JPH06224034A - 有極リニヤアクチュエーター - Google Patents

有極リニヤアクチュエーター

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JPH06224034A
JPH06224034A JP325593A JP325593A JPH06224034A JP H06224034 A JPH06224034 A JP H06224034A JP 325593 A JP325593 A JP 325593A JP 325593 A JP325593 A JP 325593A JP H06224034 A JPH06224034 A JP H06224034A
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magnetic
iron core
movable iron
linear actuator
gap
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JP325593A
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Shunsaku Nakauchi
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Kokusai Gijutsu Kaihatsu Co Ltd
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Kokusai Gijutsu Kaihatsu Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 全ストロークで、吸引力がほぼ一定で、電力
効率が良く、可動鉄心を左右に作動可能な有極リニヤア
クチュエータを提供する。 【構成】 二つの吸引部材2U 、2D を対峙して置き、
この内部を左右に動く一つの可動鉄心3に対して、二つ
の吸引部材が互いに反対方向に吸引するように構成す
る。二つの吸引部材の磁性体に、可動鉄心3の運動方向
と直角の方向に永久磁石1U 、1D による磁束を通し、
この磁束にコイル4UR、4UL、4DR、4DLの励磁によっ
て発生する磁束を、左右の磁性体でそれぞれ一方では加
算、一方では減算になるように流す。左右の磁性体では
永久磁石の磁束が同じ方向になるように流す。コイルの
磁束の磁路の中に永久磁石が直列に入らないように磁気
回路を構成する。従って、コイルの励磁によって、ギャ
ップの磁束密度が左右の磁性体間で変化し、可動鉄心3
が移動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高能率で、且つ全スト
ロークに亙って吸引力がほぼ一定である有極リニヤアク
チュエーターに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
直線運動をする無極或いは有極のソレノイドは非常に多
く用いられているが、何れもストロークの大きい所、換
言すれば動作間隙の大きい所で急激に吸引力が小さくな
り、反対に動作間隙の小さい所では急激に吸引力が大と
なるという問題があった。また、一般にストロークが大
きいソレノイドでは消費電力が大であった。また、可動
鉄心の道程の中間部での吸引力の大きさを制御すること
は困難である共に、通電時の吸引方向が決まっているた
めに他の方向への可動鉄心の移動には復帰用スプリング
のバネ力によって行っていた。更に、通電後の端部での
可動鉄心の保持及び保持の解除は比較的に困難であっ
た。
【0003】本発明は、上記事実を考慮して、少ない消
費電力でストロークの全てにおいて略一様の吸引力を生
じさせることができ、吸引力の特性を容易に変更が可能
でかつスプリングを用いることなく反復移動が可能な有
極リニヤアクチュエーターを得ることが目的である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明の有極リニヤアクチュエーター
は、各々相対する磁極を生成するための一組の磁性体が
2組対峙して配設された吸引手段と、前記相対する磁極
間の各々に一部が挿入されかつ直線的に移動可能に保持
された可動鉄心と、前記各磁性体における磁極と前記可
動鉄心との間の間隙に磁束を通過させる永久磁石と、前
記吸引手段の一方の組の磁性体における磁極間では前記
磁束と加算される方向に通過する磁束を形成しかつ他方
の組の磁性体における磁極間では前記磁束と減算される
方向に通過する磁束を形成する励磁コイルと、を有して
いる。
【0005】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の有極リニヤアクチュエーターにおいて、前記永久磁石
は、前記吸引手段の各組の磁性体における磁極間を通過
する磁束の向きが同じ方向となるように配置されること
を特徴としている。
【0006】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の有極リニヤアクチュエーターにおいて、前記
励磁コイルは、前記磁性体の各々に設けられたことを特
徴としている。
【0007】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2に記載の有極リニヤアクチュエーターにおいて、前記
励磁コイルは、前記吸引手段の対峙した磁性体の間に設
けられたことを特徴としている。
【0008】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4の何れか1項に記載の有極リニヤアクチュエータ
ーにおいて、前記永久磁石は、前記吸引手段の前記可動
鉄心挿入側に対して反対側の部位に設けられたことを特
徴としている。
【0009】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4の何れか1項に記載の有極リニヤアクチュエータ
ーにおいて、前記可動鉄心は、永久磁石と該永久磁石を
挟持する二つの鉄心とで形成し該永久磁石及び鉄心の境
界部分の向きが該可動鉄心の移動方向に沿う方向に向く
よう配設したことを特徴としている。
【0010】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請
求項6の何れか1項に記載の有極リニヤアクチュエータ
ーにおいて、前記間隙に摩擦係数の少ない非磁性体を配
設したことを特徴としている。
【0011】請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請
求項7の何れか1項に記載の有極リニヤアクチュエータ
ーにおいて、前記間隙に前記可動鉄心の移動に伴って回
転する回転体を設けたことを特徴としている。
【0012】請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請
求項8の何れか1項に記載の有極リニヤアクチュエータ
ーにおいて、前記吸引手段の対峙した磁性体の一方は、
前記間隙が前記可動鉄心の移動方向の一端部に向かって
徐々に減少しかつ該一端部側で最小となり、他方は前記
間隙が前記可動鉄心の移動方向の他端部に向かって徐々
に増加しかつ該他端部側で最大となるように形成したこ
とを特徴としている。
【0013】請求項10に記載の発明は、請求項1乃至
請求項8の何れか1項に記載の有極リニヤアクチュエー
ターにおいて、前記吸引手段の対峙した磁性体の一方
は、前記間隙が前記可動鉄心の移動方向の一端部に向か
って徐々に増加しかつ該一端部側で最大となり、他方は
前記間隙が前記可動鉄心の移動方向の他端部に向かって
徐々に減少しかつ該他端部側で最小となるように形成し
たことを特徴としている。
【0014】請求項11に記載の発明は、請求項1乃至
請求項8の何れか1項に記載の有極リニヤアクチュエー
ターにおいて、前記磁性体の前記可動鉄心の移動方向の
先端部側または後端部側に該可動鉄心の移動を機械的に
止めると共に磁気的に該可動鉄心を保持する保持磁極を
生成する保持磁極生成手段を更に設けたことを特徴とし
ている。
【0015】請求項12に記載の発明は、請求項1乃至
請求項8の何れか1項に記載の有極リニヤアクチュエー
ターにおいて、前記吸引手段の前記可動鉄心の移動方向
の先端部側または後端部側で前記可動鉄心を磁気的に保
持できるように可動鉄心と少ない間隙で相対する突起部
位を前記吸引手段の磁性体に設けたことを特徴としてい
る。
【0016】
【作用】請求項1に記載の発明の有極リニヤアクチュエ
ーターは、各々相対する二つの磁極を生成するための一
組の磁性体が二組対峙して配置されて吸引手段を構成し
ている。この吸引手段の相対する二つの磁極の間には直
線的に移動可能に保持された可動鉄心の一部が挿入され
ている。この吸引手段の各磁性体における磁極と可動鉄
心との間の間隙(以下ギャップと言う)を略一様にする
ことによって、有極リニヤアクチュエーターは一様の吸
引力を発揮することができる。また、可動鉄心を吸引方
向に対して略同じ断面に形成し、吸引磁極の端面を平面
的かつ可動鉄心に平行にすれば、可動鉄心が吸引磁極に
引き込まれる時に、その全ストロークにおいてギャップ
が略一様になり、一様の吸引力を発揮できる。ギャップ
には、永久磁石による磁束が通されており、これに励磁
コイルによる磁束が重畳される。本有極リニヤアクチュ
エータは、これら永久磁石及び励磁コイルの磁束によっ
て磁気回路を構成しており、吸引手段の一方の組の磁性
体における磁極間では、永久磁石による磁束と励磁コイ
ルによる磁束とが加算されるように、他方の組の磁性体
における磁極間では永久磁石による磁束と励磁コイルに
よる磁束が減算されるように磁気回路を構成する。この
磁気回路において励磁コイルの磁束の通る磁路中に永久
磁石が含まれないようにする。これによって、励磁コイ
ルの回路のパーミアンスを小さくすることができ、小電
力で励磁コイルによる磁束を大きくすることができ、小
さな電力で大きな吸引力が得られる。
【0017】上記磁極と可動鉄心との間の境界面(ギャ
ップの方向に沿う面)と直角に磁束が通っている場合に
おける磁束と直角の方向に可動鉄心が引き込まれる力
(吸引力F)は、以下の式(1)に示すように、ギャッ
プδ、可動鉄心の移動方向と直角な長さb、及び磁束密
度Bに関係がある。
【0018】 F ∝ (B2 ・δ・b)/(2・μ) −−− (1) 吸引手段の磁性体の励磁が励磁コイルだけで行われてい
るとすると、有極アクチュエータの定格が決まれば磁束
密度Bは励磁アンペアターンに比例して決定される。即
ち、磁束密度Bは励磁電力の2乗に比例する。例えば、
1Wの励磁電力で得られる磁束密度を0.5テスラとす
れば1.5テスラを得るためには9Wを必要とする。こ
こで、永久磁石による磁束が通っているギャップに励磁
コイルによる磁束が重畳された場合、永久磁石による磁
束密度をB0 、励磁コイルによる磁束密度をB1 とする
と吸引力は(B0 ±B1 2 で決定される。即ち永久磁
石の磁束密度B0 の設定によってB0 分だけ励磁コイル
の電力を節約できる。例えば、磁束密度B0 を1テスラ
とすると、0.5テスラ分の磁束を作れるだけの電力、
即ち1Wの電力で1.5テスラの磁束を得ることができ
る。つまり1Wの電力で9Wの吸引力を得る事ができ
る。このとき、無電力の時でも1テスラ分の吸引力Fは
残るが、この解決方法は後述する。
【0019】従って、永久磁石の磁束の回路と励磁コイ
ルの磁束の回路が互いにギャップの所で重なり合い、他
の所では重ならず、励磁コイルの回路中に磁気抵抗の高
い永久磁石が入らない構造にすれば、励磁コイルによる
磁束が効率良くギャップの所を通り、有極にすることに
よって少ない電力で大きい吸引力を得ることができる。
【0020】本発明では二つの磁性体を対峙して形成
し、その各々の磁性体が有する相対する磁極間の吸引力
の差が外部に動作力となる構造としている。両方の磁性
体の永久磁石による磁束密度は原則としてストロークの
何処でも同じようになるように構成されるので、永久磁
石による吸引力は両方の磁性体でバランスしており、外
部に吸引力は発生しない。即ち、可動鉄心は全ストロー
クの何処でも力を受けない。
【0021】また、励磁コイルによる磁束は一方の磁性
体では永久磁石の磁束と加算され、他方では減算される
構造としているので、一方側(例えば右方側)の磁性体
における励磁コイルによる磁束密度を磁束密度B1 、他
方側(例えば左方側)の磁性体における励磁コイルによ
る磁束密度を磁束密度B2 とすると、励磁コイルが動作
した時の吸引力Fは、以下の式(2)で表すことができ
る。
【0022】 F∝(B0 +B1 2 −(B0 −B2 2 ・・・(2) この式(1)は、以下の式(2)のように変換される。
【0023】 F∝2・B0 ・(B1 +B2 )+(B1 2−B2 2) ・・・(3) このとき、各磁束密度にB0 ≫B1 、B0 ≫B2 の関係
がある場合、即ち永久磁石の磁束密度に比べて励磁コイ
ルによる磁束密度が十分小さいときは式(2)の第2項
は無視されて第1項で吸引力が決まる。この場合は励磁
コイルだけの場合よりずっと大きい吸引力を得ることが
できる。またこの場合の吸引力は励磁コイルの磁束に対
して一次比例となる。そして全ストロークに亙ってほぼ
同じ吸引力になる。励磁コイルの磁束が大きい場合は式
(2)の第二項は無視できずそのため吸引力は、ストロ
ークにしたがって変化し、通常引始めで強く、また引終
わりで弱くなるが、従来のソレノイドのような大きな変
化はない。更にこれに対しては、鉄心の移動に伴って鉄
心と磁性体における磁極とのギャップが変化するように
磁性体の形状を考えることによってより変化を少なくで
きる。B0 を大きくすると、同じ電力で従来のソレノイ
ドより大きな力を発揮できる。
【0024】従来、B0 ≫B1 でこの原理を使って高能
率を得ているものには、マグネチックスピーカー等があ
る。本発明はこの原理を利用して上記構造で、直線運動
をする有極アクチュエーターを形成し、全ストロークに
亙ってほぼ一様な吸引力と高能率を得ている。
【0025】上記有極リニヤアクチュエータは、請求項
2に記載したように、対峙している吸引手段の各組の磁
性体における磁極間を通過する永久磁石の磁束の向きが
互いに同じ方向となるように永久磁石を配置することに
より、永久磁石と励磁コイルとの磁束による磁気回路
を、1組の永久磁石によって構成することができる。
【0026】また、請求項3に記載したように、吸引手
段の各々の磁性体に励磁コイルを更に設けることによっ
て、永久磁石と励磁コイルとの磁束による磁気回路を、
容易に形成することができる。
【0027】また、請求項4に記載したように、吸引手
段の対峙した磁性体の間に励磁コイルを更に設けること
によって、有極アクチュエータの小型化が図れる。
【0028】上記永久磁石は、請求項5に記載したよう
に、吸引手段の可動鉄心挿入側に対して反対側の部位に
設けることによって、永久磁石の磁束は吸引手段の磁性
体内を通ることとなり、永久磁石の磁束と励磁コイルに
よって発生される磁束との加減算が容易となる。一方、
請求項6に記載したように、可動鉄心は、永久磁石と該
永久磁石を挟持する二つの鉄心とで形成し該永久磁石及
び鉄心の境界部分の向きが該可動鉄心の移動方向に沿う
方向に向くよう配設することによって、1個の永久磁石
で有極アクチュエータを構成することができる。
【0029】上記有極アクチュエータにおいて、磁束の
生成によって吸引手段と可動鉄心との間に生じる回転力
は、請求項7に記載したように、各磁性体における磁極
と可動鉄心との間のギャップに略等しい厚さの摩擦係数
の少ない非磁性体を挿入することによって解消すること
ができる。また、請求項8に記載したように、このギャ
ップに可動鉄心の移動に伴って回転する回転体を更に設
けてもよい。
【0030】ここで、永久磁石の磁束に比較して励磁コ
イルの磁束が大きくなると、一定のギャップのもとで一
定の吸引力を得ることは難しくなるが、これは可動鉄心
の移動に応じて、ギャップを変化させることによって、
吸引力をほぼ一様にすることができる。
【0031】即ち、無通電時に可動鉄心をストロークの
両端の何れかに安定的に止めたい時は、請求項9に記載
したように、吸引手段の対峙した磁性体の一方は、ギャ
ップが可動鉄心の移動方向の一端部に向かって徐々に減
少しかつ該一端部側で最小となり、他方はギャップが可
動鉄心の移動方向の他端部に向かって徐々に増加しかつ
該他端部側で最大となるように形成する。すなわち、2
組の磁性体が対峙して配設される吸引手段の中央からギ
ャップが徐々に減少するクサビ型の形状のように各磁性
体を形成する。これによって、ギャップが減少した最小
の部位の磁束密度が増加し、この部位で可動鉄心を静止
させることができる。
【0032】一方、無通電時に可動鉄心をストロークの
中央に安定的に止めたいときは、請求項10に記載した
ように、吸引手段の対峙した磁性体の一方は、ギャップ
が可動鉄心の移動方向の一端部に向かって徐々に増加し
かつ該一端部側で最大となり、他方はギャップが可動鉄
心の移動方向の他端部に向かって徐々に減少しかつ該他
端部側で最小となるように形成する。すなわち、2組の
磁性体が対峙して配設される吸引手段の中央に向けてギ
ャップが徐々に減少するように各磁性体を形成する。従
って、2組の磁性体が対峙して配設される吸引手段の中
央部位ではギャップが最小となり、磁束密度が増加し、
可動鉄心を中央で静止させることができる。
【0033】また、可動鉄心が吸引手段によって吸引さ
れて一方の端部にまでいったとき、可動鉄心をその一方
の端部の位置に維持させたいことがある。この場合に
は、請求項11に記載したように、磁性体の前記可動鉄
心の移動方向の先端部側または後端部側に該可動鉄心の
移動を機械的に止めると共に磁気的に該可動鉄心を保持
する保持磁極を生成する保持磁極生成手段を更に設け
る。従って、保持磁極生成手段は磁束が通過して磁極を
生成すると共に可動鉄心の移動を停止させることがで
き、可動鉄心は吸引された端部の位置に維持する。この
吸引端で可動鉄心を保持するための他の手段として、請
求項12に記載したように、吸引手段の可動鉄心の移動
方向の先端部側または後端部側で可動鉄心を磁気的に保
持できるように可動鉄心と少ないギャップで相対する突
起部位を前記吸引手段の磁性体に設けてもよい。このよ
うにすることによって、吸引側の端部のギャップは他の
場所におけるギャップより、狭くなる。これによって、
ギャップの狭い部位に磁束が集中し、可動鉄心が移動し
てくると、この磁束が集中した可動鉄心の端部で可動鉄
心を停止させることができる。
【0034】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0035】図1及び図2を参照し、本発明の第1実施
例である有極リニヤアクチュエーターAcを説明する。
第1実施例の有極リニヤアクチュエーターAcは、図1
及び図2に示したように、内部が中空の四角柱形状の外
部継鉄8を備えており、外部継鉄8の内面上部及び内面
下部には厚み方向に着磁された板状の永久磁石1U ,1
D が取り付けられている。この永久磁石1U ,1D
は、吸引部材2U ,2Dが取り付けられている。吸引部
材2U は、磁束を通す継鉄5U の両端に磁気抵抗の小さ
い磁性体9UR,9ULが取り付けられて断面コ字状の形状
をしており、各磁性体9UR,9ULには励磁用のコイル4
UR,4ULが各々巻き付けられている。この磁性体9UR
ULの可動鉄心側の端部は、この磁性体を通過する磁束
によって磁極18UR,18ULとなる。同様に、吸引部材
D は、継鉄5D の両端に磁性体9 DR,9DLが取り付け
られた断面コ字形状で、各磁性体9DR,9DLには励磁用
のコイル4DR,4DLが各々巻き付けられている。また、
磁性体9DR,9DLの可動鉄心側の端部は、この磁性体を
通過する磁束によって磁極18DR,18DLとなる。これ
ら、吸引部材2U ,2D の磁性体9UR,9DR及び磁性体
UL,9DLの組合せによって吸引手段を構成している。
【0036】吸引部材2U ,2D の両端部には、各々ベ
アリング7R ,7L が取り付けられており、このベアリ
ング7R ,7L には支持棒6が通されている。この支持
棒6には可動鉄心3が取り付けられている。従って、可
動鉄心3は左右(図1(a)矢印A方向及び反矢印A方
向)に移動可能となる。
【0037】次に、第1実施例の有極リニヤアクチュエ
ーターAcの作動について内部を通る磁束を参照し説明
する。永久磁石1U ,1D による、その磁束は実線矢印
12のように流れている(図1(a)参照)。即ち、二
つの吸引部材2U ,2D の上下の磁極18UR、18DR
び磁極18UL、18DLの間に流れる磁束は同じ方向であ
る。この場合、磁極18UR、18UL、はN極であり、磁
極18DR、18DLはS極である。
【0038】4個の励磁コイル4UR、4UL、4DR、4DL
について、励磁コイル4UR、4DRに同じ方向の電流を通
電し、それと反対の向きの電流を励磁コイル4UL、4DL
に通電することによって励磁されて生じる磁束は、点線
矢印14の方向になる。このとき、永久磁石の磁束及び
励磁コイルの磁束は、上部吸引部材2U と可動鉄心3と
下部吸引部材2D の間のギャップ16UR、16UL、16
DR、16DLを通るが、左方の吸引部材2U ,2D 間(磁
極18UL,18DLの間)のギャップ16UL、16DLでは
この二つの磁束は加算され、右方の吸引部材2U ,2D
間(磁極18UR,18DRの間)のギャップ16UR、16
DRでは減算される方向に流れる。
【0039】従って、可動鉄心3と吸引部材2U ,2D
との間の左右のギャップで、左のギャップ16UL、16
DLの磁束密度は右のギャップ16UR、16DRの磁束密度
より大となり、可動鉄心3は左方向(図1(a)反矢印
A方向)に吸引される。この場合、可動鉄心3は板状の
ものでも丸棒状のものでも良い。
【0040】励磁コイルの電流の方向を上述の場合と逆
方向に流せば、ギャップの磁束密度は左右が逆転して可
動鉄心は右方向(図1(a)矢印A方向)に移動する。
可動鉄心3が受ける力は作用の所で述べたように、永久
磁石による磁束密度Bと、励磁コイル(電磁石)による
起磁力による磁束と、可動鉄心3の移動方向と直角方向
の幅、との函数になる。
【0041】ここで、励磁コイル4UR、4UL、4DR、4
DLによる磁束は、磁気抵抗の大きい永久磁石1U ,1D
を通過せずに吸引部材2U ,2D 、即ち、磁気抵抗の小
さい磁性体9UR、9UL、9DR、9DL、継鉄5U ,5D
可動鉄心3を通るので、容易に磁気回路を形成でき、少
ない電力で所望の磁束を得ることができる。
【0042】次に、図3を参照して第2実施例を説明す
る。第2実施例の有極リニヤアクチュエーターAcは、
第1実施例において上下に2個設けられた永久磁石が4
個にされ、励磁コイルが4個から2個に減少させたもの
である。なお、第2実施例は、上記第1実施例と略同様
の構成であるため、同一部分には、同一符号を付し詳細
な説明は省略する。
【0043】吸引部材2U は、第1実施例と同様に断面
コ字状の形状をしており、磁束を通す継鉄22U の両端
に磁気抵抗の小さい磁性体9UR,9ULが取り付けられて
いる。第2実施例では、この継鉄22U に励磁用のコイ
ル4U が設けられている。同様に、吸引部材2D は、継
鉄22D の両端に磁性体9DR,9DLが取り付けられ、こ
の継鉄22D には励磁用のコイル4D が巻き付けられて
いる。吸引部材2U には、板状の永久磁石1UR,1UL
設けられて外部継鉄8に取り付けられる。同様に、吸引
部材2D には、板状の永久磁石1DR,1DLが設けられて
外部継鉄8に取り付けられる。また、磁性体9UR,9UL
の可動鉄心側の端部は、この磁性体を通過する磁束によ
って磁極18UR,18ULとなり、磁性体9DR,9DLの可
動鉄心側の端部は、この磁性体を通過する磁束によって
磁極18DR,18DLとなる。
【0044】このように、第2実施例では、第1実施例
の上下に2個設けられた永久磁石を分割し4個にして、
吸引部材の継鉄の各々に励磁コイルを設けているため、
励磁コイルの数を減少できると共に有極リニヤアクチュ
エーターAcに内蔵することができ、小型化を図ること
ができる。
【0045】なお、第2実施例の有極リニヤアクチュエ
ーターAcの作動は、内部に流れる磁束の向きと共に、
第1実施例と同様のため、詳細な説明は省略する。第2
実施例の有極リニヤアクチュエーターAcは、励磁コイ
ルの漏洩磁束は増加するが、励磁コイルを内蔵すること
ができるため、大きさを小さく形成することができる。
従って、第1実施例と第2実施例の有極リニヤアクチュ
エーターAcを用途に応じて使い分けることができる。
【0046】次に、図4を参照して第3実施例を説明す
る。第3実施例は、第1実施例(図1参照)の下部の永
久磁石1D と吸引部材2D を省略したものである。な
お、第3実施例は、上記第1実施例と略同様の構成であ
るため、同一部分には、同一符号を付し詳細な説明は省
略する。また、図中、ベアリング7は省略してある。
【0047】上記第1実施例及び第2実施例では、永久
磁石は可動鉄心を軸として上下対称に配置されている
が、本第3実施例では永久磁石1U と吸引部材2U との
1組を、上部のみに設けている。なお、永久磁石と吸引
部材は下部に一組だけでもよい。
【0048】外部継鉄8の下部には、磁性体9UR、9UL
に対応して下部磁性体31R 、31 L が設けられてい
る。従って、磁性体9UR,9ULの可動鉄心側の端部は、
この磁性体を通過する磁束によって磁極18UR,18UL
となり、下部磁性体31R 、31L の可動鉄心側の端部
は、この磁性体を通過する磁束によって磁極18DR,1
DLとなる。この場合、磁極18UR、18UL、はN極で
あり、磁極18DR、18 DLはS極である。
【0049】次に、第3実施例の有極リニヤアクチュエ
ーターAcの作動について内部に流れる磁束を参照し説
明する。永久磁石1U による磁束は上記実施例と同様に
実線矢印12のように同じ方向に流れている(図4
(a)参照)。また、2個の励磁コイル4R 、4L に、
各々反対の向きの電流を通電することによって励磁され
て生じる磁束は、点線矢印14の方向になる。このと
き、永久磁石の磁束及び励磁コイルの磁束は、吸引部材
U と可動鉄心3の間のギャップを通るが、左方の吸引
部材2U (磁極18UL)と下部磁性体31L (磁極18
DL)の間のギャップではこの二つの磁束は加算され、右
方の吸引部材2U (磁極9UR)と下部磁性体31R (磁
極18DR)の間のギャップでは減算される方向に流れ
る。
【0050】従って、可動鉄心3と吸引部材2U の左方
向のギャップの磁束密度は右方向のギャップの磁束密度
より大となり、可動鉄心3は左方向(図4(a)反矢印
A方向)に吸引される。励磁コイル4R 、4L の電流の
方向を上述の場合と逆方向に流せば、ギャップの磁束密
度は左右が逆転し、可動鉄心は右方向(図4(a)矢印
A方向)に移動する。
【0051】ここで、励磁コイル4R 、4L による磁束
は、磁気抵抗の大きい永久磁石1及び磁極31R 、31
L を通過せずに可動鉄心3を通って磁気回路を形成す
る。このため、効率は悪化するが、上記実施例より更に
大きさを小さく形成することができる。
【0052】次に、図5を参照して第4実施例を説明す
る。第4実施例は、永久磁石を可動鉄心側に配置させた
例である。なお、第4実施例は、上記第1実施例と略同
様の構成であるため、同一部分には、同一符号を付し詳
細な説明は省略する。
【0053】第4実施例の可動鉄心3は、永久磁石1を
2つの磁性体41U ,41D によってサンドイッチ状に
挟んで形成されている。この永久磁石1及び磁性体41
U ,41D の挟持した向きは、可動鉄心3の移動方向
(図5矢印A方向)に平行になっている。
【0054】また、第4実施例の有極リニヤアクチュエ
ーターAcは、磁束を通過させるため断面コ字状の2つ
の継鉄5R ,5L を備えており、コ字状の継鉄5R の内
面先端部には各々軟磁性体で形成された吸引部材2UR
DRが設けられている。同様に、継鉄5L の内面先端部
には各々軟磁性体で形成された吸引部材2UL、2DLが設
けられている。
【0055】この継鉄5R の中腹部位にはコイル4R
巻き付けられており、継鉄5L の中腹部位にはコイル4
L が巻き付けられている。なお、上記2つの継鉄5R
Lは、図示しない中継部材に取り付けられている。
【0056】次に、第4実施例の有極リニヤアクチュエ
ーターAcの作動を説明する。第4実施例では、上記第
1実施例と同様に、永久磁石1の磁束が左右の吸引部材
UR、2DR及び吸引部材2UL、2DLの間で実線矢印12
のように同じ方向に流れている。すなわち、永久磁石1
の磁束は、磁性体41D 及び吸引部材2DR、2DLを介し
て継鉄5R ,5L へ至り、この継鉄5R ,5L 内を通過
した磁束は吸引部材2 UR、2ULが磁性体41U を介して
永久磁石1へ戻るように循環する。
【0057】また、励磁コイル4R ,4L の磁束は、こ
の励磁コイルの励磁によって点線矢印14のように流れ
る。すなわち、励磁コイル4R の励磁により生成される
磁束は、継鉄5R を下方(図5矢印B方向)に向かい通
過し、吸引部材2DRを介して磁性体41D へと至る。こ
の磁性体41D においては、磁束の進行方向に配置され
た大きな磁気抵抗の永久磁石1ために、磁束は永久磁石
1を通過せずに可動鉄心3の移動方向に平行な方向(図
5反矢印A方向)に磁性体41D 内を通過する。この磁
束は励磁コイル4L により生成される磁束に結合され
る。すなわち、励磁コイル4L により生成される磁束
は、上記と反対に継鉄5L を上方(図5反矢印B方向)
に向かい通過し、吸引部材2ULを介して磁性体41U
と至る。この磁性体41U においては、磁束の進行方向
に配置された大きな磁気抵抗の永久磁石1ために、磁束
は永久磁石1を通過せずに可動鉄心3の移動方向に平行
な方向(図5矢印A方向)に磁性体41U 内を通過す
る。
【0058】従って、図で左側の吸引部材2UL、2DL
ギャップでは永久磁石1の磁束と加算され、右側の吸引
部材2UR、2DRでは減算される。従って、永久磁石1及
び磁極41U ,41D から構成された可動鉄心3が左右
方向(図5(a)の矢印A方向及び反矢印A方向)に移
動する。
【0059】本第4実施例の有極リニヤアクチュエータ
は、可動部分の質量が大きくなるが、上記実施例のアク
チュエータに比べて一つの永久磁石でかつ2個の励磁コ
イルで構成することができ、上記実施例より更に小型化
を図ることができる。
【0060】次に、図6を参照して第5実施例を説明す
る。第5実施例の有極リニヤアクチュエーターAcは、
可動鉄心の移動を円滑に行うための簡略な構成例を示し
たものである。なお、第5実施例は、上記第1実施例と
略同様の構成であるため、同一部分には、同一符号を付
し詳細な説明は省略する。
【0061】本実施例では、上部吸引部材2U と可動鉄
心3のギャップ、及び下部吸引部材2D と可動鉄心3の
ギャップの各々に、ベアリング51を設けている。可動
鉄心3は常に上下の吸引部材2U 、2D によって吸引さ
れており、可動鉄心3が板状の場合、時計方向または反
時計方向に回転力(図6(a)矢印A方向、図6(b)
矢印B方向参照)を受けて吸引部材2U 、2D に吸着さ
れる力を受けている。また、可動鉄心3が丸棒状の場合
には回転力(図6(c)矢印C方向参照)をうけない
が、可動鉄心3の長手方向では同じように回転力(図6
(a)矢印A方向)を受ける。
【0062】このように、吸引部材2U 、2D に可動鉄
心3が吸着されると可動鉄心3は吸引部材2との摩擦の
ために動けなくなるので、上記実施例では可動鉄心3を
支持する支持棒6をベアリング7に通して可動鉄心の移
動を可能にしている。本第5実施例では、この支持棒6
とベアリング7の代わりに、ギャップにほぼ等しい厚さ
の、耐摩耗性があり摩擦係数の少ない材料で構成された
ベアリング51を取り付けている。これによって、可動
鉄心3を移動可能にするベアリング7を外部に設けるこ
となく、可動鉄心3の移動部位のみにベアリング51を
配設することで、上記実施例と同様の効果を得ることで
きる。このベアリング51による支持は上記実施例のベ
アリングによる支持より製造及び組付共に、より簡便で
ある。
【0063】次に、図7を参照して第6実施例を説明す
る。第6実施例は、可動鉄心の移動を円滑に行うための
簡略な構成の他例を示したものである。なお、第6実施
例は、上記第1実施例と略同様の構成であるため、同一
部分には同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0064】第6実施例の吸引部材2U 、2D には、ベ
アリング61が配設されている。このベアリング61
は、第5実施例のベアリング51と同様の機能を有する
もので、吸引部材2と可動鉄心3との間の左右のギャッ
プを適正に保ち且つこの間の摩擦を減らすためのもので
あり、例えば吸引部材2U 、2D または可動鉄心3或い
はこの両者の上に形成された溝のなかに適正なギャップ
を保つように配設される。従って、可動鉄心3の移動に
あたっては、ベアリング61が回転して吸引部材2と可
動鉄心3との間の左右のギャップを適正に維持しながら
少ない移動抵抗で可動鉄心3を移動させることができ
る。なお、このベアリング61は、ボール、丸棒、ボー
ルベアリング、スラストベアリング等の回転体で構成さ
れる。第6実施例の有極リニヤアクチュエーターAcの
構造は、第5実施例の構造よりもやや複雑にはなるが、
ベアリングと可動鉄心との摩擦損失を少なくすることが
でき、可動鉄心の移動抵抗を少なく抑えることができ
る。このため、より少ない電力で有極リニヤアクチュエ
ーターAcを移動させることができる。
【0065】次に、図8を参照して第7実施例を説明す
る。本第7実施例の有極リニヤアクチュエータAcは、
ギャップを、可動鉄心3の移動に伴う方向に沿って変化
させたものである。なお、第7実施例は、上記第1実施
例と略同様の構成であるため、同一部分には、同一符号
を付し詳細な説明は省略する。また、図中、ベアリング
7は省略してある。
【0066】第7実施例の有極リニヤアクチュエータA
cは、可動鉄心3の左右の移動で、移動方向の先端部で
ギャップが徐々に減少し後端部で徐々に増加するように
作られている。即ち、吸引部材2U の磁性体9UR,9UL
は、可動鉄心側の端面が可動鉄心3に対して傾倒するよ
うに形成され、継鉄5U を介して対称に配置されてい
る。また、この磁性体9UR,9ULは、吸引部材2U の左
右の端部(磁性体9ULに生成される磁極18ULの図8反
矢印A方向の先端部、及び磁性体9URに生成される磁極
18URの図8矢印A方向の先端部)でギャップが最小と
なるように配置される。同様に、吸引部材2D の磁性体
DR,9DLも、可動鉄心側の端面が可動鉄心3に対して
傾倒するように形成され、かつ吸引部材2D の左右の端
部でギャップが最小となるように継鉄5D を介して対称
に配置されている。
【0067】これにより、無通電時には、吸引部材
U 、2D の磁性体9UR,9DR及び9UL,9DLの左右の
端部、すなわち磁性体9UR,9DRに生成される磁極18
UR、磁極18DRの移動方向(図8矢印A方向)の端部、
及び磁性体9UL,9DLに生成される磁極18UL、磁極1
DL(図8反矢印A方向)の端部の吸引力が最大となっ
て、吸引部材2U 、2D の各々の移動方向(図8矢印A
方向または反矢印A方向)の中間点は不安定釣り合い点
になる。このため、可動鉄心3は左右の何れか一方の終
端部で安定かつ静止し中間部で静止することがない。
【0068】なお、第7実施例では、磁極の端面を傾斜
面とすることで、可動鉄心3と吸引部材とのギャップを
変化させた場合を説明したが、この磁極の構造は、直線
的であってもよく、またギャップによって形成される吸
引力特性に従って曲線にしてもよい。
【0069】ここで、上記作用において述べたように、
励磁コイルによる磁束が永久磁石による磁束に比較し略
同じになると、可動鉄心3が吸引部材の一方の端部から
他方の端部へ励磁コイルの励磁によって移動するとき、
ギャップが一定である場合には、引き始めの力が強く引
き終わりの力が弱くなる。本第7実施例では、可動鉄心
3の移動に伴ってギャップが変化する。従って、上記構
成とすれば、引き始めの力と強く引き終わりの力との差
を変化させることができ、このギャップの変化量を選択
的に決定することによって、この差を自由に設定するこ
とができる。即ち、可動鉄心の引き始めの力と引き終わ
りの力との差が定まれば、ギャップを変化させる割合を
決定することができる。
【0070】このように、第7実施例によれば、引き始
めの力と引き終わりの力との差を変化させることができ
るため、ストロークに応じた吸引力を保持する有極リニ
ヤアクチュエータを得ることができる。
【0071】次に、図9を参照して第8実施例を説明す
る。第8実施例の有極リニヤアクチュエータAcは、上
記第7実施例で無通電時に吸引部材の左右の端部で可動
鉄心を安定かつ静止させ中間部で静止することがないも
のとは逆に、その中間部で可動鉄心を安定かつ静止させ
るものである。なお、第8実施例は、上記実施例と略同
様であるため、同一部分には、同一符号を付し詳細な説
明は省略する。
【0072】第8実施例では、吸引部材2U の磁性体9
UR,9ULは、可動鉄心側の端面が可動鉄心3に対して傾
倒するように形成されるが、吸引部材2U の左右の端部
と内側の端部とのギャップを比較して内側の端部(磁性
体9ULに生成される磁極18 ULの図8矢印A方向の先端
部、及び磁性体9URに生成される磁極18URの図8の反
矢印A方向の先端部)が最小となるように継鉄5U を介
して対称に配置される。吸引部材2D の磁性体9DR,9
DLも同様に構成され、吸引部材2D の左右の端部と内側
の端部とのギャップを比較して内側の端部(磁性体9DL
に生成される磁極18DLの図8矢印A方向の先端部、及
び磁性体9DRに生成される磁極18DRの図8の反矢印A
方向の先端部)が最小となるように継鉄5D を介して対
称に配置される。
【0073】これにより、無通電時には、吸引部材
U 、2D の磁性体9UR,9DR及び9UL,9DLの中央の
端部、すなわち磁性体9UR,9DRに生成される磁極18
UR、磁極18DR(図8反矢印A方向)の端部、及び磁性
体9UL,9DLに生成される磁極18UL、磁極18DLの移
動方向(図8矢印A方向)の端部の吸引力が最大となっ
て、吸引部材2U 、2D の各々の移動方向(図9矢印A
または反矢印A方向)の中間点で釣り合い、静止するこ
とになる。従って、可動鉄心3は無通電時に移動ストロ
ークの中間点で安定に静止すると共に、コイルに供給す
る電流の向きに応じた励磁によって左右何れかの方向
(図9矢印Aまたは反矢印A方向)に移動する。
【0074】このように、第8実施例では、吸引部材の
中間点で静止させることができるため、双方向に移動可
能な有極リニヤアクチュエータを得ることができる。
【0075】次に、図10を参照して第9実施例を説明
する。第9実施例は、動作し終わった可動鉄心3をその
位置で、無通電で保持することを目的としたものであ
る。なお、第9実施例は、上記第1実施例と略同様の構
成であるため、同一部分には、同一符号を付し詳細な説
明は省略する。
【0076】第9実施例の吸引部材2U ,2D の左側端
部には、可動鉄心3の端部の一部が接触するように保持
用磁性体91が設けられている。従って、可動鉄心3が
移動して左端に達すると、永久磁石の磁束は、主として
実線95で示したように流れる。即ち、保持用磁性体9
1と可動鉄心3とのギャップが吸引部材2と可動鉄心3
とのギャップに比べて小さくなるように作られているの
で、このギャップのパーミアンンスは大きく沢山流れて
大きな保持力で可動鉄心3を保持することができる。ま
たこの保持用磁性体91は可動鉄心3のストッパーの役
目も有している。
【0077】第9実施例では、動作し終わった可動鉄心
3をその位置で、無通電で保持することができるが、こ
の保持を解くのはこの動作を行ったときと逆の励磁を付
与する励磁コイルによって行う。ところが、このときも
磁気回路のパーミアンスが大きいため、少ない電力で可
動鉄心3の保持を解放することができる。
【0078】次に、図11を参照して第10実施例を説
明する。第10実施例は、上記第9実施例で可動鉄心3
が動作し終わった位置で、無通電でその位置に可動鉄心
3を保持することの他の例を示したものである。図11
で吸引部材2U ,2D の左側磁性体9UL,9DLには、突
起101が形成されており、この突起101の先端部分
において吸引部材2U ,2D と可動鉄心3とのギャップ
は吸引部材2U ,2Dにおける突起101以外の部分に
比べて狭くなっている。また、図示は省略したが、吸引
部材2U ,2D の右側磁性体9UR,9DRにも、同様に突
起が形成されいる。
【0079】従って、本第10実施例では可動鉄心3が
左側の終端まで引かれて移動し終わった位置で急速に、
ギャップが狭くなり、この部位で吸引部材2U ,2D
可動鉄心3との間に流れる磁束がこのギャップの狭い部
位に集中しかつ磁束密度が上がるので、この部位での吸
引力が増大して可動鉄心3の端部を保持する。即ちこの
ギャップの狭い吸引部材2U ,2D の部位が保持磁極と
しての機能を有している。このように、第10実施例で
は、吸引部材と可動鉄心3との間で衝突が生じることな
く可動鉄心を保持することができるため、衝突音が発生
せず、動作が静かで、長寿命の有極リニヤアクチュエー
タを提供することができる。
【0080】次に、図12を参照して第11実施例を説
明する。第11実施例は、スプリング等のバネ力を用い
ずに可動鉄心を復帰させるための構成を示したものであ
る。なお、第11実施例は、上記第1実施例と略同様の
構成であるため、同一部分には、同一符号を付し詳細な
説明は省略する。
【0081】第11実施例の吸引部材2U ,2D は、左
右の磁性体9UR,9UL及び磁性体9 DR,9DLが異なる形
状をしている。即ち、吸引部材2U の磁性体9ULは、可
動鉄心側の端面が可動鉄心3に対して傾倒するように形
成されかつ吸引部材2U の左側の端部でギャップが最小
となるように、また、磁性体9URは、可動鉄心側の端面
が可動鉄心3に対して平行となるように形成されて継鉄
U に取り付けられている。即ち、吸引部材2U におけ
る磁性体9ULに生成される磁極18ULと可動鉄心3との
ギャップ111、及び磁性体9URに生成される磁極18
URと可動鉄心3とのギャップ112は、右方のギャップ
112が同一幅で、左方のギャップ111を中央寄りの
端部で右方のギャップ112と同じ幅にしかつ左端部に
向かうに従ってギャップを狭くなる構造である。なお、
吸引部材2D は、可動鉄心を軸として線対称となる吸引
部材2U と同様の構成である。このように、吸引部材2
Uにおけるギャップ111、ギャップ112は一致しな
い。
【0082】次に、第11実施例の有極リニヤアクチュ
エーターAcの作動について内部に流れる磁束を参照し
説明する。永久磁石1U による磁束は上記実施例と同様
に実線矢印12のように同じ方向に流れている。このと
き、ギャップ111は徐々に狭くなっているので吸引力
はギャップ111がギャップ112に対して大きいた
め、可動鉄心3は左方の端部で停止する。
【0083】可動鉄心3を右方へ移動させるために、点
線矢印14の方向に流れる磁束が発生するように励磁コ
イルに励磁電流を通電する。このとき、永久磁石の磁束
及び励磁コイルの磁束は、吸引部材2U の左方の磁性体
ULの磁極18ULと可動鉄心3との間では永久磁石及び
励磁コイルの二つの磁束が減算され、右方の磁性体9 UR
の磁極18URと可動鉄心3との間では加算される方向に
流れる。
【0084】これによって、可動鉄心3と吸引部材2U
の右方向のギャップ112の磁束密度は左方向のギャッ
プ111の磁束密度より大となり、可動鉄心3は右方向
(図12矢印A方向)に吸引される。励磁コイルの励磁
電流の供給を遮断すると、吸引部材の左右における磁束
の加減算の関係が崩れ、左方向のギャップ111の磁束
密度が大きくなり、可動鉄心3は左方の端部で停止す
る。
【0085】従って、永久磁石1による吸引力は無通電
時に常に左方(ギャップ111に対する部位)が強く右
方(ギャップ112に対する部位)が弱くなるので、可
動鉄心3は常に左端に寄って静止し、コイルの励磁によ
って、可動鉄心3は右方に吸引される。この励磁が停止
されると、可動鉄心は再び左方へ戻る。このように、第
11実施例では、可動鉄心3を右方へ移動後に左方に戻
して停止させることができるため、スプリング等のバネ
力を用いることなく、有極アクチュエータの一方の端部
に可動鉄心3を復帰させ静止させることができる。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、可
動鉄心の移動方向に交差するように磁束を設定及び生じ
させかつ、磁束が加算される方向及び減算される方向に
磁束を生じさせることができるため、少ない電力で大き
な吸引力を得られる効率の良い有極リニアアクチュエー
タを得ることができ、また、大きなストロークであって
も大きな吸引力を得られる、という効果が得られる。
【0087】また、吸引部材と可動鉄心の間の間隙を容
易に変更できるため、ストロークと吸引力との関係を表
す吸引力特性を用途に応じて変更することができると共
に励磁コイルで発生する磁束の方向を変更することによ
って可動鉄心を双方向に動かすことができる、という効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の有極リニヤアクチュエーターの概
略構造を示す線図であり、(a)は、一部断面(図2の
I−I線)による正面図、(b)は、一部断面(図2の
II−II線)による側面図である。
【図2】第1実施例の有極リニヤアクチュエーターの外
観図である。
【図3】第2実施例の有極リニヤアクチュエーターの要
部の概略構造を示す平面図である。
【図4】第3実施例の有極リニヤアクチュエーターの概
略構造を示す線図であり、(a)は要部を示す正面図、
(b)は側面図である。
【図5】第4実施例の有極リニヤアクチュエーターの要
部の概略構造を示す線図であり、(a)は要部を示す正
面図、(b)は側面図である。
【図6】第5実施例の有極リニヤアクチュエーターの吸
引部材周辺の概略構造を示す線図であり、(a)は要部
を示す正面図、(b)は板状の可動鉄心の側面図、
(c)は円筒状の可動鉄心の側面図である。
【図7】第6実施例の有極リニヤアクチュエーターの吸
引部材周辺の概略構造を示す線図である。
【図8】第7実施例の有極リニヤアクチュエーターの吸
引部材周辺の概略構造を示す線図である。
【図9】第8実施例の有極リニヤアクチュエーターの吸
引部材周辺の概略構造を示す線図である。
【図10】第9実施例の有極リニヤアクチュエーターの
吸引部材周辺の概略構造を示す線図である。
【図11】第10実施例の有極リニヤアクチュエーター
の吸引部材周辺の概略構造を示す線図である。
【図12】第11実施例の有極リニヤアクチュエーター
の吸引部材周辺の概略構造を示す線図である。
【符号の説明】
Ac アクチュエータ 1 永久磁石 3 可動鉄心 2U 、2D 吸引部材 5U 、5D 継鉄 4UR、4UL、4DR、4DL コイル 9UR、9UL、9DR、9DL 磁性体 18UR、18UL、18DR、18DL 磁極

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々相対する磁極を生成するための一組
    の磁性体が2組対峙して配設された吸引手段と、 前記相対する磁極間の各々に一部が挿入されかつ直線的
    に移動可能に保持された可動鉄心と、 前記各磁性体における磁極と前記可動鉄心との間の間隙
    に磁束を通過させる永久磁石と、 前記吸引手段の一方の組の磁性体における磁極間では前
    記磁束と加算される方向に通過する磁束を形成しかつ他
    方の組の磁性体における磁極間では前記磁束と減算され
    る方向に通過する磁束を形成する励磁コイルと、 を有する有極リニヤアクチュエーター。
  2. 【請求項2】 前記永久磁石は、前記吸引手段の各組の
    磁性体における磁極間を通過する磁束の向きが同じ方向
    となるように配置されることを特徴とする請求項1に記
    載の有極リニヤアクチュエーター。
  3. 【請求項3】 前記励磁コイルは、前記磁性体の各々に
    設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の
    有極リニヤアクチュエーター。
  4. 【請求項4】 前記励磁コイルは、前記吸引手段の対峙
    した磁性体の間に設けられたことを特徴とする請求項1
    または2に記載の有極リニヤアクチュエーター。
  5. 【請求項5】 前記永久磁石は、前記吸引手段の前記可
    動鉄心挿入側に対して反対側の部位に設けられたことを
    特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の
    有極リニヤアクチュエーター。
  6. 【請求項6】 前記可動鉄心は、永久磁石と該永久磁石
    を挟持する二つの鉄心とで形成し該永久磁石及び鉄心の
    境界部分の向きが該可動鉄心の移動方向に沿う方向に向
    くよう配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項4
    の何れか1項に記載の有極リニヤアクチュエーター。
  7. 【請求項7】 前記間隙に摩擦係数の少ない非磁性体を
    配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れ
    か1項に記載の有極リニヤアクチュエーター。
  8. 【請求項8】 前記間隙に前記可動鉄心の移動に伴って
    回転する回転体を設けたことを特徴とする請求項1乃至
    請求項7の何れか1項に記載の有極リニヤアクチュエー
    ター。
  9. 【請求項9】 前記吸引手段の対峙した磁性体の一方
    は、前記間隙が前記可動鉄心の移動方向の一端部に向か
    って徐々に減少しかつ該一端部側で最小となり、他方は
    前記間隙が前記可動鉄心の移動方向の他端部に向かって
    徐々に増加しかつ該他端部側で最大となるように形成し
    たことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項
    に記載の有極リニヤアクチュエーター。
  10. 【請求項10】 前記吸引手段の対峙した磁性体の一方
    は、前記間隙が前記可動鉄心の移動方向の一端部に向か
    って徐々に増加しかつ該一端部側で最大となり、他方は
    前記間隙が前記可動鉄心の移動方向の他端部に向かって
    徐々に減少しかつ該他端部側で最小となるように形成し
    たことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項
    に記載の有極リニヤアクチュエーター。
  11. 【請求項11】 前記磁性体の前記可動鉄心の移動方向
    の先端部側または後端部側に該可動鉄心の移動を機械的
    に止めると共に磁気的に該可動鉄心を保持する保持磁極
    を生成する保持磁極生成手段を更に設けたことを特徴と
    する請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の有極リ
    ニヤアクチュエーター。
  12. 【請求項12】 前記吸引手段の前記可動鉄心の移動方
    向の先端部側または後端部側で前記可動鉄心を磁気的に
    保持できるように可動鉄心と少ない間隙で相対する突起
    部位を前記吸引手段の磁性体に設けたことを特徴とする
    請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の有極リニヤ
    アクチュエーター。
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