JP2001254263A - セルロース系繊維含有布帛 - Google Patents

セルロース系繊維含有布帛

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JP2001254263A
JP2001254263A JP2000380058A JP2000380058A JP2001254263A JP 2001254263 A JP2001254263 A JP 2001254263A JP 2000380058 A JP2000380058 A JP 2000380058A JP 2000380058 A JP2000380058 A JP 2000380058A JP 2001254263 A JP2001254263 A JP 2001254263A
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cellulosic fiber
cloth
fiber
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crosslinking
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JP2000380058A
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Naoaki Ito
直明 伊藤
Hidenobu Honda
秀信 本田
Koichi Saito
公一 齋藤
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、使用に際して変色や劣化がなく、持
続性のある消臭、抗菌、防カビおよび防汚性、防しわ性
を同時に満足すると共に、布帛の残留架橋剤分解物濃度
が極めて少ない安全なセルロース系繊維含有布帛を提供
せんとするものである。持続性のある消臭、抗菌、防カ
ビおよび防汚性、防しわ性を同時に満足すし、かつ布帛
の残留ホルマリン濃度が20ppm以下である優れた機
能を有するセルロース系繊維含有布帛を提供せんとする
ものである。 【解決手段】本発明のセルロース系繊維含有布帛は、少
なくとも一部が架橋改質されたセルロース系繊維を含有
する布帛であって、該布帛の下記式で定義される架橋指
数が1〜4であり、かつ、該布帛の繊維表面上に、光触
媒半導体とバインダーとを有することを特徴とするもの
である。 架橋指数=(A−B) ここで、 A:温度30℃、相対湿度90%RH雰囲気下での架橋
改質後のセルロース系繊維の吸湿率(%) B:温度20℃、相対湿度65%RH雰囲気下での架橋
改質後のセルロース系繊維の吸湿率(%)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来なかった耐久
性のある消臭性、着臭防止性、防シワ性などの優れた機
能性を有するセルロース系布帛含有繊維に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、セルロース系繊維を含む布帛
は、吸水性が高い、肌触りがよいなど様々な利点を有す
るため、衣料用途など多方面に幅広く利用されている。
しかしながら、その一方で合成繊維布帛に比べ、しわに
なりやすい、洗濯により収縮するといった欠点があり、
これらを改善する目的で、様々な加工が検討されてい
る。
【0003】これらの加工のなかでも、ホルムアルデヒ
ドや繊維素反応型樹脂などの架橋剤を用い、セルロース
系繊維を架橋改質することで、防しわ性、防縮性等の形
態安定性能を付与する方法が広く行われている。しか
し、この改質を行った場合、架橋の際、発生または、未
反応のまま遊離したホルムアルデヒドが布帛に残留し、
着用時または使用時に人体への悪影響、環境への悪影響
が懸念され大きな社会問題となっている。また、近年の
国民の生活水準の向上に伴い、健康および衛生に関する
意識も高まっており、衣食住の各分野において、消臭、
抗菌、防カビおよび防汚加工を施した製品や技術が実用
化されている。特に、衣料の分野では、身につけること
から、様々な消臭、抗菌、防汚加工技術が開発されてい
る。また、インテリアを含めた他用途への展開が進めら
れている。
【0004】ホルムアルデヒドや繊維素反応型樹脂など
の架橋剤を用い、セルロース系繊維を架橋改質すること
で、防しわ性、防縮性等の形態安定性能を付与した後、
発生するホルムアルデヒド、または架橋の際、遊離し布
帛に残留したホルムアルデヒドを低減、または抑制する
ために、これまでに多くの方法が報告されている。
【0005】例えばホルムアルデヒド系樹脂の問題を改
良する報告として、特開昭61−34281号公報、特
開平4−153369号公報がある。またホルムアルデ
ヒドを捕捉する方法として、特開平6−33035号公
報、特開平6−200234号公報もある。しかしなが
ら、これらの方法では、ホルムアルデヒドの発生を低
減、抑制する効果はあるが、満足する防しわ性が得られ
なかったり、塩素障害が発生したりする問題点があっ
た。さらに、特開平9−100382号公報では、消臭
剤を含有するフィルムで布帛を包装することで、ホルム
アルデヒドを包装フィルムに吸着させる方法が報告され
ているが、効果が持続するのは、あくまで消臭剤を含有
した包装フィルムで包装している間のみであり、その間
に処理しきれないホルムアルデヒドについては、残留ホ
ルマリンとして、布帛に残り続けるため、本質的な問題
解決とはなり得ない。
【0006】また、繊維に対して消臭、抗菌および防汚
加工を施す場合は、これらの加工剤を、原糸に練り込ん
だり、紡績工程で付与したり、染色時および染色後にお
いて付与したりすることが行われている。しかし、この
方法では、繊維全体に対して消臭、抗菌、防汚性を満足
する加工を施すためには、加工剤を多く付与する必要が
あり、生産性が悪くなる場合があった。また、付着量が
増えるために風合いが硬くなったり、加工剤によって
は、色味が白くなって見栄えが悪くなることがあった。
【0007】また、これらに使用されている消臭剤は、
ごく一部を除き、中和作用などによるものが主体であ
り、持続性のある消臭機能を発揮し得るものではなかっ
た。
【0008】例えば酸性の酸化チタン、硫酸アルミニウ
ムなどは、塩基性のアンモニアなどの消臭には効果を発
揮しても、中性の悪臭に対しては無力である。また、消
臭剤自体が塩基性である酸化亜鉛は、酸性の悪臭である
メチルメルカプタン、硫化水素などを中和して無臭物質
に変えるけれども、中性の悪臭に対しては無力である。
また、これらの酸や塩基を用いた中和作用による消臭方
法では、また、消臭剤自体が飽和されると効果を発揮で
きず、洗濯などの処理を行って、初めて機能が回復す
る。よって、これらの消臭剤は、悪臭の処理能力に限度
があり、しかも塩基性か酸性の物質に対しては全く効果
を発揮できない。
【0009】このような消臭加工によれば、空気中の臭
い成分を、分解または吸着により、除去したり、減少さ
せることができるが、消臭加工した繊維構造物は、むし
ろ臭い成分を吸着したり、分解により、他の成分に変化
させて、かえって変な臭い成分が発生する場合があった
りするので、現時点では、完全に臭い成分を除去するこ
とができないのが実状である。むしろ、消臭加工してい
ない繊維構造物の方が、着臭防止効果があるとも言え
る。
【0010】セラミックやガラスなどの無機物の表面に
固定されて用いられている光触媒を繊維に固定すれば、
消臭性、抗菌性、防カビ性および防汚性などの機能を付
与し得ることは予想できるが、光触媒を繊維に固着させ
るためには、何らかのバインダー樹脂が必要であり、従
来使用していたアクリル系樹脂やウレタン系樹脂のバイ
ンダー樹脂は、有機質の炭化水素を含む樹脂であるた
め、光触媒の強い酸化分解力によりバインダー樹脂が分
解して、着色したり、悪臭がするなどの問題が生じると
いう問題があった。
【0011】さらに、セラミックやガラスなどの無機物
では、酸化により分解されることがないが、光触媒が付
与された有機繊維では、繊維自体が劣化し、着色、強度
低下、低分子量の分解物生成により、悪臭の発生などの
問題が生じるという問題があった。
【0012】光触媒の繊維への応用におけるこれらの問
題を解決するために、例えば繊維表面に過酸化チタンか
らなる層を中間層として設け、その上に光触媒とバイン
ダーからなる層を設ける方法があるが、光触媒の洗濯耐
久性が乏しく、風合い粗硬化、コストアップ等の問題が
ある。したがって、繊維と光触媒が直接接触している消
臭等の機能が付与された技術は、未だ実用化されてはい
ない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点に鑑み、使用に際して変色や劣化がなく、
持続性のある消臭、抗菌、防カビおよび防汚性、防しわ
性を同時に満足すると共に、布帛の残留架橋剤分解物濃
度が極めて少ない安全なセルロース系繊維含有布帛を提
供せんとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明のセルロース系繊維含有布帛は、
少なくとも一部が架橋改質されたセルロース系繊維を含
有する布帛であって、該布帛の下記式で定義される架橋
指数が1〜4であり、かつ、該布帛の繊維表面上に、光
触媒半導体とバインダーとを有することを特徴とするも
のである。
【0015】架橋指数=(A−B) ここで、 A:温度30℃、相対湿度90%RH雰囲気下における
架橋改質セルロース系繊維含有布帛の吸湿率(%) B:温度20℃、相対湿度65%RH雰囲気下における
架橋改質セルロース系繊維含有布帛の吸湿率(%)
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり変色
や劣化がなく、持続性のある消臭、抗菌、防カビおよび
防汚性、防しわ性を同時に満足すると共に、布帛の残留
架橋剤分解物濃度、たとえばホルマリン濃度が極めて少
ない安全なセルロース系繊維含有布帛について、鋭意検
討し、架橋改質されたセルロース系繊維を含む布帛と、
光触媒半導体とバインダーとを組み合わせてみたとこ
ろ、架橋改質されたセルロース系繊維の有する残留架橋
剤分解物、たとえばホルマリン濃度を、大幅に減少せし
め、幼児や素肌にも安全なセルロース系繊維含有布帛を
提供することができることを究明したものである。
【0017】本発明におけるセルロース系繊維布帛と
は、綿、麻、パルプなどの天然セルロース繊維、ビスコ
ースレーヨンなどの再生セルロース繊維等や、これらの
繊維を含有する布帛のことであり、セルロース系繊維以
外の、たとえばポリエチレンテレフタレートやポリプロ
ピレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートな
どのポリエステル系繊維、ナイロン6やナイロン66な
どのポリアミド系繊維、ポリエチレンやポリプロピレン
などのポリオレフィン系繊維、ビニロン繊維、アセテー
ト繊維等と混繊、混紡、交織、交編等の手段で混用され
ているものが含まれる。なお、得られる効果の面から
は、他の繊維と混用された布帛である場合、セルロース
系繊維を10wt%以上含有する布帛であることが好ま
しい。
【0018】本発明でいう架橋改質されたセルロース系
繊維における架橋剤とは、セルロース系繊維を構成して
いるセルロース分子中の水酸基、特に非結晶領域にある
水酸基と反応し、セルロース分子間および分子内に架橋
を形成することが可能な化合物を意味するものであり、
具体的にはホルムアルデヒドや、ジメチロールエチレン
尿素、ジメチロールトリアゾン、ジメチロールウロン、
ジメチロールグリオキザールモノウレイン、ジメチロー
ルプロピレン尿素およびこれらのメチロール基の一部ま
たは全部をメトキシ化、エトキシ化したもの等の繊維素
反応型樹脂、ポリカルボン酸類、イソシアネート類等を
使用することができる。これらの架橋剤の中でもセルロ
ース系繊維の架橋改質をより効率的、効果的に行うため
には、ホルムアルデヒドまたは下記一般式で示された化
合物からなる架橋剤が好ましく用いられる。
【0019】
【化2】
【0020】ここで R1、R2は−H、炭素数1〜4の
アルキル基、又は−CH2OR7 のいずれかであり、同
種又は異種の基。
【0021】R3、R4、R5、R6は−Hまたは−OR8
のいずれかであり、同種又は異種の基。
【0022】R7、R8は−H、又は炭素数1〜4のアル
キル基 のいずれかであり、同種又は異種の基。
【0023】架橋改質されたセルロース系繊維を得るた
めに、架橋剤の反応を促進するための目的で、触媒を併
用しても良く、具体的には有機酸、有機アミン、塩化マ
グネシウム、硝酸亜鉛、ホウフッ化亜鉛、硝酸マグネシ
ウム、塩化亜鉛等の金属塩等を使用することができる。
【0024】また、アミノ変性シリコーンなど吸水性を
有する風合い剤を併用することで、防しわ加工によりセ
ルロース系繊維含有布帛特有の吸水性が阻害されたもの
を、かかる風合い剤で回復させることができる。かかる
風合い剤は、光触媒の酸化による分解、着色、臭気の発
生が問題ない範囲で使用するのが好ましい。
【0025】本発明のセルロース系繊維含有布帛は、架
橋改質されたセルロース系繊維を含むもので、その改質
程度は、下記式で定義される架橋指数が、1〜4の範囲
内、より好ましくは2〜3.5の範囲内にあるものであ
るのがよい。かかる架橋指数は、架橋改質セルロース系
繊維含有布帛の温度30℃、相対湿度90%RH雰囲気
下における吸湿率の値から、温度20℃、相対湿度65
%RH雰囲気下における吸湿率の値を差し引いて算出さ
れるものであり、架橋改質セルロース系繊維が、どの程
度該布帛に含有されているかを知る上での指標となる。
すなわち、これは、架橋改質により、セルロース分子中
の水酸基が封鎖され、結果として、吸湿率の値が低下す
ることを利用したものである。この指数が小さいものほ
ど、架橋改質セルロース系繊維の含有度合いが大きく、
大きいものほど架橋改質セルロース系繊維の含有度合い
が小さい。また、この架橋指数を議論する上でセルロー
ス系繊維含有布帛におけるセルロース系繊維の含有率は
10wt%以上であり、より好ましくは10wt%以上
70wt%以下である。またさらに、セルロース系繊維
の含有率が10wt%に満たない場合には洗濯時の縮み
や防しわ性は問題が無く、本発明の適用の必要がない。
ちなみに、一般に未加工の木綿、麻100%では、架橋
指数は4を越えて5以下の程度である。
【0026】架橋指数 =(A−B) ここで A:温度30℃、相対湿度90%RH雰囲気下
における架橋改質セルロース系繊維含有布帛の吸湿率
(%) B:温度20℃、相対湿度65%RH雰囲気下における
架橋改質セルロース系繊維含有布帛の吸湿率(%) 架橋指数が1より小さい場合、形態安定性は良好である
ものの、かかる架橋改質セルロース系繊維含有布帛表面
にアミノシリコーン樹脂が付着していても、該布帛の強
力を維持することが出来ず、実用に耐えないものとなっ
てしまう。また、架橋指数が4より大きい場合は、架橋
改質セルロース系繊維の含有量が十分でなく、必要とさ
れるレベルの防シワ性の形態安定性が得られない。該布
帛の強力と防シワ性等の形態安定性とのバランスを考慮
し、かかる架橋指数としては、2〜3.5の範囲にある
ものが好ましい。
【0027】本発明において、光触媒半導体とは、紫外
線により励起された強い酸化力によって、有機物を酸化
分解する特性を有するものであり、具体的には、アナタ
ーゼ型、ルチル型、ブルカイト型と呼ばれる結晶型の構
造をもつものが含まれる。
【0028】本発明は、かかる光触媒半導体が、消臭
性、着色物分解除去性(防汚性)、殺菌性(抗菌、防カ
ビ)を有するという事実に着目し、これをホルムアルデ
ヒドや繊維素反応型樹脂などの架橋剤を用い、セルロー
ス系繊維を架橋改質することで、防しわ性、防縮性等の
形態安定性能を付与した後、発生するホルムアルデヒ
ド、または、架橋の際遊離し、布帛に残留したホルムア
ルデヒドを酸化分解するために利用し、防しわ性にも優
れ、かつ、残留架橋剤分解物であるホルマリン濃度の著
しく少ない、好ましくは20ppm以下の範囲に減少せ
しめた上に、さらに、消臭性、防汚性および殺菌性機能
を同時に付与することに成功したものである。
【0029】また、本発明の光触媒半導体は、これまで
困難とされてきたタバコ臭や汗臭などの体臭をバランス
よく消臭し、しかも、かかる臭気を酸化分解する機能も
有するので、着臭防止という、これまでにない非常に優
れた効果も達成するものである。また、タバコのヤニな
どの着色物を分解除去する機能を有するので、着色物に
対する防汚効果も発揮せしめ得たものである。さらに、
本発明の光触媒半導体は、その酸化力により、MRSA
菌、大腸菌、黄色ブドウ状球菌などに対する殺菌力をも
有するので、抗菌、防カビ加工の効果も発揮するもので
ある。
【0030】かかる光触媒半導体の粒子径は、大きすぎ
たり、比表面積が小さすぎたりすると、有機物、特に細
菌に対する分解速度が低下する傾向がある。また消臭反
応は、悪臭成分が、該光触媒半導体に吸着されて、その
後、紫外線により該光触媒半導体が励起されて惹起した
酸化力により分解を受けるものであるが、その場合、悪
臭成分の吸着の良し悪しが、消臭効率に大きく影響を与
えるので、一次粒子径としては、好ましくは20nm以
下で、比表面積が100〜300m 2 /gであるものが
好ましく使用される。かかる光触媒半導体の繊維構造物
に対する付着量は、少なすぎると、悪臭成分などの有機
物の分解速度が低下し、十分な性能が得られないし、逆
に多すぎると、繊維布帛の光触媒半導体の酸化による劣
化を起こしたり、風合いの硬いものになり、実用的なも
のでなくなったり、さらに光触媒半導体の酸化分解によ
る繊維自体やバインダー等の分解によって発生する悪臭
が問題となるため、繊維構造物に対する光触媒半導体の
付着量は0.05〜30重量%が好ましく、0.05〜
20重量%がより好ましく、0.08〜10重量%が特
に好ましい。
【0031】本発明の光触媒半導体としては、好ましく
はチタンとケイ素の複合酸化物を使用するのがよい。か
かる複合酸化物は、特公平5−55184号公報に記載
された方法で製造されたものを用いることができる。一
般に、チタンとケイ素からなる二元系複合酸化物は、例
えば、「触媒」(第17巻,No.3、第72頁1975年)
に記載されているように、固体酸として知られ、構成す
るおのおの単独の酸化物には見られない顕著な酸性を示
し、また、高表面積を有するものである。すなわち、チ
タンとケイ素の複合酸化物は、酸化チタンと酸化ケイ素
を単に混合したものではなく、チタンとケイ素が、いわ
ゆる二元系酸化物を形成することにより、その特異な特
性が発現するものである。さらに、上記複合酸化物は、
X線回析による分析の結果、非晶質、もしくはほぼ非晶
質に近い微細構造を有しているものであり、チタンとケ
イ素の割合は、酸化物に換算して、酸化チタンが好まし
くは20〜95モル%、酸化ケイ素が5〜80モル%の
範囲にあるものが使用される。なお、酸化ケイ素の割合
が多くなると、酸化チタンの光触媒活性力が弱まる傾向
があるので、使用目的により最適割合を決めるのが好ま
しい。
【0032】本発明においては、かかるチタンとケイ素
の複合酸化物を含めた各種光触媒半導体を、セルロース
系繊維含有布帛に付着させるため、ウレタン樹脂、アク
リル樹脂、セルロース系樹脂などの様々なバインダーを
用いることができるが、好ましくはアルキルシリケート
系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ば
れた少なくとも1種のバインダーを用いることにより、
有機系樹脂特有の光触媒半導体の酸化による分解、着
色、臭気の発生を防止することができる。このような組
合せであれば、繊維と光触媒半導体を含むバインダーと
の間に、過酸化チタン等の無機物の中間層は不要とな
り、光触媒半導体を、洗濯耐久性および風合い、さらに
コストをも飛躍的に改善することができる。
【0033】かかるアルキルシリケート系樹脂は、主に
Si−Oの結合部分と直鎖または分岐のある飽和アルキ
ルから成り、その両端にOH基をもつことを特徴とする
ものである。すなわち下記に示される構造を含むもので
ある。
【0034】OH−(Si−O)n −R−OH 式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖または分岐のある飽
和アルキル基であり、nは1以上の整数を意味し、好ま
しくは無機性を高めるために1000〜10000の範
囲である。
【0035】かかるアルキル基は、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル等直鎖または分岐のある飽和アル
キルである。これらアルキルシリケート系樹脂は1種、
2種の混合物でもよい。これらの化合物は、熱の存在下
で容易に脱水反応を起こして、ポリシロキサン被膜を形
成する特徴がある。アルキルシリケート系樹脂は、水溶
性であり、繊維構造物を、これらの水溶液に含浸させた
後、マングルロールで絞り、200℃以下で処理する
と、繊維表面上に薄い被膜を形成するものである。かか
るアルキルシリケート系樹脂と、チタンとケイ素からな
る複合酸化物とを直接、繊維構造物の表面上に付着させ
ることも可能である。
【0036】また、シリコーン系樹脂やフッ素系樹脂の
バインダーを混合させて、付着させてもよい。これらの
バインダーは、上記したように、耐熱性、耐光性、耐薬
品性に優れており、光触媒半導体による酸化力に対して
も、優れた耐久性を有する。
【0037】ここでいうシリコーン系樹脂としては、シ
リコーンレジンもしくはシリコーンワニスという分類に
属する縮合架橋型樹脂を使用することができ、かかる樹
脂は、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ンなどの縮合架橋型樹脂を、単独または数種の配合物を
縮合して得ることができるものが含まれる。これらは、
3次元構造の樹脂を形成し、シリコーン系樹脂の中で
も、最も耐熱性や耐薬品性に優れたものである。また、
テトライソプロポキシシランやテトラエトキシシラン
を、アルコール/水混合溶剤中で、強酸による加水分解
で得られる酸化ケイ素のゾルを乾燥すると、ガラス質の
被膜ができるという特徴がある。このようなゾル/ゲル
法で得られる被膜は、無機質に近く好ましく使用され
る。
【0038】また、フッ素系樹脂としては、ビニルエー
テルおよび/またはビニルエステルとフルオロオレフィ
ン重合性化合物が、非常に優れた特性を持っていて好ま
しく使用される。例えば、ポリフッ化ビニルやポリ四フ
ッ化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエステルやビニルエステル−フルオロオレフィ
ンなどが分解、劣化が少ないので好ましく使用される。
【0039】かかるシリコーン系樹脂及びフッ素系樹脂
と、通常よく使用されるアクリル樹脂、ウレタン樹脂、
エポキシ樹脂などの有機樹脂との違いは、熱や薬品の作
用で分解されやすい炭化水素基をほとんど含まず、シリ
コーン系樹脂は、Si−O結合、フッ素系樹脂は、F−
C結合を主体に構成されており、末端基や側鎖に少量の
メチル基やフェニル基が炭化水素として含まれる程度で
あるところにある。
【0040】かかるバインダーまたはこれを付与されて
成るセルロース系繊維含有布帛全体に吸水性を付与する
方法としては、親水性を有する水酸基(−OH)、カル
ボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NH2)およ
びアミド基(−CONH2)から選ばれた少なくとも1
種をもつ吸水性シリコーン系樹脂や、エチレングリコー
ルを多数付加した吸水性シリコーン系樹脂や、ポリエチ
レンオキサイド基含有化合物や、セルロース系化合物な
どの親水化加工剤を、バインダーに混合したり、該布帛
全体に付与する手段を採用することができる。後者の親
水化加工剤の中では、好ましくはポリアルキレングリコ
ール−ポリエステルブロック共重合体を主成分とする親
水性ポリエステル樹脂がよい。また、前者の吸水性シリ
コーン系樹脂は、それ単独をバインバーとして使用する
ことができる。
【0041】かかる親水化加工剤を吸水剤として用いる
ことで、防しわ加工によりセルロース系繊維含有布帛特
有の吸水性が阻害されたのを回復することが可能とな
る。有機系吸水剤樹脂または親水化加工剤の使用に際し
ては、該光触媒半導体の酸化による、分解、着色、臭気
が惹起しない範囲で使用するのが好ましい。
【0042】かかるバインダーには、さらにカップリン
グ剤を添加することができ、それにより、無機物と有機
物の接着力を向上することができ、かくすることによ
り、繊維、バインダーおよび光触媒半導体の相互間に化
学的結合力を働かせることができ、その結果、洗濯耐久
性を向上させることができる。
【0043】また、かかるバインダーには、さらにゼオ
ライトを添加することができ、かくすることにより、臭
い成分の吸着力の向上と、構造物中の無機系成分比を増
加させることができ、その結果、光触媒による分解を抑
制する効果を奏させることができる。また、かかるゼオ
ライトとして、金、白金、銀、パラジウム等の貴金属
を、好ましくは0.01〜5重量%の範囲で含有するも
のを用いると、更に抗菌効果を奏するものを提供するこ
とができる。
【0044】かかる光触媒半導体がバインダーによって
付着されたセルロース系繊維含有布帛は、その残留架橋
剤分解物濃度、たとえばホルマリン濃度が極めて少な
く、たとえば残留ホルマリン濃度であれば、25ppm
以下、好ましくは20ppm以下であるという、大幅に
減少せしめられた濃度である。そのため、幼児や素肌に
も安全なセルロース系繊維含有布帛を提供することがで
きる上に、耐久性のある防シワ性、防縮性等の形態安定
性、消臭性、抗菌性、防カビ性および防汚性を満足する
と共に着臭防止効果に優れた機能性をも兼ね備えてい
る。かかるセルロース系繊維含有布帛は、ドレスシャ
ツ、学童用スクールシャツ、ユニフォーム、肌着、スポ
ーツ衣料、カーテンやテーブルクロスなどのインテリア
資材等の用途に最適である。
【0045】次に、本発明のセルロース系繊維含有布帛
の製造方法の一例について説明する。まず、防しわ性、
防縮性等の形態安定性向上のためにセルロース系繊維の
架橋改質を実施する。
【0046】セルロース系繊維の改質に用いる架橋剤お
よび触媒からなる加工液にセルロース系繊維含有布帛に
含浸させたあとマングルロールで絞り、ドライ−キュア
の工程を経るか、あるいは、この加工液を適当な粘度に
調整して、ナイフコーターやグラビアロールコーター、
捺染などで塗布した後、200℃以下の温度で熱処理す
ることが好ましい。
【0047】その後、かかる布帛に消臭性、抗菌性、防
カビ性および防汚性を付与するためにアルキルシリケー
ト系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂の少なくと
も1種をバインダーとし、次いで、光触媒半導体、たと
えばチタンとケイ素の複合酸化物の水分散液を混合した
加工液に浸漬した後、マングルロールで絞り、200℃
以下の温度で熱処理しても良い。この場合、好ましくは
この加工液にゼオライト微粒子を添加する。この場合、
消臭性、抗菌性の向上のため上述した銀などの貴金属を
0.01〜5重量%担持させたものを添加することがよ
り好ましい。好ましくはさらにカップリング剤を添加す
る。
【0048】
【実施例】以下、実施例により、さらに詳細に説明す
る。
【0049】また実施例中での品質評価は次の方法を用
いた。 (布帛の架橋指数) 架橋指数 =(A−B) ここで A:温度30℃、相対湿度90%RH雰囲気下
における架橋改質セルロース系繊維含有布帛の吸湿率
(%) B:温度20℃、相対湿度65%RH雰囲気下における
架橋改質セルロース系繊維含有布帛の吸湿率(%) (防しわ性)AATCC−124−1984 5段階レ
プリカ法に基づいて判定を行った。
【0050】5級(良好)〜1級(不良) (洗濯収縮)JIS L−1042 G法 家庭洗濯法
で布帛のタテ方向、ヨコ方向の収縮率を測定した。な
お、洗濯後は脱水機で絞らず乾燥ろ紙の間にはさみ、軽
く押さえて脱水し、水平に置いた金網の上で乾燥した。 (洗濯)自動反転渦巻き式電気洗濯機VH−3410
(東芝(株)製)を用い、市販洗剤0.2%、温度40
±2℃、浴比1:50で5分間強反転で洗濯し、その
後、排水、オーバーフローさせながらすすぎを2分間行
う操作を2回繰り返しこれを洗濯1回とした。 (布帛の残留ホルマリン濃度測定)JIS L−104
1法に定められた方法に準じた。 (検知管法による消臭性評価)試料を10g入れた50
0mlの容器に初期濃度が200ppmになるようにア
ンモニアガスをいれて密閉し、1時間放置後、ガス検知
管で残留アンモニア濃度を測定した。そして下記の式に
従い消臭率(%)として算出した。
【0051】消臭率(%)=〔1−(ガス検知管測定濃
度)/(初期濃度)〕×100 (タバコ臭に対する消臭性の臭覚評価)500mlのガ
ラス製三角フラスコを入り口を下にして、入り口の直下
に発煙している紙巻きタバコを5秒間置いた後、すばや
く三角フラスコを横にして試料3gを投入し、ガラス栓
で密閉した。1時間放置後、ガラス栓を開け、10人の
人に残臭を嗅いで官能評価した。その時の臭気を下記評
価点数で評価し、平均値を出した。
【0052】 5:強烈な臭い 4:強い臭い 3:楽に感知できる 2:何の臭いかわかる弱い臭い 1:やっと感知できる臭い 0:無臭 (イソ吉草酸臭による着臭防止性の臭覚評価)0.01
%のイソ吉草酸水溶液をマイクロシリンジにて25μl
秤量し、これを10cm×10cmの大きさに切り取った布
帛中央部に5μlを5点滴下する。滴下の方法は布帛中
央部に1点、続いて中央部の1点を取り囲むようにちょ
うどサイコロの五の目を成すがごとく4点滴下する。こ
の布帛を蛍光灯下に3時間放置後、10人の人に布帛の
臭いを嗅いで官能評価した。その時の臭気を下記評価点
数で評価し、平均値を出した。
【0053】 5:強烈な臭い 4:強い臭い 3:楽に感知できる 2:何の臭いかわかる弱い臭い 1:やっと感知できる臭い 0:無臭 (抗菌評価方法)評価方法は、統一試験法を採用し、試
験菌体は黄色ブドウ状球菌臨床分離株を用いた。試験方
法は、滅菌試験布に上記試験菌を注加し、18時間培養
後の生菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を求め、次の
基準にしたがった。log(B/A)>1.5の条件
下、log(B/C)を菌数増減値差とし、2.2以上
を合格とした。
【0054】ただし、Aは無加工品の接種直後分散回収
した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した
菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数を
表す。(防汚性評価方法) 手順1:ポリエチレン袋(20リットル)に100℃×
2時間乾燥させた下記表1に示す組成の汚染物0.2g
とタテ10cm、ヨコ16cmのサンプルとICIピリ
ング用ゴム管を1本入れる。20℃×65%RHの空気
で袋を膨らませ(約10リットルにする)輪ゴムで止め
る。
【0055】
【表1】
【0056】手順2:手順1のポリエチレン袋をICI
試験器の箱の中にいれ、1時間回転させる。その後サン
プルを取り出す。 手順3:処理サンプルを標準洗濯条件で1回洗濯する。
手順1〜3をさらに2回繰り返す。 手順4:上記のとおり汚染剤付着・洗濯を3回繰り返し
たサンプルと未処理のサンプルのL値を測色計で測定し
その差である△L値を計算する。
【0057】実施例1 評価には、常法により精練、マーセライズを行った45
番手のポリエステル45%、綿55%からなる目付11
2g/m2のブロード織物を用いた。かかる織物を下記
の加工液1に浸漬し、絞り率80%でパディング後、1
00℃×2分乾燥、ついで180℃×1分熱処理し、さ
らに下記の加工液2に浸漬し、絞り率80%でパディン
グ後、100℃×2分予備乾燥、ついで180℃×1分
熱処理し試料を得た。
【0058】なお、実施例1で用いられる加工液1の架
橋剤および触媒には以下のものを添加した水溶液を用い
た。
【0059】 架橋剤 ジメチロールジヒドロキシエチレン 尿素樹脂水溶液(濃度20%) 10.0重量% 触媒 塩化マグネシウム(濃度100%) 1.5重量% 風合い剤 アミノ変性シリコーン(濃度20%) 3.0重量% また、平均一次粒子径が7nm、平均比表面積が150
2/gであるチタンとケイ素の複合酸化物を水溶液の
分散体にし、平均粒子径が0.3μmとしたものをチタ
ンとケイ素の複合酸化物(濃度20%)を光触媒として
用いた下記配合からなる水溶液を加工液2として実施例
1で使用した。
【0060】 アルキルシリケート系樹脂(濃度20%) 1.0重量% シリコーン系樹脂(濃度45%) 1.5重量% シランカップリング剤(濃度100%) 0.2重量% 貴金属担持型ゼオライト(濃度20%) 0.3重量% チタンとケイ素の複合酸化物(濃度20%) 1.0重量% 上記加工工程を経由して得られたセルロース系繊維含有
布帛について、架橋指数、防しわ性、洗濯収縮、残留ホ
ルマリン濃度、消臭性、抗菌性、防汚性などの評価をし
て、結果を表2および表3に示した。また、該布帛でも
ってドレスシャツを縫製したところ従来に比べて、吸水
性に優れ、着心地が良く、防しわ性の優れたものが得ら
れた。
【0061】実施例2 実施例1の加工液2について光触媒を平均一次粒子径が
7nm、平均比表面積が150m2 /gであるアナター
ゼ型チタンの単体を濃度20%の水溶液の分散体にし、
平均粒子径が0.3μmであるものを1.0重量%添加
して加工液3として実施例1と同様に加工液1で加工後
に加工液3で加工し光触媒を有する処理布帛を得た。こ
のセルロース系繊維含有布帛について、架橋指数、防し
わ性、洗濯収縮、残留ホルマリン濃度、消臭性、抗菌
性、防汚性などの評価をして、結果を表2および3に示
した。
【0062】実施例3 実施例1の加工液2に更にフッ素系樹脂(濃度20%)
を0.5重量%添加したものを加工液4として実施例1
と同様に加工液1で加工後に加工液4で加工し光触媒を
有する処理布帛を得た。この繊維布帛について、消臭
性、抗菌性、防汚性などの評価をして、結果を表3に示
した。
【0063】実施例4 実施例1の加工液2の貴金属担持型ゼオライトを添加し
ないものを加工液5として実施例1と同様に加工液1で
加工後に加工液5で加工し光触媒を有する処理布帛を得
た。この繊維布帛について、消臭性、抗菌性、防汚性な
どの評価をして、結果を表3に示した。
【0064】実施例5 実施例1と同様に加工し光触媒を有する処理布帛を得た
ものについて家庭洗濯20回施したものについて、消臭
性、抗菌性、防汚性などの評価をして、結果を表3に示
した。
【0065】実施例6 実施例1の加工液1と加工液2を1:1の割合で混合
し、実施例1で用いた、染色上がりのセルロース系繊維
含有布帛について、絞り率80%でパディング後、10
0℃×2分予備乾燥、ついで180℃×1分熱処理を実
施。その後、架橋指数、防しわ性、洗濯収縮、消臭性、
抗菌性、防汚性などの評価をして、結果を表2および表
3に示した。
【0066】実施例7 実施例1に記載のブロード織物をカーテン生地に置き換
えて実施例1と同様の加工を実施し、実用試験したとこ
ろ従来にない消臭性、防しわ性の優れたものが得られ
た。結果を表2に示した。
【0067】実施例8 実施例1の加工液2を、平均一次粒子径が7nm、平均
比表面積が150m2/gであるチタンとケイ素の複合
酸化物を水溶液の分散体にし、平均粒子径が0.3μm
としたものをチタンとケイ素の複合酸化物(濃度20
%)を光触媒として用いた下記配合からなる水溶液を加
工液6として使用した。
【0068】 ポリカルボン酸化合物(濃度49%) 1.5重量% 高松油脂(株)製 ハイレジン−R29(商品名) チタンとケイ素の複合酸化物(濃度20%) 1.0重量% 上記加工工程を経由して得られたセルロース系繊維含有
布帛について、架橋指数、防しわ性、洗濯収縮、残留ホ
ルマリン濃度、消臭性、抗菌性、防汚性などの評価をし
て、結果を表2および表3に示した。また、該布帛でも
ってドレスシャツを縫製したところ従来に比べ、消臭性
が非常に優れ、吸水性に優れ、着心地が良く、防しわ性
の優れたものが得られた。
【0069】比較例1 実施例1で用いた、染色上がり時点でのセルロース系繊
維含有布帛について、架橋指数、防しわ性、洗濯収縮、
消臭性、抗菌性、防汚性などの評価をして、結果を表2
および表3に示した。
【0070】比較例2 実施例1の加工液1のみの処理布帛について架橋指数、
防しわ性、洗濯収縮、残留ホルマリン濃度を評価して、
結果を表2に示した。
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】表2から明らかなように、実施例1、2、
4、6、7のものは、比較例1のものに比して、架橋指
数が小さく、防しわ性に優れ洗濯収縮が小さいことがわ
かる。さらに、これらの実施例のものは、比較例2に比
して、残留ホルマリン濃度がとりわけ低く、布帛の残留
ホルムアルデヒドの分解に成功していることがわかる。
【0074】表3から明らかなように、実施例1〜6の
ものは、比較例のものに比して、消臭性については、バ
ランスよく、優れたレベルの機能を発揮しており、しか
も実施例1、2、3、6については、実施例4および比
較例1と比して抗菌性が優れており、比較例1と比して
防汚性に優れている。また実施例5と比較例1の結果よ
り耐久性に優れていることがわかる。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、残留架橋剤分解物濃
度、たとえばホルマリン濃度が極めて少ない、たとえば
残留ホルマリン濃度であれば、20ppm以下であると
いう、大幅に減少せしめられた幼児や素肌にも安全なセ
ルロース系繊維含有布帛を提供することができる上に、
耐久性のある防シワ性、防縮性等の形態安定性、消臭
性、抗菌性、防カビ性および防汚性を満足すると共に着
臭防止効果に優れた機能性をも兼ね備えたセルロース系
繊維含有布帛を提供することができるので、かかるセル
ロース系繊維含有布帛は、ドレスシャツ、学童用スクー
ルシャツ、ユニフォーム、肌着、スポーツ衣料、インテ
リア資材等の用途に最適な素材として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A41D 31/00 A41D 31/00 501Z 501 502A 502 503C 503 A47G 11/00 A47G 11/00 D06M 13/12 D06M 13/12 15/643 15/643 101:06 // D06M 101:06 11/12

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一部が架橋改質されたセルロー
    ス系繊維を含有する布帛であって、該布帛の下記式で定
    義される架橋指数が1〜4であり、かつ、該布帛の繊維
    表面上に、光触媒半導体とバインダーとを有することを
    特徴とするセルロース系繊維含有布帛。 架橋指数=(A−B) ここで、 A:温度30℃、相対湿度90%RH雰囲気下における
    架橋改質セルロース系繊維含有布帛の吸湿率(%) B:温度20℃、相対湿度65%RH雰囲気下における
    架橋改質セルロース系繊維含有布帛の吸湿率(%)
  2. 【請求項2】該光触媒半導体が、チタンとケイ素からな
    る複合酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の
    セルロース系繊維含有布帛。
  3. 【請求項3】該バインダーが、アルキルシリケート系樹
    脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた
    少なくとも1種のバインダーであることを特徴とする請
    求項1または2に記載のセルロース系繊維含有布帛。
  4. 【請求項4】該布帛の残留ホルマリン濃度が、25pp
    m以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のセルロース系繊維含有布帛。
  5. 【請求項5】該布帛の繊維表面上に、さらにゼオライト
    を有する請求項1〜4のいずれかに記載のセルロース系
    繊維含有布帛。
  6. 【請求項6】該布帛の繊維表面上に、さらにカップリン
    グ剤を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載のセルロース系繊維含有布帛。
  7. 【請求項7】該布帛に含有される架橋改質されたセルロ
    ース系繊維が、繊維重量で10wt%以上であることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のセルロース
    系繊維含有布帛。
  8. 【請求項8】該架橋改質されたセルロース系繊維が、ホ
    ルムアルデヒドまたは下記一般式1で示される架橋剤で
    架橋されたものであることを特徴とする請求項1〜7の
    いずれかに記載のセルロース系繊維含有布帛。 【化1】 ここで R1、R2は−H、炭素数1〜4のアルキル基、
    又は−CH2OR7 のいずれかであり、同種又は異種の
    基。R3、R4、R5、R6は−Hまたは−OR8 のいずれ
    かであり、る同種又は異種の基。R7、R8は−H、又は
    炭素数1〜4のアルキル基 のいずれかである同種又は
    異種の基。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載のセルロー
    ス系繊維含有布帛を用いてなることを特徴とするシャ
    ツ。
  10. 【請求項10】請求項1〜8のいずれかに記載のセルロ
    ース系繊維含有布帛を用いてなることを特徴とするユニ
    フォーム。
  11. 【請求項11】請求項1〜8のいずれかに記載のセルロ
    ース系繊維含有布帛を用いてなることを特徴とするスポ
    ーツ衣料。
  12. 【請求項12】請求項1〜8のいずれかに記載のセルロ
    ース系繊維含有布帛を用いてなることを特徴とする肌
    着。
  13. 【請求項13】請求項1〜8のいずれかに記載のセルロ
    ース系繊維含有布帛を用いてなることを特徴とするカー
    テン。
  14. 【請求項14】請求項1〜8のいずれかに記載のセルロ
    ース系繊維含有布帛を用いてなることを特徴とするテー
    ブルクロス。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015212450A (ja) * 2015-04-30 2015-11-26 日清紡テキスタイル株式会社 衣料製品
JP2020007661A (ja) * 2018-07-06 2020-01-16 セーレン株式会社 消臭性布帛および衣料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015212450A (ja) * 2015-04-30 2015-11-26 日清紡テキスタイル株式会社 衣料製品
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