JP2019075966A - 往復運動モーター - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトで高い性能を持つ圧縮ポンプあるいは真空ポンプとなる、往復運動モーターを提供する事。【解決手段】振動子磁石(2)と固定子磁石(3)が磁気バネを構成するようにし、振動子磁石(2)が2個の容積変動が可能な密封室(15)と連動した構成として、容積変動が可能な密封室(15)には、吸入弁(18)と吐出弁(19)とを備えていて、電磁コイル(4)に流す周期的な駆動電流の作用で振動子磁石(2)を往復振動させて、その運動で容積変動が可能な密封室(15)の容積を変動させて、吸入弁(18)と吐出弁(19)が作用して、流体の流れを制御して、圧縮ポンプあるいは真空ポンプとして作用する往復運動モーターを実施する。【選択図】図4

Description

本発明は往復運動を行う電磁駆動装置に係り、これを応用する装置に関するものである。
特許文献1や特許文献2が提案する小型モーターとしての共鳴振動モーターは、駆動電流を、重心の振動に変換したり、あるいは回転角度がある振動運動に変換したりすることで、往復運動を出力することができる装置である。これらの装置は、回転角度のある反転振幅運動の往復運動を抽出して利用している。この反復回転の往復運動を行う磁石を、角振動子磁石としている。これらの装置には、磁石を取付けて角振動子としたものと、この角振動子を吸引する働きをする磁石を取り付けた固定子がある。角振動子と固定子の相互作用による反復回転運動には、磁力間の磁力による固有振動周波数があり、その固有振動周波数に同調するように電磁コイルから磁力を発生させて、角振動子を反復回転運動させている。特許文献3の装置は、角振動子の反復回転運動の作用を、装置の外側に配置して磁石を取り付けた作動子に及ぼして、作動子が反復運動することを利用する装置である。
このように複数の磁石間にある磁気バネの固有振動周波数と同調するように電磁コイルを駆動させて、往復運動に利用できる技術がある。
特開2007−289911号 特開2010−249119号 特開2014−220980号
通常のモーターで往復運動を取り出す場合は、モーターにクランクシャフトを取り付けて行う方法がある。回転運動を往復運動に変える機械的な構造を必要とする方法である。
これに対して、特許文献1および2および3は、回転角度のある往復運動即ち反復回転運動を、往復運動として利用する方法である。駆動電流として周期的な電流、即ち交流あるいはPWM制御した電流を用いて作動させるものである。
特許文献1および2に基づく振動発生装置はその内部にある角振動子の反復回転運動を利用するに際して、角振動子の軸を介して装置外側へ、その反復回転運動を取り出す。しかし、この軸構造が電磁コイルの巻き付ける位置を制約するので、電磁コイルが角振動子磁石に作用する力を減少させ、装置性能を制約している。
特許文献3に基づく往復運動装置は、電磁コイルの外側に配置した作動子が往復運動する構造とすることで、電磁コイルの巻き付ける位置の制約を除いた構造としたものである。振動子と固定子と作動子のそれぞれを相互作用させる3組の磁石と1組の電磁コイルが必要な構造である。特許文献1と特許文献2に比べると部品数が多くなり、構造が複雑なものとなっている。
特許文献1および2および3に基づく振動発生装置はその内部にある角振動子の反復回転運動を利用している。これを直線方向の往復運動に利用する場合には、運動変換のロス要因を抱えている事になる。
特許文献1および2および3に基づく装置は、往復運動に利用した場合に、その負荷をかけた側から抑え込まれる要因で、往復運動の中央位置が偏移する特性を抱えている。往復運動の中央位置が偏移すると効率性を損なう事になる。
このような背景を踏まえて、本発明に於いて、往復運動を行うに際し、[0005]で述べた回転運動を往復運動に変える機械的な構造を不要とする事、[0009]で述べた運動変換のロス要因を無くす事、[0010]で述べた往復運動の中央位置が偏移する特性を解消する事、これを簡潔な構造で実施し故障を起こし難い装置を提供する事を行っている。
本発明の装置は、簡潔な構造で直接に直線の往復運動を行うものである事から、特に小型の領域のエアーポンプに有効である。即ち、本発明の課題は、コンパクトで高い性能を持つ圧縮ポンプあるいは真空ポンプとなる、往復運動モーターを提供する事である。
請求項1によって提供される往復運動モーター(1)は、振動子磁石(2)と、固定子磁石(3)と、電磁コイル(4)を備えていて、これらを作動軸(5)の上に対象の配置をしていて、振動子磁石(2)が、作動軸(5)の上での往復運動を行う装置である。以下に、この請求項1の装置を通して課題を解決するための手段を記載する。
作動軸(5)の上に対象の配置をしているとは、直線である作動軸(5)が、振動子磁石(2)と、固定子磁石(3)と、電磁コイル(4)のそれぞれの中心を貫いていて、作動軸(5)に直角である対称面(6)を中心にして、対称に配置している事である。
以下で、対称と云う場合は、ここで示した対称面(6)を中心として対称である状態、を示している。
[図1]は、請求項1によって提供される往復運動モーター(1)の、構造の事例を示したものである。2個の振動子磁石(2)と、2個の固定子磁石(3)と、2個の電磁コイル(4)と、1個のピストン(7)と、1個のシリンダ(8)と、1本の作動シャフト(9)を備えている。これらは対称に配置されている。
[図1]において、振動子磁石(2)をピストン(7)の両側端に取り付けて、一体の振動子ピストンとしている。振動子磁石(2)は円筒形状である。ピストン(7)は非磁性体あるいは磁性体の何れも利用できる。ピストン(7)に磁石を用いる事も出来る。
ピストン(7)とシリンダ(8)は相互に滑らかに作動できるものである。気密性がないもので構わない。
固定子磁石(3)は円筒形状であり、シリンダ(8)の外側の対称の位置に取り付けている。
作動シャフト(9)は、ピストン(7)の中心位置を通して取り付けてあり、振動子磁石(2)の中心を通している。振動子ピストンの往復運動を、シリンダ(8)の外側で利用する事が出来る。
[図1]において、2個の振動子磁石(2)の磁化方向と、2個の固定子磁石(3)の磁化方向は同じ方向である。
振動子磁石(2)と、固定子磁石(3)は、その中心を作動軸(5)が貫いている配置にあり、反発し合う状態となる。
従って、作動軸(5)の方向に於いての、振動子ピストンの中央位置と、シリンダ(8)の中央位置が一致して対称面(6)の位置にあり、振動子ピストンがシリンダ(8)の中で釣り合う状態となる。
振動子ピストンが、作動軸(5)の方向に変位した場合、中央位置に戻そうとする復元力が働く状態である。即ち、振動子ピストンとシリンダ(8)の間には、振動子磁石(2)と固定子磁石(3)が作り出す磁気バネが働いて、その変位が大きい程、復元力が大きくなり、磁気バネに蓄えられる位置エネルギーも大きくなる。
この変位と戻す力は、フックの法則に近似している。即ち質量とバネ定数に応じた固有振動数があり、振動子磁石(2)と固定子磁石(3)の間に、この固有振動数に近い周波数で働く周期的な力を与えると、単振動に近似した運動が起きる事になる。
振動子磁石(2)と固定子磁石(3)の運動を捉える場合に、固定子磁石(3)側を固定した状態、振動子磁石側(2)を固定した状態、振動子磁石(2)側と固定子磁石(3)側を共に固定しない状態の、3つの状態がある。それぞれに於いての固有振動数は異なるものである。これは、振動子磁石(2)と固定子磁石(3)とピストン(7)とシリンダ(8)と作動シャフト(9)の質量が影響して、異なるものである。
さらに、作動シャフト(9)が負荷を負う場合には、その負荷が影響して、固有振動数は異なるものとなる。
電磁コイル(4)は、固定子磁石(3)側に取り付けている。シリンダ(8)の外側に取り付けた2個の巻き線コイルである。2個は対称の位置に取り付けている。
[図1]の装置の作動に際しては、左側の電磁コイル(4)に流れる電流が左側の振動子磁石(2)に及ぼす力の方向と、右側の電磁コイル(4)に流れる電流が右側の振動子磁石(2)に及ぶす力の方向が、常に同じとなるように制御を行うものである。
往復運動モーター(1)は、2個の電磁コイル(4)に与える。駆動電流の作用で作動する。駆動電流として周期的な電流、即ち交流あるいはPWM制御した電流を用いる。
[図1]で、左右2個の振動子磁石(2)に起因する磁場が示す磁力線の方向は同じ方向であるように配置している。
その上で2個の電磁コイル(4)に流す電流を、電流が生み出す磁場からの磁力線の方向が、左側と右側では常に逆向きであるように行う事で、[0029]の制御となる。
駆動電流に応じて生み出される磁場は、その磁力線方向が周期的に左右反転する磁場であり、対称の位置で周期的に反転する2個の磁場である。
シリンダ(8)を固定した場合、それに取り付けた固定子磁石(3)と電磁コイル(4)も固定される。即ち、固定子磁石(3)側が固定される。
この電磁コイル(4)に駆動電流を与えて作用させた場合の作用と効果に関して、[0036]〜[0054]で説明する。記載の中で[0036]〜[0043]は、固定子磁石(3)側が固定された状態を前提としている。
左側の電磁コイル(4)に起因する磁場と、左側の振動子磁石(2)に起因する磁場が作用すると、左側の電磁コイル(4)が左側の振動子磁石(2)を吸い込む方向への力が作用する時と、吐き出す方向への力が作用する時が、反復して繰り返される。この力は、作動軸(5)の方向に沿う力である。
左側の電磁コイル(4)が左側の振動子磁石(2)を、吸い込む方向への力は振動子ピストンを左方向へ押す力であり、吐き出す方向への力は振動子ピストンを右方向へ押す力である。
即ち、左側の電磁コイル(4)に起因する磁場は、振動子ピストンを左向きそして右向きと反復して押す力を発生している事になる。
左側の電磁コイル(4)に起因する磁場が、振動子ピストンを左向きに押す力である時点に於いての、右側の電磁コイル(4)の働きを捉えて見る。
この時点に於いて、右側の電磁コイル(4)に起因する磁場は右側の振動子磁石(2)に起因する磁場と作用して、右側の電磁コイル(4)が右側の振動子磁石(2)を吐き出す力となり、振動子ピストンを左向きに押す力となる。
即ちこの時点では、2個の電磁コイル(4)に起因する磁場と、2個の振動子磁石(2)に起因する磁場が作用して、一体に同期した作用として、振動子ピストンを左向きに押す力となる。
左側の電磁コイル(4)に起因する磁場が、振動子ピストンを右向きに押し出す力である時点に於いては、右側の電磁コイル(4)に起因する磁場は、右側の振動子磁石(2)に起因する磁場と作用して、振動子ピストンを右向きに押す力となる。
このように、この電磁コイル(4)に周期的な駆動電流を与える事で、振動子磁石(2)を左右交互に押す力が発生して、振動子ピストンを左右に作動させる。
電磁コイル(4)に周期的な駆動電流を与える事で、左右交互に押す力が発生させる際での、振動子磁石(2)と固定子磁石(3)と電磁コイル(4)の配置の仕方に関して、有効な配置がある。有効な配置の事例を[図7]と[図8]と[図9]と[図10]に示した。
[図7]と[図8]と[図9]と[図10]で示した磁化方向は、全てを逆向きにしても構わない。振動子磁石(2)の形状は、円柱あるいは円筒の形状がシリンダの形状と合い易く適している。四角柱等の他の形状も可能である。
配置の事例は他にも、有効な配置がある。振動子磁石(2)と固定子磁石(3)の配置は、変位に対する戻す力がフックの法則に近似する配置であれば良い。電磁コイル(4)は、自らが発する磁場が振動子磁石(2)に有効に作用する位置に、配置すれば良い。
固定子磁石(3)側を固定した状態とした上で、駆動電流の周波数を、固有振動数に近い周波数の領域で調整して適切な駆動周波数に制御する。振動子磁石(2)側が単振動に近似した減衰し難い往復運動を行い、効率的な往復運動を得る事となる。
作動シャフト(9)を固定すると、振動子磁石(2)側を固定した状態とする事が出来る。この状態で作動させれば、固定子磁石(3)側が往復運動を行う。
振動子磁石(2)側と固定子磁石(3)側を共に固定しない状態として行う場合には、双方が相対的な往復運動を行う。
作動シャフト(9)が負荷を負うとして行う場合にも、往復運動を得る事が出来る。作動シャフト(9)を介して、振動子磁石(2)側が負荷を負う往復運動である。
上記の[0048]〜[0050]のいずれの状態に於いても、[0047]と同様に、その状態に応じた固有振動数に近い周波数の領域で調整して適切な駆動周波数に制御する事が有効である。単振動に近似した減衰し難い往復運動に制御可能であり、効率的な往復運動を得る事となる。
往復運動の振幅の調整は、駆動電流の大小で制御出来る。駆動電流を小さくして振幅を小さくする、駆動電流を大きくして振幅を大きくする、いずれも制御出来る。この場合に、適切な駆動周波数が変わるので、その制御を施して振幅の調整を行う。
振動子ピストンの往復運動の振幅の幅には制約がある。振動子磁石(2)の作動域を、フックの法則が近似的に働く範囲に収める事が、その制約である。この作動域を超えた振幅にすると作動は不安定になる。
このように、電磁コイル(4)への駆動電流を制御する事で、効率的に往復運動を得る事が出来る。回転運動を往復運動に変える機械的な構造を必要としない方法である。反復回転運動を利用したものではない方法である。
即ち、[図1]の装置は、直接に直線の往復運動を、簡潔な構造で有効に作動する、往復運動モーターである。
請求項2によって提供される往復運動モーター(12)は、振動子磁石(2)と電磁コイル(4)と、2個の弾性バネを備えていて、振動子磁石(2)と弾性バネは連動する構成として備えていて、これらを作動軸(5)の上に対象の配置をしていて、振動子磁石(2)が、作動軸(5)の上での往復運動を行う装置である。以下に、この請求項2の装置を通して課題を解決するための手段を記載する。
[図2]は、請求項2によって提供される往復運動モーター(12)の、構造の事例を示したものである。2個の振動子磁石(2)と、2個の電磁コイル(4)と、1個のピストン(7)と、1個のシリンダ(8)と、1本の作動シャフト(9)と、2枚のダイアフラム(13)を備えている。固定子磁石(3)を備えていないものである。
ダイアフラム(13)は、シリンダ(8)の内側に対称に取り付けたゴム膜であり、そのゴム膜の中心位置で作動シャフト(9)と接合したものである。振動子磁石(2)をピストン(7)の両側端に取り付けて、一体の振動子ピストンとしている。振動子ピストンは、作動シャフト(9)と留めネジ(10)を用いて、2枚のダイアフラム(13)と連動する構成としている。
従って、振動子ピストンの往復運動が、2枚のダイアフラム(13)の往復運動となる構造である。
ダイアフラム(13)はゴム膜の材質、及びゴム膜の厚さ、及びゴム膜をシリンダ(8)に取り付ける際の張りの強さに起因して、弾性バネとして作用する。
2枚のダイアフラム(13)は、弾性バネの作用が働く状態で、振動子ピストンに接続されている。その配置は対称である。シリンダ(8)の中央位置と、振動子ピストンの中央位置が一致して対称面(6)の位置にあり、振動子ピストンがシリンダ(8)の中で釣り合う状態が出来ている。
振動子ピストンが、[図2]の左右に対して変位した場合、中央位置に戻す力が働く。即ち、振動子ピストンとシリンダ(8)の間には、ダイアフラム(13)が作り出す弾性バネの力が働いて、その変位が大きい程、戻す力が大きくなる。
この変位と戻す力は、やはりフックの法則に近似している。即ち固有振動数があり、振動子ピストンとシリンダ(8)の間に、この固有振動数に近い周波数で働く周期的な力を与えると、単振動に近似した運動が起きる事になる。即ち、電磁コイル(4)への駆動電流を制御する事で、単振動に近似した運動を起こす事が出来る。
[図2]の装置に更に密封壁(14)を備えると、ダイアフラム(13)と密封壁(14)の間に、密封室が備わる事になる。容積変動が可能な密封室(15)である。即ち、この密封室はダイアフラム(13)の往復運動で容積が変動する空気バネであり、更に大きなバネ定数を持つ弾性バネとして作用する。
駆動に適切な周波数を更に高く出来て、同じ変位に対する復元力を更に大きく出来て、同じ変位に対して蓄えられる位置エネルギーも更に大きく出来る。
[図1]の装置と同じように、電磁コイル(4)への駆動電流を制御する事で、効率的に往復運動を得る事が出来る。回転運動を往復運動に変える機械的な構造を必要としない方法である。反復回転運動を利用したものではない方法である。
即ち、[図2]の装置は、直接に直線の往復運動を、簡潔な構造で有効に作動する、往復運動モーターである。
前述までに於いて、本発明が解決しようとした課題の内、往復運動を行うに際し、[0005]で述べた回転運動を往復運動に変える機械的な構造を不要とする事、[0009]で述べた運動変換のロス要因を無くす事、に関して提示したものである。
[図1]および[図2]の装置は、作動シャフト(9)の箇所で負荷を負う事が出来る構造にしている。左右の両側で外部の負荷を負う事が出来る。負荷が大きく左右の負荷が均等でない場合は、往復運動の中央位置が偏移して、往復運動の効率低下を招く。
以降に於いて、本発明が解決しようとした課題の内、[0010]で述べた往復運動の中央位置が偏移する特性を解消する事、に関して記載を進める。
請求項3によって提供される往復運動モーター(16)は、振動子磁石(2)と、固定子磁石(3)と、電磁コイル(4)と、更に、2個の弾性バネを備えたものであって、振動子磁石(2)と弾性バネが連動する構成として備えていて、これらを対象に配置している装置である。以下、この請求項3の装置を通して課題を解決するための手段を記載する。
[図3]は、請求項3によって提供される往復運動モーター(16)の、構造の事例を示したものである。2個の振動子磁石(2)と、2個の固定子磁石(3)と、2個の電磁コイル(4)と、1個のピストン(7)と、1個のシリンダ(8)と、1本の作動シャフト(9)と、2枚のダイアフラム(13)を備えている。
即ち、[図1]の装置に、2枚のダイアフラム(13)を追加した構造である。振動子磁石(2)をピストン(7)の両側端に取り付けて、一体の振動子ピストンとしている。振動子ピストンは、作動シャフト(9)と留めネジ(10)を用いて、ダイアフラム(13)と連動する構成としている。
従って、振動子ピストンの往復運動が、2枚のダイアフラム(13)の往復運動となる構造である。
ダイアフラム(13)はゴム膜の材質、あるいはゴム膜の厚さ、あるいはゴム膜をシリンダ(8)に取り付ける際の張りの強さに起因して、弾性バネとして作用する。
即ち、[図3]の装置は、磁気バネと、弾性バネを並列に用いる構造にしたものである。従って装置のバネ定数は、磁気バネのバネ定数と、弾性バネのバネ定数とを加算したものとなる。
[図3]の装置と[図1]及び[図2]の装置を比べると、磁気バネのバネ定数と弾性バネのバネ定数が加算された結果が起因して、[図3]の方が駆動に適切な周波数が高くなり、同じ変位に対する復元力が大きくなり、更に、同じ変位に対して蓄えられる位置エネルギーも大きくなっている。
[図3]の装置に更に密封壁(14)を備えると、ダイアフラム(13)と密封壁(14)の間に、密封室が備わる事になる。容積変動が可能な密封室(15)である。即ち、この密封室はダイアフラム(13)の往復運動で容積が変動する空気バネであり、更に大きなバネ定数を持つ弾性バネとして作用する。
駆動に適切な周波数を更に高く出来て、同じ変位に対する復元力を更に大きく出来て、同じ変位に対して蓄えられる位置エネルギーも更に大きく出来る。
この故に、[図3]の装置は、より高い適切な駆動周波数を持つ往復運動装置として、より有効に働く装置に調整可能である。
ここでの、往復運動装置としてより有効に働く装置とは、往復運動から取り出せる力を大きく出来る事、さらに作動シャフト(9)が左右で偏った負荷を負う場合に、往復運動の中央位置の偏移が小さく出来る事である。
[図3]の装置は、[図1]及び[図2]の装置よりも高い駆動周波数を持つ故に、往復運動から取り出して利用できる力、即ち負荷を負う力を大きく出来る。さらに作動シャフト(9)が左右で偏った負荷を負う場合に、それが往復運動の系に与える影響の割合が小さくなり、往復運動の中央位置の偏移が小さくなる。
即ち、[図3]の装置は、直接に直線の往復運動を、簡潔な構造で有効に作動する、往復運動モーターである。[図1]及び[図2]の装置よりも、往復運動から取り出せる力を大きく出来て、往復運動の中央位置の偏移を小さく出来る往復運動モーターである。
しかしながら、本発明が解決しようとした課題の内、[0010]で述べた往復運動の中央位置が偏移する特性を解消する事、に対しては、その偏移の程度を小さく出来る事に止まり、まだ解消には至っていない。更にこれの解消への記載を進めてゆく。
[図1]と[図2]と[図3]の装置は、対称の構造である事が特質である。対称の構造を採る事で、その往復運動の中央位置が対象面の位置に保つ作用が働く。負荷が小さな作動において、往復運動の中央位置が偏移する事を小さく出来る。
負荷を負う場合に、その負荷が左右均等の負荷である場合は、対称の構造が有効に作用して、往復運動の中央位置が偏移する事を防ぐ事が出来る。
即ち、負荷を左右均等に負う構造に出来た場合に、[0010]で述べた往復運動の中央位置が偏移する特性を解消する事、に対する解決となる。
[図3]の装置の左右2個の容積変動が可能な密封室(15)に、吸入弁(18)および吐出弁(19)を備えた装置を考える。この装置は、圧縮ポンプあるいは真空ポンプとして機能する。
均等の性能を持つ圧縮ポンプあるいは真空ポンプであれば、負荷を左右均等に負う構造となる。これに於いて、左右の負荷を均等に負う構造である装置が完成する。往復運動の中央位置を、作動に支障しない範囲の中に収めて、圧縮ポンプあるいは真空ポンプとして有効に作動する、往復運動の装置が実現する。
請求項4によって提供される往復運動モーター(17)は、振動子磁石(2)と、固定子磁石(3)と、電磁コイル(4)と、2個の容積変動が可能な密封室(15)と、更に、吸入弁(18)と吐出弁(19)とを備えていて、振動子磁石(2)と2個の容積変動が可能な密封室(15)が連動する構成としていて、これらを作動軸(5)の上に対象の配置をしている装置である。
[図4]は、請求項4によって提供される往復運動モーター(17)の、構造の事例を示したものである。2個の振動子磁石(2)と、2個の固定子磁石(3)と、2個の電磁コイル(4)と、1個のピストン(7)と、1個のシリンダ(8)と、2個の容積変動が可能な密封室(15)を対象に配置している。更に、容積変動が可能な密封室(15)と繋がる、吸入弁(18)と吐出弁(19)とを備えている。即ち、2組の吸入弁(18)と吐出弁(19)を備えている。ピストン(7)の両端に、円筒形状の振動子磁石(2)を取り付けて、一体の振動子ピストンとしている。振動子ピストンは、作動シャフト(9)を介して、2個の容積変動が可能な密封室(15)と連動する構成である。
[図4]の装置に於いて、容積変動が可能な密封室(15)は、ダイアフラム(13)と密封壁(14)で構成されて、空気バネとして働くものである。弾性バネとして作用する。
左右2個の容積変動が可能な密封室(15)のそれぞれに、一対の吸入弁(18)と吐出弁(19)を備えて、左右2個のポンプを成り立たせている。この2個のポンプは、流体の流れを制御出来る。ポンプとして作用するに応じて、容積変動が可能な密封室(15)のバネ定数は変動するが、やはり弾性バネとして作用する。
振動子ピストンは、作動シャフト(9)と留めネジ(10)を用いて2枚のダイアフラム(13)と接合している。即ち、振動子ピストンと左右2個のポンプとは連動する構成である。
シリンダ(8)の外側の対称位置に、円筒形状の固定子磁石(3)を取り付けている。
2個の振動子磁石(2)の磁化方向と、2個の固定子磁石(3)の磁化方向は同じ方向である。
このように磁石を配置すると、振動子ピストンはシリンダ(8)の中央位置で、安定した静止位置を持つ事になる。またこの磁石の力は、振動子ピストンが左右に変位した場合、中央位置に戻す力として働く。磁気バネが成立する配置である。
即ち固有振動数があり、振動子磁石(2)と固定子磁石(3)の間に、この固有振動数に近い周波数で働く周期的な力を与えると、即ち電磁コイル(4)への駆動電流を制御すると、単振動に近似した運動が起きる事になる。振動子ピストンとシリンダ(8)の間での相対的な往復運動である。
この相対的な往復運動が、左右2個の容積変動が可能な密封室(15)の容積を変動させる。振動子ピストンと連動しているので、一方の容積が増加してゆく場合は他方の容積は減少してゆく。一方の容積が減少してゆく場合には他方の容積は増加してゆく。これが繰り返して行なわれる。
この状態に於いて、吸入弁(18)と吐出弁(19)が作用して、流体の流れを制御し、ポンプとして機能する。吐出側に負荷、吸入側を開放すれば圧縮ポンプである。吸入側に負荷、吐出側を開放すれば真空ポンプである。
このように、左右2個のポンプを、左右共に圧縮ポンプとして作動させれば、左右の負荷を均等に負う装置と出来る。左右共に真空ンプとして作動させた場合も、左右の負荷を均等に負う装置と出来る。
以上に於いて、左右の負荷を均等に負う構造である装置を実施可能と出来た。[0010]で述べた往復運動の中央位置が偏移する特性を解消する事、に対する解決である。
[図4]の装置は、往復運動の中央位置を、作動に支障しない範囲の中に収めて、圧縮ポンプあるいは真空ポンプとして有効に作動する、往復運動モーターである。
[図4]の装置は、振動子磁石(2)と2個の容積変動が可能な密封室(15)とを連動する構成である事を特性としている。この特性が有効である理由をする。
吐出側に負荷、吸入側を開放した圧縮ポンプである場合とする。振動子ピストンが右側へ動いてゆく時点では、吸入弁(18)と吐出弁(19)の作用で、右側のポンプで圧縮が行われて負荷となり、左側のポンプは吸入が行われてその負荷は小さいものである。即ち、右側のポンプから振動子磁石(2)を押し返す力があって、往復運動の中央位置を左側に偏移させようと働く力である。
続いて、振動子ピストンが左側へ動いてゆく時点では、吸入弁(18)と吐出弁(19)の作用で、左側のポンプで圧縮が行われて負荷となり、右側のポンプは吸入が行われてその負荷は小さいものである。即ち、左側のポンプ室から振動子磁石(2)を押し返す力があって、往復運動の中央位置を右側に偏移させようと働く力である。
[図4]の装置は、概ね50Hz以上で作動するものであり、往復運動の中央位置を左側へ偏移させようとする力と、右側へ偏移させようとする力が、周波数に応じて繰り返される。偏移が顕著となるまでに、次の逆向きに偏移させようとする力が働く状態である。
結果として拮抗した状態が出来ている。左右の負荷を均等に負う構造である装置となる。[0010]で述べた往復運動の中央位置が偏移する特性を解消する事、に対する解決が出来ている。振動子磁石(2)と2個の容積変動が可能な密封室(15)が連動する構成である事の特性が、有効に作用している。
[図5]は、請求項4によって提供される往復運動モーター(17)の、構造の事例を更に一つ、示したものである。2個の振動子磁石(2)と、1個の固定子磁石(3)と、2個の電磁コイル(4)と、1個のピストン(7)と、1個のシリンダ(8)と、2個の容積変動が可能な密封室(15)とを対象に備えている。更に吸入弁(18)と吐出弁(19)とを備えている。
[図5]の装置に於いて、ピストン(7)とシリンダ(8)は、滑らかに作動した上で、気密性を備えたものである。従って、ダイアフラム(13)を用いない構成であるが、左右2個の容積変動が可能な密封室(15)を持つ構造である。
ピストン(7)の両端に、円筒形状の振動子磁石(2)を取り付けて、一体の振動子ピストンとしている。振動子磁石(2)の直径は、ピストン(7)の直径よりも僅かに小さいものである。従って、振動子磁石(2)とシリンダ(8)の間での気密性を備えていないが、振動子ピストンとシリンダ(8)は、滑らかに作動した上で、気密性を備えたものである。
振動子ピストンとシリンダ(8)と密封壁(14)で囲まれた密封空間が出来て、これが、左右2個の容積変動が可能な密封室(15)を構成する。
左右2個の容積変動が可能な密封室(15)を持つ事において、[図4]の装置と共通している。この密封室は振動子ピストンの往復運動で容積が変動する空気バネであり、弾性バネとして作用する。更に、2個の容積変動が可能な密封室(15)は、振動子ピストンを介して連動する構成となっている。
この密封室は、左右それぞれに吸入弁(18)と吐出弁(19)の対を備えているので、流体の流れを制御して、ポンプとして作用するものである。ポンプとして作用を行うに応じて、バネ定数は変動するが、やはり弾性バネとして作用する。
シリンダ(8)の中央位置の外側に、円筒形状の固定子磁石(3)を取り付けている。振動子ピストンとシリンダ(8)の中央位置は、対称面(6)の位置となっている。電磁コイル(4)を、シリンダ(8)の両端箇所に取り付けている。
振動子ピストンが、作動軸(5)の方向に於いて変位した場合、磁気バネと空気バネが相乗に作用して、中央位置に戻す力が働く事になる。
この変位と戻す力は、やはりフックの法則に近似している。即ち固有振動数があり、振動子磁石(2)と固定子磁石(3)の間に、この固有振動数に近い周波数で働く周期的な力を与えると、即ち電磁コイル(4)への駆動電流を制御すると、単振動に近似した運動が起きる事になる。振動子ピストンの往復運動である。
振動子ピストンの往復運動が、左右2個の容積変動が可能な密封室(15)の容積を変動させる運動である。一方の容積変動が可能な密封室(15)の容積が増加してゆく場合は他方の容積は減少してゆく。一方の容積変動が可能な密封室(15)の容積が減少してゆく場合には他方の容積は増加してゆく。これを繰り返して行う運動である。
この状態に於いて、吸入弁(18)と吐出弁(19)が作用して、流体の流れを制御し、ポンプとして機能する。吐出側に負荷、吸入側を開放すれば圧縮ポンプである。吸入側に負荷、吐出側を開放すれば真空ポンプである。
左右2個の容積変動が可能な密封室(15)と、左右それぞれに一対の吸入弁(18)と吐出弁(19)が、左右2個のポンプ室を構成している。この左右対称に配置した2個のポンプ室を、左右共に圧縮ポンプとして作動させれば、左右の負荷を均等に負う装置と出来る。左右共に真空ポンプとして作動させた場合も、左右の負荷を均等に負う装置と出来る。
以上のように[図5]の装置に於いても、左右の負荷を均等に負う構造である装置を実施可能と出来た。[0010]で述べた往復運動の中央位置が偏移する特性を解消する事、に対する解決が出来ている。
[図5]の装置もまた、往復運動の中央位置を、作動に支障しない範囲の中に収めて、圧縮ポンプあるいは真空ポンプとして有効に作動する、往復運動モーターである。
[図5]の装置は、ピストン(7)とシリンダ(8)の気密性を備えた事で、左右2個の容積変動が可能な密封室(15)が構成されているので、[図4]の装置と比べて密封室の容積を大きく取る事が出来る。即ち、圧縮ポンプあるいは真空ポンプの性能を、[図4]の装置に比べて高く出来る、往復運動モーターである。
[図1][図2][図3][図4][図5]の装置を、台座等に固定をしないで作動させると、装置自体が振動する状態となる。振動子ピストンと反動し合っているシリンダ(8)の往復運動が、装置自体の振動として外に現れるものである。
シリンダ(8)側を台座に固定して装置と据え付けて作動させると、装置自体の往復運動を押さえ付ける事になる。しかし、装置の振動は台座を通しての振動となり、周囲への振動と振動音を起こす状態となる。
請求項5によって提供される往復運動モーター(20)は、往復運動モーター(1)を2個、あるいは往復運動モーター(12)を2個、あるいは往復運動モーター(16)を2個、あるいは往復運動モーター(17)を2個、備えていて、これらを対象に配置している装置である。
[図6]は、請求項5によって提供される往復運動モーター(20)の、構造の事例を示したものである。[図4]の往復運動モーター(17)を2個、繋ぎ部材(11)で接続して、左右対称に組み合わせたものである。
2個の往復運動モーター(17)を、同じ駆動周波数の駆動電流を制御して、常に逆向きの往復運動を行うようにする。即ち2個の運動の位相差が180度であるように制御する。結果として、装置が外に及ぼす振動を打ち消す事が可能となる。固定子磁石(3)側の往復運動は打ち消されるが、振動子磁石(2)側は2個共に往復運動を行っている。その運動の方向は常に逆向きである。
従って[図6]の装置を作動すると、装置自体が外に及ぼす振動は打ち消された状態で作動する事が出来る。
固定子磁石(3)側、即ちシリンダ(8)側を台座に固定して作動した場合、[0125]の場合に比べて、周囲への振動と振動音の影響を抑えた作動となる。
固定せずに作動させた場合でも、台座に据え付けて作動させた場合でも、周囲への振動と振動音の影響が少ない装置である。
以上のように、往復運動モーター(20)の作動は、固定子磁石(3)側の振動を抑えて、振動子磁石(2)側の往復運動を有効に利用できる特性がある。固定子磁石(3)側の往復運動は行われていない状態に制御可能である。固定子磁石(3)側、即ち、シリンダ(7)側の振動による周囲への影響を抑える事が出来る。
即ち[図6]の装置は、2個を組合せて用いる事で、不要な振動を除いて、効率良く作動する装置としたものである。圧縮ポンプあるいは真空ポンプとして有効に作動する往復運動モーターである。
[図1]と[図2]と[図3]と[図5]の装置に於いても、このように2個を組合せて用いる事で、不要な振動を除いて、静かで効率良く作動する往復運動モーターとする事が出来る。
図1(a)は、本発明を具体化した第1実施形態の事例である往復運動モーターの、図1(b)1A−1A線の断面図。図1(b)は、図1(a)の1B−1B線断面図。 図2(a)は、本発明を具体化した第2実施形態の事例である往復運動モーターの、図2(b)2A−2A線の断面図。図2(b)は、図2(a)の2B−2B線断面図。 図3(a)は、本発明を具体化した第3実施形態の事例である往復運動モーターの、図3(b)3A−3A線の断面図。図3(b)は、図3(a)の3B−3B線断面図。 図4(a)は、本発明を具体化した第4実施形態の事例である往復運動モーターの、図4(b)4A−4A線の断面図。図4(b)は、図4(a)の4B−4B線断面図。 図5(a)は、本発明を具体化した第4実施形態のもう一つの事例である往復運動モーターの、図5(b)5A−5A線の断面図。図5(b)は、図5(a)の5B−5B線断面図。 本発明を具体化した第5実施形態に係わる往復運動モーターの説明図。 振動子磁石(2)と固定子磁石(3)と電磁コイル(4)の有効な配置の事例を示した図。 振動子磁石(2)と固定子磁石(3)と電磁コイル(4)の有効な配置の事例を示した図。 振動子磁石(2)と固定子磁石(3)と電磁コイル(4)の有効な配置の事例を示した図。 振動子磁石(2)と固定子磁石(3)と電磁コイル(4)の有効な配置の事例を示した図。 吸入弁(18)と吐出弁(19)の2組を直列にした説明図 吸入弁(18)と吐出弁(19)の2組を並列にした説明図
(第1実施形態)
図1(a)と図1(b)は、本発明を具体化した第1実施形態に係る往復運動モーターの事例を示している。この第1実施形態は請求項1に関わる実施形態である。
(作用)
振動子磁石(2)と固定子磁石(3)が磁気バネを成立させている。この磁気バネが、電磁コイル(4)が生み出す周期的な磁場と作用して、振動子磁石(2)と固定子磁石(3)が相互に滑らかな往復運動を行う。即ち、ピストン(7)がシリンダ(8)に対して往復運動作動を行ない、作動シャフト(9)を介して利用する事が出来る。
上記構成の往復運動モーターの適切な実施を示す。振動子磁石(2)は外径19.5mm内径8mm厚さ4mmのネオジウム磁石であり、これを2個用いる。固定子磁石(3)は外径30mm内径23mm厚さ3mmのネオジウム磁石であり、これを2個用いる。電磁コイルは径0.5mmのエナメル線を内径23mm幅11mmで100巻したものであり、これを2個用いる。
これらを、対称にするように、ピストン(7)とシリンダ(8)を用いる。往復運動を装置の外に取り出して利用できるように作動シャフト(9)を用いる。
ピストン(7)を外径19.5mm内径8mm厚さ4mmのネオジウム磁石として、この両端に先の2個の振動子磁石(2)を備える。即ち、2個の振動子磁石(2)とピストン(7)が一体となり、外径19.5mm内径8mm厚さ12mmのネオジウム磁石である1個の振動子ピストンとなっている。
作動子シャフト(9)を径8mm長さ50mmのステンレス棒として、その中央位置をピストン(7)の内径穴を介してピストン(7)に固定して取り付けている。
シリンダ(8)を外径23mm内径20mm長さ30mmの樹脂円筒を用いる。この円筒の中心軸が作動軸(5)となる。この中央位置に、垂直な対称面(6)がある。2個の電磁コイル(4)と2個の固定子磁石(3)を、シリンダ(8)の外側に取り付ける。図1(a)で示すように対称である。
以上で、振動子磁石(2)と固定磁石(3)と電磁コイル(4)を対象の配置にした上で、振動子磁石(2)と固定磁石(3)の間での磁気バネが作用していて、そのバネの力を介して振動子ピストンがシリンダ(8)の中の中央位置で釣り合う状態が出来ている。振動子ピストンはシリンダ(8)の内側で、作動軸(5)に沿って滑らかに作動出来る状態である。
電磁コイル(4)に、周波数が概ね70Hzの3V交流を流す。左右の電磁コイル(2)で180度の位相差とした電流である。周波数は適正な周波数から上下に5%程度の違いであれば、滑らかな往復運動が行われて、与えた電流と同じ周波数で振幅5mm程の往復運動を、作動シャフト(9)を介して利用出来る、往復運動モーターを実施できる。電圧を上げ、周波数を調整すると振幅を10mm程度まで大きくできる。10W程度の仕事を負わせる事が出来る往復運動モーターである。
(第2実施形態)
図2(a)と図2(b)は、本発明を具体化した第2実施形態に係る往復運動モーターの事例を示している。この第2実施形態は請求項2に関わる実施形態である。
(作用)
ダイアフラム(13)及び容積変動が可能な密封室(15)が弾性バネを成立させている。この弾性バネが、振動子磁石(2)と電磁コイル(4)の生み出す周期的な力と作用して、振動子磁石(2)が滑らかな往復運動を行う。即ち、ピストン(7)がシリンダ(8)に対して往復運動作動を行ない、作動シャフト(9)を介して利用する事が出来る。
上記構成の往復運動モーターの適切な実施を示す。振動子磁石(2)は外径19.5mm内径8mm厚さ4mmのネオジウム磁石であり、これを2個用いる。電磁コイルは径0.5mmのエナメル線を内径23mm幅12mmで100巻したものであり、これを2個用いる。
これらを、対称にするように、ピストン(7)とシリンダ(8)を用いる。ピストン(7)の運動をダイアフラム(13)の運動とするために、作動シャフト(9)と留めネジ(10)を用いている。
ピストン(7)を外径19.5mm内径8mm厚さ4mmのネオジウム磁石として、この両端に先の2個の振動子磁石(2)を備えて、2個の振動子磁石(2)とピストン(7)を一体として、外径19.5mm内径8mm厚さ12mmのネオジウム磁石である1個の振動子ピストンとしている。
作動子シャフト(9)を径8mm長さ30mmのステンレス棒として、ピストン(7)の内径穴を介してピストン(7)に固定して取り付けている。
シリンダ(8)を外径23mm内径20mm長さ46mmの樹脂円筒を用いる。この円筒の中心軸が作動軸(5)となる。この中央位置に、垂直な対称面(6)がある。2個の電磁コイル(4)をシリンダ(8)の外側に取り付ける。
ダイアフラム(13)に外径20mm縁の高さ6mmゴム厚1mmの凹型のゴム円盤を用いて、シリンダの内側に張り付けた上で、作動シャフト(9)と留めネジ(10)で挟んで取り付ける。シリンダ(8)の内側の両端に、直径20mm厚さ2mmの密封壁(14)を取り付けて、容積変動が可能な密封室(15)を備えている。空気バネを成立させている。図2(a)で示すように対称である。
以上で、振動子磁石(2)と電磁コイル(4)を対象の配置にした上で、ダイアフラム(13)と容積変動が可能な密封室(15)が作り出す弾性バネが作用していて、そのバネの力を介して振動子ピストンがシリンダ(8)の中の中央位置で釣り合う状態が出来ている。振動子ピストンはシリンダ(8)の内側で、作動軸(5)に沿って滑らかに作動出来る状態である。
電磁コイル(4)に、周波数が概ね70Hzの3V交流を流す。左右の電磁コイル(2)で180度の位相差とした電流である。周波数は適正な周波数から上下に5%程度の違いであれば、滑らかな往復運動が行われて、与えた電流と同じ周波数で振幅5mm程の往復運動を、作動シャフト(9)を介して利用する、往復運動モーターを実施出来る。電圧を上げ、周波数を調整すると振幅を10mm程度まで大きくできる。10W程度の仕事を負わせる事が出来る往復運動モーターである。
(第3実施形態)
図3(a)と図3(b)は、本発明を具体化した第3実施形態に係る往復運動モーターの事例を示している。この第3実施形態は請求項3に関わる実施形態である。
(作用)
振動子磁石(2)と固定子磁石(3)が磁気バネを成立させている。ダイアフラム(13)と容積変動が可能な密封室(15)が弾性バネを成立させている。この磁気バネと弾性バネが、電磁コイル(4)が生み出す周期的な磁場と作用して、振動子磁石(2)と固定子磁石(3)が相互に滑らかな往復運動を行う。即ち、ピストン(7)がシリンダ(8)に対して往復運動作動を行なう。
上記構成の往復運動モーターの適切な実施を示す。振動子磁石(2)は外径19.5mm内径8mm厚さ4mmのネオジウム磁石であり、これを2個用いる。固定子磁石(3)は外径30mm内径23mm厚さ3mmのネオジウム磁石であり、これを2個用いる。電磁コイルは径0.5mmのエナメル線を内径23mm幅11mmで100巻したものであり、これを2個用いる。
これらを、対称にするように、ピストン(7)とシリンダ(8)を用いる。ピストン(7)の運動をダイアフラム(13)の運動とするために、作動シャフト(9)と留めネジ(10)を用いている。
ピストン(7)を外径19.5mm内径8mm厚さ4mmのネオジウム磁石として、この両端に先の2個の振動子磁石(2)を備えて、2個の振動子磁石(2)とピストン(7)を一体として、外径19.5mm内径8mm厚さ12mmのネオジウム磁石である1個の振動子ピストンとしている。
作動子シャフト(9)を径8mm長さ30mmのステンレス棒として、ピストン(7)の内径穴を介してピストン(7)に固定して取り付けている。
シリンダ(8)を外径23mm内径20mm長さ46mmの樹脂円筒を用いる。この円筒の中心軸が作動軸(5)となる。この中央位置に、垂直な対称面(6)がある。2個の電磁コイル(4)をシリンダ(8)の外側に取り付ける。
ダイアフラム(13)に外径20mm縁の高さ5mm厚さ2mmの凹型のゴム円盤を用いて、シリンダの内側に張り付けた上で、作動シャフト(9)と留めネジ(10)で挟んで取り付ける。シリンダ(8)の内側の両端に、直径20mm厚さ2mmの密封壁(14)を取り付けて、容積変動が可能な密封室(15)を備えている。空気バネを成立させている。図3(a)で示すように対称である。
以上で、振動子磁石(2)と固定磁石(3)と電磁コイル(4)を対象の配置にした上で、振動子磁石(2)と固定磁石(3)の間での磁気バネが作用していて、加えてダイアフラム(13)と容積変動が可能な密封室(15)が作り出す弾性バネが作用していて、その磁気バネと弾性バネの力を介して振動子ピストンがシリンダ(8)の中の中央位置で釣り合う状態が出来ている。振動子ピストンはシリンダ(8)の内側で、作動軸(5)に沿って滑らかに作動出来る状態である。
電磁コイル(4)に、周波数が概ね90Hzの6V交流を流す。左右の電磁コイル(2)で180度の位相差とした電流である。周波数は適正な周波数から上下に5%程度の違いであれば、滑らかな往復運動が行われて、与えた電流と同じ周波数で振幅5mm〜10mm程の往復運動となり、往復運動モーターを実施できる。20W程度までの仕事を負わせる事が出来る往復運動モーターである。
(第4実施形態)
図4(a)と図4(b)は、本発明を具体化した第4実施形態に係る往復運動モーターの事例を示している。この第4実施形態は請求項4に関わる実施形態である。
(作用)
振動子磁石(2)と固定子磁石(3)が磁気バネを成立させている。ダイアフラム(13)と密封壁(14)で構成した容積変動が可能な密封室(15)がある。容積変動が可能な密封室(15)が空気バネであって、弾性バネを成立させている。この磁気バネと弾性バネとが、電磁コイル(4)が生み出す周期的な磁場と作用して、振動子磁石(2)と固定子磁石(3)が相互に滑らかな往復運動を行う。即ち、ピストン(7)がシリンダ(8)に対して往復運動作動を行ない、作動シャフト(9)を介して、容積変動が可能な密封室(15)の容積を変動させている。更に吸入弁(18)と吐出弁(19)が作用して、流体の流れを制御し、ポンプとして機能する。吐出側に負荷、吸入側を開放すれば圧縮ポンプとなる。吸入側に負荷、吐出側を開放すれば真空ポンプとなる。
ポンプとして利用する事で、左右の負荷を均等に負う装置と出来る。負荷を均等に出来る装置である事で、作動効率を損なわない往復運動モーターを実施出来る。
上記構成の往復運動モーターの適切な実施を示す。振動子磁石(2)は外径19.5mm内径8mm厚さ4mmのネオジウム磁石であり、これを2個用いる。固定子磁石(3)は外径30mm内径23mm厚さ3mmのネオジウム磁石であり、これを2個用いる。電磁コイルは径0.5mmのエナメル線を内径23mm幅12mmで100巻したものであり、これを2個用いる。容積変動が可能な密封室(15)は、直径20mm縁の高さ6mm厚み2mmの凹面型ゴム膜と、直径20mm厚さ2mmの密封壁(14)で囲んだものである。対称に2個ある。更に、吸入弁(18)と吐出弁(19)を容積変動が可能な密封室(15)に取り付けて、流体の流れを制御出来るように用いている。
これらを、対称にするように、ピストン(7)とシリンダ(8)を用いる。作動シャフト(9)と容積変動が可能な密封室(15)とを連動する構成にしている。
ピストン(7)を外径19.5mm内径8mm厚さ4mmのネオジウム磁石として、この両端に先の2個の振動子磁石(2)を備える。即ち、2個の振動子磁石(2)とピストン(7)が一体となり、外径19.5mm内径8mm厚さ12mmのネオジウム磁石である1個の振動子磁石ピストンとなっている。
作動子シャフト(9)を径8mm長さ30mmのステンレス棒として、ピストン(7)の内径穴を介してピストン(7)に固定して取り付けている。
シリンダ(8)を外径23mm内径20mm長さ46mmの樹脂円筒を用いる。この円筒の中心軸が作動軸(5)となる。この中央位置に、垂直な対称面(6)がある。2個の電磁コイル(4)と2個の固定子磁石(3)を、シリンダ(8)の外側に取り付ける。更に、シリンダ(8)の内側面に2個の容積変動が可能な密封室(15)を構成している。図4(a)で示すように対称である。
更に、2組の吸入弁(18)と吐出弁(19)を容積変動が可能な密封室(15)に取り付けている。左右2つのポンプが出来る事になる。
以上で、振動子磁石(2)と固定磁石(3)と電磁コイル(4)とダイアフラム(13)を対象の配置にした上で、振動子磁石(2)と固定磁石(3)の間での磁気バネが作用していて、更に空気バネが弾性バネとして作用していて、そのバネの力を介してピストン(7)がシリンダ(8)の中の中央位置で釣り合う状態が出来ている。
ピストン(7)はシリンダ(8)の内側で、作動軸(5)に沿って滑らかに作動出来る状態である。ピストン(7)はその振幅を最大で10mm以上にできる作動領域を持っている。
この実施例の装置は吸入弁(18)と吐出弁(19)を2組備えている。これを[図11]のように直列に用いる方法と、[図12]のように並列に用いる方法がある。どちらも可能である。直列の場合は、ポンプとして流体を押す力あるいは引く力を強くして利用出来る。並列の場合は、ポンプとして流体を流す量を多くして利用出来る。
直列にした場合は、左右のポンプでの負荷は異なるものになる。圧縮あるいは真空引の直列の1段目と2段目での負荷が異なるためである。この実施例の装置に於いても、往復運動の中央位置の偏移を生じる事になるが、磁気バネと弾性バネの応力が強く働いている中にあるので、滑らかな往復運動を継続して行う状態には支障しない範囲である。
並列にした場合は、左右のポンプでの負荷を同じものにし易くなる。この実施例の装置に於いて、往復運動の中央位置の偏移は概ねないものであり、滑らかな往復運動を継続して行う状態になる。
ここでは、直列にして用いた場合での、圧縮ポンプとしての性能と、真空ポンプとしての性能を示す事にする。
この実施例の装置に於いて、2組の吸入弁(18)と吐出弁(19)を、[図11]のように直列に用いる。吐出側に容積1Lの圧力タンクを備えた負荷として、吸入側を開放すれば、圧縮ポンプとして働く往復運動モーターとなる。
電磁コイル(4)に、周波数が概ね100Hzの3V交流を流す。左右の電磁コイル(2)で180度の位相差とした電流である。滑らかな往復運動が行われて、与えた電流と同じ周波数で振幅6mm程の往復運動を、圧縮ポンプの作動として利用する事が出来る。駆動電流は概ね1Aである。この場合に圧力0.08Mpaまでを実施出来る。
電磁コイル(4)への駆動電流を、周波数が概ね120Hzで6Vの交流で行う。滑らかな往復運動が行われて、与えた電流と同じ周波数で振幅10mm程の往復運動を、圧縮ポンプの作動として利用する事が出来る。駆動電流は概ね2Aである。この場合に圧力0.15Mpa程度を実施出来る。容積1Lの圧力タンクに空気を圧搾して、タンク内圧力を概ね2分で0.1Mpaを超えてゆく流量性能がある。
次に、吸入側に容積1Lの真空タンクを備えた負荷として、吐出側を開放して行う。真空ポンプとして働く往復運動モーターとなる。
電磁コイル(4)に、周波数が概ね85Hzの3V交流を流す。左右の電磁コイル(2)で180度の位相差とした電流である。滑らかな往復運動が行われて、与えた電流と同じ周波数で振幅6mm程の往復運動を、真空ポンプの作動として利用する事が出来る。駆動電流は1A未満である。この場合に到達真空圧をマイナス70Kpaまで実施出来る。
電磁コイル(4)への駆動電流を、周波数が概ね95Hzで6Vの交流で行う。滑らかな往復運動が行われて、与えた電流と同じ周波数で振幅10mm程の往復運動を、真空ポンプの作動として利用する事が出来る。駆動電流は2A未満である。この場合に到達真空圧をマイナス95Kpa程度まで実施出来る。概ね95%の真空域である。容積1Lの真空タンクから空気を吸引して、タンク内圧力を概ね1分でマイナス80Kpaを超えてゆく流量性能がある。
(第5実施形態)
図5(a)と図5(b)は、本発明を具体化した第5実施形態に係る往復運動モーターの事例を、もう一つ示している。この第5実施形態は請求項4に関わる実施形態である。
(作用)
振動子磁石(2)と固定子磁石(3)が磁気バネを成立させている。ピストン(7)とシリンダ(8)の間で気密性を持たせている。この気密性により、ピストン(7)とシリンダ(8)で囲んだ容積変動が可能な密封室(15)が成立している。この容積変動が可能な密封室(15)が空気バネであって、弾性バネを成立させている。この磁気バネと弾性バネとが、電磁コイル(4)が生み出す周期的な磁場と作用して、振動子磁石(2)と固定子磁石(3)が相互に滑らかな往復運動を行う。即ち、ピストン(7)がシリンダ(8)に対して往復運動作動を行ない、作動シャフト(9)を介して、容積変動が可能な密封室(15)の容積を変動させている。更に吸入弁(18)と吐出弁(19)が作用して、流体の流れを制御し、ポンプとして機能する。吐出側に負荷、吸入側を開放すれば圧縮ポンプとなる。吸入側に負荷、吐出側を開放すれば真空ポンプとなる。
ポンプとして利用する事で、左右の負荷を均等に負う装置と出来る。負荷を均等に出来る装置である事で、作動効率を損なわない往復運動モーターを実施出来る。
上記構成の往復運動モーターの適切な実施を示す。振動子磁石(2)は外径15mm内径3mm厚さ8mmのネオジウム磁石であり、これを2個用いる。固定子磁石(3)は外径25mm内径18mm厚さ5mmのネオジウム磁石であり、これを1個用いる。電磁コイル(4)は径0.5mmのエナメル線を内径18mm幅10mmで80巻したものであり、これを2個用いる。
気密性があるピストン(7)とシリンダ(8)を用いている。ピストン(7)の材質はカーボングラファイトであり、シリンダ(8)の材質はパイレツクスガラスである。潤滑油を使用しないで、気密性があって滑らかに作動するものである。
ピストン(7)の外径は16mmで、中心に内径3mmの穴を備えていて、その長さは13mmである。シリンダ(8)の外径は18mmであり、内径は16mmであり、長さは50mmである。
シリンダ(8)の内側の両端に密封壁(14)を備えている。ピストン(7)とシリンダ(8)と密封壁(14)に囲まれた容積変動が可能な密封室(15)が成立している。対称に2個である。更に、吸入弁(18)と吐出弁(19)を容積変動が可能な密封室(15)に取り付けて、流体の流れを制御出来るように用いている。
2個の振動子磁石(2)の内径3mmの穴とピストン(7)の内径3mmの穴に、作動シャフト(9)を通して、一体に取り付けている。この穴の箇所は密封にしている。
シリンダ(8)の中央位置に、固定子磁石(3)を取り付ける。固定子磁石(3)は1個である。この位置は対称面(6)の位置である。
2組の吸入弁(18)と吐出弁(19)を容積変動が可能な密封室(15)に取り付けている。左右2つのポンプが出来る事になる。
以上で、振動子磁石(2)と固定磁石(3)と電磁コイル(4)と容積変動が可能な密封室(15)を対象の配置にした上で、振動子磁石(2)と固定磁石(3)の間での磁気バネが作用していて、更に空気バネが弾性バネとして作用していて、そのバネの力を介してピストン(7)がシリンダ(8)の中の中央位置で釣り合う状態が出来ている。
ピストン(7)はシリンダ(8)の内側で、作動軸(5)に沿って滑らかに作動出来る状態である。ピストン(7)はその振幅が最大で12mmとなる作動領域を持っている。
この実施例の装置は吸入弁(18)と吐出弁(19)を2組備えている。これを[図12]のように並列に用いる。
並列に用いて、左右のポンプでの負荷を同じものに調整し易くする。この実施例の装置に於いて、往復運動の中央位置の偏移は概ねないものとなり、滑らかな往復運動を継続して行う状態になる。
以下は、並列にして用いた場合での、圧縮ポンプとしての性能と、真空ポンプとしても性能を示すものである。
吐出側に容積1Lの圧力タンクを備えた負荷として、吸入側を開放すれば、圧縮ポンプとして働く往復運動モーターとなる。
電磁コイル(4)に、周波数が概ね110Hzの3V交流を流す。左右の電磁コイル(2)で180度の位相差とした電流である。滑らかな往復運動が行われて、与えた電流と同じ周波数で振幅4mm程の往復運動を、圧縮ポンプの作動として利用する事が出来る。駆動電流は1A程である。この場合に圧力0.05Mpa程度を実施出来る。
電磁コイル(4)への駆動電流を、周波数が概ね120Hzで6Vの交流で行う。滑らかな往復運動が行われて、与えた電流と同じ周波数で振幅8mm程の往復運動を、圧縮ポンプの作動として利用する事が出来る。駆動電流は2A程度である。この場合に圧力0.1Mpaを超えて実施出来る。
吸入側に容積1Lの真空タンクを備えた負荷として、吐出側を開放して、真空ポンプとして働く往復運動モーターとする。
電磁コイル(4)に、周波数が概ね90Hzの3V交流を流す。左右の電磁コイル(2)で180度の位相差とした電流である。滑らかな往復運動が行われて、与えた電流と同じ周波数で振幅6mm程の往復運動を、真空ポンプの作動として利用する事が出来る。駆動電流は1A程である。この場合に到達真空圧マイナス50Kpa程度を実施出来る。
電磁コイル(4)への駆動電流を、周波数が概ね100Hzで6Vの交流で行う。滑らかな往復運動が行われて、与えた電流と同じ周波数で振幅10mm程の往復運動を、圧縮ポンプの作動として利用する事が出来る。駆動電流は2A程度である。この場合に到達真空圧マイナス80Kpa程度を実施出来る。概ね80%の真空域である。
(第6実施形態)
[図6]は、本発明を具体化した第6実施形態に係る往復運動モーターの事例を示している。この第6実施形態は請求項5に関わる実施形態である。
(作用)
2個の往復運動モーターを、同じ駆動周波数の駆動電流を制御して、常に逆向きの往復運動を行わせている。即ち2個の往復運動モーターの運動の位相差が180度であるように制御する。結果、装置が外に及ぼす振動を打ち消す事が可能となる。固定子磁石(3)側の往復運動は打ち消されるが、振動子磁石(2)側は2個共に往復運動を行っていて、その運動の方向は常に逆向きである。装置自体が外に及ぼす振動は打ち消された状態で作動する事が出来る。
上記構成の往復運動モーターの適切な実施を示す。(第4実施形態)の(実施例)の往復運動モーター(17)を2個、作動軸(5)の方向に直列に配置したものである。対称面(6)を2つ備えている。2個の往復運動モーター(17)は連結固定している。全体として、直径40mm長さ100mmの往復運動モーター(20)である。吸入弁(18)と吐出弁(19)を4組備えていて、圧縮ポンプあるいは真空ポンプとして用いる事が出来る。
2個の往復運動モーター(17)を位相差180度で制御して作動させる事が可能であり、不要な振動が少ない圧縮ポンプあるいは真空ポンプとなる。
4組の吸入弁(18)と吐出弁(19)を、直列に利用する事あるいは並列に利用する事が可能であり、圧力性能と真空性能と流量性能の利用幅が広い装置である。
ここでの実施例の装置は[図6]で示すように、4組の吸入弁(18)と吐出弁(19)を、吸入弁あるいは吐出弁を繋ぐ配管(21)で繋いでいる。並列に繋いだ上で、直列に繋ぐ方法である。
配管の吐出部(23)に圧力タンクを備えて負荷として、吸入側を開放すれば、圧縮ポンプとして働く往復運動モーターとなる。
電磁コイル(4)に、周波数が概ね90Hzの12V交流を流す。左右の電磁コイル(2)で180度の位相差とした電流である。滑らかな往復運動が行われて、圧縮ポンプの作動として利用する事が出来る。駆動電流は概ね3Aである。この場合に圧力0.16Mpa程度を実施出来る。容積1Lの圧力タンクに空気を圧搾して、タンク内圧力を概ね30秒で0.1Mpaを超えてゆく流量性能がある。
配管の吸入部(22)に真空タンクを備えて負荷として、吐出側を開放すれば、真空ポンプとして働く往復運動モーターとなる。
電磁コイル(4)に、周波数が概ね75Hzの12V交流を流す。左右の電磁コイル(2)で180度の位相差とした電流である。滑らかな往復運動が行われて、真空ポンプの作動として利用する事が出来る。駆動電流は概ね2Aである。この場合に到達真空圧マイナス99Kpaまでを実施出来る。容積1Lの真空タンクから空気を吸引して、タンク内圧力を概ね50秒でマイナス90Kpaに下げてゆく流量性能がある。
1…請求項1によって提供される往復運動モーター。2…振動子磁石。3…固定子磁石。4…電磁コイル。5…作動軸。6…対称面。7…ピストン。8…シリンダ。9…作動シャフト。10…留めネジ。11…繋ぎ部材。12…請求項2によって提供される往復運動モーター。13…ダイアフラム。14…密封壁。15…容積変動が可能な密封室。16…請求項3によって提供される往復運動モーター。17…請求項4によって提供される往復運動モーター。18…吸入弁。19…吐出弁。20…請求項5によって提供される往復運動モーター。21…吸入弁あるいは吐出弁を繋ぐ配管。22…配管の吸入部。23…配管の吐出部。

Claims (5)

  1. 振動子磁石(2)と固定子磁石(3)と電磁コイル(4)とを備えて、これらを作動軸(5)の上に対称の配置をしていて、振動子磁石(2)と固定子磁石(3)が磁気バネを成立させている配置であり、磁気バネの作用と、振動子磁石(2)が持つ磁場と電磁コイル(4)に流す周期電流が生じる磁場との作用で、振動子磁石(2)が作動軸(5)に沿った往復運動を行うように構成している、往復運動モーター(1)。
  2. 振動子磁石(2)と電磁コイル(4)と弾性バネとを備えて、これらを作動軸(5)の上に対称の配置をしていて、更に振動子磁石(2)と弾性バネが連動する構成であって、弾性バネの作用と、振動子磁石(2)が持つ磁場と電磁コイル(4)に流す周期電流が生じる磁場との作用で、振動子磁石(2)が作動軸(5)に沿った往復運動を行うように構成している、往復運動モーター(12)。
  3. 振動子磁石(2)と固定子磁石(3)と電磁コイル(4)と弾性バネとを備えて、これらを作動軸(5)の上に対称の配置をしていて、振動子磁石(2)と固定子磁石(3)が磁気バネを成立させている配置であり、更に振動子磁石(2)と弾性バネが連動する構成であって、磁気バネの作用と、弾性バネの作用と、振動子磁石(2)が持つ磁場と電磁コイル(4)に流す周期電流が生じる磁場との作用で、振動子磁石(2)が作動軸(5)に沿った往復運動を行うように構成している、往復運動モーター(16)。
  4. 振動子磁石(2)と固定子磁石(3)と電磁コイル(4)と容積変動が可能な密封室(15)とを備えて、これらを作動軸(5)の上に対称の配置をしていて、更に容積変動が可能な密封室(15)に繋がる吸入弁(18)と吐出弁(19)を備えていて、振動子磁石(2)と固定子磁石(3)が磁気バネを成立させている配置であり、容積変動が可能な密封室(15)が弾性バネを成立させている配置であり、更に振動子磁石(2)と容積変動が可能な密封室(15)が連動する構成であって、磁気バネの作用と、弾性バネの作用と、振動子磁石(2)が持つ磁場と電磁コイル(4)に流す周期電流が生じる磁場との作用で、振動子磁石(2)が作動軸(5)に沿った往復運動を行うように構成していて、更にこの往復運動を、容積変動が可能な密封室(15)と吸入弁(18)と吐出弁(19)とでポンプとして作用するように構成している、往復運動モーター(17)。
  5. 請求項1の往復運動モーター(1)を2個、あるいは請求項2の往復運動モーター(12)を2個、あるいは請求項3の往復運動モーター(16)を2個、あるいは請求項4の往復運動モーター(17)を2個、作動軸(5)の方向に並べて一体にした構成である、往復運動モーター(20)。
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