JPWO2012173218A1 - グラフト重合体、その製造方法及びセメント混和剤 - Google Patents
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Abstract
Description
発明(1):グリセリン類に、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルを含む単量体成分をグラフト重合させて得られるセメント混和剤用グラフト重合体。
発明(2):グリセリン類に、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルを含む単量体成分をグラフト重合させて得られるグラフト重合体であって、該グラフト重合体は、グリセリン類と、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルとの質量比(グリセリン類/イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルの総量)が、1/99〜99/1であるグラフト重合体。
発明(3):上記セメント混和剤用グラフト重合体を含むセメント混和剤。
発明(4):上記グラフト重合体を含むセメント混和剤。
発明(5):上記セメント混和剤、セメント及び水を含むセメント組成物。
発明(6):グリセリン類に、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルを含む単量体成分をグラフト重合させて得られるグラフト重合体を製造する方法であって、該製造方法は、グリセリン類に、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルを含む単量体成分をグラフト重合させるグラフト重合工程を有し、該グラフト重合工程は、重合開始剤の存在下、実質的に溶媒を用いず、100℃以上の温度で行うグラフト重合体の製造方法。
以下に本発明を詳述する。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2つ又は3つ以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態である。
本発明のグラフト重合体は、グリセリン類に、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルを含む単量体成分をグラフト重合させて得られるものであり、具体的には、グリセリン類に、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルに由来するイオン性基含有単量体単位がグラフト結合された構造を有する。グリセリン類及び単量体成分は、それぞれ、1種のものを使用してもよいし、2種以上のものを使用してもよい。このような本発明のグラフト重合体は、後述するようにセメント混和剤用途に特に有用であるが、このようにグリセリン類に、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルを含む単量体成分をグラフト重合させて得られるセメント混和剤用グラフト重合体は、本発明の1つである。
なお、本発明のグラフト重合体は、おそらく、グリセリン類を構成する炭素原子の少なくとも1つに、イオン性基含有単量体単位が結合した構造を持つものと推測される。
なお、グリセリン類に上記単量体成分がグラフト重合されていることは、例えば、キャピラリー電気泳動法や、GPCにより確認することができる。
なお、重量平均分子量は、例えば、ポリエチレングリコール換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって、後述するGPC測定条件にて測定することができる。
上記グラフト重合体を構成するグリセリン類とは、1分子中に平均3個以上の水酸基を含有する化合物を意味し、炭素、水素及び酸素の3つの元素から構成される化合物であることが好ましい。このようなグリセリン類が有する水酸基の数は、3個以上が適当であるが、グラフト重合を行う際の重合性の観点から、100個以下であることが好適である。より好ましくは4〜50個、更に好ましくは5〜20個である。
上記グリセリン類はまた、不飽和結合を有しないことが好適である。
なお、上記グラフト重合体におけるグリセリン類に由来する骨格の結合形状は、直鎖状、環状又は分岐状のいずれであってもよいし、これらのうち2以上の結合形状を有するものであってもよい。
なお、バイオディーゼル燃料の製造時に生じる副生グリセリンの有効活用の観点からは、副生グリセリンや、それを用いたポリグリセリン及びポリグリセリンのアルキレンオキシド付加物を使用することが好適である。
なお、上記ポリグリセリンの中でも、本発明では、分岐状のポリグリセリンを用いることが好適である。すなわち、上記グリセリン類が分岐型ポリグリセリンである形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
ここで、「主である」とは、例えば、アルキレンオキシドの全量100モル%に対し、エチレンオキシドが50モル%以上であることが好ましい。より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。
なお、1つのアルキレンオキシド鎖が2種以上のアルキレンオキシドから構成される場合、その結合形態はブロック状であってもよいし、ランダム状であってもよい。
なお、重量平均分子量は、例えば、ポリエチレングリコール換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって、後述するGPC測定条件にて測定することができる。
上記単量体成分において、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルは、重合に供されて上記グラフト重合体中にイオン性基含有単量体単位を与えるものである。イオン性基含有単量体単位とは、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルに由来する構成単位を意味し、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルが有する不飽和二重結合部分(C=C)が、単結合(−C−C−)となった構造を意味する。
上記イオン性基含有単量体としては、カチオン性基含有単量体であってもよいし、アニオン性基含有単量体であってもよいが、後述するようにアニオン性基含有単量体であることが好ましい。
ここで、カルボキシル基及び/又はカルボン酸塩を含むとは、−COOZ(Zは、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)で表される基を、1分子中に1個又は2種以上有することを意味する。金属原子としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等の1価金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の2価金属;アルミニウム等の3価金属;鉄等のその他の金属;等が挙げられる。また、有機アミン基としては、例えば、モノエタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基;モノエチルアミン基、ジエチルアミン基、トリエチルアミン基等のアルキルアミン基;エチレンジアミン基、トリエチレンジアミン基等のポリアミン基等が挙げられる。上記カルボン酸塩としては、これらの中でも、アンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩が好ましく、より好ましくはナトリウム塩である。
なお、このアルキレンオキシド付加物として具体的には、上記1価アルコール類にアルキレンオキシドを付加反応して得られる、(アルコキシ)(ポリ)アルキレングリコール類が挙げられる。この場合、上記アニオン性基含有単量体のエステルとしては、(アルコキシ)(ポリ)アルキレングリコールモノ/ジ(メタ)アクリレートが例示でき、例えば、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記単量体成分ではまた、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステル以外の単量体(「その他の単量体」とも称する。)を含んでもよい。すなわち上記グラフト重合体は、イオン性基含有単量体単位(イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルに由来する構成単位)だけでなく、その他の単量体単位を含むものであってもよい。その他の単量体単位とは、その他の単量体が有する不飽和二重結合部分が、単結合となった構造を意味する。
上記その他の単量体単位は、上記グリセリン類に由来する骨格に結合されていてもよいし、イオン性基含有単量体単位に結合されていてもよく、特に限定されるものではない。
ビニルアルコールアルキレンオキシド付加物、(メタ)アリルアルコールアルキレンオキシド付加物、3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、イソプレンアルコール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)アルキレンオキシド付加物、3−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−2−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物等の不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物;
上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素原子数23〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド類;マレアミン酸と炭素原子数5〜18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフアミド類;
メチル(メタ)アクリルアミドのように不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン等のジエン類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類。
本発明のグラフト重合体は、例えば、グリセリン類に、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルを含む単量体成分をグラフト重合させるグラフト重合工程を有する製造方法により得ることができ、このような製造方法もまた、本発明の1つである。
なお、グラフト重合工程に供する単量体成分が、イオン性基含有単量体のエステルを含む場合は、上記グラフト重合工程後に、エステル基を加水分解させる加水分解工程を行うことが好適である。
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;
tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、2−(4−メチルシクロヘキシル)−プロパンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;
ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)p−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)p−イソプロピルヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;
tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシビバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルエキサノエート、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシマレイン酸、クミルパーオキシオクトエート、tert−ヘキシルパーオキシビバレート、tert−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート等のパーオキシエステル類;
アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノイルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;
ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−アリルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類;
アセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアリルカーボネート等のその他の有機過酸化物類等。
なお、重合開始剤は、予めグリセリン類に添加しておくこともできるが、単量体成分に添加しておいたり、単量体成分と同時に反応系に添加したりすることもできる。
なお、重合開始剤や単量体成分の添加のために溶剤を使用する場合には、その量を極力少なくすることが好ましく、例えば、反応系の全量100質量%に対して1質量%以下にするか、又は、添加後、反応系からただちに留去することが好適である。
なお、重合は、回分式でも連続式でも行うことができる。
上記塩基としては特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム等の1価金属又は2価金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウム等の1価金属又は2価金属の炭酸塩;アンモニア;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン塩等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。また、溶剤としては、水が好ましく使用される。
本発明のセメント混和剤は、上記グラフト重合体を含むが、この場合、上記グラフト重合体中のイオン性基含有単量体単位におけるイオン性基(カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等)が、セメント粒子を吸着する吸着基として作用し、グリセリン類がセメント粒子を分散させる分散基として作用すると考えられ、これらの相互作用に起因して、高いセメント分散性能(減水性能)を発揮できると推測される。
上記他の添加剤は、通常、セメント分野で使用されるものであればよく特に限定されないが、例えば、減水剤、AE減水剤、流動化剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、増粘剤、消泡剤、収縮低減剤、膨張剤、防錆剤、強度増進剤、防カビ剤、セメント分散剤、AE(空気連行)剤、セメント湿潤剤、水溶性高分子物質、防水剤、硬化遅延剤、硬化促進剤、急結剤、凝集剤等が挙げられる。これらは1種類のみを用いてよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、その配合割合は特に限定されるものではない。
本発明のセメント組成物は、上記セメント混和剤、セメント及び水を必須成分として含むが、セメントとしては、例えば、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形);各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント);白色ポルトランドセメント;アルミナセメント;超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント);グラウト用セメント;油井セメント;低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント);超高強度セメント;セメント系固化材;エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)等の他、これらに高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添加したもの等が挙げられる。
上記セメント組成物はまた、必要に応じて骨材を含んでもよい。骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材等の他、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材等が挙げられる。
(固形分測定方法)
1、アルミ皿を精秤する。
2、1で精秤したアルミ皿に固形分測定物を精秤する。
3、窒素雰囲気下130℃に調温した乾燥機に、2で精秤した固形分測定物を1時間入れる。
4、1時間後、乾燥機から取り出し、室温のデシケーター内で15分間放冷する。
5、15分後、デシケーターから取り出し、アルミ皿+測定物を精秤する。
6、5で得られた質量から1で得られたアルミ皿の質量を差し引き、2で得られた固定分の質量を除することで固形分を測定する。
装置:Waters社製、Waters Alliance(2695)
解析ソフト:Waters社製、Empowerプロフェッショナル+GPCオプション
使用カラム:東ソー社製
・TSKguard column α
・TSKgel α―3000
・TSKgel α―4000
・TSKgel α―5000
検出器:示差屈折率計(RI)検出器(Waters社製、Waters 2414)
溶離液:100mMホウ酸水溶液14304gに50mM水酸化ナトリウム水溶液96gとアセトニトリル3600gを混合した溶媒
較正曲線作成用標準物質:ポリエチレングリコール[ピークトップ分子量(Mp)300000、200000、107000、50000、27700、11840、6450、1470、1010、400]
較正曲線:上記ポリエチレングリコールのMp値と溶出時間とを基礎にして3次式で作成
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
測定時間:60分
試料液注入量:100μL(試料濃度0.5wt%の溶離液調製溶液)
装置:P/ACE MDQ(Beckman Coulter社製)
キャピラリー:eCAP Capillary Tubing(Beckman Coulter社製)、長さ57cm、有効長50cm、内径 75μm
検出器:PDA Detector(Beckman Coulter社製)
緩衝液:四ホウ酸ナトリウム十水和物を50mMになるように精製水に溶かして泳動液とした。
−電気泳動条件−
泳動液の充填及びキャピラリー内の平衡化:加圧法(1min)
試料導入:加圧法(0.5psi:5sec)
印加電圧:20kV
キャピラリー温度:25℃
検出波長:210nm
温度計、攪拌機、真空ポンプ接続菅を備えたガラス製反応容器に、重合度6のポリグリセリン(阪本薬品工業社製、#500)を入れ、128℃、減圧下で加熱脱水を行った(これを「脱水ポリグリセリン」と称す。)。
温度計、攪拌機、窒素導入菅、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、脱水ポリグリセリンを80g仕込んで、窒素気流下、加熱し、攪拌下128℃まで昇温した。次に窒素雰囲気下、温度を128℃〜130℃に保ちながら、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(日油社製:パーブチルI)2.0g、アクリル酸20gを別々に3.5時間にわたって連続的に滴下した。滴下終了後すぐに冷却し、蒸留水100gを加え充分に攪拌し、グラフト重合体の水溶液を得た。その後、得られたグラフト重合体水溶液を限外濾過膜(ザルトリウス・ステディム・ジャパン社製、VIVASPIN20 MWCO3000)を用いて、精製することで実施例1のポリマーを得た。
実施例1で得たグラフト重合体の水溶液を用いて、以下のようにしてモルタルを調製し、初期の空気量及び15打フロー値を測定した(実施例1−1〜1−2)。また、比較のため、ポリグリセリン(阪本薬品工業社製、#500)のみを用いた例(比較例1−1)、リグニンスルホン酸ナトリウム(No.70、BASFポゾリス社製)のみを用いた例(比較例2−1〜2−3)、及び、プレーン(水のみ。添加剤なし。)(比較例3−1)についても、初期の空気量及び15打フロー値を測定した。結果を表1に示す。また、表1の結果をグラフ化したものを図3に示す。
なお、モルタル試験では、プレーン(比較例3−1)を除き、消泡剤としてMA−404(BASFポゾリス社製)を有姿で10質量%対各成分固形分となる量を、各成分に添加した。
モルタル試験は、温度が20℃±1℃、相対湿度が60%±10%の環境下で行った。
モルタル配合は、C/S/W=550/1350/225(g)とした。
ただし、
C:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
S:セメント強さ試験用標準砂(セメント協会製)
W:本発明のグラフト重合体の水溶液(実施例1)、ポリグリセリン(比較例1)又はリグニンスルホン酸ナトリウム(比較例2)、及び、消泡剤のイオン交換水溶液
Wとして、表1に示した添加量の各成分を量り採り、消泡剤MA−404を有姿で各成分の固形分に対して10質量%加え、更にイオン交換水を加えて所定量とし、充分に均一溶解させた。表1において、各成分の添加量は、セメント質量に対する各成分の固形分の質量%で表されている。
ホバート型モルタルミキサー(型番N−50;ホバート社製)にステンレス製ビーター(撹拌羽根)を取り付け、C、Wを投入し、1速で30秒間混練した。更に1速で混練しながら、Sを30秒かけて投入した。S投入終了後、2速で30秒間混練することでモルタルを調製した。
モルタルを500mLのガラス製メスシリンダーに約200mL詰め、径8mmの丸棒で突き、手で軽く振動させて粗い気泡を抜いた。更にモルタルを約200mL加えて同様に気泡を抜いた後、モルタルの体積と質量を測り、各材料の密度から空気量を計算した。
モルタルを混練容器からポリエチレン製1L容器に移し、スパチュラで20回撹拌した後、直ちにフローテーブル(JIS R5201−1997に記載)に置かれたフローコーン(JIS R5201−1997に記載)に半量詰めて15回つき棒で突き、更にモルタルをフローコーンのすりきりいっぱいまで詰めて15回つき棒で突き、最後に不足分を補い、フローコーンの表面をならした。その後、直ちにフローコーンを垂直に引き上げ、広がったモルタルの直径(最も長い部分の直径(長径)及び前記長径に対して90度をなす部分の直径)を2箇所測定し、その平均値を0打フロー値とした。0打フロー値を測定後、直ちに15秒間に15回の落下運動を与え、広がったモルタルの直径(最も長い部分の直径(長径)及び前記長径に対して90度をなす部分の直径)を2箇所測定し、その平均値を15打フロー値とした。15打フロー値は、数値が大きいほど分散性能が優れている。
なお、下記の表1〜3において、実施例の15打フロー値は、各実施例で得た重合体水溶液の有効成分量換算で評価している。有効成分換算添加量とは、「有効成分換算添加量=固形分換算添加量/有効成分比率」から求められる値である。一方、比較例の15打フロー値は、固形分換算で評価しているが、これは、有効成分が100質量%(すなわち有効成分比率=1)であるため、固形分換算添加量と、有効成分換算添加量とが、等しいことに基づく。
温度計、攪拌機、真空ポンプ接続菅を備えたガラス製反応容器に、平均重合度10のポリグリセリン(阪本薬品工業社製、#750)を入れ、128℃、減圧下で加熱脱水を行った(これを「脱水ポリグリセリン」と称す。)。
温度計、攪拌機、窒素導入菅、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、脱水ポリグリセリンを95.3g仕込んで、窒素気流下、加熱し、攪拌下128℃まで昇温した。次に窒素雰囲気下、温度を128℃〜130℃に保ちながら、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(日油社製:パーブチルI)4.38g、アクリル酸(AA)23.84gを別々に3.5時間にわたって連続的に滴下した。滴下終了後すぐに冷却し、蒸留水を加え充分に攪拌し、グラフト重合体(実施例2)の水溶液を得た。その後、GPCによる分析結果において、有効成分と未反応ポリグリセリンの面積比率が、有効成分:ポリグリセリン=41.6:58.4であったことから、有効成分を41.6質量%とした。
なお、仕込み単量体組成比(質量比、グリセリン類/AA)は、80/20であった。
温度計、攪拌機、真空ポンプ接続菅を備えたガラス製反応容器に、平均重合度20のポリグリセリン(ダイセル社製、PGL 20PW)を入れ、128℃、減圧下で加熱脱水を行った(これを「脱水ポリグリセリン」と称す。)。
温度計、攪拌機、窒素導入菅、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、脱水ポリグリセリンを96.2g仕込んで、窒素気流下、加熱し、攪拌下128℃まで昇温した。次に窒素雰囲気下、温度を128℃〜130℃に保ちながら、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(日油社製:パーブチルI)2.2g、アクリル酸(AA)10.7gを別々に3.5時間にわたって連続的に滴下した。滴下終了後すぐに冷却し、蒸留水を加え充分に攪拌し、グラフト重合体(実施例3)の水溶液を得た。その後、GPCによる分析結果において、有効成分と未反応ポリグリセリンの面積比率が、有効成分:ポリグリセリン=39.6:60.4であったことから、有効成分を39.6質量%とした。
なお、仕込み単量体組成比(質量比、グリセリン類/AA)は、90/10であった。
温度計、攪拌機、真空ポンプ接続菅を備えたガラス製反応容器に、平均重合度40のポリグリセリン(ダイセル社製、PGL X)を入れ、128℃、減圧下で加熱脱水を行った(これを「脱水ポリグリセリン」と称す。)。
温度計、攪拌機、窒素導入菅、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、脱水ポリグリセリンを101.3g仕込んで、窒素気流下、加熱し、攪拌下128℃まで昇温した。次に窒素雰囲気下、温度を128℃〜130℃に保ちながら、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(日油社製:パーブチルI)1.2g、アクリル酸(AA)11.3gを別々に3.5時間にわたって連続的に滴下した。滴下終了後すぐに冷却し、蒸留水を加え充分に攪拌し、グラフト重合体(実施例4)の水溶液を得た。その後、GPCによる分析結果において、有効成分と未反応ポリグリセリンの面積比率が、有効成分:ポリグリセリン=41.4:58.6であったことから、有効成分を41.4質量%とした。
なお、仕込み単量体組成比(質量比、グリセリン類/AA)は、90/10であった。
温度計、攪拌機、圧力計を備えた圧力容器に、平均重合度20のポリグリセリン(ダイセル社製、PGL 20PW)を250.0g、水酸化ナトリウム1.2gを入れ、攪拌しながら、窒素で充分に置換した後、温度を150℃まで昇温した。次いで、エチレンオキサイド744.1gをゆっくりと添加しながら反応させ、全て添加してから同温度で30分間熟成させ、ポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物(PGL−20PW+5EO)を得た。
温度計、攪拌機、窒素導入菅、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、製造例1で得たポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物(PGL−20PW+5EO)80.35gを仕込んで、窒素気流下、加熱し、攪拌下128℃まで昇温した。次に窒素雰囲気下、温度を128℃〜130℃に保ちながら、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(日油社製:パーブチルI)0.6g、アクリル酸(AA)8.4gを別々に3.5時間にわたって連続的に滴下した。滴下終了後すぐに冷却し、蒸留水を加え充分に攪拌し、グラフト重合体(実施例5)の水溶液を得た。その後、GPCによる分析結果において、有効成分と未反応ポリグリセリンの面積比率が、有効成分:ポリグリセリン=66.7:33.3であったことから、有効成分を66.7質量%とした。
なお、仕込み単量体組成比(質量比、グリセリン類/AA)は、90/10であった。
実施例2〜5で得たグラフト重合体の水溶液の各々を用い、実施例1と同様にしてモルタルを調製し、初期の空気量及び15打フロー値を測定した。なお、実施例2−1〜2−2では、実施例2で得たグラフト重合体の水溶液を使用し、実施例3−1〜3−2では、実施例3で得たグラフト重合体の水溶液を使用し、実施例4−1〜4−2では、実施例4で得たグラフト重合体の水溶液を使用し、実施例5−1〜5−2では、実施例5で得たグラフト重合体の水溶液を使用した。また、比較のため、プレーン(水のみ。添加剤なし。)(比較例3−2)、ポリグリセリン#750(阪本薬品工業社製)のみを用いた例(比較例4−1、4−2)、ポリグリセリンPGL 20PW(ダイセル社製)のみを用いた例(比較例5−1)、ポリグリセリンPGL X(ダイセル社製)のみを用いた例(比較例6−1、6−2)、製造例1で得たポリグリセリンのアルキレンオキサイド付加物(PGL−20PW+5EO)のみを用いた例(比較例7−1、7−2)についても、初期の空気量及び15打フロー値を測定した。結果を表2に示す。また、表2の結果をグラフ化したものを図4に示す。
なお、モルタル試験では、プレーン(比較例3−2)を除き、消泡剤としてMA−404(BASFポゾリス社製)を有姿で10質量%対各成分固形分となる量を、各成分に添加した。
温度計、攪拌機、真空ポンプ接続菅を備えたガラス製反応容器に、平均重合度6のポリグリセリン(阪本薬品工業社製 #500)を入れ、128℃、減圧下で加熱脱水を行った(これを「脱水ポリグリセリン」と称す。)。
温度計、攪拌機、窒素導入菅、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、脱水ポリグリセリンを119.9g仕込んで、窒素気流下、加熱し、攪拌下128℃まで昇温した。次に窒素雰囲気下、温度を128℃〜130℃に保ちながら、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(日油社製:パーブチルI)6.85g、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEA)30.0gを別々に3.5時間にわたって連続的に滴下した。滴下終了後すぐに冷却し、蒸留水を加え充分に攪拌し、グラフト重合体(実施例6)の水溶液を得た。その後、GPCによる分析結果において、有効成分と未反応ポリグリセリンの面積比率が、有効成分:ポリグリセリン=18.5:81.5であったことから、有効成分を18.5質量%とした。
なお、仕込み単量体組成比(質量比、グリセリン類/HEA)は、80/20であった。
温度計、攪拌機、真空ポンプ接続菅を備えたガラス製反応容器に、平均重合度10のポリグリセリン(阪本薬品工業社製 #750)を入れ、128℃、減圧下で加熱脱水を行った(これを「脱水ポリグリセリン」と称す。)。
温度計、攪拌機、窒素導入菅、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、脱水ポリグリセリンを94.5g仕込んで、窒素気流下、加熱し、攪拌下128℃まで昇温した。次に窒素雰囲気下、温度を128℃〜130℃に保ちながら、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(日油社製:パーブチルI)4.3g、アクリル酸(AA)17.3g、メタクリル酸(MAA)5.8gを別々に3.5時間にわたって連続的に滴下した。滴下終了後すぐに冷却し、蒸留水を加え充分に攪拌し、グラフト重合体(実施例7)の水溶液を得た。その後、GPCによる分析結果において、有効成分と未反応ポリグリセリンの面積比率が、有効成分:ポリグリセリン=25.3:74.7であったことから、有効成分を25.3質量%とした。
なお、仕込み単量体組成比(質量比、グリセリン類/AA/MAA)は、80/5/15であった。
温度計、攪拌機、真空ポンプ接続菅を備えたガラス製反応容器に、平均重合度6のポリグリセリン(阪本薬品工業社製 #750)を入れ、128℃、減圧下で加熱脱水を行った(これを「脱水ポリグリセリン」と称す。)。
温度計、攪拌機、窒素導入菅、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、脱水ポリグリセリンを90.9g、マレイン酸(MA)5.7gを仕込んで、窒素気流下、加熱し、攪拌下128℃まで昇温した。次に窒素雰囲気下、温度を128℃〜130℃に保ちながら、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(日油社製:パーブチルI)4.2g、アクリル酸(AA)17.1gを別々に3.5時間にわたって連続的に滴下した。滴下終了後すぐに冷却し、蒸留水を加え充分に攪拌し、グラフト重合体(実施例8)の水溶液を得た。その後、GPCによる分析結果において、有効成分と未反応ポリグリセリンの面積比率が、有効成分:ポリグリセリン=44.7:55.3であったことから、有効成分を44.7質量%とした。
なお、仕込み単量体組成比(質量比、グリセリン類/AA/MA)は、80/15/5であった。
温度計、攪拌機、真空ポンプ接続菅を備えたガラス製反応容器に、平均重合度6のポリグリセリン(阪本薬品工業社製 #750)を入れ、128℃、減圧下で加熱脱水を行った(これを「脱水ポリグリセリン」と称す。)。
温度計、攪拌機、窒素導入菅、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、脱水ポリグリセリン84.5g、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(AMPS)9.4gを仕込んで、窒素気流下、加熱し、攪拌下128℃まで昇温した。次に窒素雰囲気下、温度を128℃〜130℃に保ちながら、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(日油社製:パーブチルI)3.9gを3.5時間にわたって連続的に滴下した。滴下終了後すぐに冷却し、蒸留水を加え充分に攪拌し、グラフト重合体(実施例9)の水溶液を得た。その後、GPCによる分析結果において、有効成分と未反応ポリグリセリンの面積比率が、有効成分:ポリグリセリン=15.7:84.3であったことから、有効成分を15.7質量%とした。
なお、仕込み単量体組成比(質量比、グリセリン類/AMPS)は、80/20であった。
温度計、攪拌機、真空ポンプ接続菅を備えたガラス製反応容器に、平均重合度10のポリグリセリン(阪本薬品工業社製 #750)を入れ、128℃、減圧下で加熱脱水を行った(これを「脱水ポリグリセリン」と称す。)。
温度計、攪拌機、窒素導入菅、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、脱水ポリグリセリンを90.1g仕込んで、窒素気流下、加熱し、攪拌下128℃まで昇温した。次に窒素雰囲気下、温度を128℃〜130℃に保ちながら、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(日油社製:パーブチルI)4.1g、アクリル酸(AA)16.9g、(2−ヒドロキシエチル)メタクリレートアシッドホスフェート(JPA−514、城北化学工業社製)5.6gを別々に3.5時間にわたって連続的に滴下した。滴下終了後すぐに冷却し、蒸留水を加え充分に攪拌し、グラフト重合体(実施例10)の水溶液を得た。その後、GPCによる分析結果において、有効成分と未反応ポリグリセリンの面積比率が、有効成分:ポリグリセリン=28.5:71.5であったことから、有効成分を28.5質量%とした。
なお、仕込み単量体組成比(質量比、グリセリン類/AA/JPA−514)は、80/15/5であった。
実施例6〜10で得たグラフト重合体の水溶液の各々を用い、実施例1と同様にしてモルタルを調製し、初期の空気量及び15打フロー値を測定した。なお、実施例6−1〜6−2では、実施例6で得たグラフト重合体の水溶液を使用し、実施例7−1〜7−2では、実施例7で得たグラフト重合体の水溶液を使用し、実施例8−1〜8−2では、実施例8で得たグラフト重合体の水溶液を使用し、実施例9−1〜9−2では、実施例9で得たグラフト重合体の水溶液を使用し、実施例10−1〜10−3では、実施例10で得たグラフト重合体の水溶液を使用した。また、比較のため、プレーン(水のみ。添加剤なし。)(比較例3−3)、ポリグリセリン#500(阪本薬品工業社製)のみを用いた例(比較例1−2)、ポリグリセリン#750(阪本薬品工業社製)のみを用いた例(比較例4−3、4−4)についても、初期の空気量及び15打フロー値を測定した。結果を表3に示す。また、表3の結果をグラフ化したものを図5に示す。
なお、モルタル試験では、プレーン(比較例3−3)を除き、消泡剤としてMA−404(BASFポゾリス社製)を有姿で10質量%対各成分固形分となる量を、各成分に添加した。
Claims (17)
- グリセリン類に、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルを含む単量体成分をグラフト重合させて得られることを特徴とするセメント混和剤用グラフト重合体。
- 前記イオン性基含有単量体は、カルボン酸系単量体、スルホン酸系単量体及びリン酸系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体であることを特徴とする請求項1に記載のセメント混和剤用グラフト重合体。
- 前記イオン性基含有単量体は、モノカルボン酸系単量体及び/又はジカルボン酸系単量体であることを特徴とする請求項1に記載のセメント混和剤用グラフト重合体。
- 前記グラフト重合体は、グリセリン類と、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルとの質量比(グリセリン類/イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルの総量)が、60/40〜99/1であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセメント混和剤用グラフト重合体。
- 前記イオン性基含有単量体は、(メタ)アクリル酸系単量体であることを特徴とする請求項1〜4に記載のセメント混和剤用グラフト重合体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のセメント混和剤用グラフト重合体を含むことを特徴とするセメント混和剤。
- 請求項6に記載のセメント混和剤、セメント及び水を含むことを特徴とするセメント組成物。
- グリセリン類に、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルを含む単量体成分をグラフト重合させて得られるグラフト重合体であって、
該グラフト重合体は、グリセリン類と、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルとの質量比(グリセリン類/イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルの総量)が、1/99〜99/1であることを特徴とするグラフト重合体。 - 前記グリセリン類は、分岐型ポリグリセリンであることを特徴とする請求項8に記載のグラフト重合体。
- 前記グリセリン類は、アルキレンオキシド基を含む化合物であることを特徴とする請求項8に記載のグラフト重合体。
- 前記イオン性基含有単量体は、カルボン酸系単量体、スルホン酸系単量体及びリン酸系単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のグラフト重合体。
- 前記イオン性基含有単量体は、モノカルボン酸系単量体及び/又はジカルボン酸系単量体であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のグラフト重合体。
- 前記グリセリン類と、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルとの質量比(グリセリン類/イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルの総量)は、60/40〜99/1であることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載のグラフト重合体。
- 前記イオン性基含有単量体は、(メタ)アクリル酸系単量体であることを特徴とする請求項8〜13のいずれかにに記載のグラフト重合体。
- 請求項8〜14のいずれかに記載のグラフト重合体を含むことを特徴とするセメント混和剤。
- 請求項15に記載のセメント混和剤、セメント及び水を含むことを特徴とするセメント組成物。
- グリセリン類に、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルを含む単量体成分をグラフト重合させて得られるグラフト重合体を製造する方法であって、
該製造方法は、グリセリン類に、イオン性基含有単量体及び/又はそのエステルを含む単量体成分をグラフト重合させるグラフト重合工程を有し、
該グラフト重合工程は、重合開始剤の存在下、実質的に溶媒を用いず、100℃以上の温度で行うことを特徴とするグラフト重合体の製造方法。
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