JP3302727B2 - 可動磁石式アクチュエータ - Google Patents

可動磁石式アクチュエータ

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JP3302727B2
JP3302727B2 JP21326792A JP21326792A JP3302727B2 JP 3302727 B2 JP3302727 B2 JP 3302727B2 JP 21326792 A JP21326792 A JP 21326792A JP 21326792 A JP21326792 A JP 21326792A JP 3302727 B2 JP3302727 B2 JP 3302727B2
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康之 平林
貴俊 大山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御機器、電子機器、
工作機械等において電気エネルギーを電磁作用により往
復運動エネルギー等に変換させる可動磁石式アクチュエ
ータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、可動磁石式の往復運動装置として
は、図6の第1従来例の構造を持つもの、及び図7の第
2従来例の構造を持つものがある。
【0003】図6の第1従来例において、10は軸方向
に着磁した棒状の永久磁石からなる磁石可動体であり、
両端面に磁極を有している。コイル11A,11Bは、
磁石可動体10の端部外周側をそれぞれ環状に周回する
ように巻回され、隣合う部分に同極が発生するようにな
っている。なお、図示は省略してあるが、コイル11
A,11Bは通常磁石可動体10を軸方向に移動自在に
ガイドするためのガイド筒体に装着される。そして、磁
石可動体10の各端面からの磁束がそれぞれコイル11
A,11Bと鎖交している。
【0004】図7の第2従来例において、磁石可動体1
5は同極対向配置の2個の棒状永久磁石16A,16B
と、これらの永久磁石16A,16B間に固着される棒
状軟磁性体17とを固着一体化したものであり、コイル
18は磁石可動体15の中間部外周側をそれぞれ環状に
周回するように巻回されている。なお、図示は省略して
あるが、コイル18は通常磁石可動体15を軸方向に移
動自在にガイドするためのガイド筒体に装着される。そ
して、磁石可動体15の同極対向した永久磁石端面から
の磁束がコイル18と鎖交している。
【0005】ところで、第1従来例及び第2従来例にお
いて、磁石可動体10,15に発生する推力は、基本的
にはフレミングの左手の法則に基づいて与えられる推力
に準ずるものである(フレミングの左手の法則はコイル
に対して適用されるが、ここではコイルが固定のため、
磁石可動体にコイルに作用する力の反力としての推力が
発生する。)。したがって、推力に寄与するのは、磁石
可動体が有する永久磁石の磁束の垂直成分(永久磁石の
軸方向に直交する成分)である。
【0006】そこで、1個の永久磁石の場合、あるいは
2個の同極対向配置の永久磁石の場合について、磁束の
垂直成分がどのようになるのかそれぞれ解析してみた。
【0007】図8は、単独の永久磁石の長手側面に沿っ
て表面磁束密度の垂直成分を磁場解析した結果を示す。
但し、永久磁石は希土類永久磁石であって、直径2.5m
m、長さ6mmで、永久磁石表面から0.25〜0.45mm
離れた位置を計測した。
【0008】図9は、2個の永久磁石を同極対向配置と
し、かつ直接接合した場合において、2個の永久磁石の
長手側面に沿って表面磁束密度の垂直成分を磁場解析し
た結果を示す。但し、各永久磁石は希土類永久磁石であ
って、直径2.5mm、長さ3mm(2個で6mm)で、永久
磁石表面から0.25〜0.45mm離れた位置を計測し
た。
【0009】図10は、2個の永久磁石を同極対向配置
とし、かつ対向間隔を1mmとした場合において、2個の
永久磁石の長手側面に沿って表面磁束密度の垂直成分を
磁場解析した結果を示す。但し、各永久磁石は希土類永
久磁石であって、直径2.5mm、長さ3mmで、永久磁石
表面から0.25〜0.45mm離れた位置を計測した。
【0010】図11は、2個の永久磁石を同極対向配置
とし、かつ対向間隔を2mmとした場合において、2個の
永久磁石の長手側面に沿って表面磁束密度の垂直成分を
磁場解析した結果を示す。但し、各永久磁石は希土類永
久磁石であって、直径2.5mm、長さ3mmで、永久磁石
表面から0.25〜0.45mm離れた位置を計測した。
【0011】図12は、2個の永久磁石を同極対向配置
とし、かつ対向間隔を3mmとした場合において、2個の
永久磁石の長手側面に沿って表面磁束密度の垂直成分を
磁場解析した結果を示す。但し、各永久磁石は希土類永
久磁石であって、直径2.5mm、長さ3mmで、永久磁石
表面から0.25〜0.45mm離れた位置を計測した。
【0012】図13は、2個の永久磁石を同極対向配置
とし、両永久磁石間に長さ1mmの軟磁性体を配置した場
合において、2個の永久磁石の長手側面に沿って表面磁
束密度の垂直成分を磁場解析した結果を示す。但し、各
永久磁石は希土類永久磁石であって、直径2.5mm、長
さ3mmで、永久磁石表面から0.25〜0.45mm離れた
位置を計測した。
【0013】図14は、2個の永久磁石を同極対向配置
とし、両永久磁石間に長さ1mmの軟磁性体を配置し、さ
らに2個の永久磁石の外周に対向させて軟磁性体ヨーク
を配設した場合において、2個の永久磁石の長手側面に
沿って表面磁束密度の垂直成分を磁場解析した結果を示
す。但し、各永久磁石は希土類永久磁石であって、直径
2.5mm、長さ3mmで、ヨークは永久磁石を取り囲む円
筒形状で厚み0.5mm、長さ10mmで永久磁石外周から
1.25mm離間した位置となっており、表面磁束密度の
垂直成分は永久磁石表面から0.25〜0.45mm離れた
位置を計測した。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、磁石
可動体に発生する推力は、基本的にはフレミングの左手
の法則に基づいて与えられる推力に準ずるものであり、
コイルと鎖交する永久磁石の磁束の垂直成分(永久磁石
の軸方向に直交する成分)が多いことが望まれるが、図
6の第1従来例では、表面磁束密度の垂直成分は図8の
ようになり、図9乃至図14の2個の永久磁石を同極対
向配置とした場合に比較して垂直成分が少ないことが判
明した。このため図6の第1従来例の構成では、推力の
向上に限界がある。例えば、磁石可動体10を直径2.
5mm、長さ6mmの希土類永久磁石で構成し、2個のコイ
ル11A,11Bの隣合う部分に同極が発生するように
各コイル11A,11Bに40mAの電流を流したとき
に発生する推力F1は4.7(gf)であった。
【0015】一方、図7の第2従来例では、2個の同極
対向の永久磁石間に軟磁性体を配した磁石可動体15を
用いており、磁束密度の垂直成分は図13に示す如くな
り、同極対向の永久磁石16A,16Bの磁極から出る
磁束は1個の永久磁石の場合(図8参照)や2個の永久
磁石のみの場合(図9乃至図12参照)よりも多くなる
が、コイルが磁石可動体15の中間部を囲む1個のみで
あり、磁石可動体15の両端面の磁極による磁束は有効
に利用していない嫌いがある。このため、図7の第2従
来例の場合も推力の向上が難しかった。例えば、図7の
第2従来例において磁石可動体15として直径2.5m
m、長さ3mmの希土類永久磁石を2個用い(希土類永久
磁石の性能は第1従来例と同じとする)、かつ両者間に
長さ1mmの軟磁性体を配置したものを用い、図6の第1
従来例と同じ消費電力となるように作成したコイル18
に40mAの電流を流し、第1従来例と同じ消費電力と
したときに発生する推力F2は5.6(gf)であった。
【0016】本発明は、上記の点に鑑み、少なくとも2
個の永久磁石を同極対向配置とした磁石可動体を用いる
とともに永久磁石の磁極が発生する磁束を有効利用する
ことで、推力の向上及び効率の向上を図った可動磁石式
アクチュエータを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の可動磁石式アクチュエータは、同極対向さ
れた少なくとも2個の永久磁石間に磁性体を設けて磁石
可動体を構成し、少なくとも3連のコイルの内側に当該
磁石可動体を移動自在に設け、前記少なくとも3連のコ
イルのうち中間位置のものは端部位置のものよりも幅広
であって前記永久磁石の同極対向端からの磁束と鎖交す
る配置であり、前記端部位置のものは前記永久磁石の端
部磁極からの磁束と鎖交する配置であり、かつ各コイル
を、各永久磁石の磁極間を境にして相異なる方向に電流
が流れる如く結線した構成としている。
【0018】また、前記コイル外周側に磁性体ヨークを
設けて、前記永久磁石の着磁方向に垂直な方向の磁束成
分を増加させるための磁気回路を構成してもよい。
【0019】さらに、前記磁石可動体をガイド体で移動
自在に案内し、該ガイド体の少なくとも一端に前記磁石
可動体が吸着する磁性吸着体を設ける構成としてもよ
い。
【0020】
【作用】本発明の可動磁石式アクチュエータの動作原理
を図4の概略構成図によって説明する。この図4で、磁
石可動体3は同極対向配置の2個の円柱状永久磁石5
A,5Bと、これらの永久磁石5A,5B間に固着され
る円柱状軟磁性体6とを一体化したものであり、図13
に示したように、磁束密度の垂直成分(永久磁石の軸方
向に直交する成分)が多い構造となっている。3連のコ
イル2A,2B,2Cは、磁石可動体3の外周側を周回
する如く巻回され、磁石可動体3を構成する永久磁石5
Aの左端、永久磁石5A,5Bの同極対向端、及び永久
磁石5Bの右端の磁極からの磁束とそれぞれ鎖交するよ
うに配置されている。これらのコイル2A,2B,2C
は永久磁石5A,5Bの磁極間を境にして相異なる方向
に電流が流れる如く結線されている(磁極間の境は磁極
と磁極の間であれば必ずしも磁極中間位置になくともよ
い。)。なお、図示は省略してあるが、コイル2A,2
B,2Cは通常磁石可動体3を軸方向に移動自在にガイ
ドするためのガイド筒体に装着される。コイル2A,2
B,2Cと磁石可動体3との位置関係は、当該磁石可動
体3の全ての可動位置において、永久磁石磁極間を境に
して各コイルに流れる電流が相互に逆向きとなるように
設定しておく。
【0021】図4における磁石可動体3の構造は、図1
3のように2個の永久磁石を同極対向させかつ永久磁石
間に軟磁性体を配置したものである。この図13のとき
は軟磁性体位置に相当する領域Qの表面磁束密度の垂直
成分は、軟磁性体の無い図9乃至図12よりも優れてい
る(磁束密度0.3T以上のピークの幅が広くかつピー
クが高い。)。
【0022】このように、2個の永久磁石5A,5Bを
同極対向させかつ永久磁石間に軟磁性体6を設けた磁石
可動体3は、フレミングの左手の法則に基づく推力に寄
与できる磁石可動体3の長手方向に垂直な磁束成分を大
きくでき、かつ3連のコイル2A,2B,2Cは永久磁
石の全磁極の磁束と有効に鎖交するので、3連のコイル
2A,2B,2Cに交互に逆極性の磁界を発生する向き
に電流を通電することにより、従来例では到達し得ない
大きな推力を発生することができる。各コイルの電流を
反転させれば磁石可動体3の推力の向きも反転する。交
流電流を流した場合には、一定周期で振動を繰り返すバ
イブレータとして働く。
【0023】本発明に係る図4の場合、例えば、磁石可
動体3として直径2.5mm、長さ3mmの希土類永久磁石
を2個用い(希土類永久磁石の性能は第1従来例と同じ
とする)、かつ両者間に長さ1mmの軟磁性体を配置した
ものを用い、図6、図7の第1、第2従来例と同じ消費
電力となるように作成した3連のコイル2A,2B,2
Cに40mAの電流を流し、同じ消費電力としたときに
発生する推力F3は6.7(gf)であった。これは、同
一消費電力の第1従来例の場合の約1.42倍の推力で
あり、また第2従来例の約1.2倍の推力であり、第1
及び第2従来例に比較して格段に優れていることが判
る。
【0024】図5の曲線(イ)は図4(ヨーク無し)の
場合の磁石可動体3の軸方向変位量と推力(gf)との関
係を示す。但し、永久磁石の寸法、特性は図13に示し
たものとするとともに、磁石可動体3の中間点が中央の
コイル2Bの中間点に位置するときを変位量零とし、各
コイルの電流は40mAとした。
【0025】このように、本発明の可動磁石式アクチュ
エータは、同極対向の永久磁石の組み合わせ構造体で磁
石可動体を構成しており、永久磁石の着磁方向(軸方
向)に垂直な磁束密度成分を充分大きくできかつ永久磁
石の全ての磁極の発生する磁束を有効利用できる。ま
た、磁石可動体を取り巻くように周回した少なくとも3
連のコイルのうち中間位置のものは端部位置のものより
も幅広に構成し、前記永久磁石の磁束と各コイルに流れ
る電流との間のフレミングの左手の法則に基づく推力を
充分大きくできる。つまり、前記中間位置のコイルは幅
広であって永久磁石の同極対向側の磁束分布(端部の磁
束よりも多く、磁束の多い領域の幅も広い)を有効利用
でき、かつ端部のコイルは幅が狭い分、電流密度は高く
なり永久磁石端部側の磁束分布(磁束の多い領域の幅が
狭い)との間で効果的に推力を発生できる。この結果、
小型、小電流で大きな推力を得ることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明に係る可動磁石式アクチュエー
タの実施例を図面に従って説明する。
【0027】図1及び図2は本発明の第1実施例を示
す。これらの図において、1は軟磁性体の円筒状ヨーク
であり、該円筒状ヨーク1の内側に3連のコイル2A,
2B,2Cが配置され、磁石可動体3を摺動自在に案内
するためのガイド筒体4を構成する絶縁樹脂等の絶縁部
材で円筒状ヨーク1に固着されている。磁石可動体3
は、同極対向配置の2個の円柱状希土類永久磁石5A,
5Bと、これらの永久磁石5A,5B間に固着される円
柱状軟磁性体6とからなり、それらの永久磁石5A,5
B及び軟磁性体6は接着剤等で相互に一体化されてい
る。前記3連のコイル2A,2B,2Cは永久磁石5
A,5Bの磁極間を境にして相異なる方向に電流が流れ
る如く結線されている。すなわち、中央のコイル2Bは
軟磁性体6及び永久磁石5A,5BのN極を含む端部を
囲み、両側のコイル2A,2Cは、永久磁石5A,5B
のS極を含む端部をそれぞれ囲むことができるようにな
っており、かつ中央のコイル2Bに流れる電流の向き
と、両側のコイル2A,2Cの電流の向きとは逆向きで
ある(図1の各コイルに付したN,Sを参照)。なお、
永久磁石5A,5Bの外側端面には必要に応じて推力を
外部に伝達するためのピン7等が図1の仮想線の如く設
けられる。ポケットベル用等のバイブレータとして用い
る場合、ピン7は不要である。
【0028】この第1実施例では、各コイル2A,2
B,2Cの外周側に軟磁性体の円筒状ヨーク1が設けら
れているため、磁石可動体3の表面磁束密度の垂直成分
は、図14に示す如く、さらに増大する。このため、フ
レミングの左手の法則に基づく推力に寄与できる磁石可
動体3の長手方向に垂直な磁束成分を大きくでき、磁石
可動体3の周囲を環状に巻回する3連のコイル2A,2
B,2Cに交互に逆極性の磁界を発生する向きに電流を
通電することにより、いっそう大きな推力を発生するこ
とができる。例えば、磁石可動体3として直径2.5m
m、長さ3mmの希土類永久磁石を2個用い(希土類永久
磁石の性能は第1従来例と同じとする)、かつ両者間に
長さ1mmの軟磁性体を配置したものを用い、図6、図7
の第1、第2従来例と同じ消費電力となるように作成し
た3連のコイル2A,2B,2Cに40mAの電流を流
し、同じ消費電力としたときに発生する推力F4は8.
0(gf)であった。推力F4の向きは、図1の極性で
は、磁石可動体3が右方向に移動する向きであり、各コ
イルの電流を反転させれば磁石可動体3の推力の向きも
反転する。交流電流を流した場合には、一定周期で振動
を繰り返すバイブレータとして働く。また、中央のコイ
ル2Bは端部のコイル2A,2Cに比して幅広に構成さ
れており、永久磁石5A,5Bの同極対向側の磁束分布
(端部の磁束よりも多く、磁束の多い領域の幅も広い)
を有効利用するようにしている。また、端部のコイル2
A,2Cは幅が狭い分、電流密度は高くなり永久磁石5
A,5Bの端部側の磁束分布(磁束の多い領域の幅が狭
い)との間で効果的に推力を発生できる。
【0029】図5の曲線(ロ)は第1実施例(但し、永
久磁石及びヨークの寸法、配置及び永久磁石の特性は図
14の通り)の場合の磁石可動体3の軸方向変位量と推
力(gf)との関係であって変位量零の点から離れる方向
に磁石可動体が動作するときを示す。また、曲線(ハ)
は第1実施例(ヨーク有り)の場合の磁石可動体3の軸
方向変位量と推力(gf)との関係であって変位量零の点
に近付く方向に動作するときを示す。但し、磁石可動体
3の中間点が中央のコイル2Bの中間点に位置するとき
を変位量零とし、各コイルの電流は40mAとした。こ
のように、磁石可動体3が変位量零の点に近付くか又は
離れるかによって推力が相違するのは、磁石可動体3の
永久磁石の磁極とヨーク1との間に磁石可動体3を変位
量零点に戻す磁気吸引力が働いているからである。
【0030】図3は本発明の第2実施例を示す。この場
合、軟磁性体の円筒状ヨーク1及びガイド筒体4の両端
部に軟磁性の吸着板8A,8Bが嵌合、固着されてい
る。そして、一方の吸着板8Aにあけられた穴から永久
磁石5Aの外側端面に固着されたピン9が突出してい
る。その他の構造は前述の第1実施例と同様である。
【0031】この第2実施例の場合、各コイル2A,2
B,2Cに通電していない状態では軟磁性の吸着板8
A,8Bのいずれかに吸着されている。いま、図示の状
態に磁石可動体3があるとき、各コイル2A,2B,2
Cに交互に逆極性の磁界を発生する向きに通電して矢印
R方向の推力を発生させれば、磁石可動体3は吸着板8
Aから離脱して矢印R方向に移動し、吸着板8Bに吸着
して停止する。また、各コイル2A,2B,2Cの電流
を反転させて矢印Rの反対向きの推力を発生させれば、
磁石可動体3は吸着板8Bから離脱して吸着板8A方向
に移動しこれに吸着して停止する。このように吸着板8
A,8Bを設けたことで磁石可動体3の移動範囲を正確
に規制することができる。
【0032】なお、上記各実施例では、2個の同極対向
の永久磁石と両永久磁石間の軟磁性体で磁石可動体3を
構成したが、3個以上の同極対向の永久磁石と両永久磁
石間の軟磁性体で磁石可動体を構成してもよく、これに
対応させてコイル数も4個以上とすることができる。
【0033】また、第2実施例では円筒状ヨーク1及び
ガイド筒体4の両側に軟磁性吸着板8A,8Bを設けた
が、いずれか一方のみに吸着板を設ける構造を採用して
もよい。
【0034】さらに、各実施例において、円筒状のヨー
ク1及びガイド筒体4を用いたが、角筒状等のヨーク及
びガイド体を採用することもでき、この場合も各コイル
は磁石可動体の外周を周回するように巻回すればよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の可動磁石
式アクチュエータによれば、同極対向された少なくとも
2個の永久磁石間に磁性体を設けて磁石可動体を構成し
たので、磁石可動体の長手方向(永久磁石の着磁方向)
に垂直な磁束成分を充分大きくでき、かつ磁石可動体の
周囲を取り巻くように少なくとも3連のコイル(中間位
置のものは端部位置のものよりも幅広)を巻回して磁石
可動体の各磁極が発生する磁束と有効に鎖交可能とした
ので、前記垂直な磁束成分と各コイルに流れる電流との
間のフレミングの左手の法則に基づいて与えられる推力
を充分大きくできる。このため、小型、小電流で大きな
推力の可動磁石式アクチュエータを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可動磁石式アクチュエータの第1
実施例を示す正断面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す正断面図である。
【図4】本発明の基本構成を示す概略構成図である。
【図5】図1及び図4の可動磁石式アクチュエータにお
ける磁石可動体の変位量と推力との関係を示すグラフで
ある。
【図6】第1従来例を示す概略構成図である。
【図7】第2従来例を示す概略構成図である。
【図8】単一の永久磁石の長手側面(永久磁石の着磁方
向に平行な面)の表面磁束密度の垂直成分(長手側面に
垂直な成分)を示すグラフである。
【図9】2個の同極対向の永久磁石を直接的に対接状態
とした場合の長手側面の表面磁束密度の垂直成分を示す
グラフである。
【図10】2個の永久磁石を1mmのエアーギャップを介
し同極対向状態とした場合の長手側面の表面磁束密度の
垂直成分を示すグラフである。
【図11】2個の永久磁石を2mmのエアーギャップを介
し同極対向状態とした場合の長手側面の表面磁束密度の
垂直成分を示すグラフである。
【図12】2個の永久磁石を3mmのエアーギャップを介
し同極対向状態とした場合の長手側面の表面磁束密度の
垂直成分を示すグラフである。
【図13】2個の永久磁石を軟磁性体を介し同極対向状
態とした場合の長手側面の表面磁束密度の垂直成分を示
すグラフである。
【図14】2個の永久磁石を軟磁性体を介し同極対向状
態とし、かつ軟磁性体ヨークを配置した場合の長手側面
の表面磁束密度の垂直成分を示すグラフである。
【符号の説明】
1 円筒状ヨーク 2A,2B,2C コイル 3 磁石可動体 4 ガイド筒体 5 円柱状永久磁石 6 円柱状軟磁性体 7,9 ピン 8A,8B 吸着板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宗野 尋之 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティ ーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−321854(JP,A) 特開 昭56−1763(JP,A) 実開 昭54−133316(JP,U) 実開 昭54−133314(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 33/16 H02K 41/02 H02K 41/03

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同極対向された少なくとも2個の永久磁
    石間に磁性体を設けて磁石可動体を構成し、少なくとも
    3連のコイルの内側に当該磁石可動体を移動自在に設
    け、前記少なくとも3連のコイルのうち中間位置のもの
    は端部位置のものよりも幅広であって前記永久磁石の同
    極対向端からの磁束と鎖交する配置であり、前記端部位
    置のものは前記永久磁石の端部磁極からの磁束と鎖交す
    る配置であり、かつ各コイルを、各永久磁石の磁極間を
    境にして相異なる方向に電流が流れる如く結線したこと
    を特徴とする可動磁石式アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記コイル外周側に磁性体ヨークを設け
    て、前記永久磁石の着磁方向に垂直な方向の磁束成分を
    増加させるための磁気回路を構成した請求項1記載の可
    動磁石式アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記磁石可動体がガイド体で移動自在に
    案内され、該ガイド体の少なくとも一端に前記磁石可動
    体が吸着する磁性吸着体を設けた請求項1記載の可動磁
    石式アクチュエータ。
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