JP2001254925A - 溶融炉の耐火物構造及び溶融炉の耐火物の被覆方法 - Google Patents

溶融炉の耐火物構造及び溶融炉の耐火物の被覆方法

Info

Publication number
JP2001254925A
JP2001254925A JP2000065924A JP2000065924A JP2001254925A JP 2001254925 A JP2001254925 A JP 2001254925A JP 2000065924 A JP2000065924 A JP 2000065924A JP 2000065924 A JP2000065924 A JP 2000065924A JP 2001254925 A JP2001254925 A JP 2001254925A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refractory
melting
furnace
melt
slag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000065924A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Noma
野間  彰
Akio Deguchi
明雄 出口
Minoru Ike
稔 池
Keita Inoue
敬太 井上
Susumu Nishikawa
進 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2000065924A priority Critical patent/JP2001254925A/ja
Publication of JP2001254925A publication Critical patent/JP2001254925A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 侵食を防止することにより耐久性の向上が可
能な溶融炉の耐火物構造及び溶融炉の耐火物の被覆方法
を提供する。 【解決手段】 耐火物11は、中空の有底円筒で、その
外側は水冷ジャケット13の鉄皮14により覆われてい
る。耐火物11は、供給された焼却灰を内部で溶融して
スラグ18にし、このスラグ18を下部に貯溜しつつ、
壁面に設けた出滓口から外部へ流出させる。内壁部19
のスラグ液面18の高さ位置に、略水平方向に延在する
溝部15を設け、スラグ18の流速を低減している。耐
火物11内には、水冷ジャケット14に接続するフィン
12を埋設し、側壁面19におけるスラグ18の温度を
下げている。このため、溝部15内には、融点が比較的
高いスラグ凝固層16が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水汚泥、都市ご
み及び産業廃棄物などの焼却灰及び事業用火力発電プラ
ント等の燃焼炉から排出される焼却灰を溶融する溶融炉
に関するものであり、さらに詳細には、この溶融炉に用
いられる溶融炉の耐火物構造及び溶融炉の耐火物の被覆
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、下水汚泥、都市ごみ及び産業
廃棄物などの焼却灰(粉体無機物)は、その資源化、減
容化及び無害化を図るために、例えば、図5に示すよう
なプラズマアーク式溶融炉51によって溶融され、スラ
グとして取り出されている。すなわち、このような溶融
炉51を使用して炉本体52内で焼却灰を溶融するに
は、ごみ焼却炉53から排出された焼却灰を乾式灰出装
置54よりスクリーン55、灰コンベヤ56、灰供給コ
ンベヤ57及び定量投入装置58を経て炉本体52内に
投入し、投入された焼却灰を高温プラズマ59で溶融す
る。溶融スラグ60は、出滓口61から出滓樋62を通
って乾式出滓装置63に排出され、スラグコンベヤ64
を介してスラグピット65に導かれ、種々の利用に供さ
れる。このため、炉本体52の上下部には、直流電源装
置66に接続されるプラズマ電極の主電極67及び炉底
電極(陽極)68がそれぞれ1本ずつ配設され、炉本体
52の上部には窒素ガス発生装置69から窒素ガスが送
給されるようになっている。
【0003】なお、ごみ焼却炉53はバグフィルタ70
を介して煙突71に連通され、炉本体52内で発生した
排ガスはCO燃焼室72、減温塔73、バグフィルタ7
4及び排ガスファン75を経て焼却炉煙道に導かれよう
になっている。そして、CO燃焼室72には燃焼空気フ
ァン76より空気が送給され、バグフィルタ74は溶融
飛灰処理装置77に接続されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このプラズマアーク式
溶融炉51の炉本体52は、図6に示す如く、耐火物7
8とその外側を覆う水冷ジャケット79の鉄皮79aと
によって構成されている。この耐火物に用いる材質に
は、酸化物系と非酸化物系とがあり、そのいずれを炉本
体の耐火構造に用いても、図7に示すように、炉本体の
底部に貯溜している溶融スラグ60により内壁面が次第
に侵食されていき、最終的には侵食が鉄皮79a付近に
まで達してしまうため、従来から耐久性に問題があっ
た。本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであ
り、この内面侵食を防止することにより耐久性の向上が
可能な溶融炉の耐火物構造及び溶融炉の耐火物の被覆方
法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る溶融炉の耐
火物構造及び溶融炉の耐火物の被覆方法は、かかる課題
を解決するためになされたものであり、その構成は次の
とおりである。
【0006】本発明に係る溶融炉の耐火物構造は、耐火
物からなる炉本体と、該炉本体の内部に供給された対象
物を溶融する溶融手段と、該溶融手段により溶融した溶
融物を上記炉本体の外部に流出させるための出滓口と、
該出滓口より下方で上記溶融物を貯溜する底部と、上記
炉本体を覆う冷却手段とを備えた溶融炉の耐火物構造に
おいて、略水平方向に延在する溝部を上記炉本体の側壁
部の耐火物の内表面に設け、上記溝部は、上記底部に貯
溜する溶融物の液面高さに位置し、上記溶融物の流速を
上記溝部内で低減させることを特徴とする。
【0007】上記側壁部の溝部は、溶融炉の通常運転中
の上記溶融物の液面の変位量に対応した幅寸法を有する
ように構成すると、溶融物の液面が変動しても、凝固層
が形成された溝部内に位置していることから、侵食をよ
り確実に防止することができるので、そのように構成す
るのが好ましい。
【0008】上記側壁部の溝部を上記出滓口の付近に設
けてもよい。特に侵食し易い個所は出滓口付近であるの
で、このように構成すると、効果的に侵食を防止するこ
とができる。また、上記側壁部の溝部を全周に設けても
よい。
【0009】上記溝部を設けた側壁部の耐火物に上記冷
却手段に接続するフィンを埋設して構成することができ
る。このように構成すると、耐火物が熱伝導率の低いも
のであっても、溝部内で溶融物を冷却することができる
ので、凝固層の形成がより確実になり、侵食防止による
耐久性をさらに向上させることができる。
【0010】本発明によれば、上記溝部を設けた側壁部
の厚さを現在標準的な炉の耐火物の厚さよりも小寸に形
成することができる。このように構成すると、全周に被
覆耐火物が熱伝導率の低いものであっても、溝部と冷却
手段との間の距離を短くすることができるので、簡易な
構造で溝部内の溶融物を冷却することができる。このた
め、凝固層の形成がより確実になり、侵食防止による耐
久性をさらに向上させることができる。また、コストの
点でも有利である。
【0011】耐火物からなる炉本体と、該炉本体の内部
に供給された対象物を溶融する溶融手段と、該溶融手段
により溶融した溶融物を上記炉本体の外部に流出させる
ための出滓口と、該出滓口より下方で上記溶融物を貯溜
する底部と、上記炉本体を覆う冷却手段とを備えた溶融
炉の耐火物構造において、上記底部に貯溜する溶融物を
上記冷却手段により所定時間摂氏800度乃至1200
度に冷却保持することにより、上記溶融物の凝固層を上
記耐火物の内表面に形成し、該凝固層により上記溶融物
による内面の侵食を防止するように構成するのが好まし
い。このように構成すると、凝固層の形成は温度調整に
よりなされることから、耐火物に何ら加工を加える必要
がないので、従来から用いられている耐火物であっても
溶融炉の耐火物の耐久性を向上させることができる。
【0012】本発明に係る溶融炉の耐火物の被覆方法
は、耐火物からなる炉本体と、該炉本体の内部に供給さ
れた対象物を溶融する溶融手段と、該溶融手段により溶
融した溶融物を上記炉本体の外部に流出させるための出
滓口と、該出滓口より下方で上記溶融物を貯溜する底部
と、上記炉本体を覆う冷却手段とを備えた溶融炉の耐火
物の被覆方法において、上記底部に貯溜する溶融状態の
溶融物を上記冷却手段により所定時間摂氏800度乃至
1200度に冷却保持して、上記溶融物の凝固層を予め
上記耐火物の内面に形成した後に再び温度を上げて通常
の運転を行うことを特徴とする。このため、凝固層の形
成は温度調整によりなされることから、耐火物に何ら加
工を加える必要がないので、従来用いられている溶融炉
であってもその耐火物の耐久性を向上させることができ
る。好適な温度調節は、結晶核の発生し易い摂氏120
0度付近を所定の時間保った後、結晶が成長し易い摂氏
800度程度を所定の時間保つことである。
【0013】本発明に係る溶融炉の耐火物の被覆方法
は、耐火物からなる炉本体と、該炉本体の内部に供給さ
れた対象物を溶融する溶融手段と、該溶融手段により溶
融した溶融物を上記炉本体の外部に流出させるための出
滓口と、該出滓口より下方で上記溶融物を貯溜する底部
と、上記炉本体を覆う冷却手段とを備えた溶融炉の耐火
物の被覆方法において、通常運転開始前に上記出滓口内
に堰を設け、上記内部に供給された対象物を上記溶融手
段により溶融して通常の量を超えた量の溶融物を貯溜し
た後、上記溶融物を上記冷却手段により所定時間摂氏8
00度乃至1200度に冷却保持して、上記溶融物の凝
固層を予め上記耐火物の内面に形成した後に再び温度を
上げて通常の運転を行うことを特徴とする。このため、
溶融物の液面の変位量に対応可能な幅が広い凝固層を形
成することができ、溶融炉の耐火物の耐久性を向上させ
ることができる。好適な温度調節は、結晶核の発生し易
い摂氏1200度付近を所定の時間保った後、結晶が成
長し易い摂氏800度程度を所定の時間保つことであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る溶融炉の耐火
物構造及び溶融炉の耐火物の被覆方法の実施の形態につ
いて図面に基づいて説明する。本発明の第1の実施形態
に係る溶融炉の耐火物構造を図1に、その変形例を図2
に示し、本発明の第2の実施形態に係る溶融炉の耐火物
耐久性を向上させる方法を図3乃至図4に示す。なお、
いずれの場合も炉本体は、有底円筒状に形成されてい
て、耐火物とその外側を覆う鉄皮とで構成されている。
【0015】まず第1の実施形態(溶融炉の耐火物構
造)について図1乃至図2を用いて説明する。本実施形
態では、例えばCr23レンガ等の酸化物系耐火物11
に本発明を適用している。図1に示すように、酸化物系
耐火物11の内部に銅製フィン12が埋設されている。
このフィン12は、その一端(外周側)で酸化物系耐火
物の外側の鉄皮13と接触していて、両者は熱的につな
がっている。このため、フィン12は鉄皮13の水冷ジ
ャケット14により冷却されて、低温に保持されてい
る。
【0016】また、図1に示すように、酸化物系耐火物
11の内壁面19には、略水平方向に沿って溝部15が
形成されている。この溝部15は、スラグ液面18の位
置となる出滓口(図5の符号61を参照)の高さ位置付
近に設けられているほか、図示のように、異なる高さに
複数設けることができる。なお、スラグ液面18の位置
の溝部15の幅は、運転中におけるスラグ液面18の変
動量よりも広く構成できる。このように構成すると、運
転中にスラグ液面18が上下に変動しても、常に同じ溝
部15内におさまるようになる。このため、スラグ液面
19の変動により耐火物表面の侵食が溝部以外のところ
でおきることを防止できる。
【0017】本実施形態でこのように構成したのは次の
理由による。スラグ(溶融物)17は、酸化物系耐火物
11とはほとんど反応しないが、内部に浸透していく。
スラグ17と酸化物系耐火物11とは熱収縮に差がある
ため、酸化物系耐火物11は、内部に浸透したスラグ1
7により割れが生じ、流れのあるスラグ17にその部分
が流し取られる。スラグ17の流れが接触している限
り、耐火物の壁面にスラグ17が凝固せず、新たなスラ
グ17が浸透してくるので、侵食は進行していく。
【0018】ここで、酸化物系耐火物11とスラグ17
とはぬれ性(液体が固体表面の上に広がる性質)が良い
ので、スラグ17が酸化物系耐火物11の内壁面19に
付着し易いが、内壁面19でのスラグ温度が例えば摂氏
1400度以上になって融点よりも高かったり、スラグ
17に流れがあったりしたときには、結晶化したスラグ
凝固層16は形成されない。本発明は、以上の分析によ
りなされたものである。すなわち、フィン12を埋設し
たことで、内壁面19の内部温度をスラグ17の融点以
下である摂氏800度乃至摂氏1200度に保つことが
でき、溝部15による凹部を内壁面19に形成したこと
で、スラグ17の流れを緩和することができる。よっ
て、酸化物系耐火物11の溝部15の表面にスラグ凝固
層16を容易に形成することができる。
【0019】酸化物系耐火物11に形成されたスラグ凝
固層16は、スラグ17が融点以上とならない限り溶融
することはなく、したがって、酸化物系耐火物11への
スラグ17の浸透はなく、内壁面19の侵食を防止する
ことができる。
【0020】溝部15は、全内周面に設けてもよいが、
図2に示すように、出滓口21付近にのみ溝部22を設
けても良い。侵食し易い度合いは全内周面にわたってど
こでも同じというわけではなく、とりわけ出滓口21付
近が侵食し易いことを考慮したものであり、溝部22
を、例えば出滓口21付近の周方向両側にそれぞれ約6
0度ずつの領域に設けるのが好ましい。耐火物の奥行き
が230mm、高さが114mm程度であるのに対し、
溝部22の深さは、30乃至140mm、高さは20m
m乃至30mmぐらいであるのが好ましい。
【0021】なお、本実施形態では、酸化物系耐火物1
1に適用しているが、非酸化物系耐火物にも適用するこ
とができる。この場合には、一般的には非酸化物系耐火
物は酸化物系耐火物に比し熱伝導性が高いことから、溝
部15の壁面温度を溶融温度以下に保持するためのフィ
ン12(図1参照)を省略することができる。また、酸
化物系耐火物であっても、壁厚を薄く構成することによ
り、溝部15の壁面温度を溶融温度以下に保持すること
もできることから、フィン12(図1参照)を省略する
ことができる。
【0022】次に、第2の実施形態(溶融炉の耐火物の
被覆方法)について図3乃至図4を用いて説明する。本
実施形態では、図3に示すように、非酸化物系耐火物3
1に本発明を適用している。非酸化物系耐火物31は、
酸化物系耐火物と同様に侵食されるものである。詳述す
ると、スラグ37中のNaやK等は、非酸化物系耐火物
11、例えばSiCレンガと反応し、その部分(図7の
A部参照)が低融点化し、融点が摂氏700度程度とな
り、溶解して侵食し始める。非酸化物系耐火物31は熱
伝導率が大きいので、侵食した部分の壁面温度はそれほ
ど下がらない。また、非酸化物系耐火物31はスラグと
のぬれ性が悪いので、スラグ凝固層が表面に付着し難
く、壁面がスラグ凝固温度以下となっても、内壁面にス
ラグ凝固層は形成されない。このため、侵食は進行して
いく。
【0023】本実施形態では、図3に示すように、非酸
化物系耐火物31にフィンや凹凸を設けずに結晶化した
スラグ凝固層36を形成するものである。このスラグ凝
固層は運転開始前に形成しておく。その手順は、以下の
とおりである。すなわち、図4に示すように、出滓口4
1内の少し外側に、鋼ブロック42を用いて小さな堰4
3を設置する。そして、スラグ液面44を通常の状態
(運転時)よりも高くすべく焼却灰(対象物)を溶融
し、スラグ液面44が所定の高さ、例えば通常の状態の
液面高さよりも20mm程度高くなったら直ちに冷却を
開始する。上述したように、非酸化物系耐火物31は一
般的に熱伝導率が大きいので、プラズマ出力を抑えれば
鉄皮33の冷却ジャケット34(図3参照)により冷却
されていく。そして、スラグ37が凝固し易い摂氏80
0度乃至1200度を所定の時間維持する。より好まし
いのは、結晶核の発生し易い摂氏1200度付近を所定
の時間保った後、結晶が成長し易い摂氏800度程度を
所定の時間保つように温度調節することである。これに
より、スラグ液面44から次第に液内部へと結晶化して
いき、内壁面39に結晶化したスラグ凝固層36(図3
参照)が形成される。急冷すると、スラグ37はガラス
化するので、時間をかけて結晶化する必要がある。結晶
化スラグの方がガラス化したスラグよりも後に再溶融し
にくい。
【0024】このスラグ凝固層の融点は摂氏1250度
であり、その温度になるまで溶融しないので、壁面温度
をスラグ融点以下としておけば、SiCとNaやKとの
反応は起こらず、内壁面39の侵食を防止することがで
きる。結晶化するまでの時間は比較的短時間ゆえ、Si
CとNaやKとの反応量は少なく、また、スラグ温度が
低くなると、壁面流速がなくなり、スラグ37が静止す
るので、温度や流速の両面から考察すると、スラグ37
が内壁面39(図3参照)で結晶化し易い条件を得るこ
とができる。
【0025】なお、本実施形態では、非酸化物系耐火物
に適用しているが、冷却用の温度調節手段を備えていれ
ば、酸化物系耐火物にも適用することができる。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る溶融炉の耐火物構造は、耐
火物からなる炉本体と、該炉本体の内部に供給された対
象物を溶融する溶融手段と、該溶融手段により溶融した
溶融物を上記炉本体の外部に流出させるための出滓口
と、該出滓口より下方で上記溶融物を貯溜する底部と、
上記炉本体を覆う冷却手段とを備えた溶融炉の耐火物構
造において、略水平方向に延在する溝部を上記炉本体の
側壁部の耐火物の内表面に設け、上記溝部は、上記底部
に貯溜する溶融物の液面高さに位置し、上記溶融物の流
速を上記溝部内で低減させることを特徴とするので、溝
部内の表面に溶融物の凝固層が形成され易くなる。この
凝固層は、溶融物による内周面の侵食を防止するため、
耐久性に優れた耐火物を得ることができる。
【0027】上記側壁部の溝部は、溶融炉の通常運転中
の上記溶融物の液面の変位量に対応した幅寸法を有する
ように構成すると、溶融物の液面が凝固層が形成された
溝部内に位置しているので、侵食をより確実に防止する
ことができる。
【0028】上記側壁部の溝部を上記出滓口の付近に設
けると、特に侵食し易い出滓口付近の侵食を効果的に防
止することができる。
【0029】上記溝部を設けた側壁部の耐火物に上記冷
却手段に接続するフィンを埋設して構成すると、耐火物
が熱伝導率の低いものであっても、溝部内で溶融物を冷
却することができるので、凝固層の形成がより確実にな
り、侵食防止による耐久性をさらに向上させることがで
きる。
【0030】上記側壁部の溝部を全周に設けると、全周
に凝固層を形成することが容易にでき、侵食防止による
耐久性をさらに向上させることができる。
【0031】また、本発明に係る溶融炉の耐火物構造
は、耐火物からなる炉本体と、該炉本体の内部に供給さ
れた対象物を溶融する溶融手段と、該溶融手段により溶
融した溶融物を上記炉本体の外部に流出させるための出
滓口と、該出滓口より下方で上記溶融物を貯溜する底部
と、上記炉本体を覆う冷却手段とを備えた溶融炉の耐火
物構造において、上記底部に貯溜する溶融物を上記冷却
手段により所定時間摂氏800度乃至1200度に冷却
保持することにより、上記溶融物の凝固層を上記耐火物
の内表面に形成し、該凝固層により上記溶融物による内
面の侵食を防止することを特徴とするので、凝固層の形
成は温度調整によりなされることから、耐火物に何ら加
工を加える必要がないので、従来から用いられている耐
火物であっても耐火物の耐久性を向上させることができ
る。
【0032】本発明に係る溶融炉の耐火物の被覆方法
は、耐火物からなる炉本体と、該炉本体の内部に供給さ
れた対象物を溶融する溶融手段と、該溶融手段により溶
融した溶融物を上記炉本体の外部に流出させるための出
滓口と、該出滓口より下方で上記溶融物を貯溜する底部
と、上記炉本体を覆う冷却手段とを備えた溶融炉の耐火
物の被覆方法において、上記底部に貯溜する溶融状態の
溶融物を上記冷却手段により所定時間摂氏800度乃至
1200度に冷却保持して、上記溶融物の凝固層を予め
上記耐火物の内面に形成した後に再び温度を上げて通常
の運転を行うことを特徴とするので、凝固層の形成は温
度調整によりなされることから、耐火物に何ら加工を加
える必要がなく、従来用いられている耐火物であっても
耐火物の耐久性を向上させることができる。
【0033】また、本発明に係る溶融炉の耐火物の被覆
方法は、耐火物からなる炉本体と、該炉本体の内部に供
給された対象物を溶融する溶融手段と、該溶融手段によ
り溶融した溶融物を上記炉本体の外部に流出させるため
の出滓口と、該出滓口より下方で上記溶融物を貯溜する
底部と、上記炉本体を覆う冷却手段とを備えた溶融炉の
耐火物の被覆方法において、通常運転開始前に上記出滓
口内に堰を設け、上記内部に供給された対象物を上記溶
融手段により溶融して通常の量を超えた量の溶融物を貯
溜した後、上記溶融物を上記冷却手段により所定時間摂
氏800度乃至1200度に冷却保持して、上記溶融物
の凝固層を予め上記耐火物の内面に形成した後に再び温
度を上げて通常の運転を行うことを特徴とするので、溶
融物の液面の変位量に対応可能な幅が広い凝固層を形成
することができ、耐火物の耐久性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る溶融炉の耐火物
構造の部分的な縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の変形例を示す、図1
の耐火物の概略的な横断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る溶融炉の耐火物
構造の部分的な縦断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の変形例を示す、図3
の耐火物の出滓口付近の概略的な縦断面図である。
【図5】従来の耐火物が適用される設備を示す概念図で
ある。
【図6】従来の耐火物の部分的な縦断面図である。
【図7】従来の耐火物の部分的な縦断面図である。
【符号の説明】
11 酸化物系耐火物 12 フィン 13、33 鉄皮 14、34 水冷ジャケット 15、22 溝部 16、36 スラグ凝固層 17、37 スラグ 18、38、44 液面 19、39 内壁面 21、41 出滓口 31 非酸化物系耐火物 42 鋼ブロック 43 堰
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池 稔 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 井上 敬太 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 西川 進 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社横浜研究所内 Fターム(参考) 3K061 NB01 NB05 NB27 4K045 RA06 RA16 RA19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐火物からなる炉本体と、該炉本体の内
    部に供給された対象物を溶融する溶融手段と、該溶融手
    段により溶融した溶融物を上記炉本体の外部に流出させ
    るための出滓口と、該出滓口より下方で上記溶融物を貯
    溜する底部と、上記炉本体を覆う冷却手段とを備えた溶
    融炉の耐火物構造において、略水平方向に延在する溝部
    を上記炉本体の側壁部の耐火物の内表面に設け、上記溝
    部は、上記底部に貯溜する溶融物の液面高さに位置し、
    上記溶融物の流速を上記溝部内で低減させることを特徴
    とする溶融炉の耐火物構造。
  2. 【請求項2】 上記側壁部の溝部は、溶融炉の通常運転
    中の上記溶融物の液面の変位量に対応した幅寸法を有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の溶融炉の耐火物構
    造。
  3. 【請求項3】 上記側壁部の溝部は、上記出滓口の付近
    に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の溶融炉の耐火物構造。
  4. 【請求項4】 上記溝部を設けた側壁部の耐火物に上記
    冷却手段に接続するフィンを埋設したことを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の溶融炉の耐火物
    構造。
  5. 【請求項5】 上記側壁部の溝部は全周に設けられたこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の溶融炉の耐火物
    構造。
  6. 【請求項6】 耐火物からなる炉本体と、該炉本体の内
    部に供給された対象物を溶融する溶融手段と、該溶融手
    段により溶融した溶融物を上記炉本体の外部に流出させ
    るための出滓口と、該出滓口より下方で上記溶融物を貯
    溜する底部と、上記炉本体を覆う冷却手段とを備えた溶
    融炉の耐火物構造において、上記底部に貯溜する溶融物
    を上記冷却手段により所定時間摂氏800度乃至120
    0度に冷却保持することにより、上記溶融物の凝固層を
    上記耐火物の内表面に形成し、該凝固層により上記溶融
    物による内面の侵食を防止することを特徴とする溶融炉
    の耐火物構造。
  7. 【請求項7】 耐火物からなる炉本体と、該炉本体の内
    部に供給された対象物を溶融する溶融手段と、該溶融手
    段により溶融した溶融物を上記炉本体の外部に流出させ
    るための出滓口と、該出滓口より下方で上記溶融物を貯
    溜する底部と、上記炉本体を覆う冷却手段とを備えた溶
    融炉の耐火物の被覆方法において、上記底部に貯溜する
    溶融状態の溶融物を上記冷却手段により所定時間摂氏8
    00度乃至1200度に冷却保持して、上記溶融物の凝
    固層を予め上記耐火物の内面に形成した後に再び温度を
    上げて通常の運転を行うことを特徴とする溶融炉の耐火
    物の耐久性の被覆方法。
  8. 【請求項8】 耐火物からなる炉本体と、該炉本体の内
    部に供給された対象物を溶融する溶融手段と、該溶融手
    段により溶融した溶融物を上記炉本体の外部に流出させ
    るための出滓口と、該出滓口より下方で上記溶融物を貯
    溜する底部と、上記炉本体を覆う冷却手段とを備えた溶
    融炉の耐火物の被覆方法において、通常運転開始前に上
    記出滓口内に堰を設け、上記内部に供給された対象物を
    上記溶融手段により溶融して通常の量を超えた量の溶融
    物を貯溜した後、上記溶融物を上記冷却手段により所定
    時間摂氏800度乃至1200度に冷却保持して、上記
    溶融物の凝固層を予め上記耐火物の内面に形成した後に
    再び温度を上げて通常の運転を行うことを特徴とする溶
    融炉の耐火物の被覆方法。
JP2000065924A 2000-03-10 2000-03-10 溶融炉の耐火物構造及び溶融炉の耐火物の被覆方法 Withdrawn JP2001254925A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000065924A JP2001254925A (ja) 2000-03-10 2000-03-10 溶融炉の耐火物構造及び溶融炉の耐火物の被覆方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000065924A JP2001254925A (ja) 2000-03-10 2000-03-10 溶融炉の耐火物構造及び溶融炉の耐火物の被覆方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001254925A true JP2001254925A (ja) 2001-09-21

Family

ID=18585369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000065924A Withdrawn JP2001254925A (ja) 2000-03-10 2000-03-10 溶融炉の耐火物構造及び溶融炉の耐火物の被覆方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001254925A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114877683A (zh) * 2022-05-31 2022-08-09 金川集团股份有限公司 一种冶金炉熔体排放装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114877683A (zh) * 2022-05-31 2022-08-09 金川集团股份有限公司 一种冶金炉熔体排放装置
CN114877683B (zh) * 2022-05-31 2024-05-03 金川集团镍钴有限公司 一种冶金炉熔体排放装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
SE470310B (sv) Sätt och lans för keramisk svetsning samt enligt sättet bildad svetsningsmassa
JP2007302932A (ja) 転炉排ガス処理設備におけるスカートのシール構造
JP2001254925A (ja) 溶融炉の耐火物構造及び溶融炉の耐火物の被覆方法
JPH06313532A (ja) 焼却炉側壁構造及び焼却炉側壁煉瓦
EP0694733B1 (en) Waste melting furnace
JP3590243B2 (ja) 電気式溶融炉の炉壁冷却構造
JP4403452B2 (ja) 被溶解材の溶解方法
CA1109513A (en) Atmospheric control of flux pre-melting furnace
JP2002295979A (ja) 電気溶融炉の炉壁構造及び炉壁耐火物の損耗抑制方法
JP4413146B2 (ja) 溶融炉の冷却部構造
JPS6047513B2 (ja) 炉壁の水冷構造
JP3778698B2 (ja) 焼却残渣用溶融炉
JP3576468B2 (ja) 電気式灰溶融炉と電気式灰溶融炉の固化物除去方法
JPH11351534A (ja) 廃棄物溶融炉及びその耐火材
JPH059542A (ja) 溶融金属容器
CN219810270U (zh) 一种炉壁及固废气化熔融炉
JP4859416B2 (ja) 二次燃焼装置
JP4095774B2 (ja) プラズマ灰溶融炉の再起動方法
JP2725957B2 (ja) 灰溶融炉における耐火物の冷却装置
JP2004019977A (ja) 溶融炉
JPH08159440A (ja) スラグの出滓口
JPS5918317Y2 (ja) 水冷構造の湯出し口を有する溶融炉
JP2004045030A (ja) 廃棄物溶融炉
JP3831930B2 (ja) 灰溶融炉の電極シール装置
JP2004150755A (ja) 灰溶融炉

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070605