誘電率はあまり低下せ
ず、成分(A)が90重量%より多いと機械的強度が低
下して好ましくない。
(A)を5〜90重量%、成分(B)を95〜10重量%
の範囲で配合し、これらを均一に混合して得られる。成
分(A)が5重量%より少ないと誘電率はあまり低下せ
ず、成分(A)が90重量%より多いと機械的強度が低
下して好ましくない。
【0023】本発明の絶縁材用組成物を用い、前記の方
法により加熱硬化し、紫外線照射し、成分(A)を紫外
線照射によって低分子量化したものを蒸発または抽出に
より除去することにより、微細な空隙を生成し、誘電率
の低い絶縁材を形成することができる。光照射は、波長
200nm程度を中心として350nm以下の波長領域
の紫外線を照射できる低圧水銀灯を光源とした、深紫外
線露光装置等を用いて行うことができる。また、加熱硬
化は揮散した成分を排気できる加熱装置で行うことが好
ましい。
法により加熱硬化し、紫外線照射し、成分(A)を紫外
線照射によって低分子量化したものを蒸発または抽出に
より除去することにより、微細な空隙を生成し、誘電率
の低い絶縁材を形成することができる。光照射は、波長
200nm程度を中心として350nm以下の波長領域
の紫外線を照射できる低圧水銀灯を光源とした、深紫外
線露光装置等を用いて行うことができる。また、加熱硬
化は揮散した成分を排気できる加熱装置で行うことが好
ましい。
【0024】抽出に使用できる溶媒として好ましいもの
としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド、4塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレ
ン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、γ-ブチロラクト
ンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド、4塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレ
ン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、γ-ブチロラクト
ンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0025】本発明の絶縁材の誘電率を低減するために
形成される微少な空隙は、好ましくはその直径が50n
m以下のものであり、さらに好ましくは10nm以下の
ものである。また、微少な空隙の割合としては、絶縁材
の形成物全体に対し、5〜90vol%が好ましい。
形成される微少な空隙は、好ましくはその直径が50n
m以下のものであり、さらに好ましくは10nm以下の
ものである。また、微少な空隙の割合としては、絶縁材
の形成物全体に対し、5〜90vol%が好ましい。
【0026】このようにして得られた絶縁材は、半導体
用の層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレ
キシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、
液晶配向膜などの絶縁材として用いることができる。
用の層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレ
キシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、
液晶配向膜などの絶縁材として用いることができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例により具体的に説明するが、本
発明は実施例の内容になんら限定されるものではない。
発明は実施例の内容になんら限定されるものではない。
【0028】「実施例1」 (1)シクロブタン環構造を有するポリイミド前駆体の
合成 攪拌装置、窒素導入管、原料投入口を備えたセパラブル
フラスコ中、2,5−ジアミノ−p−キシレン5.45
g(0.04mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピ
ロリドン(以下NMPと略す)132gに溶解する。乾
燥窒素下、10℃に溶液を冷却して、1,2,3,4−
シクロブタンテトラカルボン酸二無水物7.84g
(0.04mol)を投入した。投入から5時間後に室
温まで戻し、室温で2時間攪拌し、シクロブタン環構造
を有するポリイミド前駆体であるポリアミド酸の10%
溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の分子量は、数
平均分子量30,000、重量平均分子量60,300
であった。
合成 攪拌装置、窒素導入管、原料投入口を備えたセパラブル
フラスコ中、2,5−ジアミノ−p−キシレン5.45
g(0.04mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピ
ロリドン(以下NMPと略す)132gに溶解する。乾
燥窒素下、10℃に溶液を冷却して、1,2,3,4−
シクロブタンテトラカルボン酸二無水物7.84g
(0.04mol)を投入した。投入から5時間後に室
温まで戻し、室温で2時間攪拌し、シクロブタン環構造
を有するポリイミド前駆体であるポリアミド酸の10%
溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の分子量は、数
平均分子量30,000、重量平均分子量60,300
であった。
【0029】(2)耐熱性材料前駆体であるポリヒドロ
キシアミドの合成 2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−
4,4’−ジカルボン酸22g、塩化チオニル45ml
及び乾燥ジメチルホルムアミド0.5mlを反応容器に
入れ、60℃で2時間反応させた。反応終了後、過剰の
塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した。残査をヘ
キサンにより再結晶させて、2,2’−ビス(トリフル
オロメチル)ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸クロ
リドを得た。攪拌装置、窒素導入管、滴下漏斗を付けた
セパラブルフラスコ中、2,2−ビス(3ーアミノ−4
−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン7.3
2g(0.02mol)を、乾燥したジメチルアセトア
ミド100gに溶解し、ピリジン3.96g(0.05
mol)を添加後、乾燥窒素導入下、−15℃でジメチ
ルアセトアミド50gに、上記により合成した2,2’
−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−4,4’−
ジカルボン酸クロリド8.30g(0.02mol)を
溶解したものを30分掛けて滴下した。滴下終了後、室
温まで戻し、室温で5時間攪拌した。その後、反応液を
水1000ml中に滴下し、沈殿物を集め、40℃で4
8時間真空乾燥することにより、耐熱性高分子材料であ
るポリベンゾオキサゾールの前駆体であるポリヒドロキ
シアミドの固形物を得た。得られたポリベンゾオキサゾ
ール前駆体の分子量は、数平均分子量20,000、重
量平均分子量40,000であった。
キシアミドの合成 2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−
4,4’−ジカルボン酸22g、塩化チオニル45ml
及び乾燥ジメチルホルムアミド0.5mlを反応容器に
入れ、60℃で2時間反応させた。反応終了後、過剰の
塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した。残査をヘ
キサンにより再結晶させて、2,2’−ビス(トリフル
オロメチル)ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸クロ
リドを得た。攪拌装置、窒素導入管、滴下漏斗を付けた
セパラブルフラスコ中、2,2−ビス(3ーアミノ−4
−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン7.3
2g(0.02mol)を、乾燥したジメチルアセトア
ミド100gに溶解し、ピリジン3.96g(0.05
mol)を添加後、乾燥窒素導入下、−15℃でジメチ
ルアセトアミド50gに、上記により合成した2,2’
−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−4,4’−
ジカルボン酸クロリド8.30g(0.02mol)を
溶解したものを30分掛けて滴下した。滴下終了後、室
温まで戻し、室温で5時間攪拌した。その後、反応液を
水1000ml中に滴下し、沈殿物を集め、40℃で4
8時間真空乾燥することにより、耐熱性高分子材料であ
るポリベンゾオキサゾールの前駆体であるポリヒドロキ
シアミドの固形物を得た。得られたポリベンゾオキサゾ
ール前駆体の分子量は、数平均分子量20,000、重
量平均分子量40,000であった。
【0030】(3)耐熱性樹脂のガラス転移温度 上記により合成したポリヒドロキシアミド5.0gをN
MP20.0gに溶解し、離型処理したガラス基板上に
塗布した後、オーブン中120℃で30分、240℃で
90分間保持して成膜し、基板から膜を剥がした後、さ
らに400℃90分間加熱し、耐熱性樹脂であるポリベ
ンゾオキサゾールのフィルムとした。このベンゾオキサ
ゾールのガラス転移温度を示差走査熱量計により測定し
たところ、410℃であった。
MP20.0gに溶解し、離型処理したガラス基板上に
塗布した後、オーブン中120℃で30分、240℃で
90分間保持して成膜し、基板から膜を剥がした後、さ
らに400℃90分間加熱し、耐熱性樹脂であるポリベ
ンゾオキサゾールのフィルムとした。このベンゾオキサ
ゾールのガラス転移温度を示差走査熱量計により測定し
たところ、410℃であった。
【0031】(4)シクロブタン環構造を有するポリイ
ミドのUV照射後の熱分解温度 上記で得たシクロブタン環構造を有するポリアミド酸の
10%NMP溶液を、波長400nm以下の紫外線を遮
光した環境下、厚さ200nmのタンタルを成膜したシ
リコンウエハ上にスピンコートした。100℃で3分間
プリベークした後に、窒素雰囲気のオーブン中で150
℃30分加熱後、毎分5℃の昇温速度で410℃まで温
度を上げ、400℃で5分間保持した後に、毎分10℃
の速度で温度を下げて室温に戻した。オーブンからウエ
ハを取り出し、200Wの低圧水銀灯を用いた紫外線露
光装置により、5分間紫外線を照射した。紫外線照射後
のフィルムの熱分解温度を、空気雰囲気下で熱重量分析
により測定したところ、250℃であった。
ミドのUV照射後の熱分解温度 上記で得たシクロブタン環構造を有するポリアミド酸の
10%NMP溶液を、波長400nm以下の紫外線を遮
光した環境下、厚さ200nmのタンタルを成膜したシ
リコンウエハ上にスピンコートした。100℃で3分間
プリベークした後に、窒素雰囲気のオーブン中で150
℃30分加熱後、毎分5℃の昇温速度で410℃まで温
度を上げ、400℃で5分間保持した後に、毎分10℃
の速度で温度を下げて室温に戻した。オーブンからウエ
ハを取り出し、200Wの低圧水銀灯を用いた紫外線露
光装置により、5分間紫外線を照射した。紫外線照射後
のフィルムの熱分解温度を、空気雰囲気下で熱重量分析
により測定したところ、250℃であった。
【0032】(5)絶縁材用組成物の調製と絶縁材の製
造 上記により合成したポリヒドロキシアミドの固形物5.
0gをNMP45.0g中に溶解し、さらに上記で得た
シクロブタン環構造を有するポリアミド酸の10%NM
P溶液40.0gを加えて攪拌し、絶縁材用組成物を得
た。波長400nm以下の紫外線を遮光した環境下、こ
の絶縁材用組成物を、厚さ200nmのタンタルを成膜
したシリコンウエハ上にスピンコートした。100℃で
3分間プリベークした後に、窒素雰囲気のオーブン中で
150℃30分加熱後、毎分5℃の昇温速度で410℃
まで温度を上げ、400℃で5分間保持した後に、毎分
10℃の速度で温度を下げて室温に戻した。オーブンか
らウエハを取り出し、200Wの低圧水銀灯を用いた紫
外線露光装置により、5分間紫外線を照射した。その
後、換気装置付きのオーブンを用い、空気雰囲気中で2
50℃で4時間加熱した。このようにして厚さ0.8μ
mの絶縁材の被膜を得た。この絶縁材の皮膜上に面積
0.1cm2のアルミの電極を蒸着により形成し、基板
のタンタルとの間のキャパシタンスをLCRメーターに
より測定した。膜厚、電極面積、キャパシタンスから絶
縁材の誘電率を算出したところ、2.1であった。絶縁
材皮膜の断面をTEMにより観察したところ、得られた
空隙は平均孔径5nmで非連続であった。また、示差走
査熱量計で絶縁材皮膜のガラス転移温度を測定したとこ
ろ410℃であった。
造 上記により合成したポリヒドロキシアミドの固形物5.
0gをNMP45.0g中に溶解し、さらに上記で得た
シクロブタン環構造を有するポリアミド酸の10%NM
P溶液40.0gを加えて攪拌し、絶縁材用組成物を得
た。波長400nm以下の紫外線を遮光した環境下、こ
の絶縁材用組成物を、厚さ200nmのタンタルを成膜
したシリコンウエハ上にスピンコートした。100℃で
3分間プリベークした後に、窒素雰囲気のオーブン中で
150℃30分加熱後、毎分5℃の昇温速度で410℃
まで温度を上げ、400℃で5分間保持した後に、毎分
10℃の速度で温度を下げて室温に戻した。オーブンか
らウエハを取り出し、200Wの低圧水銀灯を用いた紫
外線露光装置により、5分間紫外線を照射した。その
後、換気装置付きのオーブンを用い、空気雰囲気中で2
50℃で4時間加熱した。このようにして厚さ0.8μ
mの絶縁材の被膜を得た。この絶縁材の皮膜上に面積
0.1cm2のアルミの電極を蒸着により形成し、基板
のタンタルとの間のキャパシタンスをLCRメーターに
より測定した。膜厚、電極面積、キャパシタンスから絶
縁材の誘電率を算出したところ、2.1であった。絶縁
材皮膜の断面をTEMにより観察したところ、得られた
空隙は平均孔径5nmで非連続であった。また、示差走
査熱量計で絶縁材皮膜のガラス転移温度を測定したとこ
ろ410℃であった。
【0033】「実施例2」 (1)シクロブタン環構造を有するポリイミド前駆体の
合成 実施例1のポリイミド前駆体の合成において用いた2,
5−ジアミノ−p−キシレン5.45g(0.04mo
l)を4,4’−ジアミノジフェニルエーテル8.01
g(0.04mol)に、1,2,3,4−シクロブタ
ンテトラカルボン酸二無水物7.84g(0.04mo
l)をトリシクロ[6.4.0.02,7]ドデカン−1,
8,2,7−テトラカルボン酸二無水物11.21g
(0.04mol)に、NMP132gを171g換え
た以外は実施例1と同様にして、ポリイミド前駆体であ
るポリアミド酸の10%溶液を得た。得られたポリイミ
ド前駆体の分子量は、数平均分子量18,000、重量
平均分子量37,000であった。
合成 実施例1のポリイミド前駆体の合成において用いた2,
5−ジアミノ−p−キシレン5.45g(0.04mo
l)を4,4’−ジアミノジフェニルエーテル8.01
g(0.04mol)に、1,2,3,4−シクロブタ
ンテトラカルボン酸二無水物7.84g(0.04mo
l)をトリシクロ[6.4.0.02,7]ドデカン−1,
8,2,7−テトラカルボン酸二無水物11.21g
(0.04mol)に、NMP132gを171g換え
た以外は実施例1と同様にして、ポリイミド前駆体であ
るポリアミド酸の10%溶液を得た。得られたポリイミ
ド前駆体の分子量は、数平均分子量18,000、重量
平均分子量37,000であった。
【0034】(2)耐熱性材料前駆体であるポリベンゾ
オキサゾールの合成 4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル
−1,1’−ジカルボン酸25g、塩化チオニル45m
l及び乾燥ジメチルホルムアミド0.5mlを反応容器
に入れ、60℃で2時間反応させた。反応終了後、過剰
の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した。残査を
ヘキサンにより再結晶させて、4,4’−ヘキサフルオ
ロイソプロピリデンジフェニル−1,1’ジカルボン酸
クロリドを得た。攪拌装置、窒素導入管、滴下漏斗を付
けたセパラブルフラスコ中、2,2−ビス(3ーアミノ
−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
7.32g(0.02mol)を、乾燥したジメチルア
セトアミド100gに溶解し、ピリジン3.96g
(0.05mol)を添加後、乾燥窒素導入下、−15
℃でジメチルアセトアミド50gに、上記により合成し
た4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニ
ル−1,1’−ジカルボン酸クロリド8.58g(0.
02mol)を溶解したものを30分掛けて滴下した。
滴下終了後、室温まで戻し、室温で5時間攪拌した。そ
の後、反応液を水1000ml中に滴下し、沈殿物を集
め、40℃で48時間真空乾燥することにより、ポリベ
ンゾオキサゾール前駆体であるポリヒドロキシアミドの
固形物を得た。このポリヒドロキシアミドを、NMP2
00gに溶解した溶液に、ピリジン50gを加えた後、
無水酢酸0.03molを滴下し、系の温度を70℃に保
って、7時間オキサゾール化反応を行った。この溶液を
20倍量の水中に滴下して沈殿を回収し、60℃で72
時間真空乾燥して、耐熱性高分子材料であるポリベンゾ
オキサゾールの固形物を得た。
オキサゾールの合成 4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル
−1,1’−ジカルボン酸25g、塩化チオニル45m
l及び乾燥ジメチルホルムアミド0.5mlを反応容器
に入れ、60℃で2時間反応させた。反応終了後、過剰
の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した。残査を
ヘキサンにより再結晶させて、4,4’−ヘキサフルオ
ロイソプロピリデンジフェニル−1,1’ジカルボン酸
クロリドを得た。攪拌装置、窒素導入管、滴下漏斗を付
けたセパラブルフラスコ中、2,2−ビス(3ーアミノ
−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
7.32g(0.02mol)を、乾燥したジメチルア
セトアミド100gに溶解し、ピリジン3.96g
(0.05mol)を添加後、乾燥窒素導入下、−15
℃でジメチルアセトアミド50gに、上記により合成し
た4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニ
ル−1,1’−ジカルボン酸クロリド8.58g(0.
02mol)を溶解したものを30分掛けて滴下した。
滴下終了後、室温まで戻し、室温で5時間攪拌した。そ
の後、反応液を水1000ml中に滴下し、沈殿物を集
め、40℃で48時間真空乾燥することにより、ポリベ
ンゾオキサゾール前駆体であるポリヒドロキシアミドの
固形物を得た。このポリヒドロキシアミドを、NMP2
00gに溶解した溶液に、ピリジン50gを加えた後、
無水酢酸0.03molを滴下し、系の温度を70℃に保
って、7時間オキサゾール化反応を行った。この溶液を
20倍量の水中に滴下して沈殿を回収し、60℃で72
時間真空乾燥して、耐熱性高分子材料であるポリベンゾ
オキサゾールの固形物を得た。
【0035】(3)耐熱性樹脂のガラス転移温度 上記により合成したポリヒドロキシアミド5.0gをN
MP20.0gに溶解し、離型処理したガラス基板上に
塗布した後、オーブン中120℃で30分、240℃で
90分間保持して成膜し、基板から膜を剥がした後、さ
らに400℃90分間加熱し、耐熱性樹脂であるポリベ
ンゾオキサゾールのフィルムとした。このベンゾオキサ
ゾールのガラス転移温度を示差走査熱量計により測定し
たところ、362℃であった。
MP20.0gに溶解し、離型処理したガラス基板上に
塗布した後、オーブン中120℃で30分、240℃で
90分間保持して成膜し、基板から膜を剥がした後、さ
らに400℃90分間加熱し、耐熱性樹脂であるポリベ
ンゾオキサゾールのフィルムとした。このベンゾオキサ
ゾールのガラス転移温度を示差走査熱量計により測定し
たところ、362℃であった。
【0036】(4)シクロブタン環構造を有するポリイ
ミドのUV照射後の熱分解性 上記で得たシクロブタン環構造を有するポリアミド酸の
10%NMP溶液を、波長400nm以下の紫外線を遮
光した環境下、厚さ200nmのタンタルを成膜したシ
リコンウエハ上にスピンコートした。100℃で3分間
プリベークした後に、窒素雰囲気のオーブン中で150
℃30分加熱後、毎分5℃の昇温速度で410℃まで温
度を上げ、400℃で5分間保持した後に、毎分10℃
の速度で温度を下げて室温に戻した。オーブンからウエ
ハを取り出し、200Wの低圧水銀灯を用いた紫外線露
光装置により、5分間紫外線を照射した。紫外線照射後
のフィルムの熱分解温度を、空気雰囲気下で熱重量分析
により測定したところ、248℃であった。
ミドのUV照射後の熱分解性 上記で得たシクロブタン環構造を有するポリアミド酸の
10%NMP溶液を、波長400nm以下の紫外線を遮
光した環境下、厚さ200nmのタンタルを成膜したシ
リコンウエハ上にスピンコートした。100℃で3分間
プリベークした後に、窒素雰囲気のオーブン中で150
℃30分加熱後、毎分5℃の昇温速度で410℃まで温
度を上げ、400℃で5分間保持した後に、毎分10℃
の速度で温度を下げて室温に戻した。オーブンからウエ
ハを取り出し、200Wの低圧水銀灯を用いた紫外線露
光装置により、5分間紫外線を照射した。紫外線照射後
のフィルムの熱分解温度を、空気雰囲気下で熱重量分析
により測定したところ、248℃であった。
【0037】(3)絶縁材用組成物の調製と絶縁材の製
造 上記により合成したポリベンゾオキサゾール5.0gを
NMP45.0gに溶解した後、さらに上記で得たシク
ロブタン環構造を有するポリアミド酸の10%NMP溶
液40.0gを添加して攪拌し、絶縁材用組成物を得
た。波長400nm以下の紫外線を遮光した環境下、こ
の絶縁材用組成物を、厚さ200nmのタンタルを成膜
したシリコンウエハ上にスピンコートした。100℃で
3分間プリベークした後に、窒素雰囲気のオーブン中で
150℃30分加熱後毎分5℃の昇温速度で370℃ま
で温度を上げ、370℃で5分間保持した後に、毎分1
0℃の速度で温度を下げて室温に戻した。オーブンから
ウエハを取り出し、200Wの低圧水銀灯を用いた紫外
線露光装置により、5分間紫外線を照射した。その後、
換気装置付きのオーブンを用い、空気雰囲気中で250
℃で4時間加熱した。このようにして厚さ0.8μmの
絶縁材の被膜を得た。以下実施例1と同様にして、この
絶縁材の誘電率を測定したところ2.1であった。絶縁
材皮膜の断面をTEMにより観察したところ、得られた
空隙は平均孔径4nmで非連続であった。また、示差走
査熱量計で絶縁材皮膜のガラス転移温度を示差走査熱量
計により測定したところ、362℃であった。
造 上記により合成したポリベンゾオキサゾール5.0gを
NMP45.0gに溶解した後、さらに上記で得たシク
ロブタン環構造を有するポリアミド酸の10%NMP溶
液40.0gを添加して攪拌し、絶縁材用組成物を得
た。波長400nm以下の紫外線を遮光した環境下、こ
の絶縁材用組成物を、厚さ200nmのタンタルを成膜
したシリコンウエハ上にスピンコートした。100℃で
3分間プリベークした後に、窒素雰囲気のオーブン中で
150℃30分加熱後毎分5℃の昇温速度で370℃ま
で温度を上げ、370℃で5分間保持した後に、毎分1
0℃の速度で温度を下げて室温に戻した。オーブンから
ウエハを取り出し、200Wの低圧水銀灯を用いた紫外
線露光装置により、5分間紫外線を照射した。その後、
換気装置付きのオーブンを用い、空気雰囲気中で250
℃で4時間加熱した。このようにして厚さ0.8μmの
絶縁材の被膜を得た。以下実施例1と同様にして、この
絶縁材の誘電率を測定したところ2.1であった。絶縁
材皮膜の断面をTEMにより観察したところ、得られた
空隙は平均孔径4nmで非連続であった。また、示差走
査熱量計で絶縁材皮膜のガラス転移温度を示差走査熱量
計により測定したところ、362℃であった。
【0038】「比較例1」実施例1の絶縁材用組成物の
調整において用いたシクロブタン環構造を有するポリイ
ミド前駆体であるポリアミド酸の10%NMP溶液を添
加しない以外は全て実施例1と同様に行った。得られた
耐熱性樹脂の誘電率は2.7であった。絶縁材皮膜の断
面をTEMにより観察したところ、空隙は観察されなか
った。
調整において用いたシクロブタン環構造を有するポリイ
ミド前駆体であるポリアミド酸の10%NMP溶液を添
加しない以外は全て実施例1と同様に行った。得られた
耐熱性樹脂の誘電率は2.7であった。絶縁材皮膜の断
面をTEMにより観察したところ、空隙は観察されなか
った。
【0039】「比較例2」実施例1のポリイミド前駆体
の合成において用いた1,2,3,4−シクロブタンテ
トラカルボン酸二無水物7.84g(0.04mol)
をピロメリット酸二無水物8.72(0.04mol)
に換えた以外は実施例1と同様にして行った。得られた
耐熱性樹脂の誘電率は3.0であった。絶縁材皮膜の断
面をTEMにより観察したところ、空隙は観察されなか
った。
の合成において用いた1,2,3,4−シクロブタンテ
トラカルボン酸二無水物7.84g(0.04mol)
をピロメリット酸二無水物8.72(0.04mol)
に換えた以外は実施例1と同様にして行った。得られた
耐熱性樹脂の誘電率は3.0であった。絶縁材皮膜の断
面をTEMにより観察したところ、空隙は観察されなか
った。
【0040】実施例1および2においては、誘電率が
2.1と非常に低く、ガラス転移温度も高い耐熱性樹脂
を得ることが出来た。
2.1と非常に低く、ガラス転移温度も高い耐熱性樹脂
を得ることが出来た。
【0041】比較例1では、シクロブタン環構造を有す
るポリイミドまたはポリイミド前駆体を成分中に有して
いないために誘電率を低減できなかった。
るポリイミドまたはポリイミド前駆体を成分中に有して
いないために誘電率を低減できなかった。
【0042】比較例2では、添加したポリイミド前駆体
がシクロブタン環を有する構造を持つものでないために
誘電率が増加してしまった。
がシクロブタン環を有する構造を持つものでないために
誘電率が増加してしまった。
【0043】
【発明の効果】本発明の絶縁材用樹脂組成物及びこれを
用いた絶縁材は、電気特性および耐熱性に優れたもので
あり、これらの特性が要求される様々な分野、例えば半
導体用の層間絶縁膜、多層回路の層間絶縁膜などとして
有用な絶縁材料である。
用いた絶縁材は、電気特性および耐熱性に優れたもので
あり、これらの特性が要求される様々な分野、例えば半
導体用の層間絶縁膜、多層回路の層間絶縁膜などとして
有用な絶縁材料である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 79/08 C08L 79/08 A 101/00 101/00 Fターム(参考) 4J002 AA00W CM02W CM04X GQ01 GQ05 4J043 PA02 PA04 PA15 PA19 PC015 PC016 QB15 QB26 QB31 RA05 RA34 SA06 SB01 SB03 TA22 TB01 UA021 UA041 UA121 UA122 UA131 UA132 UA761 UB011 UB121 UB401 VA011 VA021 VA022 VA051 VA061 VA062 VA091 VA101 VA102 XA16 XA17 XA19 YA06 YB08 ZA12 ZA43 ZA46 ZB11 ZB21 ZB47 5G305 AA07 AA11 AB10 AB24 BA09 BA18 CA21 CA32 CA55 CA60 DA22
Claims (4)
- 【請求項1】 シクロブタン環構造を有するポリイミド
またはポリイミド前駆体と、耐熱性材料またはその前駆
体とを必須成分とする絶縁材用組成物。 - 【請求項2】 耐熱性材料またはその前駆体がポリベン
ゾオキサゾールまたはポリベンゾオキサゾール前駆体で
ある請求項1記載の絶縁材用組成物。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の絶縁材用組成物
を用いて、波長350nm以下の紫外線の照射により、
前記組成物成分のシクロブタン環構造を有するポリイミ
ドまたはポリイミド前駆体を、低分子量化させて、更に
蒸発または抽出する工程を含むことを特徴とする絶縁材
の製造方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の製造方法により得られた
絶縁材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000069369A JP2001256829A (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | 絶縁材用組成物、並びに絶縁材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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- 2000-03-13 JP JP2000069369A patent/JP2001256829A/ja active Pending
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