JP2596857Y2 - 可動磁石式アクチュエータ - Google Patents
可動磁石式アクチュエータInfo
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Description
工作機械等において電気エネルギーを電磁作用により往
復運動エネルギー等に変換させる可動磁石式アクチュエ
ータに関する。
は、図8の第1従来例の構造を持つもの、及び図9の第
2従来例の構造を持つものがある。
に着磁した棒状の永久磁石からなる磁石可動体であり、
両端面に磁極を有している。コイル11A,11Bは、
磁石可動体10の端部外周側をそれぞれ環状に周回する
ように巻回され、隣合う部分に同極が発生するようにな
っている。なお、図示は省略してあるが、コイル11
A,11Bは通常磁石可動体10を軸方向に移動自在に
ガイドするためのガイド筒体に装着される。そして、磁
石可動体10の各端面からの磁束がそれぞれコイル11
A,11Bと鎖交している。
5は同極対向配置の2個の棒状永久磁石16A,16B
と、これらの永久磁石16A,16B間に固着される棒
状軟磁性体17とを固着一体化したものであり、コイル
18は磁石可動体15の中間部外周側をそれぞれ環状に
周回するように巻回されている。なお、図示は省略して
あるが、コイル18は通常磁石可動体15を軸方向に移
動自在にガイドするためのガイド筒体に装着される。そ
して、磁石可動体15の同極対向した永久磁石端面から
の磁束がコイル18と鎖交している。
いて、磁石可動体10,15に発生する推力は、基本的
にはフレミングの左手の法則に基づいて与えられる推力
に準ずるものである(フレミングの左手の法則はコイル
に対して適用されるが、ここではコイルが固定のため、
磁石可動体にコイルに作用する力の反力としての推力が
発生する。)。したがって、推力に寄与するのは、磁石
可動体が有する永久磁石の磁束の垂直成分(永久磁石の
軸方向に直交する成分)である。
2個の同極対向配置の永久磁石の場合について、磁束の
垂直成分がどのようになるのかそれぞれ解析してみた。
って表面磁束密度の垂直成分を磁場解析した結果を示
す。但し、永久磁石は希土類永久磁石であって、直径
2.5mm、長さ6mmで、永久磁石表面から0.25〜0.
45mm離れた位置を計測した。
とし、かつ直接接合した場合において、2個の永久磁石
の長手側面に沿って表面磁束密度の垂直成分を磁場解析
した結果を示す。但し、各永久磁石は希土類永久磁石で
あって、直径2.5mm、長さ3mm(2個で6mm)で、永
久磁石表面から0.25〜0.45mm離れた位置を計測し
た。
とし、かつ対向間隔を1mmとした場合において、2個の
永久磁石の長手側面に沿って表面磁束密度の垂直成分を
磁場解析した結果を示す。但し、各永久磁石は希土類永
久磁石であって、直径2.5mm、長さ3mmで、永久磁石
表面から0.25〜0.45mm離れた位置を計測した。
とし、かつ対向間隔を2mmとした場合において、2個の
永久磁石の長手側面に沿って表面磁束密度の垂直成分を
磁場解析した結果を示す。但し、各永久磁石は希土類永
久磁石であって、直径2.5mm、長さ3mmで、永久磁石
表面から0.25〜0.45mm離れた位置を計測した。
とし、かつ対向間隔を3mmとした場合において、2個の
永久磁石の長手側面に沿って表面磁束密度の垂直成分を
磁場解析した結果を示す。但し、各永久磁石は希土類永
久磁石であって、直径2.5mm、長さ3mmで、永久磁石
表面から0.25〜0.45mm離れた位置を計測した。
とし、両永久磁石間に長さ1mmの軟磁性体を配置した場
合において、2個の永久磁石の長手側面に沿って表面磁
束密度の垂直成分を磁場解析した結果を示す。但し、各
永久磁石は希土類永久磁石であって、直径2.5mm、長
さ3mmで、永久磁石表面から0.25〜0.45mm離れた
位置を計測した。
とし、両永久磁石間に長さ1mmの軟磁性体を配置し、さ
らに2個の永久磁石の外周に対向させて軟磁性体ヨーク
を配設した場合において、2個の永久磁石の長手側面に
沿って表面磁束密度の垂直成分を磁場解析した結果を示
す。但し、各永久磁石は希土類永久磁石であって、直径
2.5mm、長さ3mmで、ヨークは永久磁石を取り囲む円
筒形状で厚み0.5mm、長さ10mmで永久磁石外周から
1.25mm離間した位置となっており、表面磁束密度の
垂直成分は永久磁石表面から0.25〜0.45mm離れた
位置を計測した。
可動体に発生する推力は、基本的にはフレミングの左手
の法則に基づいて与えられる推力に準ずるものであり、
コイルと鎖交する永久磁石の磁束の垂直成分(永久磁石
の軸方向に直交する成分)が多いことが望まれるが、図
8の第1従来例では、表面磁束密度の垂直成分は図10
のようになり、図11乃至図16の2個の永久磁石を同
極対向配置とした場合に比較して垂直成分が少ないこと
が判明した。このため図8の第1従来例の構成では、推
力の向上に限界がある。例えば、磁石可動体10を直径
2.5mm、長さ6mmの希土類永久磁石で構成し、2個の
コイル11A,11Bの隣合う部分に同極が発生するよ
うに各コイル11A,11Bに40mAの電流を流した
ときに発生する推力F1は4.7(gf)であった。
対向の永久磁石間に軟磁性体を配した磁石可動体15を
用いており、磁束密度の垂直成分は図15に示す如くな
り、同極対向の永久磁石16A,16Bの磁極から出る
磁束は1個の永久磁石の場合(図10参照)や2個の永
久磁石のみの場合(図11乃至図14参照)よりも多く
なるが、コイルが磁石可動体15の中間部を囲む1個の
みであり、磁石可動体15の両端面の磁極による磁束は
有効に利用していない嫌いがある。このため、図9の第
2従来例の場合も推力の向上が難しかった。例えば、図
9の第2従来例において磁石可動体15として直径2.
5mm、長さ3mmの希土類永久磁石を2個用い(希土類永
久磁石の性能は第1従来例と同じとする)、かつ両者間
に長さ1mmの軟磁性体を配置したものを用い、図8の第
1従来例と同じ消費電力となるように作成したコイル1
8に40mAの電流を流し、第1従来例と同じ消費電力
としたときに発生する推力F2は5.6(gf)であっ
た。
合わせて磁石可動体を構成する場合、それらを確実に一
体化することが要求される。また、永久磁石に出力取り
出し用ピンを設けてアクチュエータを構成する場合、磁
石可動体や出力取り出し用ピンの無用のがたつき等を解
消することが望ましく、その点についての配慮も必要と
なる。
個の永久磁石を同極対向配置とした磁石可動体を用いし
かも永久磁石の磁極が発生する磁束を有効利用すること
で、推力の向上及び効率の向上を図るとともに、各永久
磁石を貫通軸体に固定して該貫通軸体を摺動自在に支持
する構造して、各永久磁石の固定を確実にしかつ組立を
容易とし、さらに磁石可動体の動きの円滑化を図った可
動磁石式アクチュエータを提供することを目的とする。
に、本考案の可動磁石式アクチュエータは、同極対向さ
れた少なくとも2個の永久磁石及びそれらの永久磁石間
に配された中間部磁性体を貫通する貫通軸体に、当該永
久磁石及び中間部磁性体を固定して磁石可動体を構成
し、磁性体ヨークの内側に少なくとも3連のコイルを固
着し、前記磁性体ヨーク側で支持された軸受部材で前記
貫通軸体を摺動自在に支持して前記少なくとも3連のコ
イルの内側に前記磁石可動体を移動自在に設け、前記磁
石可動体の外周側を周回する如く巻回された前記少なく
とも3連のコイルのうち中間位置のものは端部位置のも
のよりも幅広であって前記永久磁石の同極対向端からの
磁束と鎖交する配置であり、前記端部位置のものは前記
永久磁石の端部磁極からの磁束と鎖交する配置であり、
かつ各コイルは各永久磁石の磁極間を境にして相異なる
方向に電流が流れる如く結線された構成としている。
久磁石の外側端面に端部磁性体を設けてもよい。
の端部に前記磁石可動体を吸着する磁性吸着体を配置す
る構成としてもよい。
に、前記磁石可動体に接して前記磁石可動体を押し戻す
ばねを配設し、前記磁石可動体が両側の前記ばねにより
前記磁性体ヨークの中間位置に復帰するように構成して
もよいし、前記磁性体ヨークの端部位置に前記磁石可動
体に対して反発力を発生する戻し用永久磁石を配設する
ようにしてもよい。
磁石の端部側にクッションを配し、前記貫通軸体に係合
する一対の止め輪で前記クッション、前記永久磁石及び
中間部磁性体を挟持して当該貫通軸体に固定する構造と
してもよい。
原理を図6の参考例の概略構成図によって説明する。こ
の図6で、磁石可動体3は同極対向配置の2個の円柱状
永久磁石5A,5Bと、これらの永久磁石5A,5B間
に固着される円柱状軟磁性体(中間部磁性体)6とを一
体化したものであり、図15に示したように、磁束密度
の垂直成分(永久磁石の軸方向に直交する成分)が多い
構造となっている。3連のコイル2A,2B,2Cは、
磁石可動体3の外周側を周回する如く巻回され、磁石可
動体3を構成する永久磁石5Aの左端、永久磁石5A,
5Bの同極対向端、及び永久磁石5Bの右端の磁極から
の磁束とそれぞれ鎖交するように配置されている。これ
らのコイル2A,2B,2Cは永久磁石5A,5Bの磁
極間を境にして相異なる方向に電流が流れる如く結線さ
れている(磁極間の境は磁極と磁極の間であれば必ずし
も磁極中間位置になくともよい。)。なお、図示は省略
してあるが、コイル2A,2B,2Cは通常磁石可動体
3を軸方向に移動自在にガイドするためのガイド筒体に
装着される。コイル2A,2B,2Cと磁石可動体3と
の位置関係は、当該磁石可動体3の可動範囲において、
永久磁石磁極間を境にして各コイルに流れる電流が相互
に逆向きとなるように設定するのが普通である。
構造は、図15のように2個の永久磁石を同極対向させ
かつ永久磁石間に軟磁性体を配置したものである。この
図15のときは軟磁性体位置に相当する領域Qの表面磁
束密度の垂直成分は、軟磁性体の無い図11乃至図14
よりも優れている(磁束密度0.3T以上のピークの幅
が広くかつピークが高い。)。
同極対向させかつ永久磁石間に軟磁性体6を設けた磁石
可動体3は、フレミングの左手の法則に基づく推力に寄
与できる磁石可動体3の長手方向に垂直な磁束成分を大
きくでき、かつ3連のコイル2A,2B,2Cは永久磁
石の全磁極の磁束と有効に鎖交するので、3連のコイル
2A,2B,2Cに交互に逆極性の磁界を発生する向き
に電流を通電することにより、従来例では到達し得ない
大きな推力を発生することができる。各コイルの電流を
反転させれば磁石可動体3の推力の向きも反転する。交
流電流を流した場合には、一定周期で振動を繰り返すバ
イブレータとして働く。
合、例えば、磁石可動体3として直径2.5mm、長さ3m
mの希土類永久磁石を2個用い(希土類永久磁石の性能
は第1従来例と同じとする)、かつ両者間に長さ1mmの
軟磁性体を配置したものを用い、図8、図9の第1、第
2従来例と同じ消費電力となるように作成した3連のコ
イル2A,2B,2Cに40mAの電流を流し、同じ消
費電力としたときに発生する推力F3は6.7(gf)で
あった。これは、同一消費電力の第1従来例の場合の約
1.42倍の推力であり、また第2従来例の約1.2倍の
推力であり、第1及び第2従来例に比較して格段に優れ
ていることが判る。
場合の磁石可動体3の軸方向変位量と推力(gf)との関
係を示す。但し、永久磁石の寸法、特性は図15に示し
たものとするとともに、磁石可動体3の中間点が中央の
コイル2Bの中間点に位置するときを変位量零とし、各
コイルの電流は40mAとした。
加えて磁性ヨークを付加した場合(但し、永久磁石及び
ヨークの寸法、配置及び永久磁石の特性は図16の通
り)の磁石可動体3の軸方向変位量と推力(gf)との関
係であって変位量零の点から離れる方向に磁石可動体が
動作するときを示す。また、曲線(ハ)は、曲線(ロ)
と同じ条件下での磁石可動体3の軸方向変位量と推力
(gf)との関係であって変位量零の点に近付く方向に動
作するときを示す。但し、磁石可動体3の中間点が中央
のコイル2Bの中間点に位置するときを変位量零とし、
各コイルの電流は40mAとした。このように、磁性ヨ
ーク有りの場合に、磁石可動体3が変位量零の点に近付
くか又は離れるかによって推力が相違するのは、磁石可
動体3の永久磁石の磁極とヨークとの間に磁石可動体3
を変位量零点に戻す磁気吸引力が働いているからであ
る。
考例は、同極対向の永久磁石の組み合わせ構造体で磁石
可動体を構成しており、永久磁石の着磁方向(軸方向)
に垂直な磁束密度成分を充分大きくできかつ永久磁石の
全ての磁極の発生する磁束を有効利用できるので、磁石
可動体を取り巻くように周回した少なくとも3連のコイ
ルに流れる電流との間のフレミングの左手の法則に基づ
く推力を充分大きくでき、小型、小電流で大きな推力を
得ることができる。
図6の参考例の構造を前提とし、さらに複数の永久磁石
及び磁性体を確実に一体化して磁石可動体を作製し、か
つその磁石可動体の動きの円滑化を図っている。すなわ
ち、永久磁石及び該永久磁石間に配された磁性体を貫通
する貫通軸体に、当該永久磁石及び磁性体を固定して磁
石可動体を構成したことで、該永久磁石及び磁性体の貫
通軸体への固定を確実に実行でき、組立容易としてい
る。また、該貫通軸体を摺動自在に支持することで磁石
可動体が各コイルの内側をがたつきなく円滑に移動可能
とすることができ、その貫通軸体の端部を出力取り出し
用ピンとして利用できる。また、各コイルの外側に磁性
体ヨークを設けることで、推力の増大を図っている。
タの実施例を図面に従って説明する。
す。これらの図において、1は軟磁性体の円筒状ヨーク
であり、該円筒状ヨーク1の内側に3連のコイル2A,
2B,2Cが配置され、これらのコイル2A,2B,2
Cは磁石可動体3を移動自在に案内するためのガイド筒
体4を構成する絶縁樹脂等の絶縁部材で円筒状ヨーク1
に固着されている。このガイド筒体4の内周は円周面と
なっている。
あき円柱状希土類永久磁石5A,5B、それらの永久磁
石間に配置された穴あき円柱状中間部軟磁性体6及び前
記永久磁石5A,5Bの外側位置に配置された穴あき円
板状クッション板7A,7Bに金属貫通軸体8を挿通
し、該金属貫通軸体8の係合溝9に止め具(金属製Eリ
ング)20を嵌め込み係止して、当該金属貫通軸体8に
永久磁石5A,5B、中間部軟磁性体6及び円板状クッ
ション板7A,7Bを固定したものである。ここで、貫
通軸体8は非磁性又は磁性金属であり、クッション板7
A,7Bはシリコンゴム等の弾性材であり、多少圧縮状
態で一対の止め具20間に挟持されている。この結果、
クッション板7A,7Bは各永久磁石5A,5B及び軟
磁性体6の厚みのばらつきを吸収してがたつきを防止す
ることができる。なお、前記金属貫通軸体8に永久磁石
5A,5B及び軟磁性体6を一体化する際に接着剤を併
用してもよい。
磁石5A,5Bの磁極間を境にして相異なる方向に電流
が流れる如く結線されている。すなわち、中央のコイル
2Bは軟磁性体6及び永久磁石5A,5BのN極を含む
端部を囲み、両側のコイル2A,2Cは、永久磁石5
A,5BのS極を含む端部をそれぞれ囲むことができる
ように円環状に巻回されており、かつ中央のコイル2B
に流れる電流の向きと、両側のコイル2A,2Cの電流
の向きとは逆向きである(図1の各コイルに付したN,
Sを参照)。なお、前記中央のコイル2Bは端部のコイ
ル2A,2Cに比して幅広に構成されており、永久磁石
5A,5Bの同極対向側の磁束分布(端部の磁束よりも
多く、磁束の多い領域の幅も広い)を有効利用するよう
にしている。また、端部のコイル2A,2Cは幅が狭い
分、電流密度は高くなり永久磁石5A,5Bの端部側の
磁束分布(磁束の多い領域の幅が狭い)との間で効果的
に推力を発生できる。
非磁性のガイド筒体4の両端部に非磁性の側板21A,
21Bが嵌合、固着され、該側板21A,21Bの中央
部に焼結金属、高摺動性樹脂等の円筒状軸受部材22が
それぞれ固定支持されている。そして、各円筒状軸受部
材22の内周面にて永久磁石5A,5B及び軟磁性体6
に貫通、一体化された貫通軸体8が摺動自在に支えら
れ、該貫通軸体8の一方の端部は軸受部材外側に突出し
て、出力ピンとして利用できるようになっている。な
お、側板21A,21Bは前記ガイド筒体4の内周面に
嵌合する凸部23をそれぞれ有しており、該凸部23の
先端面が前記磁石可動体3の移動時にクッション板7
A,7Bに当接して当該磁石可動体3の移動範囲を規定
するようになっている。また、前記軸受部材22は非磁
性でも磁性体であってもよい。
B,2Cの外周側に軟磁性体の円筒状ヨーク1が設けら
れているため、磁石可動体3の表面磁束密度の垂直成分
は図6の参考例の場合よりもさらに増大する。このた
め、フレミングの左手の法則に基づく推力に寄与できる
磁石可動体3の長手方向に垂直な磁束成分を大きくで
き、磁石可動体3の周囲を環状に巻回する3連のコイル
2A,2B,2Cに交互に逆極性の磁界を発生する向き
に電流を通電することにより、いっそう大きな推力を発
生することができる。図1の極性では、磁石可動体3が
右方向に移動する向きであり、各コイルの電流を反転さ
せれば磁石可動体3の推力の向きも反転する。交流電流
を流した場合には、一定周期で振動を繰り返すバイブレ
ータとして働く。
5B、穴あき円柱状中間部軟磁性体6及び穴あき円板状
クッション板7A,7Bに金属貫通軸体8を挿通し、該
金属貫通軸体8の係合溝9に止め具20を嵌め込み係止
して磁石可動体3を構成しており、永久磁石5A,5B
及び中間部軟磁性体6の固定、一体化を確実に実行で
き、しかも組立容易である。
を軸受部材22で摺動自在に支持することで、磁石可動
体3のがたつきを無くしてを常時ガイド筒体4の内周中
心と同心状態に規制でき、しかも永久磁石5A,5Bや
軟磁性体6を一体化するためのホルダ等を永久磁石外周
側に被せる必要がなく、永久磁石5A,5Bの外周面と
コイル2A,2B,2Cとの間隙を必要最小限に設定で
き、推力の向上に有効である。また、磁石可動体3がガ
イド筒体4の内周面に接触しなくなるため、磁石可動体
3を軸方向に円滑に移動させることが可能であり、磁石
可動体3やガイド筒体4の摩耗等の問題も解消できる。
端部の側板21A,21Bのいずれか一方又は両方を軟
磁性体とすれば、軟磁性体で形成した側板を磁石可動体
3を吸着する磁性吸着体として機能させることができ
る。
性体とした場合、コイル2A,2B,2Cに通電されて
いない状態では磁石可動体3はどちらかの側板に吸着保
持され、現在吸着している側板から磁石可動体3が離脱
する向きに各コイル2A,2B,2Cで推力を発生させ
れば、反対側の側板方向に磁石可動体3が移動して吸着
停止する。
着体とすれば、コイル2A,2B,2Cに通電されてい
ない状態では、常に磁石可動体3が一方の側板に吸着保
持されるように設定できる。
において、軟磁性体の円筒状ヨーク1及び非磁性のガイ
ド筒体4の両端部に非磁性の側板21C,21Dが嵌
合、固着され、該側板21C,21Dの内面と磁石可動
体3側の円板状クッション板7A,7B間に圧縮ばね2
4が配設されている。該圧縮ばね24は磁石可動体3に
接して磁石可動体3を中間位置に押し戻す作用を有す
る。なお、その他の構成は前述の第1実施例と同じであ
る。
2B,2Cに通電されていない状態では、磁石可動体3
は左右の圧縮ばね24の弾性力で円筒状ヨーク1内の中
間位置に復帰しており、各コイル2A,2B,2Cに直
流電流を通電することで磁石可動体3を一方に駆動する
ことができる。また、交流電流を通電すれば、磁石可動
体3は往復運動してバイブレータして動作するが、磁石
可動体3はある程度変位した所で圧縮ばね24の弾性力
で中間位置に戻されるため、磁石可動体3が側板21
C,21Dに衝突して衝撃音を発生することを防止でき
る。
において、軟磁性体の円筒状ヨーク1及び非磁性のガイ
ド筒体4の両端部に非磁性の側板21A,21Bが嵌
合、固着され、該側板21A,21Bの凸部23の内周
に戻し用環状永久磁石25がそれぞれ固定されている。
そして、該戻し用環状永久磁石25及び軸受部材22の
内周穴を磁石可動体3の貫通軸体8が貫通している。前
記戻し用環状永久磁石25は、磁石可動体3が有する永
久磁石5A,5Bの外側端面の磁極との間で反発力を発
生する磁極を磁石可動体3への対向面に有している。例
えば図4では、永久磁石5A,5Bの外側端面のS極に
戻し用環状永久磁石25のS極が対向している。なお、
その他の構成は前述の第1実施例と同じである。
2B,2Cに通電されていない状態では、磁石可動体3
は永久磁石5A,5Bと左右の戻し用環状永久磁石25
の反発力で円筒状ヨーク1内の中間位置に復帰してお
り、各コイル2A,2B,2Cに直流電流を通電するこ
とで磁石可動体3を一方に駆動することができる。ま
た、交流電流を通電すれば、磁石可動体3は往復運動し
てバイブレータして動作するが、磁石可動体3はある程
度変位した所で永久磁石5A,5Bと左右の環状永久磁
石25の反発力で中間位置に戻されるため、磁石可動体
3が側板21A,21Bや環状永久磁石25に衝突して
衝撃音を発生することを防止できる。
において、磁石可動体3Aは、同極対向された2個の穴
あき円柱状希土類永久磁石5A,5B、それらの永久磁
石間に配置された穴あき円柱状中間部軟磁性体6、前記
永久磁石5A,5Bの外側に配置された穴あき円板状端
部軟磁性体26及び該端部軟磁性体26の外側位置に配
置された穴あき円板状クッション板7A,7Bに金属貫
通軸体8を挿通し、該金属貫通軸体8の係合溝9に止め
具(金属製Eリング)20を嵌め込み係止して、当該金
属貫通軸体8に永久磁石5A,5B、中間部軟磁性体
6、端部軟磁性体26及び円板状クッション板7A,7
Bを固定したものである。ここで、貫通軸体8は非磁性
又は磁性金属であり、クッション板7A,7Bはシリコ
ンゴム等の弾性材であり、多少圧縮状態で一対の止め具
20間に挟持されている。この結果、クッション板7
A,7Bは各永久磁石5A,5B、軟磁性体6,26の
厚みのばらつきを吸収してがたつきを防止することがで
きる。なお、前記金属貫通軸体8に永久磁石5A,5
B、軟磁性体6,26を一体化する際に接着剤を併用し
てもよい。前記端部軟磁性体26の肉厚は、中間部軟磁
性体6の1/2〜1倍程度に設定される。なお、その他
の構成は前述の第1実施例と同じである。
する永久磁石5A,5Bの外側端面に端部軟磁性体26
が配置されており、永久磁石5A,5Bの外側端面の磁
極から出た磁束が端部軟磁性体26の存在で垂直方向に
曲がり易くなる等の理由で永久磁石5A,5Bの外側部
分での磁束密度の垂直成分(永久磁石の軸方向に直交す
る成分)が増大する。すなわち、フレミングの左手の法
則に基づく推力に寄与できる磁石可動体3Aの長手方向
に垂直な磁束成分を大きくでき、磁石可動体3Aの周囲
を環状に巻回する3連のコイル2A,2B,2Cに交互
に逆極性の磁界を発生する向きに電流を通電することに
より、いっそう大きな推力を発生することができる。例
えば、端部軟磁性体の無い第1実施例の場合に比較して
数%乃至10%程度の推力向上が得られる。
の同極対向の永久磁石と両永久磁石間の軟磁性体を備え
る磁石可動体3を例示したが、3個以上の同極対向の永
久磁石と両永久磁石間の軟磁性体を備える構成としても
よく、これに対応させてコイル数も4個以上とすること
ができる。
向の永久磁石と両永久磁石間の中間部軟磁性体と2個の
永久磁石の外側の端部軟磁性体とを備える磁石可動体3
Aを例示したが、3個以上の同極対向の永久磁石と両永
久磁石間の軟磁性体と両端に位置する永久磁石の外側の
端部軟磁性体とを備える構成としてもよく、これに対応
させてコイル数も4個以上とすることができる。また、
第4実施例の構成に加えて、第2及び第3実施例で述べ
た磁石可動体を中間位置に押し戻す圧縮ばね24あるい
は環状永久磁石25を設けるようにしても差し支えな
い。
の貫通軸体の両側を軸受で支持したが、貫通軸体の片側
のみを軸受で支持する構造を採用してもよい。この場
合、軸受部材も一方のみとなる(但し、軸受部材を長め
にすることが望ましい。)。
省略して各コイル2A,2B,2Cをヨーク1の内周側
に絶縁固定する構造を採用することも可能である。
イド筒体4を用いたが、角筒状等のヨーク及びガイド筒
体を採用することもでき、この場合も各コイルは磁石可
動体の外周を周回するように巻回すればよい。
式アクチュエータによれば、同極対向された少なくとも
2個の永久磁石間に中間部磁性体を配置して貫通軸体に
一体化した磁石可動体を用い、該貫通軸体を軸受部材で
摺動自在に支える構成としたので、磁石可動体の長手方
向(永久磁石の着磁方向)に垂直な磁束成分を充分大き
くでき、かつ磁性体ヨークの内側に磁石可動体の周囲を
取り巻くように少なくとも3連のコイル(中間位置のも
のは端部位置のものよりも幅広)を巻回して磁石可動体
の各磁極が発生する磁束と有効に鎖交可能としたので、
前記垂直な磁束成分と各コイルに流れる電流との間のフ
レミングの左手の法則に基づいて与えられる推力を充分
大きくできる。また、貫通軸体を用いることで複数個の
永久磁石及び中間部磁性体を当該貫通軸体に確実に固定
でき、堅牢な磁石可動体を構成でき、組立作業も簡単と
なる。また、貫通軸体を用いたことにより、複数個の永
久磁石及び中間部磁性体を一体化するために永久磁石や
中間部磁性体の外周を覆う非磁性ホルダ等は使用しなく
てもよくなり、永久磁石外周面と各コイル間の間隙を少
なくして推力のいっそうの向上を図ることができる。そ
して、磁石可動体の出力取り出し用ピンとして機能する
貫通軸体を前記3連のコイルに対して一定位置関係にあ
る軸受部材で支持することで、磁石可動体の移動を円滑
化することができ、小型、小電流で大きな推力を持つ信
頼性の高い可動磁石式アクチュエータを実現できる。
実施例を示す正断面図である。
図である。
力との関係を示すグラフである。
方向に平行な面)の表面磁束密度の垂直成分(長手側面
に垂直な成分)を示すグラフである。
態とした場合の長手側面の表面磁束密度の垂直成分を示
すグラフである。
し同極対向状態とした場合の長手側面の表面磁束密度の
垂直成分を示すグラフである。
し同極対向状態とした場合の長手側面の表面磁束密度の
垂直成分を示すグラフである。
し同極対向状態とした場合の長手側面の表面磁束密度の
垂直成分を示すグラフである。
態とした場合の長手側面の表面磁束密度の垂直成分を示
すグラフである。
態とし、かつ軟磁性体ヨークを配置した場合の長手側面
の表面磁束密度の垂直成分を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 同極対向された少なくとも2個の永久磁
石及びそれらの永久磁石間に配された中間部磁性体を貫
通する貫通軸体に、当該永久磁石及び中間部磁性体を固
定して磁石可動体を構成し、磁性体ヨークの内側に少な
くとも3連のコイルを固着し、前記磁性体ヨーク側で支
持された軸受部材で前記貫通軸体を摺動自在に支持して
前記少なくとも3連のコイルの内側に前記磁石可動体を
移動自在に設け、前記磁石可動体の外周側を周回する如
く巻回された前記少なくとも3連のコイルのうち中間位
置のものは端部位置のものよりも幅広であって前記永久
磁石の同極対向端からの磁束と鎖交する配置であり、前
記端部位置のものは前記永久磁石の端部磁極からの磁束
と鎖交する配置であり、かつ各コイルは各永久磁石の磁
極間を境にして相異なる方向に電流が流れる如く結線さ
れていることを特徴とする可動磁石式アクチュエータ。 - 【請求項2】 前記磁石可動体の両端に位置する永久磁
石の外側端面に端部磁性体を設けた請求項1記載の可動
磁石式アクチュエータ。 - 【請求項3】 前記磁性体ヨークの少なくとも一方の端
部に前記磁石可動体を吸着する磁性吸着体を配置した請
求項1又は2記載の可動磁石式アクチュエータ。 - 【請求項4】 前記磁性体ヨークの両端部位置に、前記
磁石可動体に接して前記磁石可動体を押し戻すばねを配
設し、前記磁石可動体が両側の前記ばねにより前記磁性
体ヨークの中間位置に復帰するように構成した請求項1
又は2記載の可動磁石式アクチュエータ。 - 【請求項5】 前記磁性体ヨークの端部位置に前記磁石
可動体に対して反発力を発生する戻し用永久磁石を配設
した請求項1又は2記載の可動磁石式アクチュエータ。 - 【請求項6】 前記磁石可動体における前記永久磁石の
端部側にクッションを配し、前記貫通軸体に係合する一
対の止め輪で前記クッション、前記永久磁石及び中間部
磁性体を挟持して当該貫通軸体に固定した請求項1,
2,3,4又は5記載の可動磁石式アクチュエータ。
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