JP2001247346A - 水硬性材料用収縮低減剤及び水硬性材料用添加剤組成物 - Google Patents

水硬性材料用収縮低減剤及び水硬性材料用添加剤組成物

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JP2001247346A
JP2001247346A JP2000385213A JP2000385213A JP2001247346A JP 2001247346 A JP2001247346 A JP 2001247346A JP 2000385213 A JP2000385213 A JP 2000385213A JP 2000385213 A JP2000385213 A JP 2000385213A JP 2001247346 A JP2001247346 A JP 2001247346A
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健 枚田
Koichiro Nagare
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水硬性材料への添加量を抑制して水硬性材料
の製造コストを抑制しつつ、硬化物の乾燥収縮の進行を
充分に抑制することにより優れたひび割れ防止効果を発
揮する、汎用性の高い水硬性材料用収縮低減剤及びその
製造方法、並びに、水硬性材料用添加剤組成物を提供す
る。 【解決手段】 炭素数2〜30の活性水素を1個もつ化
合物の残基にカルボキシル基を有する側鎖をもつオキシ
アルキレン鎖が1つ結合した構造を有する重合体
(a)、炭素数4〜30の活性水素を2個もつ化合物の
残基にカルボキシル基を有する側鎖をもつオキシアルキ
レン鎖が1以上結合した構造を有する重合体(b)、炭
素数1〜30の活性水素を3個以上もつ化合物の残基に
カルボキシル基を有する側鎖をもつオキシアルキレン鎖
が1以上結合した構造を有する重合体(c)、及び、ア
ミン残基にカルボキシル基を有する側鎖をもつオキシア
ルキレン鎖が1つ結合した構造を有する重合体(d)か
らなる群より選択される少なくとも1種の重合体を含む
水硬性材料用収縮低減剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水硬性材料用収縮
低減剤及びその製造方法、並びに、水硬性材料用添加剤
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】水硬性材料は、強度や耐久性等に優れた
硬化物を与えることから、セメントペースト、モルタ
ル、コンクリート等のセメント組成物等として広く用い
られており、土木・建築構造物等を構築するために欠か
すことのできないものとなっている。このような水硬性
材料では、硬化した後に、外気温や湿度条件等により、
内部に残った未反応水分の散逸が起こり、これに起因す
ると考えられる乾燥収縮が進行し、硬化物中にひび割れ
が生じて強度及び耐久性が低下するという問題があっ
た。土木・建築構造物等の強度や耐久性等が低下する
と、安全性の低下や修復コストの増大等の重大な問題が
生じることになる。
【0003】このような問題に対して、法規制が強化さ
れようとしている。例えば、1999年6月に成立した
住宅の品質確保の促進に関する法律では、コンクリート
のひび割れも瑕疵保証の対象となる。また、2005年
以降に乾燥収縮によるひび割れに関して性能照準型のレ
ディーミクストコンクリートに関する規格がJIS A
5308に導入される可能性がある。このような現在、
水硬性材料の硬化物中における乾燥収縮の進行を抑制す
る水硬性材料用収縮低減剤の重要性が認識され、技術革
新が盛んに行われている。
【0004】例えば、セメント配合物の乾燥収縮を低減
させるための薬剤として、特公昭56−51148号公
報には炭素数1〜4のアルコールのアルキレンオキシド
付加物、特公平1−53214号公報には2〜8価のア
ルコールのエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの
共付加物、特公平1−53215号公報には低級アルキ
ルアミンのアルキレンオキシド付加物、特開昭59−1
52253号公報にはオリゴマー領域のポリプロピレン
グリコール、特公平6−6500号公報には低分子量ア
ルコール類、特許第2825855号公報には炭素数8
の2−エチルヘキサノールのアルキレンオキシド付加物
が開示されている。これらの化合物は、何れも分子量が
1000以下程度のオリゴマー又は低分子の化合物であ
る。
【0005】これらの中で現在市販・実用化されている
収縮低減剤は、「コンクリート混和剤の開発と最新技
術」(第一版、1995年9月18日、シーエムシー社
発行)等で紹介されている。しかしながら、これらの収
縮低減剤では、標準使用量が単位セメント重量に対して
2〜6%と多く、そのためコンクリートに使用した場合
にコンクリートのコストが高くなりとても汎用的な剤と
は言い難い。
【0006】一方、高分子量の乾燥収縮低減剤として
は、特開平8−268741号公報に開示されている、
ポリカルボン酸(塩)の側鎖にオリゴアルキレングリコ
ール類や多価アルコール類が化学的に結合したグラフト
ポリマーを含有する乾燥収縮低減型セメント分散剤があ
る。しかしながら、これは剤の製造が容易ではない。
【0007】容易に高分子量化合物を得る方法として、
ポリエーテル化合物にエチレン性不飽和単量体をグラフ
ト重合する方法が知られている。欧州特許公開第027
1435(A2)号公報には、ポリエーテルの主鎖ポリ
マーと不飽和エチレン性単量体を重合してなる側鎖ポリ
マーより構成されるグラフト重合体が、セメント組成物
の流動化剤又は減水剤として使用されることが開示さ
れ、特開平11−139855号公報では、特定の単量
体を含む重量平均分子量が6千以上のグラフト重合体
が、セメント添加剤として使用されることが開示されて
いる。しかしながら、これらのグラフト重合体はセメン
ト組成物の流動性を保ちつつ減水して硬化させることに
より、セメント硬化物の強度等を向上しようとするもの
であることから、乾燥収縮低減剤として使用されること
は一切開示されていない。従って、水硬性材料中の添加
量を抑制しても乾燥収縮の進行を充分に抑制することが
できる剤を容易に製造するための研究の余地があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、水硬性材料への添加量を抑
制して水硬性材料の製造コストを抑制しつつ、硬化物の
乾燥収縮の進行を充分に抑制することにより優れたひび
割れ防止効果を発揮する、汎用性の高い水硬性材料用収
縮低減剤及びその製造方法、並びに、水硬性材料用添加
剤組成物を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、土木・建
築分野等に広く用いることができる水硬性材料用収縮低
減剤についての問題点を綿密に精査したうえで鋭意研究
を行った結果、特定構造を有する重合体を含む水硬性材
料用収縮低減剤が、水硬性材料への添加量を抑制して水
硬性材料の製造コストを抑制しつつ、硬化物の乾燥収縮
の進行を充分に抑制することにより優れたひび割れ防止
効果を発揮することができることから、汎用性を高くし
て土木・建築構造物等の安全性を向上したり修復コスト
を抑制したりすることができるという劇的な効果が生じ
る事実に遭遇し、本発明に到達したものである。
【0010】すなわち本発明は、炭素数2〜30の活性
水素を1個もつ化合物の残基にカルボキシル基を有する
側鎖をもつオキシアルキレン鎖が1つ結合した構造を有
する重合体(a)、炭素数4〜30の活性水素を2個も
つ化合物の残基にカルボキシル基を有する側鎖をもつオ
キシアルキレン鎖が1以上結合した構造を有する重合体
(b)、炭素数1〜30の活性水素を3個以上もつ化合
物の残基にカルボキシル基を有する側鎖をもつオキシア
ルキレン鎖が1以上結合した構造を有する重合体
(c)、及び、アミン残基にカルボキシル基を有する側
鎖をもつオキシアルキレン鎖が1つ結合した構造を有す
る重合体(d)からなる群より選択される少なくとも1
種の重合体を含む水硬性材料用収縮低減剤である。以下
に、本発明を詳述する。
【0011】本発明の水硬性材料用収縮低減剤は、上記
重合体(a)、重合体(b)、重合体(c)及び重合体
(d)からなる群より選択される少なくとも1種の重合
体を含み、その他の成分を含んでいても含んでいなくて
もよいが、該重合体を主成分として含むことが好まし
く、各重合体はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。また、2種以上の重合体が用いられ
る場合、各重合体の重量比率としては特に限定されるも
のではない。
【0012】上記重合体(a)、重合体(b)及び重合
体(c)において、「活性水素をもつ化合物の残基」と
は、活性水素をもつ化合物から活性水素を除いた構造を
有する基を意味し、活性水素をもつ化合物との反応によ
り形成される基に特に限定されるものではない。このよ
うな基としては、例えば、アルコールの水酸基から活性
水素を除いた構造を有するアルコール残基が好ましく、
その他にもカルボン酸のカルボキシル基から活性水素を
除いた構造を有するカルボン酸残基等が挙げられる。な
お、上記活性水素をもつ化合物としては、活性水素を1
個、2個又は3個もつ化合物等が挙げられる。また、上
記重合体(d)において、「アミン残基」とは、アミン
の窒素原子上の置換基から水素原子を除いた構造を有す
る基、又は、アンモニア若しくはアミンの窒素原子上の
水素原子を除いた構造を有する基を意味し、アンモニア
若しくはアミンとの反応により形成される基に特に限定
されるものではない。
【0013】上記重合体において、カルボキシル基を有
する側鎖をもつオキシアルキレン鎖としては特に限定さ
れるものではなく、1種であってもよく、2種以上であ
ってもよい。例えば、下記一般式(1);
【0014】
【化2】
【0015】(式中、R及びRは、同一若しくは
異なって、水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、又
は、カルボキシル基を有する側鎖を表す。Z及びZ
は、同一若しくは異なって、水素原子、又は、カル
ボキシル基を有する側鎖を表す。)で表される繰り返し
単位を有する構造であることが好ましい。但し、該繰り
返し単位は、カルボキシル基を有する側鎖をもつ繰り返
し単位を必須とする。このような繰り返し単位がオキシ
アルキレン鎖の主成分となることが好ましく、その他の
繰り返し単位を有していても有していなくてもよい。
尚、上記R及びR は、一方が水素原子であり、他
方が水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基であるこ
とが好ましい。
【0016】上記重合体は、特定炭素数の活性水素をも
つ化合物の残基及び/又はアミン残基にオキシアルキレ
ン鎖が結合した構造と、カルボキシル基を有する側鎖と
から構成され、該側鎖は、不飽和カルボン酸系単量体を
必須成分とするエチレン性不飽和単量体成分が重合して
形成されてなる構造を有するものである。このような重
合体は、例えば、後述するように、不飽和カルボン酸系
単量体を必須成分とするエチレン性不飽和単量体成分を
ポリエーテル化合物にグラフト重合して重合体を製造す
る工程により製造することができる。不飽和カルボン酸
系単量体がポリエーテル化合物にグラフト重合した重合
体はカルボキシル基を側鎖に有することになり、このよ
うなカルボキシル基により弱いながらもイオン的な作用
力で水硬性材料に吸着するか、又は、水硬性材料の表面
のカチオン若しくは溶出したカチオンにキレートすると
考えられる。このようなカルボキシル基の作用がどのよ
うな原理で水硬性材料における硬化物の収縮低減に寄与
するのかは定かではないが、驚くべきことに、上記エチ
レン性不飽和単量体成分が不飽和カルボン酸系単量体を
必須成分とすると、硬化物の乾燥収縮の進行を充分に抑
制する作用(以下、収縮低減性能ともいう)が飛躍的に
向上することになる。
【0017】上記重合体の親水性、疎水性については、
本発明の作用効果を奏することになる限り特に限定され
るものではないが、疎水性が過大であると、コンクリー
トの空気量を過剰に減少させ、空気量の調整が困難とな
るおそれがあり、親水性が過大であると、過剰の空気を
連行し、やはり適正な空気量に調整することが困難とな
るおそれがある。上記重合体の親水性と疎水性とを調整
するには、例えば、オキシアルキレン鎖の構造を適宜設
定することにより行うことができる。
【0018】上記重合体の重量平均分子量(Mw)とし
ては特に限定されず、例えば、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(以下、GPCという)で測定される
重量平均分子量(Mw)が200〜1000000であ
ることが好ましい。より好ましくは、500〜5000
00であり、更に好ましくは、1000〜100000
である。また、分散度(Mw/Mn)としては特に限定
されず、例えば、1.5〜100であることが好まし
い。より好ましくは、2〜80であり更に好ましくは、
3〜50である。上記重合体の分散度は、重量平均分子
量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値である。
【0019】本明細書中において、分子量とは、例え
ば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)により測定する値を意味する。ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)は、市販のポリエチレ
ングリコールを標準試料として検量線を作製した際に、
狭くても1000から100000の範囲で、3次式で
近似でき、その近似式の相関係数(r)が0.99以上
となるものを用いることが好ましい。より好ましくは、
0.999以上であり、更に好ましくは、0.9999
以上である。移動相は、試料を溶解させるものを選択す
る。検量線は、正確に分子量を計算するにはできるだけ
多くの標準試料を用いて描くのが好ましく、その目的の
ために5点以上の標準試料を用いる。この際、得られる
分子量が信頼性をもつために、分子量1500以下と、
分子量15万以上を必ず1点ずつ含むこととする。
【0020】本発明はまた、上記水硬性材料用収縮低減
剤の製造方法であって、不飽和カルボン酸系単量体を必
須成分とするエチレン性不飽和単量体成分をポリエーテ
ル化合物にグラフト重合して重合体を製造する工程を含
む水硬性材料用収縮低減剤の製造方法でもある。これに
より、本発明の作用効果を発揮することになる水硬性材
料用収縮低減剤を簡便に製造することが可能となる。以
下に、本発明の水硬性材料用収縮低減剤の製造方法につ
いて、エチレン性不飽和単量体成分、ポリエーテル化合
物、及び、重合体の製造方法を詳述する。
【0021】〔エチレン性不飽和単量体成分〕上記エチ
レン性不飽和単量体成分における不飽和カルボン酸系単
量体は、重合性不飽和結合とカルボキシル基とを分子内
に少なくとも1つずつ有する単量体であり、不飽和モノ
カルボン酸系単量体と、α,β−不飽和ジカルボン酸系
単量体及び/又はその無水物とを必須成分として含むこ
とが好ましい。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。上記α,β−不飽和ジカル
ボン酸系単量体及び/又はその無水物を必須成分として
含むことにより、重合反応の暴走による、急激な増粘を
防止することができる。なお、上記エチレン性不飽和単
量体成分中における不飽和カルボン酸系単量体の含有量
としては、本発明の作用効果を奏することになる限り特
に限定されず、例えば、主成分として含有することが好
ましく、その他の成分を含有していても含有していなく
てもよい。
【0022】上記不飽和モノカルボン酸系単量体として
は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、チグリ
ン酸、3−メチルクロトン酸、2−メチル−2−ペンテ
ン酸等が挙げられる。これらの中でも、容易に入手でき
る点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
【0023】上記α,β−不飽和ジカルボン酸系単量体
及び/又はその無水物としては、例えば、マレイン酸、
フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸等のα,β−不飽
和ジカルボン酸;無水マレイン酸、無水シトラコン酸等
のα,β−不飽和ジカルボン酸の無水物等が挙げられ
る。これらの中でも、容易に入手できる点から、マレイ
ン酸、フマル酸及び無水マレイン酸からなる群から選ば
れる少なくとも1種の化合物が好ましい。
【0024】上記不飽和カルボン酸系単量体における
α,β−不飽和ジカルボン酸系単量体及び/又はその無
水物の含有量としては、例えば、適度な速度でポリエー
テル化合物にグラフト重合させて増粘を防止するために
は、0.1〜99.9重量%であることが好ましい。よ
り好ましくは、1〜99重量%であり、更に好ましく
は、10〜90重量%であり、特に好ましくは、20〜
80重量%である。
【0025】本発明におけるエチレン性不飽和単量体成
分の好ましい態様の1つは、α,β−不飽和ジカルボン
酸系単量体と(メタ)アクリル酸とを必須成分として含
むことである。このような態様におけるα,β−不飽和
ジカルボン酸系単量体と(メタ)アクリル酸との重量比
としては、例えば、1/99〜99/1であることが好
ましい。より好ましくは、10/90〜90/10であ
り、更に好ましくは、20/80〜80/20であり、
特に好ましくは、30/70〜70/30である。
【0026】上記エチレン性不飽和単量体成分に含有さ
せることができる不飽和カルボン酸系単量体以外のエチ
レン性不飽和単量体としては、例えば、エチレン性不飽
和カルボン酸エステル類やそれ以外のエチレン性不飽和
単量体を挙げることができ、これらを1種又は複数種使
用できる。上記エチレン性不飽和カルボン酸エステル類
としては、例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸
ジメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル
等のマレイン酸のアルキルエステル類;フマル酸モノメ
チル、フマル酸ジメチル、フマル酸モノエチル、フマル
酸ジエチル等のフマル酸のアルキルエステル類;メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート等の水酸基を有する不飽和カルボン酸エス
テル類;(メトキシ)ポリエチレングリコール(メタ)
アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、ナフトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、モノフェノキシポリエチレング
リコールマレエート、カルバゾールポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコー
ル(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0027】上記エチレン性不飽和カルボン酸エステル
類以外のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、以
下に記載するもの等が挙げられる。スチレン等の芳香族
ビニル系単量体類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)
アクリルアルキルアミド等のアミド基を有するビニル系
単量体類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン
酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエ
ステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタ
ジエン、イソプレン等のジエン類;ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン等のトリアルキルオ
キシシリル基を有するビニル系単量体類;γ−(メタク
リロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン等のケイ
素原子を有するビニル系単量体類;マレイミド、メチル
マレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、
ブチルマレイミド、オクチルマレイミド、ドテシルマレ
イミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、
シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド誘導体。
【0028】(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基
を有するビニル系単量体類;(メタ)アクロレイン等の
アルデヒド基を有するビニル系単量体類;ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノエ
チル(メタ)アクリレート類等のアミノ基を有するビニ
ル系単量体類;(メトキシ)ポリエチレングリコール
(メタ)アリルエーテル、(メトキシ)ポリエチレング
リコールイソプロペニルエーテル等の不飽和エーテル
類;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、(メタ)アリルスルホン酸、2−スルホエチル(メ
タ)アクリレート、ビニルスルホン酸、ヒドロキシアリ
ルオキシプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等の
スルホン酸基を有するビニル系単量体類;塩化ビニル、
塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール、ビニ
ルピロリドン、エチルビニルエーテル等のその他の官能
基を有するビニル系単量体類等。
【0029】〔ポリエーテル化合物〕上記ポリエーテル
化合物としては、例えば、炭素数2〜30の活性水素を
1個もつ化合物のアルキレンオキサイド付加物、炭素数
4〜30の活性水素を2個もつ化合物のアルキレンオキ
サイド付加物、炭素数1〜30の活性水素を3個以上も
つ化合物のアルキレンオキサイド付加物、及び、アミン
のアルキレンオキサイド付加物からなる群より選択され
る少なくとも1種を含むことが好ましく、その他の成分
を含んでいても含んでいなくてもよいが、該アルキレン
オキサイド付加物を主成分として含むことが好ましく、
各アルキレンオキサイド付加物はそれぞれ単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0030】上記アルキレンオキサイド付加物は、例え
ば、アルキレンオキサイドを活性水素を有する化合物に
公知の方法で重合することにより調製することができ、
炭素数2〜30の活性水素を1個もつ化合物の残基にオ
キシアルキレン鎖が1つ結合した構造、炭素数4〜30
の活性水素を2個もつ化合物の残基にオキシアルキレン
鎖が1以上結合した構造、炭素数1〜30の活性水素を
3個以上もつ化合物の残基にオキシアルキレン鎖が1以
上結合した構造、又は、アミン残基にオキシアルキレン
鎖が1つ結合した構造を有することになる。また、活性
水素をもつ化合物の残基又はアミン残基に結合していな
いオキシアルキレン鎖の末端は、例えば、水素原子、1
価金属原子、2価金属原子、アンモニウム基、有機アミ
ン基、炭素数1〜30の炭化水素基、オキソ炭化水素
基、アミド炭化水素基、カルボキシル炭化水素基、炭素
数0〜30のスルホニル(炭化水素)基等のいずれかに
結合した構造を有することになり、1分子内に2つ以上
のオキシアルキレン鎖を有する場合には、該末端構造が
同一であってもよく異なっていてもよい。このような末
端構造の中でも、汎用性の点から、水素原子又は炭素数
1〜30の炭化水素基に結合した構造であることが好ま
しい。
【0031】上記アルキレンオキサイドとしては、例え
ば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド、スチレンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、汎用性の点から、エチレンオキサイド
及び/又はプロピレンオキサイドを必須成分として、必
要に応じて他のアルキレンオキサイドを用いることが好
ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用
することにより、ブロック付加、交互付加、ランダム付
加等の付加形態となるようにしてもよい。
【0032】上記活性水素を有する化合物は、炭素数2
〜30の1価アルコール、炭素数4〜30の2価アルコ
ール、炭素数1〜30の3価以上のアルコール、及び、
アミンからなる群より選択される少なくとも1種を含む
ことが好ましく、必要に応じてカルボン酸等を含んでい
てもよい。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。これらの中でも、汎用性の点か
ら、比較的安価で入手しやすいアルコール類を用いるこ
とが好ましく、炭素数2〜30の1価アルコールが、よ
り好ましい。
【0033】上記炭素数2〜30の1価アルコールとし
ては、例えば、エタノール、n−プロパノール、n−ブ
タノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−
ヘプタノール、2−エチルブタノール、n−オクタノー
ル、1−ドデカノール、1−オクタデカノール、2−エ
チルヘキサノール、シクロヘキサノール、アリルアルコ
ール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等の炭素数
2〜22の1級アルコール;iso−プロピルアルコー
ル、2−ブタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノ
ール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、メチルア
ミルアルコール、2−オクタノール、ノニルアルコー
ル、n−パラフィンを酸化して得られる炭素数12〜1
4のアルコール等の炭素数3〜18の2級アルコール;
tert−ブタノール、tert−ペンタノール等の3
級アルコール等が挙げられる。これらの中でも、炭素数
が3〜12であるものが好ましい。より好ましくは、炭
素数が3〜10である。
【0034】上記炭素数4〜30の2価アルコールとし
ては、例えば、1,4−ブタンジオール、ヘキシレング
リコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオー
ル等が挙げられる。上記炭素数1〜30の3価以上のア
ルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、1,3,5−ペンタントリオール、ペンタ
エリスリトール、グルコース、フラクトース、ソルビト
ール、グルコン酸、酒石酸、ポリビニルアルコール等が
挙げられる。
【0035】上記アミンとしては特に限定されず、例え
ば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、エチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、プロピルアミン、ブチルアミン、2−エチルブ
チルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジプロ
ピルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジブチルアミ
ン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、アリルアミ
ン、シクロブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ラウ
リルアミン、アニリン、ジフェニルアミン、尿素、チオ
尿素、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
【0036】上記カルボン酸としては、例えば、吉草
酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ラウリン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルシ
ン酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸等のジカルボン酸;乳酸、酒石酸、ク
エン酸、リンゴ酸等のオキシカルボン酸等が挙げられ
る。
【0037】上記アルキレンオキサイド付加物の調製に
おける重合方法としては特に限定されず、例えば、汎用
性の点から公知の重合方法を用いることが好ましく、酸
触媒又はアルカリ触媒を用いる方法が好適である。例え
ば、酸触媒としては、三フッ化ホウ素等のルイス酸触媒
である金属及び半金属のハロゲン化合物;塩化水素、臭
化水素、硫酸等の鉱酸等が挙げられ、アルカリ触媒とし
ては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナト
リウム等が挙げられる。
【0038】上記ポリエーテル化合物はまた、上記アル
キレンオキサイド付加物から誘導された誘導体としても
よい。このような誘導体としては特に限定されず、例え
ば、ポリエーテル化合物の末端官能基を変換してなる末
端基変換体や、ポリエーテル化合物と、カルボキシル
基、イソシアネート基、アミノ基、ハロゲン基等の基を
1分子中に複数個有する架橋剤とを反応させて得られる
架橋体等が挙げられる。
【0039】上記末端基変換体としては、例えば、ポリ
エーテル化合物の全ての末端又は一部の末端の水酸基
を、(1)炭素数2〜22の脂肪酸、コハク酸、無水コ
ハク酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アジピン酸等の
ジカルボン酸(無水物)でエステル化したもの、(2)
ハロゲン化アルキルを用いた脱ハロゲン化水素反応でア
ルコキシ化したもの、すなわちアルコキシポリアルキレ
ングリコール、(3)クロルスルホン酸、無水硫酸、ス
ルファミン酸等の公知の硫酸化剤で硫酸化したもの、す
なわちポリオキシアルキレン硫酸(塩)等が挙げられ
る。
【0040】上記ポリエーテル化合物の重量平均分子量
としては特に限定されず、例えば、100〜10000
00であることが好ましい。より好ましくは200〜1
00000、更に好ましくは300〜50000であ
る。また、分散度(Mw/Mn)としては特に限定され
ず、例えば、1〜100であることが好ましい。より好
ましくは1.1〜10、更に好ましくは1.1〜3であ
る。
【0041】上記ポリエーテル化合物は本発明における
重合体の原料として用いられるため、このようなポリエ
ーテル化合物の親水性と疎水性のバランスは、得られる
重合体の親水性と疎水性のバランスに大きく影響するこ
とになる。重合体の疎水性が大き過ぎると、コンクリー
トの空気量を過剰に減少させて、空気量の調整が困難に
なる。また、重合体の親水性が大き過ぎると、水硬性材
料中に過剰の空気を連行して、適正な空気量に調整する
ことが困難となる。従って、本発明では、ポリエーテル
化合物の親水性と疎水性とを適度にバランスさせること
が重要な意味を有することとなる。このような親水性と
疎水性のバランスを表す指標として、HLBがある。H
LBを数値化する試みはいくつかなされているが、本発
明においては辻薦著「乳化・可溶化の技術」(第8版、
平成4年10月30日出版、工学図書社発行)に記載の
デービスの式に準じて算出した値とする。上記ポリエー
テル化合物のHLBとしては、例えば、1〜15である
ことが好ましい。より好ましくは、2〜12であり、更
に好ましくは、3〜9である。市販のポリエーテル化合
物として、例えば、1級アルコールのアルキレンオキサ
イド付加物であるニューポールLB、50HBシリーズ
(商品名、三洋化成社製)、炭素数12〜14の2級ア
ルコールのアルキレンオキサイド付加物であるソフタノ
ール(商品名、日本触媒社製)及び末端アミンポリエー
テルであるジェファーミンMシリーズ(商品名、サンテ
クノケミカル社製)等が挙げられる。
【0042】〔重合体の製造方法〕本発明における重合
体を調製するグラフト重合は、ポリエーテル化合物から
水素原子やハロゲン原子が引き抜かれた際に発生するグ
ラフト部位を開始点としてエチレン性不飽和単量体が付
加重合することにより行われる。
【0043】上記グラフト重合において、ポリエーテル
化合物は、グラフト部位が同一分子中に多数存在するも
のもあれば全く存在しないものもある。また、同一の炭
素原子から複数の原子が引き抜かれると、その部位でポ
リエーテル鎖は切断される。エチレン性不飽和単量体の
重合停止反応は、連鎖移動反応、不均化停止反応、再結
合停止反応等であり、ポリエーテル化合物と結合してポ
リエーテル化合物の2量体、3量体等ができることもあ
る。このため、得られる親水性グラフト重合体の分子量
分布は広くなり、分散度(Mw/Mn)は大きくなると
考えられる。
【0044】上記グラフト重合の方法としては、ポリエ
ーテル化合物にエチレン性不飽和単量体をグラフト重合
することができる方法であれば特に限定されるものでは
ない。例えば、グラフト率を上げると親水性グラフト重
合体の収縮低減性能を向上させることができる等の点か
ら、重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。上記重
合開始剤としては特に限定されず、例えば、公知のラジ
カル開始剤を用いることができるが、反応性等の点か
ら、有機過酸化物が特に好ましい。
【0045】上記有機過酸化物としては特に限定され
ず、例えば、以下の(1)〜(8)に記載するもの等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。 (1)ケトンパーオキサイド類:メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,
3,5−トリメチルシクロメチルエチルケトンパーオキ
サイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパー
オキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、
メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセ
トンパーオキサイド等。
【0046】(2)ハイドロパーオキサイド類:ter
t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパ
ーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオ
キサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイ
ドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブ
チルハイドロパーオキサイド、2−(4−メチルシクロ
ヘキシル)−プロパンハイドロパーオキサイド等。
【0047】(3)ジアルキルパーオキサイド類:ジ−
tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルク
ミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,
α′−ビス(tert−ブチルパーオキシ)p−ジイソ
プロピルベンゼン、α,α′−ビス(tert−ブチル
パーオキシ)p−イソプロピルヘキシン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン−3等。
【0048】(4)パーオキシエステル類:tert−
ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオ
キシラウレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレー
ト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシイソブ
チレート、tert−ブチルパーオキシビバレート、t
ert−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパ
ーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキ
シ−2−エチルエキサノエート、tert−ブチルパー
オキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、te
rt−ブチルパーオキシマレイン酸、クミルパーオキシ
オクトエート、tert−ヘキシルパーオキシビバレー
ト、tert−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエー
ト、クミルパーオキシネオヘキサノエート等。
【0049】(5)パーオキシケタール類:n−ブチル
−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレエ
ート、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブ
タン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,
2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)オクタン等。
【0050】(6)ジアシルパーオキサイド類:アセチ
ルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オク
タノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサノイルパーオキサイド、サクシニックアシッ
ドパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4
−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルイルパ
ーオキサイド等。
【0051】(7)パーオキシジカーボネート類:ジ−
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチ
ルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピ
ルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−tert−
ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ
ミリスチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイ
ソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル
−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ
−アリルパーオキシジカーボネート等。 (8)その他の有機過酸化物類:アセチルシクロヘキシ
ルスルフォニルパーオキサイド、tert−ブチルパー
オキシアリルカーボネート等。
【0052】上記グラフト重合では、有機過酸化物と共
に、有機過酸化物の分解触媒や、還元性化合物を併用し
てもよい。また、ポリエーテル化合物にエチレン性不飽
和単量体成分を添加してグラフト重合を行う場合、重合
開始剤等は、予めポリエーテル化合物に添加することも
できるが、エチレン性不飽和単量体成分に添加したり、
エチレン性不飽和単量体成分と同時に反応系へ添加した
りすることもできる。上記重合開始剤の使用量としては
特に限定されず、例えば、エチレン性不飽和単量体成分
に対して0.1〜15重量%とすることが好ましい。
0.1重量%未満であっても、15重量%を超えても、
ポリエーテル化合物へのグラフト率が低下するおそれが
ある。より好ましくは、0.5〜10重量%である。
【0053】上記グラフト重合は、溶液重合や塊状重合
等の公知の重合方法により行うことができる。溶液重合
を行う際に用いることができる溶媒としては特に限定さ
れず、例えば、重合効率に悪影響を及ぼさない溶媒を用
いることが好ましい。このような溶媒としては、例え
ば、水;n−ブタン、プロパン、ベンゼン、シクロヘキ
サン、ナフタレン等の炭化水素系;塩化メチル、クロロ
ホルム、四塩化炭素、トリクロロエタン等のハロゲン化
炭化水素系;プロパノール、ブタノール、イソプロピル
アルコール、イソブチルアルコール、イソアミルアルコ
ール等のアルコール系;エチルエーテル、イソプロピル
エーテル、ブチルエーテル等のエーテル系;メチルエチ
ルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケト
ン等のケトン系;酢酸メチル、酢酸エチル、安息香酸エ
チル、乳酸エチル等のエステル系;ギ酸、酢酸、プロピ
オン酸等の酸系;(ポリ)エチレングリコール、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコ
ール、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の多
価アルコールとその誘導体系等の溶媒が挙げられる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0054】上記グラフト重合は、回分式でも連続式で
も行うことができる。また、グラフト重合の温度は、8
0〜160℃であることが好ましい。80℃より低い
と、グラフト重合が進行しにくく、ポリエーテル化合物
へのエチレン性不飽和単量体のグラフト効率が低下する
おそれがある。160℃より高いと、原料のポリエーテ
ル化合物及び得られるグラフト重合体の熱分解が起こる
おそれがある。より好ましくは、100〜160℃であ
る。
【0055】上記グラフト重合では、ポリエーテル化合
物は、その一部又は全量を初期に仕込むことが好まし
い。また、エチレン性不飽和単量体成分として、α,β
−不飽和ジカルボン酸系単量体、すなわちマレイン酸、
フマル酸及び無水マレイン酸からなる群より選ばれた少
なくとも1つの単量体等と、(メタ)アクリル酸とを含
む場合、α,β−不飽和ジカルボン酸系単量体のうちの
半量以上を予めポリエーテル化合物に混合し、この混合
物をポリエーテル化合物の流動点(温度)以上に加熱し
た後、得られる混合物に残りのエチレン性不飽和単量体
及び重合開始剤を別々に添加してグラフト重合を行うこ
とが好ましい。この方法により、α,β−不飽和ジカル
ボン酸系単量体のグラフト重合体への導入率を大幅に向
上させることができる。
【0056】上記エチレン性不飽和単量体成分の使用量
としては特に限定されず、例えば、エチレン性不飽和単
量体成分中に含まれる不飽和カルボン酸系単量体が、ポ
リエーテル化合物100重量部に対して、0.1〜10
0重量部となるようにすることが好ましい。0.1重量
部未満であると、重合体がセメントに作用しにくくなり
収縮低減性が低下するおそれがある。100重量部を超
えると、重合体による硬化遅延性が増大したり、反応混
合物の粘度が高くなって取扱いにくくなるおそれがあ
る。より好ましくは、1〜80重量部であり、更に好ま
しくは、2〜65重量部である。
【0057】上記グラフト重合により得られる重合体
は、そのまま水硬性材料用収縮低減剤として使用しても
よいが、溶剤に溶解させて用いることもできる。上記溶
剤としては、例えば、水、アルコール等が挙げられる
が、水を用いることが好ましい。また、重合体がカルボ
キシル基、スルホン酸基等の酸基やそのエステル基を有
する場合、塩基を添加して酸基やそのエステル基の一部
又は全部を塩に変換したものを添加剤として使用しても
よい。
【0058】上記塩基としては特に限定はされず、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類
金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭
酸リチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の炭酸
塩;アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン等のアミン類等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
【0059】上記グラフト重合の方法は、上述した方法
に限定されるものではなく、例えば、特許第29458
22号公報、特許第2918798号公報、特許第29
18799号公報、特開平11−279220号公報等
に記載された方法も用いることができる。
【0060】本発明の水硬性材料用収縮低減剤は、水硬
性材料が乾燥するときに起こる収縮を低減する効果を有
するもので、ひび割れの低減、防止、充填性の向上、反
りの防止、剥離の防止などを主目的として使用されるこ
とになる。以下に、本発明の水硬性材料用収縮低減剤の
特性について説明する。
【0061】本発明の水硬性材料用収縮低減剤では、上
記重合体がカルボキシル基及び/又はその水素イオンを
金属イオンやアンモニウムイオン等のカチオンで置換し
た基を有することになる。このような基は、混練水中に
添加した際のエステルの加水分解等により発生するもの
を含む。このような基を有することから、上記重合体
は、カルボン酸及び/又はその塩の形態となるものであ
る。
【0062】上記カルボン酸及び/又はその塩の確認方
法は、公知の分析方法で測定することにより行うことが
できる。このような分析方法としては、例えば、赤外分
光法(IR)、核磁気共鳴分光法(NMR)、中和滴定
法等が挙げられ、これらを併用してカルボン酸及び/又
はその塩の定性・定量分析ができる。カルボン酸及び/
又はその塩が存在する場合、IRを用いると、カルボン
酸のC=O伸縮による吸収帯が、1700〜1800c
-1付近に現れる。また、中和滴定法を用いると、正数
の酸価を得ることになる。酸価は、試料1g中のカルボ
ン酸及び/又はその塩を中和するのに必要な水酸化カリ
ウムのmg数で表される。本発明では、1〜1000m
g/gとなるように設定することが好ましい。より好ま
しくは、10〜500mg/gであり、更に好ましくは
30〜300mg/gである。カルボン酸の一部又は全
部が塩となっている場合には、一旦完全な酸型又はアル
カリ型にしてから中和滴定法を行うことにより総カルボ
ン酸量を知ることができる。また、混練水中に添加した
際のエステルの加水分解等によりカルボン酸及び/又は
その塩を発生する場合には、試料を予め加水分解し、そ
れを測定することによって分析することができる。
【0063】本発明の水硬性材料用収縮低減剤ではま
た、モルタルフロー試験によるモルタルフロー値が11
0mm以上かつ空気連行量が11±2容積%以上となる
のに必要な上記水硬性材料用収縮低減剤の添加量が、セ
メントに対する固形分換算で1.0重量%以上である
か、又は、上記水硬性材料用収縮低減剤をセメントに対
する固形分換算で1.0重量%以上添加してもモルタル
フロー試験によるモルタルフロー値が110mm以上か
つ空気連行量が11±2容積%以上とならないことが好
ましい。
【0064】上記モルタル試験によるモルタルフロー値
とは、下記の評価方法により測定される値である。 〔評価方法〕普通ポルトランドセメント400gと豊浦
産標準砂800gとをホバート型モルタルミキサー(型
番N−50、ホバート社製)で30秒間低速で空練りし
た後、上記セメント添加剤を含む水240gを添加し、
3分間中速で混練することによりモルタルを得る。得ら
れたモルタルを、直ちに水平なテーブルに置かれた内径
53.5mm、高さ50mmの中空円筒に擦り切りまで
充填し、この円筒を静かに垂直に持ち上げた後にテーブ
ルに広がったモルタルの長径と短径とをノギスで測定
し、その平均値をモルタルフロー値とする。なお、連行
空気量の少ないセメント組成物の評価に関しては、空気
連行剤(AE剤)を用いてモルタルの連行空気量を11
±2容積%に調整する。また、空気量は、得られたモル
タルの容積、重量及び用いた材料の比率から算出する。
【0065】本発明の水硬性材料用収縮低減剤では更
に、(a)一定の収縮低減効果を得るに必要な添加量
が、原料のポリエーテルを収縮低減剤として用いた場合
の0.6倍以下となること、(b)プレーンモルタル又
はプレーンコンクリートの単位水量に対して、単位水量
を18%減水するに必要な添加量が0.5重量%(対セ
メント)以上であることの両方の要件を満たすことが好
ましい。
【0066】上記(a)において、収縮低減性能を評価
する試験方法としては、例えば、JIS A 1129
に準拠して硬化させてから28日後の収縮低減性能を評
価することが好ましく、試験の回数は3回以上とし、そ
の平均値で比較することが好ましい。また、標準試料と
して何らかの収縮低減剤を同時に評価することが好まし
い。このような標準試料としては、例えば、市販のジエ
チレングリコールジプロピレングリコールモノブチルエ
ーテルとして日曹丸善ケミカル社製「GE−42−2
P」(商品名)、ネオペンチルグリコールとして三菱ガ
ス化学社製のもの、太平洋セメント社製「テトラガード
AS21」(商品名)、藤沢薬品社製「ヒビガード」
(商品名)、竹本油脂社製「ヒビダン」(商品名)等を
用いることができる。なお、モルタルやコンクリートの
収縮の程度は、用いるセメントの種類、風化度、骨材の
種類、配合、混練条件、養生条件等により変化するた
め、評価を行う際には同一の試験条件で評価をする必要
があり、同一日に同一の材料を用いて同一の養生条件で
硬化させる必要がある。
【0067】上記(a)では、水硬性材料用収縮低減剤
をセメントに対して固形分の重量割合で1.2重量%以
下用いたときに、上述した重合体を得るために用いるポ
リエーテル化合物を収縮低減剤としてセメントに対して
固形分の重量割合で2重量%用いたときに得られるのと
同等の収縮低減性能を得ることができるように水硬性材
料用収縮低減剤を適宜調製することを意味する。従来公
知の収縮低減剤として市販されているポリエーテル化合
物は、その効果を発揮するためには単位セメント量に対
して2重量%程度の添加が必要とされているが、上記
(a)を満たす本発明の水硬性材料用収縮低減剤を用い
ると、従来公知の収縮低減剤よりも少ない添加量で充分
な収縮低減性能を発揮することになり、日常的に大量に
使用されているセメント組成物等の水硬性材料の製造コ
ストを抑制することができることになる。より好ましく
は、水硬性材料用収縮低減剤のセメントに対する固形分
の重量割合を1.0重量%以下とすることであり、更に
好ましくは、0.8重量%以下とすることである。
【0068】上記(a)ではまた、水硬性材料用収縮低
減剤をセメントに対して固形分の重量割合で1.2重量
%以下用いたときに、ジエチレングリコールジプロピレ
ングリコールモノブチルエーテルをセメントに対して2
重量%用いたときに得られるのと同等の収縮低減効果を
得ることができるように水硬性材料用収縮低減剤を適宜
調製することが好ましい。より好ましくは、水硬性材料
用収縮低減剤のセメントに対する固形分の重量割合を
1.0重量%以下とすることであり、更に好ましくは、
0.8重量%以下とすることである。
【0069】上記(b)において、プレーンコンクリー
トを調製する方法としては、例えば、JIS A 62
04に準拠して行うことが好ましく、また、プレーンモ
ルタルでは、プレーンコンクリートでの添加量を再現で
きる配合とすることが好ましい。再現性の確認には、後
述する高性能AE減水剤を標準試料として使用すること
が好ましい。すなわちプレーンコンクリートの単位水量
を18重量%減水するのに必要な高性能AE減水剤の使
用量を、18重量%減水したプレーンモルタルに適用し
た際に、プレーンコンクリートとプレーンモルタルとが
減水前と同等の流動性を示せば、その試験は簡易評価法
として用いることができる。この際、連行空気量が変わ
ると見かけの流動性が変わるので、適宜、消泡剤やAE
剤で空気量を合わせて評価することが好ましい。上記
(b)では、より好ましくは、水硬性材料用収縮低減剤
のセメントに対する固形分の重量割合を1.0重量%以
上とすることであり、更に好ましくは、2.0重量%以
上とすることである。
【0070】上述した本発明の水硬性材料用収縮低減剤
は、後述するような成分を含むことにより、水硬性材料
用添加剤組成物としてもよく、これにより、水硬性材料
に対して本発明の効果を発揮させつつ、各種の効果を作
用させることができることになる。水硬性材料用添加剤
組成物中における水硬性材料用収縮低減剤の濃度として
は特に限定されるものではない。
【0071】本発明は更に、水硬性材料用収縮低減剤と
セメント分散剤とを含んでなる水硬性材料用添加剤組成
物であって、上記水硬性材料用収縮低減剤は、炭素数1
〜30の活性水素を1個もつ化合物の残基にカルボキシ
ル基を有する側鎖をもつオキシアルキレン鎖が1つ結合
した構造を有する重合体(A)、炭素数1〜30の活性
水素を2個もつ化合物の残基にカルボキシル基を有する
側鎖をもつオキシアルキレン鎖が1以上結合した構造を
有する重合体(B)、炭素数1〜30の活性水素を3個
以上もつ化合物の残基にカルボキシル基を有する側鎖を
もつオキシアルキレン鎖が1以上結合した構造を有する
重合体(C)、及び、アミン残基にカルボキシル基を有
する側鎖をもつオキシアルキレン鎖が1つ結合した構造
を有する重合体(D)からなる群より選択される少なく
とも1種の重合体を含む水硬性材料用添加剤組成物でも
ある。このような水硬性材料用添加剤組成物により、水
硬性材料に優れた乾燥収縮低減性能を付与することがで
きると共に、水硬性材料への水の使用量を低減しても分
散性が良好に保たれることから水硬性材料を減水するこ
とができるため、硬化物の強度や耐久性を向上させるこ
とが可能となる。
【0072】本発明の水硬性材料用添加剤組成物は、上
記水硬性材料用収縮低減剤及びセメント分散剤以外の成
分を含んでいても含んでいなくてもよいが、該水硬性材
料用収縮低減剤及びセメント分散剤を主成分として含む
ことが好ましい。上記水硬性材料用収縮低減剤におい
て、上記重合体(A)及び重合体(B)は、それぞれ上
記重合体(a)及び重合体(b)と活性水素をもつ化合
物の残基の炭素数の範囲が異なる以外は同様であり、上
記重合体(C)及び重合体(D)は、それぞれ上記重合
体(c)及び重合体(d)と同様である。
【0073】上記セメント分散剤としては、セメント粒
子を分散させる作用を有するものであれば特に限定され
ず、例えば、公知のセメント分散剤や減水剤の他、リグ
ニンスルホン酸や、ポリカルボン酸系、ナフタレン系、
メラミン系、アミノスルホン酸系等の減水剤等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。このようなセメント分散剤を含むことによ
り、セメント添加剤の水硬性材料中の粒子を分散させる
作用が向上することから水硬性材料が流動性に優れたも
のとなり、作業性が著しく向上されたり、水硬性材料中
の水の含有量を低減して硬化物の強度や耐久性等が向上
されたりすることになる。
【0074】上記減水剤において、リグニンスルホン酸
等は、一般的にAE減水剤とも呼ばれ、ポリカルボン酸
系、ナフタレン系、メラミン系、アミノスルホン酸系等
の減水剤は、一般的に高性能AE減水剤とも呼ばれる。
このような減水剤の中でも、高性能AE減水剤を用いる
ことが好ましく、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤を
好適に用いることができる。
【0075】上記水硬性材料用収縮低減剤と上記セメン
ト分散剤との配合割合としては特に限定されず、例え
ば、セメント分散剤として高性能AE減水剤を用いる場
合には、(水硬性材料用収縮低減剤/高性能AE減水
剤)が固形分の重量比で、1/100〜100/1であ
ることが好ましい。水硬性材料用収縮低減剤の添加量が
上記重量比より多くなると、高性能AE減水剤の減水性
を阻害するおそれがある。より好ましくは、1/100
〜50/1であり、更に好ましくは、1/100〜25
/1である。
【0076】本発明の水硬性材料用添加剤組成物が水硬
性材料に添加される形態としては特に限定されず、例え
ば、水硬性材料用収縮低減剤とセメント分散剤とが水硬
性材料に添加される前に混合されて添加される形態であ
ってもよく、水硬性材料用収縮低減剤とセメント分散剤
とが別個に調製され、それぞれが水硬性材料に添加され
る形態であってもよい。このようなことは、本明細書中
の他の組み合わせでも同様である。
【0077】上述した水硬性材料用添加剤組成物は、本
発明の作用効果を奏する限り、必要に応じて、更に、上
述した溶剤やその他の成分を含んでいてもよい。例え
ば、以下の(1)〜(20)に示すような公知の添加剤
(材)と組み合わせて使用することができる。
【0078】(1)水溶性高分子物質:ポリアクリル酸
(ナトリウム)、ポリメタクリル酸(ナトリウム)、ポ
リマレイン酸(ナトリウム)、アクリル酸・マレイン酸
共重合物のナトリウム塩等の不飽和カルボン酸重合物;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等
のポリオキシエチレンあるいはポリオキシプロピレンの
ポリマー又はそれらのコポリマー;メチルセルロース、
エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース等の非イオン性セルロースエーテル類;酵母
グルカンやキサンタンガム、β−1,3グルカン類(直
鎖状、分岐鎖状の何れでも良く、一例を挙げれば、カー
ドラン、パラミロン、バキマン、スクレログルカン、ラ
ミナラン等)等の微生物醗酵によって製造される多糖
類;ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール;デン
プン;デンプンリン酸エステル;アルギン酸ナトリウ
ム;ゼラチン;分子内にアミノ基を有するアクリル酸の
コポリマー及びその四級化合物等。
【0079】(2)高分子エマルジョン:(メタ)アク
リル酸アルキル等の各種ビニル単量体の共重合物等。 (3)遅延剤:グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボ
ン酸、リンゴ酸又はクエン酸、及び、これらの、ナトリ
ウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニ
ウム、トリエタノールアミン等の無機塩又は有機塩等の
オキシカルボン酸並びにその塩;グルコース、フラクト
ース、ガラクトース、サッカロース、キシロース、アピ
オース、リボース、異性化糖等の単糖類や、二糖、三糖
等のオリゴ糖、又は、デキストリン等のオリゴ糖、又
は、デキストラン等の多糖類、これらを含む糖蜜類等の
糖類;ソルビトール等の糖アルコール;珪弗化マグネシ
ウム;リン酸並びにその塩又はホウ酸エステル類;アミ
ノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミ
ン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価ア
ルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒ
ドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレン
ジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレント
リアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びこれらのア
ルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及び
その誘導体等。
【0080】(4)早強剤・促進剤:塩化カルシウム、
亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、
ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;塩化鉄、塩
化マグネシウム等の塩化物;硫酸塩;水酸化カリウム;
水酸化ナトリウム;炭酸塩;チオ硫酸塩;ギ酸及びギ酸
カルシウム等のギ酸塩;アルカノールアミン;アルミナ
セメント;カルシウムアルミネートシリケート等。 (5)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。 (6)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、こ
れらのアルキレンオキシド付加物等。 (7)脂肪酸系消泡剤:オレイン酸、ステアリン酸、こ
れらのアルキレンオキシド付加物等。 (8)脂肪酸エステル系消泡剤:グリセリンモノリシノ
レート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノ
ラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワック
ス等。
【0081】(9)オキシアルキレン系消泡剤:(ポ
リ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等
のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプ
チルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、
ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテ
ル、炭素数12〜14の高級アルコールへのオキシエチ
レンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキ
ルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の
(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテ
ル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−
4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−
2,5−ジオール、3−メチル−1−ブチン−3−オー
ル等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付
加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコ
ールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリ
ル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エス
テル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エス
テル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エ
ステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナ
トリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエー
テル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアル
キル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)
オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)
オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキ
シエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレ
ンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等。
【0082】(10)アルコール系消泡剤:オクチルア
ルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコ
ール、グリコール類等。 (11)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。 (12)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、
ナトリウムオクチルホスフェート等。 (13)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレー
ト、カルシウムオレエート等。 (14)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、
シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変
性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオ
ルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。
【0083】(15)AE剤:樹脂石鹸、飽和あるいは
不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラ
ウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホ
ン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、
アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル
(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル
(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオ
キシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エス
テル又はその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク
酸、α−オレフィンスルホネート等。
【0084】(16)その他界面活性剤:オクタデシル
アルコールやステアリルアルコール等の分子内に6〜3
0個の炭素原子を有する脂肪族1価アルコール、アビエ
チルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有
する脂環式1価アルコール、ドデシルメルカプタン等の
分子内に6〜30個の炭素原子を有する1価メルカプタ
ン、ノニルフェノール等の分子内に6〜30個の炭素原
子を有するアルキルフェノール、ドデシルアミン等の分
子内に6〜30個の炭素原子を有するアミン、ラウリン
酸やステアリン酸等の分子内に6〜30個の炭素原子を
有するカルボン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオ
キシド等のアルキレンオキシドを10モル以上付加させ
たポリアルキレンオキシド誘導体類;アルキル基又はア
ルコキシル基を置換基として有しても良い、スルホン基
を有する2個のフェニル基がエーテル結合した、アルキ
ルジフェニルエーテルスルホン酸塩類;各種アニオン性
界面活性剤;アルキルアミンアセテート、アルキルトリ
メチルアンモニウムクロライド等の各種カチオン性界面
活性剤;各種ノニオン性界面活性剤;各種両性界面活性
剤等。
【0085】(17)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エ
ステル、油脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、
ワックス等。 (18)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。 (19)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル
類;2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルカ
ンジオール類等。 (20)膨張材:エトリンガイト系、石炭系等。
【0086】その他の公知のセメント添加剤(材)とし
ては、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、
公知の乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング
剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤、高炉スラグ、フライア
ッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハス
クアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石膏等を挙
げることができる。これら公知のセメント添加剤(材)
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0087】本発明の水硬性材料用添加剤組成物は、例
えば、従来公知のコンクリート工法等に広く適用するこ
とができる。このような工法としては特に限定されず、
例えば、高強度コンクリート工法、超高強度コンクリー
ト工法、高流動コンクリート工法、フローイングコンク
リート工法等が挙げられる。また、使用形態も特に限定
されず、例えば、そのまま固形状又は粉末状等の形態で
用いたり、水と混合して水溶液又は水分散液等の形態で
用いてもよい。
【0088】本発明の水硬性材料用収縮低減剤や水硬性
材料用添加剤組成物が使用される水硬性材料としては、
水硬性又は潜在水硬性を有するものであれば特に限定さ
れず、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルト
ランドセメント等のポルトランドセメントや、シリカセ
メント、フライアッシュセメント、高炉セメント、アル
ミナセメント、ビーライト高含有セメント、各種混合セ
メント;珪酸三カルシウム、珪酸二カルシウム、アルミ
ン酸三カルシウム、鉄アルミン酸四カルシウム等のセメ
ントの構成成分;潜在水硬性を有するフライアッシュ等
が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。これらの中でも、普通ポルトランド
セメントが通常よく使用され、好適に適用することがで
きる。
【0089】本発明の水硬性材料用収縮低減剤や水硬性
材料用添加剤組成物の使用量としては、例えば、水硬性
材料に対して固形分換算で0.0001〜10重量%と
することが好ましい。0.0001重量%未満である
と、収縮低減性能が小さいおそれがあり、10重量%を
超えると、水硬性材料の硬化遅延が生じやすくなるおそ
れがある。より好ましくは、0.001〜7重量%であ
り、更に好ましくは、0.005〜5重量%であり、最
も好ましくは、0.01〜3重量%である。
【0090】本発明の水硬性材料用収縮低減剤や水硬性
材料用添加剤組成物は、水硬性材料の中でも、セメント
組成物等に配合されて好適に用いることができる。この
ようなセメント組成物としては、従来公知のものを使用
でき、特に限定されず、例えば、セメント及び水を含む
セメント水ペースト(セメント水スラリー);セメン
ト、水及び砂を含むモルタル;セメント、水、砂及び石
を含むコンクリート等が挙げられる。
【0091】上記セメント組成物に配合されるセメント
としては、従来公知のものを使用でき、特に限定され
ず、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトラ
ンドセメント等のポルトランドセメントや、シリカセメ
ント、フライアッシュセメント、高炉セメント、アルミ
ナセメント、ビーライト高含有セメント、各種混合セメ
ント等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポルトラン
ドセメントが通常よく使用され、上記セメント添加剤を
好適に適用することができる。
【0092】上記セメント組成物におけるセメント添加
剤の配合割合としては特に限定されず、例えば、セメン
ト添加剤の必須成分である水硬性材料用収縮低減剤のセ
メントに対する重量割合が固形分換算で0.0001〜
10重量%であることが好ましい。0.0001重量%
未満であると、収縮低減性能が充分に発揮されないおそ
れがあり、10重量%を超えると、セメント組成物の硬
化遅延が生じやすくなるおそれがある。より好ましく
は、0.001〜7重量%であり、更に好ましくは、
0.005〜5重量%であり、最も好ましくは、0.0
1〜3重量%である。
【0093】上記セメント組成物における水の配合割合
としては特に限定されず、例えば、セメントに対して、
10〜80重量%であることが好ましい。10重量%未
満であると、各種成分の混合が不充分となって成形でき
なかったり、強度が低下したりするおそれがあり、80
重量%を超えると、セメント組成物の硬化物の強度が低
下するおそれがある。より好ましくは、15〜75重量
%であり、更に好ましくは、20〜70重量%であり、
最も好ましくは、25〜65重量%である。
【0094】上記セメント組成物をモルタルやコンクリ
ートとして用いる場合、セメント組成物に配合される砂
や石としては、従来公知のセメント組成物に用いられる
ものを使用でき、特に限定されず、例えば、自然作用に
よって岩石からできた川砂、海砂、山砂等の天然の細骨
材;これらの岩石やスラブを粉砕した人工の細骨材;軽
量細骨材等が挙げられる。砂の配合量については、従来
公知のセメント組成物と同様とすればよく、特に限定さ
れるものではない。また、石の配合量についても、従来
公知のセメント組成物と同様とすればよく、特に限定さ
れるものではないが、例えば、細骨材率として、20〜
60重量%であることが好ましい。20重量%未満であ
ると、がさがさしたコンクリートとなり、スランプの大
きいコンクリートでは、粗骨材とモルタル分とが分離し
やすくなるおそれがある。60重量%を超えると、単位
セメント量及び単位水量を多く必要とし、また、流動性
の悪いコンクリートとなるおそれがある。より好ましく
は、30〜50重量%である。
【0095】上記セメント組成物には必要に応じてその
他の材料が配合されていてもよい。その他の材料として
は、従来公知のセメント組成物と同様のものを用いるこ
とができ、特に限定されず、例えば、シリカヒューム、
高炉スラブ、シリカ粉末や、鋼繊維、ガラス繊維等の繊
維質材料等が挙げられる。これらの材料の配合量として
は、従来公知のセメント組成物と同様とすればよく、特
に限定されるものではない。
【0096】上記セメント組成物を作製する方法として
は特に限定されず、例えば、セメントと水と必要に応じ
てその他の配合材料とを混合するときに、セメント添加
剤、その水分散液又は水溶液を添加して一緒に混合する
方法等の従来のセメント組成物と同様の方法;セメント
と水と必要に応じてその他の配合材料とを予め混合して
おき、得られた混合物にセメント添加剤、その水分散液
又は水溶液を添加して混合する方法;セメントと必要に
応じてその他の配合材料とを予め混合しておき、得られ
た混合物に、セメント添加剤、その水分散液又は水溶液
と水とを添加して混合する方法;セメントと、セメント
添加剤、その水分散液又は水溶液と、必要に応じてその
他の配合材料とを予め混合しておき、得られた混合物に
水を添加して混合する方法等が挙げられる。
【0097】上記セメント組成物は、その硬化物が強度
や耐久性等に優れたものであることから、構造物の安全
性を向上したり修復コストを抑制したりすることがで
き、土木・建築構造物等の様々な分野において広く好適
に用いることができるものであり、このようなセメント
組成物も本発明の好ましい形態の1つである。
【0098】
【実施例】以下に実施例を揚げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。実施例中、「部」、「%」とは、特に断りの
ない限り、それぞれ「重量部」、「重量%」を表すもの
とする。
【0099】(水分量の測定方法)水分は、カールフィ
ッシャー水分計を用いて測定した。測定機種としてメト
ラー製のカールフィッシャータイトレーターDL18
(商品名)を用い、カールフィッシャー試薬には林純薬
工業社製のハイドラナール・コンポジット5K(商品
名)を用いた。
【0100】(水酸基価の測定)水酸基価は、試料1g
に含まれる水酸基の量を水酸化カリウムのmg数で表し
た数であり、以下の方法により測定した。 (1)無水フタル酸35gにピリジン200gを加えて
溶解させ、フタル化試薬とする。 (2)試料約1gをテフロン(登録商標)製の容器に精
秤しフタル化試薬10mlを加える。別途、フタル化試
薬のみをテフロン製の容器に10ml加えて、ブランク
とする。 (3)上記容器を120℃に加熱したホットプレート上
に時々攪拌しながら約1時間置き、試料中の水酸基をフ
タル化させる。 (4)冷却後、0.5規定の水酸化カリウム水溶液で滴
定し、試料とブランクとの酸価の差から、水酸基価を算
出する。なお、滴定には平沼産業社製の自動滴定装置C
OMTITE−550(商品名)を使用した。
【0101】(固形分の測定方法)固形分は、試料中の
不揮発分を測定することにより算出した。この不揮発分
は、試料を約1g精秤し、130℃で窒素雰囲気とした
乾燥器に1時間投入して、冷却後の重量を精秤すること
によって算出した。
【0102】(分子量、分散度の測定方法)分子量、分
散度は次の条件に従い、GPC(ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー)により測定した。 プレカラム:KF800D(商品名、Shodex社
製)1本 カラム:KF800L(商品名、Shodex社製)3
本直列 カラム温度:40℃(カラムオーブンにて調温) 移動相:クロロホルム(高速液体クロマトグラフ用、和
光純薬工業社製) 流量:1.0ml/min 測定試料:固形分換算で0.5%になるように移動相で
希釈し、0.45ミクロンのフィルター クロマトディ
スク13N(商品名、ジーエルサイエンス社製)でろ過
した。 注入量:100μl 検出器:RI Shodex SE−61示差屈折率検
出器(商品名、Shodex社製) 検量線用標準試料:ポリエチレングリコール標準サンプ
ル Mp=960、1470、4250、12600(商品
名、ジーエルサイエンス社製) Mp=21000、45000、85000、1600
00(商品名、東ソー社製)
【0103】(検量線作製要領)上記サンプルのピーク
トップの時間を横軸に、分子量を縦軸にプロットし3次
曲線を作製する。但し、分子量はピ−クトップ分子量
(Mp)を用いた。
【0104】分子量計算 日本分光社製のクロマトグラフィー用データ処理システ
ムBORWIN(商品名)により測定サンプルを計算さ
せ、分子量を決定する。分子量の較正曲線近似式は、 logM=A+BRt+CRt+DRt であり、ここに、M=分子量、Rt=リテンションタイ
ム(分)、A=24.11、 B=−2.072、C=
0.0759、D=−0.00103となった。
【0105】(総酸価の測定方法)総酸価は、試料1g
に含まれるカルボン酸の総量を水酸化カリウムのmg数
で表した数であり、次の方法に従い測定した。 (1)試料約1gをビーカーに精秤し、水(又はアセト
ニトリル)50gと攪拌子を入れる。 (2)pHが2.0以下となるまで、0.1N塩酸水溶
液(滴定用試薬)を加える。 (3)0.1N水酸化ナトリウム水溶液(滴定用試薬)
を滴下して、第一変曲点と第二変曲点との差から酸量を
測定する。なお、平沼産業社製の自動滴定装置COMT
ITE−550(商品名)を使用した。
【0106】まず、添加剤を以下の方法により調製し
た。 製造例1 温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガ
ラス製反応容器に、ソフタノール30(商品名、日本触
媒社製、炭素数12〜14の2級アルコールのエチレン
オキサイド(EO)平均3モル付加品、分子量332、
分散度(Mw/Mn)=1.36)120.0部及びマ
レイン酸15.5部を仕込んで、窒素気流下125±5
℃まで加温して溶融混合した。次に、温度を125±5
℃に保ちながら、アクリル酸14.5部と、t−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート:パーブチルI
(商品名、日本油脂社製)3.3部とを別々に1時間に
わたって連続的に滴下し、その後125±5℃に保ちな
がら1時間攪拌を続け、グラフト重合体1を得た。グラ
フト重合体1の重量平均分子量(Mw)は11700、
分散度(Mw/Mn)は16.8であった。また、グラ
フト重合体1の総酸価は、71.9mg/gであった。
【0107】グラフト重合体1を30.6部に、水27
5.2部、水酸化ナトリウム水溶液(30%溶液)7.
6部を加えることによって、グラフト重合体1のナトリ
ウム塩水溶液を得た。これを添加剤1と称する。得られ
た添加剤1は、pH8.3、固形分9.1%の淡黄色白
濁溶液であり、室温で静置すると白色の不溶分が浮遊・
分離した。この添加剤を使用する際には、よく振って均
一にしてから使用した。
【0108】製造例2 温度計、攪拌機、窒素導入管及び圧力計を備えたステン
レス製の圧力容器にイソプロピルアルコール(和光純薬
工業社製、水分量0.04%含有)601.0部及び水
酸化ナトリウム0.4部を仕込み、攪拌下に圧力容器内
を窒素置換し、圧力容器内を100±5℃に加熱した。
次に、温度100〜140℃、圧力2.0×10-1
7.8×10-1MPaとして安全圧下でエチレンオキサ
イド1321.5部を導入し、熟成後、揮発分を除去し
てイソプロピルアルコールのエチレンオキサイド付加物
である中間体aを得た。
【0109】中間体aの水酸基価から分子量を測定した
ところ245.8であった。これよりイソプロピルアル
コールへのエチレンオキサイドの平均付加数は4.2で
あることが算出された。
【0110】次に、温度計、攪拌機、窒素導入管及び圧
力計を備えたステンレス製の圧力容器に中間体aを49
1.6部及び水酸化ナトリウム0.26部を仕込み、攪
拌下に圧力容器内を窒素置換し、圧力容器内を120±
10℃に加熱した。次に、温度120±10℃、圧力
2.9×10-1〜7.8×10-1MPaとして安全圧下
でプロピレンオキサイド402.8部を導入し、熟成
後、揮発分を除去してイソプロピルアルコールのエチレ
ンオキサイド・プロピレンオキサイド付加物である中間
体bを得た。
【0111】中間体bのプロピレンオキサイド付加数
は、物質収支から計算して、3.3であることが算出さ
れた。これより中間体bは、イソプロピルアルコール
(炭素数3)に対して平均4.2個のエチレンオキサイ
ドと平均3.3個のプロピレンオキサイドがブロック状
に付加したものであるとした。
【0112】温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却
器を備えたガラス製反応容器に、中間体bを120.0
部及びマレイン酸15.6部を仕込んで、窒素気流下1
25±5℃まで加温して溶融混合した。次に、温度を1
25±5℃に保ちながら、アクリル酸14.4部と、t
−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート:パーブ
チルI(商品名、日本油脂社製)3.0部とを別々に1
時間にわたって連続的に滴下し、その後125±5℃に
保ちながら1時間攪拌を続け、グラフト重合体2を得
た。
【0113】グラフト重合体2の重量平均分子量(M
w)は24300、分散度(Mw/Mn)は30.7で
あった。また、グラフト重合体2の総酸価は118.7
mg/gであった。
【0114】グラフト重合体2を30.7部に、水27
6.6部を加えると、pH2.4の半濁溶液となった。
これに水酸化ナトリウム水溶液(30%溶液)9.4部
を加えることによって、グラフト重合体2のナトリウム
塩水溶液を得た。これを添加剤2と称する。得られた添
加剤2は、pH7.7、固形分9.1%の淡黄色透明溶
液であり、室温で短くとも1ヶ月間は分離しなかった。
【0115】製造例3 低級アルコールアルキレンオキシド付加物である市販の
収縮低減剤:テトラガードAS21(商品名、太平洋セ
メント社製)の水分量は、水分計で14.6%と測定さ
れた。そこで、エバポレーターを用いて減圧・加温(5
0℃、1.3×10-2MPa以下)で脱水を行い、更に
真空乾燥器(50℃、6.7×10-3MPa以下)で脱
水を充分行うことによって、テトラガードAS21の脱
水品(水分量0.4%)を得た。得られたテトラガード
AS21の脱水品の水酸基価は181.7mg/gであ
った。この結果から、テトラガードAS21の平均分子
量は309と計算された。また、テトラガードAS21
の分散度(Mw/Mn)は1.13と測定された。
【0116】温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却
器を備えたガラス製反応容器に、テトラガードAS21
(商品名、太平洋セメント社製)の脱水品80.0部及
びマレイン酸10.4部を仕込んで、窒素気流下110
℃まで加温して溶融混合した。次に、温度を110±1
0℃に保ちながら、アクリル酸9.2部と、t−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート:パーブチルI
(商品名、日本油脂社製)2.0部とを別々に1時間に
わたって連続的に滴下し、その後120±5℃に保ちな
がら1時間攪拌を続け、グラフト重合体3を得た。
【0117】グラフト重合体3の重量平均分子量(M
w)は6300、分散度(Mw/Mn)は18.9であ
った。グラフト重合体3を100部に、水228.9部
及び水酸化ナトリウム水溶液(48%溶液)16.7部
を加えることによって、グラフト重合体3のナトリウム
塩水溶液を得た。これを添加剤3と称する。得られた添
加剤3は、pH6.8、固形分26.6%の淡黄色透明
溶液であり、室温(約20℃)で少なくとも6ヶ月間分
離しなかった。
【0118】比較例1及び比較例9 収縮低減剤を添加しなかった。 比較例2〜3及び比較例10 製造例3で得られたテトラガードAS21(商品名、太
平洋セメント社製)の脱水品を、比較用添加剤1とし
た。
【0119】比較例4 ジエチレングリコールジプロピレングリコールモノブチ
ルエーテル:GE−42−2P(商品名、日曹丸善ケミ
カル社製)を、比較用添加剤2とした。
【0120】比較例5〜6 上記製造例1で使用したソフタノール30(商品名、日
本触媒社製)を、比較用添加剤3とした。 比較例7〜8 上記製造例2で合成した中間体bを、比較用添加剤4と
した。
【0121】以上のようにして得られた添加剤を用い
て、以下に示す方法によりモルタルを練り、供試体を作
製して長さ変化を測定することにより、収縮低減性能
(ひび割れ防止性能)を評価した。
【0122】(モルタルの混練)太平洋セメント社製の
普通ポルトランドセメント400gと豊浦産標準砂80
0gとをホバート型モルタルミキサー:型番N−50
(商品名、ホバート社製)で30秒間低速で空練りした
後、表1、表2に示す所定量の添加剤を秤量して水で希
釈したもの260gを添加し、3分間中速で混練するこ
とによりモルタルを得た。得られたモルタルを、直ちに
水平なテーブルに置かれた内径53.5mm、高さ50
mmのステンレス製の中空円筒に摺り切りまで充填し、
この円筒を静かに鉛直に持ち上げた後にテーブルに広が
ったモルタルの長径と短径をノギスで測定し、その平均
値をモルタルフロー値とした。なお、連行空気量が多い
とフロー値と収縮量が見かけ上大きくなるので、連行空
気量を一定にする必要がある。そこで、適宜、消泡剤
(オキシアルキレン系)を用いた。なお、空気量は得ら
れたモルタルの容積、重量及び用いた材料の比重から算
出した。結果を表1に示す。
【0123】(供試体の作製)JIS A 1129に
習って供試体(4×4×16cm)を作製した。型枠に
は予めシリコーングリースを塗布して止水すると共に容
易に脱型できるようにした。供試体の両端にはゲージプ
ラグを装着した。混練して得られたモルタルを型枠に流
し込んだ後、温度20℃、湿度60%に設定した恒温恒
湿器:PL−2G(商品名、タバイエスペック社製)に
入れて初期養生を行った。4日後に脱型し、供試体の表
面に付着したシリコーングリースをスポンジ製のたわし
を用いて水で洗浄した。続いて、供試体を20℃の静水
中で7日間養生した。
【0124】(長さ変化の測定)JIS A 1129
に習ってダイヤルゲージ(西日本試験機社製)を使用し
た。静水中で7日間養生した供試体の表面の水を紙タオ
ルで拭き取った後、直ちに測長し、この時点を基準とし
た。その後、供試体は温度20℃、湿度60%に設定し
た恒温恒湿器に保存し、適時測長した。長さ変化の測定
結果を表1に示す。
【0125】
【表1】
【0126】(試験結果)表1は、得られたフレッシュ
モルタルの性状を示す。ここで、モルタルの流動性をあ
る程度確保するために、一定量の高性能AE減水剤を使
用した。高性能AE減水剤としてはアクアロックFC−
900(商品名、日本触媒社製、ポリカルボン酸系)を
使用した。その結果、すべての試験において110mm
以上の流動性が確保できた。また空気量が多いと乾燥収
縮が大きくなり、見かけ上の長さ変化が大きくなること
が懸念される。そこで、消泡剤を適宜加えることによっ
て空気量を調整した。
【0127】表1は、基準日(水中養生終了日)からの
収縮長さ(μm)を表す。この数値が小さい程、収縮量
が小さいことを示し、収縮による構造体のひび割れが防
止できると考えられる。
【0128】以下に、表1の28日目の結果を用いて表
1の内容を説明する。比較例1は、収縮低減を目的とす
る添加剤を添加せずに作製した供試体の長さ変化量であ
り、16cmの供試体が159μm収縮したことを示
す。比較例2は、市販の収縮低減剤:テトラガードAS
21(商品名、太平洋セメント社製)を添加した結果を
示し、1%の添加によって収縮が130μmに抑えら
れ、2%の添加によって122μmに抑えられることを
示す。比較例1と比べると、1%の添加で収縮低減量は
29μm、2%の添加で収縮低減量は37μmであり、
添加量が多いほど収縮低減効果が大きいことを示す。
【0129】比較例7と比較例8についても同様のこと
が言える。比較例1と比べると、1%の添加で収縮低減
量は18μm、2%の添加で収縮低減量は38μmであ
り、添加量が多いほど収縮低減効果が大きいことがわか
る。
【0130】実施例1は、比較例5及び比較例6で使用
したソフタノール30(商品名、日本触媒社製)を原料
として合成した本発明の添加剤1を用いた結果である。
比較例1(無添加)に比べて収縮が低減されており、更
に原料であるソフタノール30を用いた比較例5及び比
較例6に比べて半分以下の添加量で、原料を収縮低減剤
として用いた場合を凌ぐ収縮低減効果があることを示
す。
【0131】実施例2及び実施例3は、比較例7及び比
較例8で用いたポリエーテル(中間体b)を原料として
合成した添加剤2を用いた結果である。比較例1(無添
加)に比べて収縮が低減されている。更に、原料である
中間体bを2%(対セメント)用いた比較例8で収縮が
38μm低減されているのに対して、実施例3では1%
(対セメント)用いて収縮が42μm低減されており、
本発明の添加剤は、半分の添加量で原料と同等の収縮低
減効果があることが分かる。
【0132】実施例4 製造例3で得られた添加剤3を用いて、上述した方法に
よりモルタルを練り、供与体を作製して長さ変化を測定
することにより収縮低減性能(ひび割れ防止性能)を評
価した。結果を表2に示した。
【0133】比較例9 収縮低減剤を添加しなかった。 比較例10 製造例3で得られたテトラガードAS21(商品名、太
平洋セメント社製)の脱水品を、比較用添加剤1とし
た。
【0134】
【表2】
【0135】実施例4は、比較例10で用いたテトラガ
ードAS21(商品名、太平洋セメント社製)の脱水品
を原料として合成した本発明の添加剤3を用いた結果で
ある。比較例9(無添加)に比べて収縮が低減されてお
り、更に原料であるテトラガードAS21(商品名、太
平洋セメント社製)の脱水品を用いた比較例10に比べ
て半分以下の添加量で、原料を収縮低減剤として用いた
場合を凌ぐ収縮低減効果があることを示す。
【0136】製造例4 温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガ
ラス製反応容器に、ソフタノール30(商品名、日本触
媒社製)を105.0部及びマレイン酸23.3部を仕
込んで、窒素気流下125±5℃まで加温して溶融混合
した。次に、温度を125±5℃に保ちながら、アクリ
ル酸21.7部及びt−ブチルパーオキシイソプロピル
カーボネート・パーブチルI(商品名、日本油脂社製)
4.9部とを別々に1時間にわたって連続的に滴下し、
その後125±5℃に保ちながら1時間攪拌を続け、グ
ラフト重合体4を得た。
【0137】グラフト重合体4を6.6部に、水71.
4部、水酸化ナトリウム水溶液(30%水溶液)2.9
部を加えることにより、グラフト重合体4のナトリウム
塩水溶液を得た。これを添加剤4と称する。得られた添
加剤4は、pH7.0、固形分8.5%の淡黄色白濁溶
液であり、室温で静置すると白色の不溶分が浮遊・分離
した。この添加剤を使用する際には、よく振って均一に
してから使用した。
【0138】製造例5 温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガ
ラス製反応容器に、ソフタノール70H(商品名、日本
触媒社製、炭素数12〜14の2級アルコールのEO平
均7モル付加品)、120.0部及びマレイン酸15.
5部を仕込んで、窒素気流下125±5度まで加温して
溶融混合した。次に、温度を125±5℃に保ちなが
ら、アクリル酸14.5部及びt−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート・パーブチルI(商品名、日本
油脂社製)3.3部とを別々に1時間にわたって連続的
に滴下し、その後125±5℃に保ちながら1時間攪拌
を続け、グラフト重合体5を得た。
【0139】グラフト重合体5を12.7部に、水10
8.1部、水酸化ナトリウム水溶液(30%水溶液)
3.9部を加えることにより、グラフト重合体5のナト
リウム塩水溶液を得た。これを添加剤5と称する。得ら
れた添加剤5は、pH7.0、固形分10.4%の淡黄
色透明溶液であり、室温で短くとも1ヶ月間は分離しな
かった。
【0140】実施例5及び実施例6 以上のようにして得られた添加剤を用いて、上述した方
法によりモルタルを練り、供試体を作製して長さ変化を
測定することにより収縮低減性能(ひび割れ防止性能)
を評価した。結果を表3に示した。
【0141】比較例11 収縮低減剤を添加しなかった。 比較例12 ソフタノール30(商品名、日本触媒社製)を、比較用
添加剤3とした。 比較例13 ソフタノール70H(商品名、日本触媒社製)を、比較
用添加剤5とした。 比較例14 製造例3で得られたテトラガードAS21(商品名、太
平洋セメント社製)の脱水品を、比較用添加剤1とし
た。比較例11〜14の結果を表3に示した。
【0142】
【表3】
【0143】実施例5は、比較例12で用いたソフタノ
ール30(商品名、日本触媒社製)を原料として合成し
た本発明の添加剤4を用いた結果であり、実施例6は、
比較例13で用いたソフタノール70H(商品名、日本
触媒社製)を原料として合成した本発明の添加剤5を用
いた結果である。比較例11(無添加)や市販の低減収
縮剤(比較用添加剤1)を用いた比較例14に比べて収
縮が低減されており、更に原料であるソフタノール30
やソフタノール70Hを用いた比較例12や比較例13
に比べて半分以下の添加量で、原料を収縮低減剤として
用いた場合を凌ぐ収縮低減効果があることを示す。
【0144】製造例6 温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガ
ラス製反応容器に、ソフタノールEP90150(商品
名、日本触媒社製、炭素数12〜14の2級アルコール
のEO平均9モルプロピレンオキサイド(PO)平均1
5モル付加品)320.0部及びマレイン酸41.3部
を仕込んで、窒素気流下125±5℃まで加温して溶融
混合した。次に、温度を125±5℃に保ちながら、ア
クリル酸38.7部及びt−ブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート・パーブチルI(商品名、日本油脂社
製)8.8部とを別々に1時間にわたって連続的に滴下
し、その後125±5℃に保ちながら1時間攪拌を続
け、グラフト重合体6を得た。
【0145】グラフト重合体6を16.0部に、水9
0.3部、水酸化ナトリウム水溶液(30%水溶液)
4.8部を加えることにより、グラフト重合体6のナト
リウム塩水溶液を得た。これを添加剤6と称する。得ら
れた添加剤6は、pH7.4、固形分15.3%の淡黄
色白濁溶液であり、室温で静置すると白色の不溶分が浮
遊・分離した。この添加剤を使用する際には、よく振っ
て均一にしてから使用した。
【0146】製造例7 温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガ
ラス製反応容器に、ソフタノールEP90150(商品
名、日本触媒社製)、141.0部及びマレイン酸4.
7部を仕込んで、窒素気流下125±5℃まで加温して
溶融混合した。次に、温度を125±5℃に保ちなが
ら、アクリル酸4.3部及びt−ブチルパーオキシイソ
プロピルカーボネート・パーブチルI(商品名、日本油
脂社製)1.0部とを別々に1時間にわたって連続的に
滴下し、その後125±5℃に保ちながら1時間攪拌を
続け、グラフト重合体7を得た。
【0147】グラフト重合体7を44.9部に、水8
2.4部、水酸化ナトリウム水溶液(30%水溶液)
1.9部を加えることにより、グラフト重合体7のナト
リウム塩水溶液を得た。これを添加剤7と称する。得ら
れた添加剤7は、pH7.1、固形分32.9%の淡黄
色白濁溶液であり、室温で静置すると白色の不溶分が浮
遊・分離した。この添加剤を使用する際には、よく振っ
て均一にしてから使用した。
【0148】製造例8 温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガ
ラス製反応容器に、ソフタノールEP7085(商品
名、日本触媒社製、炭素数12〜14の2級アルコール
のEO平均7モルPO平均8.5モル付加品)、12
0.0部及びマレイン酸15.5部を仕込んで、窒素気
流下125±5℃まで加温して溶融混合した。次に、温
度を125±5℃に保ちながら、アクリル酸14.5部
及びt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート・
パーブチルI(商品名、日本油脂社製)3.3部とを別
々に1時間にわたって連続的に滴下し、その後125±
5℃に保ちながら1時間攪拌を続け、グラフト重合体8
を得た。
【0149】グラフト重合体8を25.1部に、水5
1.2部、水酸化ナトリウム水溶液(30%水溶液)
6.4部を加えることにより、グラフト重合体8のナト
リウム塩水溶液を得た。これを添加剤8と称する。得ら
れた添加剤8は、pH7.3、固形分31.0%の淡黄
色白濁溶液であり、室温で静置すると白色の不溶分が浮
遊・分離した。この添加剤を使用する際には、よく振っ
て均一にしてから使用した。
【0150】実施例7、実施例8及び実施例9 以上のようにして得られた添加剤を用いて、上述した方
法によりモルタルを練り、供試体を作製して長さ変化を
測定することにより収縮低減性能(ひび割れ防止性能)
を評価した。結果を表4に示した。
【0151】比較例15 収縮低減剤を添加しなかった。 比較例16 ソフタノールEP90150(商品名、日本触媒社製)
を、比較用添加剤6とした。 比較例17 ソフタノールEP7085(商品名、日本触媒社製)
を、比較用添加剤7とした。 比較例18 製造例3で得られたテトラガードAS21(商品名、太
平洋セメント社製)の脱水品を、比較用添加剤1とし
た。比較例15〜18の結果を表4に示した。
【0152】
【表4】
【0153】実施例7及び実施例8は、比較例16で用
いたソフタノールEP90150(商品名、日本触媒社
製)を原料として合成した本発明の添加剤6を用いた結
果であり、実施例9は、比較例17で用いたソフタノー
ルEP7085(商品名、日本触媒社製)を原料として
合成した本発明の添加剤7を用いた結果である。比較例
15(無添加)や市販の低減収縮剤(比較用添加剤1)
を用いた比較例18に比べて収縮が低減されており、更
に原料であるソフタノールEP90150やソフタノー
ルEP7085を用いた比較例16や比較例17に比べ
て半分以下の添加量で、原料を収縮低減剤として用いた
場合を凌ぐ収縮低減効果があることを示す。
【0154】製造例9 温度計、攪拌機、窒素導入管及び圧力計を備えたステン
レス製の圧力容器に1,6−ヘキサンジオール(和光純
薬工業社製)177.3部及び水酸化ナトリウム0.3
部を仕込み、攪拌下に圧力容器内を窒素置換し、圧力容
器内を100±5℃に加熱した。次に、温度115±7
℃、圧力2.0×10-1〜7.0×10-1MPaとして
安全圧下でエチレンオキサイド493.5部を導入し、
熟成後、揮発分を除去して1,6−ヘキサンジオールの
エチレンオキサイド付加物である中間体cを得た。中間
体cの水酸基価から分子量を測定したところ444.1
であった。これより1,6−ヘキサンジオールへのエチ
レンオキサイド平均付加数は7.4であることが算出さ
れた。
【0155】温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却
器を備えたガラス製反応容器に、中間体cを、120.
0部及びマレイン酸15.5部を仕込んで、窒素気流下
125±5℃まで加温して溶融混合した。次に、温度を
125±5℃に保ちながら、アクリル酸14.5部及び
ジ−t−ブチルパーオキサイド・パーブチルD(商品
名、日本油脂社製)2.5部とを別々に1時間にわたっ
て連続的に滴下し、その後125±5℃に保ちながら1
時間攪拌を続け、グラフト重合体9を得た。
【0156】グラフト重合体9を34.7部に、水6
8.2部、水酸化ナトリウム水溶液(30%水溶液)
8.7部を加えることにより、グラフト重合体9のナト
リウム塩水溶液を得た。これを添加剤9と称する。得ら
れた添加剤9は、pH7.1、固形分32.1%の淡黄
色透明溶液であり、室温で短くとも1ヶ月間は分離しな
かった。
【0157】製造例10 温度計、攪拌機、窒素導入管及び圧力計を備えたステン
レス製の圧力容器にグリセリン(和光純薬工業社製)9
2.1部及び水酸化ナトリウム0.1部を仕込み、攪拌
下に圧力容器内を窒素置換し、圧力容器内を100±5
℃に加熱した。次に、初期の50分は温度112.5±
7.5℃以後145±10℃、圧力3.4×10-1
7.0×10-1MPaとして安全圧下でエチレンオキサ
イド264.6部を導入し、熟成後、揮発分を除去して
グリセリンのエチレンオキサイド付加物である中間体d
を得た。中間体dの水酸基価から分子量を測定したとこ
ろ181.4であった。これよりグリセリンへのエチレ
ンオキサイド平均付加数は2.0であることが算出され
た。
【0158】温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却
器を備えたガラス製反応容器に、中間体dを、120.
0部及びマレイン酸15.5部を仕込んで、窒素気流下
125±5℃まで加温して溶融混合した。次に、温度を
125±5℃に保ちながら、アクリル酸14.5部及び
t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート・パー
ブチルI(商品名、日本油脂社製)3.3部とを別々に
1時間にわたって連続的に滴下し、その後125±5℃
に保ちながら1時間攪拌を続け、グラフト重合体10を
得た。
【0159】グラフト重合体10を30.4部に、水6
9.2部、水酸化ナトリウム水溶液(30%水溶液)
6.6部を加えることにより、グラフト重合体10のナ
トリウム塩水溶液を得た。これを添加剤10と称する。
得られた添加剤10は、pH6.9、固形分29.2%
の黄褐色透明溶液であり、室温で短くとも1ヵ月間は分
離しなかった。
【0160】製造例11 温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガ
ラス製反応容器に、ジェファーミンM−2005(商品
名、サンテクノケミカル社製、アミン末端ポリエーテ
ル、平均分子量2000、EO/PO=5/29(モル
比))を、129.0部及びマレイン酸10.9部を仕
込んで、窒素気流下125±5℃まで加温して溶融混合
した。次に、温度を125±5℃に保ちながら、アクリ
ル酸10.1部及びジ−t−ブチルパーオキサイド・パ
ーブチルD(商品名、日本油脂社製)1.8部とを別々
に1時間にわたって連続的に滴下し、その後125±5
℃に保ちながら1時間攪拌を続け、グラフト重合体11
を得た。
【0161】グラフト重合体11を51.6部に、水9
3.5部、水酸化ナトリウム水溶液(30%水溶液)1
0.1部を加えることにより、グラフト重合体11のナ
トリウム塩水溶液を得た。これを添加剤11と称する。
得られた添加剤9は、pH7.2、固形分34.1%の
黄褐色白濁溶液であり、室温で静置すると白色の不溶分
が浮遊・分離した。この添加剤を使用する際には、よく
振って均一にしてから使用した。
【0162】実施例10〜12 以上のようにして得られた添加剤を用いて、上述した方
法によりモルタルを練り、供試体を作製して長さ変化を
測定することにより収縮低減性能(ひび割れ防止性能)
を評価した。結果を表5に示した。
【0163】比較例19 収縮低減剤を添加しなかった。 比較例20 製造例9で得られた中間体cを、比較用添加剤8とし
た。 比較例21 製造例10で得られた中間体dを、比較用添加剤9とし
た。 比較例22 ジェファーミンM−2005(商品名、サンテクノケミ
カル社製)を、比較用添加剤10とした。 比較例23 製造例3で得られたテトラガードAS21(商品名、太
平洋セメント社製)の脱水品を、比較用添加剤1とし
た。比較例19〜23の結果を表5に示した。
【0164】
【表5】
【0165】実施例10は、比較例20で用いた中間体
cを原料として合成した本発明の添加剤9を用いた結果
であり、実施例11は、比較例21で用いた中間体dを
原料として合成した本発明の添加剤10を用いた結果で
あり、実施例12は、比較例22で用いたジェファーミ
ンM−2005(商品名、サンテクノケミカル社製)を
原料として合成した本発明の添加剤11を用いた結果で
ある。比較例19(無添加)や市販の低減収縮剤(比較
用添加剤1)を用いた比較例23に比べて収縮が低減さ
れており、更に原料である中間体c、中間体d及びジェ
ファーミンM−2005(商品名、サンテクノケミカル
社製)を用いた比較例20、比較例21及び比較例22
に比べて半分以下の添加量で、原料を収縮低減剤として
用いた場合を凌ぐ収縮低減効果があることを示す。
【0166】(減水性の簡易評価)太平洋セメント社製
の普通ポルトランドセメント400gと豊浦産標準砂8
00gとをホバート型モルタルミキサー:型番N−50
(商品名、ホバート社製)で30秒間低速で空練りした
後、表2に示す所定量の添加剤を秤量して水で希釈した
もの240gを添加し、3分間中速で混練することによ
りモルタルを得た。
【0167】得られたモルタルを、直ちに水平なテーブ
ルに置かれた内径53.5mm、高さ50mmのステン
レス製の中空円筒に摺り切りまで充填し、この円筒を静
かに鉛直に持ち上げた後にテーブルに広がったモルタル
の長径と短径をノギスで測定し、その平均値をモルタル
フロー値とした。なお、連行空気量が多いとフロー値が
見かけ上大きくなるので、連行空気量を一定にする必要
がある。そこで、適宜、空気連行剤(例えば、山宗化学
社製のヴィンソル(商品名))や消泡剤を用いた。な
お、空気量は得られたモルタルの容積、重量及び用いた
材料の比重から算出した。結果を表6に示す。
【0168】
【表6】
【0169】表7は、コンクリートの配合を示す。混和
剤を用いないプレーンコンクリート(配合1)から、単
位水量を18%減水した配合(配合2)にした際に、同
等のスランプ値を達成するに要する、高性能AE減水剤
の使用量は0.12%であった。なお、細骨材には大井
川水系陸砂(比重2.60、粗粒率=2.70)、粗骨
材には青梅産砕石(比重2.65、最大寸法20m
m)、セメントには太平洋セメント社製の普通ポルトラ
ンドセメント(比重3.16)を使用した。
【0170】
【表7】
【0171】比較例24は、高性能AE減水剤としてア
クアロックFC−900を0.12%(対セメント)使
用した結果である。アクアロックFC−900は、コン
クリートで単位水量を18%減水するためには0.12
%(対セメント)必要であった。この添加量を上述のモ
ルタルに適用した際には、フロー値が110mm、空気
量11±2容積%となって、均質なモルタルとなった。
【0172】実施例13は、添加剤1の減水性を簡易的
にモルタルで評価した結果である。添加剤1は、0.5
%(対セメント)使用したが74mmしか流れず、これ
より18%減水するに必要な添加量が0.5%以上であ
るか、そもそも18%減水できないかの何れかであるこ
とが分かった。
【0173】実施例14は、添加剤3の減水性を簡易的
にモルタルで評価した結果である。添加剤3は、0.5
%(対セメント)使用したが68mmしか流れず、これ
より18%減水するに必要な添加量が0.5%以上であ
るか、そもそも18%減水できないかの何れかであるこ
とが分かった。これらのことから、本発明の添加剤は優
れた収縮低減効果をもたらすが、減水性はないか、ある
いは、あったとしても小さいことが確認された。
【0174】
【発明の効果】本発明の水硬性材料用収縮低減剤は、上
述のような構成からなるので、セメントペースト、モル
タル、コンクリート等のセメント組成物等の水硬性材料
に適用して、水硬性材料への添加量を抑制して水硬性材
料の製造コストを抑制しつつ、硬化物の乾燥収縮の進行
を充分に抑制することにより優れたひび割れ防止効果を
発揮することにより硬化物の強度や耐久性を向上するこ
とができ、土木・建築構造物等の安全性を向上したり修
復コストを抑制したりすることができる、汎用性の高い
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 24/12 C04B 24/12 Z C08F 283/06 C08F 283/06 // C04B 103:60 C04B 103:60

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数2〜30の活性水素を1個もつ化
    合物の残基にカルボキシル基を有する側鎖をもつオキシ
    アルキレン鎖が1つ結合した構造を有する重合体
    (a)、炭素数4〜30の活性水素を2個もつ化合物の
    残基にカルボキシル基を有する側鎖をもつオキシアルキ
    レン鎖が1以上結合した構造を有する重合体(b)、炭
    素数1〜30の活性水素を3個以上もつ化合物の残基に
    カルボキシル基を有する側鎖をもつオキシアルキレン鎖
    が1以上結合した構造を有する重合体(c)、及び、ア
    ミン残基にカルボキシル基を有する側鎖をもつオキシア
    ルキレン鎖が1つ結合した構造を有する重合体(d)か
    らなる群より選択される少なくとも1種の重合体を含む
    ことを特徴とする水硬性材料用収縮低減剤。
  2. 【請求項2】 前記カルボキシル基を有する側鎖をもつ
    オキシアルキレン鎖は、下記一般式(1); 【化1】 (式中、R及びRは、同一若しくは異なって、水
    素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、又は、カルボキ
    シル基を有する側鎖を表す。Z及びZは、同一若
    しくは異なって、水素原子、又は、カルボキシル基を有
    する側鎖を表す。但し、カルボキシル基を有する側鎖
    は、不飽和カルボン酸系単量体を必須成分とするエチレ
    ン性不飽和単量体成分が重合して形成されてなる構造を
    有するものである。)で表される繰り返し単位を有する
    構造であり、該繰り返し単位は、カルボキシル基を有す
    る側鎖をもつ繰り返し単位を必須とすることを特徴とす
    る請求項1記載の水硬性材料用収縮低減剤。
  3. 【請求項3】 前記エチレン性不飽和単量体成分は、
    α,β−不飽和ジカルボン酸系単量体と(メタ)アクリ
    ル酸とを必須成分として含むことを特徴とする請求項2
    記載の水硬性材料用収縮低減剤。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の水硬性材料用
    収縮低減剤の製造方法であって、不飽和カルボン酸系単
    量体を必須成分とするエチレン性不飽和単量体成分をポ
    リエーテル化合物にグラフト重合して重合体を製造する
    工程を含むことを特徴とする水硬性材料用収縮低減剤の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ポリエーテル化合物は、炭素数2〜
    30の活性水素を1個もつ化合物のアルキレンオキサイ
    ド付加物、炭素数4〜30の活性水素を2個もつ化合物
    のアルキレンオキサイド付加物、炭素数1〜30の活性
    水素を3個以上もつ化合物のアルキレンオキサイド付加
    物、及び、アミンのアルキレンオキサイド付加物からな
    る群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴と
    する請求項4記載の水硬性材料用収縮低減剤の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 水硬性材料用収縮低減剤とセメント分散
    剤とを含んでなる水硬性材料用添加剤組成物であって、
    該水硬性材料用収縮低減剤は、炭素数1〜30の活性水
    素を1個もつ化合物の残基にカルボキシル基を有する側
    鎖をもつオキシアルキレン鎖が1つ結合した構造を有す
    る重合体(A)、炭素数1〜30の活性水素を2個もつ
    化合物の残基にカルボキシル基を有する側鎖をもつオキ
    シアルキレン鎖が1以上結合した構造を有する重合体
    (B)、炭素数1〜30の活性水素を3個以上もつ化合
    物の残基にカルボキシル基を有する側鎖をもつオキシア
    ルキレン鎖が1以上結合した構造を有する重合体
    (C)、及び、アミン残基にカルボキシル基を有する側
    鎖をもつオキシアルキレン鎖が1つ結合した構造を有す
    る重合体(D)からなる群より選択される少なくとも1
    種の重合体を含むことを特徴とする水硬性材料用添加剤
    組成物。
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