JP3500402B2 - リニアアクチュエータ - Google Patents

リニアアクチュエータ

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JP3500402B2
JP3500402B2 JP2000133173A JP2000133173A JP3500402B2 JP 3500402 B2 JP3500402 B2 JP 3500402B2 JP 2000133173 A JP2000133173 A JP 2000133173A JP 2000133173 A JP2000133173 A JP 2000133173A JP 3500402 B2 JP3500402 B2 JP 3500402B2
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清 川口
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博 萩原
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Ogura Clutch Co Ltd
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Railway Technical Research Institute
Ogura Clutch Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種制御機器、電
子機器、工作機械、鉄道車両等に使用されるリニアアク
チュエータに関し、特に鉄道車両やエレベータのブレー
キに用いて好適なリニアアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】電気エネルギーを電磁作用によって往復
運動エネルギーに変換するリニアアクチュエータとして
は、従来から種々提案されている。例えば、実用新案登
録第2596857号(以下、先行技術という)に記載
された可動磁石式アクチュエータは、軸線方向に着磁さ
れ同極どうしが対向する少なくとも2つ永久磁石と、こ
れらの永久磁石の間に介在された中間部磁性体とに貫通
軸体を貫通させてこれらを一体化することにより磁石可
動体を構成し、この磁石可動体を軸受部材によって軸線
方向に摺動自在に支持し、この軸受部材に前記永久磁石
の外周を取り囲む少なくとも3連のコイルを配設し、こ
れらのコイルを隣り合うコイルどうしの対向端面に同極
が発生するように通電励磁することにより、前記磁石可
動体を軸線方向へ移動させるようにしている。また、こ
の可動磁石式アクチュエータは、永久磁石の同極対向側
の磁束分布を有効利用し推力の増大化を図るために、中
央のコイルを両側2つのコイルよりも幅広に形成してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た先行技術に記載された可動磁石式アクチュエータは、
円筒状ヨークの内周にコイルを絶縁樹脂等の絶縁部材に
よって固着し、隣接するコイル間に絶縁部材を介在させ
ているので、コイルの磁路の透磁率が低く、磁石可動体
に作用する推力を大きくすることができないという問題
があった。また、磁石可動体には同極を対向させて配設
された永久磁石のみであるため、磁束密度の垂直成分の
分布が山形になり、推力リップル(推力変動)が発生し
易い。何故なら、大きな推力を得るために永久磁石の着
磁力が非常に大きいアクチュエータの場合、スラスト方
向に移動する磁石可動体が電磁コイルの磁場内において
安定した位置に位置しようとする抵抗力が大きく、推力
による磁石可動体の円滑な移動ができないからである。
さらに、従来のアクチュエータは、通電によって急激に
作動するため、車両等のジャーク(加速度の変化する割
合)を徐々に変化させる必要がある場合には適用するこ
とができない。例えば、一般に鉄道車両などの乗物に用
いられる制動装置は、急激な制動による車両の停止では
なく、徐々に減速度を高める必要があるため、上記アク
チュエータをそのまま使用することができず、適宜な機
構ないし手段を設けて磁石可動体の移動速度を調整する
必要がある。
【0004】本発明は上記した従来の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、大きな
推力と円滑な作動が得られるようにしたリニアアクチュ
エータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、同一軸線上に少なくともいずれか一方
が他方に対して軸線方向に相対移動可能に配設された
磁性材料からなる第1、第2の部材と、前記第1の部材
の外周に極性方向を90°ずつ回転させて並設された複
数個の永久磁石と、前記第2の部材に前記永久磁石の外
周を取り囲むように配設され、隣り合うコイルどうしの
対向端面に同極が発生するように励磁される複数個の電
磁コイルと、内周面中央に前記各電磁コイルを収納する
環状溝が形成された筒状体からなるコイル用ヨークと、
前記電磁コイルの非励磁時において前記第1、第2の部
材のうち少なくともいずれか一方を移動させて非励磁位
置に保持するばねと、前記ばねによって移動される前記
第1の部材または前記第2の部材の移動を制限するスト
ッパとを備えたものである。
【0006】 第2の発明は、上記第1の発明におい
て、前記電磁コイルに位相をずらして通電し順次励磁す
るものである。
【0007】
【0008】
【0009】 第3の発明は、上記第1または第2の発
明において、前記第2の部材内に粘性流体を封入したも
のである。
【0010】本発明において、電磁コイルは通電によっ
て隣り合うものどうしの対向端面が同極になるように励
磁され、永久磁石との磁気作用により、第1、第2の部
材を軸線方向に相対移動させる。この場合、第1、第2
の部材は、互いに離間または接近する方向に移動する可
動体を構成するかまたはいずれか一方のみが移動する可
動体を構成し、他方が固定されているものであってもよ
い。電磁コイルを収納するヨークは、磁気回路を形成し
磁束の漏洩を少なくするので、大きな推力が得られる。
永久磁石は極性方向を90°ずつ回転させて並設されて
いるので、磁束密度垂直成分の分布が台形となり、同極
を対向させて配置した場合に比べて推力リップルは小さ
い。電磁コイルを位相をずらして順次通電励磁すると、
徐々に制動することができる。ばねとしては、例えば圧
縮コイルばねが用いられ、非励磁時において第1、第2
の部材を相対的に反対方向に付勢し、非励磁位置に保持
する。粘性流体は、第1、第2の部材が相対的に移動す
ると、第2の部材内を移動する。このときの粘性抵抗に
より第1、第2の部材の急激な移動を抑制する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るリ
ニアアクチュエータをドラムブレーキ装置に用いた一実
施の形態を示す制動解放時(励磁時)の正面図、図2は
制動解放時の断面図、図3は制動時(非励磁時)の断面
図、図4は永久磁石の断面図、図5(a)、(b)は電
磁コイルの外観斜視図および断面図、図6(a)、
(b)は通電直後と制動状態における磁束の流れを示す
図である。
【0012】図1において、ドラムブレーキ装置1は、
リニアアクチュエータ2と、ドラム等の被制動回転体3
を挟んで対向する左右一対の回動アーム4A,4Bと、
これらの回動アーム4A,4Bの回動支点寄りにそれぞ
れ取付けられ、リニアアクチュエータ2の非励磁時にお
いて前記被制動回転体3の外周に押し付けられる摩擦部
材5,5等によって構成されている。被制動回転体3
は、モータハウジング7から突出する回転軸6の突出端
部に取付けられている。回動アーム4A,4Bの基端
は、支持軸8によってそれぞれ回動自在に枢支され、揺
動端が前記リニアアクチュエータ2にそれぞれ連結され
ている。なお、リニアアクチュエータ2は、モータハウ
ジング7にガイドされている。
【0013】図2〜図5において、前記リニアアクチュ
エータ2は、軸線を一致させて配設され互いに接近離間
する方向に移動自在な第1、第2の部材10,11と、
これらの第1、第2の部材10,11にそれぞれ設けら
れた13個の永久磁石12(12a〜12m)および6
個の電磁コイル13(13a〜13f)と、第1、第2
の部材10,11を互いに反対方向に付勢することによ
り前記電磁コイル13の非励磁時において図3に示す互
いに接近した非制動位置(非励磁位置)に保持するばね
(以下、制動ばねという)14等を備え、この非励磁状
態において前記回動アーム4A,4Bを閉方向に回動さ
せて前記摩擦部材5,5を被制動回転体3の外周に押し
付けることにより被制動回転体3を制動している。
【0014】前記第1の部材10は、ステンレス鋼等の
非磁性材料によって形成された可動軸で、前記第2の部
材11内に一端部を外部に突出させた状態で収納され、
両端部が第2の部材11に設けた軸受孔15,16によ
って摺動自在に支持されている。軸受孔15から外部に
突出する突出端部10aは、一方の回動アーム4Aの揺
動端に揺動可能に連結されている。軸受孔15は第2の
部材11の一端部を貫通するように形成されている。ま
た、第1の部材10の突出端部10a寄りには、前記第
2の部材11内に位置する大径部17が一体に設けら
れ、突出端部10aとは反対側の内端10b寄りには、
ナット19が雄ねじ部18に螺合することによって設け
られており、このナット19と前記大径部17との間の
外周部分に前記永久磁石12a〜12mが密接して装着
されている。
【0015】前記永久磁石12a〜12mはリング状に
形成され、前記第1の部材10の軸線方向に並設されて
いる。また、永久磁石12a〜12mは全て同一の外径
と内径を有するが、その極性の方向(N極からS極への
方向)が第1の部材10の軸線(X軸方向)を含む同一
面内において直交するZ軸に対して90°ずつ順番に回
転するように着磁されている。例えば、図2に示すよう
に左端の磁石12aは内周がN極、外周がS極になるよ
うにラジアル方向に着磁され、左端から2番目の磁石1
2bは左端がS極、右端がN極となるように軸線方向に
着磁され、さらに左端から3番目の磁石12cは外周が
N極、内周がS極になるようにラジアル方向に着磁され
ている。ここで、本実施の形態においては永久磁石12
a〜12mの極性をZ軸に対して反時計方向に90°ず
つ回転させて着磁したものを配設しているが、時計方向
に90°ずつ回転させて着磁したものであってもよい。
そして、両端の永久磁石12a,12mは、他の磁石1
2b〜12lよりも長さが短く形成されている。なお、
永久磁石12a,12mの軸線方向の長さは10mm、
永久磁石12b〜12lの軸線方向の長さは20mmで
ある。
【0016】図2および図3において、前記第2の部材
11は、ステンレス鋼等の非磁性材料からなる4つの円
筒部材11a〜11dによって一端が開放する筒状体に
形成され、前記第1の部材10とは反対方向に移動する
可動体を構成するもので、前記第1の部材10を移動自
在に収納するとともにオイル等の粘性流体26が封入さ
れている。前記4つの円筒部材11a〜11dは、軸線
を一致させて嵌合し、複数個のボルト27によって一体
的に連結されている。これらの円筒部材11a〜11d
の接合面には、粘性流体26の漏洩を防止するために図
示しないシール部材が介在されている。また、左端の円
筒部材11aの軸受孔15は、粘性流体26の漏洩を防
止するためにシール部材28によって液密に封止されて
いる。さらに、円筒部材11aの内部と前記第1の部材
10の大径部17との間には、前記制動ばね14が弾装
されており、これによって第1の部材10を図2におい
て右方へ、第2の部材11を左方へ付勢している。右端
の円筒部材11dは、第2の部材11の閉塞端を形成す
るもので、他方の回動アーム4Bの揺動端が揺動可能に
連結されている。また、円筒部材11dの内部には、前
記第1の部材10の内端10b側を摺動自在に支持する
前記軸受孔16が形成されている。この軸受孔16は不
貫通孔からなり、内部には前記第1の部材10を左方へ
付勢する衝撃吸収用ばねとして機能する圧縮コイルばね
29が組み込まれている。この圧縮コイルばね29のば
ね力は、前記制動ばね14に比べて十分に小さく設定さ
れている。さらに軸受孔16の開口には、前記ナット1
9が当たることにより第1の部材10の右方への移動を
制限するストッパ30が配設されている。
【0017】前記電磁コイル13a〜13fは、前記永
久磁石12の外周を取り囲むように前記円筒部材11c
の内周にコイル用ヨーク33を介して軸線方向に並設さ
れている。また、電磁コイル13a〜13fは、通電時
に隣り合うコイルどうしの対向端面に同極が発生するよ
うに励磁されるもので、このため隣り合うものどうしの
コイルの巻線方向が交互に反対方向になるように巻回さ
れて図示しない直流電源に直列(または並列)に接続さ
れている。この場合、隣り合う電磁コイル13aと13
b、13cと13d、13eと13fの対向端面がN極
で、電磁コイル13bと13c、13dと13eの対向
端面がS極になるように励磁される。そして、電磁コイ
ル13a〜13fは、リニアアクチュエータ2が組み立
てられて第1の部材10のナット19を制動ばね14に
よってストッパ30に圧接した状態において、図3およ
び図6(a)に示すようにラジアル方向に着磁された永
久磁石12c、12e,12g,12i,12k,12
mとそれぞれ対向するように第2の部材11内に配設さ
れている。
【0018】前記コイル用ヨーク33は、図5に示すよ
うに機械構造用炭素鋼材等の磁性材料によって内フラン
ジ31aを有する円筒体に形成された第1ヨーク31
と、同じく同一材料によって円板状に形成され第1ヨー
ク31の内周に嵌合する第2ヨーク32とからなり、こ
の第2ヨーク32と前記第1ヨーク31の内周および前
記内フランジ31aとで前記電磁コイル13を収納する
環状溝34を形成している。コイル用ヨーク33の軸線
方向の長さは40mm、板厚は10mm、電磁コイル1
3の軸線方向の長さは20mmである。
【0019】前記第2の部材11の内部で開放端側と閉
塞端側は、前記粘性流体26が封入される室36a,3
6bをそれぞれ形成している。また、これらの室36
a,36bは、前記永久磁石12とコイル用ヨーク33
との間に形成された磁気ギャップを介して互いに連通し
ている。
【0020】このような構造からなるドラムブレーキ装
置1は、電磁コイル13に通電している状態において被
制動回転体3の制動を解放し、通電を停止すると被制動
回転体3を制動する無励磁作動型のブレーキ装置を構成
する。すなわち、図3に示すように通電を停止した非励
磁時においては、永久磁石12と電磁コイル13との間
に電磁作用が生じず、制動ばね14のばね力によって第
1の部材10を右方へ、第2の部材11を左方へそれぞ
れ移動させ、ナット19がストッパ30に当接してい
る。この状態において、第1、第2の部材10,11が
揺動端に連結された左右一対の回動アーム4A,4B
は、閉方向に回動して摩擦部材5で被制動回転体3を挟
圧し、その摩擦力によって被制動回転体3を制動する。
【0021】摩擦部材5により被制動回転体3を制動し
た状態において、電磁コイル13a〜13fは上記した
通りラジアル方向に着磁された永久磁石12c、12
e,12g,12i,12k,12mとそれぞれ対向
し、各電磁コイル13a〜13fを収納するコイル用ヨ
ーク33の内フランジ31aと第2ヨーク32は軸線方
向に着磁された永久磁石12b,12d,12f,12
h,12j,12lとそれぞれ対向している。
【0022】電磁コイル13a〜13fに通電すると、
図3に示すように隣り合う2つの電磁コイル13aと1
3b、13cと13d、13eと13fの対向端面がN
極に、電磁コイル13bと13c、13dと13eの対
向端面がS極になるようにそれぞれ励磁される。この磁
極は、通電状態において変わることはない。
【0023】図6(a)は、通電直後における磁束の流
れを3個の電磁コイル13a,13b,13cについて
示したものである。この図から明らかなように、左端の
電磁コイル13aの磁束φ1は、コイル用ヨーク33の
N極−永久磁石12e−永久磁石12d−永久磁石12
c−コイル用ヨーク33のS極を通り、ヨーク内部を通
ってN極に至る閉ループを形成する。左端から2番目の
電磁コイル13bの磁束φ2は、コイル用ヨーク33の
N極−永久磁石12e−永久磁石12f−永久磁石12
g−コイル用ヨーク33のS極を通り、ヨーク内部を通
ってN極に至る閉ループを形成する。左端から3番目の
電磁コイル13cの磁束φ3は、コイル用ヨーク33の
N極−永久磁石12i−永久磁石12h−永久磁石12
g−コイル用ヨーク33のS極を通り、ヨーク内部を通
ってN極に至る閉ループを形成する。
【0024】ここで、ラジアル方向に着磁されている永
久磁石12c,12e,12gは、電磁コイル13a,
13b,13cとそれぞれ対向し、コイル用ヨーク33
のN,S極とは軸線方向にずれている。このため、電磁
コイル13aを通電励磁すると、永久磁石12cと電磁
コイル13aとの間には矢印50で示す吸引力と矢印5
1で示す斥力が生じる。永久磁石12e,12gと電磁
コイル13b,13cについても同様に吸引力と斥力が
生じる。したがって、永久磁石12(12a〜12m)
と電磁石13(13a〜13f)間に生じる前記吸引力
と斥力によって、永久磁石12は図6(b)に示すよう
に左方へ、電磁コイル13は右方へ移動する。この結
果、第1の部材10と第2の部材11は、制動ばね14
に抗して図2に示すように左方と右方へそれぞれ移動し
て一対の回動アーム4A,4Bを開方向に回動させ、摩
擦部材5を被制動回転体3から離間させる。第1、第2
の部材10,11が互いに反対方向へ移動して、図6
(b)に示すように電磁コイル13a,13b,13c
・・・が軸線方向に着磁された永久磁石12d,12
f,12h・・・と対向し、各コイル用ヨーク33がラ
ジアル方向に着磁された永久磁石12c,12e,12
g・・・とそれぞれ対向すると、ヨーク33のN,S極
と永久磁石12c,12e,12g,12h・・・の対
向磁極との間の距離が最も短くなり、かつ異極どうしの
対向となって吸引力のみとなるので、第1、第2の部材
10,11はその位置で停止し、制動を解放した状態と
なる。
【0025】このようなリニアアクチュエータ2におい
ては、電磁コイル13をコイル用ヨーク33によって収
納しているので、磁束の漏洩が少なく、大きな推力を得
ることができる。また、永久磁石12は極性方向を90
°ずつ回転させて並設されているので、磁束密度の垂直
成分の分布が台形となり、同極どうしを対向させて配設
した場合に比べて推力リップルを小さくすることができ
る。したがって、第1、第2の部材10,11を円滑に
作動させることができる。
【0026】さらに、電磁コイル13への通電を停止し
て制動を解放した状態から制動状態に切り替え、制動ば
ね14の力により第1の部材10を右方へ、第2の部材
11を左方へ移動させたとき、この移動に伴い粘性流体
26が他方の室36bから永久磁石12とコイル用ヨー
ク33との間の磁気ギャップを通って一方の室36aへ
移動する。このとき、前記磁気ギャップは狭いため、粘
性流体26の流体抵抗が大きくなり、第1、第2の部材
10,11の急激な移動を抑制する。したがって、ジャ
ークを徐々に変化させる必要がある鉄道車両用のブレー
キ装置、例えば異常事態が発生したときの緊急停止のた
めの非常用ブレーキ、常用ブレーキ装置が故障したとき
や停電したときなど緊急時に車両を制動する保安用ブレ
ーキ、常用ブレーキにより減速され停止した車両を保持
する停留ブレーキ等に用いて好適である。また、エレベ
ータのブレーキ装置にも用いることができる。
【0027】なお、上記した実施の形態においては、第
1、第2の部材10,11を共に可動体とし、互いに反
対方向へ移動させる構成としたが、本発明はこれに何等
限定されるものではなく、いずれか一方のみを可動体と
し、他方を固定してもよい。例えば、永久磁石12を備
えた第1の部材10を可動体とすると、可動磁石式アク
チュエータとすることができる。その場合、軸線が被駆
動回転体3の中心を通るように第1の部材10を下に向
けてリニアアクチュエータ2を垂直に配設し、第1の部
材10の下端を左右一対の回動アーム4A,4Bの揺動
端にリンク機構等を介して連結すると、第1の部材10
の上下動に伴い両アーム4A,4Bを開閉させることが
できる。
【0028】また、本発明は無励磁作動型のブレーキ装
置に用いられるものに限らず、コイルの通電状態におい
て被制動回転体3を制動し、通電を停止すると被制動回
転体3の制動を解放する励磁作動型のブレーキ装置にも
用いることができる。この場合は、コイルへの通電方向
を切り替えることにより制動ばねが不要である。また、
例えば第2の部材11の外周にフィンを設けて放熱効果
を高めるようにしたり、電磁コイル13a〜13fを順
次位相をずらして通電し励磁してもよい。位相を順次ず
らして通電した場合は、推力が小さくなり制動力を調整
することができるので、粘性流体を必要とせず急激な制
動トルクの上昇が緩和され、鉄道車両などの乗物に用い
られる制動装置のアクチュエータとして好適である。ま
た、制動ばね14は、圧縮コイルばねに限らず引張りコ
イルばねであってもよく、第2の部材11の外部に取付
けられるものであってもよい。さらに、第1ヨーク31
の内フランジ31aの先端部と第2ヨーク32の内周端
部を内側に折り曲げて電磁コイル13の内周面を覆う延
長部を設けると、磁気回路内の磁束密度の変動が抑制さ
れ、リニアリティを改善することができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るリニア
アクチュエータは、同一軸線上に少なくともいずれか一
方が他方に対して軸線方向に相対移動可能に配設された
非磁性材料からなる第1、第2の部材と、前記第1の部
材の外周に極性方向を90°ずつ回転させて並設された
複数個の永久磁石と、前記第2の部材に前記永久磁石の
外周を取り囲むように配設され、隣り合うコイルどうし
の対向端面に同極が発生するように励磁される複数個の
電磁コイルと、内周面中央に前記各電磁コイルを収納す
る環状溝が形成された筒状体からなるコイル用ヨーク
と、前記電磁コイルの非励磁時において前記第1、第2
の部材のうち少なくともいずれか一方を移動させて非励
磁位置に保持するばねと、前記ばねによって移動される
前記第1の部材または前記第2の部材の移動を制限する
ストッパとで構成したので、第1、第2の部材を大きな
推力でその軸線方向に相対的に移動させることができ、
しかも推力リップルが小さく、円滑に作動させることが
できる。また、電磁コイルを順次位相をずらして通電励
磁すると、徐々に制動することができ、急激な制動トル
クの上昇を緩和することができる。
【0030】また、本発明は、電磁コイルの非励磁時に
おいて第1、第2の部材の少なくともいずれか一方を移
動させるばねを備えているので、非励磁位置に安定した
状態で保持することができる。また、ヨークによって磁
束密度の漏洩を防止することができるので、より大きな
推力を得ることができる。
【0031】さらに、本発明は、第2の部材内に粘性流
体を封入しているので、第1、第2の部材の相対的移動
時に粘性流体の粘性抵抗により第1、第2の部材の急激
な移動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るリニアアクチュエータをドラム
ブレーキ装置に用いた一実施の形態を示す制動解放時
(励磁時)の正面図である。
【図2】 制動解放時の断面図である。
【図3】 制動時(非励磁時)の断面図である。
【図4】 永久磁石の断面図である。
【図5】 (a)、(b)は電磁コイルの外観斜視図お
よび断面図である。
【図6】 (a)、(b)は通電直後と制動状態におけ
る磁束の流れを示す図である。
【符号の説明】
1…ドラムブレーキ装置、2…リニアアクチュエータ、
3…被制動回転体、4A,4B…回動アーム、5…摩擦
部材、10…第1の部材、11…第2の部材、12(1
2a〜12m)…永久磁石、13(13a〜13f)…
電磁コイル、14…制動ばね、26…粘性流体、33…
コイル用ヨーク、34…環状溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩原 博 群馬県桐生市相生町2丁目678番地 小 倉クラッチ株式会社内 (72)発明者 斉藤 嘉一 群馬県桐生市相生町2丁目678番地 小 倉クラッチ株式会社内 (72)発明者 藤原 俊輔 東京都中央区京橋2丁目9番2号 東洋 電機製造株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−38501(JP,A) 特開 平2−122604(JP,A) 実開 昭52−57211(JP,U) 実用新案登録2596857(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 41/00 H02K 33/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一軸線上に少なくともいずれか一方が
    他方に対して軸線方向に相対移動可能に配設された非磁
    性材料からなる第1、第2の部材と、 前記第1の部材の外周に極性方向を90°ずつ回転させ
    て並設された複数個の永久磁石と、 前記第2の部材に前記永久磁石の外周を取り囲むように
    配設され、隣り合うコイルどうしの対向端面に同極が発
    生するように励磁される複数個の電磁コイルと、内周面中央に前記各電磁コイルを収納する環状溝が形成
    された筒状体からなる コイル用ヨークと、前記電磁コイルの非励磁時において前記第1、第2の部
    材のうち少なくともいずれか一方を移動させて非励磁位
    置に保持するばねと、 前記ばねによって移動される前記第1の部材または前記
    第2の部材の移動を制限するストッパとを備えた ことを特徴とするリニアアクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のリニアアクチュエータに
    おいて、前記 電磁コイルに位相をずらして通電し順次励磁するこ
    とを特徴とするリニアアクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のリニアアクチュ
    エータにおいて、前記第2の部材内に粘性流体を封入した ことを特徴とす
    るリニアアクチュエータ。
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