JP2001011181A - 絶縁材用樹脂組成物及びこれを用いた絶縁材 - Google Patents

絶縁材用樹脂組成物及びこれを用いた絶縁材

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JP2001011181A
JP2001011181A JP11189108A JP18910899A JP2001011181A JP 2001011181 A JP2001011181 A JP 2001011181A JP 11189108 A JP11189108 A JP 11189108A JP 18910899 A JP18910899 A JP 18910899A JP 2001011181 A JP2001011181 A JP 2001011181A
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Toshimasa Eguchi
敏正 江口
Mitsuru Murata
満 村田
Hisafumi Enoki
尚史 榎
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体用途に優れた熱特性、電気特性を有する
絶縁材を提供する。 【解決手段】光重合性の官能基を有する成分(A)と、
ガラス転移温度が(A)の重合物の熱分解温度より高い
耐熱性樹脂またはその前駆体(B)とを必須成分とする
絶縁材用樹脂組成物、これを用いた絶縁材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は絶縁材に関するもの
であり、更に詳しくは電気・電子機器用、半導体装置用
として優れた特性を有する絶縁材用樹脂組成物及びこれ
を用いた絶縁材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気電子機器用、半導体装置用材料に求
められている特性のなかで、電気特性と耐熱性は最も重
要な特性である。特に近年、回路の微細化と信号の高速
化に伴い、誘電率の低い絶縁材料が要求されている。こ
の2つの特性を両立させるための材料として、耐熱性樹
脂を用いた絶縁材が期待されている。例えば、従来から
用いられている二酸化シリコン等の無機の絶縁材は、高
耐熱性を示すが誘電率が高く、要求特性が高度化してい
る現在では、前述の特性について両立が困難になりつつ
ある。ポリイミド樹脂に代表される耐熱性樹脂は、電気
特性と耐熱性に優れ2つの特性の両立が可能であり、実
際にプリント回路のカバーレイや半導体装置のパッシベ
ーション膜などに用いられている。
【0003】しかしながら、近年の半導体の高機能化、
高性能化にともない、電気特性、耐熱性について著しい
向上が必要とされているため、更に高性能な樹脂が必要
とされるようになっている。特に誘電率について2.5
を下回るような低誘電率材料が期待されており、従来の
絶縁材では必要とされる特性に達していない。これに対
して、これまでには、例えば、ポリイミド及び溶剤から
成る樹脂組成物にポリイミド以外の熱分解性樹脂を加
え、加熱工程により、この熱分解性樹脂を分解させて空
隙を形成することにより、絶縁材の誘電率を低減させる
ことが試みられている。しかし、ポリイミド等の耐熱性
樹脂と熱分解性樹脂が相溶するとガラス転移点が低くな
ってしまうために、熱分解性樹脂を分解させる際に、空
隙が潰れていまい、誘電率を低減させる効果が少ない。
一方、ポリイミド等の耐熱性樹脂と相溶しない熱分解性
樹脂を用いた場合は、絶縁材用樹脂組成物が保存中に不
均一になってしまい、使用できないという問題が有る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、極めて低い
誘電率と良好な絶縁性を示すとともに耐熱性にも優れた
絶縁材用樹脂組成物及び絶縁材を提供する事を目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
の問題点を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、以下の手段に
より本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、 1.光重合性の官能基を有する成分(A)と、樹脂のガ
ラス転移温度が成分(A)の重合物の熱分解温度より高
い耐熱性樹脂またはその前駆体(B)とを必須成分とす
る絶縁材用樹脂組成物、
【0007】2.耐熱性樹脂またはその前駆体(B)が
ポリイミド樹脂またはポリイミド前駆体である前記1項
に記載の絶縁材用樹脂組成物、
【0008】3.耐熱性樹脂またはその前駆体(B)が
ポリベンゾオキサゾール樹脂またはポリベンゾオキサゾ
ール前駆体である前記1項に記載の絶縁材用樹脂組成
物、
【0009】4.前記1〜3項のいずれか1項に記載の
絶縁材用樹脂組成物を用いて、光重合性の官能基を有す
る成分(A)を光重合させた後、成分(A)の重合物の
熱分解温度より高い温度、および耐熱性樹脂もしくはそ
の前駆体を閉環させた樹脂のガラス転移温度以下で熱処
理する工程を有する方法で製造されたことを特徴とする
絶縁材、である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の絶縁材用樹脂組成物は、
光重合性の官能基を有する成分(A)と、樹脂のガラス
転移温度が成分(A)の重合物の熱分解温度より高い耐
熱性樹脂、または加熱による反応もしくは化学閉環反応
により耐熱性樹脂を生成する耐熱性樹脂前駆体(B)と
を必須成分として成るものである。成分(A)と成分
(B)以外の成分として、溶剤を用いることが可能であ
るが、成分(A)が成分(B)を溶解する液体である場
合は、成分(A)をもって溶剤を兼ねることもできる。
【0011】本発明の絶縁材用樹脂組成物は、基板等の
上に塗布して加熱・製膜したり、ガラスクロス等に含浸
させて加熱することにより、絶縁材とすることができ
る。この加熱を行う前、または溶剤成分のみを揮散させ
るプリベーク工程の後に、光を照射することにより、成
分(A)の光重合性の官能基が重合により架橋反応を起
こし、それに伴い成分(B)と相分離を生じることによ
り、成分(B)本来の高いガラス転移温度が発現する。
さらに、加熱温度を成分(A)の重合物が熱分解する温
度より高い温度、および成分(B)の樹脂のガラス転移
温度以下の温度に上昇させることにより、成分(B)の
樹脂のガラス転移温度に到達する前に、成分(A)が熱
分解して揮散することにより、微細な空隙を形成する。
これにより低い誘電率の絶縁材を得ることが出来るもの
である。
【0012】本発明に用いる光重合性の官能基を有する
成分(A)の例を挙げると、メタクリル酸メチル、ヒド
ロキシメタクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポ
リプロピレングリコールジメタクリレート、グリセロー
ルジメタクリレート、メタクリル酸アミド、シンナモイ
ル酸、エチルビニルエーテル等であるがこれらに限られ
るものではない。また、ベンゾフェノンなどの光重合開
始剤および増感剤を添加することも可能である。
【0013】本発明に用いる樹脂のガラス転移温度が成
分(A)の重合物の熱分解温度より高い耐熱性樹脂、ま
たは加熱による反応もしくは化学閉環反応により耐熱性
樹脂を生成する耐熱性樹脂前駆体(B)の例を挙げる
と、ポリイミド、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステ
ル、ポリイソイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、
ビスマレイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリヒドロ
キシアミド、ポリベンゾチアゾール等であるがこれらに
限られるものではない。これらの中でもポリイミド樹脂
とポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリイソイミ
ド等のポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール樹脂
とポリヒドロキシアミド等のポリベンゾオキサゾール前
駆体は耐熱性が高く好ましい。
【0014】本発明の絶縁材用樹脂組成物の成分として
溶剤を用いる場合に、好ましい溶剤の例を挙げると、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リドン、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、γ−ブチロラクトン等であるがこれらに限定さ
れるものではない。また、これらを2種以上、同時に用
いてもかまわない。さらに、塗布性や含浸性を向上させ
るために少量の界面活性剤を添加してもかまわない。
【0015】本発明の絶縁材の誘電率を低減するために
形成される微少な空隙は、その直径が50nm以下のも
のであり、好ましくは平均孔径10nm以下のものであ
る。また、微少な空隙の割合としては、絶縁材の形成物
全体に対し、5〜90vol%が好ましく、より好まし
くは10〜70vol%である。下限値より小さいと低
誘電率化の効果は少なく、上限値より大きいと絶縁体の
機械的強度が低下してしまう。
【0016】本発明の絶縁材用樹脂組成物は、各成分を
前記空隙を形成する範囲で配合される。成分(A)と成
分(B)との重量比A/Bが、5/95から90/1
0、より好ましくは10/90から70/30である。
これらを均一に混合して得られる。
【0017】本発明の絶縁材の製造方法の例としては、
本発明の絶縁材用樹脂組成物を用い、上記溶剤に溶解し
ワニスとした後、適当な支持体、例えば、ガラス、金
属、シリコーンウエハーやセラミック基盤などに塗布す
る。具体的な塗布の方法としては、スピンナーを用いた
回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、
印刷、ロールコーティングなどが挙げられる。このよう
にして、塗膜形成し、前記の方法により光照射及び加熱
し微少な空隙を形成させ硬化させることにより誘電率の
低い絶縁材を形成することができる。光照射は、高圧水
銀灯を光源とした紫外線露光装置で行うことが好まし
い。また、加熱硬化は揮散した成分を排気できる加熱装
置で行うことが好ましい。
【0018】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、実施例の内容になんら限定されるものではない。
【0019】「実施例1」 (1)ポリイミド樹脂の合成 攪拌装置、窒素導入管、原料投入口を備えたセパラブル
フラスコ中、2,2’−ビス(4−(4,4’−アミノ
フェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン5.1
8g(0.01mol)と2,2’−ビス(トリフルオ
ロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル9.60g
(0.03mol)を乾燥したN−メチル−2−ピロリ
ドン(以下NMPと略す)200gに溶解する。乾燥窒
素下、10℃に溶液を冷却して、ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物2.94(0.01mol)とヘキサフ
ルオロイソプロピリデン−2,2−ビス(フタル酸無水
物)13.32g(0.03mol)を投入した。投入
から5時間後に室温まで戻し、室温で2時間攪拌し、ポ
リイミド前駆体であるポリアミド酸の溶液を得た。この
ポリアミド酸溶液にピリジン50gを加えた後、無水酢
酸0.05molを滴下し、系の温度を70℃に保っ
て、7時間イミド化反応を行った。この溶液を20倍量
の水中に滴下して沈殿を回収し、60℃で72時間真空
乾燥して、耐熱性樹脂であるポリイミド樹脂の固形物を
得た。ポリイミド樹脂の分子量は、数平均分子量26,
000、重量平均分子量54,000であった。
【0020】(2)耐熱性樹脂のガラス転移温度の測定 上記により合成したポリイミド樹脂5.0gをNMP1
5.0gに溶解し、離形処理したガラス基板上に塗布し
た後、オーブン中120℃で30分保持後230℃で9
0分保持して成膜し、基板から膜を剥がした後、さらに
400℃で90分加熱し、ポリイミド樹脂のフィルムと
した。このポリイミド樹脂のガラス転移温度を示差走査
熱量計により測定したところ、335℃であった。
【0021】(3)光重合性の官能基を有する成分を重
合した物の熱分解温度の測定 紫外線を遮光した環境下、平均分子量600のポリエチ
レングリコールジメタクリレート10gをテトラヒドロ
フラン40gに溶解し、ベンゾフェノン0.05gを加
えて溶解した後、シリコンウエハ上にスピンコートし
た。50℃で2分間プリベークした後に高圧水銀灯を光
源に用いた紫外線露光装置により、2000mJ/cm
2の紫外線を照射して光重合を行った。得られた重合物
の窒素雰囲気下での熱分解温度を熱重量分析により測定
したところ、310℃であった。
【0022】(4)絶縁材用樹脂組成物の調製と絶縁材
の製造 上記により合成したポリイミド10.0gをNMP5
0.0gに溶解した後、平均分子量600のポリエチレ
ングリコールジメタクリレート5.0gとベンゾフェノ
ン0.02gを加えて攪拌し、絶縁材用樹脂組成物を得
た。厚さ200nmのタンタルを成膜したシリコンウエ
ハ上に、この絶縁材用樹脂組成物をスピンコートして1
00℃のホットプレートで、2分間プリベークした後
に、高圧水銀灯を光源に用いた紫外線露光装置により、
2000mJ/cm2の紫外線を照射し、窒素雰囲気の
オーブン中で加熱硬化した。加熱硬化の際は、120℃
で30分保持後、5℃/分の昇温速度で315℃まで温
度を上げて315℃で180分保持し、335℃まで温
度を上げた後、15分間で200℃まで温度を下げた
後、さらに60分で室温まで温度を戻した。このように
して厚さ0.8μmの絶縁材の被膜を得た。この絶縁材
の皮膜上に面積0.1cm2のアルミの電極を蒸着によ
り形成し、基板のタンタルとの間のキャパシタンスをL
CRメーターにより測定した。膜厚、電極面積、キャパ
シタンスから絶縁材の誘電率を算出したところ、2.4
であった。絶縁材皮膜の断面をTEMにより観察したと
ころ、得られた空隙は平均孔径8nmで非連続であっ
た。
【0023】「実施例2」 (1)ポリイミド前駆体の合成 実施例1のポリイミド樹脂の合成でポリイミド前駆体の
合成において用いた2,2’−ビス(4−(4,4’−
アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン
5.18g(0.01mol)と2,2’−ビス(トリ
フルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル9.
60g(0.03mol)を4,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル8.01g(0.04mol)に、ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物2.94(0.01mo
l)とヘキサフルオロイソプロピリデン−2,2−ビス
(フタル酸無水物)13.32g(0.03mol)を
ピロメリット酸二無水物8.72(0.04mol)に
換えた以外は、実施例1と同様にしてポリイミド前駆体
であるポリアミド酸の溶液を得た。この溶液を20倍量
の水中に滴下して沈殿を回収し、25℃で72時間真空
乾燥して耐熱性樹脂であるポリイミドの前駆体であるポ
リアミド酸の固形物を得た。得られたポリアミド酸の数
平均分子量は27,000、重量平均分子量は55,0
00であった。
【0024】(2)耐熱性樹脂のガラス転移温度の測定 上記により合成したポリアミド酸5.0gをNMP2
0.0gに溶解し、離形処理したガラス基板上に塗布し
た後、オーブン中120℃で30分保持後250℃で9
0分保持して成膜し、基板から膜を剥がした後、さらに
450℃で90分加熱し、耐熱性樹脂であるポリイミド
樹脂のフィルムとした。このポリイミド樹脂のガラス転
移温度を示差走査熱量計により測定したところ、419
℃であった。
【0025】(3)光重合性の官能基を有する成分を重
合した物の熱分解温度の測定 紫外線を遮光した環境下、平均分子量1100のポリプ
ロピレングリコールジメタクリレート10gをテトラヒ
ドロフラン40gに溶解し、ベンゾフェノン0.05g
を加えて溶解した後、シリコンウエハ上にスピンコート
した。50℃で2分間プリベークした後に、高圧水銀灯
を光源に用いた紫外線露光装置により2000mJ/c
2の紫外線を照射して光重合を行った。得られた重合
物の窒素雰囲気下での熱分解温度を熱重量分析により測
定したところ、360℃であった。
【0026】(4)絶縁材用樹脂組成物の調製と絶縁材
の製造 上記により合成したポリアミド酸10.0gをNMP5
0.0gに溶解した後、平均分子量1100のポリプロ
ピレングリコールジメタクリレート8.0gとベンゾフ
ェノン0.02gを加えて攪拌し、絶縁材用樹脂組成物
を得た。厚さ200nmのタンタルを成膜したシリコン
ウエハ上に、この絶縁材用樹脂組成物をスピンコートし
て100℃のホットプレートで2分間プリベークした後
に高圧水銀灯を光源に用いた紫外線露光装置により20
00mJ/cm2の紫外線を照射し、窒素雰囲気のオー
ブン中で加熱硬化した。加熱硬化の際は、120℃で3
0分保持後260℃で120分間保持した後、400℃
で90分保持し、20分間で200℃まで温度を下げた
後、さらに40分で室温まで温度を戻した。このように
して厚さ0.7μmの絶縁材の被膜を得た。以下実施例
1と同様にして、この耐熱性樹脂の誘電率を測定したと
ころ2.4であった。得られた空隙は平均孔径6nmで
非連続相であった。
【0027】「実施例3」 (1)ポリベンゾオキサゾール樹脂の合成 4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル
−1,1’−ジカルボン酸25g、塩化チオニル45m
l及び乾燥ジメチルホルムアミド0.5mlを反応容器
に入れ、60℃で2時間反応させた。反応終了後、過剰
の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した。析出物
をヘキサンを用いて再結晶を行い、4,4’−ヘキサフ
ルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1’ジカルボ
ン酸クロリドを得た。攪拌装置、窒素導入管、滴下漏斗
を付けたセパラブルフラスコ中、2,2’−ビス(3ー
アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン7.32g(0.02mol)を乾燥したジメチル
アセトアミド100gに溶解し、ピリジン3.96g
(0.05mol)を添加後、乾燥窒素導入下、−15
℃でジメチルアセトアミド50gに、上記により合成し
た4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニ
ル−1,1’−ジカルボン酸クロリド8.58g(0.
02mol)を溶解したものを30分掛けて滴下した。
滴下終了後、室温まで戻し、室温で5時間攪拌した。そ
の後、反応液を水1000ml中に滴下し、沈殿物を集
め、40℃で48時間真空乾燥することにより、ポリベ
ンゾオキサゾール前駆体であるポリヒドロキシアミドの
固形物を得た。このポリヒドロキシアミドをNMP20
0gに溶解した溶液にピリジン50gを加えた後、無水
酢酸0.03molを滴下し、系の温度を70℃に保っ
て、7時間オキサゾール化反応を行った。この溶液を2
0倍量の水中に滴下して沈殿を回収し、60℃で72時
間真空乾燥して耐熱性樹脂であるポリベンゾオキサゾー
ル樹脂の固形物を得た。得られたポリベンゾオキサゾー
ル樹脂の数平均分子量は20,000、重量平均分子量
は40,000であった。
【0028】(2)耐熱性樹脂のガラス転移温度の測定 上記により合成したポリベンゾオキサゾール樹脂5.0
gをNMP8.0gとテトラヒドロフラン12.0gの
混合溶媒に溶解し、離形処理したガラス基板上に塗布し
た後、オーブン中120℃で30分保持後240℃で9
0分保持して成膜し、基板から膜を剥がした後さらに4
00℃で90分加熱し、耐熱性樹脂であるポリベンゾオ
キサゾール樹脂のフィルムとした。このポリベンゾオキ
サゾール樹脂のガラス転移温度を示差走査熱量計により
測定したところ、362℃であった。
【0029】(3)光重合性の官能基を有する成分を重
合した物の熱分解温度の測定 紫外線を遮光した環境下、エチレングリコールジメタク
リレート10gをテトラヒドロフラン40gに溶解し、
ベンゾフェノン0.05gを加えて溶解した後、シリコ
ンウエハ上にスピンコートした。50℃で2分間プリベ
ークした後に、高圧水銀灯を光源に用いた紫外線露光装
置により2000mJ/cm2の紫外線を照射して光重
合を行った。得られた重合物の窒素雰囲気下での熱分解
温度を熱重量分析により測定したところ、344℃であ
った。
【0030】(4)絶縁材用樹脂組成物の調製と絶縁材
の製造 上記により合成したポリベンゾオキサゾール5.0gを
NMP8.0gとテトラヒドロフラン12.0gの混合
溶媒に溶解した後、エチレングリコールジメタクリレー
ト4.0とベンゾフェノン0.01gを添加して攪拌
し、絶縁材用樹脂組成物を得た。厚さ200nmのタン
タルを成膜したシリコンウエハ上に、この絶縁材用樹脂
組成物をスピンコートして、100℃のホットプレート
で2分間プリベークした後に、高圧水銀灯を光源に用い
た紫外線露光装置により2000mJ/cm2の紫外線
を照射し、窒素雰囲気のオーブン中で加熱硬化した。加
熱硬化の際は、120℃で30分保持後、5℃/分の昇
温速度で350℃まで温度を上げて350℃で90分保
持し、15分間で200℃まで温度を下げた後、さらに
40分で室温まで温度を戻した。このようにして厚さ
0.7μmの絶縁材の被膜を得た。以下実施例1と同様
にして、この耐熱性樹脂の誘電率を測定したところ2.
1であった。得られた空隙は平均孔径9nmで非連続相
であった。
【0031】「実施例4」 (1)ポリヒドロキシアミドの合成 2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−
4,4’−ジカルボン酸22g、塩化チオニル45ml
及び乾燥ジメチルホルムアミド0.5mlを反応容器に
入れ、60℃で2時間反応させた。反応終了後、過剰の
塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した。析出物を
ヘキサンを用いて再結晶を行い、2,2’−ビス(トリ
フルオロメチル)ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸
クロリドを得た。攪拌装置、窒素導入管、滴下漏斗を付
けたセパラブルフラスコ中、2,2’−ビス(3ーアミ
ノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
7.32g(0.02mol)を乾燥したジメチルアセ
トアミド100gに溶解し、ピリジン3.96g(0.
05mol)を添加後、乾燥窒素導入下、−15℃でジ
メチルアセトアミド50gに、上記により合成した2,
2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−4,
4’−ジカルボン酸クロリド8.30(0.02mo
l)を溶解したものを30分掛けて滴下した。滴下終了
後、室温まで戻し、室温で5時間攪拌した。その後、反
応液を水1000ml中に滴下し、沈殿物を集め、40
℃で48時間真空乾燥することにより、耐熱性樹脂であ
るポリベンゾオキサゾールの前駆体であるポリヒドロキ
シアミドの固形物を得た。得られたポリヒドロキシアミ
ドの数平均分子量は20,000、重量平均分子量は4
0,000であった。
【0032】(2)耐熱性樹脂のガラス転移温度の測定 上記により合成したポリヒドロキシアミド5.0gをN
MP20.0gに溶解し、離形処理したガラス基板上に
塗布した後、オーブン中120℃で30分保持後240
℃で90分保持して成膜し、基板から膜を剥がした後、
さらに400℃で90分加熱し、耐熱性樹脂であるポリ
ベンゾオキサゾール樹脂のフィルムとした。このポリベ
ンゾオキサゾール樹脂のガラス転移温度を示差走査熱量
計により測定したところ、410℃であった。
【0033】(3)光重合性の官能基を有する成分を重
合した物の熱分解温度の測定 紫外線を遮光した環境下、グリセロールジメタクリレー
ト10gをテトラヒドロフラン40gに溶解し、ベンゾ
フェノン0.05gを加えて溶解した後、シリコンウエ
ハ上にスピンコートした。50℃で2分間プリベークし
た後に、高圧水銀灯を光源に用いた紫外線露光装置によ
り2000mJ/cm2の紫外線を照射して光重合を行
った。得られた重合物の窒素雰囲気下での熱分解温度を
熱重量分析により測定したところ、382℃であった。
【0034】(4)絶縁材用樹脂組成物の調製と絶縁材
の製造 上記により合成したポリヒドロキシアミド10.0gを
NMP50.0gに溶解した後、グリセロールジメタク
リレート8.0gとベンゾフェノン0.02gを加えて
攪拌し、絶縁材用樹脂組成物を得た。厚さ200nmの
タンタルを成膜したシリコンウエハ上に、この絶縁材用
樹脂組成物をスピンコートした後、窒素雰囲気のオーブ
ン中で加熱硬化した。加熱硬化の際は、120℃で30
分保持後260℃で120分間保持した後、400℃で
90分保持し、20分間で200℃まで温度を下げた
後、さらに40分で室温まで温度を戻した。このように
して厚さ0.7μmの絶縁材の被膜を得た。以下実施例
1と同様にして、この耐熱性樹脂の誘電率を測定したと
ころ2.1であった。得られた空隙は平均孔径7nmで
非連続相であった。
【0035】「比較例1」実施例4の絶縁材用樹脂組成
物の調整において用いたグリセロールジメタクリレート
8.0gを添加しない以外は全て実施例4と同様に絶縁
材用樹脂組成物の調整と絶縁材の製造を行った。以下実
施例1と同様にして、得られた耐熱性樹脂の誘電率を測
定したところ2.6であった。また空隙は観察されなか
った。
【0036】「比較例2」実施例4の絶縁材用樹脂組成
物の調整において用いたグリセロールジメタクリレート
8.0gのかわりに分子量1000のポリプロピレング
リコール8.0g(熱分解温度360℃)を添加した以
外は、全て実施例4と同様に絶縁材用樹脂組成物の調整
と絶縁材の製造を行った。以下実施例1と同様にして、
得られた耐熱性樹脂の誘電率を測定したところ2.6で
あった。また空隙は観察されなかった。
【0037】「比較例3」実施例4の絶縁材用樹脂組成
物の調整において耐熱性樹脂であるポリベンゾオキサゾ
ールの前駆体であるポリヒドロキシアミドのかわりに、
実施例3のポリベンゾオキサゾール樹脂の合成で得たガ
ラス転移温度362℃のポリベンゾオキサゾール樹脂を
用いた以外は、全て実施例4と同様に絶縁材用樹脂組成
物の調整と絶縁材の製造を行った。以下実施例1と同様
にして、得られた耐熱性樹脂の誘電率を測定したところ
2.6であった。空隙は観察されなかった。
【0038】実施例1〜3においては、誘電率が2.1
〜2.4と非常に低い耐熱性樹脂を得ることが出来た。
【0039】比較例1では、光重合性の官能基を有する
成分(A)を成分中に有していないために、絶縁材中に
空隙が得られず、誘電率を低減できなかった。
【0040】比較例2では、添加したポリプロピレング
リコールが光重合性の官能基を有していないために、絶
縁材中に空隙が得られず、誘電率を低減できなかった。
【0041】比較例3では、耐熱性樹脂のガラス転移温
度が成分(A)の光重合物の熱分解温度より低いため
に、絶縁材中に空隙が得られず、誘電率を低減できなか
った。
【0042】
【発明の効果】本発明の絶縁材用樹脂組成物及びこれを
用いた絶縁材は、電気特性および耐熱性に優れたもので
あり、これらの特性が要求される様々な分野、例えば半
導体用の層間絶縁膜、多層回路の層間絶縁膜などとして
有用な合成樹脂である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J043 PA02 PA06 PA08 PA19 QB15 QB26 QB52 RA05 RA07 RA37 RA52 RA57 RA64 SA06 SA54 SA71 SB01 SB03 TA22 TA26 TA47 TB01 TB03 UA131 UA132 UA151 UB061 UB062 VA021 VA022 VA031 VA041 VA061 VA062 VA101 VA102 XA03 XA16 XB20 ZA12 ZA46 ZB47 ZB50 4M109 AA02 CA05 CA10 CA11 CA12 EA08 EA11 EB18 EC05 EC07 ED03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光重合性の官能基を有する成分(A)
    と、樹脂のガラス転移温度が成分(A)の重合物の熱分
    解温度より高い耐熱性樹脂またはその前駆体(B)とを
    必須成分とする絶縁材用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 耐熱性樹脂またはその前駆体(B)がポ
    リイミド樹脂またはポリイミド前駆体である請求項1記
    載の絶縁材用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 耐熱性樹脂またはその前駆体(B)がポ
    リベンゾオキサゾール樹脂またはポリベンゾオキサゾー
    ル前駆体である請求項1記載の絶縁材用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶
    縁材用樹脂組成物を用いて、光重合性の官能基を有する
    成分(A)を光重合させた後、成分(A)の重合物の熱
    分解温度より高い温度、および耐熱性樹脂もしくはその
    前駆体を閉環させた樹脂のガラス転移温度以下で熱処理
    する工程を有する方法で製造されたことを特徴とする絶
    縁材。
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