JP2001253307A - 電気システム - Google Patents

電気システム

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JP2001253307A
JP2001253307A JP2000066915A JP2000066915A JP2001253307A JP 2001253307 A JP2001253307 A JP 2001253307A JP 2000066915 A JP2000066915 A JP 2000066915A JP 2000066915 A JP2000066915 A JP 2000066915A JP 2001253307 A JP2001253307 A JP 2001253307A
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啓二 村嶋
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直樹 沢田
Hiroaki Aizawa
相澤  博昭
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流を無駄に消費することなく、かつ作動開
始ときにはイニシャルチェックができる限り完了してい
る電気システムを提供する。 【解決手段】 ブレーキシステムの主制御装置,電動モ
ータ制御装置,電動ブレーキの電動モータを、イグニッ
ションスイッチのON操作またはブレーキペダルの踏込
みによりバッテリに接続する。それらに先行する運転者
の車両への乗込みにより主制御装置等をバッテリに接続
し、断線・短絡確認,ブレーキの作動確認を行う。イグ
ニッションスイッチのON操作がなく、所定時間が経過
すれば主制御装置等とバッテリとの接続を遮断する。電
気制御エンジンシステムにおいては、運転者の車両への
乗込み時であって前回の正常な断線・短絡確認から所定
時間経過時に断線・短絡確認を行い、ブレーキペダルの
踏込み等、車両の走行,停止のための操作実行時であっ
て前回の正常な作動確認から所定時間経過時に作動確認
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気システムに関す
るものであり、特に、電源からの電流の供給に基づいて
作動する装置の診断に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気システムの一例としての車両用電気
システムの一つに、電動モータにより駆動される電動ブ
レーキ,電動モータを制御するモータ制御装置およびバ
ッテリを含む電動ブレーキシステムがある。このシステ
ムにおいては、イグニッションスイッチのON操作に応
じて電動モータおよびモータ制御装置がバッテリに接続
され、ブレーキペダルの踏込みに応じて直ちに作動し得
る待機状態とされる。しかし、イグニッションスイッチ
がON操作されなければバッテリに接続されず、ブレー
キペダルが踏み込まれても車輪の回転を抑制することが
できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】そこで、イグニッションスイッチのON操作のみな
らず、ブレーキペダルの踏込に応じても電動ブレーキお
よびモータ制御装置とバッテリとが接続されるようにす
ることが考えられる。このようにすれば、イグニッショ
ンスイッチがOFF状態にあっても、ブレーキペダルを
踏み込めば電動ブレーキを作動させることができる。そ
して、電動ブレーキおよびモータ制御装置について、バ
ッテリへの接続に伴ってイニシャルチェックを行えば、
軽微な故障が生じている状態で電動ブレーキ等が作動さ
せられることにより、大きな故障が発生するという事態
が回避される。
【0004】電動ブレーキおよびモータ制御装置がイグ
ニッションスイッチのON操作に応じてバッテリに接続
された場合は、ブレーキペダルが踏み込まれるまでにイ
ニシャルチェックが完了していれば、故障が生じた状態
で電動ブレーキ等が作動させられることはないが、必ず
完了しているという保証はない。また、電動ブレーキお
よびモータ制御装置がブレーキペダルの踏込みによって
バッテリに接続された場合には、イニシャルチェックを
省略してブレーキを作動させるか、あるいはイニシャル
チェックを行った後にブレーキを作動させることが考え
られる。制動力確保の観点からすれば、ブレーキペダル
が踏み込まれれば、直ちに電動ブレーキを作動させるこ
とが望ましいが、故障があった場合に故障箇所が増えた
り、故障の度合いが進む可能性があり、電動ブレーキお
よびモータ制御装置の故障回避の観点からすれば、イニ
シャルチェックの完了後に電動ブレーキを作動させるこ
とが望ましい。この問題は、例えば、イニシャルチェッ
クが完了するまでは車両の走行を禁止することにより回
避することができるが、車両を直ちに発進させることが
できず、使い勝手が悪くなる。イグニッションスイッチ
のON操作に応じて電動モータおよびモータ制御装置が
バッテリに接続されたが、イニシャルチェックが完了す
る前にブレーキペダルが踏み込まれた場合にも同様の問
題が生ずる。電動ブレーキおよびモータ制御装置のバッ
テリへの接続がイグニッションスイッチのON操作に応
じて為された場合にも、ブレーキペダルの踏込みに応じ
て為された場合にも、電動ブレーキが作動させられるま
でにイニシャルチェックが完了していることが望ましい
のである。
【0005】それに対し、特開平6−127317号公
報に記載の電気システムにおいては、コンピュータが常
時バッテリに接続され、電流が供給されるようにされて
いる。この電気システムは車両に設けられるアンチロッ
ク制御装置であり、液圧ブレーキのブレーキシリンダ液
圧を制御する電磁弁装置,その電磁弁装置を制御するコ
ンピュータおよびバッテリを含み、電磁弁装置は、イグ
ニッションスイッチのON操作またはブレーキペダルの
踏込みによりバッテリに接続されて通電が可能な状態と
されるのであるが、コンピュータは、イグニッションス
イッチのON,OFF操作およびブレーキペダルの踏込
みに関係なく、常時、バッテリに接続されているため、
いつでもイニシャルチェック完了状態にあるようにする
ことができる。したがって、例えば、車両が下り坂でイ
グニッションスイッチがON操作されない状態のまま走
り出し、運転者のブレーキペダルの踏込みに応じてブレ
ーキが作動し、アンチロック制御が必要になった場合で
も、直ちに電磁弁装置を作動させることができる。この
システムにおいては、ブレーキペダルの踏込みによりマ
スタシリンダに発生させられた液圧によって液圧ブレー
キが作動するため、ブレーキペダルの踏込み時にコンピ
ュータをバッテリに接続し、イニシャルチェックの完了
後、電磁弁装置を作動させてもよいのであるが、その
間、アンチロック制御の開始が遅れる。それに対しコン
ピュータが常時バッテリに接続されていれば、必要に応
じて直ちにアンチロック制御が開始され、十分な制動性
能が発揮されるのである。しかし、コンピュータを常時
バッテリに接続し、電流が供給されるようにすれば、バ
ッテリの電気エネルギが無駄に消費される。
【0006】イグニッションスイッチのON操作と、ブ
レーキペダルの踏込みとの一方に基づいて電動モータお
よびモータ制御装置をバッテリに接続する構成は、車両
用電気ブレーキシステム以外の電気システムであって、
イグニッションスイッチに相当する主スイッチ,電動モ
ータを有する電動ブレーキに相当する作動装置および電
源を含む電気システムにおいても採用することができ
る。そして、その場合に、作動装置の作動開始時におけ
るイニシャルチェックの未完了の問題および電流の無駄
な消費の問題が同様に発生する。
【0007】本発明は、以上の事情を背景とし、主スイ
ッチの操作と、作動装置を作動させるための操作部材と
のいずれかにより、作動装置および制御装置と電源とが
接続される電気システムであって、電流を無駄に消費す
ることなく、かつ作動装置の作動開始時には、イニシャ
ルチェックができる限り完了している電気システムを提
供することを課題としてなされたものであり、本発明に
よって、下記各態様の電気システムが得られる。各態様
は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必
要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。こ
れは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであ
り、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わ
せが以下の各項に記載のものに限定されると解釈される
べきではない。また、一つの項に複数の事項が記載され
ている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなけ
ればならないわけではない。一部の事項のみを選択して
採用することも可能なのである。 (1)主スイッチの操作に基づいて、作動装置およびそ
れの制御装置と、電源とが接続され、かつ、作動装置を
作動させるための操作部材である第一操作部材の操作に
基づいてもそれら作動装置および制御装置と電源とが接
続される電気システムにおいて、前記第一操作部材の操
作よりも先行して、予め定められた第二操作部材の操作
が行われた場合に、前記電源と前記制御装置、あるいは
前記電源と前記制御装置および前記作動装置とを接続す
るとともに、それら電源と接続された装置の少なくとも
一部の診断を行う先行診断装置を設けた電気システム
(請求項1)。本電気システムの一例は、車両に搭載さ
れる車両用電気システムであるが、それに限定されるわ
けではない。上記「作動装置および制御装置と電源とが
接続される」なる表現は、作動装置と電源、制御装置と
電源の間にそれぞれスイッチ(有接点,無接点いずれで
も可)があり、それらスイッチがON状態とされること
により接続される場合も、電源と制御装置との間にスイ
ッチがあり、そのスイッチがON状態にされれば制御装
置は直接、作動装置は制御装置を介して間接に電源装置
に接続される場合の両方を含む。後者の場合には、制御
装置が電源に接続されれば作動装置も必然的に電源に接
続されることとなる。ただし、いずれの場合でも、作動
装置の電流は制御装置により制御されるため、制御装置
により作動装置が作動させられない限り、実際に作動装
置に電流が流れることはない。それに対し、制御装置に
は、電源装置と制御装置との間のスイッチがON状態と
されれば、電流の大きさは制御装置の作動状態によって
変わるにしても、最小限の電流は常時流れる。診断され
るのが制御装置のみである場合には制御装置が電源に接
続されればよく、制御装置と作動装置との両方である場
合には両方が電源に接続されることが必要である。作動
装置は、電源からの電流供給に基づいて作動する装置で
あればよく、例えは、電気システムが車両用電気システ
ムであれば、液圧ブレーキのブレーキシリンダ液圧を制
御する液圧制御弁装置、液圧ポンプおよび蓄圧装置を有
して液圧ブレーキに液圧を供給する動力液圧源装置、電
動アクチュエータにより駆動される電動ブレーキ、電動
モータを駆動源とするパワーステアリング装置、電気制
御エンジンシステムの構成装置の一例である電動モータ
によりスロットルバルブを駆動するスロットルバルブ装
置、電動モータにより車両を駆動する電気式駆動装置等
がある。先行診断装置は、電源と接続された装置が一つ
であれば、そのうちの少なくとも一部について診断を行
い、複数であれば、少なくとも一つの装置について少な
くとも一部の診断を行う。いずれにしても、第一操作部
材の操作よりも先行する第二操作部材の操作に基づいて
診断が行われるため、第一操作部材が操作され、作動装
置が作動させられるときには、行われるべき診断の少な
くとも一部が済んでいる。そのため、第一操作部材の操
作に応じて直ちに作動装置が作動させられる場合でも、
診断が未完了のままで作動させられる可能性が少なくて
済む。また、第一操作部材が操作されたとき、診断の完
了を待って作動装置が作動させられる場合には、待ち時
間が0あるいはあっても短くて済み、作動遅れを低減す
ることができる。第一操作部材の操作に先行する第二操
作部材の操作に基づいて、作動装置が短時間後に作動さ
せられる可能性が高いと推定し、その作動に備えて診断
を行うのであり、制御装置が常時電源に接続されている
場合のように電気エネルギが無駄に消費されることを回
避しつつ、診断が完了した状態で作動装置を作動させ得
る可能性を高めることができ、診断が未完了のまま作動
装置が作動させられることによる故障の増大や診断の完
了を待つことによる作動遅れを低減させることができ
る。 (2)前記電気システムが車両用電気システムであり、
前記第二操作部材が、車両のドアロックを解除するため
の解錠操作部材,ドアノブおよびドアの少なくとも一つ
を含む (1)項に記載の電気システム(請求項2)。解錠
操作部材は、ドアキーや、遠隔操作装置の操作スイッチ
を含む。停止している車両を走行させる場合、各種作動
装置を作動させるべく、第一操作部材が操作されるのに
先行して、解錠操作,ドアノブの操作,ドアの開閉が行
われるのが普通であり、本態様によれば、第一操作部材
の操作に先行して診断を行い得る可能性が高い。 (3)前記先行診断の実施後所定時間内に前記主スイッ
チと前記第一操作部材とのうち、予め定められたものの
操作が行われない場合に、前記電源と前記制御装置、あ
るいは前記電源と前記制御装置および前記作動装置との
接続を遮断する接続遮断手段を含む (1)項または (2)項
に記載の電気システム(請求項3)。「先行診断の実施
後」とは、先行診断の実施開始後でもよく、あるいは診
断完了後でもよい。主スイッチと第一操作部材とのう
ち、予め定められたものは、例えば、主スイッチであ
り、あるいは第一操作部材であり、あるいは両方であ
る。先行診断は、作動装置の作動に備えて行われるが、
先行診断の実施後所定時間内に主スイッチと第一操作部
材とのうち、予め定められものの操作が行われない場合
には、作動装置は作動させられないものとみなし、電流
の供給を遮断してもよく、電流が無駄に消費されること
が回避される。 (4)前記先行診断装置が、少なくとも、前記第二操作
部材の操作が前記先行診断の実施後設定時間以内に行わ
れ、かつ、前回の先行診断の結果が正常であった場合に
は前記先行診断を実施しないものである (1)項ないし
(3)項のいずれか一つに記載の電気システム(請求項
4)。診断対象装置の状態が短時間のうちに変化する可
能性は低い。前回の先行診断から設定時間が経過してい
ない時点では、装置の状態は、前回の先行診断の実行時
と変わっていない可能性が高く、前回の診断結果を用い
て作動装置を作動させても支障がないことが多いのであ
る。そのため、前回の先行診断の結果が正常であった場
合、前回の先行診断から設定時間が経過するまで診断を
行わなくても、作動装置の作動に支障が生ずる可能性は
少なく、先行診断が無駄に行われず、電流が無駄に消費
されることが回避される。そして、前回の先行診断の結
果が正常であった場合には、設定時間の経過により診断
が行われ、故障を検出することができる。前回の先行診
断の結果が正常でない場合、正常時と同様に設定時間以
内は先行診断を実施せず、設定時間が経過すれば診断を
行うようにしてもよく、あるいは第二操作部材の操作が
行われる毎に診断を行ってもよく、あるいは故障が解消
されるまで診断が行われないようにしてもよい。故障が
生じた場合でも診断を行うようにすれば、例えば、状況
の変化に対応することができる。例えば、前回の故障診
断において故障が誤って検出されたのであれば、実際に
は、正常であることがわかり、あるいは故障箇所が変わ
ったり、増えたりしても検出することができる。また、
本態様によれば、作動装置が、第一操作部材が操作され
たとき、診断が完了していなければ、その完了を待って
作動させられる装置である場合、第二操作部材が操作さ
れても、正常であれば、前回の先行診断から設定時間が
経過していない限り先行診断は行われないため、第二操
作部材の操作に応じて制御装置、あるいは制御装置およ
び作動装置が電源に接続された状態において第一操作部
材が操作され、作動装置が直ちに作動を開始することが
できないという事態が発生する機会を減少させ得る効果
が得られる。 (5)当該電気システムが前記作動装置を複数含み、前
記先行診断装置が、それら複数の作動装置の一部のもの
について前記先行診断を実施し、他のものについては実
施しないものである (1)項ないし (4)項のいずれか一つ
に記載の電気システム(請求項5)。複数の作動装置の
一部のものについて先行診断を実施すれば、全部につい
て先行診断を行う場合に比較して、診断に要する時間,
電流が少なくて済む。 (6)前記複数の作動装置が、車両の前輪ブレーキと後
輪ブレーキとにそれぞれ関連する複数のブレーキ関連作
動装置を含み、かつ、前記複数の作動装置の前記一部の
ものが、前記前輪ブレーキに関連する前輪ブレーキ関連
作動装置を含み、前記他のものが前記後輪ブレーキに関
連する後輪ブレーキ関連作動装置を含む (5)項に記載の
電気システム(請求項6)。ブレーキ関連作動装置は、
例えば、ブレーキが電動ブレーキであれば、電動アクチ
ュエータおよび駆動回路を含んで構成される。駆動回路
は、制御装置の一部であると考えることもできる。第二
操作部材の操作に基づいて先行診断が行われることによ
り、ブレーキが電動ブレーキであれば、制動力を確保す
べく、ブレーキ操作部材の操作によって直ちに作動させ
られても、診断が未完了のままで作動させられることが
少なくて済み、ブレーキが液圧ブレーキであれば、例え
ば、電磁弁装置等の作動装置が、診断の完了を待って作
動させられるのであっても、作動遅れが少なくて済む。
車両においては、一般に、前輪ブレーキの方が後輪ブレ
ーキより制動能力が高く、その重要な側について診断を
行えば、先行診断による電流消費を小さく抑えつつ、所
要制動力を確保することができる。 (7)当該電気システムが、前記作動装置として、車両
の複数の前輪ブレーキに関連する複数の前輪ブレーキ関
連作動装置と、複数の後輪ブレーキに関連する複数の後
輪ブレーキ関連作動装置とを含み、それら複数ずつの前
輪ブレーキ関連作動装置および後輪ブレーキ関連作動装
置が2系統に分けられており、前記先行診断装置が、そ
れら2系統の少なくとも一方について先行診断を実施す
るものである (1)項ないし (4)項のいずれか一つに記載
の電気システム。複数のブレーキ関連作動装置の全部に
ついて診断を行ってもよいが、2系統の一方のみについ
て行えば、電流消費を小さく抑えつつ少なくとも法定制
動力を確保することができる。法定制動力は、車両の安
全性の確保を考慮して決められているものであるから、
本態様によれば車両の安全性を確保することができるこ
とになる。 (8)前記先行診断装置が、前記2系統のうち、先に診
断を行った系統に含まれる複数のブレーキ関連作動装置
の少なくとも一つに故障があれば、他方の系統について
も診断を行う (7)項に記載の電気システム。2系統の一
方に故障がある場合には、それ以外の場合に比較して、
他方にも故障がある可能性が高い。また、2系統の一方
に故障がある場合に、万一他方にも故障があれば、安全
性確保の観点から車両を走行させない方がよい場合が多
い。たとえ走行させてもよい場合でも、運転者にいち早
くブレーキシステム全体の故障状況を知らせることが望
ましい。したがって、2系統の一方に何らかの故障があ
る場合には、他方についても先行診断が行われるように
することが望ましい。 (9)前記2系統のうちの一つが、複数の前輪ブレーキ
関連作動装置を含み、別の一つが複数の後輪ブレーキ関
連作動装置を含む (7)項または (8)項に記載の電気シス
テム。 (10)前記2系統がそれぞれ、車両の対角位置にある
前輪ブレーキ関連作動装置と後輪ブレーキ関連作動装置
とを含む (7)項または (8)項に記載の電気システム。な
お、上記 (7)項ないし(10)項に記載の各特徴は、主スイ
ッチの操作に基づいて、車両の前輪ブレーキと後輪ブレ
ーキとにそれぞれ関連する前輪ブレーキ関連作動装置お
よび後輪ブレーキ関連作動装置が電源に接続される車両
ブレーキシステムであって、主スイッチとは異なる操作
部材の操作に基づいてブレーキ関連作動装置の診断が行
われるシステム、主スイッチとは異なる操作部材がブレ
ーキ操作部材である車両用ブレーキシステムにおいて採
用可能である。 (11)主スイッチの操作に基づいて、作動装置および
それを制御する制御装置が電源に接続され、かつ、前記
主スイッチとは異なる操作部材の操作に基づいて、作動
装置と制御装置との少なくとも一方が電源に接続される
電気システムにおいて、前記操作部材の操作が行われた
場合に、前記少なくとも一方を前記電源に接続するとと
もに、その少なくとも一方の診断を行う診断装置を設
け、かつ、その診断装置を、少なくとも、前記操作部材
の操作が前記診断の実施後設定時間以内に行われ、か
つ、前回の診断の結果が正常であった場合には前記診断
を行わないものとした電気システム。診断は、作動装置
と制御装置とのうち電源に接続された装置の全部につい
て行ってもよく、一部についても行ってもよい。電源に
接続された装置の少なくとも一部の診断を行うのであ
る。作動装置は、例えば、主スイッチの操作に基づいて
直ちに作動させられるものでもよく、あるいは、主スイ
ッチの操作に基づいて電源に接続されて作動に備えた状
態とされ、作動装置を作動させる作動操作部材の操作に
より作動させられるものとしてもよい。主スイッチとは
異なる操作部材には、作動装置を作動させるために操作
される作動操作部材や、主スイッチおよび作動操作部材
の操作に先行して操作される先行操作部材等が含まれ
る。先行操作部材には、診断が行われる作動装置を作動
させる作動操作部材以外の作動操作部材および作動操作
部材以外の操作部材であって、作動操作部材の操作に先
行して操作されるのが普通である作動先行操作部材が含
まれる。主スイッチとは異なる操作部材の操作は、主ス
イッチの操作に先行して行われてもよく、後に行われて
もよい。前者であれば、診断装置は先行診断装置であ
り、先行診断が行われることによる効果が得られる。先
行操作部材の操作によって先行診断が行われる場合、そ
の診断は、主スイッチの操作と、診断が行われる作動装
置を作動させる作動操作部材の操作との両方に先行して
行われる診断であり、また、診断が行われる作動装置を
作動させる作動操作部材が主スイッチの操作に先立って
操作されて診断が行われる場合、この診断は、主スイッ
チの操作に先行する先行診断である。主スイッチとは異
なる操作部材の操作が主スイッチの操作より後に行われ
る場合には、制御装置と作動装置との少なくとも一方の
故障を診断する機会が増加する効果が得られる。さら
に、本態様によれば、例えば、 (4)項に記載の作用およ
び効果が得られる。 (12)主スイッチの操作に基づいて、車両の前輪ブレ
ーキと後輪ブレーキとにそれぞれ関連する前輪ブレーキ
関連装置および後輪ブレーキ関連装置が電源に接続され
る車両用ブレーキシステムにおいて、前記主スイッチと
は異なる操作部材の操作に基づいて、前記前輪ブレーキ
関連装置を前記電源に接続してその前輪ブレーキ関連装
置の診断を行う一方、前記後輪ブレーキ関連装置につい
ては少なくとも前記診断を行わない診断装置を設けた車
両用ブレーキシステム。前輪,後輪ブレーキ関連装置に
は、作動装置とそれを制御する制御装置との少なくとも
一方が含まれる。制御装置の診断の種類や、作動装置の
診断の種類によっては、他方の状態とは無関係に実施で
きる場合がある。後輪ブレーキ関連装置については、診
断は行われないが、例えば、電源との接続は行ってもよ
い。主スイッチとは異なる操作部材は、例えば、ブレー
キ操作部材,アクセル操作部材等、車両の作動装置を作
動させるために操作される作動操作部材や、解錠操作部
材,ドアノブ,ドア等、主スイッチおよび作動操作部材
の操作に先行して操作される作動先行操作部材でもよ
い。主スイッチとは異なる操作部材は、主スイッチの操
作に先行して操作されてもよく、後に操作されてもよ
い。車両において前輪ブレーキは、前述のように、後輪
ブレーキより制動能力が高くされていることが多く、本
態様によれば、診断による電流消費を小さく抑えつつ、
制動力を確保することができる。 (13)主スイッチとブレーキ操作部材とのいずれが操
作された場合も車両の前輪ブレーキに関連する前輪ブレ
ーキ関連装置が電源に接続される車両用ブレーキシステ
ムにおいて、前記主スイッチおよび前記ブレーキ操作部
材の操作よりも先行して操作される先行操作部材の操作
が行われた場合に、前記電源と前記前輪ブレーキ関連装
置とを接続するとともに、その前輪ブレーキ関連装置の
診断を行う先行診断装置を設けた車両用ブレーキシステ
ム。ブレーキ操作部材には、例えば、運転者が足により
操作するブレーキペダル、手によって操作するブレーキ
レバー等がある。後輪ブレーキ関連装置については、先
行診断を行ってもよく、行わなくてもよい。先行操作部
材は、主スイッチおよびブレーキ操作部材の操作よりも
先行して操作される部材であればよく、例えば、前記作
動先行操作部材、ブレーキ以外の作動装置を作動させる
作動操作部材がある。本態様によれば、電流消費の抑
制,故障の増大および作動遅れの低減等、先行診断を行
うことにより効果が得られるとともに、車両の制動力を
確保することができる。 (14)車両に搭載された作動装置と、その作動装置を
制御する制御装置と、車両の主スイッチのON操作に応
じて前記作動装置および制御装置を電源に接続するとと
もにそれら作動装置および制御装置の診断を行う診断装
置とを含む車両用電気システムにおいて、前記診断装置
に、前記主スイッチとは別の操作部材の操作に応じて前
記制御装置による制御のうちで、電力消費と作動音との
少なくとも一方が小さい制御の診断は行うがそれ以外の
制御の診断は行わない一部診断部を設けた車両用電気シ
ステム。「制御装置による制御」には、制御装置は作動
するが、作動装置は作動させない制御も、制御装置自身
が作動するとともに作動装置を作動させる制御も含まれ
る。主スイッチとは別の操作部材は、例えば、(12)項に
記載の主スイッチとは異なる操作部材と同様に、作動操
作部材でもよく、作動先行操作部材でもよく、主スイッ
チのON操作に先行して操作されてもよく、後に操作さ
れてもよい。別の操作部材が、主スイッチのON操作に
先行して操作されるものである場合、その後、主スイッ
チがON操作されるか否かわからないため、電力消費と
作動音との少なくとも一方が小さい制御の診断のみに留
めるのがよい。そのようにすれば、電力消費の無駄や騒
音の発生を回避しつつ、先行診断を行うことによる効果
の一部を享受することができる。別の操作部材が、主ス
イッチのON操作後に操作されるものである場合には、
制御装置と作動装置との少なくとも一方の故障を診断す
る機会が増加する効果が得られる。 (15)前記一部診断部が、前記主スイッチのOFF状
態において、運転者が、車両への乗込みに伴う操作部材
の操作を行った場合に一部診断を行う先行診断部を含む
(14)項に記載の車両用電気システム。 (16)前記作動装置が複数であり、前記一部診断部
が、それら複数の作動装置のうち一部のものについて
は、(14)項に記載の形態の診断を行うが、別の一部につ
いては前記少なくとも一方が大きい制御の診断をも行う
(14)項または(15)項に記載の車両用電気システム。上記
「複数の作動装置のうち別の一部のもの」として、ブレ
ーキ装置の構成要素等、車両の安全性に関連の大きい作
動装置を選定すれば、診断の実行に伴う電力消費や作動
音の発生をできる限り小さく抑えつつ、車両の安全性を
確保することができる。複数の作動装置の全部がブレー
キ関連作動装置であれば、「複数の作動装置のうち一部
のもの」は、ブレーキ関連作動装置の一部により構成さ
れ、「別の一部」は、ブレーキ関連作動装置の残りの一
部により構成される。複数の作動装置が、ブレーキ関連
作動装置以外の作動装置を含んで構成される場合、「複
数の作動装置のうち一部のもの」は、例えば、ブレーキ
関連作動装置以外の作動装置により構成され、「別の一
部」は、ブレーキ関連作動装置により構成される。「複
数の作動装置のうち一部のもの」および「別の一部」に
それぞれ、ブレーキ関連作動装置の一部と、ブレーキ関
連作動装置以外の装置の一部とが含まれていてもよい。 (17)前記複数の作動装置が、車両の複数の車輪の回
転をそれぞれ抑制するブレーキの各々に関連する複数の
ブレーキ関連作動装置を含み、前記先行診断部が、それ
ら複数のブレーキ関連作動装置の一部のものを、前記複
数の作動装置のうちの前記別の一部とするものである(1
6)項に記載の車両用電気システム。 (18)前記一部診断部が、前記主スイッチのOFF状
態において、運転者が、車両への乗込みに伴う操作部材
の操作を行った場合に一部診断を行う先行診断部を含
み、その先行診断部が、前記複数の作動装置のうちの前
記別の一部とするブレーキ関連作動装置を、前記車両へ
の乗込みに伴う操作が行われる毎に変更する先行診断対
象変更部を含む(17)項に記載の車両用電気システム。本
態様によれば、複数のブレーキ関連作動装置のうち、電
力消費と作動音との少なくとも一方が大きい制御の診断
が行われるものが、車両への乗込みに伴う操作部材の操
作が行われる毎に自動的に変更され、その制御に関する
故障が、全部のブレーキ関連作動装置について平等に診
断される。 (19)前記先行診断対象変更部が、前記先行診断対象
を変更するに際して、前輪の回転を抑制する前輪ブレー
キの少なくとも一つに関連する前輪ブレーキ関連作動装
置は必ず診断対象に含まれるようにするものである(18)
項に記載の車両用電気システム。本態様によれば、少な
くとも一つの前輪ブレーキ関連作動装置について必ず診
断が行われ、車両の制動力が確保される。 (20)車両に搭載された作動装置と、運転者により操
作される第一操作部材と、その第一操作部材の操作に基
づいて前記作動装置の作動を制御する制御装置と、それ
ら作動装置および制御装置の診断を行う診断装置とを含
む車両用電気システムにおいて、前記診断装置を、前記
第一操作部材の操作に応じた前記制御装置および前記作
動装置の作動に伴って第一の診断を行う第一診断部と、
前記第一操作部材とは別の操作部材である第二操作部材
の操作に応じて、前記第一診断部により行われる診断の
うち電力消費と作動音との少なくとも一方が小さい診断
は行うが、それ以外の診断は行わない第二診断部とを含
むものとした車両用電気システム。第一操作部材は、作
動装置を作動させるために操作される操作部材であり、
第二操作部材は第一操作部材とは別の操作部材であれば
何でもよい。例えば、主スイッチでもよく、ドア,ドア
ノブ,解錠操作部材等、第一操作部材の操作に先行して
操作される作動先行操作部材でもよく、あるいは第一操
作部材の操作に基づいて作動する装置以外の作動装置を
操作させる作動操作部材でもよい。第二操作部材の操作
が第一作動部材の操作に先行して行われる場合には、電
力消費の無駄を回避しつつ、作動装置の作動遅れが低減
され、あるいは診断が完了していない状態で作動装置が
作動させられる可能性が少なくなる効果が得られ、後に
行われれば、制御装置と作動装置との少なくとも一方の
故障を診断する機会が増加する効果が得られる。(15)項
ないし(19)項に記載の特徴は本項の車両用電気システム
にも適用可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態である車
両用電気システムを図面に基づいて詳細に説明する。本
実施形態の車両用電気システムは、図1および図2に示
すように、電気制御ブレーキシステム10,電気制御エ
ンジンシステム12を含んで構成されている。電気制御
ブレーキシステム10は、図1に示すように、左,右の
前輪20,22および左,右の後輪24,26にそれぞ
れ設けられた電動ブレーキ28,30,32,34と、
これら電動ブレーキ28〜34の作動状態を制御するブ
レーキ制御装置36とを備えている。
【0009】前輪側に設けられた電動ブレーキ28,3
0はディスクブレーキであり、左,右前輪20,22と
共に回転する回転体たるブレーキディスクに、摩擦材た
る摩擦パッドが電動モータ38,40の駆動によって押
し付けられることにより、回転が抑制される。後輪側に
設けられた電動ブレーキ32,34はトラムブレーキで
あり、左,右後輪24,26と共に回転する回転体たる
ドラムにブレーキシューに設けられた摩擦材たるブレー
キライニングが電動モータ42,44の駆動によって押
し付けられることにより回転が抑制される。電動モータ
38〜44により加圧部材が前進,後退させられ、摩擦
材を回転体に押し付け、あるいは離間を許容するのであ
る。左,右後輪24,26には、パーキングブレーキ4
6,48が設けられている。パーキングブレーキ46,
48は、本実施形態においては、パーキングブレーキ操
作部材たるパーキングブレーキレバー50を引くことに
よりワイヤ52が引っ張られ、作動させられる。
【0010】上記電動モータ38〜44は、前記ブレー
キ制御装置36によって制御される。ブレーキ制御装置
36は、電気制御ブレーキシステム全体を制御する主制
御装置60と、電動モータ38〜44をそれぞれ制御す
る電動モータ制御装置62,64,66,68とを含
み、電源としてのバッテリ70から供給される電気エネ
ルギによって作動し、駆動回路72,74,76,78
に駆動指令信号を出力する。駆動回路72,74,7
6,78は、バッテリ70から供給される電流を、電動
モータ制御装置62,64,66,68からの駆動指令
信号に基づいて制御し、電動モータ38〜44を駆動す
る。
【0011】主制御装置60は、CPU,ROM,RA
Mおよび入・出力部を有するコンピュータを主体として
構成されており、前記パーキングブレーキレバー50の
操作を検出するパーキングブレーキスイッチ80,ブレ
ーキ操作部材たるブレーキペダル82の踏込みを検出す
るブレーキスイッチ84,ブレーキペダル82の踏力を
検出する踏力センサ86,ブレーキペダル82の踏込ス
トロークを検出するストロークセンサ88,図示は省略
するが、車輪の回転速度を検出する車輪速センサ,Gセ
ンサ,ヨーレイトセンサ等、通常制動制御,アンチロッ
ク制御,トラクション制御,ビークルスタビリティ制
御,アダプティブクルーズコントロール等を行うための
各種検出器が接続されている。アダテプティブクルーズ
コントロールは、前方を走行する車両との車間距離が設
定距離以下になったとき、ブレーキを作動させ、車間距
離を調節する制御である。
【0012】踏力センサ86,ストロークセンサ88は
それぞれ、操作量センサの一種である操作力センサ,操
作ストロークセンサであり、ブレーキ操作部材の操作量
たる踏力,踏込ストロークを検出し、本実施形態におい
ては、ストロークシミュレータ90に設けられている。
ストロークシミュレータ90はブレーキペダル82に設
けられ、操作力に応じた操作ストロークが得られるよう
に構成されており、運転者は現実に近い操作感覚を得る
ことができる。主制御装置60のコンピュータは、通常
制動制御等、各種制御時に、踏力センサ86,ストロー
クセンサ88等の検出信号等に基づいて、制御目標値、
本実施形態では、電動ブレーキ28〜34の駆動によ
り、加圧部材が摩擦パッド,ブレーキライニングをディ
スクロータ,ドラムに押し付ける加圧力を演算する。
【0013】電動モータ制御装置62〜68はそれぞ
れ、CPU,ROM,RAMおよび入・出力部を有する
コンピュータを主体として構成されており、入・出力部
には、電動モータ38〜44のステータに対するロータ
の相対位置を検出するエンコーダ94,ステータのコイ
ルに流れる電流を検出する電流センサ96,電動モータ
38〜44の駆動に伴って摩擦パッド,ブレーキライニ
ングに加えられる加圧力を検出する加圧力センサ98等
が接続されている。加圧力センサ98は、電動モータ3
8〜44によって前進,後退させられる加圧部材に加え
られる加圧力(摩擦パッド,ブレーキライニングに加え
られる加圧力)を検出するものである。
【0014】上記主制御装置60,電動モータ制御装置
62〜68の間においては、CAN(Car Area Networ
k)によって通信が行われ、電動モータ制御装置62〜
68は、主制御装置60から供給される加圧力の目標値
(制御目標値),センサ94,96,98等の検出値等
に基づいて駆動回路72〜78に駆動指令信号を出力
し、その駆動指令信号に基づいて駆動回路72〜78が
電動モータ38〜44を駆動する。
【0015】電気制御ブレーキシステム10とバッテリ
70とは、電源スイッチ装置たるバッテリスイッチ11
0により接続され、遮断される。バッテリスイッチ装置
110は、互いに並列に設けられた2つのリレー11
2,114を含む。リレー112は、イグニッションス
イッチ116がON操作されると励磁されるコイル11
8と、コイル118の励磁によりOFF状態からON状
態に切り換えられる断接部120とを含むものである。
リレー114は、ブレーキペダル82が踏み込まれ、ブ
レーキスイッチ84がON状態に切り換えられると励磁
されるコイル122と、コイル122の励磁によりOF
F状態からON状態に切り換えられる断接部124とを
含む。したがって、イグニッションスイッチ116がO
N操作され、あるいはブレーキペダル82が踏み込まれ
れば、主制御装置60,電動モータ制御装置62〜6
8,駆動回路72〜78がバッテリ70に接続され、イ
グニッションスイッチ116がOFF操作され、ブレー
キペダル82の踏込みが解除されれば、バッテリ70と
の接続が遮断される。イグニッションスイッチ116が
ON操作されなくても、ブレーキペダル82が踏み込ま
れれば、主制御装置60等はバッテリ70に接続される
のであり、主制御装置60,電動モータ制御装置62〜
68および駆動回路72〜78は、バッテリ70との接
続,遮断を行うスイッチ装置を共用していると考えるこ
とができる。主制御装置60等がバッテリ70と接続さ
れることをバッテリ接続と称する。なお、ブレーキスイ
ッチ84,イグニッションスイッチ116は、それらが
それぞれON状態になることによりコイル118,12
2に通電させるとともに、主制御装置60,後述するエ
ンジン制御装置へON信号を出力する。
【0016】電気制御ブレーキシステム10において、
当該システムを作動させるために操作される操作部材は
ブレーキペダル82であり、主制御装置60のコンピュ
ータは、ブレーキペダル82の踏込みあるいはイグニッ
ションスイッチ116のON操作の他に、車両を走行,
停止させる際に行われる操作、例えば、本実施形態にお
いては、パーキングブレーキレバー50のパーキングブ
レーキ46,48を作動させる操作,アクセルペダル1
30(図2参照)の踏込み,クラッチペダル132の踏
込み,ステアリングホイール134の操作,シートベル
ト136の着用によってバッテリ70に接続されるとと
もに、運転者の車両への乗込み操作、例えば、本実施形
態においては、車両のドア138の開操作,ドアキー1
40によるドア138のロック解除操作によってもバッ
テリ70に接続される。これらの操作が行われたことは
それぞれ、パーキングブレーキスイッチ80,アクセル
スイッチ146,クラッチスイッチ148,ステアリン
グスイッチ150,シートベルト着用スイッチ152,
ドア開閉スイッチ154,ドアロックスイッチ156が
閉じられ、ON信号を出力することによって検出され、
その検出信号に基づいて主制御装置60に設けられたハ
ード回路が主制御装置60のコンピュータとバッテリ7
0とを接続する状態となる。このハード回路は、主制御
装置60のコンピュータからの指令信号に基づいて遮断
状態とされる。
【0017】主制御装置60はまた、電動モータ制御装
置62〜68,駆動回路72〜78とバッテリ70とを
接続し、遮断するハード回路を備えており、運転者の車
両への乗込み操作によって主制御装置60のコンピュー
タがバッテリ70に接続され、電流が供給されれば、そ
のコンピュータは、電動モータ制御装置62〜68,駆
動回路72〜78とバッテリ70とを接続,遮断するハ
ード回路を接続状態とする。コンピュータはまた、この
ハード回路に指令信号を出力して電動モータ制御装置6
2〜68および駆動回路72〜78とバッテリ70との
接続を遮断する。
【0018】駆動回路72〜78にはそれぞれ、図示は
省略するが、バッテリ70からモータ38〜44への電
流の供給を許容,遮断するスイッチが設けられており、
このスイッチは、電動モータ制御装置62〜68からの
制御信号に基づいて断,接される。駆動回路72〜78
は、本実施形態においては、電動モータ制御装置62〜
68からの駆動指令信号に基づいて電圧のパルス幅変調
制御を行い、モータ38〜44に印加される電圧を制御
する。制御装置60〜68,駆動回路72〜78がバッ
テリ70に接続されれば、電動モータ38〜44は、駆
動回路72〜78を介して間接にバッテリ70に接続さ
れ、電動モータ制御装置62〜68および駆動回路72
〜78の制御により実際に電流が供給され、作動させら
れる。
【0019】なお、本実施形態においてドアロック装置
は、電動モータを駆動源とし、電動モータの作動により
ドア138をロックし、あるいはロックを解除するよう
に構成されるとともに、ドアキー140は遠隔操作機能
を備えており、人間がドアキー140をキー穴に差し込
んで操作することによってドア138がロックされ、あ
るいはロックが解除されるとともに、ドアキー140を
キー穴に差し込んで操作しなくても、遠隔操作によって
電動モータを作動させ、ドア138をロックし、あるい
はロックを解除し得るようにされている。
【0020】電気制御エンジンシステム12は、図2に
示すように、エンジン制御装置170,エンジン制御装
置170により制御される種々の装置、例えば、スロッ
トルバルブ装置172,燃料噴射装置174,点火装置
176等を含んで構成されている。エンジン制御装置1
70は、CPU,ROM,RAMおよび入・出力部を有
するコンピュータを主体とするものであり、変速機の変
速操作を行うためのシフトレバー178の他、アクセル
スイッチ146を始めとし、図示は省略するが、スロッ
トルポジションセンサ,アクセル開度センサ,吸気温セ
ンサ,点火装置176のカムポジションセンサ等、各種
検出器が接続されており、これら検出器の検出信号に基
づいてスロットルバルブ装置172等に制御信号を出力
する。スロットルバルブ装置172等はそれぞれ、図示
は省略するが、駆動回路と、駆動回路によって駆動され
る被駆動部とを含む。例えば、スロットルバルブ装置1
72は、電動モータによって駆動されるスロットルバル
ブを含み、駆動回路は電動モータへの電流供給を制御
し、スロットルバルブを作動させる。
【0021】電気制御エンジンシステム12とバッテリ
70とは、電源スイッチ装置たるバッテリスイッチ装置
180によって接続され、遮断される。バッテリスイッ
チ装置180は、前記バッテリスイッチ装置110と同
様に、イグニッションスイッチ116がON操作される
と励磁されるコイル118と、コイル118の励磁によ
りOFF状態からON状態に切り換えられる断接部12
0とを含むリレー112と、アクセルペダル130が踏
み込まれ、アクセルスイッチ146がON状態に切り換
えられると励磁されるコイル182およびコイル182
の励磁によりOFF状態からON状態に切り換えられる
断接部184を含むリレー186とを有する。したがっ
て、イグニッションスイッチ116のON操作と、アク
セルペダル130の踏込みとのいずれか一方によって電
気制御エンジンシステム12、すなわちエンジン制御装
置170,スロットルバルブ装置172等の各駆動回路
がバッテリ70に接続され、イグニッションスイッチ1
16のOFF操作およびアクセルペダル130の踏込み
解除によって接続が遮断される。スロットルバルブ装置
172等の各被駆動部は、駆動回路を介して間接にバッ
テリ70と接続される。エンジン制御装置170および
スロットルバルブ装置172等の各駆動回路は、バッテ
リ70との接続,遮断を行うスイッチ装置を共用してい
ると考えることができる。アクセルスイッチ146は、
それがON状態になることによりコイル182に通電さ
せるとともに、主制御装置60,エンジン制御装置17
0へON信号を出力する。
【0022】エンジン制御装置170のコンピュータ
は、アクセルペダル130の踏込みあるいはイグニッシ
ョンスイッチ116のON操作の他に、前記電気制御ブ
レーキシステム10のコンピュータと同様に、車両を走
行,停止させる際に行われる操作あるいは運転者の車両
への乗込み操作に基づいてハード回路が接続状態とな
り、バッテリ70に接続される。このハード回路は、コ
ンピュータからの指令信号に基づいて遮断状態とされ
る。電気制御エンジンシステム12においては、当該シ
ステムを作動させるために操作される操作部材がアクセ
ルペダル130であり、アクセルペダル130の踏込み
およびイグニッションスイッチ116のON操作の他
に、車両を走行,停止させる際に行われる操作は、アク
セルペダル130の踏込みに代えてブレーキペダル82
の踏込みを含むことを除いて、電気制御ブレーキシステ
ム10におけると同じである。
【0023】エンジン制御装置170はまた、スロット
ルバルブ装置172,燃料噴射装置174,点火装置1
76等の各駆動回路とバッテリ70とを接続するハード
回路を備えており、エンジン制御装置170のコンピュ
ータがバッテリ70に接続され、電源が投入されれば、
コンピュータは、上記ハード回路を、スロットルバルブ
装置172等の各駆動回路とバッテリ70とを接続する
状態とする。コンピュータはまた、ハード回路に指令信
号を出力してスロットルバルブ装置172等の各駆動回
路とバッテリ70との接続を遮断する。
【0024】電気制御ブレーキシステム10の主制御装
置60のコンピュータのROMには、図3,図4にフロ
ーチャートで表すブレーキ制御ルーチンを始めとする種
々のルーチンが記憶され、RAMには、図6に示すよう
に、車両乗込・走行・停止操作実行フラグ等がワーキン
グメモリと共に設けられている。電気制御エンジンシス
テム12のエンジン制御装置170のコンピュータのR
OMには、図5にフローチャートで表すエンジン制御ル
ーチンを始めとする種々のルーチンが記憶され、RAM
には、図7に示すように、車両走行・停止操作実行フラ
グ等がワーキングメモリと共に設けられている。
【0025】まず、ブレーキ制御ルーチンを説明する。
このルーチンは、主制御装置60のコンピュータがバッ
テリ70に接続され、電流が供給されることにより開始
される。主制御装置60のコンピュータのバッテリ70
への接続時には、電動モータ制御装置62〜68および
駆動回路72〜78もバッテリ70に接続される。バッ
テリ70は、本実施形態においては、 (a)イグニッショ
ンスイッチ116のON操作, (b)ブレーキペダル82
の踏込み操作, (c)(a),(b) 以外の操作であって、車両
を走行,停止させる際に行われる操作, (d)運転者の車
両への乗込み操作のいずれかが行われた場合に接続され
る。
【0026】バッテリ接続が、 (c)あるいは (d)の操作
によって為された場合には、電動モータ38〜44につ
いて断線・短絡確認が行われるとともに、電動ブレーキ
28〜34の作動確認が行われる。断線・短絡確認は、
電力消費および作動音が小さい確認処理であり、作動確
認は、電力消費および作動音が大きい確認処理であり、
電気制御ブレーキシステム10においては、イグニッシ
ョンスイッチ116がON操作されておらず、ブレーキ
ペダル82が踏み込まれていない状態において主制御装
置60等がバッテリ70に接続されれば、電力消費およ
び作動音が少ない確認処理も、大きい確認処理も両方と
も行われるのである。
【0027】(c)あるいは (d)の操作によってバッテリ
接続が為された場合における電動ブレーキ28〜34の
作動確認時には、電動モータ38〜44は、電動ブレー
キ28〜34が作動することを確認し得る程度の小さい
ブレーキ作動力(加圧部材が摩擦材を回転体に押し付け
る力)が生ずる程度に作動させられる。また、作動確認
は、電動ブレーキ28〜34を2系統に分けて行われ
る。本実施形態において一方の系統は、左前輪20,右
後輪26にそれぞれ設けられた電動ブレーキ28,34
を含み、他方の系統は、右前輪22,左後輪24にそれ
ぞれ設けられた電動ブレーキ30,32を含み、2系統
の一方について作動確認が行われ、故障があれば、他方
の系統についても作動確認が行われる。車両の対角線上
に位置する車輪に設けられた電動ブレーキを対として作
動確認が行われるのである。また、2系統のうち、少な
くとも、前回の作動確認実行時、すなわち前回のバッテ
リ接続時に初めに作動確認が行われた系統とは別の系統
について作動確認が行われる。
【0028】バッテリ接続が、 (b)、すなわちブレーキ
ペダル82の踏込みによって為されたのであれば、電動
モータ38〜44の断線・短絡確認および電動ブレーキ
28〜34の作動確認が行われず、ブレーキペダル82
の踏込みに基づいて電動ブレーキ28〜34が作動させ
られるとともに、常時、故障診断が行われる。バッテリ
接続が、 (a)、すなわちイグニッションスイッチ116
のON操作によって為されたのであれば、電動モータ3
8〜44の断線・短絡確認および電動ブレーキ28〜3
4の作動確認が行われる。
【0029】フローチャートに基づいて説明する。車両
が停止し、運転者が降りた状態から車両が走行させられ
る場合、まず、運転者が車両に乗り込み、それによって
電気制御ブレーキシステム10,電気制御エンジンシス
テム12等がバッテリ70に接続されるのが普通であ
り、運転者の車両への乗込み操作によってバッテリ70
に接続された場合を、まず、説明する。ブレーキ制御ル
ーチンのステップ1(以下、S1と記載する。他のステ
ップについても同じ。)においてブレーキ操作があった
か否か、すなわちブレーキペダル82が踏み込まれたか
否かの判定が行われる。この判定は、ブレーキスイッチ
84の検出信号に基づいて行われるが、ここではブレー
キペダル82が踏み込まれていないため、S1の判定は
NOになってS2が実行され、イグニッションスイッチ
116がON操作されているか否かの判定が行われる。
この判定もNOであり、S3が実行され、主制御装置6
0等がブレーキペダル82の踏込みおよびイグニッショ
ンスイッチ116のON操作以外の操作に基づいてバッ
テリ70と接続されてから所定時間が経過したか否かの
判定が行われる。この判定は所定時間が経過するまでN
Oであり、S4が実行される。
【0030】S4においては、イグニッションスイッチ
116のON操作およびブレーキペダル82の踏込み以
外の操作であって、運転者の車両への乗込み操作あるい
は車両を走行,停止させる際の操作が行われたか否かの
判定が行われる。運転者の車両への乗込み操作の有無
は、ドア開閉スイッチ154およびドアロックスイッチ
156の検出信号に基づいて、ドアロックの解除とドア
138の開操作との少なくとも一方が行われたか否かに
より判定される。ここでは、簡単のために、ドアロック
の解除とドア138の開操作との少なくとも一方の実行
により、運転者の車両への乗込み操作があったとする
が、ドアロックの解除およびドア138の開操作は、運
転者が車両に乗り込む場合のみならず、降りる場合にも
為されるため、より確実に運転者の車両への乗込みを検
出するために、別の条件を加え、その条件が満たされた
場合に運転者の車両への乗込み操作が行われたとするこ
とが望ましい。例えば、運転席に人間がいるか否かを乗
込み条件とする。運転者が車両から降りるのであれば、
運転席に人間はいなくなり、乗るのであれば運転席にお
り、それにより生ずる違いを検出するのであり、例え
ば、運転席に加えられる荷重に基づいて判定する。運転
者が車両から降りるのであれば、座席から立つため荷重
は小さく、あるいは0になり、車両に乗り込むのであれ
ば、座席に座るため荷重が大きくなり、荷重センサを設
けて運転席に加えられる荷重を検出し、その検出結果
を、ドアロックの解除等と併せて運転者の車両への乗込
みを判定する。
【0031】車両を走行,停止させる際の操作が行われ
たか否かは、本実施形態では、パーキングブレーキレバ
ー50の操作,アクセルペダル130の踏込み,クラッ
チペダル132の踏込み,ステアリングホイール134
の操作,シートベルト136の着用のうちのいずれか一
つが行われたか否かにより判定され、パーキングブレー
キスイッチ80等の検出信号に基づいて判定が行われ
る。
【0032】運転者の車両への乗込み操作が行われてい
れば、S4の判定はYESになり、S5〜S22または
S5〜S12,S23〜S32が実行され、電動モータ
38〜44の断線,短絡の確認および電動ブレーキ28
〜34の作動確認が行われる。ブレーキペダル82の踏
込みおよびイグニッションスイッチ116のON操作に
先行して電動ブレーキ28〜34および電動モータ38
〜44の故障診断が行われるのである。なお、S4の判
定が最初にYESになるとき、コンピュータのRAMに
設けられた車両乗込・走行・停止操作実行フラグがセッ
トされ、運転者の車両への乗込み操作があったことが記
憶される。車両を走行,停止させる際の操作が行われた
場合も同じである。
【0033】断線・短絡の確認処理および作動確認処理
に要する時間はそれぞれ、当該ブレーキ制御ルーチンの
1回の実行サイルタイムより長く、確認処理は、この実
行サイクルタイムにより決まる一定時間分ずつ分割して
行われる。確認処理が一定量ずつ行われては中断されて
次のステップが実行され、次に確認処理が実行されると
き、前回のステップ実行時に行われた処理の続きが行わ
れるのである。そのため、断線・短絡確認処理あるいは
作動確認処理中にイグニッションスイッチ116がON
にされたか否か、あるいはブレーキペダル82が踏み込
まれたか否かの判定を行うことができ、それらの実行が
検出されれば、それぞれに応じた処理を行うことができ
る。
【0034】まず、S5において、断線・短絡の確認が
完了したか否かの判定が行われる。断線,短絡の確認が
完了すれば、コンピュータのRAMに設けられた断線・
短絡確認完了フラグがONにセットされるようにされて
おり、S5の判定は、断線・短絡確認完了フラグがセッ
トされているか否かにより行われる。断線・短絡の確認
が完了していなければ、S5の判定はNOになってS6
が実行され、断線・短絡の確認処理が行われる。断線お
よび短絡の確認は、本実施形態では、回路に微小な電流
あるいは電圧を印加し、それにより得られる電流を電流
計により検出し、検出された電流が上限値より大きけれ
ば短絡しており、下限値より小さければ断線しており、
下限値以上であり、上限以下であれば短絡も断線も生じ
ていないとされる。
【0035】断線・短絡確認処理が一定時間行われたな
らば、確認処理は中断され、S7が実行されて電動ブレ
ーキ28〜34の断線・短絡の確認が完了したか否かの
判定が行われる。S6において実行が予定されている確
認処理の全部が行われていなければ、S7の判定はNO
になってルーチンの実行は終了する。まず、断線・短絡
確認処理が行われ、それが完了したならば、作動確認処
理が行われるようにされているのである。
【0036】S4の判定が最初にYESになるとき、車
両乗込・走行・停止操作実行フラグがセットされ、運転
者の車両への乗込みが記憶されるため、乗込み操作が終
了してもS4の判定はYESになって断線・短絡確認処
理が行われる。車両を走行,停止させる際の操作が行わ
れた場合も同じである。そして、断線・短絡確認が完了
すれば、S7の判定はYESになってS8が実行され、
断線・短絡確認完了フラグがセットされるとともに、診
断結果が断線・短絡確認結果メモリに記憶される。断
線,短絡がなければ、そのことが記憶され、あれば、断
線,短絡箇所等のデータが記憶される。
【0037】断線・短絡の確認結果は、例えば、車両駆
動時や制動時に用いられる。例えば、3つの以上の電動
モータに断線,短絡が生じていて、3輪以上について電
動ブレーキを正常に作動させることができないのであれ
ば、車両が走行させられず、1輪または2輪について電
動ブレーキを作動させることができないのであれば、車
両の走行速度の上限が制限される。これらの処理は、ア
クセルペダル130の踏込みに基づいて車両が駆動され
るとき、断線・短絡確認結果メモリに記憶された確認結
果に基づいて行われる。診断結果の制動時における利用
は、後に説明する。
【0038】次いでS9が実行され、作動確認が完了し
たか否かの判定が行われる。この判定は、作動確認完了
フラグがONにセットされているか否かにより行われ、
作動確認完了フラグがセットされていなければ、S9の
判定はNOになってS10が実行され、右前輪22,左
後輪24(図3および図4にはFR,RLで表されてい
る)にそれぞれ設けられた電動ブレーキ30,32の少
なくとも一方について故障があるか否かの判定が行われ
る。この判定は、右前輪ブレーキ故障フラグ,左後輪ブ
レーキ故障フラグの少なくとも一方がセットされている
か否かにより行われる。電動ブレーキ30,32のいず
れにも故障がなければ、S10の判定はNOになってS
11が実行され、左前輪20,右後輪26(図3および
図4にはFL,RRで表されている)にそれぞれ設けら
れた電動ブレーキ28,34の少なくとも一方について
故障があるか否かの判定が行われる。この判定は、左前
輪ブレーキ故障フラグ,右後輪ブレーキ故障フラグがセ
ットされているか否かにより行われる。
【0039】電動ブレーキ28,34のいずれにも故障
がなければ、左前輪,右後輪の各ブレーキ故障フラグは
OFFにリセットされており、S11の判定はNOにな
ってS12が実行され、前回の制御装置60等のバッテ
リ接続時における作動確認が右前輪22に設けられた電
動ブレーキ30について行われたか否かの判定が行われ
る。いずれの電動ブレーキについて作動確認が為された
かは、作動確認実行完了時にコンピュータのRAMに設
けられた作動確認実行ブレーキメモリに記憶される。こ
のメモリの内容は、コンピュータとバッテリ70との接
続が遮断されてもバックアップ電源により維持されると
ともに、初期設定においてクリアされることがないよう
にされ、S12の判定に用いられる。
【0040】前回、電動ブレーキ30について作動確認
が行われていなければ、S12の判定はNOになってS
13が実行され、右前輪22,左後輪24にそれぞれ設
けられた電動ブレーキ30,32について作動確認が実
行される。S13の作動確認が実行されるのは、イグニ
ッションスイッチ116がOFFであって、ブレーキペ
ダル82が踏み込まれていない場合であり、作動確認
は、電動ブレーキ30,32を、作動するか否かを確認
し得る程度に作動させることにより行われる。例えば、
電動モータ40,42に、予め定められた大きさの電流
であって、電動ブレーキ30,32に小さいブレーキ作
動力を生じさせる程度の電流を供給し、供給電流に対応
する大きさの加圧力が得られるか否かにより行われる。
供給電流開始から設定時間が経過した状態において、加
圧力センサ98により検出される加圧力を、供給電流に
基づいて設定された設定加圧力と比較し、設定加圧力と
ほぼ等しい加圧力が得られれば、電動ブレーキ30,3
2に故障はなく、設定加圧力より小さければ、故障があ
ると判定される。
【0041】作動確認は、電動モータ40,42の回転
速度,回転数の増加勾配に基づいて行ってもよい。例え
ば、電動モータ40,42に一定の電流を供給する状態
において、エンコーダ94の検出信号に基づいて電動モ
ータ40,42の単位時間あたりの回転数を検出し、そ
の回転数を、供給電流に基づいて設定された設定回転数
と比較することにより行うのである。摩擦材が回転体に
当接する前の状態においては、電動モータ40,42の
回転数は供給電流に対応するため、回転数を設定回転数
と比較し、設定回転数とほぼ等しい回転数が得られれ
ば、電動ブレーキ30,32に故障はないと判定され
る。あるいは、電動モータ40,42の回転速度に基づ
いて確認を行ってもよい。摩擦材が回転体に当接すれ
ば、電動モータ40,42の回転速度は減少し、加圧力
が増大するほど小さくなる。そのため、電動モータ4
0,42に一定の電流を供給しつつ設定時間毎に回転速
度を取得し、相前後して取得される2つの回転速度のう
ち、後に取得された回転速度の、前に取得された回転速
度に対する変化率が設定値を超えて小さくなったなら
ば、摩擦材が回転体に当接したとし、その状態から更
に、電動モータ40,42が一定角度回転した状態にお
ける回転速度が設定値より小さければ、電動ブレーキ3
0,32に故障はなく、摩擦材が回転体に当接して制動
トルクが生じていると判定される。
【0042】作動確認が一定時間行われたならば中断さ
れてS14が実行され、電動ブレーキ30,32の少な
くとも一方に故障があるか否かの判定が行われる。電動
ブレーキ30,32の作動確認が完了していない状態で
は、電動ブレーキ30あるいは32に故障があるか否か
はわからず、故障がないとされてS14の判定はNOに
なり、S15において作動確認が完了したか否かの判定
が行われる。S13において行われる作動確認処理の全
部が行われていなければ、S15の判定はNOになって
ルーチンの実行は終了する。
【0043】断線・短絡確認が完了しているため、次に
S5が実行されるとき、その判定はYESになり、電動
ブレーキ30,32の作動確認が完了するまで、S1〜
S5,S9〜S15が繰返し実行される。そして、電動
ブレーキ30,32について作動確認が完了し、電動ブ
レーキ30,32のいずれにも故障がなければ、S14
の判定はNOになる。そして、作動確認が完了したた
め、S15の判定がYESになってS16が実行され、
作動確認完了フラグがセットされるとともに、作動確認
の行われた電動ブレーキ(ここでは電動ブレーキ30,
32)が作動確認実行ブレーキメモリに記憶される。こ
の際、先に記憶されていたデータは消去されて新たにデ
ータが記憶される。作動確認実行ブレーキメモリの内容
は、作動確認が完了するまで、前回の作動確認実行時に
作動を確認された電動ブレーキを記憶する内容のままと
されているのであり、それにより、電動ブレーキ30,
32について作動確認が行われている間、S12の判定
がNOになる。作動確認完了フラグのセットにより、次
にS9が実行されるとき、その判定がYESになり、以
後、S1〜S5,S9が繰返し実行される。
【0044】2系統の電動ブレーキのうち、一方の系統
について故障がなければ、他方の系統については作動確
認が行われないのであるが、少なくとも2つの電動ブレ
ーキであって、車両の対角位置にある電動ブレーキが正
常に作動すれば、最大、車両全体に予定された制動力の
半分が得られるとともに、車両の走行安定性をそれほど
損なうことなく、車両を制動することが可能であるた
め、1系統の作動確認に止めるのであり、それにより、
作動確認に消費される電流が少なくて済むとともに、確
認時の作動音が少なくて済む。
【0045】それに対し、電動ブレーキ30,32の少
なくとも一方に故障があれば、S14の判定がYESに
なってS17が実行され、右前輪22,左後輪24の各
ブレーキ故障フラグの少なくとも一方がセットされた
後、S18が実行され、左前輪20,右後輪26にそれ
ぞれ設けられた電動ブレーキ28,34について作動確
認が行われる。この作動確認は、電動ブレーキ30,3
2の場合と同様に行われ、S19において電動ブレーキ
28,34の少なくとも一方に故障があるか否かが判定
される。作動確認が完了していない時点では、S19の
判定はNOになり、S20において電動ブレーキ28,
34について作動確認が完了したか否かの判定が行われ
る。この判定は、作動確認が完了するまでNOであり、
ルーチンの実行は終了する。
【0046】右前輪22,左後輪24の各ブレーキ故障
フラグの少なくとも一方がセットされているため、次に
S10が実行されるとき、その判定はYESになってS
18が実行される。そして、電動ブレーキ28,34に
ついて作動確認が完了し、いずれにも故障がなければ、
S19の判定はNOになり、S20の判定はYESにな
ってS16が実行され、作動確認完了フラグのセット等
が行われる。また、電動ブレーキ28,34の少なくと
も一方に故障があれば、S19の判定がYESになって
S21が実行され、左前輪ブレーキ故障フラグと右前輪
ブレーキ故障フラグとの少なくとも一方がセットされた
後、S22が実行され、作動確認完了フラグがセットさ
れ、作動確認実行ブレーキメモリに、初めに作動確認が
行われた系統の電動ブレーキ(ここでは電動ブレーキ3
0,32)が記憶されるとともに、車両の走行が禁止さ
れる。2系統の電動ブレーキに共に故障があれば、車両
の走行が禁止されるのであり、例えば、コンピュータの
RAMに設けられた走行禁止フラグがセットされて、2
系統の電動ブレーキの故障ないし車両の走行禁止が記憶
される。
【0047】S12が実行されるとき、作動確認実行ブ
レーキメモリに右前輪22に設けられた電動ブレーキ3
0が記憶されていなければ、S12の判定がYESにな
り、S23〜S32がS13〜S22と同様に実行さ
れ、まず、左前輪20,右後輪26に設けられた電動ブ
レーキ28,34について作動確認が行われる。電動ブ
レーキ28〜34のうち、電力消費および作動音の大き
い作動確認が行われるものが、運転者の車両への乗込み
操作あるいは車両を走行,停止させる際の操作によるバ
ッテリ接続が為される毎に自動的に変更されるのであ
る。そして、電動ブレーキ28,34のいずれについて
も故障がなければ、S26が実行され、作動確認完了フ
ラグがセットされるとともに、作動確認実行ブレーキメ
モリに作動確認が行われた電動ブレーキ、ここでは電動
ブレーキ28,34が記憶される。電動ブレーキ28,
34の少なくとも一方に故障があれば、右前輪22,左
後輪24に設けられた電動ブレーキ30,32について
作動確認が行われる。これらについても故障があれば、
故障した電動ブレーキについてブレーキ故障フラグがセ
ットされるとともに、車両の走行が禁止される。また、
作動確認実行ブレーキメモリに、初めに作動確認が行わ
れた電動ブレーキである電動ブレーキ28,34が記憶
される。そのため、次に、運転者の車両への乗込み等に
よって主制御装置60等がバッテリ70に接続され、作
動確認が行われるとき、S12の判定がNOになって右
前輪22,左後輪24の電動ブレーキ30,32につい
て作動確認が行われる。
【0048】なお、1系統に故障があって2系統につい
て作動確認が行われた場合、作動確認実行ブレーキメモ
リには、最初に作動確認が行われた系統の電動ブレーキ
のみならず、全部の電動ブレーキを記憶するようにして
もよい。あるいは、S12の判定が行われる電動ブレー
キ、すなわち運転者の車両への乗込み操作あるいは車両
を走行,停止させる際の操作によるバッテリ接続が為さ
れる毎に、作動確認を行う診断対象装置たる診断対象ブ
レーキを変更するための電動ブレーキについて、作動確
認が行われた場合にはフラグをONにセットし、行われ
ない場合にはOFFにリセットすることにより、作動確
認が行われたか否かを記憶してS12の判定が行われ、
診断対象ブレーキが変更されるようにしてもよい。例え
ば、S16あるいはS22において右前輪22の電動ブ
レーキ30について設けられた右前輪電動ブレーキ作動
確認フラグをONにセットし、S26あるいはS32に
おいてリセットするようにするのである。
【0049】以上、運転者の車両への乗込み操作によっ
て主制御装置60等がバッテリ70に接続された場合を
説明したが、バッテリ接続が、イグニッションスイッチ
116のON操作およびブレーキペダル82の踏込み操
作以外に、車両を走行,停止させる際に行われる操作に
よって為された場合にも、S4の判定がYESになる。
この場合にも、運転者の車両への乗込み操作によってバ
ッテリ70と接続された場合と同様に、電動モータ38
〜44の断線・短絡確認処理および電動ブレーキ28〜
34の作動確認処理が行われる。運転者の車両への乗込
み操作あるいは車両を走行,停止させる際に行われる操
作がいずれも行われないにもかかわらず、コンピュータ
等がバッテリ70と接続されてブレーキ制御ルーチンが
開始された異常な場合には、S4の判定はNOになって
ルーチンの実行が終了し、異常なバッテリ接続によって
断線・短絡確認等が行われることが回避される。
【0050】イグニッションスイッチ116がON操作
されることなく、バッテリ接続から所定時間が経過すれ
ば、S3の判定がYESになってS42が実行され、バ
ッテリ遮断指令信号が出力される。所定時間は、断線・
短絡確認処理および作動確認処理に要する時間よりも長
く設定されている。運転者の車両への乗込み操作あるい
は車両を走行,停止させる際に行われる操作により、主
制御装置60等がバッテリ70と接続されれば、断線・
短絡確認および作動確認が行われるため、本実施形態に
おいては、それら確認、すなわち先行診断が実施が開始
されてから所定時間内にイグニッションスイッチ116
の操作が行われない場合に、主制御装置60等とバッテ
リ70との接続が遮断されるのであり、イグニッション
スイッチ116が予め定められたものである。バッテリ
遮断指令信号の出力により、主制御装置60のコンピュ
ータとバッテリ70とのハード回路による接続が遮断さ
れるとともに、電動モータ制御装置62〜70,駆動回
路72〜80とバッテリ70とのハード回路による接続
が遮断される。S42においてはまた、各種フラグをO
FFにリセットする等の終了処理が行われる。
【0051】運転者の車両への乗込み操作あるいは車両
を走行,停止させる際に行われる操作によるバッテリ接
続後、所定時間が経過する前にイグニッションスイッチ
116がON操作されれば、S2の判定がYESになっ
てS33が実行され、断線・短絡確認処理が完了してい
るか否かの判定が行われる。この判定は、断線・短絡確
認完了フラグがセットされているか否かにより行われ、
運転者の車両への乗込み操作等により行われる断線・短
絡確認が完了していれば、S33の判定はYESになっ
てS37が実行され、作動確認が完了しているか否かの
判定が行われる。この判定は、作動確認完了フラグがセ
ットされているか否かにより行われ、運転者の車両への
乗込み操作等により行われる作動確認が完了していれ
ば、S37の判定はYESになってS41のブレーキ制
御が実行される。ここでは、ブレーキペダル82が踏み
込まれていないため、電動ブレーキ28〜34は作動さ
せられない。
【0052】断線・短絡確認処理が完了していなけれ
ば、S33の判定がNOになり、S34において断線・
短絡確認処理がS6におけると同様に行われる。そし
て、S35において、S34において予定されている断
線・短絡確認処理の全部が行われたか否かが判定され、
全部が行われていなければ、S35の判定はNOになっ
てルーチンの実行は終了する。なお、イグニッションス
イッチ116のON操作が、S6の断線・短絡確認処理
の実行中に行われたのであれば、S34の確認処理は、
S6の続きから行われる。断線・短絡確認処理は最初か
ら行ってもよい。
【0053】断線・短絡確認が完了するまで、S1,S
2,S33〜S35が繰り返し実行される。断線・短絡
確認が完了すれば、S35の判定はYESになってS3
6が実行され、断線・短絡確認完了フラグがセットされ
る。次いでS37が実行され、作動確認が完了したか否
かの判定が行われる。作動確認が完了していなければ、
S37の判定はNOになってS38が実行され、作動確
認処理が行われる。S38の作動確認処理は、S10〜
S32と同様に行われる。イグニッションスイッチ11
6のON操作が、S10〜S32の実行途中に行われた
のであれば、S38の作動確認処理は、S10〜S32
の続きから行われる。作動確認処理は最初から行っても
よい。そして、S39において、S38において予定さ
れている全部の確認処理が行われたか否かが判定され、
行われていなければ、S39の判定はNOになってルー
チンの実行は終了する。
【0054】作動確認が完了するまで、S1,S2,S
33,S37〜S39が繰り返し実行される。作動確認
が完了すれば、S39の判定がYESになってS40が
実行され、作動確認完了フラグがセットされた後、S4
1のブレーキ制御が行われる。ここでは、ブレーキペダ
ル82が踏み込まれていないため、S41が実行されて
も、電動ブレーキ28〜34は作動させられない。
【0055】イグニッションスイッチ116がON操作
されている状態において断線・短絡確認および作動確認
が完了し、その状態においてブレーキペダル82が踏み
込まれたならば、S1の判定がYESになり、S41に
おいてブレーキペダル82の踏込みに基づいて電動ブレ
ーキ28〜34が作動させられる。ブレーキ制御は、ブ
レーキペダル82の踏力,ストロークに基づいて得られ
る目標加圧力を生じさせるべく、電動モータ38〜44
を作動させるように行われる。この間、電動モータ38
〜44の作動中に、モータ回転角,モータ電流,加圧部
材が摩擦パッド,ブレーキライニングをディスクロー
タ,ドラムに押し付ける加圧力等に基づいて電動モータ
38〜44の故障診断が常時行われ、故障が検出されれ
ば、運転者に警告が出されるとともに、故障発生時の所
定の処理が行われる。S41のブレーキ制御も一定時間
分ずつ行われる。
【0056】本実施形態では、電動ブレーキ28〜34
の故障診断が2系統に分けて行われ、1系統が正常であ
れば走行は禁止されず、少なくとも法定制動力が確保さ
れた状態で車両が走行するようにされており、断線・短
絡確認および作動確認の結果、車両の走行が禁止された
り、車両の走行速度の上限が抑えられたりするようにさ
れているが、イグニッションスイッチ116がON操作
され、S33,S37の判定がYESになってS41の
ブレーキ制御が行われるときには、断線・短絡確認およ
び作動確認は完了しており、電動ブレーキ28〜34の
作動確認結果はブレーキ制御に用いてもよく、それによ
り、よりきめ細かに制動を行うことが可能である。例え
ば、4輪のうちのいずれの車輪が故障しているかによ
り、その車輪の制動力配分を、正常時に予定されている
よりも大きくしたり、小さくしたりするのである。ま
た、断線・短絡が生じた電動モータあるいは作動不能な
電動ブレーキを構成する電動モータについては、駆動回
路に設けられたスイッチが断状態とされ、電動モータに
無駄に電流が供給されないようにされる。さらに、4つ
のブレーキ故障フラグのセット,リセットにより記憶さ
れる電動ブレーキ28〜34の故障の有無は、例えば、
ブレーキの故障報知、故障修理等に利用してもよい。電
動ブレーキ28〜34の故障診断は2系統に分けて行わ
れるため、4つの電動ブレーキ28〜34の各故障の有
無ではなく、各系統における故障の有無をフラグのセッ
ト,リセットにより記憶するようにしてもよい。
【0057】バッテリ接続から所定時間が経過する前
に、イグニッションスイッチ116がON操作されず、
ブレーキペダル82が踏み込まれたならば、S1の判定
がYESになってS41が実行され、ブレーキ制御が行
われる。S41においては、イグニッションスイッチ1
16がON操作された状態でブレーキペダル82が踏み
込まれた場合と同様に、ブレーキペダル82の踏込みに
基づいて電動ブレーキ28〜34が作動させられる。ブ
レーキペダル82が踏み込まれれば、直ちに電動ブレー
キ28〜34が作動させられるが、運転者の車両への乗
込み操作あるいは車両を走行,停止させる際の操作によ
り、電動モータ38〜44の断線・短絡確認および電動
ブレーキ28〜34の作動確認が、ブレーキペダル82
の踏込みに先立って行われるため、それら確認処理が完
了している可能性が高く、完了していれば、確認結果を
利用して電動ブレーキ28〜34を作動させることがで
きる。
【0058】イグニッションスイッチ116がON操作
されていない状態でブレーキペダル82が踏み込まれた
ときには、電動モータ38〜44の断線・短絡確認や電
動ブレーキ28〜34が正常に作動するか否かの確認が
完了していれば、イグニッションスイッチ116がON
状態でブレーキペダル82が踏み込まれた場合と同様
に、確認結果を利用しつつ電動ブレーキ28〜34が作
動させられる。また、完了していなくても、速やかなブ
レーキ作動が必要である場合もあるため、ブレーキペダ
ル82が踏み込まれていない状態における断線・短絡確
認および作動確認は行われず、ブレーキペダル82の踏
込みに基づいて電動ブレーキ28〜34が作動させられ
る。そして、ブレーキ作動中に、イグニッションスイッ
チ116がON操作され、ブレーキペダル82が踏み込
まれている場合と同様に、モータ電流等に基づいて電動
ブレーキ28〜34の故障診断が常時行われ、故障と判
断されたならば、運転者へ警告が発せられるとともに、
故障発生時の処理が行われる。
【0059】イグニッションスイッチ116がON操作
された状態においてブレーキペダル82が踏み込まれた
とき、断線・短絡確認,作動確認の途中であれば、断線
・短絡確認および作動確認は中断されてS41が実行さ
れ、ブレーキペダル82の踏込みに基づいて電動ブレー
キ28〜34が作動させられ、制動力が確保される。確
認処理が完了せず、実際には電動ブレーキ28〜34に
何らかの故障があって制動力が不足することがあっても
車両が停止していれば支障はなく、また、車両走行中で
あってもある程度の制動力は得られるため、速やかに制
動力を生じさせることが可能となり、確認処理に要する
時間において制動力が得られない事態の発生が回避され
る。なお、確認が済んだ分のデータを電動ブレーキ28
〜34の制御に利用してもよい。また、ブレーキペダル
82が踏み込まれている状態においてイグニッションス
イッチ116がON操作されたとき、ブレーキペダル8
2の踏込みにより電動ブレーキ28〜34が作動を開始
させられており、イグニッションスイッチ116がON
操作されることによる作動確認等は行われない。
【0060】主制御装置60等は、イグニッションスイ
ッチ116のON操作あるいはブレーキペダル82の踏
込みによりバッテリ70と接続されることもある。例え
ば、運転者が車両に乗り込み、バッテリ接続が為されて
制御ルーチンが実行されたが、バッテリ接続から所定時
間が経過する前にイグニッションスイッチ116がON
操作されず、ブレーキペダル82も踏み込まれず、主制
御装置60等への電流の供給が遮断されることがある
が、運転者が車両に乗ったままであり、所定時間経過後
にイグニッションスイッチ116をON操作し、あるい
はブレーキペダル82を踏み込めば、主制御装置60等
がバッテリ70と接続され、ブレーキ制御ルーチンが実
行されるのである。この際、イグニッションスイッチ1
16がON操作されたのであれば、S2の判定がYES
になってS33〜S41が実行される。また、ブレーキ
ペダル82が踏み込まれたのであれば、S1の判定がY
ESになってS41が実行され、電動ブレーキ28〜3
4が作動させられる。
【0061】エンジン制御ルーチンを説明する。エンジ
ン制御ルーチンは、ブレーキ制御ルーチンと同様に、
(a)イグニッションスイッチ116のON操作, (b)当
該電気制御エンジンシステム12を作動させるための操
作部材であるアクセルペダル130の踏込み操作, (c)
(a),(b)以外の操作であって、車両を走行,停止させる
際に行われる操作, (d)運転者の車両への乗込み操作に
よってエンジン制御装置170等がバッテリ70と接続
されることにより実行される。
【0062】エンジン制御ルーチンを概略的に説明すれ
ば、バッテリ接続が、運転者の車両への乗込みによって
為されたのであれば、スロットルバルブ装置172等の
各被駆動部について断線・短絡確認処理のみが行われ、
作動確認は行われない。電力消費および作動音の小さい
確認処理のみが行われるのである。また、断線・短絡確
認処理は、前回の断線・短絡確認処理の結果が正常であ
れば、前回の確認処理から設定時間が経過するまでは行
われず、経過後に行われる。本実施形態では、結果が正
常でなく、故障があれば、乗込み操作が行われる毎に断
線・短絡確認処理が行われ、故障状態の回復,更なる故
障の発生等が検出される。バッテリ接続が、イグニッシ
ョンスイッチ116のON操作およびアクセルペダル1
30の踏込み操作以外の操作であって、車両を走行,停
止させる際に行われる操作によって為されたのであれ
ば、断線・短絡確認処理および作動確認処理が行われ
る。電力消費および作動音の小さい確認処理と大きい確
認処理との両方が行われるのであるが、これら確認処理
は、前回の確認処理の結果が正常であれば、前回の確認
処理から設定時間が経過していない場合には行われず、
経過後に行われる。本実施形態では、前回の確認処理に
おいて故障が検出されれば、車両を走行,停止させる際
の操作が行われる毎に確認処理が行われる。バッテリ接
続が、アクセルペダル130の踏込みによって為された
のであれば、その踏込みに基づいてスロットルバルブ装
置172等の各被駆動部が作動させられ、作動させられ
ながら断線・短絡確認および作動確認が行われる。バッ
テリ接続が、イグニッションスイッチ116のON操作
によって為されたのであれば、断線・短絡確認および作
動確認が行われる。
【0063】フローチャートに基づいて説明する。バッ
テリ接続が、運転者の車両への乗り込み操作によって為
されたとすれば、S101〜S104の判定がいずれも
NOになってS105が実行される。S105において
は、運転者の車両への乗込み操作があったか否かの判定
が行われるが、この判定はブレーキ制御ルーチンのS4
と同様に行われ、乗込み操作があれば、エンジン制御装
置170のコンピュータのRAMに設けられた車両乗込
み操作実行フラグがONにセットされる。ここでは運転
者の車両への乗込み操作があるため、S105の判定が
YESになってS106が実行され、前回、行われた断
線・短絡確認処理の結果が正常であったか否かが判定さ
れる。この判定は、断線・短絡確認結果メモリの内容に
基づいて行われる。あるいは正常であることを記憶する
記憶手段たるフラグを設け、そのフラグをセット,リセ
ットすることにより、前回の確認結果が正常であるか否
かを記憶し、S106の判定に用いるようにしてもよ
い。後述する作動確認処理についても同様である。断線
・短絡確認結果メモリはバックアップ電源からの電流の
供給により、エンジン制御装置170とバッテリ70と
の接続が遮断されても記憶内容が消去されず、また、メ
インルーチンの初期設定においてもリセットされないよ
うにされている。後述する断線・短絡確認実行日時メモ
リ,作動確認結果メモリ,作動確認実行日時メモリにつ
いても同様である。
【0064】前回の確認処理において断線・短絡が生じ
ておらず、正常であれば、S106の判定はYESにな
ってS107が実行され、結果が正常であった前回の断
線・短絡確認の実行から設定時間が経過したか否かが判
定される。この設定時間は、S103における所定時間
より長く設定され、例えば、時間単位あるいは日単位で
設定されている。S107の判定は、エンジン制御装置
170のコンピュータのRAMに設けられた断線・短絡
確認実行日時メモリに記憶された日時に基づいて行われ
る。断線・短絡確認実行日時メモリには、前回、断線・
短絡確認が行われた日時が記憶されており、設定時間が
経過していなければ、断線・短絡はないものとみなさ
れ、断線・短絡確認は行われず、S107の判定がNO
になってS108が実行され、断線・短絡確認完了フラ
グがセットされる。
【0065】それに対し、前回、断線・短絡確認処理が
行われ、正常であった場合から設定時間が経過していれ
ば、S107の判定がYESになってS109が実行さ
れ、断線・短絡確認処理が完了したか否かの判定が行わ
れる。前回の確認結果が正常であれば、設定時間の間
は、正常とし、確認が無駄に行われないようにされると
ともに、設定時間が経過すれば確認が行われ、故障があ
れば、検出されるようにされているのである。この判定
は、断線・短絡確認完了フラグがセットされているか否
かにより行われ、完了していなければ、S109の判定
はNOになってS110が実行され、断線・短絡確認処
理が行われる。断線・短絡確認処理は、例えば、前記S
6と同様に、回路に微小な電圧あるいは電流を印加し、
それにより得られる電流を検出することにより行われ
る。例えば、スロットルバルブ装置172であれば、ス
ロットルバルブを駆動する電動モータに微小な電圧を印
加し、電流を検出して上限値および下限値と比較するこ
とにより、断線,短絡の確認が行われる。断線・短絡確
認処理は、前記S6におけると同様に、一定時間分ずつ
行われ、S110において予定されている全部の処理が
完了するまで、S101〜S107,S109〜S11
1が繰り返し実行される。そして、断線・短絡確認処理
が完了すれば、S111の判定がYESになってS11
2が実行され、断線・短絡確認完了フラグがセットされ
るとともに、確認結果が、図7に示すように、エンジン
制御装置170のコンピュータのRAMに設けられた断
線・短絡確認結果メモリに記憶される。また、断線・短
絡確認の実行日時がメモリに記憶される。
【0066】前回の断線・短絡確認において故障が検出
された場合、S106の判定はNOになり、S107が
スキップされてS109〜S112が実行される。前回
の断線・短絡確認において故障が検出された場合、断線
・短絡確認完了フラグをセットして、断線・短絡確認処
理が行われないようにしてもよい。修理により断線・短
絡が解消され、修理日時が断線・短絡確認実行日時メモ
リに記憶され、断線・短絡確認結果が正常であることが
断線・短絡確認結果メモリに記憶されれば、再度、断線
・短絡確認が行われる状態となる。
【0067】運転者の車両への乗込み操作によってエン
ジン制御装置170等がバッテリ70と接続され、所定
時間が経過する前に、イグニッションスイッチ116の
ON操作およびアクセルペダル130の踏込み以外の、
車両の走行,停止の際に行われる操作が為された場合、
あるいはこの操作によってバッテリ接続が為された場
合、S104の判定がYESになってS113が実行さ
れ、前回、行われた電気制御エンジンシステム12の作
動確認処理の結果が正常であったか否かの判定が行われ
る。この判定は、コンピュータのRAMに設けられた作
動確認結果メモリの内容に基づいて行われ、正常であれ
ば、S113の判定はYESになってS114が実行さ
れ、結果が正常であった前回の作動確認処理から設定時
間が経過したか否かの判定が行われる。この時間は、断
線・短絡確認処理において、前回の確認結果が正常であ
った場合に用いられる設定時間と同じにしてもよく、異
ならせてもよい。この判定は、断線・短絡確認処理の場
合と同様に、コンピュータのRAMに設けられた作動確
認実行日時メモリの内容に基づいて行われ、設定時間が
経過していなければ、作動確認は行われず、S114の
判定はNOになってS115が実行され、作動確認完了
フラグおよび断線・短絡確認完了フラグがセットされて
ルーチンの実行が終了する。前回の作動確認処理であっ
て、結果が正常であった場合から設定時間が経過してい
なければ、作動状態は変わっておらず、新たに故障は生
じていないとみなすのである。また、作動確認処理結果
が正常であれば、断線・短絡も生じていないと見なして
よい。後に説明するように、作動確認が行われるときに
は断線・短絡確認が行われるため、断線・短絡が生じて
いれば、作動確認を正常に行うことができず、故障と判
定されるからである。
【0068】前回、結果が正常であった作動確認処理が
行われた後、設定時間が経過していれば、S114の判
定はYESになってS116が実行され、断線・短絡確
認が完了したか否かの判定が行われる。S116の判定
は、断線・短絡確認完了フラグがセットされているか否
かにより行われ、断線・短絡確認が完了していなけれ
ば、S116の判定はNOになってS117が実行さ
れ、断線・短絡確認処理が行われる。なお、S110の
断線・短絡確認処理が行われている途中で車両の走行,
停止の際の操作が行われたのであれば、途中から確認処
理を行ってもよく、最初から行ってもよい。次いでS1
18が実行され、S117において予定されている断線
・短絡確認処理の全部が行われたか否かの判定が行わ
れ、全部が行われていなければ、S118の判定はNO
になってルーチンの実行は終了する。
【0069】断線・短絡確認が完了すれば、S118の
判定がYESになってS119が実行され、断線・短絡
確認完了フラグがセットされるとともに、断線・短絡確
認結果および断線・短絡確認実行日時がそれぞれメモリ
に記憶される。車両の走行,停止の際の操作によって行
われた断線・短絡確認も、運転者の車両への乗込み時に
行われる断線・短絡確認に対して前回の断線・短絡確認
として扱われるのである。次いで、S120が実行さ
れ、作動確認が完了したか否かの判定が行われる。この
判定は、作動確認完了フラグがセットされているか否か
により行われ、作動確認が完了していなければ、S12
0の判定がNOになってS121が実行され、作動確認
が行われる。電気制御エンジンシステム12において作
動確認は、例えば、スロットルバルブ装置172におい
ては、スロットルバルブ駆動モータに予め定められた大
きさの電流を供給し、スロットルバルブが、その供給電
流に対応する開度、開くか否かにより行われる。この作
動確認は、ブレーキの作動確認と同様に、一定時間分ず
つ行われる。そして、S122において、S121にお
いて予定されている確認処理がすべて行われたか否かの
判定が行われ、全部行われていなければ、S122の判
定はNOになってルーチンの実行が終了する。作動確認
のための全部の処理が行われれば、S122の判定はY
ESになってS123が実行され、作動確認完了フラグ
がセットされるとともに、作動確認結果および作動確認
実行日時がそれぞれメモリに記憶された後、S124の
エンジン制御が行われる。
【0070】なお、前回の作動確認において故障が検出
された場合、S113の判定はNOになってS116が
実行され、断線・短絡確認および作動確認が行われ、S
124が実行される。S115が実行され、断線・短絡
確認および作動確認が行われないようにしてもよい。
【0071】S124では、エンジン制御を行うにあた
り、イグニッションスイッチ116がON操作されてい
るか否か、アクセルペダル130が踏み込まれているか
否か、断線・短絡確認および作動確認が完了しているか
否かの判定が行われる。ここではアクセルペダル130
が踏み込まれていないため、エンジン制御は行われず、
ルーチンの実行は終了する。
【0072】バッテリ接続後、所定時間が経過する前に
イグニッションスイッチ116がON操作されたのであ
れば、S102の判定がYESになってS116〜S1
24が実行される。イグニッションスイッチ116がO
N操作されたときには、毎回、断線・短絡確認および作
動確認が行われるようにされているのであり、イグニッ
ションスイッチ116のON操作の前に、断線・短絡確
認および作動確認が完了していれば、S116,S12
0の判定がYESになって確認処理は行われず、確認処
理が完了していなければ、完了していない確認が行われ
る。いずれにしても、アクセルペダル130が踏み込ま
れていないため、確認が完了しても、S124において
エンジンは作動させられない。
【0073】バッテリ接続後、所定時間が経過する前
に、イグニッションスイッチ116はON操作されない
が、アクセルペダル130が踏み込まれた場合、S10
1の判定がYESになってS124が実行される。S1
24では、前述のように、アクセルペダル130が踏み
込まれているか否か等の判定が行われ、ここでは、アク
セルペダル130が踏み込まれているため、断線・短絡
確認および作動確認が完了していなければ、断線・短絡
確認がS110におけると同様に行われ、作動確認は、
アクセルペダル130の踏込みに基づいて、電気制御エ
ンジンシステム12を構成する装置を順次作動させなが
ら行われる。S110の断線・短絡確認の途中であれ
ば、その続きから行ってもよく、最初から行ってもよ
い。また、アクセルペダル130が踏み込まれたときに
は、作動確認のみを行うようにしてもよい。作動確認
は、スロットルバルブ装置172等、電気制御エンジン
システム12を構成する全部の装置について、予め定め
られた順で行われ、全部の装置について作動確認が行わ
れたならば、各装置は、アクセルペダル130の踏込
み,シフトレバー178の操作状態等に応じた状態でイ
グニッションスイッチ116のON操作に備えて待機さ
せられる。イグニッションスイッチ116がON操作さ
れておらず、アクセルペダル130が踏み込まれた場合
には、前回の作動確認,断線・短絡確認の結果および確
認実行時からの経過時間の長さを問わず、確認が行われ
るのである。なお、ブレーキ制御ルーチンにおいて電動
ブレーキの故障が検出され、走行禁止フラグがセットさ
れて車両の走行が禁止されていれば、断線・短絡確認お
よび作動確認は行われるが、確認完了後、各装置は作動
させられず、車両が走行しないようにされる。また、断
線・短絡確認および作動確認の結果、電気制御エンジン
システム12を構成する装置に断線・短絡と作動不能な
故障との少なくとも一方がある場合にも、各装置は作動
させられず、車両が走行しないようにされる。
【0074】イグニッションスイッチ116がON操作
されている状態でアクセルペダル130が踏み込まれた
場合、あるいはアクセルペダル130が踏み込まれてい
る状態においてイグニッションスイッチ116がON操
作された場合も、イグニッションスイッチ116がON
操作されず、アクセルペダル130が踏み込まれた場合
と同様に断線・短絡確認および作動確認が行われる。イ
グニッションスイッチ116のON操作により、あるい
は、車両の走行,停止のための操作の実行により、作動
確認が行われている途中でアクセルペダル130が踏み
込まれた場合には、アクセルペダル130の踏込みに基
づいて作動確認が行われる。これらの確認後、車両の走
行が禁止されておらず、また、電気制御エンジンシステ
ム12を構成する各装置に故障がなければ、車両を走行
させるべく、電気制御エンジンシステム12が作動させ
られる。
【0075】バッテリ接続がイグニッションスイッチ1
16のON操作によって為されたのであれば、S102
の判定がYESになってS116〜S124が実行され
る。また、バッテリ接続がアクセルペダル130の踏込
みによって為されたのであれば、S101の判定がYE
SになってS124が実行され、S124において断線
・短絡確認および作動確認が行われる。
【0076】バッテリ接続後、所定時間が経過する前に
イグニッションスイッチ116がON操作されなけれ
ば、S103の判定がYESになってS125が実行さ
れ、エンジン制御装置170,スロットルバルブ装置1
72等の駆動回路とバッテリ70との接続が遮断される
とともに、各種フラグをOFFにリセットする等の終了
処理が行われる。
【0077】このように、本実施形態において、電気制
御ブレーキシステム10については、運転者の車両への
乗込み操作あるいはイグニッションスイッチ116のO
N操作およびブレーキペダル82の踏込み以外の車両の
走行,停止のための操作により、ブレーキペダル82の
踏込みに先行して断線・短絡確認および作動確認が行わ
れ、電流を無駄に消費することなく確認が行われるとと
もに、ブレーキペダル82が踏み込まれたとき、確認が
完了している可能性が高く、電動ブレーキ28〜34を
故障のない状態で作動させて制動力が確保される可能性
が高い。また、運転者の車両への乗込み操作によって断
線・短絡確認および作動確認の両方が行われるととも
に、これらの確認処理は、バッテリ接続が為される毎に
行われ、ブレーキシステム10の故障がいち早く検出さ
れ、走行安全性が確保される。電気制御エンジンシステ
ム12においては、運転者の車両への乗込み操作により
断線・短絡確認のみが行われ、電力消費の無駄や騒音の
発生を回避しつつ、スロットルバルブ装置172等の作
動開始遅れの低減効果の一部が得られる。また、イグニ
ッションスイッチ116のON操作およびアクセルペダ
ル130の踏込み以外の車両の走行,停止のための操作
が行われたとき、前回の確認結果が正常であれば、前回
の確認から設定時間経過している場合に断線・短絡確認
および作動確認が行われるため、電力消費が少なくて済
むとともに、アクセルペダル130の踏込みに先立って
2種類の確認処理の少なくとも一部が行われ、エンジン
制御が遅れなく、あるいは遅れ少なく開始される。電気
制御エンジンシステム12についても、電気制御ブレー
キシステム10と同様に、電気制御エンジンシステム1
2を作動させる操作部材であるアクセルペダル130が
操作されたとき、直ちにスロットバルブ装置172等を
作動させ、作動させながら常時故障診断を行うようにし
てもよい。
【0078】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、イグニッションスイッチ116が主スイ
ッチを構成し、ブレーキペダル82,アクセルペダル1
30が第一操作部材を構成し、ブレーキペダル82,ド
ア138,ドアキー140,アクセルペダル130等が
第二操作部材を構成している。また、ブレーキスイッチ
82,アクセルスイッチ146等が車両走行・停止操作
検出装置を構成し、ドア開閉スイッチ等が車両乗込操作
検出装置を構成している。また、主制御装置60の、そ
のコンピュータとバッテリ70とを接続するハード回
路,電動モータ制御装置62等をバッテリ70と接続す
るハード回路,運転者の車両への乗込み操作等に基づい
て電動モータ制御装置62〜68等をバッテリ70に接
続する部分,S5〜S32を実行する部分が電気制御ブ
レーキシステム10のための先行診断装置を構成してい
る。さらに、エンジン制御装置170の、コンピュータ
とバッテリ70とを接続するハード回路,スロットルバ
ルブ装置172等をバルブ14に接続するハード回路,
コンピュータの運転者の車両への乗込み操作等に基づい
てスロットルバルブ装置172等をバッテリ70と接続
する部分,S106,S107,S109〜S111,
S116〜S123を実行する部分が電気制御エンジン
システム12のための先行診断装置を構成している。ま
た、主制御装置60のS42を実行する部分、エンジン
制御装置170のS125を実行する部分が接続遮断手
段を構成し、電動ブレーキ28,30および駆動回路7
2,74が前輪ブレーキ関連作動装置を構成し、電動ブ
レーキ32,34および駆動回路76,78が後輪ブレ
ーキ関連作動装置を構成し、電動ブレーキ28,30,
駆動回路72,74,主制御装置60の電動ブレーキ2
8,30に関する部分および電動モータ制御装置62,
64が前輪ブレーキ関連装置を構成し、電動ブレーキ3
2,34,駆動回路76,78,主制御装置60の電動
ブレーキ32,34に関する部分および電動モータ制御
装置66,68が後輪ブレーキ関連装置を構成し、主制
御装置60,電動モータ制御装置62〜68が制御装置
を構成している。駆動回路72〜78が制御装置の一部
であると考えることもできる。また、スロットルバルブ
装置172等の各被駆動部および駆動回路が作動装置を
構成し、エンジン制御装置170が制御装置を構成して
いる。駆動回路は制御装置の一部であると考えることも
できる。さらに、主制御装置60のコンピュータのRA
Mに設けられた4つのブレーキ故障フラグ,断線・短絡
確認結果メモリおよびエンジン制御装置170のコンピ
ュータのRAMに設けられた断線・短絡確認結果メモリ
および作動確認結果メモリが診断結果記憶手段を構成し
ている。
【0079】なお、ブレーキ制御ルーチンにおいては、
運転者の車両への乗込み操作およびイグニッションスイ
ッチのON操作,ブレーキペダルの踏込み以外の車両の
走行,停止のための操作によるバッテリ接続時には、主
制御装置60等がバッテリ70と接続されてブレーキ制
御ルーチンが実行される毎に断線・短絡確認および作動
確認が行われるようにされていたが、断線・短絡確認処
理と作動確認処理との少なくとも一方について、エンジ
ン制御ルーチンにおけると同様に、前回の確認処理の結
果が正常であった場合、その確認処理から設定時間が経
過している場合に断線・短絡確認処理および作動確認処
理が行われるようにしてもよい。
【0080】また、ブレーキ制御ルーチンにおいて、作
動確認は、車両の対角線上に位置する後輪と前輪とにそ
れぞれ設けられ電動ブレーキを対として行われていた
が、左,右前輪にそれぞれ設けられた電動ブレーキを対
として行われるようにしてもよい。この場合、左,右前
輪にそれぞれ設けられた電動ブレーキのみについて作動
確認を行えばよい。車両全体において制動力配分は、
左,右前輪について左,右後輪より大きく設定されるこ
とが多く、例えば、左,右前輪の制動力配分が全体の約
70%に設定され、2つの前輪ブレーキに故障がないこ
とが確認されていれば、実用上、問題のない制動力を確
保できるからである。左,右前輪にそれぞれ設けられた
電動ブレーキについて作動確認を行い、故障があれば、
さらに、左,右後輪にそれぞれ設けられた電動ブレーキ
を対として作動確認を行うようにしてもよい。
【0081】さらに、上記実施形態において、イグニッ
ションスイッチ116がON操作された状態における電
動ブレーキ28〜34の作動確認は、複数、例えば4つ
の電動ブレーキを2系統に分け、少なくとも1系統につ
いて行われるようにされていたが、イグニッションスイ
ッチ116がON操作されている場合には、エンジン駆
動が行われていると考えられ、複数の電動ブレーキの全
部について作動確認を行うようにしてもよい。
【0082】また、上記実施形態において、電気制御ブ
レーキシステム10においては、ブレーキペダル82が
踏み込まれれば、作動確認が完了していなくても電動ブ
レーキ28〜34が作動させられるようにされていた
が、作動確認の完了を待って作動させるようにしてもよ
い。この作動確認は、ブレーキペダル82の踏込みに基
づいて電動ブレーキ28〜34を作動させつつ行うが、
作動確認中の制動力が不足する恐れがあるのであれば、
車両の走行を禁止した状態で行ってもよい。車両用電気
システムが、液圧に基づいて車輪の回転を抑制する液圧
ブレーキおよびブレーキシリンダ液圧を電気的に制御す
る液圧制御弁装置を含むシステムであり、ブレーキペダ
ルが踏み込まれたとき、マスタシリンダに機械的に発生
させられた液圧に基づいて液圧ブレーキを作動させ、車
輪の回転を抑制することができるのであれば、液圧制御
弁装置を作動確認後に作動させる場合、作動確認が完了
するまで車両の走行を禁止することは不可欠ではない。
【0083】さらに、断線・短絡確認処理および作動確
認処理の両方が続けて行われる場合、断線・短絡確認処
理の結果、故障があれば、作動確認処理は行わないよう
にしてもよい。
【0084】また、上記実施形態において断線・短絡確
認および作動確認は一定時間(一定量)ずつ行っては中
断し、他のステップが実行されるようにされていたが、
中断することなく、確認処理を行いつつ、他のステップ
が実行されるようにフローチャートを構成してもよい。
【0085】さらに、イグニッションスイッチのON操
作およびブレーキペダルの踏込み操作以外に、車両の走
行,停止の際に行われる操作として、シフトレバーの操
作に基づいて、電気制御ブレーキシステムの主制御装置
等がバッテリに接続されるようにしてもよい。例えば、
オートマチックトランスミッションを備えた車両におい
て、クラッチペダルの踏込みに代えて、シフトレバーの
操作を検出し、それに基づいて、電気制御ブレーキシス
テム,電気制御エンジンシステムのコンピュータ等をバ
ッテリに接続させる。
【0086】また、上記実施形態においては、バッテリ
70と接続されて作動する制御装置および作動装置であ
って、電気制御ブレーキシステム10以外のシステムと
して電気制御エンジンシステム12を例に取って説明し
たが、車両において電源からの電流の供給により作動す
る装置であって、電気制御エンジンシステム以外の装
置、例えば、電気制御されるパワーステアリング装置,
トランスミッション装置等が設けられていれば、それら
の装置についても、電気制御エンジンシステムと同様に
先行診断を行えばよい。
【0087】さらに、上記実施形態においては、前輪側
に設けられた電動ブレーキ28,30がディスクブレー
キとされ、後輪側に設けられた電動ブレーキ32,34
がドラムブレーキとされていたが、前輪側および後輪側
のいずれの電動ブレーキもディスクブレーキとしてもよ
い。
【0088】また、上記実施形態においては、電動モー
タ38〜44,スロットルバルブ装置172等、作動装
置について断線・短絡確認を行ったが、主制御装置6
0,電動モータ制御装置62〜68,エンジン制御装置
170等の制御装置等についても断線・短絡確認等の診
断を行ってもよい。
【0089】さらに、上記実施形態において駆動回路は
制御装置を構成していたが、作動装置を構成するように
してもよい。
【0090】以上、本発明の実施形態を詳細に説明した
が、これは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決
しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記
載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種
々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である車両用電気システムを
構成する電気制御ブレーキシステムを概略的に示す図で
ある。
【図2】上記車両用電気システムを構成する電気制御エ
ンジンシステムを概略的に示す図である。
【図3】上記電気制御ブレーキシステムを構成する主制
御装置のコンピュータのROMに記憶されたブレーキ制
御ルーチンの一部を示すフローチャートである。
【図4】上記ブレーキ制御ルーチンの残りの部分を示す
フローチャートである。
【図5】上記電気制御エンジンシステムを構成するエン
ジン制御装置のコンピュータのROMに記憶されたエン
ジン制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】上記電気制御ブレーキシステムを構成する主制
御装置のコンピュータのRAMのうち、本発明に関連の
深い部分を示すブロック図である。
【図7】上記電気制御エンジンシステムを構成するエン
ジン制御装置のコンピュータのRAMのうち、本発明に
関連の深い部分を示すブロック図である。
【符号の説明】
10:電気制御ブレーキシステム 12:電気制御エ
ンジンシステム 14:バッテリ 28,30,3
2,34:電動ブレーキ 60:主制御装置62,6
4,66,68:電動モータ制御装置 72,74,
76,78:駆動回路 82:ブレーキペダル 1
10:バッテリスイッチ装置 116:イグニッショ
ンスイッチ 130:アクセルペダル 132:ク
ラッチペダル 134:ステアリングホイール 1
36:シートベルト 138:ドア 170:エン
ジン制御装置 172:スロットルバルブ装置 174:燃料噴射装置 176:点火装置 18
0:バッテリスイッチ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 貴之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 村嶋 啓二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 沢田 直樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 相澤 博昭 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 Fターム(参考) 2G036 AA14 AA19 BA10 CA01 3D046 BB01 BB28 BB29 CC04 CC06 GG01 HH02 HH03 HH05 HH13 HH16 HH19 HH25 HH36 LL00 LL02 LL03 MM04 MM11 MM14 MM27

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主スイッチの操作に基づいて、作動装置
    およびそれの制御装置と、電源とが接続され、かつ、作
    動装置を作動させるための操作部材である第一操作部材
    の操作に基づいてもそれら作動装置および制御装置と電
    源とが接続される電気システムにおいて、 前記第一操作部材の操作よりも先行して、予め定められ
    た第二操作部材の操作が行われた場合に、前記電源と前
    記制御装置、あるいは前記電源と前記制御装置および前
    記作動装置とを接続するとともに、それら電源と接続さ
    れた装置の少なくとも一部の診断を行う先行診断装置を
    設けたことを特徴とする電気システム。
  2. 【請求項2】 前記電気システムが車両用電気システム
    であり、前記第二操作部材が、車両のドアロックを解除
    するための解錠操作部材,ドアノブおよびドアの少なく
    とも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の電気
    システム。
  3. 【請求項3】 前記先行診断の実施後所定時間内に前記
    主スイッチと前記第一操作部材とのうち、予め定められ
    たものの操作が行われない場合に、前記電源と前記制御
    装置、あるいは前記電源と前記制御装置および前記作動
    装置との接続を遮断する接続遮断手段を含むことを特徴
    とする請求項1または2に記載の電気システム。
  4. 【請求項4】 前記先行診断装置が、少なくとも、前記
    第二操作部材の操作が前記先行診断の実施後設定時間以
    内に行われ、かつ、前回の先行診断の結果が正常であっ
    た場合には前記先行診断を実施しないものであることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の電
    気システム。
  5. 【請求項5】 当該電気システムが前記作動装置を複数
    含み、前記先行診断装置が、それら複数の作動装置の一
    部のものについて前記先行診断を実施し、他のものにつ
    いては実施しないものであることを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれか一つに記載の電気システム。
  6. 【請求項6】 前記複数の作動装置が、車両の前輪ブレ
    ーキと後輪ブレーキとにそれぞれ関連する複数のブレー
    キ関連作動装置を含み、かつ、前記複数の作動装置の前
    記一部のものが、前記前輪ブレーキに関連する前輪ブレ
    ーキ関連作動装置を含み、前記他のものが前記後輪ブレ
    ーキに関連する後輪ブレーキ関連作動装置を含むことを
    特徴とする請求項5に記載の電気システム。
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