JP2001251842A - ベーシックファクターを用いたリニアモータ - Google Patents

ベーシックファクターを用いたリニアモータ

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JP2001251842A
JP2001251842A JP2000060929A JP2000060929A JP2001251842A JP 2001251842 A JP2001251842 A JP 2001251842A JP 2000060929 A JP2000060929 A JP 2000060929A JP 2000060929 A JP2000060929 A JP 2000060929A JP 2001251842 A JP2001251842 A JP 2001251842A
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basic
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JP2000060929A
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Sanshiro Ogino
三四郎 荻野
Kyogi Uchikawa
據義 内川
Yasuzumi Ochiai
康住 落合
Yoshitake Nishi
義武 西
Kazuya Oguri
和也 小栗
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TAIYO ELECTRIC WORKS Ltd
Tokai University
Original Assignee
GENESIS KK
TAIYO ELECTRIC WORKS Ltd
Tokai University
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギー効率の改善された実用性にすぐれ
たリニアモータを提供すること。 【解決手段】 可動子12と、固定子11とを備えたリ
ニアモータにおいて、前記可動子12及び固定子11の
内の一方は、他方を吸引するために他方に対向する一端
に作用面を備えたベーシックファクターを複数磁気的に
接触させて連設した磁石部12a〜12dを備えてい
る。また、他方は、前記作用面に対向可能に夫々設けら
れ、前記作用面に吸引可能な複数の磁性体からなる単位
吸引部16a〜16iを備えている。前記ベーシックフ
ァクターは、電磁石部と、その両側に接触面を介して配
置された永久磁石部とを備え、前記作用面と、前記接触
面とは、前記永久磁石部を介して対向している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベーシックファク
ターと呼ばれるハイブリッド型磁石を用いた直流パルス
によって駆動されるリニアモータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図12に示すハイブリッド型磁石
が提案されている(特願平10−27884号、参
照)。
【0003】図12に示すように、ハイブリッド型磁石
は、ベーシックファクターとも呼ばれ電磁石101及び
その両端に密着した係合部材102を備えている。電磁
石101は、基部103と、基部103の両端から同方
向に突出した脚部104を備えたコ字状の磁性材料から
なるヨーク105と、ヨーク105の基部103に巻回
された励磁コイル106とを備えている。一方、係合部
材102は、永久磁石107と、その両側を挟み込む磁
性材108とを備えている。
【0004】ここで、図12の状態において、ハイブリ
ッド磁石の係合部材102の外面を作用面Xとし、接合
面P,Qが吸着も反発も生じない状態において、作用面
Xに近接する軟磁性材からなる可動部材110を想定す
る。励磁コイル106に電流を流すと永久磁石107の
磁力線がハイブリッド型磁石100内で、閉磁路を構成
することなく、接合面P,Qを越えて可動部材に対して
エアギャップを介して磁路を構成し、作用面Xにおい
て、吸引力を発生させる。
【0005】図13は、図12のハイブリッド型磁石を
用いた電動機の一例を示す図である(特願平10−32
1044号、参照)。図13を参照すると、電動機12
0は、2個のハイブリッド磁石100を左右に対向して
配置し、その間に紙面に対して垂直に摺動する摺動部材
111を配置している。摺動部材111は、中央部に非
磁性体からなる四角柱状の基部112を備えており、こ
の基部112の上下2箇所に孔113が設けられてい
て、この孔113に図示を省略したレールが通ってい
る。また、基部112の左右両側には、同じく非磁性体
からなる取付板114が設けられていて、この取付板1
14の両端部には、磁性体からなる可動部材115が取
り付けられている。この可動部材115とハイブリッド
磁石100の係合部材102とには、ギャップGが形成
されている。
【0006】このような構成の電動機120において、
ハイブリッド磁石100がすれ違う磁性体に及ぼす吸引
力は、同じ電流値において、電磁石のみのときよりも大
きく、また、摺動部材に及ぼすエネルギーが大となると
いう構成を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たハイブリッド磁石100を用いた電動機120は、エ
ネルギー効率の点からみれば、実用性において、なお、
改善の余地があった。
【0008】従って、従来のハイブリッド磁石を用いた
電動機120の原理を適用したリニアモータにも、改善
の余地があった。
【0009】そこで、本発明の第1の技術的課題は、小
型化でき、エネルギー効率の改善され、実用性に優れた
ベーシックファクターを用いたリニアモータを提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、可動子
と、固定子とを備えたリニアモータにおいて、前記可動
子及び固定子の内の一方は、他方を吸引するために他方
に対向する一端に作用面を備えたベーシックファクター
を複数互いに当接触させて連設した磁石部を備え、前記
他方は、前記作用面に対向可能に夫々設けられ、前記作
用面に吸引可能な複数の磁性体からなる単位吸引部を備
え、前記ベーシックファクターは電磁石部と、その両側
に接触面を介して配置された永久磁石部とを備え、前記
作用面と、前記接触面とは、前記永久磁石部を介して対
向していることを特徴とするベーシックファクターを用
いたリニアモータが得られる。
【0011】また、本発明によれば、前記ベーシックフ
ァクターを用いたリニアモータにおいて、前記電磁石部
に直流パルス電流を印加したときに、前記作用面が、前
記パルス電流の継続時間だけ、前記単位吸引部を吸引す
ることによって駆動されることを特徴とするベーシック
ファクターを用いたリニアモータが得られる。
【0012】また、本発明によれば、前記いずれかのベ
ーシックファクターを用いたリニアモータにおいて、前
記磁石部の複数の作用面が、前記第1の方向に直交する
第2方向に沿って等間隔となるように配置され、前記単
位吸引部の磁性体は、前記作用面に対応するように、前
記第2の方向に沿って等間隔となるように配置されてい
ることを特徴とするベーシックファクターを用いたリニ
アモータが得られる。
【0013】また、本発明によれば、前記いずれかのベ
ーシックファクターを用いたリニアモータにおいて、前
記磁石部及び前記単位吸引部は、互いに対応して同数配
置され、前記磁石部の作用面及び前記単位吸引部の磁性
体内の少なくとも一方は、隣接するものが前記第1の方
向に予め定められた間隔だけ互いに位置ずれするように
構成されていることを特徴とするベーシックファクター
を用いたリニアモータが得られる。
【0014】また、本発明によれば、前記いずれかに記
載のベーシックファクターを用いたリニアモータにおい
て、前記可動子は前記磁石部によって構成され、前記固
定子は複数の前記単位吸引部によって構成されているこ
とを特徴とするベーシックファクターを用いたリニアモ
ータが得られる。
【0015】また、本発明によれば、前記ベーシックフ
ァクターを用いたリニアモータにおいて、前記可動子
は、前記第2の方向に連設された6又は12個の磁石部
を備え、前記固定子は前記磁石部と同数の磁性体を備え
ていることを特徴とするるベーシックファクターを用い
たリニアモータが得られる。
【0016】また、本発明によれば、前記いずれかのベ
ーシックファクターを用いたリニアモータにおいて、前
記磁石部は、前記ベーシックファクターは、互いの作用
面が前記第1及び第2の方向に直交する第3の方向に対
向するように、一対のベーシックファクターを連設した
構成の両作用面型のベーシックファクターからなり、前
記固定子は前記一対の作用面に夫々対向するように、前
記磁石部を挟み込むように設けられた一対の吸引部を備
えていることを特徴とするベーシックファクターを用い
たリニアモータが得られる。
【0017】また、本発明によれば、前記ベーシックフ
ァクターを用いたリニアモータにおいて、前記固定子の
吸引部は、前記第1の方向に等しいピッチとなるよう
に、複数配置され、前記可動子は、前記第1の方向に前
記ピッチと同じピッチで第1の方向に並んで設けられた
複数の磁石部を備えていることを特徴とするベーシック
ファクターを用いたリニアモータが得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】まず、本発明の実施の形態につい
て説明する前に、本発明の理解を容易にするために、本
発明の回転機の原理について説明する。
【0019】図1(a)は本発明の回転機に用いられる
ベーシックファクターを示す斜視図であり、図1(b)
は図1(a)のベーシックファクターの分解組立斜視図
である。また、図1(c)は図1(b)の正面図、図1
(d)は図1(a)の正面図である。
【0020】図1(a)〜(d)を参照すると、ベーシ
ックファクター10は、永久磁石部3及び電磁石部4と
を備えている。永久磁石部3は、ネオジウムマグネット
(Nd−Fe−B)等の硬磁性体(永久磁石)1の着磁
方向の両側を純鉄等の軟磁性体2で、挟み込むことによ
って形成されている。
【0021】一方、電磁石部4は、基部6aと、この基
部6aの両端からそれぞれ一方側に突出した一対の脚部
6b,6cをそれぞれ備えたコの字状の純鉄等の軟磁性
体からなるコアまたはヨーク5と、コア5の基部6aに
巻回された銅線からなるコイル7とを備えている。
【0022】図1(a)及び図1(d)に最も良く示さ
れているように、永久磁石部3及び電磁石部4のコア5
の両端面との間には、接合面D1及びD2がそれぞれ形
成されている。
【0023】図2(a)〜(c)は図1(a)〜(d)
に示されたベーシックファクター10の動作原理を説明
に供せられる正面図である。
【0024】図2(a)を参照すると、電磁石部4に通
電していないときには、永久磁石部3の磁力線は、矢印
8に示されるようにベーシックファクター10の閉磁路
を回るだけで、周囲の空気中への磁束の漏れは殆どな
い。従って、接合面D1,D2は、強い吸着をしてい
る。この際の接合面D1,D2の吸着力は、永久磁石部
3により形成される。この状態を第1の状態と呼ぶ。
【0025】次に、図2(b)に示すように、電磁石部
4に永久磁石部3の磁束数より多量の磁束数を発生させ
る電流を、夫々同極同士を対向させて通電したときに
は、永久磁石部3の磁力線は、電磁石部4の磁力線に、
閉磁路から、接合面D1,D2より上に押し戻されて永
久磁石部3の飽和状態を越えれば、矢印9に示すよう
に、空気中に放出される。この際、電磁石部4の磁束数
が充分多量であれば、空気中に放出される磁力線は、永
久磁石部3と電磁石部4の合成されたものとなる。
【0026】従って、この時の接合面D1,D2の吸着
力は、電磁石部4のみによって形成されたものとなる。
この状態を第2の状態と呼ぶ。
【0027】次に、図2(c)に示すように、電磁石部
4に永久磁石部3の磁束と同量の磁束数を発生させる電
流を、永久磁石部3と同極同士となるように対向させて
通電し、かつベーシックファクター10自体の残留磁束
密度の飽和状態よりも、余裕があるときについて説明す
る。この場合も、上記同様に、同極同士を対向させて配
置する。
【0028】この場合において、接合面D1,D2は、
吸引も反発もしない無力化状態となる。これは、永久磁
石部3の磁力線も電磁石部4の磁力線も、接合面D1,
D2を境にして、互いに通い合うことが無いことを意味
する。なお、ベーシックファクター10自体の残留磁束
密度の飽和状態を越える永久磁石部3と電磁石部4の磁
束数が同量且つ多量であれば、接合面D1,D2は、反
発力を持ち、各々の磁力線は、空気中に漏れ磁束として
放出される。この状態を第3の状態と呼ぶ。
【0029】この第3の状態において、図3に示すよう
に、ベーシックファクター10の作用面3aをXとし、
Xに近接する可動もしくは固定される吸引部材(Y)4
0を想定する。なお、吸引部材(Y)40は純鉄等の軟
磁性体からなる。
【0030】図3の状態において、電磁石部4に投入す
る電流値をαとおく。なお、接合面D1,D2が無力化
しているポイントの値で、次の状態において、ベーシッ
クファクター10と吸引部材(Y)40とのエアギャッ
プを縮めていくに従って、αの値は小さくなる。これ
は、永久磁石部3の磁力線が接合面D1,D2を越えて
ベーシックファクター10内で閉磁路を構成することな
く、反対に吸引部材(Y)40に対してエアギャップを
介して磁路を構成し、作用面(X)3aにおいて、吸引
力を発生させていることを意味する。このとき、電磁石
部4に投入するαは、接合面D1,D2において、永久
磁石部3の磁力線を遮断するに足る量ですむので、永久
磁石部3の磁力線が可動部材40と磁路を構成しやすく
なればなるほど、言い替えれば、作用面(X)3aの吸
引力が増せば増すほどαの値は、小さくなる。尚、作用
面(X)3aの吸引力の限界は、おのずと永久磁石の性
能を限界としている。この状態を第4の状態と呼ぶ。
【0031】しかし、第2の状態のように、電磁石部4
に多量の電流を投入すれば、作用面(X)3aの吸引力
は、永久磁石部3の磁力線と電磁石部4の磁力線の合成
となるので、強力にすることができるが、エネルギー効
率的には、悪化する。
【0032】前記第4の状態において、作用面(X)3
aの吸引力を増し、且つαの値を小さくするための条件
は、次の(1)〜(3)の3つである。
【0033】(1)作用面(X)3aのエアギャップを
小さくする。
【0034】(2)永久磁石部3のヨーク部分と、吸引
部材(Y)40の軟磁性体の部分を電磁石のコアまたは
ヨークの部分よりも飽和時速密度の良い素材とする。
【0035】(3)ベーシックファクター10内の閉磁
路の距離L1に対して、永久磁石部3とエアギャップを
介して吸引部材(Y)と構成する磁路の距離L2を短く
する。なお、作用面Xの吸引力を増すには、当然永久磁
石部3そのものの性能(Br,BH)を良くすることは
いうまでもないことである。また、ネオジウム磁石に代
わる素材例えば、超電導磁石等も使用することができ
る。
【0036】実際に設計する場合において、永久磁石部
3そのものの着磁方向の距離(幅)をL,永久磁石部3
の長さをXLとし、断面積をZとすると、L,XLは、
ZとBr,BH曲線グラフとパーミナンス係数から適す
る値を算出できる。これにより、永久磁石部3と吸引部
材(Y)40の最適の寸法がでる。この永久磁石部3と
適合する電磁石部4を第1〜第4の状態を考慮して設計
すれば良い。
【0037】本発明のベーシックファクターと吸引部材
(Y)40の組み合わせた構成は、電磁石20と吸引部
材40とを組み合わせたものと比較するために、エアギ
ャップ、素材、磁路の距離、断面積、体積、コイルの太
さ、タン数等極力条件を同じくする。
【0038】比較のために本発明によるものと、比較例
として、永久磁石部3を持たず電磁石部4及び吸引部材
40のみを有するものとの各作用面における吸引力が同
じ時の投入電力量(W)において、本発明の方が、永久
磁石部3を持たない比較例よりも3〜4分の1以下です
むことが判明している。
【0039】また、この比較例を適用したリラクタンス
モーターを想定すると通常30%ほどのエネルギー変換
効率となる。しかし、本発明を利用したリラクタンスモ
ーターが比較例の形態よりも30%以下の投入電力量で
すめば、電気入力を越える出力が得られる計算になり、
これは、永久磁石のエネルギーを力学的動力に変換して
いることを示している。
【0040】図4(a),(b),及び(c)は本発明
の実施の形態によるベーシックファクター連続体を示す
図である。
【0041】図4(a)を参照すると、ベーシックファ
クター連続体50は、一対のベーシックファクター1
0,10´を互いの永久磁石部3,3´がその極性が逆
になるように側面同士を密着させて配置されている。こ
こでは、各磁路の長さL1及びL2を再び、夫々の磁路
の名称として用いる。
【0042】図4(b)に示すように、一方のベッシッ
クファクタ10の永久磁石1によって形成される磁路L
1は、反時計回りである。これに抗する方向に磁路が形
成されるように、コイル7に電流を通じると、先に説明
したように、永久磁石1のN極から、永久磁石部3から
外側に、磁力線が放出されて吸引部材40を通り、吸引
吸部材40から再び永久磁石部3´に向かうように、磁
力線が放出されて、永久磁石部3内に入り、永久磁石1
のS極に到達する磁路L2が形成されることは先に説明
した通りである。
【0043】しかしながら、ベーシックファクター10
に、ベーシックファクター10´を永久磁石の磁極が互
いに逆方向になるように、即ち、同極同士を対向させて
接触している場合には、漏れ磁束がL2を形成するのみ
ならず、図4(c)に示すように、ベーシックファクタ
ー10´内に、放出された磁力線の一部が進入して、磁
路L3を形成するとともに、ベーシックファクター10
´内で新たに、反時計回りの磁路L4を形成する。この
磁路L4の磁力線の向きは、ベーシックファクター10
´の永久磁石部3´によって形成される磁路と逆方向で
あるために、ベッシックファクタ10と同様に、磁力線
が磁石外に放出されて、磁路L5を形成する。これは、
コイル7´に電流を流していないにもかかわらず、吸引
部材40´を吸引することになる。このトルクは、コイ
ル7に流される電気量が同じであるにもかかわらずベー
シックファクター10が一つ設けられたものに比較して
約1.5倍以上にもなる。
【0044】図5は本発明の第1の実施の形態によるリ
ニアモータを示す図である。図5に示すように、リニア
モータ20は、固定子11とその内部に配置された可動
子12とを備えている。また、固定子11の周囲には、
角筒状のケース13が設けられているが、内部が良く観
察できるように、ケース13の部分を二点鎖線で示して
ある。また、ケース13は、磁気飽和しないように磁性
体からなることが好ましい。さらに、ケース13は、磁
性体以外にも非磁性体でも構成することができる。
【0045】固定子11は、複数の磁性体11a〜11
lからなる単位吸引部(以下、単に吸引部と呼ぶ)16
a〜16jを、移動方向における単位吸引部16a〜1
6jのピッチの1/6づつ、各吸引部16の磁性体11
a〜11f移動方向と反対方向に位置すれし、磁性体1
1fと、11gとは同じ位置となり、磁性体11g〜1
1lは移動方向に向かって夫々位置ずれしている構成を
有している。
【0046】この1/6は、吸引部と、磁石部とが最大
の吸引力が得られる上限値である。
【0047】この実施の形態においては、吸引部16
a,b,c,…は、ケース13の内周面に外側面が固定
されているように、等間隔で配置されるとともに、各吸
引部16a,b,c…は、位置ずれした12個の磁性体
11a〜11lを備えている。
【0048】この磁性体11a〜11lは、直方体状
で、移動方向の長さは、吸引部のピッチの略半分であ
る。
【0049】また、可動子12は、移動方向に等間隔で
並んだ複数の磁石部12a,12b,12c,…を備え
ている。図示の例では、4個の磁石部を備えている。
【0050】各磁石部12a〜12dは、磁性板15a
〜15mを移動方向と直交する方向に並べるとともに、
各磁性板15a〜15mの中央部を貫通するように図示
しない基部で連絡してH型(上下両側に櫛歯状になるよ
うに)のヨーク連続した形状のヨークを形成し、このH
型の中心部分に夫々巻線を施して、H型の上下の夫々の
先端部間に永久磁石1a,1b,1c,…を挿入した形
状を有している。両端の磁性板15a及び15mは、中
央部分のものの厚さの半分であり、従って、H型のヨー
クを一列に両側同士を一体に繋ぎあわせたものと同様な
構成である。
【0051】また、この各々のH型のヨークに巻線7
a,7b,…を施し、両端に永久磁石1a,1b,…,
1a´,1b´、…を夫々挿入したものは、図1及び図
2に示すベーシックファクター10の2個を基部6aの
底面同士を接合したものと同じ構成で、上下両側に夫々
作用面を有することから、このような構成のものを両作
用面型ベーシックファクターと呼ぶ。
【0052】従って、磁石部12a〜12dは、この両
作用面型ベーシックファクターを横に側面同士を接合し
たものと同様であり、半分よりも上側の部分及び下側の
部分には、夫々図4の所で説明したベーシックファクタ
ー連続体50の原理が適用できる。
【0053】次に、図6乃至図11を参照して本発明の
第1の実施の形態によるリニアモータの動作について説
明する。図6乃至図11は本発明の第1の実施の形態に
よるリニアモータの平面図である。
【0054】図6に示すように、可動子12の各磁石部
と、固定子11の各吸引部との重なり合う部分の長さが
固定子の吸引部のピッチの0〜1/6となる吸引部の磁
性体11a,11b,11k,11lに対応する各磁石
部12a,12b,…の各両作用面型ベーシックファク
ターのコイル7a,7b,7k,7lについて、直流電
流がONとなるように、直流パルス電流が加えられる。
その他の両作用面型ベーシックファクターのコイル7c
〜7jは、直流パルス電流はOFFである。
【0055】従って、各磁石部の両作用面型ベーシック
ファクターと吸引部材の磁性体11a,11b,11
k,11lとの間に吸引力が働き、可動子12は、1/
6ピッチ分だけ、左側に移動する。その際の移動時間
は、パルス電流の長さによって調整することができる。
【0056】図7に示すように、重なり部分が1/6ピ
ッチを越える磁石部はOFFとなり、重なり部分が0〜
1/6ピッチにある部分について、電流がONとなる。
即ち、磁石部のコイル7a,7f及び7g,7lがON
となり、磁石部のコイル7b〜7e及び7h〜7kはO
FFとなる。
【0057】従って、磁石部と、吸引部の磁性体11
a,11f及び11g,11lとの間の吸引力が働き、
可動子は更に左側に即ち、1/6ピッチだけ移動する。
【0058】次に、図8に示すように、重なり部分が1
/6ピッチを越える磁石部はOFFとなり、重なり部分
が0〜1/6ピッチにある部分について、電流がONと
なる。即ち、磁石部のコイル7e,7f及び7g,7h
がONとなり、磁石部のコイル7a〜7d及び7i〜7
lはOFFとなる。
【0059】従って、磁石部と、吸引部の磁性体11
e,11f及び11g,11hとの間の吸引力が働き、
可動子は更に左側に1/6ピッチだけ移動する。
【0060】次に、図9に示すように、重なり部分が1
/6ピッチを越える磁石部はOFFとなり、重なり部分
が0〜1/6ピッチにある部分について、電流がONと
なる。即ち、磁石部のコイル7d,7e及び7h,7i
がONとなり、磁石部のコイル7a〜7c,7f,7
g,及び7j〜7lはOFFとなる。
【0061】従って、磁石部と、吸引部の磁性体11
d,11e及び11h,11iとの間の吸引力が働き、
可動子は更に左側に1/6ピッチだけ移動する。
【0062】次に、図10に示すように、重なり部分が
1/6ピッチを越える磁石部はOFFとなり、重なり部
分が0〜1/6ピッチにある部分について、電流がON
となる。即ち、磁石部のコイル7c,7d及び7i,7
jがONとなり、磁石部のコイル7a,7b,7e〜7
h,7k〜7lはOFFとなる。
【0063】従って、磁石部と、吸引部の磁性体11
c,11d及び11i,11jとの間の吸引力が働き、
可動子は更に左側に1/6ピッチだけ移動する。
【0064】次に、図11に示すように、重なり部分が
1/6ピッチを越える磁石部はOFFとなり、重なり部
分が0〜1/6ピッチにある部分について、電流がON
となる。即ち、磁石部のコイル7b,7c及び7j,7
kがONとなり、磁石部のコイル7a,7d〜7i,7
lはOFFとなる。
【0065】従って、磁石部と、吸引部の磁性体11
b,11c及び11j,11kとの間の吸引力が働き、
可動子は更に左側に1/6ピッチだけ移動する。
【0066】以上の直流電流の印加パターンを繰り返す
ことによって、可動子12は、固定子に対して移動する
ことが可能となる。
【0067】また、直流電流を印加したコイルに、隣接
するコイルの両作用面ベーシックファクターにも、対応
する磁性体に対して吸引力が働くので、電流効率を高め
ることができる。
【0068】以上説明した本発明の実施の形態において
は、可動子として磁石部、固定子として吸引部を用いた
ものを使用したが、これとは対照的に可動子として吸引
部、固定子として磁石部を用いたものを使用しても、本
発明の実施の形態と同様な効果が得られることは勿論で
ある。
【0069】また、本発明の実施の形態において、リニ
アモータとして、両作用面ベーシックファクターを12
個一体に設けた磁石部を備えたものについて、説明した
が、両作用面ベーシックファクターは、少なくとも2個
設ければその効果を達成できるものであり、その数には
限定されない。また、磁石部として、両作用面型ベーシ
ックファクターを用いたが、図1及び2に示されるベー
シックファクターを図4の形で連設した一側作用面型の
ベーシックファクター連続体であっても、同様にリニア
モータを構成することができることは明らかである。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エネルギー効率の改善され実用性にすぐれたベーシック
ファクターを用いたリニアモータを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の電動機に用いられるベーシッ
クファクターを示す斜視図である。(b)は(a)のベ
ーシックファクターの分解組立斜視図である。(c)は
(b)の正面図である。(d)は(a)の正面図であ
る。
【図2】(a)〜(c)は図1のベーシックファクター
の動作原理の説明に供せられる正面図である。
【図3】(a)〜(c)は図1のベーシックファクター
の動作原理の説明に供せられる正面図である。
【図4】(a)〜(c)は図4の基本構造を用いた本発
明の実施の形態によるベーシックファクター連続体を示
す図である。
【図5】図4のベーシックファクター連続体の原理を用
いた本発明の第1の実施の形態によるリニアモータを示
す斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態によるリニアモータ
の動作原理の説明に供せられる展開図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態によるリニアモータ
の動作原理の説明に供せられる展開図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態によるリニアモータ
の動作原理の説明に供せられる平面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態によるリニアモータ
の動作原理の説明に供せられる平面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態によるリニアモー
タの動作原理の説明に供せられる平面図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態によるリニアモー
タの動作原理の説明に供せられる平面図である。
【図12】従来技術によるハイブリッド型磁石を示す図
である。
【図13】図12のハイブリッド型磁石を用いた電動機
の一例を示す図である。
【符号の説明】
1,1a〜1l,1´,1a´〜1l´ 永久磁石 2 軟磁性体 3 永久磁石部 3a 作用面(X) 4,4´ 電磁石部 5 コア又はヨーク 6a 基部 6b,6c 脚部 7,7´,7a〜7l コイル(巻線) 10,10´ ベーシックファクター 11 固定子 11a〜11l (単位)吸引部 12 可動子 12a〜12h 磁石部 13 ケース 15a〜15m 磁性板 16a〜16j 吸引部 20 リニアモータ 40 吸引部材(Y) 50 ベーシックファクター連続体 100 ハイブリッド型磁石 101 電磁石 102 係合部材 103 基部 104 脚部 105 ヨーク 106 励磁コイル 107 永久磁石 108 磁性材 110 電動機 111 摺動部材 112 基部 113 孔 114 取付板 115 可動部材 D1,D2 接合面
フロントページの続き (72)発明者 荻野 三四郎 東京都品川区二葉二丁目20番1号 第2梅 田ビル405 (72)発明者 内川 據義 東京都大田区城南島四丁目5番5号 株式 会社大洋電機工作所内 (72)発明者 落合 康住 神奈川県川崎市麻生区高石3−32−2− 306 (72)発明者 西 義武 東京都世田谷区代沢2−39−7 (72)発明者 小栗 和也 神奈川県相模原市上鶴間5−6−1 ルネ 東林間A−111 Fターム(参考) 5E048 AB10 AD07 CA07 5H641 BB11 BB18 BB19 GG02 GG04 GG08 GG12 HH02 HH03 HH05 HH07 HH14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動子と、固定子とを備えたリニアモー
    タにおいて、前記可動子及び固定子の内の一方は、他方
    を吸引するために他方に対向する一端に作用面を備えた
    ベーシックファクターを複数互いに当接触させて連設し
    た磁石部を備え、 前記他方は、前記作用面に対向可能に夫々設けられ、前
    記作用面に吸引可能な複数の磁性体からなる単位吸引部
    を備え、 前記ベーシックファクターは電磁石部と、その両側に接
    触面を介して配置された永久磁石部とを備え、前記作用
    面と、前記接触面とは、前記永久磁石部を介して対向し
    ていることを特徴とするベーシックファクターを用いた
    リニアモータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のベーシックファクターを
    用いたリニアモータにおいて、前記電磁石部に直流パル
    ス電流を印加したときに、前記作用面が、前記パルス電
    流の継続時間だけ、前記単位吸引部を吸引することによ
    って駆動されることを特徴とするベーシックファクター
    を用いたリニアモータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のベーシックファク
    ターを用いたリニアモータにおいて、前記磁石部の複数
    の作用面が、前記第1の方向に直交する第2方向に沿っ
    て等間隔となるように配置され、前記単位吸引部の磁性
    体は、前記作用面に対応するように、前記第2の方向に
    沿って等間隔となるように配置されていることを特徴と
    するベーシックファクターを用いたリニアモータ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の内のいずれかに記載の
    ベーシックファクターを用いたリニアモータにおいて、
    前記磁石部及び前記単位吸引部は、互いに対応して同数
    配置され、前記磁石部の作用面及び前記単位吸引部の磁
    性体内の少なくとも一方は、隣接するものが前記第1の
    方向に予め定められた間隔だけ互いに位置ずれするよう
    に構成されていることを特徴とするベーシックファクタ
    ーを用いたリニアモータ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至5の内のいずれかに記載の
    ベーシックファクターを用いたリニアモータにおいて、
    前記可動子は前記磁石部によって構成され、前記固定子
    は複数の前記単位吸引部によって構成されていることを
    特徴とするベーシックファクターを用いたリニアモー
    タ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のベーシックファクターを
    用いたリニアモータにおいて、前記可動子は、前記第2
    の方向に連設された6又は12個の磁石部を備え、前記
    固定子は前記磁石部と同数の磁性体を備えていることを
    特徴とするベーシックファクターを用いたリニアモー
    タ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6記載のベーシックファク
    ターを用いたリニアモータにおいて、前記磁石部は、前
    記ベーシックファクターは、互いの作用面が前記第1及
    び第2の方向に直交する第3の方向に対向するように、
    一対のベーシックファクターを連設した構成の両作用面
    型のベーシックファクターからなり、前記固定子は前記
    一対の作用面に夫々対向するように、前記磁石部を挟み
    込むように設けられた一対の吸引部を備えていることを
    特徴とするベーシックファクターを用いたリニアモー
    タ。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のベーシックファクターを
    用いたリニアモータにおいて、前記固定子の吸引部は、
    前記第1の方向に等しいピッチとなるように、複数配置
    され、前記可動子は、前記第1の方向に前記ピッチと同
    じピッチで第1の方向に並んで設けられた複数の磁石部
    を備えていることを特徴とするベーシックファクターを
    用いたリニアモータ。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001307919A (ja) * 2000-04-24 2001-11-02 Genesis:Kk ハイブリッド型磁石
JP2002110418A (ja) * 2000-09-29 2002-04-12 Genesis:Kk 吸引基本構造体

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