JP3296890B2 - 有極リニヤアクチュエータ - Google Patents

有極リニヤアクチュエータ

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JP3296890B2
JP3296890B2 JP16561693A JP16561693A JP3296890B2 JP 3296890 B2 JP3296890 B2 JP 3296890B2 JP 16561693 A JP16561693 A JP 16561693A JP 16561693 A JP16561693 A JP 16561693A JP 3296890 B2 JP3296890 B2 JP 3296890B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可動磁極が直線運動を
するリニヤアクチュエータに係り、特に高能率、高速応
答、大きい機械出力等を要求される機器に適した有極リ
ニヤアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】図7に示すように、相対する吸引磁極1
00と吸引磁極102との間に直線運動可能に設けられ
た可動磁極104に、可動磁極104の運動方向(矢印
A方向及び矢印A方向とは反対方向)と交差するように
永久磁石106の磁束106Aと電磁石108の磁束1
08Aとが重畳して加えられるように構成された有極リ
ニヤアクチュエータ110がある。
【0003】従来は可動磁極104として運動方向の断
面積が一定のものが用いられていた。或いは、相対する
2つの吸引磁極100と吸引磁極102との間に吸引さ
れて入って行く可動磁極104は一つだけであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の有極
リニヤアクチュエータ110では、可動磁極104に吸
引力に直接役立たない部分が相当含まれていた。それら
の部分は、無用に可動磁極104の質量を増やし、能率
を下げ、また応答を悪くしていた。
【0005】また、吸引磁極100と吸引磁極102と
の間には一つだけの可動磁極100しか置かれていない
ため、大きい機械出力を要する目的には適していなかっ
た。
【0006】本発明は上記事実を考慮し、高能率、高速
応答であり、さらに大きい機械出力が得られる有極リニ
ヤアクチュエータを提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の有極リ
ニヤアクチュエータは、各々相対する磁極を生成するた
めの一組の磁性体が2組対峙して配設された吸引手段
と、前記相対する磁極間の各々に一部が挿入されかつ直
線的に移動可能に保持された可動磁極と、前記各磁性体
における磁極と前記可動磁極との間の間隙に磁束を通過
させる永久磁石と、前記吸引手段の一方の組の磁性体に
おける磁極間では前記磁束と加算される方向に通過する
磁束を形成しかつ他方の組の磁性体における磁極間では
前記磁束と減算される方向に通過する磁束を形成する励
磁コイルと、を備え、前記可動磁極を、一方の磁極間に
挿入される第1の可動鉄心と、他方の磁極間に挿入され
る第2の可動鉄心と、前記第1の可動鉄心と第2の可動
鉄心とを互いに連結する低質量の連結部材と、で構成し
たことを特徴としている。
【0008】請求項2に記載の有極リニヤアクチュエー
タは、各々相対する磁極を生成するための一組の磁性体
が2組対峙して配設された吸引手段と、前記相対する磁
極間の各々に一部が挿入されかつ直線的に移動可能に保
持された可動磁極と、前記各磁性体における磁極と前記
可動磁極との間の間隙に磁束を通過させる永久磁石と、
前記吸引手段の一方の組の磁性体における磁極間では前
記磁束と加算される方向に通過する磁束を形成しかつ他
方の組の磁性体における磁極間では前記磁束と減算され
る方向に通過する磁束を形成する励磁コイルと、を備
え、前記可動磁極を、前記磁性体の一方と他方とを結ぶ
方向とは交差する方向に並んで配設される複数個の可動
鉄心で構成したことを特徴としている。
【0009】請求項3に記載の有極リニヤアクチュエー
タは、各々相対する磁極を生成するための一組の磁性体
が2組対峙して配設された吸引手段と、前記相対する磁
極間の各々に一部が挿入された可動磁極と、前記各磁性
体における磁極と前記可動磁極との間の間隙に磁束を通
過させる永久磁石と、前記吸引手段の一方の組の磁性体
における磁極間では前記磁束と加算される方向に通過す
る磁束を形成しかつ他方の組の磁性体における磁極間で
は前記磁束と減算される方向に通過する磁束を形成する
励磁コイルと、を備え、前記可動磁極が中空状とされ、
かつ中空部分を貫通する支持軸に沿って直線的に移動自
在とされていることを特徴としている。
【0010】また、請求項4に記載の有極リニヤアクチ
ュエータは、各々相対する磁極を生成するための一組の
磁性体が2組対峙して配設された吸引手段と、前記相対
する磁極間の各々に一部が挿入されかつ直線的に移動可
能に保持された可動磁極と、前記各磁性体における磁極
と前記可動磁極との間の間隙に磁束を通過させる永久磁
石と、前記吸引手段の一方の組の磁性体における磁極間
では前記磁束と加算される方向に通過する磁束を形成し
かつ他方の組の磁性体における磁極間では前記磁束と減
算される方向に通過する磁束を形成する励磁コイルと、
を備え、前記可動磁極を前記磁性体の一方と他方とを結
ぶ方向に並設された可動鉄心で形成すると共に前記可動
鉄心の間に固定磁極を配置したことを特徴としている。
【0011】
【作用】請求項1に記載の有極リニヤアクチュエータで
は、各々相対する二つの磁極を生成するための一組の磁
性体が二組対峙して配置されて吸引手段を構成してい
る。この吸引手段の相対する二つの磁極の間には直線的
に移動可能に保持された可動磁極の一部が挿入されてい
る。この吸引手段の各磁性体における磁極と可動磁極と
の間の間隙(以下ギャップと言う)を略一様にすること
によって、有極リニヤアクチュエーターは一様の吸引力
を発揮することができる。また、可動磁極を吸引方向に
対して略同じ断面に形成し、吸引磁極の端面を平面的か
つ可動磁極に平行にすれば、可動磁極が吸引磁極に引き
込まれる時に、その全ストロークにおいてギャップが略
一様になり、一様の吸引力を発揮できる。ギャップに
は、永久磁石による磁束が通されており、これに励磁コ
イルによる磁束が重畳される。本有極リニヤアクチュエ
ータは、これら永久磁石及び励磁コイルの磁束によって
磁気回路を構成しており、吸引手段の一方の組の磁性体
における磁極間では、永久磁石による磁束と励磁コイル
による磁束とが加算されるように、他方の組の磁性体に
おける磁極間では永久磁石による磁束と励磁コイルによ
る磁束が減算されるように磁気回路を構成する。この磁
気回路において励磁コイルの磁束の通る磁路中に永久磁
石が含まれないようにする。これによって、励磁コイル
の回路のパーミアンスを小さくすることができ、小電力
で励磁コイルによる磁束を大きくすることができ、小さ
な電力で大きな吸引力が得られる。
【0012】上記磁極と可動磁極との間の境界面(ギャ
ップの方向に沿う面)と直角に磁束が通っている場合に
おける磁束と直角の方向に可動磁極が引き込まれる力
(吸引力F)は、以下の式(1)に示すように、ギャッ
プδ、可動磁極の移動方向と直角な長さb、及び磁束密
度Bに関係がある。
【0013】 F ∝ (B2 ・δ・b)/(2・μ)−−− (1) 吸引手段の磁性体の励磁が励磁コイルだけで行われてい
るとすると、有極アクチュエータの定格が決まれば磁束
密度Bは励磁アンペアターンに比例して決定される。即
ち、磁束密度Bは励磁電力の2乗に比例する。例えば、
1Wの励磁電力で得られる磁束密度を0.5テスラとす
れば1.5テスラを得るためには9Wを必要とする。こ
こで、永久磁石による磁束が通っているギャップに励磁
コイルによる磁束が重畳された場合、永久磁石による磁
束密度をB0 、励磁コイルによる磁束密度をB1 とする
と吸引力は(B0 ±B12 で決定される。即ち永久磁
石の磁束密度B0 の設定によってB0 分だけ励磁コイル
の電力を節約できる。例えば、磁束密度B0 を1テスラ
とすると、0.5テスラ分の磁束を作れるだけの電力、
即ち1Wの電力で1.5テスラの磁束を得ることができ
る。つまり1Wの電力で9Wの吸引力を得る事ができ
る。このとき、無電力の時でも1テスラ分の吸引力Fは
残るが、この解決方法は後述する。
【0014】従って、永久磁石の磁束の回路と励磁コイ
ルの磁束の回路が互いにギャップの所で重なり合い、他
の所では重ならず、励磁コイルの回路中に磁気抵抗の高
い永久磁石が入らない構造にすれば、励磁コイルによる
磁束が効率良くギャップの所を通り、有極にすることに
よって少ない電力で大きい吸引力を得ることができる。
【0015】本発明では二つの磁性体を対峙して形成
し、その各々の磁性体が有する相対する磁極間の吸引力
の差が外部に動作力となる構造としている。両方の磁性
体の永久磁石による磁束密度は原則としてストロークの
何処でも同じようになるように構成されるので、永久磁
石による吸引力は両方の磁性体でバランスしており、外
部に吸引力は発生しない。即ち、可動磁極は全ストロー
クの何処でも力を受けない。
【0016】また、励磁コイルによる磁束は一方の磁性
体では永久磁石の磁束と加算され、他方では減算される
構造としているので、一方側(例えば右方側)の磁性体
における励磁コイルによる磁束密度を磁束密度B1 、他
方側(例えば左方側)の磁性体における励磁コイルによ
る磁束密度を磁束密度B2 とすると、励磁コイルが動作
した時の吸引力Fは、以下の式(2)で表すことができ
る。
【0017】 F∝(B0 +B12 −(B0 −B22 ・・・(2) この式(1)は、以下の式(2)のように変換される。
【0018】 F∝2・B0 ・(B1 +B2 )+(B1 2−B2 2) ・・・(3) このとき、各磁束密度にB0 ≫B1 、B0 ≫B2 の関係
がある場合、即ち永久磁石の磁束密度に比べて励磁コイ
ルによる磁束密度が十分小さいときは式(2)の第2項
は無視されて第1項で吸引力が決まる。この場合は励磁
コイルだけの場合よりずっと大きい吸引力を得ることが
できる。またこの場合の吸引力は励磁コイルの磁束に対
して一次比例となる。そして全ストロークに亙ってほぼ
同じ吸引力になる。励磁コイルの磁束が大きい場合は式
(2)の第二項は無視できずそのため吸引力は、ストロ
ークにしたがって変化し、通常引始めで強く、また引終
わりで弱くなるが、従来のソレノイドのような大きな変
化はない。更にこれに対しては、鉄心の移動に伴って鉄
心と磁性体における磁極とのギャップが変化するように
磁性体の形状を考えることによってより変化を少なくで
きる。B0 を大きくすると、同じ電力で従来のソレノイ
ドより大きな力を発揮できる。
【0019】従来、B0 ≫B1 でこの原理を使って高能
率を得ているものには、マグネチックスピーカー等があ
る。本発明はこの原理を利用して上記構造で、直線運動
をする有極アクチュエーターを形成し、全ストロークに
亙ってほぼ一様な吸引力と高能率を得ている。
【0020】さらに、本発明の有極リニヤアクチュエー
ターでは、一方の磁極間と他方の磁極間との中間部には
磁束が通らないため、可動磁極の中間部には、磁束の通
らない部分がある。本発明では、第1の可動鉄心と第2
の可動鉄心との間の磁束の通らない部分が低質量の連結
部材で形成されているため、可動部の出力対質量の比を
改善し、能率と応答を向上させることができる。
【0021】請求項2に記載の有極リニヤアクチュエー
タによれば、磁力を増加させることなく出力を上げるこ
とが可能となる。
【0022】その理由は、可動鉄心を駆動するに必要な
磁力は、可動鉄心の表面積によって定まる磁束の量によ
って決まり、可動鉄心が表面積は可動鉄心が丸棒である
場合にはその半径に比例する。一方、可動鉄心の質量
は、その半径の2乗に比例するからである。
【0023】請求項3に記載の有極リニヤアクチュエー
タによれば、表面積を同じとした場合、中実の可動磁極
に比較して、軸直交断面の断面積が小さくなる。即ち、
可動部の出力対質量の比を改善し、能率と応答を向上さ
せることができる。
【0024】また、請求項4に記載の有極リニヤアクチ
ュエータによれば、出力を上げることが可能となる。可
動鉄心1個当たりの出力は、飽和磁束密度によって制限
される。請求項4に記載の有極リニヤアクチュエータで
は、可動鉄心と固定鉄心とを磁性体の一方と他方とを結
ぶ方向、即ち、磁束の通る方向に交互に配置したので、
各可動鉄心の出力の合計して大きな出力を得ることがで
きる。
【0025】
【実施例】〔第1実施例〕図1及び図2を参照し、本発
明の第1実施例の有極リニヤアクチュエーターAcを説
明する。第1実施例の有極リニヤアクチュエーターAc
は、図1及び図2に示したように、内部が中空の四角柱
形状の外部継鉄8を備えており、外部継鉄8の中央部に
は軸線に沿って非磁性体から成る円筒状のパイプ20が
配設されている。
【0026】パイプ20の内部には、互いに連結された
2個の可動鉄心3が軸線方向(図1矢印A方向及び矢印
A方向とは反対方向)に移動可能に配設されている。可
動鉄心3は丸棒状とされ、連結部材としての細径の連結
棒11によって連結されている。可動鉄心3の軸方向外
端には、それぞれ出力を取り出すための支持軸6が固着
されている。なお、支持軸6及び連結棒11は、負荷に
耐えるだけの剛性を有していればよく、材質は金属に限
らず、プラスチック等であってもよい。
【0027】外部継鉄8の内面上部及び内面下部には厚
み方向に着磁された板状の永久磁石1U ,1D が取り付
けられている。この永久磁石1U ,1D には、吸引部材
U,2D が取り付けられている。吸引部材2U は、磁
束を通す継鉄5U の両端に磁気抵抗の小さい磁性体
UR,9ULが取り付けられて断面コ字状の形状をしてお
り、各磁性体9UR,9ULには励磁用のコイル4UR,4UL
が各々巻き付けられている。この磁性体9UR,9ULの可
動鉄心側の端部は、この磁性体を通過する磁束によって
磁極18UR,18ULとなる。
【0028】同様に、吸引部材2D は、継鉄5D の両端
に磁性体9DR,9DLが取り付けられた断面コ字形状で、
各磁性体9DR,9DLには励磁用のコイル4DR,4DLが各
々巻き付けられている。また、磁性体9DR,9DLの可動
鉄心側の端部は、この磁性体を通過する磁束によって磁
極18DR,18DLとなる。これら、吸引部材2U ,2 D
の磁性体9UR,9DR及び磁性体9UL,9DLの組合せによ
って吸引手段を構成している。
【0029】なお、前記パイプ20は、磁性体9UR,9
UL,9DR,9DLの端部に接着剤等によって固着されてい
る。また、パイプ20の内周面と可動鉄心3の外周面と
の何れか一方または両方に、低摩擦で、且つ耐摩耗性を
有するコーティングを施しても良い。
【0030】次に、第1実施例の有極リニヤアクチュエ
ーターAcの作動について内部を通る磁束を参照し説明
する。永久磁石1U ,1D による、その磁束は実線矢印
12のように流れている(図1参照)。即ち、二つの吸
引部材2U ,2D の上下の磁極18UR、18DR及び磁極
18UL、18DLの間に流れる磁束は同じ方向である。こ
の場合、磁極18UR、18UL、はN極であり、磁極18
DR、18DLはS極である。
【0031】4個の励磁コイル4UR、4UL、4DR、4DL
について、励磁コイル4UR、4DRに同じ方向の電流を通
電し、それと反対の向きの電流を励磁コイル4UL、4DL
に通電することによって励磁されて生じる磁束は、点線
矢印14の方向になる。このとき、永久磁石の磁束及び
励磁コイルの磁束は、上部吸引部材2U と可動鉄心3と
下部吸引部材2D の間のギャップ16UR、16UL、16
DR、16DLを通るが、左方の吸引部材2U ,2D 間(磁
極18UL,18DLの間)のギャップ16UL、16DLでは
この二つの磁束は加算され、右方の吸引部材2U ,2D
間(磁極18UR,18DRの間)のギャップ16UR、16
DRでは減算される方向に流れる。
【0032】従って、可動鉄心3と吸引部材2U ,2D
との間の左右のギャップで、左のギャップ16UL、16
DLの磁束密度は右のギャップ16UR、16DRの磁束密度
より大となり、可動鉄心3は左方向(図1矢印A方向と
は反対方向)に吸引される。
【0033】励磁コイルの電流の方向を上述の場合と逆
方向に流せば、ギャップの磁束密度は左右が逆転して可
動鉄心3は右方向(図1矢印A方向)に移動する。可動
鉄心3が受ける力は作用の所で述べたように、永久磁石
による磁束密度Bと、励磁コイル(電磁石)による起磁
力による磁束と、可動鉄心3の移動方向と直角方向の
幅、との函数になる。
【0034】ここで、励磁コイル4UR、4UL、4DR、4
DLによる磁束は、磁気抵抗の大きい永久磁石1U ,1D
を通過せずに吸引部材2U ,2D 、即ち、磁気抵抗の小
さい磁性体9UR、9UL、9DR、9DL、継鉄5U ,5D
可動鉄心3を通るので、容易に磁気回路を形成でき、少
ない電力で所望の磁束を得ることができる。
【0035】本実施例の有極リニヤアクチュエーターA
cでは、可動鉄心3と可動鉄心3との中間部の磁束の通
らない部分が細径の連結棒11となっているため、可動
部分の質量が軽くなり、吸引力に対する質量の割合を小
さくして応答性を早めることができる。なお、可動鉄心
3と可動鉄心3とは、プラスチック等の低質量の部材で
連結してもよい。
【0036】〔第2実施例〕次に、図3を参照して本発
明の第2実施例を説明する。なお、第1実施例と同一構
成に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0037】本実施例の有極リニヤアクチュエーターA
cは、吸引部材2U と吸引部材2Dとの間に複数本(本
実施例では3本)の細径のパイプ20を並設し、それぞ
れのパイプ20内に細径の可動鉄心3を配設し、更に吸
引部材2U 、2D には各可動鉄心3に対向する突起磁極
22を形成したものである。
【0038】なお、各可動鉄心3は、各々の両端部が図
示しない連結部材で連結されて一体化しており、連結部
材には出力を取り出すための支持軸(図示せず)が固着
されている。
【0039】可動鉄心3の形状を丸棒状とした場合、吸
引力を決める可動鉄心3と吸引磁極との対向面積は丸棒
の半径に比例するが、可動鉄心3の質量は半径の2乗に
比例する。従って、可動鉄心3の半径が大きくなるにし
たがって、吸引力に対する質量の割合は大きくなり、応
答は遅くなる。そこで、本実施例では、太い丸棒状の可
動鉄心の代わりに細い丸棒状とされた可動鉄心3を吸引
部材2U ,2D に対して複数個対応させたので、吸引力
に対する質量の割合を小さくして応答性を早めることが
できる。
【0040】〔第3実施例〕次に、図4を参照して本発
明の第3実施例を説明する。なお、第1実施例と同一構
成に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0041】図4に示すように、本実施例の有極リニヤ
アクチュエーターAcは、可動鉄心3の吸引部材2U
D に対する表面積と可動鉄心3の断面積との比を改善
するために、可動鉄心3の軸芯部分を中空に形成した例
である。可動鉄心3の中空部分には、可動鉄心3を軸芯
に沿って摺動させるための支持棒24が挿通している。
【0042】なお、支持棒24は連結部材25を介して
吸引部材2U 、2D に固定されている。また、可動鉄心
3に固着された支持軸6は、連結部材25に設けられた
孔27を介して外部へ突出している。
【0043】本実施例の有極リニヤアクチュエーターA
cは、可動鉄心3を中空とすることによって可動鉄心3
の有効断面積と表面積との比が改善されるため、吸引力
に対する質量の割合が小さくなって応答性が早められ
る。
【0044】また、可動鉄心3は、支持棒24によって
ガイドされるため、外周面をガイドされるよりも摺動面
積が小さくなり、可動鉄心3の滑らかな運動が保証され
る。
【0045】〔第4実施例〕次に、図5及び図6を参照
して本発明の第4実施例を説明する。なお、第1実施例
と同一構成に関しては同一符号を付し、その説明は省略
する。
【0046】有極リニヤアクチュエーターAcにおい
て、一つの可動鉄心3の発揮できる力は可動鉄心3の磁
気飽和による磁束密度の上限によって制限される。従っ
て、大きさの割合に大きな力を得ようとすれば、吸引力
の源泉になる可動鉄心と固定鉄心との対向面積を増加さ
せなければならない。本実施例の有極リニヤアクチュエ
ーターAcはこのような考え方に基づいている。
【0047】図5及び図6に示すように、本実施例の有
極リニヤアクチュエーターAcでは、偏平形状をした複
数個の可動鉄心3が吸引部材2U と吸引部材2D との間
隔方向に所定間隔で配設されており、それぞれが複数の
軸29を介して連結されて一体化している。なお、軸2
9の両端には、それぞれ支持軸6が固着している。
【0048】また、支持軸6は吸引部材2U と吸引部材
D とを連結する一対の支持部材30に設けられたボー
ルベアリング31によって軸線方向移動自在に支持さ
れ、これによって可動鉄心3が軸方向に沿って直線的に
移動できる。
【0049】可動鉄心3の間には、偏平形状をした固定
磁極33が配設されている。これらの固定磁極33は、
支持部材35を介して吸引部材2U ,2D に支持されて
いる。
【0050】本実施例では、永久磁石と電磁石の磁束
は、対向する2つの吸引磁極の間を、総ての可動鉄心3
と固定磁極33を貫いて通っている。当然、そのための
起磁力は大きく必要とし、従って電力も大きく必要とす
るが、本実施例の有極リニヤアクチュエーターAcで
は、各々の可動鉄心3が出した力を合計するため、大き
な出力を得ることができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
有極リニヤアクチュエータは、可動磁極の一部を低質量
の連結部材で構成したので、能率と応答を向上できると
いう優れた効果を有する。
【0052】請求項2に記載の有極リニヤアクチュエー
タは、可動磁極を複数個の可動磁極から構成し、断面積
(質量)と表面積との比を改善したので、磁力を増加さ
せることなく出力を上げることができるという優れた効
果を有する。
【0053】請求項3に記載の有極リニヤアクチュエー
タは、可動磁極を中空として可動部の出力対質量の比を
改善したので、能率と応答を向上できるという優れた効
果を有する。
【0054】また、請求項4に記載の有極リニヤアクチ
ュエータでは、可動鉄心と固定鉄心とを磁束の通る方向
に交互に配置したので、大きな出力が得られるという優
れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の有極リニヤアクチュエーターの概
略構造を示す軸線に沿った断面図である。
【図2】図1に示す有極リニヤアクチュエーターの2−
2線断面図である。
【図3】第2実施例の有極リニヤアクチュエーターの概
略構造を示す軸線に直角な断面図である。
【図4】第3実施例の有極リニヤアクチュエーターの概
略構造を示す軸線に直角な断面図である。
【図5】第4実施例の有極リニヤアクチュエーターの概
略構造を示す軸線に沿った断面図である。
【図6】図5に示す有極リニヤアクチュエーターの6−
6線断面図である。
【図7】従来の有極リニヤアクチュエーターの概略構造
を示す軸線に沿った断面図である。
【符号の説明】
Ac アクチュエーター 1 永久磁石 3 可動鉄心 2U 、2D 吸引部材 5U 、5D 継鉄 4UR、4UL、4DR、4DL コイル 9UR、9UL、9DR、9DL 磁性体 18UR、18UL、18DR、18DL 磁極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 33/00 H01F 7/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々相対する磁極を生成するための一組
    の磁性体が2組対峙して配設された吸引手段と、 前記相対する磁極間の各々に一部が挿入されかつ直線的
    に移動可能に保持された可動磁極と、 前記各磁性体における磁極と前記可動磁極との間の間隙
    に磁束を通過させる永久磁石と、 前記吸引手段の一方の組の磁性体における磁極間では前
    記磁束と加算される方向に通過する磁束を形成しかつ他
    方の組の磁性体における磁極間では前記磁束と減算され
    る方向に通過する磁束を形成する励磁コイルと、 を備え、 前記可動磁極を、一方の磁極間に挿入される第1の可動
    鉄心と、他方の磁極間に挿入される第2の可動鉄心と、
    前記第1の可動鉄心と第2の可動鉄心とを互いに連結す
    る低質量の連結部材と、で構成したことを特徴とする有
    極リニヤアクチュエータ。
  2. 【請求項2】 各々相対する磁極を生成するための一組
    の磁性体が2組対峙して配設された吸引手段と、 前記相対する磁極間の各々に一部が挿入されかつ直線的
    に移動可能に保持された可動磁極と、 前記各磁性体における磁極と前記可動磁極との間の間隙
    に磁束を通過させる永久磁石と、 前記吸引手段の一方の組の磁性体における磁極間では前
    記磁束と加算される方向に通過する磁束を形成しかつ他
    方の組の磁性体における磁極間では前記磁束と減算され
    る方向に通過する磁束を形成する励磁コイルと、 を備え、 前記可動磁極を、前記磁性体の一方と他方とを結ぶ方向
    とは交差する方向に並んで配設される複数個の可動鉄心
    で構成したことを特徴とする有極リニヤアクチュエー
    タ。
  3. 【請求項3】 各々相対する磁極を生成するための一組
    の磁性体が2組対峙して配設された吸引手段と、 前記相対する磁極間の各々に一部が挿入された可動磁極
    と、 前記各磁性体における磁極と前記可動磁極との間の間隙
    に磁束を通過させる永久磁石と、 前記吸引手段の一方の組の磁性体における磁極間では前
    記磁束と加算される方向に通過する磁束を形成しかつ他
    方の組の磁性体における磁極間では前記磁束と減算され
    る方向に通過する磁束を形成する励磁コイルと、 を備え、 前記可動磁極が中空状とされ、かつ中空部分を貫通する
    支持軸に沿って直線的に移動自在とされていることを特
    徴とする有極リニヤアクチュエータ。
  4. 【請求項4】 各々相対する磁極を生成するための一組
    の磁性体が2組対峙して配設された吸引手段と、 前記相対する磁極間の各々に一部が挿入されかつ直線的
    に移動可能に保持された可動磁極と、 前記各磁性体における磁極と前記可動磁極との間の間隙
    に磁束を通過させる永久磁石と、 前記吸引手段の一方の組の磁性体における磁極間では前
    記磁束と加算される方向に通過する磁束を形成しかつ他
    方の組の磁性体における磁極間では前記磁束と減算され
    る方向に通過する磁束を形成する励磁コイルと、 を備え、 前記可動磁極を前記磁性体の一方と他方とを結ぶ方向に
    並設された可動鉄心で形成すると共に前記可動鉄心の間
    に固定磁極を配置したことを特徴とする有極リニヤアク
    チュエータ。
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