JP2001252113A - リング状装身具の伸縮部材及び同部材を備えたリング状装身具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】首や手首など装着部に密着して装着するタイプ
のネックレスやブレスレット等のリング状装身具におい
て、装着時の窮屈さが生じなく、慣れない人でも容易に
かつ迅速に装着が可能で、かつ装着した後に、身体への
適度な密着感を付与することができるものを提供する。 【解決手段】一方端が閉塞され、他端に、後記ピストン
状長杆の杆部を挿通するための透孔を有する蓋部を備え
たシリンダー状パイプと、同パイプ内に摺動自在に挿入
された先端に前記パイプ内径より若干小径のフランジ部
を備えたピストン状長杆と、前記シリンダー状パイプ内
における前記フランジ部と蓋部との間に挟装された拡張
方向に付勢されたバネ体と、前記シリンダー状パイプの
閉塞端と前記ピストン状長杆の後端に付設された掛止具
とからなる伸縮部材を、装身具本体の中途部に介設す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ネックレスやブレ
スレット等のリング状装身具の伸縮部材と、同部材を備
えたリング状装身具に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとしている課題】従
来、身体の首の外周とほぼ同サイズで、首周りに密着さ
せて装着するタイプのネックレスや、同様に、手首の外
周とほぼ同サイズで、手首の周りに密着させて装着する
タイプのブレスレットが、さまざまな年齢層の女性に愛
用されている。 そうしたネックレスやブレスレットの
長さは、装着部の外周サイズに合わせて最短なものとし
て製作されているため、それらを装着部に巻き当てその
両端部を手指でつまんで係着する際は、非常に窮屈で装
着しにくい。また、長さが若干でも短い場合は、ネック
レスやブレスレットを首や手首に食い込ませなければな
らず、装着者は苦痛を受けることとなる。さらに、装着
後もネックレスやブレスレットの長さが、首や手首への
密着感を保持できるように首や手首の太さとほぼ同サイ
ズとされているため、身体の動きに伴う首や手首の形状
や太さの変化に追従することができず、常時拘束感が強
く不快となり、また、ネックレスやブレスレットが切断
されたりするという問題を抱えている。他方、ブレスレ
ットの係着時においては、ブレスレットが装着される腕
側の手指では、ブレスレットの端部を持つことができな
いので、まず展開されたブレスレットの一端を装着側の
腕の上面に載置し、他端をブレスレットを装着しない腕
側の手指で持ち、前記腕の上側に載置したブレスレット
の一端に、他端を係着する。その際、腕の上側に載置し
たブレスレットの一端は、非常に不安定な状態となり、
係着時に腕から滑り落ちたりするために、ブレスレット
の係着は慣れない人には、非常に困難な作業となってい
る。

【０００３】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、下記の本発明によって解決する。 （１）リング状装身具の伸縮部材であって、一方端の全
部又は一部が閉塞され、他端に、後記ピストン状長杆の
杆部を挿通するための透孔を有する蓋部を備えたシリン
ダー状パイプと、同パイプ内に摺動自在に挿入された先
端に前記パイプ内径より若干小径のフランジ部を備えた
ピストン状長杆と、前記シリンダー状パイプ内における
前記フランジ部と蓋部との間に挟装された拡張方向に付
勢されたバネ体と、前記シリンダー状パイプの閉塞端と
前記ピストン状長杆の後端に付設された掛止具とからな
ることを特徴とするリング状装身具の伸縮部材。 （２）シリンダー状パイプの一方端の閉塞が、掛止具を
パイプ開口端部への直付けによりなされることを特徴と
する前記（１）に記載リング状装身具の伸縮部材。 （３）伸縮部材が、湾曲した形状のものであることを特
徴とする前記（１）又は（２）に記載のリング状装身具
の伸縮部材。 （４）シリンダー状パイプの断面が角形であることを特
徴とする前記（１）〜（３）のいずれか１項に記載のリ
ング状装身具の伸縮部材。 （５）ネックレス、ブレスレット等のリング状の装身具
本体の中途部の１個所又は複数個所に前記（１）〜
（４）のいずれか１項に記載の伸縮部材を介設してなる
ことを特徴とするリング状装身具。

【０００４】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図１は、本発明のリング状装身具の伸縮
部材及び同部材を備えたリング状装身具の実施例の一部
斜視図、図２は本発明のリング状装身具の伸縮部材及び
同部材を備えたリング状装身具の他の実施例の一部斜視
図である。図中、１はシリンダー状パイプ、２はピスト
ン状長杆、３はバネ体である。４はフランジ部、５はピ
ストン状長杆２の杆部を挿通するための透孔５ａを有す
る蓋部、６、６’は掛止具であり、７は底板、１０、１
０’はリング状装身具の伸縮部材、２０はリング状装身
具である。

【０００５】リング状装身具２０の伸縮部材１０は、図
１（ａ）に示すように、一方端が底板７で閉塞され、他
端は透孔５ａを有している蓋部５を備えたシリンダー状
パイプ１と、先端にフランジ部４を備えてなるピストン
状長杆２が、前記シリンダー状パイプ１内に摺動自在に
挿入されて構成されている。なお、フランジ部４は、シ
リンダー状パイプ１の内径より若干小径に形成されてい
る。また、蓋部５が有する透孔５ａは、ピストン状長杆
２の杆部が挿通可能に形成されている。そして、前記シ
リンダー状パイプ１内には、フランジ部４と蓋部５との
間に拡張方向に付勢されているバネ体３が挟装されてお
り、また、前記シリンダー状パイプ１の閉塞端と前記ピ
ストン状長杆２の後端には、掛止具６、６’が付設され
ている。

【０００６】図１（ａ）において、パイプ１は、シリン
ダー状であり、前述のように一方端が底板７で閉塞され
ており、他端には、透孔５ａを有する蓋部５が備えら
れ、その内部はピストン状長杆２が摺動自在の構造とな
っている。なお、シリンダー状パイプの一方端の閉塞
は、底板７を設けずに、掛止具６’をパイプ開口端部へ
ロウなどで直付けすることによって形成してもよい。パ
イプ１は、その内部においてピストン状長杆２が摺動自
在であればよく、図２のごとく、パイプ１を湾曲して形
成してもよい。図２に示す伸縮部材１０’は、パイプ１
の湾曲と同様にピストン状長杆２も湾曲し、摺動自在に
構成されている。シリンダー状パイプ１を湾曲させた形
状体とすることにより、身体への装着時に、装着部、例
えば手首の外周形状に沿った装着が可能となる。また、
例えばパイプ１は、その形状を四角形や六角形の角柱状
として、断面を角形とするなど、製作するリング状装身
具の装飾に合わせて自由に構成することができる。ま
た、シリンダー状パイプ１の太さ及び長さは、リング状
装身具のサイズ、形状等に合わせて、決定すればよい。
そして、前記パイプ１は、その素材としては、金、プラ
チナ、シルバー、ステンレス、チタンなど、装身具とし
て身につけられるあらゆる金属が採用でき、また、その
表面に、デザイン加工や彫刻なども付することができ、
様々なリング状装飾具を製作することができる。

【０００７】本発明のリング状装身具の伸縮部材１０
は、シリンダー状パイプ１内に摺動自在にピストン状長
杆２が挿入されてなり、長杆２の先端に備えられたフラ
ンジ４とパイプ１の一端に備えられた蓋部５の間に、バ
ネ体３が挟装されている。そして、バネ体３は、ピスト
ン状長杆２に対して、円筒状に巻いて作られたコイルバ
ネであり、拡張方向に付勢されている。

【０００８】そのため、本発明のリング状装身具の伸縮
部材１０は、図１（ｂ）に示すように、拡張方向９にピ
ストン状長杆２が引かれると、バネ体３が、フランジ４
と蓋部５の間で圧縮され、伸縮部材１０が伸びる構成と
なっている。そして、ピストン状長杆２引かれる力がな
くなると、付勢されたバネ体３により伸縮部材１０は収
縮する構造（図示せず）となっている。例えば、本発明
のリング状装身具の伸縮部材１０のシリンダー状パイプ
１の長さを１０ｍｍで構成した場合には、伸縮部材１０
はおよそ５ｍｍ程度の伸縮幅を得ることが可能であり、
シリンダー状パイプ１の長さを３０ｍｍで構成した場合
には、およそ１８ｍｍ程度の伸縮幅を得ることが可能で
ある。なお、バネ体３は、耐久性や弾力性の高い金属で
構成されるが、特にステンレスなどが望ましい。

【０００９】次に、本発明のリング状装身具の伸縮部材
１０の製作工程を図３に示す。まず、図３（ａ）に示す
ように、シリンダー状パイプ１には、底板７をロウ付し
閉塞端を形成する。そして、長杆２の先端にはフランジ
部４をロウ付する。次に、図３（ｂ）に示すように、シ
リンダー状パイプ１には、先にロウ付した底板７に掛止
具６’をロウ付する。また、フランジ部４がロウ付され
た長杆２にはバネ体３を遊嵌する。そして、図３（ｃ）
に示すように、バネ体３を遊嵌した長杆２に、さらに蓋
部５を嵌挿し、さらに長杆２の後端部に掛止具６をロウ
付した後、それらをシリンダー状パイプ１に挿入する。
最後に蓋部５をパイプ１の他端にかしめ止めすることに
よって、伸縮部材１０を完成させる（図３（ｄ））。

【００１０】以上のように製作されたリング状装身具の
伸縮部材１０の掛止部６、６’にリング状装身具２０本
体の鎖等の端部を掛着することにより、中途部に伸縮部
材１０を介設してなるリング状の装身具２０（図１参
照）が完成される。また、リング状装身具２０の中途部
に、伸縮部材１０を複数個介設すれば、伸縮部材１０の
伸縮のみで、身体への装着が容易、迅速に行える結合金
具を備えないブレスレットなどのリング状装身具を構成
することもできる。

【００１１】

【発明の効果】以上のように、本発明のリング状装身具
の伸縮部材及び同部材を備えたリング状装身具によれ
ば、首や手首など装着部に密着して装着するタイプのネ
ックレスやブレスレット等において、装着時の窮屈さが
生じなく、かつ装着した後に、ネックレスやブレスレッ
ト等の身体への適度な密着感を付与することができる。
また、ネックレスやブレスレット等の装着後も、伸縮部
材が伸縮し、身体の動きに伴う首や手首の形状や太さの
変化に追従するので、拘束感がなく、快適に装着するこ
とができる。さらに、伸縮部材を身体の装着部の外周形
状に沿って湾曲した形状としたものは、装着時において
違和感のない外観のリング状装身具となすことができ
る。また、伸縮部材を複数個介設してなるネックレスや
ブレスレット等のリング状装身具は、慣れない人でも容
易にかつ迅速に装着が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のリング状装身具の伸縮部材及び同部材
を備えたリング状装身具の実施例の一部斜視図

【図２】本発明のリング状装身具の伸縮部材及び同部材
を備えたリング状装身具の他の実施例の一部斜視図

【図３】本発明のリング状装身具の伸縮部材１０の製作
工程説明図

【符号の説明】

１：シリンダー状パイプ ２：ピストン状長杆 ３：バネ体 ４：フランジ部 ５：蓋部 ５ａ：透孔 ６、６’：掛止具 ７：底板 ９：拡張方向 １０、１０’：リング状装身具の伸縮部材 ２０：リング状装身具

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】リング状装身具の伸縮部材であって、一方
   端の全部又は一部が閉塞され、他端に、後記ピストン状
   長杆の杆部を挿通するための透孔を有する蓋部を備えた
   シリンダー状パイプと、同パイプ内に摺動自在に挿入さ
   れた先端に前記パイプ内径より若干小径のフランジ部を
   備えたピストン状長杆と、前記シリンダー状パイプ内に
   おける前記フランジ部と蓋部との間に挟装された拡張方
   向に付勢されたバネ体と、前記シリンダー状パイプの閉
   塞端と前記ピストン状長杆の後端に付設された掛止具と
   からなることを特徴とするリング状装身具の伸縮部材。
2. 【請求項２】シリンダー状パイプの一方端の閉塞が、掛
   止具をパイプ開口端部への直付けによりなされることを
   特徴とする請求項１記載リング状装身具の伸縮部材。
3. 【請求項３】伸縮部材が、湾曲した形状のものであるこ
   とを特徴とする請求項１又は２に記載のリング状装身具
   の伸縮部材。
4. 【請求項４】シリンダー状パイプの断面が角形であるこ
   とを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載のリ
   ング状装身具の伸縮部材。
5. 【請求項５】ネックレス、ブレスレット等のリング状の
   装身具本体の中途部の１個所又は複数個所に請求項１〜
   ４のいずれか１項に記載の伸縮部材を介設してなること
   を特徴とするリング状装身具。